男「俺の二度目の高校生活が始まる!」 (26)
校門前
オハヨー ネムイー
キャッキャ ウフフ
男(明るいな。きらきらしてやがる。)
男(日差しもそうだが何より周りの連中が)
男「はぁ……」
男「ついに来てしまった。」ゴクリッ
男「ほんとに大丈夫なのか……バレないよな?」
教師「バレちゃまずいことでもあるのか?」
男「げっ!?」ビクッ
なんだ
教師「よっ」
男「んだよ……お前か」
教師「似合ってるぞ。制服」
男「昔を思い出すだろ?」
教師「そうだな。まぁ、あの時はブレザーではなくて学ランだったが」
教師「とりあえず、お前。職員室に来い」
男「あいよ」
教師「ちなみに、俺はお前の担任だからな」
職員室
男「うわぁ……マジで中に入っちまったよ……」
男「この先、やっていける気がしねぇ……」
教師「お前も大変だな……」
男「ったく!何だって俺がこんな面倒な事しなくちゃならねぇんだよ!」
教師「まぁ、いいじゃないか。せっかくなんだから楽しめよ。妹さんも言ってたろ?」
男「生憎、俺は学生の楽しみ方を知らんのでな」
教師「頼むから問題だけは起こさないでくれ」
男「理事長の息子の顔に泥を塗るようなマネはしないさ」
男「それに俺はもうガキじゃない」
教師「わかってくれるのならそれでいい」
男「ところで喫煙所って」
教師「ねーよ!!あってもその格好で吸わせねぇよ!」
教室
教師「で、今日からこのクラスを受け持つのがこの俺だ」
「えー。理事長のむすこかよー」 「きびしそー」
教師「息子言うな!」
教師「それでだ。突然だが転入生を紹介する」
教師「これから一年間仲良くしてやってくれ」
教師「おい、入って来い」
ガラッ
男「」スタスタ
男「」カキカキ
男「今日からお世話になります。男って言います。よろしくおねがいします」
教師「はい、それじゃぁ。恒例の質問タイムといきま」
男「おい」ガシッ
教師「なに?」
男「そういうの言いから」
教師「あ?お決まりのイベントだろうが。それにお前にはもっと協調性というものをだな」
男「いらねーって。変に答えてボロが出たらどうするよ!」
教師「余計な心配いらねーって。それともあれか?年下相手に緊張してんのか?」
男「あ?」
教師「あ?」
「趣味はなんですか?」
男「散歩」
「好きな音楽は?」
男「いろいろ」
「兄弟は?」
男「いません」
「彼女は?」
男「いません」
「子どもは何人ほしいですか?」
男「いきなり何?その質問!?」
「私って何歳に見えます!?」
男「そりゃぁ16歳か17歳だろ!」
「じゃぁ、俺の血液型を当ててください!」
男「合コンかよ!しらねーよ!」
教師「はい、じゃぁ。やかましいのでとっと席についてくれ。男くん」
男「お前の生徒は阿呆しかおらんのか!」
――
―
休み時間
男(はぁ……暇だ。10分の休憩がこんなにも長く感じるとは)
男(教師のこともあるし……抜け出すなんてマネはできない)
男(おとなしくしておこう)
教師「うーすっ。悪さしてねぇだろうな」ガラッ
男「してねぇよ。つか、何しにきた?」
教師「うまくやってるかと思って見に来てやったんだよ」
男「見ての通り。暇すぎて寝ようかと思ってたところだ」
教師「初日から孤立してどうすんだよ。友達作れ」
男「そういうの苦手だから無理」
教師「変わんねーなお前は」
男「まぁ、パシリのひとりやふたりすぐに」
教師「パシリは作らんでいい!」
放課後
男(マジで卒業するまで通わなければならんのか……)トボトボ
教師「おう、男」
男「おつかれさん」
教師「お前、部活は入れ」
男「いきなり、なんだよ!」
教師「いやな?俺も色々考えたんだがお前のその0の協調性をどうにかしてやろうと思って」
教師「部活へ入ることをオススメする。ていうか絶対に入れ」
男「それはオススメとは言わん。強制だ」
教師「それで、どういう部に入りたい?スポーツ系か?」
男「入りたい部はない。部活なんてしたくないからな」
男「だが、強制だと言うのなら楽で何もしなくてもいいだらだらした部に入りたいね」
教師「よし決まりだな」
男「決まりって何!?そういう部活あんの?」
教師「あるよ。ついてこい」
男(自分で言っておいてなんだがそんな夢の様な部活がほんとにあんのか?)
教師「ここだ!」
男「アニメ漫画研究部……」
男「ふざけてんのか!?てめぇ!こんな根暗の巣窟!誰が入るかよ!」
教師「まぁ、落ち着け。とりあえず、中に入るぞ」
男(アニメ?漫画?)
男(興味ねぇよ……飲んで帰った日の夜にテレビつけてなんとなくやってたアニメに出てた)
男(女の子にちょっと本気で恋しそうになったくらいだ)
教室「失礼するぞ」
わくてかわくてか
期待
アニメ漫画研究部
眼鏡「先生、何のようですか」
教師「喜べお前ら新入部員だ」
男「……」
友「あぁ、同じクラスの~」
男「お前……血液型がどうとか言ってた阿呆の子か」
友「阿呆の子はやめてくれ」
部長「新入部員かぁ!うれしいな!俺はこの部活の一番偉い部長だ」
男「あ、どもっす」
眼鏡「仲良くしようじゃないか!」
教師「そんじゃ、部長。この部活のこと色々教えてやってくれ」
部長「はい!」
部長「このアニメ漫画研究部は名前の通りアニメや漫画が大好きな」
部長「俺独りが放課後に漫画やそこのテレビで録画したDVDを鑑賞して」
部長「他の2人がだらだらする部活だよ!」
男「ちょっと待て!色々とおかしい所がある!」
男「お前独りって何?んじゃこの2人はアニメとか興味ないの?」
友「全く」
眼鏡「いや、別に」
男「なんでだよ!特にそこの眼鏡!お前、なんかそういうみてくれじゃねぇか!」
眼鏡「何だ貴様!眼鏡に対する偏見だぞ!おい!」
男「じゃぁなんでこの部活に入ったんだよ」
友「え?だって楽だし。部室好きに使えるし」
眼鏡「見ての通り僕は真面目。真面目な人間が帰宅部なんてなんかアレだろ?」
男「どこが真面目だよ!動機からして最低じゃねえか!」
男「お前はこれでいいのかよ部長!」
部長「うひょ~。今週も最高に可愛いな!!」
男「アニメ見てんじゃねーよ!!!!!!」
教師「まぁまぁ、ピーピー喚くな」ハッハッハ
教師「……お前も同類じゃねぇか」ボソッ
『『『楽で何もしなくてもいいだらだらした部に入りたいね』』』
『『楽で何もしなくてもいいだらだらした部に入りたいね』』
『楽で何もしなくてもいいだらだらした部に入りたいね』
男「……」
男「帰るわ」
教師「お、おい待てよ」
男(最悪だ……阿呆と同類だったとは)
男「どうせ入部するなら……」
男「他の部で頑張ってみようかな」
男(あぁ……何か成長した気がする。この歳で一皮剥けた気がするぞ)
部長「待ってくれ!」
男「なに?」
眼鏡「君は僕達と同じ匂いがするんだ!」
男「それは今一番言ってほしくない言葉!」
友「なんだかんだ言って楽しいからさ。入ろうぜ?アニ研」
男「……」
男「正直な。部活なんてやったことねぇからさ……」
男「俺には合ってないのかもしれないしな……こういうの」
教師「お前……」
友「案外、合ってるかもしれないだろ?こういうのさ!」
男「……」
眼鏡「入って見ないとわからないんじゃないか?」
部長「入部してみて嫌ならすぐにやめたっていいよ」ニコッ
男「お前ら……」
男「ま、まぁ……そこまで言うのなら」
友「よっしゃー!よろしくな!」
部長「よろしくね!」
眼鏡「よろしく!」
教師「決まりだな」フッ
部長「よし!それでは男君の入部祝いに!ぱーっと!アニメでも見ますか!」
男「ぱーっとできんの?それでぱーっとできんのか?」
友「あ、理事長の息子さんもどうすっか?」
教師「理事長の息子って言うな!!」
眼鏡「たまには、みんなで鑑賞会も悪くない」
友「たまにはな!」
男「本当に普段何してんだよお前ら2人は……」
次の日
生徒会室
会長「えー!アニ研に部員が増えたー!?」
庶務「そうなんですよぉ……あのまま廃れて廃部だって思ってたのに」
副会長「どうするの?生徒会長?」
会長「どうするって……あの我が校の癌はなんとしても取り除かなきゃ!」
会計「とはいってもねぇ」
書記「新入部員もどうせすぐにやめちゃうんじゃない?」
副会長「アニメが好きだから入ったっていうのならいいんだけれどね」
副会長「問題は……」
会計「部室で好き勝手にぐーたらしたいというとんでもない理由で入部していたら」
庶務「それなら絶対やめないですよぉ」
会長「それじゃぁ!庶務ちゃん!」
庶務「はひっ!」
会長「その新入部員とやらを確認してらっしゃい!」
庶務「えー!」
書記「これも仕事だよ。学校の規律を正すためのね」
庶務「わかりましたぁ……」
教師「……」
教師「えらいこっちゃ!!えらいこっちゃ!!」スタスタ
教師「えらいこっちゃでぇええええ!!!!!!!!!」
おわり
機会があれば続きを書きますので
その時はまたよろしくお願いします
お疲れ様でした
te
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