アルミン「襲い来るモノ」 (53)
叫び声がこだまする。
アルミン「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
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アルミン・アルレルト。
聡明な頭脳、類稀なる知性を持つ彼ですら、その時が来るまで気付いていなかった。
地獄とは、いついかなる時も、そして誰の前にも、平等にその口を開いているのだと言うことを。
アルミン「エレン、急いで! また教官に怒られるよ!」タッタッタッ
エレン「わかってるって」タッタッタッ
アルミン「そこの階段から行こう。ちょっとだけ近道になる」タッタッタッ
エレン「ああ」
アルミン(よし、このペースならなんとか間に合いそうだ。エレンってば今日は訓練前の掃除担当だってことをすっかり忘れているんだもの。そういえば——)
ズルッ
考え事をしながら階段を昇るという暴挙。
一瞬の油断。
だが、その一瞬で全ては終わっていた。
アルミン(あ……、足を踏み外し——)
ガンッ
アルミン「あぁ!!」
誰よりも優れた彼の頭脳は、自らが階段を踏み外し、脛を段差にぶつけた、その事実を一瞬で理解した。
光よりも早く思考する。
——脛をぶつけた。
——痛みが来る。
——でも、きっとエレンが心配するな。
——そんなことで時間をとられてはエレンが遅刻をしてしまう。
——痛みを堪えてなんでもないふうを装おう。
例のアレだと気づいてワロタ
彼は知識として、経験として知っていた。
体をどこかにぶつければ、痛いということを。
だが、彼は知識としてしか知らなかったのだ。
脛をぶつけたときの、その痛みを——。
アルミンの予告ネタかww
アルミン「——ぁぁっ!」
アルミン「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
アルミン「うぐぅああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!」
口を開けば、悲鳴が漏れる。
アルミン「っああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
アルミン「ああああああああああああああああああああああああ!!!」
呼吸をしようとしても、吸った端から悲鳴へと変わる。
アルミン「あああぁぁっ!!」
アルミン「——っああああああああああああああああああああああああ!!!」
それは、およそ人に耐えうる痛みではなかった。
無限に続くかのような地獄の苦しみ。
アルミン「ああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!」
痛みを堪えようと無意識のうちに脛を手で押さえる。
アルミン「うあっああああああああああああああああああああああっ!」
そして、それがまた痛みを呼ぶ。
アルミン「うぐっああああああああああああああああああああっ!」
その痛みは、悲鳴を止めることを許さない。
永遠とも思える苦痛がアルミンを襲う!
エレン「大丈夫か、アルミン!」
駆け寄る幼馴染。
痛みに意識を占領されたアルミンは、その一言を吐くことができなかった。
《エレン、転ばないように気をつけて》
この予告ネタは好きだわwwww続けてくれ
ズルッ
一瞬の油断。
だが、その一瞬で全ては終わっていた。
エレン(あ……、足を踏み外し——)
ガンッ
エレン「——あぁぁぁああああああああああああああああああああああっっ!!!」
そう。
エレン「ああああ!! っああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その痛みは。
エレン「うぐぅあああああああああああああああああああああああ!!!」
誰の元にも、平等にやってくるのだ。
アルミン「ああああああああああっっあああああああああああああああああ!!!」
エレン「ぐああああああああああっっ!!!」
アルミン「うあああああああああああああああああああっっ!!!」
エレン「ああああああああああっああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
アルミン「うぐっああああああああああああああああああああっ!」
エレン「——あぁぁぁああああああああああああああああああああああっっ!!!」
いてぇえええええ
アルミンとエレンの悲鳴は無駄ではない。
アルミン「あああぁぁっ!!」
エレン「ああああっああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
アルミン「ああああああああああっっあああああああああああああああああ!!!」
エレン「ぐああああああああああっっ!!!」
アルミン「うあああああああああああああああああああっっ!!!」
エレン「ああああああああああっああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミカサ「エレン!? アルミン!?」
彼らの悲鳴は一定の効力を発揮した。
彼らの幼馴染、訓練兵団第104期生最強を呼ぶことに成功したのだ。
考えてるだけで弁慶がジンジンと……
ミカサ「二人とも何があったの!? ——今、助ける!」
走りよるミカサ。
だが、油断は誰にでもある。
それはすなわち、104期生最強にも油断はあるということなのだ。
ミカサは忘れていた。
二人の幼馴染の身を案じるあまり、忘れていたのだ。
階段は、走っては危ないということを——。
ズルッ
ミカサ(あ……、足を踏み外し——)
ガンッ
ミカサ「——っっ!!!」
そう。
ミカサ「つっあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
痛みとは平等なのだ。
ミカサ「あああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!」
大人にも、子どもにも。
ミカサ「うあぁっうあああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!」
最弱にも、そして。
ミカサ「あぁっあああああああああっっああああああぁぁぁぁぁ!!!」
最強にも。
アルミン「ああああああああああっっあああああああああああああああああ!!!」
エレン「ぐああああああああああっっ!!!」
ミカサ「うぐっああああああああああああああああああああっ!」
アルミン「うあああああああああああああああああああっっ!!!」
エレン「ああああああああああっああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミカサ「——あぁぁぁああああああああああああああああああああああっっ!!!」
アルミン「ううぅぅぅあああああああああああああああああああああああああ!!!」
エレン「ぐぅおおおああああああああああっっ!!!」
ミカサ「——ああああああああああああああああああああっ!」
アルミン「つぅおああああああああああああああっっ!!!」
エレン「あああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミカサ「っぁぁぁああああああああああああああああああああああっっ!!!」
サシャ「!?」
サシャ「どうしたんですか、三人とも!?」
彼女の「本能」は語る。
あそこは危険だ、と。
近づくべきではない、と。
サシャ「——っ」
だが、彼女の「人間」は語る。
仲間を助けるべきだ、と。
サシャ「今、行きますからね!」
彼女は仲間に駆け寄る。
「本能」の声には耳を傾けなかった。
彼女はどうしようもなく、人間だったのだ。
そして、人間であるならば、平等にやってくる。
油断と、そして、痛み。
ズルッ
サシャ(あ……、足を踏み外し——)
ガンッ
サシャ「——あああああああああああぁぁぁっっ!!!」
カオスwwwwwwwwwwww
彼女の行動がなんであろうと関係がなかった。
サシャ「ううぅっあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
仲間を見捨てようとしたのであっても。
サシャ「あああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!」
仲間を助けようとしたのであっても。
サシャ「っっっああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!」
痛みにとっては、そんなもの、どちらであっても同じなのだ。
サシャ「あぁっっっああああああぁぁぁぁぁ!!!」
痛みは、脛を打ったのであれば。
——襲うだけなのだから。
アルミン「あああああああああああああああああああ!!!」
エレン「ぎぃあああああああああああああっっ!!!」
ミカサ「ああああ! あああああああああああっ!」
サシャ「うぐっあああああああああっっっっ!!!」
アルミン「っいあああああああああああああああああああ!!!」
エレン「があああああああああああああっっ!!!」
ミカサ「あああああああああああああああああああああっ!」
サシャ「——あああああああああっっっあああああああああああああああっ!!!」
ライナー「どうしたんだ!?」
ベルトルト「一体何が!?」
彼らもまた、油断した。
四人が倒れているのならば、一人が二人を助ければよいのだ、と。
自らを過信したのだ。
そして、彼らは優しかった。
その優しさゆえに、悶え苦しむ仲間をすぐにでも助けようと走り寄ったのだ。
それが、自らに悲劇を呼ぶとも知らずに。
なんという地獄絵図
ズルッ
ズルッ
ライナー(あ……)
ベルトルト(足を踏み外し——)
ガンッ
ガンッ
ライナー「ぐぅおあああああああああああぁぁぁっっ!!!」
ベルトルト「ううううううっくああああああああああああああああ!!!」
アルミン「いっあああああああああああああああああああ!!!」
エレン「ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミカサ「つあああああああああああああああああああああっ!」
サシャ「ああああああああああああああああああああっぁぁぁぁぁ!!!」
ライナー「あぐっあああああああああああああああああああああああ」
ベルトルト「うぐぅっあああああああああああああああああ!」
彼らにとって、長い時間、悶絶していたのは何も意味がなかったのであろうか。
いや、そうではない。
エレンが担当である掃除の時間はとっくに過ぎ去っていたが、それもこの際問題ではない。
大事なのは、もう間もなく訓練が始まる時刻になるということ。
コニー「おい、あれ!」
ジャン「!?」
マルコ「みんなが!?」
そう、訓練が始まる時刻になれば、多くの人がここを通るのだ。
ジャン「なにがあった!?」
彼の行動は正解だった。
状況を見て、あの場所に何かがあると判断し、遠くから声をかける。
悶絶する彼らは痛みに悲鳴をあげているようだが、命には関わるようには見えなかった。
正しき行動。
だが、彼が一つだけ間違えていたとするならば——。
コニー「ここから声をかけたってしょうがねえだろ! 助けに行くぞ!」
ぐいっ
ジャン「っ!?」
ジャンの袖を引っ張り、倒れる仲間達に向かって駆け出すコニー。
続くマルコ。
そう、ジャンが間違えていたとするのならば。
それは、バカと一緒に行動をしていた、その一点に尽きるのだ。
犠牲者が増えるぅうううう
ジャン「おい、引っ張るなよ! あぶねえだろうが!」
コニー「そんなこと言ってる場合かよ——、あ」
ズルッ
ズルッ
コニー(あ……)
ジャン(足を踏み外し——)
ガンッ
ガンッ
不幸なのは誰か。
そう問われれば、マルコである、そう答えざるを得ない。
彼は慎重にコニーとジャンの後に続いていた。
だが、少しだけ、本当に少しだけ、前で転んだ二人を避けきれず、階段を踏み外したのだ。
それだけで、脛を段差に捧げるには十分だった。
ズルッ
マルコ(あ……、足を踏み外し——)
ガンッ
ジャン「——ああああああああああああああああああああああ!!!」
コニー「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!」
マルコ「んぐっ——あああああああああああぁぁぁっっ!!!」
アルミン「あああああああああああああああああああああ!!!」
エレン「あああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミカサ「ううあああああああああああああああああああっ!」
サシャ「いっあああああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!」
ライナー「ああああぐぅぎあああああああああああああああ!!!」
ベルトルト「あああああああああああああああああ!」
ジャン「ががぁああああああああああああああああああああ!!!」
コニー「ああああっっああああああああああああああああ!!」
マルコ「うぐああああああああああぁぁぁっっ!!!」
アルミン「いっつぅあああああああああああああああああああああ!!!」
エレン「がぁぁぁあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミカサ「——っっああああああああああああああああああっ!」
サシャ「ああああああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!」
ライナー「ぐぁああああああああああああああああ!!!」
ベルトルト「ぎぃあああああああああああああああああ!!!」
ジャン「ああああああああああああああああああああっぁぁぁぁぁ!!!」
コニー「ああああああああああああああああああああ!!」
マルコ「がっぐっああああああああああぁぁぁっっ!!!」
——この悶絶の果てに何があるのか。
クリスタ「みんなが!?」
ユミル「……放っときなよ。遊んでるだけさ」
——それは誰にもわからない。
クリスタ「そうなの?」
ユミル「ああ。邪魔しないように訓練場にはあっちから行こう」
——わかっているのは、掃除当番をサボったエレンが罰を受けること。
——そして、訓練に遅刻する九人が罰を受けること。
——それだけなのだ。
最後に彼らを目撃した人物、アニは呟く——。
アニ「……バカか、お前ら」
だが、その呟きは彼らの耳には届かない。
彼ら自身の悲鳴が、全てを埋め尽くしてしまうのだから——。
アルミン「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
エレン「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ミカサ「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
サシャ「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ライナー「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ベルトルト「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
ジャン「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
コニー「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
マルコ「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
——この世界に、救いはあるのか。
それは、誰にもわからない——。
終わり
乙でした
この階段呪われてるんじゃないか…?
まさに学校の怪談
乙。アルミン、エレン辺りはそろそろ治れよwww
仄暗い雰囲気のSSを書こうとしたらこうなった。
皆も脛には気をつけてください。
アニメで実際に声入るの想像してわろたwww
近づいたら転ぶとか魔の階段だわwww
乙。
他のでキツイの見た後だから、馬鹿馬鹿しくて癒されるわ
次回予告のあれは確かに痛そうだった
乙ですよ
くっ・・・古傷が痛みやがる。ジンジンと・・・
思った、アニメはトロスト区で終わってあとは嘘予告をアニメ化するんじゃないか?
シチューの話がしたいようなので貼っておきますね
「彼氏の実家に行ったらご飯にシチューをかけて食べてた。正直、将来うまくやっていけるかどうか不安になった。
一瞬、結婚できないとも思った」と語るのは、都内の商社勤務のOL智子さん(26歳)。
彼女は当編集部の記者の知人女性で、同僚の男性と今年のクリスマスに挙式の予定。
・ご飯にシチューをかけて食べはじめた
そんな彼女が先日、彼氏の実家に3度目の訪問をしたという。今回は、はじめて彼氏の実家に宿泊。
夕食を彼氏の母親が作ったらしいのだが、そこでとんでもない出来事があったとのこと。
彼氏、その父親と母親、そして彼氏の弟全員が、ご飯にシチューをかけて食べはじめたというのだ。
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