友「ん?なんだこの黒いノート?」 (164)

友「男のやつかな…まあこいつの部屋にあるんだし、普通に考えればそうか…」

友「……暇だしちょっと見てみるか」




友「………」

友「まさか…これって……」

男「おい」

友「!?」ビクッ

男「今何を隠した」

友「い、いや…何も…?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401112974

男「今隠したもの見せろ」

友「ま、まあ落ちつけ…とりあえずお茶でも飲んでゆっくりしろよ」

男「それ、人ん家で言うセリフじゃないよな」

友「あ、そういやお前今日転校生来たの知って…」

男「いいから隠したもの見せろ!!」バッ

友「あっ…」

男「……!?…このノートまさか…!」ペラペラ


男「…………お前…この中見たのか…?」

友「………」

友「ごめん…ただのノートだと思ってたから…」

男「………」

友「本当にすまん……まさか…このノートが……」










友「……黒歴史ノートだとは思わなかったからwwww」

男「終わったあああああああああああ!!」

友「いやあ、初めて見たよ…本当にあんだな黒歴史ノートって」

男「お前どこまで見た!?答えろ!!」ガッ

友「騒ぐなはしゃぐな、最初の方しか見てないから」

男「……本当だろうな」

友「ああ、だから少し落ちつけよ……暗天操者(ルシフェルイーター)」

男「………」

友「黒曜日の夜(ブラッド・カウントダウン)までに黒闇心(ダークマインド)を解放するんだろwwww」

男「がっつり見てんじゃねえか!!」

デスノートだと思ったじゃねえかwwww


男「最悪だ…ずっと隠し通そうと思ってたのに…」

友「まあ、そんな落ち込むなよ」

男「お前のせいだろ!!」

男「………もういいよ…どうせ今も鼻で笑ってたりしてんだろ?」

友「そんな訳ないだろ…」

男「…本当か?」

友「………本当だww…」

男「嘘つけ!!」

てす

男「大体お前これどこから持ってきたんだよ!?」

友「普通にお前の机の下に置いてあったけど」

男「嘘つくな!!こんな恥さらしの本をそんな見え見えの場所に置くわけないだろ!」

友「うん、だから俺もびっくりした」

男「ありえないだろ…今までのは全部ちゃんと押入れの奥にしまったはずなのに……」

友「え…何、まだあんの!?」

男「目を輝かせるな!!」

男「……しゃあない、もう一回このノートを押入れの奥にしまうか…」

友「そうだな」

男「そうだなじゃねえよ、一旦出ろよ」

友「えー」

男「えーじゃねえよ、蹴るぞ」

友「あいあい、分かったよ…」

男「いいか、俺がいいって言うまで絶対に中に入るなよ」

友「あーい、分かっ…」

男「絶対に本当に入ってくるなよ」

友「はいはい、分かっ…」

男「フリとかじゃなくてマジで入ってくるなよ」

友「だから分かっ…」

男「入って来たらヒットパットな」

友「……………あい……」

もう、知ったら…[ピーーー]しかないじゃん?





友「あー暇だなあ…」

友「……もうそろそろ終わるよな…」

「うわああああああああああああ!!!!!」

友「わっ!?…えっ、えっ、何?マジで何!?」

「おわあああああああああああああ!!!!!!」

友「おい!どうした男!!何が起こった!?」

「えいやあああああああああああああ!!!!!!!」

友「何だその叫び声!?何の練習だ!!」

「いいやああああああああああああああ!!!!!!!!」

友「あ、今『いい』って言ったな!?入るからな、ヒットパットはなしだからな!!」


ガチャ!

男「………」

友「うわっ…すげえ部屋荒れてんな…」

男「……終わった」

友「え?」

男「全てが終わった……もう地球滅べよ」

友「…何かよく分からないけど、とりあえず理性を保て、な?」

男「……うん…」

友「……さてと…とりあえず何があったが聞くのが先決なんだろうけど…」

友「…………その前に部屋を片付けるか、ついでにお前の厨二コレクションを漁るとするか」

男「お前後者のことしか考えてないだろ」

良い子は寝ないといけないから寝る
また明日も書くとおもう

おつ




友「……で、何があったんだ?」

男「…実は…俺、昔自作小説書いてて、それも押入れの奥にしまっておいたんだよ」

友「自作小説って…さっき俺が見た黒歴史ノートのことじゃないの?」

男「あれは序章」

友「序章!?」

男「第一章から第五部まである」

友「どこで章から部に変わるんだよ」

友「……あれ、でもそれだったらさっき見たけどな」

男「ああ、それは全部揃ってるんだよ…」

友「第一章、第二章、第三章……第四部、第五部と…本当だ全部揃ってる、しかも全部に名前が書いてあるし」

友「…えっ、じゃあ何で困ってんの?」

男「いや…正直言うとそれ全部無茶苦茶なんだよな、設定とか話とか」

友「……まあ、章と部すら統一してないぐらいだから適当なのはわかるけど」

男「だから……その…中三の厨二病最後の時に今までの話や設定をちゃんとして一つの本にまとめたんだよ」

友「えっ…それってつまり…?」

男「……ああ…俺の黒歴史の完全版」

友「何それ!超見てええ!!」

男「全部で324ページ、ちゃんと挿絵を入れるスペースまで考えたやつ…」

友「出版する気満々じゃねえか!」

男「正直自分でも中々の出来だと思ったから、大事にしまっておいたんだよ……」

男「………それなのに……」

友「えっ…もしかして……」

男「……なくなってたんだよ、その黒歴史の完全版が…」

友「マジかよ!?……えっ、何処かに落としたとかじゃないよな…?」

男「しまってから出したことは一度もないんだ…しかも押入れの奥だぞ、ぽろっと落ちるなんてことは絶対にありえない」

友「親が掃除中に見つけたとか?」

男「親は俺が昔こういうの書いてたのは知ってるし、掃除する時も押入れの奥の方までは掃除しないだろ」

男「……そう考えると…結論は一つしかない」

友「……え…?」

男「完全版はなくなったんじゃない……」









男「………盗まれたんだよ…誰かの手によって、意図的に…」

友「!?」

男「恐らく犯人は俺の押入れの奥を漁り、厨二の頃の俺の厨二グッズを見つけた」

男「そして、あらかた漁ったところで再び押入れの奥にしまい………完全版だけを盗んでいった…」

友「えっ…じゃあ、泥棒の仕業ってことか?」

男「ああ…そうじゃなきゃ序章が机の下にあるなんてことはありえない」

友「そんな…ありえねえだろ……そんな無意味なもの盗む泥棒いるわけないだろ!!」

男「無意味ってどういう意味だコラ!!」

友「……まあ、でも真面目な話、赤の他人がこんなもの盗んでも全く意味がないしな」

男「………そりゃ…そうだけど……」

友「ってことは…盗んだのはお前の知り合いの誰かってことになるな」

友「しかも俺らはまだ高校生、高校生ごときが泥棒なんて出来るわけがない……」

友「…となると……お前の家に遊びに来たときぐらいしか盗む時はないよな」

男「さすが学年三位…頭の回転早いな」

友「茶化してる場合か」

友「まあ…盗んだ理由とかは考えても無駄そうだし……犯人とっ捕まえた方が早いか」

男「犯人つったって…どうやって見つければ……」

友「さっきも言ったろ、盗んだのはお前の家に入ったやつの誰かだって」

友「ここ一週間ぐらいでお前の家に遊びに来た奴ら全員を調べれば多分わかるだろ」

男「お前……手伝ってくれるのか…?」

友「当たり前だろ、何のための友達だ」

男「友……ありがとう…」

友「気にすんなよ…そのかわり一つ聞いていいか?」

男「何だ?」



友「お前の自作小説のタイトルおせーて」

男「………………最初からそれが狙いか…」

友「早く早く」

男「…………絶対笑うなよ……?」

友「当たり前だろ」







男「……セブンス・ナイト《七度目の夜》だ…」

友「………」

男「………」

友「………………ふふっ…ww……」

男「…………笑っちゃったね……」

またあーした

乙です
俺の場合、黒歴史ノートは使わなくなった教材にこっそり挟んで誰にも見せずに捨てた


友「とりあえず一番最近に来た奴って誰なんだ?」

男「お前」

友「ボケかましてる場合か」

男「うーん……」

男「…あ………そうか……あいつならありえなくもない…」

友「誰かわかったのか?」

男「ああ、今から呼び出す」

友「へえ…ところで誰なの?お前の友達?」

男「いや、幼馴染」

友「幼馴染?」


友「てか、お前って幼馴染とかいたんだな」

男「まあな、親が向こうの親と友達だったらしくてさ、昔からよく遊んでたんだよ」

友「何それ裏山」

男「それから中学まで学校も一緒だったし、今となっちゃ腐れ縁みたいな感じになってるな」

友「へえ~………………えっ……中学まで一緒ってことは、もしかして…?」

男「…………ああ、俺が昔中二病だったことも知ってる」


オジャマシマース

友「……おっ、来たっぽいな…」

男「………」

ガチャ

幼「ハロ~急に呼び出されて来たけど何のよ…」

ガッ!

幼「うぐっ!?」

男「この野郎……いつからそんな子に育った…あ?いつからそんな悪い子になった!」グギギ

友「待て待て待て待て!落ち着けって、とりあえず首絞めはまずいって!」

男「普通に考えたらこいつぐらいしかいねえよ、こんなことするのは………俺の黒歴史をどうするつもりだ…早く答えないとお前の黒目がどっか行くぞ…」グギギ

友「とりあえず落ち着け!いくら幼馴染だからって女相手に首絞めはいけない!」

男「あ!?何意味わかんねえこと言ってんだ!いいから邪魔するな!」グギギ

友「いいから離せ!一旦離せ!」





男「はぁ…はぁ……」

友「………落ち着いたか?」

男「……ああ…」

友「はぁ……まだこいつが犯人って決まった訳じゃないんだし、まずは話聞かないとわかんないだろ?」

男「…そうだな……少し暴走してた…」

友「少しどころじゃなかったけどな…」

幼「うげげげ…………えっ…何なの?急に呼び出されて何でボク首締められたの?」





幼「………つまり…男が昔書いた厨二本が誰かに盗まれたってこと?」

友「ああ、だからここ最近でこいつの家に遊びに来た奴らから犯人探しをしてんだ」

幼「なるほどね~………それにしても男が昔書いた小説か…」

幼「……………すごい気になる」

友「だろ?」

男(これ本見つかったとしても確実にこいつらに見られるよな…)


友「……まあ、色々と話を聞いた限りじゃ幼ちゃんが犯人って可能性はあまりなさそうだな」

幼「当たり前だよ!ボクがそんなことする訳ないじゃん!」

幼「それなのに……真っ先にボクを疑うなんて…酷いよ……」ウルッ

男「あー悪かった悪かった、今度クレープ奢るから許してくれよ」

幼「本当!?」パアッ

男「お前本当喜怒哀楽がちゃんとしてるよな」

友(……しかし、まさかこいつに幼馴染がいるとは思わなかったな…それも女だし、しかも可愛いし)

友(こいつはこんな可愛い娘と昔から遊んでたのか……しかも二人で…)

友(…………………………あれ?………何か殺したくなってきた)

男「さてと……なんだかんだで三人に増えたし、本格的に犯人探しを始めるか」

友「そうだな…じゃあ、まずは最初に今日から先週までの一週間について詳しく教えてくれ」

男「OK、えーと今日が確か月曜日だから……」

男「昨日…日曜日は親が部屋の掃除してたから部屋は使えなかったな」

友「掃除……そういえば、何か物の配置が変わってる気がするな」

男「親が移動させたんだよ、おかげで左の窓から日差しが入るようになったんだよな」

友「日差し…か……」

男「それで…一昨日の土曜日に幼と一緒に遊んだんだ、モンハンとかして」

友「……チッ…」

男「ん?」

友「いや気にするな、続けてくれ」


男「それで金曜日が……そうだ、久しぶりに眼鏡とか3年2組の奴らで集まって遊んだんだ」

幼「へえ~眼鏡君か、懐かしいな~」

友「ん?誰だ眼鏡って?」

男「昔同じクラスだった奴、気が合うから仲良くてさ、今もよく遊んだりしてたんだよ」

友「………あれ…昔のお前と気が合うってことは……」

男「……ああ…そいつも中二病」


男「……まあ、そん時は大人数だったし、盗むなんてことはまず無理だったろ」

友「そうだな、そいつら全員が協力でもしない限りは…」




三人「「「…………」」」

友「…………なあ…一つ聞いていいか…?」

男「……何だよ…」

友「お前って………昔もいじられキャラだったりした?」

男「い、いや別にそんなことは……」

幼「え?……昔も…ってことは今もそうなの?」

男「おまっ」

友「ああ…………え?…今もってことは昔もそうだったの?」

男「えらっ」


友「なるほどな……お前、昔も今もいじられキャラだったのか…」

友「………だとすると急に怪しくなったな…」

男「え、何で!?」

友「その連中が面白半分にお前の部屋を漁って、そしたらお前の厨二グッズを見つけて、それでお前が一番力をいれてたセブンスナイトの完全版だけを盗んだ…………的な?」

男「『的な?』じゃねえよ!!いくらなんでも人の部屋漁ることはしねえだろ!」

友「分からねえよ、みんなもう高校生だからな……ノリで決まったことならどんなことでも遂行するかもしれないぞ」

男「いやいやいやいや、そこまで俺いじられてないからな!そうだよな、幼?」

幼「………………………………うん………」

男「何だ今の間!?5秒ぐらいあったぞ!?」

友「お前…そん時長い間自分の部屋から離れてたことってあったか?」

男「…………ああ、そういやその日の晩飯が餃子だったから具詰めるの手伝ってたな」

友「アリバイもないのか…………………ほぼ黒だな……」

男「いやいやいやいや、まだ断定は早いぞ!?」


友「まあいいや、確かそこには眼鏡って奴もいたんだよな」

男「ああ…」

友「まあ、この件に関してはそいつを尋問すればいいだろ」

男「友達尋問するのか……何かやだな」



友「それじゃあ次は木曜日だな」

男「木曜日か……木曜日は確か……」

男「……………」

友「……え、何で急に黙ったの?」

男「お前さ……同じクラスのイケメンって知ってるよな?」

友「……まあな、結構話したことあるし…てか、話したことなくてもあいつを知らない奴はあんまいないだろ」

幼「イケメン?どんな人なの?」

友「成績優秀、スポーツ万能、生徒会長、サッカー部のエース、モデルスカウトされるほどの顔とスタイル、完璧な性格、金持ちという超次元スペックの持ち主だ」

幼「それ本当に人間?」

友「まあそう思う気持ちもわかるよ………なにせ奴はその七つの長所から『七つの神話』というコードネームをつけられるほどだからな」

幼「何それ超かっこいい」


男「実はさ…木曜日にイケメンが俺ん家に遊びに来たんだよね」

友「マジで?お前ら仲良かったのか?」

男「いや……別に遊ぶ約束とかしてなかったんだよな」

幼「え、じゃあ急に遊びに来たってこと?」

男「ああ…しかもそいつと遊んだことなんて一回もないし」

幼「嘘!?」

男「本当………というか……喋ったことすらないんだよね…」

幼「何それ!?」


友「………ちょっと待て、お前本当にイケメンと話したことないの?」

男「ないけど……?」

友「えっ…てことはさ……」












友「……………………何でイケメンはお前の家の場所知ってんの……?」


男「えっ、お前が教えたんじゃないの?」

友「俺教えてない」

男「…………」

幼「…………」

友「…………」



三人「「「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!!」」」

イケ×男ktkr

幼「無理無理無理!!やだやだやだやだ!!!怖い怖い怖い怖い怖い!!!」

男「おおお落ち着け落ち着け!!…きっと……あれだよ、他の誰かが教えたんだよ!」

友「仮にそうだとしても他人から家の場所聞いて本人に何も言わずに来るって、もうその時点でヤバイじゃん!!」

友「大体……お前、何で普通に家に入れてんだよ!?」

男「えっ……だ、だってあの爽やかスマイルで『遊ぼうぜ!』なんて言われたらどう断っていいかわかんねえじゃねえだろ!」

友「あーもう…何だこれ……なんじゃコラ…高校受験でもこんな困ったことねえよ……」

友「…えっ…で、お前…それから二人でどうしたんだよ…?」

男「えっ………いや…普通に遊んだだけだけど…」

友「普通って何だよ?」

男「えっ………そりゃゲームしたり…話したり…」

友「話って何だよ!?」

男「えっ………だから…イケメンの部活のサッカーの話とか…」

友「サッカーって何だよ!!?」

男「落ち着け!!お前この中で一番混乱してんじゃねえか!!」


男「まあ…別にそんな変なことが起きたわけでもなく、普通に遊んで普通に帰って行ったよ」

幼「ほ、本当…?」ガクブル

男「ああ………そうだ、お土産にサッカーボール貰ったんだよな……確かこの辺に…」ゴソゴソ

男「………おっ、あったあった……ほれ、小さめの黒いサッカーボール」

幼「いやあああああああああああ!!!!」

友「な、何だそれは!?爆弾か?爆弾だな!?」

男「えっ…嘘!?これ爆弾なの!?」

友「近づけるな!爆発するぞ!!」

男「爆発!?爆発するの!?」

幼「嫌だあああああああ!!!まだ死にたくないいいいいいい!!!」ダッ

男「あっ、お前ら逃げるな!!俺を見捨てるのか!?」ガッ

友「離せ!!そこで俺らのために死ね!!」

男「ふざけんな糞野郎!!ここがお前の墓場だ!!」

友「ちょっ、暴れるな!!その爆弾は落としたら爆発するんだぞ!?」

幼「えっ、そうなの!?」

友「きっとそうだ!!」

男「うるせえええ!!だったらお前が代わりに…」

ボトッ


男「………えっ…?」

幼「ボールが…落ちた…」

友「………ば……」

友「爆発するぞおお!!」


三人「「「うわあああああああああああああああ!!!!!!」」」

ウンメイノーゲートトイカケテー♪


~5分後~


三人「「「…………」」」

友「…………俺ら…何やってたんだっけ…?」

男「………何かやってたんだよ……」

幼「………うん……」

友「……何か…すげえ変なテンションになってたな…………まあいいや……とりあえず話を戻そうぜ……」

友「………………あれ…?…何の話してたっけ…?」

男「あれだよ…俺の本盗んだ犯人を探す話してたんだよ…」

友「ああ…そうだそうだ、そっから色々あってイケメンの話になって……」

友「………あれ…?」

男「ん?…どした?」

友「本盗んだ犯人……イケメンじゃね…?」

男「………………えっ……?」


男「……何で…?」

友「だって…話したことのない奴の家に行くって謎じゃん…」

友「しかも……そのあとにお前の本がなくなってるし…」

男「……いや…むしろ話したこともない奴の秘密の物を盗むって………その行為自体謎じゃん…」

友「……………いや……それは違う……」

男「………え…?」

友「謎な奴が謎のことをしたって…別に謎じゃないだろ?」

幼「………言われてみれば確かに……」

男「…さすがだな……お前やっぱり天才だよ…」

友「へへっ…ありがとよ……」

男「……………じゃあ…この件は……」

友「………ああ…そうだな…」


男、友「「保留ってことで」」

今更ながら何書いてんだ自分
明日もまだ理性が失われてたら書きに来ます

ワロタwwwww

理性なんていらないね


友「それで月曜から水曜までは?」

男「誰も遊びに来てない」

友「よし、一週間のことは大体把握した」

男「つっても今のところだと何もわかることないけどな…」

友「………あ、でも一つだけわかったことがあるぞ」

男「えっ…マジで?何?」

友「俺が何で机の下の序章を見つけられたかってことだ」


友「お前、日曜日に親がタンスとかの配置を変えたから左窓から日差しが入るようになったって言ったよな?」

男「ああ」

友「その日差しが机の下に当たるようになったから机の下が見えるようになったんだよ」

男「えっ、そうなの?……全く気づかなかった…」

友「……お前って一人で部屋にいる時はいつも何処に座ってる?」

男「えっ?いや…普通に椅子とかベッドとかだけど…」

友「そこから机の下が見えると思うか?」

男「見えないけど……」

友「普通に考えれば机の下が視界に入るのは床に座ってる時、つまりは今みたいに誰かが家に遊びに来てる時がほとんどってことになる」

幼「それに前までは左の窓からは日差しが入ってこなかったから……ボク達も机の下を確認することは出来なかったってことか…」

友「そゆこと、だから俺が机の下のノートがあるのに気づいたのは、今日が机の下に日差しが当たるようになってから一番最初に遊びに来たからだ」


男「だから犯人は机の下に序章を隠したのか…」

友「ああ……でも、そう考えると…」

友「……なあ、左の窓っていつから日差しが入らなくなった?」

男「確か…去年の大みそかからだったかな」

友「マジか………………あと、もう一つ…今日以外でお前が最後に七度目の夜の完全版が押入れの奥にあるのを確認したのはいつだ?」

男「えー…多分半年以上前になるぞ、そんなちょくちょく黒歴史を思い出したりしたくないからな」

友「…………あー……やべえな…」

男「え、何が?」

友「今の話だと今日以外で机の下を確認出来たのは去年の大みそかまで、七度目の夜を確認したのも半年以上前ってことになるよな」

男「ああ…」



友「つまり…………盗まれたのは去年の大みそかよりあとだったらいつでも大丈夫だよな」

男「……あ…」

幼「………ってことは…?」

友「…………」









友「たった一週間の出来事を聞いた程度じゃ犯人を特定するのは無理ということですな」

幼「なるほどー」

男「嘘だああああああああああああ!!!!!!」


友「ま、七度目の夜に関しては諦めるんだな」

男「ふざけんな!!こんなんで諦められるか!」

友「じゃあお前は今年中に誰がいつ来たのか全部覚えてるのか?いくら記憶力のいいお前でもそれは無理だろ」

男「うぐっ…」

友「まあ悔やむ気持ちもわかるよ、俺もそうだしな…………あーお前の黒歴史の集大成見てみたかったなー」

幼「ボクも見たかったなー」

男「気持ちは一緒でも考えは全く違うだろ!」


友「まあとにかく七度目の夜の話はここで終わりだ、おつかれさまでしたー」

幼「おつかれさまでしたー」

男「ちくしょう…ちくしょう……」

友「それじゃあ少し話を変えるか、さっき話そうとしたけど今日転校生来たの知ってるか?」

幼「転校生?」

友「ああ、名前は女って言って…」

男「え、女?」ガタッ

幼「うわっ、どうしたの急に?」


友「え、お前女のこと知ってんの?」

男「いや、知ってるというか…今日ちょっと道案内したというか…」

幼「道案内ってどういうこと?」

友「……ちょっと詳しく聞かせてもらおか」

男「なんだその反応……あれは確か昼休みの時だったな…」


~回想~


男「弁当忘れた…購買も閉まってた…腹へった……」グー

女「……?…」キョロキョロ

男(ん?…何だあの子…?)

男「………あのー…」

女「え?……あ…はい?」

男(あ、結構タイプだ)

男「えっと………どうかしたんですか?」

女「あっ……えっと…実は今図書室が何処か探していて…」

男(図書室探してるってことは……多分一年生だな…)

男「あー………よかったら、俺が案内しようか?」

女「えっ…いいんですか?」パアッ

男(うわっ…笑顔が眩しい…)




男「……えっと…ここが図書室だな」

女「本当にありがとうございます!」

女「そうだ……何かお礼をしないと…えっと……」

男「えっ…い、いやいやこれぐらいでお礼はいらないって!」

男(やべっ、一瞬エロ展開を想像してしまった)

女「あ、そうだ!焼きそばパンいります?」

男「え?」

女「親が念のためって言って渡してきたんだすけど…正直もうお腹一杯で…」

女「…………あ…す、すいません!…むしろ迷惑ですよね…?」

男「え…いや別に迷惑じゃないというか、むしろありがたいけど……本当にいいの?」

女「えっ…あ、はい!もちろん!」

男「そうか……えっと…ありがとな?」

女「いえ、こちらこそありがとうございました」ニコッ

男 ズギュン


~回想終了~


男「……ってことがあったんだ」

幼「へえ…」

友「……………お前…それ妄想じゃないよな?」

男「いやわかるよ?確かにかなり出来すぎた展開だったけどね、でも本当にあったんだよ!」

友「まあ…あいつも転校生だから図書室知らないってのもおかしくはないけどな」

男「それにしてもあの子同級生だったのか………そっか……」

友「……あれ?」

男「……何だよ…」

友「お前……もしかして女に惚れたとか?」ニヤニヤ

男「………うん…」

友「うそん」


男「嘘ってなんだよ」

友「いや……仮にそうだったとしても、何か…照れ隠しとかで否定すると思ってたから」

男「まあ……あんなタイプの子にあんな笑顔されたら馬鹿でもわかるよ…」

男「『あ……俺惚れたな』って」

友「マジ惚れじゃねえか」

男「マジ惚れだね……あんなアングルであんな聖母マリアみたいな笑顔でこられたらもうどうしようもねえよ」

友「聖母マリアの笑顔見たことあんのかお前」

男「いやーあのアングルはヤバいね…最高のアングル………マリアングルだね」

友「お前それが言いたかっただけだろ」

男「男子がマジ惚れするシチュエーション第一位『マリアングル』」

友「うるせえよ」


友「まあ、なんだ……お前がそこまで本気なら俺もそれなりには協力してやるよ」

男「本当か!?」

友「ああ…お前がマジ惚れするなんてこともしかしたら今回限りかもしれないしな」

友「まあ、もし仮にお前の周りに美少女がいるんだったら話は別……」


幼「…………」


友「………」

友(い、いたーーーー!!しかも幼馴染だーーーー!!)


友(しかも中学まで一緒だったんだよな……)

友(………これ、もしかしたら幼ちゃんが男に好意持ってる可能性あるよな……てか、多分高確率で…)

幼「………」




友「………」

男「やっぱ躊躇してちゃダメだよな……こっちからガンガン攻めていかないと好機は訪れない」

男「まずは現状把握だな、女のクラスぐらいは知っとかないと……」

男「……なあ友、お前女が何処のクラスか知ってる?」

友「教えない」

男「何でだよ!?」


男「知らないならともかく教えないって何だよ!お前本当に協力する気あんのか?」

友「ない」

男「何だお前!?数十秒間の間に何があった?」

友「まあ、アレだ…………女のことは諦めろ」

男「早えよ!まだ始まってすらいないんだぞ!」

友「とにかく……その、今は女の話するな」

男「ふざけんな!俺は生まれてきてこの方一度も恋をしなかった………本気で好きになれる人と出会わなかったからな」

友「ちょ、やめろ」

男「だが……俺は今日やっと運命の人出会ったんだ…今まで出会った女のことを全て忘れそうになるほど…」

友「うん、そろそろやめようか」

男「あのマリアみたいな子と比べたら、他の女なんかあれだ……うん、馬糞だ」

友「やめろ、マジでやめろ」

男「他の女なんて、みんな馬糞だ」

友「やめろおおおおおおおお!!!」


友「お前本当やめとけ、殺すぞ?」

男「何でだよ!?お前本当に何があった?」

友「よし、今日は帰ろう」

男「急だなお前!?」

友「幼ちゃんも帰ろう」

幼「え……あ、うん…そうだね…」

友「今後幼ちゃん……いや、俺たちにとって困るようなこと言ったら背骨抜くからな、じゃあな」

バタン




男「…………今日はなんて日だ……」

もっとサクサク進めるつもりだったのにまさか家から一歩も出ずに50レスも消費するとは思わなかった……

続きはまた今度

友は邪魔だな…

友さん優秀だな


~次の日~


友「いやー昨日は何かごめんな?」

男「本当だよ」

友「俺も別に悪気はなかったんだけどさ……こちらとしても少し事情があったわけで…」

友「まあ、今回のことは許してくれたまえ」

男「………上から目線は腹立つが、悪気はなさそうだから許してやる」

友「サンキュー…………あ…」

男「ん?何だよ?」



友「…………女だ……」

男「えっ、嘘!?」クルッ

友「俺は邪魔になりそうだから後方から支援する、頑張れよ」ダッ

男「ちょっ、ちょっと待って!?一人にしないで!」


女「………あっ…」

男「あっ……」

女「昨日は本当にありがとうございました!」

男「えっ……いや、別にたいしたことは…」

女「………あれ?…もしかして…二年生…?」

男「えっ……あ、はい…」

女「そうだったんだ……ハハハ、私ずっと背が高かったから三年生だと思ってたよ」

男「あ…あはは……そうかそうか…」

友(………………あいつ今んとこまともな話出来てねえぞ……)


女「男君って何処のクラスなの?」

男「えっ…えっと………C組だけど…」

女「私はD組…えへへ、おとなりだね」

男「お、おう……そうですな…」

女「それじゃあまた~」

男「お…おう…またー…」

友(…………あのキョドリ方…本気で惚れてんな…)

友(このままだとあいつ幼ちゃんとはどうなるんだろう……)



友(うーん……やっぱ第三者の俺が気にする話じゃないかな…)

友(………いやあ…でも修羅場とかになるのは避けたいしな…)

友(………………)


男「……はぁ…」

友「お、おう…お疲れ…」

男「やべえよ……一言一言にドキドキしまくりだったよ…」

友「そうか……」

友「………男、ちょっと話が…」

男「何であんなに天使なんだあの子は…何で毎時毎秒天使なんだあの子は……」

友「ああ、そう…いいから話を…」

男「ダメだこれ…ドキドキがバクバクに変わってきたよ……そろそろ心臓爆発するぞこれ…」

友「話あるっつってんだろ、早くしないと心臓潰すぞ」






男「………で、話って何だよ?」

友「あー…えっと……」

男「ためるなよ、すげえ気になるじゃん」

友「……それもそうだな………それじゃあ聞くぞ」

男「おう」



友「お前ってさ……幼ちゃんのことどう思ってんの…?」

男「え、何その質問?」

友「いや、何というか……その…」

友「……お前の中じゃさ…幼ちゃんってどういう立ち位置?」

男「立ち位置?」

友「ああ」

男「うーん………」



男「……別に…ただの昔からの友達としか…」

友(テンプレ台詞いただきました)


友(やっぱこういう質問したらそういう答えしか返ってこねえか……)

友(…………よし、質問を変えてみるか…)

友「………じゃあ、もう一つ質問いいか?」

男「ああ…」



友「……もし…幼ちゃんに彼氏が出来たとしたら………どう思う…?」

男「か、彼氏!?」

友(お……反応あり?)


友「なあ、どうなんだよ」

男「か、彼氏なんて……まさか…」

男(あ、ありえねえよ……あいつに彼氏なんて出来る訳がねえ……)















男(……………だって…あいつ男だぞ…?)


男(確かにあいつは女にしか見えないぐらい可愛いけど……だからってそっちの趣味に走るなんてことは…)


男(………………ん?……待てよ……)

男(こいつ……そんな質問してくるってことは………)













男(………まさか……そっち系…?)


友(だいぶ悩んでるな……)

友(もしかして……今になってやっと幼ちゃんを女として意識しだしたのか…?)


男(まずいな……ここで気持ち悪いとか言ったら確実にアウトだ…)

男(………かと言って、ここで賛成して俺もそっち系に思われるのだけは絶対にやだ…)

男(……………ここは…少し回りくどくいくか…)



男「…………ま、まあ…幼が本気で好きになった相手なら………俺は別に何も言わないけど……」

友(……………………お…?)

友(思いのほか真面目な答えがきた…………これは確実に意識しだしてるな…)

友(…………よし…ここは攻めてみるか…)


友「本当か……お前は本当に幼ちゃんに彼氏が出来てもいいのか?」

男「えっ!?や、やだよ!今の架空の話だろ?」

友「わかんねえぞ………もしかしたら本当に彼氏が出来るかもしれないぞ……」

男「は!?」

男(ま、まさか…こいつ……!)

男「お、お前…まさか幼のこと狙ったりしてねえだろうな…?」

友「は?何言ってんだお前?」

男「幼は昔からの友達なんだ!お前の手には渡さんぞ!」



友(相当必死になってるな…………あ…)

友(………ははーん…こいつ俺が幼に惚れてると思ってるな)


友(だけどこれはいい機会だ……ちょっとカマかけてみるか……)



友「…………でもそうだなー、結構タイプかもしれないなー幼ちゃん」

男「なっ…!」

男(こいつ……ま、間違いない……)

男「お、俺用事思い出したから先に教室戻ってる!」ダッ

友「あ…おい!」

友「…………行っちゃったか……」

友(それにしても………一目惚れした女と昔からの友達の幼馴染か……)

友「…………………まさか……こんな創作みたいな展開が間近で見れるとはな……」






男「はぁ…はぁ……」

男(……あいつがそっち系だったとは…マジか…)

男「……………………まさか……創作で出てきそうな奴が間近にいるとはな……」

おもしろい

これは良作

たしかに面白い

アンジャッシュ感







男「はぁ……」

幼「あ、男ー」

男「……あっ…」

幼「何その微妙な反応?」

男「いや…ちょっとな………お前は学校帰り?」

幼「うん、でこれからバイト」



友「それにしてもあいつが恋愛で悩むとはな……」

友「………………………やっぱあいつに言っといた方がいいかなー……」




男「……あっ」

友「……あっ」

幼「あ、ハロー」


男「わっ、わっ、わおっ!?」

幼「どうしたの急に?」

友「お、おう……お前ら二人でどうし…」

友「………………………えっ……?」

友(えっ、何で幼ちゃんが学ラン着てんの?)

友(…………あれ……?)





友「…………男……一つだけ聞いてもいいかね…?」

男「な…何だよ…?」



友「幼……って男なの…?」

男「は?何を今更?」

友「………ん?…」

男「ん?…って何だよ…」

男「………ん?…」


友(えっと………幼は実際は男………つまりは……)

男(あいつは幼が女だと考えていた………つまりは……)


幼「二人ともどうしたの?」

男「……………」

友「……………」

幼「………あっ、二人とも静止してる」




友「……………………はっ!?……ここは…?」

幼「あ、戻ってきた」

友「えっと……あ、ただいまー…」

幼「おかえりー」

友「あれ……俺どのぐらい静止してた」

幼「一分ぐらい」

友「結構あったな…」

幼「というか何で急に静止してたの?」

友「うん…ちょっと考え事を…」

幼「へえ~」




男「……………………はっ!?……ここは…?」

友「全く同じリアクションやんけ」

幼「おかえりー」

男「あ、ただいまー…」



友「えっと……な?」

男「ああ……うん」

幼「………というか何がどうなってこうなったの?」

男「あー……何だったけな……」

友「ダメだ……混乱しすぎて頭が働かない……」

幼「じゃあ一旦何処かによる?」

幼「あっ、この近くにマックがあるけど…」

友「いや…今のマックは値段が高くてもう利点がないからやめとこう」

幼「意外と冷静だね」




~色々あと~


男「…………」

友「…………」

幼「………まあ、色々話を聞いてわかったけど」

幼「なんだかんだ二人でアンジャッシュコントを繰り広げていたわけか…」

幼「……………あれ…ってことは原因ってボクなの?」

男、友「「うん」」


友「そりゃ間違えるよ…だって顔、声、仕草、全部女だもん」

男「まあな、俺も慣れるまでに半年はかかったもん」

友「それはかかりすぎ」

幼「うーん…そういうもんかな…?」

男「そういうもんだよ、てかお前の場合ほとんど狙ってやってんじゃん」

幼「え~?そんなことないよ~」

男「嘘つけ!!お前小学生の時何人男騙したか覚えてるか!?」

幼「えーっと………18人ぐらい?」

友「多っ!?」

男「覚えてんのかよ!」


男「大体そのふわふわとした感じも狙ってやってんだろ?」

友「えっ、マジで?」

男「本当だよ、こいつ調子いい時ほとんどふわふわな感じだもの」

友「マジかよ……全部計算してたのかよ…」

幼「さすがだね、やっぱり幼馴染だ」

男「全く嬉しくねえよ」

友「マジかよー……俺まだあって二日しか経ってない奴に騙されたのかよ」

幼「…………………てへっ☆」キャピ

男、友「「だから、それを、やめろ!!」」


男「お前彼女にもそういう感じでやってんのか?」

友「………えっ?」

幼「そんな訳ないじゃん、たまにしかやってないよ」

男「たまにやってんのかよ」

友「ちょっと待て………えっ、こいつ彼女いるの?」

男「ああ」

友「マジかよ……色んな要素持ちすぎだろこいつ…」






幼「…………あっ…眼鏡君だ…」

男「………えっ…?」


幼「おーい」

眼鏡「……ん?」

友「…………一応聞いといた方がいいんじゃねえか?」

男「何を?」

友「金曜日のこと」

男「………」




幼「久しぶりだね、去年の秋以来だっけ?」

眼鏡「あー…そんなになるか…」

男「眼鏡、話があるんだけど」

友「いきなりだなお前」


眼鏡「えっ……何だ…?」

男「お前先週の金曜日に3年2組のメンバーで俺ん家に遊びに来たの覚えてるか?」

眼鏡「まあ、覚えてるけど…」

男「………そん時にさ……お前ら、俺の部屋ん中漁ったりとかしてないよな…?」

眼鏡「…えっ……」

男「どうなんだよ」

眼鏡「……………」

男「……………」





眼鏡「……………………当たり前やん」

男「嘘つけ!!」


眼鏡「えっ……何だ…?」

男「お前先週の金曜日に3年2組のメンバーで俺ん家に遊びに来たの覚えてるか?」

眼鏡「まあ、覚えてるけど…」

男「………そん時にさ……お前ら、俺の部屋ん中漁ったりとかしてないよな…?」

眼鏡「…えっ……」

男「どうなんだよ」

眼鏡「……………」

男「……………」





眼鏡「……………………当たり前やん」

男「嘘つけ!!」


男「何だ今の間!?10秒間ぐらいあったぞ!?」

幼「おお、僕の5秒間を超えた」

友「記録更新だな」

男「ちょっと黙ってろ!」

眼鏡「ほ、本当だって……信じろよ、な?」

男「お前そんなあからさまでよく信じろって言えるな!?」

友「まあまあ、落ち着きなさんな」

男「落ちつけるかよ!黒盗み事件の犯人の一人が目の前にいるんだぞ!!」

友「何だよ黒盗み事件って、これからあの事件をそういう風に呼ぶのか」

男「いいから話せ!絶対一発はぶん殴る!」

友「待て待て!まだこいつが犯人って決まった訳じゃないだろ?」

男「絶対こいつらだろ!見たかさっきのこいつの反応、あからさまだったろ!!」

友「いや…あからさますぎるだろ」

男「はぁ!?」


友「あのー…眼鏡君だっけ…?」

友「今ちょっとめんどくさいことになってるから、茶化すのを少しやめてはもらえないかね?」

眼鏡「えっ…?」

男「……なんだよ茶化してるって?」

友「うーん…もうめんどくさいからこいつにも説明した方がいいかもな」

男「何を?」

友「あれだよ……黒盗み事件についてだよ…」

男「……………なんだお前、黒盗み事件って名前気に入ったのか」

友「うるせえよ」


~説明後~

眼鏡「……なるほど…それでお前は部屋を漁ったかどうかを聞いたのか…」

友「ああ…で、一応聞いておくけども、金曜日にお前らはこいつの部屋を漁ったりはしてないよな?」

眼鏡「当たり前やん」

男「じゃあ何であんな疑わしい反応したんだよ!」

眼鏡「いや、だって……あんな真剣な感じで聞かれたさ…」

眼鏡「……………茶化したくなるだろ」

男「お前高校行ってから性格悪くなったな」


眼鏡「………ちなみにその黒歴史本のタイトルは何というのですか…?」

男「絶対教えない」

友「七度目の夜ですよねww」

男「何で言っちゃうの!?」

眼鏡「なるほど……お前らしいな…ww」

男「やめろ!同族に笑われるのが一番腹立つんだよ!!」


友「大体お前が押し入れなんてワンパターンなとこに置くのが悪いんだろ」

男「何が悪いんだよ!?一番見つけにくい場所だろ!?」





眼鏡「…………あれ……押し入れ…?」

友「ん?…どした?」

眼鏡「そうだ……押し入れで思い出した……」

男「えっ…何を…?」














眼鏡「お前さ……金曜日に俺たち3年2組の他に…もう一人来てたの知ってる?」

男「…………………は?」


眼鏡「ほら…あいつだよ、太田君と一緒に来た奴」

男「太田君と…?」

眼鏡「……………あれ…お前確か太田君が来た時、親の手伝いしてたんだっけ?」

男「ちょっと待て……太田君が来た時だろ……」



~回想~

ピンポーン

男母「……あら、お友達?」

男「うん、多分」


「おじゃましまーす」

男母「いらっしゃ~い」

「あっ…お菓子持って来たんですけど……」

男母「あらまあ、そんな気遣わなくてもいいのに」

「いえいえ…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~


男「そうだ……お菓子持って来てくれるようないい子は太田君以外ありえない」

友「すごい信用されてんな太田君」

眼鏡「やっぱりお前は親の手伝いしてたのか……」

眼鏡「…まあ、その時に太田君の友達がもう一人来てたんだよ」

男「へえ……どんな奴?」



眼鏡「………それが……全く覚えてないんだよ…」

男「……は?」

眼鏡「いや……気まずかったんだだろうな、俺たち3年2組だけで盛り上がってたから中に入りづらい感じになってさ」

眼鏡「特に何もせずにじっとしてたから、あまりそいつの顔とか見てなかったんだよな」


男「………で、何で急にそんな奴の話をしだしたんだ?」

眼鏡「……さっきそいつが俺らの中に入らずじっとしてたって言ったよな?」

男「ああ…」











眼鏡「……………そいつがじっとしてたのってさ……確か押し入れの近くだったんだよな」

男「………えっ…?」

眼鏡「だから…まさかとは思うけど……もしかしたら………」

男「い…いやいやいやいや、さすがにそれはないだろ…」

男「………大体…みんなが見てる前でそんなことが出来る訳…」

友「…………いや……」

>>97
× 友「…………いや……」
○ 眼鏡「…………いや……」


眼鏡「多分……可能だったと思う…」

男「えっ…何で?」

眼鏡「俺たち……その時、山口の話にすごい夢中だったから」

男「何の話だよ?」



眼鏡「あの……フラゴール事件の真相について…」

男、幼「「フラゴール事件の真相!?」」

友「えっ……フラゴール?何それ?」


~30分後~


眼鏡「…………これが…フラゴール事件の真相だ…」

男「マジか……まさかあいつが関わっていたとは…」

幼「『最後の博打』ってそういう意味だったんだ…」

友(あー…暇だった……)

男「まあ……でも、確かにそんな話されちゃ他の所にも気が回るわけないか」

眼鏡「ああ…だから、その時にそいつがもしかしたら……」

男「ああ…何か怪しくなってきたな……」

友「…………そういや、お前が親の手伝いしてたのって大体何分ぐらいだったんだ?」

男「うーん……何分ぐらいだったけな……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~

男「詰めるの終わったよー」

男母「おお、ありがとう」

男「じゃあ俺戻るね」

男母「あ、ちょっと待って……はい、お菓子とジュース」

男「おお、ありがとう」

男母「コップ12個で大丈夫よね?」

男「うん、大丈夫」

TV「続いてのニュースです…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~


男「始めたのが4時半ぐらいで、終わった頃にニュースが始まったぐらいだから…………約30分間か……」

友「30分間か……結構あるな…」


男「………あれ…でも、俺が戻ってきたあとも遊んでたよな」

眼鏡「ああ……そういやそうだな」

男「親からもらったお菓子食ったり、ジュース飲んだりして………で、その後は外でてサッカーしたのか」

眼鏡「…………そうだ…その時だ…」

男「……えっ?」

眼鏡「確か…俺たちがサッカーしに外出た同時に、そいつはいなくなってた…」

男「マジで!?」


男「…………現段階で一番犯人に近いな……そいつ」

友「……つってもそいつが誰かもわからないからな…」

男「確かお菓子とジュース飲み食いした時はいたんだよな………うーん……」

男「…………駄目だ…あの時俺も含めて12人もいたからな………顔どころか存在すら覚えてねえや…」

友「………じゃあ、その太田君ってのに聞いてみるってのは?」

男「俺連絡先知らない」

眼鏡「俺も」

幼「ボクも」

友「その子と連絡先交換してそうなのは?」

男「わかんない……そもそも太田君って中学の時も俺らのグループじゃなかったからな…」

友「えっ…じゃあ何で金曜日は来たの?」

男「………さあ…」


友「……………まあいいや……」

男「いいのかよ」

友「だって……調べってたら何か恐ろしい真実に辿りつきそうだから……」

男「………確かに…」





友「じゃあ…めんどくさくなりそうだならこの辺で終わらそう」

男「もうなってるけどな」

眼鏡「そっか……じゃあ、俺も帰るか…」

男「おう、じゃあな」

眼鏡「じゃあな、セブンスナイトとやらが見つかったら俺にも教えてくれよ~」

男「やだ~」


友「そういやずっと気になってんだけどさ……」

男「ん?」

友「………眼鏡って相当頭いい?」

男「ああ…まあな、昔からテストも学年トップだったしな」

友「へえ…」

友「………あ、そうだ…ずっと気になってたんだけどさ」

男「何?」

友「フラゴール事件って何なの?」



男「………………」

幼「………………」

友「えっ…何で黙るの?」

自分で言うのもなんだが全く話が進まないな

また明日~

まつてるんだからね棒

~次の日~

男「あお~す」

友「いお~す」



友「なんだかんだで結局教えてくれないのな、フラゴール事件のこと」

男「当たり前だろ……他人がそう簡単に首突っ込んでいい話じゃないんだよ…」

友「よくわかんないけどお前もその事件に大して関わりないだろ」




イケメン「……やあ」

友「…………は?」

男「…………ん?」

イケメン「………やあ」

男「…………や、やあ…」

友(えっ…何?…何なのマジで!?)

男(俺もわかんねえよ!何だよやあ、って!?超怖えよ!!)


男「えっと……何か用かな…?」

イケメン「いや、先週のことだけど…本当にごめん、約束もせずに急に家に行ってしまって」

男「えっ……いや、別に…」

イケメン「……今日はサッカー部が自主練だけで終わりなんだ」

イケメン「だから…今日君の家に遊びに行ってもいいかな?」

男「…………えっ…?」


イケメン「…………駄目かな?」

男「あー……うーん……」

友「………」

友(どうすんだこいつ…?)




男「…………友も一緒だけど…それでもいいなら」

友「は!?」

イケメン「本当か?ありがとう!」

男「おう」

友「おう、じゃねえよ!!」


イケメン「それじゃあ……放課後終わったらすぐ向かうから」ニコッ

男「おう」






友「……お前いとも簡単に友達を売ったな」

男「本当お願い!もう今となっちゃ、あいつと目を合わせること自体恐怖になってるから!」

友「………まあ…でも確かに、今の何もわからない状態であいつと二人きりなんて恐怖が以外の何ものでもないからな……」

友「……………それよりもお前…さっきのあいつの笑顔見たか?」

男「………ああ…」

友「…………もう…前と同じ笑顔に爽やかさが感じられねえよ…」

男「………というか…もうあいつがサイコパスにしか見えなくなってきたよ…」


ー放課後、男の家ー


友「………そろそろあいつ来るのかな…」

男「……ああ…」

友「…………ていうか…これからあいつとどう接すればいいんだ?」

男「そりゃあ……自然にだろ…」

友「お前今の状態であいつと普通に接することが出来るのか?」

男「……………」



男「…………むりぁ……どうしよう…」

友「………気持ちはわかるけど何だよ、むりぁ、って」


プルプル

友「ん?……おい、電話なってんぞ…」

男「あ、本当だ………えっと…幼からだ…」




男「もしもーし」

幼『ハロ~……いきなりなんだけどさ、ついさっき思い出したことがあったから早めに連絡しようと思って』

男「……あー……でもあんまり長話は出来ないぞ、この後イケメンってのが俺ん家に来るから…」

幼『おお、なんてタイムリーな』

男「…………は?」


男「話って……もしかしてイケメンのこと…?」

幼『そうそう……イケメンって名前どっかで聞いたなあって思ってたんだけどさ、さっき思い出したんだよ』













幼『確かイケメン君と小学四年生の頃同じクラスだったんだよね』

男「………えっ……」



男「ちょ、ちょっと待って…イケメンって俺らと同じ小学校だったの!?」

幼『うん、といっても知らないのも無理はないかな………イケメン君って転校してきたからね、確か四年の秋ぐらいに』

幼『その後も五年生になる時のクラス替えがあったし、多分中学校も違うとこ行ったからなあ……会う機会はあまりなかったと思うよ』


男「いや……でも、普通は気づくだろ…」

男「だって…あいつ今でも七つの神話って呼ばれる程の完璧超人なんだぞ………会ったことなくても普通噂とかで聞くだろ……」

幼『………いや…それはないね…』

男「……何で…?」



幼『……………イケメン君ってさ……今はわからないけど…昔は完璧のかけらもないような人だったから…』

男「………は?…どういうことだよ…?」

幼『………確か昔のイケメン君って……デブだったし、頭も悪かったし、スポーツも全くと言っていい程出来てなかったんだよ』

男「えっ?……何それ…嘘だろ?」

幼『本当だよ……だから男達が完璧超人の用に語ってるイケメン君と全くかけ離れた存在だったから…今まで気づかなかったんだと思う』

男「………マジか……」

幼『…………………それに…イケメン君って昔………』
















男「……………えっ……」

友「………おい……どうした…?」

男「………………」


ピンポーン


友「…………来たっぽいな……」

男「……………」




イケメン「やあ…ちょっと遅かったかな?」

友「いや…別に…」

イケメン「そうか、それはよかった」



男「…………………なあ、イケメン……」

イケメン「ん?何?」

男「……………遊ぶ前に……少し聞きたいことがあるんだけど……」

イケメン「…………えっ…?」

12時過ぎたんで寝ます、パイなら

いいところでw
おつです

続かなかったらフラゴール


男「お前…昔俺と同じ学校だったらしいな」

イケメン「……ああ…」

男「…………何かごめんな…今まで気がつかなくて……」

イケメン「まあ、仕方ないよ…同じクラスにもなったことがないしね」



男「…お前は今と昔では全く違かったらしいしな……」

イケメン「…………」

男「体型も頭脳も筋力も……何もかもが普通以下だった」

男「………だけど家柄は昔から変わらず、金持ちだったと…」

イケメン「…………まあ…昔はいわゆる落ちこぼれってやつだったからね……」


イケメン「本当にただの落ちこぼれだったからね……」












イケメン「…………いじめられてもしょうがないよな……」

男「…………」

友「………まあ…小4のいじめっ子とかだったら、確かにお前みたいなのを標的にするかもな……」



男「…いじめてきたのってやっぱり中山達か?」

イケメン「………ああ…」

友「なんだ…中山達って?」

男「………小学生の頃よく問題起こしてた奴らだよ…」

イケメン「……結構ひどいことされてたからな…カツアゲだってしたきたし…」

友「小学生でカツアゲかよ……」


イケメン「まあ…俺が昔あいつらに目をつけられるような奴だったのも悪かったからな……」

友「………でも、今ではお前は誰もが羨むような完璧超人になったわけだが……」




友「……………じゃあ、そろそろ本題に入るか……」

イケメン「……何?」

友「お前……男とはどういう関係なんだよ…」

イケメン「………えっ…?」


男「……………………今の会話だけ聞いたら確実にあっち系の話に聞こえるよな」

友「ちょっと黙れ」

面白い

>>124
何でageるんだ
sageろよ

スマホ直ったーよかったー
再開しまーす


友「なんの関係もない奴ん家に行く訳だろ」

友「………少なくともお前は、小学生の頃からこいつのことを知ってたんじゃないか?」

イケメン「……うん…まあ……」

友「……あと…これはあくまで俺の予想だけど……」



友「…………………お前が変わったのって…こいつが関係あるんじゃないの?」

男「…え?…何で…?」

友「いや……わかんないけど…こいつが変わったのって小学生の頃でもおかしくないだろ?」

男「……まあ…そうだな」

友「だから……もしかしたらお前がこいつを変えたってことも……」

男「………いや……いやいやいやいや…そんなアニメみたいなこと……」

イケメン「…………………うん………」

男「ええっ!?」


友「…………」

男「いや、本当に覚えてないんだって!」

男「デブだったころのこいつにも会ったことないし……大体、人をまるごと帰るような出来事だったら普通忘れないだろ?」

友「……………まあ、確かに……お前記憶力はいいからな、結構大きな出来事だったら忘れてることは多分ないだろ」

イケメン「………男が覚えてないのも無理はないよ…俺が変わったのは、男の何気ない一言だったからな…」

友「……何気ない一言…?」

イケメン「……………そう……あれは今の自分のやるせなさに不満を抱いていたときだった……」


~~~~~~~~~~~~~~~~



イケメン「…………はぁ……」

男「お前さ、はじめの一歩って知ってる?」

イケメン(………ん…?)

幼「ああ……名前は聞いたことあるけど…」

男「父さんが漫画持ってたから読ませてもらったんけど、超面白えよあれ!!」

幼「へえ…そうなの?」

男「ああ!いじめられっこがボクシングを通じて成長してくっていう……この王道感がすげえいいんだよ!」

イケメン「!!」

幼「そうなんだ~じゃあ、今度ボクにも見してくれない?」

男「ああ!半年待ってろ」

幼「見せる気ないんだね」



イケメン(……………はじめの…一歩……か……)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



イケメン「…………そのあと俺は…はじめの一歩を読んで、努力の大切さを知ったんだ……」

友「……………」

イケメン「………男……お前のあの一言があったから…俺は変われたんだ……」

男「俺全然関係ないじゃん!?」


友「いやあ……予想以上に何気なかったな…」

男「何だよこれ!?さっきのシリアスムードどこいった?」

イケメン「お前のおかげで変われた……今でも感謝してるよ」

男「俺じゃなくて森川先生にだろ!?」

友「あー…なんか何もかもがぶっ壊れたな」

男「本当だよ……もう何もかもがどうでも良くなってきた…」

イケメン「ん?…どうした、ぐったりして?」


イケメン「それから俺は必死に努力したんだ……勉強も運動も…」

イケメン「そうしていくうちに成長してるのが実感できてな、心にも余裕が出来ていいことだらけだった」

友(顔は元から良かったのか……)

男「……まあ、でも理由はともあれそれで成功したんだから良かったじゃねえか」





イケメン「………………ああ……最初はそう思ってた………」

男「…………えっ……?」


イケメン「それから中学に入って、俺は昔の小学校からは結構離れてたからみんなとは違う中学校に入ったんだ」

イケメン「中学でも俺は勉強と部活を頑張って、テストはいつも学年トップ5には入ってて、サッカー部も1年の頃からレギュラーに入ることが出来た」

男「ド凄え……」

イケメン「中学校で昔の俺を知ってる奴は少なかったから、みんなからはいつも天才や完璧超人とか言われてた」

イケメン「だからみんなも向こうからよく俺に話しかけてくれたし、みんなから頼りにされてて嬉しかったんだ」

男「へえ…良かったじゃん」

イケメン「ああ……だけどさ……」

男「……ん?…」







イケメン「しばらく経って思ったんだよ……」

イケメン「…………俺…今、本当に学校生活を楽しんでいるのかなって……」

友「……………」


男「……え…何で…?」

イケメン「いや……別にいじめられてたとかそういう訳じゃないんだ、クラスでも一人だった訳じゃないし」

イケメン「クラスにも部活にも友達はいたし、よくみんなで遊びに行ってた………ただ……」









友「…………親友と呼べるほど仲のいい友達はいなかった……か?」

イケメン「………ああ……」

男「…………えっ…?」


男「どういうことだよ…?」

友「………お前、この前イケメンと一緒に遊んだとき、こいつのことどう思った?」

男「どうって………会話も弾むし、一緒に居て気まずくないし、友達としてもいい奴だと思ったけど…」




友「……多分みんなそう思ってるよ」

男「…………えっ…?」

友「こいつと話したり遊んだりした奴のほとんどは、一緒にいて楽しい、こいつと友達になりたい、そう思ってたと思う」

男「じゃあ…何で……」

友「だけどこいつは完璧な存在すぎた、こいつは友達よりも憧れの対象になることの方が多いはずだ」

友「…………お前…そんなみんなの憧れになってるやつと自分が親友になれると思うか?」

男「……………あっ………」

男「………そういうことか……」


友「その内こいつはみんなにとっての憧れと認識されて、誰もこいつと親友になろうとは思わなくなった…」

友「…………お前は……完璧になりすぎたのかもな………」

イケメン「………………ははっ…そうかもな…」

イケメン「それに……俺はいつしかみんなの信頼にこたえるようにしてたからな」

イケメン「テストだって偶然ずっとトップ5だった訳じゃない、トップ5から外れないようにしてたんだ」

イケメン「たまに怒りそうな時だってあった……だけど…みんなのイメージを壊したくないがためにあえて我慢した…」

イケメン「…………みんなの憧れで居続けること……いつしかこれが俺の目的になってたからな…」

男「…………」

イケメン「…………………だから……ふとこう考える時があるんだ………」









イケメン「……………普通になりたい、って……」

イケメン「……ははっ…確実に妬まれる願いだな……」


友「………まあ…でも、気持ちはわかるよ」

イケメン「………え?」

友「俺の兄貴もそんな感じだったからな……」

友「中学、高校と勉強にはげみすぎたせいで………まともな学校生活を送れなかったって、今でも嘆いてるからな…」

イケメン「………そっか……」



イケメン「…………だけど…そう悩んでたのを………また、男が救ってくれたんだ……」

男「………えっ…俺?」

イケメン「ああ………あれは確か……先週の水曜日だったかな…」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


男「お前、ぼくたちと駐在さんの700日戦争って知ってる?」

友「何それ?」

男「昔やってた映画なんだけどこれが面白くてね、俺の中での青春映画No.1だね」

イケメン(………青春……)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


男、友「「またかよ!?」」

イケメン「その後俺はすぐにTSUTAYAに行き、それを借りて見た」

イケメン「…………………確かに……あれは青春そのものだった………」

イケメン「あれを見て、俺は…変わることを決意したんだ……!」

友「お前さっきから影響されすぎだろ!?」

イケメン「男……俺を二度も救ってくれてありがとう……」

男「だから俺ほとんど関係ねえだろ!?」


男「ふざけんなよ…シリアスムード再構築したと思ったらまたぶち壊すとか考えられねえよ……」

友「本当だよ…さっきまであんな知ったかぶって話してた自分を殴りたくなってきた……」

イケメン「……だから何でそんなぐったりしてるの?」

男、友「「うるせえ!!」」


友「………えっ…じゃあこの前急に男ん家に遊びに来たのって……」

イケメン「ああ、あれを見てからいてもたってもいられなくなって、とりあえず遊ぼうと思って男の家に遊びに行った」

友「なんだよ!!」

男「………えっ…じゃあ俺の家の場所は誰から……」

イケメン「ああ、同じクラスのオタクさんに聞いた」

男「あいつかよ!!」


イケメン「そうだ、この前は遊びに夢中で言えなかったから今日言おうと思ってたんだ」

友「えっ……何を…?」








イケメン「俺に青春をさせてくれ!!」

男「………は?」

イケメン「何でもいいから何かしたいんだ!何か高校生らしいことを!」

友「だったら部活とか生徒会と色々やってるだろ」

イケメン「この際それはどうでもいい!!」

友「初心ぶった切ったなこいつ…」


友「まあ……用は高校生らしく過ごしたいんだろ?」

イケメン「ああ!」

友「元気のいい返事だな」

友「…………まあ…だったらまずは、みんなから親しみやすいと思われるようになることだろ」

イケメン「親しみやすい?」

友「ああ、だからこれからお前のイメージを若干崩す」

友「まずは話し方だ、エリートっぽく話さなくていい、これからは普通に話せ」

イケメン「了解」

友「次は全てをさらけだせ、お前の流されやすいところも、実はKYなところも」

イケメン「え、それだけでいいの?」

友「ああ、あとは話とかも自分が話したいように話せ」

友「KYなこと言ってもつまらないこと言っても平気だ」

友「そんなかで自分が仲良くなりたいやつと交流を増やす、そうすれば確実だ」


イケメン「なるほど…」

友「……つっても、実際こんなアドバイスは当てになんないけどな」

イケメン「……えっ?」

友「……………友達とかってな……用は付き合いの問題なんだよ」

友「例え短期間でも、その間長く一緒にいれば………いつの間にか一緒にいることが苦にならなくなる」




友「まあ、ようはな………一緒にいて楽な気持ちでいられる奴だったら、そいつはもう友達だ」

イケメン「…………そういうことか……」

友「ああ……そういうことだ……」



男「…………今の話って何割が真剣?」

友「2割」

男「少ねえ…」


イケメン「じゃあ……お前達とも長く付き合えば…」

友「ああ、友達になるな」

イケメン「………そうか……こうやって友達が増えていくのか……」

友「もうめんどくさいから俺ら友達ってことでいいよ」

イケメン「え、本当か!?」

友「ああ……つーわけでゲームしよう」

男「お前ゲームしたいだけだろ」

友「当たり前だろ、スマブラは俺の命だからな」


友「よし…じゃあ始めるぞ」

イケメン「よっしゃ……絶対勝ってやる……」



男「レッツ…パーリィィィィィィィィィ!!」

友「うるせえよ」

またあすた

乙です


~次の日~

ギャル「イケメン、何聞いてんの?」

イケメン「ああ、コネクトっていう曲だよ」

チャラ男「何それ初耳ww」

イケメン「目覚めたこっころは走り出した~みっらいを目指すため~♪」

ギャル「急に歌い出したww」

チャラ男「どしたイケメン?wwキャラ変わりすぎっしょww」




男「……………あいつ弾けすぎだろ」

友「………てか、あいつオタクだったんだな…」


イケメン「あ、男と友だ…はよー」

男「はよー」

友「はよー」

男「……にしても、お前急にキャラ変えすぎだろ」

イケメン「しょうがないだろ、これが俺なんだから」

友「てか、お前ってアニメとか好きなの?」

イケメン「まあな、一日の四割はアニメ鑑賞だしな」

友「想像以上にガチだった」

チャラ男「あれ、お前らってイケメンと友達なの?」

男「まあな」

イケメン「友達より~大事な人~♪」

ギャル「ゴーリキwwww」

友「お前そろそろやめとけ」






オタク「…………む、ここにいたか」

男「ここにいたかじゃねえよ、教室にいることぐらいわかるだろ」

オタク「この前借りた銀魂16~20巻を返しに来た」

男「そんな明確に言わなくてもわかるから」

オタク「今度また21~25巻も頼むぞ、できるだけ早急に」

男「いいけどその話し方やめろ、何か腹立つ」

オタク「……ふっ…これから私はクールキャラを貫いていくのだ」

男「すぐボロでるからやめとけ」


女「お~いオタクちゃ~ん」フリフリ

男「……え?」

オタク「あ……来た来た」

女「この小説貸してくれてありがとう!すごく面白かったよ!」

オタク「それは何より」

男「あっ……えっ…?」

女「あっ、おはよう男君」ニコッ

男「おっ……ああ…どうも……」ボソボソ

男(きた!不意打ちのマリアングル!)ドキドキ

オタク「ん?なんだ、二人は知り合いなの?」

女「うん、転校してきた日に図書室まで案内してもらったんだ」

オタク「………ほほ~う…」


女「じゃあ二人ともまたね~」

オタク「バイバーイ」

男「バ…バイバー…」




男「………てか、お前らって知り合いだったんだな」

オタク「まあね、女ちゃんとは図書室で会ってからよく話すようになったし」

男「えっ、図書室?」

オタク「うん、彼女は読書が好きなようだから放課後なんかはよく図書室に行ってるみたいだね」

男「………へー……」

オタク「……なんだ、もしかして放課後図書室に行こうとか思ったのか?」ニヤニヤ

男「バカ言え、そんなあからさまなこと俺がするわけないだろ」


~図書室~

ガラッ

女「………あっ、男君だ」

男「キ、キグウダネー……」




女「男君も本好きなの?」

男「えっ……ああ…まあね……」

男(いつまでもこんなキョドリ方じゃ駄目だな……もっと好戦的に積極的に……)

男(そうだ!一週間フレンズ。の長谷君みたいに行けばなんとかなる!グイグイ行くぜグイグイ!!)

男「………うん、本は大好きだね!特にファンタジー系の小説が好きだな~」

女「ファンタジーかあ………私はあんまり読んだことないな……」

男(しまったああ!!選択肢間違えた!!)

男(……………いや…まだだ……まだ終わっちゃあいねえ!!)

男「………あ、良かったら今度俺のオススメのファンタジー小説を貸そうか?」

女「本当?…ありがとう!じゃあ私も今度お気に入りの小説貸してあげるね!」

男(キターーーー!!!早速物の貸し借り約束が成立した、これは何かしらの波が来てんぜえ~~)

このSSにタイトル付けたらどんなんになるかな?


女「……実は私、昔こっちに住んでたんだ」

男「えっ、そうなの?」

女「うん、小学四年生ぐらいまではこっちの方の小学校に行ってたし」

男「へえ…」

女「それでまたこっちに戻ることになったんだけど、初めてこの高校に来た時はびっくりしちゃった」

男「びっくり?何で?」

女「昔よく一緒に遊んでた人がこの高校にいたんだ、久しぶりにあった時はちょっと泣きそうになっちゃって…」

男「………あれ?……それって…幼馴染ってやつ?」

女「うん!家が近かったからよく二人で遊んだりしてたんだ~」

男「…………えっと……一つ聞いていい…?」

女「なに?」





男「…………その幼馴染とやらの性別って……男…?」

女「うん、そうだよ」

男「…………」








幼「………最大のライバル出現したね」

男「本当だよおおおおおおお!!」

男「マジかよ……まさか女さんに幼馴染がいたとは…しかも男……」

幼「ヤバイね~…で、その幼馴染がどういう人なのかは聞いたの?」

男「とりあえず名前だけは聞いた」

幼「へえ…じゃあまずはその幼馴染がどういう人なのか調べないと……」



男「それなら大丈夫だ」

幼「…………えっ…?」

男「もうその本人に来てもらってるからな」

幼「それってどういう……」















男「……………さてと、色々聞かせてもらおうか………友君?」

友「…………………………ん?」


幼「………えっ…女さんって人の幼馴染って………友君なの?」

友「えっ………そうなの…かな?」

男「あ?」

友「あれ、ツッコミがない」

男「女さんからはっきり聞いたよ、俺たちの高校にいる友って名前のやつだって」

友「いや……でも、同姓同名の別人って可能性だって…」

男「SSの世界で同姓同名のネタ持ってくんのやめろ、ややこしさが増すだろ」

友「ごめん」


男「それに…今思い返すとお前が女さんと幼馴染だって証拠はいっぱいあるぞ」

友「えっ、例えば?」

男「……お前、今週の月曜日に女さんの話したよな?」

友「………あっ……」

男「俺らと女さんは別のクラスだ、それなのに転校してきてすぐにそのことがわかるなんてあまりない」

友「…………それは……あれだよ、風の噂で…」

男「まだあるぞ、お前女さんのこといつも『女』とか呼び捨てで呼んでるよな」

友「………………うわっ、気づかれた…」

男「転校してきてすぐで何も知らない相手のことを最初から呼び捨てとかあいつとか、普通ありえないだろ」

友「…………うん…せやな……」

男「……………改めて聞くぞ……お前は、女さんの幼馴染だな…?」

友「…………………」







友「………………うん、大正解!」

男「よっしゃあ!コノヤローー!!」


男「お前なんで黙ってたんだよ!?」

友「いや…俺も最初は普通に言おうと思ったけどさ………もし女に惚れてるお前にこのこと言ったら…」

男「うわあ、マジかよ……女さんの幼馴染ってよりによってこいつかよ……」

幼「偶然再会した幼馴染か………初っ端からフラグびんびんだなー!」

友(こうなると思ったから言わなかったんだよ畜生)

幼「ちょっと詳しく聞かせて?偶然幼馴染と再会するシチュエーションってやつをww」

友「何でそんなテンション高いんだお前は」

幼「いやあ、中々ないもんだよ…そんな一世代前のベタベタな展開」

友「なんか腹立つな……………まあ、いいや…ばれたことだし、あいつと再会したところから全部話すよ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~


友「…………」テクテク

女「……………あっ……」

友「ん?」

女「………もしかして……友君…?」

友「えっ、何で俺の名前知ってんの?」

女「やっぱり!………あっ…えっと……私のこと覚えてない…?」

友「……うーん………覚えてないな……名前は?」

女「女!昔家が近所だった女だよ!」

友「………………あっ、なんだお前か……」

女「あれ?久しぶりなのに反応薄い…?」





女「それにしても凄い偶然だね……まさか友君と同じ高校だったなんて」

友「確かによく考えれば凄いな……まるで創作話みたいだ」

女「こんなことあるんだ………あっ…ちょっと泣きそう…」

友「なんでだよ」

友「…………てか、お前またこっちに引っ越してきたんだな」

女「うん…色々あって遠くに引っ越しちゃったけど、また色々あってこっちに戻ってきたんだ」

友「…………そっか……」

友(色々って気になるな…)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

はよはよ


友「そんで結構珍しいことがあったなって思ってお前に女の話したら……お前マジ惚れしてんだもん」

友「だから何か言いづらくなって今まで言えなかったんだよ、俺がまるで恋敵みたいになりそうだったから」

友「…………まあ、でも全部話したことだし誤解は解けただろ」

男「解けてねえだろ」

友「え?」

男「解けてねえだろ」

友「聞こえなかった訳ではねえよ」


男「もっと詳しく教えろよ」

友「何を?」

男「お前と女さんについてだよ」

友「何で?」

男「どこまで親密なのか知りたいから」

友「だから…俺と女は恋愛的な関係はないって」

男「いいから話せ、なんか不安だから」

友「はぁ……分かったよ」


友「まあ…あいつとは家が近かったし幼稚園も一緒だったからよく遊んだりどっかいったりどっちかの家に泊まったり……」

男「おっ、お泊まり!!?」

友「落ち着け高校生、幼稚園の頃だからセーフだろ」

男「………まあ、そうだな……」

友「そんで小学校も一緒だったから幼稚園のころと同じように一緒に遊んだりどっかいったりどっちかの家に泊まったり…」

男「お、お泊まり!!?」

友「落ち着け高校生、小学生の頃だからセーフだろ」

男「いやいやアウトだろ!?」

友「えー小2の頃だからギリギリセーフだろ」

男「いや小2の頃だったらギリギリアウトだろ!!」

幼「綺麗に真っ二つだな」

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