モバP「IDLE DIS@STER」 (48)

ベルフェゴールとは——

「七つの大罪」において「怠惰」を司る悪魔。
怠惰とはすなわち「情熱の欠如、欝屈、憂鬱」を指す。
男を魅了する妖艶な美女の姿で現れ、好色の罪をもたらす悪魔とされる。
 
中世の魔術書においては発明を手助けする堕天使とされ、
便利な発明品を人間に与えることで、堕落させる力を持つ。

銃撃・火炎半減、衝撃9割カット、氷結・精神・呪殺無効。中盤の強敵。


※神崎蘭子著「ブリュンヒルデ黙示録(ルビ:アプカリュプス)〜七つの大罪編〜」第四章より抜粋

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P「んーっ……もう五月も中旬か」コキコキ

P「しっかし本当、暑くなってきたなぁ。ついこの間まで寒かったってのに」

P「連休明けたからかな……これからは気を引き締めていかないと」


ガチャッ


P「おはようござい……ん?」

ちひろ「た、大変です、プロデューサーさんっ!」

P「千秋の奴がまだ来ない?」

ちひろ「それでつい先程電話したんですけど……」

P「?……繋がってるんですか?電話」

ちひろ「ちょっとプロデューサーさん、代わってもらえませんか」

P「いいですけど……」



P「もしもし?」

千秋『ふあぁ〜……なにー?』

P「なにー?って……お前、今日仕事だろ?」

千秋『………』

P「千秋?」

千秋『ね、プロデューサー。今週、まるっと休みにしない?』



P「……は?」

千秋『何だか最近、すっごい身体がダルいの。やる気も全然出なくて』

千秋『これって多分、何かの病気だと思うのよね。だから……』

P「な、何言ってんだよいきなり!?」

P「一週間丸々休むだなんて……」

P「ついこの間までトップになるために頑張るって、自分で言ってたじゃないか!」

千秋『うん。それについてもちょっと、方針転換しちゃおうかなと』

P「方針転換?」



千秋『今はー、楽してー、ズルしてー、のーんびり、トップを目指そうかなーって』

P「」

千秋『自分でもよく分からないけど、今は無性にエビでタイを釣りたい気分なの』

千秋『だからね、プロデューサーは私を働かせたいのなら、エビになる楽なお仕事を探してちょうだい』

P「そ、そんなのある訳ないだろっ!千秋、今すぐ事務所に」

千秋『じゃ、おやすみ〜』

P「お、おい!?」

プツッ

ツー ツー ツー


ちひろ「どの子もそんな感じで、まともにとりあってくれなくて……」

P「……いやいやいや、そんなまさか……」

『ふぇいふぇいは今、とっても忙しネ。またかけ直すデス……レナ!ここでリーチヨ!』

『えーっと、シューコは今、実家を手伝う為に留守って事にしておきたいので、ご用の方はぴーっ』プツッ

『世界レベルの仕事は?え、そんなのない?……今私、シエスタ中なんだけど?』

『徹マン、絶賛続行中だから。また後にしてくれない?……あ、ツモ』

『やすんだっていいじゃない アイドルだもの ちづる』





P「ちょっと女子寮見てきます」ダッ

〜女子寮〜

P「駐車場を見るに、まだ外出した形跡はないみたいだが……」

P「クソッ!誰一人まともに出ないなんて。こんな事は初めてだ」

P「一体何が起きて……」



泰葉「プロデューサー、おはようございます」

P「あぁ、おはよう泰……泰葉っ!?」

泰葉「?……どうしました?」

P「ちょ、おま……なんちゅう格好をして……!」

泰葉「え?」

P「せめてパジャマはボタンを留め……し、下はどうした!?」

泰葉「あ、これですか?最近暑くなってきましたし、ズボンは最初から履かないんです」

泰葉「おかげで汗でベタ付かないし、とっても快適なんですよ。気分もさわやかです」クルリン

P「快適って……」

泰葉「プロデューサーもいかがです?開放的になっては」

P「確かに蒸し暑くなりはしてるが、俺が脱いで得をする奴なんていないから」

泰葉「はぁ、涼しい……クールビズってこういう事なんですね、プロデューサー」キラキラ

P「いや、クールビズじゃねーからそれ!単にだらしがないってだけ……」

美優「あ、プロデューサーさん」

P「あぁ美優さん!丁度良かった、美優さんからも何か言って……美優さんっ!?」

美優「?」



P「……そ、その、スケスケ紫のネグリジェは……」

美優「こ、これは、その……ついこの間、奮発して取り寄せたんですけど……似合い、ますか?」

P「え、えぇ、似合います、けど……ちょっと、過激すぎやしませんか」

美優「さ、最初はそう思ったんですけど……抵抗もなく、すんなり着れてしまって」

美優「プロデューサーさんの前でも、全然恥ずかしくなりませんし……」

泰葉「あ、普段着感覚ですね。私も分かりますそれ」

P「そ、それを普段着にしちゃダメですよ!絶対ダメです!!」

美優「……や、やっぱり、似合いませんか……?」ガーン

P「い、いやいやいや、そうじゃなくてですね……あぁもう!」

P「——と言う訳なんだよ」

晶葉『ふむ』

P「この様子じゃあ恐らく、寮全体がおかしくなっちまってる……」

P「晶葉なら、何か気付いてないかと思ってな」

晶葉『………』

P「晶葉?」



晶葉『……プロデューサー、前々から君に伝えておきたかったことがある』

P「ん?」

晶葉『私はトラブルメーカーでもなければ、君専属の便利屋でもないし説明係でもない』

晶葉『どこぞのネコ型ロボットのように、泣きつけば助けてくれるような存在ではないのだよ』

晶葉『以上だ』ブツッ



P「えっ、あ……お、おい!ちょっと待て!」

P「ってか、どうして晶葉の部屋だけインターホン付きなんだ……!」カチカチカチ

美優「そう言えば泰葉ちゃん、朝食はもう済ませた?」

泰葉「はい、先程。さっき起きたばかりで、お昼ご飯になっちゃいましたけど」

P「……で、出てくれ!つーか出ろ、晶葉ぁ!!」カチカチカチカチカチカチカチカチ

ガチャッ

晶葉『あぁうるさいな……連打するんじゃない、ったく』

晶葉『次から3、いや2フレーム間隔辺りで自爆するように改造を施さなければ……』

P「インターホンにそんな物騒な改造を施すんじゃない!」

晶葉『安心しろ。私は今どうしてだか、何をするにもものすごく億劫でな』

晶葉『予定は何もかも未定だ。だから君に割ける労力も持ち合わせては……』

P「……それだよ、晶葉」

晶葉『ん?』

P「何故今、自分がものすごく億劫なのか……疑問に、思わないのか?」

晶葉『……ふむ』

P「原因は解決しなくていい。ただ、その疑問は解消してみないか?科学者として」

晶葉『………』

P「……今の俺には、晶葉が必要なんだよ。頼む」

晶葉『む……』



泰葉「い、今のって……」ヒソヒソ

美優「大丈夫よ。あれは、皆に言って回ってる台詞だから……」ヒソヒソ

泰葉「本当ですかそれ?」ヒソヒソ

P「……ちょっと黙っててくれませんかね、二人とも」

晶葉『フッ……随分と私を評価しているんだな、プロデューサーは』

晶葉『………鍵は開けておいた。中で直接、話をしよう』

P「あぁ。それじゃ、入らせてもらうぞ」ガチャッ



P「予想はしてたが、お前もか晶葉」

晶葉「何がだ?」カタカタ

P「目のやり場に困るその格好の事だよ」

晶葉「自分の部屋にいて、この暑さだ。できるだけラフな格好でいるのは当然だろう?」カタカタ

晶葉「だが下着のみとあっても、白衣は欠かせない。これは私の矜持でね」キリッ

P「……矜持はともかく、汗臭いぞ。ちゃんと風呂には入ってるのか?」

晶葉「いや、ここ数日はこの格好のままだが?何しろ面倒臭くてな」カタカタ

P「せめて下着は着替えてくれ……」

晶葉「後でな。それよりもプロデューサー、疑問を一つ解消したぞ」カチャターン

P「早いな!?」

晶葉「あぁ。これは……オーラ力の影響だ」



P「お、オーラ力?」

晶葉「オーラカ、ではないぞ。オーラ力(ちから)だ」

P「いやいやいや、ちょっと待ってくれ!オーラ力って……」

晶葉「もしくは、オーガニック的な何か。あるいはサイコウェーブ、毒電波……あぁ、まったく非科学的だな」

晶葉「一個人から発せられる気……まさにオーラと表現した方が正しいかな」

晶葉「どうやらこの寮全体が広範囲に発せられたソレに、私を含めたアイドル達が否応なく同調……」

晶葉「つまり、気を当てられた、としか言いようがない」

P「何じゃそりゃ……」

晶葉「別に珍しくも無いだろ?LIVEバトルなどでは、よく見られる現象じゃないか」

P「え?そうなのか?」

晶葉「バトルの相手がこちらの『威勢』で、体調を崩したり……」

晶葉「同じユニットメンバーからの『応援』で、本来の能力以上にアイドルが実力を発揮出来たりするだろう?」

P「あ、あぁ!あれか……」

晶葉「と言う訳で、元凶と呼ぶべきは恐らく、ウチのアイドルの誰かだ。発信源はこの寮から動いていない」

晶葉「この規模から察するに……歌わずとも踊らずとも、人を惹きつけ、心を動かす“何か”」

晶葉「誰が与えたか、天賦の才。カリスマの類だ」

P「カリスマだと?」

晶葉「まさにチートだな。かつてSランクアイドルも持っていたと言われる、類稀なる能力だよ」

P「(……そんなすごいアイドル、ウチにいたか?)」

晶葉「今回の場合、どうやらそれが暴走している。いわゆるハイパー化だな」

P「ハイパー化!?」

晶葉「感情の爆発等、何かの拍子で抑制が効かなくなり、無差別にそれを発揮しているようだ」

晶葉「その効果は……超強力な五月病、と言ったところか。実にネガティブで特徴的じゃないか」

P「感心してる場合じゃないだろう!?これがこのまま続いたら……!」

晶葉「そうだな。不本意だが、私達のストで機能しなくなったプロダクションは、いずれ破綻する。確実に」

P「わ、笑えねぇ……」

晶葉「さて……あとは君の仕事だ」

晶葉「ここまで説明するのは非常に億劫だったが、君の頼みだ。まぁ悪くはなかったよ」

晶葉「私はここで、この異変の解決でも祈るとしよう」

P「これだけでも十分だよ。ありがとう、晶葉」

P「……つーかちゃんと着替えとけよ、マジで。臭うし、汚いからな」





晶葉「……フッ」

P「フッ、じゃねーから!絶対風呂にも入るんだぞ!いいな!?」

まさかのダンバインネタとは

ガチャッ

泰葉「あ、プロデューサーが出てきました」

P「……何となくだが、誰が原因かは分かった気がする」

美優「?……何の原因ですか?」

P「詳しくはまた後で話します。二人にちょっと聞きたいことがあるんですが」

泰葉「?」



P「杏の部屋、どの部屋か分かりますか?」

〜女子寮・二階〜

泰葉「彼女とはあまり親しくはしてませんけど……確か、この部屋ですね」

P「……杏を最後に寮で見たのは?」

美優「連休明けの初日に見かけましたけど……それ以降は、ちょっと」

P「マズいな。最悪、このオフの間は部屋から一歩も出ていない事もあり得る」

P「そもそも生きてるのかすら怪しく……いやいや、杏に限って逆にそんな」

泰葉「生きてるみたいですよ?ほら、メーター回ってますし」

P「……って事は、中にいるのか」

ドンドン

P「おい、杏!いたら返事しろ!おーい!!」ドンドン


ガチャガチャ


P「当然の如く鍵をかけてやがる……泰葉、寮のマスターキーを取って来てくれ!」

泰葉「嫌ですよ面倒臭い。私はプロデューサーの人形じゃありませんから」

P「ぐっ……なら、俺が直接取りに」

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ〜!』

P「!?」

杏『ふふふ……これは決して崩れることのない、ジェリコの壁!』

杏『そう、誰であろうとこの私の絶対領域は侵せない。例えプロデューサーであろうとも』

P「杏……!」

杏『杏の部屋の鍵はー、杏にしか開けられませーん。はい残念でしたー』

P「ふ、ふざけるんじゃない!今すぐここを開けて、出てくるんだ!!」

杏『……プロデューサーは、私に会いたいの?』

P「あぁ、もちろんだとも!」

杏『ホントに?』

P「……今の俺には、杏が必要なんだよ。頼む!」



泰葉「本当に誰彼構わず言ってるんですね、あのコピペ」ヒソヒソ

美優「でも言われると、悪い気はしないから……私も時々、コロッといっちゃいそうになるの」ヒソヒソ

P「杏……!」

杏『プロデューサー……』



杏『だが断る』

P「」ズルッ

P「な、何故だ!……何故なんだ、杏!?」

杏『だってそれ、杏がサボろうとする度に言ってる台詞だよね』

杏『そりゃ聞き飽きるよ。誰だって断る、私だって断る』

P「ぐっ……」

杏『大体、虫が良過ぎるよね。あんな事言っといて、今更出てこいだなんて』

P「な、何?」

杏『外に出たら私に欲情して、乱暴する気なんでしょ?エロ同人みたいに!……エロ同人みたいに!』

P「しねーよ!誰が欲情なんてするか!!」

杏『………』

P「?……おい、杏?」

杏『ほら……また酷い事言った!』

P「はぁ?」

杏『あの時もそうだったし。プロデューサーってホント、最低だよね』

P「ま、待ってくれ!一体何が何だか」

杏『うっわぁ……もう忘れちゃってるんだ。連休終わりに私に言ったこと』

P「……連休終わりに、杏に言ったこと……?」

いっそ部屋に火でもつけてやれば出てくるんじゃないか?

〜回想〜

P「いやー、今日もグラビア撮影、お疲れ様でした」

ヘレン「私の魅せたところ、きっちり撮ってもらえたかしら?」

P「もちろんですよ、バッチリです」

レナ「プロデューサーさん、ちょっと」

P「はいはい、何でしょうレナさん」

レナ「あの水着なんだけど、胸元が少しキツかったかな……」

P「マジですか?」



杏「………」チラッ チラッ

杏「……ね、ね、プロデューサー」グイグイ

P「じゃあ今度、また採寸し直……どうした?杏」

杏「あ、あのさ。ほんのちょっっっっっぴりだけ、興味が沸いたんだけどね」

杏「私もさぁ……グラビア、やってみたい、かなーって」

杏「……ね、どうよ?」



ヘレン「じゃ、また明日ね」

P「お疲れっしたー!」ペコペコ

杏「って、聞けよ!」

P「は?グラビア?」

杏「うん」

P「誰が?」

杏「杏が」





P「杏が?」

杏「そうだよ」

Pが照れ隠しでごめん覚えてないって言って、杏がブチキレるオーガニック的な展開が来るかと思った

つまり俺の五月病も杏から発せられるサイコミュ的な精神波の流れのせいだったのか

P「かぼちゃパンツでなく?」

杏「かぼちゃパンツでなく」

P「……え、杏が?」

杏「だからそうだって」

P「………杏が?」

杏「何回聞き返すつもり?」



P「HAHAHAHAHAHAHA」

杏「えっ?」

P「ないない、それはない」

杏「……は?」

P「いや、だってお前……その体型で、グラビアだろ?際どい所まで撮れってんだろ?」

P「完全に犯罪じゃねーか。俺だって流石に捕まりたくはないぞ」

杏「………」

P「大体杏を見て欲情する奴って、どんな変態だよハハハ」



杏「……私帰る」

P「おう、またな〜」

これはPがあきまへんわ…気持ちはわかるけどさ、うん

デリカシー無さすぎィ!

〜回想終わり〜

P「……すまん、覚えてない」



杏『………』

泰葉「……えぇー」

美優「ぷ、プロデューサーさん……」



P「こ、この所打ち上げやら接待やらで忙しすぎて、その……記憶が」

杏『も、もープッツンきた!杏はたった今逆襲するって決めたよ!ガチだからっ!!』

杏『あれだけ丁寧に再現シーン流させておいて「覚えてない」ってさぁ!何だよそれ!?』

P「す、すまん……」

杏『やっぱりプロデューサーって身体の起伏のことしか考えてないんだね!良く分かったよ!!』

P「いや、そういう訳ではなくてだな」

杏『だったら杏はもう二度と働かないって、ここに宣言する!』

P「それはいつも宣言してるだろうが!」

杏『今度ばかりはガチだよ!ウソじゃないよ、ホントだよ!』

P「……杏の言い分はまぁ、分かるよ。多分、俺が悪いんだろうが……」

P「だがそれで杏が俺に、こんな罰を与えるなどと……!」

杏『私、フタバ・アンズナブルが粛正しようというのだ!プロデューサー!!』

P「エゴだよそれはっ!」



泰葉「でもアレはちょっと酷いってレベルではないですよね……」ヒソヒソ

美優「……少なくとも、女の子にかける言葉じゃないと思うわ」ヒソヒソ

P「うぐっ……」

P「こ、こうなったらライフライン……電気や水を断って、無理やりにでも!」

杏『ふふふ……Amamizonで部屋に取り寄せた、この物資を見よ!』

杏『これだけでも杏はあと2ヶ月は戦えるもんねー』

P「なんだとっ!?……こ、ここに2ヶ月も引き籠られたら、ウチの事務所は……!」



泰葉「んっ……」プルプル

美優「?……どうしたの、泰葉ちゃん?」

泰葉「少し、催してきたみたいで……ペットボトルか何か、容器は持ってます?」

美優「えぇ。ちょっと飲み残してるけど、私のでよければ」ゴソゴソ

P「えっ?……ちょ、まっ……す、ストップゥゥゥゥゥ!!」

泰葉「?……何か?」

P「君達は俺の横で何とんでもないことやろうとしてんの!?」

泰葉「だってトイレまで行くの、面倒臭いですし。廊下を汚すよりは……」

美優「ふぅ……全部飲み干したわ。泰葉ちゃん、もう準備OKよ」スッ

P「だからペットボトルは携帯トイレじゃ……ああぁ、ちょっと!ダメですってば!!」

杏『………』



P「…………わ、分かった!分かったよ、ちゃんと謝る!謝るから!!」

P「俺が悪かった!酷い事言っちまって悪かったよ!全面的に俺が悪かったんだ!!」

P「だ、だからもう、許してくれ!頼む!……お願いだ、杏ぅ!!」ドンドン

そのペットボトルは私が捨てにいくよ

杏『……反省した?』

P「反省しました」

杏『ホントに?』

P「はい」

杏『じゃあ、証拠がほしいな〜』

P「証拠?」

杏『うん。これから言われた通りのこと、私の前で見せてくれたら許してあげなくもない』

P「……俺に何をやれと?」

杏『まず、そのペットボトルを尻に挟んでー』

P「………」ゴソゴソ

杏『右手の指を鼻の穴に突っ込んで—』

P「………」ズボッ

杏『左手でシャドウボクシングをしながらー』

P「………」シュッシュッシュッ

杏『いのちをだいじにって叫んで』

P「………」シュッシュッシュッ

杏『じゃなきゃ許してあーげない』



P「いのちをだいじにっ!!」クワッ

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