真姫「最高の舞台にしましょう」 (629)
※一部安価があります(ストーリー進行にほとんど関わらない部分で)
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1日目
ことり「その怪我どうしたの!?」
海未「こと……り?」
ことり「そうだよ! 待っててね、今血を止めるから……」
海未「……ダメです、私と関わってはいけません」
ことり「何言ってるの! 私たちずっと一緒だって約束したでしょ!」
海未「ダメです……奴らが来ます、ことりだけでも逃げて……」
ことり「海未ちゃん……誰かに追われてるの?」
海未「ここから離れてください……」
ことり「ダメだよ! 海未ちゃん1人置いていけない!」
海未「離れないというのなら……私はあなたを撃ちますよ」
ことり「ううん、いくら海未ちゃんの頼みでも聞けない」
海未「私は……本気です」
ことり「海未ちゃんは優しい子だもん。そんなことできないよ」
海未「……どうして」
ことり「だって……そんなに泣きながら言われたって説得力ないもん」
海未「ことり……」
ことり「よし、これで血は止まったね。とりあえず救急車を……」
にこ「そこまでよっ!」
絵里「モウニゲラレナイワー」
海未「くっ、もう追手が……ことり逃げて!」
ことり「嫌っ! 海未ちゃんを置いてはいけないよ!」
にこ「機密情報を持ち出して逃げようだなんて、いい度胸してるじゃない」
絵里「ソシキヲヌケルコトハユルサレナイワー」
海未「……」
にこ「……」
穂乃果「カットー!」
希「えりちどうしたん?」
凛「海未ちゃんとことりちゃん、迫真の演技だったにゃー」
海未「そうですか?」
花陽「本当に死んじゃうかと思ったよぉ」
ことり「うん、涙まで完璧だったねっ」
穂乃果「ことりちゃんいいなぁ。穂乃果も海未ちゃんに抱きしめられたい!」
にこ「あんた監督になったでしょ」
穂乃果「それとこれとは別だよぉ」
海未「それに抱きしめてはいなかったでしょう」
穂乃果「ほとんど一緒だよ!」
ことり「えへへー、今度穂乃果ちゃんにもやってあげて?」
海未「はぁ……わかりましたよ」
穂乃果「やった!」
にこ「にこが悪役なのはなんでよー」
凛「くじ引きって言ったのはにこちゃんだよ?」
にこ「もっとかわいい悪役が良かったってこと」
真姫「かわいい悪役って……魔女とか?」
希「マフィア設定やのに魔女出てきたらなぁ……」
にこ「でもやっぱり水鉄砲じゃ雰囲気出ないわね」
希「黒く塗ったりする?」
真姫「スプレーとかでいいのかしら」
穂乃果「絵里ちゃん、衣装はすごく似合ってるんだから自信持って!」
絵里「ごめんなさい……」
真姫「まあ絵里はここで初登場のシーンだから仕方ないんじゃない?」
希「真姫ちゃん映像どんな感じ?」
真姫「悪役2人が出てくるところは撮り直しね」
絵里「撮り直し……」
海未「まだ1回目です。初めは誰だって失敗しますよ」
ことり「海未ちゃんなんて緊張しすぎてシャツ裏返しに着てたもんね」
花陽「あぁ、あれはかわいかったねぇ」
ことり「ねー」
海未「や、やめてください……自分でも恥ずかしくて死にそうだったんですから」
希「マフィアは着替える暇もないほど大変なんやって」
海未「希!」
希「きゃー」
凛「じゃあ肩慣らしに演技の練習してみる?」
穂乃果「あ、それいいかも!」
にこ「というわけで、絵里の演技をもうちょっとレベルアップさせましょう」
絵里「お願いします……」
穂乃果「いえーい!」
凛「でも肩慣らしって言っても何すればいいかわかんないにゃー」
海未「じゃあ私たちがお題を出して、それでどのくらい演技できるか見てみましょう」
にこ「それ採用!」
花陽「お題って……場面設定とかのことかな?」
希「それやと思うで」
凛「じゃあかよちんいってみよー!」
花陽「えぇ!? 私が最初なの……?」
穂乃果「まあ最初は簡単なやつがいいね」
絵里「お手柔らかに頼むわ」
花陽「えぇっと……お花屋さんとかどうかなぁ」
絵里「お花……」
ことり「お客さん役の人がいるね」
希「そこでぼーっとしてた真姫ちゃんに決定!」
真姫「ちょ、別にぼーっとしてたわけじゃ……」
にこ「はいはい、みんなと撮った写真見てニヤついてたことは黙っててあげるから早くしなさい」
真姫「言ってるじゃない!」
海未「ふふ」
真姫「海未もうれしそうにしないでよ!」
穂乃果「にやにや」
凛「にやにや」
真姫「……やればいいんでしょやれば」
『社長と花屋』
社長「何で社長なのよ」
外野1「真姫ちゃんと言えば社長だよ!」
社長「なにそれ」
花屋「いらっしゃいませー」
社長「ってもう始まってるのね……」
社長「私に似合うような花をちょうだい」
外野1「おお、真姫ちゃん本格的!」
外野2「凛もあの髪の毛くるくるをマスターすれば社長みたいになれるかな?」
社長「外野は黙ってなさい」
花屋「できました!」
社長「え、もう?」
花屋「はい! こちらの花束はたんぽぽだけですので」
社長「……?」
花屋「たんぽぽの花言葉……それは『光輝』。あなたにぴったりです」
外野3「えりちそれ向日葵や」
花屋「おおっと黄色かったので間違えてしまいましたがこれは実は向日葵なんです」
社長「花屋しっかりしなさいよ……」
花屋「ではまたのご来店お待ちしております」
社長「お金払わなくていいの?」
花屋「そのあたりで摘んできたので」
社長「商売下手っていうかなんというか……」
海未「全然問題ない演技でしたよ?」
穂乃果「うん、真姫ちゃんも絵里ちゃんも上手だった!」
花陽「アドリブとは思えなかったよぉ」
希「それにウチのフリにもちゃんと対応してくれたしなぁ」
絵里「ありがとう」
真姫「てっきり絵里はツッコミ役かと思ってたわ……」
ことり「お花屋さんの衣装かぁ」
にこ「作らなくていいわよー」
凛「くっ……凛には髪の毛が足りない」
花陽「凛ちゃんはそのままでもかわいいよ」
凛「……かよちんの髪の毛くるくるできそう」
花陽「えっ、ちょ、凛ちゃん顔近い……きゃああぁ……」
希「じゃあ次行くでー」
絵里「え? そういうシステムだっけ?」
ことり「じゃあ次は夫婦で!」
穂乃果「相手役は真姫ちゃんだね」
真姫「えぇっ!? 何で私が……」
絵里「……嫌よね」
真姫「い、嫌じゃないから!」
にこ「新婚設定でどうよ」
穂乃果「絵里ちゃんの演技力……見せてもらうよ!」
絵里「が、がんばります!」
真姫「……やるなら完璧にやるわよ」
海未「……お嫁さん」
希「海未ちゃんお嫁さんやりたいん?」
海未「や、べ、別に……」
花陽「髪の毛にあとついちゃったよぉ……」
凛「……じゅるり」
花陽「じゅるりって何!?」
『新婚夫婦』
妻「おかえりなさいあなた、お仕事お疲れ様」
夫「え? 私が夫?」
夫「た、ただいまー」
妻「ご飯できてるわよ」
夫「ありがとう……ってここから先どうするのよ。自由度高すぎでしょ」
外野1「絵里ちゃんほら、三択のあれやってよ!」
妻「え? 何それ?」
外野1「ごはんにする? おふろにする? それとも……」
妻「ああ、それね」
夫「穂乃果が夫の役やればよかったんじゃ……」
妻「……私と結婚したこと、後悔してるのね」
夫「夫婦だからって変なアレンジ加えなくていいわよ」
妻「それでは……ごはんにする? お風呂にする? それとも……」
妻「わ・た・し?」
外野3「エプロンが見えてくるなぁ」
夫「……」
外野2「真姫ちゃんいっけー!」
外野4「おっしたおせっ、おっしたおせっ」
外野5「ちょっと凛、にこも……はしたないですよ!」
外野2「……?」
外野4「あらあらー? 海未はどういう意味だと思ったのかしら」
外野5「……うぅ」
夫「……絵里にしたら何ができるの?」
妻「できる範囲で何でもしてあげます」
外野1「穂乃果も絵里ちゃんほしい!」
夫「ダメに決まってるじゃない。私の妻なんだから穂乃果にはあげないわ」
外野「……」
妻「……」
夫「え、私変なこと言ったかしら」
にこ「中止中止!」
穂乃果「なんだかドキドキしちゃった……」
希「ことりちゃんも花陽ちゃんもしゃべって大丈夫やで」
ことり「……」
花陽「……」
凛「2人とも意識がないにゃ!」
にこ「メディーック!」
海未「……気を抜いていたらやられるところでした」
真姫「な、何よ大袈裟ね」
穂乃果「おおげさなんかじゃないよ!」
真姫「えぇ?」
穂乃果「ほら絵里ちゃんを見てごらん」
絵里「……ツマ」
真姫「……?」
凛「でも真姫ちゃんと絵里ちゃん楽しそう……凛たちもやりたい!」
にこ「じゃあお題は先に決めましょうか」
穂乃果「お題は>>27がいいと思う!」
希「凛ちゃんと>>29ちゃんでやってみよか」
凛「わかったにゃ!」
エログロはなしでお願いします
白雪姫
海未
穂乃果
穂乃果「ええっ!? 私が? 何で?」
希「言いだしっぺの穂乃果ちゃんにやってもらおうってこと」
穂乃果「海未ちゃんのドレス姿見たかったなぁ」
ことり「海未ちゃんがドレス!?」
海未「うわぁ!?」
凛「じゃあ王子様が白雪姫を見つけるシーンやるにゃ」
『白雪姫』
王子「おお! なんと美しい女性だ……」
白雪姫「……今気づいたけどこれだと凛、しゃべれない……」
外野4「なんでそのシーン選んだのよ……」
王子「なんと嘆かわしい……美しい女性がこんなに……」
王子「……嘆かわしい?」
外野3「王子の語彙力が心配や」
外野4「ていうかこの展開ってキスして起こすくらいしかないわよ?」
外野6「そこはアドリブでなんとか……ね?」
外野5「まあことりの言う通り何かすれば……」
王子「じゃあ穂乃果、行きます! ほっぺでいいかな?」
白雪姫「……」
王子「沈黙は肯定の証……では失礼して……ん」
白雪姫「うおおお! 元気百倍!」
王子「ええっ!?」
外野8「なんなのよそのワイルドな白雪姫は」
白雪姫「……あら、ご機嫌麗しゅう王子様。あなたが私を助けてくださったのですね」
王子「り、凛ちゃんが凛ちゃんじゃない……!」
王子「そうです。私がキスしました」
白雪姫「ありがとうございます……お礼にこのリンゴを差し上げましょう」
王子「えっ、それって毒入りの……」
白雪姫「遠慮なさらずにさあどうぞ」
王子「なんかお話ちがーう!」
凛「ねぇねぇ! 凛の演技どうだった?」
ことり「すごくよかったよっ」
海未「言葉遣いだけ……ですね」
穂乃果「うう、ひどい目にあった……」
にこ「監督なのになかなかやるじゃない」
希「まあくじ引きで決めたんやし、その辺はまあまあ」
絵里「……」
希「あ、えりち復活した」
にこ「顔真っ赤だけど」
真姫「まだやるの?」
ことり「まだ時間あるし、いいんじゃないかなぁ」
凛「じゃあ次は真姫ちゃんお題出して!」
真姫「え? 別にいいけど……それなら>>37」
凛「今度はやってない2人にやってもらう?」
海未「!」
にこ「それなら>>38と>>39に頼むわ」
ksk
スパイダーマン
うみたそ
かよちん
海未「ス、スパイダーマン!?」
花陽「私も……?」
真姫「え? かっこよくない?」
にこ「真姫ちゃんの完成、わかんないわね」
希「ていうかどのシーンやってほしかったん?」
真姫「ヴェノムのまわりで鉄パイプ叩くとこ」
希「へー、3やん」
穂乃果「あー、あのシーンねぇ。かっこいいよね」
真姫「でもやるのは海未と花陽だしアクションシーンはちょっとね……」
ことり「それならあのシーンを……」
穂乃果「あ、それいいね」
『スパイダーマン』
海未「あれ、名前はピーターじゃなくていいんですか?」
外野1「個人名だからね」
海未「なるほど……わかりました」
海未「花陽、遅れてすみません」
花陽「ううん、待ってないよ。大丈夫」
海未「渋滞がひどくてですね」
花陽「あれ? 海未ちゃん車なんて使ってた?」
海未「あ、間違えてしまいました。ちょっと寝坊しただけです」
花陽「ふふ、もしかして警察と一緒に強盗を追いかけてたんじゃないかな?」
海未「花陽は鋭いですね……正解です」
海未「……あ」
花陽「今のパトカーだったね」
海未「どうやらまた事件のようです……はぁ」
花陽「そんな顔しないで海未ちゃん。私は待ってるから」
海未「わかりました」
海未「それでは……」
花陽「頑張ってね、スパイダーマン」
海未「ええ、あなたとあなたの住むこの街を守りますよ」
海未「あなたの親愛なる隣人、スパイダーマンが」
海未「む、難しすぎる……」
花陽「演技って難しいんだねぇ……」
穂乃果「海未ちゃん、蜘蛛の糸出すポーズやって」
海未「こうですか?」
ことり「次の衣装はスパイダーマン、っと」
海未「いやいりませんって」
凛「かよちん落ち着いてたにゃー。なんだかお嬢様みたいだった」
花陽「そ、そうかなぁ」
真姫「まぁ花陽はストーリー上大事な役だし、これからはもっと頑張ってもらわなきゃね」
にこ「まぁにこのキュートなスマイルにはかなわないけどね」
真姫「はいはい」
海未「扱いに慣れてる……」
穂乃果「でもやってみると疲れるね」
絵里「なら今日はここまでにしましょ」
希「そうやね。みんな疲れたみたいやし」
にこ「あらー? 絵里にはまだ演技指導が残ってるわよ?」
絵里「えっ」
希「居残り特訓や!」
絵里「うぅ……頑張るわ」
真姫「なら私も残った方がいい?」
希「ううん、これは3年生だけの秘密の特訓やから……」
凛「き、気になるにゃ」
花陽「それじゃあ私たちは帰ろっか」
穂乃果「あ、私寄るとこあるんだった」
海未「どこですか?」
穂乃果「ないしょー」
ことり「私たちも一緒に行くよ」
穂乃果「うん、ありがとう」
希「それじゃ、また明日」
にこ「気を付けて帰りなさいよ」
絵里「知らない人について行っちゃダメよ」
真姫「それは高校生に言う言葉なの……?」
真姫「そういえば何で映画撮ろうなんてことになったんだっけ」
凛「PVで使うために撮ってたんじゃなかった?」
花陽「たしか試験が終わったからみんなで遊ぼうってことで始めたんじゃ……」
真姫「……誰から聞いたの?」
凛「海未ちゃんと絵里ちゃん!」
花陽「穂乃果ちゃんとことりちゃんから……」
真姫「思い出した……アイドルは演技できないとダメだって言われてにこちゃんから聞かされてたわ」
凛「みんなバラバラだね」
花陽「そうだね」
真姫「……演技、何で下手なのかしらね。普通ならうまいのに」
凛「真姫ちゃんの奥さん?」
真姫「そうそう……って今は違うわよ」
凛「今は、だってかよちん」
花陽「だ、ダメだよ凛ちゃん内緒にしておかないと」
真姫「花陽、その言い方誤解を招くからやめて」
花陽「?」
穂乃果「あった!」
海未「なんですかそれ……」
穂乃果「カチンコだよ? 知らないの?」
ことり「ああ、映画とかでよく使ってるね」
穂乃果「あとメガホン。これで監督はバッチリだね」
海未「穂乃果は昔と変わらず形から入るタイプですね」
穂乃果「だってかっこいいから」
ことり「今の海未ちゃんたちの衣装もネクタイとズボンしかないから……急がないとねっ」
海未「そんなにあわてなくても大丈夫ですよ。私たちも手伝いますから」
穂乃果「うん! 穂乃果はうまくお裁縫できるかわからないけど……」
ことり「2人とも……ありがとう!」
海未「いえいえ」
穂乃果「というわけでまずは海未ちゃんのドレスからー……」
海未「そんなのはありません」
穂乃果「ええー」
ことり「ええー」
希「もしかしてえりち、カメラ向けられたら演技できないタイプ?」
絵里「……そうなのかしら」
にこ「カメラ回ってるわよー」
絵里「えっ」
にこ「うそにこ」
絵里「……」
希「まあ今の焦り様を見たらカメラない方がいいかも……」
にこ「どうやって撮るのよ」
希「隠し撮り……」
絵里「犯罪を助長しそうだからやめなさい」
にこ「あ! 真姫ちゃんまだ残ってたの?」
絵里「!?」
にこ「なーんちゃって」
絵里「……」
にこ「ちょ、待っ、に、にっこにっこにー! ぎゃあああああ!」
希「えりち……いつの間にアイアンクローなんて技を……!」
今日はここまでです
続きはまた明日の夜に……
安価難しい
乙
>>55
ありがとうございます
更新を再開します
今回は安価なしです
2日目
花陽「……あなたは何を求めてやってきたのですか?」
海未「少しの食料と弾薬を」
花陽「あなた、ナンバーは?」
海未「14です」
花陽「ふふ、どうやら本物のようですね。どうぞこちらへ」
凛「かよちんクールでかっこいいにゃー……」
真姫「……」
絵里「真姫、すごい気迫ね……」
にこ「ビデオカメラちゃんと使えるの真姫ちゃんと希くらいだしねぇ」
凛「あれ? そういえば何で希ちゃんはカメラ持たないの?」
希「真姫ちゃんが撮るとね、全然ブレてないんよ」
凛「へぇー」
にこ「ほら凛、、もうすぐ出番よ」
凛「わかったにゃー」
穂乃果「……」
ことり「……」
希「2人ともサポート、真剣やなぁ」
絵里「うーん……海未の演技を目に焼き付けようとしてるとこはよくわかるんだけど……」
にこ「あの2人どんだけ海未好きなのよ」
穂乃果「はいカットー!」
真姫「……よし」
穂乃果「真姫ちゃん、タオルだよ」
真姫「ありがと」
希「お疲れ様、真姫ちゃん」
真姫「うん」
にこ「じゃあ問題のシーンね」
絵里「も、もんだい……」
凛「絵里ちゃんの貴重なカタコトシーンにゃ」
絵里「カタコト……」
真姫「大丈夫よ絵里、昨日きちんと演技できることが分かったんだから」
絵里「そ、そうよね、私頑張るわ!」
希「旦那様に元気づけられて喜ぶえりち」
穂乃果「え? これは撮影してないから……演技じゃないってこと?」
花陽「はわわ……」
絵里「ちょ、違うってば!」
真姫「やめなさいよ」
希「じゃあこのまま撮影スタートやね」
にこ「心配だわ……」
希「カメラはないものやと思って演技してするんや!」
絵里「うう……やってみるわ」
穂乃果「じゃあ行くよ!
3……
2……
1……
スタート!」
ことり「よし、これで血は止まったね。とりあえず救急車を……」
にこ「そこまでよっ!」
絵里「も、もう逃げられないわ!」
凛「あれ? ちゃんとできてるよ?」
希「昨日の特訓の成果出てるやん!」
海未「くっ、もう追手が……ことり逃げて!」
ことり「嫌っ! 海未ちゃんを置いてはいけないよ!」
にこ「機密情報を持ち出して逃げようだなんて、いい度胸してるじゃない」
花陽「絵里ちゃん……頑張って」
絵里「組織を抜けることは許されないわ」
希「うんうん、順調に進んでる」
海未「あなたたちはわかっていません! 命令に従って動くだけなら機械にだってできます」
にこ「……私たちには上からくる命令以外何もないでしょ。他に何があるっていうのよ」
絵里「そうっ……よ、生きることは任務を……遂行すること」
凛「絵里ちゃんの様子が変にゃ」
花陽「なんだかさっきから真姫ちゃんが近づくたびに変な感じになるね」
希「ま、まさかえりち……」
にこ「ターゲットならそこにいるじゃない。任務は生け捕りよ? どうして連れ帰らないの?」
海未「ふふっ」
絵里「何がおかしいの?」
海未「ただ人形のように任務をこなすだけのあなたたちにはわかりませんよ……」
にこ「そうね……じゃあ新しい任務は『裏切り者の抹殺』ってわけねッ!」
海未「はっ、この気配は……!」
絵里「にこ! さが……さがって!」
花陽「やっぱりちょっと変な気が……」
凛「またもや凛の出番にゃ!」
凛「はっ!」
ことり「凛ちゃん!?」
にこ「なっ……いったいどこから」
凛「無論、空から」
希「凛ちゃんかっこいいなぁ」
花陽「そうだねぇ」
希「本番ではここにロープが下りてくるんやんな?」
花陽「えっ? 本番……って…………何?」
希「え」
にこ「なかなかできそうじゃない……」
凛「……」
海未「凛、ここは任せられますか」
凛「凛を誰だと思ってるの?」
ことり「ありがとう……海未ちゃんまだ歩ける?」
海未「ええ、なんとか」
にこ「みすみす逃がすわけないでしょ!」
凛「それはこちらの台詞」
絵里「……にこ、これは私たちの管轄外よ。……ひ、ヒキマショウ……」
にこ「……っ、覚えてなさいよ!」
穂乃果「はいカット!」
絵里「はぁ……はぁつ……」
海未「絵里、演技すごく上手になってましたよ!」
絵里「あ、ありがとう」
穂乃果「凛ちゃんもかっこよかったよ」
凛「えっへん、凛もやればできる子なんだよ!」
ことり「真姫ちゃんお疲れ様っ」
真姫「そんなに疲れないわよ。カメラ構えてるだけだし」
ことり「でもみんなに近づいたり……大変じゃない?」
真姫「近づくって言っても2、3歩でしょ」
絵里「そうよね……2、3歩だけだし」
真姫「ねぇ絵里」
絵里「えっ!?」
真姫「……そんなに驚くこと?」
穂乃果「意識してるのかなぁ?」
凛「むふふ。絵里ちゃんかわいい」
絵里「もー……」
にこ「今気づいたけど、にこの役って完全に噛ませ犬ポジションじゃない」
海未「そんなことを言いながらも真面目にやってくれてうれしいですよ」
にこ「あんたも恥じらいはなくなったのね」
海未「主演だと言われてから諦めました」
花陽「えぇ!?」
凛「かよちん!?」
穂乃果「えっ、どうしたの?」
花陽「どどどど、どうしよう……かみさまたすけてぇ……」
希「本番やるって言ってなかったん?」
真姫「本番って何よ」
海未「本番!?」
ことり「え? みんな聞いてないの?」
海未「えええええ!? 講堂を使っての本番!?」
絵里「」
真姫「ちょ……」
花陽「……」
凛「あれー? みんな聞いてなかったのかにゃ」
にこ「ちょっと……この4人って真っ先に伝えなきゃいけないメンバーでしょ」
穂乃果「あれ? 海未ちゃんには音乃木坂主演女優賞とろうって言ってたよね?」
海未「本当にそんなのがあるなんて知りませんでしたよ……」
ことり「大丈夫だよ! 舞台袖からちょっとだけ顔をのぞかせてても海未ちゃんはかわいいよ!」
穂乃果「……その方が逆にいいかも」
ことり「でしょ?」
海未「でしょ? じゃありませんよ……もう」
希「うぅ、みんなごめんなぁ。みんな真剣にやってるから聞いてると思ったんよ」
花陽「ううん、聞かなかった私たちも悪いんだよ……」
真姫「それより絵里よ絵里、今日の演技も所々固かったし……こんなので大丈夫なわけ?」
絵里「……やっぱり固かったのね」
真姫「あっ」
絵里「いいのよ本当のことだから……ぐすん」
希「あー、その話なんやけど」
にこ「カメラがあるからダメなんでしょ? なら本番はカメラないから大丈夫じゃない」
凛「超理論にゃ!」
海未「そんな簡単にいくかどうか……」
絵里「カメラが……ない?」
穂乃果「そうだよ! 記録されることはないんだよ!」
ことり「うんうん、昨日みたいにやれば自然にできるはずだよ」
絵里「私……やれるわ! やれるのよ!」
海未「ええー……」
希「……まあ結果オーライかな?」
花陽「?」
にこ「じゃあ昨日みたいに特訓ね。ネタ出してネタ」
真姫「え、またやるの?」
絵里「……」
凛「真姫ちゃんがそんな風に言うから絵里ちゃんが落ち込んじゃったにゃー」
希「旦那様、フォローせなフォロー」
真姫「絵里のためなら別にかまわないわよ?」
絵里「!」
穂乃果「か、完璧すぎるフォローだよ……」
花陽「すごい……」
にこ「それなら今日は何にしましょうか」
花陽「つ、疲れたぁ」
海未「結局特訓になったのかどうかわかりませんね……」
絵里「ぐぬぬ……まだまだ!」
希「はーい、下校時間でーす」
真姫「今日はもう帰りましょうか」
穂乃果「そういえば絵里ちゃん、講堂の使用許可とった時に気付かなかったの?」
絵里「あ、その時は希に任せてたから……」
希「みんなで劇できるって楽しみにしてたもんなぁ」
絵里「そ、それは内緒よ!」
真姫「……」
ことり「真姫ちゃん楽しかった?」
真姫「……まぁね」
凛「絵里ちゃん! 真姫ちゃん楽しかったって!」
絵里「!?」
花陽「り、凛ちゃん! そういうのは本人のいないところでこっそり……」
にこ「イチャイチャしてると理事長に怒られるわよ」
理事長「呼んだかしら」
にこ「でっ、出たぁ!?」
理事長「うわーん、おばけみたいに言われたぁ。海未ちゃん慰めて」
海未「はいはい、よしよし」
絵里「何で扱いに慣れてるの!?」
海未「いつものことです」
穂乃果「おばさんずるいー! 穂乃果もー!」
ことり「私も―!」
凛「う、海未ちゃんが実はこの学院の支配者なんじゃ……」
希「海未ちゃん、恐ろしい子やな」
凛「じゃあ凛もそれにあやかるにゃ! 海未ちゃんなでなでしてー」
花陽「……わ、私も」
海未「……これって帰れないんじゃ」
にこ「それでも腕を止めないあたりプロね」
真姫「子どもの頃ナデナデシテーって言うぬいぐるみがあった気がするんだけど……なんて名前だったかしら」
絵里「チェ○ラーシカ?」
希「さすが本場やね」
今日はここまでです
あと3日くらいで完結すると思います
乙
>>63
ありがとうございます
今日は短いですが更新します
3日目
海未「そういえば聞きそびれたんですが、本番はいつなんですか?」
穂乃果「あさってだよ?」
海未「あさって!?」
ことり「うん、廊下にもポスター貼ってるよ」
絵里「せ、生徒会の許可印がある……」
希「えりち、このポスターに許可印押してた時うとうとしてたんちゃう?」
絵里「何で?」
希「押してるところがバラバラ」
絵里「はっ」
真姫「あさって……ねぇ絵里は大丈夫そう?」
絵里「そうね、ちゃんと特訓できたし……」
希「真姫ちゃん、えりちの目をまっすぐ見てみて」
真姫「ん? 何でよ」
希「人の目を見るのは演技中大事なことやろ? 観客の目を見るとか」
真姫「それもそうね……」
真姫「……」
絵里「え、何?」
真姫「特訓よ。目を逸らさないで」
絵里「あ……そ、それよりにこたちはどこにいるの? 本番も近いし……真姫も近い」
穂乃果「にこちゃんたちは教室で特訓中だよ。凛ちゃんと花陽ちゃんがセリフ覚えるのに苦労してるみたいで」
ことり「あー、2人は私たちの次にセリフ多いからねぇ」
海未「はい……それにしてもキャスティングが結構雑ですよね。くじ引きをしたとき紙になんて書いてありましたっけ」
希「えーっと、『ヒットマン(主役)』と『ヒロイン』、『ヒットマン(敵)』が2つやろ? それから『いい人そうに見えて実はラスボス』と『ラスボスの側近』……これで6つやね」
真姫「あとは『監督』と『カメラマン』。それに最後は『違う自分になってみよう』とかいうのもあったわね」
海未「最後のはもはや演劇関係ないというか……」
ことり「それは凛ちゃんが引いたんだよねっ」
絵里「あー、だからああいう役……台本に『めちゃくちゃ強いヒロインの友人』って書き足してあるけど」
希「あらすじをおさらいしてみる?」
穂乃果「そうだね」
海未「まず主人公はヒロインを拉致しに来て……」
ことり「でもヒロインと接してるうちに何でさらわなくちゃいけないのかわからなくなって……」
絵里「そこで帰りの遅い主役を探しに、もともと仲間だった暗殺者が来て……」
真姫「主役の裏切りを知る、と」
希「そこでやられそうになった主役とヒロインのピンチを救いに友人が登場して……」
穂乃果「ここで戦わずにすむんだよね」
穂乃果「……ちょっといいかな」
海未「どうしましたか?」
穂乃果「……思ったよりこのお話長くない?」
希「そうやね。確か講堂を使える時間は……1時間?」
ことり「1時間!?」
絵里「これって普通にやったら3時間くらいかかるわよ」
真姫「巻きでいっても2時間ってところかしら」
海未「……真姫だけに」
穂乃果「……聞いちゃった」
海未「わ、忘れてください」
ことり「録音しちゃった」
海未「この短時間で!?」
希「そもそもこの脚本書いたのって誰やったっけ?」
真姫「初めはにこちゃんじゃなかった?」
海未「あれ? 私も書きましたよ?」
穂乃果「穂乃果も書いたー」
ことり「……もしかしてみんな書いてるの?」
絵里「あ、そうだ! そのあとみんなで付け足していったような……」
希「んー、どうする?」
ことり「そうだねぇ……」
海未「真姫、どうしました?」
真姫「……分割してやればいいんじゃない? 講堂を借りる回数の制限はないんだし、3回くらいに分ければ十分でしょ」
海未「その手がありましたか!」
絵里「なるほどね……」
ことり「名案だねっ」
穂乃果「真姫ちゃん、頼りになるぅ!」
真姫「ちょ、くっつかないでよ」
希「うれしいくせにー」
真姫「ぬぬぬ……」
にこ「1時間しかないなんて知らなかった……」
凛「ええっ、凛はこの劇1時間でやると思ってたんだけど」
花陽「それはさすがに無理だよぉ」
にこ「でもこれはみんなで作ったものだし勝手に変えるわけには……」
花陽「うーん……」
凛「かよちんのラスボス姿、凛も見たいにゃー」
にこ「凛も頑張ってセリフ覚えたしねぇ」
花陽「うん、やるならできるだけ完璧にやりたいね」
にこ「花陽がやる気だわ……」
凛「凛もやる気!」
にこ「それは私も一緒よ」
にこ「そういえば劇で使う名前はそのままなのよね?」
凛「そうだよ」
にこ「じゃあ凛は初対面の花陽をなんて呼ぶの?」
花陽「あ……」
凛「かよちんって呼べないにゃー」
にこ「そしたら凛は花陽のことを……」
凛「花陽」
花陽「えっ!? は、はい!」
にこ「花陽、驚きすぎじゃない?」
花陽「で、でもぉ……」
凛「花陽」
花陽「ひゃあ!?」
にこ「仲いいわね……ったく」
凛「にこちゃんも呼び捨てがいいの?」
にこ「いやいや、誰もそんなこと言ってないでしょ」
凛「じゃあ……にこにー!」
にこ「はーい! みんなのアイドル矢澤にこですっ!」
にこ「本番の舞台の為に頑張っちゃうぞぉ!」
にこ「にっこにっこにー!」
花陽「……す、すごい!」
凛「さすがにこちゃんにゃ!」
にこ「……素直に感心されると困るんだけど」
今日はここまでです
また次回はちょっとながくなるかもしれません
乙
おもしろいね
更新です
そういえば安価要素が少ない……
4日目
希「えりち、たぶん明日はうまくできると思うで」
絵里「えー……まだぎこちなかったりするわよ?」
希「それは真姫ちゃんが撮影してるからやない?」
絵里「?」
希「じゃあウチが撮影してみるから演技して」
絵里「いいけど……笑わないでよ?」
希「面白い動きしてくれたらNG集に使えるから頼んだでー」
絵里「ぜ、絶対成功するんだから」
真姫「絵里、どこ行ったのかしら」
真姫「一応特訓しておこうと思ったんだけど……いないなら練習に戻ろうかしら」
真姫「……あーでも色々言われそうね……」
凛「そうだよ、真姫ちゃんは絵里ちゃんの旦那様なんだから~」
真姫「うわっ」
凛「そんなに驚かれたら凛も傷つくにゃ!」
理事長「なになに? 絢瀬さんと西木野さんってそういう関係だったの?」
真姫「!?」
凛「今のは凛もびっくりしたぁ……」
真姫「……り、理事長お仕事は?」
理事長「理事長は放課後です。今は普通のかわいい主婦です」
凛「今自分でかわいいって言った……でも真実にゃ」
真姫「私敬語苦手なのよね……」
理事長「あなたのお母さんと私は友達なのよ? 知ってた?」
真姫「あ、聞いたことある……あります」
凛「ことりちゃんに海未ちゃん、それに真姫ちゃんまで……この学院は支配者が多いにゃ」
理事長「うふふ、そうね」
真姫「……」
理事長「あなたは素直じゃない子だから、ってお母さんから聞いてたのよ」
凛「ほほう」
真姫「何よその目は」
理事長「でも今は……ずいぶん楽しそうね」
真姫「え?」
理事長「明日の舞台楽しみだわ! どんな役やるの?」
凛「凛はかっこいい役にゃ!」
真姫「それじゃわからないでしょ」
理事長「なるほど」
真姫「つ、伝わった……」
理事長「真姫ちゃんは?」
凛「な、名前呼び……!」
真姫「私は……出ません」
理事長「ええっ!?」
凛「ええっ!?」
真姫「凛は知ってるでしょ?」
凛「ほ、ほんとだ! カメラは舞台に要らない……」
理事長「真姫ちゃんのお姫様姿見たかったなぁ」
凛「お姫様……凛も見たーい」
真姫「何の話?」
にこ「……」
ことり「ま、まさかこんなことになるなんて……」
花陽「本番は明日なのにぃ……」
海未「ぐふっ」
穂乃果「み、みんなごめん……ね」
絵里「私たちは一体何のために戦ってきたの……?」
希「はいカットやで!」
希「うん、ちゃんとできてるやん」
絵里「カメラがあっても意外とうまくいったわね」
希「それは……えりちが真姫ちゃん意識しすぎてるから」
絵里「?」
希「カメラ越しにでも真姫ちゃんが見てくると集中できない、そうやない?」
絵里「……そうかも」
希「ふふ、えりちは真姫ちゃんとの接し方に困ってたやろ?」
絵里「そうね……最初は目を合わせるのすらままならなかった気がするわ」
絵里「にらまれてるみたいだったもの……ちょっと無愛想だったから」
希「ウチは最初から、不器用なんやなーって思ってたよ?」
絵里「ええっ? 何でよぉ」
希「似てる人がいるからやと思うなぁ」
絵里「……誰かしら」
希「ま、えりちはギャップ萌えってやつにやられたんやと思うで」
絵里「どういうこと?」
希「ツンツンした態度で優しくしてくれる真姫ちゃんに……」
絵里「……はっ」
絵里「ど、どうしよう! 私どうすればいいの!?」
希「そんな恋する乙女みたいなこと言われてもなぁ……本番は明日やのに」
絵里「……変な感じだわ。でも真姫ってすごくきれいな目してるのよ?」
希「いやいや、そんなこと言われても……」
絵里「ドキッとするでしょ? 絶対するわよ」
希「えりち、真姫ちゃんのこと好きなんやね」
絵里「……そうなのかしら」
希「赤くなられても困るんやけど……まあその方がえりちらしくてウチは好きやなぁ」
絵里「それって褒め言葉?」
希「さーて、どうやろ?」
絵里「もう……」
希「それにしても……カードが『誰かが大切なことを忘れる』って伝えてくれたんやけど、何のことかな?」
絵里「忘れる? き、記憶喪失とか?」
希「そんなことはないと思うけど……」
真姫「あ、いた」
凛「教室にいたんだね。生徒会室にいると思ったにゃー」
絵里「ま、真姫?」
凛「凛もいるよ?」
希「えりちは真姫ちゃんに夢中やから」
凛「?」
希「本音で語るのは大事なことやろ?」
真姫「よくわからないけど……とりあえず部室に戻りましょ」
絵里「う、うん」
希「うふふ」
凛「絵里ちゃんどうしたの?」
絵里「?」
穂乃果「」
海未「」
ことり「」
にこ「」
花陽「」
絵里「……えっ?」
凛「み、みんなが倒れてる!?」
真姫「ちょっと待って。穂乃果が何か持ってる……なにこれ」
希「『眠気を吹き飛ばすスーパーゴーヤドリアンのどあめ』……? 効き目凄そうやなぁ……」
穂乃果「う、うーん」
絵里「穂乃果!? 大丈夫!?」
穂乃果「あれ? 絵里ちゃん……それにみんなもどうしたの?」
海未「わ、私たちは一体何を……」
真姫「海未、大丈夫? 何があったの?」
海未「何って……ん? 何してたんでしたっけ」
凛「かよちん! ことりちゃん! にこちゃん!」
花陽「……はっ」
にこ「うぅ……」
ことり「いたたた……」
希「もしかして……忘れるってことは……」
絵里「穂乃果! 明日は何の日か知ってる?」
穂乃果「明日って何の日だっけ」
海未「課題の提出日では?」
花陽「ああっ! 明日数学のテストだった!」
ことり「他には……何かあったかな?」
にこ「頭痛い……」
絵里「記憶が飛んでる……!?」
真姫「これは……」
凛「つまり……どういうこと?」
真姫「このままじゃ舞台に立つのは難しそうってことよ」
凛「ええっ!?」
海未「舞台?」
ことり「うーん、何か大切なことがあったと思うんだけど……」
花陽「何かあったかな?」
絵里「みんな、どこか悪いところはない?」
穂乃果「元気だよ?」
にこ「心配性ねぇ」
希「まずいことになったなぁ……」
絵里「穂乃果たちには保健室で休んでもらったけど……」
凛「ど、どうすればいいの?」
希「……こういう時はえーっと」
絵里「うーん……」
凛「中止になっちゃうの?」
希「それは避けたいなぁ……」
絵里「でもこのままだと……」
真姫「ああもう! そんなことでどうするのよ!」
凛「真姫ちゃん……?」
希「真姫ちゃん落ち着いて」
真姫「私は冷静よ。ここで諦めるなんて……」
絵里「そうね。諦めるのには反対だわ」
凛「でもみんなセリフとか演技とか忘れちゃったんだよ?」
希「今日やるはずやった舞台でのリハーサルもできてないし……」
絵里「それはそうだけど……」
真姫「待って凛。今なんて言った?」
凛「え? みんなはセリフとか演技とか忘れちゃってるって……」
真姫「それよ」
絵里「まさか……!」
真姫「そのまさかよ、絵里」
希「真姫ちゃん何するん?」
真姫「そもそも舞台にセリフや演技なんているのかしら」
凛「えっ」
凛「で、でもセリフがないと何をしたらいいかわからないよ?」
真姫「凛!」
凛「は、はいっ!」
真姫「凛、舞台で思うがまま、やりたい放題に動いてみたいとは思わない?」
凛「んー、そうしたいのはやまやまだにゃ」
希「真姫ちゃん、それって……」
真姫「そう、即興劇よ。この場をしのぐにはこれしか方法はないわ」
真姫「舞台をやる機会なんてたくさんあるんだから……」
希「おお、まるで今回やる予定やった劇は次回する、みたいな口ぶりやね」
真姫「当たり前よ。みんなで書いたものなんだから」
絵里「そうこなくっちゃ!」
凛「でもでも即興劇って言っても、凛たちにすぐできるとは思えないにゃー」
真姫「そうね、だから今回は話の流れをあらかじめ決めておくのよ」
絵里「あぁ、物語の中心を定めておくわけね」
希「うんうん、なんか楽しそう!」
真姫「ま、お題は穂乃果たちの意見も参考にするとして……あとは何をしたら面白いかしら」
凛「真姫ちゃん役者さんの顔してる……」
希「頼りになる後輩がいて助かったわぁ」
絵里「何言ってるの、私たちも意見出すのよ?」
凛「はいはーい!」
真姫「はい、凛。何かいいの思いついた?」
凛「凛たちはアイドルだからミュージカルにするのは?」
真姫「それもいいけど……今回は自由度が高いからその場で選んで歌を披露するのは難しいと思うわ」
凛「そっかぁ」
真姫「でもいいアイディアよ」
凛「褒められた!」
希「じゃあウチもー!」
真姫「はい、希」
希「お客さんを舞台に呼ぶ」
真姫「大胆にいったわね……うーん、お客さんに協力してもらうってのは悪くないわ」
希「あと意見出してないのはえりちだけやでー」
絵里「私はあんまりいい考えないのよね……」
凛「思いつきでいいと思うよ?」
希「うんうん」
絵里「それなら……」
絵里「お客さんに手を挙げてもらって、そこから先の展開を決めてもらうとかは?」
希「あ、それいいかも」
凛「楽しそうにゃ!」
真姫「……」
凛「ま、真姫ちゃん監督、どうですか?」
真姫「何よそれ、ていうか監督は穂乃果じゃない」
希「それで、感想のほどは?」
真姫「いいアイディアね。採用よ」
絵里「やった!」
凛「そうと決まれば話は早いにゃ! みんな呼んでくるね!」
希「あ、凛ちゃん廊下は走ったら危ないで」
絵里「って追いかけてる希も走ってるじゃない……」
真姫「……」
絵里「お疲れ様」
真姫「まだ本番は始まってもいないのよ?」
絵里「ううん、みんなのために頑張ってくれて」
真姫「……そう」
絵里「やっぱり真姫は優しいわね」
真姫「どうしたのよ急に」
絵里「私はそういうあなたが好きよ」
真姫「……調子狂うわね」
絵里「だってほら、先輩だから?」
真姫「何で疑問形なのよ」
絵里「理由はいるかしら」
真姫「……いらない」
絵里「明日の本番、何があっても成功させましょうね」
真姫「それって答える必要あるの?」
絵里「ううん、いらない」
今日はここまでです
明日は安価出しますよ
真姫「いらないって何?」
絵里「真姫の真似してみただけよ。似てた?」
真姫「知らないわよ……ふわぁ」
絵里「あら、お昼寝の時間?」
真姫「取り仕切るなんて慣れないことするもんじゃないわね。疲れたわ」
絵里「そう? 慣れてるように見えたけど」
真姫「絵里の真似しただけよ」
絵里「えっ」
昨日は更新できず申し訳ありません
寝落ちでした
今から更新します
5日目
海未「ほ、本当にやるんですか?」
絵里「ええ、もちろんよ」
花陽「でも私たち練習できてないよぉ……」
凛「そこは気合と根性にゃ!」
ことり「そうだよね……頑張らなきゃ!」
希「その意気やで」
にこ「にこたちはアイドルなんだし、このくらいどうってことないわよね」
真姫「はぁ……その態度は尊敬するわ」
穂乃果「よーし……じゃあ張り切っていこう!」
絵里「じゃあ最終的に監督役を買って出てくれた真姫から一言」
真姫「わ、私? こういうのは絵里とか穂乃果とかの方が……」
凛「真姫ちゃん頑張ってたんだから当然にゃ!」
希「そうそう、ここは真姫ちゃんじゃないと締まらないよ?」
にこ「まさかこんなことやるなんて思ってもみなかったけど、確かに一番忙しくしてたのは真姫ちゃんだからね」
真姫「えぇ? ……そんなこと言うのって緊張するわ」
海未「それには同感です。まああんなにお客さんが集まっていてこの発言もどうかと思いますが……」
花陽「ま、真姫ちゃんが頑張ってるんだから、私たちも頑張ろう!」
真姫「私は言うなんて一言も……」
ことり「今日の主役は真姫ちゃんだからねっ!」
穂乃果「うんうん、そのドレスもよく似合ってるし……後で海未ちゃん着てもらおう」
海未「聞こえてますよ」
穂乃果「ぎくっ」
絵里「ほら真姫、舞台始まっちゃうわよ?」
真姫「ああもう……わかったわよ」
「こういうのは苦手だから手短に話すわ」
「えー……予定とは大きく違うけど、今回の舞台はみんなでつくる大切なものよ」
「こんなこと言うのは柄じゃないんだけど……みんなの協力が必要なの」
「もちろん協力するにゃ!」
「はい、後輩の頼みとあらば断われませんから」
「ふふふ、真姫ちゃんらしいやん」
「う、うるさいわね……」
「やだぁ、真姫ちゃん照れてるの?」
「に、にこちゃん、真姫ちゃんはまじめだからからかっちゃダメだよぉ」
「かよちんの言う通りにゃー」
「後輩に怒られるにこっち」
「もしかしたら真姫ちゃんのドレスがかわいいから嫉妬してるのかも」
「ええっ、穂乃果ちゃん本当? ごめんねにこちゃん……私がもっと早く作ってれば……」
「ああもう、ことりが気にしちゃったじゃない。ほらにこ、謝りなさい」
「ごめんなさい」
「なんだか幼稚園みたいですね……」
「海未、そのセリフは聞き捨てならないわ。にこがちっちゃいからって……ちっちゃいからってええええ!」
「にこちゃんうるさい。ていうか私の話聞きなさいよ」
「あ、ごめんね真姫ちゃん。海未ちゃんが可愛くてつい」
「ことり、私は関係ないでしょう」
「はーい、静かにしなさーい」
「生徒会長さんのお言葉やで、みんな聞いてー」
「あーもう! 1回しか言わないからよく聞きなさいよ!」
あ
「頼りにしてるわ。そして――――――――
――――――――最高の舞台にしましょう」
「真姫ちゃんもう1回言って! 録音するから!」
「凛ちゃん大丈夫だよぉ。ことりちゃんがボイスレコーダー貸してくれたから」
「凛はともかく花陽にまで裏切られるなんて……」
「凛の扱いがひどいにゃー」
むかしむかしあるところに、シンデレラというとても美しい女性がおりました。
シンデレラは母と姉2人とともに仲良く暮らしていました。
真姫「え、打ち合わせした時はシンデレラじゃなかったわよ?」
絵里「即興劇ってそういう……」
海未「仲良く……?」
ことり「穂乃果ちゃんらしいね」
にこ「ほら真姫ちゃん、出番よ」
真姫「ちょ、それならこんなドレス着てたらまずいでしょ」
希「あ、そっか」
凛「穂乃果ちゃん、もうちょっとナレーション長く!」
穂乃果「……」
海未「よし、伝わったみたいですね」
シンデレラはどうやらお着換え中のようです。
みなさんしばらくお待ちください。
にこ「ナレーション何者なのよ……」
絵里「でもこのまま誰も出ないのはまずいわ」
海未「そうですね。ここは……」
凛「じゃあ凛が出るにゃ」
ことり「うん、それなら>>139の役でお願い!」
野良猫
凛「シンデレラさんシンデレラさん、ここにまだホコリが残ってるにゃ」
あ、誰か出てきましたね。
凛「凛は人間じゃなくて野良猫だにゃー」
真姫「はぁ……はぁ……おはよう野良猫さん」
息も絶え絶えのシンデレラさんがやってきました。
凛「シンデレラさん早くご飯ちょうだいにゃー」
真姫「まずお掃除をするからどいてくれないかしら?」
凛「ご飯もらうまでどかないにゃー」
真姫「そう、だったら私にも考えがあるわ」
真姫「あ! あんなところにおいしそうなお魚が!」
凛「え? どこどこどこ?」
真姫「そこの角を曲がってすぐのところよ」
凛「ありがとうシンデレラさん! このご恩は倍にして返すにゃ!」
真姫「……これでよし。やっとお掃除が始められるわ」
花陽「角だったら見えないよね?」
希「うん、真姫ちゃんうまいなぁ」
凛「ただいまー! 次はだれが出るの?」
絵里「ここはお姉さまってことだから……>>142お願いね」
のんたん
希「ふふふ、がんばっているかね?」
真姫「あ、お姉さま。おはようございます」
希「うん、おはよう」 海未「お姉さま……」
真姫「今日もいい天気ですね」 ことり「呼ばれたいの?」
希「そうやね、こんな日はみんなを誘ってピクニックにでも行きたいなぁ」 海未「そ、そんなことは……」
真姫「そうですね」
凛「みんなって?」
絵里「たぶんシンデレラのお母さんともう1人のお姉ちゃんでしょうね」
短くてすみませんが、今日はここまでとさせていただきます
やっぱり時間帯かぁ……
明日は20時くらいで大丈夫かな?
休日だったのに遅れてすみません
あともう安価はなしにします
少しだけ更新しますね
ことり「それじゃあ海未ちゃん、お姉さま役としてどうぞ」
海未「えっ、ちょっとことり……」
にこ「こういうのは出てしまった方が楽よ」
海未「それもそうですね……わかりました」
凛「じゃあかよちんも行ってみたら?」
花陽「わ、わかった!」
海未「し、シンデレラ。掃除は終わりましたか?」
真姫「あらお母様。すみません、まだ始めたばかりなのです」
絵里「あら、海未がお母さん役になっちゃったわよ」
ことり「お母さん海未ちゃん……うん、それもいいね」
花陽「それでは私たちも手伝いましょう。希お姉さま、海未お母さま」
希「そうやね」
海未「それでは手分けして始めましょう」
真姫「では私は玄関口の方を」
花陽「わ、私は廊下を」
希「じゃあウチはワインを片手にみんなの掃除を見て回ろ」
海未「昼間から酒!?」
凛「おお、ウケてるにゃ!」
絵里「ユーモアのセンスも問われるのね……ハラショー」
にこ「……うわっ! 急に電気消えたわよ!?」
海未「……ど、どうなってるんですか?」
真姫「わからないわ……照明をいじってるのは穂乃果だから、たぶん場面転換とかじゃないかしら」
希「……皆が見てる前、舞台の上で内緒話なんて新鮮やね」
花陽「……暗いから見えてないよね?」
海未「穂乃果のことですからきっと……大幅に変えてくると思います」
そうしてシンデレラたちは掃除を始めました
歌い、時には小鳥と戯れながらお屋敷の隅から隅まで綺麗にしました
にこ「まるでミュージカルね」
ことり「……ちゅん」
にこ「ツッコまないわよ」
ところがそんなお屋敷での楽しげなシンデレラたちとは対照的に、王子様の心は曇っていました
凛「急に王子様!?」
ことり「え、絵里ちゃん、服は……」
絵里「着てるわ! でも王冠がなくて……」
海未「私たちは戻りますよ」
希「真姫ちゃん早くー」
真姫「ちょ、このドレス動きづらいのよ」
花陽「み、みんな待ってぇ……」
ことり「あ、明るくなってきたよ!」
にこ「じゃあにこがそれとなく持っていくから出なさい」
絵里「わかったわ!」
絵里「はぁ……はぁ……」
王子様は日課の早朝ランニングでお疲れのようです
ことり「王子様、体力づくりに余念がない……」
にこ「あ、王冠見つかった!」
海未「では気を見計らってから舞台に出ましょう」
絵里「むむむ……スポーツ万能な王子様アピールをしても伴侶は見つからないなぁ」
海未「さすが絵里……上手く話をつなげてきましたね」
真姫「みんなはドレス着てないけど……いいのかしら」
希「そこはほら、想像でカバーやん」
にこ「よーし、行くなら今ね!」
絵里「早く伴侶を見つけないと王子として示しが……」
にこ「王子様ー! ランニング途中で王冠を落として行きましたわよー!」
絵里「えーっと……に、にこ大臣! ありがとう!」
にこ「だ、大臣……」
凛「に、にこ大臣……ぷくく」
希「凛ちゃん、笑ったら……ぷぷぷ」
ことり「大臣……」
真姫「せめて妹とかにすればよかったのにね」
希「……妹」
絵里「にこ、唐突で悪いけれど舞踏会を開いてくれないかい?」
にこ「大臣はアイドル業で忙しいのです……」
絵里「ええっ!?」
海未「舞台でもアイドルですか……」
真姫「さすがね……」
ことり「いつものやって、って誰か言わなかった?」
花陽「いつものって、もしかして……」
絵里「ならにこ、アイドルってのは一体何をやっているんだい?」
にこ「そりゃあもちろん……」
にこ「みんなのアイドル、矢澤にこでーす! にっこにっこにー!」
希「おお、すごい歓声やね」
ことり「にこちゃんすごいねっ!」
真姫「ねぇ、にこちゃん今こっち見てウィンクしてこなかった?」
凛「そんな余裕まであるみたいにゃ」
海未「場馴れしてるってことでしょうか……」
にこ「というわけで、伴侶を見つける舞踏会を開く代わりにアイドル活動をできるステージを作ってください」
絵里「う、え、あ……わかった」
真姫「話が変わってきたわね」
希「それがアドリブやから仕方ないんとちゃう?」
にこ「そうなればさっそく舞台の準備をしましょう!」
絵里「ちょ、ちょっと!」
にこ「え?」
絵里「私の伴侶を見つけるのとアイドル活動には何の関係があるんだい?」
にこ「それは……」
ことり「と、止まっちゃったよ……?」
海未「これはまずいんじゃないですか?」
希「いや、あのにこっちの表情からするに……大丈夫そうやで」
にこ「それは舞台でダンスを踊るのにピッタリな相手を見つけることにあります」
真姫「……ってことは必然的に踊らなくちゃならないわけ?」
花陽「が、がんばって!」
絵里「なるほど、それはいいアイディアだ!」
希「王子様ちょろい……」
凛「あ、また舞台が暗くなってきたにゃ」
海未「おそらくまた私たちの出番ですよ」
王子様たちは急いで舞踏会の準備に取り掛かりました
シンデレラたちの耳にもその話は伝わります
海未「ああ、やっぱり……」
しかし、そこに立ちはだかる強大な敵!
一体どうなるシンデレラ!
希「……」
花陽「……」
真姫「穂乃果……」
今日はここまでです
またの更新をお楽しみに
乙
続き楽しみ
>>162
ありがとうございます
読んでる人がついてくれててうれしいです
おつ
面白そうやん
乙です
>>164-165
ありがとうございます
更新スタートです
花陽「王子様がお城でライブをするんだって!」
希「ライブぅ? 王子様も暇なんかなぁ」
海未「そういう話ですか?」
真姫「聞いた話では結構な数の人が招かれるようですが……」
凛「強大な敵ってどうすればいいのかな?」
にこ「自分たちで作ればいいのよ。好きなようにやりなさい」
絵里「考えるのが面倒になったんじゃないのかしら」
にこ「うっ」
海未「……もしかして王子様は伴侶を探すためにこのライブを?」
希「おお、きっとそうやね。お母様冴えてる!」
海未「そ、それほどでも……」
凛「そろそろ強大な敵が出てこないと……」
絵里「ええ、きっと2回目のナレーションが来るわ。穂乃果のことだし」
ことり「じゃ、じゃあ私が行くよっ!」
凛「凛もおともするにゃ!」
花陽「それとそのライブでは、世界的に有名なアイドルが来るらしいよぉ」
にこ「スタッフ、楽屋でごはん炊いて」
絵里「誰がスタッフよ」
真姫「アイドルねぇ……」
凛「ちょっと待つにゃ!」
ことり「……ヨキニハカラエミナノシュー」
真姫「あ、さっきの野良猫だわ!」
凛「ふっふっふ、あれは世を忍ぶ仮の姿……」
海未「その隣の方はどちら様でしょうか?」
凛「この方を知らないとは言わせないにゃ! このお方こそ世界を破滅に導く闇の魔法使い……リトルバード様にゃ!」
ことり「世界中の美少女は私のものだよ!」
海未「な、なんですって!?」
花陽「聞いたことがあります……闇の魔法使いが通った場所には美少女がいなくなる、って」
にこ「やだぁ、にこさらわれちゃーう」
絵里「大臣静かになさい」
ことり「シンデレラ!」
真姫「は、はいっ」
ことり「王子様なんかにあなたはあげません……私のものとなぁれ!」
真姫「う、うぅ……頭が……!」
希「シンデレラ!」
海未「やめなさいリトルバード! シンデレラが苦しがっています!」
凛「ふふふ、もう遅いにゃ。これでシンデレラはリトルバード様のもの……」
花陽「ど、どうすれば……」
穂乃果「そこまでだよっ!」
絵里「穂乃果!?」
にこ「ちょ、ナレーションはどうするのよ」
ことり「えっ」
海未「ほ、ほの……誰ですかあなたは!」
穂乃果「えーっと私はねぇ……そう、言うなれば光の魔法使いだよ!」
花陽「ひ、ひかりの?」
真姫「うっ」
希「シンデレラ、大丈夫?」
真姫「何とか……」
花陽「どうして光の魔法使いさんはこんなところに……?」
穂乃果「それはね……」
にこ「えっ、幕が下り始めたわよ」
絵里「も、もしかして……」
シンデレラの前に姿を現した2人の魔法使い
無事にライブは開かれるのか?
王子様は伴侶を見つけることができるのか?
シンデレラの命運やいかに!
シンデレラ in 音乃木坂~後編~ カミングスーン……
絵里「ぴったり1時間だわ……」
凛「お疲れ様にゃー」
花陽「つ、疲れたぁ……」
海未「まさかあんなに長くなるとは……」
希「みんな夢中やったもんなぁ。ウチもやけど」
絵里「後編で終わるのかしら、これ」
にこ「終わらなかったらその時はその時よ」
穂乃果「穂乃果どうだった? 決まってたでしょ?」
ことり「うん、びっくりしたよぉ」
絵里「……って真姫は?」
希「なんか今さら恥ずかしくなってきたみたいで」
にこ「えっ」
真姫「……」
絵里「あら、ここにいたのね」
真姫「……うん」
絵里「屋上なんか来てどうしたの? 風に当たりに来た?」
真姫「……ううん」
絵里「どうしました、シンデレラ?」
真姫「」
絵里「……真姫、顔真っ赤だけど大丈夫?」
真姫「いや、その、ね」
絵里「……つんつん」
真姫「や、やめなさいよ」
絵里「真姫がいたからここまで来れたのよ」
真姫「……別に私は何もしてないわ」
絵里「そう? 真姫がいなかったらきっとみんな諦めていたわ」
真姫「……」
絵里「話は変わるんだけど……明日から3日間連休じゃない」
真姫「本当に唐突ね」
絵里「空いてる?」
真姫「ええ」
絵里「……よし」
真姫「よし?」
絵里「みんな決まりよ! 明日から演劇特訓合宿スタートよ!」
穂乃果「やったぁ!」
凛「楽しみだにゃー」
にこ「ここで演技力を磨いていずれは……ふふふ」
海未「は、はしゃぎすぎですよ」
ことり「何着ていこうかなぁ」
花陽「みんなでお泊り……」
希「おやつは300円までやでー?」
真姫「ど、どういうこと?」
絵里「私のおばあちゃんの知り合いが、日本にある別荘を貸してくれることになったのよ」
真姫「ってことはロシアの人?」
絵里「ま、まあそんなところね」
真姫「なんだか様子が変だけど」
絵里「ち、違うわよ! 何でもないの!」
真姫「……まあいいけど」
にこ「じゃあ明日から合宿スタートよ。忘れ物しないようにね」
海未「ことり、枕を忘れないようにしてくださいよ」
ことり「うんっ」
穂乃果「ことりちゃん、枕がなかったら海未ちゃんが腕枕してくれるよ」
ことり「!」
海未「しません」
凛「かよちん、お菓子何にする?」
花陽「まだ決めてないよ。何にしようかなぁ」
希「真姫ちゃんもゆっくり羽を伸ばすんやで?」
真姫「でも帰ってきたら後編の舞台が残ってるんでしょ?」
希「ご名答! 正解したので真姫ちゃんにはアメちゃんあげる」
真姫「ありがと」
絵里「わざわざ遠まわしに言って大丈夫なんですか? すぐバレると思うんですけど……」
理事長「でも真姫ちゃんの別荘を借りる、っていうのはちょっと気が引けるでしょ?」
希「それもそうやね……」
理事長「だから私が真姫ちゃんのお母さんに直々に申請して借りました」
絵里「えっ!?」
希「えりち、なんやと思ってたん?」
絵里「てっきり真姫のお母さんと私のおばあちゃんが知り合いなのかと思って……」
理事長「私はあなたのおばあちゃんと知り合いよ? ちょくちょくメールのやり取りもするし」
絵里「ええっ!?」
希「えりちのおばあちゃんから理事長へ、理事長から真姫ちゃんのお母さんへ……知らないところでつながってたんやなぁ」
絵里「ん? でも結果として真姫の別荘を借りたのにかわりはないんじゃ……」
理事長「ふふっ、私が借りたのは真姫ちゃんのお母さんの別荘よ。変に意識しなくていいの」
絵里「あ……ありがとうございます」
理事長「いえいえ。一応部活動の一環ということになっているので、活動報告は怠らないように」
希「はーい」
絵里「では活動報告書を作成して……」
理事長「ああ、そんな堅苦しいのはいらないわ」
絵里「え? それでは……」
理事長「みんなの写真。それが欲しいわ」
今日はここまでです
理事長は結構気さくな人だと思います
乙やん
毎日楽しみやで
>>184
うれしい
短く分けて投下していれば感想がつきやすいって本当だったのか……
更新開始です
6日目
穂乃果「さあ出発だー!」
にこ「行くわよー!」
凛「にゃー!」
海未「今回の合宿の目標はさらなる演技力アップです。気を引き締めていきましょう」
花陽「うんっ!」
ことり「頑張ろうね」
真姫「私たちって……何だっけ」
希「若者特有のアイデンティーに対する疑問?」
真姫「違うわよ」
真姫「だから私たちは何部なのかって聞いてるの」
絵里「アイドル研究部……だけど」
真姫「……そうよね。演劇部じゃないわよね」
希「面白いことやる部」
穂乃果「なにそれおもしろそう!」
真姫「実に的確だわ……」
希「あー、景色が綺麗やね」
海未「そうですね」
穂乃果「電車って何で3人席がないんだろうね」
ことり「うんうん、これじゃ海未ちゃんを挟んでおしゃべりできないよ」
海未「こうして向かい合って座っているだけで十分じゃないですか?」
穂乃果「むむむ、海未ちゃんは肩に頭を乗せて眠っちゃうロマンがわかってない」
ことり「あわよくばひざまくらにつながる展開がわかってない」
海未「わからなくて結構です」
希「じゃあウチが肩いただきー♪」
穂乃果「あー!」
ことり「希ちゃんずるーい!」
真姫「あっちは騒がしいわね」
絵里「そうね」
凛「かよちんのおにぎりおいしいにゃ!」
花陽「まだまだあるよぉ。たくさん作ってきたからね」
にこ「……何でにこは膝の上なの?」
絵里「あら、真姫の上の方がよかった?」
真姫「網棚も空いてるけど」
にこ「にこはお荷物ってわけ!?」
凛「うまいにゃ。かよちん、座布団1枚!」
花陽「おにぎりならあるよ」
にこ「いらないわよ」
凛「おいしいのに」
にこ「はいはい」
絵里「ごめんね、にこ。席を1つ取り忘れたのよ」
凛「ちょっとトラブルがあるって言ったら、部長の私が部員の為に一肌脱いであげるわー、ってにこちゃんが言ったから仕方なく……」
にこ「こういうことだとは思いもしなかったわ」
穂乃果「うわーん海未ちゃんがとられたぁ」
真姫「ちょ、何で私のところに来るのよ」
穂乃果「……真姫ちゃんじゃ充電できない」
真姫「失礼ね」
海未「希、起きてください」
希「……」
海未「寝たふりをしてもダメですよ」
希「……」
海未「あ、あれ?」
海未「お、起きない子にはわしわししちゃいますよ……」
穂乃果「してして!」
ことり「準備万端だよ!」
海未「うるさい!」
希「むにゃ」
海未「あ、すみません。起こしてしまいましたか?」
希「あ、ウチ寝てた?」
絵里「希疲れてるの?」
希「いや……海未ちゃんからいい匂いがしたからかも」
穂乃果「……それはもしやローズマリー?」
希「そんな感じかなぁ」
ことり「海未ちゃんの使うトリートメントの匂いは全部網羅してます」
にこ「犯罪臭がするわ」
凛「……ていうかこの車両、もしかして凛たちしか乗ってないの?」
絵里「本当ね。さっきまでは何人か乗ってた気がするんだけど」
にこ「じゃあ別の席に座っても怒られないわね。ここもーらいっ」
花陽「私も移動しようかなぁ」
凛「凛は怒られない程度に足を伸ばすにゃー」
絵里「私も少し景色が見たいわ」
ことり「真姫ちゃん、今の感想をどうぞ」
真姫「ひろびろ」
凛「海未ちゃんはお菓子何もってきたの?」
海未「茎わかめです」
花陽「し、渋い!」
海未「おいしいですよ。食べてみますか?」
凛「うん」
花陽「いただきます」
凛「……なんだかおいしいにゃ」
花陽「……うん」
絵里「わ、私も1ついいかしら」
希「えりち、よだれよだれ」
絵里「では……」
真姫「あ、ちょっと待って。それの味はまさか……」
海未「どうしました?」
希「おいしい梅味……!」
にこ「え、なに?」
絵里「」
穂乃果「と、止まっちゃったよ?」
絵里「……」
ことり「た、食べてる!」
希「せっかくもらったから捨てられないんやなぁ……健気やえりち」
凛「そっか、絵里ちゃんは梅干し苦手だっけ」
絵里「……お、おいしかったわ海未。ありがとう」
花陽「涙ながらに!?」
海未「すみません、私が注意を払っていればこんなことには……」
絵里「いいのよ。これも経験の1つよ」
穂乃果「先輩の鏡だよ……」
絵里「花陽、おにぎり1ついただくわ」
花陽「あ、絵里ちゃんそれは……!」
絵里「」
にこ「また梅干しだったってオチね……」
凛「絵里ちゃんはまさかお笑い芸人を目指してたり……」
希「えりちはおバカタレント止まりやね」
絵里「ひどい」
真姫「……この景色、なんだか見覚えがあるんだけど」
絵里「!」
花陽「?」
絵里「こうなったら……希にキャラメルを食べさせてごまかすしかないわね」
希「え、えりち、おバカタレントって言ったの根に持ってるん?」
絵里「ベツニ」
希「話しあお? な?」
絵里「弁解の余地はないわ」
希「ちょ、いやあああああああ!」
海未「……」
穂乃果「食べ物の恨みって怖いね」
にこ「論点ずれてるわよ」
希「……ハラミ……カルビ……ハート」
ことり「あまりのショックでお肉の種類を言い始めたよ……?」
にこ「焼肉のタレでもなめさせとけば治るんじゃないの」
絵里「ピエール・○ルコリーニ……ゴディ○……デル○イ」
花陽「絵里ちゃんもチョコの名前を……!」
真姫「全部高級ブランドのものじゃない」
にこ「チョコフォンデュにでも浸したら治るんじゃないの」
海未「なぜそんな辛辣な……」
にこ「席の取り忘れの罪は重いのよ」
穂乃果「一番根に持ってるのはにこちゃんだったんだね」
凛「とうちゃーく!」
花陽「あれ? でもここって前に来たような……」
絵里「あらー? 気のせいじゃない?」
真姫「チョコあげるから本当のことを話しなさい」
絵里「理事長に、真姫のお母さんに掛け合ってもらって別荘をお借りしました」
希「えりちがかしこくなくなってる……」
真姫「……そうならそうと早く言いなさいよね」
ことり「お母さん……」
穂乃果「もしかしてすぐ近くにいたり……」
海未「そんなに暇じゃないでしょう」
理事長「どうして今日になって仕事がこんなに……」
理事長「一緒について行こうと思ったのに……ぐすん」
今日はここまで
移動シーンがやたら長い
乙です。
続きが楽しみ
こういうワイワイガヤガヤは6thのドラマCD思い出すなぁ
海未「それでは今から特訓を……」
にこ「海よ!」
凛「海だにゃー!」
絵里「海ね」
海未「特訓はしばらく休憩してからでもいいでしょう」
希「海未ちゃん丸くなってる」
穂乃果「違うよ希ちゃん」
希「え?」
ことり「素直になっただけだよー」
穂乃果「ちゃんと水着は持っていますか、って聞いてきてくれたし」
海未「……」
希「にやにや」
にこ「にやにや」
真姫「展開が前と変わらないわね」
花陽「……今回は真姫ちゃんも一緒に遊んでくれるの?」
真姫「……」
花陽「も、もちろん大歓迎だよ!」
真姫「別に気を遣ってほしかったわけじゃ……」
凛「真姫ちゃん浮き輪膨らませるの手伝ってー」
真姫「……そういうのって初めてやるのよね」
花陽「!?」
絵里「りーん、このバナナボートって絶対足踏み式のポンプあったわよねぇ……息が持たないんだけど……」
凛「絵里ちゃん気合にゃー」
穂乃果「凛ちゃんが全部持ってきてくれたの?」
凛「うん。浮き輪4つとバナナボートに普通の平らなエアボートね」
ことり「探検できるねっ」
海未「いったいどこの探検に行くんですか?」
希「水平線の果てまでやな」
真姫「それだと食料がいるわよ」
絵里「あとオールと水も」
にこ「これはボケなのかしら。ツッコんでいいのかわからないんだけど」
花陽「食料にごはんは入りますか?」
希「本当に旅に出そうやね……」
ことり「あ、バナナボートできてる!」
絵里「疲れたわ……」
希「えりちお疲れさま。はいヤドカリ」
絵里「いらない。元のところに返しておきなさい」
希「はーい」
凛「じゃあ絵里ちゃん一番前ね」
絵里「乗るの!?」
花陽「浮き輪は3つできたけど使う?」
真姫「ほらにこちゃん」
にこ「泳げるわよ!」
穂乃果「じゃあ花陽ちゃんが全部つけてみたら?」
花陽「え?」
穂乃果「えーい」
にこ「そんな風に頭から乗せたら輪投げみたい……って」
花陽「……ひっかかっちゃった」
海未「……」
凛「……」
にこ「……」
希「どことは言わないけど大きいもんなぁ」
真姫「?」
ことり「……できた」
絵里「あ、砂のお城ね」
花陽「ちっちゃくてかわいいかも」
凛「バナナ1号いっくにゃー!」
穂乃果「水平線の果てまでー!」
絵里「ちょ、波が来たわよ!?」
穂乃果「サーファーなら乗らなきゃ!」
凛「凛は一番後ろだから見えないけどバナナ1号は無敵にゃ」
絵里「そんなこと言ったって……ああああああああ!」
にこ「海のもずくになったわ」
海未「もくずです、もくず」
ことり「μ's城が……」
花陽「ま、また作ればいいよぉ。今度は波打ち際から離して……」
絵里「め、目に海水が……ぐふっ」
希「えりち大丈夫?」
凛「絵里ちゃんはもう戦意喪失みたい……」
穂乃果「バナナ2号のクルーを決めないと……」
真姫「何で私を見るのよ」
穂乃果「では真姫船長、前へ」
にこ「就任と同時に船長って……人手不足凄いわね」
希「じゃあウチはスイカでも持ってこようかなぁ」
真姫「……」
凛「波が来ないね」
穂乃果「でも流されてるよ」
真姫「え、こうやって遊ぶものなの?」
海未「ちょ、ものすごいところまで流されるじゃないですか!」
にこ「心配だし紐で繋げとけば?」
花陽「り、凛ちゃんたちを!?」
海未「……若干1名喜びそうですね」
絵里「穂乃果ね。海未リード離しちゃいけないわよ」
海未「心得ました」
凛「バナナ2号にリードが……」
穂乃果「遠くに行けなくなっちゃったね」
希「スイカもってきたで」
ことり「……スイカが3つ」
海未「奇遇ですね。私もそう思いました」
にこ「割るわよー!」
花陽「手刀で……?」
にこ「いやいや、何も持ってないからってアイドルに向かってその発言はどうよ」
穂乃果「にこちゃん右だよー」
にこ「むむむ」
花陽「あ、もうちょっと左だよぉ」
にこ「こっちね」
希「そこでストップや!」
にこ「え? もう?」
凛「にこちゃんそこでにっこにっこにー!」
にこ「にっこにっこにー!」
絵里「海に向かってやってる……」
海未「海未は私ですが」
真姫「スイカ割りなのにスイカ置いてないじゃない」
ことり「……できた」
絵里「……ちょっと見てない間にお城が」
希「凱旋門?」
ことり「そうだよ」
凛「にこちゃんならくぐれそうにゃ」
にこ「そんなにちっちゃくないわよ」
花陽「すごいねぇ……」
穂乃果「あ、スイカ流されてる」
海未「穂乃果! ゴー!」
穂乃果「わん!」
真姫「幼馴染ってそんなのだったかしら……」
希「あれはちょっと特殊やから」
ことり「あれ? 穂乃果ちゃん戻ってこないね」
穂乃果「あー、あしがつっちゃったー」
花陽「え、だ、大丈夫!?」
絵里「花陽、あれは誰がどう見ても演技よ」
にこ「海未、引っ張ってきてあげなさい」
海未「普通に戻ってきたら耳かきしてあげますよ」
穂乃果「」
凛「は、速い……! あんなクロールみたことないにゃ!」
希「海未ちゃん扱いなれてるなぁ」
海未「どっちに転んでも穂乃果の得ですからね。言われた時点で私の負けですよ」
真姫「ふーん……」
希「今日は晩ご飯何にする?」
絵里「ふっふっふ、そんなこともあろうかと私が調べてきたわ!」
穂乃果「おお!」
ことり「それで何を調べてきたの?」
絵里「自宅でできる簡単ロシア料理よ!」
真姫「ペリメニ?」
絵里「それもあるわ」
花陽「ボルシチ?」
絵里「ええ、それもよ」
凛「ハラショー!」
絵里「それは食べ物じゃないわ」
凛「」
花陽「……」
凛「かよちんが2食に1回はご飯食べたいって目で訴えてくるにゃ」
花陽「え、あ……こ、これで」
希「目隠ししてる」
海未「本当だったんですね」
花陽「お、お恥ずかしいかぎりです……」
凛「かよちんのことならなんでもお見通しにゃー」
真姫「……」
絵里「真姫、どうしたの?」
真姫「いや、なんでもないわ」
希「真姫ちゃん」
真姫「うっ」
ことり「希ちゃんのお母さんパワーが……」
絵里「これにはさすがに真姫でも敵わないわよ」
にこ「ねぇ、冷蔵庫見てきたんだけど何も入ってなかったわよ……って、どうしたの?」
凛「真姫ちゃんが隠し事してるの」
真姫「か、隠し事ってわけじゃ……」
希「まーきーちゃーん」
真姫「……わかったわよ」
真姫「……穂乃果と海未とことりは幼馴染じゃない?」
穂乃果「そうだよ!」
海未「そうですね」
ことり「うん」
真姫「花陽や凛も幼馴染でしょ?」
凛「そうだにゃー」
花陽「そうだね」
真姫「絵里や希やにこちゃんも……何だかお互いのことよくわかってるって感じだし」
絵里「希とは生徒会だし、にこは前から知ってたから……」
希「そうやね」
にこ「まあ講堂借りるときはいつも行ってたしね」
真姫「私は……あんまりそういうのないな、って思って」
穂乃果「う、海未ちゃんごめんね……今心が奪われるところだった」
ことり「ことりも……」
海未「謝らなくてもいいんですけど……まあ今のは確かに」
真姫「な、何よ」
希「真姫ちゃんずるいなぁ」
にこ「そう思うわ」
真姫「だから何がって聞いて……」
絵里「真姫……!」
真姫「ちょ、何で抱き着いてくるのよ。暑い……」
凛「真姫ちゃああああん!」
花陽「真姫ちゃん!」
真姫「わわっ、ちょっと3人ともどうしたのよ?」
凛「凛たちは心で通じ合ってるからぁ!」
真姫「何で泣くのよ!?」
花陽「ごめんね真姫ちゃん、寂しくさせちゃって……」
真姫「別に寂しくなんてないけど……ていうかそういうこと話したかったんじゃなくて……」
絵里「わかってるわ」
真姫「じゃあ私が今思ってることは?」
絵里「暑いから離れて」
真姫「わかってるなら離れなさいよ……」
凛「それでは今から真姫ちゃんの心の悩みを解決する会を始めます」
真姫「大げさすぎるわよ」
絵里「いいえ、私たちは9人そろってμ'sなんだから」
真姫「絵里、近い」
絵里「難しいわね……」
希「えりち頑張るなぁ」
にこ「具体的に何するのよ」
ぐー
花陽「え? 今のお腹の音……」
穂乃果「あはは……ごめんなさい」
ことり「もー、ダメだよ穂乃果ちゃん」
にこ「そうねぇ、この続きはご飯食べてからにしない?」
凛「そうだね、腹が減っては戦ができぬってエジソンが言ってるし」
真姫「偉人をなんでもかんでもエジソンに結び付けるのはやめなさい」
絵里「にこ、冷蔵庫に何があった?」
にこ「何にもないわよ」
海未「……2人とも、ありがとうございます」
穂乃果「いいよいいよ。海未ちゃんにはいつもお世話になってるからね」
ことり「ねー」
更新おしまい
時系列的には1期と2期の間くらいだと思ってください
季節で言うとだいたい夏です
おつカレー
>>226
ありがとう
昨日は急用で更新できませんでした すみません
更新はじめます
希「じゃあ買い出しに行かなきゃやね」
にこ「ここはやっぱり……」
絵里「じゃんけんで決めましょう!」
凛「絵里ちゃんやる気にゃー」
花陽「何人で行くの?」
絵里「えーっと……負けじゃ面白くないから、勝った人にしましょう」
穂乃果「……」
海未「……」
ことり「……」
絵里「まさかみんなグーを出すなんて……」
にこ「パー1人だけって逆にすごいわね」
絵里「私1人で行くの……?」
希「いやいや、夜道を1人で歩くのは危ないし……」
真姫「私が行くわ。冷蔵庫に何も知らなかったのは少なからず私の責任でもあるから」
花陽「ま、真姫ちゃんのせいじゃないよ」
凛「かよちん、真姫ちゃんはきっとさっきので恥ずかしいから外に出たいだけにゃ」
真姫「……」
希「こういうときって凛ちゃん鋭いなぁ」
真姫「まだ言ってないでしょ」
ことり「まだ?」
真姫「うっ」
絵里「んー、夜の海っていうのも悪くないわね」
真姫「そうかしら」
絵里「ほら、波の音とか」
真姫「別に」
絵里「……」
真姫「……」
絵里「わざとやってるでしょ……」
真姫「あら、バレちゃった?」
絵里「むー」
真姫「車でも運転できたらよかったのにね」
絵里「あ、重くてもすぐ持って帰れるものね。ぶーんって」
真姫「ぶーん……」
絵里「い、今のは聞かなかったことにして」
真姫「ぶーん」
絵里「やめてー!」
真姫「あ、花陽からメール」
絵里「……なんて?」
真姫「お米がありました、って」
絵里「……」
真姫「お米買うの忘れてたわよね」
絵里「そ、そんなことは……」
真姫「まあいいけど」
絵里「……よかった」
真姫「絵里、着いたわよ」
絵里「あれ? こんなに近かった?」
真姫「絵里と話してると、時間が立つのが早く感じるわ」
絵里「そ、それって……」
真姫「まあ新しくスーパーができただけなんだけど」
絵里「信じた私がばかでした」
真姫「あら、嘘は言ってないわよ」
絵里「…………えっ?」
凛「真姫ちゃんからメールだにゃー」
にこ「読み上げてー」
凛「カレーかシチューか肉じゃが、どれがいい? って」
穂乃果「カレー!」
ことり「カレー!」
凛「カレー!」
にこ「海未、花陽。2人はどれがいい?」
花陽「お米があるなら……」
海未「でも合宿と言えばカレーって感じがしますね」
希「あれー? ウチ聞かれてないけど」
にこ「希はどうせおいしいものがいい、とか言いそうじゃない」
希「にこっち……相思相愛?」
にこ「それを言うなら以心伝心でしょ」
希「にこっちがスピリチュアルなことを……」
にこ「まあ俗にいうテレパシーよね」
穂乃果「にこちゃん、穂乃果が何考えてるか当ててみて」
にこ「むむむ……海未のこと」
穂乃果「あ、当たった……」
ことり「じゃあ私も」
にこ「海未のこと」
ことり「あ、当たってる……!」
凛「じゃあ凛はー?」
にこ「……あんたはわかんないわ」
凛「あ、当たってるよ!?」
希「考えることを意識しすぎて、何考えてるか自分でもわからなくなったんやね」
海未「今思い出したんですが……」
花陽「え?」
凛「なにー?」
海未「演劇の練習してなません……よね?」
穂乃果「……あれ?」
ことり「……たしかに」
花陽「そういえば……」
にこ「あー……」
希「最初の合宿でもそうやったなぁ」
凛「ってことはいつも通りにゃ」
真姫「にんじん」
絵里「にんじーん」
真姫「じゃがいも」
絵里「じゃがいもー」
真姫「カレールー」
絵里「2つ混ぜるとおいしくなるって聞いたことあるわ」
真姫「じゃあ2つ持っていくわ」
絵里「お、同じルーの甘口と辛口……?」
真姫「え、違うの?」
真姫「というかここのスーパー、人が本当に少ないわね」
絵里「そうね。まだ5時過ぎなのに」
真姫「ちょっと気になったんだけど」
絵里「何?」
真姫「私が買う物の名前を言うのは絵里に伝えるためだけど、絵里がかごに入れるときも言う必要はないんじゃないの?」
絵里「……はっ」
真姫「……気付かなかったの?」
絵里「亜里沙とお買い物に行くときはよくこうやってたから……」
真姫「……」
絵里「わ、笑わないでよ!」
真姫「いえ、微笑ましくて……」
ことり「あめいろたまねぎー♪」
にこ「他の野菜もう切り終わった?」
希「うん、あとお肉だけー」
海未「ではこれをぶつ切りにして……」
穂乃果「ふへへ、旦那少々お待ち下せえ。ぶつ切りにしてやりますぜ」
真姫「何物騒なこと言ってるのよ」
絵里「真姫は何してるの?」
真姫「お湯が吹きこぼれないように見てる」
希「ああ、それウチが頼んでん」
凛「真姫ちゃん、別に座ってもいいんだよ?」
真姫「いいのよ」
希「真姫ちゃんはお湯の扱いに関してはプロやからなぁ」
にこ「何で?」
希「レトルト」
花陽「……」
ことり「……」
真姫「2人とも微妙な顔しないでよ」
海未「それにしても2人とも、ずいぶんいい野菜をそろえてきましたね」
にこ「高かったんじゃない?」
絵里「ううん、2000円くらいで済んだわよ」
穂乃果「この量で!?」
ことり「な、なんで?」
真姫「レジのおばあちゃんと話してたらまけてくれたのよ」
絵里「合宿頑張ってね、って」
真姫「ほとんど絵里のおかげだけど」
花陽「おばあちゃん子……すごい」
にこ「私ここに住もうかしら……」
穂乃果「お、お米がおいしい……」
海未「……いったいどうやって」
凛「かよちんはお米炊くの上手だにゃー」
花陽「えへへ」
希「カレーもおいしいやん」
にこ「みんなで作ったからでしょ」
絵里「真姫もお鍋見ててくれたし……ね?」
真姫「ぶーん」
絵里「や、やめてください……」
ことり「何があったの?」
にこ「さあ?」
にこ「まだ残ってるわねー」
海未「明日の昼までくらいは持ちそうですね」
希「福神漬けも買ってきてくれたし、ウチは満足やー」
花陽「それじゃ、食器片付けよう」
絵里「よーし! ここでもじゃんけんよ!」
穂乃果「おー!」
凛「絵里ちゃんって意外と負けず嫌い?」
にこ「そうね」
希「でもえりちがああやって勝とうとしてるときは……」
絵里「また負けた……」
真姫「じゃんけんには勝ったでしょ」
ことり「今度は私も勝っちゃったから手伝うよっ」
絵里「どうしてこう弱いのかしら」
真姫「さあ」
ことり「運がいいのかな?」
絵里「ああ、そうかもしれないわね……強運の生徒会長、ってよくないかしら?」
真姫「何かそれ投票で運よく選ばれたみたいになってるわよ」
絵里「そ、それは嫌ね」
ことり「じゃあ幸運のエリーチカ、とか」
絵里「おお……」
真姫「……ラッキー絢瀬」
絵里「それ芸名みたいで困るんだけど」
海未「それでは電気を消しますよ」
凛「はーい」
希「明日も早いし、今日はぐっすり寝な……くぅ」
にこ「寝つき良いわね……」
絵里「……ハラショー」
花陽「レモン……」
真姫「怖いのよね、それ」
にこ「うるさい」
海未「消してもいいですか?」
にこ「ん、もういいわ」
海未「はい。明日は練習しますからね」
絵里「そうね」
凛「楽しみにゃー」
花陽「が、がんばろう……」
真姫「あんまり意気込んでも緊張して眠れないわよ」
花陽「そうだね。リラックス……」
穂乃果「……」
ことり「……」
海未「静かにしていると思ったら……何で私の布団に入ってくるんですか」
穂乃果「いつものことだよ」
ことり「気にしないで」
真姫「いつもの、ねぇ……」
絵里「……」
希「……」
真姫「……って2人とも、寝転がって来るんじゃ……本当に寝てる」
にこ「くっつかれて暑くない?」
真姫「大丈夫よ」
にこ「真姫ちゃん、結構嬉しそうじゃない」
真姫「えっ」
にこ「残念、暗くて見えないにこっ」
真姫「明日の朝、どうなってても知らないわよ」
にこ「こ、怖っ」
更新終わりです
GW中に終わるかなぁ
不定期更新ですみません
更新はじめます
7日目
絵里「朝よ、みんな起きて」
穂乃果「……」
ことり「……」
花陽「……」
真姫「……」
凛「起きそうにないにゃー」
にこ「まあいいんじゃない? 朝はそんなにすることないし」
希「果たしてそうやろか?」
絵里「何かあるの?」
希「うん。演劇の練習をするってことは、舞台みたいなのがいるわけやん」
絵里「そうね」
希「それでいい感じの広さの部屋をウチが見つけたんよ」
絵里「本当? なら真姫の許可が取れ次第……」
希「でもそこ、全然使われてなかったんや」
絵里「……ということは?」
希「掃除……やね」
絵里「あ、そうだ。朝食の準備もしなくちゃ……」
希「えりち、逃げない」
絵里「う」
凛「そういえば海未ちゃんは?」
にこ「ことりと花陽の作ったお城の様子を見に行ったわ」
凛「……海未ちゃんってお母さんみたい」
にこ「そうね」
絵里「じゃあどうしましょうか……」
希「2人が朝食の準備をして、残った3人で掃除!」
にこ「まあそれでいいんじゃないの?」
凛「うん」
にこ「じゃあ決め方は……」
絵里「ふふふ、じゃんけんで決めるのよ」
希「まだ勝つことをあきらめてなかったんや……」
にこ「内容が内容だけに知られるとまずいわ。ここはあえて知らせずに行きましょう」
絵里「え、ちょ、そんな不公平な……」
凛「ふっふっふ、バレなきゃ大丈夫にゃ」
海未「あ、おはようございます。起きたんですか?」
絵里「おはよう海未」
希「おはよー」
にこ「海未、ちょうどいいところに来たわね……!」
凛「では早速! じゃーんけーん……」
海未「え、ええっ!?」
凛「負けた……」
にこ「そんな……」
希「自業自得やね」
絵里「勝った……!」
海未「私も負けてしまいましたけど、これは一体何の……?」
希「実は長年使われてなかった倉庫の掃除なんよ。海未ちゃんが嫌なら別に……」
海未「掃除――――――――
――――――――やります」
絵里「ちょっと海未……?」
凛「海未ちゃんからオーラが見えるにゃ!?」
希「おお……」
穂乃果「んん、海未ちゃんの香りが……」
ことり「おはよう……」
にこ「ふ、2人とも! あの海未はどうなってるの?」
穂乃果「え? 海未ちゃんいないよ?」
凛「……ってあれ?」
絵里「き、消えた!」
ことり「何してたの?」
希「じゃんけんで負けた人は掃除、って話をしたんやけど……」
穂乃果「えぇ!?」
ことり「そ、それは……」
凛「な、なんなの!?」
穂乃果「私たちも手伝わせて!」
ことり「お願い!」
にこ「ど、どういうことかよくわからないんだけど……まあ手伝ってくれるのはありがたいわね」
海未「さ、早く掃除に向かいますよ」
絵里「も、戻ってきた!」
希「ほうきにモップ、バケツに雑巾……この短時間でよくここまで……」
海未「さあ早く!」
にこ「なんでこんなにうれしそうなの……?」
ことり「海未ちゃんは掃除が大好きだからねっ」
凛「そんな単純な理由で!?」
穂乃果「それと海未ちゃんが掃除終わりに見せる嬉しそうな顔は、ここだけでしか見られないからねぇ」
絵里「よく知ってるわね……」
海未「穂乃果とことりも手伝ってくれるんですか?」
穂乃果「もちろんです」
ことり「いつも手伝ってるからね」
希「じゃあウチとえりちで朝食づくりやな」
絵里「簡単なものでいいわよね」
絵里「希、見て」
希「んー?」
絵里「ほら、真姫が花陽の手を握ってるの」
希「おお、誰かと手を繋ぐ真姫ちゃんなんて珍しいやん」
絵里「寝ててもレアね」
希「……実はウチも、今朝起きたら手を握られてました」
絵里「えー、ずるい」
希「ふっふっふ。選ばれたのはウチでした」
絵里「あ、ハムが余っちゃった。希、食べる?」
希「たべるたべるー」
絵里「はい、あーんして」
希「あーん……んー! おいしい!」
絵里「それはよかった。みんなには内緒ね」
希「うん」
希「ウチの方も何か余ってないかなー」
絵里「別に無理して探さなくてもいいわよ?」
希「あ、きゅうりが余ってた。えりち食べる?」
絵里「それ余ってるって言うのかしら」
希「あーん」
絵里「……あーん」
絵里「……何もつけなくても案外おいしいものね」
希「そうやろー?」
絵里「うん」
希「これである程度は用意できたんよね」
絵里「ええ、サラダにハムエッグ。あとはおにぎりを作るだけだけど……これは花陽に任せようかと思って」
希「じゃあそれまで2人のどっちが先に起きるか勝負やで」
絵里「それって勝負になるの?」
希「なるなる」
絵里「んー、それなら花陽の方かしら。昨日は先に寝てたし」
希「ならウチは真姫ちゃんやね」
花陽「……」
真姫「……」
絵里「……」
希「……」
花陽「……んぅ」
真姫「……」
花陽「……」
真姫「……む」
花陽「……」
真姫「……すぅ」
絵里「ねぇ希」
希「なに?」
絵里「……眠くなってきた」
希「……ウチも」
海未「にこ! そこにホコリがまだ残っています!」
にこ「は、はいっ!」
海未「凛! サボらない!」
凛「はいにゃー!」
にこ「はぁ……これじゃまるでシンデレラじゃない」
凛「凛は野良猫、野良猫ー……」
にこ「役になり切ってどうするのよ」
海未「2人とも動く!」
にこ「もうやだぁ……」
凛「スパルタすぎるにゃー!」
穂乃果「しゅたたた!」
ことり「まだまだー!」
にこ「あの2人って寝起きよね」
凛「そうだけど……凛たちよりも動きにキレがあるよ」
海未「それにしてもまだまだ汚れていますね……ふふふ」
にこ「笑った……」
凛「掃除を楽しんでるにゃ」
海未「それでは次に、にこと凛には窓ふきをお願いします」
にこ「え」
凛「床掃除だけで終わりじゃ……」
海未「何を言うんですか。掃除というからには全部ですよ」
にこ「えぇー……」
凛「そんなぁ……」
ことり「2人とも、もう少しだからがんばろう!」
にこ「……こうなったら覚悟を決めるしかないわね」
凛「……やってやるにゃー!」
海未「その意気です」
穂乃果「おわりー!」
海未「まあざっとこんなものでしょう」
ことり「海未ちゃんこっち向いて」
海未「はい?」
穂乃果「いい笑顔だねー。もう1枚!」
海未「と、撮るのはやめてください……」
凛「燃え尽きたにゃ……ぐふっ」
にこ「まだ1日は始まったばかりよ……うっ」
海未「にこ、凛」
凛「な、何!?」
にこ「またホコリ!?」
海未「いえ、そうではなくて……」
海未「2人のおかげで早く終わりました。ありがとうございます」
にこ「……」
凛「……海未ちゃんが笑ってる」
穂乃果「にこちゃん、凛ちゃん。海未ちゃんに骨抜きにされちゃった?」
にこ「べ、別にそういうわけじゃ……」
ことり「海未ちゃん……アメとムチの使い分けが上手だからねぇ」
海未「?」
花陽「あ、あれ? 絵里ちゃんと希ちゃん……寝てるの?」
絵里「……」
希「……」
真姫「……」
花陽「真姫ちゃんも……?」
花陽「うぅ、動けないよぉ……」
真姫「……朝……?」
花陽「あ、真姫ちゃん起こしちゃった?」
真姫「いや……って何よこの状況」
花陽「わかんない……」
真姫「よい……しょ」
花陽「……ま、真姫ちゃん引っ張ってぇ」
真姫「はいはい……ふっ」
花陽「あ、ありがとぉ」
真姫「あら、台所に朝食の用意がしてあるわ」
花陽「……あとはごはんだけだね」
真姫「お茶碗もないし、おにぎりにする?」
花陽「そうだね」
にこ「2人とも起きてるじゃない」
花陽「おはよう」
真姫「おはよ、ご飯もう少しでできるわ」
凛「あれ? ごはん用意してたのって絵里ちゃんと希ちゃんじゃ……」
真姫「おかずは用意してあったわ。たぶん私たちを待ってたのよ」
希「……ん、ウチ寝てた?」
ことり「あ、起こしちゃった」
穂乃果「絵里ちゃんよく寝てるー」
希「えりちも?」
にこ「絵里を起こすのは得意よ」
海未「そうなんですか?」
にこ「ええ」
花陽「寝かせてあげててもいいんじゃないかなぁ」
希「えりちはお昼寝するとなかなか起きないよ?」
凛「し、知らなかったにゃー」
にこ「まあ見てなさい……」
にこ「生徒会長……まだ今日締め切りの書類がたくさん残っていますよ」
絵里「う……」
にこ「これは今すぐにやらないと……もしかしたら今日中には間に合わないかも……」
絵里「うわあああああ!」
絵里「……はっ」
今日はここまで
ゴールデンウィーク中には終わりそうにないですね
おつおつ
このSSの雰囲気好きなので応援してます
よくここまで細かくネタ書けるなぁ
乙です、続きも期待してます
>>272-273
楽しんでもらえているようで嬉しいです
更新はじめます
凛「お仕事終わりの朝ごはんはおいしいね」
にこ「うん」
海未「掃除は生活の基本です。しっかりやっておくことが大事ですよ」
にこ「はいはい」
絵里「ずいぶんお疲れみたいね」
凛「そうだよぉ。海未ちゃんがスパルタでー」
穂乃果「そうかな? 海未ちゃんが本気を出したらあれの5倍くらいはすごいよね?」
ことり「そうだね」
にこ「……まだ闇に足を踏み入れてすらなかったってわけね……」
凛「かよちん、凛は震えが止まらないにゃ」
花陽「よしよし」
真姫「花陽、おにぎりっていくつ作ったっけ」
花陽「30個くらいかなぁ」
穂乃果「え? このおにぎり2人で作ってくれたの?」
真姫「……まあね」
希「すごいやん。真姫ちゃんおにぎり握れたん?」
真姫「そのくらいできるわよ。箱入り娘じゃあるまいし」
絵里「……」
にこ「……」
真姫「……本当は花陽に教えてもらったわよ」
花陽「あはは……」
海未「それにしても、たまにはこういうのもいいですね」
ことり「海未ちゃんはいつも和食だもんね」
希「そうなんや」
凛「毎朝お魚なの?」
海未「別にそういうわけではありませんよ。お肉を食べる朝もあります」
凛「お肉の日だけ呼んでほしいにゃ」
ことり「私もー」
穂乃果「お肉の日以外でも呼んでー」
海未「朝起きてこられたら構いませんよ」
ことり「……前の夜から泊まり込めば」
穂乃果「それだ!」
花陽「それってもう住まなきゃいけないんじゃ……」
凛「凛はお布団の呪縛からは逃れられないにゃ」
真姫「卵って昨日買った?」
絵里「ああ、それは昨日希が食べたいってメールくれたから」
真姫「ハムは?」
穂乃果「それは穂乃果のリクエストだよー」
真姫「……私って案外周りが見えてなかったのね」
にこ「そんなの気にしなくていいのよ。周りを見なくていいのは若者の専売特許なんだから」
希「にこっち!」
にこ「何!?」
希「服の袖にケチャップつきそうやったよ」
にこ「ありがと」
絵里「……」
にこ「何か言いたげね。怒らないから言ってみなさい」
絵里「周り見えてない」
にこ「うるさい」
海未「そういえば2人でのお買い物はどうでした? 楽しかったですか?」
絵里「ええ」
真姫「ぶーん」
絵里「……私をいじめて楽しい?」
真姫「……結構、ね」
花陽「真姫ちゃんが……笑ってる」
希「真姫ちゃんって意外とSなん?」
海未「エス……イドの事でしょうか?」
絵里「フロイト先生の話はしてない」
真姫「それじゃ、2人1組になって演技の練習をするわよ」
凛「せんせー! 1人余っちゃいます!」
真姫「じゃあ3人1組になって……」
希「せんせー」
真姫「はい」
希「どうやって決めるん?」
真姫「うーん、そうねぇ……」
海未「演技に自信がある人とない人で分けてみてはどうでしょう」
絵里「それいいわね」
真姫「ていうか何で私が先生役なのよ……こんな伊達メガネまでかけて」
穂乃果「だって真姫ちゃんって先生みたいだから」
真姫「せ、先生みたいって何よ」
ことり「これも演技の一環だよっ、真姫ちゃん頑張って!」
海未「頑張るって……何を?」
凛「メガネくいってやって、寝てる生徒にチョーク投げるの」
花陽「必殺技みたいだね」
にこ「カットインでも入れたら?」
希「カッ!」
にこ「総攻撃のチャンスにこ!」
真姫「早く分かれなさいよ」
にこ「自信ある人少なすぎるでしょ……」
凛「凛たちだけー?」
希「まあ始めたばっかりやもんね」
絵里「なんで希たちは自信あるのよ」
希「それは……なり切れる気がするから!」
にこ「そうね」
穂乃果「にこちゃんはなり切ってないよ」
海未「はい。そう思います」
にこ「いいじゃない。楽しめたらそれでいいのよ」
花陽「……なるほど」
真姫「……メモするのね」
ことり「それなら自信ある組のにこちゃんと凛ちゃんと希ちゃんの3人を、1人ずつバラバラにして3組作ったらどうかなぁ」
真姫「それがよさげね」
希「にこっち……ウチ、離れ離れになりたくない!」
にこ「希、それでも仕方ないのよ……これが運命だから!」
凛「2人の仲を引き裂くの手が襲い掛かる! どうなるにこちゃん、希ちゃん!」
凛「つづく」
花陽「続くの!?」
絵里「はいはい、早くやるわよー」
にこ「じゃあ2人とも、演劇に置いて最初に必要なものは何かわかってるわね?」
海未「役になりきること、でしょうか?」
花陽「あ、ええっと……声の出し方、とか?」
にこ「ちがーう!」
海未「ええっ!?」
花陽「ご、ごめんなさいっ」
にこ「まずは何よりも笑顔でしょうが!」
海未「はっ……」
花陽「……そっか、アイドルたるもの笑顔を忘れちゃダメだよね」
にこ「そう、花陽の言う通りよ」
花陽「……えへへ、褒められちゃったぁ」
にこ「ということでにっこにっこにー17セット、行くわよ!」
海未「えええ!?」
花陽「頑張ります!」
にこ「海未も、覚悟を決めなさい」
海未「掃除させたの、根に持ってたりしませんか?」
にこ「……」
希「にこっちは根に持つタイプのアイドルやから、2人とも気を付けてなー」
にこ「違うわよ!」
希「じゃあウチらも始めよっか」
穂乃果「頑張ります!」
ことり「おーっ!」
希「やる気は十分やね……それならやることは1つや」
ことり「1つでいいの?」
希「そう、とりわけ練習するわけでもなく自信がつく方法とは……」
穂乃果「方法とは……?」
希「寝ることや! 堂々と寝ることで自信がつく!」
穂乃果「なるほど!」
ことり「す、すごい……」
凛「超理論にゃ!」
希「ふふふ、ウチの指導を見たらそうは言えなくなるよー?」
希「じゃあお昼寝やなー」
凛「凛たちはまじめに特訓するよ!」
絵里「ええ」
真姫「本当に寝に行ったわね、あの3人……」
絵里「ていうか凛が真面目に、って言うと違和感があるわね」
真姫「それはわかるわ」
凛「あのねー、凛だってたくさん考えてるんだよ? 演技力こーじょーとか心肺そせーほーとか」
絵里「ちょっと待って、最後のなんか違う」
凛「え?」
真姫「まあそれはいいとして何から始めるの?」
凛「ダメだよ真姫ちゃん!」
真姫「何がよ」
凛「学ぶ姿勢になってない!」
真姫「……ああ、そういうこと」
絵里「?」
真姫「教えてください、凛先生」
凛「教えてあげるにゃー!」
絵里「……なるほど」
凛「次は絵里ちゃんの番ね」
絵里「任せたわ、凛」
凛「……真姫ちゃん。絵里ちゃんなんにもわかってないにゃ。なるほどって言ったのに」
真姫「期待を裏切らないのよ。早く進めなさいよ凛」
凛「真姫ちゃんまで!?」
凛「もう知らない……凛は部屋の隅っこで小さくなってる」
真姫「あー……まるで体操服忘れた体育好きの子みたいじゃない」
絵里「あれ? 私何か間違えたの?」
絵里「……そうだ! ちょっと真姫、耳かして」
真姫「何よ」
絵里「……」
真姫「……!」
絵里「……」
真姫「……ああ」
凛「き、気になる……」
絵里「よし、行くわよ」
真姫「仕方ないわね……」
凛「な、何? こうなった凛はハシゴでも動かないよ!」
真姫「それを言うならテコでしょ」
凛「そうだっけ?」
絵里「それより凛、いい話があるんだけど……」
凛「テコでも動かないにゃ」
絵里「騎馬戦やらない?」
凛「やるー!」
絵里「ほら、言った通り凛は軽いから2人でもすいすい行けるわよ」
真姫「そうね。凛は軽いものね」
凛「足場って3人いるものだと思ってたにゃ」
絵里「2人でできる椅子みたいなものだからね。視界良好でしょう?」
凛「うん!」
真姫「私は後ろだから前が見えづらいんだけど……」
凛「でも騎馬戦って相手がいないと成り立たないよ?」
絵里「……それもそうね」
にこ「にっこにっこにー!」
凛「……いいこと考えたにゃ」
海未「どうしてこんなことに……」
花陽「こ、これも特訓だと思えば……思えないよぉ」
にこ「いい? アイドルたるもの売られたケンカは買うのよ!」
凛「それ不良さんみたいにゃ」
絵里「同意だわ」
真姫「……水上騎馬戦ってこういうのを言うのね」
にこ「行くわよ海未、花陽! 凛のリボンをいただいてさっさと練習に戻るわよ!」
花陽「に、にこちゃん暴れないで!」
凛「甘い、甘いよにこちゃん。凛たちのチームワークをなめてもらっちゃ困るにゃ!」
凛「こっちには全知全能の神と言われた生徒会長の絵里ちゃんとスーパーシャイ真姫ちゃんがいるんだから!」
絵里「何でそんなにあがめられてるのよ!」
真姫「スーパーシャイって……」
にこ「否定できない真姫ちゃん」
真姫「凛、ぼこぼこにしなさい」
凛「あいあいさー!」
にこ「全力で来なさい! 海未が肩代わりしてくれるわ」
海未「ええっ!? 前だからってそれはなんでも……」
花陽「海未ちゃん、私は前見えないから……頑張ってね!」
海未「こういうのはあまり慣れてないんですよ……」
凛「それでは、いざ尋常に……」
にこ「勝負にこっ!」
絵里「うわっ、波が来たわよ!?」
花陽「の、飲まれちゃうよぉ!」
凛「避難にゃー!」
真姫「う……海だから早く動けない」
海未「海未は私ですが」
真姫「そのセリフはもう聞き飽きたわよ! ……って来てる来てる!」
にこ「ふっふっふ、高みの見物と行こうじゃない」
花陽「にこちゃんくらいの高さまで来てるよ!」
にこ「……今まで楽しかったわ」
凛「縁起でもないにゃー!」
花陽「あうぅ……濡れちゃった」
海未「水着でよかったですね……はぁ」
絵里「せっかくだから沖の方まで行こうって言い出したのは誰だっけ」
にこ「凛」
凛「にこちゃん」
真姫「もうどっちでもいいわよ……」
絵里「それにしてもすごい波だったわね……」
花陽「まあ絵里ちゃんでも腰くらいまで水が来てたから……あんまり高くなかったのかも」
海未「まあ誰も怪我せずに済んでよかったですね」
にこ「そうね」
凛「頭が冷えたにゃ」
絵里「結果オーライってところね」
にこ「……じゃあビーチバレーでもする?」
真姫「え、なんで……」
凛「やろうやろう!」
海未「まあ騎馬戦よりは……」
花陽「そうだねぇ」
絵里「まあそのくらいなら……」
真姫「……私もやるわよ」
にこ「真姫ちゃん……」
真姫「何」
にこ「海に浸かっても髪の毛くるくるのままなのね」
花陽「ほ、ほんとだ!」
絵里「ハラショー!」
穂乃果「あれ? 海未ちゃんたち疲れてない?」
ことり「海未ちゃんから海の匂いが……」
海未「まあビーチバレーしてましたからね」
穂乃果「ええっ!?」
ことり「ポロリもあるの?」
海未「あ り ま せ ん」
にこ「疲れたー……3人ともいつ起きたの?」
希「さっきやで」
絵里「よく寝てたわね……」
凛「楽しかったにゃー!」
真姫「花陽、大丈夫?」
花陽「平気だよぉ……たぶん」
希「お昼何食べたい?」
にこ「手軽なものがいいわね」
ことり「カレーがちょっと残ってるよ」
希「それは夜に回そっか」
穂乃果「みんなでどこか行く?」
真姫「疲れたからこっちで食べたいわ」
穂乃果「……あ、おそばの宅配サービスだって!」
絵里「おそば……」
凛「絵里ちゃんの目がキラキラしてるにゃ」
海未「じゃあそれにしましょう」
希「この辺ってあんまり出前とかなさそうなイメージやったけど、意外とあるんやね」
にこ「今日は暑いからざるそばー」
凛「喉渇いたー……何か飲み物ないかなー」
穂乃果「カレーならあるよ」
花陽「一応私たちはアイドルだから……」
海未「アイドルじゃなくても飲む人は限られた人間のみですよ」
凛「そ、そう言われると試したくなってくるにゃ……」
にこ「やめなさい」
ことり「今、麦茶沸かしてるから待っててね」
絵里「おそば!」
真姫「落ち着きなさいよ」
今日はここまでです
2日に1回更新ってペースなのであと1週間持つかな?
乙乙
いいねえ読んでるよ
>>302-303
ありがとうございます
更新はじめ
希「サイドメニューに冷やしトマトあるけど真姫ちゃん食べる?」
真姫「食べる」
にこ「冷凍ミカンは」
真姫「いらない」
絵里「……」
凛「絵里ちゃんがおもむろに9人分のお箸を出し始めたにゃ」
ことり「あれ? 割り箸がついてくるって書いてあるよ?」
にこ「絵里は割り箸上手く割れないのよ」
絵里「……」
海未「ああ! 絵里が1人分だけ戻した!」
穂乃果「絵里ちゃんきっと割り箸で食べる気だよ!」
ことり「ダメだよ絵里ちゃん! 落ち着いて!」
絵里「……」
希「ああ、こうなったえりちはもう誰にも止められ……」
花陽「絵里ちゃんっておそば食べられるの?」
絵里「」
凛「かよちんが可愛い顔してものすごいことを」
にこ「食べる権利すら……」
花陽「ち、違うよぉ! アレルギーとかないのかなって!」
にこ「おそばが届きました」
絵里「ハラショー」
凛「さっそくいただきますするにゃー」
希「それでは乾杯の音頭は真姫ちゃんに頼もか」
真姫「ええっ!?」
海未「さあ真姫。早くしないと凛が食べてしまいそうです」
凛「ひどいよ海未ちゃん、凛はそんな食いしん坊じゃないよ?」
にこ「もうすでにお箸が臨戦態勢なんだけど」
凛「はっ! 自分でも気づかないうちに……自分で自分の才能が恐ろしいにゃ」
真姫「……乾杯」
凛「スルーはやめて!」
花陽「うーん……おいしい……」
穂乃果「こんなにおいしいお店があったなんて……メモメモ」
海未「メモしてどうするんですか? また来るってわけじゃないでしょう」
穂乃果「え? 海未ちゃんとことりちゃんとデートするときに行くんだよ」
ことり「そうだねっ」
海未「……そうですか」
穂乃果「えっ、何で呆れた顔に……? そこは赤くなるところだよ?」
ことり「穂乃果ちゃん、私は別の日でいいから……2人でデートした方がいいよ!」
穂乃果「あ、そういうことかぁ……でもことりちゃんを置いてはいけないよ!」
ことり「穂乃果ちゃん!」
にこ「あんたも大変ね」
海未「慣れました」
絵里「割り箸くらい生徒会長パワーで……ふんぬぬぬぬ」
真姫「どこを割る気よ」
希「えりち、割り箸って両方から引っ張るようにして割るんやで」
絵里「え? 引っ張る?」
真姫「貸しなさい……こうよ、こう」
絵里「!?」
希「そうそう。えりちみたいに真ん中を押し込むようにして割ろうとしても割れないんよ」
絵里「わかったわ……こうね!」
希「わかってない!」
凛「おいしいにゃー」
花陽「凛ちゃんほっぺにのりがついてるよぉ」
凛「とってとってー」
花陽「はいはい」
絵里「……」
にこ「絵里、おそばにをつけてないけど……」
絵里「ちょっと食べたわ」
海未「?」
真姫「今度はどうしたの?」
絵里「エリチカ……おそばずるずるできない」
凛「かわいいにゃ」
花陽「かわいいねぇ」
穂乃果「ずるずる?」
ことり「恋愛関係?」
海未「昼ドラの見すぎです」
希「つまり、おそばがすすれない、と」
真姫「すする、っていう習慣がないんでしょうね」
海未「こればっかりはどうしようも……」
絵里「ずるずるしたい……」
海未「……仕方ありませんね」
にこ「なんて説明すればいいと思う?」
凛「指をくわえて吸ってみるのは?」
真姫「はい」
絵里「んー」
花陽「……何で真姫ちゃんがすぐに指出したの?」
希「何の迷いもなくくわえるえりちもえりちや……」
真姫「え? だってくわえるって……」
絵里「うん」
穂乃果「真姫ちゃん、上級生だよ」
真姫「…………」
真姫「……………………あっ」
ことり「長かったね」
海未「絵里は子どもではありませんよ」
真姫「そうよね、そう……」
絵里「今ので感覚は分かったわ」
にこ「あんたは何を学んだのよ」
真姫「いけないわ……ぶーんといいずるずるといい……」
凛「真姫ちゃんが自己嫌悪中にゃ」
花陽「2人にいったい何が……」
絵里「いくわよ……」
海未「絵里からただならぬオーラが……!」
絵里「せいやーっ!」
希「いった!」
絵里「げほっ」
穂乃果「吸い過ぎた!」
ことり「絵里ちゃん大丈夫!?」
希「え、えりち?」
絵里「……」
海未「咀嚼しています……」
絵里「……っくん」
凛「飲んだにゃ」
絵里「大丈夫……次こそはいけるわ」
にこ「ちょ、半分くらいなくなってるわよ」
希「えりち……それはアイドルとして本当にいいん?」
絵里「今はアイドルとしてではなく、ただの絢瀬絵里としてずるずるをマスターしてみせるわ!」
海未「状況が状況でなければ……」
にこ「悔やまれるわね」
絵里「ふー……」
穂乃果「がんばれ絵里ちゃん!」
ことり「応援してるよ!」
絵里「……」
海未「何ですかこの空気は」
花陽「あ、危ないよぉ」
希「真姫ちゃんからも何とか言ってあげてや」
真姫「思ってるより吸い込むのはゆっくりでいいわ」
絵里「わかったわ」
にこ「まさかのアドバイス……」
凛「わざわざ新しく麦茶を注いでくるなんて……真姫ちゃんが過保護にゃ」
絵里「いきます!」
希「……」
海未「……」
絵里「……ずっ」
穂乃果「い、今の音は……まさか!」
にこ「聞こえたわ」
絵里「わ、私本当に……!?」
真姫「おめでとう絵里」
凛「凛も適当に提案したけど成功してよかったにゃー!」
花陽「す、すごい……」
希「……手放しで祝福できないのはウチが純粋じゃないからかなぁ」
海未「私もです」
絵里「……やり切ったわ」
真姫「そうね……」
にこ「ほら、終わったならトマト食べなさい。ぬるくなるわよ」
凛「かよちんほっぺたにごはんつぶついてるよー」
花陽「ええっ!? ど、どこ?」
海未「いつの間にご飯を」
希「さすがやな……」
穂乃果「これ食べ終わったら何する?」
ことり「特訓の続きかなぁ」
絵里「特訓ってビーチバレーのこと?」
にこ「……」
真姫「もはや何が特訓なのかわからないわね……」
今日はここまでです
昼食の時間も長い
押忍!乙!!
>>319
ありがとうございます
遅くなりましたが更新開始です
穂乃果「じゃあ今回は穂乃果が考えた特訓をやろう!」
ことり「わーい!」
凛「楽しみにゃー」
海未「特訓披露コーナーみたいになってますね」
絵里「海未の考えたのもあとで教えてね」
海未「えっ」
希「ウチはお昼寝特訓やったし、にこっちと凛ちゃんはビーチバレー特訓を見せたで?」
絵里「真姫はおそば特訓だったし」
真姫「あれって特訓の一環だったの……?」
凛「あとはかよちんとことりちゃん、それに海未ちゃんだけだよ」
花陽「わ、私もなの!?」
ことり「何にしようかなぁ」
海未「……では座禅を」
にこ「却下」
海未「ど、どうすれば……」
希「ネタが座禅しかないアイドルって……」
真姫「それより穂乃果、早く進めなさいよ」
穂乃果「はいはーい」
穂乃果「ルールは簡単! 今から円になって座ってもらいます」
にこ「お、それっぽいわね」
花陽「順番はバラバラでもいいの?」
穂乃果「いいよー」
絵里「じゃあ真姫の隣ー♪」
希「残念やなえりち」
凛「隣はすでにいただいてるにゃ!」
絵里「」
ことり「海未ちゃんが隣に座ってくれたらきっとたちまち元気になるよ」
海未「何ですかその万能薬は」
穂乃果「海未ちゃんだよ」
海未「違いますよ」
にこ「ていうかあんたたちどうするのよ」
穂乃果「え?」
ことり「何が?」
花陽「だから、海未ちゃんを絵里ちゃんの隣に座らせちゃったら2人のどっちか1人が海未ちゃんの隣に座れないよ?」
穂乃果「」
ことり「」
穂乃果「……ほ、穂乃果は自立するよ!」
ことり「……私も! たまには海未ちゃんい頼らないで頑張ってみる!」
海未「え?」
希「おお、巣立ちの時やね」
海未「……」
絵里「はっ、今まで私は何を」
にこ「本当に効果あるの!?」
穂乃果「みんなきちんと円になれたみたいだね」
凛「次は何するの?」
穂乃果「それはねー……」
海未「……」
にこ「私と絵里が隣じゃ不満?」
海未「いえ、そういうわけでは……」
花陽「2人がすぐに離れちゃって寂しいんだよね」
海未「……まあ」
にこ「大丈夫よ、今もことりがカメラ回してるから後で見る気よ、あれ」
海未「くっ……」
凛「う、海未ちゃんから負のオーラが……」
穂乃果「かわいい」
ことり「かわいい」
希「愛って偉大やな……」
穂乃果「あ、忘れるところだった。説明の続きだよっ」
真姫「しっかりしなさいよ、これも一応特訓なんでしょ?」
穂乃果「そりゃあもちろん特訓の中の特訓だよ。ミスタートックン」
真姫「誰よそれ」
絵里「たぶん穂乃果のことだからキングオブトレーニングとか言いたかったんじゃないの?」
海未「いえ、おそらくスーパー特訓でしょう」
穂乃果「おお、それそれ! さっすが海未ちゃん」
穂乃果「じゃあ単刀直撃に言うよ」
凛「今のは凛でもわかるにゃー」
花陽「直撃は危ないかなぁ……?」
穂乃果「細かいことはいいんだよぉ。それでは今から30分間、左隣の人の真似をしてください!」
にこ「隣の人の……」
ことり「真似?」
希「ってことは……ウチは穂乃果ちゃんの真似で……」
穂乃果「穂乃果はことりちゃんの真似」
ことり「私が花陽ちゃんだね」
花陽「じゃあ私がにこちゃんで……」
にこ「私は海未ってわけね」
海未「私は絵里、ですね」
絵里「それなら私は凛で……」
凛「凛は真姫ちゃんにゃー!」
真姫「私が希の真似……?」
凛「これってどんな特訓の効果があるのー?」
穂乃果「真姫ちゃんが言ってたみたいに、穂乃果たちはまだ心が通じ合ってないんだよ。だからお互いのことをもっとよく知れるという効果があります」
海未「穂乃果にしてはなかなか考えてますね」
真姫「私そんなこと言ったかしら」
ことり「たぶん真姫ちゃんが、自分には仲いい人があんまりいないって言ったところじゃないかなぁ」
真姫「ああ……っていうかその言い方だと私に友達いないみたいじゃない」
凛「大丈夫だよ、凛たちがいるにゃ」
希「そうやね」
花陽「わ、私もいるよ!」
真姫「……アリガト」
希「デレたで」
凛「デレたにゃ」
真姫「うるさい」
穂乃果「じゃあ今から1人ずつ、30分間フリートークしてみようか。誰としゃべってもいいよ!」
海未「そ、そう言われましても……」
穂乃果「ダメだよ海未ちゃん! 絵里ちゃんの真似しなきゃダメだよっ!」
ことり「あ、それは私の真似かなぁ?」
穂乃果「そうだよ、ほら海未ちゃん、早く真似してみて?」
海未「え……あ……は、ハラショー」
絵里「エリチカはそんなこと言わないにゃー」
ことり「う、うまい……!」
凛「ちょっとみんな、ちゃんとしゃべりなさいよ」
真姫「なっ、私そんなこと……」
穂乃果「真姫ちゃん、おやつにするよ?」
真姫「ウチはそんなこと言わない……」
にこ「そうですね」
希「にこちゃん事務的だね」
花陽「わ、私も何か言わないと……に、にっこにっこにー!」
にこ「なっ……!?」
ことり「にこちゃんが思わず言葉を失ってしまうほど完璧ってことなのかなぁ?」
花陽「お昼に特訓したからね……したからよ」
希「恐ろしい子だねー」
絵里「ことりがあんまり口調代わってなくてずるいにゃー」
ことり「でんでんでん」
花陽「て、適当過ぎるにこっ」
凛「イミワカンナイ」
海未「ハラショー」
穂乃果「……みんな同じことしか言ってないよぉ」
海未「ハラショー」
にこ「海未がヤケになってますね」
海未「うっ」
真姫「真面目にやりなさ……やりやー!」
絵里「真姫もヤケにゃー」
穂乃果「ストップストーップ! 中止中止!」
絵里「あれ? まだ10分もたってないけどいいの?」
穂乃果「うん。穂乃果はみんな違ってみんないいってことに気が付いたよ」
にこ「特訓失敗ってことに気が付いたのね」
穂乃果「ぐはっ」
希「でもまあみんなが自分のことどんなふうに思ってるかわかったんちゃう?」
真姫「そうね……」
花陽「ちょっと楽しかったかも……」
にこ「花陽、にっこにっこにーマスターまであと1歩よ」
花陽「えっ? あ、ありがとうございます」
ことり「そうだったんだ……」
穂乃果「それより晩ご飯何にする?」
凛「早すぎるにゃ!」
真姫「お昼食べたばっかりなのにもうその話?」
穂乃果「えー? お昼ご飯と晩ご飯は別腹だよ!」
希「そ、その発想はなかった……」
絵里「騙されないの。というか何かリクエストがあるのかしら?」
ことり「あ、そうだ!」
にこ「ん?」
海未「どうしました?」
ことり「みんなでごはんを作れば仲良くなれるかも……」
凛「カレーの残りがあるにゃ」
ことり「そ、そうだった……しくしく」
希「……ことりちゃん、アレはウチが全部食べた」
ことり「ええっ!?」
希「なーんちゃって」
真姫「希が真剣な顔で言うと本当に食べたみたいで怖いわ」
希「いやいや、あの量はウチでも無理やって」
にこ「確かめたら案外なかったりして」
絵里「花陽、ちょっと冷蔵庫見てもらえる?」
花陽「うん」
希「みんなひどいー。そうやってウチをいじめると呪いが……」
海未「呪いって……」
花陽「ええっ!?」
凛「ど、どうしたのかよちん!?」
花陽「お皿に分けてたカレーが空っぽだった……」
穂乃果「えっ」
海未「まさか希、本当にあの量を1人で……?」
希「ち、違うってば!」
にこ「まあ希はそんなことするタイプじゃないから大丈夫よ」
希「にこっち……」
にこ「毎日ウエストのチェックしてるくらいだし」
希「にこっち!」
真姫「それはそれでいいとして、結局食べたのは誰なわけ?」
希「よくなーい! ウチの秘密の日課がぁ……」
穂乃果「体重増えちゃったの?」
希「……うん」
絵里「……希、それたぶんウエストじゃないわ。もう1つ上のところのサイズが増えてる」
希「えっ」
凛「これ以上!?」
絵里「ほら、まっすぐ立って」
希「うん」
絵里「……やっぱり。横から見ると違うのよね」
真姫「何で気づくのよ」
ことり「生徒会でいつも見てるからかな?」
絵里「希はいつも私から見ると横の姿勢で仕事してるから、それでわかったのかも」
希「なんだか複雑な気分やなぁ……」
にこ「……」
海未「……」
凛「……くっ、こっちにはかよちんがいるにゃ!」
花陽「な、なんで!?」
穂乃果「それで結局食べたのって……」
海未「私は食べてませんよ」
ことり「私も」
希「ウチも違うで」
にこ「私も食べてないわ」
絵里「昨日はすぐ寝たから……」
花陽「私も昨日は早くに寝て……」
凛「凛もにゃー」
真姫「私ももちろん違うわよ」
穂乃果「……じゃあ誰?」
今日はここまで
乙ですー!
>>338
ありがとう
更新はじめです
凛「まさか……凛たち以外の誰か?」
花陽「え……」
絵里「や、やめてよ……」
海未「そ、そういえばまだ使ってない部屋がありましたよね……」
ことり「うん、たしか奥の部屋……」
にこ「……」
穂乃果「……行ってみる?」
希「……そうやね」
真姫「……まさか…………ね」
穂乃果「中に人がいるかどうかわからないね」
にこ「コップ持ってきたわ」
希「ウチも。これでドアに当てれば聞けるはず……」
絵里「ちょっと聞いてみて」
にこ「……ん? これって……」
希「……寝息が聞こえるで」
絵里「」
花陽「ど、泥棒?」
穂乃果「幽霊かも……」
凛「……確かめよう!」
海未「凛、危険ですよ」
ことり「そうだよぉ……」
真姫「ねえ、ことり。ちょっといいかしら」
ことり「え?」
真姫「理事長に電話をかけてみてくれない?」
穂乃果「何で急に?」
希「助けを呼ぶにしても、時間かかるよ?」
真姫「いいの、すぐすむから」
ことり「うん、じゃあわかったよ」
理事長「わっ!? 仕事の時間……じゃなかった。よかったぁ……明日は寝起きドッキリを仕掛けるんだから早く寝ないと……」
にこ「……」
絵里「」
真姫「……やっぱり」
凛「どうする?」
ことり「……ここはことりに任せて」
花陽「!?」
希「こ、ことりちゃんからものすごい気迫が……!」
穂乃果「ああ……こうなったことりちゃんは誰にも止められないよ」
海未「ですね」
穂乃果「穂乃果たちは先に帰って待ってるね」
ことり「うんっ……ふふふ」
凛「この笑顔が怖いと思う日が来るなんて……」
ことり「お母さん……」
理事長「むにゃむにゃ……誰ですかこんな時間に……えっ」
ことり「……」
理事長「え、ちょ、無言は怖い……いやあああああああ!」
にこ「希の呪いは理事長が全部受け止めてくれたわ」
希「うん、そういうことにしとこ」
理事長「ごめんなさいごめんなさい」
花陽「り、理事長が……」
凛「平謝りしてるにゃ」
絵里「許しません」
理事長「ふぇぇ……」
希「何でこんなことを?」
理事長「それには山よりも高く海よりも深い事情がありまして……」
ことり「……」
理事長「みんなの寝顔を見たかっただけです!」
海未「欲望に忠実というかなんというか」
真姫「敬語使いたくないんだけど」
穂乃果「大丈夫だよ」
理事長「絢瀬さん何で怒ってるの?」
にこ「それはおばけ怖かったからで……」
絵里「違うもん!」
真姫「はいはい、絵里をからかわないであげて」
絵里「真姫……」
凛「なんだかたった数日間で絵里ちゃんと真姫ちゃんの関係がすごく変わったように見えるにゃ」
花陽「2人とも素直になったのかなぁ?」
穂乃果「そうかもね」
絵里「素直って何よ」
真姫「そうよ」
希「えりち、真姫ちゃんの後ろに隠れながら言っても……」
にこ「本当に生徒会長なのかしら」
理事長「それで晩ご飯は何にするの?」
海未「これから作ろうと思っていたんですよ」
ことり「お母さんがカレー食べちゃったからね!」
理事長「ああ、あれはおいしかったわ」
海未「そういえばいつからいたんですか?」
理事長「みんなが寝静まったころに……真姫ちゃんのお母さんから合鍵をもらって、ね」
真姫「……」
希「真姫ちゃん、誰も信じられないって顔してるけど」
花陽「真姫ちゃんしっかりしてぇ!」
海未「目がうつろですね」
穂乃果「眠い時の海未ちゃんにそっくりだね」
ことり「うん」
理事長「そうね」
海未「えっ」
花陽「……そうだ!」
凛「かよちんどうしたの?」
花陽「いいこと思いついたんだぁ」
真姫「いいこと?」
花陽「わ、私はこれを特訓にします!」
にこ「みんなで料理するってこと?」
花陽「うん!」
にこ「それ、初日でもしたじゃない」
花陽「……そう、だよね……うん。ごめんね…………」
凛「にこちゃん謝って」
にこ「悪かったわよ」
絵里「これは罪悪感が凄まじいわね……」
希「その特訓の効果は何になるんかな?」
花陽「みんなの味の好みがわかる……ってところと、チームワークの強化……?」
穂乃果「胃袋からつかんじゃうってやつかな」
真姫「じゃあ……花陽の指示に沿って動けばいいのね」
花陽「ちょっと緊張するけど……うん」
凛「かよちんの作るごはんはおいしいにから楽しみー」
絵里「そういえば花陽の作ったものっておにぎり以外食べたことないのよね……」
希「ウチもや」
ことり「そういえば私も……」
花陽「あ、あれ?」
理事長「わ、私の分は……」
花陽「もちろん作ります! ただお口に合うかどうかはわかりませんけど……」
理事長「ありがとうございます」
花陽「い、いえいえ!」
にこ「なんか面白いわね」
希「ていうか理事長のパジャマかわいい……」
絵里「え? これパジャマだったの?」
希「だってほら、理事長寝てたやん」
絵里「……そうね」
理事長「うふふ、そうかしら?」
真姫「ま、そんなことは置いといて早く作り始めましょう」
理事長「……そんなこと」
真姫「……似合って……ますわね」
理事長「ありがとう!」
海未「ますわねって……」
真姫「苦手なのよ」
花陽「あ、それはもうちょっと味を薄くしてもいいかな」
希「こしょうはこんなくらいの量?」
花陽「うん、それでばっちりだよ!」
海未「お味噌はこのくらいでしょうか」
花陽「うん」
真姫「……ねぇ、炊飯器見てるだけって意味あるの?」
凛「もちろん。忍耐力が必要にゃ……」
穂乃果「そうだね……」
理事長「私こう見えても料理は得意なんです」
花陽「そうなんですかぁ。あ、にんじんは一口大にしてください」
理事長「わかりました!」
ことり「なんだか花陽ちゃんはいいお嫁さんになりそうだよね」
にこ「そうね」
絵里「……ううっ」
希「えりち泣いてる」
真姫「えっ!?」
絵里「たまねぎが目に染みるのよぉ……」
真姫「……」
凛「真姫ちゃん、平常心平常心」
穂乃果「真姫ちゃんがみんなのこと好きなのは穂乃果たちが一番よくわかってるから」
真姫「そ、そういうのじゃなくて……」
海未「みんなでハンバーグ作りなんて……調理実習を思い出しますね」
ことり「……調理実習かぁ」
花陽「あともう少しでできそうだね」
穂乃果「穂乃果たちは形整えるところまで待機って言われたからね……それまで待機だよ」
真姫「それって戦力外通告よね」
凛「違うよー、凛たち立派な戦力にゃ」
今日はここまで
7日目がなかなか終わらない……
乙
焦げたハンバーグ処理係の俺に比べたらましやで
>>354
処理係……おつかれさまです
今日は私用により更新ができません
次はあさってになると思います
更新はじめます
希「空気を抜くようにやるんよ」
真姫「空気……」
凛「ぷしゅー」
花陽「凛ちゃんの空気が抜けてるよぉ」
穂乃果「こうかな?」
海未「ああ、そんな感じですよ。うまいうまい」
穂乃果「……」
絵里「どうしたの穂乃果。手が止まってるけど」
穂乃果「ほめられちゃった……普通にほめられちゃったの久しぶりすぎて、どうしていいかわかんない……」
ことり「うふふ、穂乃果ちゃんうれしそう」
穂乃果「うん……えへへ」
にこ「……海未、ちゃんと褒めてあげなさいよ」
海未「そうですね……最近ちゃんと見てあげてませんでした」
理事長「……海未ちゃん保護者みたいね」
希「味付けは何にするん?」
凛「それはもちろん、かよちん特製デミグラスソースだよ!」
花陽「れ、レシピで見ただけだから私の特製じゃ……」
ことり「すごい!」
希「特製やね」
絵里「ハラショー……」
真姫「平べったく……よし」
にこ「真姫ちゃん、そんなに意識しなくてもいいわよ」
海未「形にも性格が出ますね」
凛「わー! 理事長うまーい!」
理事長「主婦ですから」
にこ「ねえ、めちゃくちゃ海未見てるわよ。何とかしなさい」
海未「今は手がふさがっているので……」
凛「こ、これが凛たちの作ったハンバーグ……」
真姫「まあまあってところかしら」
穂乃果「これとこれと……あとこれはうまくできたの」
ことり「本当だね」
海未「ええ、上手くできていますね」
絵里「あとはサラダか何か作るだけね」
花陽「実はもう作ってて……」
絵里「ええっ!?」
希「いつの間に……?」
凛「これが必殺『できたものがこちらにあります』にゃ」
にこ「ま、まさか本当にあるなんて……」
理事長「私よりも数倍手際がいい……がくっ」
希「ウチ、毎日アナタの作ったご飯が食べたい……」
花陽「えっ」
凛「ずるいにゃー! 抜け駆け禁止!」
希「ふふふ、いつもと違うウチにドキッとした?」
花陽「……」
にこ「希、花陽が固まってるんだけど」
希「……やっぱりキャラじゃなかったんやね」
花陽「そ、そうじゃなくて!」
希「え?」
花陽「あの……どきどきして」
凛「……凛は戦う前から負けていたみたいにゃ……がくっ」
真姫「何よこれ」
絵里「理事長の仲間が増えたわ」
穂乃果「あとこれは海未ちゃんにあげるの」
海未「はいはい」
にこ「あ、理事長の分のお箸がない」
花陽「……9人分しかないよぉ」
理事長「そんなこともあろうかと!」
真姫「立ち直り早いわね」
理事長「こんなところに爪楊枝が」
海未「私買ってきます」
ことり「私も!」
理事長「嘘ですごめんなさい」
凛「では手を合わせて……かよちんに感謝をこめて」
花陽「は、恥ずかしい……」
凛「いただきます!」
みんな「いただきます」
ことり「こ、これは……!」
希「お米が立ってる!」
海未「絶品ですね」
花陽「それはみんなが手伝ってくれたからだよ」
真姫「私たちは切ったりこねたり、ちょっと味付けを手伝っただけよ。肝心なところは全部花陽がやったじゃない」
穂乃果「そうだよ。自身持つべきだよ!」
にこ「2人が言うと説得力あるわね」
真姫「どういう意味?」
にこ「お手伝い頑張って偉かったわね、ってことよ」
真姫「……」
穂乃果「じゃあにこちゃんは何したの?」
にこ「何を隠そうこのにんじんを星形に切ったのは私なのよ!」
真姫「なっ……」
穂乃果「ま、負けた……」
海未「勝敗の基準がわからないんですが……」
一旦終了です
またあとで戻ってきます
絵里「甘いわね、にこ」
にこ「?」
絵里「私はうさぎ型のハンバーグを作ったわ!」
にこ「うさっ……これが?」
花陽「ああ、あれ絵里ちゃんのだったんだぁ」
穂乃果「す、すごい! ただ崩れたようにしか見えなかった……」
凛「言われないと気付くことすらできないなんて……」
絵里「……」
希「真姫ちゃんはわかってた?」
真姫「あー、なんとなくね。最初は熊かと思ってたけど」
絵里「……」
希「嘘でもわかってたって言ってあげて」
真姫「わかってたわよ」
絵里「ほーら! 真姫はわかるって!」
理事長「うれしそうね」
海未「はい」
希「こういう味付けもウチは好きやったなぁ」
にこ「参考にさせてもらうわ」
花陽「私のでよければいくらでも……」
凛「おいしかったにゃー。特訓は大成功だね」
ことり「あっ」
絵里「えっ」
凛「にゃ?」
穂乃果「と、特訓だった!」
真姫「そういえば……」
理事長「特訓?」
海未「私も何か考えないと……」
ことり「うーん……何かいいアイディアは……」
花陽「あはは……」
絵里「もう暗くなってきたわね」
希「そうやね」
凛「明日でこの合宿も終わりかぁ」
穂乃果「しみじみだね」
にこ「あさってには早速続きをやるわけだし……明日は打ち合わせ?」
凛「でもアドリブだよー?」
にこ「そこがネックなのよねぇ」
真姫「ま、裏で打ち合わせしていてもバレないわけだけど」
穂乃果「それはずるいよー」
真姫「冗談よ」
穂乃果「ていうかさっきから海未ちゃんとことりちゃんが黙ったままなんだけど……なんで?」
花陽「あ、もしかして特訓の内容がまだ決まってないから……」
海未「うーん……」
ことり「……あ!」
凛「ことりちゃんが何か閃いたみたいにゃ」
絵里「何かしら」
ことり「発表します」
希「聞いてるでー」
ことり「私の思いついた特訓……それは!」
花陽「それは……?」
穂乃果「それは?」
ことり「肝試し!」
にこ「肝試し?」
絵里「」
真姫「ちょ、絵里……まさか怖いの?」
絵里「そそそそっそそんなわけないでしょう!」
真姫「いや、別に悪いってわけじゃないんだけど……」
絵里「そ、そうなの? そうよね……実は私…………」
にこ「高校生にもなっておばけ怖いの?」
絵里「」
花陽「そ、そんな言い方ダメだよぉ。誰だって苦手なことはあるんだから……」
穂乃果「うんうん、海未ちゃんも怖いの苦手だし」
海未「……うぅ」
にこ「なーんちゃって、怖いものの1つや2つあるくらいがアイドルにはいいギャップに――――――――
ことり「そっか、絵里ちゃんが苦手ならやめよっか……」
海未「わ、私は!?」
にこ「あれ?」
絵里「ダ、ダメよ! せっかく出してくれた案を取り下げるわけには……だからやるわ!」
真姫「大丈夫なの? 震えてるじゃない」
絵里「いいのよ!」
にこ「……」
凛「にこっち、からかうからこうなるにゃ」
にこ「ま、まさかあの絵里がこんなこと言い出すなんて……」
希「後輩のためやもん。えりちって強がりやろ?」
にこ「忘れてたわ……」
ことり「それじゃ2人ペアになって、あの向こうに見える森の奥にある大きな木にお札を貼り付けてくること!」
海未「私は……? 私への配慮は……」
穂乃果「海未ちゃんは怖がってるところもかわいいから」
ことり「うんっ」
海未「……」
希「理事長、そんなところでカメラ回してないで、こっち来てくださいよー」
理事長「この位置じゃないとみんなが入らなくて……」
花陽「理事長も一緒に参加してください」
理事長「……2人ともやさしい」
凛「それじゃあペアを決めるところからだね」
穂乃果「穂乃果は海未ちゃんとことりちゃんと組むよ!」
海未「早速イレギュラー!?」
花陽「そうすると2人組と3人組が2つずつ作れるのかな?」
希「あみだくじにする?」
絵里「ね、ねぇ希」
希「どうしたん?」
絵里「穂乃果たちも指名してるんだし……私も指名していい?」
にこ「いいんじゃない?」
凛「凛もいいと思うよ」
花陽「うん」
ことり「まあ誰を言うかはすぐにわかるんだけど……」
真姫「?」
「で、私を指名したのはどうしてなの?」
「……真姫だと適度に強がれるから」
「絵里ってホント不器用ね。怖いなら怖いって言えばいいのに」
「こ、こわくないわよ!」
「あ、今何か光った」
「真姫、怖かったでしょう。手を繋いであげるわ」
「もう繋いでるじゃない……」
「見捨てないで!」
「私はそこまで鬼じゃないわ」
「真姫」
「何?」
「……がっかりした?」
「何によ」
「……生徒会長なのに、こんなに頼れなくて」
「……今更?」
「えっ」
「なんとなくわかってたわよ」
「う、嘘……」
「私と似て、不器用だから」
「真姫に似て……?」
「希も言ってたわよ。絵里と私はよく似てるって」
「ま、真姫はすごくあれじゃない! えーと……作詞もできるし! ピアノだって弾けるわ! 私にはできない……全然私に似てなんかないわ」
「絵里は料理ができるし、生徒会長としてスピーチもできるわ。私には到底できない」
「それは……」
「だからがっかりするも何も、絵里はそれ以上にすごいことをしてるのよ」
「真姫……」
「ただね、オンオフの切り替えがはっきりしすぎてて……ぶーんとか」
「あれは忘れて……」
「とにかく、私は……ああ、遠まわしに言っても伝わらないわよね」
「え? 何? 告白なの?」
「違うわよ」
「?」
「……1回しか言わないわよ」
「え? 今なんて……」
「――――――――」
「!」
希「2人ともおかえりー」
ことり「どうだった? 絆が深まった感じはあった?」
真姫「それはもう、ね」
絵里「……ね」
花陽「?」
今日はここまでです
7日目はあと少しで終わります
乙
めっちゃ気になる引きでもやもやするのー……
今全部読んだ
凄く良い
>>380-381
ありがとうございます
更新はじめます
穂乃果「じゃあ次は穂乃果たちの番だね」
ことり「海未ちゃん行くよー」
海未「……て、手を離さないでくださいね」
穂乃果「……」
ことり「……」
海未「返事は!?」
希「海未ちゃん、涙を見せたら2人が喜ぶで」
海未「……花陽、助けてください」
花陽「私でよければだけど……いいの?」
穂乃果「ごめんね海未ちゃん」
ことり「大丈夫だから、ね?」
海未「な、何で目隠しするんですか!? ちょっと、2人とも!」
穂乃果「大丈夫だよ、手は離さないから……」
ことり「見えなければ怖くないから……」
海未「いやあああああ!」
真姫「災難ね……」
凛「うん」
にこ「あの3人の帰り遅いわね……希、行くわよ」
希「そうやね」
凛「次は凛たちにゃ。準備運動はしっかりね!」
花陽「じゅ、準備運動?」
理事長「わざわざこの時の為にジャージを持参してきましたからね!」
凛「じゃあまずは……」
花陽「どうしたの?」
理事長「?」
凛「かよちんの方がおっきい……」
理事長「!?」
花陽「?」
真姫「……あの2人、お札持っていってないわよ?」
凛「あ」
絵里「これじゃ貼って帰って来れないじゃない」
理事長「それでは私たちが届けに行きましょうか」
花陽「えっ」
凛「それはナイスアイディアにゃ!」
凛「これで結果オーライ……」
絵里「え? 凛、今何か……」
凛「行くよー! はやくはやく!」
花陽「え、ちょ、ちょっと凛ちゃん! 待ってぇ!」
理事長「小泉さん。ほら、捕まえてごらんなさーい」
花陽「りじちょおぉ……」
理事長「ふぅ、私は満足です」
絵里「花陽を連れて早く行ってください」
理事長「はい」
真姫「……私たち2人きりよ」
絵里「あっ」
真姫「……みんな遅くない?」
絵里「そうね。いくらなんでも遅すぎるわ」
真姫「探しに……」
絵里「……」
真姫「どうする? ついてくる?」
絵里「……1人よりも2人」
真姫「わかったわ。置いてかれるのが嫌なのね」
絵里「真姫、いじわる」
真姫「置いてくわよ」
絵里「待ってください」
真姫「さっきよりちょっと暗いわね……」
絵里「ま、真姫」
真姫「どうしたの? ていうか歩きにくいんだけど……」
絵里「腕組んでいい?」
真姫「」
絵里「だ、だって手を繋いでるだけどすぐ離れちゃいそうじゃない!?」
真姫「……スキニスレバ」
絵里「何で目をそらすのよぉ」
真姫「恥ずかしいのよ……」
絵里「……そ、そうよね」
真姫「……早くしなさいよ」
絵里「え?」
真姫「腕」
絵里「あ……」
真姫「……これでいいでしょ」
絵里「……うん」
真姫「……」
絵里「……」
真姫「あーもう、早く見つからないかしら」
絵里「……真姫、熱いけど大丈夫?」
真姫「誰のせいよ」
穂乃果「ねぇことりちゃん」
ことり「うん。わかってるよ……これは誤算だったね」
穂乃果「うん」
凛「さすがにあの空気の2人に、おばけのフリしてでていくなんてできないにゃー」
理事長「この草むら、ベストポジションね……撮影がはかどるわ」
希「帰ってきたらこの映像2人に見せよ」
花陽「お、怒られないかなぁ?」
海未「は、早く帰りましょうよ……」
にこ「海未ー、足にしがみつかれたら動けないんだけど」
にこ「あとは寝るだけねー」
真姫「ちょっと、さっきまでどこにいたのよ」
ことり「お札を貼りに行ってたんだよっ」
絵里「あやしい……」
希「えりち、チョコ食べる?」
絵里「たべるー!」
海未「……」
凛「海未ちゃん、そんなに真剣に悩まなくてもいいんだよ?」
海未「ですが私だけ何もやらないというわけには……」
穂乃果「……そうだ! 海未ちゃん!」
海未「なんですか?」
穂乃果「まだアレやってないよ!」
花陽「あれ?」
理事長「あれ?」
ことり「あ、本当だ」
穂乃果「でしょ?」
海未「あれですか……」
希「あれ、が何なのかウチにはわからんのやけど……」
真姫「私もわからないわ」
穂乃果「えー? みんなわからないの?」
凛「ヒントちょーだい」
穂乃果「ヒントはね……修学旅行とかでやっちゃうやつ!」
花陽「修学旅行で……バス移動かな?」
絵里「おやつでしょ」
にこ「お土産を買うってことじゃない?」
理事長「あー、お土産。真姫ちゃんのお母さんに頼まれてるんだったわ」
真姫「!?」
希「思わぬ仲の良さが露呈して焦る真姫ちゃん」
ことり「あれ? なんか話がそれて言ってるような……」
穂乃果「みんなちゃんと考えてよぉ!」
絵里「あはは、ごめんなさい」
にこ「で、ヒントって何だった?」
穂乃果「じゃあ第2ヒントだよ……こうして、こう!」
真姫「腕を振ってる……?」
凛「木刀だからやっぱりお土産にゃ」
希「凛ちゃん、お土産に木刀買うん?」
凛「ううん、ご当地ストラップとか」
にこ「あー、あれ集めようとするとめんどくさくならない?」
凛「うん」
理事長「あら? なら何で集めて……」
凛「さっき思いついたもん」
絵里「ええっ」
穂乃果「みんなが聞いてくれないので海未ちゃん、正解を発表してください」
海未「え」
絵里「ま、待って! もう1つヒントを……」
真姫「もしかして……まくら投げ?」
穂乃果「」
ことり「」
海未「」
花陽「この反応は……正解でいいのかなぁ?」
絵里「希、はいチョコ」
希「ウチがあげたやつなんやけど……まぁいっか。ありがと、えりち」
絵里「え? これ同じメーカーのビターの方だけど。私が昨日買って隠してやつ」
希「えっ、昨日えりち、これのミルクチョコ食べてたやん」
絵里「チョコはチョコでも味が違うでしょ?」
にこ「さりげなく隠してたって言ったのは何で?」
絵里「前ににこが勝手に食べたから」
にこ「……あったわねそんなこと」
海未「よもや先に言われてしまうとは……」
穂乃果「一生の不覚だよ……」
ことり「うん……」
絵里「じゃあさっそくまくら投げを始めるってことでいいの?」
花陽「絵里ちゃんやる気満々だねぇ」
絵里「チョコで目が覚めたわ」
凛「絵里ちゃんは怒るとスーパーロシア人になって髪の毛が……あ、これは元からにゃ」
絵里「え!? 髪の毛が何!?」
にこ「知らないのね」
希「えりちって少女マンガ以外疎いで」
真姫「意外ね。小説とか読んでそうだけど」
希「えりち、絵がないと寝てまうんよ」
真姫「……」
絵里「今子どもみたいだって思ったでしょ」
真姫「この合宿中ずっとよ」
絵里「ひどい」
理事長「私から見ればみんなまだまだ子どもですけどね!」
ことり「お母さん、それは私たちになんて反応してほしいの?」
理事長「まだまだお若いですよー、とか」
穂乃果「それって若い人には言わないよね?」
理事長「」
ことり「」
にこ「まだまだお若いですね……」
凛「まさかの追い討ちにゃ!」
理事長「くすんくすん」
穂乃果「海未ちゃん、慰めてあげて」
海未「もとはと言えば穂乃果のせいでしょう……もう、仕方ありませんね」
理事長「海未ちゃん、万歳してみて?」
海未「こうですか?」
理事長「おへそ!」
海未「きゃああ!?」
希「服めくったで」
凛「スカートめくりみたいにゃ」
真姫「そろそろ始めないと絵里が寝るわよ」
花陽「そうなの?」
絵里「何をおっしゃる。エリーチカはおめめぱっちりよ」
にこ「何をおっしゃるって……アンタ完全に変なテンションになってるじゃない」
絵里「フフフ、今夜の私はいつもと違うのよ」
凛「どのあたりが?」
絵里「生徒会の仕事がなくてぐっすり眠れたから元気百倍よ!」
希「ごめんな、ウチもっと手伝うから……」
穂乃果「穂乃果も手伝いに行くよ……」
花陽「私も……」
絵里「え、いや、そんな反応が欲しかったわけじゃ……」
理事長「生徒会の仕事をなくすよう手配します」
絵里「それは生徒会存亡の危機じゃ……」
ことり「というわけで……」
穂乃果「チキチキうみうみ海未ちゃんのドキドキラブピローシュートのお時間です」
海未「誰ですか!? そんな恥ずかしい名前を考えたのは!?」
にこ「にっこにっこにー」
花陽「に、にっこにっこにー……ごめんなさい」
希「ごまかすのヘタやなぁ……」
凛「かよちんはかわいいから許してほしいにゃ」
海未「にこですか」
にこ「えええ!? にこもかわいいでしょ!?」
理事長「かわいいですよ。一家に1台ほしいくらい」
にこ「にこは掃除機じゃありません」
絵里「使わない収納かしら」
真姫「室外機でしょ」
にこ「せめて実用性があるものにしてほしいわ……」
おわりー
まだ8日目とシンデレラ後編が残ってる……
シンデレラ後編が楽しみ
>>403
そう言われるとうれしいです
更新します
ことり「では、海未ちゃんのラブピローシュートについての説明をします」
海未「何かのアトラクションみたいで嫌なんですけど……」
絵里「あはは」
理事長「ルールは簡単、先に2人を倒した人の勝ちです」
ことり「勝った人から寝ることができます」
絵里「倒す基準って何なの?」
理事長「3秒間動かなくなるのが目安です」
花陽「ええっ!?」
希「ハードやね……」
真姫「で、何で2人はソファに座ってるのよ」
ことり「解説はわたくし南ことりと」
理事長「学院のスーパー理事長がお送りします」
希「スーパー……」
海未「ことりが枕を投げられないというのはわかりますが、理事長は別に……」
理事長「大人が本気を出して枕を投げるとこ、海未ちゃんは見たい?」
海未「……いいえ」
にこ「ここも一部始終カメラにおさめるって魂胆ね……」
理事長「制限時間は30分!」
ことり「果たしてみんな無事に眠ることができるのか!」
凛「寝れないとかあるの!?」
ことり「ファイっ!」
花陽「は、始まっちゃった……」
真姫「まず枕がないんだけど」
ことり「この部屋のどこかに隠してあります」
にこ「準備しすぎじゃない!?」
凛「うーん、どこかにゃー?」
希「タンスの中とか?」
絵里「……ないわね」
花陽「椅子の下には……」
海未「……ありません」
穂乃果「まさか冷蔵庫の中に……」
真姫「あるわけないでしょ」
穂乃果「あった!」
にこ「嘘でしょ!?」
穂乃果「いっけー! ラブピローシュート!」
にこ「ぐはっ」
凛「ああ! にこちゃんがやられた!」
希「にこっち! しっかりして!」
海未「投げるとき、それ言わないといけないんですか……?」
理事長「もちろん。それを言わないと加点されません」
花陽「この枕ってもう1回使えるの?」
ことり「1度使った枕は使えないよぉ。でも当たらなかった枕は拾った人が使えます」
絵里「いかに2発を的確に決めるかってことね……」
真姫「考えてるわね……」
にこ「ぐぬぬ……こうしちゃいられないわ」
希「あ、起きた」
にこ「押入れならきっと大量に枕が……」
ことり「押入れの枕は全部隠しておいたよ!」
にこ「……」
花陽「探さないといけないんだね……」
真姫「ていうか私よりもこの家の中知ってるじゃない。どういうことよ」
理事長「あなたのお母様のご協力の元です」
真姫「……」
穂乃果「ふっふっふ、穂乃果はもうリーチだよ」
海未「穂乃果に先に寝られるのは癪ですね」
凛「負けないにゃー!」
理事長「この部屋にはあと3つ、枕が隠されています」
絵里「3つ……うまくいけば穂乃果ともう1人がクリアするってことね」
海未「……隠したのはことりと理事長の2人ですか?」
ことり「そうだよ」
海未「なら……ここですね!」
理事長「!」
希「え? なんで理事長の後ろに……」
絵里「違うわ! あれを見て!」
理事長「みつかっちゃった」
海未「やはり隠していましたか」
凛「理事長が1つ隠してたの!?」
真姫「灯台下暗しってわけね」
海未「さあ、早く終わらせますよ」
海未「いきますよ!」
花陽「きゃあ!?」
海未「……」
花陽「……」
海未「ラブピローシュートッ!」
にこ「何でにこなのよっ……」
花陽「あ、あれ?」
海未「花陽を狙うなんて……ちょっと」
凛「そうだよね」
希「にこっち2ヒットやん」
にこ「負けてられないわ……次見つけるわよ!」
真姫「あった」
絵里「早い!」
凛「しかも2つ持ってるにゃ!」
真姫「ソファの下から2つ出てきたのよ」
花陽「2つとも当たれば……」
穂乃果「真姫ちゃんが寝ちゃう……」
ことり「おーっとここで真姫ちゃん、一気に勝負に出ます!」
理事長「しかし両方に持っていてはとても投げにくそうです!」
真姫「……そうね」
希「あ、あれは……!」
海未「1つを床に置いた!?」
にこ「あれを餌におびき寄せようってわけね。確実に1回決めるための……ってそんな見え見えの罠に誰が引っ掛かって……」
絵里「行くわよ!」
にこ「バカー!」
真姫「やっぱり来たわね」
絵里「ええ、お望みとあらばエリチカはいつでも真姫とは戦う準備はできてるわ」
真姫「さあ……勝負よ絵里!」
穂乃果「あれ? 何でだろう、空気がちょっと違うような……」
海未「どちらもスキがない……」
凛「それはそれでアイドルじゃない気がするよ?」
花陽「2人ともすごい気迫……」
ことり「まくら投げとは思えないそのせめぎ合い、いったい勝つのはどっちだ!」
希「ちゃんと演技の練習になってるのがびっくりなんやけど」
にこ「そこよっ!」
真姫「!?」
絵里「なっ!」
理事長「おっとここで矢澤選手が2つとも枕を奪取!」
ことり「絵里ちゃんと真姫ちゃんの間を走り抜けながら盗みました!」
花陽「小さい体を利用して2人の間を駆け抜けるなんて……」
希「さすが……伊達に小さくないんやね」
絵里「迂闊だったわ……小さいにこに抜かれるなんて」
真姫「こんな小さなスキマを潜り抜けるなんて……」
にこ「小さい小さいうるさいわよ!」
にこ「見てなさい……あんたたちにはこのにこにースペシャルをお見舞いしてあげるわ」
ことり「ラブピローシュートだよ、にこちゃん」
にこ「わかってるわよ」
にこ「ラブピロー……」
真姫「……」
絵里「……」
にこ「あー! あんなところに空飛ぶお米が!」
花陽「えっ!?」
穂乃果「どれどれ!?」
にこ「シュート!」
花陽「あっ」
穂乃果「だまされた!」
理事長「矢澤選手、一気に2ポイント!」
にこ「これで私は眠れるわねー」
ことり「ち、違うよ! 1ポイント!」
にこ「ど、どういうこと? 確かに決まったはずじゃ――――――――
凛「この凛をなめてもらっちゃ困るにゃ!」
にこ「凛!?」
花陽「り、凛ちゃん!」
ことり「なんと花陽ちゃんに当たるかと思った枕を、凛ちゃんが受け止めていました!」
穂乃果「う、海未ちゃん……穂乃果も助けてよぉ」
海未「すみません、よそ見してました」
穂乃果「ひどーい」
凛「キャッチはセーフ?」
理事長「セーフです」
凛「狙いは定まったにゃ」
にこ「え」
希「狙われるにこっち」
にこ「今日で何回目よ!?」
穂乃果「穂乃果が眠るまで、ずっと手を握っていてほしいな」
海未「まだ眠れませんよ」
穂乃果「ってことはこれが終わるまでずっとだね!」
海未「あっ」
凛「にこちゃん覚悟!」
花陽「り、凛ちゃんダメぇっ!」
凛「かよちん!?」
にこ「花陽!?」
理事長「なんと矢澤さんをかばうように小泉さんが立ちふさがった!」
ことり「しかし枕はもうすでに宙を舞っています!」
凛「かよちん避けて!」
花陽「ううん……これでいいの」
にこ「それって、どういう意味……」
希「あ、当たる!」
花陽「うっ」
花陽「……」
にこ「は、花陽!?」
花陽「…けほっ」
希「まだ息があるで!」
凛「かよちん!」
花陽「……私たちは…………μ'sなんだから……げほ」
花陽「仲良くしなきゃ……ダメ…………だよ………………」
にこ「花陽……花陽? 返事しなさいよ、ねぇ!」
希「2人の為に……そこまで……」
ことり「……凛ちゃん、1ポイントです」
凛「凛がこの手で……かよちんを?」
理事長「小泉さんは試合続行不可能です。ただちに回収します」
海未「穂乃果、私たちが手を繋ぐとか言ってる間にものすごいことになってますよ」
穂乃果「すごいねぇ」
絵里「……私たちも完全に蚊帳の外なんだけど」
真姫「何気に一番それらしいことしてるわね」
凛「凛に枕を……凛もかよちんのところへ……」
希「凛ちゃん! しっかりして!」
にこ「凛!」
凛「にこちゃん……?」
にこ「花陽はもういないのよ」
凛「かよちんがいない? そんなわけないにゃ。かよちんはすぐそばで凛のことを待ってる……」
にこ「凛!」
希「凛ちゃん!」
凛「だから早く凛に枕を……」
にこ「ねえ、次の枕どこ?」
ことり「隣の部屋だよぉ」
凛「じゃあ早く続きするにゃー」
理事長「カメラ行きまーす」
希「ウチの立ち位置わからんのやけど」
にこ「なんかそれっぽい感じ出てたからいいんじゃない?」
花陽「うまくできてたかなぁ?」
ことり「バッチリだったよ!」
にこ「まさか花陽のアドリブから入るとは思わなかったわ」
希「ナイスやで!」
花陽「えへへ、ありがとう」
海未「……」
穂乃果「なんか……プロだね」
絵里「そうね……」
真姫「置いて行かれるわよ」
絵里「自信なくなってきたわ」
真姫「奇遇ね、私もよ」
今日はここまで
果たして5月中に終わるのか
かよちんのアドリブ可愛い
>>423
ヒロインですからね
一昨日は私用で更新できませんでした すみません
今日は更新します
花陽「え、えーいっ!」
絵里「うっ」
穂乃果「絵里ちゃんダウーン!」
ことり「花陽ちゃんクリアだよっ」
花陽「や、やったぁ!」
絵里「む、無念だわ……」
海未「これで最後ですか?」
希「そうやね。えりち以外はみんな2ポイントとったし」
にこ「まあ最初に抜けたのはにこだったけどねー」
凛「あれはずるいよ。空飛ぶラーメンなんてずるいもん」
にこ「騙される方が悪いのよ」
凛「そんなことないよー! ねー?」
理事長「ねー」
絵里「理事長……ものすごく生き生きしてますね」
理事長「皆さんと仲良くなれてうれしいんですよ」
穂乃果「まさか幻の10人目……!」
理事長「持ちネタを考えなくては……」
海未「……」
穂乃果「海未ちゃん本気にしてるよ」
理事長「そうみたいね」
海未「本気だったのに反応が得られなかったからって意見変えるのはなしですよ。お見通しです」
穂乃果「ぎくっ」
理事長「ぎくっ」
真姫「絵里、何で投げるのそんな下手なのよ」
絵里「わからないわ……」
希「生徒会長やからぎこちなくなるんと違う?」
絵里「どういうこと?」
にこ「恥ずかしさを捨て切れてないってことじゃない?」
絵里「それと生徒会長であることに何の関係が……」
ことり「まだ生徒会長として舞台に立ってるってことかも」
絵里「生徒会長として……?」
海未「ああ、そういう……」
絵里「海未も何かわかったの?」
海未「まあ……ですがこれは私が口で言っても伝わらないような気がします」
絵里「?」
凛「……あー! わかったにゃ!」
花陽「生徒会長として、かぁ……そうだよね、だって絵里ちゃんは……」
穂乃果「うんうん」
理事長「穂乃果ちゃん、それはわかってない時の顔よね」
穂乃果「ぎくっ」
希「真姫ちゃんはわかってるやろ?」
真姫「まあ……間違ってるかもしれないけど」
絵里「ええっ? わからないんだけど……」
理事長「まあ私は初めから思ってましたけどね」
にこ「海未、これどっち? ホント? ウソ?」
海未「本当ですね。嘘を吐いてるときは鼻の頭を触る癖がありますから」
理事長「えっ!?」
海未「あ、本当みたいです」
凛「海未ちゃんカマかけたにゃー」
ことり「海未ちゃんの方がお母さんの扱いに慣れてる……悪くないね」
理事長「ええ……」
絵里「ちょ、私の話は?」
穂乃果「そうそう、絵里ちゃんが生徒会長だからいけないって話だったよね」
理事長「せ、生徒会長でいけないことを!?」
絵里「理事長は黙っててください」
理事長「はい」
希「こういう時は似た者同士の2人で話し合った方がいいと思うで」
にこ「不器用同士でいいんじゃない?」
真姫「ちょっと、私の答えがあってるなんて保証は……」
花陽「真姫ちゃん!」
真姫「は、花陽……?」
花陽「それが真姫ちゃんの答えなら、それが真姫ちゃんの答えなんだよっ!」
真姫「……?」
絵里「……?」
凛「かよちん、もうちょっとわかりやすく言わないとわからないと思うよー?」
花陽「あ、あれ?」
にこ「結構いいこと言ったと思ったのに……このおばかさん2人はもう……」
希「もう……」
真姫「な、何よ!」
絵里「ご、ごめんなさい」
穂乃果「つまり花陽ちゃんの言いたいことは、真姫ちゃんの考えた答えは間違ってても真姫ちゃんの意見だから、それ自体に意味があるってことだよね?」
花陽「そういうことだよぉ」
海未「本当にあなたって人は……いいところばかり持っていきますね」
穂乃果「あれ? 穂乃果、変なこと言ったかな?」
ことり「ううん、正しいよ」
希「というわけやし、今夜は仲睦まじく2人で語り合ってもらおか」
真姫「どういうことよ、それ」
にこ「主役同士練習しなさいってことよ」
絵里「それは絶対違うでしょ!」
理事長「カメラ、置いていきますね」
真姫「いらないわよ」
凛「じゃあおやすみにゃー」
真姫「えっ、まさか本当に別の部屋で……」
ことり「ごゆっくりー」
絵里「な、何かヒントを!」
海未「案外すぐに気付くことですよ」
希「当たり前すぎて気づけないこと、やね」
にこ「もっと気楽に考えればいいのよ」
絵里「……?」
穂乃果「紙とペンを置いていくから使ってね!」
真姫「紙とペンは別にいらないと思うけど……」
穂乃果「……マイ紙飛行機を作って遊んでね」
花陽「そ、想像力が鍛えられるはずだよ!」
絵里「花陽、無理にフォローしなくていいわよ」
真姫「……行ったわね」
絵里「うん……」
真姫「ほら、希も私たちを『似た者同士』って言ってたでしょ?」
絵里「そうね。言ってたわ」
真姫「……って布団1組しかないじゃない!」
絵里「ああ、理事長の分でしょうね」
真姫「何で枕は2つなのよ……」
絵里「それはことりが枕を持参して……」
真姫「絵里、今夜どこで寝る気?」
絵里「それはこのお布団で……はっ」
真姫「……やられた」
絵里「そういえば1人1組お布団を持って行ってたわ……」
真姫「理事長も持っていくことを計算してたのね……」
絵里「だ、大丈夫よ! 私はソファで寝るから!」
真姫「あ」
絵里「きゃああああ!?」
真姫「絵里落ち着いて、電気が消えただけよ」
絵里「真姫! どこにいるの!?」
真姫「こっちよこっち、だから落ち着いてってば……」
絵里「み、見つけた!」
真姫「近い近い!」
絵里「私、死ぬの……?」
真姫「……ホント子どもね」
「真姫、答え教えて」
「だから自信ないってば」
「自信がなくても聞きたいの。何かお話をしてくれない?」
「……暗くて怖いから?」
「……失望した?」
「別に。というかむしろその逆」
「え?」
「絵里が思ったより人間らしくて身近に感じるってこと」
「私は人間よ?」
「そうじゃなくて……まあ言ってもわからないわよね」
「うん」
「じゃあ簡単な質問よ。絵里はどうしてこの舞台を成功させたいの?」
「お客さんのため……かしら。見てくれる人がいるからできるわけだし」
「じゃあ次。舞台が成功したらどういう効果があると思う?」
「えーっと……みんなが喜んでくれるわ。お客さんはもちろん、μ'sのみんなも含めて」
「それじゃ最後。もしトラブルで絵里が舞台から急に外れることになったとしても、舞台が続行できるならそれでいいと思う?」
「……それでいいと思う」
「私はね、それって生徒会と変わらない気がするのよ」
「え? 生徒会とは全然違うじゃない。アイドルの活動は自主的にやってるものだし……」
「じゃあ問題。絵里はなぜ生徒会の仕事をするの?」
「私が生徒会長だからよ」
「その仕事にはどんな見返りがあるの?」
「しいて言うなら……みんなの為に働くことができるってことね」
「それは誰が喜んでくれる?」
「喜ぶ……っていうのは考えにくいけれど、先生や生徒かしら?」
「その仕事は誰のためにやってるの?」
「学院のためよ」
「それって、この舞台を成功させたい理由とほとんど一緒」
「でもそれが普通じゃない?」
「自主的にやってるのに、その自分の意志はどこにあるの?」
「あ……それは…………」
「舞台を楽しみたいのは自分じゃないの? 絵里は嫌々この演劇をやってたの?」
「ち、違う! それは違うわ!」
「でも最初に出てきた言葉は『みんなのため』」
「で、でも……」
「その理念が自分でも捨て切れてないのよ。よくわかるわ――――――――――――――――私もそうだもの」
「……真姫も?」
「あ、今は違うわ。そうだった、ってところね」
「それってどういうこと? 真姫も自分の為じゃなくて頑張ってたの?」
「親の期待に応えるため。小さい頃、私はそう思っていろいろやってきたわ」
「期待に?」
「ええ、親が喜んでくれるから。全然私の為なんかじゃなかった」
「真姫はそのやったこと、楽しくなかったの?」
「まあ面白かったものもあるけど……今となっては何でやってたのかよくわからないものばかりね」
「……そっか」
「だからね、スクールアイドルをやろうと思ったの。誰の為でもなく私の為に。親の言うことを聞かないで、ね」
「……親御さんからは何か言われなかったの?」
「……そうだったらどれだけ楽だったか」
「え?」
「文句を言うどころか逆に応援してくれたわ。やりたいことがあってよかったわね、って」
「それはよかったじゃない」
「ええ、でもママなんかこの合宿に私を連れて行かせるためにこっそりカギを貸したり……」
「そ、そこは私にも非があるわ……。ごめんなさい」
「いいのよ。だって……」
「だって?」
「今から言うことは内緒にしててほしいんだけど」
「うん。内緒にするわ」
「……アイドルの活動してるときは、退屈じゃないから」
「……みんなにそう言えばいいのに」
「嫌よ。特に希や凛あたりがすぐ調子に乗るから」
「あはは、そうかもね」
「で、絵里はどうなの?」
「何が?」
「スクールアイドルは楽しい?」
「もちろんよ。楽しくないなら続けてないわ」
「生徒会も楽しかったの?」
「みんなのためならね」
「それよそれ。アイドルもみんなのためにやるの?」
「……あ」
「やっと気づいたわね。まあ正しいのかどうかわからないけど」
「……私はどうすればいいと思う?」
「もっと自由にやっていいのよ、ってみんななら言うと思うわ」
「それは……どういうこと?」
「物語を忠実に守ろうとしなくていいってことよ。自分が面白そうだって思うことをすればいいの」
「もっとアドリブでシンデレラをやっていいってこと?」
「そうね。絵里はずっと真面目に王子様やってるじゃない? もっとわがままに、自分の楽しくなるようにアドリブでやればいいの」
「……真姫も結構真面目にシンデレラやってる気がするんだけど」
「私は思いつかないのよ。アドリブが」
「その言い方はずるくなーい?」
「本当だってば! 思いつかないのよ……みんなどうしてあんなにキャラクター作れるのかしら……」
「真姫ってなんでもそつなくこなせるタイプだと思ってたけど……案外違うのね」
「そっくりそのまま絵里に返すわ」
「え? あ……うっ」
「生徒会長なのに」
「わ、私だってアドリブくらいできるんだから! スピーチの内容忘れたときにちゃんと話つなげられるもん……」
「そろそろ眠くなってきたわ。私がソファで寝るから絵里はそっちね」
「……こんな暗い中、私を置いていくの?」
「その声やめなさいよ。ホラーっぽいんだけど」
「だ、だって真っ暗よ? 真姫は怖くないの?」
「絵里って部屋を完全に暗くして寝ないタイプ?」
「うん」
「でも昨日だってみんなと一緒に暗い中寝られたじゃない」
「それは近くにみんながいるからよ! でもソファそっちじゃない。遠いわ……」
「ソファの場所わかるって、それもう暗いのに目が慣れてるってことよね。大丈夫でしょ?」
「全然」
「じゃあとりあえずこの手を離して。私がいるのはわかるでしょ」
「……逃げない?」
「どこによ」
「今日だけ、今日だけでいいから一緒に寝て!」
「もっと言い方があるでしょ」
「……同衾してください」
「なおさらひどくなったわね……こんな暑い中くっついて寝ようって言うの?」
「エアコンつけましょう。エアコン」
「そこまでの暑さじゃないでしょう? くっついたら暑いってだけで」
「じゃあもういっそのこと服を脱げば……」
「ちょっと待って、あそこで何か光ってる」
「えっ、や、やめてよ」
「赤いわね……」
「いやよぉぉ……真姫だけでも逃げてぇ」
「逃げたら怒るじゃない」
「うん……」
「……ん? よく見たらあれ、見たことあるわね」
「見えちゃいけないものなんじゃ……」
「違うでしょ……ってカメラ? カメラじゃないあれ」
「カ、カメの幽霊……?」
「いや、普通のカメラよ。理事長の持ってた」
「……ほんとね」
「何かで光ってるのを隠してたのかしら……って、光ってるってことは……」
「ことは?」
「撮られてる」
「……真姫。私ソファで寝るわ。おやすみ」
「せめて私から離れて強がって」
ここまでです
やっと7日目終わりました
おつかれー
乙
こんな展開を見たかった
>>448-449
ありがとうございます
今日ははやめに更新します
8日目
真姫「……ん」
真姫「朝……」
真姫「……狭い、ってそうね……絵里」
絵里「……」
真姫「……」
希「えりち、綺麗やろ?」
真姫「!?」
真姫「い、いつから……」
希「ついさっきやで」
真姫「……見てたの?」
希「真姫ちゃんがえりちに愛の口づけをしようとするところまでは」
真姫「してないわよ」
希「えりち、黙ってたら綺麗やのにね」
真姫「失礼よ。って言いたいところだけど間違ってないわね……みんなは?」
希「まだ寝てる」
真姫「そう……ん」
希「あ、真姫ちゃん二度寝?」
真姫「違うわよ。絵里が手を放してくれないの」
希「……手、繋いだまま寝てたん?」
真姫「そうだけど……何かおかしかったかしら?」
希「……ウチも隣入っていい?」
真姫「え?」
希「ウチも真姫ちゃんと手、繋ぎたいもん」
真姫「何で今なのよ」
希「いいやんいいやん」
真姫「ちょ、希」
希「えりちだけ2日連続なんてずるいでー」
真姫「2日? 連続? 何の話?」
希「あ、真姫ちゃんの手ってこんなにすべすべやったんや」
真姫「普通でしょ」
希「普通やないよ」
真姫「希の手だって……ん? 今何か足に……」
理事長「来ちゃいました!」
真姫「!?」
理事長「真姫ちゃん……美脚!」
希「理事長……わざわざバレないように伏せたまま来たんやね」
希
絵里「……んん」
真姫「静かにしなさいよ、絵里が起きるでしょ」
希「そうですよ理事長」
理事長「はーい」
真姫「希もでしょ」
希「えへへ」
真姫「起きるから2人ともどきなさい」
希「はいはい」
理事長「やっぱり真姫ちゃんは敬語じゃない方がいいわねぇ」
希「理事長、真姫ちゃんのこと前から知ってるみたいな口ぶりですけど……」
理事長「真姫ちゃんのお母さんとは前から知り合ってたから、小さいころにもあったことあるのよ」
真姫「……あ」
理事長「ふふ、思い出した?」
理事長「私はみんなの分の朝食を作ってきますねー♪」
希「言い逃げやね」
真姫「そうね……って絵里がくっついてくるんだけど」
希「そういうときのえりちは耳元でこうささやくといいよ」
真姫「なんて言うの?」
希「真姫ちゃん耳貸して」
真姫「ええ」
希「えっとな、―――――――――やで」
真姫「……嘘だったら怒るわよ」
希「まあ言ってみてからやで」
真姫「……わかったわよ」
真姫「……こほん」
希「はやくはやく」
真姫「…………希あっち行ってて」
希「ちぇー」
真姫「行ったわね……これも演技……演技よ」
絵里「……ん? 朝……」
真姫「お寝坊さんなマイハニー。早く起きないとあなたのハートに口づけするわ」
絵里「……お、起きました」
真姫「」
希「そろそろえりちが起きる時間帯やし、計画通り……ウチってば策士やね」
にこ「策士は自分のこと策士って言わないでしょ」
希「あ、にこっち早起きー」
にこ「もう7時過ぎよ」
海未「2人とも、おはようございます」
希「あれ? 何で海未ちゃんジャージなん?」
海未「少し走ってきました」
にこ「朝から元気ね……私には無理そう」
海未「日課ですから慣れてます」
希「穂乃果ちゃんとことりちゃんは? 一緒やなかったん?」
海未「パジャマのまま走って追いかけてきたので寝かせておきました」
希「……それ寝てたんとちがう?」
にこ「執念ってレベルじゃないわね」
海未「いつものことです。慣れてます」
にこ「慣れ過ぎよ」
希「朝から1人で行ったん?」
海未「いいえ、今日は凛が一緒についてきてくれました」
にこ「へー、気付かなかったわ。いつの間に抜け出したの?」
海未「朝起きたら凛がいないのに気付いて外に出てみたんですよ」
にこ「そうなの?」
海未「はい。そうしたら凛が海の方を見て、イルカが出たーって」
希「イルカ? こんなところに?」
海未「それがですね……ものすごく沖の方で何かが跳ねたのは見えたんですけど、それがイルカかどうかは……」
にこ「凛の視力はいくつなのよ……」
希「で、その凛ちゃんはどこなん?」
海未「途中でバテてしまったので、スポーツドリンクを渡して外で休憩させています」
にこ「凛がバテる……?」
希「ちなみにどのくらい走ったん?」
海未「4キロくらいですかね。走る環境が違ったのでよく覚えていませんが。それでは、凛の様子を見に行くので」
にこ「……4キロって私何人分?」
希「にこっちがばたばたと倒れていって約2600人分くらいかな」
穂乃果「海未ちゃんがいない」
ことり「あれ? さっきまで海未ちゃんと一緒に海岸で追いかけっこしてたのに……夢だったのかな?」
花陽「……こうじゃなくて」
穂乃果「花陽ちゃん何してるの?」
花陽「あ、穂乃果ちゃんもやってみる?」
ことり「ルービックキューブ?」
花陽「うん、にこちゃんが持ってきててね。私もさっきから頑張ってるんだけど全然そろわなくて……」
穂乃果「よーし、そんなときは穂乃果にお任せあれ!」
花陽「穂乃果ちゃん得意なの?」
穂乃果「……苦手です。でもやればできるよ!」
ことり「穂乃果ちゃんらしいねっ」
穂乃果「1人2面揃えればいんでしょ? 簡単だよ!」
花陽「そ、そうなのかなぁ……?」
穂乃果「じゃあ行くよー」
穂乃果「……こっちがこう回ったらこうでしょ? で、こうなってこう……」
ことり「そこはこうしてこうなんじゃ……」
花陽「ん? そうしたらここがずれない?」
穂乃果「あ、ほんとだ!」
ことり「じゃあこっちをこう回して……」
花陽「あ、でもそれだと3面だよ?」
穂乃果「シールを張り替えれば……」
ことり「それは反則です」
穂乃果「むぅ……」
ことり「あれ? でもこっちをずらせばいいんじゃない?」
穂乃果「おお、なんだかできそうな気がしてきたよ」
花陽「でもこれって、全部で20個しかパーツがないんだよね……そう考えるとすごいなぁ」
穂乃果「あれ? 20個で6面……あれ?」
穂乃果「穂乃果が回してるのは一体なんなの……?」
ことり「穂乃果ちゃんにはまだ早いよ。大切なのは無心……だよ!」
穂乃果「むしん……」
穂乃果「……くるくるくるくる」
花陽「目を閉じてる……」
ことり「……あれ?」
花陽「どうしたの?」
ことり「揃って……きてる?」
花陽「ほ、本当だ! すごいよ!」
穂乃果「もしかしたら何も考えない方ができるのかも……」
花陽「穂乃果ちゃん、すごいなぁ……」
穂乃果「じゃあ花陽ちゃんとことりちゃんにも無心になる方法を教えてあげるー」
ことり「ありがとう」
花陽「が、がんばります」
穂乃果「ではまず、楽しいことを考えます」
花陽「楽しいこと……うん」
ことり「考えたよっ」
穂乃果「それで終わり」
花陽「終わりなの……?」
穂乃果「終わりだよー。じゃあことりちゃんから」
ことり「無心無心……」
花陽「穂乃果ちゃん、バラバラにしないと」
穂乃果「あ、そうだった」
穂乃果「こうしてこうして……」
穂乃果「……はい! できました!」
ことり「あれ? そろってるけど……」
穂乃果「……あれ?」
花陽「穂乃果ちゃん、バラバラにしてもう1回そろえたんだよ?」
穂乃果「……えっ」
にこ「あんたたち何して……って揃ってる!?」
今日はここまでです
乙
>>465
ありがとうございます
遅くなりましたが更新はじめます
穂乃果「見て見て海未ちゃん、そろったの」
海未「はいはい、そんなことよりも帰る準備を……」
海未「……」
海未「よくできましたね、穂乃果」
穂乃果「わーい」
にこ「褒めるようになってるわね」
凛「そうだね」
理事長「帰りも電車ですか……」
花陽「電車、苦手なんですか?」
理事長「そんなことはないの。でもね……電車だとみんなを視界に収められないでしょう? 車ならいいんですけど」
希「車なんて前しか見られない気が……」
理事長「ミラーがほら」
ことり「前見て運転して」
理事長「はい」
絵里「うーん……昨日のおばけのせいで眠れなかったわ」
真姫「そんなの出てないわよ」
絵里「赤い目の……」
真姫「あれはビデオカメラ……って、大丈夫? 足元ふらついてるみたいだけど」
絵里「……何だか今日は真姫が優しい」
真姫「何よ、いつもは優しくないみたいな言い方じゃない」
絵里「ううん。今日はもっと優しい」
真姫「……複雑」
ことり「はぁ……楽しかったねぇ」
花陽「うんっ」
凛「海で遊んだり肝試ししたり……」
絵里「一緒にご飯作ったりね」
理事長「まくら投げも、見ているだけで楽しかったですよ」
海未「……」
穂乃果「海未ちゃんどうしたの?」
ことり「不満そうなお顔だけど……」
海未「1つ聞いてもいいですか?」
にこ「?」
海未「……みんなはこの合宿でいったい何を学んだんですか?」
穂乃果「ルービックキューブ!」
ことり「よく眠れる眠り方かなぁ」
凛「掃除の大切さにゃ」
にこ「騎馬戦で上に乗る時のバランス感覚」
真姫「おにぎりの握り方」
絵里「おそばずるずる」
理事長「隠し撮り」
花陽「に、にっこにっこにー! ……だけです」
希「つまり……」
海未「誰1人として演劇のことを学んでませんね……」
穂乃果「私たちらしい気もするけどね!」
海未「自信満々に言うことじゃありません」
にこ「そういえば帰りはどう座るの?」
希「10人やから、4・4・2で分ければちょうどいいやん」
凛「そんなこともあろうかと!」
絵里「あろうかと?」
凛「……そ、そんなに期待されてもあみだくじくらいしか出ないよ?」
真姫「それで十分よ」
凛「じゃあみんな名前書いてー」
花陽「あれ? でもこれ、線が……」
ことり「9本……?」
凛「だって凛は書いちゃったから答えがわかるもん。凛は余ったところでいいよ」
穂乃果「か、かしこい……」
海未「それ、いつ書いていたんですか?」
凛「朝かなぁ。イルカさん見てたら思いついたの」
にこ「こんなの書いて、頭使いすぎたからバテたんじゃないの?」
凛「……な、なるほど!」
にこ「そこは否定しなさいよ……」
希「理事長、帰りの電車一緒なんですか?」
理事長「そこはぬかりなく」
真姫「ついてくる気満々だったってわけね……」
穂乃果「あれ? そういえばお土産って買ったっけ?」
凛「あ」
絵里「あー!」
海未「そんなことを言うだろうと思って、私と花陽であらかじめそろえておきましたよ」
花陽「お菓子ばっかりだけどいいかなぁ?」
凛「大丈夫だよ! 凛は何でもたべるにゃー」
ことり「凛ちゃんお土産だよ?」
凛「ということは……食べられないの?」
花陽「ふふ、それならみんなに私からお土産だよぉ」
凛「……天使様がここに」
にこ「……そうね」
海未「2人とも……」
穂乃果「う、海未ちゃん! 心配しないで!」
海未「え?」
ことり「私たちの中での天使は海未ちゃんだけだからっ!」
理事長「うんうん」
海未「……」
希「海未ちゃん、ストレス社会に生きるあなたへコレをプレゼントしたげるよ」
海未「……チョコですか?」
絵里「あー、それはミルクチョコって書いてるけど甘さはホワイトに近いわ。苦いのが好きならブラックにする? 私持ってるけど」
花陽「ええっ!? 持ってるの!?」
絵里「うん」
海未「いったいどこからそんなにたくさん……」
真姫「チョコレートに関してだけは頼りになるわね」
絵里「ふふん、もっと頼りなさーい」
希「えりち、チョコの話になるとものすごいプレゼンしてくれるで」
にこ「あー……原材料の話とかしてたわね」
穂乃果「そのうち絢瀬チョコレートって会社ができるかもね」
真姫「ロシア語でチョコレートってなんて言うの?」
絵里「шоколад」
にこ「!?」
ことり「サカ? ……シャカ?」
理事長「あみだくじ、どこに名前書きます?」
花陽「私はいつも端っこの方です。こことか……」
理事長「それでは小泉さんの隣に失礼しますねー」
花陽「いいですよぉ」
希「花陽ちゃん、なつかれてるなぁ」
凛「その気持ち、なんとなくわかるにゃー」
凛「じゃあいくよ……運命の……運命の……!」
にこ「抽選結果?」
凛「それにゃ! 運命のちゅうしぇんかっか」
絵里「噛んだわ」
穂乃果「噛んだね」
凛「ちゅうせんけっか!」
ことり「言えたね」
理事長「うん」
凛「ふふん」
凛「じゃあ最初はかよちんから……」
花陽「き、緊張するね……」
凛「かよちんは……3番目です!」
ことり「凛ちゃん、3番目って何?」
凛「えっとねー、好きな席を選べる順番だよ」
絵里「……それじゃ、凛はどこへ座る気なの?」
凛「え? 凛は空いたところに座るんだよ?」
花陽「凛ちゃんどこでもいいの?」
凛「凛はどこでも大歓迎だよー」
理事長「では私の膝の上は!」
凛「凛、膝の上に座るのはかよちんだけなの。浮気はできないにゃ」
理事長「くっ……残念です」
花陽「……座られたことあったかなぁ?」
真姫「じゃあこの調子でじゃんじゃん公開していくわよ」
凛「真姫ちゃーん、司会進行は凛のしーごーとー」
真姫「わかった、わかったから抱き着かないで」
凛「そんな! 愛は偽りだったの!?」
真姫「……私今シンデレラじゃないの」
穂乃果「おお……」
希「真姫ちゃん、仕事とプライベートはわけるタイプみたいやん」
真姫「別にそんなことじゃないわよ。時間もあんまりないから早くしなさいよね」
凛「はーい」
花陽「あれ? そういえば海未ちゃんは?」
海未「呼びましたか?」
にこ「あ、いた。名前書いた後、さっきまでどこ行ってたの?」
海未「少し忘れ物を取りに行っていました」
にこ「忘れ物?」
穂乃果「穂乃果はすぐわかるよ!」
ことり「私もー♪」
理事長「私もわかりますよ」
絵里「海未の忘れ物……何かヒントは?」
海未「そういうものではありませんけど……」
穂乃果「ヒントはね……そうだ、希ちゃんだけかなぁ? 今持ってるの」
希「ウチだけ?」
真姫「食べ物じゃないわよね」
ことり「違うよぉ」
海未「当たっているであろうことが悔しいです」
花陽「タロットかな?」
理事長「残念、違います」
凛「か、カバン!」
穂乃果「それは誰でも持ってるよー」
絵里「案外無難に……着替え!」
海未「希以外は着替えを持ってきていない、と?」
凛「乙女心にゃー!」
希「う、海未ちゃん乙女心置いてきたん?」
海未「希以外は持っていない、と?」
にこ「あー、じゃあシュシュ?」
穂乃果「ファイナルアンサー?」
にこ「ファイナルアンサー」
穂乃果「さてここで一旦CMです」
にこ「そこまで再現しなくていいわよ」
海未「まあ隠す必要もありませんし……はい、にこの答えが正解ですよ」
絵里「海未もシュシュつけるのね」
海未「まあ気分転換にと思いまして」
真姫「舞台で使うの?」
海未「あぁ、別にそう思って買ったわけでは……」
穂乃果「ダメだよ真姫ちゃん」
海未「え?」
真姫「何でよ」
ことり「海未ちゃんのポニーテール姿に悩殺されちゃうお客さんが出てくるからだよ……」
理事長「死人が出ます」
にこ「物騒すぎるわよ!」
希「……っと、そんなこと言ってる間にそろそろ時間やね。凛ちゃん、歩きながら抽選結果発表してもらっていい?」
凛「いいよ。じゃあ絵里ちゃんドラムロールやって」
絵里「え、何で私……」
凛「……」
真姫「期待されてるみたいね」
絵里「私、ボイスパーカッション専門とかじゃないんだけど……」
凛「続いて理事長は……」
にこ「ほら、ドラムロール」
絵里「どろろろろ」
真姫「……」
海未「……?」
絵里「真面目なんだけど……」
おわりです
早くも1か月ですね
おつ
長い間放置してすみません
更新は明日の夜になります
待ってる
ここの真姫ちゃん頼りになるけど寂しがりやなのがかわいすぎる
海未「結局こうなりましたか」
穂乃果「えへへー、海未ちゃんと一緒だー」
ことり「向かい合いながら見る海未ちゃんも素敵だよっ」
理事長「そうね。このナナメから見ても光の加減で……」
海未「写真はNGです」
ことり「模写は?」
海未「模写!?」
理事長「こう見えても私、美術の成績はよかったんですよ」
海未「こう見えてもって一体……というかどこからそんなスケッチブックを……」
絵里「ああ、それ実は私のなの」
穂乃果「絵里ちゃんの?」
絵里「そうよ。インスピレーションが湧いたら何か描けたりするのかなーと思ったんだけど……」
真姫「みんなと遊んでて忘れたのね」
絵里「……あたり」
海未「絵里らしいというかなんというか……」
理事長「海未ちゃん動いちゃダメよ!」
海未「は、はいっ!」
ことり「穂乃果ちゃんもそのままねー」
穂乃果「はーい」
真姫「何で2冊も?」
絵里「文房具屋さんでとった時に重なってたみたいで」
真姫「そんなところだろうと思ったわ」
絵里「お見通しなのね……むむむ」
真姫「ていうかまた絵里と隣になったわね」
絵里「あら? 嫌なの?」
真姫「……」
絵里「えっ、あ……」
真姫「ちょ、嫌じゃないってば! 今のはくしゃみをこらえてただけよ」
凛「あー、凛知ってる! 真姫ちゃんのくしゃみはかわいいんだよぉ」
花陽「そうなの?」
凛「うんっ!」
真姫「かわいいって何よ」
にこ「アイドルらしくていいじゃない」
絵里「そ、そうよね。よかったわ、よかった……」
真姫「……」
希「真姫ちゃん、えりちいじめたくなるやろ?」
真姫「だ、誰がそんなこと……!」
希「カードは正直やで」
真姫「……」
希「目そらした」
真姫「カマかけたわね」
希「正直なのは真姫ちゃんの方やったね」
真姫「待ってなさい希、今このキャラメルをありったけ詰め込んであげる」
希「!?」
絵里「真姫やめてー! それ殺人予告と変わりないわ!」
真姫「でもこのままにはしておけないわ」
絵里「そんなときにはほら、飲み物でも買いに行きましょう?」
真姫「え? この電車そんなのなかった気が……」
絵里「いいから早く早く」
希「……つ、次は凛ちゃんの番やで。ウチのから引いて……ぐふっ」
花陽「の、希ちゃん大丈夫?」
希「ウチは覚悟を決めんとダメみたいやから……」
花陽「何かいいものは……あ、お菓子でいいなら焼肉味っていうのが……」
希「よし、ウチと結婚しよう」
花陽「ええっ!? で、でもそういうのはやっぱりご両親にあいさつがいるからすぐには……」
にこ「花陽、あんた何か根本的に間違ってる」
花陽「え?」
凛「片方がジョーカーなんだよね、片方が……」
にこ「早く引きなさいよ。どっち選んだって一緒よ一緒」
凛「そんなわけないでしょー? じゃあにこちゃんも考えてよぉ」
にこ「たかがババ抜きで真剣になるじゃないわよ」
凛「1番に抜けたからって偉そうにゃ」
花陽「でもすごく早かったよねぇ。すごいなぁ」
にこ「ふふん、にこくらいになるとカードにだって愛されちゃうのよ」
希「じゃあジョーカーにも愛されるにこっちなら、すぐにどっちか当てれるんと違う?」
にこ「と、当然じゃない!」
希「ウチには今、花陽ちゃんというつよーい味方がついてるから、そんな簡単には当てられないと思うけどー」
にこ「どういう意味?」
希「……1枚はウチが、そしてもう1枚は……」
花陽「え? わ、私が持つの?」
凛「そ、そんな……」
にこ「どうしたのよ」
凛「かよちんがとられたぁぁあぁ!」
にこ「痛い痛い! もうちょっと手加減して抱き着きなさいよ」
凛「それじゃあ……こう?」
にこ「……何で真面目にやってるの?」
凛「え? 違うの?」
希「早くしないと時間切れやでー」
にこ「ほら、ちゃっちゃと選ぶわよ、凛」
凛「わかったよ、にこちゃん。今凛たちは一心同体だから絶対当てるにゃー!」
希「抱き合いながら言われると説得力あるなぁ」
花陽「そうだねぇ」
にこ「ジョーカーは希、あんたよ!」
希「ウチは違うでー」
凛「あ、あれ? にこちゃん違うって……」
にこ「またどうせハッタリよ!」
希「……そうやろか」
にこ「……やっぱり花陽で」
凛「にこちゃん!?」
にこ「ジョーカーは希、あんたよ!」
希「ウチは違うでー」
凛「あ、あれ? にこちゃん違うって……」
にこ「またどうせハッタリよ!」
希「……そうやろか」
にこ「……やっぱり花陽で」
凛「にこちゃん!?」
海未「ま、まだでしょうか」
ことり「もういいよー」
海未「終わりましたか……」
理事長「次は胸の前でポーズをとってー……」
海未「やりません」
理事長「海未ちゃんいじわるですね」
海未「なんと言われてもやりませんから」
絵里「ほらみんな、飲み物買ってきたわよー」
真姫「まさか本当にあるとは……」
凛「わー! いっぱいあるー!」
真姫「とりあえず一通りそろえてきたけど、何がいい?」
海未「私はこの梅こぶ茶で……」
凛「凛は……オレンジジュースにする!」
にこ「私はいちごミルクにするわ」
真姫「あ、忘れてたけど希の分はちゃんと選んできたから」
希「え? 真姫ちゃんウチの子のみわかってるん? なんかうれしい……」
真姫「キャラメルマキアート」
希「泣くで!」
理事長「キャラメル真姫アート……」
ことり「お母さん」
理事長「つ、つい出来心で!」
穂乃果「はー、長かった合宿もこれで終わりかぁ」
花陽「ちょっとさびしいかも」
希「うんうん、ウチにはキャラメルの苦い思い出しか残ってないけど」
真姫「結局半分飲んであげたでしょ?」
希「ウチに半分飲ませたやん」
真姫「うるさいわね。私だって結局みかんジュース飲まされたじゃない」
凛「だって真姫ちゃん、自分の分は最後でいいからって言って……残ったそれだけだったもんね」
真姫「迂闊だったわ」
海未「はいはい。それでは今日は家に帰って、明日に備えてきちんと休養を……」
穂乃果「絵里ちゃん、今日はどこか遊びに行く?」
絵里「希ー、何か予定あったっけ?」
希「ううん、仕事は全部片づけてたし大丈夫やで」
絵里「……ってことよ」
穂乃果「やったー!」
凛「今日は日が暮れるまで遊ぶにゃー!」
海未「ちょっと私の話を……」
ことり「海未ちゃんも行くよね?」
海未「……はぁ、わかりましたよ」
真姫「海未って意外と甘いのね」
海未「あなたも絵里に甘いでしょう」
真姫「……否定はしないわ」
希「ウチにもその優しさ分けて?」
真姫「なら、なんて言って優しくしてほしい?」
希「え? それはやなぁ……やっぱり無難に愛してるとか!」
真姫「アイシテル」
希「せめてウチの目を見て……」
真姫「アイシテル」
希「ウチの向こうにいるえりち見てるやろ」
真姫「希、好きよ」
希「くはっ……」
希「……こんなにちょろい自分が嫌や」
真姫「演技だと思えば案外なんとかなるものね」
希「ひどい! ウチの心を弄んだん!?」
真姫「こんな人がいっぱいいるところで修羅場の真似事やるつもりはないわよ」
希「えー」
真姫「ま、8割くらいは本気よ」
希「…………え? それってどっちの……?」
真姫「ね、絵里」
絵里「そうね」
希「ま、真姫ちゃんの言葉の意味がわからない……こんなときこそカードや!」
にこ「希、それタロットじゃなくてトランプだから」
希「はっ」
穂乃果「仲良しだねぇ」
凛「うんうん」
絵里「そういえば真姫って、休日は何してるの?」
真姫「特に大したことはしてないわよ。勉強したりするくらいで……って何よその顔」
穂乃果「お、お勉強してるの……?」
凛「休日だよ? 授業がないんだよ?」
真姫「だからこその復習じゃない」
花陽「……すごいね」
ことり「うん……」
真姫「普通するでしょ?」
希「ウチはそこそこかなぁ……」
にこ「やらないわよ」
海未「私もやっていますが……何かおかしいでしょうか?」
真姫「絵里は?」
絵里「……最近チョコマシュマロがブームなの」
真姫「やってないのね……」
理事長「では、理事長はこれにて失礼しますね」
凛「あれ? 理事長ついてきてくれないの?」
理事長「はい、お誘いはありがたいのですが……この合宿で撮りためたビデオの編集をですね」
花陽「そんなに撮ってましたっけ?」
理事長「実はあの別荘には隠しカメラがありまして」
にこ「と、盗撮!?」
理事長「そんな野暮なことはしませんよ。使うのはリビングに設置されたものだけです」
希「そういえばリビングって確か……」
絵里「真姫と私が寝てたところよね……?」
真姫「あんなわかりやすいのが隠しカメラって……」
理事長「ではまた明日、楽しみにしていますよ!」
絵里「逃げた!」
凛「あ、あの無駄のない走り……凛よりもずっと速いにゃ!」
穂乃果「それじゃ9人で遊ぼっか」
海未「そうですね」
にこ「何でそんなに冷静なのよ」
穂乃果「いつものことだよ?」
海未「慣れました」
花陽「あはは……」
ここまでです
今度からはついにシンデレラ後編です
乙
後編楽しみだ
最近の楽しみやで
>>508-509
そう言ってもらえるとうれしいです
短いですが更新はじめます
9日目
海未「す、すごい人ですね……」
ことり「なんでも面白いって評判になってるらしいよ?」
凛「そう言われるとうれしいにゃー」
にこ「前編は結構ウケてたみたいだし、後編もばっちり観客のハートをつかむわよ!」
希「にこっちなんか部長みたい」
にこ「部長よ!」
穂乃果「えっ」
にこ「えっ、その反応にはショックなんだけど」
絵里「あれ? にこってマスコットじゃ……」
にこ「ポンコツ生徒会長は黙ってなさい」
絵里「ぐはっ」
花陽「……」
凛「あ、かよちん。どのくらい人いたか見えた?」
花陽「た、たすけてぇ…………」
凛「満席よりも多いみたい。立ち見の人もいるよ、って」
海未「なぜわかるんですか」
真姫「はいはい、今更緊張したって仕方ないわよ」
絵里「真姫は何で緊張してないの?」
真姫「舞台上の私はシンデレラなのよ」
希「プロっぽーい」
真姫「……ああ、何度考えても恥ずかしわね」
穂乃果「真姫ちゃんかわいい」
ことり「かわいい」
真姫「あんたたちの方が気楽そうじゃない……」
穂乃果「穂乃果たちだって緊張するよぉ」
ことり「そうだよっ、だって海未ちゃんを間近で見られるまたとない機会だから……」
海未「2人ともしょっちゅう抱き着いてくるじゃないですか」
穂乃果「それとはまた別で……ね?」
海未「ね、って言われましても」
ことり「触れられる距離なのに触れちゃいけない……それが、ね?」
海未「ね、って……」
希「じゃあさりげなくウチは真姫ちゃんに抱き着いてみよかな」
真姫「何でよ」
希「だって……お姉ちゃんやし?」
穂乃果「お姉ちゃんになれば……」
ことり「合法的に海未ちゃんに甘えられる!」
にこ「海未、何とかしなさい。あんたの幼馴染でしょ」
海未「お手上げです」
花陽「……で、でもみんな、私たちの舞台を見に来てくれたんだよね……」
凛「そうだよ! かよちんの晴れ姿をいーっぱい見てもらうの!」
花陽「……緊張してきたぁ」
絵里「そうね……何かいい方法はないかしら」
希「お客さんみんなをごはんやと思ってみたら?」
凛「それはダメだよー」
希「どうして?」
凛「かよちんが観客席に飛び込んでいっちゃうからにゃ」
にこ「パフォーマンスとしてはアリね」
花陽「そ、そんなことしないよぉ!」
ことり「あ、あんなところに炊き立てごはんが!」
花陽「どこっ!?」
にこ「……将来有望ね」
真姫「じゃあ気合入れていくわよー」
希「えー、それだけー?」
真姫「他に何かいるの?」
海未「前回みたいにみんなで円陣を組んでみてはどうでしょう」
真姫「……海未ってそういうのやりたがりだったりする?」
海未「……いえ、別に」
凛「海未ちゃん嘘つくのへたー」
海未「むぅ……」
にこ「じゃあ私たちだけで円陣組んじゃいましょう」
真姫「え、ちょっと……」
穂乃果「あ、そういうことだね」
真姫「私も……もういいわよ」
絵里「よーし、円陣組み終わったわね」
真姫「……え? 何で私の周りに……」
希「真姫ちゃんこういうの苦手なんやろ?」
花陽「これならいいよね?」
真姫「……そ」
絵里「あ、真姫笑った」
真姫「笑ってない」
希「えりち、そこで笑顔笑顔」
絵里「うふふ」
真姫「……」
凛「今笑ったにゃー!」
真姫「ち、違うわよ! 今のはその……絵里の顔が面白かっただけ!」
絵里「ぐふっ」
ことり「え、絵里ちゃん!?」
理事長「ちょっと待ってください!」
希「あれ? 理事長、何でこんなところに……」
絵里「ああ、理事長は私が呼んだのよ」
穂乃果「何かの役? カボチャの馬車役?」
理事長「……真姫ちゃんに乗ってもらえるわけですか……それも捨てがたい」
真姫「……」
にこ「真姫ちゃん、一応理事長よ……そんな顔しない」
真姫「絵里の顔が面白いだけよ」
絵里「もうやだ……って理事長、そうじゃなくて」
理事長「はいはい、わかってますよ」
ことり「お母さんに何かするの?」
理事長「それは舞台が始まってからのお楽しみです。では私も円陣に入れてください」
穂乃果「ここ空いてますよー」
理事長「わーい」
花陽「楽しそうだね」
海未「そうですね」
凛「じゃあ真姫ちゃん、一言お願い!」
真姫「また私なの?」
絵里「真ん中だし」
真姫「ずいぶん安直ね……はぁ、まあいいわ」
にこ「やけに素直じゃない。どうしたの?」
真姫「別に大したことはしてないわ」
穂乃果「あ、それって着替える途中に読んでた紙と何か関係ある?」
真姫「……」
ことり「穂乃果ちゃん、そういうのは内緒にしないと」
穂乃果「あっ、じゃあみんな聞かなかったことにして!」
希「さあ、何の話やったっけなぁ」
にこ「にこ知らなーい」
花陽「私もわからないかなぁ」
凛「凛もなんにも聞いてないよ」
海未「私も聞いていませんね」
ことり「私もだよっ」
穂乃果「穂乃果も聞いてませーん」
理事長「私も聞き逃してしまいました」
絵里「……あ、わ、私も知らないわよ」
真姫「絵里は今、普通にぼーっとしてたわよね」
絵里「ごめんなさい……」
にこ「それでいいのよ」
希「うんうん、結果オーライってやつやで」
理事長「では真姫ちゃん、どうぞ」
真姫「……はぁ」
真姫「私から言うのは3つだけよ」
「楽しんで、楽しませて……全力を出し切りましょう!」
穂乃果「……いいね」
ことり「μ's格言集とかに載せたいね……」
真姫「や、やめてよ恥ずかしい」
絵里「真姫、目元にちょっとクマが……」
真姫「えっ、昨日は1時には寝たのに……」
花陽「まさか真姫ちゃん、このフレーズ遅くまで考えてたの?」
真姫「ち、違うってば!」
真姫「ただ私はみんなと舞台を成功させたいだけよ……あ、今のナシ!」
希「真姫ちゃん……」
凛「……どうしようかよちん。今真姫ちゃんが可愛くてたまらないにゃ」
花陽「仕方ないよ……真姫ちゃんだもん」
真姫「何なのよもう……」
海未「それでは行きましょうか。楽しんで」
にこ「そうね。楽しませて」
絵里「全力を出し切るわよー!」
真姫「ああもう……」
にこ「あれれー? 真姫ちゃんお顔がトマトみたいに真っ赤ー」
真姫「うるさいわね」
理事長「これがμ'sの知られざる舞台裏であった……」
海未「ビデオカメラ!?」
凛「おお、撮られてたなんて気付かなかったにゃ」
真姫「えっ、どこからカメラなんか……」
理事長「ふふ、乙女の必需品ですよ。ではっ!」
今日はここまでです
本編まで行きませんでした
おつかれー
>>525
ありがとうございます
こんなこと→希「今日はウチの誕生日やね」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402325122/)(希誕生日ss)やってたせいで遅くなりましたが、今から更新です
理事長「レディースエーンレディース! このたび司会進行は私、音乃木坂学院理事長がお送りいたします」
にこ「ええっ、お客さんかなり笑ってるわよ!?」
海未「というかナレーションをやるんですね」
絵里「そうよ。この前の合宿で頼んでおいたの」
希「えりちいつの間に……」
穂乃果「これじゃあ穂乃果たちの劇よりも面白くなっちゃうかもしれないよ」
凛「最大の敵は味方……ってことなのかな」
真姫「何真理めいたこと言ってるのよ。早く行きましょう。舞台が私たちを待ってるわ」
希「なんかそれかっこいいやん……」
ことり「私たちを待ってくれてるんだぁ……」
花陽「真姫ちゃん、詩的だね」
絵里「にこおそーい、私たちのシーンから始まるのよ?」
にこ「あはは、グダグダ……」
前回までのシンデレラ! デェン!
母や姉から溺愛されていたシンデレラ
そこへ王子が伴侶を見つけるためにライブを開くことに!
そんな時、シンデレラを狙う魔法使いが2人も登場!
この先どうなっちゃうの!?
花陽「こ、このBGMってどこかで……」
希「舞台の幕、そろそろ上がるんと違う?」
にこ「よーし、今日も張り切って行くわよ!」
絵里「まずは私たちからね……」
にこ「アドリブといえど、この辺は打ち合わせしないといけないからねぇ」
絵里「ねぇ」
にこ「何?」
絵里「……にこ、これから私がどんな演技してもついてきてくれる?」
にこ「にこにーはアイドルだから、頼まれたことはやってあげるわ」
絵里「……自分らしく、よね?」
にこ「なるほどね……いいわ、思う存分楽しむわよ」
絵里「わかったわ大臣」
にこ「大臣じゃないわよ。舞台上でもにこにーと呼びなさい」
絵里「わかったわ」
にこ「ちょ、今のは冗談……って幕上がり始めた!」
絵里「にこにー、早速ライブの準備をしましょう!」
にこ「か、かしこまりましたー!」
おやおや、どうやら王子様と大臣は仲良くなっていたようですね
ライブの準備は順調に進んでいきました
しかしここでとある問題が起こったのです
希「展開早いなぁ」
穂乃果「1時間でってなるとやっぱりこうなっちゃうのかなぁ」
絵里「ああ、大変よ。ライブの準備で大変な事件が起きたわ」
にこ「それは一体どんなことでしょう」
絵里「私と一緒に踊る相手がいないの!」
にこ「それを探すためにライブやるって言ったんでしょうが」
凛「おお、絵里ちゃんの名演技がウケてる」
海未「あれは素なのでは……」
ことり「っていうか絵里ちゃん、王子様の演技してないよね?」
そういえば王子様、どことなくしゃべり方が変ですね
まるでお姫様みたいじゃありませんか?
絵里「ああそうそう、伝え忘れていたけれど私は王子のフリをした王女だったのよ!」
にこ「で、では伴侶を見つけるというのはどうされるおつもりで!」
絵里「ただ私は美しい女の子と踊ってみたいだけ……あと同年代のお友達がほしいの」
にこ「ええっ!?」
花陽「し、知らなかった!」
真姫「まさかの急展開ね……」
穂乃果「ナレーションと会話……なるほど、その手があった……」
短いですが今日はここまでです
おつチカ
>>535
ありがとうございます
遅くなりましたが更新します
絵里「お友達よお友達! 小さいころから牢獄のようなお城の中にとらわれて、まるで籠の鳥みたいに与えられる餌だけついばんで……」
希「あれ? なんか急に劇っぽくなってきたというか……」
海未「言い回しがそれっぽくなってきましたね」
絵里「今ではもう18歳。もう大人と認められてもいいころなのに私はずっと、こうして檻の中で誰かが来るのを待ってる」
絵里「そんなのにはもううんざりなの! 私だって自分の意志があるんだから……もう私は自分の力で立って行ける!」
真姫「!」
凛「真姫ちゃんどうしたの?」
真姫「……なんでもないわ。絵里、演技上手いと思ってね」
穂乃果「……?」
にこ「わかりました王子……じゃなくて王女」
にこ「このにこ大臣が必ずやライブを成功させて見せましょう」
絵里「えー、舞踏会がいいわ。歌うのは大変だもの」
にこ「さっきの意志の強さは何だったのよ!」
花陽「あはは、肝心なところは絵里ちゃんらしいね」
ことり「そうだねぇ」
海未「あ、照明が消え始めましたよ」
凛「じゃあ早速移動開始にゃー」
希「そうやね」
さてさて話は変わりまして、王子様が王女様だと大胆なカミングアウトをした一方で、シンデレラたちの方は一体どうなっているのでしょうか?
現場の光の魔法使いさーん!
穂乃果「はーい! こちら現場のシンデレラのおうちです!」
真姫「……一体誰と話してるの?」
海未「シンデレラ! それは聞いてはなりません!」
穂乃果「言うなれば……神だよ!」
ことり「私たちにしか聞こえない神のお告げだよ」
花陽「か、かみさま?」
絵里「神様だったのね」
にこ「まさか本気で信じてないでしょうね」
絵里「……?」
にこ「その反応が一番心配なのよ」
海未「そんな非科学的なもの、信じられませんけど……」
凛「うんうん。凛は魔法使いじゃないから聞こえないにゃー」
花陽「あれ? じゃあ何なの?」
凛「ついさっき闇の魔法使い様に人間にされた野良猫です」
ことり「かわいかったからつい……」
希「な、なんて見境のない……」
ことり「健康に生きるコツはときどき我慢をしないことです」
海未「魔法使いなのに人間らしいですね」
にこ「なんかこうやって笑い声が聞こえてくると、海外のホームドラマみたいよね」
絵里「そうねぇ……ライブ中もこんな風にやった方がいいのかしら」
にこ「それトークショーになるからダメよ」
希「そんなことより、シンデレラが欲しいって言ってたけどあれはどうなん?」
ことり「そうそう! 私たちは美しいシンデレラを求めて……」
穂乃果「私はそっちのお母さんの方に興味が……」
海未「えっ」
花陽「シンデレラじゃなくて?」
穂乃果「うんうん。だってこんなに美しいシンデレラのお母さんなんだから……」
ことり「そ、それはずるいよぉ! 私だってお母様の方が……」
海未「ちょ、ちょっと2人とも、話の主旨が……」
絵里「歓声が聞こえるわね」
あらあら、うらやましいですね
是非とも私も神の座を捨てて混ざりたいです
にこ「さりげなくナレーションが爆弾発言したわよ」
真姫「そ、それより私はライブへ行きたいの!」
穂乃果「え?」
ことり「そうなの?」
希「おお、シンデレラがいつになくやる気やん」
真姫「私は王子様を一目見て見たいんです。どんな人かだけでもお目にかかりたい……」
花陽「うーん、でもシンデレラが来ているドレス以上の豪華な服はおうちにないよ?」
凛「それは大変にゃ!」
海未「……あ、いいことを思いつきました」
希「いいこと?」
花陽「何か策があるんですか?」
真姫「私がライブへ行ける策が?」
海未「ええ、ですがこれは私の身を犠牲にせねばなりません」
穂乃果「だ、ダメだよ犠牲になんかなっちゃ!」
ことり「そうだよ! 私たちができることなら何でもするから……」
海未「……言いましたね!」
穂乃果「え」
ことり「な、何が?」
海未「なんでもすると言いましたね! さあ、私の為に何でもしてください!」
ことり「そ、そんなぁ……」
穂乃果「しまった!」
真姫「こ、これがお母様の策……」
希「ウチには到底考えもつかなかった名案……」
花陽「すごい……魔法使い2人を手玉に……」
絵里「さすがね海未。穂乃果たちが次になんていうかわかってたのかしら」
にこ「そうでしょうね……おいしいところ持っていくじゃないの」
海未「それでは2人にはこれから最高のドレスを仕立ててもらいます」
穂乃果「お母様の為なら……」
ことり「やらせていただきますお母様……」
海未「……お母様って呼びたいだけじゃないんですか?」
凛「じゃあ凛は退散させてもらってー……」
海未「待ちなさい!」
凛「は、はいっ!」
海未「どうやらあなたもうちの娘をたぶらかしたようで……」
凛「た、たぶらかしてなんか……」
海未「ええい問答無用です! あなたにも手伝ってもらいますよ」
凛「うわーん! 人間にならなきゃよかったにゃー!」
希「母は強し、ってやつかなぁ」
花陽「本当だねぇ」
真姫「お母様ノリノリ……」
こうして魔法使い2人を馬車馬の如く扱ったことにより、シンデレラのドレスはすぐに完成しました。
海未「そ、そんなにひどくは……」
あら、訂正しますね
こうして魔法使い2人を時には厳しく、時には優しく、まるでわが子のように温かくもてなしたおかげで……
穂乃果「……いいね」
ことり「うん、一生ここに住みたい」
海未「……」
希「新しいお仲間が増えたみたいやね」
真姫「それよりドレスはできたのかしら?」
穂乃果「ああ、もちろんでございます!」
絵里「いきなり低姿勢になったわね」
にこ「ウケてるからいいのよ」
絵里「……そろそろ真面目に芸人志望?」
にこ「うっさい」
ことり「魔法使いの名に恥じぬよう上質なものを4着……」
花陽「あれ? どうして4着も?」
穂乃果「ご家族みなさんの分も用意させていただきました!」
希「あら、うれしいなぁ」
真姫「頼んでないのに……わざわざありがとう」
ことり「いえいえ、お母様の笑顔を見るだけで疲れなんて吹き飛びます」
凛「凛はごはんが食べたいにゃー」
花陽「あ、待っててね。今用意するから……」
真姫「というかそんなに服をたくさん作れるのなら、2人ともライブへ来ればいいのに」
穂乃果「……え?」
ことり「何で私たちを誘うの?」
真姫「ライブの日にお留守番させておくのはかわいそうでしょう?」
穂乃果「うれしいけどそれはお断りさせて……」
希「お母様のドレス姿、見放題やのに……もったいないなぁ」
穂乃果「行きます!」
ことり「ドレス追加で作り終えました!」
海未「変わり身早い!」
花陽「あ、あのぉ……」
希「ん? どうしたん?」
花陽「よかったらこの子のドレスも作ってあげてくれませんか?」
凛「え? 凛の?」
花陽「うん。前は猫ちゃんでも、今は人間だから……お願いします!」
ことり「うん、わかったよっ」
穂乃果「そうだね。もとはと言えば魔法で人間になっちゃったんだし、ちゃんと責任とらないとね」
花陽「ありがとうございます!」
凛「う、うれしいにゃ!」
にこ「意地悪な義姉という設定はどこへやら」
絵里「まあμ'sらしくていいんじゃない?」
今日はここまでです
乙
おつですー
ほのことの海未ちゃんスキーが面白い
>>552-553
ありがとうございます
更新はじめます
絵里「あ、照明が落ちてきた」
にこ「完全には暗くなってないから出番ってわけじゃなさそうね」
そしてライブ当日まであと3日
ところがなんと、魔法使いたちはダンスを知らないことが発覚!
シンデレラたちは慌ててダンスを教えることになったのです
穂乃果「ダンスって……何?」
希「ええっ!? 知らんの!?」
ことり「うん」
凛「凛は見たことあるよー。でも踊ったことはないにゃー」
穂乃果「ダンスって踊ることなんだね」
花陽「本当に知らないんだぁ……」
真姫「ダンスを知らないとライブには出られないわ……どうしましょう」
希「……そうや! みんなでダンス教えたらいいやん?」
海未「そうですね。何も知らないよりはうまくできるようになるでしょう」
花陽「うん、あと3日しかないけど、何もしないよりいいよねっ」
穂乃果「じゃあ誰かお手本を見せて!」
にこ「アピールタイムね」
絵里「その捉え方はどうなの?」
花陽「お、お手本?」
凛「うんうん、1回見たら何かつかめるかも!」
海未「でしたら……」
真姫「そうね」
希「え? 何でウチ見るん?」
花陽「ダンスがうまいから……」
希「ああ、そういうことね。じゃあウチにまっかせなさーい!」
希「……この家に代々伝わるワイン舞踊を見せたげる」
海未「そんなものは存在しません」
希「えー、ウチ先代様から教わったよ」
海未「先代様? いつですか?」
希「昨日夜中に会ったよ。ちょっと透けてたけどなぁ」
花陽「そ、それって……」
真姫「幽霊?」
希「ふふん、スピリチュアルやろ?」
凛「へぇー、見てみたいにゃー」
希「それじゃ、ミュージックスタート!」
わかりました! ……ポチっとな
にこ「これは……No brand girlsね」
絵里「私も踊れるわ!」
にこ「知ってるわよ」
希「ここでトントントンって……」
凛「ふんふん」
希「それでこっちに移動して」
穂乃果「おお!」
希「次にこうステップをー……」
ことり「す、すごい!」
花陽「……って、あれ?」
凛「お、踊れるにゃー!」
海未「なぜ踊れて……」
穂乃果「体が勝手に……」
希「じゃあみんなも一緒に!」
花陽「は、はいっ!」
海未「ライブ前にダンスが来るとは……」
真姫「…………ま、いいわよね」
絵里「……」
にこ「絵里、踊らなくても……」
絵里「私もみんなと踊りたいです……」
にこ「穂乃果あたりが大喜びしそうなセリフね。あとでみんなに言えばやってくれるんじゃない?」
絵里「にこも?」
にこ「やるやる」
絵里「やった!」
穂乃果「いぇーい!」
凛「楽しかったにゃー」
希「……おお、ウチがセンターやった」
真姫「たまにはこういうのも悪くない……かしら?」
海未「これでライブは完璧ですね」
ことり「うん!」
にこ「拍手喝采って感じじゃない。うんうん」
絵里「……」
にこ「どうしたの?」
絵里「さびしい」
にこ「ライブ開催まで待ちなさい」
絵里「待てませーん!」
にこ「あ、ちょっと絵里!」
絵里「とうっ」
おやおや?
何やらシンデレラたちの家に誰かが入り込んだようですね
真姫「えっ!? あそこに人影が……」
海未「不審者ですか」
花陽「ええっ!?」
絵里「ふふん……」
にこ「ああもう……さて、どう切り抜けるべきかしら」
なんとダンスを楽しんでいたシンデレラたちの前に現れたのは王女様でした!
希「お、王女様!? 何でこんなところに……」
穂乃果「お母様、王女さまってだれ?」
海未「誰と言われましても、この国の王女様ですよ……というかあなたの母になった覚えはありません」
凛「そんな偉い人がどうしてこんなところへ?」
花陽「と、とりあえずお茶菓子を用意しないと……あああ! おにぎりしかないよぉ」
にこ「客席から劇中最大の笑いが……!? 花陽……起点利かせすぎでしょ」
絵里「まあまあ、そう固くならないでちょうだいちょーっと近所を散歩してたら迷子になっちゃったの」
ことり「窓から入ってきたよねぇ……?」
窓から入ってきましたね
凛「本当に王女様なの?」
海未「こら! 失礼なことを言ってはいけません!」
絵里「まあそう思われても仕方がないわ。今は仰々しい冠も、華やかすぎるドレスも、重いだけの宝石のアクセサリーも付けていないもの」
希「……あれ? 王女さまってそういうの嫌いなん?」
絵里「もちろんよ! だって他の国の人たちはみーんな私じゃなくて私の装飾品や身にまとっているものばかり見るのよ?」
花陽「へぇ……そうなんだぁ」
真姫「……」
穂乃果「でもでも、本当に散歩していただけでこんなところに来るの?」
絵里「それはー……企業秘密というか」
真姫「まさかお城から抜け出した、とか?」
絵里「そ、それよ!」
にこ「真姫ちゃんナイスアシストね……ったく考えなしに飛び出すんだから」
凛「お城から逃げ出すって……どんなことがあったの? たとえば晩ご飯に嫌いなおかずが出る、とかかにゃー?」
絵里「そこまで子どもじゃありませーん。今日はもっと別の用事があってきたの」
穂乃果「別の用事?」
絵里「そう、それは――――――――
――――――――ダンスで一緒に踊ってくれるパートナー探しよ!」
海未「パートナー……」
ことり「探し?」
希「え? ライブってみんなで踊るんやなかった?」
絵里「えっ、そうなの?」
花陽「えええ!? 主催者なのに知らないんですか……?」
絵里「あれれ?」
にこ「王女様ー!」
絵里「あ、いけない。見つかってしまうわ。それじゃまた、ライブで逢いましょう」
海未「お、お待ちください王女様!」
花陽「……行っちゃった」
凛「不思議な人だったね」
にこ「はぁ……はぁ……」
ことり「あれ? また誰か来たよ?」
にこ「に、にっこにっこにー! あなたのハートにラブにこっ!」
希「変な人が来たみたいや」
にこ「誰が変な人よ!」
なんと王女様を追って、大臣までシンデレラのお家へやってきました
さて、この先どうなってしまうんでしょう……にっこにっこにー!
にこ「と、盗られた!?」
今日はここまでです
おつ
>>567
ありがとうございます
更新開始です
にこ「と、とりあえず……こほん。先程このあたりで王女様を見ませんでしたか?」
海未「ああ、それなら……」
穂乃果「お母様!」
ことり「お待ちください!」
海未「えぇっ? なんですか?」
真姫「王女様はおそらく抜け出してきたんでしょう。あの様子からするとお忍びで」
希「ってことは王女様のためにも教えないほうがいいってことやんな?」
真姫「そういうことです」
凛「王女様はお城にいるんじゃないかにゃー?」
にこ「お城に?」
希「そうそう、大臣さんの気のせいやったりするんと違う?」
にこ「ふーん……」
花陽「そ、そういえばお城はライブの準備で忙しいんじゃ……」
にこ「それもそうねぇ……教えてくれてありがとう。私は戻ることにするわ」
凛「うん」
海未「あ、せめてお茶でもいかがですか?」
にこ「え? いいの?」
海未「はい、何も出さないままというわけには申し訳ありませんので」
絵里「ずるーい! 私もお茶ほしい!」
花陽「うわああ!?」
穂乃果「ど、どこから!?」
希「ああ! 窓に! 窓に!」
真姫「浮いてる……」
本学自慢のワイヤーアクションとなります
演劇部さえも使ったことがない代物なのです
ことり「そんなの初めて聞いたよぉ!」
凛「凛もあれやりたい!」
絵里「残念だったわね。このワイヤーは身長160センチ以上じゃないと……」
希「ならシンデレラいけるやん」
絵里「……い、一緒に?」
真姫「えっ」
にこ「王女様! 早くお城に戻ってライブの準備を!」
絵里「えー、せっかくお友達見つけたのに……あー」
希「浮いたまま舞台袖に……」
花陽「宇宙人にさらわれちゃったみたいだね……」
海未「お茶を……」
穂乃果「いただきます」
ことり「いただきます」
いただきます
えー、そしてついに迎えたライブ当日
ダンスをマスターしたみなさんは、今日こそ王女様のハートをつかむために華麗に舞う……はずでした
なんとライブが始まろうかという寸前、大変なことが起こったのです!
希「また無茶振りやなぁ」
凛「じゃあ凛たちがそれに応えてみせるにゃ。かよちんいくよー」
花陽「うんっ」
凛「あー! あんなところに空飛ぶお茶碗が! きっと異世界からの侵略者にゃー!」
花陽「どこどこ!?」
絵里「あの反応、本物っぽいけど……」
ことり「やっぱりごはんのことになるとそうなのかなぁ?」
花陽「炊き立てだといいなぁ」
にこ「何気に一番会場の笑いを誘ってるのって花陽よね」
海未「そうですね……無意識のうちにでしょうか」
凛「ダメダメ! そんなこと言ってたら侵略されちゃうよ!」
花陽「ええ? でも本当に悪い人なのかなぁ?」
凛「そうだよ、凛のにゃんこさんレーダーが反応してるもん! ほらこのあたり……」
花陽「……どこかなぁ?」
凛「急いでみんなに伝えなきゃ!」
花陽「あ、ちょっと待って!」
凛「なんで?」
花陽「まだみんなドレスを着てる途中だから邪魔しちゃダメだよ」
凛「なるほど……じゃあ凛たちだけでなんとかしなきゃいけないね」
花陽「え? そういうわけで言ったんじゃ……」
凛「さあ、あのお空の果てのお茶碗に突撃にゃー!」
花陽「ま、待ってぇ!」
2人が侵略者と戦おうとしている中、シンデレラたちはドレスに着替えています
でもとても時間がかかっていますね、どうしたんでしょう?
海未「い、嫌です! そんな露出度の高い服なんて……」
穂乃果「大丈夫だよぉ。似合うから似合うからー♪」
ことり「うんうん、絶対似合うよ!」
海未「だからと言ってなぜバニースーツなんですか!?」
絵里「なるほど、ドレスがないからコスプレってわけね」
真姫「なるほど……?」
希「ウチはやっぱりこの見慣れた巫女さんの衣装かなー」
ことり「お母様、私たちの為だと思って……」
海未「嫌です!」
穂乃果「人類の為にも!」
海未「知りません!」
絵里「あ、でもこのままだと1時間に入りそうにないわね」
真姫「じゃ私が出るわ」
にこ「そうね。それがいいわ」
真姫「お母様、もう時間がありませんわ」
海未「シンデレラ……!」
真姫「早くそれに着替えてください」
海未「シンデレラ!?」
希「あれー? ウチのワインどこかなー?」
穂乃果「それなら凛ちゃんがさっき持っていったよ」
希「おお、そうやったんや。いやー、あれないとウチうまく踊れないから」
ことり「千鳥足ダンス?」
希「そうそう」
にこ「思い出したかのように設定を持ち出したわね」
絵里「私も何かそういうのしようかしら」
にこ「もう遅いからやめたら?」
絵里「うん」
海未「……というかその凛は一体どこへ?」
真姫「あれ? そういえば姿が……」
ここまでです
これって一応真姫ちゃん誕生日ssなんですよね……
乙
来年の真姫誕までに終わらせればいいのさ
>>580
あいがとうございます
遅くなってすみません
更新は今晩を予定しています
楽しみにして待ってる
>>582
遅れましたが今から更新です
凛「み、みんな大変にゃー!」
花陽「助けてぇ!」
海未「あ、2人とも、いったいどこから……」
にこ「あー、2人ともあっちの舞台袖から出たかったのね。裏通って回ってこないから不思議だったけど」
絵里「でもどうしてこのタイミングで?」
にこ「いいことを思いついたんじゃないの?」
凛「凛たち追われてるの!」
真姫「追われてる?」
花陽「お、お空に変なお茶碗が浮いてて……」
穂乃果「……お茶碗」
ことり「お茶碗?」
海未「2人とも、何か知っているのですか?」
穂乃果「えーっと、うーんと……そう、かもしれない」
希「えらい歯切れ悪いやん。どうしたん?」
ことり「うーん……それは内緒だよぉ」
にこ「安易にフラグ立てないようにしてるのかしら」
絵里「もっと思いつくまま気の向くままやってもいいのに」
にこ「あんたは急にやりたい放題し過ぎ」
絵里「えー、個性大事よ」
真姫「でも外の様子が気になります。見てみましょう」
絵里「ていうか宇宙人の役って誰が……」
にこ「……まさか」
絵里「あ、照明また消えた――――――――
にこ「すぐついたじゃない……って何か浮いてる!?」
外に出たシンデレラたちを待ち受けていたのは、なんとそれは大きな円盤――――――――UFOだったのです!
理事長「ふふふのふー! そうです。あなた方がこのお茶碗だと思っていた物体は私の宇宙船なんですよ!」
にこ「やっぱり……」
絵里「あ、すごい。マイク越しなのにナレーションの時と声変えてるわ」
穂乃果「こ、このお声は!」
ことり「まさか……!」
凛「え? 2人の知り合い?」
穂乃果「し、知り合いだなんてそんな!」
ことり「このお方は魔法使い界隈ではとーっても有名なお人なんだよっ!」
希「つまりスーパー魔法使いってことなん?」
理事長「ええ、その通りです。私は大魔法使いであります」
海未「なんだか言い回しが安定していませんね……」
理事長「くぅっ、痛いところを……だがそれがいい」
花陽「あ、ライブまで時間が……」
凛「凛たちが連れてきちゃったからかなぁ……」
真姫「そんな、2人が気に止む必要なんてありません」
希「じゃあここはシンデレラにお任せしよか」
真姫「あ、そうか…………コホン」
真姫「ごめんなさい、私たちはライブに行かなくてはいけないんです」
理事長「ほほう、ライブとはやはりかわいい女の子が集まるのですか?」
花陽「……ぇ?」
海未「……魔法使いって基本こんなのばっかりなんですか?」
穂乃果「……うん」
ことり「……ごめんなさい」
にこ「くっ、笑いが巻き起こって……このままじゃナレーションに加えて役の面白さまで持っていかれるわよ!」
絵里「理事長の力は伊達じゃないわね……」
理事長「それにしてもこんなところに魔法使いが2人……宇宙船をなくしてしまったんですか? よければ元の所へ送って差し上げますよ」
穂乃果「えっ!?」
ことり「元の場所に!?」
花陽「……2人とも、宇宙から来たの?」
穂乃果「うん、実は……」
なんとここで衝撃の事実が発覚しました
魔法使いとはつまり、地球外生命体のことだったのです
絵里「テレビの特集でありそうなネタね」
にこ「ていうかそれ完全にUMAじゃない?」
穂乃果「で、でも大魔法使いさま。私たちもライブに出ると……」
ことり「そうなんです。私たちも一緒に連れて行ってもらえるという約束を……」
理事長「それは困りましたねぇ……何せ私も大魔法使いですから忙しんですよ。また戻ってこられるかどうか……」
凛「ええっ!? じゃあおうちに帰れないかもしれないの?」
穂乃果「そういうことになっちゃうね」
ことり「どうしたらいいんだろう……」
海未「なら話は簡単です。2人とも、自分の家へ帰ってください」
穂乃果「え」
ことり「お、お母様!」
海未「あなた方の母親になったつもりはありませんよ」
希「で、でもそんな酷な……」
海未「いいえ、私たちとはもともと違う世界の人間だったのですから」
真姫「お母様」
海未「シンデレラ。あなたにはすることがあるはずですよ。ライブに急いでください」
真姫「……わかりました」
海未「花陽と凛も、早く行くんですよ」
花陽「えっ」
凛「でもそれはひどいにゃー!」
海未「いいから早く! 遅刻するなんてことは許されませんよ!」
花陽「は、はいっ!」
絵里「海未はシリアス展開に持っていこうとしてるのかしら?」
にこ「うーん、どうなのかしら」
海未「ひとまずこれで大丈夫ですね……」
穂乃果「お母さま……」
ことり「私たちのこと、嫌いになっちゃったの?」
海未「え?」
真姫「海未、いったいどういうつもりでこんなこと……」
花陽「わからないよぉ……」
絵里「んー、でも穂乃果たちならきっとわかってるんじゃない?」
穂乃果「だ、だって家に帰れって言ったから……!」
海未「はい。言いましたよ?」
ことり「ええっ?」
海未「……何かおかしなことを言いましたか?」
希「ははーん、ウチは気付いたで」
理事長「なんですか? 何か盛り上がってますけど……」
希「まあお母様は鈍感さんやから……見てたらわかりますよー」
海未「私は2人に家に帰れと言ったんですよ?」
ことり「うん」
海未「まずご両親への挨拶を初めに、滞在中の着替えやその他諸々の……」
穂乃果「……え?」
海未「うちに来るんでしょう? ならそれ相応の準備というものが……」
凛「なるほど……」
にこ「言葉足らず過ぎるでしょ」
穂乃果「……ショックで死ぬかと思ったのにぃ! バカバカバカ!」
海未「ええっ? なぜですか?」
ことり「はぁ……もうびっくりしたぁ」
理事長「私もここに住みたいのですね」
希「残念ながら定員オーバーです」
希「……で、お母様。何でウチは残したん?」
海未「一緒にご挨拶に行くためですよ」
希「ええっ」
海未「長女ですし」
希「もしかして宇宙怖いとか」
海未「」
穂乃果「大魔法使いさま、ライブに間に合うよう超特急でお願いします!」
ことり「帰りは私たちの家から宇宙船を持ってきますから!」
理事長「あいあいさー!」
海未「ちょ、待ってください……待ってー!」
こうして2人と魔法使いは宇宙へと飛び立ちました
さて、この4人はライブに間に合うのでしょうか?
今日はここまでです
まさかの超展開、面白い
>>596
ありがとうございます
更新です
魔法使いたちが宇宙へと旅立っている最中、王女様の王女様のお城にたどり着いたシンデレラたち
しかしその門の前には大臣が立ちはだかっていました
にこ「なかなか無茶振りしてくれるじゃないの……やってやろうじゃない!」
真姫「えっ」
にこ「……よくぞここまでたどり着かれた!」
凛「あ、あれ? 大臣さんキャラがちょっと違うような……」
にこ「そうね……じゃあ、にっこにっこにー! ここは通れないにこよ」
凛「それでこそ」
花陽「どうしてですか?」
にこ「それは……王女様が1人の女性としか踊りたくないとおっしゃったからよ」
真姫「1人しか? こんなにお城は広いのに?」
にこ「何か深い事情があるんでしょう」
絵里「事情? 何か考えなきゃ……」
海未「というか私たち、何気に宇宙送りにされましたが大丈夫なんでしょうか」
希「それは……不思議なパワーでお手伝いしてくれるんやって」
穂乃果「だれが?」
希「ウチが!」
ことり「それだと一番の魔法使いは希ちゃんになっちゃうよぉ」
希「まほうつかいはじめたんはにこっちやで」
海未「露骨な宣伝はやめなさい」
にこ「とーにーかーくー、ここは1人しか通れないの」
真姫「深い事情……ね。2人とも、ここは私に任せてくれないかしら」
凛「オッケーにゃ!」
花陽「うん」
真姫「じゃあ通してもらえる?」
にこ「はいはい」
絵里「おっと……照明とBGMが消えたってことは私の出番ね」
絵里「よいしょ……っと」
絵里「ようこそシンデレラ! 待っていたわ!」
真姫「お会いできて光栄です」
絵里「そんな、私は頭を下げられるような人間ではないわ。面を上げて」
真姫「ですが」
絵里「……これでいいんでしょう。王妃様」
にこ「王妃?」
花陽「一体誰が……」
理事長「フフフ、それでよいのです」
海未「また!?」
希「理事長さすがやね」
凛「ついに姿を現したにゃー」
絵里「この国で一番美しい女性を見せれば、今までにとらえた美少女を解放してくれるんでしょ?」
理事長「ええ、もちろんですよ」
理事長「……あなたがたが捕まえられる側でなければの話ですがねっ!」
絵里「だ、騙された!」
真姫「ええっ!?」
希「あ、こんなところにおもちゃの剣が」
花陽「これを王女様に渡せば、戦闘シーンっぽくなるかなぁ?」
凛「凛が投げるにゃ。王女さまー!」
花陽「投げちゃうの!?」
にこ「山なりだから大丈夫よ」
絵里「え、今何か後ろから……」
真姫「わ、危ないわね」
穂乃果「……真姫ちゃんがとっちゃったよ?」
ことり「あれぇ……?」
希「いいやん! いっけーシンデレラー!」
真姫「……そういうことね。私の剣技にひれ伏しなさい!」
花陽「きゃー!」
凛「真姫ちゃんかっこいい!」
にこ「観客と同じこと言わないの」
海未「真姫もノリノリですね」
絵里「あれー、私の出番は―?」
理事長「私だけの美少女帝国を作るのです、その邪魔をするのならシンデレラといえども容赦しませんよ」
真姫「容赦するも何も、そっちは丸腰じゃないの?」
理事長「甘いですね……ちょっと舐めて確かめてみたいくらいです!」
にこ「問題発言よね」
理事長「私はこれでも大魔王使いなのですよ?」
理事長「……人質をとるくらい容易いこと!」
絵里「え?」
真姫「……まさか」
理事長「ええ、そのまさかです! ……はい」
希「あ、今捕まってるって設定で出ろってことやね」
海未「そうみたいですね」
穂乃果「捕まっちゃったよぉ」
ことり「騙されるなんて……」
希「油断したばっかりに……」
凛「凛たちも捕まっちゃったにゃー」
にこ「王女様、逃げて!」
花陽「たすけてー」
海未「きゃー」
絵里「……後半がだいぶ棒読みだけど、本当に捕まってるの?」
理事長「あ、そんな拘束の趣味はありませんからね」
絵里「ちがーう!」
真姫「……とりあえずやっつければ終わりそうね…………時間もあまり残ってないし」
終わりです
次で終わるといいなぁ
乙
諸事情により更新は土曜か日曜の深夜になります
乙です
そろそろ終わってしまうのか…
理事長「ちょ、ちょっと待ってください! 倒すだなんてそんなことしていいんですか!?」
真姫「ええ。尺が足りないのよ」
絵里「シンデレラ落ち着いて」
真姫「……だって大魔法使いがお姉さまたちに何かひどいことできるとは思えないもの」
理事長「…………たしかに」
絵里「えぇっ!?」
理事長「わ、私だってそのくらい容易く……」
花陽「えっ!? は、花陽に……?」
理事長「……」
真姫「早くしなさいよ」
理事長「……」
花陽「うぅ……」
理事長「……くっ」
花陽「はうっ」
希「だ、抱きしめた!」
凛「いいなぁー」
理事長「……私にはできません」
海未「せめて花陽を解放してから言ってほしいものですね」
絵里「そ、そんな……そんな簡単なことで……私は一体何のために……」
真姫「王妃と言って国民の目を欺き暗躍した大魔法使いもここまでね……」
真姫「神妙にお縄につきなさい!」
希「シンデレラって生まれる時代間違えたんかな」
にこ「ウケてるからいいのよ」
理事長「ま、待ってください!」
真姫「え? 何?」
理事長「異界の牢獄送りになる前に、最後に美少女たちが歌って踊る姿を見てみたいのです……」
理事長「今までの美少女たちもすべて解放します。だから……」
絵里「つまり、みんなでライブをやれってこと?」
理事長「ええ、そういうことです」
真姫「……まずは意見を聞かないと」
穂乃果「お母さまと同じステージに立てるなら!」
ことり「うん!」
海未「私が踊らないと言ったら?」
ことり「最後によく出来ましたね、って頭を撫でてくれることを所望します」
穂乃果「そして抱きしめてくれるとなおよしです」
海未「面倒ですね。踊ります」
希「大臣さんは?」
にこ「フフフ、これを機会に太陽系代表のアイドルとしてメジャーデビュー……悪くないわね!」
希「オッケーみたいやでー」
花陽「わ、私も頑張りたいです!」
凛「凛がリードするにゃー!」
理事長「ついにねんがんの……」
絵里「ミュージック、スタート!」
理事長「最後まで言わせてくださいよぉ!」
絵里「……ってあれ? 音楽流れないけど……」
真姫「なんで私たちだけにスポットが……?」
なんとここで時間が止まってしまったようです!
大魔法使いの仕業なのか、はたまた別の悪役の仕業なのかはわかりませんが、これではお話が進みません!
にこ「……この体勢キツイ」
花陽「た、大変だよぉ、このままじゃ時間が……」
ことり「これはどうすれば……」
おや? 大魔法使いのポケットから何か落ちたようです
絵里「え? あ、本当ね」
読んでみてください
絵里「はいはい。なになに?」
絵里「この魔法は私が任意に発動できる魔法です」
絵里「時間を止めて美少女たちの写真を撮ろうというわけです」
絵里「もしこの魔法で自分も止まってしまったときは、そこまでの実力だったということでしょう」
真姫「やけに潔いわね……」
絵里「そしてもし、これで止まっていない人がいたら、それは真実の愛を持つ方となのです」
真姫「なんで急に愛なの?」
絵里「2人の真実の愛がこの魔法を解くカギです」
絵里「PS.この魔法が自然に解けるのは体感時間でおよそ3世紀ほどと言われています」
真姫「ええっ!?」
絵里「そんな……せっかく世界が平和になろうというのに……」
真姫「でも愛がヒントなんでしょう? それならどうにかして私たちの愛を示せば……」
真姫「ん? 私たちの愛?」
絵里「……あ、そうそう。実は私は前々からシンデレラのことを狙っていたの」
真姫「そんな適当な……まあそれが手っ取り早い、か…………」
真姫「私もずっと、王女様のことをお慕いしておりました」
絵里「……」
真姫「……」
絵里「解けない!」
真姫「真実の愛じゃないって言うの……?」
真姫「……絵里、もしかして実際の相手のことについて言わないといけないんじゃない?」
絵里「なるほど……じゃあ私から行くわ」
真姫「え、ちょっと待っ……」
絵里「シンデレラ、あなたはいつも優しくて素敵です」
絵里「そのせいで私はあなたに頼ってしまいます」
絵里「……そんなあなたの隣はとても居心地がよくて……ずっと一緒にいたい」
絵里「結婚してください!」
真姫「えっ」
海未「……真姫、返事を」
穂乃果「ほらほら、みんな手拍子してくれてるよっ」
真姫「……はぁ、わかったわよ」
真姫「前と同じで1回しか言わないわよ」
絵里「そ、それってまさか……」
希「え? 真姫ちゃんマイク外してまうん?」
凛「それじゃあ聞こえないよー」
絵里「……ほんと、恥ずかしがり屋なのね」
真姫「絵里に言われたくない……でも――――――――
真姫「いつでもずっと、誰かのために頑張るあなたが大好き」
理事長「……おおっと、不慮の事故でマイクが外れてしまったみたいですね」
真姫「あ、そうみたいね」
真姫「……コホン」
真姫「王女様、あなたはずっと私の憧れです」
真姫「だからこそ、その思いは受け取れません」
絵里「それは……どうしてかしら?」
真姫「あなたに憧れているうちは、きっと私はあなたに釣り合わない」
真姫「だから、待っていてください」
真姫「きっとあなたに追いついて見せるから――――――――
理事長「わー! 動けたー!」
絵里「えっ」
どうやら魔法は解けたようです
きっと2人の愛の力ですね!
穂乃果「愛の力?」
ことり「2人とも、何かしてたの?」
絵里「え、い、いやー。何でも……」
理事長「うーん……ここにはまだ美少女の匂いがしますよ……」
希「犬みたいやね」
凛「犬はそんなことしないよ?」
理事長「ええい、まどろっこしいことは嫌いです!」
理事長「我こそは美少女だというみなさん! この舞台へ駆けあがってきてください!」
理事長「そしてともに踊ろうではありませんか!」
にこ「そんな雑な提案が通るわけ……うわあああああああ!?」
海未「み、みんな走って来る!?」
花陽「助けてぇぇ!」
穂乃果「やっぱりみんなノリがいいね。うん」
ことり「そうだねぇ」
絵里「ちょ、そんなに舞台に乗れないから!」
凛「おしくらまんじゅうみたいにゃー!」
希「舞台揺れてるー!」
真姫「ちょ、これじゃ劇でも何でもないじゃない!」
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真姫「すべて理事長の手の上で転がされてたってわけね」
絵里「そうね……まさかあの会話も録られてたなんて」
真姫「最後はみんなでフラフラになるまでμ'sの曲を踊って大変だったし」
絵里「うんうん」
真姫「公開告白みたいなことやらされるし……」
絵里「うんうん」
真姫「なんで嬉しそうなの」
絵里「真姫が私を褒めてくれたからよ」
真姫「……そんなに褒めてないかしら」
絵里「でもどうしてあの言葉を言ってくれたの? 1回しか言わないって言ってたのに」
真姫「それはあれよ。いいセリフが思いつかなくて」
絵里「本当に?」
真姫「あと、舞台は第2の現実って言うでしょ?」
絵里「むむむ……ごまかされてる感じ」
真姫「本心よ。シンデレラは嘘を吐かないもの」
絵里「怪しいわ」
真姫「ほら、向こうで希たちが呼んでるわよ」
絵里「むー」
「ていうか絵里も絵里でしょ。何よ結婚って」
「だってー、どうやったら愛っぽいかわからなかったんだもん」
「そこは考えなさいよ」
「……真姫、今思ったんだけど」
「何よ」
「なんで顔合わせてくれないの?」
「……悪い?」
「わー! 不機嫌だわ!」
「……その逆よ」
「え? ごめん、聞き取れなかった」
「1回しか言わない」
「……じゃあもう1回舞台に立ったら教えてくれるかしら」
「さあね」
「次も最高の舞台にしましょう!」
「もう主役とアドリブはこりごりよ」
おわり
もっと長引かせようかとも思いましたがここで終了
今週中に立てるであろうえりまきネタと被りそうだったので
乙レスありがとうございました
おつかれ
面白かったよ
おつ
憧れは理解とは最も遠い感情だよ
おつ
えりまきっていいな
乙
日常パートも劇パートもとても良かった
次回作楽しみにしてます
長期間お疲れ様でした
このSSまとめへのコメント
春夏秋冬シリーズも頑張って下さい♪
毎回ニヤニヤしながら見てます^ ^
春夏秋冬シリーズ