1
畑 「先生」
津田 「またですか...」
畑 「あなたのコラム、人気なのよねー」
津田 「生徒会の仕事もあって忙しいんですよ」
畑 「そこをやりくりするのが作家の仕事よっ!」
津田 「作家ではありません」
畑 「ならいっそ生徒会をやめて新聞部に」
津田 「ないです」
2
畑 「でも人気があるってことは認められてるってことなのよー」
畑 「あの会長や七条さんだって濡れてたでしょーいろんなトコが」
津田 「あー涙のことですね」
畑 「あら、淡白なツッコミ...まさか...賢者モード?!」メモメモ
津田 「こーら誤った憶測をメモするなー」
津田 (でも確かに初めてコラム書いたときはちょっと自分に自信が持てたな...)
津田 (うーん...)
津田 「わかりました。じゃあ期限今週末までだったらいいですよ」
畑 「フッ...ちょろいわね」
津田 「オイコラ聞こえてるぞ」
3
津田 「...という会話を畑さんとしたのが今週の月曜日」
津田 「そして今日は金曜日の夜...」
津田 「あーやばいなー...すっかり忘れてた」
津田 「でも畑さんも何も言ってこなかったし、案外忘れてるかも...?」
津田 「(いやいや、任されたことを投げ出すのはダメだ)」
津田 「明日やろう...」
バタン!
コトミ「タカ兄―!」
津田 「コトミ、ノックぐらいしろよ」
コトミ「いやだって、『明日犯ろう』っていう声が聞こえたから!」
津田 「変換がおかしい」
4
津田 「もう遅いから寝ろよ、俺も今日はもう寝るところだからさ」
コトミ「ふーん...かいちょーにオヤスミコールはしないの?」
津田 「しないよ、迷惑だろこんな遅く」
コトミ「いや...迷惑じゃないと思うけど」
津田 「何言ってんの?」
コトミ「...」
コトミ「まあいいや、タカ兄、私明日トッキーと遊ぶから朝からいないよ」
津田 「ふーん、帰りは?」
コトミ「うーん、たぶん晩ゴハンもいらないかなー」
津田 「あんまり迷惑かけるなよ」
コトミ「大丈夫!私トッキーを導くものだから!」
津田 「ファンタジーの世界に帰ってくれ」
5
コトミ「じゃあおやすみー!」
津田 「ああ、おやすみ」
バタン
津田 「明日に備えてもう寝るかな」
カチッ(ライトoff)
津田 「エッセイか...」
津田 「...思いつかない...」
津田 「...」
津田 「...ZZZ」
人いねー
7
津田 「えっちょっと、えっ何で畑さんが?!」
畑 「来ちゃった☆」
津田 「いや、そのキャラじゃないでしょアンタ」
畑 「いやーん、お姉ちゃんじゃないのばれちゃった」
津田 「ていうか、明らかに不法侵入ですよね」
畑 「コトミちゃんの了承は得ました」
津田 「コトミのやつ...!」
畑 「ウソです、合鍵で入りました。コトミちゃんは30分前に外出済みです」
津田 「やっぱり不法侵入じゃねーか」
8
津田 「...わかってますよ、エッセイですよね」
津田 「ちゃんと今日書くつもりですから安心してください」
畑 「とか言って昨日の夜、私も忘れてるかもとか言わなかった?」
津田 「いや、あれは、...ちょっと待てーい、盗聴してるだろ!」
畑 「なんのことー?」
津田 「とにかく、ちゃんと書きますから!」
津田 「書いたら盗聴器すべて外してください」
畑 「おk」 ドサ
津田 「いや、この部屋でくつろがないでくださいよ、リビングにいてください」
畑 「残念、あなたがエッセイを書き終わるまでこのドアは開かないの」
津田 「なんか南京錠ついてる!」
9
津田 「書きますから、勘弁してくださいよ!...トイレとかどうするんですか!」
ドン(机にしびんを置く畑)
津田 「!!...いや朝食もまだですし!!」
ドン(机にbreakfastを置く畑)
津田 「しびんの隣に玉子焼とか味噌汁を置かないで!」
津田 「あーもう!!書きますよ!」
畑 「よろしい」
10
勉強机に向かう津田
津田 (とはいっても何にも思いつかねー...)
津田 (かといって早く書かないとヤバい、特に膀胱がヤバい)
津田 (最近読んだ小説から...)
津田 「...できました!」
畑 「ほおどれどれ...」
畑 「...」
畑 「やっつけ」
津田 「ギク」
畑 「しかもパクリ」
津田 「ギクギク」
11
クシャクシャポーイ
畑 「やり直し」
津田 「もう限界なんです!トイレ行かせてください!!」
畑 「大?」
津田 「小です!」
ゴトッ(しびん)
津田 「勘弁して!!」
畑 「原稿ができるまで鍵は開きません」
津田 「あっ...もう...」
12
津田 「もうお嫁にいけない...っていうか誰得だよコレ!!」
畑 「ホホホー病気にでもなればしびんぐらい使うわよー」
畑 「それに室内放尿したって事実がばれても、あなたは8人位のとこにお嫁に行けるわよー」
津田 「意味わかんねぇよ...とにかく動画は絶対消してください!」
畑 「原稿できたらねー」
その後津田は4時間監禁されたが、畑を満足させる原稿はできなかった。
13
畑 「うーん...これは作家によくあるスランプね」
津田 「いや、もうこんな精神状態じゃもういろいろ無理です」
畑 「だいたいあなたのエッセイは面白いけどいつも同じパターン!」
津田 「う...だってしょうがないじゃないですかネタなんか持ってないですし」
津田 「そんなに言うんだったら畑さんがネタをくださいよ」
畑 「前言ったわよねー」
畑 「読者層を考えれば受けるのは色恋沙汰!」
畑 「あなた、4Pの経験とかないの?」
津田 「いやもうそれ色恋沙汰の範囲にないだろ」
津田 「...あるわけないじゃないですか。そんな相手いないですし」
畑 「チッ...これだからEDは」
津田 「ひどい言われよう」
14
津田 「とにかく、そんな経験はないので恋愛モノは難しいです」
畑 「ほう...経験があれば書けると」
津田 「え?...ええまあそうかもしれないですが」
畑 「では疑似恋愛体験をしなさい」
津田 「いや...『しなさい』と言われても」
畑 「今すぐ天草会長にデートを申し込んで...あ、会長は今日は家族で遠出しているんでした」
津田 「え」
畑 「萩村さんを...あ彼女は今日は仏語検定受けてるわね」
津田 「...」
...
15
畑 「というわけで、今日フリーの女子はいませんねぇ」
津田 「なぜ俺の知る女子全員の予定を把握しているのかはもはやツッコまない...」
津田 「ていうか、畑さんの魂胆はわかりましたが、皆予定が入っているのなら無理ですよ」
畑 「そうねえ」
畑 「あ」
津田 「あ?」
畑 「私は今日フリーだわー」
津田 「え?...えー」
SYDはマイナーなのか…
面白く無いから人が来ないんじゃね?しらんけど
投下スピードも速いし帯までふってるし書き溜めてるのが見え見えなんや
ssを書くときは焦らさないとなかなかレスつかないお(´・ω・`)
16
畑 「では13時に津田家に戻ってくるので準備しておいてください」
津田 「えーと...畑さんとデートする準備ということでいいんですか?」
畑 「それ以外何があるの?」
津田 「なんというか...たぶん『疑似』恋愛すら無理かと...」
畑 「メディアを舐めないでちょうだい!!!」
津田 「ひいいいい!!」
畑 「尾行するとき変装することもある記者にとって、キャラづくりはお手の物なのよ!!」
津田 「うーん...まあ、一応待ってます」
畑 「GJ」
津田 「親指の位置おかしい」
津田 「行っちゃった...」
津田 「はぁ...もとはと言えば俺が悪いんだけど...気が進まないなぁ」
津田 「ていうか南京錠の鍵はほんとに無かったんだな。鋸で切るとは。」
17
津田 「もうそろそろ時間だ...玄関の外で待つか」
ガチャリ
ランコ「タカ君、おまたせ♪」
津田 「」
ランコ「どうしたの、タカ君?早く行こうよ!」
津田 「ちょ...」
ランコ「ちょ?」
津田 「ちょっと待てーい!!!」
ランコ「?」
津田 「なぜ甘めワンピなのかなぜリボンなのかなぜCV花○香菜なのか」
ランコ「もうっ!いっぺんに質問されてもわかんないよ」
そうか…
じゃあ全部書いてないから書いたとこまでがんばるよー
18
ランコ「...もうっ!私だってデートだったらおしゃれ位するよ!」
津田 「えっ...いや」
ランコ「失礼だなぁ」
津田 「あの...まあそうですよね。なんかすいません」
津田 (すげえよこの人。顔は同じなのに完全に別人だよ。)
津田 (ジャーナリズムぱねえよ。)
ランコ「あっ、今日は学校じゃないんだから敬語は禁止だよ」
津田 「えっあ、ハイ...うん」
ランコ「それと、今日は名前で呼ばなきゃ返事しないよ」
津田 「ランコ...さん?」
ランコ「ちゃん!」
津田 「ランコちゃん」
19
ランコ「じゃあ時間もったいないし、移動しよ」
津田 「う、うん」
津田 (状況に慣れるまで時間かかりそうだけどとりあえず合わせていくしかない)
津田 「ラ、ランコちゃん」
ランコ「なに?」
津田 「それで...どこ行くの?」
ランコ「うーん...ちょっと遠出して臨海部のアミューズメントパークなんてどうかな」
津田 「え、いいけどもう午後なのに遠くない?」
ランコ「もう、鈍いなータカ君は」
津田 「え?」
ランコ「近くで遊んでて学校の誰かに会ったらまずいでしょ」
20
ランコ「ただでさえタカ君は人気あるんだから、誰かに見られたら大変だよ」
津田 「はははははは(人気かどうかは別としていつも大変にしてるのはアナタでしょーが)」
ランコ「もう...今日はタカ君と全力で遊ぶんだからね///」
津田 「えっ...」
ドキ
ランコ「早く電車乗るよ!」
津田 「う、うん」
津田 (うーん、なんだこれ)
21
ランコ「室内のジェットコースターってのもなかなか面白いね」
津田 「う、うん」
ランコ「...」
津田 「?」
ランコ「ねえ...さっきから全然しゃべらないけど...つまらない?」
津田 「ち、違うよ。なんか...あまりの展開についていけないというか...」
ランコ「年上の女の子と二人で遊ぶのは...やっぱりつまらない?」
津田 「そ、そんなことないよ。そういう展開なんか多いし。」
ランコ「ふーん...やっぱり会長とかと二人で遊んだりするんだ」
津田 「...し、しまった!」
22
ランコ「?」
津田 「...って録音されてるのかと」
ランコ「失礼だなぁ、ジャーナリストだってOFFはあるんだよ」
津田 「そうなの?」
ランコ「そうだよ!」
津田 「普段の様子からは常に特ダネを追い求めてるように見えるんだけど」
ランコ「それはON」
ランコ「今はOFFだよ」
23
津田 「...」
津田 (あれ?そもそもなんで俺この人とデートしてるんだっけ?)
ぎゅっ
ランコ「タカ君」
津田 「えっ...手」
ランコ「あれ。」
津田 「『活き人形~紅の間~』…お化け屋敷かな」
ランコ「うん。行こう。」
津田 「うん...ってそんなに引っ張らないで」
...
津田 (暗闇の中で思いっきり抱きつかれた気がした)
24
ランコ「お腹すいたね」
津田 「うん」
ランコ「晩ゴハンも...一緒に食べたいな...ダメ?」
津田 「あ...(確かコトミは時さんと食べるとか言ってたな)...大丈夫だよ」
ランコ「...じー」
津田 「え?(すごい見られてる)」
ランコ「今、コトミちゃんのこと考えてたのかな?」
津田 「え?!そ、そうですけど、声に出したっけ俺...」
ランコ「タカ君は考えてることすぐ顔に出るなー」
津田 「そ、そうかな?」
ランコ「そうだよ」
25
ランコ「ま、いいや。コトミちゃんなら」
津田 「?」
ランコ「このレストラン、夜景がきれいに見えるよ」
津田 「じゃあ、ここにする?」
ランコ「うん」
津田 (結構高そうなレストラン...)
26
津田 「窓際の席だね」
ランコ「うん、ラッキーだね。夜景がきれい」
津田 「なんにしようかな」
メニューペラッ
津田 (あれ、意外と安いぞ...)
ランコ「私はもう決めてるからゆっくり選んでいいよ」
津田 「うん、ありがとう」
27
津田 「あのさ」
ランコ「ん?」
津田 「今日はありがとうございます」
ランコ「敬語」
津田 「今だけ、使わせてください」
ランコ「えー」
津田 「なんか、変なきっかけでこんなことになったけど、今日は一日すごい綿密にプラン立ててくれたんじゃないですか?」
ランコ「何のことかな?」
津田 「駅から近くて移動時間が少なくて、なおかつあまり混んでない場所」
津田 「それでいて、デートに向いてる場所」
津田 「たぶんこのレストランも事前にアタリをつけておいてくれたんじゃないですか?」
ランコ「偶然だよ」
28
ランコ「...でも、記事を書こうと思っていろんな情報を集めてると、なかなか一人では行きづらい場所もあるのは事実なの」
ランコ「だから今日は『偶然』そういう場所にしてみたのかもね」
津田 「はは、じゃあイーブンですね、何となく」
ランコ「うん、タカ君が今日帰って、ちゃんと仕事したらイーブン」
津田 「あっ、そうでしたね」
ランコ「それとタカ君がデザートに頼んだクレームブリュレを半分くれたらイーブン」
津田 「狙ってたんですか」
ランコ「それと...今日の場所は今後私以外と来ないと約束できるならイーブン」
津田 「え?」
ランコ「あ、ゴハン来たよ」
津田 「う、うん」
29
ランコ「家まで送ってくれてありがとう」
津田 「いえ、もう9時過ぎてますし」
ランコ「タカ君」
津田 「はい?」
ランコ「どさくさに紛れてゴハンの後からずっと敬語だよね」
津田 「あ...ごめん忘れてました」
ランコ「罰が必要かな」
津田 「え」
ちゅ
津田 「」
30
コトミ「タカ兄ただいまー!!」
津田 「」
コトミ「タカ兄?」
津田 「」
コトミ「タ・カ・兄―!!!」
津田 「うああああ!!!」
コトミ「もう、何ぼーっとしてるの?」
津田 「なんだコトミか...」
コトミ「まさか、私がいないのをいいことに限界まで自家発電してたのかな?!」
コトミ「それで『真っ白に力尽きちまったぜ』状態とか?!」
コトミ「これは今後のトレジャーハントにも期待できますなぁ!」
津田 「あ、うん」
コトミ「え...ホントにそうなの...?」
津田 「もう遅いから早く風呂入って寝ろよ」
コトミ「あ...うん」
31
2日後の月曜日、生徒会室
コトミ「...ということがあったんですよー!」
天草 「おおーそれはホントかコトミよ!」
アリア「まさか津田君がピーーーでピーーーーを真っ白にしちゃうなんてねえ」
天草 「いや、これは由々しき事態だ!津田が来たら直接聞かなければ!!」
アリア「そうねえ、オカズはなんにしたのかとかねぇ!」
萩村 「(たぶんだいぶ誇張されてるな、関わるのはよそう)」
ガラガラ
津田 「お疲れ様です」
32
天草 「津田!」
アリア「津田君!」
ピーーーーーー
ピーーーーーー
ピーーーーーー
津田 「いきなり何、言っちゃってんの」
...
天草 「それはさておきだな、さっき畑が津田を探してたぞ」
津田 「あ...は、はい。」
津田 「実はまたエッセイを書くように頼まれたんですよ」
津田 「で、日曜にやっとできたので、今さっき新聞部に行ってきました」
津田 「いやー畑さんもいい加減にしてほしいですよね」
津田 「おかげで休みも休んだ気がしなくて」
33
天草 「あ、ああそうだな」
アリア「...」
萩村 「...」
コトミ「...」
津田 「へ?」
天草 「津田...大丈夫か?」
コトミ「なんかタカ兄、無駄に元気だね」
萩村 「なんか変よ」
津田 「そ、そんなことないよ!」
津田 「あ、生徒会の仕事しなきゃ、会長、この書類ですけど...」
天草 「お...おう」
34
天草 「で、津田は先に帰らせたわけだが...」
アリア「変だったよねー」
萩村 「変でした」
コトミ「まさかタカ兄は闇の組織におわr」
天草 「コトミ黙っとれ」
天草 「...あれはおそらく...恋だ。」
萩村 「なっ!」
アリア「あらあらー」
萩村 「しょ...証拠はあるんですか!」
天草 「無い。だが...私のカンがそう言っている。」
コトミ「私のゴーストもそう囁いている。」
35
萩村 「万が一っ!そうだとして、問題は」
天草 「そう問題は、だれを好きかだ!」
アリア「でももしかしたら浣腸が効いてきて急いでたのかもよー?」
萩村 「今日の津田の言動から推測してみましょう!」
天草 「津田が生徒会室に入ってきたとき話してたのは畑に頼まれたというエッセイの話だった」
アリア「(コトミちゃん、先帰ろうか)」
コトミ「(そうですね、私たち視界に入ってないですねー)」
36
天草 「ダメだ、手掛かりがつかめん!」
萩村 「そうですね、そわそわしてただけで、エッセイの話以外津田から言ってたことはありませんでした。」
天草 「となると関係者は...まさか畑かっ?!」
萩村 「いや、畑さんはなんていうか違うと思いますよ」
天草 「確かに...そういう対象ではないだろうな...とすると...」
畑 「私がどうかしましたー?」
天草・萩村「ひっ!」
37
天草 「ノックぐらいしろ!畑!」
萩村 「そうですよ!びっくりするじゃないですか!!」
畑 「えーだってドア開けっぱなしで何回も呼ばれたんだもーん」
天草 「あれ...そういえばアリアとコトミがいない」
萩村 「とっくに帰りましたよ、それより畑さん聞きたいことがあります」
畑 「なーにー」
萩村 「津田にエッセイ頼んだそうですね。」
天草(なるほど)
天草 「そうだった畑よ。そのエッセイの内容を見せてくれないか」
38
畑 「えー発行前に原稿を見せるのはジャーナリズムに反するわー」
天草 「む...確かにそうだ」
天草 「だが、一応役員の書いたものをチェックするのも生徒会会長の役目だ」
萩村(気持ちはわかるけどちょっと強引です会長)
畑 「ダメ・ダメ」
畑 「それに、明日になれば見られるんだから、明日を楽しみにしなさいな」
畑 「じゃっ」
天草・萩村「あっ逃げられた」
天草 「手掛かりは今のところ明日発行される津田のエッセイか...」
萩村 「そうですね、畑さんではないですが明日になればわかります」
天草 「...これから津田の家に行くというのはどうだろう」
萩村 「いや、津田の性格上、原稿の下書きなんてしてないですよ」
萩村 「それに、今の津田を見ているとイライラするのでやめておきます」
天草 「それもそうだな」
39
コトミ「タカ兄ただいまー!」
津田 「おかえり、コトミ」
コトミ(あれ普通だ)
津田 「?どうした?」
コトミ「う...うんなんでもないよ、お腹すいたー」
津田 「今作ってるからできたら呼ぶよ」
コトミ「あ...うん」
40
津田の部屋23:30
津田 「...」
津田 「...なんだったんだアレは...」
津田 「今日会った畑さんは、いつもの畑さんだった...」
津田 「夢だったのか...?」
津田 「いや、確かに畑さんとデートして...日曜はエッセイを書いた」
津田 「それに...これは...夢じゃない...」
41
(携帯電話の画面)
from 畑さん
to 津田タカトシ
今日は楽しかったね。
嫌じゃなかったまた行こうね。
エッセイは月曜日に持ってきて下さい。
待ってます。
誰も見てないかもしれませんが続けます
42
翌日
萩村 「津田ー迎えに来たわよー」
コトミ「あ、スズ先輩!おはようございまーす!」
萩村 「おはよう、津田は?」
コトミ「もう来ますよー、タカ兄ー!」
津田 「ああ...おはよう萩村..」
萩村 「うわっ!どうしたのそのクマ」
津田 「なんか昨日眠れなくて...」
萩村 「とにかく、今日は校門前服装チェックでしょ、急ぐわよ」
津田 「うん...」
コトミ「私はご飯食べたらゆっくり行くね!」
萩村 「遅れるなよ」
43
津田 「...」
萩村 「...」
萩村 「あのさ...津田」
津田 「...うん」
萩村 「えっと...どうしたの?眠れなかったって何かしてたの?」
津田 「えっと...寝る前に携帯見てたらなんか目が冴えちゃって」
萩村 「あー、携帯のライトは光刺激強いから、寝る前に見ると概日リズムが崩れて寝不足になりやすいのよ」
津田 「そうなんだ、さすがに萩村はよく知ってるな」
萩村 「う、うん、まあね」
津田 (畑さんのこと考えてたとか言ってもしょうがないしな...)
44
昼休み
天草 「さて...校内新聞が発行されたわけだが」
萩村 「ええ...見ました」
アリア「津田君のエッセイ読んだよー」
天草 「まさか津田がこんなに甘甘な恋愛モノを書けるとは...」
アリア「二人が手をつないだり、キスしたりするシーンの描写がすごく細かいわねー」
天草 「恋愛経験のない私でも胸が熱くなって、なんかこう、濡れてしまった」
アリア「私もさっきトイレ行ってきたよー」
萩村 「学校で何してんだ」
45
萩村 「と、とにかく、この内容は風紀を乱すものじゃないですか?!」
アリア「うーんどうだろう?内面的な表現もあるけどキスまでしかしてないよー。エロいけど。」
天草 「そうだな、直接的な表現はないし、扇情的な感じはしない。エロいけど。」
萩村 「エロいって感想一致してるじゃないですか」
天草 「それよりも、だ」
萩村 「はい」
天草 「津田は...その..こういう経験あるのか?」
萩村 「それです」
アリア「うーん、前にコトミちゃんから聞いたときは、高校はいるまで恋愛経験ないって言ってたわよねー」
天草・萩村「...」
46
天草 「まさか最近」
萩村 「桜才は校内恋愛禁止ですよ!」
天草 「その通りだ!来たら尋問..じゃなくてしっかり説明してもらわなくては!津田はまだ来ないのか!!」
萩村 「そういえば昨日は眠れなかったとかでフラフラしながら購買に行ってました。もう来ると思います」
アリア「そっかーだから朝はボーっとしてたのね」
ドアガラガラー
天草・萩村「「津田!!」」
47
畑 「こんにちは、新聞部の畑です。」
畑 「お二人ともどうしたんですかそんなにウラ○ジ立てて」
萩村 「青だ!ってどっちも立ててないわー!!」
天草 「ちょうどよかった、畑よ」
畑 「はい?」
天草 「津田のコラムのことで聞きたいことがあるんだ」
畑 「なんでしょう」
天草 「津田は、これを書くにあたって何か言っていたか?」
畑 「と言うと?」
天草 「童貞が書いたとは思えない恋愛小説だからだ」
萩村 (ド直球で言うなこの人)
畑 「気になりますか?」
48
天草 「い、いや、気になるというか、生徒会長として役員の風紀の乱れを見過ごすわけにはいかんからな!」
畑 「ご安心を、私の調べでは津田タカトシはまだ立派なチェリーです」
天草 「そ、そうか」
津田 「廊下まで聞こえてるぞコラ」
天草 「津田!」
津田 「エッセイのこと話してたんですね...あれはたまたま少し前に読んだ小説の影響を受けっちゃったんです」
畑 「あら盗作?」
津田 「い、いやそのまま流用してわけではありませんから...」
畑 「ふーん」
津田 「は、はは...」
49
アリア「そういえば畑さんはどうしたの?」
畑 「おっとそうでした。今回のエッセイなかなかの反響でね、津田氏にまた恋愛モノの執筆をお願いしたいと思いましてー」
津田 「ちょ、ちょっと、待ってくださいよ。今回のも結構時間かかったんです。そんなに急に豊富な内容を思いつきませんよ」
天草 「畑よ、津田もこう言っているし、知っての通りもうすぐ文化祭で生徒会活動も忙しくなる。少し待ってくれないか?」
畑 「あらー残念。でも人気が高まってるのは事実なのよー。まあ津田氏がやる気になったら教えてちょうだい」
津田 「はい、そのうち」
畑 「その時は私も協力させてもらうわよー」
津田 「...はい」
畑 「じゃっ」
50
生徒会活動中
津田 「この企画ですけど、こんな感じでどうですか」
天草 「どれどれ...うん、いいんじゃないのか」
津田 「じゃあ俺の分担は終わりです」
天草 「そうか、お疲れ様だな」
アリア「私も終わったよー」
萩村 「私も終わりました」
天草 「ではみんなで帰るか」
津田 「はい」
萩村 「あ、私買い物頼まれてるので先に帰ります」
天草 「うむ、了解だ。また明日な」
萩村「はい、お疲れ様でした」
ドアガラガラー
51
テクテク
萩村 (やっぱり津田はなんかおかしい)
テクテク
萩村 (仕事してるときは普通だった)
テクテク
萩村 (エッセイのことについて畑さんと話してるとき違和感を感じた)
テクテク
萩村 (でもなんだかわからない...)
52
出島 「お嬢様」
アリア「出島さん、お迎えありがとー」
アリア「じゃあ私は車で帰るね、二人も乗っていく?」
天草 「いや、毎回それは悪い」
津田 「そうですね、それに俺もちょっと寄りたいとこあるんで」
出島 「おすすめの青●ンスポットお教えしましょうか?」
津田 「その情報は一生いりません」
アリア「じゃあまた明日ねー」
53
テクテク
天草 「津田、買い物か?」
テクテク
津田 「いえ、ちょっと本屋に寄ろうかと」
テクテク
天草 「なるほど...で今日は2次元か?3次元か?」
テクテク
津田 「絶対言うと思いました」
テクテク
津田 「違いますよ、エッセイのネタ探しです」
天草 「...津田」
津田 「はい?」
天草 「その...なんだ、津田はああいう恋愛にあこがれているのか」
津田 「あ、エッセイの話ですか、いえ別にそういうわけではありませんよ」
津田 「実は畑さんに頼まれたんです。読者層を考えると恋愛モノがいいって(嘘は言ってない)」
天草 「そういうことだったのか」
津田 「ええ、だから大変ですよ。おれ自身そんな経験ないし、第一女の子の気持ちがよくわからないのでどう表現していいか」
天草 (天性のフラグクラッシャーだからな)
54
天草 「もし手伝えることがあれば私も手伝うぞ(女の子の気持ちとか)///」
津田 「そうですか...」
天草 「?」
津田 「じゃあ聞きたいことがあるんですが」
天草 「な、なんだ?」
津田 「女の子は、学校とプライベートで、服装や声のトーンが変わるほど変化するものですか?」
天草 「?よく意味が分からないが...まあ確かにそういうこともあるかもしれないな...例えば、好きな人の前では」
津田 「え?」
天草 「学校や職場でみんなといるときは集団の一員としての自分という意識があるが、休日などに恋人と二人になったら大きく変わるということはあるだろうな」
津田 「そういうもんですか」
天草 「ああ、普段目に見えているものが真実とは限らないぞ。」
天草 「普段Sキャラのお姉さまがベッドではMだったり」
津田 「下ネタで落とさないと気が済まないんですか」
55
津田(会長の言うことが正しいなら、土曜日のあの畑さんの様子は...いやしかし...)
天草(今もしかしてすごいチャンスだったんじゃないのか...なんで私は下ネタで...)
津田・天草「「はぁ...」」
津田・天草「「えっ?!」」
56
夜、津田の部屋
津田 (...)
津田 (畑さんに連絡しなくては)
津田 (エッセイを書くことを...)
津田 (いや...違うな)
津田 (俺はエッセイを書くことに『協力』してもらいたいと思ってるんだ)
津田 (畑さんの真意が分からない...)
津田 (...)
ピッピッ
番号つけてますがラストまで書き溜めてるわけじゃないので今日はここまでにします
おやすみなさい
役員共のssとは珍しい
57
次の日の放課後
天草 「じゃあ今日の活動はここまでにするか」
津田 「はい」
天草 「学園祭もあと2週間に迫っている。来週からは忙しくなると思うから今週は早めに活動を終わりにして各自体を休めておくように」
萩村 「そうですね、去年もこの時期はハードでしたね。私も今週は家でゆっくりしようと思います」
アリア「そうだねー、でも津田君はゆっくりできないんじゃないかな?」
津田 「えっ?!な、何でですか?」
アリア「だって、疲れれば疲れるほどヌきたくなるんでしょ!」
天草 「ほおー!そうかそうか!じゃあ準備期間はティッシュが欠かせないな!!」
津田 「ねーよ(...びっくりした...)」
萩村 「ツッコミのキレが悪いわね、まあ毎日こんな状況じゃあね...」
津田 「はは...」
58
午後18時
津田 「コトミーちょっと買い物行ってくる」
コトミ「えっこんな時間にー?」
津田 「ああ、ちょっと明日使うもので買い忘れたものがあって。」
コトミ「ふーん..わかったーご飯は?」
津田 「いや、ちょっと文房具買うだけだからすぐ戻るよ」
コトミ「りょうかーい」
ガチャ
津田 「さて...」
59
駅前のス○バにて
店員 「いらっしゃいませー」
津田 「あ..えーとホットコーヒーショートで」
店員 「かしこまりましたー」
...
津田 「さてと...店の奥の席だったな」
(店の奥の椅子に座るタカトシ)
津田 「ふう」
畑 「や」
津田 「!!」
畑 「こんにちは、新聞部の畑です」
津田 「..畑さん、もう来てたんですね」
畑 「はい、指示通りの時間ですね」
60
津田 「ええ、ちゃんと私服で来ました」
畑 「はい、それも指示通り」
津田 「で、なんですか。呼び出して」
畑 「エッセイ、書いていただけると。」
津田 「はい、書きます」
畑 「そうですか、ではお願いします。」
津田 「あの、内容ですが」
畑 「前回の続きでお願いします。」
津田 「やっぱりそうですか。書いた覚えのない『続く』が最後に書いてありましたからね」
畑 「あれー?もともと書いてありましたよー?」
61
津田 「前も言ったように、恋愛モノは書くのが難しいです」
畑 「でも、今回のエッセイは大反響だったわよー。七条さんや会長もいろいろ濡らしていたのでは?」
津田 「身内の反応のせいでツッコめん!!」
畑 「では今回も私が協力しますか」
(ドキ)
津田 「ど..どうしてもそういう内容ならばお願いしたいです」
畑 「OK。では今週の土曜あけておいてください」
津田 「OKサインの親指がおかしい」
畑 「『ランコちゃん』があなたとデートします」
津田 「え...あの」
畑 「時間は朝の10時にこの喫茶店。シックな服装で来てください」
津田 「あ...はい...あの、ちょっと聞きたいんですが..」
畑 「買い物に出た割には時間かかってるんじゃないですかー早く帰ったほうがいいですよー」
62
津田 「...はい」
畑 「ではではー」
津田 「はあ...」
畑 「ああ、ちなみに...」
*******
コトミ「おかえりんこ」
津田 「I’m home.」
コトミ「タカ兄、私はそんな答え期待してないよ!」
津田 「期待された覚えないよ」
63
コトミ「あれ?」
がしっ
津田 「うわ、お前いきなりくっつくな」
コトミ「コーヒー飲んだ?」
津田 「ああ、なんか駅前の喫茶店で試飲やってたからもらった。お前鼻いいなー」
コトミ「だてにタカ兄のゴミ箱チェックを何年も続けてないからね!」
津田 「聞きたくない事実をありがとう」
コトミ「ご飯にしようよ、おなかペコペコー」
津田 「うん」
津田(畑さんすごいな...)
*******
畑 『ちなみに、コトミちゃんに疑われたらこう答えてください...「駅前の喫茶店で試飲をしていたのを飲んだ」と。』
64
津田 「そしてあっという間に土曜日が来た。」
津田 (シックな服ってこんなところかな?)
津田 (ていうか畑さんはまたあのガーリィな雰囲気に変身するんだろうか)
津田 (ちゃんと畑さんの真意を確かめなければ)
コトミ「タカ兄ー私今日はトッキーと遊びに行くからー」
津田 「迷惑かけるなよ」
コトミ「じゃあ、行ってくる...いつになるか分からないけど...きっと帰ってくるから...。」
津田 「戦争にでも行くつもりか」
コトミ「晩ゴハンはどうなるか分からないから後で連絡するねー」
津田 「了解」
65
津田 「さてそろそろ着替えて出かけるか」
駅前のス○バにて
津田 (畑さんは...まだ来てないみたいだな)
津田 (とりあえず奥の席に座ってよう)
ランコ「タ・カ・くん」(タカトシの耳元ボイス)
津田 「ぶっ!」
ランコ「ふふっ、驚いた?」
津田 「畑さん!」
ランコ「デートのときは名前でしょ」
津田 「あ...うん、ランコ...ちゃん?」
ランコ「なんで疑問形なのかな...まあいいや」
津田 「ははは...」
ランコ「さっそく出発しようか」
66
津田 (畑さん..やっぱり『ランコちゃん』の喋り方か...)
津田 (でも畑さんの格好..前とは違って大人っぽい感じだ...)
津田 (俺もシックな格好だしまるで...)
ランコ「まるで、社会人のカップルみたいだね、今日の私たち」
津田 「!!..あ、うん。そうだね。」
ランコ「タカ君背が高いから、大人っぽい格好のほうがステキだよ」
津田 「あ...ありがとう」
津田 「...」
ランコ「もう、そこは私のカッコもステキだよってほめてくれるところでしょ!」
津田 「あ、ごめん、ランコちゃんの格好も」
ランコ「もう遅いぞ!」
ほっぺツン
67
津田 「あの、でも、前の時もそうだったけど、学校の時とは全然雰囲気ちがくて、その、なんていうか、いつもその感じでいたほうが全然いいと思うよ」
ランコ「もう、やっぱりわかってないなタカ君は。」
津田 「え?」
ランコ「素の自分を見せるときってのはさ..」
津田 「...」
ランコ「あ、電車来たよ」
津田 「あ...うん」
68
ガタンゴトン
津田 「今日はどこ行くの?」
ランコ「横浜だよ」
津田 「きっとまた綿密なプラン立ててくれてるんだよね、ありがとう」
ランコ「...うーん..どうだろ...ね」
津田 「?」
ランコ「でも本当は男の子がリードするんものだよ!」
津田 「仰る通りです」
ランコ「まあでも、どうなるかはタカ君次第...かな」
津田 「どういうこと?」
ランコ「ふふ...どういうことだろうね?」
モブ乗客達((((あのカップル、朝からイチャイチャしやがって))))
69
ランコ「着いたよ、ここ最近オープンしたの。また遊園地でごめんね」
津田 (あ...ここは生徒会みんなで試乗バイトした遊園地...オープンしてたのか)
ランコ「どうしたの?」
津田 「いや、なんでもないよ。普段遊園地なんて来ないから連続でも全然大丈夫だよ」
ランコ「よかった」
ランコ「もしかしたら他の女の子と来たことがあるのかなーとか考えちゃった」
津田 「はは...(鋭すぎる)」
ランコ「手、繋ご」
70
ぎゅー
津田 (なんか心なしかすごい全力で手を握られてる気がする)
ランコ「今日はさ」
津田 「うん」
ランコ「恋人つなぎでいよう」
ぎゅっ
津田 「あっ..うん(恋人つなぎって言うのか)」
ランコ「まずはジェットコースターだね♪」
津田 「うん(30回以上乗ったなー)」
71
ランコ「やっぱりオープンしたてで混んでるね」
津田 「そうだね、さっきもだいぶ並んだね」
ランコ「あのさ、嫌じゃなかったらこの後買い物付き合ってほしいな」
津田 「買い物?お店あったっけ?」
ランコ「うん、5分くらい歩いたところにショッピングセンターがあるの」
津田 「さすがよく知ってるね、いいよ行こう」
ランコ「ありがとう!」
津田 「じゃあ移動する?」
ランコ「うん!」
72
ショッピングセンターにて
津田 「うわ、このショッピングセンターなんかおしゃれだね」
ランコ「でしょ!気になってたんだー♪」
津田 「へー映画館もついてるのか」
ランコ「映画、見たい?」
津田 「ランコちゃんが見たいのあれば」
ランコ「うーん、今日はやめとく」
津田 「そう?」
ランコ「うん、『次』来たとき観よ?」
津田 「うん分かった」
ランコ「ふふ♪」
津田 「?」
73
ランコ「ここで服見てもいい?」
津田 「うん、あ、ここは男物もあるんだね」
ランコ「『俺は男物見てるよ』なんて言っちゃ嫌だよ?」
津田 「うん、もちろん!(言うとこだった...)」
ランコ「タカ君に何か選んでほしいな...」
津田 「え..あ、うん」
ランコ「嫌?」
津田 「嫌っていうか...正直女の子の服選んだことないし、それに学校での印象と違うから、ふだんどんな服着てるか全然想像がつかないっていうか...」
ランコ「♪」
津田 「?」
ランコ「別にタカ君のセンスでいいよ」
津田 「そう?」
ランコ「うん、タカ君の好きな服知りたいし...///」
74
津田 「あ...///そう?じゃ、じゃあ探してみるよ」
ランコ「うん///」
******
津田 「これなんてどう?」
ランコ「うん、落ち着いた感じだね」
津田 「普段のイメージとデートの時のイメージの中間のイメージで選んでみました」
ランコ「うん、ありがとう、これ買うね」
津田 「あっ俺出すよ」
ランコ「えっ悪いよ」
津田 「じゃあ、今日のコースプランニングのお礼ってことでどうかな?」
ランコ「うん..ありがとう///」
ランコ「次、着てくるね///」
津田 「うん///」
75
******
津田 「暗くなってきたね」
ランコ「もう秋だもんね」
津田 「あ..」
ランコ「?」
津田 「さっきの遊園地の観覧車見て」
ランコ「うわっ綺麗...ライトアップするんだね」
津田 「あのさ...さっきは混んでて乗らなかったけど、もう一回戻って乗らない?」
ランコ「え../// あ...うん、いいよ///」
津田 「うん、じゃあ行こう」
ランコ「うん///」
76
ランコ「やっぱり並んでるね」
津田 「うん、しかもさっきより待ち時間長いね...」
ランコ「夜のが景色綺麗だもんね」
津田 (周りカップルだらけだ...)
ランコ「ね」
津田 「はい!」
ランコ「なんで...やっぱり乗ろうって言ったの?」
津田 「あ、嫌だった?」
ランコ「そんなことないよ!乗りたい!」
津田 「そう?ならよかった、昼間もランコちゃんちょっと乗りたそうに見えたから...」
ランコ「うん♪」
津田 (ホントはこのタイミングで真意を探りたいからだけど...)
77
******
ランコ「やっぱり夜景綺麗だね!」
津田 「うん。あれ駅かな?」
ランコ「船の明かりも綺麗」
津田 「うちは内陸だからね」
ランコ「...」
津田 「...」
ランコ・津田「「あのさ」」
ランコ・津田「「!」」
津田 「お、お先にどうぞ!」
ランコ「...」
ランコ「隣座っていい?」
津田 「あ、うん」
78
ランコ「...タカ君は?」
津田 「え?(近い)」
ランコ「タカ君は何言おうとしたの?」
津田 「あ、あの...」
ランコ「...」
津田 「今日は...前回もだけど」
ランコ「うん」
津田 「ランコちゃん...いや畑さんはどういうつもりなんですか?」
ランコ「...デートだよ」
津田 「それは分かります」
ランコ「敬語は嫌」
津田 「...」
79
津田 「デートのときは...その...キャラがあまりにも学校と違いすぎて」
津田 「でも学校では、元の畑さんに戻っていて」
津田 「このデートは、俺がエッセイを書くためにキャラまで変えて協力してくれてるんですか?」
津田 「それに、この前のデートのとき、その...別れる時のアレは...」
ランコ「タカ君」
津田 「はい」
ランコ「タカ君は『桜才学園新聞部部長の畑』を知ってるよね」
津田 「はい」
ランコ「じゃあタカ君は『桜才学園新聞部部長』でない時の私を知ってた?」
津田 「...」
ランコ「いつも見えてるものが真実とは限らないんだよ」
津田 (...部長も同じことを言ってた...)
80
ランコ「いつも津田君が学校で見てる、肩書のある私のこと、タカ君は嫌い?」
津田 「嫌いではないですが...正直苦手です。ツッコミしなけりゃいけないので」
ランコ「うん」
ランコ「じゃあ、今見てる肩書のない私は嫌い?」
津田 「それは...」
ランコ「あのね...私も最初はまじめじゃなかった」
津田 「まじめ?」
ランコ「タカ君にエッセイを書いてもらうために、ちょっとからかうつもりで肩書のない私を見せてみたの」
津田 (じゃあ...素の畑さんはこっちのほうなのか...?)
ランコ「でも、デートしてるうちに...なんか抑えてたものが抑えきれなくなってきて...」
津田 「...え?」
ランコ「ねえタカ君」
津田 「は、はい」
ランコ「タカ君は鈍いから気づいてないと思うけど、タカ君のことが好きな女の子、学園にどれだけいるか知ってる?」
津田 「え...そんな人いるんですか?」
ランコ「ふふ...やっぱり鈍感」
津田 「す、すいません」
今日は終わりにします。
とりあえず自己満足のために最後まで頑張る所存です。
今日で終わりマース
81
ランコ「天草会長、萩村さん、五十嵐さん、七条さん、三葉ムツミさん、英陵の魚見会長、妹だけど一応コトミちゃん」
津田 「え...マジですか?(最後のはちょっと違う気もするけど)」
ランコ「ほんとに鈍感ね」
津田 「マ...マジなのか...」
ランコ「前冗談で言ったよね、あなたをお嫁にもらってくれる人が8人はいるって」
津田 「...はい」
ランコ「8人目は私。」
津田 「え?え...?それって...」
82
ランコ「私は、学校では新聞部部長の畑だから」
ポロ
ランコ「あのキャラの私にそんなエピソードはないの」
ポロ
ランコ「でもちょっとだけ素の自分を出したら」
ポロポロ
ランコ「すぐに我慢できなくなっちゃった」
ポロポロ
ランコ「答えは分かってるけど、きっと学校の私は言えないから言っとくね」
ランコ「私はあなたが、タカ君のことが好きです」
ランコ「...」
ランコ「っーー...ごめん...コメンネ...」
83
津田 「...ランコ...ちゃん」
ぎゅっ
ランコ「うん、ありがとう。いいよ、言わなくて。ひどい顔してるから見ないで。」
津田 「...」
ランコ「...観覧車、頂上だね」
津田 「...」
ランコ「がんばって涙止めるから、下に着くまでこのままいさせて...」
84
観覧車の係員「おかえりなさいませー足元お気をつけてお降り下さいー」
ランコ「行こうか、タカ君」
津田 「...」
ランコ「もう大丈夫だよ」
津田 「あの...俺...」
ランコ「あ、そういえば」
津田 「え?」
ランコ「今日は何のためのデートだったか忘れてたね」
津田 「え?え?」
ランコ「エッセイ書いてもらわなきゃ」
津田 「あ」
ランコ「タカ君もすっかり私の演技にダマされて、恋愛疑似体験できたでしょ?」
津田 (畑さん...そんなのウソでしょう...演技であんなに涙は出ませんよ)
85
ランコ「エッセイは前回の続きだからね」
ランコ「急速に接近した二人。お互いの気持ちを確かめ合った二人の行方は...」
ランコ「さあ着いたよ」
津田 「え...ここって...ホテルですよね?」
ランコ「体を重ねあう二人をリアルに描写するにはやっぱり雰囲気からね」
津田 「い..いやいやいや!さすがにそれはちょっと!」
ランコ「今更何言ってるの?入口でうろうろしてたら恥ずかしいよ」
津田 「い...いやそもそも。こういうとこって高校生入って大丈夫なんですか?」
ランコ「ふふ...今日の私たちとってもシックな恰好で社会人のカップルに見えるよね」
津田 「!!」
86
ピリリリリリ
津田 「うわ!!」
ランコ「...電話だよ」
津田 「う...うん」
ピッ
コトミ「タカ兄ー私だけど、やっぱり今日はトッキーの家に泊まることになってから!」
津田 「え?え?」
コトミ「だからー今日は会長とか連れ込んでも大丈夫だよーニシシシ」
津田 「バ...バカなこと言ってんじゃねーよ」
コトミ「じゃー明日ねー」
プツッ ツーツー
津田 「...」
ランコ「ふふふ...聞こえた」
87
ランコ「タカ君、この部屋でいい?」
津田 「あ...うん」
ピッ
部屋の番号を押すランコ
ランコ「あ、カードキーが出てきた。ふーん...こうなってるんだ」
津田 「ランコちゃんもこういうとこは詳しくないの?」
ランコ「一人では来ないもん」
津田 「それもそうだね」
エレベーターに乗る二人
ランコ「あ、部屋の番号が光ってる。あの部屋に入るんだね」
津田 (やばい...このままでは間違いなく間違いが起きる)
88
ガチャ
津田 (薄暗い...)
ランコ「電気、どこかな」
津田 「こ、この枕元のスイッチじゃない?」
カチッ
ムーディーなライトが部屋を包む
津田 「ゲッ」
カチッ
部屋の明かりがすべて消える
津田 (なんでこんなに電気系統分かりづらいんだー!!)
ぎゅ
津田 「!!」
89
ランコ「ねぇ、考えてみて。」
津田 「な..何を?」
ドキドキドキドキ
ランコ「部屋に入った二人はまずどうすると思う?」
ランコ「...こうやって抱き合うんじゃないかな?」
津田 「は...う...うん」
ドキドキドキドキドキドキ
ランコ「次は..キスだよね」
ちゅ
津田 「ーーーーーー!」
ランコ「ぷは...」
ランコ「でね、一緒にシャワー浴びるんじゃないかな?」
津田 「ちょちょちょっとまって、待ってください!!脱がないで!!」
90
ランコ「でも、今日一日遊んで汗かいちゃったからシャワーで流したいな」
津田 「あああーー!じゃじゃあ俺先浴びますから!!だから脱がないでください!!」
ダダダッガチャ!
津田 「はぁはぁはぁ...!」
津田 (風呂に逃げ込んでしまった...)
津田 (とりあえず急いで浴びてしまおう..はぁ)
シャー(シャワー音)
津田 「なんかもう意味わからん...」
津田 (ていうか逃げ出して先にシャワー浴びるとか、俺かっこ悪すぎだろ...)
ガチャ
津田 「え」
ランコ「こういうところって、バスルームに鍵かからないんだね...」
津田 「うわちょ!」
ランコ「...タカ君と一緒にシャワー浴びたいな」
91
津田 「お、俺先に出ますから!」
ぎゅ
津田 「!!」
ランコ「こうやって抱き合えばお互いの顔しか見えないよ」
津田 「ーーーー!!」
ランコ「髪洗うから、抱きしめてて?」
津田 (手を放したら胸が視界に入ってしまう!)
津田 (かといって密着してると感触とかヤバい!)
ランコ「うん、終わったよ。次は体洗うね」
津田 (それはもう無理!!)
津田 「先出ます!!」
ガチャ!
ランコ「もう...」
92
津田 「はぁはぁ...とにかく体をふかないと...」
津田 「もう意味わからん...どういうつもりなんだ...ああっ服がない!脱衣所だ!」
ガチャ
津田 「」
ランコ「もう、急いで洗ったんだよ」
津田 「あ...の...服着てください!」
ランコ「ふふ..タカ君だってハダカなのに」
津田 「いや、脱衣所が、風呂で、あの」
ランコ「えいっ」
津田 「あっ」
ドサ
ランコ「えへへ...タカ君を押し倒しちゃった」
93
津田 「ダメですっ」
ランコ「何が?」
津田 「こんな関係のもち方よくないです!」
ランコ「これは、取材だよ。体験型の取材。」
津田 「あなたはそれでいいんですか?」
ランコ「...別にいいよ」
津田 「俺は良くないです!」
ランコ「そんなに私のこと嫌いになった?」
津田 「違います!俺、まださっきの答え言ってません!!」
94
ランコ「え?」
津田 「さっきの観覧車の中での答え、まだ言ってません。」
ランコ「それは...もういいって言ったじゃん」
津田 「そんなの知りません。」
ランコ「ダメ...」
ランコ「ちゃんと諦めるから、もうやめよう」
津田 「嫌です」
ランコ「...私、今日のこと思い出にするから。それで、もうあなたの前ではいつもの新聞部部長に戻るから。」
津田 「だからこんなことするんですか?そんなのダメに決まってます!」
ランコ「私、悪い人だよ」
95
津田 「?」
ランコ「今日も、この前のデートの時も、あなたに気がある他の子のスケジュール調べて絶対に会わない日にしたし。今日の遊園地にあなたが前に来てることも知ってるよ。」
ランコ「それに...今日のデートであなたとの関係が変わったとしても、私は学校ではいつも通りの新聞部部長の畑だよ。」
津田 「それがどうしたって言うんですか」
ランコ「私は臆病だからもう学校でのキャラを崩せないの。好きな人が隣にいても、その人のスクープを追うことを優先すると思う。」
津田 「それでいいじゃないですか。桜才は校内での恋愛は禁止です。」
ランコ「でもっ!」
津田 「畑ランコさん。」
ランコ「ふぁい!!」
津田 「俺もあなたが好きですよ。」
96
津田 「学校での畑さんを、正直今までそういう視点で見たことありませんでした」
「これからも、学校の畑さんをそういう視点で見るのは難しいかもしれません」
「でも」
「ランコちゃんとデートして、本当のあなたが分かりました」
「恋人つなぎを教えてくれたあなたが好きです」
「服を選んでるときの自然な笑顔のあなたが好きです」
「泣きながら一生懸命想いを伝えてくれたあなたが好きです」
「俺じゃあダメですか?」
97
ランコ「う...うっぐ...うっぐ....」
津田 「ダメですか?」
ランコ「うっぐ...ダメ...じゃない...」
津田 「ありがとう」
******
津田 「もう平気?」
ランコ「...うん...ふふっ」
津田 「どうしたの?」
ランコ「私たち、裸で何やってるんだろなーって」
津田 「う...」
98
ランコ「あのね...」
津田 「なに?」
ランコ「すごく勝手なこと言っていい?」
津田 「いいよ」
ランコ「今日はね...その...したくない...」
津田 「何を?...あ...うん」
ランコ「まだね、待ってほしいの」
津田 「うん」
ランコ「タカ君を好きな人は私以外にもいっぱいいるから」
津田 「でも俺は、あなたを選びます」
ランコ「うん、でもね、あと1年して私が卒業したら、私は新聞部部長じゃなくなるの」
津田 「あ」
ランコ「私が『私』になってら、そこでもう一回考えてほしいの。本当に『8番目』の私でいいのか」
津田 「たぶん答えは変わらないよ」
ランコ「それでも」
津田 「うん、わかった」
ランコ「ありがとう。そしたら...ホントの恋人になろう」
津田 「うん」
99
ランコ「でね」
津田 「うん」
ランコ「今日はこのまま寝たい///」
津田 「あ...うん(我慢できるのか...)」
ランコ「あ...のね...タカ君が苦しそうなの...分かってるから...///」
津田 「え...ちょっと...手が...待...あっ!」
ランコ「たぶんうまくできないけど...頑張るから...///」
津田 「ま、待って!(危なかった...)」
ランコ「嫌?」
津田 「そうじゃないよ。その...俺からするから...触っていい?」
ランコ「...うん///」
100
津田 「ここ?」
ランコ「ふぁっ!!///」
津田 「痛くない?」
ランコ「大丈夫あっ!///」
ちゅっ
ランコ「!(タカ君が...私のおっぱいを吸ってる...///)」
ちゅっちゅっ
ランコ「はうっ!///んっ///」
津田 「下も触るね」
ランコ「!!」
さわ
津田(ここかな...?)
ランコ「ん...」
さわ
津田(あ...濡れてる..ホントに濡れるのか...)
ランコ「あ...」
つぷ
ランコ「あああぁぁ!!///」
津田(すごい...指が締め付けられる...)
ランコ(いっちゃった...///)
(好きな人に触られると...こんなに違うんだ...///)
ランコ「たっ...タカ君///」
津田 「うん」
ランコ「今度は私」
津田 「え」
さわ
101
津田 「ーーー!!!」
ランコ「...こうでいいの?」
津田 「うんっ...あっ...」
ランコ「タカ君...」
津田 「え?」
ランコ「すきっすきっ!」
ちゅっちゅっ
津田(キスされながら触られると気持ち良すぎてもうわけわかんない)
ランコ「いつでもいいよ///」
津田 「え?...あっ...」
ランコ「出したくなったらいつでもいいよ///」
津田 「ーーーーー!!!!////」
津田 「もう...!」
ランコ「うん」
ぎゅーっ
津田 「っ!!」
びゅっ びゅっ
津田 「はぁはぁ...」
ランコ「タカ君///」
津田 「うん」
ランコ「...おなかにかかっちゃった///」
津田 「あ...ランコちゃん..!!」
ランコ「あっ...また大きくなったね///」
...寝たのは何時だったのかわからなかった。
102
******
コトミ「タカ兄ただいまー」
津田 「おかえり、コトミ」
コトミ「トッキーったらさー部屋でも靴下左右バラバラなんだよー」
津田 「はは、時さんらしいな。にしてもお前、時さん家に世話になりっぱなしだろ。後でご家族にお礼言っとくから電話番号教えろよな。」
コトミ「え...タカ兄なんかお母さんみたいなこと言ってどうしたの?」
津田 「いや、普通のことだろ。お前も会長とか萩村とかを見習ってちゃんと礼儀正しくしてろよ。」
コトミ「は...はい?」
コトミ(なんかタカ兄が成長してる...私の望まない方向に...)
津田 「昼飯まだだろ、もうできてるから手洗ってきな」
コトミ(もはやキモイ!)
103
******
天草 「今年の学園祭も盛況に終わってよかった!」
津田 「みんなが頑張った結果ですよ!」
アリア「津田君も裏方お疲れ様ー。男手が必要なところから引っ張りだこだったねー」
アリア「まるで」
津田 「よし、そこまでだ!」
萩村 「にしても、ミスコンは飛び入り参加で優勝とは会長、さすがでした」
天草 「まあ最初は畑にすすめられてイヤイヤだったが、優勝すると満更でもないな!」
萩村 「ていうかー私のときは悪意感じたわー」
津田 「会長達知ってました?あのミスコン本当は参加人数11人だったんですよ」
アリア「私は知ってたよー」
天草 「なんと、では我々は畑にハメられたというわけか!」
アリア「まるで」
津田・萩村「もういいから」
津田 「ハハ...でもホント、畑さんにも困ったものですね」
完
お目汚し失礼しましたー
このSSまとめへのコメント
見てます!期待してます‼
まさかの畑さんでした
感動しました!お疲れ様です!
なにげに朝食を作ってるランコちゃん
個人的には津田スズ派だけど、この畑s…いやランコちゃん、許せるっ!!
(意訳:ランコちゃんがとてもかわいく、かつSYDっぽさも出ていたと思います。大変面白い作品でした、お疲れ様でした!)
すごくいいです!