澪「ODDS&ENDS」 (22)
蛸壺屋けいおん×初音ミク
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―いつだって君は嗤われ者だ やることなすことツイてなくて 挙句に雨に降られ―
―お気にの傘は風で飛んでって そこのノラはご苦労様と 足を踏んづけてった―
「じゃあ今日のミーティングはここまでです。皆さんお疲れ様でした」
「お疲れ様でしたー」
澪「……」タンタン
「あー秋山君、ちょっといいかね?」
澪「あ、はい。なんでしょうか所長?」
「いや、君の企画書を見せてもらったのだが…どうもちょっと気になる点があるのでね」
澪「はぁ…」
「その事について詳しく話したいのだが…今夜食事でもしながらどうだね?」
澪「……」
澪「分かりました。何時にお伺いすれば宜しいでしょうか?」
「おぉそうか!では10時頃に…」
ヒソヒソ…
マタハジマッタ…、アノシンジンノコカワイソウ…
オイダレカトメテヤレヨ…イヤヨメンドクサイ…
ヒソヒソ…
澪「……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・
――――――――――――――――
ザァー…
澪「…はぁ」
澪「もうクビだろうなぁ。…蹴り上げちゃったし」
澪「…まぁいっか。また新しい職場探そう」
澪「最近全然ついてないな…大雨だし風強いし、これで傘飛ばされたら役満だn」
ブワッ!!
澪「あ」
パッパー!ブオオオオオオ…ベキャ!!
澪「……」
澪「だああああああああああああああああっ!!ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」ウガァーッ!!
――――――――――――――
プルルルル
ピッ
澪「もしもし?」
律「みーおしゃん。元気にしてるかー?」
澪「……」
律「ん?元気ないぞー!雨だからって暗くしてたらどんどん老けていくんだから元気出していこー!」
澪「お前…酔ってないか?」
律「ぜーんぜん?酔ってんなんかいましぇんよーだ!あははははは!」
澪「…はぁ」
律「どう?仕事の方は?」
澪「ん…まぁぼちぼちだな」
律「そっかそっかーそりゃーよかったな!ちなみに私も就職きまったよん」
澪「ホントか!?」
律「おう!つっても研修から始まるから給料なんてバイト並なんだけどねぇー」
澪「…それでも、就職できた事には変わりないよ。おめでとう」
律「ん、ありがとー」
澪「そういえば、昨日ムギからエアメールが来たけど…」
律「おお!うちにも来たよ!なんか今度結婚するんだってな」
澪「何か、想像つかないよな」
律「まー私達とは別世界に行っちゃったからなー」
律「澪はどう?いい人見つかった?」
澪「…ううん。まだ全然」
律「そっか。まぁまだ若いから焦らずじっくり探せばいいよ」
澪「そうだな…そういう律はどうなんだよ?」
律「わたしかー?んふふー」
澪「…その反応は」
律「いや、正直言ってまだ気になってるだけだから何とも言えないよ」
澪「頑張れよ。応援してるから」
律「澪は優しいなー。もう結婚しようぜー」
澪「ばーか」
「アハハハハ!」
律「あ、そういや観た?昨日のMステ」
澪「…うん。観たよ」
律「唯ってばオリコン三位に入っちゃったんだよな。相変わらずすげーっていうか…」
澪「そうだな。元々唯は絶対音感の持ち主だったし」
澪「まぁ演奏はその場その場で危なかっかしかったけど…」
律「あはは!そうだったそうだった!」
律「でも、その唯がプロデビューしてもう4年かぁ」
澪「誇らしいよ。同じ軽音部のメンバーとして唯があそこまで上り詰めた事に」
律「だよなー。私なんてバンドの才能からっきしだったし」
澪「その上練習もロクにやってなかったしな」
律「あ、ひっでー!」
澪「ふふっ」
律「んで、澪は?」
澪「ん?」
律「澪はまだ、バンド続けてる?」
澪「…私?」
律「うん」
澪「…いや、もう辞めたよ」
律「そっか」
澪「……」
律「あっ!そういえば梓のやつ、今秋葉原でバンドっぽいのやってるんだってよ!」
澪「梓が?」
律「梓は音楽捨てきれなかったみたいだなー」
澪「そうなんだ…」
澪「やっぱり、唯の影響が強すぎたのかもしれないな…」
律「あいつも結構、澪と同じで頑固な所があるからなー」
澪「おい、それはどういう意味だ」
律「いやん、怒っちゃやーよ」
澪「キモイ。やめろ」
律「…あ、もうこんな時間か」
澪「私もそろそろ寝ないと…」
律「んじゃ、今度スイーツでも食べながらお茶しようぜー」
澪「あぁ、暇があったら連絡するよ」
律「りょーかい。んじゃまたねー」
澪「仕事、頑張れよ」
律「はーい。澪もいい人見つけろよー」
澪「こいつ…まぁいいや。じゃあね」
律「ういー」
ピッ
澪「…ふぅ」
ドサッ
澪「…音楽、かぁ」
澪「……」
澪「明日、ハロワ行ったあとにお店よってみるかな」
澪「……」
澪「zzz......」
――――――――――――
澪「…ふぅ」
澪「なんとか決まったけど…また下請け業に逆戻りか」
澪「まぁ給料が前の会社とさほど変わらないのが奇跡的だったけど」
澪「…ん?」
澪「あの店…たしかムギの」
澪「……」
澪「よし!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
澪「左利き用は…あ、あったった」
澪「あ、前来たときよりも品揃え良くなってる」
澪「値段は…げっ」
澪「うーん貯金叩けばなんとななりそうだけど…」
澪「……」
澪「やめよう。どうせ観賞用になるだけだし」
澪「はぁ…私にも才能とかあったらなー」
澪「…ん?」
澪「…何だこれ?何で楽器専門店にパソコンソフトが売ってあるの?」
澪「…初音、ミク?」
澪「DTM?何これ…?」
澪「プログラムされた音楽に沿ってキーを入力し、音声を発するアプリケーション」
澪「要するに、人間の代わりに歌を歌ってくれるって事か」
澪「…そんな事して、何か意味あるのか?」
澪「誰でも気軽に作詞作曲ができる、か」
澪「……」
澪「作詞だったら、私だって…」
――――――――――――――――
バタンッ
澪「…買ってしまった」
澪「こんなのが一万円ちょっとするなんて…どうせすぐに飽きてやめちゃうと思うんだけど」
澪「衝動買いって、怖い…」
澪「でも、せっかく買ったんだし、ちょっと使ってみるか」
澪「……」
澪「これでよし…っと」
澪「ええっと確かこれをクリックして…」
カチッ
ハツネミクー
澪「うわっ!びっくりした…」
澪「ど、どうすんだこれ?」
澪「何か色々ごちゃごちゃしたものが出てきた…何だこれ」カチッ
澪「???」カチッ、カチッ
澪「……」
澪「ヤバイ…三日坊主どころか三十分も持たないかも」
澪「はぁ~やっぱ止めとけばよかっ…」
澪「……」
「……」
澪「何か、画面の端っこにいる…」
「……」ニコッ
澪「あっ、どうも初めまして…」
澪「って何やってんだよ私、パソコンに向かってお辞儀なんかかしても…」
「……。」ペコッ
澪「うわあああああああっ!!反応した!?」
澪「ど、どういう事!?どうなってんのこれ!?」
「……」チョイチョイ
澪「…え?ここに入力すればいいの?」
「……」コクンッ
澪「じゃ、じゃあ…」カタカタ
『コンニチワ』
澪「あ、喋った…」
澪「……」カタカタ
『ラーラーラー』
澪「……」
澪「結構、面白いかも…」
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・
澪「…ふぅ、なんとか入力し終わった」
「……!」ピョンピョン
澪「なんか嬉しそうだな。何でだ?」
「…!…!」チョンチョン
澪「…もしかして、歌うことが好きだから?」
「……」コクン
澪「…そっか」
澪「ごめんね。これ、私が高校生だった頃の学園祭で演奏した曲なんだよ。オリジナルじゃないんだ」
「……」フルフル
澪「ははっ、ありがとう」
澪「じゃあ、再生してみてっと…」
『キラキラーヒカルーネガイーゴトモー』
『グチャグチャヘタルーナヤミーゴトモー』
澪「…なんか、音声だけって悲しいな」
「……」シュン
澪「あっ!そうだ!」
澪「確かこの辺に…あったあった」
澪「ボーカルオフは何番だったっけ…あ、これか」カチッ
~♪
「…!」ピクッ
澪「よし、もう一回再生っと」
『ララマタアシター』
~♪
澪「…うん。だいぶマシになった」
「…♪」ニコニコ
澪「そんなに嬉しかったのか?単純なやつだなぁ」カチカチ
「…!…!」プンスカプンスカ
澪「ははっ。怒った怒った」
澪「でも段々コツが掴めてきたぞ。このキーをもうちょっと調律を効かせてれば…」カチッ
『あー、ahー、アー』
澪「よしっ!少し人間に近い声になった!」
澪「すごいなこれ…マウスとキーボードさえ動かせば誰だって歌を作る事ができる」
澪「これ、もっと上手く使いこなせれば、音楽クリエイターとして売り出せたりして!」
澪「そしてその曲を私が歌って…この年でまさかのプロデビュー!?」
澪「うわーそんな事になったらどうしよう!?唯と同じステージに立てたり…」ピッ
「では今夜の特別ゲストを紹介いたします!アイドル歌手の平沢唯さんです!」
「こんにちわ~平沢唯でーす」
「今回は見事オリコン三位に輝き、プロとしてようやく滑車が回り始めたとコメントしておりましたが、今のお気持ちはいかがでしょうか?」
「えーっと、これからも頑張って歌いますから見ててくださいねー」
「うーいー!見てるー?おねーちゃん頑張ってるよー」
「ありがとうございます。では平沢唯さんに歌っていただきましょう!タイトルは…」
ピッ
澪「……」
澪「明日、何時起きだったっけ?」
澪「…お風呂入って寝よう」カチカチ
「……」
ブッ、ヒューン....
澪「……」グスッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
今日はここまで
乙
とりあえず期待
すごいとこを絡めてきたな
支援
蛸壺澪っていうと例のAAの印象が強いわw
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