兎角「初恋」 (129)
悪魔のリドルSS
9話後の妄想です。
地の文があるので煩わしいかもしれません。
中盤以降エロ描写ありますのでご注意ください。
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晴「兎角さん!」
寮の部屋に戻り、扉を閉めた直後兎角の膝が折れた。
兎角「大丈夫。少し気が抜けただけだ。」
兎角はいつもの冷静なトーンで返事をしたが、かすかに息が乱れ、額には汗が浮かんでいる。
晴「大丈夫じゃないよ!」
晴はすぐに兎角の隣に座りこもうとするが、それを遮るように兎角が立ち上がる。
兎角「晴。手当してやるからソファに座って。」
晴「兎角さんが先だよ!」
兎角「私は後でいい。」
晴「晴はかすり傷だけだから兎角さんが先っ。」
兎角「かすり傷ならすぐ終わるだろ。大人しくしてくれた方が私の手当ても早く始められる。」
晴「その理屈もどうかと思うけど…。」
兎角の頭は晴の治療を先にすることが前提で出来上がっているようで何を言っても聞きそうにない。
晴「分かりました…。」
言い争いをするよりもと、仕方なく了承すると兎角は安心したように口元を緩めた。
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兎角「痛くないか?」
晴「もう、兎角さん何回目?放っておいても大丈夫な傷ばかりだってば…。」
伊介に切られた傷はどれも浅く、大して血も出ていないような状態なのに兎角の動作はいちいち丁寧で優しかった。
晴にはそれが嬉しくて、もどかしい。
一通り傷の手当てが終わると晴は待ち構えていたように兎角に詰め寄った。
晴「次は兎角さんの番!」
兎角「そんなに怒らなくても…。」
晴「怒ってるんじゃなくて心配してるの!ほら服脱いで!」
特に目立った傷は右腕、額、背中の打撲。
泥のついた兎角の体と頭をタオルで拭きながら、晴は表情を曇らせていった。
兎角「…晴。大丈夫だから。私が決めた事だ。お前が負い目を感じる事はない。」
ぶっきらぼうに言おうとしながらも、目が困っているのが窺えた。
気に病まないよう、本当に想ってくれているのが分かって思わず口元がほころんだ。
晴「うん…ありがとう。」
そう答えると兎角も小さく笑って安堵の息を吐いた。
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晴「兎角さん、眠いですか?」
兎角「いや…。」
そう言いながらも、疲れと体を拭いているタオルの温かさで兎角の目は少しまどろんでいた。
晴のいい匂いがする。
日向の匂いというよりはもうすっかり晴の匂いとして認識してしまっていた。
埃っぽいなんて言ってしまって悪かったなと思う。
悪いことなんてなにも出来なさそうな手。
傷だらけの体。
筋肉のない細い肩。
いつものなんでもない姿が妙に気になる。
晴「兎角さん、おでこ見せて。」
顔を上げると近い位置に晴の顔があった。
そういえば、晴とキスしたんだっけなとプールでの出来事をぼんやりと思い出し、晴を見ていられなくなって俯いた。
あの時は少し意識したけど、そのあとは気にしないようにした。
ただの人工呼吸だったんだから、何も問題はない。
晴だって気にしちゃいない。
兎角(晴は私をどう思っているんだろう…)
くだらない考えだと思う。
ひどく眠い。
もう体力の限界だった。
兎角(じゃあ、私は…きっと…。)
目の前にいる晴の体温が伝わってくる。
日当たりのいい場所にいるみたいだった。
兎角(あぁ、やっぱり…。)
兎角「私はお前のことが…好きらし…い…。」
自分でも最後の方は聞き取れずに意識が途切れた。
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次に目が覚めた時にはベッドの中にいた。
背中がズキズキと痛む。
まだ部屋は真っ暗で、眠気で頭も働かないのに痛みだけははっきりしていた。
兎角(…わざわざベッドまで運んだのか…。)
放っておいても良かったのにと思うが、晴がそういうタイプでない事は分かっている。
晴「兎角さん…。痛みますか…。」
隣で優しい声が聞こえた。
兎角(…なんで晴が隣に…?)
そんな疑問を口にする余裕もなくて、兎角は晴の問いに「少し…。」とかすれた声で返した。
晴が鎮痛剤を取りにベッドから降りると、空気の流れに乗って晴の匂いが鼻腔に届いた。
無意識にその匂いが移ったシーツを握力のない手で手繰り寄せる。
まだ残る晴の体温が心地よくて、痛みが和らいだ気がした。
晴「兎角さん、起きられる?」
だんだんと意識がはっきりして、痛みにも慣れてきた。
体を起こして薬を受け取り、飲むまでの一連の動作を晴はずっと心配そうに見ていた。
兎角「…そんなに心配するな。大したことないって分かってるだろ。」
晴「でも兎角さんうなされてたから…。」
心配してくれるのはありがたかったが、慣れていないせいかなんだか居心地が悪くてどうしていいか分からない。
晴「汗かいたでしょ。着替えとタオル持ってきたから。」
服を脱いで体を拭いてもらっている間に薬が効き始め、また眠気に襲われた。
晴「眠くなってきちゃった?」
髪をなでる晴の動作に甘えて、彼女の肩の上に額を乗せる。
兎角「うん…。」
今度は素直に答えると兎角はゆっくりと目を閉じ、そのまま眠ってしまうのに時間はかからなかった。
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朝になって目を覚ますと、痛みは残っているものの昨夜のような苦しい感覚はもうなかった。
隣には思った通り晴がいて、穏やかに寝息を立てている。
兎角は軽くため息を吐いてベッドを下りると、体の具合を確認した。
兎角(体は動く…。でも機敏な動きは難しいか…。)
晴「兎角さん…。」
兎角「起こしたか。悪い。」
晴「ううん。怪我は大丈夫?」
兎角「ああ。なんとかな。」
晴「そっか…。」
安心して笑う晴の表情に兎角も安堵して目を細めた。
兎角「私の様子を診るためだと思うんだけど、今後は私のベッドには入らないようにしろ。」
晴「どうして?」
兎角「どうしてって…。昨日私はお前に好きだと言ったんだぞ。」
晴「あ、覚えてたんだ。」
兎角「寝言だと思ってたのか…。」
晴「そうじゃないけど。」
兎角「だったらあんまり近づかないようにしろ。なにをされても知らないぞ。」
晴「……。」
わざと強めに言ったとはいえ、うつむいて黙る晴の姿に胸が痛んだ。
晴「…い…いいよ。」
兎角「……えっ。」
晴「晴も、兎角さんのこと好きだから。」
兎角「嫌われてるとは思ってない。」
晴「そういうことじゃなくて…。」
兎角(…お前の好きと私の好きは違うだろ。)
懐いてくる動物を連想しながら兎角は晴に背を向けた。
晴「同じだよ!」
兎角「心を読むな…。」
晴「兎角さん分かりやすいもん。呆れた顔してる。」
兎角「吊り橋効果って言葉もあるん…。」
晴「そんなのとは違うよ!」
兎角の態度がよほど気に障ったのか晴は食い気味に否定した。
こういう時、晴はきっと引き下がらない。
兎角「…分かった。でも私自身も、なんていうか…色々よく分かっていないんだ…。晴も落ち着いて考えてほしい。」
晴「分りました…。」
しゅんとした表情を見せる晴に少し罪悪感もあったが、今は優しくする方法が見当たらない。
かける言葉もなく、気まずいまま兎角は着替えとタオルを取り出した。
晴「兎角さん、お風呂入るの?」
兎角「ああ。」
晴「怪我してて難しいでしょ。手伝うから、時間もないし一緒に入ろ。」
兎角「あのなぁ…。お前、さっきの話聞いてた…?」
気まずい雰囲気はただの気のせいだったようだ。
ちょっと犬の散歩行ってきます。
携帯で更新したいけど、街灯ないから画面の明るさで目がくらんで田んぼ落ちる。
あと、ぽんぽん痛いんでトイレこもる。
散歩と同時にトイレすりゃ良い
世界は期待に満ちている
戻りました。
読んでくれてる人がいてうれしい。
続けます。
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晴「兎角さん、お風呂入ってる時、顔真っ赤だったね。」
兎角「うるさいバカ。黙ってろバカ。」
少し前を歩く兎角が歩幅を広げた。
晴「あ、待ってよ、兎角さんっ。」
兎角「…あまりからかうな。」
振り向いた兎角の顔は不機嫌というよりは困ったような表情をしていた。
晴「からかってないんだけどな…。」
晴の本音は聞こえているはずなのに兎角は反応しなかった。
晴(兎角さん、ずっとこっち見なかったから気付いてないけど、晴の顔もきっと真っ赤だったよ…。)
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授業の合間の休憩時間に晴が席を立ち、兎角と目を合わせた。
それを合図にして兎角も立ち上がる。
特別な理由ではなくてトイレに行くだけだった。
フロアを移動して他のクラスの生徒も利用するトイレに向かう。
クラス以外の人間を巻き込んではならない黒組ルールに則れば、ここで襲われることはないからだ。
用を済ませて、晴が個室から出ようとすると近くで生徒が雑談を始めた。
「外で待ってるの、黒組の人だよね。すごい美人。」
「やっぱりそうなんだ。制服着てないもんね。」
「あの人時々見かけるけど雰囲気怖くない?」
「私、さっきぶつかって転んだんだけど、私が悪いのに、『ぼんやりしてた、悪い』って言って手引いてくれたよ?」
「なんだ、優しい人じゃん。」
「うん。で、腕細いんだけど結構力あって、腰も細いしかなりスタイルいいと思う。近くで顔見たけど、すっごいイケメンだよ、あれ。髪の毛さらっさら。」
晴(出にくい…。)
制服を見れば晴が黒組の生徒だとすぐに分かってしまう。
それに友達同士の無為な会話というものがなんだか羨ましいと思って立ち止まってしまった。
しかし話が終わる様子もないので結局晴は個室の扉を開いた。
その子達の方は見ないようにして手洗い場に足早に移動する。
会話がピタリと止んでしまったということはやっぱり黒組だとバレてしまったんだろうが気にしないことにしてさっさとトイレを後にした。
晴「ごめんね、兎角さん。待たせちゃった。」
兎角「いや、そうでもない。」
晴の姿を確認すると兎角はすぐに歩き出した。
晴「さっき、誰かとぶつかった?」
兎角「なんで知ってるんだ?他のクラスの女子とぶつかったけど…。」
晴「その子達が兎角さんの話してたから。」
兎角「どうせ怖いとか無愛想だとか、そんなのだろ。」
晴(自覚あったんだ。)
出会ったばかりの頃はいつも怒っているのかと思うくらいに不機嫌そうな顔をしていたから、その頃だったら兎角の言う通りだったと思う。
晴「違うよ。優しくて美人だって。」
兎角「嘘つくなよ。」
兎角は晴に半眼で疑いの目を向けた。
晴「えーっ。本当だってば!手を引いてくれたって。」
兎角「あぁ、あれか…。あんなことで…。」
晴「あとかっこいいって感じのことも言ってたよ。」
兎角「なんだそれ…。」
晴の話が本当だと分かると珍しく兎角は少し照れたような表情を見せた。
晴(なんかもやっとする…。)
晴「兎角さん、モテそうだもんね。」
なぜか自分の声が嫌味ったらしく聞こえた。
兎角「考えたこともない。」
晴「でも褒められたら悪い気はしないでしょ。」
兎角「発言に裏がなければな。」
晴「誰でも?」
様子がおかしいことを汲み取った兎角が怪訝な顔をして立ち止まった。
兎角「…どうした?晴。」
晴「兎角さん、晴に好きって言われた時嬉しかった…?」
兎角は一瞬目を見張り、動揺を見せたがすぐに冷静さを取り戻してため息をついた。
兎角「からかうなと言っただろ。」
晴「からかってないよ。」
今度ははっきりと兎角の目を見て答えた。
晴「ちゃんと聞いてよ…。」
晴は兎角の手を握り、正面から身を寄せた。
しかし兎角は晴の手から指をするりと抜いてしまう。
その冷たい動作が晴の胸を締め付けた。
晴「兎か…っ。」
名前を呼び切る前に、腰から背中に回された兎角の両手が晴の声を静止した。
戸惑う晴に構わず、兎角は晴の首筋に鼻先をあてる。
兎角「んっ。」
くすぐったいような、ぞわぞわとした感覚に思わず息が漏れた。
兎角は気にする様子もなく、続けて晴の襟元を引き、肩に口付けた。
緊張で体が強張り、晴は兎角のシャツの裾をぎゅっと握った。
晴「…ぁっ…。」
舌先が鎖骨をなぞると晴の体がびくりと震えた。
今日はここまでにさせてください。
眠い…。おやすみなさい。
期待!!おつおつ
そこで止めるなんて酷だわ……おつ
はよ!
戻りました。
備長炭熾して焼き肉やってたっす。
マジうまいっす。
続けます。
兎角「…分かるか。私がしたいのはこういうことだ。」
低い声を発すると同時に体が突き放される。
視線は晴を向いていない。
温もりの名残惜しさから晴は兎角に手を伸ばしたが、それは届かなかった。
兎角「先に行ってる。」
黒組の教室はすぐ近くで、晴が呆然としている間に兎角の姿は見えなくなった。
まだ兎角の手や唇、舐められた跡の感覚が残っていて心が落ち着かない。
晴(どうしよう…。)
足が震えている。
動揺するばかりで何も考えられなかった。
晴(…ものすごく嬉しい…。)
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教室に戻ってきてから晴は一度も兎角に話しかけてはこなかった。
兎角(嫌われたかな…。)
最終的に晴を傷付けるような結果にしたくなくて、わざと突き放すような態度をとったが気分は重くなるだけだった。
自分の人生でまさかそんな事を思う日が来るなんて思ってもみなかった。
好きだとか嫌いだとか、そんなものに縁があるとは思えなかった。
兎角(なんにしろ、晴を守ると決めたんだから関係ないけど…。)
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兎角「帰るぞ、一ノ瀬。」
授業が終わり、荷物をまとめると兎角は晴を呼んだ。
癖で名字を呼んでしまったが、振り向いて返事をする晴の様子はいつもと変わらなかった。
寮までの帰り道は当たり障りのない会話をして、不自然なほど手や肩が触れることのない距離を保っていた。
ただし、そうしていたのは兎角ではなく晴の方だった。
避けてくれるならばありがたいと思うはずが、むしろ妙な虚無感があった。
それが淋しいという感覚だと気がついて内心苦笑する。
兎角(結構わがままだったんだな、私は…。)
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食事を済ませて部屋に戻った後は特に会話もなく、各自で適当にくつろいでいた。
兎角がソファに座って銃の手入れをしていると風呂から上がったばかりの晴が後ろから控えめに覗き込んできた。
兎角「どうした?」
晴「ねぇ、兎角さん…。」
その様子は機嫌を窺いながら甘えてくる犬みたいだった。
兎角「ん?」
晴は兎角の名前を呼ぶとしばらく目を伏せて黙り込んでしまった。
何かを言いたそうにしているのは分かる。
話を続けるまで待った方がいいかとも思ったが、堪え性のない兎角はすぐに口を開いてしまった。
兎角「晴?」
名前を呼ぶと晴の目が急に輝いた。
晴「兎角さんっ。」
そのままの勢いで後ろから抱きついてくる。
兎角「お、おい、晴っ。」
振りほどこうかと思ったが、晴なりに力いっぱい抱きしめてきているのを感じてそうすることができなかった。
晴「兎角さん、ドキドキしてる。」
兎角「…当たり前だ。」
好きな人に抱きつかれているんだから。
晴「怒らないの?近付くなって。」
兎角「言ったって聞かないだろ。」
晴「うん。」
悪びれもしない声にため息が出る。
兎角「でもさっきまでおとなしかったじゃないか。」
晴「放課後に名前で呼んでくれなかったから怒ってるのかと思って…。」
兎角「あれは…間違えただけだ。そんなに気にしてるとは思わなかった。すまない。」
晴「ううん。なんだか避けられてる気がして、勝手に淋しくなっちゃっただけだから。」
あまり人の気持ちや自分の気持ちすらも深く考えることはない兎角だったが、今回ばかりは痛いほどに気持ちが分かった。
兎角「ごめん。」
晴「だからいいって。」
抱きしめてくる晴の腕の力が少し緩んだがそれでも兎角はそれをほどかなかった。
突き放すにはこの温もりは愛しすぎた。
晴「晴は兎角さんが大好きなんです…。」
兎角「それはわかってる。でも晴を守ることで弱みにつけ込んでるみたいで狡い気もしてる…。」
晴「兎角さんはそんな打算的なことができる人じゃないよ。」
晴は子供にやるように兎角の頭をさらさらと優しくなでた。
なだめられているようで不本意な気持ちにはなったが今は言い返す言葉もない。
兎角「単純ってことか。」
晴「晴が兎角さんを好きなのは、晴を守ってくれるかっこいいところだけじゃなくて、素直で抜けたところだったり、無愛想なところだったり、意外に子供っぽいところがあったりとか…。」
兎角「…なんだ、子供っぽいところって。」
晴「カレーばっかり食べてる。」
兎角「それは…、いやいい。言ったって私が負ける。というかさっきから褒められてる気がしないんだけど。」
晴「褒めてないしね。」
兎角「……。」
晴「あ、兎角さん、むくれてる。」
兎角は覗き込んでくる晴から顔を背けた。
晴「可愛いのに…。良いところばっかりじゃなくて、普段の兎角さんが好きって話だよ。」
晴を一瞥すると笑顔が間近にあって、なぜか目を合わせていられなかった。
兎角(照れてるのか?私が…。)
晴「あとね、晴が兎角さんを好きになったのは、兎角さんが晴を守るって言ってくれるより前だよ。」
兎角「…なんでそれを早く言わない。」
晴「話聞いてくれなかったのは兎角さんじゃん。」
兎角「……。」
今度は別の意味で目を合わせられなかった。
晴「隣に座ってもいい?」
兎角「ああ。」
晴は兎角のごく近くに、密着する形で寄り添って兎角の肩に頭を乗せた。
兎角「ち、近くないか…。」
晴「そうかな。」
そう言いながら晴は兎角の手を握った。
兎角は鼓動が早くなるのを感じた。
兎角「キスしていいか…。」
晴「うん…。」
犬の散歩行ってきます。
1時間ほどで戻ります。
早く戻れよ夜道気をつけてなこのやろう!
戻りました。
雨降りだして大変。
続けます。
嫌がるとは思っていなかったが、意外にも晴は迷う様子もなく答える。
兎角は晴に顔を寄せて、そっと唇を重ねた。
晴の緊張が伝わってくる。
無理をさせないよう、晴の様子を窺いながら一度離れ、角度を変えて再度口付けた。
時間をかけた後、ゆっくりと離れながら晴を見ると驚くほどに顔が紅潮していた。
兎角「大丈夫か…?」
心配になって声を掛けると、勢いよく晴が抱きついてきた。
晴「見ないで…。」
声が震えていた。
少し前だったらこういう行動も意味が分からなかったかもしれない。
今は恥ずかしがっている事が分かったから優しく抱きとめることができる。
肩に顔を押し付けてさらに強く抱きしめてくる晴が愛しかった。
しかし…。
兎角「…晴。悪いんだけど、痛い。」
晴「ごっ、ごめんなさい!!」
慌てて離れる晴。
晴「晴のせいで怪我ひどくなったりしてない!?」
兎角「今更変わんないだろ。」
晴「もしかして今日ずっと痛かった?」
兎角「…いや。全然。」
晴「あ、嘘ついた。」
兎角「嘘じゃない。」
晴「兎角さん、痛み止め忘れて行ったから晴が持ってたのに…。」
兎角「それは早く言って欲しかった…。」
晴「ほらやっぱり。」
兎角が白状すると晴は唇を尖らせた。
晴「なんで黙ってたの?」
兎角「…なんか、かっこ悪いだろ…。」
晴「こんな時にかっこつけてどうするんですか。」
兎角「そういうわけじゃないんだけど…。」
なんとなくみっともないところを見せたくなかったというか、弱みを見せるのが嫌だったというか、なんであれただの見栄と痩せ我慢だったと思う。
晴「今は!」
兎角「…少し痛い。」
晴「兎角さんの少しは少しじゃなさそうだからなー…。」
渋々答える兎角に対して呆れたように呟きながら、晴は鎮痛剤を鞄の中から取り出し、水と一緒に兎角に渡した。
晴「晴が言うのもおかしいけど、あんまり無理はしないでね。」
兎角「無理だろうが無茶だろうが、お前を守るためならなんでもする。私は晴を必ず守ると決めたんだ。」
兎角の言葉に晴は少し顔を赤らめた後、辛そうに目を伏せた。
晴「すごく嬉しいです…。でも晴はどうしていいか分からない…。晴は兎角さんに甘えることしかできなくて、生き残るためには兎角さんに守ってもらうしかない。兎角さんが傷付くと分かっていても…。」
兎角「いいんだ。晴は何も気にするな。生きることだけを考えてくれ。私はお前がそばにいてくれればそれでいい。」
兎角は晴の手を握り、指を絡めた。
兎角「晴は痛いところはないのか。」
晴「大丈夫です。兎角さんは少しは自分の心配をして。」
兎角「私のことは別にいい。」
晴「良くないよ。じゃあ晴を心配させないために自分の心配をして。」
兎角「…善処する。」
晴の表情が明るくなったのを見て自分の単純さに気付き、途端に恥ずかしくなる。
晴「そういえば兎角さん、何階から落ちたの?」
兎角「6階。」
晴「うぇ…。」
聞かなければよかったと思い切り晴の顔に出ている。
兎角「……よく生きてたな。」
今だからこそだろうが、感心と同時に笑いがこみ上げてきた。
晴「何を他人事みたいに…。」
兎角「いや。生きてて良かったなって思って。」
下手をすれば枝が背中に刺さっていたかもしれないし、今後オカルトはバカにできないなと思う。
兎角「もう一回、キスしていい?」
生きている証に、晴に触れたかった。
晴「うん…。」
兎角は晴に軽く唇を重ねて、すぐに離して、また重ねた。
晴はただされるがままで、吐息のタイミングにも迷っているように見える。
そんな状態で少し唇の間に舌を差し入れると、晴は体をびくりと震わせた。
晴「んんっ…!?」
テクノブレイカーああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
何かを言いたそうだったが兎角に口付けをやめる気はない。
何度も舌を絡ませて、お互いの吐息が混じる。
何回目かのキスが終わると兎角は晴の様子を探りながら唇を離した。
晴はやっぱり顔を真っ赤にしていて、ぼんやりとした目で力無く兎角に寄りかかってきた。
緊張からか、晴の指先が冷たい。
兎角「晴…。」
気遣うように優しく声をかけ背中をそっと撫でると、晴が少し息を吸ったのを感じた。
晴「どうしよう…大好き…。」
晴の体が震えた。
体温が上がり、動悸が早くなるのも伝わってくる。
頭が真っ白になって、思わず晴の肩を掴んで強く抑え込む。
つまりは、押し倒した。
すいません。今日はここまでにさせてください。
明日休日出勤でおそらく深夜まで帰れません。
明後日は野球見に行ってくるんで更新は月曜日になると思います。
どうか、今後ともよろしくお願いします。
生殺しとはこのことだ乙
う~~~めっちゃ良い
まってる
2日も待てというのか悪魔め……
期待ィィイイイイ
期待ィィイイイイ
はよおお
月曜だぞ!はよ!
ただいま戻りました。
読んでくれてありがとうございます。
続けます。
驚いた晴の表情を気遣うこともなく、兎角は唇を晴の首筋に這わせた。
晴「んっ。」
手は腰を撫で、服の裾を少しずつ上げて行く。
晴「と、兎角さんっ!?」
切羽詰まった晴の声に兎角は我に返った。
兎角「………っ。」
身を起こし、晴の乱れた服を見て段々と顔が熱くなって行くのが自分でも分かった。
兎角「すまん…。」
真っ赤になった顔を片手で覆い、晴から目を逸らす。
晴「兎角さ…。」
兎角「頭冷やしてくる。」
目を合わせないまま、兎角は逃げるようにバスルームへ向かった。
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まだ体が熱い。
兎角に触れられた感覚を思い出して恥ずかしくなる。
手を繋いだり、腕を組んだり、手当てを受けた時とは違う。
胸の奥を強く揺さぶられる。
兎角が自分を求めていたことがたまらなく嬉しい。
晴「兎角さん…。」
名前を呼んでみる。
何度も何度も呼んだ名前。
でもきっと今はいつもとは全然違う色付いた呼び方をしているんだろうなと思う。
兎角が自分を求めているのと同じように、自分も兎角を求めている。
ただし、気に入らないことがあった。
晴(余裕ありすぎ…。)
学校で触られた時も、告白した時も、キスも、体の触り方も…。
こちらは何もかもが切迫しているというのに、兎角には慌てた様子なんてほとんど見られなかった。
晴(…ないこともないけど…。)
さっきの逃げ方もそうだし、一緒にシャワーを浴びた時の反応も、照れた様子はあった。
気持ちに余裕がないことは分かるけど、行為に対しての戸惑いがないという印象はあった。
晴(緊張してるのは、晴だけなのかな…。)
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兎角「晴?」
バスルームから出てきたばかりの兎角に名前を呼ばれてハッと頭を上げる。
兎角「なんで私のベッドに座ってるんだ?」
晴「あ、ごめんね。」
兎角「いや、いいんだけど…。」
晴「髪濡れてるよ。」
兎角「すぐ乾く。」
晴「拭いてあげるから座って。」
兎角をベッドに座らせ、晴は後ろから兎角の髪を優しくタオルで包んだ。
晴「あれ?兎角さん、体冷えてるよ?」
兎角「お湯の温度下げたからかな。」
晴「本当に冷やしてこなくても…。風邪引いちゃうよ。」
兎角「そこまで下げてない。」
体を暖めてあげようかな、なんて思ってみたがたぶん怒られるのでやめておいた。
髪の毛を拭きながら、兎角の匂いや体温を感じて胸が苦しくなった。
気持ちの悪いものではなくて、弾むような感覚。
晴(我慢できないかも…。)
つい今やめておこうと思ったばかりなのに、晴は兎角に抱きついてしまっていた。
兎角「…晴の心臓の音すごいな。」
兎角がうろたえる姿を見たかったのに、自分の鼓動で兎角の音は聞こえなかった。
晴「兎角さんばっかり余裕でずるい。」
兎角「どこに余裕なんかあるんだよ…。」
俯く兎角の顔は耳まで真っ赤で、今に限れば確かに余裕はないのかもしれない。
顔を覗き込んでやろうと密着したまま身体をずらすと、兎角に腕を強く掴まれた。
晴「どうしたの?」
兎角「…もうちょっと恥じらいを…。」
晴「…なにが?」
兎角「…。」
兎角は答えない。
晴「あー…。」
なんとなく分かった気がする。
晴「兎角さん、おっぱいが好きなの?」
兎角「っ…!バカかお前はっ!!そういうことを言うんじゃない!」
振り返る勢いに気圧されて晴は兎角の背中から離れる。
珍しく崩れた表情を見た。
怒っているような照れているような、それでも冷静でいようとする表情。
ふてくされた顔をしてごまかそうとしているのが可愛いと思う。
晴「そっか…兎角さんも慌てるんだ。」
兎角「当たり前だろ。」
晴「でもなんか手付きに迷いがないというか…。その、慣れてる?」
兎角は晴がなにを言っているのか理解が追いつかなかったようで、一瞬黙って気が付いたように頭を上げた。
兎角「一応暗殺を目的にしているからな。ターゲットに近付いたり、情報を得るために性的な手段も必要になる。まぁ端的に言うと色仕掛けだ。」
晴「そうなんだ…。じゃあ経験豊富なのか…。」
兎角「いや。私はそういう任務に就いたことはない。」
晴「えっ、あ、そうなの?」
兎角「結局、私はまだ子供だし不自然だろう。女子高生が色仕掛けなんてかえって警戒される。自分で言うのもなんだが、色気も愛想もないしな。やり方とかの知識があるだけだ。」
自虐ではなくて客観的な意見なんだろうが、否定する言葉も見つからなかったのでそれについて晴はなにも言わなかった。
晴「つまりは、一人でえっちな本で勉強していたと!」
兎角「嫌な言い方をするな。」
兎角は半眼で呆れていた。
晴「じゃあさ…。」
こちらを向く兎角に不意打ちで唇を重ねる。
晴「そういうの、晴に教えて欲しいな…。」
犬の散歩行ってきます。
この先エロに入りますのでご注意ください。
でもここまでの流れでわかると思いますが、やたら長くてくどいです。
1時間ほどで戻ります。
気をつけてな。
生殺しだけは勘弁だぜ…
おまえほんとうは犬飼ってないだろ(疑心暗鬼)
お待たせしました。
犬は飼ってるけど犬飼さんはいないかな…。
どこかの寒河江さんとイチャイチャすればいいと思います。
黒組PARTY楽しみ。
さて、続けますね。
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兎角「本当にいいのか…。」
何度も舌を絡ませるようなキスを繰り返して興奮させておいてそれは酷いと思った。
恥ずかしいからと電気も消して、服を脱がされる矢先のセリフ。
晴「お昼に兎角さんに触られた時、すごく嬉しかったんだよ。」
話しながら兎角の腰から服の下を通して背中に手を回して行く。
晴「初めてあんなことされて、頭の中がぐっちゃぐちゃになって、あの時から兎角さんを見ると落ち着かなくて。」
服をめくり上げて頭からシャツを抜いても兎角は抵抗しなかった。
兎角の上半身が晒される。
肉付きのあまりよくない体だったが、無駄な部分がなくて力強い理想的な体躯だと思う。
それに、なんでもよかった。
彼女の体ならいくらでも欲情できる。
晴「晴はね、兎角さんが思うよりきっとえっちだよ…。」
兎角の喉がこくりと鳴った。
服の裾に手を差し込むと、今までの優しい手付きとは打って変わって性急に晴の服を脱がせてしまった。
両手首を上から抑えながらじっと上半身裸の晴を見つめている。
晴「ちょっと…恥ずかしいんだけど…。」
きたーーーーーーうおおお
兎角「別に見られるのは初めてじゃないだろ。」
晴「お風呂とは状況が違うよ…。傷、気にならない…?」
兎角「気にしてると思うか?」
晴「いえ全然。」
初めて会った日のことを思い出す。
少しも気持ち悪がったり、目を背けることも、同情することもなかった。
兎角「少し力抜いて。」
兎角からのキスはもう何回目か分からなくなっていた。
晴が少し舌を出して兎角の唇を舐めると、兎角はそれに返して舌を絡み付けてきた。
同時に兎角の指は晴の体を這い回り、胸の先端を撫でた。
晴「んんっ!」
びくりと体が震えたが口付けは離れなかった。
強引なくらいに深いキスが二人を結んでいる。
兎角の意地の悪い指先は何度も晴の胸に刺激を与え続けた。
晴「ふっ…んん…っ。ぁぅ…っ。」
息苦しくなってきた頃にやっと解放され、乱れた息を整えようとするが、今度は兎角の唇が体をなぞり、無意識に体がはねる。
兎角「気持ちいい?」
晴「は…ぁ…っ、そういう…の、聞かないで…。」
きっとこれ以上にないくらい顔は紅潮しているんだと思う。
体が熱くて、胸が苦しい。
覗き込んでくる兎角は当然余裕なんだろうなと思いながら視線を返す。
兎角「大丈夫か?」
晴の思惑に反して、そう聞いてくる兎角の声は不安そうに揺れていた。
晴「どうしたの…?」
兎角「…いや…。」
暗くてはっきりは見えなかったが、晴からわずかに視線を外すのを感じた。
晴「晴は大丈夫だよ…。兎角さんが大好き。」
何をそんなに怖がっているのかは分からなかったが、気遣ってくれていることは分かっている。
兎角の頬を撫でると穏やかに息を吐くのが聞こえた。
兎角「私もだ。」
晴「ちゃんと言って…。」
兎角「晴が、好きだよ。」
ゆっくりと、そしてはっきりと大事そうに言葉を紡ぐ。
胸の奥が暖かくなる。
何度でも好きだと言いたかったけど、言葉にするたび想いが漏れて行きそうで、それが勿体無くてぐっと堪えた。
晴「兎角さん、キスしてください…。」
兎角「うん…。」
そっと触れるだけのキス。
高ぶるような濃厚なものとは違って、心を通わせるものだった。
晴「いっぱい触ってください…。」
兎角「晴…。」
いつもよりトーンの高い、優しい声。
兎角はずっと優しかった。
頑固な晴の行動を見守った上で毎回助けてくれた。
話せないこと以外の秘密はないと狡く答えた時も受け入れてくれた。
兎角は晴の鎖骨辺りにキスをして、胸をむにむにと揉んだ。
晴「んっ…。」
だんだんと強い力で胸を揉まれ、興奮してくるのを感じた。
晴「や、っぱり…、兎角さん、おっぱい好きなんだ…ね…。」
兎角「そんなことは…。」
晴「ほんとに…?」
兎角「晴のだけな…。」
静かに答えて、また胸を口に含んで舌先でいじり始める。
晴「はっ…ふ…ぅんっ…!」
不意に胸を揉んでいた手が下半身に伸びた。
そろそろ寝ます…。
また明日、よろしくお願いします。
縺上≧縺?≧縺?≧縺翫d縺吶∩縺?>縺?>縺?>
胸がキュンキュンする
うおおおおお
トェェェェェイ
犬の散歩してんのかな
こんばんは。
季節に似合わず風邪をひいてしまいまして喉をぶっ潰しました。
黒組PARTYに全力で参加したいので、今日は休ませて頂きたいと思います。
原画集は予約してきたので犬の散歩にも行かず寝ます。
中途半端なところで申し訳ないとは思いますが、また明日よろしくお願いします。
元気で帰ってきてね。
私も原画集予約したー。通販やってくれてありがたい
戻りました。
ご心配くださってありがとうございます。
声が出ないこと以外は万全です。
続けます。
兎角「脱がすぞ…。」
下着ごと服をはいでいく兎角の吐息は少し荒くなっていた。
晴「もしかして興奮してる…?」
兎角「変なこと聞くなよ。」
晴「だって晴ばっかりいやらしいみたいで…。」
兎角「私だってだいぶ前から理性が吹っ飛びそうなんだ。」
声に余裕がなくなっていくのが分かった。
晴「好きにしていいよ…。」
兎角「でも、…いや、分かった。」
晴の体にはもう何も覆うものはなく、兎角は上から全身を見下ろしていた。
晴からも兎角の体は見えていたが、暗くてぼんやりと影が分かるくらいで表情もはっきりとは見て取れない。
それでもじっと見られているのは恥ずかしかった。
晴「み、見えてないよね…。」
兎角「いや。夜目は効く方なんだ。そういう訓練受けてるし。」
晴「ぇぇええ!?」
反射的に両腕で胸を覆った。
兎角「今更恥ずかしがるのか…。」
晴「見えてないと思ったから…!」
兎角「見えても見えてなくても、散々触ってるだろ。」
晴「でも…!」
ついさっきまでならもう少し遠慮があったかもしれないが、自分でもう好きにしていいなどと言ってしまったからか、兎角は気にもせず下半身に目をやった。
晴の膝を立たせて、腿の付け根に顔を寄せる。
晴「ま、待って、なに…!?」
兎角「濡らさないと痛いだろ。」
何をする気なのかは明白だった。
咄嗟に脚を閉じようするが、その前に兎角が体をしっかりと割り込ませてきた。
兎角「今、脚を閉じられると右腕の傷に当たる。」
晴「ひ、卑怯だ…。」
兎角「なんとでも言え。もう我慢しないからな。」
開き直った口調で晴の言葉を流し、中心を見つめたまま指を当てた。
晴「ひぁっ…!」
冷たい感触に思わず変な声を出してしまう。
兎角の指が冷たいのか、自分の体が熱いのかもう分からない。
感触を確かめるように何度か入り口を撫でた後、兎角は晴の両腿を掴んで自分の方へぐいっと引き寄せた。
腰の下に自分の膝を入れて少し浮かせると大事な部分に舌を這わせる。
晴「ぁっ…!やっ、…だ…!そこ…はっ…!」
抵抗することもできず、ただただ恥ずかしさに耐えるしかない。
体が強張るがどこに力を入れていいのかも分からなくて、シーツを強く掴んだ。
兎角「…溢れてきた…。結構濡れてるな。」
ただの独り言のつもりだったんだろうが、晴にはひどい羞恥だった。
兎角「指、挿れるから力抜いて。」
そんなことを言われて力なんて抜けるはずもなく、体は緊張してしまうだけだった。
ゆっくりと兎角の指が侵入してくるのを感じる。
晴「…ぁっ…!」
晴の小さな悲鳴に兎角の手が止まる。
兎角「ごめん…。痛いか?」
晴「ん…っ、ちょっと待って…。でも大丈夫…だから…。」
兎角「…まだ爪の部分くらいしか入ってないんだぞ…。」
愕然とした。
あんなに細い兎角の指が少し入ったくらいでこんなに痛いものなのかと。
腰の辺りに鈍い痛みがあって、これ以上は怖いとも思った。
兎角「緊張してると痛いらしいから…。力抜けるか?キツくて指が入らない。」
そこに指を押し込もうとするのが感じられた。
押される度に痛みが増していて、どうすれば力を抜けるかなんて分からない。
晴は首を振るのが精一杯だった。
兎角「晴、舌出して。」
言われるがままに舌先を少し出すと兎角がそこに舌を絡ませてきた。
指は胸の感じやすいところを撫でている。
晴「ふ…ぅ…っ、んんッ…!ぁんっ。」
舌を動かしていると、そちらに集中したせいか脚の力が緩んだ気がした。
息が苦しくなる程キスを繰り返していると、ぐっと下半身に何かが入り込んだのを感じた。
晴「あ、あっ…!ふぁっ!」
兎角「入った…。晴の中、熱い…。」
晴「や…だ…。」
まだ痛みはあったが、兎角の指を感じられるくらいには余裕が出てきた。
緩く動いているのが分かる。
きっと興味で中を楽しんでいる。
兎角「いっぱい濡れて、ぬるぬるしてる。穴、小さくてかわいいな。」
晴「恥ずかしいよぉ…。」
いちいち口にするのはわざとなんだと、口調からして明らかだった。
兎角「興奮してくれてるんだろ。嬉しい。」
改めて自分の有様を思う。
こんな風に体を開いて、いじられて欲情している。
もっと抱かれたい。
そう思ったら痛みがだんだんと和らいできた。
晴「兎角さん、もう大丈夫…。もっとして…。」
兎角の体がぴくりと震えたのが分かった。
兎角「うん…。」
きっとまだ我慢していたんだと思う。
一瞬後悔しそうになったが、動き始めた兎角は緩やかで優しかった。
晴「あっ…ぅ…。」
強く中を押し広げられる感覚。
兎角「今、2本入ってる。痛かったら言って…。」
気遣う手付きが少しもどかしく感じる。
晴「んんっ…!ど…しよ…、気持ち良…いっ…。」
奥の方が疼いた。
自然と腰が動く。
晴の情欲が伝わったのか、兎角の気配が変わるのを感じた直後、強く中を押し上げられた。
晴「あっ、あぁっ!ん…ふっ…!!はぁっ、ぁんっ!!」
兎角「晴っ…。」
兎角の切羽詰まった声と息遣いが晴の欲求を掻き立てる。
晴「ん…っく…、と…かくっ…!」
晴は兎角の空いている手を握り自分の胸へと引き寄せた。
もっともっと触って欲しくて。
そろそろ犬の散歩行ってきます。
第3巻のオーディオコメンタリー聞きながら投下してるから温度差がすごい。
1時間程度で戻ります。
悪化しないようにな
本当に意地悪だなお前は!
戻りました。
風邪はマジさっさと治します!
ありがとうございます!
兎角「っ…。」
息を呑むのが聞こえた。
兎角の手は激しく晴の胸を揉み、口で先を吸った。
先ほどまでの優しい動作ではなく、熱情を露わにして荒く扱われることにひどく興奮を覚えた。
なにも考えられなくなってくる。
晴「あっ、あぅ…っ…。」
不意に指の動きが緩やかになった。
兎角「晴、うつ伏せになって、お尻をこっちに向けて。」
言われるままに体勢を変えるが、すごく恥ずかしい状態になっていることに気付いた。
兎角「腰、あげて。」
晴「ん…。」
後ろからじっと見られているのが分かる。
晴「兎角さん、こういうの好きなの…?」
兎角「…そうかもな。」
晴「変態…。」
兎角「嫌ならやめる。」
晴「ううん…。嫌じゃ…ない…。」
きっとおかしくなっている。
こんなことを期待するなんて。
すぐに指が入ってくるのかと思ったら、ぬるりとした生暖かい感触がその部分を覆った。
晴「ふぁっ…。」
わざとらしく兎角はぴちゃぴちゃと音を立ててそこを舐めていた。
恥ずかしいと思っているはずが、それ以上に気持ち良さが勝って抵抗は出来なかった。
晴「んっ、ん…ふ…ぅっ…。」
なんとかシーツに顔をうずめて声を堪えるが、兎角の指がまた触れた時にびくんと体が大きく震えた。
晴「ん、あぁっ!はぁ…あんっ!!やっ、な…にっ…!?」
兎角「ここ、いいのか?」
兎角は陰核と言われる部分を撫でていた。
体が勝手に跳ねる。
下腹部だけでなく全身に電気が流れたみたいだった。
晴「ぅ…んっ!そっ、れ、だめっ…!」
耐えられなくて、そこを撫でる兎角の手を掴んでしまった。
兎角「辛いか?」
晴「ちょっと…。」
遠慮がちに兎角が手を引くと、晴は見せつけるように自分の中心に触れた。
晴「中…、入れて欲しい…。」
今日はここまでにさせていただきたいと思います。
寝オチしてました。
たぶん、明日で全部終わらせられると思います。
最後までどうかよろしくお願いします。
乙!
お前ほんとドSだなw
無理すんなよ
兎角ちゃんかっこいい
お疲れ様です!
風邪早く治るといいですね!
黒組パーティ楽しんできてください!
皆さんありがとうございます。
今日で全部終わらせたいと思います。
週末の旅行の準備をしながらちまちま書いていきますのでよろしくお願いします。
兎角は何も言わなかったが、理性なんてものをかなぐり捨てたような雰囲気は感じ取れた。
ぞっとするものがあったが、晴はそれでもいいと思った。
強く愛されるならなんだっていい。
優しさの感じられない指先は無理矢理に晴の中へ押し進められた。
晴「ぃっ…た…!あっ、あぁんっ!!」
粘質的な激しい水音が部屋に響いた。
長い指が奥を刺激する。
晴「あっ、んっ、ふぁぁ…っ!!や、ぁ…!気持ち…いいよ…ぉっ…!!」
中をぐりぐりと掻き回されているのが分かる。
下腹部の裏辺りを集中的にこすられて、体が崩れ落ちそうになる。
晴「そ…こっ、すご…ぃっ!」
今想うのは兎角のことだけ。
兎角の吐息、温もり、匂いが今までにないくらい近くにあることが嬉しくて、泣いてしまいそうだった。
晴「ひっ、ぁっ!!」
唐突に激しい刺激を感じた。
さっきと同じ痺れるような感覚。
兎角は晴の中に指を入れたまま、空いた手でまた陰核をいじり始めた。
晴「そこ…は、だ、…っ、あぅっ!んっ、んぅっ!!」
抵抗しようとするが、力が入らない。
腰から背中にかけて、兎角の唇と舌が這い、何かが駆け上がってくるような感覚。
晴「やぁ…っ!あっ、あっ、やっ、だ…っ!!あぁあああっ!!」
一瞬晴の体がびくんと跳ね、すぐに脱力して沈んだ。
兎角「イッたのか…?」
返事も出来ず、ただ息を切らしていると兎角が頬にキスをしてきた。
兎角「大丈夫…?」
目の前まで覗き込んでくる兎角の目は、優しい普通の女の子だった。
晴「ん…、ちょっと動けないけど、大丈夫…。」
兎角が安心して少し笑ったのが見えた。
心配するように晴の体を撫でている。
きたあああああああ
晴の状態が落ち着くと、ティッシュを取り出して股の間に当てた。
晴「とっ、兎角さんっ!?」
兎角「大人しくしてろ。濡れたままの方がいいのか。」
恥ずかしさに顔を腕で多いながら渋々押し黙る。
兎角「ごめん、血が出てる…。」
拭きながら申し訳なさそうにしている兎角。
そんな風に言われると性行為の実感が湧いてきて恥ずかしくなってきた。
それと同時に嬉しくなった。
晴「兎角さんに処女あげちゃった…。」
ブフッ、と大きく吹き出す音が聞こえた。
兎角「や、やめろ…!そういう言い方するの…!!」
晴「でも晴だけ気持ち良くしてもらったから不公平だよね。」
兎角「…してるだけで十分満足できるからいいんだ。」
よく意味は分からなかったが、している時の兎角は確かに気持ち良さそうだった。
気だるい腕を上げて、兎角の胸を撫でる。
晴(あぁ…これはイイかも…。)
あんな風に晴の体をいじり回していた兎角の気持ちが分かった。
------------------
洗面所で手を洗いながらさっきまでの行為を思い出して顔が熱くなる。
兎角(やってしまった…。)
晴は余裕に見えると言っていたが何をするのも精一杯だった。
傷つけないようには頑張ったつもりだ。
兎角(…柔らかかったな。)
晴の体の感触を思い出して手を握ったり開いたりしてみる。
同時に晴の嬌声が脳内で再生されまた顔が熱くなった。
兎角「なに考えてるんだ…。」
頭を冷やすために顔を洗ったあと、兎角は洗面所を出た。
ぎゃぁぁぁああああ!!!
すいません!ひとつ飛びました!
117の続きと118をまとめて投下します!!
兎角「…また襲うぞ。」
ゆるゆると胸を揉む手を掴まれてしまった。
晴「晴も兎角さんにしたい…。」
兎角「今はそんなこと考えなくていい。」
晴「えー…。」
不満の声を上げたが、実際体はだるいし、脚が震えていて力もも入らない。
兎角「手を洗ってくるから待ってろ。」
自分のシャツを拾って兎角がベッドから離れると、急に辺りの温度が下がった気がした。
晴(…なんかものすごく恥ずかしくなってきた…。)
触られている時もそうだが、自分の誘い方を思い出すと逃げ出したくなった。
晴(晴も変態だ…。)
------------------
洗面所で手を洗いながらさっきまでの行為を思い出して顔が熱くなる。
兎角(やってしまった…。)
晴は余裕に見えると言っていたが何をするのも精一杯だった。
傷つけないようには頑張ったつもりだ。
兎角(…柔らかかったな。)
晴の体の感触を思い出して手を握ったり開いたりしてみる。
同時に晴の嬌声が脳内で再生されまた顔が熱くなった。
兎角「なに考えてるんだ…。」
頭を冷やすために顔を洗ったあと、兎角は洗面所を出た。
兎角「晴?」
シーツを頭から被っている晴に声を掛けると、白い塊がぴくんと揺れた。
兎角「どうした?」
ベッドに乗り、もう一度声を掛けると晴はもそもそとシーツから這い出して来て、正面から兎角に抱きついた。
まだ服を着ていない晴の体温が伝わってくる。
兎角「風邪ひくぞ。」
兎角が声を掛けても離れようとはしない。
体が冷えないか心配なのもそうだが、正直なところ、あんまりこんな姿でくっつかれるとまた何かをしてしまいそうだった。
兎角「晴。不満があるなら聞くから、とりあえず離れてくれ…。」
弱気な声を出すと晴はやっと離れてくれた。
体が見えてしまう前に晴のパジャマの上着を彼女の胸に押し付ける。
晴はパジャマを着ると上目遣いで兎角を見上げた。
晴「不満なんてないよ。…ただ、恥ずかしくて…。兎角さん、嫌になっちゃったりしてないかなって…。」
兎角「なにバカなこと言ってるんだ…。そんなわけないだろ。」
晴「本当に?じゃあ晴は兎角さんの好きなところ言ったから兎角さんも晴の好きなところ教えてください。」
兎角「…は…?」
晴「教えて。」
兎角「やだ。」
晴「……。」
晴の頑固が出てしまっている。
きっと引かない。
兎角「…匂い。」
晴「埃っぽいってやつですか!?全然褒めてない!」
兎角「お、お前だって褒めてなかったじゃないか!」
晴「褒めたところもあります!」
ふくれっ面を向けられてもう一度良く考えてみる。
兎角「…まぁ、なんていうか、私もよく分からない。晴は私と違うからな。だから、不思議に思うことや興味深いことも多い。」
晴「よく分かんない…。」
兎角「私も分からないって言っただろ。とにかく、何にかえても私はお前を守る。必ず生きて卒業させる。」
晴「晴は、兎角さんと一緒がいいです…。」
兎角「できることならそれがいいと思ってる。優先順位の問題だから。私に答えられるのは今はこれだけだ。納得できないか?」
晴「ううん…。」
俯いた晴の頬に手を当てるといつもよりずっと熱くなっていた。
兎角「もう寝よう。疲れただろう。」
晴「…手を繋いでてもいいですか?」
兎角「寝てる間に離してしまうかもしれないぞ。」
晴「それでもいいから…。」
兎角の手を取る晴の指先には強く力が入っていて、なにか切迫したものを感じた。
何かに怯えているような、吐き出せないものがあるみたいで、見ている方が息苦しくなる。
きっと聞いたって話さないだろうから、兎角はそれで構わないとは思っている。
ベッドに横になると晴は手を繋ぐどころか、ピッタリとくっついてきてそのまま目を閉じた。
兎角はそんな不安な晴に手を回し、軽く背中を撫でると頭にそっと口付けた。
お前は、私が守る。
この身を犠牲にしても必ず。
終わり
終わりました!
見てくださって本当にありがとうございました。
よきかなよきかな
大義であったゾ
おつでした!
乙です。
久々の良作でした!
おつおつ!!
良かった!最高!
またなんか気が向いたら書いてほしいな
このSSまとめへのコメント
お大事に!
黒組party楽しんできてください。
続き楽しみにしてます!