女「酷い!?」
男「何度も言ってるだろ! 俺はお前のことそういう対象としては見れないって」
女「ねえどこ? 私のどこが悪いの? 顔? スタイル? 性格? 好き嫌い運動神経知能コミュニケーション能力財力女子力ユーモアセンス体の相性? 教えて? 全部直すよ? ねえ?」ガシッ!
男「それそれそういうところだよ! お前グイグイ来すぎなんだよ!」
女「今流行りの肉食系女子です!」
男「お前の場合は例えじゃなく本当に人肉食いそうで怖い」
女「私男くんの肉だったらご飯三杯はいける気がする!」
男「変な自信を持つのはやめて!」
女「……私ってそんなに魅力ないかな?」
男「うっ……いや、まあ……確かにお前は、見た目はすげぇ可愛いけどさ……スタイルもいいし」
女「それって私のこと口説いてるよね!? 分かった結婚しよ!」
男「だけどその魅力を全部台無しにしてマイナスに突き抜けてしまうほどダメな要素がでかすぎる!」
女「ガーン!?」
男「ガーンって……」
女「わ、私頑張るから! 男くんの理想の女性になれるように頑張るよ! まず何すればいい?」
男「えーっと……そうだな。とりあえず、俺と仲良くした女の子を殺そうとするのはやめてくれ」
女「ごめん無理」
男「即答!? お前の俺への愛はその程度だったのか!」
女「うぐっ! だ、だって、もし男くんが他の女に取られちゃったらって思うと……そんなの殺すしかないじゃん!」
男「なんでそうなるんだよ! そんな極端な方法じゃなくたって、もっと他にもあるだろ」
女「例えば?」
男「え? 例えば……頑張ってアタックして俺を振り向かせるとか?」
女「今以上に?」
男「お前は頑張りすぎだ! もっと控えろ!」
女「どっち!?」
男「せめて言葉で訴えるとかさ。男くんと付き合うのはやめてーみたいな」
女「それおかしくない? 別に私男くんの彼女でもなんでもないのに」
男「殺すのはもっとおかしいだろ!」
女「殺すほうが手っ取り早いしスカッとするじゃん!」
男「どんな理屈だ!」
男「つうか仲良くするっていってもちょっと談笑するぐらいだし、付き合うとかそういうのはまったくないから」
女「だって男くんすっごいかっこいいでしょ。楽しくお話なんてしてたら、みんな男くんのこと好きになっちゃうよ」
男「……いや、俺お前以外に好きとかかっこいいとか言われたことないんだが」
女「でも本当にかっこいいんだもん」
男「……」
女「あ、照れた?」
男「照れてない」
女「ふふ、可愛いなぁ、もう十年以上も言われ続けてるのにいまだに慣れないんだね」
男「うるせぇ」
女「そんなところも大好きだよ!」ギュッ
男「うわっ、ちょ、やめろって……!」
女「はぁ……男くんの匂いだ……安心する」
男「……まあ、百歩譲って相手が俺のことを好きになったりしても、俺が相手を好きにならなきゃ付き合うってことにはならねえだろ」
女「どうかなぁ。なんか弱みを握られたりして無理やり交際を迫られたりするかもよ」
男「いやいや、お前じゃないんだから」
女「私はそんなことしないよ! 男くんに心から好きになってもらわないと付き合えても嬉しくないもん!」
男「……まあないと思うけど、もしそういう卑怯なことするやつが現れたら、お前にも力を貸してもらうかもしれない」
女「血祭りに上げるよ」
男「そこまではしなくていい!」
女「男くんが変な女に騙されないように私が見張ってないと……二十四時間いつでもどこでも……」ブツブツ
男「だからそういう発想をやめろって」
女「男くん、相手が色仕掛けとか使ってきても耐えられる?」
男「は?」
女「心配だなぁ。男くんがどんなに素敵な人だっていっても、所詮は男子高校生。性欲には勝てないんじゃない?」
男「お前なぁ……」
女「すごい巨乳な女の子がおっぱい押し付けてきてもちゃんと断れる?」ムニュッ
男「っ……! お、お前は俺を誰だと思ってるだよ。お前の猛攻撃を十年以上耐えてきた男だぞ」
女「え、わ、私は色仕掛けなんてしたことないよ! だって、そんなの、恥ずかしいもん……!」ムギュッ
男「じゃあ離れてくれませんかね」
女「なんで?」
男「……とにかく大丈夫だから。俺は好きでもない人とそういうこと絶対しないから」
女「つまり私となら!?」
男「しねえよ」
女「やっぱりかー!」
男「……もし俺に好きな人ができたら、ちゃんとお前に言うから」
女「え……?」
男「お前は、俺の大切な親友でもあるわけだしな」
女「男くん……」
男「だから、俺が何も言わないうちに早まって殺そうとするなよ」ナデナデ
女「……うん、分かったよ」
女「報告受けてから殺すね」
男「だから殺すな!!」
女「無理ぃ!! 男くんが好きになった女の子なんて私絶対殺しちゃう! そんなの辛すぎて羨ましすぎて耐えられないもん!」
男「お前なぁ!」
女「だからさ」
男「……?」
女「もし男くんに本当に好きな子ができたらさ」
女「私を殺してよ」
男「……」
女「私、絶対自分じゃ自分を止められないから。男くんが例え地球の裏側まで逃げたって、私はきっと見つけ出してその子を殺すから」
女「だから、男くんが私を殺して」
男「……」
女「私、男くんに殺されるならいいよ。というより、男くんの手で死ねるなんて、最高に幸せな死に方かも」
女「……私、男くんのこと困らせたくないの……だから……」
男「チョップ!」
女「あで!?」
男「馬鹿かお前は。そんなんで人殺したら即行捕まるわ。俺に人生を棒に振れってのか」
女「だってぇ……自分で死ぬの怖いんだもん!」
男「チョップ!」
女「痛いってばぁ!」
男「殺さないし、死なせねえよ。そんで、殺させない」
女「え……?」
男「地球の裏側まで追ってくる? だったら俺は地球一周でも二週でもしてやるよ」
男「そんで世界中の観光地とか巡って、愛しの彼女と楽しい一生を過ごすのさ」
女「……それ、本気で言ってるの?」
男「常に突拍子もないことばっか言ってるやつには言われたくない」
女「……馬鹿みたい」
男「お前以外の女を好きになるんだ。それぐらいの覚悟がなくてどうする」
女「……男くんって、ホント、変わってるよね」
男「お前みたいなのに惚れられるぐらいだからな」
女「ふふっ……本当に、大好き!!」ギュッ!
男「お、おい……!」
女「むちゅー! キスしてー!」
男「お、お前、そういうのは付き合った人としかしないタイプじゃなかったのか!」
女「これはスキンシップだよ! 子供のころはたまにしてたじゃん! ドラマとかで見た結婚式の真似してさ!」
男「あ、あれは子供のころだったから……! や、やめろおおおお!!」
女「大好き大好き大好きいいい!!」
男父「まったく、いくつになっても騒がしい子たちだな。仲がいいのはいいんだが」
男母「こらー! そろそろ降りてきなさい! 夕飯できたわよー!」
男 女「「はーい!」」
終わり
なに終わってんだよ
お、乙?
乙
兄妹オチ?
続きをどうぞ
えっ?終わり…?
乙…
乙
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