ワムウ「ワムウッ！！」ｶﾞﾊﾞｱｧｱｯ!!

ワムウ「フム・・・いい目覚めだ・・・今日の夕刊は・・・」ﾃｸﾃｸﾃｸ

ｶﾞﾁｬｯ

ワムウ「ほう！スターリングラードで戦争が・・・ドイツとソ連か」

ワムウ「・・・ム？」

ワムウ「ポストの中に何かチラシが・・・」ｺﾞｿｺﾞｿ

ワムウ「・・・これは！！」ﾋﾟﾗｯ





ワムウ「『TV-BLACK-CASの有料放送が、全て無料で見られちゃうとってもステキなカード』だとォォッ！？」ｽﾞｯｷﾞｬｧｱｰｰｰｰｰﾝ

ワムウ「無料・・・！無料・・・ッ！！」ﾊﾟｧｧｱｱｱ

ワムウ「なんという響きだ・・・ッ！心の中に染みわたる、母親のような安らぎ・・・！！！」ﾊﾟｧｧｧｧｱ

ワムウ「」ﾊｯ

ワムウ（い、いかんいかん！戦士である自分がそんなことを考えるとはッ）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

ワムウ「・・・」

ワムウ「・・・しかし、無料か」

ワムウ「カーズ様は石仮面の研究、サンタナは医学の本、このワムウは運動用具に金を費やしている日々・・・我が家には金が足らぬ」

ワムウ「全員でなんとか節約はしているものの・・・こうして使うときには使ってしまうからな・・・」ﾌｰ

ワムウ「・・・考えてみればまともなのエシディシ様だけではないか・・・」

ワムウ「あ、エシディシ様もJOJOやシーザーと夜遊びで金注ぎ込んでるからだめだ」

ワムウ「・・・」ﾋﾟﾗﾘ

ワムウ「照明はカーズ様の光の流法でなんとかなっているが・・・TVだけはどうにもならぬ」

ワムウ「・・・」

ワムウ「・・・TV-BLACK-CASとは何だ？NHKとは違うのか・・・？」

ワムウ「カーズ様に聞いてみるか・・・」ﾋﾟｬｯ







カーズ「ハァァ～～～？TV-BLACK-CASゥゥゥゥ～～～～～ッ？」

ワムウ「はい」

カーズ「ワムウ！」

ワムウ「はい」

カーズ「このカーズは今、石仮面の出力をアップさせるため研究をしているのだ。光で石仮面を作動させる場合はこのアインシュタインとかいう男が発見した法則が――」

ワムウ「カーズ様。後ろにスマホがあるのが丸見えですが」

カーズ「ヌウッ！？」ﾊﾞｯ!!!

カーズ「い、いまどきはインターネットで文献を漁らなくてはなッ！」ｱｾｱｾ

ワムウ「LINEの画面のように見えましたが」

カーズ「こ、光量子科学研究所の所長とやり取りを」

ワムウ「思いっきり『フェルディナンド』と表示されていましたが」

カーズ「RRRRRRRRRRYYYYYYYYYYEEEEEEEEEEッッ！！！！」ｶﾞﾀｯ!!!

ワムウ「とりあえず、石仮面の研究なんかなさってないですよね？」

カーズ「フ・・・フンッ！！！息抜きも大切なのだッ！！！」

ワムウ「4時間くらいLINEしていたようですが」ﾂｲ　ﾂｲ　ﾂｲ

カーズ「なッ・・・というより人のスマホに触るんじゃあないぞワムウッ！！」

ワムウ「あッ・・・」

ワムウ「これはこれは申し訳ありません」ｼｭﾊﾞｯ　ﾀﾞｧｱﾝ!!

ﾍﾞｷﾞﾍﾞｷﾞﾍﾞｷﾞ　ﾋﾞｼｨｲｯ!

カーズ「ど、土下座はいいッ！！スマホを手に持ったまま土下座するんじゃあないッ！液晶が割れるッ！！というか割れているッ！」ﾋﾞｷﾞﾋﾞｷﾞﾋﾞｷﾞ　ﾒｷｨ

ワムウ「あ・・・申し訳ありません」ﾊﾟｯ

カーズ「こ・・・このカーズのスマホがァアアッ！！！歪んだッ！歪んでいるぞォッ！！！」ｼﾊﾞｯ!!

カーズ「ヌウウウ～～ッ！！幸いこの程度なら直せるが・・・ッ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ワムウ「・・・で、TV-BLACK-CASとは一体なんでしょうか」

カーズ「・・・」

カーズ「TV-BLACK-CASか・・・」ｽﾄﾝ

ワムウ（あ、正座した）

カーズ「よし、このカーズが教えてくれよう！この岩を黒板にしよう」ｶﾞｼｯ　ｽﾞﾝ!!!

アンジェロ「・・・」

ワムウ「不気味な岩ですな」

カーズ「書き心地がよさそうだから拾ったのだが・・・やはり不気味か」

ワムウ「はい」

カーズ「で。BLACK-CASというのはだな・・・おいサンタナ。チョーク」

サンタナ「・・・」

サンタナ「」ｺﾞｷｯ

サンタナ「」ｸﾞﾆｸﾞﾆ　ｽﾞﾎﾞｯ

サンタナ「」ｽ

カーズ「中手骨か・・・まあいいだろう」ﾊﾟｼ

ワムウ「骨ですか」

カーズ「株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ。その会社が『B-CASカード』というカードを作っているのだ」ｶﾘｶﾘｶﾘ

カーズ「カードには赤・青・黄・オレンジ・・・そして黒の5色がある。その中でBLACK-CASは制限なし視聴許諾で、日本で唯一のカードだ」ｶｶｶｯ

アンジェロ（意外とこれ痛い）

カーズ「そのカードは最高級の視聴許諾がついていて、契約が必要な全ての番組を視聴することが可能なのだ」ｶｶｶｯ

ワムウ「なるほど・・・エシディシ様が持っていらっしゃった『パッショーネぬれぬれ』のゴールド会員カードのようなものですな」

カーズ「ウム・・・何ィィッ！？」

カーズ「エシディシめ、そんなものを・・・！！」

ワムウ「JOJO達と一緒に行っているようですが」

カーズ「ワムウ！あんな不潔な波紋戦士には今後一切かかわるんじゃあないぞッ！！！」ｷｯ!!!

カーズ「・・・おっと、話が脱線してしまったなBLACK-CASを使えばBS、110度CS、地デジ難視聴のテレビ番組が無料で見られるのだ。契約必要のチャンネルをも視聴できる」

カーズ「ユーザーは放送事業者に申し込む必要がない。無論、高額な視聴料金を支払う必要もなく、全ての番組を視聴することが可能なのだ」

ワムウ「よくわかりませんが」

カーズ「つまりは何者をも支配した、あらゆる恐怖を克服したカードということだ」

カーズ「カードを挿し入れるだけで設定：必要なし！万が一見えなかった場合は全額返金だそうだ」

ワムウ「ですが、お高いんでしょう？」

カーズ「業界最安値の2万円だそうだ」

ワムウ「高いじゃあないですか」

カーズ「その心配はない。実は、そこらへんでハートのついた黄ばんだ吸血鬼を捕まえてSPW財団に売り渡したからな。金は大量にある」

ワムウ「なるほど・・・！では、早速購入しましょうッ！！」ｽﾞｱｯ!!!

カーズ「ウム！！早くBLACK-CASでマジェント・マジェントの活躍を見たいものだな！！」

ワムウ「え、そんなに活躍しましたっけ・・・」

カーズ「」ｷﾞﾛﾘ

ワムウ「あ、アニメオリジナル展開があるかもしれませんね！」

カーズ「原作でもスティール暗殺という輝かしい功績を残していただろうがァァーーーーーーーッ！！」

ワムウ「え！？失敗していましたよ！？」

カーズ「RRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEッッッ！！！！」

ｶｰｽﾞｻﾏｵﾁﾂｲﾃｸﾀﾞｻｲ!　ｵﾁﾂｹﾙｶｷｻﾏｧｱｱｰｰｰｯ!　ﾏｼﾞｪﾝﾄﾊﾜﾀｼﾉﾌﾞﾝｼﾝﾉﾖｳﾅﾓﾉﾀﾞｿﾞｫｯ!!

サンタナ「・・・」　ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ　ﾜｰﾜｰ　ﾄﾞｯﾀﾝﾊﾞｯﾀﾝ









サンタナ（そんなに金があるならカード買わなくていいんじゃあないかな・・・）

数日後・・・

エシディシ「ほう！BLACK-CASか」ﾜｸﾜｸ

カーズ「ウム！3部が丁度始まるころだ」ﾜｸﾜｸ

ワムウ「たしか今日は8話でしたね？呪いのデーボとかいう」

カーズ「ああ。まったく・・・地元民にも配慮してほしいものだ」

時計「」ｶﾁｯ

3人「！！！」

エシディシ「来るぞッ！！！」

カーズ「ヌウウッ！！！」

TV「」ｼﾞｼﾞ…

TV「」ｼﾞｼﾞｼﾞｼﾞｼﾞ…

カーズ「お・・・遅いぞッ！！！」ｸﾞｸﾞｸﾞ

エシディシ「ムウ・・・？」

TV「」ｼﾞｼﾞｼﾞｼﾞｼﾞ…

カーズ「TVがついにイカれているのか！？この状況でッ！！」

エシディシ「そんなはずはないぞッ！保証期間はまだまだ――」

TV「」ｳﾞﾝｯｯｯ!!!

3人「！！！」ｶﾞﾀｯ

ディアボロ『フフフフフフッ！！BLACK-CASを買っていただき誠にありがたいッ！！！』ｳﾞｫﾝｯ

3人「」

期待

エシディシ「な・・・なんだこのカビは？」

ワムウ「さ、さあ・・・」

ディアボロ『BLACK-CASカードは本日をもち・・・！『個人情報流出装置』となった！！』

3人「・・・」

3人「何ィィッ！？」ｶﾞﾀｯ!!

ディアボロ『BLACK-CASカードの挿入された全てのテレビ！このテレビがお前達下っ端のカスどものコンピュータにハッキングし・・・！全ての情報を盗み出すッ！』

ディアボロ『人種！宗教！生年月日！血液型！家族構成！親戚！学歴！職歴！全てだッ！！全てがこの『パッショーネ』の下に・・・ッ！！！』

ディアボロ『『帝王』はこのディアボロだッ！！ 依然変わりなくッ！真実の頂点はこの我が能力にあるッ！！頂点は常に1人ッ！！！』

エシディシ「」ﾌﾟﾁﾝ

カーズ「」ｶﾁﾝ

ワムウ「エ、エシディシ様・・・パッショーネと言えば・・・」

エシディシ「」ﾜﾅﾜﾅﾜﾅﾜﾅ

カーズ「」ﾜﾅﾜﾅﾜﾅﾜﾅ

エシディシ「許せんッ！！！『パッショーネ』めッ！！！よくも！よくもよくもよくも！よくもこのエシディシ様をハメたなァアア～～～ッ！？」ｶﾞﾀｯ!!!

カーズ「許せんッ！！！『ディアボロ』めッ！！！『頂点は常に1人』だと・・・！？生物の頂点には、天敵などおらぬことを教えてやるッ！！！」ｶﾞﾀｯ!!!

カーズ「輝彩滑刀の流法ッ！！！」ﾌﾞﾝｯ!!!

TV「」ｽﾞﾊﾞｧｱｯ!!

TV「」ﾊﾞﾁﾞ…　ﾊﾞﾁﾞﾁﾞﾁﾞﾁﾞ…

ﾄﾞｶｧｧｱｧｱｱｱﾝ!!!!!!

ワムウ「ヌウッ！」ﾋﾞｭｺﾞｫｵｵｯ!!

TV「」ｼｭｳｳｳｳｳ…

ワムウ「カ・・・カーズ様ッ」

エシディシ「怪焔王の流法ッ！！！」ｼｭﾙﾝｯ!!

PC「」ﾎﾞｼﾞｭｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳ!!!!

PC「」ｼﾞｭｳｳｳｳｳｳｳｳ　ﾎﾞｽｯ　ﾎﾞｽﾎﾞｽﾎﾞｽﾎﾞｽ

ﾎﾞｶﾞｧｧｱｧｱｱｱﾝ!!!!!!

ワムウ「ううッ」ﾌﾞﾜｧｱｯ!!

エシディシ「こうなった以上、パソコンとテレビはもう駄目だッ！！」ﾀﾞﾝｯ!!!　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

カーズ「乗り込むぞッ！！『パッショーネ』にッ！！！」ﾀﾞﾝｯ!!!　┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ワムウ「・・・！！！」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

その夜、ピンク色のカビ頭が忽然と姿を消し、彼の部下達は皆喜んだという

数日後、金髪の少年がエシディシの講座に感謝のしるしとして大量の金を振り込むが、エシディシはその金を夜遊びであっという間に使い果たしてしまったらしい



完

すげえww
面白かった乙