ジョジョの淑女な冒険(169)


エリック(エリナ)「返して!返してくれ!本が破ける!!」

少年1「おいエリック!この医学書買ってもらったのか!?お前の親父ヤブ医者のくせに儲けてっからな!」

少年2「よしッ中を開いて見てやるぜ!解剖図と称して女の裸が載っているか確かめてやる!」

エリック「」ワナワナ

ジョジョ「やめなさいよォ!!本を返してあげなさい!」

少年1「なんだお前!?女のくせに、エリックの知り合いか!?」

ジョジョ「知らない子だけど私には戦う理由があるわッ」

ボギャアア!!

少年1「」

少年2「金!!」マエカガミ

エリック「的!!」マエカガミ

少年1「」ピクピク

少年2「なっ!何をするだァーッ!!ゆるさんッ!!」

メメタァ

エリック「ううッ…あの位置は……急所だ…!」マエカガミ

少年1「くっ…くそ……これ見よがしにハンカチで股間を蹴りつけた足を拭きやがって……」ヒョコヒョコ

少年2「ジョースター家のひとり娘が…覚えてやがれ……」ヒョコヒョコ


エリック「………」

ジョジョ「…勘違いしないで頂戴、私は貴方がイケメンだから助けたわけじゃあないわッ!!」

ジョジョ「私は本当の淑女を目指しているの!女だからって困っている相手がいたら、相手がどうであれ助けを差し伸べるのが淑女と思っているだけよッ!あとイケメンは正義だからよッ!!」ザッ


エリック「………(ハンカチ…ジョーン・ジョースター)」

エリック「(淑女を目指すというわりに迷いの一点もない金的攻撃…ハンカチを出して名前をわざと見せなくとも瞬殺だったのに)」

エリック「(きっと…これも彼女の言う本当の"淑女"になるために必要な事………なの……かな…?)」

ジョジョ「あら、家の前に馬車が。誰かしら…?」

ジョジョ「(ハッ!そうだ…ディアナ!この子の名前はディアナ・ブランドーだわ!お父様の命の恩人が亡くなられたのでお父様がその娘を引き取り、ジョースター家で生活する事になった…私と同い年の女の子だわ!)」

ジョジョ「貴方はディアナ・ブランドーね?」

ディオ「そういう貴方はジョーン・ジョースター」

ジョジョ「みんなジョジョって呼んでいるわ…これからよろしく」

ディオ「…そう。なら私のこともディオって呼んで頂戴、前の街ではそう呼ばれていたの」

ジョジョ「あら、なんだか男の子みたいな名前ね」

ディオ「………色々あるのよ」

ワンワンワン!!

ジョジョ「あっ、ダニー!紹介するわ、私の愛犬なの!とても利口なのよ、決して人は噛まないわ」

ディオ「………」



ディオ「(ここで一発ボギャァァとやるのが挨拶と貧民街で教わったけれど…)」

ディオ「でもダメェェェェーッッ!そんなの出来るわけないわァァーッ!だってとってもとってもとーっ………ても!!はしたないんですものォォォ!!」カァァ

ジョジョ「」ビクッ

ダニー「」ビクッ

ディオ「ドレスの裾がめくれちゃうわッ!暴力だなんてはしたないわ!恥ずかしいわッ!!」

ディオ「…ごめんなさい、ジョジョ…私、犬が嫌…怖いの、出来れば近づけないでくださる?」

ジョジョ「あ、あら…そうだったの、ごめんなさい」

ジョースター卿「疲れたろうディアナくん!ロンドンからは遠いからね。君は今から私達の家族だ。私の娘ジョジョと同じように生活してくれたまえ」

ディオ「ジョースター卿、御厚意大変感謝致しますわ」フワリ

ジョジョ「(…ドレスの裾を軽く持つように、物腰柔らかい優雅な一礼…こやつやりおる)」

ササ…

ディオ「! まあ、何をなさるのジョジョったら!私の鞄に触らないで!」

ジョジョ「え?」

ディオ「この小汚ない鞄に触らないでと言ったのです!」

ジョジョ「あの、運んであげようと…」

ディオ「いけませんわ、貴方の御手が汚れてしまいますもの!自分の荷物くらい私が運びますから、お気を使わないで?」

召し使い「まあディアナ様!それくらい私共に命じて頂ければ…」

ディオ「私のことはディオと呼んで?様付けだなんて…私如きに勿体無いわ…」ポッ

ディオ「ねえ…ジョジョ」ヒソヒソ

ディオ「最初に言っておくわ。これから貴方の家にお世話になるけれど…あくまでも貴方はジョースター家の次期当主よ。この私という厄介者を受け入れてくださった事だけでも感謝しきれないくらいなのに、これ以上好意を頂いてしまっては申し訳ないわ」

ジョジョ「そんな…私はただ仲良くしようと」

ディオ「もうひとつ。私は犬が嫌……ごめんなさい、苦手なの。扱いがよくわからないから、怪我をさせてしまっては大変だわ。だからこれからもなるべくダニーでしたっけ?彼を近づけないようにお願いするわね…」

ジョースター卿「2人とも何をしておるのだ?早く来なさい」

ディオ「ハイ、今参りますわ」

ジョジョ「………」


それまで楽しかったジョジョの生活はとてもつらいものとなったのだった

なんだかんだ言ってイケメンにこだわってんじゃねぇかwww

バチンッ

ジョジョ「キャッ!」

ジョースター卿「また間違えたぞ、ジョジョ!基本的な間違いを6回も!ディアナを見ろッ!20問中20問正解だ!」

ジョジョ「」ションボリ

ディオ「ジョースター卿!」

ジョースター卿「うんっ?」ビク

ディオ「お言葉ですが、手の甲とはいえ、淑女を鞭で叩くなど酷すぎますわ!あんまりです!私にも同じ罰をお与えくださいませ!」

ジョジョ「えっ、ちょ、ディオ」

ディオ「痛かったでしょう、ジョジョ。でも大丈夫…貴方の痛み、すぐ私にも分けられるからね。あとで薬を塗りましょう」パアア

ジョジョ「(何これ眩しい!ディオの労りが眩しい!?後光が差しているかのようッ!)」

ジョースター卿「(聖者かなにかか…!?)」

ジョジョ「」ムシャムシャベチャベチャ

ジョースター卿「ジョジョッ!!作法がなっとらんぞ作法が!見ろ!ディアナの作法は完璧だろう!」

ディオ「………」モグモグ

ジョースター卿「もうジョジョの食器を下げたまえ、ディアナが来てからわかった、私はジョジョを甘やかしていたのだと……」


ディオ「」アムアムベチャベチャガフガフ

ジョジョ「!?」

ジョースター卿「!?」

ジョースター卿「ど、どうしたディアナ、いきなりそんな不作法な食べ方をして…!」

ディオ「……いえ、ジョースター卿…普段から私はこの食べ方ですわ…ですから下げるなら、私の食器も下げてくださいませ…」カァァ

ジョジョ「(なんてこと…!私に恥をかかせまいと、わざと礼儀を知らないフリまでしてッ!あんなに顔を真っ赤にしても、貫き通すその精神力…!!)」

ジョースター卿「フィンガーボウルの逸話を思い出すかのような…なんたる気高き淑女…!」

さすがdio様、隙がない

読んで頂きありがとうございます。眠いので続きはまた次回。

ディオがいい人すぎる

ディオ様はジョジョの信頼まで得て家督を奪うのかな

どうすればこのディオが石仮面を使うのだ?

19世紀のスポーツ!
それは精神的な意味において今日のそれと少し違っていたッ!


司会「続いて紹介するはジョーン・ジョースターッ挑戦者ッ!」

司会「彼女は最近実力をつけて来ました!」

ドワァアーッ

司会「そしてチャンピオンはマーク・ワト……うんっ?」ボソボソ

司会「みなさん!みなさん!お静かにッ!」

司会「ここにいるワトキンにかわって、今新しい友人を我々のゲームに参加させたいとの申し入れがありましたッ!新しい夕食を知るのにボクシングに参加させて見るのもいいと思うのですがいかがでしょうか!」

ジョジョ「新しい友人!ま…まさかッ!」

司会「ディアナ・ブランドーくんです!」

バーン

外野1「いいぞ、やらせろッ!」

外野2「いったいどんなヤツだ?」

外野3「ok!認めるぜ!やらせてみろォ!」

   \ワーワー  ワーワー/

ジョジョ「………」ドキドキ

司会「みんなの了解を得た所でブランドーくん、我々のボクシングはガキの遊びじゃあない!自分自身にカネを賭けてもらうがいいかな?」

ディオ「………」

ジョジョ「………」



ディオ「えっ、その、私にボクシングだなんて、無理ですわ…」


司会・チャンピオン・外野「ですよねー」

ジョジョ「えっ」

司会「(普通に強いから参加してたけど、そもそも女の子が殴り合う戦いってなんかおかしいなって思ってた)」

チャンピオン「(誰もツッこまないから普通に受け入れていたけど)」

外野「(あれ、そういえばジョジョも女だったっけ?)」

ジョジョ「(あ…あのみんなの曇りが過ぎた爽やかな空のような顔!洗脳が解けたような顔ッ!)」


ディオ「……あの、私ジョジョの応援に来ていただけなの」オロオロ

ディオ「友達と認めてくださったのはとても光栄です、けれど殴るだなんてできないわ…」

司会・チャンピオン・外野「ですよねー」

ディオ「そ、そうだ!水を差してしまったお詫びになるかわからないけれど、私…お弁当を作ってきたの。たくさんあるから、みんなもどうぞ?」

司会・チャンピオン・外野「!!!!!」

ジョジョ「なっ!」

19世紀だろうが20世紀だろうが、それはいつだって変わらない!
男を捕まえるには"胃袋"から!誰だってマズメシよりウマメシ!

それは男を捕まえるテクニックだったッ!

外野s「うっ!うんまぁーいッ!!うまいよ、この弁当ッ!」

ディオ「作り方は内緒だけどね、まだ未熟な腕だから恥ずかしいもの…」

ディオ「勿論ジョジョにも内緒よ?ウフフ、いつか上手になってアッと言わせてやるんだから」

ジョジョ「う…うう」

ジョジョ「なぜッ!故意だッ!わざとだッ!何故こんなことを……」

ディオ「はい、あーん」

ジョジョ「むぐ」パクッ


ジョジョ「あれ…おいし…い…?わざと……あれ、故意…?」モグモグ

意外な形でジョジョが追い込まれとる

>>16
凄まじい誤字やっちまったァーッ!腹減っててすいません

×
司会「ここにいるワトキンにかわって、今新しい友人を我々のゲームに参加させたいとの申し入れがありましたッ!新しい"夕食"を知るのにボクシングに参加させて見るのもいいと思うのですがいかがでしょうか!」


司会「ここにいるワトキンにかわって、今新しい友人を我々のゲームに参加させたいとの申し入れがありましたッ!新しい"友人"を知るのにボクシングに参加させて見るのもいいと思うのですがいかがでしょうか!」

男勝りともいうジョジョの日常は、ディオという侵略者によってどんどんみじめなものになっていった。
男友達はディオの取り巻きへと変わっていき、元々女友達がいなかったジョジョは孤独に取り残された。

ジョジョ「ディオが来てから比べられっぱなし…どんどん侵略される気分だわ!花嫁修業だなんて…バカにせず、やっておけば良かった!裁縫も料理もディオに敵わない!」

ジョジョ「んもうッ!ディオ!ディオ!ディオ!」ゴロゴロ

パキ

ジョジョ「!」

エリック「………」ジー

ジョジョ「誰かしら、あのイケメン…私をじっと見て…どこかで会った事のあるような気もするけど」

ジョジョ「あっ!バスケットにブドウとハンカチ…これは私のハンカチだわ!思い出した!本を取られていたイケメンだわ!ハンカチ洗って届けてくれたのね!なんたるイケメン!」

ジョジョ「ブドウありがとうーッ!逃げないで一緒に食べましょうよ、イケメンさんー!」

エリック「」ビクッ

エリック「」ズダダダダ!

ジョジョ「へへへ…黙って一言も言わないで、可愛いイケメンね…」

恋!その素敵な好奇心がジョジョを行動させたッ!
たちまち捕獲された男の子とジョジョは友達になり、ジョジョは彼に夢中になったッ!

ジョジョ「(エリック…エリック!なんて素敵な名でしょう!あとイケメンだし)」ニヤニヤ


~川~

キャッ キャッ  バチャバチャ

ジョジョ「ねえッカエル掴んだことはある?」

エリック「うわっ!う、うん…勉強の一環として解剖をやったことはあるけど、いきなり掴むのは嫌だな…」

ジョジョ「私も掴むのは嫌いよッでも紐を結んで引っ張ったりするのは面白いの」


エリック「(快活的で、勉強ばっかりだった僕に知らないことをたくさん教えてくれるジョジョ…)」

エリック「(最初は怖かったけど、一緒にいると楽しいな。僕はジョジョが好きなのかもしれない)」ガリガリ

ジョジョ「あら、エリック。何をやっているの?」

エリック「い、いや。なんでもないよ」

ジョジョ「嘘、何か彫っていたわ…何故隠すの?」

エリック「(は、恥ずかしい…ジョジョと僕の名前を木に彫っていただなんて、見られたらきっと笑われてしまうよ…!)」

エリック「ダメだって!見せるようなものじゃないから…」

ジョジョ「そう言われるとすごく見たくなるわッ」

エリック「人に言うからダメd」


ジョジョ「このイケメンッ!」カァッ

ジョジョ「どけぃッ!」ブンッ

エリック「!?」

ジョジョ「そんなに恥じらって私をムラムラさせる気かァーッ!ただしイケメンに限る!ならばよし!!」ブワシィ!

エリック「」バッシャーン

ジョジョ「……あら、私とエリックの名前が木に彫られて…まあ!エリックったら、いけないひとッ!」ポッ

エリック「(…ジョジョ…やっぱり君は素敵な人だ…手首のスナップが利いたビンタも最高に…)」ブクブク


ジョジョの張り手を食らって川に落ち溺れかける、何かに目覚めたエリックはダニーが救ってくれた。
命というものを知っているのだ、あっぱれな犬ではないか!

ジョジョ「じゃあねーっ」

エリック「バイバイ、ジョジョ!」


エリック「………?」

ディオ「………」ドォーン

友人1「ほらっ行きなさいよ、ディオ!」

友人2「ここまで来て何を怖じ気づいているの?」

ディオ「う…」

エリック「な…なんだい?僕に何か…用かい?」

ディオ「あ…あの、貴方…エリックって名でしょう?ジョジョと泳ぎに行ったわね…最近浮かれていると思ったらこういうわけだったのね…」

ディオ「……でもッ!私も貴方の事が好きなの!スクールでずっと気になっていたわ!」

友人s「やっやったッ!!」

ディオ「貴方…もうジョジョに告白はされたの?まだよね…初めての告白の相手はジョジョではないわ!このディオよーッ!!」

エリック「!!」バァァーァン

エリック「ご…ごめんね…僕…ジョジョのことが好きなんだ…」

友人s「おおーっと!ここでまさかの"ごめんなさい"だァーッ!!」

ディオ「うっ…うっ、えぐ、ヒック」グスグス

エリック「…君の気持ちはとっても嬉しいよ…でも、ごめんね…それじゃあ…さようなら」


友人1「ディオ!泣かないで、貴方は立派だったわ!」

友人2「恥ずかしいのによく頑張って言えたわね!そこに痺れるし憧れるわよッ」

ディオ「うええぇーん!!」



エリック「(ああ…女の子を泣かせてしまった…確かあの子はジョジョの家に住んでいる子だったっけ…気まずいな…暫くジョジョの顔を見られそうにないや…)」

ジョジョ「ディオーッ!」バァーン

ディオ「…まあジョジョったら、そんなに血相を変えてどうしたの」

ジョジョ「私のことはどうでもいいわ!許せないのはディオ!私になんにも相談無く、貴方が思い詰めていたことッ!」

ディオ「…聞いたのね。愛しのエリックのことを」

ジョジョ「エリックの様子がおかしいから問い質してみたのよ!ディオ!貴方ってひとはッ!」ブワァッシィーン!!

ディオ「ぶげぇッ!」

ジョジョ「ディオォォオオーッ!!」バシバシバシバシ

ジョジョ「貴方がッ!泣くまでッ!殴るのをやめないッ!!」ブワッシィィーンン!!

ジョジョ「相談くらいしてくれても良かったのにッ!ディオの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ーッ!!勝手に傷ついて!泣きなさい!失恋の痛手は泣いて晴らしましょう!ねッ!?」

ディオ「」ピクピク

ジョースター卿「ふたりとも一体何事だッ!」

ジョジョ「あっお父様。いえ、これは女同士の友情を確かめあったところで…」

ジョースター卿「いや明らかにジョジョ、今のは一方的にお前がディアナを殴っていただろう!」

ジョジョ「えっ」

ディオ「」

ジョースター卿「ディアナを部屋に運んで手当てしてやりなさい。ジョジョ!お前にはあとで罰を与える!」

ジョジョ「ちょっ!違うのお父様、お父様ーッ!!」


罰を与えられたジョジョは部屋に行き2時間眠った…そして……目を覚ましてから暫くして、罰の厳しさを思い出し…泣いた…

一方ディオは…

ディオ「(まだ頬が腫れているわ…ジョジョの爆発力は侮れない…あの子は叩けば叩く程成長するタイプなのね、ただし他人を)」

ディオ「(淑女の顔を叩かれた鬱憤を晴らしたいところだけれど……)」

ダニー「わんわん!」

ディオ「………」

ディオ「………」ナデナデ

ダニー「クゥーン」デレデレ

ディオ「(…やっぱり犬は怖いから止めておきましょ。反省しなくっちゃ!よりもっと自分の心を冷静にコントロールするように成長しなくては…)」


そして7年の歳月が経過する…

とりあえずは寝るんだな

そして今んとこディオはちっとも悪くない
むしろジョジョが暴走しまくってる状態

―― 7年後

実況「とったァーッ!!ボールを奪いとったのは我がヒュー・ハドソン校の雌ーっ!ジョーン・ジョースターだァーッ!!」

ジョジョ「ウォオオオ」

実況「普段は静かなる淑女!身長195cmジョーン・ジョースター雄叫びをあげてゴールへ突進するゥ!1人!2人!3人にタックルされたまま引きずりながらも突進を止めない!!なんという爆発力なんという根性まるで重機関車です!」

   \ワーワー  ワーワー/

ディオ「やりましたわね、ジョジョ!最後の試合を優勝で飾れて、おめでとう!はい、タオル」

ジョジョ「ええ!ありがとうディオ、貴方が応援してくれたおかげよ!」

実況「ジョーン・ジョースターは考古学の分野で見事な論文を発表!その傍らにいるのは彼女の親友ディアナ・ブランドー、法律でno.1の成績で卒業予定の双璧を成す才女ペアです!」

ディオ「この勝利は早速お父様に報告致しましょう。ジョジョ、着替えていらして?一緒に帰りましょう、私待っていますわ」

ジョジョ「ええ」

ジョジョ「(ディオが正式な養子となって、私の父をジョースター卿でなく"お父様"と呼ぶようになってどのくらい経ったのかしら…)」

ジョジョ「(7年…7年か……エリックの事は私が興奮してしまったせい、ダニーが天寿を全うした時も、あんなに犬が苦手と言っていたのに、共に悲しんでくれて…)」

ジョジョ「(ディオはとってもいい娘よ?私よりよっぽど淑女だし!なのに…何故…何故かしら、彼女に対して友情を感じない…)」

ジョジョ「ただの嫉妬…よね。私ったらイヤな子!」

コンコン

ディオ「ジョジョ?着替えは済んだの?」

ジョジョ「あ、うん!今行くわ!」

~ジョースター邸~

ディオ「お父様、ご気分はいかがですか?」

ジョースター卿「うむ……大分いいよ、ゴホッ…ただ咳が止まらないな…今日医者に入院を勧められたよ」

ディオ「入院?それはしない方が良いですわ。こう言ってはなんですけれど…病院は施設が悪くても儲けることばかり考えて入院を勧めたりしますもの」

ジョースター卿「うむ…私も断ったよ。自分の家の方が安心していられる」

ジョースター卿「胸の痛みもなくなったし、手の腫れもひいたみたいだ、良くなっている…」

ジョジョ「お父様…早く元気になってください。本当に!」

ジョジョ「(風邪をこじらせただけなのに、こんなに悪くなって…考古学じゃなくて医学を勉強すれば良かったわ!)」

ジョースター卿「うむ。可愛い娘2人に囲まれて、病に臥せっている場合ではないしな。そうそう、ジョジョ!優勝おめでとう」

ジョジョ「ええッ!もう知っているの?」

ジョースター卿「大学の友人がさっき来て教えてくれたよ!」ニコ

ディオ「意地悪なご友人ですのね!私達は喜ぶ顔が見たくてすっ飛んで帰って来ましたのに」

ジョジョ「アハハハハ!」

ジョースター卿「ハハハ!いやいや喜んどる!私は鼻が高いよ」

ジョースター卿「ディアナ、君もよく頑張った…卒業したらなりたいものになるといい!援助は惜しまない、君は私の家族なんだからね」

ディオ「…貧しい出身のこの私にチャンスを下さってありがとうございます。ますます励みたいと思いますわ」

ジョジョ「………」


召し使い「ジョースター卿、お薬の時間です」ガチャ

~書斎~

ジョジョ「(この石仮面…血を垂らすと動く仕掛け…)」ガタガタ ガッシィーン

ジョジョ「(ディオは考古学はロマンがあるけれど、その石仮面は不気味だと言っていたわね)」

ジョジョ「だけど私は魅力を感じるわ、なんの為にこの石仮面が作られたのか…亡きお母様の思慕の情もあるし」

ジョジョ「この秘密を解いて発表したらダーウィンの進化論ほどじゃあなくてもセンセーションを巻き起こせるかしらね」

ドサドサ ドドーン

ジョジョ「あ!しまった…本をひっくり返しちゃったわ!でも高価な物じゃなくて良かった……あら?古い手紙…」

ジョジョ「ダリオ……ブランドー…まさかこれは、ディオのお父様の手紙!?こんなところにまぎれていたのね!」

ジョジョ「(ディオのお父様は死を覚悟してこの手紙をくれたのだったわね…死の直前というのはどんな文章を書くのかしら…ちょっと読んでみようかな)」

召し使い「いつもすみません、ディアナ様」

ディオ「いいのよ、薬を運ぶぐらい私に任せて頂戴」

トン トン

ディオ「!」

ジョジョ「…ディ…ディオ」

ディオ「どうしたの?ジョジョ。顔が真っ青よ、汗もひどいわ」

ジョジョ「…ごめんなさい、貴方のお父様が私の父に出した手紙…偶然見つけて読んでしまったの」

ジョジョ「中には…私のお父様と同じ症状の病に臥せっていると書いてあったわ…。ぐ……偶然?これは偶然…よね?」

ディオ「………お父様…」

ジョジョ「ねえディオ。貴方いつも私のお父様に薬を運んでいたの?ああ…私!今とっても恐ろしい想像をしているわ!なんて酷い!恐ろしい想像を!」

ディオ「ねえ落ち着いて、ジョジョ。貴方が言うように、それはただの偶然じゃないかしら」

ディオ「偶然という証拠は一切ないけれど…貴方が私を疑うというならば、身体検査してくれても構わないわ…」グスッ

ジョジョ「ううッ!」

ディオ「貴方に疑われる…友情を疑われるのはとても辛いけれど…薬を調べたいというならば、これも差し上げます」シクシク

ジョジョ「……ディオ…淑女として貴方の実の父、ブランドー氏の名誉にかけて誓える?自分の潔白を」

ディオ「…誓い……お父様……」

ディオ「………ええ、誓うわ。私は無実。清廉潔白よ、ジョジョ」

ジョジョ「…そう…でも一応、お父様の周りは信頼のおける医師を揃えるわ。薬も調べてくる…この偶然が本物かどうか…引っ掛かって仕方ないもの」

ジョジョ「薬に詳しい人物がロンドンの食屍鬼街にいると聞いたことがあるわ…そこへ行く」

ディオ「! ダメよジョジョ、そこはとても危険な街!いくら貴方が強くても女性一人で行く場所じゃあないわッ!」

ジョジョ「いいのッ!私は戦う!私はジョースター家のジョーン・ジョースターだものッ!!」ババーン

第一部のやつ何回か読んでるけどおもしろいなこれ
続き気になる

身長195cmで重機関車の様な女…

スピードワゴンがどんな淑女で現れるのか気になるな

ww

~食屍鬼街~

ジョジョ「なんなの?この街は!また行き止まりじゃないのよ、まるで迷路だわ!」

ジョジョ「壁のひびまで怪物に見えるほど不気味なところね……、…ん?」

ドドドドド

spw「おい刺青!アンタのナイフに任せるわ!」

刺青「ああ…」ギィラーン

spw「あのやたらでかくって身なりのいい嬢ちゃんの皮膚を切り刻んで身ぐるみ剥いじまいなッ!」

ジョジョ「なるほど食屍鬼街か……」グッ

刺青「うきゃあああッ!」ドッス

刺青「うへえ~!こ…こいつバカかあーッ化け物かあーッ!?ナイフを素手で掴んで止めやがったァーッ!」ギチッ ギチッ

ジョジョ「ナイフを動かそうとしているわね…試してみなさいッ!引っ張った瞬間、私の丸太のような足蹴りが貴方の股間を潰すわ!」

東洋「アチャッーッ!何を怖じ気づいているネ、刺青!いくら化け物みたいな女でも、この東洋の神秘中国拳法の蹴r」

ジョジョ「長い!!」ドプッ ブッゴーン

ジョジョ「…東洋…そういえば東洋は漢方などが盛んなのよね。ならそこの東洋人!毒薬を売っている店を知っているなら案内しなさい!」

spw「いい根性しているじゃないのさッ金持ちの嬢ちゃん!いいねェ、試してやろうじゃないの!」

ジョジョ「な…なに?あの女性の被っている帽子のつばが刃に…」

ジョジョ「ちょっと待って!私は毒薬を知る人間を探しに来ただけなのに!んもうッ!」ガッシィィン

spw「なんだいこいつぁ~?ケンカのド素人ね!護っているのは頭部だけであとは全部…」グオオオ

spw「スキだらけじゃないのさーッ!!」

ドゴァ

ジョジョ「ぐアァ!うううっ」ドッギャアア!! バキバキ

spw「アーッハハーッ!!刃が骨まで達した音!ヤツが蹴ってきたナイフのせいで狙った胴には行かなかったけれど、まともにくらったね!」

ドドドドド

spw「え!?」

ブォッギャア!

spw「(ゲブッ!な…なんて子だい!この子にゃ指どころか両足だって失ってもいい覚悟があるッ!そして恐怖や痛みに耐える精神力がある!)」

spw「(やめりゃあよかった!こんなタフガールにケンカふっかけるのはねェ!)」ドサッ

住民「ギ ギ ギ……」

住民「ウシュルウシュル…」

ジョジョ「…!」

spw「や…やめな!アンタ達ッ!」

spw「その淑女に手を出すことは……このスピーディワゴンが許さないよッ!」

ジョジョ「淑女?」

spw「ひとつ聞きたいね!何故思いっきり蹴りを入れなかったんだい?アンタのその脚ならさァ、アタイの顔をメチャメチャにできたはずなのにさ!」

ジョジョ「私は…父のためにここに来たの…だから蹴る瞬間!貴方にも父や母や兄弟がいるはずだと思ったわ…」

ジョジョ「それに貴方だって女性じゃない!顔をメチャメチャにされたら辛いでしょう、貴方も、貴方のお父様も!貴方の父親が悲しむことはしたくないのッ!」

spw「(この子…マジにこんなこと言ってんのか?限りなくアマっちょろいヤツだね……)」

いい感じ

spw「(しかし……仲間もたいした怪我じゃない。フンなるほどね…外見はさておき、服装だけじゃなく正真正銘の淑女ってわけかい…こいつは精神的にも貴族か…気に入った!)」

spw「アンタの名前を聞かせとくれ…」

ジョジョ「ジョーン・ジョースター」

spw「毒薬を調べに来たと言ったね!気をつけな!ヤツはこすずるいよ!」

ジョジョ「……!!知っているの?」

spw「腕の手当てをしなよ……このスピーディワゴンが店まで案内してやるさッ!」

ジョジョ「あ!ありがとう!!」

~ジョースター邸~

ディオ「…?どうしたの、執事!?何故邸内の明かりを消しているの?」

シボ!

ディオ「! ジョジョ!?」

ディオ「ああジョジョ!帰っていたのね、ロンドンから!良かったわ、無事で…心配したんだから…」

ジョジョ「……ディオ…解毒剤を手に入れてきたの。さっきお父様に飲ませたばかりよ。やっぱりあの症状は…薬は……毒薬だったわ…」

ディオ「…まあ…!なんてこと!酷い話だわ、一体誰がそんなことを!」

ジョジョ「………」

ディオ「…ねえ…ジョジョ?正直に言って頂戴。貴方、私を疑っているんでしょう?」

ジョジョ「うっ!」

ディオ「仲良く姉妹同然に育った私を…お父様に毒薬を盛って殺害しようとした、って」

ディオ「どうしてそんなことを?それもここまでくればわかるわよね、お父様が亡くなられたら、財産が手に入るものね」

ディオ「私は財産に目が眩んで、育てて頂いた恩も忘れた哀れな女…ねえジョジョ?貴方はそう考えているんでしょう?」

ジョジョ「や…やめて!ディオ!」

ディオ「いいえ、やめないわジョジョ。貴方はとっても純粋で優しい人…疑いを持つのも辛いでしょう?ずっと一緒に過ごしてきたもの、わかるわ貴方の気持ち」

ディオ「でもだからこそ…よ。だからこそ、私は警察に行くわ…調べてもらって、貴方が抱く疑念を晴らしてあげる…」ツゥーッ

ディオ「そうすれば…またお友達に、姉妹に戻れるわよね?私達…」ポロポロ

ジョジョ「ディオ…」


spw「ジョースターさん……気をつけな!信じちゃダメだよ、そいつの言葉を!」

ディオ「ッ!?」

spw「誰だ?って聞きたそうな表情してっからねェ自己紹介させてもらうとするかい」

spw「アタイはおせっかい焼きのスピーディワゴン!ロンドンの貧民街からジョースターさんが心配なんでくっついて来たのさ!」

spw「ジョースターさん!甘ちゃんのアンタが好きだからひとつ教えてやるよ!アタイは生まれてからずっと暗黒街で生き、いろんな悪党を見て来たさ」

spw「だから悪い人間といい人間の区別は"におい"で分かるんだよねェ!」

ディオ「………」

spw「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーッ!!こんな悪には出会ったことがねえほどになァーッ!」ドガッ

spw「こいつは生まれついての悪さッ!ジョースターさん、早えとこ警察に渡しちまいな!」

ジョジョ「で…でも!でも、ディオは…」

spw「おっと!甘ちゃんでネンネちゃんなジョースターさんに、もうひとつ教えてやろうかねッ」

spw「たまぁにいるんだよ……呼吸をするように嘘を吐く、そんな女がね。息をしなくちゃ死ぬだろ?当たり前さねッ!だから騙される!だから化かされる!だがこのスピーディワゴンの鼻は誤魔化せないよッ!性悪女!」バァーン

ここにきていきなりの性悪女断定!

女神の名前を持ちながら…wwww

・・・

ディオ「お父様…気分が悪いの?でしたらこの薬をお飲みください」

バッシィーン!!

ディオ「あうッ!」

ダリオ「バッキャローッ!!ディアナァ!てめ~ッ薬を買う金なんかどーやって作ったァ~ッ!!」

ディオ「チェスをして…勝ったのです、お父さ……」

グワッシャァ

ダリオ「男の名で男の格好をしてかァーッ!?ケッ!だったら薬より酒を買ってこいってんだよ、マヌケがぁ~!」

ダリオ「酒こそ薬さ!チェスなんてまどろっこしいもんより、すぐ金の作れる方法があるだろ、ボケッ!こいつを着て街に立ってこいィーッ」バサア

ディオ「うっ…こ…これはお母様のドレス…!!」

ダリオ「いいかァディアナ、てめーは金の成る木なんだよ!死んじまったアイツもよ~く稼いでくれたぜェ?年食ってからは泣かず飛ばずだったがなーッ」

ディオ「………!!」

ダリオ「こんな汚ェもんをいつまでも取っておいた理由がわからね~かッ!?ディアナ!」

ディオ「……お…お母様の……思い出が…」

ダリオ「ブァ~アカァッ!!てめーに着せるために決まってんだろッディアナ!いつまでもグズグズしてんなら俺が着せてやろうか!?俺が仕込んでやろうかぁぁ~ッゲヒャハハハ!!アイツにもそうしてやったようによーっ」

ディオ「い…い、いや……いやああああああ!!!」

ダリオ「逃げんじゃねェッ、ディアナァァ~ッ!」


私は地獄に落ちたわ。
私は死んだの。死んでしまったの。

不思議なものね、吐いて吐いて吐き出して、からっぽになったぬけがらのなきがらになると、なんでもできるようになるの。
地獄に引き摺り落としたお父様にも、なんの感情も抱かないの。
ぬけがらなのに皆は称賛してくれるの。

不思議ね。不思議なものね。

・・・

spw「こいつの顔に見覚えがあるだろッ!?」グイッ

ディオ「!」

ジョジョ「ディオ…この東洋人が貴方に毒薬を売ったと証言しているわ」

ザザーッ

ディオ「お…お父様!」

ジョースター卿「ディアナ…話は全て聞いたよ。残念で……ならない…君のお父さんは私の命の恩人…そして君には娘と同じくらいの愛情をこめたつもりだったが…」

ディオ「……や……やめて…ください、お父様……私に…父など……」

ジョースター卿「…寝室へ行って休むよ…娘が捕まるのは見たくない…」

ワンチェン「あの女…捕まりやせんよ…占いでそう出てるんじゃ……耳の3つのホクロだけじゃあなく、あいつの顔の相もそうなっているんじゃ」

ワンチェン「奴は強運のもとに生まれついとる!」

ジョースター卿「………!?」

ディオ「…そう…もうここまで来たら終わりね…私は舞台を降りるわ、ジョジョ。滑稽なダンスはもうおしまい」

ジョジョ「ディオ…」

ディオ「ねえジョジョ?貴方が私に手錠をかけてくださる?7年間も一緒に過ごしたんですもの…最後は貴方の手で終わりにしたいわ」

ディオ「でもごめんなさい、貴方がロンドンへ発ったあと、このとおり、私は肩に怪我をしてしまったの。まだ痛むから…優しくかけてくれないかしら」

spw「ジョースターさん、気をつけなよ…」

ジョジョ「…わかったわ…私が手錠をかける!」

ゴゴゴロロロ…

ディオ「…ねーえ、ジョジョ?人間というものは…能力に限界があるわね…」

ジョジョ「………?」

ディオ「私が短い人生で学んだことは……人間は策を弄しても、偽っても化けても飲んでも死んでも…!予期せぬ事態で策は崩れる……人間を越えなければ、完璧にはなれないのね」

ジョジョ「なんのこと?なにを言っているのッ!」

バン!

ディオ「あたしは人間をやめるわ!ジョジョーッ!!」バリバリバリ

警察「ナイフを持っている!奴を射殺しろッ!」

ディオ「あたしは人間を超越するッ!!ジョジョ!あんたの血でねェーッ!!」ゴオッ

spw「危ないッーッ!!ジョースターさんッ!」

ドス!!

ジョジョ「いやああああああ!!!」

ジョースター卿「ぐ……ジョジョ……」

ジョジョ「お…お父様ッ!!」

警察「奴を射殺しろーッ!!」ドガガ!! ガーン!!

ディオ「あっははははははーッ!!」ファアゴォ

なんだ!?いきなりシリアスでハードになったぞ

ジョジョが嫉妬の果てに仮面つけるパターンじゃなかったか

運命には抗えないッ!

スピードワゴンがこう……無双の祝融的な

ジョジョ「ああ…お父様!なんてこと…ナイフなんて普通ならよけられたのに…ディオが私の研究していた石仮面を何故か持っていたから…気を取られて…」

ジョジョ「お父様…!やっと元気になられたのに…私の身代わりに…!」

ジョースター卿「径が小さいので…小指に…して……いたが…死んだ…母さんの……指輪…だ……」

ジョジョ「あああ!お父様!お父様ーッ!!」

spw「うう…あのナイフの位置じゃあもう助からない…!ディアナ・ブランドーの仮面なんぞを被ってのバカげた行動も疑問だけど…」

spw「くそッ!アタイがついていながら奴のナイフを防げなかったなんて!」

警部「わ…わしの責任だ!わしが20年前、ディアナの父親を流島の刑にしていればこんな事にはならなかったんだ!」

spw「ディアナ・ブランドーの父親?」

警部「そうッ!奴はジョースター卿の命の恩人とのことだが…その実はとんでもない!馬車の事故を幸いに金品を漁った悪党だったのだ!」

警部「その時ジョースター卿は意識混濁の中にあり…ダリオ…ディアナの父親を恩人と勘違いしてしまわれたが…」

警部「盗まれたジョースター卿の指輪も出てきた!一緒に居た酒場の女の証言も取れた!なのに!ジョースター卿は事もあろうに奴を見逃し、事実を知っていながらディアナを養子にしたのだ!」

警部「あの時…ダリオを島流しにしていれば、こんな事には…ッ!」


ジョースター卿「ジョジョ…ディアナを恨まないでやってくれ…私が悪かったのだ…」

ジョースター卿「実の娘ゆえにお前を厳しく教育したけれど…ディアナの気持ちからすると、かえって不平等に感じたかもしれないな…私は…ディアナの気持ちを…心を…開く事が出来なかった…」

ジョースター卿「ディアナはブランドー氏の傍に葬ってやってくれ…」

ジョースター卿「悪くないぞジョジョ……娘の腕の中で死んでいくと…いう………のは……」

ジョジョ「お父様あああぁぁーァッ!!」

警部「う…う……あの甘さだ!あの優しさがこんな不幸な結果を招いた…間違いだったんじゃ!死んでしまったらおしまいじゃ!」

spw「そいつぁ違うよッ!ボウヤ!」バン

警部「ボ、ボウヤ」

spw「あの父親の精神は…娘のジョーン・ジョースターが立派に受け継いでいる!それは彼女の強い意思となり誇りとなり未来となるだろうさ!」

spw「(アタイは自分が困るとすぐ泣きぬかす甘ちゃんは大ッ嫌いだがねェ!この親子は違う、自分達のした事を後悔しない最高の大甘ちゃんだね!)」

ゴロゴロ ピカッ

spw「…?……!死体が…死体が、ディアナ・ブランドーの死体がないッ!?」

spw「サツの旦那!窓から離れなーッ!!」

ドンッ!!

ディオ「keeyyyaaaa」バン

spw「な……なんだいこいつはァーッ!生き返っているッ!」

警官1「な…なんだこいつは!?あ…あんなに弾丸を食らったのに生きているッ!」

ゴゴゴゴゴ

警官2「け…警部の頭が…あ…あんなメチャメチャに!いっ…い…いったいどうやればあんな風になるんだ!?」ガタガタ

警官3「わ…わからん!気をつけろ!きっと何か武器を持っているに違いない!」ガタガタ

ジョジョ「ま…まさかッ!あの石仮面が…!?」

警官1「こ…こっちに向かって来るぞ…」

spw「なにしてんだいッ!もたもたしてんじゃあないよっ早く狙撃しちまいな!!きっと急所を外したに違いない!」

ジョジョ「ディオ!止まりなさいッ!」ジャキッ

spw「襲って来るぞ!」

ジョジョ「ディオ!!ディオーッ!!」

spw「早く撃て!!早く撃っちまいなーッ!!」

ドオーン!

ディオ「!!」ビスッ バゴッ!

ディオ「まあぁなんて事でしょう……レディの顔に傷をつけるだなんて…酷い事をなさるのね…?」ダラァア

警官「うわああああぁぁぁぁッ!!!」

spw「し…死なねえ!頭を撃たれたのに……アタイにはわからない…今…なにが起こっているのかさっぱりわからない…」ガクガク

ディオ「……ジョジョ」ボタボタ

ジョジョ「なっ…なんてこと…!」

ディオ「ジョジョ!あたしはこんなにッ!こんなにも素晴らしい力を手に入れたわ!」

ディオ「石仮面からッ!!あんたの父親の血からッ!!」

ディオ「あーっははははははーッ!!」ドスドス

警官「え?ひっ…」ズギュン ズギュン!!

ジョジョ「(こ…混乱……頭の中が混乱している…ディオ……ディオは…石仮面で…ナイフで刺したお父様の血で……未知の能力…未知の力を…!?まさか…そんな……ディオが!?)」

ディオ「uuurrrryyy!!!」

ジョジョ「ひっ!に…人間がぐじゃぐじゃに…ひ…ひょっとして吸いとっているの!?人間の中の精気を吸いとっているの!?」

spw「うわああああああ!!」

ブオン!

警官「ぎぃっ!」ドッ バァッ

spw「ぎゃっ!」バギ

ジョジョ「スピーディワゴン!!(吸った人間を投げただけで…当たった他の人間までメチャメチャに!なんてパワーなの!)」

ジョジョ「…か…怪物を生み出したのね……あの石仮面は!…怖い…怖い、けど」ズシィッ

ジョジョ「あのディオをこの世にいさせちゃいけないわ!そもそも私が好奇心で研究していた石仮面が魔物を作り出す道具だったなんて…私の責任だもの!」

spw「ジョー…スターさん…槍なんか持って…まさか、戦う気かい…!?」

spw「アタイはッ!アタイは今まで世界各国を放浪していろんな物を見てきたッ!けどこんな化け物は見たこともないよッ!」

spw「頭を拳銃で撃っても死なないッ!人間をグチャグチャにする、力を越えた力を持つ魔物なんてさァッ!」

spw「に…逃げなッジョースターさん!あんたに勝ち目はねぇッ!殺されるだけだよッ!」

spwだけはどうしても女体化想像できないw

ジョジョ「(古代人の作った石仮面の骨針は脳から人間の隠された未知の能力を引き出したに違いないわ!なら頭を完全に破壊しつくせば…ディオは……強い意思持って、やらなくちゃ…!)」

spw「!」

警官「」ピクピク

spw「な…なんてこったい!ディオの指から精気を吸われたグチャグチャの死体が!生き返りやがった!」

警官「グァヴォー~~あったけェー血ィイィ!ヴェロヴェロなあめたァアアイ」ズルズル

spw「ひ…ひでえッ!化け物は化け物を生み出すのかいッ!?」

spw「(く…腕が折れただけじゃなく肋骨まで痛めちまってる…逃げられないッ!)」

バガッ

ジョジョ「うおおおお!!」パンッ

spw「ジョースターさんが化け物の頭を砕いた!たっ助かったよッ!」

ジョジョ「怪物とはいえ……辛いし怖いわ…お父様…!もっと強い気持ちを与えてください……!」

シュンッ

spw「ジョースターさんっあぶなァーい!上から襲って来るッ!」

ジョジョ「うおおおお!!」ギャン

ディオ「うふっ」ドズ!

spw「ううッ!突き出した槍を手に串刺して止めやがった!頭の傷も治癒してやがる…不死身なのか!あいつはッ!?」

ディオ「貧弱!貧弱ゥ!」バキィッ

ジョジョ「あうっ!」ドスッ

ディオ「…折れた槍が刺さって痛いでしょう…?でももう少し…もう少し遊びましょうねえジョジョ…最近は学業が忙しくってなかなか一緒に遊べなかったものねぇ…?」

ディオ「この素晴らしい力を一緒に楽しみましょう…自分でも…どこまでできるか…まだわからないんだもの……」クルリ

ディオ「…あら?……ウフフ、195cmのでかい体が持つパワーは相変わらずね。槍が刺さっているのに仲間を抱えて…かくれんぼだなんて」

ディオ「でも…ダァーメ」クンクン

ディオ「あたし、かくれんぼは嫌いなの。別の遊びにしましょう?策とも呼べないものなんてつまらないじゃない。…血が垂れていてよ、お馬鹿さん」

ディオ「カーテンの影に隠れて震えている可愛いジョジョちゃん、みぃーつけたぁ」バサッ

ボオッ

ディオ「!」

ディオ「keeyyaaaaa!!」ゴオオォォ

ジョジョ「"策"じゃないわッ!!"勇気"よ!!」

ディオ「カ……カーテンに…火をつけて……」メラメラ

ディオ「uuoooaaaaaaaa!!!」ボグオオオ

spw「や…やった!奴は焼けている!………なッ!?」

ディオ「…ああ……」ゴゴオオウゥ

ディオ「ああ、ああ、燃える、燃えるわ、燃えてしまう、お母様のドレスが燃えてしまう、大事なドレスが燃えてしまう」

ディオ「酷いわ、酷いわ、なんて意地悪な子なんでしょう、なんて酷い子なんでしょう、お仕置きなんかじゃあ物足りない、鞭叩きじゃあ済まされない」

spw「……や…焼かれながら……歌い踊っていやがる…き、狂人めッ!!」

ジョジョ「…皮膚が次々再生しているのね…!あの凄まじい再生力にこの火じゃ倒せないわ!焼かれながら攻撃してくる!」

ジョジョ「スピーディワゴン!邸から逃げて!貴方はもともと無関係の人間だもの!」グィン

spw「なッ!ジョースターさん!上に逃げちゃダメだ!火が邸中に広がるよッ!」ドサ

ジョジョ「上がってらっしゃい!ディオ!!貴方を世の中に放つわけにはいかないわ!」

ディオ「かくれんぼの次は鬼ごっこ?ウフフ…仲間から注意をそらすために、あたしを誘っているのね?」ボシィッ

ディオ「いいわよ、遊びましょう?この火傷は貴方の生命を吸いとって治すから…」バゴ

ディオ「それからスピーディワゴンとかいう雌犬も殺して…舘も全焼!全ての証拠は残さない!」

ドゴーン  ドゴーン

ジョジョ「…!壁に足を突き立てて…昇ってくる…!」

ジョジョ「……お父様…悼みます…」

ディオ「…ウフフ、お父様……悼みますわ…」

ジョジョ「この炎と共に天国へ行ってください…」

ディオ「お一人で天国に行くのは寂しいでしょう?でもどうか、ご安心くださいませ…」

ジョジョ「どうかこれからやり遂げる事ができるように、炎に力をお与えください!!」

ディオ「すぐにも貴方の娘を送って差し上げますわ!!ジョジョ!炎の中で父親とひとつになりなさい!灰になりなさい、シンデレラ!あっははははははははぁぁーッッ!!」


spw「ジョースターさん!まさか!!その考えはダメだ!ジョースターさんーッ!!」

ゴオオオォォ

~屋根上~

ジョジョ「(ディオと初めて会った時の事を思い出すわ…あの日、ディオの名前を聞いたあの時……ディオの表情に一瞬だけ、影が差した)」

ジョジョ「(最初から?最初からなの?最初からずっと貴方は"ディオ"を作っていたの…?)」

spw「ジョースターさんは…あの魔物を倒すにはもっと強い火力が必要と考えているッ!そんな事……よくて相打ちッ!!」

ジョジョ「ウウオオオォッ!!」ズボァ

ディオ「わからない子ねェッジョジョ!!貧弱!貧弱ゥッ!!刺さった槍のガードなんて、あたしにとっては木っ端そのものよッ!」

ドッガアン!!

ディオ「な…体当たり!?」バゴッ

ディオ「あ…あんたッ!こんなことッ!よくも!」

spw「ジョオースタァーさぁーんッ!!自分もろとも焼き尽くすつもりだァーッ!!」

ディオ「(さっきの火傷がまだ完全に治りきっていない今…一階の猛火に落ちてしまうと、この不死身の体でも敵わないかもしれない)」

ディオ「でも!」メキャン!

ジョジョ「うぐっあ!」バキバキバキ

ディオ「肋の5~6本も折れたァー?あははっ!あたしはね、ジョジョ!こうやって壁に掴まって逃げるのよ!」バゴン

ジョジョ「うおああああっ」

ディオ「good-bye jojooo!」

ジョジョ「(私は…私は、負けないわ!)」

ジョジョ「(さっきまで私の肩に突き刺さっていた鉄槍の破片!これを使って!飛ぶ!!)」ドッガァ

ジョジョ「ううッ飛んだのはいいけど、あとちょっと足りない…!」

ジョジョ「このおッ!!」ガシッ!

ディオ「なっ!」

ディオ「なんて子!あたしのドレスの裾を掴んで!!」

ジョジョ「戻って来たわよ!ディオ!そしてこのナイフ!」ズラァ

ディオ「何故!何故なの!どうしてよッ!あたしの味方じゃないの!?お母様ァァァァーッッ!!」

ジョジョ「うおおおこのナイフはッ!貴方がお父様に突き立てたナイフよォーッ!!」ドオガァッ!!

ディオ「keeeyaa!!」

ディオ「ッいいわ、ジョジョ!共に猛火の中へ飛び込んであげる!でもね!死ぬのはあんたひとりよッ!」

ジョジョ「お父様ァアアアア最後の力をォオオオオッ!!」

叫び!無心の叫びッ!
その叫びが父の魂に通じたのかッ!!
それとも生まれ育ったジョースター邸の構造を無意識のうちに利用していたのか!!

蹴った!壁をッ!!蹴った先にはッ!!

ドガッ バゴズブ

ジョースター家の守護神、慈愛の女神像!!

ディオ「ギャヤヤアアア!!」ベゴッ

ディオ「うううッ!ぬ…抜いている暇がッ!炎がァ!あたしの体を焼くゥ!!」ジュージュー

ディオ「よ…よくも!よくもあんたッ!よくもこんなァアアアアアアーッ!!わ…忘れていたわ!子供の頃からあった、侮ってはいけないアイツの爆発力を!!」ジュージュー

ディオ「ジョオジョオオオォオオ!!こんなァ~…こんなはずじゃあ…あたしィのォ人生…」ボボボ

ディオ「うげっ!」ジュンッ


ゴゴオオオォォ

spw「ああぁ…邸が燃えちまう…ジョースターさーん!!」

ガッシャアアァ

spw「はっ!?…ジョースターさんが邸から飛び出してきた!い…生きている!勝った!勝ったんだねッ!ジョースターさん!!」

シンデレラ
灰被りとは…序章乙

お、女吸血鬼がドレス燃えて裸に!??

~事件から3日後~

spw「アンタらはここで待ってな!」

刺青「アネゴォ~そんな怪我したのにィひとりで行って大丈夫でっかァ?歩けますかァ?」

spw「バッキャロォーあの人は今、生死の境をさまよってんだッ!それに比べりゃあこんなのはねェ!カスリ傷さッ!」ピョーン

spw「イデー!イデー!!つ…杖!……杖!早く杖をよこしなー!」

刺青「あーあ、言わんこっちゃねーぜ」


ジョースターさんは戦いに勝った…アタイの命も助けてくれた。
しかし何もかも失った…父親も家も…そして姉妹だった女(ディアナ)も。

3日前の参事のあと、この病院に担ぎ込んだが…

spw「今!あの人は全くの孤独!心の支えがないんだ!こんなアタイでどーにかできるかわからねーけど、ほんのちょっぴりでも生きる希望を与えてやれりゃあ…!」

spw「確かここが病室だったな…うッ!?」

?「…なにか?この部屋は面会謝絶ですが」

spw「め…面会謝絶!アタイはだからこそ来たんだよ!会いたい!アタイは彼女の友人なんだ、会う必要があんだ!」

?「………」

spw「(な、なんだこいつ!この冷ややかな目は!)」

?「治療、看護ともども我々が十分にやっておりますので、後日、彼女の回復次第改めていらしてください」バタム

spw「おい!ちょっと待ちなよッ!」

spw「(くっそォーッ今の医者、イイ男だがなんて冷たい態度だ!この顔のキズを見て貧民街育ちのアタイを見下して閉め出しやがったね…)」

spw「(普段なら腕ずくでも突破するところだけど、ここは出直して…夜に忍び込んで会う事にするかい!)」


spw「イデー!イデ!!はぁはぁ……まぁもっとも、この方がアタイらしいしね…」

spw「んっ!夜中の一時すぎだってのにジョースターさんの病室から明かりが…なにかあったのか?」

バチャ バチャ

spw「こ…これはッ!!あの男はッ!」

spw「(さっきの医者じゃないのさ!こんな遅くまで付きっきりの看護をッ!手がふやけて皮膚が紫色になって血がにじんでまで!何百回何千回と冷水タオルでジョースターさんの火傷を冷やしていたのか!?)」

spw「(ここに運び込まれてからずっと…!?何故そこまで献身的付き添えるんだ!?)」

ジョジョ「うう…」

?「はっ」

spw「! おおっジョースターさんの意識が!」

?「よかった……」

spw「やったーッ意識を取り戻したぞッ!!侵入罪だろうが構うもんかい!部屋に入って思いっきり祝うとするかねェ!」

?「久しぶりだね、ジョーン・ジョースター」

spw「…え? !?」

?「峠は越えたよ、もう大丈夫だ…」

ジョジョ「貴方がずっと…治療を…?貴方は!面影がある…そう、貴方は…い…いや…まさか…」

ジョジョ「そんなはずは…ないわ…すごく似ているけれど……」

エリック「似ているって誰にだい?エリック・ペンドルトンかい?」

ジョジョ「!!」

エリック「ジョジョ」

ジョジョ「エリック!……立派になったのね…ますますイケメンになって…」ジワ…

エリック「ふふっ立派になったのは君の方だろう?逞しくとても美しい淑女になったよ!…でも本当に暫くぶりだ…」

spw「2人は知り合いなのか、それとも…過去にすごくいい思い出があるらしいな…」

あとで知ったことだが、彼は7年前医者である父の仕事でインドに移り住んだ。

そして最近帰国しジョースターさんが運び込まれたのは偶然にも彼の父親の病院だったわけだ…

だからか…あの献身的な看護ぶりは…冷血野郎に見えたのはアタイの間違いだった…

あの時の険しい態度は、あの男の"必死"な気持ちのあらわれだったんだ…

今はあんなに爽やかに輝いている!あの男がジョースターさんに"心"を注いだんだね!!

spw「フッ、お邪魔虫にゃあなるつもりはないよ!スピーディワゴンはクールに去るとすっかい」


エリック「」フラッ

ガシィ

エリック「はっ!つ…つい気が緩んで…意識を……」

エリック「あっ!なんてことを、ジョジョ!骨折している腕で僕を支えるなんて!」

ジョジョ「いつだって支えるわよ」

エリック「………!」キュンキュン


spw「(運命か…人の出会いってェのは運命で決められてんのかもしれないねェ…)」

~ジョースター邸・跡地~

ガラガラ ガラガラ

ワンチェン「ウウウヘェッヘェッヘェッ!あったあるね…この仮面……金になるよ…一儲けしてやるねウヘェェヘヘヘヘヘ」

ガバアッ

ワンチェン「ひええーッ!!」

ワンチェン「ぎゃあああああス!!」ズギュン ズギュン


ディオ「う…う……ジョ…ジョ……よくも…よくもこんな…絶対に…許さないわ……」


to be continued...

>>1のライフはもう0よ。

バロネス・ツェペリとかタルキャスとかヴェラフォードとか幼女のポコとかまで考えたけど無理でした。

読んでくれた方ありがとうございました。

お疲れ様

30日待ってやる

もうちょっと遊びたいなと思ったんで書き溜め作ってきます。
またトリップ使わせてもらいます、あってるかな…

のんびりになるかもしれませんが再開します。

手口の残虐性は他を寄せつけずッ!
動機!正体!真相は一世紀経った今も闇の中の謎!
ロンドン中を恐怖のどん底に突き落とした男!究極の殺人鬼!

―― 切り裂きジャック!!

ジャック「この夜遅くまで遊んでる堕落した女がァーッ!!」ブッギャアーッ

ジャック「ハァハァ…ハァァァアア…」バドッ バドッ

  クスクス…  クスクス…

ジャック「……ムッ…?」

ディオ「……フ…フフ…ウフフ…フ…」

ジャック「………どこから…いつの間に」

ディオ「あなた……気に……入ったわ………」

ディオ「その…異常性……残虐性………ごくまれに…いるのよね…心にあるタガが…善なるタガが無い人間が……」グジュッ

ディオ「…子宮……ただ切り裂くだけじゃなく…女の象徴を取り出してまで、そんなにも憎いの?怒りを感じるの……幸せそうにしている、楽しそうにしている女が…娼婦が……貴方は…彼女達に誰を重ねているのかしら…?知りたいわ…貴方のことが知りたいわ……」

ディオ「…ねえ?私達…"お友達"になれるかしら…?ひとつ、貴方の闇を…私に見せてくださらないかしら…」

ジャック「…見られたからには生かしてはおけんなァァ…!」ウシュアア

スパパパァ

ジャック「!!……おん…な…?」

ディオ「……傍までいらっしゃい、ジャック・ザ・リパー。私が貴方に与えてあげる、今以上の快楽を……今以上の安らぎを」

ジャック「………」

ディオ「さあ…いらっしゃい……」

ジャック「………」


ジャック「―― 母さん」


ジャック・ザ・リパー
この殺人鬼はある日を境に犯罪をピタリとやめ…謎の彼方に消える…

~ジョースター邸・跡地~

ジョジョ「(あの日の惨事を知るのは私とスピーディワゴンだけ……警察もディオ逮捕時の大事故として納得してくれたけど…)」

ジョジョ「(気になるのは"石仮面"だわ…瓦礫を掘っても出てこない…邸が崩れ落ちた時に粉微塵になった…と思いたい…)」

エリック「ジョジョ。探し物は見つかったかい?」

ジョジョ「…エリック」

ジョジョ「(…粉微塵になった。そう思いましょう!そして早く忘れましょう…)」

エリック「何を探しているのかは知らないけれど、あんまり無理をしてはいけないよ。まだ君の体は完治していないんだ」

ジョジョ「わかっているわ。それにもう大丈夫、探し物は見つからないけれど、それが一番いい答えと思うことにしたから」

エリック「? なんにせよ、また無茶をするようならば、今度からベッドに縛りつけようか」

エリック「勿論、君を留める役目は僕の腕でね。縄などに任せてしまっては、嫉妬でどうにかなってしまいそうだし」

ジョジョ「もう!エリックったら、相変わらずいけないひとッ!!」ブワッシィィン

エリック「ゲブゥッ!!」ドッゴーン

ジョジョ「ああ!ごめんなさいエリック!恥ずかしくなって、つい…」

エリック「ジョジョ…やはり君の平手は最高だ……」ヨロヨロ

ジョジョ「エリック、………」

ジョジョ「(誰かしら、あの女性…奇術師のような格好をして。さっきからずっといるような…)」

エリック「…どうしたんだい?」

ジョジョ「え?いえ、気のせ、……ッ!!?」

?「ミス・ジョーン・ジョースターに……ミスター・エリック・ペンドルトン」

ドーン!

ジョジョ「なっ!?座ったままの姿勢!膝だけであんな跳躍を!何者!?」

?「よく生き残れたものだ、あの"石仮面"の力から!だが生きているぞ、"石仮面"の女も!!」

?「パウッ!」ドズ

ジョジョ「うげェ!」

エリック「ジョジョ!!け…怪我人を殴るなんて…!」

?「おっと、心配しなくてもいいよォミスター。暫く呼吸は出来んだろうが…」

ジョジョ「ぐはっ!な…何!?私の体が…腕が!……痛みが消えていく…!?」ミシ メシ ビキ!

?「痛みが消えたか?それは良かったねえ、しかしそれは君の呼吸が痛みを消したのだよ、…東洋人はそれを"仙道"と呼ぶがね…」

ツェペリ「私はツェペリ…バロネス・ツェペリ。ついて来たまえ、その謎を知りたければ…"石仮面"の力に勝ちたければねえー」

エリック「(謎の奇術師女性はツェペリと名乗り、僕達の前で不思議な技を見せた)」

エリック「(東洋医学…いや医"術"と呼ぶべきか、その神秘性は僕もよく知っている。暫くインドに住んでいたのだから)」

エリック「(だがあれは…ツェペリさんが見せた技は…医学でも医術でもないように思う、いや思いたい…完治に一月、二月はかかるだろう骨折を瞬時に治すなど!"呼吸"!呼吸で!?)」

エリック「………」

エリック「(ジョジョは…僕の事をひたすらに避けているように思う…嫌いだからとかそうじゃなく、むしろ好意からくる事の避け……僕を巻き込みたくないとでも考えているのか?)」

エリック「(でも、あのツェペリさんが見せた技。カエルを潰さず岩だけを砕いたあの技。僕は知っている)」

―― 本を返してあげなさいよ! ――

エリック「(子供の頃、ジョジョがいじめっ子に放った…あのパンチによく似ている…気のせいかもしれないけど…)」

~ロンドン・食屍鬼街~

エリック「………」

spw「………」フゥー

spw「…それでわざわざアタイを訪ねてきたってのかい、お坊ちゃん」

エリック「貴方とジョジョは友達なんですよね。なら貴方に相談するのが一番良いかと思いました。ジョジョが何を抱えているのか…知りたいのです。どうか教えて頂けませんか」

spw「よしとくれ!アタイがジョジョに叱られちまう!ジョジョが語らないのが一番の理由だろ、アンタを巻き込みたくないって意思の表れなんだ。わざわざご足労頂いてなんだけどね…藪をつつきゃ蛇に咬まれちまうよ」

spw「さあ帰った帰った!こう見えてアタイも忙しいんだよ、調べなきゃならないことがあるんだからね」

エリック「でしたら僕にそのお手伝いをさせてください!」

spw「ハァーッ……いいかい、坊っちゃん!二度は言わないよッ、首を突っ込むなってんだ!その股間にぶら下げてるモンを重石にして、どっしり構えてな!」

エリック「…例えジョジョが怒ったとしても、貴方にご迷惑は一切おかけしません。罰は僕ひとりが受けます。むしろ受けたいです!ご褒美です!!」

spw「」

エリック「…好きな女性を守れなくて、何が男ですか、何が紳士ですか。もう彼女から離れたくないんです!例え何も出来なくても、今度こそ彼女の傍にいたいんです!」

エリック「だからどうか!お願いします!ジョジョのことを教えてくださいッ!!」ビシッ

spw「………どーしたもんかねぇーっ…」

―― 中世時代、王に仕える騎士達を訓練するためにつくられた町。
現在は穏やかに暮らす人々が大半の町…人口517名、ウインドナイツ・ロット。


婆1「ねえ……丘の上の墓地傍の館に人が越してきたのを知っとるかい?」

婆2「ああ…なんでも病人がおられて療養にきとるそーな。それよっかあんた!知っとるけ?ハリーさんとこの娘も家出したそーな」

婆1「んー聞いた聞いた…今時の若いもんは…ったく!」


―― 三方を険しい岩山で囲まれ、残る南の一方は断崖絶壁の海!

ウインドナイツ・ロット!これからこの町は消失するッ!!


ワンチェン「ひぃ…ひぃ……」ヨロヨロ

ワンチェン「ふひぃい……ひいぃ…ディオ様……ディオ様ぁあ~…」ヨロヨロ

~墓地傍の館・地下室~

女1「あああ!あああああ!!痛い!痛いィィイイィ!!!あああああ!!」ズブッグチュッ

女2「ううぅ……うげぇ」ギチ… ギチ…

女3「…助け…て………た…すけ……」ギチ… ギチ…

異様ッ!それは醜悪にして甘美でもあり、異様な光景であった!

女が数人、天井から逆さに吊るされ呻き声を挙げている。
長時間下げられているのだろう、彼女達の顔は形容しがたい色に染まり脹れ、鼻や耳や口、目からすら血を滴り落としていた。

その中央には、一見して巨大な鳥かごのように思えるものが揺れている。
かごの鉄柵には外側にも内側にも鋭利な刺が無数にあり、逃げ場が無い。
そこに閉じ込められた女は、刺さる痛みにのたうち回り、逃げようとすればかごは揺れて転がってしまい、再び串刺しになるの繰り返し…

逆さ吊りの女達が漏らす呻き声をアルトとするならば、鳥かごの女が挙げる悲鳴はソプラノ!
地獄の狂想曲が室内を満たしていた!

逆さ吊りの女達から絞り出された血が、鳥かごの女が雨のように散らす血が、流れて行き着く先はひとつのバスタブ。

室内の拙い灯りを取ってきらきらと輝く鮮血を浴びながら、まるで特別な宝石を見せびらかすかのように、崩れた臓物を手のひらに乗せて掲げる吸血鬼こそが、このオーケストラの指揮者だった。

ディオ「ああぁ…とっても美しくてよ、貴方達…。とってもとっても素敵。その苦悶に満ちた表情、輝いているわ。喜びなさい、歌いなさい、普通に生きていたら絶対に味わえない快楽なのだから」

女2「たすけて…… たすけて… げぽっ」ゴプ

ディオ「次第に力が甦ってくるわ、傷が癒えるわ、肌が白銀のように輝いくよう。見て頂戴、私の髪。肌が白銀ならば髪は黄金。さらさらと流れるでしょう?さらさら、さらさら、生娘の血の力は素晴らしいわね?」

女4「………」ミシ…

ディオ「あら、貴方はお喋りが嫌い?それはごめんなさいね。ジャック、彼女を下ろして差し上げて」

ジャック「………」ギシッ

女4「………げ……ぅ……」

ディオ「食べちゃっていいわよ、そんな意地悪な子」

ジャック「ウシァーッッ!!」

女4「!!! ぎゃあああああああッッ!!」グッシアアアアッッ

ディオ「…あら…なあに?男じゃなきゃ喋らなかっただけなの?なんてはしたなく、いやらしい子なんでしょう」クスクス

ディオ「……傷を完全に癒したら…今度こそ慎重に事を進めるわ……」

ディオ「まず扱いやすい邪悪な人間だけを下僕として…それからこの町の人間を!そしてロンドン!一気に世界を!」

ディオ「この世を手中におさめてやるわ!全ての人間の頂点に立つ、あたしは女王!あーっははははははー!!」

ディオ「」ピク

ワンチェン「ディ…ディオ様……」

ディオ「まあ、どうしたのワンチェン。顔が崩れていてよ!まさか、あれほど太陽には気をつけなさいと言ったのに……」

ワンチェン「ち…違うんですゥゥ~ディオ様ぁぁぁ、ふひぃい…ひ、必死に逃げて来たんです……」

ディオ「!」

ワンチェン「血を…血を飲もうとしたら……あの"仮面"の秘密を知るアイツを殺そうと…襲おうとしたら……」

ワンチェン「な…何を言っているかわからないかも知れませんが……ああぁ…腕が!!腕が伸びて!顔が溶けて!!あああ熱くてェェェエ~~ッッ!!ふひぃふひぃふひぃいーぃっ!!」

ディオ「…落ち着いて頂戴、ワンチェン。そしてもう一度話を聞かせなさい」

ディオ「………ジョジョ…!!」ギリリ

~ウインドナイツ・ロット入口トンネル~

spw「裏の世界に手ェ回して、確かにあの中国人をその町で見たって情報を確認した!」

spw「やっぱりそこのツェペリってのの言う通り、ディオはその町に潜んでいるって事になるね…」

ジョジョ「うん!戦いの覚悟はできているわ!」

spw「アタイもだよ!ここまで首を突っ込んどいて黙ってられんなァ人間じゃねーし、アタイの性分でもないからねェッ!」

ツェペリ「しかし!私があの中国人屍生人を逃がしたのは、ディオの居場所を知るためだったが…引き換えとして奴に波紋法の存在を教えた事にもなる」

ツェペリ「ところで、ねーちゃんコルク抜き持ってなぁい?」

ガガララララ

ジョジョ「…エリックに何の挨拶も無しに出てきてしまったわ…もっとも理由は話せないけれど…でも、必ず帰る!」

spw「あ!…あー…ジョースターさん、その事なんだがね……」

ドガッグン!!

ジョジョ「…え?何故こんなところで止まるの?まだトンネル半ばじゃない」

spw「おいっ坊っ……御者!何故止め…」

御者「うわあああああっ!!」

ジョジョ「! え、まさか。この声は…」

spw「ッ!?雨?」ビシャッ

ツェペリ「雨ではないよォー、よく見たまい。赤色だ……早くも来たようだね」

ジョジョ「―― エリック!エリック!?何故貴方が此処にッ!?」

ガボオ!  ガボォッ

御者(エリック)「あああ!なっな…なんだ!?なんなんだ!?い、いきなり馬が串刺しになったと思ったら…!」

spw「ま…真っ二つになった馬の首から!人間の腕が生えているゥゥ~ッ!?それが坊っちゃんを捕まえてやがるッ!」

ジョジョ「エリーック!!逃げてェェェッッ!!」

ジャック「フゥゥシシィイーアアァ…」ドボァァ

ジャック「……屠所の…ブタのように…青ざめた面にしてから、お前らの鮮血の暖かさを…ああぁ味わってやる!!」

ジョジョ「捌いてやるゥゥゥ、皮膚を切り裂いてェェェハァァラワタァ~掻き擦り出してェェェェ!子宮を潰してやるゥゥゥ売女どもがァァァァ!!」

エリック「ジョ…ジョジョ…!ごめ…」ギリリ

ジャック「てめーはディオ様が御所望だァァ…」ブンッ

ジョジョ「エリック!!」

spw「! 闇の中に引き摺られてったぞ…あ、あいつ!あの中華野郎じゃねーかッ!!」

ツェペリ「フーッ…下がっていなさい2人とも。私が戦う!」

ジョジョ「でも!エリックが!エリックを助けなきゃ!!」

ツェペリ「落ち着けいッジョジョ!!呼吸が乱れとるぞ!いついかなる時も呼吸を乱すな!呼吸の乱れは波紋の乱れ!冷静を保ていッ勇気を持つんじゃ!」

ツェペリ「勇気とは怖さを知ることッ!恐怖を我が物とすることじゃ!呼吸を乱すのは恐怖!だが恐怖を支配した時!呼吸は規則正しく乱れないッ!波紋法の呼吸は勇気の産物!!」

ジャック「るえぇいッッ!!」ブァボッ!!

spw「筋肉の収縮力で体中からメスをッ!?」

ツェペリ「波紋カッター!」パパウ パウパウ

ジャック「ぬうッ!?」

ツェペリ「人間讃歌は勇気の讃歌ッ!!人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ!!いくら強くてもこいつら屍生人は勇気を知らん!」

ツェペリ「ノミと同類よォーッ!!仙道波蹴ーッ!!」ボギャアアウン

ジャック「ヴギャャアアァァ!」ドロオオ

エリック「むぐ!うぐぐ!!」ジタバタ

エリック「(な…何が起こっているんだ!?く…臭いッ!トンネル内が腐り水に満ちているかのように、嫌な臭いが充満している!)」

エリック「(そ…それに、僕を捕まえているコイツ…あ、あり得ないくらい冷たいぞッまるで死体のようだ…体温を全く感じない!)」

ジャック「よくもてめえら!必ずブッ殺す!必ず細切れにして喰らってやるぜ!!」ガグン

ゴゴゴゴ

ジョジョ「壁に抜け穴がッ!?トンネル天井に突き刺さっていた剣がスイッチレバーだったのね…!」

エリック「(ジョジョ…!)」

spw「まずい!坊っちゃんも中に連れていかれちまった!」

ツェペリ「行かにゃあなるまい…エスコートにしちゃあちょーっと乱暴だ~ねェ…うーん、0点!」

>>104
まただ…コピペミスった…orz

×
ジョジョ「捌いてやるゥゥゥ、皮膚を切り裂いてェェェハァァラワタァ~掻き擦り出してェェェェ!子宮を潰してやるゥゥゥ売女どもがァァァァ!!」


ジャック「捌いてやるゥゥゥ、皮膚を切り裂いてェェェハァァラワタァ~掻き擦り出してェェェェ!子宮を潰してやるゥゥゥ売女どもがァァァァ!!」

ドサッ!

エリック「うぐっ!…げほッげほ……ど…どこだ、ここは…」

エリック「人間のものじゃない、あんなスピード…!僕もそこそこ体格はいい方と思っていたけど、小柄なご年配に軽々と担がれて…なんだかショックだな…」

エリック「いや、落ち込んでいる場合か!逃げなくては…屋敷の部屋のようだが…ここもあのトンネルで嗅いだ臭いが充満しているようだ」キョロキョロ

コン コン

エリック「!!(ドア…ノック?誰か入ってくる!?)」

ディオ「…失礼」ガチャ

エリック「………?君は…?どこかで…会ったことが……」

ディオ「あるわよ、エリック。忘れてしまった?ふふ、そうよね。貴方はいつもジョジョのことばかり見ていたものね…」

エリック「………、………!まさか!ディアナ?ディアナなのか?君もここに連れて来られたのか!?」

ディオ「………」

エリック「ディアナ…ああ、どことなく面影があるよ。大きく…そして綺麗になったね…」

ディオ「ありがとう、とても嬉しいわ、エリック。私…貴方に会いたかった」

エリック「けれど懐かしんでいる暇はないんだ、ここから逃げよう、ディアナ!僕を連れてきた化け物はどこかに行ってしまったようだ、今のうちに!」

エリック「近くにジョジョ達も来ているんだ、逃げて彼女らと合流して…それからあの化け物達を、」

ディオ「………どうして?」

エリック「え?」

ディオ「ここから逃げる必要なんて、ないわ」

ディオ「今はあまり自由の利かない状況だけれど、大丈夫。もうすぐだから。ジョジョを殺して、晴れて私達は一緒になれる」

ディオ「ごめんなさいね、エリック。少しの間だけ我慢して頂戴。すぐ…もうすぐだから」

エリック「…君は…何を言っているんだ…?ジョジョを……殺す…?」

ディオ「ずっと貴方が好きだったわ、貴方は私の光だったわ。とてもとても眩しくて、遠くからしか眺められなかった。そう、貴方は私の太陽なの」

ディオ「ねえ覚えている?子供の頃、私、貴方に告白したわ。ジョジョじゃないの、私が一番先に告白したの。なのにジョジョが貴方を奪ってしまった。私の方が先だったのに、あの子が、あの子が!」ギリギリ

エリック「ッ…!痛…いよ、ディアナ…!腕に爪が…食い込んで」

ディオ「私、貴方だけでいいわ。私の太陽は貴方だけでいいわ。空に浮かぶものよりも愛しく美しく眩しい貴方。貴方さえいれば、貴方さえいれば!!」

ディオ「ジョジョを殺したその時に、貴方はやっと私のものとなる。私がクイーンならば、貴方はキング。全てが終わったら、王に相応しい冠を被せてあげる…」

エリック「…冠…?あれは……仮面じゃないか…」

ディオ「ああ、早く貴方と永遠を生きたいわ……愛しいひと…」

ディアナの気迫に圧されてしまい、気づくのが遅れてしまったけれど。

ああ僕は知っていたじゃないか。もう知っていたのに。この臭い、この冷たさ、もう知っていた、知っていたのに。気づいた時にはもう遅い。

ディアナの瞳に吸い込まれる。顔を逸らそうにも逸らせない。
ディアナは、ただ僕を見つめているだけなのに…不思議で仕方がなかった。怖くて仕方がなかった。

ぬらぬらと這うそれは、まるで蛇のように感じられた。一生懸命ジョジョのことを考えた。
目を閉じてもディアナが僕を見つめているのがわかる。怖い。とても怖い。

怖い。違う。これは、そうだ…これは……この気分は……

記憶が消えていく …… 全て飲まれていく ………


ジャック「くるゃああーっ!!」ギュルルン

spw「…!化け物の悲鳴が響いてきたぜ」

ツェペリ「よぉーし、あの恐怖の中からよくぞ呼吸を整え立ち上がったな!ジョジョ!それが勇気じゃっ!」

ジョジョ「……中は迷宮になっていました。正しい道を進めば、ディオの居場所に辿り着くかもしれませんが…」

ツェペリ「うむ、今は道に迷っている暇はない!確実を選ぼう、トンネルを出るぞい」

spw「すまねェジョースターさん…アタイが坊っちゃんを止めきれなかったから…いや、もっと早く話していたら…!」

ジョジョ「どうか顔を上げて、スピーディワゴン。誰も悪くないわ。こうなってしまった以上、一刻も早くエリックを助けにいく。それだけよ!」

spw「う…うう……」

ツェペリ「やれやれ、やっとトンネルの出口か。やはり歩くと結構距離があるねぇー」

spw「ツェペリのオバサン!いや、バロネス・ツェペリ!!アタイにも波紋法とやらを教えてくれよ!」

ツェペリ「えー……無理だよ」

spw「なんでェーッ!?なんでだよーォッ!こうなった以上、アタイももっとジョースターさんやアンタの力になりたいんだ!!」

spw「ジョースターさんは気にすんなって言うけど、これはアタイの不始末さ!自分のケツくらい自分で拭かなきゃじゃねーか、なぁ~ッおせーて!おせーてくれよォ~!!」

ツェペリ「…うーん……ま、一時的になら君の肺を動かす横隔膜の筋肉を刺激して、軽い波紋なら作れるようにしてやるがな」

spw「本当か!やってくれッ!!」

ツェペリ「じゃあ行くぞーっ」

spw「ちょ 待っ、早」ドッス!!

ジョジョ「? ツェペリさん、どうかしましたか?」

ツェペリ「いや……そ、その~ちょいとミスった、指が滑っちゃった。いや~ごめん!ごめんちゃい!」

spw「おおおお…おめ~なあ~~」ズキズキ

少女「………」

ギュウウン

ジョジョ「はっ!?気をつけてッ!何者か襲ってくるぞっ!」

少女「いっただきぃー!!やーい、ウスノロ、ウスノロー!!」バッ キューン

ツェペリ「おっ」

ジョジョ「ツェペリさん、子供ですよ。私達の鞄、盗られちゃったみたいです」

ツェペリ「うむ、子供のひったくりのようじゃ!縄を使って飛び、途中で鞄を盗ってそのまま河に飛び込み逃走……いや~要領いい子だの」

spw「2人とも何をトローッとしてんだい!あの鞄にゃ旅費の全財産が入ってんだよ!?」

少女「やーいやーい!」オシリペンペン

spw「っかー!なんて下品なガキだ!尻丸出してバカにしやがって!」

ツェペリ「よし、あの娘に町を案内してもらうとするか。どーれ、まず私が追いかけよう…」ピシュウ

少女「…え?ゲッ!ゲッー!!なんだぁアイツらーッ!?水面を走って来る!あ、あわわ……さっさと岩壁を登って逃げよ…」

ジョジョ「ふっ!」トッコォーン

ジョジョ「…この辺に立っていればいいでしょうか」

ツェペリ「いや!私は左へもう2メートルとみたね。2ポンド賭けてもいーよ」

少女「よ、よぉーしここまで来れば……へへへ!追ってこれないだろーッ!ザマーミロ、このマヌケ………、え!?」バチ! バチ!

少女「ええええ!?ビリっときたあああああ!!」ドンッ

ジョジョ「っしょ!と!ナイスキャッチ!」ドサッ

少女「ふえぇぇぇぇーっ!!」グワァ

ジョジョ「ん?この少女、様子が少しおかしいです。波紋が強すぎたかしら」

少女「……ハッ!おいたんだえ?」

ジョジョ「うん、やっぱりおかしい」

ツェペリ「いや…おかしいのはその娘だけじゃないぞ!どうやらナイスキャッチされたのは私らの方らしい……その娘は催眠術をかけられとったようだな、ヤツらのステージ…墓場に誘き出されたようだの」

ジョジョ「ッ!!この気配……ディオ!」

ディオ「……陽は落ちたわ…貴方の生命も没する時!」

屍生人「ウジュルルァァアア~!!」ドドドド

少女「ひええぇぇ!!ななななにー!?あわわわ…化け物ーッ!!」

ジョジョ「貴方、名前は?」

少女「ペ…ペコ」

ジョジョ「よし、ペコ。理由はわからないでしょうけど、私の背に掴まっててね!リュックの帯に手を絡ませて決して振り落とされないように!」

ペコ「うわぁ…お姉さんの背中、すごい広いね」

spw「せいッ!…墓場なだけあるね、屍生人の数が多いッ!」ドゴッ バキ

ジョジョ「このまま一気にディオのところまでかけ登るわ!ズームパンチ!!」ドンッ

ツェペリ「ディアナ・ブランドー…個人的には貴様の事は知らん……だが貴様の脳を目醒めさせた石仮面に対してあえて言おう」

ツェペリ「とうとう会えたな!!…そんな不安定なところで戦う気か?降りてこい…」

ディオ「…貴方とっても図々しくてよ、ミセス。私は生物界の頂点…未来を拓く新しい生物となった女王」

ディオ「人間ごときと対等の地に降りていけるわけないでしょう!無礼者ッ!!」ブォアァ

ツェペリ「(ヌウウ…こいつなんと圧倒的な悪の大気よ!既に暴帝になりつつある貫禄か!)」

ディオ「この胸元の傷を癒せば、ジョジョにつけられた火事での負傷は全て完治するわ」ビリィッ

ディオ「いらっしゃい、ミセス。貴方の生命でこの傷の燻蒸消毒をしてあげましょう!」

なんてジョジョらしくて自然なオリジナル展開。
そして引き込まれる。
期待して続きを待つぜッ!

展開について迷っていたので、そう言ってもらえるとありがたいです。ありがとうございます。

今思えばワンチェンじゃなくニャンチェンにすりゃ良かった。

ツェペリ「…貴様ーッ…一体何人の生命をその傷の為に吸い取った!?」

ディオ「貴方、今まで食べたパンの枚数を覚えていらして?ねえ、ブリオッシュ」

ツェペリ「………!!」

ジョジョ「ツェペリさん!」

ツェペリ「任しとけい!音をあげさせてやる」コオオオオ

バッシィィン

ツェペリ「流し込む!太陽の波紋!山吹色の波紋疾走!!」ボゴォォッ

ジョジョ「やった!波紋がディオの腕を伝わって行くわッ!」

ディオ「私の太陽はたったひとりだけよ。汚らわしいッ!!」ギィィン!!

ツェペリ「! ディオの腕が…こ、凍っている……」

ツェペリ「ぐあああ!」ボシーッ

ジョジョ「なッ!?ツェペリさんの腕が破裂した!!?」

ディオ「ワンチェンの顔を崩した話も、ジャックを倒した話も聞いているわ。それなのに私が対策を取らぬほど愚かだと思われていたならば、それはとても悲しい事ね」

ディオ「ミセス?貴方のエネルギーは血液の流れに関係あるものだそうじゃない。それなら、血管ごと凍らせてしまえばいい。そうでしょう?」

ディオ「このまま腕ごと亀を砕くように頭蓋骨を陥没してあげるわッ!」ドッ グォン

ツェペリ「………!」バシン

ディオ「…ジョジョ…貴方って本当、いっつも邪魔をするのね。嫌な子」

ジョジョ「ディオッ!貴方の野望は私が打ち砕く!」

ディオ「…いいわ。よくも私の拳の動きを止めた、その成長は認めてあげる」

ディオ「けれどジョジョ?私が貴方ならいつまでも私の手に触れていないわよ」

ツェペリ「ジョジョ!」

ジョジョ「わかってます!私とツェペリさん2人ぶんの波紋をディオへ送り込む!」コオオオオ

ジョジョ「くらいなさいッディオ!!」ボッ ガッシャァ!!

ディオ「汚らわしいと言っているッ!!入り込むなァーッあたしの中にィィ!!」ギィイインン!!

ジョジョ「あ…あ、ダメ……まだ…足りない!届かない!ディオに波紋が伝わらない、弾かれる!!」ビシバシ バシビシ

ツェペリ「今は!今は!ジョジョだけは負傷させてはいかん!ジョジョの成長の可能性のためにも!」コオオオオ

ディオ「足癖も悪いのね、ミセス。そんな足は捨てておしまい!」ブギン!

ジョジョ「ツェペリさん! っあ!!」ドキュウウン

spw「なんてこったーッ!ディオが腕を捻っただけで…2人が吹っ飛ばされちまったッ!!」

ジョジョ「うう…っ!」

ジョジョ「すごく冷たい…冷たすぎて火傷するみたいだわ…!」

spw「ツェペリのオバサンの腕が!このままじゃ血が通わず腐っちまうよ!」

ジョジョ「ディオ…!火事の時より数段強くなっている…!太陽の波紋を送り込めないなんて、ディオは倒せないの…!?」

ディオ「正直に言うわね?ジャックを倒したと聞いた時はほんのちょっと驚いたのよ。けれど実際確かめてみて、問題ないと思ったわ」

ディオ「波紋?呼吸法ですって?あはははは!!フーフー吹くなら、あたしの為にファンファーレでも吹いてなさいよッ!!」

ゴゴゴゴゴ

spw「が…岩盤がさっきから…地震か…?」

ディオ「タルキャス!黒騎士ヴェラフォード!!最早あたしが出るまでも無いわ!出てらっしゃい、こいつらにファンファーレという悲鳴を吹かせてみせなさい!!」

ドドドドド!

ツェペリ「岩盤を割って出て…な、なんだこいつらはーっ!?」

ディオ「英国人なら誰もが知る、伝説の騎士!悲運の女王メアリー・スチュアートに仕えた女傑達よ!!」

ジョジョ「で…でかい…化け物だわ…」

ペコ「(お姉さんも人の事言えない気がするけどなあ…)」

ディオ「タルキャス!ヴェラフォード!あんた達に任せるわ。好きにやりなさい、でも必ず殺して死体を持って帰ってくるのよ」

ジョジョ「待ちなさい!ディオ!!」

ディオ「いやよ、飽きちゃったんですもの。だってアンタ、あたしに勝てないじゃない?あははは!あっはははは!!」

ジョジョ「ディオォーッ!!」

spw「ジョースターさんっ危ない!避けろーッ!!」

ジョジョ「!!」ヒャウッ

ジョジョ「な…に?剣がひとりでに動いた…?痛ッ…!錯覚じゃない、斬られている…」

ヴェラフォード「……ディオ様…必ずや貴方の期待に応えてみせます…」

タルキャス「貴様ら全員生きて帰れると思うな…!」

ジョジョ「く…ッ!!」

タルキャスwwww

腹減ってる時に書き溜め作ってたら迷わずタルタルにしただろうなと思います。

~墓地傍の館~

エリック「………ディアナが戻ってこない。今こそ逃げるチャンスか…?」

エリック「武器がテーブルから引っこ抜いた脚しかないのも心許ないな…連れ去られた時に鞄を落としてしまったからなあ。あ~簡易医療道具も持ってきたのに…僕の鞄は無事だろうか」ソロリ ソロリ

エリック「(…気持ちの悪い化け物がウジャウジャいるし…ディアナの様子はおかしかったし…一体何が起きているのかさっぱりだ…)」

ディオはジョジョの元へ向かう前に、館に潜む屍生人達にエリックは襲わぬよう、しかし逃がさぬよう命じていた。エリックはそれを知らない。
抜き足差し足と物陰に潜みながら屍生人を避けて逃げているつもりだが、その実、彼はただ追い込まれているだけなのだ。館の奥へ奥へと……

エリック「それにしても…奇妙な館だ…窓という窓はしっかりと塞がれていてビクともしない。ハンマーでもあればな…」

エリック「出入口らしい扉の前には更に化け物が揃っているし…どうしたものか」

エリック「……この部屋からは明かりが漏れているな…」ガチャ

ペコ姉「!!」ビクッ

エリック「!?女の子?」

ペコ姉「あ…貴方は人間…ですか?あの化け物じゃあないのッ?」

エリック「…それはきっと、握手してみればわかるよ。こんな状況で無理もない話かも知れないが……どうか…落ち着いてほしい」

エリック「僕は何度か、あの化け物達に触れる機会があったからわかるんだ。彼らはひどく冷たかった。氷よりも、そう、まるで死体のように冷たかった…だから…確かめさせてくれないか」

エリック「君からは人としての暖かみを感じる。化け物を見てからというもの、それがより一層強く感じられる。どうか落ち着いて…そして握手させてくれ」

ペコ姉「………」キュッ

ペコ姉「! …暖かいわ……よ、良かった…貴方は人間なのね?で、でも、あの化け物達の仲間ではないの?」

エリック「証拠はないけれど、信じてもらえないかな。僕もこの館に連れ去られてしまったんだ。ここから逃げたい。勿論君も助けてあげたい」

エリック「しかし出入口らしき扉には化け物達が固まっていて、武器もない今は突発する事が難しい…君はどこからここに連れられたんだ?」

ペコ姉「私は…帰りの遅い妹が心配で、探しに出たの…そうしたら、化け物が出てきて…驚いて気を失ってしまって。気づいたらこの部屋に…」

エリック「…そうか…可哀想に、怖かったろう。…天井にあるのは明かり取りの窓か、だからこの部屋だけは不思議と明るかったんだな。もう夜か…月が出ている」

ペコ姉「私がこの部屋で目を覚ました時は、夕陽が沈む頃だったけれど、何故か光が当たるこの位置にいると化け物は近づいて来なかったわ」

ペコ姉「まるで太陽を怖がっているようだった。思えば、妹を探していた時も、鬱蒼とした森の中に入った時だったし…妹はそこでよくかくれんぼしているから」

エリック「その話からすると、あいつらは太陽が苦手なんだろうか?窓や出入口を頑なに塞ぐのも、光が入り込まないようにするため…?」

ペコ姉「でももう、陽が沈んでしまったわ…」ガタガタ

エリック「うん…あの明かり取りの窓も、天井が高すぎて届かないな…この部屋にも窓はあるが…割っても飾り枠が邪魔で潜り抜けられるかどうか…」ナデナデ

エリック「…僕が連れ去られた時は、トンネルにあった隠し通路を使われたんだ。君が浚われた時も多分、同じようにしたのかもしれない。どこかに、外へ繋がる抜け道が…」

エリック「逆に考えてみるんだ…地上から外へ出られないなら、逆に地下へ行ってみれば…もしかしたら…」

ペコ姉「……そういえば、あの扉の奥へ…何人か女の人が連れて行かれるのを見たわ」

エリック「もしかすると、まだ生きている人が他にいるかもな。君はそこから動かないで。そのテーブルにある燭台から蝋燭を抜いて持っているんだ、いざという時の武器にして」

ペコ姉「あ、危ないわ!化け物が潜んでいるかも…!」

エリック「その時はその時、さ……大丈夫、僕は死なない。死ぬわけにはいかない…大丈夫、大丈夫だ…」ドキドキ

ギギギィ…

エリック「………」

ペコ姉「………」ホッ

エリック「…ホラー小説なんかだと、安心した次の瞬間!ギャー!!…なんて展開だけれど、うん、大丈夫…何もいないな。どうやら地下へ続く階段らしい」

ペコ姉「こんな時にそんな冗談はよして!もっと怖くなるじゃない!」

エリック「ハハ、すまない。しかし暗いな…さっきの蝋燭をくれないか?もう一度火を点けて辺りを照らしたいんだ。中を見てくるよ」

ペコ姉「わ…私も一緒に行きます!」

エリック「…結構奥まで続いているな…ついて来るなら足元に気をつけるんだよ、ところどころ何かで濡れているから滑らないように」コツン… コツン…

ペコ姉「なんだか生臭い…暗くてよくわからないけれど、これってもしかして、血じゃないの…?」コツン… コツン…

エリック「…!扉があるぞ…開けてみよう」

キィィ…ィ

エリック「うっ!!」

ペコ姉「ひ…!」

そこには異様な光景が広がっていた。
鋭利な刃のついた磔台、散らばる拘束具、一体何人を傷つけたのか想像もつかないほど、べったりと血糊のついた刃物の数々。
普通の人間ならば、拷問部屋と表すところだろう。しかしここは屍生人にとっての調理場だった。

エリック「惨い……!人間をこんな…ここまで……」

ペコ姉「ねえ!この人、まだ生きているわ!」

女「……うう…」

エリック「大丈夫ですか!?しっかりしてください!今、縄を切りますから!」

エリック「く…!やたら固いな…手じゃ無理だ、そこのナイフを…」

ガシッ!

エリック「!!?(…冷たい!)」ゾクッ

女「あああ…あああああ!!血ィィィイイ~血がァァ血が足りない、血が足りないのォォォ!!あたしの血!吸われてしまったァァ~」グワァ

ペコ姉「きゃああああ!!」

エリック「し…しまった…この人も……!」

女「寒いィィイイ寒いのォォォォ!!貴方の血を分けて、私を暖めてェーッ!!」

エリック「うあああ!!ぐ、く…、な、なんて力だ…腕が…!お、折れる…!!」メキメキ

ペコ姉「お兄さんを離してッ!!」ゴンッ!!

女「うぐっ!」

エリック「花瓶!?あ、ありがとう、助かった」

ペコ姉「早く!早く離れてッ!!逃げるの!」

女「ああああ!!血ィィ!血をよこせェ!飲ませろォッ!寒い!寒いッ寒い寒い寒いんだよォォッッ!!!」ブチブチィッ

エリック「な…なんて事だ…体ごと引きちぎって縄から抜け出すなんて!!」

エリーック!!?

ペコ姉「早く!早くこっちへ!扉を閉めるから!」

エリック「しかし…ナイフを手に入れられたのはラッキーってとこか…!」

バタン!

女「うああああ!!」バキバキィ

エリック「ああ!ああ神様!!なんて事だ!手も下半身も無いのに、扉を突き破ってきた!!」

ペコ姉「もう…ダメなの…?……ッ!」

犬屍生人「ウシャアアア」ビュッ!

女「ギャバァァアア」バキ! バキバキグチャ

ペコ姉「いやああああ!!」

エリック「見ちゃダメだ!!」サッ

エリック「な…なんなんだ、あれは……犬…?いや…人の頭がついている……た、食べている…?」

ディオ「犬と人間の死体同士を合体させて造ってみたのよ。神話に出てくるような生物を…美しいかと思って、ね」

エリック「…!ディアナ!!」

女「ギィイイ~ッ!アギァア!アァァ~ァ」

エリック「!!…頭だけになっても…動いているなんて……!」

ディオ「醜い」グシァ

ペコ姉「ひぃっ!!ひ…酷い……踏み潰すなんて…」ガクガク

ディオ「酷い?なら何故貴方は彼女から逃げ出したの?酷い、可哀想と思うならば、逃げ出す事は酷くないのかしら?抱き締めてでもしてあげれば良かったんじゃないかしら」

エリック「……やめるんだ、ディアナ。この子を責めるな」

ディオ「そうね。ごめんなさい、お嬢さん。私、今とても気分がよくて。とっても楽しくて、ついはしゃいでしまったわ。どうか許して頂戴ね?」

ペコ姉「………」

ディオ「貴方もわかるでしょう?うふふ…今ね、長年付き合ってきた子と遊んできたばかりだったものだから。とってもとっても楽しかったの」

ディオ「もがいて足掻いて、滑稽だったわ…昔っから礼儀知らずな子だったけれど、どうやら少しは成長したみたい。それでも私には到底及ばなかったけれどね」

エリック「ディアナ…!まさかそれは、ジョジョの事か!?」

ディオ「ダメよ、エリック。そんな汚らわしい名を呼んでは、口が曲がってしまうわよ?なぁんてね」クスクス

ディオ「そうよ、ジョジョの事。でも貴方は気にしなくていいわ。それでも気になるなら、もうすぐ会えるんじゃないかしら?」

エリック「ジョジョ!ジョジョは今、どこにいるんだ!?ディアナ!君はジョジョに何をした!?」

ディオ「エリック。貴方、お肉は好き?私が作ってあげるわ、楽しみにしていて。ミートパイにしましょうか?ジョジョのミートパイ、ジョジョのソテーにジョジョのシチュー」

エリック「………!ディアナッ…!」

ディオ「ああどうかそんな顔をしないで、愛しい人。心配しなくても大丈夫よ。…私、料理は得意だから」

エリック「そうじゃない!!ディアナ!君はどうかしている!冗談ならばちっとも面白くないぞッ!?ふざけるのもいい加減にしないか!」

ディオ「どうもこうもしていないわ。私は私。貴方の知るディアナ・ブランドーよ」

エリック「…ディアナ……」

エリック「ディアナ、君は……もう、帰っては…来れないんだね……」

エリック「何故……こんな事に……どうして…」

ペコ姉「お兄さん…」

ディオ「ああエリック。嬉しいわ。私の為に泣いてくれているのね?その涙も私のものなのね。ああ、エリック。私とても嬉しい。嬉しいわ」

ディオ「貴方も私と同じ世界に来ればわかる事よ…だから今は泣いて。この世界に踏み入ってしまったが最後、その涙は永遠に失われる事でしょう。今だけのもの…そう思うと、とても美しいわ。とても美しく…儚いものね」

ペコ姉「…あ、貴方は…本当に醜い化け物ね!」

ディオ「ふふ…気の強い子だこと」

ディオ「ねえ、お嬢さん。どうして私が貴方を生かしていると思う?本当ならね、エリックにベタベタする女は誰であれ引き裂いてやりたいくらいなのよ?」

ディオ「ねえ、どうしてだか…わかる?」ソッ…

ペコ姉「…!(この人の手…お兄さんの言ったとおりだ、つ…冷たい…!頬が凍りついてしまいそう…)」

ディオ「うふ…。例えば…そう、例えば、よ。貴方の若さを例えるなら、丁度この薔薇くらい。花開く前の、若々しくみずみずしい、生気に満ち溢れた、一番美しい時期」

ディオ「綺麗な肌ね…すべすべして、ふわふわで。ねえ?私、貴方が好きよ。けれど、その美しさはやがて枯れてしまうもの。萎れて枯れて、醜く崩れてしまうもの」

ディオ「けれど、その若さと美しさを永遠に保つ方法を私は知っているわ。ねえ?お嬢さん。私のお友達になってくださらない?私の傍に来ればいいだけの事…」チュ

ペコ姉「!!?」バッ!

ディオ「やっぱり、柔らかい頬ね。けれどその唇も素敵。髪も艶々で羨ましいくらいだわ。ふふ…唇も、髪も、味わいたいものだけれど」

ディオ「私、友情を押し付ける程、図々しい女じゃないわ。貴方が決めていいのよ?貴方の運命は貴方のものだものね」

ペコ姉「………」

ディオ「私のお友達となる?ならない?選んでいいわよ…」

バシィッ!

ディオ「!!」

ペコ姉「…な……何度だって言ってあげるわ……あ、貴方は醜い!永遠に呪われた化け物よ!!」

エリック「………」

ペコ姉「お兄さん!お兄さん、しっかりして!逃げましょう、立って!早く!!」

ディオ「…本当に気の強く、美しい子。お友達になれなくて残念だわ。ええ、とっても」

ディオ「…私の顔を叩いたお仕置きはしなくちゃならないのも、残念に思うわよ?」

ペコ姉「きゃあっ!」ガッシィ

ドゥービー「………」

エリック「!!やめろ!その娘を離せ!」

ディオ「紹介するわ。彼は怪人ドゥービー…このまま彼に遊んでもらうのも面白いかもしれないけれど」

ディオ「お嬢さん、私は貴方が好きなのよ。ウフフ…だから最期のお別れはきちんとしたいの。私の手でね…」

エリック「ディアナ!やめさせろ!このっ、彼女を離せ……っあ!?」

エリック「な、な…!?へ、蛇…!?どこから、…うぐっ、く、首に巻きついて」ギュウウゥ

ドゥービー「ウシューゥゥ…」

エリック「ふ…覆面の中から、蛇が…ッ!?」

ペコ姉「離して!降ろしてッ!!」

ディオ「お嬢さん、美しい貴方に相応しい、美しい死をプレゼントしてあげるわ」

ディオ「ウフフ……ねえ?美しいと思わない?」

ペコ姉「!?」

屍生人が運んできたもの、それは一見すれば鉄製の聖女像だ。ディオが聖女の胸元に手をかけると、像は真ん中からバクリと開く。
それは凶悪ッ!聖女が悪魔へと変わる一動作!聖女像の中は無数!無数の鉄針が犠牲者を待ち構えていたッ!

ペコ姉「なんて悪趣味なの…!」

ディオ「私、これが大好きなのだけれど、一度使うと掃除と修理が大変なのよねえ…中の鉄針がすぐにダメになってしまうの。聖女は生涯一人しか愛さない純粋な存在、きっとそれを表しているのかもしれないわね」

ディオ「さあお嬢さん。聖女に抱かれて死になさい。生娘のまま、清らかに美しく。流れ出る血は私が無駄にしないと約束しましょう、どうか安心してね?」

ペコ姉「いや!いやっ!離して!!」

エリック「くそッ!この、蛇め…!」ザシュ

エリック「その子を離せ!」ドンッ

ドゥービー「ウシッ!?」グラ

ディオ「まあエリック!ナイフだなんて、どこから持ってきたの?」

ドゥービー「逃ィィィがァァァァすゥウガァァアアア!!」グワァ

エリック「!!」

ペコ姉「きゃああ!!」

ディオ「おやめ!ドゥービー!!」

ゾンッ

エリック「!?鉄柱?」

ドゥービー「アンギャアアァァアァ!?ダッ誰りダァ~!?」ブシーッ

ジョジョ「屍生人になど、誇りある我が名を教える必要はないッ!」バン

エリック「君は…!」

ペコ「おねーちゃん!大丈夫!?」

ペコ姉「ペコ!?ペコなのねッ!」

ディオ「…!まさか……しくじったの、あの2人…」

ディオ「もう…興が冷めちゃったわ。着替えてくる。ドゥービー、彼女らをもてなして差し上げて」

spw「待ちやがれッディオ!また逃げるのか、テメーッ!!」

ディオ「イヤね。お客様がいらしたというのに、埃で汚れたドレスで出迎えては失礼というものでしょう?」ス…

ジョジョ「ぬおああ!」グワッ

ドゥービー「ウシシィシィシィ~…」ボコォ ボコォ

ジョジョ「あの頭の中!…何かいるわ…」

エリック「気をつけろ!そいつ、蛇を出してくるッ!!」

ドゥービー「フシャァッ!!」バリバリ バッ!

ペコ「ああっ!ねえちゃんが蛇に噛まれたよッ!そ…それもいっぱい!」

エリック「た…大変だ!早く手当てをしなくては、猛毒が…」

ジョジョ「大丈夫よ、エリック。これくらい……ふん!」ビュ ビュッ

エリック「なんて事だ!毒を絞り出しただって!?なんて…なんて……たくましいんだ…」ポッ

spw「………坊っちゃんは相変わらずで良かったよ」

ジョジョ「ほんの少しだけ波紋を送り込んで、蛇の血液をとち狂わせてあげるわ!」ドゲッ

ドゥービー「う…うわあぁぁ!!なっ何をする蛇ども…蛇にく、喰われるゥゥゥゥそんなああぁ」ムシャムシャ


ペコ「うわああん!おねーちゃーん!!」

ペコ姉「ああペコ!良かった…!」ギュッ

エリック「…ジョジョ!!すまない…黙ってついて来てしまったばかりに、君に迷惑をかけてしまった」

ジョジョ「いいのよエリック、いいの。貴方が無事で……本当に、良かっ…」ジワ…

エリック「ジョジョ…?」

ジョジョ「う…う、(ダメ……エリックの顔を見たら…涙が)」

ジョジョ「(安心したら…堪えていたものが……ああ、ここまで来て!こんな時に!!お父様、ヴェラフォード、……ツェペリさん!!ダメ…泣いちゃダメ……ダメなのに)ううぅっ!!」ググッ

……いついかなる時も、呼吸を乱すな、ジョジョ!

ジョジョ「……はい…ツェペリさん…!」グッ

エリック「………たくさん辛い思いをしてきたんだね、ジョジョ」

ジョジョ「ごめ……なさい、でも、大丈夫。もう大丈夫」

エリック「今は君に涙を飲ませてしまって、すまない。けれど、もう少しの辛抱だ。今度こそ君の傍にいられる。君を支えたいよ、ジョジョ」

ジョジョ「ええ……貴方が無事で、傍にいる。それだけで力が湧いてくるわ!」

ジョジョ「私…ディオを倒すわ!彼女はもう帰ってこない、悪魔に魂を渡してしまったんだもの…」

エリック「うん…僕も見たよ、彼女は…変わってしまった。もう、あれは…ディアナじゃない。ディアナに似た何かだ」

エリック「…スピーディワゴンさんも。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

spw「まったくだ!…まあ、この戦いが終わったら、旨い酒のひとつでも奢っとくれ。それでチャラにしよう」

エリック「はい、お約束します!」クスクス

ストレイツォ「再会の喜びはそろそろそこまでで。潜む屍生人どもは倒しました、あとはあの扉の向こう…あの吸血鬼が逃げた先へ」

エリック「…彼らは?」

spw「老師トンペティ、ダイアー、ストレイツォっていって…ジョジョのお師匠さんの、そのまた師匠さんとお弟子さん、さ。力を貸してくれるそうだ」

トンペティ「貴方がたはワシらが守りましょう、どうぞご安心くだされ。あの吸血鬼は…石仮面は、ジョジョ。彼女が倒すのです」

エリック「ありがとうございます…足手まといにならぬよう、僕も覚悟を決めます」グッ

spw「(…ナイフなんざ構えて、いっちょまえに。男の顔になったねェ、坊っちゃん)」

エリック「気合いづけに、ジョジョにひっぱたいてもらいたいところだけれど…自重、自重」ブツブツ

spw「(と思ったけど、すまんありゃ嘘だった)」

バァーン

ジョジョ「…地獄から戻ってきたわよ、ディオ」

ディオ「……ジョジョ…」

エリック「(煌々と輝く満月を背にして佇むディアナ)」

エリック「(飲まれそうになる…追い詰めたと思ったのは嘘で、実際は僕達の方が追い込まれているんじゃないか?そうとすら思ってしまえるほどに、冷たい…ディアナの醸す雰囲気が、深く暗く、黒く冷たい)」

エリック「(あの笑顔が僕は恐ろしい!大胆不敵!いっそ爽やかとも思えるほど、輝く微笑みが!ああ…神様!彼女は悪魔だ!!)」

屍生人1「ディオ様ァァァ!ここは俺達に奴の処刑を命令してくだせえ~」ザザザ

屍生人2「血もォォ脳髄も臓物も爪の一欠片も残さずゥゥゥゥ喰らってやります~ゥゥゥ」ゴゴゴゴ

ディオ「…いいえ。ジョジョだけは…ジョジョだけは、私が殺るわ」

ディオ「……ね~え?ジョジョ…正直に言うとね…私は貴方をこの手にかけたくなかったのよ」

ジョジョ「………」

ディオ「だって幼なじみですもの…長年一緒に暮らしてきたんですもの、そんな貴方をアンデットになんかしたくなかったのよ?だからあの2騎士に処刑を任せてしまったの」

ディオ「けれど貴方は生きている…いっつもそう、貴方はいつもいつも……いつもいつもいつも!!私の邪魔ばかりして、おとなしく言うことを聞いた試しがない」

ディオ「子供の頃から何度も思い知ったことだったのにね。私の詰めの甘さ…女王としての精神的甘さ、弱さと悟ったわ」

ディオ「もう躊躇わない。ドレスが汚れようとも手が汚れようともかまわないわ。今!貴方を惨殺処刑してくれる!!」

ジョジョ「……ディオ…貴方だけは許せない。私は迷いを捨てた!貴方を葬ることに罪悪感などない!!」

ディオ「………」クスクスクス

ディオ「ねえ?それはそうと、ジョジョ。あの足癖の悪いミセスはどうなさったの?うふふ、是非ご挨拶したいのだけれど、どちらにいらして?」

ジョジョ「!!………ディオ!!」ガシィ

ダイアー「ジョジョ!お前は下がっていろ!奴への恨みなら、このダイアーが先に晴らす権利がある!」バン

ダイアー「ツェペリさんとは共に苦行を乗り越えた20年来の親友だったのだ!」

ジョジョ「ダメよ!ダイアーさん!ディオには貴方の知らない隠された能力があるの!」

ディオ「ふふ…友人、ねえ……はたしてそれだけだったのかしらね?」

ダイアー「………」スオオオ

ディオ「まあ、面白い動き。それは武道か何か?人間も捨てたものじゃなかったのかしら、修業次第でこんな不思議な軽やかさも手に入れられるのね。貴方とダンスを踊ったら楽しそうだわ」

ダイアー「その寝言ばかり垂れる口!今すぐ封じてくれる!!」フワッ

ディオ「…あのミセスも、貴方も…本当に足癖の悪いこと。とてもお似合いよ、貴方達。私に敵わないところもねッ!!」バシィーン!

ダイアー「かかったなアホが!くらえ!稲妻十字空烈刃!!」ギャァァーン!!

ディオ「言ったでしょう?私には敵わない、って。無駄よ!無駄無駄無駄無駄ァーッ!!」

spw「あ…あれはッ!!」

ダイアー「う…う動かん!?」ピッキイーン

ジョジョ「ディオの気化冷凍法!!相手の体内水分を一瞬にして気化させ凍らせる技…でも、あれは!」

spw「前に見た時よりも遥かに早く強力だ…ダイアーの体が一瞬にして凍っちまった!」

ダイアー「き…貴様ッ…!」ピキピキ

ディオ「ウフフ…あの世で会えるといいわね、ミセスと。よろしく伝えてくださる?」

ジョジョ「やっ!やめてーッ!!」

ドバァァアン!!

ジョジョ「うあああああーッ!!ダイアーさんーッ!!」

ディオ「砕け散る氷の破片の美しいこと……足癖は悪くても、とても素敵だったわよミスター。無駄死にだったけれどね!あっははははは!!」

ドサァ

エリック「な…なんて事を…ッ!」

ダイアー「………せ…青年……どうか…私の頼みを聞いてくれ……」

エリック「!!貴方、まだ意識が!?」

ダイアー「わ…私の顔を奴に…ディオの方角に転がしてくれ…!早く!!今しかない…ッ!」


ジョジョ「ディオ…!ディオ…ッ!!」

ディオ「さあジョジョ、次は貴方の番よ。貴方にも残酷で美しい死を贈ってあげるわ…」

ビュオッ

ディオ「ぐ!?」ドズゥッ

ダイアー「フフ……は…波紋入りの薔薇の棘は…い、痛か……ろう…、淑女には………薔薇が似合う…ぞ?フフ…フ」ピシ バシッ

ガシャン!!

エリック「ダイアーさん!!最期の力を振り絞ってまで…!」

ディオ「よ…よくも…よくもよくもよくも!!!」ボシューッ

ディオ「カエルの小便よりも下衆な!下衆な波紋なぞをよくも!!よくもこの私に!!このあたしの顔に傷をつけたわねェェェェッッ!!!」

spw「本性を表しやがったな、性悪女が!どう着飾ろうと、ひっぺがしゃこんなもんだ!!」

ディオ「いい気になってるんじゃないわよ!!あんた達全員!亡者どものエサにしてやる!!亡者どものクソになり下がれェーッ!!」

ペコ「ひぃぃい!!亡者が回りを囲んでいるよォォ!!」

ペコ姉「ペコッ!!」ギュッ

ストレイツォ「このストレイツォ容赦せん!」

spw「ペコ達はあいつらが守ってくれている…しかし問題はディオ!!」

spw「素早く怪力であるアイツを仕止めるのに……勝負は一瞬!!2人のすれ違いざまに決着がつくはず!」

エリック「ジョジョ…!」

ディオ「絞り取ってやる!アンタの生命を!」

ジョジョ「浄めてあげるわッその穢れたる野望!この勇者ヴェラフォードの幸運と勇気の剣で!」

バババッ

ディオ「!いつの間に薔薇なんか隠し持って…師匠が足癖なら、アンタは手癖が悪いのね!!」バッ バッ

ジョジョ「今だあーッ!」

spw「うまいッ!右目が潰れているディオの死角に回り込んだ!」

ディオ「チッ!戦い慣れているわね、コイツ」

ジョジョ「やあああ!!」ドンッ

ディオ「gyyyyaaaaaa!!う…腕がァァァァ!!」

ジョジョ「うおおおお!!」ドッズゥゥ

エリック「ジョジョの剣が!ディアナの頭から首までを斬り裂いた!」

spw「そのまま真っ二つにしちまえーッ!!」

ディオ「(___だけ…は…ッ!!)」クワァッ

ジョジョ「!?」グッ

spw「なっ!?何故手を止めるんだいッ!?ジョースターさん!!」

ディオ「……違うわよ…止めたのは、ジョジョじゃないわ……」ゴボ

エリック「あ!あれはッ!!ジョジョの手が凍っている!!」

ジョジョ「!!」ドォスゥ

ジョジョ「(し…しまった!ディオの指が!私の首に…!!に…逃げなきゃ…蹴りを放って!)」ゴォアッ

ディオ「無駄ァッ!!」ガシ ピキーン!

ディオ「暴れちゃダ~メ、ジョージョォォ…暴れるとこのデリケートな"管"がプチンと切れてしまうわよォ~っ?このコリコリと弾力のある"頸動脈"がねェェェェ!!」

spw「ジョースターさん!助けなきゃ……ううっ!?」

エリック「斬り落としたディアナの腕が動いている!」

ディオ「食事の邪魔をしないでね?マナーがなってなくてよ、マナーが」

ジョジョ「…ディオ…勝ったと思わないことね!貴方は今!ミスを犯しているのだからッ!」

ディオ「…なんですって?……!!ジョジョ!あんた何故!凍らせた腕が溶けているの!?」

ディオ「はっ!…剣先を…松明にかざして炙って…伝わる火炎の熱で溶かしたのね!!ッ小賢しい真似を!」バギィン

spw「ああッ!ジョースターさんの腕が自由になったはいいが!ディオに剣を折られちまった!!」

エリック「ジョジョー!!これを使ってくれーッ!!」ビュッ!

ジョジョ「ナイフ!?」パシィッ

ディオ「ナイフ!!ナイフですって!?」

その時ッ!ジョジョの脳裏に!ディオの脳裏に!!駆け巡るのは過去の記憶!!
ナイフ!野望を貫く鋭き刃!!命運を分ける鋭き刃!!

ジョジョ「このナイフに!!波紋を乗せる!!うおおおお山吹色の波紋疾走ーッッッッ!!!」ボッゴァ

ディオ「keeeeeyyaaaaaaaa!!!」ドオッシュウッ

ディオ「ああ…ああああ!!あたしの体が!あたしの体が溶けていく!い…痛い!!熱い!!いやあああああ!!!」ジュウウゥゥ

spw「ああ!ディオが崖下に落ちていく!!」

ディオ「グッ!グァァアア……ああああ…!!」バシュゥゥゥ

ジョジョ「崩れていくわ…ディオが……良かった…ちゃんと波紋は流れていたの…ね……」フラッ

エリック「ジョジョ!」

spw「無理もねえ…たった一晩に何人も死んでいる闘いをしてきたんだ、そりゃ倒れるさ!」

spw「だが!勝ったんだよ、ジョースターさん!!アタイ達は勝ったんだ!ディオは死んだ!!世界は救われたんだァァッッ!!」

トンペティ「フフ…今は休ませてやりなさい。わしらはあとの屍生人どもを大掃除じゃ!」

ストレイツォ「はいっ!」

エリック「ああ…ジョジョ……!!良かった…本当に…良かった……!!今度こそ泣いていい…ディアナとの青春…辛く苦しい戦い…泣いていいんだ!ジョジョ!!」ギュウッ


ディオ「ぐぅぅ……あああ…ッ!!あ…ぁ、…く…波紋……頭に……、……に…到達する…前に……!!」ドンッ

ワンチェン「ディ!ディオ様ぁぁぁ~!!」

ディオ「ワンチェン…!早く…私の体を切り離せ……!!首だけじゃない…体……腹を!!」

ディオ「私の…私の太陽はたったひとつ……たったひとりだけよ……!!私の中に入ってくるな!死ぬものか…!このままで終わるものかァァァァ~ッッ!!!」

ワンチェン「おお…おおお、ディオ様…!!その執念……!流石…ディオ様…」

ディオ「ジョジョ…!あたしの弱さが油断ならば……あんたの弱さは、その甘さよ……!!絶対に…死ぬもの……か…ッ!!」ギリリィッ

~数十年後~

エリザベス「お義父様、お義母様!ジョージから手紙が届きましたわ。…あ、スピーディワゴン様、いらしていたのですね。失礼致しました」

spw「よっ、エリザベス。元気そうで何より。今日はちょっとね、ジョセフの顔を見に来たんだよ」

エリザベス「それはジョセフもとても喜びますわ、あの子、スピーディワゴン様の事が大好きだから」

spw「そうかい?こないだなんか耳をもがれるかと思ったけどね~、いやー誰に似たんだか力が強いんだから、あの子は!」

エリック「ハハハ!きっとジョジョ譲りなんだろうけどね」

ジョジョ「エリックったら。そうそう、エリザベス?さっきジョセフが泣いていたの、今は乳母が見てくれているけれど、これから私達も面倒を見にいこうとしていたところなのよ」

エリザベス「まあ!すぐにジョセフのところへいきます。お義母様達はゆっくりしていてください、あとでジョセフを連れて来ますから」パタパタ…

spw「…いやしかし、上品だが元気な娘だね、エリザベスは」

エリック「波紋の才能も素晴らしいんだ。本人は幼馴染みのジョージに影響されたと言うけれど、僕は絶対、ジョジョの影響だと思うな」

ジョジョ「…本当は2人とも、波紋を継いでは欲しくなかった…というのが、正直なところだけれどね……戦いは終わったのだから…もしも彼らが、事件に巻き込まれてしまったらと思うと…」

spw「それは考えすぎだろ、ジョースターさん!才能ってのは眠らせとくもんじゃあない、開花させるべきもんだ」

ジョジョ「…そう…そうよね。ごめんなさい、時折ひどく怖くなってしまって」

エリック「……無理もないさ、あんなにも凄まじい戦いだったんだ…けれど、大丈夫だよジョジョ。僕達の子供は強い。真っ当に生きていくさ」

ジョジョ「………ええ。そうね」

ジョジョ「(そう…考えすぎよね……数十年前の戦い…ディオの体が崩れるのを私はしっかりとこの目で見たのだから)」

ジョジョ「(ディオ……何故か、腹を…庇っているように見えた。……それで一瞬気が緩んでしまったと思ったけれど…大丈夫。大丈夫よね……波紋はしっかりと伝わったはず)」

spw「まっ、大丈夫さ!ジョースターさん、今のアンタにゃジョージもエリザベスも、ジョセフだっているんだ。頼もしい戦士達がな?どんな運命だって切り開いていくだろうよ」

spw「まー、ジョースターさんの一番愛する騎士には敵わないかもしれないけどねェ~?なあ、坊っちゃん!」

ジョジョ「もう、スピーディワゴンったら!恥ずかしいわ!」ヒュッ

ブワッシィン!!

ジョジョ「あ!ごめんなさいエリック!大丈夫!?鼻血が!」

エリック「うん!ナイススナップだ、ジョジョ!!」ボタボタ

spw「ついに割り込むように…!」

spw「ったく…というかジョースターさん、アタイさっきからその手紙が気になるんだよ。読んでみようぜ?」

ジョジョ「あ、そうね。スピーディワゴン、読んで聞かせてくれる?」

spw「ジョージも今や英国空軍か~、ついこの間までハナタレ坊主だと思っていたのにねェ…月日が経つのは早いもんだ」ガサガサ…


『親愛なる父様、母様。

 お久し振りです。続く冬の寒さに体調など崩されてはおりませんか。
 僕は今、勇敢なる空軍パイロットの一人を目指し、日夜厳しい訓練に励んでおります…

 …ジョセフも元気に育っているでしょうか?休暇を待ち遠しく感じてなりません…』

spw「ハハハ!まったく、ジョージも随分と子煩悩になっちまって。ほとんどがジョセフの事ばっかりじゃないか」

エリック「ジョージが帰ってきたらパーティを開くとするか」

spw「…どうやら軍の中でも友人ができたらしいね……ん!?」ガタッ

ジョジョ「?どうしたの、スピーディワゴン」

spw「い…いや……気のせい…だよな、ただの偶然だよな?しかし…でも……!」

エリック「…ちょっと僕にも手紙を見せてくれ」ガサ

『…先日、宿舎に新しい友人が一名入りました。とても気さくな人物で、好感が持てます。
 なんでも、昔大怪我を負った母親がいるとのことで…彼もまた、僕と同じく帰郷を心待ちにしている一人のようです。
 故郷が僕と同じなようで、それにもまた親近感が沸き……』

エリック「……!!まさか…いや…そんなバカな…!!」

spw「待てよ…!そいつの名前……綴りを見てみろ!!こんな…こんな偶然!いや!考え過ぎなだけだ!あってたまるか!!そんなこと!」

ゴゴゴゴゴ

ジョジョ「………!!そ…そんな……」


 「君はジョージ・ジョースターだね」

 「そういう君は……」

 「僕は…ダイオニシアス。大層な名前で少し恥ずかしいんだ、長くて呼びにくくもあるだろう、だからこう呼んでくれないか…頭をとって――」


 「――ディオ。ディオ・ブランドー。これからよろしく……ジョージ・ジョースター…」



【終わり】

100%中の100%なdioが三部に出てきたり純度高いジョルノが産まれたり。リサリサと一緒にジョージも戦うかもしれなかったり。

色々すっ飛ばしたり迷走したりとすみません。
読んでくださった方ありがとうございました。

おっつおつ

乙でした

不覚にも「このストレイツォ容赦せん!」で吹きそうになったw
よくネタで見るからかな



スト様とダイアーさんは男なんだね
2部まで行ってキモヲタがスト様が死んだ手紙を送るところまで妄想した

乙乙

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