女騎士「七人の女騎士」 (282)




女騎士  「タイトルでピンと来た通の方、まあ大目に見て欲しいねえw」

女聖騎士 「女の騎士が七人も揃いながら、大人気の痴女の騎士はいないんだサーセンwww」

姫騎士  「オークは沢山出て来ますけれど、ことごとく皆殺しですわ!」

騎士見習い「えっちシーンがあるからね? お子様は読んじゃだめだよ?」

黒騎士  「凄惨な流血場面が多い…。文字だけだが。」

竜騎士  「性暴力描写がありますので…健全な男女への悪影響が懸念されます。」

王国騎士 「どこかでお会いした方、お久しぶりです。これは少し前のお話になります。」





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(森林地帯・エルフの村)



オークA 「ブヒヒヒヒヒ~~~っっ!」

女エルフ 「いやああああっ! 離してえっ!」

オークB 「刈り尽くしたかと思えば、まだまだ上玉が残ってたブヒ~ッwww」

オークC 「この分だと食い物も蓄えてるはず! くまなく探し出すブヒッ!」

男エルフA「ま、待ってくれっ、娘を連れて行かないでくれっ」

山賊首領 「うるせえ! つべこべ言いやがるなっ!
      てめえら誰のおかげで生き永らえてるんだっ!? んぁ!?」

男エルフA「わかっとりますっ、し、しかし、娘は身篭っています、大事な時なんです、だから――」

山賊首領 「るせえ! おい野郎ども! 引き揚げるぞ!」

男エルフA「こ…この人でなしがあっ!」 ダダダッ

山賊首領 「フン!」 ザシュッ!

男エルフA「ぐ…ぐぅっ…」 ドサッ

女エルフ 「お父さん!?」

山賊首領 「ちっ! バカめ、んな鉈なんかで俺に敵うかよ!」

男エルフA「」

女エルフ 「お父さんっっ いや! いやあっ!」

オークD 「親分、食い物もたんまり蓄えてありましたブヒッ!」

山賊首領 「まあ今日はこんなもんだろ! てめーら、引き揚げるぞ!」

山賊達  「イエーァ!」









(森林地帯・エルフの村・長老の家)



男エルフB「男エルフAやつ殺されちまった…。そんで娘さ、連れてかれたべさ!」

男エルフC「燻製にする肉をごっそり全部持っていかれただ。今年の冬はロクな食べ物が無いぞ。」

男エルフD「もう、この森で生きていくのは無理だろ…。みんなで逃げるしか…」

男エルフC「逃げるったってよ、受け入れてくれる森なんかねえよ?」

エルフ娘 「戦うのよ! ご先祖様はみんなそうして来たじゃない!」

男エルフE「戦う? どうやって? あいつら人殺しなんか何ともねえ、勝ち目なんかないぞ。」

男エルフF「武器ったって、鉈と鍬と鎌と狩りの弓しかない。オークどもの棍棒に勝てる気がしねぇ」

男エルフG「戦うなんてとんでもねぇ! そんなことしてみろ、皆殺しにされっぞ!」

エルフ娘 「じゃあ、いつまでこんな惨めな暮らしを続けるつもり!?」

男エルフH「おめえは自分が戦う立場に無いからそんたらこと言えるんだ! オレには養う家族が居る!」




男エルフG「女はええよ、いざとなったら、ご奉仕します許して下さいって言って
      チ○コしゃぶってやりゃ、殺されることはねえべさ」

エルフ娘 「ふざけないで! どれだけの恥辱か分かって言ってるの!?」

男エルフC「恥辱だの誇りだので命には代えられねえよ?」

エルフ娘 「それでも男!? 他所の森のエルフが聞いたら嘲笑うわ! m9(^Д^)プギャーwwwって!」

男エルフD「他所の森の奴らなんか知ったことかっ」

男エルフH「おめーが戦ってみろ! 口ばっか達者な娘っこが偉そうに!」

エルフ娘 「揃いもそろってタ○ナシばっか! 呆れるわよ!」

男エルフE「オラ達がみーんな殺されても、おめーはメス奴隷として可愛がってもらえるぜ!」

男エルフG「オークのナニぶち込まれて豚の子でも孕めば、その減らず口も叩けなくならぁ!」

エルフ娘 「~~っっ!!」

長老   「 ばかもん!! お前たち、それでもエルフか!! 」

長老   「どこの田舎百姓おやぢの集会だよと、読者が呆れておるわ!」

エルフ娘 「田舎百姓おやぢだってこんな下品じゃないわ。」

長老   「…こほん。私に考えがある。」









(王国商業都市・教会)



女聖騎士 「それで、その山賊どもの親玉は何者だ? すげえ大悪党か? それとも悪の魔法使いとか?
      邪神を崇拝する異教徒どもか!? それとも魔王復活を目論むテロ組織か!? 」

エルフ娘 「…いえ、ただの山賊だと思います。」

女聖騎士 「なんだよ、くだらない…。そんなの衛兵に言って追っ払ってもらえばいいだろうが。」

男ハーフエルフ 「衛兵屯所には何度も行ったんだ。村に衛兵の人も来てくれたけど…」

エルフ娘 「何時来るか判らない山賊を追い払う為に森の中で何日も見張ってることは出来ないって…」

女聖騎士 「そりゃそうさな…。じゃ傭兵を雇うといいぜ。金はいくら持ってる?」

エルフ娘 「村のみんなで出し合ったの。銀貨20枚」

女聖騎士 「そりゃ、全然足りない。話にならないぜ…」

男ハーフエルフ 「貧乏な村なんだ。森で狩りしたり山菜獲ったり薪作ったりして暮らしてる。」

エルフ娘 「どうか神の思し召しを…」

女聖騎士 「だめだめ、神様はもっと悪い巨悪を討つのに忙しいんだ。他所へ行きなよ。」









(王国商業都市・酒場)



男ハーフエルフ 「ダメだ…。誰も相手にしてくんないよ。報酬が割りに合わないって。」

エルフ娘 「世の中、お金が全てって感じよね…。どうしたらいいのよ、もうっ」

男ハーフエルフ 「なあ…、いっそこのまま二人で村出て、街で働いて暮らさないか?」

エルフ娘 「何言ってるのよ!? 私達はそれで良くても、村のみんなはどうなるの!」

男ハーフエルフ 「あんな連中どうでもいいじゃんか。放っておいて二人で――」

エルフ娘 「馬鹿な事言わないで! ご先祖が代々守ってきた森よ! それを捨てて逃げるなんてっっ!」




騎士見習い「なあ君たち、何か困り事かい? ボクでよければ相談に乗ってやろうじゃないか!」

エルフ娘 「貴女は?」

騎士見習い「見ての通り、ナイトさ! 自由を守る正義の味方! 悪いヤツはボクがやっつけてやる!」

男ハーフエルフ 「…ナイトなのに鎧着て無いの? 普通に女の子にしか見えない。」

騎士見習い「失礼だなあ。戦争でもないのに鎧なんか要らないよ。」

エルフ娘 「その細くて小さな剣、戦えるの? 頼りなさそ…」

騎士見習い「レイピアをバカにするなよ。騎士が決闘に使う正装だよ?」

エルフ娘 「貴女、誰かと決闘して勝った事あるの?」

騎士見習い「決闘なんかしないよ。
      ボクをバカにしてくる奴にいちいち決闘申し込んでたら、命がいくつあっても足りないし。」

男ハーフエルフ 「だっせ…」

エルフ娘 「せっかくだけど、貴女の助けは要らないわ。お気持ちだけいただいておきます。」


チンピラA「よう、お嬢ちゃん、俺たちにコマり事があるんだよ、聞いてくれるんだろ?」

チンピラB「俺たちもう三日もヌいてねーんだよwww」

騎士見習い「売春窟なら街の西の端まで行かないと無いよ。」

チンピラC「バクチ負けっちまってよぉ、遊ぶ金ねーんよ。だからさあ、お嬢ちゃんで我慢すっからwww」

騎士見習い「お前らみたいな早漏が、我慢するとか説得力ないわーwww」

チンピラA「んだとこの女ぁ! 調子ん乗ってんじゃねーぞ!?」

エルフ娘 「ちょっと、あなた達――」

男ハーフエルフ 「だめだよ、止めときなよっ」 グッ

エルフ娘 「でも!」

男ハーフエルフ 「俺らには関係ない。」

チンピラB「奥歯ガタガタ言わしてやろうかぁ!? ああ!?」

騎士見習い「奥歯が虫歯でガタガタなのはお前だろっwww」

まず誰が誰だよ
ユルブリンナーが女騎士でいいのか?

>>9
すま、配役とか忠実に沿ってないんだ。別物と思って。


チンピラC「こいつっ! おいっ、こいつひん剥いて犯っちまおうぜっ!」

騎士見習い「わっ、ちょっと! 何すんだよ! 離せよぉっ!」

店員   「店内で騒ぎは困ります。どうぞ外へ。」

チンピラA「だとよ! そいつ連れ出せ!」

チンピラB「来いよ! お外でいい事しようぜえ!」

騎士見習い「イヤだよ! ボクそんな趣味ないよ! 口臭えよ!」

チンピラC「剣の突きなんかよりよっぽど気持ちイイ"突き"を教えてやるぜえwww」

エルフ娘 「…あの子、連れてかれちゃうわっ」

男ハーフエルフ 「俺らにはどうしようもない。ほっとけ、他人だ。」

ただでさえ名前ついて無くて名称が似通ってて見分けるの大変なのにそれはキツいぞ……

お前だけだろ 普通に見れるわ


女騎士  「おい店員、このリンゴ、一つもらうぞ。」

騎士見習い「ふざけんなよっ 騎士を本気にさせたら後悔するぞっ!? ちょ、聞いてるのかよ!?」

チンピラA「本気になったらすげえんだとwwwこりゃイッパツだけじゃ済まねえかもなwww」

女騎士  「なあおい、チンピラ諸君。今なら大目に見てやるから、その子放して失せな?」

チンピラB「なんだてめえは?」

チンピラC「俺たちと一緒に遊びてえのか?www」

女騎士  「失せないとひねり潰すぞ、と言ってるの。」

チンピラA「うっせえ、BBA! しゃしゃり出るなっ」 チャキッ!

女騎士  「 っ 」 グッ!

リンゴ   ブシュッ!!

チンピラA「………。」

チンピラB「片手だけでリンゴくしゃくしゃに握りつぶしやがった…」

チンピラC「こいつやべえ…」

女騎士  「で? 返事は?」 コキキッ

チンピラ達「調子に乗ってました、スミマセンでしたっっ」 orz orz orz









(王国商業都市・酒場)



騎士見習い「ありがとうございました! お姉さん、ステキでしたっっ!」

女騎士  「剣を抜かずに済んで何よりだ。」

エルフ娘 「あの女騎士いいわ! 気に入った!」

男ハーフエルフ 「えー、女じゃんよ…」

エルフ娘 「あのっ! 貴女を騎士と見込んで、お願いしたいことがあります!」

女騎士  「あん? なーんで騎士だと思うのかなあ? 剣すら下げてないただのBBAの筈だが…」

エルフ娘 「あたしはエルフです! 人の放つオーラが見えます! 貴女の放つオーラは騎士色!」

男ハーフエルフ 「えー、そうなの?」

エルフ娘 「おだまり」 ゴスッ


エルフ娘 「貴女はまさしく正義の騎士! 愛の騎士! 貴女のような方を探してました!」

女騎士  「愛のほうは負け越してるけどねwww」

騎士見習い「あの… 愛でしたら… もしあたしでよければ…」 モジモジ

女騎士  「きみ、さっきまで一人称がボクだったよ?
      急にしおらしくなって見せてもすぐメッキが剥がれるよ?www」

騎士見習い「えへへー、ばれましたぁwww」

エルフ娘 「私達の森に、オークを引き連れた山賊どもが度々現れるようになって、食べ物も女の子も、
      古新聞や空き缶や資源ごみ、タンスの中のコインまで何もかも奪っていくのですっ」

女騎士  「村を護ればいいのか? 敵の数は?」

男ハーフエルフ 「よくわからないけど、40か50くらい? もっとかも…」

女騎士  「そりゃ、手練れの二十三十も居なきゃ話にならないな…」

エルフ娘 「お金はこれで全部。村の人全員で金目のもの全部売ったの。
      足りなければ農具も売るし、それでも不足なら私が売春窟に入ってもいいわっ」

女騎士  「全部か…。必死だな…」


男ハーフエルフ 「もう何人にも断られて、他に頼める人がいません。」

エルフ娘 「愛をお望みでしたら、私を好きになさって下さいませっ。ですからぜひ!」

女騎士  「…分かった、引き受けよう。ああ、私はノーマルだから愛は真心にして頼むよw」

騎士見習い「ではボクも旅支度をしてきますね!」

女騎士  「いやいや、お前は駄目だ、遊びじゃない。雇わないぞ。」

騎士見習い「ボクだって立派に戦えるよ! ゴブリンやっつけたんだから!」

女騎士  「素人が首突っ込めるほど甘い仕事じゃない。いいからお家に帰んな。」









(王国商業都市・宿)



女騎士  「あー、なんだい騒がしいねー。」

宿主人  「あ、お客さん、すみませんね、ついうるさくしちまった。」

女騎士  「まだ寝る時間じゃないからいいけどさ。何騒いでんだい?」

運送屋  「それがさ、ここのお客さん宛ての荷物を運んでたら、ドラゴンに襲われてさ!」

女騎士  「ドラゴン? ドラゴンって…あの火ぃ吐くドラゴン!?」

運送屋  「びっくりしたのなんの! 突然、荷馬車の前に飛び降りてきて! 一目散に逃げ出して来た!」

宿主人  「ベッドだの家具だのを、運んで来てもらうはずだったんだけども?」

運送屋  「申し訳ねえ。でもよ、ドラゴンがうろついてるのに、荷馬車取りに戻るなんて
      おっかねえことできねえよ。荷物の保証金が出ますんでそれでご勘弁を。」


王国騎士 「あの、もし…ドラゴンを見たという方はこちらでしょうか?」

運送屋  「おっ? お姉さん、騎士さんかい!?」

王国騎士 「はい。王国騎士団の者です。ドラゴンが出たという噂の真偽の調査に向かおうと思います。
      遭遇した場所はどのあたりでしょうか?」

運送屋  「南街道を行って、国境を超える前の峠です。
      あっしの荷馬車だけじゃねえ、あそこ通る予定だった流通がみんな止まっちまってる。
      いま市場が大騒ぎだ。駅馬車もブルっちまって出られねえってさ。」

宿主人  「ドラゴンなんて本当に居たんだ? 驚きだね~。」

女騎士  「なあ騎士さん、あんたもしや、凄腕かい? もしかしてドラゴンスレイヤーとか…!?」

王国騎士 「いえいえ、本当にドラゴンなら交戦するつもりはありません。
      噂の真偽と、被害状況を調査に行きます。」

運送屋  「調査って、それでも危ねえよ? 相手は火を吐く魔獣だ。ぱっくり食われちまう!」

王国騎士 「仕事ですから。まずは隠れて、見つかったら全速力で逃げます。逃げ足には自身あります。」


女騎士  「なんか頼りないねえ。マジで食われそう。」

王国騎士 「念のため、遺書残しておきます。」

女騎士  「おいおい、死ぬ気かよ。家族が泣くぞ。」

王国騎士 「あたしは一人者です。家族なんか居ませんから…。それでも食べられたくはないですけど。」

女騎士  「お前、肝据わってるのか何なのか…。」

王国騎士 「そのドラゴンですが、大きさはどのくらいでしょうか?」

運送屋  「山のようにでけえよ! あのぶんじゃ牛や馬ならぺロリ一飲みじゃないか!?」

運送屋  「そ、そうだそうだ! 背中に人が乗ってた! 女みたいだ!」

王国騎士 「え? 人が…!?」

女騎士  「なんだと…!?」









(南街道・馬上の騎士)



王国騎士 「本当に付いて来るのですか? 危険ですよ?」

女騎士  「お前だって危険じゃないか。いいだろ?」

王国騎士 「ワイバーンていう翼竜が、よくドラゴンと間違われると聞いていますが、
      もしそれだったとしても大変危険な魔獣に違いは無いです。」

女騎士  「詳しいじゃないか。なるほど敵を知る事は生き残る重要な条件だ。お前、なかなか出来るな。」

王国騎士 「古い資料を読んだだけです。牛や馬を一飲みって言ってましたが、
      そのドラゴンがそんな大きいなら、それこそ伝説の勇者とかを呼んで来ないと退治できません。」

女騎士  「その伝説の勇者とやらはどこに住んでるんだよwww」

王国騎士 「騎士団の出番だったとしても、詳細の報告が無いと、出没したという噂だけでは
      何の対策もされません。できれば全長を計らせてもらえれば、十分な報告書が書けるのですが。」

女騎士  「寝てるとこを近づいて、計りで計るってのか?www」

王国騎士 「じっとしてて下さいねー全長計らせて下さいねーってお願いしてみましょうか?」

女騎士  「それで言う事聞いてくれるなら苦労ないなwww てかお前、余裕だなあ!?」

王国騎士 「冗談でも言って無いと怖くてやってられませんw」


女騎士  「そいつにもし人が乗ってるなら、そいつは"竜騎士"ってんだ。ぜひ会って見たいもんだ。」

王国騎士 「ドラゴンナイトとかドラゴンライダーって、そんな英雄譚に出てくるような人が
      本当に居るのでしょうか?」

女騎士  「どんな猛者か、この目で見たいだろ!?」

王国騎士 「あの、いきなり決闘申し込んだりとかしないで下さいね?
      立場上、あたしは仲裁しなければならないのですが、そんな怖い事したくありません。」

女騎士  「ははは、面白いこと言うな? ドラゴンを従えるような豪傑に、敵うなんて思って無いよ。」

王国騎士 「お話できるようなら、事情徴収してなるべく穏便に済ませたいです。」

女騎士  「ドラゴンナイトを相手に事情徴収かい?www」


女騎士  「お前、勇敢なのか臆病なのか判らないなあ。
      お前のその聖槍、いい得物じゃないか。それなりの武勲挙げないと賜れない代物だろ。」

王国騎士 「"ヴァルキリージャベリン"をご存知でしたか。ミノタウロスを討伐して王家より賜りました。」

女騎士  「あの半牛の化けモンをぶっ倒した? すげえな。乙女が危険な仕事をよくやるよ。」

王国騎士 「おかげで、近衛騎士への昇格を推挙してもらえました。
      今は昇格に必要な論文をまとめる為に各地の治安の現状を見て廻っています。」

女騎士  「うは、急に役人くせえ話になるwww」

王国騎士 「戦闘実技だけでは騎兵止まりです。騎士には士官としての幅広い能力を求められるので。」

女騎士  「論文なんかが必須じゃ、私は王国の騎士には成れないなあwww」

王国騎士 「女騎士さんは何方かに仕えて?」

女騎士  「いんや。強いて言えば、正義と自由に仕える騎士…としておこうか。」


王国騎士 「ではお仕事は何を? 傭兵でしょうか?」

女騎士  「平和なご時勢だ、そんな儲かる話は少ないよ。臨時で雇われの衛兵とか。」

女騎士  「儲からないと言えば、全然儲からない仕事があるんだが、お前、一緒にやらないか?」

王国騎士 「全然儲からない…仕事ですか?」

女騎士  「エルフの寒村にオークの群れを引き連れた山賊がしばしば現れて苦しめられているって言うから、
      そいつら追っ払う。飯くらいは出るが報酬は一人たった300。どーよ?w」

王国騎士 「いいですよ? そういう事なら騎士の役目でもあります。報酬はいりません。
      いま指揮できる部下は与えられてないのであたし一人になりますが。」

女騎士  「敵の数は良く分からんが、40は下らないwww」

王国騎士 「また遺書書かなければならないですね、はぁ。」

女騎士  「えらく安受け合いだな!? 他に何も出ないよ!?」

王国騎士 「戦死も給金のうちです。ああ、でも怖いので死にたくないですが。」


女騎士  「騎士として名誉の死ばかりじゃないよ?
      相手はオークだ、こいつぁ大変な淫獣で、女と見りゃ強姦して、豚の子を孕ませられた例も
      多々あるってことだ。女の全てを蹂躙され尽くされるってのは、ある意味死より辛い。」

王国騎士 「……。女としてはもうダメかも知れませんが、死ぬよりマシのような気もします。
      女の子としての貞操観は捨てたほうがいいと教官が言ってたので、そう思う事にしてます。」

女騎士  「女である前に騎士であろうってか? お前、気に行ったよ、よろしくなwww」









(南街道・馬上の騎士)



女聖騎士 「よう! 女騎士、やっと追いついたぜ!」

女騎士  「ちっ うるさいのが来たもんだ。」

王国騎士 「お知り合いの方ですか?」

女聖騎士 「さすがだな、女騎士。今度はドラゴン退治で名を挙げようとは、大きく出たな!?」

女騎士  「よしてくれ、ドラゴンとの戦い方なんか知らないし、そんなつもりないよっ」

女聖騎士 「またまたw 判るぜぇ? 背伸びしてんのが。こちらの王国騎士さん、すげえ使い手なんだろ?
      聖槍ヴァルキリージャベリンとくれば、戦乙女の証とまで言われてるんだ。
      ドラゴンを狩るならこのくらいの使い手を相棒にしないとな!」

王国騎士 「いえいえ! あたしドラゴンと戦うつもりありませんよ!? 勝てるわけ無いです。」

女聖騎士 「まずは様子を見て、勝てそうな相手か見極めないとな。
      ただ闇雲に突撃するようなバカじゃ、あんたらのような英雄にはなれねえ。判ってる。」

王国騎士 「英雄? あたしは全然違いますよ? 女騎士さん…?」


女聖騎士 「なんだ、知らないのかよ。この女騎士様はな、亡国から十字軍を叩き出した大英雄さまだぜ?」

王国騎士 「えっ…! 亡国って…あの解放戦線の!?」

女騎士  「ったく、ぺらぺらしゃべるなちゅーの…。昔の話だよ。」

王国騎士 「ええっ…!? 亡国解放戦線の自由騎士って、女性の方だったんですか!?
      てっきり、筋肉もりもりマッチョマンの大佐みたいな人だと…」

女聖騎士 「敵側の私ですら胸がすっとするくらい、十字軍のケダモノどもを完膚なきまでにノしたんだ。
      教皇の奴、ざまあ味噌漬けだったわwww」

女騎士  「でも結局国は無くなっちまったねえ。いいから忘れろ。それより何しに来たの?」

女聖騎士 「私もドラゴン退治に加わるぞ!
      ドラゴンスレイヤーなんてすっげー称号を得るビッグチャンスだ! アタシにも一枚噛ませろ!」

女騎士  「だから戦うつもりは無いと言ってるだろっ」

女聖騎士 「ケチなこと言うなよっ 英雄二人が三人になったって名誉は減るもんじゃないだろ?www」

王国騎士 「本当にこんな街道にドラゴンが出たのか、被害の状況がどうか、確かめるだけですよ?」

女聖騎士 「わかったわかった、アタシだって無闇にドラゴンに飛びかかって死にたくはないさ。
      あんたらが攻撃に出るまではおとなしく従ってるよ。だからいいだろ!? 仲間に入れろwww」

女騎士  「聞いちゃいねえよ…ったく」









(南街道・峠)



女聖騎士 「なあ、あの娘はなんだ?」

女騎士  「女戦士…といったところか? でもスラリとしてて腕とか筋肉ないよな…。」

女聖騎士 「なんで半裸なんだよ。服も着ないで胸当て直接つけてるって、なんだありゃ?」

女騎士  「あの申し訳程度の面積の装甲な、ビキニアーマーって言うらしい。」

王国騎士 「えー…あれって都市伝説か何かだと思っていました。」

女騎士  「実在してるのは知ってた。帝国の闘技場で女の剣闘士が着てたりする。
      実用云々よりも観客ウケってことであんなんらしい。」

王国騎士 「ちょっと事情徴収してみます。」 タッタッタ..

女騎士  「付き合おう…」


王国騎士 「あたしは王国騎士団の者です。失礼ですが、ここで何を? 」

娘    「あ…。その…。どうぞお構いなく…。」

王国騎士 「見たところ荷物も何も持っていらっしゃらないですし、その…服が…」

娘    「荷物は主が…。ああ、そう、このあたりで、不審な荷馬車を見ませんでしたか?」

王国騎士 「この街道は、ドラゴンが出たって噂で持ちきりで今誰も通らないのです。
      見た所、貴女は馬も連れて居ないようですし、そんな格好で徒歩でここまで?」

娘    「いえ、徒歩では…」

女騎士  「なあ、そんな美味しそうな格好してちゃ、ドラゴンでなくても食われちまうよ?
      なんなら後ろ乗ってくか?」

娘    「あ…いえ… どうぞお構いなく…」

女聖騎士 「構うなったってよ、いざドラゴンが出て目の前で食われてくれちゃ、目覚めが悪いってんだよ。
      町まで送ってやるからホレ、乗りな!」

娘    「え…あ…いいですっ その…大丈夫ですから…」


女聖騎士 「おいおい、武器何も持って無いとかどうしちまったよ? 無用心にも程があらあなっ!」

娘    「ああっ、いいんです。いえっ、そのっ」

??    グルルルルルッッ…!

王国騎士 「…!! 何、今の…!!」

女騎士  「すぐ近くだっ! その藪の向こうだっ!」

女聖騎士 「ドド、ドラゴンかっ!? どうしてそんなっ、何時の間にっ!?」

??    ガアアアアアアアッッ!!

      ミシミシメキッ! バキバキビシッ! ミシミシミシっ!!

娘    「主よ! 大丈夫、この人たちは敵じゃない! だからお願い、静まって!」

ドラゴン  シュ―――――――――ッッ!! 

女騎士  「で、でた…」

王国騎士 「 」

女聖騎士 「あわわわわ…」










(南街道・峠)



ドラゴン  グルルルルルル・・・

竜騎士  「驚かせてしまいました。すみません…。」

女騎士  「こいつがドラゴン…こえええwww」

王国騎士 「全長約6、7メートルくらいでしょうか。大王イカよりは短いですね?」

女聖騎士 「なーに冷静に観察してるんだよ、やっぱ戦乙女は度胸が違うぜw」

竜騎士  「この子は私の主ですが、火竜としてはまだ子供です。」

女騎士  「ドラゴンが主? あんたがドラゴンの主じゃないのか?」

竜騎士  「契約により主従となっており、私が従者です。」

女騎士  「てっきり、ドラゴンすら従わせるすげえ猛者が竜の騎士なんだと思ってたんだが…。」

竜騎士  「そういう方もいらっしゃるのかも知れませんが、私は形ばかりの騎士、乗ってるだけです。」


王国騎士 「そのドラゴンさんが、こんな人通りの多い街道で何を?」

竜騎士  「国境の向こうで人狩りが出まして、攫われた子の家族から、連れ戻して欲しいと頼まれました。
      奴隷密売の荷馬車が通ると聞いたので…」

女騎士  「ああ~、それで怪しいと踏んだ荷馬車を片っ端から襲撃したのか。」

竜騎士  「はい。この子の姿を見た人はみんな馬車を捨てて逃げ出すので、手荒なことをせずに済みます。」

女騎士  「ほーん? それはこのドラゴンの命令でやってる仕事かい?」

竜騎士  「いえ。私が主にお願いして、手伝っていただいてます。」

女騎士  「へー。じゃ、やっぱこのドラゴンは君の言うこと聞くんじゃないか。なら立派な竜の騎士だ。」

女聖騎士 「なあ! 今言ったその攫われた子ってのは、どっかの王族かなんかかい!?
      救出したら英雄かい!?」

竜騎士  「農村の娘さんです。賄賂をたくさん渡さないと役人も捜索の手はずすら付けてくれないと、
      ご両親が泣いてらしたので…」

女聖騎士 「あ~、なんだよ、シケた話ばっかじゃんか…」

女騎士  「いやいや、世の中捨てたもんじゃない、君のようなお人よしを探していたんだw
      なあ竜騎士さん、全く儲からない仕事があるんだが一緒にやらないか?www」









(南街道・峠)



女聖騎士 「おい、でかい荷馬車が通るぜ?」

王国騎士 「御者の方、一人だけですね。なんだかものものしい格好です。」

女騎士  「真っ黒なプレートメイルなんか着込んで、戦争にでも行く気か?」

王国騎士 「事情徴収に行きます。」

女騎士  「付き合うぞ。ドラゴンと竜騎士さんは隠れててくれ」

女聖騎士 「しゃあねえ、アタシも。」

王国騎士 「失礼! あたしは王国騎士団の者です。馬車から降りて下さい!」


黒騎士  「なぜだ?」 ガシャッ

女聖騎士 「あれ、女じゃん?」

王国騎士 「積荷を改めさせていただきます!」

黒騎士  「後ろの積荷は、死体だけだ。」

王国騎士 「死体…!? と、とにかく降りて下さい!」

黒騎士  「やれやれ。」 ガシャッ

王国騎士 「女騎士さん、積荷を見ていただけますか…!?」

女騎士  「ああ…。なんだこの馬車、鉄の檻が… うっわ、マジ死体だ。血まみれ…!」

王国騎士 「なんですって…!」

黒騎士  「私が屠った。」

王国騎士 「屠ったって…殺したって事!? いったい誰!?」

黒騎士  「人狩りどもと売人。残らず狩り取って、捨てに行くところだった。」

女騎士  「この荷馬車…奴隷を運ぶ為の牢だな…」


王国騎士 「殺人の容疑で貴女を連行しますっ 武器を捨てなさいっ」

黒騎士  「…分かった。」 ガシャッ

竜騎士  「あの…捕まっていた人たちは…?」

黒騎士  「全員解放した。国境超えたすぐの農村だとかで、歩いて帰れると言っていた。」

竜騎士  「ありがとう! その人達の家族が泣いていたのですっ」

黒騎士  「うむ。だが礼には及ばない。殺りたいから殺っただけだ。」

女騎士  「なんか、両手両足がぐちゃぐちゃになってる死体があるぞ…?」

黒騎士  「仲間の居所を吐かせた。一人残らず屠る主義だ。」

女聖騎士 「拷問かよ…こええ… 司教の異端審問みてえだ…」









(王国商業都市・宿)



老執事  「女騎士殿のお部屋はこちらで?」

エルフ娘 「女騎士は今留守にしてます。
      お仕事の件でしたら、改めてこちらから連絡いたしますがいかがでしょう?」

老執事  「さようですか。残念ですが、もう発たねばなりませんので、代わりにこれを…」 ゴトッ

エルフ娘 「? お手紙ですか。渡しましょう。こっちの重い皮袋は?」

老執事  「僅かばかりの金貨でございます。女騎士殿にくれぐれもよろしくとお伝え下さいませ。では」









(王国商業都市・宿)



女騎士  「いや参った参った、やっと解放されたっ、サツの仕事はあいかわらずどんくせえっ
      王国騎士のやつ、仕事だからって几帳面に過ぎるぜ、たく…」

エルフ娘 「女騎士さま、留守中に身なりの良いご老人が現れて…」

女騎士  「ぜひ私を花嫁にって話なら今はパスだwww」

エルフ娘 「ご老人が趣味ですか? 変わってますね。」

女騎士  「ガキくせえアンちゃんなんかより素敵なダンディのほうがいいってねwww」


エルフ娘 「残念ながら縁談とは…。お手紙と、お金を置いていかれました。」

女騎士  「お金? 銭もらえる心当たりなんか無いが…いくら?」

エルフ娘 「中は見ておりませんが、金貨と言っておられました。これ、お手紙。」

女騎士  「おいおい、マジで結婚の支度金とかじゃねーよな… どれ…、はー、達筆だねえ。」

女騎士  「―――。」

エルフ娘 「あの…?」

女騎士  「わからない…ちょっとまた出かける。」









(王国商業都市・騎士団寄宿舎)



王国騎士 「遅くまでお付き合いさせてしまってすみませんでした。
      もう少しちゃっちゃと事後処理してもらえると思っていたのですが、
      王都と違ってここはのほほんとしているようで…」

女騎士  「黒騎士がぶち殺した奴ら、手配犯で助かったぜ。
      言ったろ? 人狩りの死体なんかうっちゃって、知らん顔してりゃ良かったんだ。」

王国騎士 「あたしは騎士ですから、立場上そんな訳にもいかないのですよ。」

女騎士  「ドラゴン騒ぎはどう報告するのさ?」

王国騎士 「そのまま書きますよ? 騒ぎにはなりましたが、具体的な法に触れるような事実が無いので
      注意して街道沿いより退去させた、と。」

女騎士  「ドラゴンに注意して退去させた、ねえwww」


王国騎士 「あの竜の騎士の女の子も、例の山賊退治のお仕事に?」

女騎士  「ああ。苦しめられてる村人を助けられるなら是非協力するってさ。お人よしでいい子だ。」

王国騎士 「すごいです! ドラゴンが居れば百人力じゃないですか!」

女騎士  「そこまでは期待してない。竜騎士ちゃんもドラゴンも、あまり実戦経験が無いそうだ。」

王国騎士 「でも苔脅しには十分ですよ。山賊やらオークなら見ただけで逃げ出すと思います。」

女騎士  「まあ、そうだろうな。だがいつまでも村に駐留できるわけじゃない。それが問題だ。」

王国騎士 「女騎士さんはどうしてそんなお仕事を引き受けることにしたのです?」

女騎士  「村じゅう金目のもの全部かき集めて金にしたんだと。全部差し出されたのは初めてだ。
      しかもそれであの額じゃ、救いの手を差し伸べるバカは私くらいしか居ないんじゃないか、
      そう思ってねえ。」

王国騎士 「さすが自由騎士、やっぱり英雄って、そういう人たちなんですね。」

女騎士  「こそばゆいからやめてくれw」


女騎士  「ああそうだ、その仕事の事で来たんだった。
      ちょっとどうしたらいいか判らない事案が出来ちまって、相談が…」

王国騎士 「あたしにですか? ええ、何でもどうぞ?」

女騎士  「ご老人が金貨を置いて、この仕事に、とある騎士を雇うように、と口添えがあった。」

王国騎士 「お金を置いて? 資金援助でしょうか?」

女騎士  「そのご老人は亡国の姫に仕えていた執事だ。
      それで、ご指名のとある騎士とは若い娘だが、たぶん姫だろう。」

王国騎士 「えっ? どうして…? それ、判るんですか?」

女騎士  「至らぬ所も多いと思いますが、よしなに、と…」

王国騎士 「その執事さんの孫や親戚だったりとかそういう話ではないのでしょうか?」

女騎士  「執事は新しい主君に仕える事になったとあるから、ならそっちに頼むのがスジだろ…
      私はただのごろつきみたいなもんだよ…。」

王国騎士 「そのお姫様を、護って欲しいということでしょうか?」

女騎士  「そこんとこが判らない。でも私は亡国の騎士では無いし、王家に忠誠を期待される
      言われはないんだ。なーにを期待されてるのか、それが判らんのよねえ。」


王国騎士 「山賊退治の仕事に雇えとはどういう意味でしょう?」

女騎士  「亡国の姫は、兄たちに代わって鎧を纏い、全軍の軍神みたいな存在だったそうだよ。
      もっとも、国は滅んで王家は散々、姫も行方を晦ましていると聞いていたが…」

王国騎士 「なら、お姫さまとはいえ、強いお方なのでしょうか?」

女騎士  「どーだか。最前線を掛け抜けるならいざ知らず、近衛にがっちり護られての行軍なら、
      自分でチャンバラできる必要ないしなあ。」

女騎士  「姫と思しきその騎士に会って問い詰めてみるのが手っ取り早いが、王家の考えることは判らん。
      どういう切り口でどこまで話していいやら。」

女騎士  「お前は王に仕える騎士だろ? どう思う?」

王国騎士 「王に仕えてはいますが、王族の方とはちょっとお話したことあるだけで、親しい訳では…」

女騎士  「そうか~。どーすべなあ~ 金つっ返すにも執事はとっくに行っちまったろうしなあ。」

王国騎士 「やはり、そのご指名の騎士さんに会って、全部話してみては如何でしょう。」









(王国商業都市・酒場)



チンピラA「ひいいいっっ! たたた、助けてっっ…」

チンピラB「俺の指がぁーっ 指がぁーっ」

チンピラC「うぼぁ…」 (:Q_

王国騎士 「何事です!?」

女騎士  「うわー、チンピラ諸君、どうしたかねー。こりゃ派手にやられたねえ。」

姫騎士  「バーテン、邪魔したわね。これ以上この者らの血で床を汚さないよう、外で始末しますわ。」

店員   「お気遣いありがとうございます。終わりましたら声おかけ下さい。片付けをいたしますので。」

姫騎士  「さあ、表へ出るのですわ。一刀で楽に死なせて差し上げましてよ。」 グィッ!

チンピラA「だ、だれかっ!」 ズルズルズル..

チンピラB「お助けえ~っっ」 ズルズルズル..


姫騎士  「お祈りは済みましたかしら?」

王国騎士 「ま、待ちなさいっ! 何をするつもりですか!?」

姫騎士  「あら? 衛兵さん? 今頃やっとのご到着ですか、ずいぶんのんびりしていらっしゃること。
      わたくしがどこにでもいる娘でしたら、今頃貞操を奪われている真っ最中ですわ。」

王国騎士 「衛兵ではありませんっ その男達に暴力を振るうのは止めなさいっ 何があったのです!?」

姫騎士  「この男達は、三人掛かりでわたくしを侮辱し穢そうとまでしましたの。万死に値します。」

チンピラB「ちょっと上から触っただけだっっ た、助けてっ」

姫騎士  「平手打ちまでくれましたわ。」

チンピラA「お…お前が、俺らを見下すからだっ」

女騎士  「お前ら救いようも無いバカだねえ。せっかく私が大目に見てやったのに、学習しないねえ?」

姫騎士  「騎士を愚弄した罪、死をもって償っていただきます。ご機嫌よう。」 スチャッ

王国騎士 「ダメです! この男たちは衛兵に引き渡すべきですっ」

姫騎士  「ご冗談を。侮辱を受けたのはこのわたくしです。わたくしが裁きを下します。」

王国騎士 「私刑は法で禁じられています! 王国の騎士として見過ごせません!」


姫騎士  「お黙りなさい? 事が終わってからノコノコやって来るボンクラが、何を偉そうに。
      日々平穏に暮らせれば満足な役立たずは、引っ込んでいらっしゃい。」

王国騎士 「あたしは見廻りではありませんっ それにこの男達は法で裁かれるべきです!」

姫騎士  「どうやら話は平行線のようです…。
      これ以上、わたくしのする事を邪魔するのでしたら、決闘を申し入れますわ!」 シャキッ

王国騎士 「あたしと!? どうしてあたしが貴女と決闘なんですか!?」

姫騎士  「わたくしを侮辱した者共の肩を持とうとする、敵対行為と見なして当然ですわ!」

王国騎士 「敵も味方もありませんっ 貴女の無法を止めるのはあたしの仕事ですっ」

姫騎士  「怖気づいて決闘を受ける事すらできない腑抜けに、騎士を名乗る資格があるとお思いですの?」

王国騎士 「私闘も禁じられています! どうしてもと言うのであれば貴女を逮捕します!」


女騎士  「まー、そう熱く成りなさんな、ここはどうか引いてはくれまいか、"姫"どの?」

姫騎士  「…!」

女騎士  「この王国騎士な、これが仕事なんよ。融通が利かない奴だが、騎士って本来そういうもんだろ?
      なっ、そういうことだから、仕事熱心に免じてこいつに任せてやってくれよっ」

女騎士  「どうしてもこのクズどもをお手打ちにならねば済まないほど、大変なことをされたのかい?」

姫騎士  「…。わかりましたわ。このゴミどもの処分は任せます。」

女騎士  「少し話がしたいんだ。安宿だが、私の部屋で飲まないか?」









(王国商業都市・宿)



姫騎士  「これは…執事に持たせた金貨です。」

女騎士  「手紙には、新しい主君に仕えることになった、とある。クビにしたのかい?」

姫騎士  「…。わたくしに残された全財産です。持たせて、解雇しました…。」

女騎士  「全財産? 私のような貧乏人が言うのもなんだが、お姫様の全財産がこれだけかい?」

姫騎士  「…。ええ。」

女騎士  「まあ、贅沢しなきゃ数ヶ月は暮らせる額ではあるな…。私には大金だ。」

姫騎士  「執事は最後まで供をすると言ってくれましたが、もはやその忠誠が意味を成さないほど
      没落してしまいました。これ以上、彼の人生を棒に振らせるのは我慢なりませんでした…。」

女騎士  「その金がこっちに廻って来ちまった。最後の忠誠ってやつか…。」

姫騎士  「これではわたくしは、何も持たせずに彼を放り出したも同然ではっ… うっ、ううっ…」 ポロポロ


女騎士  「全財産を執事にくれて、このあと姫殿はどうするつもりだったのかい?」

姫騎士  「剣と弓の腕には多少の覚えがあります。
      傭兵でも用心棒でもわたくし一人食べて行くくらいならなんとか…」

女騎士  「どうしてこの仕事を選んだかねえ。
      山賊退治っても、僅かな手勢で並み居る山賊を追っ払わなくちゃならない。」

女騎士  「金貨は姫どのに返すわ。もっとマシな仕事を探すといいよ。」

姫騎士  「いえ、わたくしも同行させてください。
      その仕事、執事がわたくしに相応しい門出と見定め、貴女に依頼したのだと思います。」

女騎士  「申し出は有難いが、姫殿をお姫様として待遇することはできないし、
      もちろん護って差し上げることもできない。大勢の賊と戦えば死ぬかもしれない。」

姫騎士  「剣を取った時から、死の覚悟は出来ています。」

女騎士  「オークに弄られ、恥辱を味わうことも有り得る。王家そのものの名を穢すことに――」

姫騎士  「わたくしはもう、姫などではないのですっっ!!」

女騎士  「……。」

姫騎士  「あ…いや…、もう無くなった王家の肩書きに意味など無いということです…」

女騎士  「…そうかい。私としても腕に覚えのある人手は欲しい。
      一晩じっくり考えて欲しいな。それでもよければ歓迎するよ。」









(王国商業都市・宿)



女聖騎士 「おいっ、山賊退治の出発はいつだ!? 当然アタシも行くぜ!」

女騎士  「なあ? ハナから話してる通り、相手は唯の山賊とオークの群れだ、
      数こそ多いが手柄にも何にもなりゃしないぞ? 報酬だって――」

女聖騎士 「またまたぁwww 女騎士ともあろう大英雄が、山賊退治とか笑えるぜwww
      とか何とか言って、背後にいる黒幕は何だ!? 邪教集団!? 悪の魔術師!? 復活の邪神!
      あれだ、新世界建設を企てるテロ集団! もしくは宇宙の彼方、銀河帝国から――」

女騎士  「いやいやいや、ジ○ダイの騎士じゃあるまいしそんなの相手にできるわけねーよっwww
      その荒唐無稽な英雄譚から離れような?www」

女聖騎士 「隠すなよ水臭えなっw 依頼主は誰だ!? 王様か!? 教皇か!? 皇帝陛下か!?
      英雄になったらどんな待遇が待ってるんだ!? 領土か!? 爵位か!? 騎士団長!?」

女騎士  「依頼主は寒村の貧乏なエルフだし、村の英雄になって木彫りの像が民芸屋に並ぶだけだよw」

女聖騎士 「見え透いた冗談はよせwww いいぜ、お楽しみってことだな、分かったよ!
      相手がどんな巨悪だろうと怖かねぇ、ぶっ潰して凱旋パレードだっ ひゃっほぅwww」

女騎士  「ちょ、姉さんそれ違っ… あ~行っちゃったよ…どーしたもんかねアレ…」









(王国商業都市・宿)



黒騎士  「…。やはり貴様だったか。」

女騎士  「おっ!? 黒いの、取調べ大変だったな。なんか用か?」

黒騎士  「あの王国騎士の奴は一緒じゃないのか…?」

女騎士  「いんや? なんで?」

黒騎士  「礼をしてやらんと、気が済まん。」

女騎士  「ま、待てよ、もちつけ? な? あいつにも騎士の立場ってもんがあってな?
      たまたま通ったあんたの馬車を止めちまって、後には引けなくなっちまったんだ、
      頭に来るって気持ちも分かるが、堪忍してやってくれよ、な?」


黒騎士  「じゃ、まず貴様にだけでも…」

女騎士  「ちょっ!? 待てよ、待てったら!
      私は、悪党どもの死体なんか捨てちまって、ほっとけって言ったんだぜ!?
      でも王国騎士のやつ、聞きやしないんで仕方なくだなあっ!?」

黒騎士  「はい。」 スッ..

女騎士  「は、はいっ!?」

黒騎士  「イチゴのタルト。口に合えばいいが…」

女騎士  「はい?」









(王国商業都市・宿)



王国騎士 「女騎士さん、仕事の件、人は集まりそうでしょうか? …って、あら?」

女騎士  「ああ、王国騎士、いいとこに来た、お茶にしようぜw」

黒騎士  「王国騎士よ、世話になったな。」

王国騎士 「意外な処で…?」

女騎士  「黒っちがさ、こんなおいしそーなスイーツw、買ってきてくれたんよw」

黒騎士  「黒っち…」 (///

王国騎士 「いいんですか? 有り難うございます。いただきます。」

黒騎士  「貴様ら二人には世話になった。いろいろ口添えしてもらったおかげで、殺しについては不問だ。
      手配犯の賞金まで貰えた。良い事をした後というのは清々しい。」

女騎士  「殺しの後の飯は美味いってさwww」

王国騎士 「そうですか、さすが"黒騎士"さん、黒いですねw」


黒騎士  「山賊退治の人手を募っているそうだな? まだ足りてなければ私も雇ってくれまいか?」

女騎士  「報酬たった300で四五十の賊とオークを追い払うまで。こんなひでぇ条件でよければw」

黒騎士  「私の取り分はいかほどか?」

女騎士  「報酬は300しかないし、他になーんも無いよ? 全部実費。」

黒騎士  「そうじゃない…山賊とオークを、何匹屠らせてもらえる?」

王国騎士 「ええ?」

女騎士  「何匹屠るって… いやもう、いるだけ全部、好きなだけ…」

黒騎士  「遠慮なく殺していいんだな?」

女騎士  「遠慮って…誰に? まあ、悪党だ、いいんじゃないか?」

黒騎士  「悪党殺りたい放題の出血大サービスか…ああ、なんという官能的な…」

女騎士  「おいおい、濡れそうな顔するような話じゃないよ?」

王国騎士 「あははは… 」 (^^;









(旅路・馬上の騎士達)



エルフ娘 「今夜が最後の宿になります。明日から山道を三日ほどで、私達の森に到着します。」

女騎士  「明日から野宿か、遠いねえ…」

男ハーフエルフ 「粗末だけど橋が出来てから川に入らずに行き来できるようになって、
      これでも昔よりマシだってんだからイヤになる、ったく…」

王国騎士 「今夜の宿は、こんな荒野にあるのでしょうか?」

女聖騎士 「宿というより小屋だな。ベッドもシーツも無いが、野宿よりいくぶんマシか。」

姫騎士  「自炊ですわね?」

黒騎士  「竜騎士が先に行って、焚き火を起こしておいてくれるそうだ。」

姫騎士  「あの子、なんなんですの? いつも裸同然の格好です。見てるこちらが恥ずかしくなりますっ」

黒騎士  「すらりとしてて、お肌が綺麗で、おいしそう…」

女聖騎士 「剥いて頂いちまおうなんて考えるなよ?www主のドラゴンにぱっくりだwww」


女騎士  「なんで裸なんだって訊いたんよ。
      したらさ、ドラゴンの頭の後ろってな、跨ってるとすげえ熱いらしいよ?」

女騎士  「鎧なんか着てたら熱中症、金属表面は火傷するくらい熱くなるし、おまけに火の粉まで
      飛んでくるから革や布地は焦げだらけ。んで結局アレなんだってさ。」

王国騎士 「お肌が火傷したりしないのでしょうか?」

女騎士  「あの子のビキニアーマーは帝国製の超高級品で魔装が施してあって、
      火の粉程度なら平気なんだって。」

姫騎士  「帝国の女はあんな破廉恥な格好したがるのかしら?」

女騎士  「帝国市民の間で人気の女剣闘士があんな格好でウケてるからじゃないかねえ。」

女聖騎士 「やれるもんなら犯してみろと挑発してるみたいだなあwww」

黒騎士  「あの子、ドラゴン抜きならそう強くはないだろう…女の私でも構わないだろうか…?」

王国騎士 「黒っちさん、よだれ…」

女騎士  「竜騎士ちゃんはそもそも武人じゃなかったらしいよ?
      ビキニアーマーだって、女戦士からもらったって。」

姫騎士  「恥ずかしくないのかしらっ」

女騎士  「恥ずかしいけど慣れてくると視線が気持ちいいって言ってたwww」

王国騎士 「目立ちたがり屋さんなのかも知れませんねwww」


エルフ娘 「結局、六人しか集められませんでしたね…。」

女騎士  「これでもよく集まったほうだ。どういうわけか見事に女ばかりだがw」

女騎士  「法則によるとこの面子じゃ山賊はともかくオークに勝てないらしいなwww」

姫騎士  「く、くだらないわ! 何が法則よばかばかしい!」

エルフ娘 「男なんて、ぶら下げてるだけでまるで意気地無しばかり! 要らないです!」

男ハーフエルフ 「オ、オレはそんなことないぞっ!」

エルフ娘 「うーそおっしゃいなっ、いつだって他人事決め込むくせにっ」

男ハーフエルフ 「無駄な争いに首突っ込まないだけだよっ!」

エルフ娘 「首突っ込まずにチ○コ突っ込むことだけ考えてなさいなっ!」

男ハーフエルフ 「突っ込んでもらったことも無い未通女が生意気にっ!」

エルフ娘 「誰があんたたちみたいなヘナ○ンなんかっ!」

王国騎士 「…。エルフってもっとエレガントな種族の人たちかと…」 (^^;

女騎士  「まあ、青二才のうちはこんなもんだろwww」


女聖騎士 「なあおいこの大荷物、いったい何だ? クロスボウか?」

女騎士  「そうだよ。ある方面から若干の資金援助があったから、軍放出の中古を買った。ニ十丁。」

王国騎士 「ニ十丁? そんなに?」

女騎士  「訓練すれば村人にもなんとか使えるだろう。
      我々六人だけで四五十の賊や淫獣と交戦じゃ、どうにもおぼつかない。」

王国騎士 「確かにエルフは弓の使い手が多いとは聞いています。」

女騎士  「腕に覚えがある者は自分の弓を使ってもいい。でもこいつはシロウトでも使える切り札だ。」

女聖騎士 「槍やら棍棒やらメイスみたいな、扱いが簡単な得物のほうが手っ取り早くないか?」

女騎士  「敵に利がある土俵で戦うのは利口じゃないな。白兵戦はオークどもが圧倒的に優位だ。
      生半可なエルフが槍やら棍棒で立ち向かっても蹴散らされるのがオチだろ。
      やつらの手の届かない遠くから狙い射ちなら、勇敢な戦士でなくともビビらず攻撃が可能だ。」

王国騎士 「でも、クロスボウって弓ほど連射利きません。突撃されたらそれまでですよ?」

女騎士  「二人一組にして、一人が射撃を、その間もう一人が装填をすれば、少しだが矢継ぎ早に放てる。
      距離を置いて一方的に攻撃して、あとは突っ込んでくるより先にさっさと逃げさせる。
      あらかじめ退路も確保する。こいつを徹底させる。」

女聖騎士 「はーっ、さすが解放戦線の英雄、戦の勝ち方をよくご存知だwww」


女騎士  「まだあるぞ。殺傷力を最大にする為に、矢に毒を塗る。
      ダークエルフの暗殺者が使うのと同じヤバいのを用意した。心臓止まるぜ。」

女聖騎士 「うわ、えげつねえなあ。英雄の名が泣くんじゃないか?www」

女騎士  「卑怯な手を使わずに掴む勝利に意味がある、と言えるなら使わないよ。
      負ければ我々は逃げ出せばいいが、村人たちの未来は閉ざされる。手段を選ぶ余裕はないんだ。
      まずは、我々と交戦することがどれほど恐ろしい事かと、震え上がらせてやるのさ。」

女聖騎士 「ゲリラ戦の英雄を本気にさせたら、十字軍ごとき蹴散らされるわけだぜwww」

女騎士  「ましてや相手は賊や淫獣だ、正々堂々とは滑稽じゃないかw」

女聖騎士 「まあその一言に尽きるわなぁwww」

王国騎士 「あの、資金援助って…」 ヒソヒソ

女騎士  「ああ、姫騎士が例の金貨を最大限に活用してほしいと申し出てくれた。
      まともな額で傭兵の一人や二人雇うより、こっちのほうが戦力を大きくできるだろ?」 ヒソヒソ

王国騎士 「あの、ありがとうございます。よろしかったのでしょうか?」

姫騎士  「構いませんわ、あの程度のはした金では他に使い道がありませんもの。」

王国騎士 「野営用の道具まで買わせていただいて、すみません。」

姫騎士  「何言ってらっしゃいますの。貴女方全員、大したお人よしですこと。
      このように割りの合わない仕事でも引き受けなさるとは見上げたもの、誉めて差し上げますわ。」

女騎士  「いい感じに上からの物言いだねえwww」









(旅路・避難小屋)



騎士見習い「やっほー♪ お姉さん、元気ぃー?www」

女騎士  「ちょっ!? おまっ… 何でこんなとこに居るかなあ!?」

エルフ娘 「あっ、チンピラに犯られそうになってたダメっ子ナイト!」

騎士見習い「ダメっ子とはなんだっ! ボクが一旦剣を抜いたら奴ら血の海に沈んでたんだぞっ!
      情けをかけてやっただけだいっ!」

竜騎士  「みなさん、長旅お疲れ様でした。」

姫騎士  「竜騎士さん、あなた相変わらず涼しげな格好ですわね…?」

黒騎士  「ぬれぬれに汗ばんで…うふ、うふふ」

王国騎士 「黒っちさん、よだれ…」

竜騎士  「あ、えと、濡れてるのは川に入って身体冷やしてきた所なんです…。」


女騎士  「なあ騎士見習いよ、こんなとこまでどうやって来たのよ!?」

騎士見習い「ドラゴンの背中だよっ! いやぁ~すっげえ眺めよかったあっ!www」

竜騎士  「すみません。気が付いたら主の背中にこの子が…。どうしても付いて来るって言うので…」

女騎士  「なあ、おばさんたち、これから戦争しに行くんだ…」

騎士見習い「こんな時だけ大人ぶったってだめだよーwww 男の一人も出来てからだねーwww」

女騎士  「ちっ、いてえとこ突いてくるねwww」

王国騎士 「あの、歳はおいくつでしょうか?」

騎士見習い「花も恥らう14歳! 一皮剥けたばかりさっwww」

エルフ娘 「14って、まだお子様じゃない!」

騎士見習い「きみは? もしかしてそんなちんちくりんで百歳超えのBBAとか?www」

エルフ娘 「失礼ね! 15よ! あなたのようなお子様と一緒にしないでっ!」


王国騎士 「貴女が14歳だと雇うわけにいかないのです。児童の雇用は法で禁じられているので…」

騎士見習い「お姉さんだっておっぱいそれなりにあるだけで、ボクとそんなに歳違わなくね?」

王国騎士 「あたしは軍属ですから? 民間の雇用法は当てはまりません。」

騎士見習い「お金なんか要らないよっ お姉さん達と一緒に正義の為に戦いたいんだ!」 キラキラ

女騎士  「とは言ってもねえ~」

王国騎士 「帰すと言っても、街までかなりあります。女の子一人でってのは…どうしましょう…」

黒騎士  「硬い事言わずともいいではないか。かわいい子が増えるのは歓迎だ。
      前線に立てなくてもエルフ娘たちの護衛役くらいなら、任せてみてもいい。」

騎士見習い「だよねだよねだよねー! 黒いお姉さん話わかるじゃん! 愛してるよぉ~っwww」

黒騎士  「気軽に"黒っち"と呼んでくれ。」 (///

騎士見習い「パンツみたいな呼び名だねwww」

黒騎士  「ぱん…つ…!?」

女騎士  「もう、しゃーねーな、そうすっか。」

エルフ娘 「なんで私が歳下に護ってもらうのよ、もうっ…」


竜騎士  「川の辺でお風呂沸いてますので順番にどうぞ。」

姫騎士  「お風呂ですか!? こんな何もない場所で!?」

竜騎士  「ドラム缶というのでしょうか、旅人がお風呂代わりに使っていたと思われる丁度いい
      入れ物が二つ放置されていたので…
      生乾きでしたが倒木がたくさんありましたので、主にお願いして炭火にして湯を沸かしました。」

王国騎士 「ドラゴンさんがいると、火には困りませんねw」

女騎士  「炭火か、有難いねー、さっそく焼き鳥と焼き魚できるじゃーんw 一杯やろうw」

姫騎士  「ちょっと!? お風呂入ってるその足元に、肉だの魚だのの串を並べるおつもりですか!?」

女騎士  「いいね! ナイスアイデアwww」

女聖騎士 「それシュールすぎだろwww」

姫騎士  「いえ、あの…、…ごめんあそばせ…」 (///;

女騎士  「今日一番のギャグ確定だわw 一等賞ってことで一番風呂は姫騎士と竜騎士ちゃんに進呈なw
      私ら飯作ってるから入ってくれよ。」









(旅路・川辺の風呂)



竜騎士  「お背中、お流しましょうか?」

姫騎士  「え? …ええ、お願いしてもよろしいかしら?」

竜騎士  「…落ち着かないですか?」

姫騎士  「そうね、何もない外で、裸になるのは慣れませんわ…。」

竜騎士  「私もです。」

姫騎士  「貴女はいつも裸…いえ、なんでもありませんわ。」

竜騎士  「…。私は契約の為に、あの子…いえ主の傍に居て、共に空を駆けねばなりません。
      普通に服を着て飛ぶと、時々火が付いてしまうので。」

姫騎士  「ドラゴンと契約を? 貴女は竜に仕える騎士なのでしょうか?」

竜騎士  「私は巫女だったのですが、そういうことになりました。私は上に乗ってるばかりですが。」


姫騎士  「ランスを携え竜を駆る姿は立派な騎士ですわ。」

竜騎士  「このように扇情的と言いますか、挑発的な出で立ちをしているのにへっぴり腰だなどと、
      みっともない姿は晒したくないと思い、せめて見た目だけは勇壮でありたいと努力しました。」

姫騎士  「貴女、正直なのですね。私の知る見栄ばかりの騎士とは別の人種ですわ。
      でも、黒っち…いえ、黒騎士さんには弱みを見せないようにお気をつけなさいな、
      貴女を狙っていらっしゃるわw」

竜騎士  「?? 女性の黒っちさんが私をどうしようというのでしょう?」

姫騎士  「貴女を襲って裸に剥いて食べてしまおうという魂胆ですわw」

竜騎士  「では驚いて悲鳴を上げたりしないよう気をつけます。主を怒らせたら大変です。」

姫騎士  「…。あなた、そちらの方面では手錬れでいらっしゃって?w」

竜騎士  「そちらの? …ああ、いいえ、そんなことはありません。
      ただ、あの方から悪意は感じません。何かお望みであれば差し上げようと思います。」

姫騎士  「…。お望みって…。ただ貴女を辱めて愉しもうってことではなくって?」

竜騎士  「何かをお望みだから私を辱めて、望むものを得たいというのではないのでしょうか…?」

姫騎士  「わ、わたくしにそのような事を訊かれても困りますわっ
      わたくしには黒騎士さんのような趣味は分かりかねますっ」


竜騎士  「姫騎士さまこそ、高貴なご身分の出でありながら歴戦を重ねておいでですね。」

姫騎士  「なっっ!?」

竜騎士  「乳房や腰周りに傷跡が…」

姫騎士  「こっ、これはっっ!」

竜騎士  「戦場で?」

姫騎士  「あっ、そうっ いえ、そんな大した事じゃありませんわ、ちょっと土路を踏んだのですわ。」

竜騎士  「姫騎士さまはなぜ今回の仕事を?
      危険で全然儲からない割りに合わない仕事だと、女騎士さまがおっしゃっていました。」

姫騎士  「…。この仕事を成し得たなら、取り戻すことが出来る――」

竜騎士  「取り戻す、ですか?」

姫騎士  「個人的な事情ですわ。」









(旅路・川辺の風呂)



女騎士  「なあ、遺書はやっぱり書いたのかい?」

王国騎士 「いいえ。何も書く事が無くて、止めました。」

女騎士  「やっぱり書く気だったんだwww」

王国騎士 「あたしには家族は居ませんが騎士としてのケジメかな、と思ったのですが。
      なんだか仕事の引継ぎみたいな内容しか思いつかなくて。」

女騎士  「恋人とかは? 同期とか仲のいいのでもいいじゃないかw」

王国騎士 「"山賊退治に行ったら死んじゃった、てへ☆"みたいなのも思い付かなくは無かったのですが。」

女騎士  「なんだよその遺書はwww」

王国騎士 「真面目に書いても泣かすだけですし。死んだらあたしのことは忘れて欲しいので…」

女騎士  「忘れて欲しい、か…。若いのに達観してんだなあ。」


王国騎士 「もちろん死にたくないです。怖いですから。」

女騎士  「騎士だからと言って死を恐れることは恥ではないよ。乗り越えて戦えればそれでいい。」

王国騎士 「あの…昔の事、聞いてもいいですか?」

女騎士  「英雄譚を期待してるなら、ろくな話が無いよ。」

王国騎士 「女聖騎士さんとは、その…敵同士だったのですか?」

女騎士  「敵といえば敵だったかも知れないが、関係無いねえ。私が戦ったのは十字軍で、彼女じゃない。
      彼女も建前は教皇に仕える聖騎士団の所属って事になってはいるが、それだけじゃね。」

女騎士  「私は国の騎士じゃないし、彼女も教皇の忠犬じゃない。刃を交える理由は無かったねえ。」

王国騎士 「そうですか、旧知の仲のように見えたので。」

女騎士  「亡国から十字軍を追い出した私が大英雄に見えるらしくて、纏わり付かれて困ってるのよ。」

女騎士  「私は誰に仕えるでもなくくすぶってるだけの唯の独身女だってのに、
      また何か英雄的なドでかい事を始めると思い込んでやがる。違うと言っても聞きやしない。」

王国騎士 「十字軍の敵だった女騎士さんと一緒では、聖騎士団での立場が無くなるのでは?」

女騎士  「あいつ自身が大声で言ってるぜ? 教皇の犬に成り下がるなんざ、騎士の恥と知れだと。
      聖騎士がそれ言っちゃうかねwww」

王国騎士 「よほど教皇が嫌いなのですねw」


女騎士  「騎士と生まれたからには犬に成るな英雄として名を馳せろ…って子供じみた夢に夢中だよ。」

王国騎士 「うらやましいです。あたしは怖がりなので、とても叶えられない夢です。」

女騎士  「おいおい、お前さんもそのクチかい? 戦乙女の証は伊達じゃないなwww」

王国騎士 「いえ、英雄とかじゃなく、何か信条を持ってる騎士って、いいなって…。」

女騎士  「何言ってるよ、お前だって強い信条を持った一人前の騎士じゃないかい。」

王国騎士 「あたしですか? ただ仕事をしているだけです。」

女騎士  「法と秩序の守護者! これほど騎士らしい騎士もそう無いもんだwww」









(旅路・川辺の風呂)



女聖騎士 「悪いね、竜騎士ちゃんじゃなくってさwww」 ザブン

黒騎士  「気にしないでくれ。良く考えたら、風呂に入るなら脱いでしまう。脱がす楽しみが…」

女聖騎士 「うわやべーwww 本気だったかwww マジ百合www」

黒騎士  「もし女聖騎士殿も気があれば遠慮は要らない。私は来る者拒まずの主義だ。」

女聖騎士 「興味が無いわけではないけど遠慮しとくわwww」

黒騎士  「女聖騎士殿はいつも楽しそうだ。結婚を控えてたりするのだろうか?」

女聖騎士 「まさかwww結婚ごときでこんなに楽しい気分になるものかっwww」

黒騎士  「ふむ、この程度のフラグ、かわせねばいくつ命があっても足りない、か。」


女聖騎士 「黒っちも気づいてるんだろう? この件の背後の巨大な悪の影を!」

黒騎士  「なぬ? 聞いてないが? 賊やオークのみならず、さらなる巨悪を屠れるのか?」

女聖騎士 「なんだ、黒っちも知らないか…。」

女聖騎士 「あの女騎士が、銭じゃ動かねえ筋金入りのツワモノばかりを選りすぐって集めたんだ、
      こいつは大変な獲物だぜ?」

女聖騎士 「亡国解放戦線のあの英雄がまた大きな事をやってのけたと、大絶賛間違いなし!
      共に戦うアタシ達も英雄よ!」

黒騎士  「女聖騎士どのは英雄になりたいと?」

女聖騎士 「そうさ! 王だか皇帝だかに勲章を授与され、街々の窓から祝福の紙吹雪が乱れ飛ぶその下を、
      つやつやの栗毛の馬に乗って凱旋パレード!

女聖騎士 「教会にはアタシらの活躍を描く壁画が描かれ、街の吟遊詩人はこぞって
      アタシらの英雄譚を奏でる…!」

女聖騎士 「遂にそんなチャンスが巡って来たんだっっwww 楽しみでたまんねえwww」


黒騎士  「そうか…私が見果てた夢だ…」

女聖騎士 「見果ててどうすんだよwww見果て"ぬ"夢ってんだよwww」

黒騎士  「…見果てたんだ…」

女聖騎士 「おいおい、何だってんだよ、景気わりぃな。黒っちらしくないw」

黒騎士  「昔、私は女騎士の敵だったんだ…。」

女聖騎士 「敵だった? ああ、まあそれならアタシもそうだぜ?」

女聖騎士 「聖騎士団は教皇の配下だからな。亡国側にとっちゃ敵側の人間さね。でもどうでもいい。
      教皇が勝手に唱えた敵味方だ、んなのに付き合ってられるか。」


黒騎士  「私は十字軍の中隊を率いて亡国の町や村を占領していた…」

女聖騎士 「十字軍!? …それじゃあれか、女騎士の亡国解放戦線と直接やり合ったのか?」

黒騎士  「そうだったら良かった…彼女と戦って死んだなら、まだ本望だった…」

女聖騎士 「なあ、女騎士も言ってるが、戦は昔の話だ。忘れちまったほうがいい。」

女聖騎士 「こう言ってはナンだが、女騎士は英雄でありながら、結局亡国が滅んだ為に、
      今日まで報われなかった。だが今度こそ英雄に相応しい栄光を掴もうってんだ。」

女聖騎士 「黒っちが元十字軍で女騎士の敵だったとて、それこそ仇同士が手を結んで
      巨悪に立ち向かったなんて、美談で美味しい役どころじゃん!?」

女聖騎士 「十字軍で英雄に成り損なったんなら、今度こそ栄光をその手に掴めばいいじゃないかwww」

黒騎士  「すまない、今は…ひたすら悪党を屠り、無垢な少女の身体を貪ることでしか、
      魂の安寧を得る事ができそうにない…。」









(旅路・川辺の風呂)



エルフ娘 「お湯加減はいかがかしら?」

騎士見習い「はうぁっ!? い、いつからそこに!?」

エルフ娘 「何時からって、今来たとこだけど? ぬるくない? 薪もっとくべる?」

騎士見習い「なな、なんで裸なのっ!?」

エルフ娘 「私もお風呂に入りに来たのよ? それが何かっ?」

騎士見習い「そう…なんだ、…何でもないよ…」

エルフ娘 「さぶっ、さすがに日が暮れると急に冷えるわね。…にゃぁ~ 温かいわぁ~」 チャプン..

騎士見習い「…。」

エルフ娘 「あ、一番星みっけ。森の中と違って、ここはお空が広いわぁ。」

騎士見習い「…。白くて…綺麗だね」 (///

エルフ娘 「紅いわよ? 明星でしょ?」

騎士見習い「え? あっ、そうだねっ」


エルフ娘 「ねえ、どうして女の子が、騎士になりたいの?」

騎士見習い「どうして女の子って、えーと」

エルフ娘 「出来ることなら私だって剣を習って、あいつらと戦いたい! あいつら許せないっ!」

騎士見習い「やめなよ、危ないよ。殺されるかも知れないよ?」

エルフ娘 「あんただって騎士の真似なんかしてるじゃない! あたしの方が年上なのよ!?」

騎士見習い「そうなんだけどさ」

エルフ娘 「村の男たち、奴らに怯えて私達女をコソコソ隠まうけど、あたしあんなのイヤよ!」

エルフ娘 「戦って欲しいの! 守って欲しいの! それで私も一緒に戦いたいっ!
      それでもダメで殺されたり犯されたり売り飛ばされても、恨んだりしないわ!」

騎士見習い「そんな事はさせない。剣にかけて、きみはボクが守る。」

エルフ娘 「えっ…」

騎士見習い「指一本、触れさせはしない。だから安心して。」

エルフ娘 「……。う、うん…」 (///

騎士見習い「へへーん、ボクの突きはすごいんだぞっ。ヒーヒー言わせてやるぜ!www」

エルフ娘 「…。もう、なんなのよっ、ばか…」 ブクブク









(旅路・野営場)



竜騎士  「火焔放射よぉーいっ、 てえっ!」

ドラゴン  ゴオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーッッッ!!

枯木    ボンッ! パチパチパチパチッ! メキメキメキメキ!

女騎士  「うは、あちいっ」

女聖騎士 「すんげえ…世界が燃えちまうわけだwww」

騎士見習い「ドラゴンこええええwwwwww」

姫騎士  「ちょっと、火の粉が飛んできますわっ」

黒騎士  「竜に跨ってる時のお尻がかわいいなぁ」

王国騎士 「黒っちさん、よだれ…」

竜騎士  「主はまだ子竜ですので、最大火力はこの程度です。」

女聖騎士 「枯木が炭になったぜwww こりゃ食らったらひとたまりもないwww」


王国騎士 「…。威嚇には十分でしょう。でも、直撃しなければ戦闘不能に追い込むには至りません。
      相手の士気によっては反撃を受ける事も有り得ますね。」

女騎士  「さすが王国騎士、冷静な分析だね。」

竜騎士  「はい。成長したドラゴンであれば、前方ほぼ全てを焼き払うこともできるようですが、
      この子の火焔は、まだこの程度です。」

女騎士  「空を飛びながら、これできるかい?」

竜騎士  「飛行しながらの火焔放射はまだ無理です。火焔弾を放つことはできます。」

女騎士  「火焔弾は一分の間にどのくらい放てるかな?」

竜騎士  「滅多に火は使わないので良く判りませんが、それほど多くは無いかと。」

女聖騎士 「ははーん、相手は山賊やオークだけじゃない、もっと強大な敵との戦いを想定してるな?」

女騎士  「いやいやいや、そうじゃないよ!? 味方の能力を把握してなきゃ作戦が立て難いだろ!?」


エルフ娘 「ねえ? 森が焼け野原は困るわ?」

男ハーフエルフ 「別に森なんかどうでもいいじゃないか! どうせ木なんか勝手に生えてくるんだ!」

エルフ娘 「ダメよ! ご先祖様が大事にしてきた森を焼き払ったりなんてこと、あってはならないわ!」

男ハーフエルフ 「知るかよ! 森と俺らの生活とどっちが大事なんだよ!?」

エルフ娘 「森が無くなったら結局村は成り立たなくなるじゃない!」

男ハーフエルフ 「だったら村なんか捨てて、街へ出て働けばいいんだよ!」

エルフ娘 「ならあなた一人で街へ出て行けばいいじゃない!」

女騎士  「まてまて、安心してくれ。この位の炎じゃ森を焼き尽くすことはないよ。
      残り火で山火事を起こさないように注意しよう。」


王国騎士 「この中で侵攻、制圧の能力は間違いなく竜騎士さんが一番ですが、制約もありますね。
      ドラゴンさんがこれだけ大きいので、森の中でどこまで自由に移動できるでしょうか?」

竜騎士  「すみません、一番の課題は私が戦慣れしていないことです…。」

王国騎士 「あたしも慣れているわけじゃないです。
      敵の能力が判りませんが、弓で竜騎士さんを狙い射ちされる可能性にも注意が必要ですね。」

黒騎士  「私なら、針に痺れ薬を塗って背後から一吹き、ドラゴンから落ちた竜騎士たんを…うふwww」

女聖騎士 「黒っちは一体どこの原住民だよwww」

竜騎士  「いえ…、こんな格好ですが魔装で防御されますので、さすがに吹き矢は効きません…」

姫騎士  「一体何の話をされていますの!?」

女騎士  「ドラゴンを先頭にひたすら火力無双のごり押しって訳にはいかなそうだなあ。」









(森林地帯・エルフの村)



長老   「よく着てくれたの。歓迎するよ。」

男エルフB「女じゃねえかよ。」

男エルフC「女ぁ? …本当だ、女ばかり七人。」

男エルフD「いや、あの娘っ子二人はありゃ従者だな、馬に乗ってない。」

女騎士  「さっき、水車のところで何人か驚かせてしまった。悪かったな。ドラゴンを連れているんだ。」

長老   「おお、そりゃ頼もしい。そうかそうか。いやいや、出迎えも出来んですまんの。」

エルフ娘 「なによ! みんな世界の終わりが来たみたいに家に閉じこもって! みっともない!」

女騎士  「花輪の歓迎を期待してたわけじゃないさ。」


女聖騎士 「んで、その山賊軍団は今どこに居るんだ?
      さっさと行ってぶち殺して、黒幕を引きずり出そうぜ!www」

男エルフB「あいつら、熊と違ってナワバリに留まっているわけじゃねえだ。どこからともなくやってくる。」

男エルフC「なあおい、なんで女ばかりなんだよ…? こんなんであいつらに勝てるのか…?」

エルフ娘 「何か文句ある!? あんたたちみたいな意気地無しよりよっぽど勇敢よ!」

長老   「失礼をお詫びする。田舎モンなんで古い常識から抜け出しておらんのですよ。」

エルフ娘 「本来、あんたたち男が武器をとって村を守らなけりゃならないのよ!?」

長老   「長い間、平和だったのでな。男たちは皆、戦いを忘れちまっておる。」

女騎士  「我々もこの人数だけで、並み居る賊どもと渡り合えるとは思っていないよ。
      村の守り方を教えるから、男は訓練に、女子供はその間の仕事を、それぞれ励んで欲しい。」

長老   「夕方には山に入ってる連中も戻ろう、ささやかながら歓迎会をしようかの。」









(森林地帯・エルフの村・作戦司令部)



女騎士  「まずは地理を把握したいね。地図はあるかい?」

男エルフE「猟師がこれ持って来ただ。獣道までは描いてないだよ。」

女騎士  「連中がどこを通るか判らない以上、罠を張るのはこの村の中だな。」

王国騎士 「ではそれまで、あたしたちが居る事はなるべく悟られないようにしましょうか。」

姫騎士  「何故ですの? 大勢が駐留しているかのように見せたほうがいいのではなくて?」

女騎士  「それでビビって二度と来なければいいが、そうは問屋が卸さないだろうさ。」

王国騎士 「油断していつもの村にやって来たつもりの処を、一斉攻撃で殲滅します。」

女聖騎士 「殲滅とか、戦乙女は言う事が過激だねえ。せめて皆殺しと言おうぜwww」

騎士見習い「それどっちも同じだよねwww」


女騎士  「最初の第一撃でどれだけ相手の数を減らせるかが、重要だ。
      この戦の勝敗を分ける戦いになると言っていい。戦が長引けば数に劣るこちらはジリ貧だ。」

王国騎士 「とは言うものの、おそらく壊滅的打撃を与えるのは難しいです。
      最初の戦いまでに村人達をどれだけ戦力として仕上げることができるかによるかと…。」

女騎士  「情け容赦は要らない。逃げる奴の背中に矢を放て。敵の人数を減らすことが重要だ。」

黒騎士  「私は降伏する奴を生かしておくつもりは無いが、それで構わないだろうか?」

女聖騎士 「騎士としてどうなんだよそれwww」

女騎士  「…まあ、好きにしていい。」

騎士見習い「黒豹相手に降参してみても無駄なのと一緒だねwww」

黒騎士  「がおー」

竜騎士  「黒っちかわいい…」


長老   「それまでの間、あのドラゴンをどうするつもりじゃね? …みんな怖がるでの。」

竜騎士  「ずっと村の中に入れておく訳にはいかないです。竜にとっては賊もエルフも獲物に過ぎません。
      危険です。」

騎士見習い「不用意に近づくとつまみ食いされるよwww」

女騎士  「川辺の水車小屋の付近が開けててドラゴンの離着陸にいいのだけど、賊が南から来た場合
      見つかってしまうなあ。逃げられてしまう。」

長老   「南からは道が限られておる。子供らに見張りをさせて、見つかる前に知らせるのはどうかね。」

王国騎士 「知らせるって…? 信号弾でも?」

長老   「いや、大層なもんじゃない、山で熊が獲れた時なんかに運ぶ手伝いを寄越すよう
      合図で伝えるのは子供の役目じゃて、慣れておる。ちょっと訓練すれば見張りも出来よう。」

姫騎士  「南だけと言わず、賊どもが通りそうな所全て見張って、早めに知らせてもらう必要がなくって?」

女騎士  「そうだね、それが出来れば、より効果的な戦力配置ができるだろう。」

男エルフF「でもよ? それまでの間、村から離れられないのか? 狩りにも行けないのか?」

エルフ娘 「奴らをやっつけるまでの間くらい、我慢すれば!?」

男エルフE「狩りに行けないと生活の銭がねえだよ。養わなきゃなんねえ家族がいる。」

長老   「その辺のことも村全体で助け合わねばな。今夜にも全員で話し合おう。」









(森林地帯・エルフの村・晩餐会)



篝火    パチ パチ パチ...



エルフ娘 「今日は、こんな辺境の山奥の村まではるばるやって来て下さった、
      六人の騎士さまと一人の見習いを歓迎して、ささやかながら晩餐会を開かせていただきます。」

長老   「皆の衆、明日から厳しい訓練が待ってるからの。勝利の前祝になるよう、楽しんでおこう。」

女騎士  「ああ~、風呂入らせてもらってすっきりしたよ。臭いやしないか気になってたんだwww」

王国騎士 「久しぶりにベッドの上で眠れそうですね。」

女聖騎士 「なーんて、奴ら今夜来たりしてなw」

男エルフB「それはねえだ。今まで夜中に来たことはねえ。山道は暗くて何も見えなくなる。」

女聖騎士 「そういや連中はどこで寝泊りしてるんだ? 毎日野宿か?」

男エルフC「知らねえよ? 一日で来れる範囲には村も集落も無いべ。
      前に一度、山ん中の猟師の番屋が勝手に使われた跡があったって話は聞いた。」

女騎士  「なるほど。連中が拠点にしそうな場所をあらかじめ把握しておきたいな。」


男エルフD「難しい話はまた明日からだ、騎士さん達、酒はやるかい?」

女聖騎士 「なんだよ、グラスはないのかい? 焼き物のコップかよ、シケてんなwww」

男エルフD「酒だってシケてるよ。水よりマシさ。奴らのせいで貧乏暇無し、飲まなけりゃやってらんねー。」

女聖騎士 「なあおい、その山賊とかオークどもを統べる、親玉ってのがいるだろ? どんな奴だ?」

男エルフD「親玉? 頬に傷のある山賊の親分だ。とんでもねえ悪党よっ。盗人の人殺しだっ」

女聖騎士 「そいつ人間か? ローブかぶってて半分骸骨みたいなツラしてて、怪しげな呪文唱えて
      手から電撃放ったりしないか!? あるいは暗黒の衣装着て、黒兜に仮面で――」

男エルフC「黒い鎧に兜って、お仲間の黒騎士さんじゃないか。」

男エルフB「山賊の親分はそんなんじゃねえよ。でけえ剣持って部下どもに威張り散らしてる。」

男エルフC「人間のクズだ。クズの親分だ。」

女聖騎士 「んな訳ないんだがなあ? じゃ、そいつらを従えてるもっと大物がいるはずだが?」

男エルフD「あいつらを従えてるのは、銭と食い物と女だ。それを探して廻っているだけだべ。」


エルフ子A「ねえ、黒いお姉さんは、悪い騎士なの?」

黒騎士  「えー、何でだい?」

エルフ子B「だって、お話に出てくる勇者に立ちはだかる悪い騎士は、黒いんだよ?」

竜騎士  「ええ、このお姉さん、とっても悪い騎士なの。
      お父さんお母さんの言う事を聞かない悪い子を、攫って食べてしまうのよ?」

エルフ子C「食べちゃうのっ!? 食べられたら死んじゃうよっ こわい…」

エルフ子B「ぼく知ってる。食べるってえっちな事をするって意味なんだよ。」

黒騎士  「ええ?」

エルフ子A「黒いお姉さん、えっちで悪い騎士なの?」

竜騎士  「ええ、黒っち姉さんはえっちで悪い騎士なの。
      私のことも、裸にして食べてしまおうと狙ってるのですからw」

黒騎士  「ちょwww子供達の前でなんてことをwww」


長老   「粗末な物ばかりで申し訳ないの。
      高貴な出の方にはとても見合わないと思いますが御容赦くだされ。」

姫騎士  「いえ、そのような事はありませんわ。お酒を嗜める生活からしばらく離れていましたので。」

騎士見習い「わははー。姫騎士さんの分、ボクが貰って進ぜようw」

王国騎士 「未成年なのですからお酒はほどほどにしてくださいね?」

騎士見習い「うぇーいw」

長老   「果物のジュースがある。こちらのほうがいいかね?」

姫騎士  「ありがとう、頂きますわ。」

長老   「世の中、金が全てだと思っておったがの。
      あのような僅かばかりの銭で、皆さんのような方々に来て頂けて、感謝しとります。」

姫騎士  「ええ、それぞれの思惑を抱えておりますわ…」


長老   「二人はどうして来てくれなさったかのう?」

騎士見習い「ボクは正義の味方だからね! 悪い奴がいるからやっつけに来た!w」

長老   「お嬢さんは勇ましいのw エルフ娘が二人になったみたいだw」

エルフ娘 「どうしてこんなダメっ子ナイトと一緒にするのよ!」

騎士見習い「ダメっ子とはなんだよっ ゴブリンやっつけたんだぞっ!」

エルフ娘 「私だってコボルト追い払ったことあるんだからっ!」

姫騎士  「お二人とも、淑女ならもう少しお行儀にお気をつけなさいな。」

長老   「姫騎士どのにも何か思惑があってのご来訪ですかの?」

姫騎士  「個人的な、取るに足らない事情ですわ。」


騎士見習い「ねえ、ボクたちと同じくらいから上の年齢の女の人、少なくない?」

エルフ娘 「村から離れた谷に匿っているの。」

長老   「村の女が何人も攫われての。ほとんど戻らない…」

騎士見習い「殺されちゃったの…!?」

長老   「人買いに売ったと…奴らはそう言うだけだ。」

エルフ娘 「一人、散々に弄られて丸裸で山道に捨てられてた子がいたの。
      目が虚ろで、うわ言のように卑猥な事を…しばらく廃人のようだったわ…」

姫騎士  「っっ…!!」 ダンッ!

騎士見習い「お姉さん?」

姫騎士  「あ…ごめんあそばせっ …少し疲れましたの。お先に休ませていただきますわ。」









(森林地帯・エルフの村・村はずれ)



王国騎士 「まず台尻をしっかり肩に当てて、本体がぐらぐら動かないように構えます。
      そして、手前の照準と矢尻を合わせて、標的を狙う。…もう少し力を抜いて」

男エルフG「姉ちゃん、背中にパイオツ当たってるぜw」

王国騎士 「次に的を外したら、頭にリンゴ載せて槍投げの練習台になってもらうわ。」

男エルフG「サーセンwww」

王国騎士 「狙いを定めたらゆっくり引き金を引きこむ。そうそう、当たった。」

エルフ子B「ねえ黒っち、ぼくたちにもこれ教えて?」

エルフ子A「悪い奴らやっつけるー!」

エルフ子C「やっつけるー!」

黒騎士  「ええ~? なあ王国騎士よ、クロスボウ教えてもいいか? 法に触れたりしないだろうか?」

王国騎士 「法云々よりも、取り扱いについて細心の注意を払うようしっかり教えて下さいね?」

黒騎士  「うむ。話がわかる王国騎士が好きだ。」

王国騎士 「やめてくださいね?」


女騎士  「教官どの、ご苦労~。弓兵隊の訓練の調子はどんな感じよ?」

王国騎士 「20名、装填から照準、発射までとりあえず及第点までは出来るようになりましたよ。」

男エルフE「教官の教え方がいいんだぜ!」

男エルフG「特にパイオツ!www」

女騎士  「どういう教え方したのよ?」

王国騎士 「自分が騎士団で習った通りに教えてるだけですってばっ!」

黒騎士  「王国の騎士は、弓の訓練で的を外すと投げ槍の練習台にされるらしいw」

女騎士  「なんだよそりゃw ほー、あの丸太? あんな遠くが的かい? 最初からシビアだね。」

王国騎士 「なるべく遠くから正確な狙い射ちが出来たほうが、相手には脅威ですから。」

女騎士  「私、ナイフで真ん中行けるぜ。…ほいっ」 ビュン!

黒騎士  「…。中央に突き刺さってる。すごいな。乾いてるからけっこう硬いんだよ、あれ。」

女騎士  「どやwww 教官どのはできるかい?」

王国騎士 「あたし投げナイフは上手く無いので…」


女騎士  「ナイフじゃない、そいつだ、投げ槍。得意なんだろ? 戦乙女よw」

王国騎士 「"ヴァルキリージャベリン"ですか。遊びに使っていい物じゃないんですけど、まあいいです。」

男エルフG「その槍さー手で投げて、あれに当てるんかい!?」

男エルフE「当たるにしいたけ一袋賭けるぜ!」

男エルフG「当たらないに賭けないと賭けにならんなあ。じゃしかたない、乗った。」

エルフ子A「当たるー!」

エルフ子B「当たれー!」

エルフ子C「当たろー!」

黒騎士  「では私は、外すにパイオツを賭けよう。王国騎士よ、賭けに乗ってくれるな?」

王国騎士 「ちょっ!? 外したらあたし何されるの!?」

女騎士  「当てればいいんだよ、ほれ、見せてみ?」

王国騎士 「やあああっっ」 ブンッ!

丸太    ズパアアアアン!

女騎士  「うはっ!? 丸太が砕けたっ、すげぇwww」

黒騎士  「見事だ! 潔くわたしのパイオツを――」

王国騎士 「いりませんっ」









(森林地帯・エルフの村・作戦司令部)



長老   「賊が三人、こちらに向かっている。見張りの子が知らせたんじゃ。」

女騎士  「三人? 偵察か。生け捕りにしたいところだ。」

長老   「王国騎士どのと姫騎士どのが向かったよ。」

女騎士  「騎士見習いの奴まで居ないな、付いて行ったか…」









(森林地帯・村を見下ろす山道)



姫騎士  「っっ!」 ザッ!

騎士見習い「わあ! 待ってっ ボクだよ!」

姫騎士  「ちょっと!? 何で貴女がここに――」

王国騎士 「シーッ」

騎士見習い「ごめんなさい…」

姫騎士  「危ないですわ、村に戻っておいでなさいっ」

騎士見習い「敵は三人だよ? 二人じゃ不利だよ?」

姫騎士  「遊びじゃありませんのよっ?」

騎士見習い「姫騎士さん、今日はパンツ縞パンだねw」

姫騎士  「ちょっ、いいかげんに――」

王国騎士 「シーッ」

騎士見習い「や~い、怒られたw」

姫騎士  「~~っ!」


王国騎士 「馬が二頭そこに繋いである…」

姫騎士  「馬を降りてどこへ?」

騎士見習い「崖で立ちションでもしてんじゃね? 蹴っ飛ばして突き落してやろうw」

王国騎士 「万一、旅人の可能性は?」

エルフ娘 「間違いなく、奴らの一味よ!」

騎士見習い「わあ、いつの間に!?」

エルフ娘 「下からお尻がよく見えるもの。」

騎士見習い「姫騎士さんの縞パンねw」

エルフ娘 「いいえ、王国騎士さんの白が。」

王国騎士 「ちょっとぉ!?」

騎士見習い「あ、あれ、姫騎士さんは…?」

エルフ娘 「上に上がって行ったわよ?」


山賊A  「ぐえぇっ」

山賊A  「」

姫騎士  「はぁっ、はぁっ…!」

騎士見習い「や、殺ったの…!?」

王国騎士 「あぶないっ!」 ピュン!

山賊B  「ぐあああーっっ!」 ドサッ

山賊B  「」

姫騎士  「あ、ありがとう、危なかった…」

王国騎士 「あと一人、いるはずだけど!?」

姫騎士  「できれば生け捕りにして、向こうの詳細を吐かせたいと女騎士さんが…」


騎士見習い「あそこだよ! 逃げちゃう!」

姫騎士  「くっ、遠いわ…!」 キリキリキリ...ケンッ

エルフ娘 「もう、弓でも届かないわ…」

王国騎士 「王家より賜りしヴァルキリージャベリン… 戦乙女よ、我に力を …ふーっ」 チャキッ!

王国騎士 「やあああっっ!!」 ビュン!!

山賊C  「 ―― ギャァァ…」

山賊C  「」 ドッ..

姫騎士  「…! やったわ…」

騎士見習い「すごいっっ、すごいよ! あんなすごい投げ槍は初めて見たよ!」

王国騎士 「ああ、まだまだね…」

騎士見習い「どうして!? ばっちり仕留めたよ!? あんなに遠いのに!!」

王国騎士 「足を狙ったの。手元が狂ったわ。」









(森林地帯・エルフの村・作戦司令部)



女騎士  「おかげで奴らがそう遠くない所まで来ているのが判った。方角も。」

王国騎士 「すぐに一斉攻撃の用意を。」

女騎士  「まずは我々がご挨拶といこう。
      騎士5人で南側を半包囲して、合図で村人の弓兵隊が一斉射撃、その後騎士は斬り込みにかかる。
      弓兵隊は決めたルートで北側に移動してくれ。」

竜騎士  「ドラゴンが北側から突入して退路を塞ぎます。
      弓兵隊の皆さんはドラゴンの後ろまで来れば大丈夫。近づく敵は丸焼きです。」

女聖騎士 「うまくいけば南の5人と、北側のドラゴンと弓兵隊で挟み討ちだw」

男エルフ 「なあ、クロスボウの一発目を射ったら、すぐ逃げなければなんねえか?
      留まって射ち続けたらダメか?」

女騎士  「可能なら構わないけど危険だよ。
      家の扉や家具積んだバリケードくらいじゃ図体のでかいオークは押し入ってくるだろうね。
      私らが助けに行く余裕は無いだろう。」

男エルフ 「入って来た途端に鉈で頭カチ割ってやるでよ!」


王国騎士 「それと、すぐに乱戦になるから、毒矢を使うのは最初の一斉射撃だけにしてくださいね。」

女聖騎士 「アタシ達のお尻にブスリは御免だよw せっかくの純白パンティに穴が開いちまうw」

王国騎士 「え」 モゾモゾ

エルフ娘 「私も弓くらい引けるんだから!」

見習い騎士「ボクは? 斬り込んでいい?」

姫騎士  「貴女には、お姫様を守る任務がありますわ。エルフ娘を守って差し上げて?」

見習い騎士「ボクだって戦えるのに~」

エルフ娘 「ダメっ子ナイトの護衛なんか要らないのにっ」

黒騎士  「東西に作った障害を突破して脱出した連中が、隊を再編成してきたら厄介だが。」

女騎士  「さすがにそこまでは読めないけど、その可能性は低いんじゃないかな。
      よほど良く訓練された軍でもなければ出来ないだろ。」

女聖騎士 「それこそ、賊の親分が女騎士くらいデキる司令官でもなけりゃなwww」







(森林地帯・山道)



山賊首領 「おい! 偵察に行った奴ら何時まで待たせるつもりだ!? いつ戻る!? んぁ!?」

山賊   「さあ? 村で女でも捕まえて、手篭めにして愉しんでるんじゃねえですか?」

山賊首領 「ふざけるな! ついこの間まで毎日女エルフの乳吸って、まだ足りねえってのか!?」

山賊D  「しかしですよ親分、あの女エルフ、マ○コユルユルで物足りなくなってたですよ。」

山賊E  「ガキ何人も産んだ後の女じゃつまらないねぇ。使い古しじゃ征服した感じがしねぇよ。
      犯るなら活きのいい生娘が最高ぉー。」

山賊F  「おまけによ、壊れて人形みたいになっちまってた。アレじゃーなー。」


山賊首領 「ばかやろう!! そのせいで、二束三文で買い叩かれたじゃねえかよ!!」

山賊   「元より孕んで膨らんでたんで、イイ値が付かないのはしょうがないですぜ。」

山賊首領 「子持ちシシャモは値が張るってのに、腹ぁ膨れたエルフ女が売れない法は無えだろう!
      調教だかなんだか知らねえが、あんな白痴みたいにしちまいやがって!」

山賊F  「オークどもですよ。奴ら、女を甚振ってメス豚にしちまう事に関しては天才だ。
      どうしてあそこまで狂わせるかね。」

山賊E  「ご奉仕しないと腹を殴って流産させると脅かして、子袋一杯になるまで注いだら
      腹の子が精液で溺れ死ぬとかいろいろ面白え事言って追い込んで、
      必死におしゃぶりさせて愉しんでたぜwww」

山賊首領 「くそったれが! おかげで飯を買う金がもう無ぇ!
      もうカビの生えたモロコシやらヤギのくせえ乳なんか真っ平だ!」

山賊G  「親分も女エルフのお乳たっぷり吸っとけば良かったんですよwww」

山賊H  「甘くて生暖かくて最高、ぐへへwww」

山賊E  「まーるで自分のガキに吸わせてるみてえな、うっとりした顔しやがんのwww」

山賊首領 「そいつがっっ! どれっだけ高くついたと思ってやがるんだ!? んぁ!?
      くっそ! どいつもこいつも後先考えねぇで好き勝手しやがって!」

山賊   「オークの連中が追いつき次第すぐ村に行きましょう。そうすりゃ何か食い物に有りつけますぜ。」









(森林地帯・エルフの村・作戦司令部)



男エルフC「奴ら、来た! 来やがった! 予想通り北の山道だっ!」

女騎士  「総員戦闘配置っ! 大丈夫、打ち合せ通りにやればいい!」

男エルフF「戦えない者は避難させる!」

姫騎士  「い…いよいよですわっ」

黒騎士  「斬り放題…うふふふ」

騎士見習い「ボクも斬り込み隊に入れてよ!」

女騎士  「ダメダメ。敵は一人じゃないんだ。一番やばい所はお姉さん達に任せろ、な?」

騎士見習い「ちぇー」

女聖騎士 「縄網隊は網張る準備出来てるぜ。奴ら、袋の鼠にしてやるw」

王国騎士 「弓兵隊、配置完了しました。」

竜騎士  「主は藪の中に潜んでもらっています。これから私も行って配置に着きます。」

女騎士  「よーし、じゃ五人でお出迎えとするか!」









(森林地帯・エルフの村・広場)



山賊首領 「……。」

山賊共  「…。」

オーク  「ブヒッ」

女騎士  「待っていたよ、悪党ども。」 ザッ!

山賊首領 「妙に静かで気にいらねえと思ったが、何だ…てめえらは?」

女騎士  「疫病神だよ…お前達の。」

山賊首領 「フン、疫病神が女の神様たぁ、聞いてねぇな。」

女聖騎士 「そりゃそうだ。天にまします神サマが、てめーらをぶち殺す為だけに、
      特別にお遣わしになった女神さまだからなw」

黒騎士  「同じく、貴様たち専属の死神だ…」

王国騎士 「戦乙女」

姫騎士  「軍神とでも名乗っておこうかしら」


山賊首領 「五人か。この大軍団相手に、何だってんだ?
      慰安婦てんなら歓迎するぜwwwただし金はやらねえwww」

騎士見習い「正義の味方にお金は要らないぜ!」

竜騎士  「火焔地獄へご案内します。」

女騎士  (ちょ、あいつらっwww)

山賊首領 「屋根の上にガキと半裸の娘…? これだけで俺たちを包囲したつもりか。」

山賊首領 「七人! たった七人で俺たちにケンカ売ろうってのか!?」

山賊首領 「そうか、てめーらエルフ共に雇われたな!? どうりで斥候が三人、返ってこねえ訳だ…
      ほどほどにしておいてやろうなんて仏心出したのが俺の間違いだった。
      食い扶ち残してやったばかりに、てめーらみてな勘違い女を雇いやがって!」

女騎士  「あたしらみたいのに目ぇ付けられたのが運の尽きってやつだ。
      この場で武器捨ててとっとと出ていくか、」

黒騎士  「さもなくば、みんなで仲良くあの世行き。」 スチャッ

女聖騎士 「ま、すごすご帰った所で、おまえらの命運はそれまでなんだろうけどなwww」

山賊首領 「女ども、何サマのつもりか知らねえが、調子に乗ってるんじゃねえぞ…
      いま大人しく引っ込んでおけば、手下三人殺ったことは大目に見てやる。」

山賊首領 「だがこれ以上俺様を怒らせると、全員並べて素っ裸にして、オークチ○コのバイキングだっ!」


女騎士  「女を食事に誘うなら、もう少しマシなトコにしようぜ。
      もっともお前ら薄汚い山賊には、嗤われるのが怖くてまともな店には入れないかwww」

山賊首領 「おい! 聞いたか野郎ども! こいつら七人どうしても、この俺に敗北して、
      這いつくばってケツ差し出して、メス奴隷にして貰いてぇらしい!」

山賊首領 「 犯っちまえ!! 」

山賊達  「 イエーァ!! 」

女騎士  「 弓兵隊っ 射ち方用意っ! 」

村の家々   バタン! バタン! バタン! バタン! バタン! バタン!

山賊首領 「なにぃっ…!?」

女騎士  「 放てえっ!! 」

      ビシュッ! ビシュッ! ビシュッ! ビシュッ! ビシュッ! ビシュッ!

山賊達  「ぐえっ! うぐぅ!? ぎゃああっ! うおおおっ! ぐあああぁ!!」

オーク達 「ブヒーッッ! グヒイイィ! ブホオッ! グエエ!! フギャッ!!」


女騎士  「 抜刀隊、斬り込めっ!! 」

女聖騎士 「神の裁きだ! 死ねやごらああああああっ!!www」 ズシャ! ブシャ!

王国騎士 「奥義・聖槍乱舞っっ!」 ビュンビュンビュン!

黒騎士  「ひと~りぃ…、ふた~りぃ…、さん~にん…、うふ、うふふ」 ドブシュッ! ズビュッ! プシューーッ!!

山賊達  「ぎゃあああああっ!! うおおおおおおおおっ!! ぐああああああ~っ!!」

オーク達 「ブヒいイイイイッッ!! グヒイイイイイッ!! ギャアアアアアアッッ!!」

山賊D  「あ"…が… うぐ…む、が… ど、毒がっ…!?」 ビクビク

オークA 「く、苦しっ… っ…ぶふぉっ…」 ドサッ

山賊   「畜生っ! 反撃だっっ! 押し戻せえっ!」

      ドスン ドスン ドスン

ドラゴン 「 ゴガアアアアアアアアアアアアアアーーーッ!! 」

オーク  「ブッヒイイイイイーーっっ!?」

山賊   「ななな!? 何だありゃあああっっ!!?」

竜騎士  「 火焔放射っ! 薙ぎ払えっっ!! 」

ドラゴン  ヴォオオォッ!! ゴオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーッッッ!!









(森林地帯・エルフの村・民家)



エルフ娘 「えいっ! よし当たったっ、ざまあみなさいっ! もう一丁…」 キリキリキリ..

      ドガン!

オークB 「ブ、ブヒッ…!」

エルフ娘 「っ…!?」

オークB 「…エルフの分際でっ…! めちゃくちゃに犯して縊り殺すブヒーッ!」 ダダダッ!

エルフ娘 「き、きゃあああ!?」

オークB 「ブヒーーーーッッ!!」 ガバアッ!!

エルフ娘 「イヤ!イヤ!いやああああーーーーっっ!! 助けてええええっっ!!」 ジタバタ


オークB 「」

エルフ娘 「いやだあああっっ! 誰かあっっ!」

騎士見習い「えへへーw」

エルフ娘 「…!! ダメっ子…!?」

騎士見習い「大丈夫、そんなに怖がらなくても、こいつもう死んでるよw」

エルフ娘 「え…」

騎士見習い「こいつはすげえんだぜ。こんな細くて短いレイピアでも、岩を突いても折れないんだ。
      こいつにかかったら隙だらけのオークなんか一発で串刺しさ!」

エルフ娘 「……。」

騎士見習い「さあ、立って。どう? これで少しはボクを見直したかい?」

エルフ娘 「……。」

騎士見習い「約束通り、指一本触れる前にやっつけたよ!」

エルフ娘 「……。」

騎士見習い「ねえ、少しはかっこいいとかステキとかさ?誉めてくれてもいいじゃん?」


エルフ娘 「あ……」 ポロポロポロポロ...

騎士見習い「あれ? どうしたの? どこか痛いの? 怪我してない?」

エルフ娘 「ああああ"~っっ こわっ、怖かったっっ…怖かったあああ~っ!」 ギュウウウウッ

騎士見習い「ああ、なんだ、そっか。もう大丈夫、ボクが付いてるw」

エルフ娘 「えぐっ、えぐっ… ありがとうっ! ホントにありがとうっ!」 ギュウウウッ









(森林地帯・エルフの村・広場)



女騎士  「死体だらけだ… この臭い…… なあ、怪我は無いか?」

女聖騎士 「ある…オークに棍棒何発かもらった… 鎧の上だからそう大事でも…痛って~」

女騎士  「だいぶ殺したな…。しかしまあ、死体の焼ける臭いってのは慣れないなあ。」

女聖騎士 「見ろあのオーク、立ったまま黒焼きになってんぜwww」

女騎士  「頚動脈斬り裂いた死体は、黒騎士の仕業か…。こっちは血の海だ。」

女聖騎士 「でもよ、けっこうな数、討ち漏らしたぜ? 一目散でちりじりに逃げたのも多かった。」

女騎士  「連中だってバカじゃない、一塊でドラゴンに焼き殺されるのはイヤだろうさ。
      それに死に物狂いで徹底抗戦されたら、こちらもヤバかった。」

竜騎士  「あのっ、女騎士さんちょっと来て下さい…こっちです。」

女騎士  「何かあったか?」 タッタッタ..




(森林地帯・エルフの村)



竜騎士  「その、姫騎士さんが…」

姫騎士  「これでもっ! これでもっ! これでもくらえっっ!」 ザシュッ ブシュッ グボッ

オークC 「」 ピクピク

姫騎士  「さあっ…! 何とか言ってみなさいっっ 言えっ! 言ええええっっ!」 バシッ グシッ ゴリッ

オークC 「」

女騎士  「姫騎士、どうした…? おい…?」

姫騎士  「まだわたくしを嗤うのっ!? これでもまだっ!? まだ嗤うの!? このっっ! このっっ!
      このおおおおおーーっっ!!」 グシッ ゴキッ ビチャッ

女騎士  「姫騎士、もういい! 止めるんだ! こいつはもう死んでる!」

姫騎士  「……!」

女騎士  「もう、戦いは終わったんだ。だからもうよすんだ、返り血がこんなに…」 ギュッ

姫騎士  「……。」

女騎士  「さあ、剣を鞘に戻そう? もうこの辺には生きてる敵はいないから…」


姫騎士  「女騎士さん…わたくしは……、誇りある騎士…でしょうか…」

女騎士  「?」

姫騎士  「いえ…何でもありませんわ…」

女騎士  「川へ行って返り血を洗おう? 一緒に行って綺麗にしてやるから…」

姫騎士  「…。いえ… 一人で行けます…。お見苦しい所をお見せしました。頭冷やして参りますわ…」

女騎士  「そう…?」

竜騎士  「女騎士さん、その…」

女騎士  「ああ、済まなかったね。ちょっと竜騎士ちゃんにはキツかったね。」

竜騎士  「他にも、メッタ斬りのオークの死体がいくつも…」

女騎士  「…。こういうの、初陣の新兵が時々起こすことはあるんだけど…」

竜騎士  「姫騎士さんは何か、苦しんでいるようにも見えます。」

女騎士  「事情を知ってるかい?」

竜騎士  「いいえ。でも、この戦いで何か取り戻す、そのような事をおっしゃっていました…。」









(森林地帯・エルフの村・広場・戦勝会)



長老   「皆の衆、片付けが終わったら、まずは休憩してくれ。酒と食事の用意があるでな。」

男エルフE「そんでよ! 奴と目が合っただよ! 野郎、俺の顔見て逃げ出しやがった!www」

男エルフG「俺ぁ、でけえ棍棒持ったオーク三匹とやり合っただ!www」

男エルフB「弓矢でどうやって三匹と戦うだよwww おめえ、話が段々大きくなるwww」

長老   「みなさん、ご無事でなによりじゃの。村の者も死人が出ずに済んだで。」

女騎士  「戦果としては、ま、こんなもんか、というとこかねえ。」

エルフ娘 「大勝利です! みなさんのおかげです! やったぁ!」

騎士見習い「お姉さん達、やっぱすごいよ! 並み居る賊を千切っては投げ千切っては投げっwww」

黒騎士  「うむ、殺しの後の酒は格別だ。」

王国騎士 「危ない人みたいですよ?www」


女騎士  「そうだ、おい騎士見習い! おまえ表に出てきちゃ駄目だと言ったのに、
      カッコつけてわざと目立つ屋根の上なんかで名乗りをあげやがって! 危ないだろwww」

竜騎士  「ごめんなさい。私もやめようと言ったのですが、気が付いたら一緒に乗せられてました。」

黒騎士  「竜騎士たんも結構な目立ちたがりだねw」

騎士見習い「いいじゃないかーっ ボクはもう立派な一人前の騎士だよっ! エルフ娘を守ったよ!」

エルフ娘 「う、うんっ! か…カッコ良かったわっ」 (///

男ハーフエルフ 「俺がっ! 危ないから退避しようって言ったのに! 言う事聞かないから危ない目に遭うんだ!」

エルフ娘 「何よ! 戦いもしない意気地無しのくせに!
      女の子が戦ってるのに、男の貴方は恥ずかしく無いの!?」

男ハーフエルフ 「何だとっ! やたらに危ない事するのはバカだよっっ!」

エルフ娘 「やたらにって、今日危ない事しなかったらいつするってのよ!」

長老   「ふむ、若い娘たちは皆勇ましいの、結構結構、頼もしいことだ。」


女聖騎士 「こちらの被害が思ったより全然少なかったな! さすが解放戦線の英雄、大したもんだよwww」

長老   「いざと言う時に備えて名医を呼んでおるがの、世話にならんで済むようじゃ。」

王国騎士 「このような森の奥に、お医者様が?」

長老   「森の神さまじゃよ。この森のエルフが代々敬ってきた守り神。密かに女衆にも人気だとかの。」

女聖騎士 「なんだよそりゃ、イケメンカリスマ名医か?www」

女騎士  「今回は完全な奇襲が成功したから一方的に攻撃できたけど、次からはこうは行かないよ。
      正面切ってやり合ったら、こちらもタダでは済まない。医者が居てくれると心強いね。」

女聖騎士 「もっとも、死ぬ時はあっさり死んじまうもんだけどなwww」

男エルフC「もう、あいつら二度と来ねえだよ! な? そうだろ!?」

女騎士  「それは判らないな。様子を見る必要があるだろうね。」

男エルフD「どうして!? あんな目に遭って、また来るなんて有り得ねえだろ?」

女騎士  「私は山賊じゃないんだ、奴らが何考えてるか、本人に聞いてみなけりゃ判らないよ。」

騎士見習い「聞いてみたい?www」

女聖騎士 「連中の所へ酒でも持って行って聞いてみるか?
      "ねえ今どんな気持ち? ねえくやしい? ねえどうするの? m9(^Д^)プギャーwww"ってw」









(森林地帯・エルフの村・湯浴み場)



竜騎士  「…お背中、お流ししましょうか…?」

姫騎士  「…。構いませんの。ほっておいて。」

竜騎士  「背中を流させて欲しいのです。そうさせては頂けませんか?」

姫騎士  「先刻の事でしたら、気になさらないで下さいますか?」

竜騎士  「…。」

姫騎士  「…わかりましたわ。このような所で裸で立ちすくんで居られても困りますの。
      ささっと済ませていただけます?」

竜騎士  「ありがとうございます。では…」 パチャ..

姫騎士  「…」


竜騎士  「…。」 パシャッ

姫騎士  「…女騎士さんに言われて?」

竜騎士  「いえ…。できればその…この間お話されてた事の、続きを聞かせてはいただけないかと…。」

姫騎士  「…。続き?」

竜騎士  「避難小屋で、お風呂をご一緒させて頂いた時、お話していただきました。」

姫騎士  「貴女に何をお話しましたでしょう? 黒騎士さんにお気を付けなさいという話でしたかしら?」

竜騎士  「この戦いで、取り戻したいものがあると、そうおっしゃいました。」

姫騎士  「…。」

竜騎士  「姫騎士さまは何と戦っていらっしゃるのか、お話してはいただけませんか?」

姫騎士  「…余計なお世話というものですわっ!」

竜騎士  「…っ」

姫騎士  「あ、ごめんなさい…。心配をさせておいて、勝手な事を言いましたわ。」

竜騎士  「私こそすみません。人には踏み込んで欲しくない過去があるものだと分かっていながら、つい…」


姫騎士  「わたくしなら平気です。戦いで気が昂ぶっただけです。次からは冷静に――」

竜騎士   ギュッ..

姫騎士  「ちょっと…何を…? わ、わたくしには黒騎士さんのような趣味は――」

竜騎士  「…震えておられます。」

姫騎士  「そんな事はっ…! …貴女が背中から抱きすくめたりするからですわっ」

竜騎士  「もう、古傷に触れるようなことはいたしません。
      ですが、お役に立てることがあるならお手伝いいたします。もうお一人ではありませんから…」

姫騎士  「…。貴女、竜に乗る前は巫女だったとおっしゃったかしら?」

竜騎士  「はい。」

姫騎士  「そう。どうりで、澄んだ真っ直ぐな心根で、綺麗で穢れの無い身体をされてるのですね。
      聖職者には、お節介さんが多いですわ。」

竜騎士  「聖職者などとそんな大層な者ではありません。ただ火竜を鎮めるための…」


竜騎士  「お節介は私の性分です。巫女の役割とは関係ありません。」

姫騎士  「では覚えておいでなさいな。」

姫騎士  「高みから救いの手を差し伸べるその程度の覚悟では、助けたり手伝ったり、
      ましてや肩代わりなどできないほど、酷い事実と向き合わねばならない者もおりますの。」

竜騎士  「はい。出過ぎた事を言いました。」

姫騎士  「いいですわ、お気持ちは有難く頂戴します。」

竜騎士  「…震え、治まりましたね。」

姫騎士  「あ… そうね…? あ、ありがとう…」

竜騎士  「今の私には、この位の事しかして差し上げられませんが、それでも良かったです。」 ニコ









(森林地帯・夜の山間部)



焚き火   パチ..パチ..



山賊首領 「で、他には!?」

山賊   「山賊Dも、矢が刺さって血の気が失せた顔で…結局死にました。」

山賊I  「山賊EとF…だったっけか、怪物の炎を浴びて、全身火達磨で…」

オークI 「オークD、E,Fも、目の前で焼き豚にされたブヒッ」

山賊首領 「そんで今、何人だ!?」

山賊   「20名。」

山賊I  「山賊GだかHだかは、二刀流の女騎士に腕ぇ飛ばされてた…戻ってねぇみたいだ。」

山賊J  「隣に居た山賊K…いやCだったかも…黒い死神に首んとこ斬られて、血飛沫上げた…
      みてくれ、おかげで血まみれよ。どうすんだ畜生っ」

オークJ 「オークIは追って来る女から逃げようとして落とし穴に落ちたブヒッ」

オークI 「そのマヌケはオークGブヒッ」


山賊首領 「で? 合わせて何人だっ!」

山賊   「えー…」

騎士見習い「24。」

山賊   「24名…まだ居るかも」

山賊首領 「24! 24だぞ!? 半分! 半分になっちまった! どういうことだっ!? んぁ!?」

山賊I  「あの怪物、あれはいったい何だったんで?」

山賊首領 「ドラゴンだ…! 他に何だってんだ!?」

山賊   「女が乗っていました。女戦士だか女剣闘士だかみたいな格好の。」

山賊首領 「七人の女の一人だ! あの娘、ドラゴンを手下にしてやがる!
      冗談じゃねえ! ドラゴンなんかに跨るたぁ、とんでもねえビッチだ!」

オークJ 「もう、あんなおっかない化物の居るトコは御免ブヒッ。他所の村に行くブヒッ」

山賊首領 「ばっきゃろおおおっっ!!」

山賊首領 「もう一つの村はな! てめえらが女が手に入らなかった腹いせに畑に火ぃ着けた所為で、
      みんな居なくなって廃墟になっちまった! 山向こうの村はもう雪が付いて行けやしねえ!
      もう他所へ動くにも食い物すら無え!」

オークJ 「あいつらが女を沢山産んでおかなかったのが悪いブヒッ」

山賊首領 「てめえら脳みそまで豚か!? 卵産む雌鳥絞める奴があるかっ!
      おかげでこっちが干上がっちまったんだぞ!? んぁ!?」


山賊I  「町まで出て行って強盗でもするしか…」

山賊首領 「町はダメだっ! 賞金首んなっちまった…もう地の果てまで騎士団や賞金稼ぎに
      追い立てられるのは真っ平だ! 枕高くして寝られやしねえ…」

山賊J  「連中が居なくなるまで待つのは?」

山賊首領 「待てねえ! 食い物がもう無くなるんだ! いつ居なくなるか判らねえのを待てるか!」

オークI 「このごろ種付けしてないブヒッ この前のエルフは腹ふくれてて孕ませられなかったブヒッ
      あの村は雌エルフの匂いがする。きっと探せばまだまだ雌が居るブヒッ」

山賊I  「三度の飯よりレイプかよ。クソブタめ…。」

山賊首領 「おいそこの若ぇの!!」

騎士見習い「へ、へいっ!?」

山賊首領 「生き残りをかき集めて伝えろ! 十字軍の面子を隊長に、部隊を再編成する!
      この臭え飯食ったら夜襲を掛けるぞ!」

騎士見習い「へいっ!」

山賊首領 「それで駄目なら、癪だが仕方ねえ…。"先生"に頭さげて、お越し願うんだ…」









(森林地帯・エルフの村・作戦司令部)



男エルフF「もう、奴らやって来ねえだよ。オラ明日から隣の山まで狩りさ行くだ。」

女騎士  「待ってくれないか。また襲って来ないとは限らないんだ。」

男エルフE「来るとしたら仲間の墓に花供えにだ。でも、んなわけねえべwww」

王国騎士 「射撃手が最低二十人、村に居てくれないと弓兵隊の戦力が下ってしまいます。」

男エルフH「戦力って、騎士さまには俺たちは唯の兵隊かも知れねえけどよ?
      俺たちだって生活があんだよ。少しでも稼いで、女房子供に食わせねばなんねえ。」

男エルフG「毎日訓練してくれるなら、俺は兵隊でもいいぜ?
      王国騎士ちゃん、あんたのパイオツ気に入ったwww」

男エルフC「南の水車とこにはドラゴンまで居るんだ、奴らおっかなくて近寄りたくもねえべさ。」

男エルフE「戦はお仕舞いだ。」

女騎士  「確かに敵に大打撃を与えたけど、まだ二十を下らないだろう数の賊が残ってるんだ。
      壊滅させたわけじゃないよ?」

男エルフE「騎士さま達さえ居てくれれば十分だ。飯さ食わせっから、後は騎士様達に任せただよ。」


騎士見習い「そういう甘い事はベッドの奥さんに言うんだね。奴ら、今夜にも仕掛けて来るよ。」

女騎士  「…!」

エルフ娘 「どこへ行ってたの? 探したのにっ」

女聖騎士 「なんだお前、その男みたいな汚ねえ格好はwwwだっせwww」

男エルフC「仕掛けてくるって、なんでそんな事判る?」

騎士見習い「あいつら、もうお金も食べ物も無く、他所へ行くにも当ても無くて、焦ってるよ。」

男エルフD「どったらそんな事さー判るべ!?」

騎士見習い「すぐにも襲ってくる。今すぐ臨戦態勢に入るべきだと思うよっ!」

女騎士  「なあおい、何でそんな事まで断言できるの。もったい付けないで聞かせてくれないかい?」

騎士見習い「奴らが落ち合ってる所を見つけ出して、
      仲間のフリして何話してるか隣でばっちり聞いてきたおwww」

全員   「」









(森林地帯・エルフの村・夜の村はずれ)



騎士見習い「そんでさぁwww山賊の親分がさ、ボクに言うんだよwww
      "オイ若いの! てめえどこで一緒になった? 思い出せねえ…"」

エルフ娘 「…」

騎士見習い「でもボクは慌てなかったね。そう、自分でも驚くほど冷静だった。だって、奴ら烏合の衆だ。
      名前すらまともに覚えて無いんだ。親しいのは数人だけ、そんな連中の集まりだ。
      だから、誰も知らない顔が紛れ込んでいたとしてもすぐには判らない。」

エルフ娘 「…」

騎士見習い「だからこう返してやったんだ、
      "そんな昔の事は忘れた。死んだダチ公との思い出に浸る趣味は無いんだ" ってねwww」

エルフ娘 「…」

騎士見習い「……。」

騎士見習い「ごめん、あいつらの話なんか面白くないよね、それじゃさ――」


エルフ娘 「っっ!」 ギュッ!!

騎士見習い「え? なに?」

エルフ娘 「んっ!」 チュッ..

騎士見習い「むぅっ!? う、ふっ…!? んんーっ!」 チュ..

エルフ娘 「んぅっ、んんっ、はぁ、はぁ…」

騎士見習い「ちょっ…なに、どうしたの…!? いきなり…キス…」

エルフ娘 「私っ、貴女が…好きよっ!」

騎士見習い「あの、好きって…」

エルフ娘 「貴女、女の子なのにどうしてこんなに勇敢なの!? どうしてこんなに素敵なの!?
      ああ、もう、私どうしたらいいか判らないっ! 女の子なのに! もう気持ち抑えられない!」

騎士見習い「え…」

エルフ娘 「いいえ、違うわ!
      意気地無しの男達とは違う、女の子だからこそ、私をこんなに恋焦がらせるのよっ!」


エルフ娘 「ああ、どうして私、女に生まれてしまったのっっ!?
      男に生まれて来たなら、こんなにも苦しむことは無いのにっ!」

騎士見習い「男にって…、待ってよ…」

エルフ娘 「判ってる。私、ヘン。貴女に受け入れてもらえなくてもいい… だけどっ
      お願いっ! ずっと好きでいさせてっっ!! ああ、わあああぁぁ~っっ」 ポロポロポロ...

騎士見習い「……っ」

エルフ娘 「ああああ、えぐっ、えぐっ、ぐしゅっ…」 ポロポロポロ...

騎士見習い「聞いて欲しいことがある。」

エルフ娘 「…言わないでっ。貴女に拒絶されたら私、明日から何を希望に生きたらいいか判らないっ」

騎士見習い「ありがとう。君の気持ちは嬉しい、とっても…。」

エルフ娘 「…!」

騎士見習い「だけど、言わなければ成らない事がある。」

騎士見習い「 ボクは、男だ。 」






荒野の用心棒や七人の侍からの影響あるなあ

結局男かよwwwwwwww

>>128 >>129
お決まりのツッコミをどうもwwwwww




(森林地帯・エルフの村・作戦司令部)



女騎士  「昨夜はご苦労だった。」

女騎士  「夜明けと同時に竜騎士ちゃんに威力偵察に出てもらって、昨夜の爆撃箇所で
      オーク一匹撃破を確認したそうだよ。まずは奴らの夜襲の企みを挫いたから良しとしよう。」

女聖騎士 「真っ暗な山道を松明つけてやって来るとか、馬鹿な奴らだwww
      お空のドラゴンから見れば"ここに居ますよ"って知らせながら来るのと同じだよなwww」

王国騎士 「村に着く前の山道で発見してくれて良かったです。夜戦をせずに済みました。」

女騎士  「弓が届かない高い上空からの火焔弾爆撃に徹してもらったから
      一匹焼いただけに留まったけど、竜騎士ちゃん一人に危険なことはさせられないからね。」

王国騎士 「竜騎士さんはどちらに?」

女聖騎士 「水車小屋で寝泊りしてる。
      傍に居ないと、川辺に居るドラゴンが何かしやしないか心配なんだと。」

女騎士  「何かって? 何かあったのか?」

女聖騎士 「子供らが、石投げてちょっかい出してた。
      その時はドラゴンは相手にしなかったが、もし怒らせたら大変だ。」

女騎士  「悪ガキどもか…近づくなと言ったんだがな。まあ、聴かないよな~w」

女聖騎士 「あとな、通り掛かった王国騎士の後ろから器用にスカートめくってたwww」

王国騎士 「んもうっ」

女騎士  「あの竜、なかなかやるな、おいwww」


騎士見習い「おはよーっす」

エルフ娘 「…!」

騎士見習い「あ、あのさエルフ娘、昨日――」

エルフ娘 「…っ」 バタン

騎士見習い「待っ… あー、行っちゃったし…」

王国騎士 「どうしたの?」

騎士見習い「なんでもないよー。はぁ。」

女聖騎士 「何かあったような雰囲気醸してるなあ、おいwww」









(森林地帯・エルフの村・作戦司令部)



女騎士  「十字軍? そう言ったのか?」

騎士見習い「うん。確かに昨夜、山賊首領が十字軍の面子がどうとか部隊を再編成とか言ってたよ。」

王国騎士 「戦ってて、何人か手練れが居ました。
      唯の盗賊ばかりじゃない、戦闘の経験が有る者たちが居るかも知れません。」

女騎士  「あの戦争はもうとっくに終わったものと思ってたがな。ここにきて十字軍の亡霊か…。」

王国騎士 「この事、姫騎士さんには…」

女騎士  「そうだね、過剰な憎しみは冷静な判断を邪魔する。知らせても良い事は無いと思う。」

騎士見習い「十字軍ってなに? 強かったの?」

女騎士  「ピンキリだね。上は聖騎士団から下は野盗の群れ同様なのまで、教皇の呼びかけに応じて
      いろんな国からいろんなのが集まってそれぞれが好き勝手に亡国に侵攻したのが十字軍だ。」

王国騎士 「それら十字軍が亡国王家を滅ぼしたのだけど、その後、亡国解放戦線って民兵を組織して
      ゲリラ戦を展開して十字軍を壊滅に追い込んだ英雄が、女騎士さんなの。」

騎士見習い「すごい! 十字軍には女騎士さんより強い人は居なかったの!?」

女騎士  「もし居たら私が亡国解放戦線の自由騎士なんて呼ばれる事は無かったぜ!
      って言いたいとこだけど、十字軍なんて偉そうなのは名ばかりで、
      実態は唯の略奪者の集団だったからね。占領地の住民の怒りが私に味方しただけさ。」


王国騎士 「この戦いも、村の方たちの団結が勝敗を左右すると思います。」

騎士見習い「エルフ娘が、ここの男はみんな意気地なしだって言ってた。」

女騎士  「そうさねえ。騎士団みたいな正規軍と違って、命令一下、指示通りに動くかといえば
      そう簡単には行かないのが民兵組織の難しいとこなんよ。」

王国騎士 「そういえば、エルフ娘さんと何か?」

騎士見習い「なーんかボク、避けられてる感じ? はぁ。」









(森林地帯・エルフの村)



騎士見習い「ねえ、黒っちは女の子同士の恋愛経験豊富だよね?」 ヒソヒソ

黒騎士  「おう。見習い騎士もその気があるなら遠慮は要らない。」

騎士見習い「一つ、内緒で訊きたいのだけどさ、ボク恋愛したことないから…」 ヒソヒソ

黒騎士  「正義の味方を志すなら、恋の一つや二つしておいたほうがいい。性別問わず。」

騎士見習い「例えば、女の子に恋するじゃん?」 ヒソヒソ

黒騎士  「ふむ。例えば竜騎士たんに恋する。」

騎士見習い「好きでたまらなくて、女の子に告白する。」 ヒソヒソ

黒騎士  「ふむふむ。かわいくてたまらなくて、竜騎士たんに告白する。」

騎士見習い「そしたらその女の子から、衝撃の事実を告げられた。なんと男の娘(コ)だった!」 ヒソヒソ

黒騎士  「竜騎士たんから、衝撃の事実を告げられた。なんと男の娘(コ)だった! …なぬっ!?」

もえるだけぢゃないですかー


騎士見習い「そうなった場合、告白した女の子って、普通どう思う?」 ヒソヒソ

黒騎士  「ぐぬぬぬ…!」

騎士見習い「やっぱそれってアウトだよね…?」

黒騎士  「信じない! あの可憐な竜騎士たんが男の娘(コ)なんて信じない!
      裸に剥いてこの目で確かめるまで信じるものかっ!」

騎士見習い「マジ? それでやっぱり男の娘(コ)だったとしたら?」

黒騎士  「人生とは此れ苦行也…針の山を登り火の海を泳ぐが如く。血の涙を拭うほか仕方あるまい…。」

騎士見習い「ですよねー」









(森林地帯・エルフの村・長老の家)



男エルフG「オラはパイオツ姉ちゃんだね! パイオツだけじゃねえ、鍛えた筋肉と柔らかさが絶妙だべw」

男エルフB「ドラゴン娘だべ。何だか知らんがいつも裸みたいなええ格好してるwww身体もええwww」

男エルフH「リーダーの女騎士よ、普段物騒な事ばっか言っとる軍人みたいだけんど、
      話してみるとなんちゅーか朗らかで母性が滲み出ててええだよ? うづのカカアより断然いい」

男エルフC「話してると言えば女聖騎士の姉ちゃん、冗談みたいな冒険の話ばっかしてるが、
      いっつも楽しそうで何よりって感じだwww 嫁にするならああいうのが楽しくていいw」

男エルフD「ガキどもが帰らないと思ったら、黒い姉ちゃんの処に入り浸ってるよ?
      父ちゃんより面白い事教えてくれるって。おめー、がんばらんと面目立たねえぞ?www」

男エルフF「姫騎士さまはありゃ、どこかのお嬢様だろかの? 高嶺の花だろうが口説いてみ?
      落とせた奴ぁ大金星、村一番の色男決定だろwww」

男エルフE「おめえら、さっそく目ぇつけてんのかw さっさとモノにせんとすぐ街さ帰ってまうぞ?w」

男エルフB「こんなシケた村に住んでる時点で眼中に無いべwww」


男エルフG「だけどよ? オラ達、働く事は出来ても戦う事はさっぱりだ。
      口説くってもよ? キミヲマモルなんて言ってみても寝言にしか聞こえねえべ?www」

男エルフH「なんの。男は稼ぎだ、女子供養う力が男の価値よ、食わせる力よ。」

男エルフD「なーに言ってるよ。一生しいたけ作って食わせてやっからオラの嫁に成ってくれって言って、
      誰が来てくれるてんだよwww」

男エルフG「しいたけよりおめえの食わせる気だろがwww」

男エルフC「シケたの出したら怒ってあの剣でちょん切られっぞ?www」

長老   「うーむ、浮ついてる場合ではないのだがの…」

長老   「男ハーフエルフは来て無いようじゃの?」

男エルフC「彼は、エルフ娘が居る所には付いて来るくせに、そうでなきゃ来やしねえだよ。」

男エルフD「娘っ子のケツ以外興味ないんだろw」

男エルフG「男のケツに興味あっても困るけどなw」









(森林地帯・エルフの村・月夜の水車小屋)



水車    ゴットン.....ゴットン......



竜騎士  「ふぅ、熱… 汗だらけ…」

竜騎士  「水浴びよう…」

黒騎士  「やぁ…」

竜騎士  「黒っちさん!?」 ビクッ

黒騎士  「偵察飛行ご苦労だね」

竜騎士  「ああ…、全然気が付きませんでした。」

黒騎士  「うん。…気づかれないように、気配を殺してたんだ。…獲物を狙う黒豹みたいにね…」

竜騎士  「獲物…ですか。」

黒騎士  「そう。そして獲物は目の前にやって来た…。」


竜騎士  「捕まえて、食べるおつもりですか?」

黒騎士  「そう。」

竜騎士  「獲物が水を浴びるまで、待っては――」

黒騎士  「待たないっ」 ガッ!

竜騎士  「あっ、んっ、うん…んんっ…」 ガタン

黒騎士  「むふ、んっ ふぅっ…」 チュッ..チュッ..

黒騎士  「ふぅ… きみは、されるがまま…だな…。キス…好きかい?」

竜騎士  「…わかりません。初めてでした。」

黒騎士  「私に奪われて…それでよかったのかい?」

竜騎士  「拒む理由を探しているうちに…」

黒騎士  「なら、こうしてやろう、ほら、ふふ、こんな格好をしているきみが悪いんだっ」 シュルッ..

竜騎士  「あ…っ」 シュルシュル..

黒騎士  「ほら…もう裸に剥けた…。うふふ… 気分はどうだい?」

竜騎士  「身体中が熱いです。汗が… どきどきして苦しいです…」

黒騎士  「んん、胸もお腹も汗で濡れて…とてもいい。ああ我慢ならん、私も脱ぐとしよう。」


竜騎士  「私は黒騎士さんに、何をして差し上げれば…?」

黒騎士  「いいんだ何もしなくて…。ああ、そうだな、我慢しないで欲しいな。」

竜騎士  「我慢しない…ですか?」

黒騎士  「不快なら抵抗して、苦痛に呻いて、恥辱に泣いて、快感に喘いで…」

竜騎士  「私を辱めたいと?」

黒騎士  「…そうだね。きみが他の人に見せない姿を、見せて欲しい…」

竜騎士  「人にお見せできるようなものか自信がありませんが、努力しましょう。」

黒騎士  「フフッ、きみは何も不満を言わないんだね。私に襲われるのを待ってたのかい?」

竜騎士  「それは言葉による責めというものでしょうか?」

黒騎士  「いや…、きみを嘲るつもりはないよ。そうだったらいいな、という私の願望を口にしただけ…。」


竜騎士  「こういうのを百合の花に例えるそうですね。私にはピンと来ないのですが。」

黒騎士  「身体を捧げる相手はやはり殿方であるべきかい?」

竜騎士  「騎士となる前は竜の巫女でした。巫女が身を捧げるのは火竜です。
      もちろん性を交わすという意味ではありませんが。」

黒騎士  「なら、どうして私に身体を許す? 巫女でも官能に身を任せてみたいのかい?w」

竜騎士  「今は騎士のつもりですが、持て余すほどの性的な欲求は自覚ありません。」

黒騎士  「汗で濡れた身体をこんなに震わせて上気させているのに?w」

竜騎士  「私の身体を貪ろうという貴女を受け入れようと、努力しています。
      貴女が本当に求めている事は何か、判るのではないか、そんな気がして…」

黒騎士  「本当に求めている…?」

竜騎士  「はい。さあ、来て下さい。お望みのままに。大丈夫、何をされても受け入れますから…」









(森林地帯・エルフの村・月夜の水車小屋)



水車    ゴットン.....ゴットン......



竜騎士  「はーっ、はーっ」 ビクッ.. ビククッ..

竜騎士  「はぁ…あぁ…、お…お願いします…、少しだけ…休ませて…くださいっ…
      す、すみません…、こんな…はしたなく… こんなつもりでは… ああっ…」

黒騎士  「ぐしゅっ…」

竜騎士  「はぁっ、はぁっ、あ、あの…?」

黒騎士  「ううっ…」 ポタ ポタッ..

竜騎士  「……。」

黒騎士  「っ、…ぐしゅっ」 ポタ ポタッ..

竜騎士  「…」 ギュッ

黒騎士  「ぐすっ…」

竜騎士  「身体中に口付けし、玩び、責め立て、こんなにはしたなく乱れさせ、私を辱めたのは貴女です。
      どうしてその貴女が泣いているのです?」


竜騎士  「これでは彼方此方というものです。」

黒騎士  「……。」

黒騎士  「思い出した…」

竜騎士  「聴かせてくれますか…。」

黒騎士  「酷い話だ…。」

竜騎士  「承知しています。」

黒騎士  「七年前、いや八年になるか…私は亡国に侵攻した十字軍の中隊長だった。」

黒騎士  「村々を侵略していった中隊はいつか孤立し、気が付けば周りの住民皆敵だらけになっていた。
      いつとも知れぬゲリラの攻撃に怯え、部隊の士気は落ち、十字軍の誇りと矜持は失われ、
      統率は乱れる一方…」

黒騎士  「部隊を支える物資が底を突き、部下たちが略奪に走るのを、私は見て見ぬ振りするしか
      なくなっていた。もうそれしか中隊長として在り続ける方法が無いと。そんな中…」

黒騎士  「部下どもが村娘を強姦したんだ。不穏な知らせで飛んで行ったが遅かった。
      私は部下どもをその場で斬り捨てて、泣き崩れる村娘に手を差し伸べた…」

竜騎士  「……。」


黒騎士  「その村娘、きみに良く似た、綺麗なかわいい子だった…。だけど死んだ。」

黒騎士  「私の手を払いのけ、手に持ったナイフでっ、わ、私の目の前で喉をっ…!!」

竜騎士  「…!」

黒騎士  「…判らないんだ。私はあの時、あの村娘に手を差し伸べて、あの子をどうしたかったのか、
      どんな結果を望んだのか… 判らないっ、何も判らないっ」

黒騎士  「以来、神に…いや、あの子に許しを乞いながら…
      人を踏みにじる略奪者を見つけ次第、どこまでも追って逃さず屠り、償いとしたよ。
      屠ったその数だけ、あの子の魂は救われると、そう信じることにして…」

竜騎士  「そう…でしたか…」

黒騎士  「誰かにあの子の面影を見つけるたび、許しの言葉を聞けるんじゃないか、
      あの時差し伸べ拒絶された手を、今度は受け入れてもらえるんじゃないか、
      そんな幻想…いや、妄想を抱いて…」

黒騎士  「だけどそうしているうち、いつしか自分が何をしているのか、何がしたかったのか、
      何が欲しかったのか、最早なにも判らなくなってしまったよ…」

竜騎士  「私は、その子の身代わりなのですね。」

黒騎士  「え…、あ… そのっ…」

竜騎士  「いいのですよ。それも含めて、どんな辱めも受け入れると言いました。」


黒騎士  「す、すまない…っっ」

竜騎士  「他の子を身代わりにするのは、もうよして下さいね。傷つけてしまうかも知れませんから。
      身代わりは私にしてください。」

黒騎士  「…」

竜騎士  「私はその子ではないですから、黒騎士さんに許しを与えることはできませんが、
      でも、その子の気持ちに寄り添うことはできます。」

竜騎士  「黒騎士さん、今度の戦いを最後に、悲しい過去の清算とするべきでしょう。
      この村を救うことが出来れば、多くの女の子が救われます。」

竜騎士  「自害を選んだその子の無念は晴らせませんが、黒騎士さんの思いは伝わるでしょう。」

黒騎士  「ぐすっ… くぅ~っ、うっ、ううっ…!」

竜騎士  「思いっきり泣いていいんですよ? 私を涙で濡らし汚しても構いません。
      もう汗やら何やらでべたべたですから。」

竜騎士  「あとで一緒に湯浴みに行きましょう。」









(森林地帯・エルフの村・深夜の湯浴み場)



黒騎士  「すまない。きみをこんなに汚してしまった。」

竜騎士  「…。組伏せるならせめて寝台でして欲しかったです。水車の轢き粉で粉だらけです。
      おかげでここまで裸で歩く事になってしまいました。」

黒騎士  「こんな夜更けにここに来る者はいないよ。
      気を利かせて湯を温めて用意しておいたんだから、良しとしてくれないかい。」

竜騎士  「では、髪と背中を綺麗に流して下さいますか?」

黒騎士  「喜んでw」

      パシャ.. パシャ..

黒騎士  「その…、先刻、身代わりと言ったかも知れないけど…私は竜騎士が好きだよ。」

竜騎士  「ええ、分かっていました。あからさまにずっと私を狙っていらしたので。」

黒騎士  「何と言うか…夢中でやりすぎて酷い事してしまった。
      それなのに私の方が泣いたりして、勝手すぎた。すまなかった。」

竜騎士  「そうですか、黒騎士さんが夢中になるくらい私は淫らな痴態を晒していましたか…」

黒騎士  「淫らというか…あんなにまっすぐに私を受け入れてくれると思って無くて…」

黒騎士  「今夜の事…忘れないでいていいか? きみは忘れて欲しいかも知れないけど、忘れたくない。」

竜騎士  「…いいのです。淫らな姿も一緒に、私の事を心の片隅に留めておいていただければ、と…」

黒騎士  「片隅にって…。寂しい事を言う。戦友じゃないか。」

竜騎士  「…。いつまでも黒騎士さんとご一緒できるとは限りませんから…。」









(山岳地帯・霧中の館)



山賊首領 「ここは一つ、先生のお力添えを是非ともっっ」orz

ダークエルフ  「次に来る時の手土産にはエルフの処女をと言っておいた筈だが?」

山賊首領 「申し訳ありません…。思うように手に入らないばかりか、もう自分らの食い扶ちすら…」

ダークエルフ  「人にものを頼むに、手ぶらで来るとかアホかお前は?」

山賊   「お叱りを受ける事は百も承知で参りました。
      あの村の女騎士どもを片付けることができたなら、必ずや…」

ダークエルフ  「タダ働きする趣味はない。帰れ。」

山賊首領 「このままでは我々は飢えて野垂れ死んでしまう。どうか先生のお力を…」

ダークエルフ  「野垂れ死ねば良いわ。そのほうが世間の為だ。
      いやなら盗賊団を解散して、街に出て経営者にペコペコしながら汗水垂らして働けや。」

山賊首領 「賞金首になっちまってそれもできねえのです。」

ダークエルフ  「バカめ。だから殺しは滅多なことではするなと言った。
      私の言葉は神の言葉に等しい。有難く拝聴しないからそうなる。自業自得だ愚か者め。」


山賊   「ご所望のエルフは持参できませんでしたが、ちょっとした情報をお持ちしました。」

ダークエルフ  「ふん? 情報?」

山賊   「ご庭を拝見しましたところ、見事なアルラウネのコレクション、
      随分ご熱心なこととお見受けいたします。」

ダークエルフ  「唯の道楽だが集めてみるとなかなかに良い。お前のような俗物にもあれの良さが判るか。」

山賊   「古今東西から集められたご立派なコレクションであることは判ります。
      そこで情報ですが、かの村からそう遠くない森で珍しい風変わりなアルラウネを見たと言う
      手の者がおりまして。」

ダークエルフ  「ほう、面白そうな話だ。コレクションに加えるに値するかな? どれ、案内しろ。
      今の話の真偽次第では、少しだけお前たちに力添えしてやってもいいぞ。」

山賊首領 「そりゃ本当で!? へへーっ」 orz

ダークエルフ  「喜ぶのは早いわっ。くだらんネタだったら帰るからな。」

山賊   「お気に召して頂けるのを祈るばかりでございます。」 orz

ダークエルフ  「浮世離れのこの私の関心を引くなどと、お前なかなか見所ある。貴族にでも仕える身分の出か?
      盗賊なぞに落ちぶれる前は、そうやって主君に取り入っていたのだろう?」

山賊   「さすが先生、何もかもお見通しで。恐れ入ります。」









(森林地帯・エルフの村)



王国騎士 「女の人たちが村に戻って、雰囲気が明るくなりましたね。」

女騎士  「女が戻った途端に男達がシャキっとするから、可笑しなモンだねえwww」

王国騎士 「でも共同生活は止むを得ません。村の周辺の方の家々まで入れての警戒態勢は無理ですから。
      仲良くしていてくれればいいのですが。」

女騎士  「それでも、女を谷に隠しておくよりマシでしょ。
      もし村人が捕まって隠し場所を吐かされたら目も当てられない。」

王国騎士 「女の人の中にも戦ってくれそうな人がいます。クロスボウを教えて弓兵隊に加えますか?
      交代要員が増えると村人たちの負担が軽く出来ます。」

女騎士  「諸刃の剣だよなあ…。兵として配置してもし攫われでもしたら、奴らに何されるか分からない…
      というより淫獣どもに陵辱の限りを尽くされるんだろうなあ。」

王国騎士 「あ、あまりそういう事言わないで下さい。あたしまで怖くなってきます。」

女騎士  「お前、乙女だよな? 捕らわれて、処女を散らされて、オークどもの臭い汁をたらふく
      味わったとしよう。…ここに戻って、私達の前で笑うことができるかい?」

王国騎士 「…。できません。」

女騎士  「だよな…。女の子を弓兵隊とするのはやめとこう。
      でも希望があれば、いざと言う時の為に戦える訓練はしといて損は無いな。」

王国騎士 「そういえば、女の人たちの護衛についてた姫騎士さん達はどちらへ?」









(森林地帯・隠れ谷)



女エルフA「イヤです…。」

姫騎士  「なぜですの? 女は皆、村へ戻りました。今、村はわたくし達が守っています。
      ここより村の方が安全ですわ。」

女聖騎士 「ここは、もし連中に嗅ぎ付けられたら終わりだ。村へ行こうぜ?」

女エルフA「いいんです…。ここに居させて…。」

姫騎士  「なぜそれほど頑なに村へ戻りたがらないのでしょう?」

女エルフB「ちょっとあちらへ…」






女エルフB「あの子、少し前に、山賊に連れ去られた事があるのです…。」

女聖騎士 「なに? 攫われて…戻って来たのか?」

女エルフB「酷い暴行を受け、裸で山道に放り出されていました。
      しばらくの間、昼も夜も放心したようにずっとぼんやり…
      時々、聞くに堪えない卑猥な言葉を口にしたりして…。しばらくして流産を…」

姫騎士  「…っっ!」

女エルフB「追い討ちをかけた村の男たちが悪いんです。
      婚約してたのにいつの間にか無かったことに…。みんな厄介者を見るような目であの子を…
      いつしか彼女は村を離れてここで暮らすように…」

女聖騎士 「つまり男達に会うのが嫌だと…」

女エルフB「最初は女達にも会おうとはしませんでした。」

女聖騎士 「近頃の様子はどんな感じだったんだ?」

女エルフB「一緒に食事したりはしますが…笑うことがありません。いつも一人で居ます。」

女聖騎士 「ここに残ったら、本当に一人だ。」

姫騎士  「強引にでも連れて帰りますわ!」 ツカツカツカ

女エルフB「あ、待って下さい。やめて下さいっ」






姫騎士  「さあ、顔をお上げなさい! 村へ帰るのですわ!」

女エルフA「イヤです…」

女エルフB「哀れなこの子にこれ以上無理強いしないでくださいっ」

姫騎士  「わたくしはこの子と話しています! お黙りなさい!」

女エルフB「っっ」

姫騎士  「ここに居てはまた奴らの餌食です。さあ!」

女エルフA「それでも…い…いいん…です…。」

姫騎士  「いい!? なぜですの…!?」

女エルフA「ご…ご奉仕…すれば……可愛がって…もら…えます…」

姫騎士  「っっ!!」 ギリリッ!

女エルフA「 "穢れて汚い…メス豚など…山賊にお似合い" …」 ポロポロポロ..


姫騎士  「思ってもいない事を口にしても、わたくしは誤魔化せませんわ!」

姫騎士  「さあ、戻るのです、血の涙を拭きなさい!」

女エルフA「もう…あんな言葉を投げつけられるのは…いやだあぁ!」

姫騎士  「貴女が村で再びそのような屈辱を味わうことがあったなら、その男、わたくしが斬ります!」

女エルフA「…!」

姫騎士  「わたくしが貴女の剣となりましょう。貴女を侮辱する者には死を以って償わせますわ。」

姫騎士  「だから、もうご自分をメス豚だなどと言うのはお仕舞いになさい!」

女エルフA「あ……あ…」 ポロポロポロ..

女聖騎士 「なあ、大丈夫かそんな事を――」

姫騎士  「わたくしの剣は、雪辱の剣… この者に対する侮辱に刃が曇るようでは騎士の名折れ…!」

女聖騎士 「おい…本気なのか? 村の男殺す事になったらどうすんだよ? アタシ達の敵は山賊だよ?」

姫騎士  「もし…邪魔をなさるおつもりでしたら、例え貴女でも容赦いたしかねます…」

女聖騎士 「怖っわ! ないない、邪魔しない。んな男なんか庇う価値無えしwww」









(森林地帯・エルフの村・村はずれ)



王国騎士 「これは竹槍と言います。見ての通り、竹を切って先端を尖らせ火で炙ったものです。
      粗末な武器ですが長いので相手と距離をとって攻撃できます。」

樽     バン!

王国騎士 「数人で構えて槍衾とすることで、敵を近づきにくくすることができます。
      脇を締めて、このように構え――」

樽     バキン!

女エルフC「ねえ、あれ、あの子の、良くない? 鉈?」

女エルフD「あれ、女エルフAじゃないの?」

女エルフE「なんか…鬼気迫るって感じ?」

樽     バアン! バラバラ…

女エルフA「はぁ、はぁ…!」

姫騎士  「そう、それでよろしいですわ。遠心力とそれを支える足裁きが、大きな破壊力を生み出すのです。
      鉈だって、しっかり使えば十分強力な武器です。」

女エルフA「私は…メス豚なんかじゃ…ない…! はぁ、はぁ…!」

姫騎士  「ためらわず武器を取り、敵は全てその樽のように粉砕しておしまいなさいっ!」

女エルフE「騎士さま、私にもあれを教えて下さいませんか? 強そう!」

女エルフD「あたしもあれがいいっ! あれで山賊どものドタマかち割ってやる!」

女エルフC「私のとこ、爺やが木こりだったからでっかい斧あるの。使っていい?」

王国騎士 「ちょっ、ええー!?」









(森林地帯・エルフの村・作戦司令部)



女騎士  「女の子を抜刀隊に入れろだって!?」

王国騎士 「白兵戦がどれだけ危ないか、説明しても聞き入れてくれそうにないのです。
      このまま放置すると、いざ賊が攻めて来た時に鉈や斧を持って一番に飛び出しかねません。」

女騎士  「冗談じゃないよ、我々騎士がどれだけの実戦を経てここまでに成ってると思ってんのよ~
      逆に殺されちまうよ? その女の子達どうかしてるんじゃないのかねえ?」

王国騎士 「友達を攫われた子やご主人を殺された方もいて、刺し違えてでも山賊どもを血祭りにと…」

女騎士  「血祭りwwwこえええwww エルフ娘が男達を意気地なしと謗るわけだwww」


女騎士  「つい昨日まで山賊を恐れで大人しく隠れていた女の子達が、
      どうして急にそんな意気高揚してしまったかねえ。何かあった?」

王国騎士 「姫騎士さんが、一人の女の子に鉈の戦い方を教えていたのを切っ掛けに…」

女騎士  「まいったな、姫騎士の天性の才能ってやつか? さてどうしよう…」

王国騎士 「乱戦となってしまった場合、飛び道具より単純な凶器のほうが有効だとは思います。」

女騎士  「乱戦はこちらも死傷者多数を覚悟の消耗戦だからね、できれば避けたいんだよねえ。」

王国騎士 「前面に出て来ないように、あらかじめ比較的安全な場所の警護にでも就いてもらいます?」

女騎士  「素人を見廻りだの斬り合いだのには出せないからねえ。」

王国騎士 「相乗効果といいますか、男性にも白兵戦に備えようという動きが出るかも知れません。」

女騎士  「希望者には教えてやってくれ。この先、役に立つこともあるかも知れない。」









(森林地帯・エルフの村・月夜の大樹の下)



騎士見習い「来たよ。こんな時間にこんな処に呼び出して、どうしたの?」

エルフ娘 「待ってたの。」

騎士見習い「あのさ、キスしてきたのはきみの方だからね?」

エルフ娘 「そ…、そうよ!? だから何よっ!?」

騎士見習い「ふざけるな決闘だ! とか言われても困るんだけど?」

エルフ娘 「私そんな事言ってないわ!?」

騎士見習い「違うのか。じゃ、何の用?」

エルフ娘 「貴女、男だって言ったわ。本当なの?」

騎士見習い「嘘だったら良かったんだろうけど、本当。」

エルフ娘 「証明して。」

騎士見習い「どうして。」

エルフ娘 「服、全部脱いで。」

騎士見習い「うえー、黒騎士さんと同じ事言うよ。」

エルフ娘 「出来ないの?」

騎士見習い「いいよ、裸んなって見せればいいんだろ?」


騎士見習い「女ってエロい事平気で言うよな、ったく」

騎士見習い「外で裸になれなんて考えらんないよ。ほら、脱いだよ。」

エルフ娘 「そこ真っ暗で見えない。こっち来てよ。」

騎士見習い「まったく…好きなだけ観ればいいよ、エロフ娘っ」

エルフ娘 「……。」

騎士見習い「判ったろ? 意気地なしの男で悪かったよ。ボクはもう帰る。」

エルフ娘 「待って。」

騎士見習い「なんだよ?」

エルフ娘 「そこで、じっとしてて。待ってて。」 シュルッ ..

騎士見習い「こんな所で、ちょっと…」

騎士見習い「女の子がこんな所でパンツまで脱いで何やってんのさ!?」

エルフ娘 「…。見て」

騎士見習い「……」

エルフ娘 「私を見て、どう? どう思う?」


騎士見習い「…。白くて… 綺麗だ…」

エルフ娘 「…それだけ?」

騎士見習い「……。」

エルフ娘 「あなた、男なの? それとも女? 身体の事じゃない、心の事よ!」

騎士見習い「…!」

エルフ娘 「男の身体に女の衣装を纏い、自分をボクと言う男の娘(コ)。あなたは男なの? 女なの?」

騎士見習い「正義の騎士として剣を振るうボクは…女だよ?」

エルフ娘 「なら、剣を鞘に収め、鎧を脱いだあなたは!?」

騎士見習い「見ての通り、男さ。でも意気地無しなんかじゃないぞ!」

エルフ娘 「男だと、証明できる?」

騎士見習い「どうやって?」

エルフ娘 「あなたが本当に男なら、分かる筈よ!」

騎士見習い「…!」

騎士見習い「分かった…。だけど泣いても知らないぞ。どうなっても責任取らないからな!」









(森林地帯・エルフの村・月夜の大樹の下)



エルフ娘 「あぅあぅ… ああっ… あああ"~っっ いやっ、そこはっ、はぁああぁん!」

騎士見習い「うわ… すげー濡れてきたよ。ひくひくしてる。なんかすげーえろいwww」

エルフ娘 「もういいっ、それ恥ずかしい…やめてよ…」

騎士見習い「恥ずかしい? 身体震えてるよ? ざまあwww」

エルフ娘 「もう、もういいじゃないっ!」

騎士見習い「おっと、ダメだね、歳下でも男のボクのほうが力強いからね、もう逃げられないよ。
      もっと恥ずかしい目に遭わせてあげるよwww」

エルフ娘 「きゃあっ!? あっ、そんなのっ! やだああっ! あっ くっ んっ、んん~っっ」

騎士見習い「ココ、べちゃべちゃになってきて、なんかいい匂いがするよ?
      外で良かったね。ベットだったらシーツにシミしちゃったとこだよ。」

エルフ娘 「ぐすっ… そんな事、言わなくたっていいじゃないっ…」

騎士見習い「もっと舐めて欲しい?」

エルフ娘 「はぁっ 男ってみんなこんな事するの…?」

騎士見習い「黒騎士さんが竜騎士さんにしてたよ。
      竜騎士さんはもっとうっとり気持ち良さそうにしてたけど?」

エルフ娘 「覗いたの!?」

騎士見習い「お湯を汲んで水車小屋に届けに行ったら、黒騎士さんが来てたからそっとしておいてあげたよ。」


エルフ娘 「もういいっ 貴女が男だって十分わかったからっ」

騎士見習い「いいもんか。まだ何も証明なんかしてないよ!
      女の黒騎士さんだってする事しかまだやってない。」

エルフ娘 「…え」

騎士見習い「男はね、女の子の身体を征服したいんだ。征服して子供を産ませる、そういう本能。
      女の子は征服される側だからね、分からないんだって。」

エルフ娘 「…!」

騎士見習い「エルフ娘は初めてなんだよね? じゃ処女はボクがもらうよ。もう一度足開いて?」

エルフ娘 「あ、あのっ…」

騎士見習い「もういまさら止めてあげないよ?
      ボクをその気にさせたのはきみじゃないか。最後までいくからね。」

エルフ娘 「私の事、…好き?」

騎士見習い「好きだよ? 好きだからボクが守ってあげるって言ったんだ。」

エルフ娘 「…!」


エルフ娘 「…じゃ、じゃあいいわ、し、してっ…」

騎士見習い「すげー震えてるよ? ボクが怖いの?」

エルフ娘 「お願い、痛くしないで…」

騎士見習い「無理だよ。初めては痛いし、血が出るって。」

エルフ娘 「うっ、うっ…」

騎士見習い「泣かないでよ。痛いけど好きな男にされるのは最高に幸せだって、黒騎士さんが言ってた。
      ボクにしてほしいから、こんな所に呼び出したんでしょ?」

エルフ娘 「う…うん…」

騎士見習い「ボクだって、エルフ娘とえっちな事できたらいいなと思ってたんだ。
      小屋の近くの川辺で一緒にお風呂入ったじゃん、あの時思った。
      身体小さくて肌白くて、おっぱいかわいいってw」

エルフ娘 「あ、あの時… そうなんだ…」

騎士見習い「優しくするから安心して。じゃ、いくよ」









(森林地帯・エルフの村・月夜の大樹の下)



エルフ娘 「はぁっ、はぁっ」 ガクガク

騎士見習い「くっ、うっ ふぅーっ」

エルフ娘 「あ…、あぅ…」 ビクン ビクン

騎士見習い「は、はは… すごいや、女の子の身体ってっwww最高www」

エルフ娘 「あ…お腹の中…」

騎士見習い「いっぱい出したかもっ。エルフ娘のア○コの中、気持ち良かったよw」

エルフ娘 「…うぅ」

騎士見習い「気分はどう? まだ痛い?」

エルフ娘 「痛い… でもいいの。ありがとう。」

騎士見習い「まだ震えてるね。」

エルフ娘 「大丈夫、興奮してて… あは…」

騎士見習い「これで、お腹の中に赤ちゃんできるのかなあ?」

エルフ娘 「出来ちゃったらどうしよう…」

騎士見習い「心配してももう手遅れだねwww」


エルフ娘 「…。」

騎士見習い「ボクが男だと証明できたろ?」

エルフ娘 「うん…」

騎士見習い「じゃボクはもう女に戻るよ。寒いや。」

エルフ娘 「ねえ、どうして女装なんかしてるの?」

騎士見習い「女装じゃない、違うんだ。正義の剣を振るう騎士である限りは、ボクは女だ。」

エルフ娘 「どうして…?」

騎士見習い「ボクには姉さんがいた。小さい頃から剣が巧みで騎士になる事を目指してた。
      優しくてかっこよかったよ。ボクは姉さんに憧れてた。
      だけど騎士になってすぐ、仲間と怪物退治に行ってそれっきり帰って来なかった。」

騎士見習い「ボク、男なのに姉さんによく似た顔でね。鏡を見るたび、姉さんが帰ってきたような錯覚がする。
      それでね、鏡の向こうの姉さんが言うんだ、
      剣を取れ! お前は騎士だ! 正義の味方だ! ってね。」

エルフ娘 「…!」

騎士見習い「少しだけ髪伸ばして姉さんの服を着てみたら、何年か前の姉さんそのままだったよ。
      少し幼くなったけど、姉さんが帰ってきた。」

騎士見習い「ボクの身体は男だ。毎日のように背も伸びるし体つきも。
      いつまでも姉さんの姿を留めることはできないけど、それまでの僅かな間、
      姉さんの正義の剣を振るうつもりさ。」


エルフ娘 「もうあなたが女でも男でも構わない。…好きよ。」

騎士見習い「ボクが男じゃ嫌なのかと思ったよw」

エルフ娘 「ううん、そんなことない。」

エルフ娘 「女のあなたに恋してみても受け入れてもらえる筈も無い、気の迷いだからこんな気持ちは
      捨てなければいけない…、そう思っていたのに、急にあなたが男だって言うから、
      もうどうしていいか全然分からなくなっちゃったの。ごめんね。」

騎士見習い「ふーん? 女ってやっぱ、いろいろ難しいんだなあ?」

エルフ娘 「ねえ、山賊どもやっつけて村が平和になったら――」

騎士見習い「そしたら、残念だけどお別れだ。」

エルフ娘 「…!!」

騎士見習い「正義の味方を必要としてる人が、どこかで待ってるからね。」









(森林地帯・エルフの村・村外れ)



エルフ娘 「ああ…ああん… もっと…もっと… はぁっ、ああっ」

騎士見習い「声大きいよっ 誰かに見つかるよ。」

エルフ娘 「ふあぁ… もっと…揉みしだいて… ああ…」

騎士見習い「揉みしだくってほどおっぱい無いじゃん…。乳首抓るのそんなにいいの?」

エルフ娘 「んんっ…ああっ、濡れそうっ お願い、パンツ、脱がせてくれる…? 濡らしちゃう…」

騎士見習い「ボ、ボクが脱がすの!?」

エルフ娘 「うん。あなたに脱がせて欲しいの…。」

騎士見習い「どうしちゃったんだよ? 昼間っからエロ過ぎだよ、絶対おかしいよ?」

エルフ娘 「あなたが好きなの。こんな恥知らずな女、嫌い?」

騎士見習い「いいよ、脱がしてやるよ。」 スルスル..

エルフ娘 「ああ…」


騎士見習い「…あーあ、パンツ、少し濡らしちゃったよ?」

エルフ娘 「してほしいの。嫌?」

騎士見習い「…嫌じゃないけど、でもどうしちゃったのさ?」

エルフ娘 「じゃあ…、してっ? めちゃくちゃにしていいの。毎日してほしいの。」

騎士見習い「種馬みたいじゃんか…。本当に赤ちゃん出来ちゃうよ? ちょっと早すぎなんじゃない?」

エルフ娘 「ぐすっ…だってっ… あなた行っちゃうんでしょ? 居なくなっちゃうんでしょ?」

騎士見習い「え…ああ、まあ、そうだね…。」

エルフ娘 「いいの。正義の味方を引き留めたら、その分誰かが苦しむもの。
      だから、あなたが居る間に一生分を愛し合うの。」

騎士見習い「一生分って…」

エルフ娘 「あなたがしたいようにしていいからっ。後のことは考えなくていいから。
      痛くても文句言ったりしないし、言われた通り何でもするからっ …だからお願い」

騎士見習い「わかった。いいよ。してやるよ。後ろ向いて足広げて、お尻だして?」

エルフ娘 「こ…こう?」

騎士見習い「い~い眺めだなーっwww お尻かわいいよwww」


エルフ娘 「はぁっ は、恥ずかし…っっ」 プルプル

騎士見習い「今のきみみたいの、メス豚って言うんだ。性に狂った女の成れの果てだって。」

エルフ娘 「そんなっ…ぐすっ…」

騎士見習い「恋とか愛とかって、メス豚になることじゃ無いよ?
      だから、もう女の子がそういうこと言っちゃ駄目だよ。」 ズッ..

エルフ娘 「ああっ…! んっ…あぅぅ…あっあっああっっ!」 グチュ..



男ハーフエルフ 「…。」






厄介になりそうでいいな




(森林地帯・エルフの村近辺・暗雲)



男ハーフエルフ (さよならエルフ娘、俺は…)

男ハーフエルフ  ダッ..

ダークエルフ  「フフフ…」

男ハーフエルフ 「…っ!? 誰だっ」

ダークエルフ  「何もできないまま逃げるのかね…?」

男ハーフエルフ 「ダークエルフ…!? 俺に何の用だっ!」

ダークエルフ  「長い間お前が目を掛けていた女を、ふとやって来た小僧に奪われた…」

ダークエルフ  「くやしいのうくやしいのうwww m9(^Д^)プギャーwww 」

男ハーフエルフ 「なっ…! うるせえよ! もうあんな女要らないっ、ふざけやがって」

ダークエルフ  「分かるぞ。お前の事を捨てて、目新しいだけの男に身体を明渡した…許せんだろ?」


男ハーフエルフ 「あんた誰だ!? 関係ないだろ!」

ダークエルフ  「関係は無いが、お前の怒りはよく判るぞ。
      お前をコケにしたあいつらに、罰を与えたいと思わないか?」

男ハーフエルフ 「罰? どうやって」

ダークエルフ  「正義を気取り格好ばかりつける騎士どもを追い払って、
      女に、お前に従う他は無いと分からせてやるのだ。」

男ハーフエルフ 「どうして俺にそんなことできると思うんだ、バカかよ。」

ダークエルフ  「口を慎め、バカはお前だ。手伝ってやろうと言っているのだよ。」

ダークエルフ  「ご主人様として、お前は堂々と女に裏切りの罰を与えてやるのだ。
      性の奴隷として償わせてもいいし、村人の面前で恥辱を与えてもいい。望むままだ。」

男ハーフエルフ 「俺が…ご主人様…として…」

ダークエルフ  「…興味あるだろう? 私に任せてみないか?」









(森林地帯・エルフの村近辺・満月の赤い夜)



竜騎士  「あの…? お話とはどのような…?」

男ハーフエルフ 「もう少し行ったとこで話そう。」 スタスタ..

竜騎士  「こんな所まで来て、賊が潜んでいたら…」

男ハーフエルフ 「大丈夫、ここの先でも見張りが見張ってるんだ。」 スタスタ..

竜騎士  「この先に何か…?」

男ハーフエルフ 「会って欲しい人が居るんだ。こっち。この奥で待ってる。」 スタスタ..

竜騎士  「どなたでしょう? 逢引きなら――」

ダークエルフ  「 『 竦め! 声すら出ぬほどに!! 』 」

竜騎士  「 !!! 」 ビクッ!!

竜騎士  「あ…!! かっ…、はっ…!!」

ダークエルフ  「見立て通り、隙だらけだな…。武人としては防衛本能がいささか…」

山賊   「…。さすが先生、見事な魔術のお手並です。」 ガサッ

竜騎士  「っ…!!」

ダークエルフ  「さあ、男ハーフエルフよ、獲物を捕えてやったぞ。首枷で両の手の自由を奪うがいい。」

男ハーフエルフ 「ああ。」 カシッ

竜騎士  「うっ… ぅ…!」









(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



山賊首領 「へへ…へへへ! いい格好だな!? ドラゴンのお嬢ちゃん…! んぁ!?」

竜騎士  「あ…ああ…っ」 ガクガク..

ダークエルフ  「柱を二本立てその間に、全裸にした女の両手両足を柱に結び、前後から兵士に強姦させる…
      かつて十字軍のどこかの野蛮人が、占領した町の女領主を見せしめにした磔だ。」

山賊   「この吊橋の柱が、その磔の柱に丁度いいというわけですか。」

ダークエルフ  「いい肌をしている…。男共の前で裸身を晒す気分はどうかね?」

竜騎士  「ううっ…」 ガクガク..

山賊首領 「殺す前に、愉しもうってことですかいwww」

ダークエルフ  「殺すことは許さん。拷問で痛めつけるのもだ。こんな美しい娘を殺すなど狂気の沙汰だぞ。
      美しい娘は手篭めにして愛でるものだよ。」

山賊首領 「こいつは何人もの手下をドラゴンで焼き殺した! せっかく捕えたのに殺さず帰せってのか!?」

ダークエルフ  「帰すとは言っとらん。人質とするのだ。この娘が居ないとあの竜は役に立たん。」

山賊   「仲間を焼き殺した落とし前は身体でつけさせるってことで、いいじゃないですか。
      死んだのはクズばかり。本気んなって怒ってもしょうがねえ。生かして可愛がりましょう。」

山賊首領 「ふん、女ぁ、先生のおかげで命拾いしたな、んぁ!? …先生に感謝しな!」

竜騎士  「やめて…やめてください…」


山賊   「先生、よろしければ一番槍をどうぞ。」

ダークエルフ  「いらぬ気を回すな。私はここで見物させて貰う。いい声で囀らせてみせろ。」

山賊首領 「じゃ一番槍はおれが頂くぜ? たっぷり可愛がってやるw」

竜騎士  「や、やめてくださいっ! 私には、竜の巫女としての最後の務めが残っていますっ」

ダークエルフ  「竜の巫女? ああ、なるほど…道理でお前のような力もない娘に竜が従う訳だ」

竜騎士  「それまで、純潔でなくてはいけません…」

山賊首領 「そりゃいいぜ! お前、生娘なんだな? 俺様が最初の男になってやるw」

ダークエルフ  「竜の巫女の務めとはどういうものかね?」

竜騎士  「…この身を竜に捧げねば成りません…。それまでは…」

ダークエルフ  「竜に身を捧げる? 喰われるという事か?」

山賊   「…なんだと?」

竜騎士  「竜の糧となり一体となる、と信じています…。」

山賊   「ふざ…、ふざけるなっっ!!」

ダークエルフ  「……?」


山賊   「俺たち栄光の十字軍騎士がっっ! 教皇に裏切られ、ゲリラに追い散らされ、家族を失い、
      帰れる国も家も無く、こんな、こんな惨めなっ! 誇りも矜持もない悪党に成り下がって!
      ゴキブリのようにっ、鼠のようにっ、地を這いつくばって生きているというのに!」

山賊   「お前は、何の穢れも知らぬまま、龍神様の糧だと!? ふざけんなっ!!
      巫女だかなんだか知らねぇが、人生なんだと思ってやがるっっ!!」

竜騎士  「……」

山賊   「頭っ、代わってくれ! こいつは、この女はっ! 俺が念入りに犯してやる!!
      穢して、汚し尽くして、身も心も唯の女に堕としてやる!」

山賊首領 「お、おう…」

竜騎士  「お願い…やめて…助けてっっ!」

山賊   「何が竜の巫女だ! 身を捧げるだ! 女の身体は俺たち男のものだ!
      男に抱かれてガキ作るのが女の務めだ! 竜の食い物であってたまるか!」 バッ! バサッ! ブルン!

竜騎士  「やめてっっ!」

ダークエルフ  「ほーんw」

山賊   「これでお前は犯され穢れた唯の女だっっ!!」 ズブッ! ギチギチギチ..

竜騎士  「あああっっ! うああっ! いっ、いやあっ ああっ!」 ビクン! ビクン! ビクン!









(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



山賊   「ふん、ふんっ! うっ…! 行くぜっ…!」 ズッ.. ズッ..

竜騎士  「あ… ああ… やめ…て…くだ…さい…」 ポロポロポロ..

山賊   「子袋で俺の精をたっぷり味わって、女の務めを自覚しろ…!」 ビュルッ ビュルッ ビュッ

竜騎士  「…っ!!」

竜騎士  「ああぁ…っ」 ピクピクピク..

山賊   「もっと、もっとだ、もっと注いでやるっ
      とっくり仕込んで孕ませてやるからなっ…!」 グッチュグッチュグッチュ

竜騎士  「いやです…! 子を宿すのはっ…だめっ、いやあっっ!!」

山賊   「ガキでも産んで、目を覚ましやがれっっ!!」 ビュッビュッビューッ

ダークエルフ  「これはこれは…。はは、なかなかに愉快だw」

竜騎士  「あ…あ…酷いっ…」 ポロポロポロ..

ダークエルフ  「美しい女が身を穢され絶望に光を失う様はいいものだな。
      こうもはっきり分かる女を観たのは久しぶり。眼福眼福。」


山賊   「フーッ… 頭っ、お待たせしやしたっ… 次、犯ってくだせえ。」

山賊首領 「どれ…。こりゃひでぇ。汚ねぇな、お前の汁と血が泡立ってひでぇ臭いだぜ?」

山賊首領 「ちっ、垂れてやがる…どんだけ出してんだお前は…
      こんなのに突っ込んだらお前の臭せえ汁でベットリじゃねえか…」

竜騎士  「ぐすっ…うっ、うっ…」 ポロポロポロ..

山賊首領 「後ろの穴は綺麗そうだな? おぅ、いい色してるぜ。」 グィッ

竜騎士  「ああ…ああ…」 ブルブル

ダークエルフ  「壊すんじゃないぞ? ケツの汚い女じゃ、美しさもクソも無いからな。」

山賊首領 「先にこいつの汚した方に突っ込んでおけば、ヌルヌルんなって、
      後ろも入りやすくなるってもんだ。」

竜騎士  「殺して…ください…。」









(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



騎士見習い「うっ! う…」

エルフ娘 「ちゅっ、ちゅっ…」

騎士見習い「で、出る! 出るよっ!?」

エルフ娘 「はむっ」

騎士見習い「~~っ」 ブルブルッ

エルフ娘 「んくっ、んくっ、んくっ、んくっ…」

騎士見習い「ふぅ…」

エルフ娘 「ちゅ、ちゅっ」 ペロペロ

騎士見習い「もういいよ、ちょっと休ませてよ。」

エルフ娘 「んくっ」

騎士見習い「い、今の、全部飲んじゃったの…?」

エルフ娘 「うん。」


騎士見習い「大丈夫なのかなー、なんかばっちい感じがするんだけど?」

エルフ娘 「あなたのだもの、汚くなんかないわ。下から入れるか上から飲むかの違いだもの。」

騎士見習い「だいぶ違うと思うよ? そもそも女としてどうかと思うよ?」

エルフ娘 「あなたを身体中に染み渡らせたいの。五臓六腑に。」

騎士見習い「ボク、かっこいい女の人がいいんだよ。今のきみは、メス豚の変態だよ?」

エルフ娘 「私の身体は好きでしょ?」

騎士見習い「も…もちろん。そりゃ、ア○コの中気持ちいいし、おっぱいの色綺麗だし、髪いい匂いするし…」

エルフ娘 「お尻は?」

騎士見習い「丸くて綺麗でかわいい…。」

エルフ娘 「罰が欲しいの。変態の罰にお尻にも入れてほしいの。」

騎士見習い「何それ!? 頭どうかしてるよ!」

エルフ娘 「大丈夫、さっき沢でお尻の中綺麗にしてきたから。終わったら石鹸もあるから。」

騎士見習い「お尻に入れてどうすんのさ!? お尻の中で出せって事!?」

エルフ娘 「めちゃくちゃにしてほしいの。串刺しにされる獣みたいに悲鳴あげさせてほしいの。」


騎士見習い「悲鳴って… それで夜中にこんな遠くまで連れてきたの!?」

エルフ娘 「ここなら絶叫しても誰にも聞こえないわ。思いっきり男の欲望ぶつけて。」

騎士見習い「絶対やだ。痔とかひどいことになるよ? そんな事したくないからね!?」

エルフ娘 「どうして? 男は女の身体を征服したいんでしょ?」

騎士見習い「好きな子に怪我させたり酷い目に遭わせたいって意味じゃないよ! 全然違う!」

エルフ娘 「好き? …お尻も好きでしょ?」

騎士見習い「ああもう! 好きってのは、お尻とかマ○コとかじゃなくて、きみ全部のことだよ!」

エルフ娘 「私全部? …変態のメス豚は好きじゃないのに?」

騎士見習い「好きじゃないとは言ってない! 今のきみはおかしいって言ってる! どうしちゃったのさ!?」

エルフ娘 「どうしちゃった…って…」

騎士見習い「なにを必死になってるのさ!?」

エルフ娘 「必死? 私が? 必死……」

騎士見習い「ボクにエロいことされてないと死んじゃう呪いにでもかかってるみたいだよっ! ったく…」

エルフ娘 「あ… あ… あなたにさえ出会わなければ…! あなたにさえ出会わなければ…!!
      私…私こんなに頭のおかしい娘になんか、ならなかった…ならなかったああ~っっ!!」

騎士見習い「ボクの所為だって言うのかよ!?」

エルフ娘 「うわあああああああ~~~っっ わああああああ~~~~っっ」










(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



騎士見習い「もう、泣くのはそのくらいにしよ?」 ギュッ..

エルフ娘 「えっぐ、えっぐ…」

騎士見習い「ボクの胸の内にしまっておくよ。誰も見てないからボクしか知らない。
      きみは処女じゃなくなったけど、それ以外は無かった事にしていいんだ。」

騎士見習い「何も手遅れじゃないよ? 一時の気の迷いさ。だから泣く事無いよ。」

エルフ娘 「…うん」

騎士見習い「……。あれ? おかしいな、今、人の声みたいなのが…」

エルフ娘 「……。気のせいじゃないの?」

騎士見習い「ここ、もう女の人全員村に移って、だれも居ないはずだよね? こんな夜中に…」









(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



山賊   「…。近くで狼が遠吠えでもしてたか? …沢の音でよく聞こえん。」

山賊首領 「ふぅ…。ケツん中、良かったぜwww 巫女だとかお高く留まってやがっても所詮女だな、
      注いでやったら締めつけて身体中痙攣させながら悦びやがるぜwww」

竜騎士  「はぁっ、はぁっ、もう…殺して…ください…。お願い…します…」 プルプル..

ダークエルフ  「絶望して生を拒絶か。いいぞ。門出に際し過去の自分を全て否定する事は良き事だ。
      私はお前の行く末を見届けたくなった。」

山賊   「てめえは殺さねえ! てめえはもう巫女でも、乙女ですらねえ! 穢れた汚ねえ唯の女!
      てめえはこれから、穢れた身体で這いつくばって生きてくんだ! ずっとな!」

竜騎士  「どうして…殺して…くれないのです…」

ダークエルフ  「お前のような、まっすぐな性根の者には判るまいな。妬みだよ。」


ダークエルフ  「自らの生き様を侮蔑し罵りながらも生きている者たちから見れば、
      身も心も穢れを知らぬまま、竜の餌になり生を終えてしまおうというお前が、許せない。」

竜騎士  「私の生き方の…なにが…いけないの……」

山賊   「黙れ! その口も汚してやる! 俺のこいつをしゃぶれ!」 グイッ!

竜騎士  「うぐっ…!? むぐうっ…!!」

山賊   「黙って聞けっ…! 略奪、強盗、殺し、誘拐、強姦! …俺たちぁゴキブリだ!クソムシだ!
      十字軍の精鋭だったはずの俺たちがっっ、こんな奈落の底まで堕ち、なお生き恥をさらして…
      それでも生きている…。なぜかっっ!?」

山賊   「人間には、自分の為の人生を生きなきゃならねえルールってのがあんだよ!
      自分の為だ! 決して他人の為じゃ無え! ましてや、龍神様の為なんかじゃ絶対無え!」

山賊   「分かったか!? 分かったら俺様のコイツを有難く味わえっ
      男の味を覚えて、這いつくばって人生の苦さを味わってみろっ!」 ビュルッ ビュルッ ビュルッ

竜騎士  「うぐぅっ! こほっ! けほっ、うぇ……」









(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



エルフ娘 「だめっ、行っちゃだめ!
      相手は三人以上、しかも一人はダークエルフ! 貴女では敵わないっ!」

騎士見習い「敵わなくても! 助けないとっ、竜騎士さんがっ!」

エルフ娘 「行ったら貴女が殺されるわ! …そしたら竜騎士さんも助けられないっ」

騎士見習い「ここで助けに行かなくて、何が正義の騎士だよっ!? ボクは行くぞっ!」

エルフ娘 「待って! あいつら、竜騎士さんを今すぐ殺すつもりは無いわ!
      しばらくは甚振って遊ぶつもりよ…。じゃなきゃあんな事しない。」

騎士見習い「…!」

エルフ娘 「私が急いで助けを呼んでくる! だから貴女は待ってて!
      もし竜騎士さんが殺されそうなら、その時こそ飛び出して少しでも時間を稼いで!」

騎士見習い「エルフ娘」

エルフ娘 「なに?」

騎士見習い「変態とかどうかしてるとか言ったけど、きみはボクより冷静だね。
      どこもおかしくなんかないよ。…えっちなだけさw」

エルフ娘 「そ、そう? …ありがとう。行ってくる!」









(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



騎士見習い「…!?」



男ハーフエルフ 「…。先生…」

ダークエルフ  「なんだ、こちらへ来い。臆することはない、この女は噛み付きはしないぞ。
      男に腰を振ることくらいしかできぬよ。」

竜騎士  「男ハーフエルフさん…なぜ…」

男ハーフエルフ 「…。」

竜騎士  「…いいです…。恨んでなど…いません…」

男ハーフエルフ 「っっ」


ダークエルフ  「報告しろ」

男ハーフエルフ 「騎士達が総出で竜騎士の捜索に…」 ヒソヒソ..

ダークエルフ  「だそうだぞ?」

山賊首領 「計画通りって訳だ…。」

ダークエルフ  「男ハーフエルフよ、この娘を見張れ。終わるまで逃がさぬようにな。死なせてはならんぞ。」

山賊首領 「先生、どちらへ?」

ダークエルフ  「お前たちに付き合うのはここまでだ。私はコレクションの収集に忙しい。
      最大の脅威は取り除いてやったんだ、後は自分たちで好きなようにやれ。」

山賊   「このお礼は改めて…。」

ダークエルフ  「火竜の巫女よ、いや、穢された元巫女と言うべきかな? お前は生きる。私には判るよ。」

竜騎士  「…」

ダークエルフ  「お前の門出が祝福すべきものとなった事、風の便りに聞けるのを楽しみにしている。さらばだ。」

山賊首領 「ようし…! 行こうじゃねえか…!」









(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



騎士見習い「てんめえこの野郎…!! 竜騎士さんを売りやがったな!!」

男ハーフエルフ 「うわああっっ!!」 スタタタ..

騎士見習い「逃げるかこの野郎ぉぉ!! ちくしょお、ぶっ殺してやるっ!!」

竜騎士  「だめっ! 殺しては、いけないっっ! けほっ ごほっ…」

騎士見習い「竜騎士さんっっ どうして! …くそ、くそ!」

竜騎士  「見ないで…いただけますか…。このような惨めな姿…誰にも見せたくない…」

騎士見習い「いま、手足を解いてあげるから…」

竜騎士  「いいです。それより誰か、…いえ、黒騎士さん以外の騎士を一人だけ呼んで下さい。
      一人だけです…。他には連れて来ないでください。」

騎士見習い「黒騎士さん以外? 黒騎士さんは駄目なの?」

竜騎士  「黒騎士さんにはできない事を頼まなくてはなりません。」









(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



姫騎士  「うっ…うっ… くっ…!」

竜騎士  「ありがとう…でも、私の為でしたら、もう泣かないで下さい…。」

姫騎士  「貴女の為だけではっ、ありませんのっ! …縄を解きました。さあ捕まって。沢の水で身体を…」

竜騎士  「その前にお願いが…。大変心苦しいのですが、何方かにお願いしなくてはならないので…」

姫騎士  「なんですの?」

竜騎士  「私を殺してください。」

姫騎士  「……!!」

竜騎士  「自害する方法も、刃物すらも持っていません。お願いします…。」

姫騎士  「いけませんわ…」

姫騎士  「ここで何があったか何をされたかは訊きません。
      まずは沢の水で身体を清め、頭を冷やすのです。慌てなくても死ぬのは後でもできます。」

竜騎士  「後では全て手遅れなのです…。孕むなど…あってはならない事っっ…」

姫騎士  「っっ!」 ギリリッ..


竜騎士  「もし姫騎士さんが出来ないと仰るならば、何方か別の方に代わっていただけますか…」

姫騎士  「……。」

姫騎士  「では、この短剣を、握って、喉に当てて…」

姫騎士  「いいえ、わたくしの喉に、ですわ!」

竜騎士  「…!?」

姫騎士  「これからわたくしが申し上げる事は、とても酷くて残酷なこと。
      黙らせたくば、力を込めて真横に一気に引きなさい! …よくって?」

竜騎士  「…。」

姫騎士  「胎内にどれだけ精を注がれようと、何人に犯されようと、子を孕むかどうかに関係ない。
      だから孕んだのかどうなのかは身体に異変があるまで判らない。」

姫騎士  「もし、子が出来てしまった時には、誰も居ない所で一人で産むのです。
      誰にも見られぬよう、誰にも聞かれぬように。大丈夫、人は一人ででも産めるのです。」

姫騎士  「大きな深い入れ物に産湯を用意するの。
      生まれた子が人では無かったなら、その産湯に入れ…、手を放す…。
      沈んで、そのうち動かなくなる…。生まれなかったことになるだけ。
      刃物を振るう必要なんかないわ。」

姫騎士  「生まれた子が人の子だったなら、引き取り手は沢山いるから、辛ければ彼らに渡しなさい。
      手に掛けずとも居なくなる。」


姫騎士  「それですべて元通り…」

竜騎士  「姫騎士さん…?」

姫騎士  「どうしてそんな惨い経験を覚悟してまでも生きろと、そんな事を言うのは…
      ほんの少しでも生きていたいと思うなら、生きて欲しいのです。
      恥辱の記憶に苛まれても、生きていれば、剣で雪ぐこともできるのです。」

姫騎士  「だけど自刃して果てたら、惨めな一生で幕を降ろしてしまうのですよ!?
      そんなの絶対嫌です! わたくしが嫌なのです!」

竜騎士  「ああ… 姫騎士さんが取り戻したいと、そうおっしゃっていたのは――」

姫騎士  「そう、今の貴女と同じ… わたくしも死を選ぼうとして、爺やに止められた。
      姫としての純潔を失おうとも、騎士として汚辱を雪ぐことはできるって…!」

竜騎士  「貴女の身体の傷跡…そうでしたか…。
      貴女は、誇りを取り戻す為に、その剣を振るって来られたのですね…」

姫騎士  「高みから救いの手を差し伸べるその程度の覚悟では、助ける事など叶わぬほど、
      酷い事実と向き合わねばならない者もいる…、そう言いましたわ。」

姫騎士  「でも、わたくしは決して高みから手を差し伸べているのではありませんわ。
      だから、聞き入れて下さいますわね?」


竜騎士  「……。助けてください…」

姫騎士  「わたくしに何かできますか?」

竜騎士  「私には、竜の巫女としての最後の役目が残されております。
      私はこの身を主に捧げる…筈でした。」

姫騎士  「身を捧げる…? それってどういう…」

竜騎士  「火竜は、人を喰らい強大な力を得ます。
      火竜と巫女との契約により、私はまだ幼い竜である主の糧となる定めとなりました。」

姫騎士  「糧!? 食べられると言うの!?」

竜騎士  「八年前、火竜と共にある民は、十字軍の脅威に晒されました…。
      火竜の助けを得んが為、巫女は生贄を差し出す契約を。その生贄が私でした。」

竜騎士  「一つ願いを叶えていただけるとのことで、私は贄となるまでの間の三年間の約束で、
      火竜の武力を以って虐げられる人を救う竜騎士となりました。」

姫騎士  「それが貴女とドラゴンとの契約ですの…!? 三年って…では、いつ!?」

竜騎士  「半年後です。半年後、私は主であるあの子の糧となる…筈でした…。」

姫騎士  「貴女の命は、あと半年ってこと!? そんな…!」


竜騎士  「私はそれで良いのです。八年も前から覚悟していたことですから…。」

竜騎士  「ですがもし、胎に子を宿してしまっていたなら…
      お腹の子を、まだ生まれてもいない子を、巻き添えに…!」 ポロポロポロ..

姫騎士  「…!!」

竜騎士  「助けてください…。犯されて出来た子でも、胎の中の子に罪は無いのです。
      生まれてくる事も出来ないまま死なせてしまうことは、私には出来そうにありません…」

姫騎士  「っっ!」 ギリリッ..

姫騎士  「なら、契約履行を放棄して火竜から逃げるというのは…!?
      あるいは、それこそ大陸中からドラゴンスレイヤーの勇者一個小隊もかき集めて、
      武力で火竜に契約破棄を迫るのはいかがっ…!?」

竜騎士  「貴女が決して屈辱に背を向けないように、私も巫女としてそれはできません…。」

竜騎士  「火竜にも主であるあの子にも、何人もの人を救って頂きました。
      私は火竜を愛しています。契約を果たすことで彼らに報いたいと願っておりました…。」

姫騎士  「ここで死んでもっ、巫女としての役目は果たせないのではなくって!?」

竜騎士  「竜騎士として戦場で果てたとあれば、それは役目を終えた事を意味します。
      亡骸を主の元へ運んでください。私の魂はきっと火竜と共にあることでしょう。」

姫騎士  「孕むと決まってはいませんわっ!」

竜騎士  「ええ。しかし、子を宿したと判った時はすべては手遅れ…
      子を胎に抱えながら竜の糧…その時、胎の子に何と詫びればよいのでしょう?」

姫騎士  「なら…それならっ……!」

姫騎士  「それなら… ぐっ… ううっ…」

竜騎士  「一思いに殺して下さい。胎内の精が赤子となるその前に…」

姫騎士  「ぐ…っ! ううっ…!」 チャキッ

竜騎士  「主に、あの子に、今までありがとう、と伝えてください…。」

姫騎士  「う…、う…!」 ブルブル

姫騎士  「うわああああ~~~っっ!!」










(森林地帯・隠れ谷・満月の赤い夜)



黒騎士  「やめてくれ…!」 グッ

姫騎士  「…!?」

竜騎士  「黒っち…さん…?」

黒騎士  「自殺なんかやめてくれ… また…、また私の目の前で…」

竜騎士  「…!」

黒騎士  「何をしても受け入れてくれると、そう言ったよな…?
      だったら、刃物なんかでなく、私の手を…受け入れて欲しい…」

竜騎士  「黒騎士さん…」

黒騎士  「…受け入れろっっ!!」

竜騎士  「…わ、私は…っ」 プルプル..

黒騎士  「竜騎士、きみもなのか!? きみも私の手を拒み、命を絶ってしまうのか!?」

黒騎士  「そんなの嫌だあああっっ!!」

竜騎士  「わたしは… ああ…」

黒騎士  「またここで、この手を拒まれたら…私の贖罪は、未来永劫、終えられない…」

竜騎士  「…!!」


黒騎士  「代わってやるよ! 竜の糧が要るなら私の命をくれてやるっ!」

黒騎士  「巫女でないと駄目なのか!? ドラゴンが食い物の選り好みなんかしないだろう!?
      私を喰らわせればいい!」

竜騎士  「…それはだめです。絶対。」

黒騎士  「私なら、生まれる前の無垢な赤子とは訳が違うっ。略奪者一味という大罪を背負った罪人だ。
      きみの命と引き換えなら、喜んで死で償う。そうさせてくれ!」

竜騎士  「…そうですか…。ありがとう。
      でも、だめですよそんなの。貴女の罪はもう洗い流されようとしています。」

竜騎士  「ああ、どうやら私は…
      人の道を外れ地獄に堕ちた亡者のごとく嘆き苦しむ覚悟を、しておかねばならないようですね…」

竜騎士  「もし、子を宿してしまったなら、私は地獄の門を潜るのでしょう。
      運命の審判が下されるのを待とうと思います…。」

姫騎士  「…っ」 ギリッ..

姫騎士  「地獄を見るべきは賊どものはず…! 一人残らず斬り刻んで血の海に沈めてくれん!」

竜騎士  「彼らは、自らをも憎んで呪っているようでした…。
      全く違う生き方を選んだ私に怒りを込めて…生の苦しみを味わせたいと…。」

騎士見習い「あの、まだ道具が残っていたから…お湯を温めたんだ。沢の水は冷たいから…」 ゴトッ

黒騎士  「すまない、気が利くな。」

黒騎士  「さあ、私がきれいにしてやるから… うっ、うっっ、ぐすっ…」 パチャッ..

竜騎士  「ありがとう…。貴女の差し伸べてくれる手は、あたたかいです…」









(森林地帯・エルフの村・水車小屋近辺)



女騎士  「竜騎士は…?」

黒騎士  「――。」

王国騎士 「ドラゴンさんがいつもの処に居ませんね?」

黒騎士  「――れた…」

女騎士  「なんだい?」

黒騎士  「く…喰わ…喰われた…」

女騎士  「喰われた? 何が?」

黒騎士  「ドラゴンが…竜騎士をいきなり… 噛み付いて…」

王国騎士 「ええっ!?」

黒騎士  「竜騎士に噛み付いて、飛んで行ってしまった…」

女騎士  「なんだって!?」

黒騎士  「身を穢された事を主に詫びようと、私の外套を脱いで… すぐ…」

女騎士  「ドラゴンが、彼女を? そんな…」

黒騎士  「あっという間で…剣を抜くことすら… 何もできなかった…助けられなかった…」

女騎士  「どうして!? 何が…!!」


王国騎士 「…その時、竜騎士さんは悲鳴を上げたり、助けを求めたりは?」

黒騎士  「いや…どうだろう…無かったと…」

王国騎士 「食べたのではなく、銜えて飛んで行ったのだと思います。」

女騎士  「そうなのか? …まあ、そうだろうな…」

王国騎士 「あのドラゴンさん、あれで結構器用で、川に落ちて泣いてる子を銜え上げたり、
      洗濯物を銜えて木の枝から降ろしたり…
      いろいろ積んである荷車からリンゴだけ取り出して盗み食いしたこともあります。」

女騎士  「ああ、それは私も聞いたなw」

王国騎士 「ひどいんですよ?
      後ろからそーっとあたしのスカートめくって、パンツまで降ろそうとしたんです!」

黒騎士  「なっ!?」

女騎士  「なんというチャレンジャーwww スカートめくりじゃ満足しなかったかwww」

王国騎士 「びっくりして、つい本気で蹴り飛ばしてしまいました。」

黒騎士  「わ、私が水車小屋に近づくと、決まって唸り声で威嚇して来たのだが…?」

女騎士  「そりゃ、竜騎士ちゃんをアレしようって邪な事考えてるのが判るんだろwww」

黒騎士  「うむぅ!?」

王国騎士 「竜騎士さんとドラゴンさん、まるで親子か姉弟みたいに見えました。
      その竜騎士さんを食べてしまうなんてとても考えられないです。」


黒騎士  「そうか、そうだよな… ではどこへ…」

女騎士  「残念だが、戦線離脱だ…。」

王国騎士 「竜騎士さん、言ってました。
      誰にも報告なくドラゴンが居なくなった場合、竜騎士さんの意志ではなく
      主であるドラゴンさんの命令だと。その時には、もう共に戦うことは叶わないだろうって。」

女騎士  「ドラゴンが傷ついた竜騎士の身を案じて、離脱を決めたのだろう。
      竜騎士には気の毒な事をしてしまった。誰か騎士を護衛に張り付かせていたらあるいは…」

黒騎士  「それが厳しかった事は、私が一番わかる。
      少ない人数で交代で警戒態勢、村人の訓練…私だって夜這いが精々だった。」

女騎士  「夜這い? 彼女に? どうだったのよ?w」

黒騎士  「めいっぱい私を受け入れてくれた…。闇の中を彷徨ってる私の心を見抜いて、導いてくれた…」

女騎士  「導いて?」

黒騎士  「この村を救うことで、私の背負った過去の贖罪は終わりに、と…。
      私が救えなかった娘の代わりとなる為に、私に辱められるのもいとわなかった…」

女騎士  「そう…私も何でもいいから導いて貰えばよかったなあw」

王国騎士 「助けが必要な人の為に何でもできる、すごい方です。」


女騎士  「傷は…? その…心身両面で…」

黒騎士  「自害したりしないと約束してくれた…。それですら、私の為だったと思う…。」

女騎士  「そうかい…。少し安心したよ。彼女、身は穢されようと、心は曇っていないじゃないか。」

黒騎士  「彼女の幸いの為に、私は何ができるだろうか…」

女騎士  「まずは彼女の導きに従い、自分の戦いに終止符を打つべきだ。そうだろ?」

黒騎士  「…。ああ、その通りだ! …貴女は何でもよく判るんだな?」

女騎士  「こうでなくてはツワモノ共のリーダーは務まらんってね。戻ろうか…。」









(森林地帯・エルフの村・広場・深夜)



姫騎士  「彼女の受けた辱めは、奴らの血で贖わせます、必ず…!」

女聖騎士 「…あまり熱くなるなよ? 頭に血が上ると判断力が鈍る。」

姫騎士  「わたくしの頭に血が上るのはいつものことですわっ!」

女聖騎士 「お、おう…。それなら別にいいんだ…。」

姫騎士  「貴女は悔しくはないのですか!?」

女聖騎士 「悔しいさ。次からゲラゲラ笑いながらぶっ殺せるくらいだっ。」

騎士見習い「男ハーフエルフが竜騎士さんを罠に填めたんだ。許せないよ!」

女騎士  「不満分子が出るのは想定していたけど、いきなり裏切りとはきついねえ…どうしたもんか…」

黒騎士  「すまないが、鞘走る手を止められそうに無い。見つけ次第斬らせてもらう。」

王国騎士 「依頼主である村人を問答無用で処刑するのは…」

女騎士  「気に入らないね。」

王国騎士 「気に入る入らないではなく、全体の結束に影響が――」

女騎士  「いや、そうじゃない。見張りが居ないぞ。どこ行った?」

騎士見習い「そういや、やけに静かだね?」

女騎士  「…!! 全員抜刀!!」






村の家々  バタン、バタン! バタ、バタン! バタン!





山賊   「 動くな、女ども!! 」

山賊首領 「また会ったな? 疫病神w」

女騎士  「くっ…! くそっ、私まで頭に血が上っていたっ…」

山賊首領 「おっと、ヘタに動くと、クロスボウ二十発の毒矢の的だぜ?
      こいつのヤバさは良く知ってるだろ?www」

騎士見習い「おいっ!? みんなボクたちを矢で狙うなんてどういう事だよっ!?」

男エルフB「…っ」

男エルフC「~っ」

男エルフD「しょうがねえだよ…」

山賊首領 「どうもこうもねえな。こいつら村の男どもは俺たちを選んだんだ…。」

女騎士  「そりゃおかしな話だね。我々は村に雇われ、まだ契約は果たしていない。」

山賊I  「この羊ども、戦って死ぬより俺たちの家畜がいいんだとよ!」

山賊J  「女も殺さずメス豚として可愛がって欲しいってよwww」

山賊首領 「てめえらは村を護るのに失敗した。負けたんだ。だからクビだ。当然だろ? んぁ!?」


女騎士  「どうやって我々の留守を嗅ぎつけて、勝ちを盗んだ?」

山賊首領 「俺たちを手引きした奴が居るのさ。鍵がなけりゃ中から開けさせればいい。」

女騎士  「なるほど。乞食になったらその手を使わせてもらおう。で、どうするつもりだい?」

山賊I  「俺たちを愉しませてもらうぜ!w」

オークI 「あへえおチ○ポちょうだい~いいのいいのうほお~っと叫ぶブヒッwww」

山賊J  「豚ヅラのガキでも産めば、思い上がりも治るだろうぜwww」

姫騎士  「っっ!」 ギリリッ

女騎士  「姫騎士、待てっ 人質がいる…」

山賊首領 「…と、そうしてやりたいとこだが…お前たちはあのドラゴン娘と違って、
      泣きながら許しを請うような事は無えだろうな。」

山賊首領 「あれはいい女だぜ? ケツの穴壊されたくなかったら尻の力抜けと言ったら素直に従って、
      俺のナニを迎え入れたwwwブルブル震えながら悦んだぜwww」

黒騎士  「……殺す」 カチッ

女騎士  「待てっ、今は…」

山賊首領 「おかげであの女、この俺様に優しく女の喜びを与えて貰えたんだぜ?
      てめえらにもあのくらいの従順さが必要だろ。さもないと嫁の貰い手もねえぜ?www」

女騎士  「嫁の貰い手に不自由はしてないねえ。」

山賊首領 「そうかよw てめえらもメス豚に調教してやりたいとこだが、あいにく俺たちも暇じゃねえ。
      疫病神一同さまには、お引取り願おうか。」

女騎士  「引き取れ? このまま? えらく優しいね、気持ち悪ぃ。」


山賊首領 「道中必要な食料や馬はくれてやる。だが武器は置いていけっ。」

女騎士  「はーん、武器を捨てた途端に、オークたちに襲わせて力づくで組伏せ、自分たちは無傷で
      巧いことレイプへ持ち込もうってそういう腹だな? どっこいそんな手は食わないねえ。」

女騎士  「人質なんかで女の貞操には代えられないね、構うもんか。
      命の限り戦ってお前らを一人でも多くあの世に道連れだ。まずはお前だ、覚悟はいいか?」

山賊首領 「ご希望ならそうしてやってもいいぜ!? だがな、これでも俺たちは平和主義でな…」

山賊首領 「てめえらの中にゃ、戦友だの騎士団だのが後ろに控えてる奴がいる…
      そんなのにやれ仇討ちだ掃討作戦だと押し寄せられては迷惑だっ」

山賊首領 「身を護る最低限、小刀、脇差の一本くらいなら持たせてやってもいいぜ?
      だが剣だの槍だの弓だの物騒なのはここに置いて行け。迷惑料だ、売れば少しは金になる。
      武器を置いてとっとと失せろ。」

女騎士  「…村のエルフ達はどうなる?」

山賊首領 「成るようにしかならねえな! これまで通りだ。
      俺たちに食い物と金と女を貢ぐ為の毎日に戻るだけだ。」

山賊首領 「それがここのルールだからな! 武力でルールを変えようなんざロクでもない奴の考える事だ。」

女騎士  「どうにも気に入らないね。」

山賊首領 「てめーらには関係ないこった!
      ここで折り重なって骸になってまで、関わる義理は無いはずだ…そうだな!? んぁ!?」



女騎士  「…然もありなん」

女騎士  「聞いた通りだ。全員、主力兵装は放棄してくれ。帰投する。」

黒騎士  「――」

山賊首領 「やるってのか!? んぁ!?」

女騎士  「黒騎士、よすんだ。姫騎士、お前もな。」

姫騎士  「くっ…!」

女騎士  「我々が去るまで、武器に触らせるんじゃないぞ…? オークどもを下らせろ。虫唾が走る。」

山賊首領 「オークどもすっこんでろ。後でもっと大人しいエルフをたっぷり犯らせてやる。」

騎士見習い「…!」

女騎士  「全員、その場で武器を降ろせ。」 ガシャッ

山賊首領 「聞き分けのいい女は嫌いじゃないぜwww」

山賊首領 「こいつらの馬、引いて来い! 水と食い物も!
      そうだ、干し肉と酒も持たせてやれっ 帰りの道中せいぜい楽しくなwww」









(森林地帯・エルフの村・広場・深夜)



山賊首領 「村の連中がコソコソ隠してやがったエルフの女達を、てめえらが村にかき集めてくれたお陰でな、
      こちとら懐を温かくして冬を越せるってもんだwww」

女騎士  「…」

山賊首領 「女がもっと沢山居るならもっと上手い商売も有るって言うぜ?
      どんどん種付けしてガキをバンバン産ませればそれが売り物になるってんだ、驚きじゃねえか。
      まるで卵を産む鶏みたいだなwww」

女騎士  「…」

山賊首領 「世間ってのはおぞましいもんだな、んぁ?
      強者が弱者を家畜のように支配し搾り取り、それがまかり通る。秩序だ道理だってな。
      どいつもこいつも弱者を貪るのに必死にならなきゃ、生きていけねえ。
      それがこの世の黙示録ってやつだ。誰が決めたか知らねえがな。」

女騎士  「…」


山賊首領 「疫病神さんよ、てめえらほどの手練れが、何だってこんなつまらん貧乏エルフの為に?
      王でも貴族でもいい、有望な主君に仕えてそこで手柄を立てるのが頭のいい騎士だ。違うか?」

女騎士  「さあな、私は頭がよくないんだ。仕えるに値する主君なんてどこにも居ないように見えるね。
      所詮は山賊なんぞに身を堕とした輩に、騎士の何たるかは分からんよ。」

山賊首領 「ケッ そうかよ」

女騎士  「出発の準備は出来た。貴様のつまらん講釈はうんざりだよ。じゃあな。」

山賊首領 「行っちまえ疫病神! 二度と会いたくねえな、あばよ!www」









(帰路・馬上の騎士達)



女騎士  「…。」

騎士見習い「むっか~っ! なんだよあいつら! ボクたちに矢を向けるなんて!
      脅されたらあっさり手の平返して山賊の言いなりなんて、どんだけヘタレなんよ!」

姫騎士  「誇りある死より屈辱の生を選ぶというなら、それで結構ですわ…」

黒騎士  「竜騎士は…っ、あのような者達を守る為に犠牲になった訳ではないはずだ…っ」

王国騎士 「ごっ…ごめんなさい… 独自の判断で反撃する訓練がまだ十分できていなかったので…」

女聖騎士 「そういう問題じゃないだろ…。内通者まで居たとあればどうしょうもねえ、
      これは村の連中の問題だ。これでいいんだ。しかたないさ…。」

女騎士  「…。ちっ」


女騎士  「あ~すまない、本作戦はここで終了だ。こんな結末で残念だ。みんな付き合わせて済まなかった。
      感謝する。それぞれの思いがあるとは思うが、行ってくれ。」

王国騎士 「女騎士さん…?」

女騎士  「どうにも我慢ならない。私は村に戻る。このままじゃ腹立たしくて飯が喉を通りそうもない。」

女騎士  「いいんだ、行ってくれ。これはもう仕事でも契約でもなんでもない、唯の腹いせだ。」

王国騎士 「…! では私も! 戦乙女は英雄と共にあると神話にもあります。お供します!」

女聖騎士 「むほ~っ、来たぞ来たぞ、ここから逆転劇!www 英雄伝説はこうでなくっちゃ!www
      帰るなんて有り得えねえ、アタシも付いていくからな!www」

女騎士  「なあお前ら、判ってんのか? 中二は卒業しろよ? 死に急ぐって言葉知ってるか?」

黒騎士  「竜騎士が私を導いてくれるのだ…! 私の最後の贖罪に悪党共一人残らず屠ってくれん!」

姫騎士  「我が雪辱の剣が、女の敵を殲滅せよと疼きますの!
      奴らの悲鳴の子守唄を聞かない事には夜も眠れませんわ!」

女騎士  「二人の血の気の多さはどうしたもんかねえ?」

騎士見習い「止めたって無駄だよ! エルフ娘を助けなくては男が廃る! ボクも行くからね!」

女騎士  「お前に至ってはもう、何言ってるかわからねぇなw」









(森林地帯・エルフの村・広場・夜明け前)



山賊首領 「さて、間もなく空も白み始める…戦勝会も兼ねて、ここで総括をしたい…。」

山賊首領 「村の者どもよく聞け…。俺が嫌いな奴が二つある…。」

山賊首領 「俺の言う事を聞かない者っ! そして裏切り者だっっ!!」

男エルフ達(ビクッ)

山賊首領 「そう! 食う物が無くなる、生活できないってんで、お目こぼしで銭残してやったら、
      あんな女共を連れて来やがったっっ!!」

山賊首領 「これはお前らの支配者である俺達への、立派な裏切りだっ!! んぁ!?」

男エルフ達「…」

山賊首領 「罰を与えねば成らん…そうだな?」

男エルフ達「…」

山賊首領 「長老! …ありゃじじいだ、先も長くない。ほっときゃそのうちくたばる。罰にならん。」


山賊首領 「あいつらを呼び込む事を企んだ奴がいるはずだ! …出て来い。」

男エルフ達「…」

山賊首領 「出てこないならっっ! …男も女もみんな罰を受ける。…ガキ共もだ。」

エルフ子A「…。」 ブルブル

エルフ子B「…。」 ガクガク

エルフ子C「…。」 プルプル

山賊首領 「ガキは可哀想だな? オークのチ○ポに耐えられるかな?www」

男エルフE「ま、待ってくれ! 女子供はやめてくれっ…」

山賊首領 「お前が首謀者か? んぁ?」

男エルフE「お、オラじゃねえ…」

山賊首領 「じゃ誰だ…言ってみろ?」

男エルフE「オラ知らないだっ、本当だっ 誰かがいつの間にか決めただっ!」

男エルフF「そうだっ、きっとあのお節介の騎士どもが、正義だなんだって勝手に来たんだべ!?」

山賊首領 「んなわけあるかっっ!」

山賊首領 「…奴ら雇われたと言ってた。正直に言わないならどうなるか…判るな?」

男エルフG「オラ達知らねえ、本当だべ! た、助けて下せえっ お願いだっ」


エルフ娘 「わっ… 私よっっ!」

男エルフ達「…!!」

エルフ娘 「わ…私一人で、騎士達を呼んだのよっ!」

山賊首領 「…ほー、お前が? 一人で? ほー」

エルフ娘 「私一人が勝手にやった事よ。
      だから私だけっ、にっ、煮るなり焼くなり、好きにすればいいっ!」 ブルブル

山賊首領 「…だそうだが、本当なのか? お前たち」

男エルフH「そ、そんなことは…」

山賊首領 「どうなんだっっ!? んぁ!?」

男エルフ達「…。」

山賊首領 「…めんどくせえ。じゃ、この娘の勇気に免じて、こいつ一人に落とし前付けさせるかな。」

エルフ娘 「…っっ」 ガクガク

山賊首領 「ふん、震えてるじゃねえか、かわいそうになwww 安心しろ、殺しゃしない。へへへ…」

男エルフ達「…。」

山賊首領 「おい、活きのいいオーク一匹連れて来い。」


エルフ娘 「い…や…っ!」 ガクガクガク

山賊首領 「男ども全員良く見て肝に銘じておけっ!
      タマナシのお前らは俺達に飼われる羊だっ! …逆らうなど身の程知らずだとな。」

男ハーフエルフ 「待ってくれ、そいつは俺の女だ。」

エルフ娘 「…!?」

山賊首領 「んだと?」

男ハーフエルフ 「その女に罰を与えるのは、俺だ。」

エルフ娘 「なっ…!?」

男エルフ達「…!?」

山賊首領 「…ちっ、しょうがねえ…。いいぜ、好きにしろ。」


男ハーフエルフ 「エルフ娘、俺以外の男に絆されるなんてダメじゃないか。」

エルフ娘 「…な、何の事よ! あんたに関係ないじゃない!」

男ハーフエルフ 「関係ない? いけないなあ、俺の女なのにそういう態度。」

エルフ娘 「あんた、山賊共とグルなの!? どうして!?」

男ハーフエルフ 「君がいけないんだよ? 俺の女なのにあんな奴に処女をくれてやるなんて、バカな女だよ。」

エルフ娘 「私がいつ、あんたの女になったってのよっ!」

男ハーフエルフ 「俺の女なんだよ! だから俺の言う事に従わなくちゃいけないんだ!」

エルフ娘 「お断りよっ!」

男ハーフエルフ 「ここで、村の男女がみんな見てる前で、服を脱いで裸になりなさい。」

エルフ娘 「なっ!?」

男ハーフエルフ 「それとも、オークを選ぶかい? なら加減させないよ? 全力全開で犯らせる。」

男ハーフエルフ 「奴らが全力で犯れば、きみの願望を叶えてくれるよ。前も後ろもめっちゃくちゃにしてくれる。
      性器が壊れて子供は産めなくなるかもね。それにお尻の穴は開きっぱなしで一生オムツだ。」

エルフ娘 「…!!」 ゾクッ..


男ハーフエルフ 「そんな身体じゃ男はもう相手にしないよ。俺だって要らない。いいんだね?」

エルフ娘 「あ… まっ…て…」 ガクガクガク

男ハーフエルフ 「山賊さん、オークを」

エルフ娘 「待って!! イヤ! いやぁ…!」

男ハーフエルフ 「じゃ、やっぱり俺の言う事に従うんだね。返事は?」

エルフ娘 「従うわっ だからオークはやめて…!」

男ハーフエルフ 「じゃさっさと脱ぐんだ、ほら早く。あいつの前ではあんなに喜んで脱いだじゃないかっ」

エルフ娘 「私をここで裸にして、どうするつもりよっ!?」 シュルッ..パサッ..

男ハーフエルフ 「みんなに見せてやるのさ。ほら、パンツも脱いで。」

エルフ娘 「ううっ…ぐすっ」 スルスルスル..

男エルフ達「っ…」

男ハーフエルフ 「男達は下向いちゃダメだぞ。ちゃんと見ない奴は酷いことになるからな。」


男ハーフエルフ 「おまえら、エルフ娘が名乗り出て内心ホッとしてるんだ。
      今まで俺をさんざんコケにしてきたくせに、女の子一人を犠牲にして
      自分と家族の事だけを考える恥知らずのブタどもめ。」

男エルフ達「…。」

エルフ娘 「い…言う通りっ…全部、脱いだわっ」 プルプル

男ハーフエルフ 「じゃ、これからお前が俺の女だと、こいつら全員の目にしっかり焼きつけてやる。
      そこに座って、足を開くんだ。ア○コを俺に向けて指で広げて、誘って見せるんだ。」

エルフ娘 「ど…どうしてこんな処でっ…!? だ、誰も見てない処でいいじゃないっ!」

男ハーフエルフ 「俺に種付けされてる処をみんなに見せておくのさ。その身体が誰の物かはっきりさせておく。
      もう浮ついて他の男に興味持ったりしないほうがいい。」

エルフ娘 「ひ…ひどいっ どうしてそんなことするのっ…ぐすっぐすっ…」

男ハーフエルフ 「罰だよ。ほら足を広げて。あんな奴のじゃなく、俺の精で悦ばなきゃ。」

エルフ娘 「いやだぁ… 恥ずかしいっ…」 ポロポロポロ..

男エルフB「なあ…泣いてるじゃないか…いい加減にしとけよ…」

男ハーフエルフ 「うるせえよ!!」


男ハーフエルフ 「お前ら、俺が人間とのハーフだからってみそくそ一緒みたいな扱いしやがって!
      お前ら純血種が偉ぶってみてもこのザマじゃないか! クソブタ共がっ!」

男エルフC「誰もそんな事言ってねえだよ…」

男ハーフエルフ 「嘘つけ! 下衆な人間との雑種だとお前たちが罵るせいで、女にまで軽く見られるんだ!」

エルフ娘 「わ…私、貴方がハーフだからって、それでバカにしたりなんて、一度も無いわっ」

男ハーフエルフ 「一度も俺の言う事に素直に従った事ないくせに、ウソを言うなっ」

エルフ娘 「貴方の血が半分人間だからって、そんなこと関係ないっ」

男ハーフエルフ 「じゃ俺の女で何が気に入らないってんだよ! こいつ、身体でわからせてやる!」 ガッ!

エルフ娘 「いやよっ いやっ! いやだあっっ!」

      ピュン! ビシッ

男ハーフエルフ 「痛っ!」

山賊首領 「…なんだぁ?」

      ピュン! バシッ

男ハーフエルフ 「痛いなっ!? 誰だっ、石ぶつけたのはっ!?」

山賊   「…! 頭っ、屋根の上! あいつ…!」

騎士見習い「 じゃ~ん! 正義の味方参上! へへ~んだっ! 」

山賊首領 「んだぁ!? くそガキ、何をちょろちょろと…!!」

山賊   「パチンコとかふざけやがるっ おい、矢をよこせ!」









(森林地帯・エルフの村・夜明け前)



女騎士  「何は無くても武器を取り返さないとな。小剣だけじゃどうにもならない。」

女聖騎士 「この表に見張りが居るな…」

女騎士  「軟禁した女達か、あるいは武器か…」

女聖騎士 「おい! やばい、騎士見習いのやつ!」

女騎士  「…!? いけない! 見張りは私が始末する! 騎士見習いを頼む!」

女聖騎士 「あんのバカっ!」 ダダダッ!

山賊I  「あっ!? な、なんだてめ――むぐぅ!?」

女騎士  「おやすみ」 ドスッ ズビュッ!

山賊I  「」 ズルズルズル.. ドサッ

女聖騎士 「おい騎士見習い! こっちだ! 逃げろっ!」

山賊首領 「あの女ども、戻って来やがった…! もう我慢ならねえっっ、ぶっ殺せ!!」


山賊   「ええい、くそガキちょこまかと!!」 ビュン!

騎士見習い「うわああっ!」 ドシャッ!

女聖騎士 「ドジっ! 何やってんだっ 来いっ!」 ダダダッ

山賊   「くそガキ! 毒矢でも食らってくたばれっ!」 ビュン!

女聖騎士 「騎士見習い! 危ないっっ!!」 ガバッ



      ガスッ



騎士見習い「……! 女聖騎士さん!?」

女聖騎士 「ぐっ…! ち、ちくしょ… 装甲抜けやがった…」

女騎士  「こっちだ!! 来るんだ!! この家の中へ入るんだっ!! 早くっ!!」 ダダダッ

騎士見習い「女聖騎士さん、しっかり!!」

女聖騎士 「ぐっ… うぐっ… ぬかった…」 ヨロヨロ

山賊首領 「野郎ども、やっちまえ!! ぶっ殺せえっっ!!」









(森林地帯・エルフの村・民家・夜明け前)



山賊J  「」 (:Q_

女騎士  「ドアの前にテーブルと椅子を積むんだ! 早く! 奴らを入れるな!」

騎士見習い「わかったよ! 押えてる!」

山賊   「出てこい女ども!!」 ダンダンダンッ ドカッドカッ

女騎士  「女聖騎士、大丈夫か!? 今、止血してやるっ しっかりしろ!」

女聖騎士 「大丈夫…と…言いたいとこだが… こいつ、例の…毒矢だ… うっ ぐっ」

騎士見習い「ごめんよぉ! ボクの為にっ!」

女聖騎士 「エルフ娘の…ピンチじゃ、ああする他ねえよな… よくやった、だから気にするな、へへ」

女騎士  「お前の聖剣"クルセイダー"は取り返したぞ。騎士見習い、お前のレイピアもだ。」

女聖騎士 「アタシにはもう必要無い…。女騎士、あんたにやるよ。
      教会のクソ洗礼で汚れちゃいるが…奴らから奪った錆びた剣よりマシだろ… うっ… ぐ…っ」

女騎士  「待て待て待てっ! 死ぬにはまだ早すぎるだろおいっ!?」


女聖騎士 「なあ、女騎士、内緒のお楽しみのまま死にたく無いんだ、教えてくれよっ」

女騎士  「な、なんだい!?」

女聖騎士 「山賊どもの背後にいる真の敵は何だ…? 魔王か? 邪神か? 悪の帝王か?」

女騎士  「…」

女騎士  「大魔王だ。千年…いや五千年前に全世界を滅ぼした大魔王が亡国に復活する。
      賊どもは、その為のエルフの生贄を集める手駒に過ぎん。」

女聖騎士 「いいねえ…! さすが解放戦線の自由騎士、話のスケールが違うぜ…!www」

女聖騎士 「ぐ… そ、その大魔王ぶっ潰したら…待遇は何だ? 騎士団長か? 近衛隊長か?」

女騎士  「…帝国皇帝より、亡国に新しい国を作り治めるよう要請されてる。
      みんなにはそれぞれの地域の領主になって国を統治してもらうつもりだ。」

女聖騎士 「そ…そいつはすげぇ…! 騎士として…これほどの栄誉は他に無いじゃないか…!」

女騎士  「あ、ああ…! すげえだろ…!?」

女聖騎士 「やっとあんたも英雄として報われる…成功を祈るぜw」

女騎士  「ああ…! そうだとも…!」

女聖騎士 「ああ、目に浮かぶよ…
      大観衆に迎えられての凱旋…世界を救った英雄達に歓喜と祝福…アタシも――」 ブルブル..

女聖騎士 「」 ガクッ

女騎士  「――」

女騎士  「英雄凱旋の夢を見ながら眠りな…。」









(森林地帯・エルフの村・納屋・夜明け前)



山賊K  「表じゃ、エルフ娘のレイプショーだってのによ、何で俺がお前らの見張りなんだよ…。」

女エルフC「…!」

女エルフD「…。」

女エルフE「…っ」

山賊K  「お前らエルフの男は、テンでダメだな? あんな弱っちい奴らのナニじゃ不満だろ?www」

女エルフD「~っ」

山賊K  「おお、悪りぃ、お前らだってあんな弱っちい奴らのより、強い男のがイイよな?
      わかった、俺が愉しませてやるよwww」

女エルフD「誰がお前みたいな汚い男っ! くたばれっ!」

山賊K  「んだとぅ!? 俺が汚い!? 男に向かってその口の聞き方はどうよっ
      どうやらあのダメ男ども、さっぱり女の躾けが出来てないようだな!? 俺が躾けてやる!」

女エルフD「なにが躾けだよっ! お前の脳みそ膿んでるね!」


山賊K  「躾け始めに、お前のその口でキレイにして――ぐええぇぇぇ」 ビクッ

姫騎士  「這い蹲るがいいわ、下衆野郎。」 ズピュッ!

山賊K  「」 シューッ! ドサッ

女エルフC「姫騎士さま!?」

姫騎士  「無事かしら!?」

女エルフE「あ…有り難うございますっっ!」

姫騎士  「貴女達を守ってあげる事は出来ないわ。逃げるなり武器を取るなり、自分でお決めなさい!」

女エルフC「あのっ! 隣の小屋に、女エルフAと女エルフBがっ…! オ…オーク二匹に連れられて…!」

姫騎士  「…っ!!」 ギリッ!









(森林地帯・エルフの村・小屋・夜明け前)



女エルフB「あわ…あわわわ……」 ブルブルガクガク..

オークI 「いい締めつけブヒッ! 出るブヒッブヒッ! 」 パンパンパンッ

女エルフA「ふあぁ、ああっ、もっと、もっと突いてっ、ご褒美をくらはいっ、ご主人さまあんっ」

オークJ 「こっちもしっかり舐めてご奉仕するブヒッ」

女エルフA「はい、喜んでご主人様ぁ~ …はむっ ちゅっ…ちゅっ…」

オークI 「ブヒ~ッ!」 ビュルビュルビュル

女エルフA「ああぁ…ううん…ああん…熱いのぉ… もっと、もっとぉ…もっと注いでぇん」 ピクッ ピクッ

女エルフB「ああ……女エルフAちゃん……」 ブルブル

オークJ 「お前も後で可愛がるブヒッ。でも今はこのメス豚の方で忙しいブヒッ!」

女エルフA「ご主人様ぁ、そんな躾の成ってない女なんか放っておいて、私を可愛がって下さいませぇ」

オークJ 「可愛いメス豚ブヒッwww じゃ、ご奉仕させてやるから全部飲むブヒっ!」 ビュッビューッ

女エルフA「んくっ、んくっ、んくっ、けほっ…うっく、んくっ…」

女エルフB「……っ」 ブルブル

オークI 「ふぅ… もう出ないブヒッ お前の子袋に全部移ったブヒッwww」

女エルフA「う…嬉しいです、ご主人様ぁ…。ご、ご満足いただけましたかぁ…?」 ピクピク

オークI 「お前は俺様を愉しませるいい~いメス豚ブヒッwww ふぃー満足~www」


女エルフA「なら死ね」 ドスッッ!

オークI 「ブッヒイイイイイイイーーっっ!! な…鉈!?」 ボタボタボタッ

女エルフA「私はメス豚じゃあないいいいいいいーーーっっ!!」 ズビビシュッ!

オークI 「ギャアアアアアアアアアアッッ!! 腹が…臓物が… ブ…ヒッ…ぐぶっ」 ベチャッ

オークJ 「こここ、こいつっ!? どこに鉈なんかっ!? どこにブヒッ!?」

女エルフA「はぁ、はぁ、メス豚じゃない… 殺(バラ)す…!」 チャッ

女エルフB「あ…あ…いやぁ!」 ガタガタ

オークJ 「こ、このキチガイエルフ! 舐めていいのはチ○ポだけブヒッ! 調教し直しブヒーッ!」

姫騎士  「ここかっ!!」 バァン!!

オークJ 「…ブヒッ!?」

姫騎士  「豚野郎おおおぉぉぉ!! くたばれええええええっっ!!」 ズビュッ!! ブシュッ!! ビシュッ!!

オークJ 「グギャアアアアアアアアアーーッッッ!! ぐぇええええ…ぐふっ…」 ブシューッ

女エルフA「…。」

オークJ 「」 ビクンビクン

姫騎士  「死ねっ! 死ねっ! もう笑えまいっ! これで! これでっっ!!」 ビチャッ グチャッ ゴキッ

オークJ 「」

女エルフB「あ…あ…」 ブルブル

姫騎士  「フフ、そうよそれでいいの…苦悶の顔で死になさい…フフ」


姫騎士  「…ぐしゅっ」

女エルフA「姫騎士さん… 助けに来てくれたの?」

姫騎士  「うっ、うっ、ご、ごめんなさい…、遅かったっ…あああっ」

女エルフA「ううん、そんなことない、ありがとう。女エルフBちゃん守れた。」

女エルフB「女エルフAちゃん…!?」

女エルフA「私はいいの。奴らにさんざん躾られてるから。
      でも女エルフBちゃんに手を出すのは許さない。友達だから。」

女エルフB「あ…あたしの身代わりになるために、あんなことまでっっ…!」 ギュッ..

姫騎士  「でも…貴女は…」

女エルフA「豚の子を産み落として村中から蔑み忌み嫌われても、女エルフBちゃんは居てくれたから。」

女エルフB「ごっ、ごめんなさいっ…貴女があんまり惨めに思えたからっ…それでっ…」

女エルフA「でも、もう哀れんでくれなくていい。
      姫騎士さんが、受けた辱めの雪ぎ方、教えてくれたから。」

姫騎士  「…そうよ! 貴女を嗤い嘲る者達は殲滅しておしまいなさいっ…!」

女エルフA「私を嘲笑った奴らを、残らず殺(バラ)す…樽みたいに。」 チャッ









(森林地帯・エルフの村・倉庫・夜明け前)



山賊N  「くそっ、あの女騎士ども、しつこいにも程が有るぜ…」

男エルフG「…」

男エルフE「…」

山賊N  「うぉい、てめえらっ! 動くんじゃねえっ! 大人しくしてないとぶっ殺すぞ!」

男エルフG「…っ」

男エルフE「…。」

王国騎士 「ええーいっ!」 ドガン!!

山賊N  「なっ!? て、てめえ!」

男エルフE「!?」

男エルフG「パイオツの姉ちゃん…!?」

王国騎士 「その人たちを解放しなさい! 手向かうなら命は無いわ!」 m9(`Д´ピッ


山賊N  「なにぃ? そんな小刀一本でこの俺様に勝てるとでも?www」

王国騎士 「フンッ!」 ビュン!

山賊N  「ぬぅ!?」 カシン!

山賊N  「ハ! 投げつけてくるとはバカかおま――」

王国騎士 「くらえっっ! "戦乙女乱舞一式"っっ!!」 ガスッ!!ゴキュッ!!ゴスッ!!バキン!!ズバン!!ドゴォ!!

山賊N  「ぐぼおぉぉあああああーーっっ!! がはっ!!」 ドンガラガッシャーン

山賊N  「」

王国騎士 「フーッ…!」

男エルフG「すげえ…! 素手で武器持った男一人片付けたべ!? あんた、ただのパイオツじゃねえな!?」

男エルフE「さすがオラたつの教官だ!」

王国騎士 「乙女の嗜みです。逃げてください! 貴方達を守る余裕がありません!」

男エルフE「い、行くべ!」

男エルフG「あんたのなんとかシャベル、ここにあるだよ! この槍だべ!?」

王国騎士 「ああ、"ヴァルキリージャベリン"! 助かるわ! さあ行って!」









(森林地帯・エルフの村・夜明け前)



オークK 「」 ピクピク

姫騎士  「まだ嗤うのっ!? まだっ!? これでもっ!! これでもかっ!!」 グチャッ ボキッ ビチャッ

オークK 「」

姫騎士  「ああ…やっと嗤うのをお止めになったのね…でも、もう遅いですわ…」

オークL 「ヒイイイッッ!」

オークM 「いやだっ こっち来るなブヒッ!」

オークN 「たた、助けてッ…!」

山賊首領 「てめえらっ! 三匹掛かりで何やってる! 相手は女一人だっっ! 殺れ! 犯っちまえ!」

姫騎士  「まだわたくしを嗤うつもりですのね…?」 ユラリ

山賊首領 「行け! 三匹同時に掛かれっ! 怖気づく奴は毒矢で射つ! 死ぬ気で行けい!!」

オークL 「じ、じぐじょおおおおおっっ!!」 ダッ!

姫騎士  「忌々しいっっ!!」 グサッ!! ズシュッ

オークL 「ギャアアアアッッ!! グギギギギギギイィッッ!」 ブシューッ!


オークM 「ブヒィエエエッ!」 ザシュッ

姫騎士  「死ね豚野郎おおおおおっっ!!」 ザブッ!! ゴキッ!!

オークM 「ヒイイイイィィ!! 痛いっ! 痛いっっィィィ!! ウガアッ~アアア"ッ!!」 ジタバタ

姫騎士  「ぐっ…」

山賊首領 「…!」 チャッ

オークN 「たた、助けてブヒッ…! ミンチにされるのはいやだ! イヤだああっ!」

姫騎士  「さあ…残るオークはもうお前だけ… その薄ら嗤い、二度とできなくしてやるわ…」

オークN 「ブヒッ! わ、笑ってない、笑ってないっ!」

姫騎士  「今更取り繕っても遅いですの…
      お前たちは女を弄る事が全て…存在自体が許せません…皆殺しですわ…」

オークN 「お、お前なんかに因縁付けられる覚えは無いブヒィ!」

姫騎士  「おだまり…!! わたくしには全て同じ顔に見えます!!
      その嗤い、苦悶に変えて差し上げますわ…!!」 ジャキッ

オークN 「ヒイイイ~ッ!」



      ビュッ ブツッ…




姫騎士  「…。」

山賊首領 「へへへ…。クロスボウの味はどうだ…?」

姫騎士  「うっ…ぐ…! っ…!」 ポタポタッ

山賊首領 「随分オークどもを殺してくれたな? んぁ? ああ、ほぼ全滅だなこれは…。」

山賊首領 「だが、どうやらここまでのようだな?www」

姫騎士  「くっ…」

山賊首領 「おいそこのオーク、いつまで腰抜かしてやがる… こいつはもう戦えんぞ。
      この世の別れに抱いてやれやw」

オークN 「じょ、冗談じゃないブヒッ! こんな恐ろしい女っっ! 今すぐぶち殺すっっ!!」

姫騎士  「そうよ…あの時…、わたくしが殺せと言ったあの時…そうしていればよかったのですわ…」

山賊首領 「何言ってやがる…てめえに会った事は一度も無えよ。」

オークN 「ブッ、ブヒイイイッ!」 ズシュッ

姫騎士  「死にくされえええええっっ!!」 ズバッ!!

オ//ークN「」 ゴロンゴロン

姫騎士  「フフ、いい気味… 首が無くては二度と嗤えないわ…フフ」


山賊首領 「ちっ… てめえ… まさか…」

山賊首領 「面白い話を思い出したぜ…? 手下どもの中に、亡国の近衛兵だったってのが居てな、
      そいつが話してた。どこまで本当の話かは知らねえがな。」

姫騎士  「…。」 ポタポタッ

山賊首領 「亡国の姫は、阿呆な義兄の裏切りで十字軍に大敗、僅かな手勢だけを連れ孤立、
      敵に追われ魔物の生息地に踏み込む…」

山賊首領 「手勢はオーク共に次々殺され、姫は奮戦空しく捕らわれ、死を望むが聞き入れられず…
      オーク共の陵辱を受け貞操を奪われた姫は泣き叫んだそうだが、
      屈服し妖魔のメス奴隷になることも自刃を選ぶ事も無かった…。」

姫騎士  「…」 ポタッ ポタッ

山賊首領 「しばらくして、その森に多数のオークどもの死体が転がるようになった。
      みんな惨たらしく切り刻まれ、地獄でも見てきたようなツラで絶命していたという…。
      今じゃその森には、オークは全く居ないそうだぜwww」

姫騎士  「フッ…。虫唾の走るお話ですこと…。」


山賊首領 「俺は、その姫を穢れた汚い女だとは思わないぜ?」

山賊首領 「身体の話じゃねえ、精神、魂の在り方だ。死んじまうかいっそメス豚に堕ちてしまえば、
      恥辱や苦しみともおさらばだろうに、這い蹲り屈辱を噛み締め復讐に生きる道を選んだ。
      惚れ惚れするイイ女じゃねえか。」

姫騎士  「そう…。お前なんかに誉められても嬉しくないと仰るに違いありませんわ…。」 ポタッ ポタッ..

姫騎士  「お前の話はもう飽きました。止めを刺しなさい。
      今度こそ、言われた通り殺さないと後で地獄を見ますわよ…フフ」

山賊首領 「希望に応えるべきだが、あいにく止めの矢がもう無いぜ。
      じきにくたばる手負いの獣にわざわざ近づくのは御免だ。」

山賊首領 「イイ女ってのはつくづく手が出せないもんだな? そこでくたばんな。あばよ。」

姫騎士  「…」 ドサッ









(森林地帯・エルフの村・夜明け前)



山賊L  「キィエエエエエッ!」 ダッ!

黒騎士  「ろくぅ~にんっっ…!!」 ズビュッ!!

山賊L  「あ"…が…」 シューッッ

山賊L  「」 ドサッ

黒騎士  「…! 姫騎士!? おいしっかり!」 ダッ!

姫騎士  「黒っち…さん…」

黒騎士  「くっ…そこで手当てを…!」

姫騎士  「結構…ですわ… わたくしはもう…」

黒騎士  「何を言う。まだ終わらんよ! …お前の"アルテミスの弓"、取り返したぞ。」

姫騎士  「その弓…わたくしには使えませんの…。
      処女神の加護は…もう…とっくに… 王国騎士の…戦乙女の投げ槍と…はっきり…差が…」


黒騎士  「何を弱気な事を言う! そんなもの無くともお前は勇敢な騎士だっ」

姫騎士  「わたくし…メス豚じゃない…ですよね…?」 ポロポロ..

黒騎士  「何を言ってる、当然だっ!
      お前を嗤った奴らは地獄の劫火で焼かれながら、お前を侮辱した事を後悔している!」

姫騎士  「…汚辱…雪げたですよね…? 騎士ですよね…?」 ポロポロポロ..

黒騎士  「ああ! 雪辱を果たしたぞ! 胸を張れ! 顔を上げろ! お前は誇りある騎士だ!」

姫騎士  「そう…よかった…」ニコ..

黒騎士  「おい…!?」

姫騎士  「」






クリリン「ひでえ・・・一人ずつ死んでいきやがる」

パンツ穿いてみてるわ




(森林地帯・エルフの村・夜明け前)



山賊P  「そっち行ったぞ! 囲めぇ! 女騎士ども殺っちまえっ!」 ドヤドヤ

山賊O  「山賊Q! 矢ぁ持ってこーいっ!」 バタバタ

山賊Q  「あああ"~っっ 痛え~っ! 痛ええぇ~っ!」 ジタバタ

騎士見習い「エルフ娘!」

エルフ娘 「た、助けに来てくれたのね!? ありが――」

男ハーフエルフ 「動くな!!」 ガッ!

エルフ娘 「きゃあっ!?」

騎士見習い「…!!」

男ハーフエルフ 「来るんじゃない! この女、殺すぞ!」

エルフ娘 「な、何を…!?」

男ハーフエルフ 「脅しじゃないぞ! 逆らうなら喉かき斬ってやる! 来るんじゃない!」

エルフ娘 「やめてぇっ…!」

騎士見習い「いいかげんにしろ! 彼女がお前に何をしたってんだ!」

男ハーフエルフ 「何をしたって!? お前こそ女の格好して油断させエルフ娘に近づいて、犯したんだ…!」


男ハーフエルフ 「この女装の変態野郎っ!」

騎士見習い「それをどうしてエルフ娘に当たるんだよ! 村のみんなの前で裸にして、酷いよ!」

男ハーフエルフ 「酷いもんか。俺だって知らなかった、エルフ娘がこんな男にだらしないビッチだなんてっ」

エルフ娘 「そんな…ぐすっ」

男ハーフエルフ 「今だってっ この混乱の中、裸で俺に後ろから抱きすくめられて、身体震わせながら
      犯されるのを待ってる。弩スケベな女…あきれるよ。」

エルフ娘 「違うわっ違うっ!」

騎士見習い「…竜騎士さんが殺すなって言ったから、今ならまだ許してやる。彼女を放して村から出て行け。」

男ハーフエルフ 「何様のつもりだっ、お前が出てけ! ヨソ者のくせに偉そうに!」

騎士見習い「言われなくても出ていくさっ!」

エルフ娘 「…!」

男ハーフエルフ 「ほらな…? こいつは所詮、遊びでしかない…。
      どんなにお前が身体を捧げてみても、こいつはやり逃げするだけだ…判ったか? バカ女」

エルフ娘 「…。」

男ハーフエルフ 「やっぱりお前は俺の物だよ。だから俺に従わなければいけない。」 クチュッ

騎士見習い「その汚い手でエルフ娘に触るなっ!」

男ハーフエルフ 「俺なら、ずっとお前を可愛がってやれる…そうだろ…?」 クチュ..クチュ..

エルフ娘 「あ…あ…イヤ…」 ピクッ ピクッ


男ハーフエルフ 「ほら、見ろよ。もう膣を濡らしてる。言ってることと身体とが一致しない淫婦め。」

エルフ娘 「ぐすっ、酷いわ…っ」

騎士見習い「このっ――」

男ハーフエルフ 「来るんじゃないぞ!」

男ハーフエルフ 「…まだ分からないのか? こいつ、酷いとか言いながら、こうやって俺に詰られて
      悦んでるじゃないか。お前邪魔なんだよ、行ってしまえっ」 クチュ クチュ..

エルフ娘 「ああ…ああ…」 プルプル..

男ハーフエルフ 「しょうがない女だ。お前はしっかり躾けて、俺のメス豚に調教しなきゃいけないね。」

女エルフA「ねえ…」

男ハーフエルフ 「…!? いきなり俺の後ろに立つなっ! この肉便器っ!」

女エルフA「なら死ね」 ドスッ!

男ハーフエルフ 「ぎゃあああっっ!!」









(森林地帯・エルフの村・水車小屋近辺・夜明け前)



男ハーフエルフ 「はあはあ! はあはあ! うっ…ぐっ… た、助けて…はあはあ…」 ヨロヨロ

女エルフA「 "あんな穢れて汚いメス豚なんか、山賊にお似合いだよ" 」 ヒタヒタ..

男ハーフエルフ 「うわああ… く、くるなっ…! 鉈女っ、くるなああ…!」 ヨロヨロ

女エルフA「私を嘲笑ったお前は、殺(バラ)す。樽のように。」 ヒタヒタ..

騎士見習い「ま、待って! 女エルフAさん、もういい、もういいよ!」 グッ

女エルフA「良くない。雪辱とは血で贖わせること。姫騎士さんが教えてくれた。」

男ハーフエルフ 「やめてくれっ! 助けてっ… はぁはぁ…! うあっ」 ドシャッ

騎士見習い「殺しちゃダメだ。こいつクズだけど、竜騎士さんは殺すなって…だから…!」

女エルフA「私の未来を粉々にした。」

騎士見習い「え…」

男ハーフエルフ 「本当の事を言っただけだろっ! 言い掛かりも大概にしろっ! ぐっ…ううっ…痛いっ…」

女エルフA「お前が嘲笑ったあの日から、男達の向ける目が…
      婚約も無かった事にされて、誰も寄り付かなくなった… お前の…お前のせいだ」


男ハーフエルフ 「ふざけんなよ! 男みんなが思ってて、口にしない事を言ったまでだっ!」

騎士見習い「…!」

女エルフA「男みんなが…」

男ハーフエルフ 「オークに調教されて身体中を臭い汁で汚されて、前も後ろもガバガバ、豚ヅラのガキなんか
      産んで次にまともな子が出来るかも判らない、そんな女、誰が欲しがるかよ!」

男ハーフエルフ 「婚約者が気の毒つってんだ! だから奴が言えない事を代わりに言ってやっただけだ!」

女エルフA「そう……。」

騎士見習い「このまま出て行け! この村に戻って来やがったら、ボクが来て始末してやる!」

騎士見習い「行けよ! 行っちまえクズ野郎! こん畜生!」

男ハーフエルフ 「言われなくても…んなキチガイ女の居る村なんか… 一刻たりとも居たくない…」 ヨロヨロ..

男ハーフエルフ 「ケッ…」 ヨロヨロ..









女エルフA「……」

騎士見習い「…。その…」

女エルフA「……」

騎士見習い「男みんなが、てのは嘘だよ。ボクはそんな風に思わない。」

女エルフA「産道から豚の顔の赤子が顔を出して、聞いた事も無い産声で泣く…
      その現場に居合わせて、それでも同じ事言える男がいるかしら。」

騎士見習い「…」

女エルフA「居る筈無いわ。」

騎士見習い「そ…そんなこと… …男ってどうしょうもない…」 ポロポロポロ..

女エルフA「ありがとう、でも泣かないで。薄々分かってた事だから。」

騎士見習い「ごめん、正義の味方なのに、何もできないや… ぐすっ」 ポロポロ..

女エルフA「殺(バラ)すべき敵が村に居ます。」









(森林地帯・エルフの村・夜明け前)



山賊M  「」 ドサッ

黒騎士  「うふふ…。我が魔剣"血風刃"が血を欲している…」 ギラリ

山賊   「はあ、はあ、快楽殺人鬼め、こ、殺されて、たまるか…!」

黒騎士  「竜騎士に導かれた私の戦いはまもなく終わる…お前らの死を以って…!」

山賊   「へへ…竜騎士…あの裸の巫女かよ…。へへへへ、処女を犯るってのは気分いいぜ?www」

黒騎士  「…! 貴様…」

山賊   「ああ、そうだ、可哀想にな、怒りにまかせて前座抜きでぶっ挿しちまったwww
      槍でも突き立てられたみたいに悲鳴を上げたぜwww 縛った手足をビクつかせてなwww」

黒騎士  「…っっ!」

山賊   「純潔のまま竜に捧げるとか寝言ぬかしやがったから、俺様がぶち壊しにしてやったwww
      子袋に注いでやるたびに身をよじって嫌がったぜ。孕みたくないってなwww」

黒騎士  「下衆野郎…! そうまでして人を踏み躙りたいか…!」 プルプル..

山賊   「踏み躙ったんじゃねえ、正しい生き方ってのを与えてやったんだっ!
      …何が純潔だっ! 何が身を捧げるだっ! 女の身体は男の物だ!」


山賊   「ガキ産んで目を覚ませば、きっと感謝するぜ!! この俺にっっ!!」

黒騎士  「だっっ、黙れえええっっ!!」 ジャッ!

山賊   「せあっっ!!」 ビュッ!



      ズバッ! シュバッ!



黒騎士  「がぁっ…! ぐ…っ ごふっ…!」 ポタポタポタッ

山賊   「へへ… あぁ~残念だったな? 頭に血が上ると、太刀筋が鈍るもんだ…」

黒騎士  「…っ」

山賊   「今の…俺みたいにな…」

山賊   「あの娘に言っとけ… "ごちそうさま。あとはよろしく" ってな…へへへ…」

山賊   「」 ドシャッ

黒騎士  「うっ、ぐっ…うぐぅっ…ぐはっ」 ヨロヨロ..









(森林地帯・エルフの村・夜明け)



山賊首領 「殺せっ!! そっちに追い込め!! 矢を放てっ!」

女騎士  「王国騎士! どうした!? 怪我は!?」

王国騎士 「すみません、ちょっとくじいて…! あたしに構わず行ってくださいっ!」

女騎士  「ええい、バカ言うな! 目の前で戦友が八つ裂きにされるのはまっぴらだよ!」

王国騎士 「右っ、弓とクロスボウがっ!」

女騎士  「避けろよっ!?」 ザッ

王国騎士 「あっ!」 ブツッ

女騎士  「大丈夫か!? しっかりしろ!」

山賊首領 「よし今だっ!! 突っ込めっ!! 斬り刻めえっっ!!」

山賊達  「うおおおおっ! 死にやがれっ!」

女騎士  「こんちくしょう! ええい! まだまだあっ!」 ドスッ! バシュッ! ギン!

王国騎士 「女騎士さんっ! 最期をご一緒できてっ! 良かったですっ!」 キン! ガシン! バスッ!

女騎士  「まだだっ! お前まだ若いんだ! 突破させてやるから、諦めるな!」 ゴスッ! バキッ! ガン!

王国騎士 「ああっ!!」 ドシャッ

女騎士  「いかん! 立つんだっ!!」

王国騎士 「ううっ、はあ、はあ…」

女騎士  「くっ…!」

山賊首領 「これまでだ…! これだけの人数相手によく戦ったと誉めてやるぜ。んぁ? …殺れ。」

女騎士  「……もはやこれまで…か…。」












騎士見習い「 全員っっ!! 突撃いいいいいーっっ!! 」



村人多数 「 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!! 」 ズドドドドドドドドドッ!!

女騎士  「!?」

山賊首領 「な、な、なにいいいぃぃぃ!?」

山賊達  「なんだああっっっ!?」

女エルフA「私はメス豚じゃあないいいいいいいっっっ!!」 スビャッ! ブチャアッ! ボキッ! ビチャッ!

女エルフD「亭主の仇だっ! 脳みそぶちまけええっ!! うおりゃああ!!」 ゴキッ ブチャアッ!

女エルフC「薪にしてやるうっっ!! えーいっっ!!」 ガスッ! ブシャッ!

女エルフE「死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえーっ!!」 バキッベキッザクッ!

山賊達  「うわあああああああああああっっっ!! ひいいいいいいっっ!!」

男エルフG「パイオツ姉ちゃんは死なせねえ!! いくぞおっっ!!」 ズダダダッ!

男エルフE「山賊どもを、ぶっ殺ろすだーーっっ!!」 ボコッ! ゲスッ! ゴキッ!

男エルフB「娘の仇だっっ! 叩っ殺してやるーっっ!!」 バキッ! ガスッ!

男エルフD「ゴキブリども、一匹残らず駆逐してやるーっっ!!」 バキッ! ガスッ!

男エルフF「積年の恨み晴らさでおくべきかああーっっ!!」 バキッ! ゴキッ! バキッ!

村人多数 「死ねっ!やっちまえっ!このこのっ!これでもかっ!くたばれええええええええっっっ!!!」

山賊達  「助けてくれええーっっ!! ぎゃああああーっっ!! うわああああああーっっ!!」









(森林地帯・エルフの村・夜明け)



女騎士  「…ど…どうやら…助かったようだな? ああ? ははは…www」

王国騎士 「ぐすっ… あ、あたしもうダメかと思いましたっっ ぐしゅっ…」

女騎士  「戦乙女が泣くなよ、まだ終わってないよ? あ~、でもこりゃすげえ、終わったかもwww」

騎士見習い「どう? 主人公の絶体絶命のピンチにどこからともなく現れる味方の大軍!
      こういうの英雄譚では"騎兵隊"って言うんだよw」

女騎士  「おまえ、おいしいとこ持って行きやがるよwww いや~マジ助かったわ!」

騎士見習い「バラバラに出てっても次々殺されるのがオチだから、やるなら一斉突撃で一気に突き崩す。
      女騎士さんの戦法、大当たりだね。」

王国騎士 「よくみなさん総攻撃に参加して下さいましたね?」

騎士見習い「みんなに鉈とか斧とかの武器になりそうな物を配っただけだよ。
      総攻撃に参加するならボクの号令を待って一斉突撃って。それだけ。」

エルフ娘 「みんな、こんなに果敢に戦ってくれるなんて思わなかった…」

騎士見習い「訓練を受けて戦う事を知った村人達は、もう唯の羊じゃなくなってた。
      エルフ娘が一人で犠牲になろうとしたのを目の前にして、
      みんな屈辱に我慢できなくなくなったんだね。君のお手柄だよw」

エルフ娘 「う、うん。…恥ずかしい目に遭ったけど…」 (///

王国騎士 「もうこの村は、誰かに守ってもらう必要は無くなりますね…!」

女騎士  「そうだねえ~!」

女騎士  「…だがその前に、最後の務めを済ましてくるわ。」









(森林地帯・エルフの村・夜明け)



女騎士  「待ちなよ、大将…」

山賊首領 「…!」

女騎士  「兵隊捨てて一人で逃げる気かい?」

山賊首領 「ちっ! しつけえ女だな…!? 出来ちまった女みてえだw」

女騎士  「養育費だけじゃ足りないねえ。死んで償ってもらおうかね。」

山賊首領 「どうにも判らねえな!? なんでまた舞い戻った!?」

女騎士  「お前らが気に入らない。そう言った筈だが。」

山賊首領 「さては、俺達に取って代わろうって腹だな? とんでもねえ悪党だ…。
      俺達がそんなに羽振りのいいように見えたか?」

女騎士  「まさかwww お前ら、乞食以下じゃんwww」


山賊首領 「…どうだ、いっそ俺と組まないか?
      お前ほどの手練れが居れば、金に成りそうな話は転がってるぜ?」

女騎士  「お前、やっぱ馬鹿だろ? 知らないのか、自由騎士は金じゃ動かないぜ?」

山賊首領 「フッ…フフフフ…フハハハハ! 
      お前、解放戦線の自由騎士だってのか!? こりゃ傑作だ!www」

女騎士  「そういうお前は、十字軍の残党らしいな? いや…亡霊と言うべきかな?」

山賊首領 「おかしなモンだな? んぁ? 戦争はとっくに終わったし、国は無くなっちまった。
      なのにここでまた、亡国解放戦線の英雄様と巡り会う事になるとはなwww」

女騎士  「まあ、私はお前ら略奪者にどこまでも付きまとう疫病神って事だw」

山賊首領 「一つ訊きたい。お前ほどの手練れが、どうして亡国の王家に仕えなかった?
      どうして王家が滅んだ後になって、解放戦線なんて民兵軍を起こした?」

女騎士  「正義と自由に忠誠を誓う騎士が、王家なんてつまらんもんに仕える訳無いだろ。」

山賊首領 「亡国のお姫様はイイ女だったぜ?
      てめえの利益ばかりの将軍どもなんぞより、お前みたいのが護ってやりゃ良かったものを。」

女騎士  「お姫様は気の毒だがな、そもそも亡国軍がお前ら十字軍を叩き出せてりゃ、
      私は騎士なんかにゃ成ってなくて、今頃イイ旦那と結婚して子育て主婦してんのよ、これが。」

山賊首領 「ならどうして、亡国も十字軍も消えて無くなった今も、騎士を名乗ってる?
      女らしくガキでもあやしていればいいものを。」

女騎士  「国や戦争が無くなってもお前みたいな悪党がいつまでもいるから、正義と自由の騎士も
      いつまでたっても廃業できんのですわ。」



女騎士  「だから腹いせに、その悪党をぶち殺してスッキリしようってコトさ…!」 カチッ シャーッ

山賊首領 「つまり終始一貫、俺達は不倶戴天の敵同士という訳か…」 ジャキン!

女騎士  「そういうこと。」

山賊首領 「残念だな? ここで死んでもらうぜ、英雄さんよ」

女騎士  「…いざ、参る…!」 チャッ!

山賊首領 「来やがれ…!」 ジャキッ!

女騎士  「――」

山賊首領 「っ…!」



      ズバッ



女騎士  「…。」

山賊首領 「ん… ぐ…」 ドサッ

女騎士  「なあ」

女騎士  「人生やり直せたとして…、騎士としてもう一度、主君に仕えたかい?」

山賊首領 「…。フフ…冗談じゃねえ…金塊を山と積まれたってお断りだ…
      教皇め、なにが十字軍だ、聖なる戦だ、ハゲて死ね…」

山賊首領 「」 ガクッ

女騎士  「…だろうねえ。」









(森林地帯・エルフの村・夜明け)



女騎士  「…!」

エルフ子A「黒っち、ねえ、ねえってばっ」

エルフ子B「黒っち、大丈夫? ぐすっ…」

エルフ子C「黒っちーっ」

女騎士  「黒騎士っ!」

黒騎士  「…」

女騎士  「しっかり…!」

黒騎士  「あ… 戦いは… 村は…」

女騎士  「終わったよ。賊は残らず全て屠った。これで村は平和になる。」

黒騎士  「そうか… もし竜騎士に会う事があったなら…伝えて欲しい…」

黒騎士  「私は贖罪を終え、満足して安らかに逝った、と…」

黒騎士  「」

エルフ子C「黒っち…?」

エルフ子B「黒っち、いやだぁっ」

エルフ子A「黒っち~っっ わあああ~~っっ」

女騎士  「――。」









(森林地帯・エルフの村・昇る朝日)



エルフ娘 「えいえいおーっっ!!」

村人達  「えいえいおーっっ!! えいえいおーっっ!!」

長老   「これで村は平和になるでな。騎士どの達には感謝してもしきれない。ありがとう。」

女騎士  「ああ…。」

王国騎士 「ぐすっ…」

騎士見習い「終わったね。」

長老   「略奪者が居なくなれば働く意欲もグッと違ってくる。村の団結も強くなった!
      活気が戻ればもう少しマシな村になるでな、我々の闘いはこれからじゃて。」

女騎士  「騎士の仕事はお仕舞い。我々は去ろうかねえ。」

長老   「もし村の男でよければ、婿は選び放題じゃよ? お嬢さん方はこの村の英雄じゃてw」

女騎士  「せっかくだけど、嫁の貰い手には不自由してないんだw」


長老   「また来なさるじゃろ?」

女騎士  「ああ、仲間が…眠る地だ。」

王国騎士 「そうですね…」

エルフ娘 「…。」

騎士見習い「…。」

エルフ娘 「っっ…」

騎士見習い「迎えに来るよ必ず。少しの間、待っててよ。」

エルフ娘 「うんっっ! 待ってる!!」

長老   「達者でな。」

王国騎士 「行きましょうか。」

騎士見習い「またねっ」

女騎士  「ああ、さらばだ!」









THE END.






ダ-クエルフ 殺してくれよ あるいは結局女をもてあそんだばつにアルラウネとりにいって殺されてるとか逆に自分がやられてるとか
まあなかなかよかった エロはあっても陵辱肯定じゃないしダ-クな感じもするが話もいいし




(あとがき)



物語にお付き合い頂き有り難うございました。

映画に通じてる方はお判りかと思いますが、大まかなストーリーは西部劇"荒野の七人"をベースにしてます。
…大幅に改変して原型留めてないですが。

余談ですが、七人の内の一人は、ミノタウロス「 ~ 」女騎士「 ~ 」シリーズの女騎士になります。
お気づきの方、長編にも関わらず愉しんで頂き有り難うございます。



「七人の女騎士」の物語はここで終わりますが、
以下、番外編と言う名の蛇足的な後日談を少し書こうかと思います。






ミノタウロスに犯されそうなシチュの女騎士書いてたひとか せいきしも善作からの続投でもすこしばかり辱しめられたのとちがって死んじゃった

>>256
感想有り難うございます。
ダークエルフはまた別の話に使う予定なので、
ストーリー次第ですが出来れば地味に死んでもらおうかと思います

>>258
女聖騎士は別の人なのです。
本作と表記同じなので判り難くてスミマセン。

乙!
良いシリアスで面白かったよ!

よかったむぉ 槍はそゆ事か 出てきた男共全員やってまえとも思たが 映画なんかも心弱いだけの奴とかにはさっぱりしたもんだったりするよな

>>260
長いんで読んでくれる人居ないんじゃないかとも思うのですが、愉しんでもらえたようで何よりです。
>>261
そちらも読んでいただいてどうむぉww 彼女はこの後でミノタに遭遇するむぉ。
男がヘタレばかりですが大目にみて。映画もそうだけど彼らが勇敢だと主人公たち要らなくなるのでww




(番外編)






     一年数ヶ月後












(森林地帯・エルフの村・結婚祝い)



女聖騎士 「あ~、雨の降る時も、槍の降る時も、互いを思いやり慈しみ合い乳繰り合い、
      人生の苦楽を、共に歩む事を誓いますか?」

騎士見習い「誓います!」

エルフ娘 「誓いますっ」

女聖騎士 「んじゃ、ここに誓いのキスを。チュチュッと見せつけてやんなw」

騎士見習い&エルフ娘「んっ んんー ちゅっ ちゅっ… んふっ んん~ ちぅ~ちゅちゅっ…」

女騎士  「ちょ、長いな、おいwwwwww」

男エルフE「おほ~見せつけてくれるwwwwww」

男エルフG「新記録樹立だべwwwwww」

男エルフF「あちいあちいwwwwww」

女エルフC「や~ん、見てるだけで恥ずかしくなっちゃうっwww」

女エルフD「イイのは今の内だからね、好きなだけチューしときなよっwww」

エルフ子A「ちゅーちゅーwww」

長老   「これが若さかの、結構、結構www」

王国騎士 「あはははは…(^^;」

女聖騎士 「おーい御両人、もうそんくらいにしとけwww 日が暮れるぞwww」

騎士見習い&エルフ娘「ぷは… はぁはぁ… えへへへwww」


女聖騎士 「というわけで、愛し合うあまりヤりすぎて、見事なデキ婚になっちまった若い二人に、
      盛大な拍手で祝福を!!」

一同    パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!

騎士見習い「イエ~イwww」

黒騎士  「うむ! めでたい!」

姫騎士  「祝福いたしますわ!」

竜騎士  「お二人に幸多き事を。」

エルフ子B「おめでとーっwww」

エルフ子C「おめれとーっwww」

エルフ娘 「ありがとう~っっ」

騎士見習い「これ、受け取って欲しいんだ。きみに。」

女エルフA「私に…?」

エルフ娘 「いつか素敵な人と出会えるように、祈ってる。」

女エルフA「うん。ありがとう!」












女騎士  「お~っ、ご苦労さんwwwよかったよぉwww」

女聖騎士 「あ~、こんなんでも、アタシがガチで神サマんとこへ誓いを届けてやったんだ、
      飾り立てた教会で祈ってるフリしてる司祭なんか呼ぶより、ずっといいはずだよwww」

王国騎士 「女聖騎士さん、ちゃんと神様を信仰していたのですね?」

女聖騎士 「あっ!? 王国騎士ちゃん酷っでえな!? アタシだってちゃんと神サマを敬ってんだよ!?
      聖教会の阿呆共の寝言を真に受けるのと、神サマ信じる事は別だかんね!?」

女騎士  「うっわー、聖騎士が聖教会を全面否定しちゃうかねwww」

王国騎士 「相変わらずの不良聖騎士ですね?」

騎士見習姉「本日はどうも、遠くから遥々お越し頂きまして、有り難うございます。」

女騎士  「…?」

王国騎士 「もう着替えて…?」

騎士見習姉「あ…、申し遅れました。私、騎士見習いの姉で御座います。」

女聖騎士 「な! 驚くだろ!? 騎士見習いにクリソツ!www」

王国騎士 「お姉さん!? ああ、言われて見れば少し…あれ? よく似てらっしゃいます」

女騎士  「見分け付かないよなあwww」




騎士見習姉「弟が大変お世話になったそうで、しかも遠くにも関わらず祝いに駆けつけて頂きまして、
      本当にありがとうございました。」

騎士見習姉「弟にとって皆さんは、最高の英雄だそうです。」 ニコニコ

騎士見習い「そうだよ! ボク入れて七英雄! 伝説にも英雄譚にもならないけどボクには一生の誇りさ!」

黒騎士  「騎士見習いよ、本当にきみは男なのか?www」

姫騎士  「今だって、男装の麗人に見えますわ?www」

竜騎士  「昨日、エルフ娘が間違えてお姉さんに口付けを…」

エルフ娘 「ちょっ! 竜騎士さんそれ言っちゃだめえっっ」><

騎士見習い「姉さん、黙って唇奪われてちゃダメだよ?」

騎士見習姉「うーん? 私は来る者拒まずなので別に気にしないのよ?」

黒騎士  「ほう、姉上殿とは気が合いそうだ――って、竜騎士たん、何故足を踏む?」

竜騎士  「いえ? 何でも?」 プイッ


騎士見習い「姉さんが本当に生きて戻ってくれたから、ボクの男の娘(コ)はお役御免かな。
      これからは男として、正義の剣を握るさ!」

女聖騎士 「んで男の本能に目覚めちまってエルフ娘に毎晩連発して、今に至る、とwww」

エルフ娘  かあぁぁぁぁぁぁ (///;;

騎士見習姉「世間では"授かり婚"なんて言いたがる向きもあるようですが、
      言葉を飾ってみてもデキちゃった事には変わりありませんから、"デキ婚"ですねw」

女騎士  「お姉さん、言う事容赦ないねえw」

王国騎士 「あははは…(^^;」

騎士見習い「違うね! ボクは産ませる気満々だったからね! デキちゃったんじゃなくて、確信犯www」

エルフ娘 「え…!?」 (///;

姫騎士  「んまっ! ケダモノですわっ!」 ニヤニヤ

騎士見習い「赤ちゃんできたら外堀埋めたも同然、晴れてエルフ娘の身も心もボクの物確定~www」

エルフ娘  かあぁぁぁぁぁぁ (///;;

女騎士  「なかなかの御執心ぶりだなwww」

黒騎士  「うむ。エルフ娘の白い肌が先程から茹でたタコのように赤いw」

エルフ娘 「~っっ 村の面々にもご挨拶あるので、しっ、失礼しますっっ」 ソソクサ

騎士見習い「お酒とご馳走いっぱい来るから、楽しんでいってねーwww」

姫騎士  「照れちゃって、かわいいですことw」

王国騎士 「騎士見習い君、いつもながらマイペースですねwww」

黒騎士  「エルフ娘はこれから母になろうというのに、相変わらず可愛いなあw ――はうっ!?」

竜騎士  「ツーン」 プイッ

黒騎士  「??」









女騎士  「なあおい、気になってることがあるんよ? 他でもない、壮絶なる戦死を遂げた三人方、
      しれっとこんなとこに参列してるけど、どうなのよ?www」

女聖騎士 「やっぱりさー? 英雄凱旋までちゃんと見届けないと、死んでも死に切れなくってさwww」

姫騎士  「せっかく誇りを取り戻せた気がしたのに、それきり活躍できずに人生終えてしまうのって、
      ちょっと癪だったのですわwww」

黒騎士  「やはりどうしても竜騎士たんをドラゴンから奪い我が物とせねば成仏できなくてなwww」

女騎士  「それっぽい事言ってくれちゃってますけど、人は蘇ったりしないからねえ?www
      それこそ英雄物語の登場人物みたいにほいほい生き返るって、お話として駄目じゃんwww」

黒騎士  「うむ、駄目なお話と言えば、竜騎士たんの契約が駄目になったのが、私としては最高に嬉しい。」

竜騎士  「あ…はい。竜との契約は果たすこと叶わず駄目になってしまいました。」

姫騎士  「貴女、巫女をクビになったんですって? 結局どうなりましたの?」

竜騎士  「はい、結局、巫女の資格は剥奪されてしまいまして…」

女騎士  「剥奪って穏やかじゃないよねえ。」

竜騎士  「その代わりにこの前、大神官などとよく分からない役職を与えられてしまいました。
      正直、名乗るのが苦痛です。」

姫騎士  「大神官www 似合いませんことwww」


王国騎士 「その…お子さんが出来た為…ですか?」

竜騎士  「はい。身を穢された事を火竜に詫びたら、孕んでいるからしっかり産み育てるように、と…」

竜騎士  「新たに生まれる二柱の竜と共に、産まれた子らを竜の乗り手として育て、空を駆けよ、
      そのような新たな契約を示され、そうしたら神殿は上を下への大騒ぎに。」

女聖騎士 「そもそも神殿に大神官なんて偉そうな位は存在しなかったんだとw まさに大人の都合w」

竜騎士  「仕方ないです。火竜の一族と対等、あるいは時に育ての親として上の立場で接する者が、
      火竜に仕える立場の巫女であるなどもっての外だとか。」

黒騎士  「ともかく竜騎士たんが身篭った事でドラゴンの生贄となる契約は破談になった。
      本当にめでたい! 私は毎晩祝杯をあげたよ!」

竜騎士  「私にとっては駄目になってしまったという感じで、主の糧となれず申し訳が無かったのですが、
      主には、そもそもお前を喰いたいとは思わないと一蹴されまして。」

王国騎士 「そうだと思いました。竜騎士さんとドラゴンさん、姉弟のように見えましたものw」

女騎士  「だよなあwww」


女騎士  「その、なんだ…子供、生まれたんだ?」

竜騎士  「ええ。そちらで…」

女騎士  「ええ? 連れて来てる!? ちょ、みせてよぉ~w」

王国騎士 「わあ、あたしも見せていただきたいですっw」

女エルフB「この子たちですよ~。先程、兄妹揃って眠ったばかりですので起こさないであげてくださいね。」

竜騎士  「ありがとう、見て頂いてて助かります。」

女騎士  「うっはっ、かわいいwww ぷにぷにwww」

王国騎士 「本当、かわいい~っwww いいなあ~www」

姫騎士  「生まれてくる子に罪は無いと貴女があの時泣いた理由が、今なら良く分かります…。」

竜騎士  「あの男達が、憎しみを込めて私に産ませた子でもありますが、私の子に変わりありません。
      彼らが叶わなかった良き人生を歩ませてあげるつもりです。」

竜騎士  「あの男達が奪い殺したそれを上回る数の、助けを必要とする人々を救うことで、
      自らの有り様を呪っていたあの者達へ、私からの応えとするつもりです。」

姫騎士  「それが貴女の雪辱なのですね…」

黒騎士  「私が斬ったあの野郎、正しい生き方がどうとか勝手な事ほざいたが…
      奴ら、どこかでそれを望んでいたのかも知れない…。今となってはどうでもいい事だが。」


竜騎士  「あの時、お二人に自刃を止めて頂いて本当に良かったです。
      可愛い子らと新たな役割も与えられ、生きていて幸せを感じてます。感謝します」 ニコニコ

姫騎士  「なんだか随分勝手な事を申し上げたとしか言いようがありませんわ。」

黒騎士  「うむ。感謝して私の無限の愛をその身体で受け入れてほしい…うふ」

王国騎士 「黒っちさん、涎…」

女聖騎士 「なあ、この子らを竜の乗り手として育てろと、火竜がそう言ったのだろ!?
      じゃ将来は親子三人でドラゴンナイト隊じゃんwww これは新たな英雄譚の予感www」

王国騎士 「わあ~っ、なんだか勇壮で素敵ですねっっ」

竜騎士  「ええ、この子たちが騎乗する事になる子竜が二柱、先月産まれました。
      子らには親の願望を押しつけてしまいますが、英雄でなくても人として誇れる人生を
      歩んで欲しいと思います。」


女聖騎士 「じゃ、このアタシが勇者として復活の大魔王を倒しに行くから、ドラゴンナイト隊も
      仲間んなってくれよなwww」

女騎士  「ちょっ!? 何度も言うけど大魔王の話はネタだよ!? さてはわざと言ってるね!?
      大体、何だってお前はあれで死ななかったかねえ?」

女聖騎士 「これはマジ死んだわとアタシもそう思ったんだけどね? 数日したら、目が覚めたwww」

女騎士  「確かに、脈取って心臓止まった事の確認まではしなかったけどな? 適当すぎだろwww」

女聖騎士 「神のご加護って奴だwww お布施なんかしなくたって、ちゃんと神サマの声に
      耳を傾けてんだ、神サマだってアタシに悪い気はしない筈だよwww」

女騎士  「お前が言うと嘘臭く聞こえるねえwww 姫っちと黒っちの方はどうなん?」

黒騎士  「同じく力尽きた筈だったが…。
      何と言い表すべきか、こう、過去に経験のない甘美な官能を覚え、現世に引き戻されるように
      目覚め、気が付いたら怪我の治療を受けていた。その…お医者に。」

姫騎士  「ええ、お、お医者…? に…」 (///

女騎士  「甘美な官能ねえwww」


長老   「おお…、お二人はお医者様に会ったのだったのう?」

黒騎士  「長老殿、お久しぶりになります。お医者を呼んでおいて頂いたそのお陰で、命拾いしました。」

長老   「騎士殿もご無事で何より。私から出来る事はそのくらいしか無かったからの。
      お医者はイケメンかの?w 私も直接会った事が無い。」

姫騎士  「いえ、その…顔は…見ておりませんの…」

長老   「うむ? そなたたちも顔を見てない? 会った者皆そう言う。不思議じゃの。」

姫騎士  「ひ…人やエルフなどではありませんでしたわ。その…」

黒騎士  「お医者は全く正体不明…、助手の子は、ア…アルラウネ? 植物の妖精のような魔物のような…」

長老   「はて、お医者は森の守り神じゃて、そういう事もあるかも知れんの。」

長老   「後で今年一番の酒を振舞うでな、楽しんで欲しいのう。では。」


女騎士  「なあ? 二人とも歯切れが悪いねえ?
      長老様の呼んだお医者だか守り神だかって、ぶっちゃけ何者なんよ?」 ヒソヒソ

姫騎士  「何者と申されましても…ですわっ」 ヒソヒソ

女騎士  「怪我の治療してもらったのだろう?」 ヒソヒソ

黒騎士  「怪我の治療だけじゃ済まない、身体中を…何ていうか…玩ばれた?」 ヒソヒソ

姫騎士  「はっ、辱められた…と言っていいですわっっ…!」 ヒソヒソ

王国騎士 「ええ!?」

女騎士  「そりゃまた穏やかな話じゃないねえ?」

姫騎士  「弦のような物で絡め取られて身動きを封じられ、あ、あのような…!」 ヒソヒソ

黒騎士  「何と言うか…愛情の魔手で身体中を愛撫されて身も心も蜂蜜の如く溶かされてしまった…」 ヒソヒソ

女聖騎士 「うわ、エッロ!www なんだよそれwww」 ヒソヒソ

黒騎士  「その助手のアルラウネが言うには、何でも私と姫っちは心の均衡が崩れ易くて、
      そちらの治療も要るとかで、長い間官能に身を任せられていた…。」 ヒソヒソ

姫騎士  「とても人に言える体験ではありませんでしたわっ…! (///; 」 ヒソヒソ

竜騎士  「ああ、それでお二人とも… 良い体験をされましたね。」

女騎士  「なんか色々想像してしまうねえ?www」


王国騎士 「お医者さまのほうは詳しく存じませんが、その助手のアルラウネさんの方は、
      きっと私の家族…みたいなお友達です。」

黒騎士  「あららー?」

王国騎士 「ええ。あららーw」

女騎士  「なに?? おかしな所で繋がるもんだねえ?
      なんで王国騎士に守り神だか助手だかの知り合いが居るのよ?」

王国騎士 「指名手配されて聖騎士団に囲まれた時、脱出の手助けをしてくれたのですが、
      その時以来、家族みたいに暮らしてます。」

女聖騎士 「そうだよ王国騎士! お前、枢機卿の命令で王国中に手配書出たよな!?
      さすがのアタシもびっくりしたぜ!? 王家簒奪を企む魔女ときたもんだwww」

女騎士  「あの手配書見た時はマジどうしようかと思ったねえ。
      親玉の枢機卿を拉致して教会に手を退かせる事まで本気で考えたわ。」

騎士見習い「手配書ボクも見たよ! 言いたい放題ボロクソに書かれててワロタwww」

王国騎士 「笑い事じゃないですよぉ。近衛騎士に昇格できたので頑張って仕事してただけなのに、
      気が付いたら権力闘争に巻き込まれて国家の反逆者です。おかげで色々酷い目に遭いましたっ」

エルフ娘 「あの、王国騎士さんは今も手配中ですよね? 大丈夫なの?」

王国騎士 「今は亡命して新しい家族や仲間と帝国自治領で暮らしてます。
      そんな訳でもう王国の騎士では無くなってしまいました。はぁ」


姫騎士  「王家だの教会だの権力に忠誠を誓ってみたところで、体よく利用されて都合が悪くなると
      ポイですわ。」

女騎士  「姫っち、きみがそういう事言っちゃうの?w」

姫騎士  「わたくしは、最後まで支え忠義を尽くしてくれた執事に何も持たせぬまま
      放り出してしまいましたわ。彼が居たからこそ騎士であり続ける事が出来たと言うのに…。」

女騎士  「その彼から手紙が届いたよ。高給では無いが手ごたえのある主に仕える事になり、
      充実した日々を送っているそうだ。姫っちの騎士としての活躍を祈っている、とあった。」

女騎士  「彼は王家じゃなく、君に忠誠を尽くしたんだ。」

姫騎士  「そうですか、よかった…心の閊えがとれた気がしますわ」

姫騎士  「王家など無くとも民は暮らしを営んでいます。支えてくれた者達の期待に応え、
      わたくしは屈辱を雪がんとする女の為に騎士として在り続けますわ!」

黒騎士  「その通り。民の暮らしを護るのは王家でも聖教会でも無い、無名の正義の騎士だ。
      贖罪を終えたこれからは、無法に泣かされる者を救う為またこの剣を取ることにしたよ。」

黒騎士  「夢を見たんだ。
      何度も悪夢に現れた、目の前で命を断ったあの娘が、初めてナイフを私に渡してくれた。」

黒騎士  「あの娘が言うんだ。酷い目に遭わされている人々を助けてあげて欲しい、と。
      手渡されたそのナイフ、それは私の剣の事だと悟ったよ。」

女騎士  「それ、目的が変わるだけでやる事は同じじゃないかい?www 悪党を屠るwww」

黒騎士  「無論。だがもう快楽に逃げ込む為の殺しじゃない。正義に恥じない剣を追求するつもりだ。」

女騎士  「ほう? じゃ快楽を求め竜騎士たんに夜這いするのはお仕舞いかねえ?www」

黒騎士  「いいや、別腹。これで心に一点の曇りなく竜騎士たんを愛せるというものだ!」

女騎士  「もうね、突っ込み切れないわ黒っちはwww」


竜騎士  「私も、夜伽以外の事も黒っちさんに教えて頂きながら…騎士の名に恥じぬ技量を
      身に付けるつもりです。」

竜騎士  「次にまた何かお手伝いする機会があるなら、もっとみなさんのお力になれると思います。」

女騎士  「親子揃ってどれだけの戦闘力を持つかと思うと、行く末がちょっと怖いねえwww」

王国騎士 「あたしは騎士を卒業しますが、新しい祖国の家族達を守る為にも、
      戦力の充実を図るつもりですので、必要になりましたらまたお力になれます!」

騎士見習い「ボクはまだ剣は未熟だけどね、一人前の正義の味方を目指すよ!」

騎士見習姉「もし再び正義の剣を必要とされたなら、次は姉弟揃って馳せ参じます。」

エルフ娘 「私も剣と弓の鍛練を始めたの。騎士見習いの背中は私が守るから!」

騎士見習い「もちろん生まれる子供は早くから正義の味方として鍛えるから期待しててwww」

女聖騎士 「だとよ? もう七人じゃ済まない、今に騎士団の規模に成るぜ?www」

女騎士  「ああ~これは… 私も自由騎士の肩書き、当分外せないのかなあ??」

長老   「祝杯を上げてはどうだの? 今配っとる今年一番の美味い酒での。」

女聖騎士 「いい処にwww みんな杯を取ってくれ!www」

王国騎士 「祝杯を! 自由騎士殿!www」

女騎士  「わかったよwww では――」



女騎士  「 無銘の英雄、正義と自由の騎士達にっっ!! 」

全員   「 乾杯っっ!! 」









終わり



医者がダ-クエルフは違うか エルフは快楽じゃなく乱暴にアルウラネにされるか殺されればいい
つたで体を縛り圧死させ肉片だけにするっか

乙!
死んだと思ってた騎士達が生きてて良かったわ!
面白かった!!

乙乙 いいな 盗賊の種孕むの好きだわ 産んでる方は前向きで何よりだが これはいくらでも話作れますね ニッコリ

>>279
ダークエルフ人気wwちょい役のくせにwwいつか[ピーーー]ww
医者は奴ではないです。ポチを名乗…おや、誰か来たようだ
>>280
七人の侍も荒野の七人も死にまくってたのですが、どうしても寂しい終わり方になるんでこちらは死に損なってもらいました。
>>281
オークとヤって喜んでる巷の女騎士よりマシwwくらいに思ってあげてくだしあ

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