君ガ空コソカナシケレ (18)
小さな小さな部屋のなか男は手紙を書いていた。
男はつい先日学徒出陣で特攻隊に選ばれたのである。
本来なら喜ぶべきであるが男は素直に喜べなかった
なぜなら遣り残したことがあったからである
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男「もう今日は寝よう、明日で全てがきまる」
男はいつもより早く起きたいつもなら
六時ごろに起きるのだが今日は五時に目覚めてしまった
なんで、なんでうちの子が
そんな声が聞こえた
母の部屋から聞こえてきたので男は静かに襖をあけ
中の様子をうかがった
母「どうかどうか男を助けてください
贅沢は言いません
せめて
死体だけは死体だけちゃんと…」
男はそこで聞くのを辞めた
母は泣いていた
男は再び眠りについた
男は準備を終えていつでもいける格好をしていた
最後に手紙に間違いがないか確認し
最初で最後の別れを母に……
母「もういくのかい」
男「あぁ」
アァアアァ
母に抱かれてる弟はこれから自分が何処にいくかわからないのであろう
母と男の空気が重苦しくなっても明るく声を発している
期待
コテじゃなくて酉にしたら?
男はその明るい弟に昨日書いた手紙をわたした
男「弟、お前みたいのがこれかれの日本を……」
(いや今こんなことを言っても何も変わらないな)
男「弟、お前にこれを託す
何年いや何十年かかってもいい
これをあいつに…」
男はこれを家族への最後の言葉に
男「いってまいります
私はお国ためにこの町のため
そして今まで育てくださった母のために死んでまいります」
男は軍服姿で敬礼した
母「あなたが再び帰ってくることをねがいます」
母の声は震えていた
男は家をでて駅に向かった
男は誰も自分を送ってくれる人はいないと思っていたが
ここに一人いた
幼馴染「男すごいね。兵隊さんに選ばれるなんてしかも特攻隊でしょ」
幼馴染は痩せたほっぺでこれ以上は笑えないとゆうような満面の笑みで笑っていた、まるで自分のことのように
私はこんなことをいっているが本当は行ってほしくない
一緒にここでずっと暮らそうと言いたい
けど私がいってらっしゃいと言わなければ男ずっとここに留まるだろう
皆帰ってくるって言ってるけど私は知ってる
男は特攻隊に選ばれて帰ってこないことを
名前欄で # の後ろに英数字で酉付けられるよ
けど私はこう言わなければならない
男「いってまいります」
私は涙を堪えてこう言う
幼馴染「いってらっしゃい」
男は電車に乗って遠くに消えていった
アア
誰もみていないと思いますがはじめます
男は今まさに青空にいた
男は幼馴染の写真を取り出しながら過去を振り返っていた
幼馴染とあったのは疎開先の田舎だった
夏は二人で蝉をとりにいった
嫌がる幼馴染に蝉を近づけたらいっぱい殴られた
男「俺はその頃から幼馴染を好きだったんだよな」
そして男が中学生になると二人は一緒に帰った
周りは全てヒマワリで埋め尽くされており
一瞬目を話したら幼馴染は消えていた
「おーい幼馴染ー幼馴染ってばーおーい」
「いねーしやべーどうし」
そー
「ようか」トン
ギャャャャャャーーー
「アハっアハハ」
「幼馴染ーお前本当に心配したんだぞ」
「男泣きすぎ」
「忘れろ」
「やだ」
「忘れろ」
「やだ」
この日はずっとこれの繰り返しだった
見てる
更新待ってるよ
つまんね
男(あいつ泣いてないといいけど)
ピーガガガ‘男そろそろだ
弟「はー母さんもいきなりなんであんなこと言うかな」
一人暮らししなさい
弟「あーおかげで荷物の整理がめんどくさいよまったく
んっなんだこの箱」
弟の目の前には薄汚れた箱があった
弟「あけて、みるか」
弟が箱をあけた瞬間ありもしない記憶が飛び込んできた
それは幼きころ兄と交わした小さくて大切な約束
『何年いや何十年かかってもいい』
『頼むぞ!!』
ガラ
弟は約束をはたすため走る
弟「はぁはぁ着いた家」
弟「母さん電話借りるよ」
弟「もしもし幼馴染さんですか
僕、弟っていいます
これを聞いたらあの場所でまってます」
幼馴染「いまの電話誰だかわからないけどあの場所のことをしってた
私に渡したい物…」
「いってみよ
じゃなきゃはじまらない」
幼馴染「あの場所ってやっぱりここだよね?」
そこは夕暮れでオレンジに染まったヒマワリ畑だった
幼馴染「さっきの人さっきの人探さないと」
幼馴染「いた」
そこには一人ポツンと少年がたっていた
幼馴染「男?」
(違う男は、男は死んだんだ)
少年がこちらに気づいたのかこちらにむかってくる
弟「幼馴染さんですか?」
幼馴染「そうですけど貴方が電話の?」
弟「弟です」
幼馴染「私に渡したい物があるって」
弟「これです」
そう言って少年は薄汚い手紙を渡してきた
幼馴染「手紙?」
男「幼馴染手紙で許してくれるかな?
あいつのことだから怒ってるんだろうな」
『幼馴染へ
突然の手紙で申し訳ありません
貴女のことですからなんで手紙なのと?
怒っているでしょう」
幼馴染「本当だよ
手紙はないよ、最後くらい顔と顔でさよならを言いたかったよ」
男「死にたくないだけど家族と幼馴染の未来ために死んでやる」
『この手紙が貴女に届いてるって事は私がこの世界のどこにも消えていなくなったという事でしょう
悔いがないと言うと嘘になりますが
私は貴女の未来を守れて幸せです』
幼馴染「私の未来のため?
男は国のためじゃなくて私のために?
ありがとう、ありがとう、ありがとう」
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