そこはある日の生徒会室
新旧生徒会長が二人っきり、顔を寄せあわせていた

穂乃果「絵里ちゃん……、綺麗」

絵里「穂乃果はお世辞が上手いのね」ｸｽｯ

穂乃果「ううん、絵里ちゃんはスタイルよくて可愛くて、ホントズルいよ……」

穂乃果「絵里ちゃん……、大好きだよ」ｷﾞｭｯ

絵里「ええ、私も大好きよ。穂乃果」

穂乃果「絵里ちゃん……」

穂乃果「キス……しよ？」

絵里「……………」

穂乃果「……………」



絵里「……え、何？鱚？？？」

あかんこのえりちポンコツや

穂乃果「うん、キスだよ。………良いかな？」

絵里「……鱚？あの？」

穂乃果「うん、キスだよ。もしかして、……嫌？」

絵里「……」

絵里（急に抱きついてきて甘えだしたと思ったら、この子は唐突に何を言い出すのかしら……）

絵里（鱚ってあの揚げたり刺し身にしたりする白身魚よね）

絵里（天ぷらは鉄板だけど、塩焼きだと焼かれて真っ白になった瞳と目が合って若干食べにくかったりするわ）

絵里（あ、お腹減った）

絵里（それより穂乃果よ。鱚する……、するって事は食べるのとは勝手が違いそう）

絵里（……分からないわ、やっぱり穂乃果もお腹減ってるのかしら）

絵里「……そう言えば今が旬だものね」ﾎﾞｿ

穂乃果「え？」

絵里「いいわ、鱚、良いわね！今しかないわ！」

穂乃果「えっ？」

この流れで魚の方を連想するってある意味賢い

本当ある意味な

きたい

ロシア人とのクォーターだもんね、しかたないね

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穂乃果「うーん」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

絵里「美味しいわね」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

穂乃果「……美味しいけど」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

絵里「けど？」ﾊﾟｸﾓｸﾞ

穂乃果「なんでこうなってるのかなぁって」

絵里「……？」

絵里「鱚……よね？今が旬だけあってとっても美味しいわよ？」

穂乃果「天ぷら、塩焼き、南蛮漬け……」

絵里「煮付けもあるのよ、もぐもぐ。作りすぎちゃったかしら？こんなにたくさん食べきれないわぁ」

穂乃果「…………」

穂乃果（あのあと唐突に手を引っ張られたかと思ったら部室から連れ出され）

穂乃果（魚屋に寄ってしこたま鱚を買ったかと思ったら）

穂乃果（いつの間にか穂乃果のおうちで鱚パーティになってる）

穂乃果（どうして……？）

穂乃果「いや美味しいけどね！」

絵里「うふふ。でしょう？」ﾆｯｺﾘ

穂乃果「というか、何でこんなにいろいろ作れるの？」

絵里「別に、私だって料理ができない訳じゃないのよ？」

絵里「そういう方面はニコが目立つからわざわざ表ざたにしていないだけで、これくらいはお茶の子チカチカなの」

穂乃果（お茶の子チカチカ……）

穂乃果「凄いんだね絵里ちゃん」

絵里「えへへぇ、あまり褒めないで。恥ずかしいわ」

穂乃果「でも、天ぷらをさくっと作れる女子高生ってあんまりいないと思うよ」

絵里「そう？……やっぱり～～私がかしこいからかしらぁ」ﾄﾞﾔｧｧ

穂乃果「……」

絵里「さぁ、どんどん食べて」ﾑﾈﾊﾘﾁｶ

穂乃果（うーん）

穂乃果（途中までぜったい良い雰囲気だったはずなのに、何でこうなってるんだろ）

穂乃果（あの感じは絶対いける流れだったはず）

穂乃果（……）

穂乃果（納得いかない）ﾊﾟｸｯ

穂乃果「あ、この南蛮漬け美味しい」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ｺﾞﾁｿｳｻﾏｰ



そこは食後のほのルーム
鱚をたっぷり堪能したスクールアイドルが二人っきり、ローテーブルを囲んでいた

絵里「いやぁ、美味しかったぁー」

穂乃果「そうだね」

絵里「流れとはいえ急に台所を借りて晩御飯を一緒させてもらってごめんなさいね」

穂乃果「ううん。なんだかんだ楽しかったしお母さんも雪穂もご馳走だって喜んでたよ」

絵里「私がかしこいおかげね！」

穂乃果「そうだね(適当)」



絵里「そういえば穂乃果は何で急に鱚を食べたいなんて言い出したの？」

穂乃果（そもそも食べたいなんていった覚え、無いんだよなぁ）

絵里「鱚ってどちらかというとマイナーな魚よね？脂身少ないし、もしかして穂乃果太った？」

穂乃果「余計なお世話だよ！」

絵里「隠さなくても良いのよ？成長期なんだからちょっとくらいの変動は誤差の範囲だと思うわ」

絵里「私はあまりスタイルで困ったことはないんだけどね？ほら、かしこいから」ﾄﾞﾔｧ

穂乃果「…………」

お茶の子チカチカの声に出して読みたい日本語感

普通に美味そう　そしてﾄﾞﾔｧから溢れ出るポンコツ感

ポンコツドヤァチカ

最近のほのえりはポンコツチカばっかりやな
かわいい

PKE

絵里「そうだわ」

穂乃果「んん？」

絵里「夏なのよ」

穂乃果「うん？まぁ、毎日暑いよね」

絵里「暑さには酸っぱいものなのよ。お酢よお酢、英語で何て言うかわかる？ビネガーよ」ﾄﾞﾔﾁｶ

穂乃果「はぁ……」

絵里「南蛮漬けはもう作っちゃったからマリネにしましょう」

穂乃果「あっ、明日も料理するんだね」

絵里「ええ、ロシア仕込みのマリネを沢山食べさせてあげるわ」

絵里「大切な穂乃果に夏バテなんてして欲しくないもの！しっかり食べさせてあげるわぁっ」

穂乃果「わっ……」

穂乃果（急に抱きつくなんて、ズルいなぁ。これが無意識なんだから絵里ちゃんはほんとに……）

翌日、むちゃくちゃマリネにした

完

すいませんすいません自分の中で賞味期限が切れてしまいました
やってみると思いの外ほのえりを動かせなかった……
放置したままもあれなので無理矢理終わらせました
もっと精進して帰ってきます、ご期待に添えずすいませんでした
それではまたどこかで

おい

ちょっとワロタ、おつ

乙です
また何か書いてちょ

乙！
よかったから次回作にも期待しとるよ