兎♂「彼女欲しいなあ」【時折安価】 (11)
そう思ってできた彼女は……
狼♀「ねえ、舐めていい?」
兎♂「やだ」
超肉食系女子。いつ食われるかわからない
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兎♂「確かに彼女欲しいとは言ったけど……」
ちらっ
狼♀「ん?」
どうしてこんなことに……
色々おかしいことがある。
まず、兎と狼のカップルって、
いくらなんでも合わなすぎ。
見た目にも、タイプにも。
次に、まず普通なら、
兎と狼が鉢合わせになったら
狼が兎を食うのは自然の鉄則。
しかしこの狼は……。
狼♀「だってウチも彼氏とか欲しかったしー?」
とか言ってとりあえず今は
自分を食べないでいてくれる。
いや、助かってるんだけど、
でも兎と付き合うってどうなの、
狼として
そんなこんなで付き合いだして一週間。
お陰様で………。
兎友♂「お前、狼のメスと付き合ってるってマジ?」
兎♂「うん、まあ………」
兎友♂「やべえな!勇者じゃん!尊敬するわー……お前案外来るもの拒まずなんだな」
兎♂「ほっとけ……」
こんな調子。
同族からはこんな風に、すごいと
持て囃されるか、兎としての自覚がない
とけなされるかどっちか。
兎友♂「で、今日その彼女に会いに行くんだろ?」
兎♂「まあ……」
ちなみにこの友人も彼女持ちだ。
もちろん同族どうしの。
兎友♂「なんだよ、そんな辛気臭い顔して」
兎♂「………」
兎友♂「だからモテなかったのかな」
兎♂「別にそれは関係な……」
兎友♂「あるね。お前、彼女の前でそんな顔してみろ、どうなる?」
兎♂「むしろ可愛がられる」
兎友♂「!?」
兎友♂「どういうこった」
兎♂「こっちが聞きたい!」
……本当は知ってる。
彼女はいつもの性格や口調とは裏腹に、
妙に可愛いもの好きなのだ。
それが例え、捕食相手であっても。
僕が可愛いとみなされてるのは……
意外というか、心外というか。
別に、可愛くしてるつもりなんて
これっぽっちもないのに。
彼女のツボが、わからない。
兎友♂「なんだ、ふつーに好かれてんじゃん」
兎♂「いや……そんな……」
兎友♂「この調子ならいけるだろ」
兎♂「何が」
兎友♂「そりゃお前が考えろ」
兎♂「はあ?」
兎友♂「お前も男ならわかるだろ?じゃあ、俺も用事あるから」
友人はそう言って、走っていった。
行き先は分かり切っていた。
……さて、僕も行かなきゃ。
生きて、帰れることを期待して。
兎♂「確か待ち合わせはここの木の下のはず………」
狼♀「お、なんだ同時じゃーん!いやーなんか一日会ってないだけなのに懐かしいな!」
べしっ
兎♂「え、いたっ、痛いからその速さで頭叩くのやめて」
狼♀「もーー頭かかえちゃって!そんな強くしてるつもりないんだけどなー?」
いやいやいや、狼の普通ぐらいが
兎にとっちゃ強過ぎなんだって!
狼♀「で?」
兎♂「?」
狼♀「聞こえなかったのかー?どうすんのって話。ったく、耳噛みちぎるぞこのこのー!」
それ、冗談に聞こえないから。
兎♂「……そうだな、今日は……」
今日ぐらいは、今日ぐらいは
落ち着いたことをしたい……。
これまで僕らは初対面含め
5回会ってる。その中で今日みたいに
デート紛いなことをするのは3回目。
1回目も2回目も完全に向こうの
ペースだったから、
今日くらいは普通に、
兎にとっての普通な日にしたい……
今日は快晴だし、
春の風も気持ちいいし、
色々できることはありそう。
何がいいかな
安価下
草原でお昼寝
なんか嵐の夜にを思い出すな
兎♂「そこの草のところで、お昼寝でも……」
狼♀「…………」
兎♂「う……」
やっぱりまずかったかな……
兎♂「やだなら……」
狼♀「あのさぁ……」
兎♂「ひっ」
狼♀「あんたいつから夜行性になったの?」
兎♂「へ?」
狼♀「昼寝したら夜寝れなくね?」
兎♂「寝っころがるだけだから……」
狼♀「そ。別にいいけど……それより……」
兎♂「?」
狼♀「さっきからお昼寝だの寝っころがるだの使ってる言葉いちいちが可愛いいんだけど」
そこ!?
狼♀「あーウチやっぱこの仔彼氏にして正解だわ」
この仔!?
兎角さんかと思ったらただの兎だった
兎♂「僕は子どもじゃない!」
僕の年齢は、人間換算で21歳。
もう子どもと呼ぶには厳しい年齢だ。
一方。
狼♀「いやいや中身はそれっしょ」
彼女は人間換算18歳。
驚いたことに換算すれば年下なのだ。
でも明らかに体のデカさに
差がありすぎる。
傍からみれば、彼女の方が
年上と思うに決まってる。
でも今日は負けない。
兎♂「……行くよ」
僕のペースでいってやる。
狼♀「うーい」
そうでないと、生き抜くことは
できなさそうだから。
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