昼間な二人(21)
友「ずっと好きでした」
男「は?」
友「付き合ってください」
男「................つぅ~わけよ.....」
幼馴染「へぇ、よかったじゃん。付き合うの?」
男「よくねぇし付き合わねぇよ........」
幼馴染「は?なんで?」
男「だってさぁ............」
男「友って男だぞ........?」
友「男、おはよ!」
男「おっ!?お、おう........おはよう」ビクゥッ
友「どしたの?なんか元気無いね」
男「なんでもねぇよ........心配すんな」
友「そう?」
男(昨日の今日だぞ........なんでこいつは何事も無かったかのように....)
~教室~
友「....でさぁ、もう今日からは先にお風呂入っちゃおうと....」
男「そうしろそうしろ。文句言われる筋合いはねぇよ。」
友「あ、もう授業始まるね」
男「おう。」
友「じゃ席戻っとくね~」ヒラヒラ
男「」ヒラヒラ
男(これは........まさか無かった事になってるのか?)
~放課後~
友「じゃまた明日ね~」ヒラヒラ
男「じゃな。」ヒラヒラ
男「............................」テクテク
男(何事もなかったよ!?)
男(え、なんで?なんで何もないわけ?)
男(昨日の告白が夢かと疑いたくなるほどいつも通り!おかしいだろ!?)
男「....................」ウ-ム
男「....................」テクテク
男「....................」ピンポ-ン
はーい?
男「あ、幼馴染?入っていい?」
幼馴染「どったの。学校から直接来るのは珍しいじゃん?」
男「う~、いや相談がよ....」
幼馴染「友くんのこと?」
男「そう。そうなんだよ」
幼馴染「やっぱり気まずいとか....まさか喧嘩した?」
男「それどころか。」
幼馴染「それどころか?」
男「むしろ何も無いんだよ....何にもだ。」
男「....ってかんじでよ」
幼馴染「へぇ~....そりゃ奇妙な....」
男「あいつどういうつもりなんだよ?」
幼馴染「俺が知るかよ。でも....なんていうかなぁ」
男「ん?」
幼馴染「その友がお前のこと好きだってんなら、仲良くしてたいってのは普通じゃね?」
幼馴染「変に距離置きたいとは思わないだろうさ」
男「まぁ確かに....それもそうだけど....」
幼馴染「でもそこに甘えることは薦めないぜ」
男「なんだって?」
幼馴染「好きだって告られたんならさぁ....やっぱり返事欲しいんだろう」
幼馴染「返事はするべきだと思う」
男「............でもさ」
幼馴染「断るんだろ」
男「........おう」
幼馴染「それで友達関係まで壊れるのは恐いか?」
男「まさしくそれだよ。」
幼馴染「............そりゃそうだ。誰でもそう思うだろうさ」
幼馴染「でもさぁ....相手の本気には本気で向き合うべきだと、そう思うよ?」
男「........................」
幼馴染「今のお前と同じか、それ以上に悩んだ末に友君は告ったんだと思う」
幼馴染「今だって返事されない間、辛いだろうと思う」
男「....................あぁ、分かってるよ」
幼馴染「覚悟を決めなきゃいけないよ。それが友君に対する礼儀だ」
男「........................でもやっぱ恐いよぉぉお」ゴロン
幼馴染「ったく、このビビリが....」
~お昼~
男「さぁて、弁当だ........」グゥ-ギュルル
友「僕は今日はパンだよ~」ガサガサ
男「またかよ。たまには........」
ガララッ
男「............あっ」
友「....................?」
スタスタスタ
クラスメイト「あれ....」「久しぶりに来たな」「今学期初じゃないの?」
幼馴染「よう、男。」ザッ
男「よ........よう」
友「............えっと....?」
男「お前........体大丈夫か?」
幼馴染「はは、学校来たぐらいで死にはしないよ....今日は調子いいしな。座っていい?」
男「お、おうよ」ガタッ
友「あー、あの幼馴染くんか....」
幼馴染「初めましてだね。一応クラスメイトの幼馴染です」
男「急に来るもんだから驚いたよ........午後は授業受けるのか?」
幼馴染「ど~おだろなぁ....調子見て決めるよ」
男「そっか....まぁ無理はすんなよ」
幼馴染「ところでさぁ....友くん」
友「ん?」
幼馴染「男に告ったんだって?」
友「............」ピクッ
男「お、おい幼馴染....」
幼馴染「そのことで話あんだけどさぁ........?」
友「............屋上でも行って食べようか」
幼馴染「構わないよ。」
男「........どうするつもりだ....?」
~屋上~
ガチャッ
幼馴染「ここなら邪魔は....」ギィィ-ッ
なんでですか!なんでダメなんですか!
分かっているだろう!君と私では....立場があるだろう....
せんせー!そんなの関係ないです!あたし、あたし....
ダメだ!ダメだせーとくん!
幼馴染「....................」
友「....................」
男「....................」
幼馴染「....................さて、友くん」クルッ
男「話始めんの!?この状況で!?」
幼馴染「君は............本気で........?」
友「................................」
友「........................はい。男が好きです」
男「........................」
幼馴染「....................心からそう思うんだね。」
友「心の底から好き。大好き....」
男「....................」ゾクッ
幼馴染「友達とは別の意味で、だよね。」
友「............恋愛だよ」
友「恋しちゃった....男に....」ポロッ
男(な........涙............)
友「おかしいけど............こんなのおかしいけど」ポロポロ
友「好きなんだ............ごめん、ほんとキモいよね」
幼馴染「....................」
友「男に告られたってさ........そりゃ嫌だったよね........」
友「でも大好きなんだ........心の....底から........」
幼馴染「........俺は男から相談されて........男の気持ちも知ってる」
友「」ピクッ
幼馴染「それを俺がぶちまけちまうのは簡単だけど........どうする?」
幼馴染「たとえ辛い選択でも、俺は男の口から返事するのが正しいと思う」
男「................................あぁ。」
幼馴染「もっとも........男の様子見れば返事は分かるだろうけどな」
友「................................」
幼馴染「................どうする?男。ケジメをつけるか?」
男「....................................」
男「............................あぁ。やるよ。」キリッ
男「................友。」
友「は、はい」
男「....................あのさ....」
友「........................」
男「........................」
友「........................」ドキドキ
幼馴染「................」
男「お願いします」
友「........................」
幼馴染「................」
友「え?」
幼馴染「は?」
まさか幼馴染みもホモなんじゃあ…
幼馴染「え?は?何?どういう?」
友「あわわわ」オロオロ
男「................」ニコッ
友「」キュンッ
幼馴染「待て待て待て待て!なんで?なんで『お願いします』なんだよ!?」
男「ふん................なんてことはないよ」
幼馴染「説明!説明をしろよ!」
男「ただ............」チラッ
せーとくん....もう君を離さない
せんせー........あたし嬉しい........
幼馴染「........................」
友「........................」
男「恋愛って........色んな形があるよなぁ....って」
幼馴染(........まさかその場のノリじゃないだろうな)
友「男............嬉しい」ポロッ
男「あーもう泣くなよ」ワシワシ
友「えへへ」ニヘラ
男「ただし!....だ」
男「キスとかエッチとか....そういうのは無し!」
男「そういう夜のムードっていうか....なんかねっとりしたのは無理だ」
男「俺たちは昼間だ。昼間の恋人!ただ、一緒にいるのが嬉しいんだ」
友「うん........うん!」
友「わかるよ....僕もそれがいいと思う」
幼馴染(え、いいの?)
男「友................」
友「男................」
男「」ハグ
友「」ハグ
友(よかったよかった........)
幼馴染(................付き合う意味あるのか?俺には分からん........)
一応、完
え?ここまでが導入ってかプロローグじゃないの!?
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