…
『目標捕捉! コードB001、敵軍ビビッドシステムのオリジナルと断定!』
『周囲にコードV012、V025の姿も確認。イエロー形態およびレッド形態へのドッキングが予測されます』
「レッド形態だと!?馬鹿な、血迷ったか…! いよいよ手段を選ばなくなったということか。衛星狙撃は可能か?」
『衛星射撃用意!ファイア!』
バシュンッ
『V025、衛星射撃を回避。衛星兵器への反撃態勢へ入りました』
「くそっ!示現エンジン破壊のための虎の子だというのに…!」
『ネイキッド・ラングっ!』
『衛星兵器、V025により撃墜されました』
「っ…」
『イグニッション!テクスチャー、オンっ!』
『B001およびV012の合体を確認!ビビッドイエロー出現!主力艦隊、全滅!』
「示現エンジンの破壊はままならないか…。ならばこちらも、ビビッドチームを出撃させる!」
『ビビッドチームですか?しかし、A001は先の戦いで重傷を負っています…』
れい『いえ、問題…ありません。修復は完了しています』
「…すまない。頼んだぞ。U027、U014も出撃させる。イエロー形態の今、グリーンのビビッドブレードを叩き込むチャンスだ」
「敵ビビッドチーム殲滅のチャンスだ。任務の遂行を願う」
れい『はい…!なつめ、さくら!行こう!』
『はい、先輩!イグニッション、テクスチャー・オンっ!』
『A001とU014のドッキングオペレーション、正常完了』
「目標、敵ビビッドイエロー!本艦ハッチからファイナルオペレーションを放ち、バリアーを破壊して一撃で仕留めろ!」
「近接戦闘ではこちらが有利だ。完全に息の根を止めるんだ」
れい『…はい…!』
…
敵イエロー「はぁ、はぁ…!残り時間、30秒…!」ゼェゼェ
敵イエロー「これだけあれば、示現エンジンが守れる…!」
シュウウウウウッ
敵イエロー「…!?何かが高速で接近して…」
ビビッドグリーン「ファイナルオペレーションっ!うああああああっ!」ギュオオオオッ
ビビッドグリーン「ビビッド・ブレードっ!」ズバァッ
敵イエロー「あっ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!!!」
敵V025「っ…ま、ましろちゃん!?れんげちゃんっ!」
バシュウウゥッ
敵B001「う、ぐっ…あ、あ…」
敵V012「あ、う…!」
『敵イエロー撃破!、B001およびV012への分離を確認!』
『よくやった!れい、敵オリジナルのB001へとどめを刺せ!』
ビビッドグリーン「…はぁ、はぁ…!」
敵B001「や…やめ、て…たすけて…!」ガクガクブルブル
『れい!早く…!』
ビビッドグリーン「あなた、達を、放っておいたら…もっと多くの、人が…!」ジャキンッ
ビビッドグリーン「私が、やらなきゃっ…!たああああっ!」ブンッ
敵B001「っ…!」
敵V012「ましろ、逃げてぇっ!」バッ
敵B001「え」
ズバァッ
敵V012の肉片「」ドバッ
敵B001「…れんげ、ちゃん?」
『V012がB001の前に出て、攻撃を受け止めました。V012の生命反応の消失を確認』
敵B001「うぷっ…!あ、あああ、あああああああああっ!れんげちゃん!れんげちゃああんっ!!」
ビビッドグリーン「…はぁ、はぁ、はぁ…!う、うぅ…!」ブルブル
『れい!V012は殲滅したが、オリジナルは無傷だ!早く倒せ!』
敵V025「よくもおおおおっ!ネイキッド・ラングっ!」ヒュンヒュンヒュンッ
ビビッドグリーン「あうっ!?」ドガッ
ザバーンッ
『ネイキッドラング、ビビッドグリーン後部に直撃!海中へ落とされました。グリーンの損傷率は8%』
『れい!…何をしている!そいつらは敵だ!我国を滅ぼそうとしている敵!みんなの命を奪った仇だ!』
『お前が仇を討たなくてどうする!早く海面から上昇するんだ!』
ビビッドグリーン「く、う…!」ゴボゴボ
敵B001「かんな…あ、あぁあ、れんげちゃんが、れんげちゃんがあぁ…!」プルプル
敵V025「ましろちゃん…ドッキングしよう!」
敵B001「…!」
敵V025「わたし達の合体コードプロテクトは解除したよ。…ふたりで、示現エンジンを守ろう」
敵B001「…うん…!」
『!! B001とV025、ドッキングオペレーションを開始!』
『バカな!キーとコアのドッキングだと!?やはり…ビビッドレッドを起動するつもりか!?…れい、早く!』
ビビッドグリーン「っ…!」ザパァ
敵ビビッドレッド「イグニッション!ビビッドレッド!」
『なんてことを…世界を、滅ぼすつもりか…!』
ビビッドグリーン「あれは…ビビッドレッド!?…そんな!」
敵ビビッドレッド「ビビッド・ビィームっ!!」ドパアアッ
ビビッドグリーン「」ジュッ
ズババアアアァァアッ
『ビビッドグリーン撃墜!A001とU012に分離し、海中へ落下しました』
ゴゴゴゴゴ…
『何だ!?』
『敵ビビッドレッドのビビッドビームにより、マントルへ高エネルギーが強制注入されました。海底火山が噴火します!』
れい「はぁ、はぁ…!」ゼェゼェ
味方U012「そ、そんな…!」ハァハァ
敵ビビッドレッド「ビビッド…!」キュイイイイイイ
『敵ビビッドレッド、再びチャージ開始!再びビビッドビームを充填しています』
『奴め、無茶苦茶しおって…!』
味方U027「れい!大丈夫!?」
れい「…さくら…。どうしよう…!終わりだ、私たち、みんな死んじゃう…!」プカプカ
味方U027「なら…こっちもビビッドレッドだよ!合体しよう!」
れい「!?…だ、駄目…!そんな事…!」
味方U027「大丈夫、大丈夫だよれい。わたしたちの友情は、必ず世界を救うんだからっ!」
れい「さくら…!」
味方U012「先輩、さくら、お願い…!この世界を、守って…!」
味方U027「行こう!れい!」
れい「…!」ギュッ
『待て、何をしようとしている!?まさかお前たちまでビビッドレッドに…!?馬鹿、やめろ!!』
『警告が来ています!ドッキングオペレーションを続行した場合、全世界から経済制裁および武力制裁が執行されます!…やめて二人共、お願い!』
れい&味方U027「「イグニッション・テクスチャーオンっ!」」
…
敵ビビッドレッド「ビビッド…ビィーーームっ!」バシュウウッ
『ビビッドレッド2発目、来ます!』
ビビッドレッド「ビビッド…パァーーンチッ!!」ブンッ
ドパアアッ
『ビビッドビーム、ビビッドパンチにより相殺されました!ビビッドレッド、正常合体を確認…!』
『あ、あぁあ…!やめろ、やめるんだ…!』
デンドンデンドンデンドンデンドン…
ビビッドレッド「…」ザパアァァ(腕を組んで仁王立ちし、海面から浮上する)
敵ビビッドレッド「…!」
ビビッドレッド「…これで、条件は互角だね…!」
敵ビビッドレッド「う、うぅ…!」
『両者、直ちにシステムを停止せよ!緊急停止!』
ビビッドレッド「そうはさせない!あいつをやっつけて、みんなを救うんだっ!ビビッド・パケット!」
『!! …管制室の制御が、ビビッドレッドにより完全に掌握されました!緊急停止不可能!』
敵ビビッドレッド「ビビッド…!パァーーーンチッ!」
ビビッドレッド「ビビッドっ!パァーーーンチッ!」
………
……
…
敵B001とV025の燃えカス「」メラメラ…パチパチ…
味方U012の燃えカス「」ボオオォ…
れい「…なつめ、ごめんね…」プカプカ
味方U027「みんな…仇は、とったよ…っ」プカプカ
れい「…寒いっ…早く、陸に行かないと…」
味方U027「行こう、れい」
…
れい「ねぇ、さくら…」ハァハァ
味方U027「…れい…」
れい「陸は…どこ?」チャプチャプ
味方U027「…なんで?なんで、どこにも…陸が、ないの?」プカプカ
れい「げほっ、ごほっ!…はぁ、はぁ…!」ゼェゼェ
味方U027「酸素が、薄いんだ…。ぜぇ、ぜぇ…!」
れい「みんな、どこへ行ったの?…私たち、勝ったんだよ…!悪いやつらの示現エンジンは、壊したんだよ…!」
れい「司令…!ほめてよ、私を…!」
味方U027「…どうして、海しか、ないの…?」
カラス「それは、あなた達が世界を滅ぼしたからです」
味方U027「っ!だ、誰…!?」クルッ
カラス「なんということを…。やはり霊長類などが、示現エンジンを持つべきではないのです」バササッ
れい「え…カラス…?」
カラス「まだわからないのですか?では、今の世界の姿を見せてあげましょう」ブオンッ
味方U027「立体映像だ…」
れい「え、何、これ…!?」
味方U027「ひ、人が、みんな、焼け焦げて…海に沈んでるっ…!?」
れい「あ、あぁ…!」ガクガクブルブル
カラス「あなた達の種族は、かつてアローンとの戦いに勝利し、示現エンジンを持つ権利を得ました」
カラス「しかしあなた達は、示現エンジンを、ビビッドシステムを、愚かにも争いの道具にした」
カラス「聞いていたのではありませんか?ビビッドシステムのキーとコアを接続してはならないと」
味方U027「っ…で、でも…!みんなが、死んじゃうかもしれなかったんだ…!」プルプル
カラス「あなた達と相手のビビッドレッドは、ビビッドパンチ同士を衝突させることで、『空から降ってくるエネルギー』全てを一度に放出してしまった」
カラス「その結果がこれです。やがてこの地球は、核反応が加速し、火の星となるでしょう」
味方U027「そんな…!私、そんなつもりじゃ…!」ガクガクブルブル
カラス「世界を破滅させた罪は、あなた自身の破滅でしか償えないのです。破滅をもたらした張本人として、あなたを処刑します」
味方U027「ひっ!?」ビクッ
れい「さくらを…!?や、やめてっ!」
バクンッ
味方U027「!?う、うわあああっ!!?」ゴリゴリ
カラス「…」ボリボリ
れい「さくらああっ!?お願い、お願いしますっ!さくらを食べないでっ!」
カラス「ふん」ゴクンッ
れい「…そ、そんな…。さくら、が…」
れい「食べられ、ちゃった…!」プルプル
カラス「…」ジー
れい「…は、はは…みんなを守りたいなんて…友情だなんて…私、嘘ついてた…!」プルプル
れい「ほんとは、自分が死にたくない、だけで…!友情だなんて言葉に、縋り付いて…!ばかだ、私…!」ウルウル
れい「カラスさん…私も処刑してください…。私も、さくらやみんなと一緒に、滅びます」
カラス「フッ…」
れい「…?」
カラス「何を綺麗事を。ふふ、愉快なものですね。ヒトは一人では生きていけない。孤独になり絶望したとき、それ以上のストレスから逃れるために自ら死を選ぶ」
カラス「あなたには、別の形で罪を償ってもらいましょう」
…
カラス「さあ、この扉です」
れい「…」ゴクリ
カラス「この世界で、新たな種族が示現エンジンを開発しました。私たちは、彼らを試すつもりです」
カラス「数百年前、この世界で行ったように。アローンを送り込み、示現エンジンを破壊させます」
カラス「あなたには、アローンの間接支援を行ってもらいます」
れい「それが、私と…この光の矢の役割、ですね」
カラス「この世界の示現エンジンを破壊することができたら、あなたたちの世界を元通りに戻してあげましょう」
れい「元通り…に?本当に?」
カラス「ええ、もちろん。それだけでなく、もうパレットスーツ適合者同士での戦争をしなくていいよう、調整を施しましょう」
カラス「もう二度と戦いのない、平和な世界へ戻りたいのなら…従いなさい」
れい「分かりました…。必ず、役目を果たして見せます」カチャ
ギィー… バタンッ
カラス「…」
カラス「ぷっ、くく…あははははは…!」
カラス「やはり人類は愚かです…!結局、自分の幸せのために、他者を犠牲にすることを厭わない!」
カラス「何より愉快なのは、その後ろめたさを正義だの友情だのといった薄ら寒い言葉で飾り立てることですね!」
カラス「どうせ次の世界で、黒騎れいは死ぬでしょう。アローンの支援をしている所を捕捉され、拘束され、処刑される」
カラス「結局ヒトはヒトを殺すことでしか生き残れない。結果はわかりきっているというのに…」
カラス「なぜ『始まりと終わりの狭間に存在するもの』は毎度毎度テストを施すのでしょう?面倒なこと極まりません」
カラス「…」
カラス「彼らは、いまだに本質に気づいていない…。いずれ、彼らに害を為す人類が現れるかもしれないというのに…」
カラス「…どれ、私も、れいの後を追いましょう」バサッ バサッ
つづく
乙
ビビオペSSとか珍しいな
てかカラスさんが大物面してるともうそれだけで笑える
カラス「それでいい…それでいいんですよ…トビア君」
保守
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