男「宇宙人と土地神と異世界人」 (13)
『ハローエブリバディ皆さん元気にしてるかな? 今日は各地的に驚異的な豪雨が感じられるよ!』
『もうジャンジャン降るから川沿い近辺にお住みの方、YO注意! チェケラ!』
『とんだ真夏の贈り物。そこのボーイもガールもぉ? 山や海に近づいちゃだーめ! オッケぇ? なら次は芸能人秘話についてゴーゴゴ!』
ピチュン
男「雨か。今年の夏はそんなに降ってなかったしな」コトリ
男(洗濯物は後でいいよな。午後から崩れるみたいだし、じゃあ今のうちに買い物でも済ませておくべきだな、うん)ガラララ
男「今年も熱いなー…雨降れば少しはマシになるのかね」
~~数十分後~~
ドッサァァァァァアアアアアア…
男「……嘘、降りすぎだろ…」
男(ちょっと買い物しただけだってのにうわぁあああ…洗濯物おじゃんだぁああ…)
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~~~
男「ぐぉぉぉっ傘が、持って、いかれっ」ギチギチ
男「るっ!!」バッサァアアアアア
男「…………濡れて帰るか、もう」
男「…寒い、帰ったらシャワー浴びるか。いや久しぶりにお湯張って…」
ピカァゴロゴロゴロ
男(おぉぅ、雷様も怒ってらっしゃる。さっさと帰っちまおう)トボトボ
ピカピカ! ピカ!
男「ん──なんだ、あれ異様に光って、」
ヒュルヒュルヒュルヒュル───
男「なにか飛んで来、うぉぉぉおおおお!?」
カン! コロコロコロ…
男「うっ、なんだ…? 急に空から何か降ってきた───」
男(──なんだこれオモチャ? 銀色でやけにデカイ、変な形のゴーグルだな…)カチャ
男「………」うずっ
ザァァァアアアアアア…
男「いぇーい! がしゃこーん!」カチン!
男「テキヲハイジョシマス。ばばばばばーん! あはははは!」
ザァァァアアアアアア…
男「…なにやってんだろ俺、少し、落ち着くか」ぐいっ
男「ん?」
ぐいっぐいっ
男「んん?」
男「ヤバイ──取れないよ、コレ嘘だろ……!!」
男(ありのままで不審者! デカイゴーグル付けて豪雨の中さまよってるサイクロプス!)
男「つ、捕まる…っ! 問答無用にお縄になる…!!」ワタワタ
男(もう強引に剥がし取るしかない、ぐぅううおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉお!!!!)
ギチギチギチギチ カチン!!
『──y軸13.5555555555555…クレネスウォンテンペスト・おーばー』ピチュン
『状況確認【こーどなんばーしちなななななな】現システムのリコールようせい』
『キュアシステム始動により──各メンバー救出要請──かくめんばー? 三角形の兵士につぐ、我々はシステムアヴェンジャー』
男「え? な、なんだ急に声が、」
『こ、こここここっこ、ドモ、大好き、こどもちゃれんじ! スーパー! yo注意! 局地的な豪雨ううううううううううううううううううう』
男「ぐわぁ!? み、耳がいかれる…っ」
『カミソリ負けに贅沢なひと時をオクル為のサンダルビホーアフターシークレットサービス踵の錆』
男「っ…? ……??」
『──要請【ニューコード】、我々は危機に瀕した状況下にある』
ピカァゴロゴロ!!
男「……え? なんだって?!」
『フォーマット開始。にゅーこーどょ、【え? なんだって?】によりクリーンナップ──経過、80%』
『わーいっ! 楽しいなぁー! 博士今度は何処へ行こうっていうのかな?』
『不定媒体──不可避的障害発生。予備動作アヴェンジャー始動、ぎぎぎぎぎぎっぎぎぎっぎぎぎっぎぎぎぎぎぎぎぎっぎぎぎぎ』
『──開始『作戦ベーダ』。にゅーこーどょ全神経略奪、最適化』
男「なんだって言うんだよ一体───うごおっ!? か、身体が動かねぇ…!!」ギチィ
『反英雄りめんばー。【レスキュータイプアルターLEVEL8】』
男「うっ!? ひょぉっ!? むごぉっ!?」 ぎちっ がちっ ずんっ
男「…え? この格好は、もしかして…?」
『そにっくらん』
男「走れってことじゃないよな、もしかしてぇえええええええ」ダダダダダダダダダダダ
数十分後・山中
男「っ……っっ……うっぷ」
男「ゲハァアア!! ケハッ! かはぁっ…は”ぁ”っ…はぁっ…!!」
男(と、止まった──ここは何処だ、山の中? というか待ってくれ、それよりも──いま、吐いたものって……)
ビシャビシャ
男「…血かよ…っ」
『ジジジジ──助けてください、お願いしますマスターを』
『ピチュン』
男「っ……なん、だよ本当に…っ」ギリッ
男「はぁっ…はぁっ…んぐ、身体が上手く動かないんだけど…っ」
男(これ全身の筋肉ズタボロなんじゃないのか、なんで動けてるんだ俺──というか)チラリ
キラキラキラ
男「空が赤い…? 光ってるように、見える気が……」
『──ッ…わーいわーい! WORKING!! 頭上200メートル先に【Unknown】を確認移動──』
男「は…? 何言って、」
キィィイイイイン!
男「あ。嘘、なんか来てる!? また何か降って…?」ガバッ
「え、なんで、一般人」ストン
男「うわぁっ!!? 人が降ってきた…!?」
「聞いてない。ここ、人よけ魔術使ってる、これない、はずだけ、ど」
男「え、え、あ、はい、そうなんですか…?」
「そう」コクリ
男「はぁ…それは何とも…」
「ここ、あぶない、から。逃げて、神様怒らせた、から」
男「えっ? だ、誰を怒らせたって?」
「神サマを起点、に、界展軸に使って、しまったら、怒っちゃ、った」
男「かいてんじく…? カミサマ…??」
「……」コクコク
男「その、カミサマってのは?」
「あれ」ビシッ
男「……。雲?」
「その、上」
ゴロゴロゴロ
「──水竜、サマかな?」
男「……なんか薄っすら雲の中に…とてつもなく長くてデカい動くものが見えるんですが…っ?」
「カミサマ」コクリ
男「えぇえぇぇ…嘘だろ…大量の飛行機ってワケじゃ、ないだろうなぁ…うん…」
「だから、逃げて、ここ危険。とっても危険、いくら命あっても足りない」
男「……。いや逃げたいのは山々なんですけども、身体が動かなくて、はい」
「?」
男「えーっと、このゴーグル? みたいなのがちょっと外れないっていうか、その」
「それ、が原因? なら外して、あげる」
男「本当に!? 早くお願いします!」
「待って、て。いまやるから───っ!!?」
男「え、」
ズドン!!!
「見つけました──排除します」
男(何かまた新しい人来たー!)
「む。なぜそのレンチを地球人が付けて──」
「ッ……!!」
「まさか、そのUnknownが──しまった仕組みを調べられたか」
男「え、なになになになにがおこってるの」
『視界ジャックナイーヴモード、ちぇんじ──100%効果展開』ブーン
男「うっ…なんだ…!」
男「薄暗かった視界がやっと───」
目の前には、銀色の宇宙服っぽいのを着た人型と。
もう一人は深々とトンガリ帽子を被った異国の服をまとった少女が居た。
男「──なんですか、これ…?」
宇宙服「貴方がやっていることは、この星の標準値を大きく歪曲させる。これでは観測が不可能だ」
帽子「あな、たは無関係。邪魔は、しない、で」
男(…すごくお邪魔感がやべぇ…)
おつー
宇宙服「邪魔とは?」
帽子「そのまま、の意味。あなたこそ、この世界には不必要、だから」
宇宙服「成る程。観測者としては、現時点での地球人は貴女も含まれるということですか、笑える言い分ですね」
宇宙服「──それではワタシが銃を下ろす理由にはならない、排除です」ジャキッ
帽子「ッ…!」
男(なんか、噛み合ってるようで全然話噛み合ってないなこの人達…)
『リカバリー・バックアッププット』
男「うわぁっ!? また身体が勝手に…!?」
宇宙服「塵の残らず消え去りなさい」カチン
男「──え」ババッ
宇宙服「なっ──」
帽子「、えっ?」
動き出した俺の身体が、とんがり帽子の少女の前へと躍り出る。
指先が掛けられたトリガー、放たれる青白い閃光、迫る破壊光線。
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