女｢あ、課題の問題集学校に忘れた｣

女｢はぁ…とりに戻ろ｣

女｢たまたま先生に会って、こないだの進路希望のこと、怒られてしまった｣

女｢もう7時…はぁ…｣

女｢…あれ？あの人はさっきの…｣

女｢公園の遊具で1人、体育座り…通報されますよ？｣

男｢っ!?え、キミはさっきの…｣

女｢通りすがりの夢見る少女でございます｣

男｢面白い子だな…｣

女｢となり、失礼してもいいでございますか？｣

男｢ふふ、どうぞ｣

女｢では失礼｣

女｢で、なにしてるのですか？｣

男｢雨を…見ている｣

女｢ほう｣

男｢変な人だと思った？｣

女｢こんなとこに座りこんでる時点で、怪しさmaxでございます｣

男｢それもそうだね｣

女｢雨を見て、楽しいですか？｣

男｢全然。退屈すぎる｣

女｢あれま、じゃあなんで見てるです？｣

男｢なんでだろぉーねー｣

男｢…ただ、キレイだなぁって思う｣

女｢雨が、キレイ？｣

男｢うん｣

女｢なんで？｣

男｢わかんない｣

女｢あれま｣

女｢あ、もうこんな時間。マミーに叱られるです！｣

女｢それではっ｣

男｢ばいばい｣

女｢まさか、課題、数学の方だったなんて…聞いてない、私は聞いてない｣

女｢それにしてもまた雨、私のくせ毛はもう爆発寸前だ｣

女｢!?あ、またいる…｣

女｢どうも｣

女｢今日はブランコですか？｣

男｢あぁ｣

女｢また、雨見てるんですか？｣

男｢ううん。今日はね、雲｣

女｢雲？｣

男｢雲｣

女｢真っ暗だけど…｣

男｢だねー｣

女｢雲、ちゃんと見える？｣

男｢見えない｣

女｢ですよねー｣

男｢でもさ、このもっと上にはキレイな星がたっくさん浮かんでるんだよねー｣

女｢はあ…｣

男｢そう思うと、なんかロマンチックじゃない？｣

女｢でも、今は雨雲がしきつまって、雨が降ってますよ？｣

男｢……そうだね｣