耳雄「ミスミソウが咲いてるぜ」 (186)


「でろでろ」と「ミスミソウ」のSSです。




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霊感体質を持つ兄弟、耳雄と留渦とペットのサイトーさんは友達と一緒に廃校になったとある中学校へ来ていた。


耳雄「ここが噂の心霊スポットか!」

相原「何だかここ…凄く嫌な感じがするわ、耳雄くん」

委員長「怖くてちびってしまいそうだ!」

カントク「大丈夫だ委員長くん。私が手を繋いであげよう」

サイトーさん「わぎゃひーっ!」(怖いワーン)
耳雄「留渦、霊が来ても俺がボコボコにして守ってやるぜ!!」

留渦「もう…むやみに霊を殴るのは止めてって」

ガラガラ…ピシャッ

耳雄「ん!?」

留渦「今…そこの教室のドアが…ひとりでに閉まった」

カントク「ひいぃぃっ!怖い怖いオバケ怖い!!」

委員長「耳雄、もう帰ろう!」

耳雄「おもしれー、望むところだ!!」ダダダダッ

相原「ああ、耳雄がそのドアに向かって行ったわ!」

留渦「なにやってるのお兄ちゃん…」

耳雄「こそこそせず出てこいやーー!!!」

ガラガラッ!!!



耳雄「………は?」

先生「彼が転校生の日野耳雄くんです」

生徒「…」ジロジロ

耳雄「は!!?」



彼が教室のドアを開けるとそこには普通の中学校の教室の風景が広がっていた…何が起こったのか?

耳雄は後ろを振り向く。するとさっきまでの廃校になったものとは違い普通の中学校の廊下の風景だった。そしてさっきまで一緒にいた留渦やサイトーさん、友人達もいない。

耳雄「な…なんだこりゃ?」

生徒「ちっ、また都会からの転校生かよ…」

生徒「うぜーな」

耳雄(なんか…嫌な空気だなこのクラス。てかこの意味不明な状況はなんなんだ)

先生「君の席はそこの女の子の隣よ」

耳雄「は、はぁ…」

女子「…」

耳雄(わけわかんねぇ…まぁいい、今は様子見で大人しくしとくか。何かありゃ大暴れしてやる)

女子「よろしくね、日野くん」

耳雄「ん…お前の名前は?」

春花「私は、野咲春花」

どうなるんだこれ……
期待

耳雄さん、やっちゃて下さい!!

マジかよ、俺得じゃん期待するわ

耳雄さんならなんとかしてくれそう、期待

隊長とサユリのババアも呼んでこいよ

耳雄(ん?)

「カエレ シネ」

耳雄(おいおい、ヒデー落書きばっかりじゃねぇかこいつの机。いじめられてんのか?)

耳雄「なぁ、その机…」

春花「き、気にしないで…」

耳雄「…」

グッドエンドに変えてくれ耳雄!

耳雄の戦闘力って生身だとどれくらいなのかがわからんな

ゆうやみ特攻隊の隊長ばりの戦闘力ならあるいは…

耳雄は生身で幽霊の群れを潰せるんだから強いだろ

クスクス… クスクス…

耳雄「…」イラッ

春花「…」

相場「…」ジーッ

小黒「…」ギロッ

耳雄(なんか二名ほど凄く見てくる奴がいるな)

ククク…ヒヒヒ

キヒヒヒ…

南先生「…ウッ…」


耳雄「なんっじゃ、この気持ち悪いクラスはあぁぁっ!!!!?」ダンッ!!!


「!?」

春花「!?」ビクッ

耳雄「全員揃ってクスクスだのキヒヒヒだのうるせぇ気味悪い野郎共が!!俺みたいに授業中寝てる方が何倍もマシじゃねぇか!!!」

春花「あの…寝るのもダメだと思うけど…」

耳雄「ん、おう」

耳雄「で、俺が授業中寝てる話は置いといてだ!!この野咲の机はどういう事だ!!お前ら何とも思わねぇのか!?」

クスクス…キヒヒヒ

耳雄「っだあぁぁぁっ!!!話にならねぇこいつら!!」

相場「…日野くんの言う通りだ、野咲の机にあんな事したの誰だよ。お前ら腐ってる」

春花「相場くん…」

耳雄「俺を見てたイケメンくん」

久賀「やったのは俺だよ、カメラ小僧」

相場「ガキが」

久賀「は?何?」

耳雄「おい、先生!野咲の机こんなんなってんだぞ!?あんた、担任だろ!ほっとくのか!?」

南先生「…」

南先生「席につきなさい、久賀くんも相場くんも日野くんも」

耳雄「はあっ!!?」

春花「もういいよ…日野くん。私は大丈夫だから…」

耳雄「…ちっ」

耳雄「おい、野咲。嫌な事ははっきり嫌と言えよ。また何かされたら俺に助けを求めろ、ボコボコにしたる」

春花「…暴力は良くないけど…ありがとう」

耳雄「自分が酷い目にあってんのに暴力は良くないって…何ていい奴なんだお前は」

相場「…」

小黒「…」

耳雄(ん?今ちょっと嫌な視線を感じた)

―――その頃 小学校

先生「はーい、皆さん。今日は転校生が来てますよー!日野留渦さんです!!」

留渦「…」

祥子「わたしは野咲祥子、よろしくね!」

留渦「うん…よろしく」

留渦(私13歳なのに何で小学校なの…何なのこの状況は…)

サイトーさん「ワオーン!」(耳雄くんはどこに行ったんだワーン)

祥子「あはは、この犬かわいい!こちょこちょ~」

サイトーさん「ワギャヒヒー!」(くすぐったいギャヒヒー)

留渦(…)

ミスミソウの村人にこそ、でろでろのしょーもない霊たちをぶつけてほしい。

でろでろssとか初めてみた

―――放課後

理佐子「野咲さーん、小黒さんから裏山へお呼びだしでーす」

春花「…」





小黒「…あんた、靴は下駄箱に入れない方がいいよ。何度も盗られんだから…ほらっ」ポイッ

春花「…っ!!」ザザッ

春花「あっ…」スブブッ

ベシャアッ

小黒「ギャハハ、そこは落ちたらなかなか出れないごみ溜めよ!!」

「東京に帰れバーカ!!そこのごみ溜めで眠っとけや!!」

春花「…」



耳雄「ぐおおおぉぉらあぁぁぁぁっ!!!!!」

ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ドッ!!!!!

吉絵「…っ!小黒さん、転校生が来た!!」

理佐子「顔が凄い事になってる!!」

三島「何かムカつく走り方だわ!!」

小黒「…ちっ…」


春花「日野くん!?」

耳雄「何やってんだボケカス共があぁっ!!」バカーンッ

モブ女「ぷぎゃあっ!!」ヒューン…キラーン

耳雄「てめーら全員ボコボコにしたる!!」

春花「ま…待って日野くん!」

耳雄「こういう奴等は痛みで分からさせねぇとダメだ!!」

小黒「転校生が…調子乗ってんじゃないよ。あんたも野咲と同じ目にあわせるよ?」

耳雄「ああんっ?」ギロッ

小黒(ぐっ、腹立つ顔)

吉絵「うぜーな…黙れよ」スッ

春花「日野くん、危ない!画ビョウが!」

耳雄「ふんがー!!」バクンッ

吉絵「んなっ!??」

三島「画ビョウを食った!!?」

春花「」

小黒「あんた…ただの馬鹿じゃないね…いや、ただの馬鹿か」

耳雄「俺を舐めんじゃねぇぞ」ギロッ

小黒「…あんたたち、帰るよ」

吉絵「え!?」

小黒「こんな馬鹿の相手してたらこっちまで馬鹿になる」

耳雄「なんだとこの野郎!!!」

小黒「…私たちにケンカ仕掛けようとするくらいなら、さっさと野咲を助けたらどうなの」ザッザッ


耳雄「…はあ…野咲、いつもこんな事されてんのか?」

春花「……助けてくれてありがとう、耳雄くん」

耳雄「ほら、捕まれ。うわ…全身汚れてボロボロじゃねぇか…ヒデーな」

春花「もう、慣れてるから…」

耳雄「こんなの慣れなくていいっての」

春花「…」

耳雄「もう暗くなっちまったな。さっさと帰るぞ」

春花「うん」

耳雄「………あっ」

春花「どうしたの?」

耳雄「俺、家に帰れないじゃん…」

耳雄「俺さ…廃校になった中学校で友達と肝試ししてたら突然ここにいてよ…自分の家に帰れないんだ」

春花「…よくわからないけど、帰れる場所が無いならうちに泊まってく?」

耳雄「ん…いいのか?」

春花「うん、寒い季節だし野宿なんか出来ないでしょ?」

耳雄「おう、ありがとうな!」



耳雄「…そういえばあの学校、生徒の数が少なかったな」

春花「うん…少子化で若い人がいないかららしいよ。もうすぐ廃校になるんだって」

耳雄(…廃校…)

耳雄(そういや、俺たちが肝試ししてた学校で前に起きた事件を留渦が言ってたような…まぁいいか)

流石耳雄や
留渦以外に負ける気がせん

―――野咲家

春花「ただいま」

耳雄「お邪魔しまーす」

母「お帰り春花……あっ、どうしたのそんなに汚れちゃって!」

父「どうした春花!いじめられたのか!?」

春花「違うよ…滑ってこけただけたから…」

父「嘘はつくな!この前は手にいくつも刺し傷があったじゃないか!」

春花「…大丈夫だから…いじめられてるとしても、もうすぐ卒業だし…」

母「春花…」

耳雄「…」

父「…ん?そこの男の子は彼氏か?」

春花「え!?ち、違うよ…家に帰れないみたいだから泊まらせてあげたくて…」

耳雄「突然すみませんね~」

祥子「あ!お帰り、お姉ちゃん!」

春花「ただいま、しょーちゃん」


サイトーさん「ワンワオーン!」(耳雄くんだー!ワンワーン!)

耳雄「サイトーさん!?」

留渦「あ、お兄ちゃん」

耳雄「留渦!お前もここにいたのか!?」

留渦「うん、知らないうちにサイトーさんと小学校の中に迷い込んでたの」

耳雄「留渦が無事でお兄ちゃん安心したよ…」

耳雄さんは留渦が絡めば死神倒すし地獄から帰ってくる

支援

支援
さすがお兄ちゃん、スカッとする!

相場嫉妬不可避

―――

父「そうかそうか、耳雄くんも留渦ちゃんも大変だなぁ」

耳雄「まぁ、おかしな目に遭うのは日常茶飯事ですから今回も何とかなりますよ、アハハハ」

留渦「他のみんなもどうしてるのか心配だね」

耳雄「あいつらもここに来てんのかねぇ…」

母「遠慮せずにいっぱい食べてね」

留渦「はい、いただきます」

耳雄「うほーっ、美味いっすね、奥さんの料理!まさにお袋の味って奴だ!」ガツガツ

留渦「食べ方汚いよ、お兄ちゃん…」

春花「…それにしても不思議だね。なんで耳雄くん達は何でここに来たんだろう」

耳雄「おかしな怪奇現象にはよく遭うが、何でなのかわかんねぇなぁ。まぁ、どんなオバケが来ようと俺の自慢の拳でぶっ飛ばして来たがな!」

春花「え、オバケって殴れるの…?」

耳雄「おぉ、俺は命濃く生きてるからな!!」

祥子「お兄ちゃんカッコいい!!」

耳雄「はははは、カッコいいだろカッコいいだろ!!」

留渦「私はむやみにオバケ殴るの嫌なんだけど」

耳雄「な!?いいだろ、あいつら人に危害を加えるんだぞ!!」

春花「んん…暴力は私も好きじゃないな…」

耳雄「くっ、なんか殴るだけの自分が情けなくなってきた…」

祥子「カッコいいよ!!」

耳雄「そうかそうか、アハハハ!!」

留渦「お兄ちゃん…」

留渦「…ところで春花さん」

春花「なに?留渦ちゃん」

留渦「春花さん達のクラスは、お兄ちゃんが転校生として来るって知ってたの?」

春花「え?」

耳雄「ん、そういえば確かにそれは不思議だな」

春花「……」

春花「…あれ?」

春花「わからない…でも知ってた…いや、知ってた、じゃなくて………」

春花(なにか…なにか忘れてるような……)


ゴオオオオォッ!!!


春花(あれ、何この光景…燃える家………そこから出てきたのは……)

春花「………っ!!!」


春花「あああああああっ!!」ガタン

耳雄「!?春花!?」

留渦「春花さん!!?」

春花「ああ…いや、駄目、駄目…いやだ、いやだ!!!」

祥子「お姉ちゃん!!?」ダッ

父「おいどうした!?」

母「春花、大丈夫!?」

留渦「春花さん!ごめんなさい!!」

留渦(迂闊だった…変な質問しなければ良かった…)

春花「…」ドサッ

耳雄「おい、春花!?おい!!」

春花「…」


―――ちゃん…

しょーちゃん………


ごめんね…




春花「……っ!!!」バッ

耳雄「春花!」

父「良かった…目を覚ましてくれた…」

春花「あ…れ、私は?」
留渦「ごめんなさい春花さん…ごめんなさい」

春花「え、なんで留渦ちゃんが謝るの?」

春花(あれ、私…何でこんなところで寝てたんだっけ…思い出せない)


母「春花…きっと疲れてるのよ。明日は学校は休みなさい」

春花「うん…」

祥子「お姉ちゃん!!」

春花「しょーちゃん!」

祥子「良かった…お姉ちゃん…うう」

春花「うん、私は大丈夫だからね…しょーちゃん」

祥子「…!お姉ちゃん?」

春花「ん?」

祥子「どうして泣いてるの?」

春花「え?」


春花(あれ…何で、涙が出てるんだろう)

これ救いはあるのか…?

運命を変える!

運命を変える!

―――

春花「私、迷惑かけたみたいで…ごめんなさい二人とも」

耳雄「なんでお前が謝るんだよ」

留渦「春花さんは、何も悪くないから…」

春花「…」



留渦「…お兄ちゃん…明日は私達も学校は休もう」

耳雄「え?」

留渦「お兄ちゃんは、とにかく春花さんの側にいて。ずっと」

耳雄「まぁ、そりゃ心配だからいるけどよ」

留渦「………たぶん、なんとか出来るのはお兄ちゃんくらいだから…」

耳雄「は?なんとか出来るって…何の事だよ…」

留渦「…もう何となく気付いてるんじゃないの?この世界が何なのか…」

耳雄「!」

留渦「本当は…深入りしない方がいいんだろうけど、見捨てれないしね…」

耳雄「…あぁ、俺は俺の気がすむまでとことんやってやる」

―――翌日 中学校

吉絵「タエちゃん、野咲の奴休んでるよ」

小黒「…」

小黒「流美~」

流美「…」チラッ

小黒「あーこっち見なくていいから」

三島「相変わらずムカつくニヤケっぷりね」

小黒「明日、学校くるように野咲を説得しな。ダメならアンタまた標的に昇格」

流美「…」

―――野咲家

春花「…」

流美「…」

耳雄「…」

流美(なんでこいつもいるのよ…)


流美「…か、体…大丈夫、なの?」

春花「…うん」

流美「おっ…おっ…小黒さんってさ…ヒドイよね?ヒド…ヒドくない?」

春花「…」

流美「私も…あの女に昔……あ、そうだ…」スッ

耳雄「携帯の写真でなにする気だあぁん?」ギロリンチョ

流美「!?」ビクッ

流美「……野咲さん、明日…学校きてよ…でないと私、こっ…困るんだよね?」

春花「…」

流美「…」

―――春花さん、もう学校には行かない方がいいと思う

春花「…」

春花「…ごめんなさい。もう、学校には行かないつもりだから…」

流美「…っ!!」

しかしこうしてはたから見るとただのチンピラだなwwwwww

流美「な…なんで?アンタが来てくれなきゃ…私、また…また」

春花「…」

耳雄「っはあああぁぁぁ……バカだなお前は」

流美「!?」

春花「え?」

耳雄「だいたい話の流れでわかったが…つまりお前は昔いじめられてて、春花を連れてこなきゃまたいじめられるってだろ!?」

流美「そ、そうよ…私がまたいじめられるのよ…だから野咲さんが来てくれなきゃ…」

耳雄「バカ言ってんじゃねえ!!!」ドンッ

流美「!?」

春花「壁は叩かないで!?」

耳雄「お前、つまり自分の代わりに春花がいじめらろってか?ふざけんなボケ!!」

流美「じゃ、じゃあ…私はいじめられてもいいっての!?」

耳雄「誰もんな事言ってねえ!お前も学校休みゃいいじゃねぇか!!!」ドンッ

流美「!?」

春花「だから壁叩かないで!!」

耳雄「わざわざ自分から辛い目に会いに行くなんてバカとしか思えねぇ…嫌なら嫌で行かなきゃいいんだよ!」

流美「でも…休んだらきっとバカにされる…」

耳雄「いじめられる方が辛いだろアホタレ!!!」

流美「…」

耳雄「…で、春花と仲良くなればいい。それなら寂しくも無いだろ!?」

流美「は!?」

春花「あ…あの、私で良ければ友達になっても…」

流美「え…」

妙子ちゃん嫉妬不可避

サイトーさんはここでも微妙に不幸な目にあいそうだワン

大作になりそうだ

耳雄なら何とかしてくれるという謎の安心感

流石バカだけどお兄ちゃんだな耳雄

この調子で先生も救ったってくれ

流美「な、何…なに言ってんのよ、アンタ。同情なんかで友達になられても嬉しくないわ」

春花「同情じゃないよ。私も、今は友達がいないから…やっぱり女の子同士で話したりしたいし」

流美「…そう…」

流美「でも私は…小黒さんを裏切るなんて…」

耳雄「はぁ?小黒っていじめの中心人物だろうが。何言ってんだ」

流美「…」

春花「…流美さん。何か辛いことがあったら私も相談に乗ったりしてあげるから…」

流美「…野咲…」

耳雄「…」

流美「わたし、もう帰るわ…遅くなるし」

春花「うん……あのっ」

流美「!」

春花「お見舞い来てくれてありがとう」

流美「………うん」

―――その頃、留渦と祥子はサイトーさんの散歩に出ていた。


サイトーさん「ワンワン」(天気が良くて気持ちいいワンワンわおーん)

祥子「見て、留渦お姉ちゃん!クローバーがいっぱい咲いてる!」

留渦「本当だね。四つ葉のクローバーはあるかな?」

祥子「探してみる!見つけたらお姉ちゃんにプレゼントするんだ」

留渦「ふふ、私も一緒に探そうかな」

サイトーさん「ワンワンワオーン」(今日も平和だいやーい)

ヒュッ……カーンッ!!

サイトーさん「ギャイーンッ!?」(何か飛んで来たギャヒー!?)

留渦「!!サイトーさん!?」

真宮「ちっ…外したか」

池川「ふふふ…ちゃんと狙いなよ真宮くん」

留渦「何、あなた達は!?」

サイトーさん「ヒイィン…」ガタガタ

祥子「え、な、なに?」

留渦「祥子ちゃん、サイトーさん…後ろに隠れて」

サイトーさん「クゥゥン」ブルブル

真宮「おーい、邪魔だよお前。その犬狙えねぇじゃん」

池川「…あの子、美しい…」

留渦「なんでサイトーさんにあんなものを射ったの!?祥子ちゃんも怖がってる…今すぐ帰って!!」

真宮「なんでって…面白いからだろうが」

池川「僕たちは欲求不満なんだよ…この町には何にも娯楽は無い。溜まったものが発散できないんだ」

留渦「だからって、そんな危ないものを持って生き物を射ったりしていい訳が無いでしょ!?」

真宮「ごちゃごちゃうるせぇなぁ…うぜぇ。お前も射つぞ」

池川「…真宮くん。あの子を傷つけちゃダメだよ。僕は、あの子が欲しい」

留渦「え!?」

池川「…野咲君も美しいけれど、君も負けじと美しい!!」ザッザッ

留渦「……!?」

サイトーさん「ギャイーンッ!!」(留渦ちゃんに近づくなー!!)ガブッ

池川「い…痛い…この犬!?」

留渦「サイトーさん!」

真宮「ははは、犬は俺の獲物だ!」スチャッ

留渦「あ…!」

バシンッ!!

真宮「いてっ!?」ドサッ

留渦「!」

相場「何やってんだ、お前ら」

真宮「てめー、相場…」

池川「相場君…」ギロッ

相場「犬や女の子を傷つけるような事して恥ずかしくないのか?クズが」

真宮「んだ、てめえ。ころすぞ」

池川「真宮君…僕も相場君は嫌いなんだ。めちゃくちゃにしてやろう」

相場「君たち、早く逃げるんだ」

留渦「で、でも…」

「うおおおおおっ!!!」ダダダダダダッ

留渦「!」

相場「!」

委員長「ドロップキーーック!!!」ドゴオッ

真宮「ぐばぁっ!!」

留渦「委員長!?」

委員長「見たかっ、耳雄流ドロップキックだ!」

まさかの委員長www

耳雄チームの鬱ブレイカーっぷり

池川「くっ…この眼鏡め…」

委員長「お前も眼鏡だろうが!!」

真宮「くそっ、さっきの変なドロップキックのせいでボーガンが壊れた!」

池川「ああ…苦労して僕が改造したボーガンが…」

相場「今のうちにみんな逃げるぞ!」

委員長「留渦ちゃん…危ないとこだったな」

留渦「委員長さんも無事で良かったです」

相場「祥子ちゃんに、君…僕のクラスの奴等が変な事してすまない」

留渦「謝る事はないですよ。助けてくれてありがとうございます」

相場「祥子ちゃん、春花の具合はどうなんだい?」

祥子「元気になって来てるよ!耳雄お兄ちゃんもいるから大丈夫!」

相場「そうか、それは良かった」ニコッ

相場(耳雄…日野耳雄、そいつは野咲と同じ家に…)

相場「…」

留渦「!」

留渦(今、相場さんが少し怖い顔してたような…)

委員長「耳雄はどうしてるんだ?」

留渦「あ、お兄ちゃんと私は今、野咲さんって家にお世話になってるんです」

委員長「しかし何なんだろうなこの場所は…」

留渦「…」

春花「しょーちゃん!」

耳雄「留渦ー!」

相場「!」

留渦「お兄ちゃん」

祥子「お姉ちゃん!」

耳雄「帰りが遅いから心配してたんだぞ!」

委員長「耳雄!!」

耳雄「あ、委員長!?」

―――

耳雄「何だと!?そんな事が…大丈夫なのか留渦!?」

留渦「うん…大丈夫だから」

耳雄「助けてくれてありがとうな、相場に委員長!!」

相場「…ああ」ニコッ

春花「みんな無事で良かった…本当にありがとう、相場くんと……委員長さん」

相場「うん。当然の事をしたまでさ」

委員長「そうだよ、助けるのは当然だろ留渦ちゃん」

春花「え?」

委員長「え?」

耳雄「何言ってんだよ、その子は野咲春花だぞ」

委員長「すんません、野咲さん!!お恥ずかしい!!」

春花「ははは…気にしないでください」

委員長「…あぁ恥ずかしい、野咲さんと留渦ちゃんって似てるな…」

耳雄「そうか?どう見ても別人だろ」



祥子「ねぇねぇ、お姉ちゃん!これ見て!」

春花「どうしたの?しょーちゃん」

祥子「クローバーだよ!四つ葉のクローバー!」

春花「わぁ、すごい。初めて見た…」

祥子「お姉ちゃんにあげる!」

春花「いいの?」

祥子「うん!」

春花「……ありがとうね、しょーちゃん」

―――翌日

久賀「おい、佐山の野郎来てないぞ」

小黒「………」

吉絵「流美の奴、まさか逃げたのかしら?どうする、小黒さん」

小黒「流美なんかほっときな、気持ち悪い」

理佐子「アハハハ、小黒さんヒドーイ」

小黒「…吉絵、理佐子、ゆり…、野咲を見つけたら無理やりにでも学校に来させるようにしなさい。好きなだけ痛め付けていいから」

吉絵「ふふふ…」

久賀「ハハハ、野咲に学校くんなとか来いとか、お前ら本当タチ悪いわ~」

小黒「…」

―――野咲家

父「ん…調子は大丈夫なのか?」

春花「うん、だいぶ良くなって来たから私がおつかいに行ってくるよ。体動かしたいし」

母「無理はしちゃダメよ」

春花「うん、行って来ます」

ガチャ

耳雄「…よし、俺達もこっそり付いていくぞ」

委員長「な、何でそんなストーカーみたいな事を」

留渦「春花さんに何があるかわからないからね」

春花「…」ザッ ザッ

春花「!」

流美「あ…」

春花「流美さん」

流美「……何してるの?」

春花「おつかいだよ。流美さんは…」

流美「私も…」

春花「………学校は休んだの?」

流美「うん……」

流美「ね、ねぇ…」

春花「なに?」

流美「あ、あの…たまにでも、いいから…遊びに行っても…いいかな?」

春花「うん」

流美「…そ、それじゃっ」タタッ

春花「…うん、またね」

プッ クスクス…

春花「!」

吉絵「アハハハ、なに今の!いじめられっ子同士で…!!クククッ」

ゆり「気持ち悪っ」

理佐子「マジ受けるんですけど~」

春花「あなた達は……何の用なの?」

吉絵「あんたを学校に連れてこようと思ってね。みんな寂しがってるから来なよ、ね?」

春花「……」

春花「行かない」

吉絵「…へー…」プスッ

春花「いたっ!?」

吉絵「来い。来るって言うまで何度でも刺すよ」

ゆり「逃がさないよ」

理佐子「ほらほら~、学校に来るだけだからさぁ」

春花「…っ!!」


「うおおおおおっ!!!」ダダダダダダッ


耳雄「ドロップキーーックアアァァァッ!!!」ドガボガギーンッ

理佐子「ギャッ!?」

ゆり「ヒイッ!?」

吉絵「くそっ、来たか!!」

委員長「凄い…やはり俺のドロップキックより何倍も強力だ!」

留渦「春花さん!大丈夫!?」

春花「うん…ありがとう」

耳雄「てめーら、あんま好き勝手やってると女だろうが手加減しねぇぞ」

吉絵「ふん、あんたが来た時の為に…こいつも持って来てたのさ」シャキンッ

委員長「ナイフだと!?」

春花「逃げて、耳雄くん!!」

留渦「…お兄ちゃんなら大丈夫、春花さん」

吉絵「くたばりな!!」ヒュッ

耳雄「…中学生のガキが…」

耳雄「んな物騒なもん持ってんじゃねぇっ!!!」バカーンッ

吉絵「ガハアッ!!?」ズザザーッ

理佐子「きゃー、吉絵!!」

ゆり「なにこいつ!?」

耳雄「てめえ…なんなんだ。何で危ないもんをそんな平気に扱える…」

吉絵「…くそっ…いいじゃないか…私は…私は」

耳雄「あ?」

吉絵「私はいつも…いつも、お父さんからもお母さんからも……酷い事されてた…だから、私だって、私だって他人を傷つけて生きたっていいだろ!!!そうでもしなきゃ私は、この怒りをどこにぶつければいいんだ!!」

耳雄「何言ってんだ馬鹿野郎が!!」バンッ

吉絵「ヒッ!」ビク

耳雄「必要以上には殴らねぇよ…地面蹴っただけだ…」

吉絵「うう…やだ、痛いのは嫌だ…」

耳雄「…ちっ、怒る気も失せちまった」

春花「…吉絵さん…」

理佐子「吉絵ー!」

ゆり「大丈夫なの!?」
吉絵「…」

耳雄「あのな…お前、理不尽な暴力を受ける痛みを知ってたんだろ。なのに、何で同じ事を他人にするんだ」

春花「…」

耳雄「傷つけられる痛みを知ってんなら、知ってるからこそ、他人に優しくして生きるべきだろうが!え!?」

吉絵「私は…そんな立派な人間にはなれない…」

耳雄「諦めんなアホタレ!ならてめえは一生クズのままだ!それでいいのか!?」

吉絵「うる…さいよ…」ボロボロ

春花「……泣かないで、吉絵さん…」

吉絵「うるさい!何でお前に心配されなきゃいけないんだ、失せろ!!」

春花「…」

耳雄「はぁ…説教は苦手だ。もう行こうぜ」

春花「…うん」

留渦「!」

留渦「待って、お兄ちゃん!」

耳雄「なんだ?」

留渦「何か来る…!」

委員長「え!!」


「耳雄…日野耳雄!!」

耳雄「誰だっ!!」

留渦「気をつけて、悪霊だわ!」

耳雄「なに、悪霊だとぉ!?」

「ハハハハハ!!」ゴオオオッ

悪霊「その通り、我は悪霊!悪い事をするのが趣味なのさ!」

耳雄「くっ、この悪霊め…!」

!?

悪霊「貴様の存在はこの世界には邪魔なのだ!ここで消えてもらう!」

留渦「…」

耳雄「訳わかんねぇ事ごちゃごちゃ言ってからに!ぶっ飛ばしてやる!」

悪霊「ハハハハハ!!」ヒュルヒュルッ

吉絵「!?」
理佐子「キャアッ!」
ゆり「なにこれ!?」
委員長「触手プレイか!?」

悪霊「こいつらを盾にする!やれるもんならやってみそらせろー!!」

春花「あぁ、みんな!」

耳雄「この卑怯もんが!!」

悪霊「ハハハハハ!卑怯もんだと、照れるなぁ!!」

悪霊「さぁ、観念しろ!!」ビシュッ

耳雄「ぐっ」

留渦「お兄ちゃん!」

春花「オバケなんか…どうすればいいの」

耳雄「俺は大丈夫だ、お前らは離れろ!」

悪霊「ほう、人質を取られているのにどう戦うつもりかな」

委員長「助けてくれー!」
吉絵「うう…気持ち悪い」
理佐子「いやー!」
ゆり「家に帰りたいー!」

耳雄「…ふっ」

サイトーさん「ワンワーン!」ガブッ

悪霊「ぬおっ!!この犬っ!?」

耳雄「隙ありだ!」ダダッ

悪霊「ええい!!」ビシュッ

耳雄「うっ!?」

耳雄「しまった…捕まった」

留渦「くっ…」

春花「…っ!!」

悪霊「ハハハハハ、ここまでだな!」

春花(…耳雄くん…)

お前は暴力が嫌いみたいだが、時には力が必要な時だってある。その時は、自分の拳に全身全霊の魂を込めて…ぶつけてやるんだ!!

春花「…っ!」ダダッ

留渦「春花さん!?」

悪霊「ハハハハハ、小娘、何か用か!?」

耳雄「!」

春花「皆を…皆を離せっ!!!」

吉絵「…野咲…」

春花「あああああっ!!!」バシーーンッ

悪霊「うおおおおおっ!?」

耳雄「よし、ほどけた…!覚悟しろクソ野郎!!」

悪霊「ひっ!?」

耳雄「だっらあぁしゃあああああっ!!!」
ズバコーーーンッ

悪霊「アアァァァッ!!?」ドヒューン…キラリーン

耳雄「へっ…みんな無事か?お前も、怖かったろ…だが大丈夫だ」

吉絵「…」
理佐子「怖かった…ありがとう…」
ゆり「もう…なんなのあれ」

委員長「あぁ」

吉絵「…」

耳雄「お前、やるじゃねえか…春花」

春花「うん…助けたかったから…」

留渦「…」

留渦(この世界にお兄ちゃんの存在が邪魔……やっぱりここは…)

吉絵「…野咲」

春花「!」

吉絵「その…ありがとう」

春花「…うん」

吉絵「………」

吉絵「今まで酷い事してゴメン」

春花「っ!」

耳雄「ほら、あいつが謝ったんだ!お前らも謝れ!」

理佐子「うう…理不尽な目に遭うのこんなに怖い事だったなんて…ゴメン野咲……」

ゆり「今更謝っても遅いかも知れないけど…ゴメン」

春花「うん、ありがとう」

耳雄「おい」

吉絵「!」

耳雄「家でどんな事されてんのかは知らないけど…理不尽なものに屈するな。そんなもん気合いとノリと勢いで吹き飛ばせ」

吉絵「…うん//」

ゆり(え?)

理佐子「あの…日野くん」

耳雄「ん?」

理佐子「いえ……日野隊長!!助けて頂きありがとうございました!!」

ゆり(え?)

耳雄「お前らは散々、春花に酷い事してきただろうからな…約束しろ。今度からお前らは春花がいじめられたら守れ!!」

春花「え!?」


吉絵「任せてよ//」

理佐子「了解です、隊長!」

ゆり(え、何、変わりすぎじゃないこの二人)



サイトーさん「ワンワン」(意味がわからない人は登場人物の顔を確認してみるといいワン)

―――翌日

小黒「…は?」

吉絵「いや…だから。もう野咲に手を出すのは止めようって…」

理佐子「やっぱり、その…可哀想だし…」

小黒「急にどうしたのあんたら。とぼけてんの?」

ゆり(やっぱりこうなるわよね)

久賀「お前らギャグで言ってんのか?面白くねぇぜ、アハハハハ!」

小黒(…今更、野咲と…昔みたいに戻るなんて…)

野咲…私を、許して…

小黒「………っ!!!」

小黒(え、なに今の記憶…)

こんな右手じゃ…ハサミ持てないじゃん…

小黒「ひっ!?」ガタッ

吉絵「!どうしたの!?」

久賀「おいおい何だ?急に変な声出して」

小黒「…何でも無いよ…」

小黒(なに…今の…あの光景は…)

なに娯楽が少ない?ならばカントクも呼んで映画を作ろう!

パンフレットとかほんとに買うヤツいんのかよwwwwwwwwww



ガタン

――放課後

小黒「…」ザッザッ

小黒「なんだろう…何か忘れてる気がする」ザッザッ

小黒「…バス停…」ピタッ

小黒「…ここで、野咲と…」

――ねぇ、どうすればいい?私…アンタになんていえばいい…?

小黒(なんなの…これ…いつの記憶なの…)


小黒「…」ザッザッザッ

小黒「…あれ?」ピタッ

小黒(そういえば…普段気にしてなかったけど…)



小黒「………嘘…」

小黒「……心臓の、鼓動が…」


―――

小黒母「妙子、どうしたの?ご飯いらないの!?」

小黒「………いらない……」

小黒母「どうしたの!?何かあったの!?」

小黒「うるさい!アンタ…お母さんじゃないだろ!!?」

小黒母「…!何を言ってるの…!?」

小黒「……嘘だ…そんな…そんな訳が…」




小黒「………」

小黒母「…もう朝よ…出てきなさい…学校行かないの?」

小黒「うるさい!来るな!!」ドンッ

小黒母「…」

小黒「………全部、思い出しちゃったよ……

小黒「………春花………流美………」

小黒「ごめん………」

―――野咲家

耳雄「今日は日曜日だ!遊びに遊びまくるぞー!!」

委員長「朝から元気だな耳雄は…」

留渦「ここに来てからずっと休みじゃん」

耳雄「気分の問題だよ、気分!」

春花「耳雄くん、留渦ちゃん、平川さん、おはよう」

耳雄「平川って誰だ?」

委員長「俺の本名だ!!」

春花「昨日、近くに映画館が出来たみたいなの。皆で行かない?」

耳雄「マジかよ、いいねぇ!」

留渦「私も気になる」

委員長「レッツラゴーだ!」

カントクか……もうギャグだな、良かった

すごいな、このスーパー蓮介作戦。
サユリもこの勢いで救えたらなーとか

―――

南先生「…映画館が出来たの…」

南先生(…あんな場所にいて息苦しかったし、息抜きに行ってみようかしら)


―――

流美「え、映画館?」

春花「うん、一緒に行こう?」

流美「うん…行く」

耳雄「ははは、素直になって来たなお前!」

留渦「あ、あれは…」


吉絵「よう、野咲。…と、日野くん//」

理佐子「おはよう野咲さん!あ、隊長もおはようございます!」

耳雄「ん、おはよう」

ゆり「何してるの?」

春花「これから映画館に行くの」

吉絵「へえ、私らも行こうと思ってたとこだよ」

祥子「どんな映画がやるのかな!?」

春花「ふふ、楽しみだね、しょーちゃん」

委員長「お、あれじゃないか!?」

留渦「…え?あれは…」

「大作映画すっぱいぱい 近日公開予定」

耳雄「…あのしょうもないタイトル…まさか…」

カントク「しょうもないとは何だねしょうもないとは!!」

留渦「あ、カントク」

カントク「あ、耳雄くんに留渦さんじゃないか」

耳雄「やっぱりアンタだったのか…」

祥子「わぁ、緑の人だ!!緑の人だ!!」

春花「え…し、知り合い?」

耳雄「おお!」

留渦「こんなとこで何してるんですか…」

カントク「ここには娯楽施設などが無いみたいだからね、映画館を立ち上げた訳さ」

祥子「おじさん着ぐるみ?」

春花「そんな失礼な事言っちゃ駄目!」

カントク「私の名前はカントク。映画監督だ。よろしくお嬢さん」

春花「あ、はい。よろしく」

野暮なツッコミかもしれんが過去の世界なのにカントクが耳雄を知ってるって事は
カントクも飛ばされたということなのか

カントク「それにな…耳雄くん。今、公開してる映画は『すっぱいぱい』なんてしょうもない映画じゃない!感動大作だ!」

委員長「自分でしょうもないって言っちゃ駄目でしょ」

耳雄「お、これが今公開されてる映画か…」

留渦「人間の学校に通っていじめられてた妖怪の子供が大人になって、教師になる物語なのね…」

耳雄「確かにカントクの映画にしてはマトモそうだ」

春花(普段どんな映画作ってるのこの人…)

カントク「だろう?さぁ、安心して入りたまえ!」

流美「ね、ねぇ…野咲さん、あの人大丈夫なのかな?」

春花「悪い人じゃなさそうだし…心配しなくていいと思うよ」

吉絵「本当に?なんか…食べられたりしないよね?」

耳雄「カントクはいい奴だからよ!来いよ来いよ!」

>>89

そうです、これは一緒に飛ばされてきたカントクです。
後は見てる内に分かると思います

―――

妖怪くん「くそっ、なんで…周りと少し違うだけでいじめられなきゃならないんだ」

妖怪くん「僕は…いじめなんかに屈しない。大人になって…教師になって、いじめの無い平和なクラスを作るんだ!!」


委員長「うう…なんていいこなんだ…」

耳雄「妖怪くん、頑張れ!!頑張るんだ!!」

留渦「…お兄ちゃん、気持ちはわかるけど静かに見て…」

春花「…」

流美「…」

祥子「妖怪くん、頑張れー!」

吉絵「本当…私たちは酷い事してたみたいだね…」グスッ

理佐子「うん、いじめはダメなんだ…」

ゆり(マトモな映画だった)



南先生「…」

南先生(私は…何をしていたんだろう…)

南先生(自分の事ばかり考えていた……この映画を見ていると、自分が情けなくなって来る…)

南先生(いつまでもこんなのじゃダメだよね…妖怪くん)ポロッ





カントク「…映画とは、娯楽の1つであるが、それは時に人の心…人生さえも左右する事がある」

カントク「そう、人間に影響を与えてこそ、素晴らしき映画作品と言えよう!!」

カントクが監督っぽい……だと……?

―――終了

春花「映画なんて久しぶりに見た…面白かったね」

祥子「うん!」

耳雄「ふう…泣いちまったぜ」

留渦「いい映画だったね」

委員長「涙で前が見えないぜ…」

春花「パンフレットもらって行こうか」

祥子「うん!」

流美「私も」

吉絵「私たちもパンフレット貰おう」

理佐子「うん、この映画に誓って…もういじめなんかやらない!」

ゆり(泣いてしまった…)



南先生(明日からは…もっとしっかり生きよう…教師らしく)

南先生(パンフレットも欲しいわね…)

留渦「…あ、お兄ちゃん」

耳雄「ん?」

留渦「パンフレット貰った?」

耳雄「あ」

委員長「あ」

留渦「…」

ガコンッ


耳雄「うわあああっ!」

委員長「忘れてたああぁっ!」

ヒューン

春花「耳雄くん!?平川さん!?」

留渦「…まぁ、そのうち戻って来ます」

基本でろでろ寄りだけど鬱ブレイクギャグになりきらずに不穏な部分がチラチラ見えてたりするんだよな
相葉絡みは悪化してる感じがするし
どうなるかwwktkする

―――小黒家

小黒「…何しに来たの?」

久賀「いや、最近…小黒学校来ないから心配になって…」

小黒「…そう…」

小黒「ねぇ、アンタさ。何か記憶が抜けてるとか…そんな事ない?」

久賀「はあ?急に何言ってんの?」

小黒「………自分の胸に手を当ててみて」

久賀「え?なんで?」

小黒「いいから」

久賀「はぁ?」

久賀「…」

久賀「え?」

小黒「…」

久賀「あれ?え?」

小黒「…私は全てを思い出した」

久賀「…は?」

小黒「…アンタはどうする?知りたい?今の自分が何なのか」

久賀「え…何言ってんの小黒…」

小黒「知りたいなら聞かせてあげるよ…予想も混じってるけどね」

久賀「…なんだよ、聞かせろよ」



久賀「…は?そんな無茶苦茶な…」

小黒「…無茶苦茶だと思うのはしょうがないよ。アンタはまだ記憶が抜けてるみたいだし」

久賀「…訳わかんねぇ」

小黒「……私が、全ての元凶なんだ…」

小黒「私がこの世界を…みんなを…」

久賀「…」

久賀「まだ全然わからないけど、俺にも…何かできる事があれば教えてくれ」

小黒「うん…」

久賀「…」

久賀(そういえばたまに…同じ変な夢を見るな)

久賀(女に口を切られ…穴に落ちて……)

小黒(いつまでもこうはしてられない…落ち込んでばかりじゃ行けない…)

小黒(私が動かなきゃ…)

小黒母「…妙子」

小黒「!」

小黒母「思い出してしまったのね」

小黒「…」

小黒母「あなたの言った通り…私は母親じゃないわ」

小黒「だろうね」

小黒母「でも、これだけは信じて…私はいつしかあなたを本当の娘のように思ってしまっていた」

小黒「…そう」

小黒母「…野咲さんの家に行きなさい。そこに日野耳雄という少年がいる」

小黒「!」

小黒母「彼ならきっと…囚われたみんなを救える…」

小黒「…わかった、ありがとう」

小黒母「…もう一緒には暮らせないのね」

小黒「…」

小黒「本当のお母さんみたいで楽しかったよ。ありがとう」

―――???


「………なんということだ」

「この世界から憎しみが薄れつつある。これではいかんのだ……もっと、憎しみ、悲しみ…負の感情を広げなければ…」

「記憶を戻した小娘も動き始めたようだ。このままではいかん…多少荒い方法だが…あの二人を使うか」



真宮「ははははは!」

池川「フフフ…」


「奴等の記憶を………」


真宮「…っ!?」

池川「な、なんだ…頭が痛い……」

真宮「あっ…あっ…はは、ははははは…」

池川「そうだ、僕達は…」

「野咲に…」スチャッ

重くなってきた!?
これを打開するには、みなも姉さんを投入するしか…

―――

春花「…いい天気だね」

祥子「うん!」

相場「こうして一緒に歩くのは久しぶりだね」

春花「うん。…最近、とても楽しいんだ。いつまでもこんな日が、続けばいいのに…」

相場「…そうだね」

ヒュッ…

スカーンッ!

春花「!!」

祥子「お姉ちゃん!」

相場「ボーガン…まさか」

真宮「野咲…そうだ、俺は、お前を狩らなきゃいけなかったんだ」

池川「ああ、何故かは思い出せないけど…僕らは野咲くんを討たなければいけない!!」

春花「なにを…!?」

相場「あいつら…何考えてやがる!」

真宮「しねぇ、野咲!」

「待ちな!」

春花「!」

吉絵「野咲には指一本触れさせないよ!ボーガン野郎!」

理佐子「私たち、野咲親衛隊が!」

ゆり「なんでそんなノリノリなのあんたら…」

春花「みんな…」

真宮「邪魔だ、お前らも射つぞ!」

池川「いいじゃないか、射っちゃえよ真宮くん」

春花「危ないよ…逃げて!!」

真宮「おらあっ!!」バシュッ

吉絵「伏せろ、野咲!」ドンッ

春花「あっ!」ドサッ

吉絵「ったく、危ないのはトロいあんたの方だよ」

春花「ごめん…ありがとう」

池川「野咲くん…君は美し過ぎるんだ!!」┣¨┣¨┣¨┣¨ッ

理佐子「キャアッ!何か走ってきたぁ!?」

池川「邪魔だ!」ドンッ

理佐子「きゃっ!」ドサッ

ゆり「この野郎…それ以上来るな!」

池川「邪魔だ!」ドサッ

ゆり「いたあっ!」ドサッ

相場「止まれ!!」バシンッ

池川「ぐほっ!」

春花「相場くん!」

相場「はぁ…はぁ…こいつら、何が目的なんだ…」

真宮「動くなよお前ら」

相場「!」

春花「あ…」

真宮「それ以上動いたらこのガキを射つ」

祥子「……お姉ちゃん…」ガタガタ

春花「しょーちゃん!!」

真宮「おとなしく射たれろ、野咲…」スチャッ


相場「野咲、逃げろ!」

春花「…いや…できない…動いたらしょーちゃんが…」

祥子「…うう、グスッ…」

真宮「泣くな、うぜえガキが!」

春花「…射たれるから、しょーちゃんは離して!」

相場「ダメだ野咲!」

真宮「はははは!」

グイッ

真宮「はあっ!?」

流美「なに…やってんのよ…」

春花「…!!」

吉絵「流美!!」

流美「野咲さんを討つのは…許せない…」グググッ

真宮「こっ…の野郎…離しやがれ!!」

「うおおおおおおっ!!!」

春花「この声は!!」

耳雄「物騒なもん持ちやがって、カスチンがあぁっ!!!」バコーーンッ

真宮「ぐふぉっ!?」ズザザー

春花「耳雄くん!」

祥子「お兄ちゃん!」

吉絵(…カッコいい//)

理佐子「待ってました、隊長ーーっ!!」

ゆり「…」

真宮「この野郎…なんなんだてめぇは…」

耳雄「お前らがなんなんだオラァッ!!」

池川「僕らは野咲くんを討つんだ…」

耳雄「訳わかんねぇ事抜かしてからに、ボコボコにしたる!」

真宮「池川、お前もボーガンを使え」

池川「フフフ…どちらが先にあいつを狩れるか勝負しよう真宮くん」

耳雄「…アホどもが」

ビシュッ ビシュッ!!

耳雄「ふんっ」サッ サッ

真宮「なっ!?」

池川「なぜ当たらない!?」

耳雄「殺意の針がありありと見えるんだよ…ヒヨッコども」

春花「よ…よくわからないけどなんか凄い!!」

凄い、耳雄がクロと同じ能力会得してる!
全力で期待します。

>>108
すみません、間違えてsagaにしてしまいました。

今日のはここまでかな?

耳雄「おーらおらおらおらおらおらおらおらおらおら!!!!!」
シュバババババババババッ

真宮「待て、待てえっ!!」

池川「くぼぼぼっ!!!」

真宮「も、もう…やめてくれ…」ガクッ

耳雄「…金髪小僧…てめーは、やめてと言われたらやめたか?他の奴にボーガンを向けることを」

真宮「え…」

耳雄「てめーは、これと同じような事をしてたんだ。中学生にもなってんだからそれくらい理解しろボケカス野郎」

池川「うるさい、僕は、野咲くんとーーっ!!」┣¨┣¨┣¨┣¨ッ

耳雄「しまった、1人凄い勢いで野咲の方に!」

吉絵「…!来んな、画ビョウ刺すよ!」

相場「お前、野咲に変な事はさせない」

池川「邪魔をするなあっ!!」スチャッ

理佐子「キャアッ、ナイフ!?」

春花「みんな危ない!!」ダダッ

相場「野咲…前に出るな」

池川「ははは…捕まえたよ!!」ガバッ

春花「あうっ!」ドサッ

春花「…くっ…いい加減にして!!」パシンッ

池川「いたいっ!」

春花「あ、ごめ…」

耳雄「謝らなくていい!」

春花「こんな事をして…どうしたいの?ただ人を傷つけて…そんなの…」

池川「うるさい、君は僕を拒絶したね、後悔させてやる!」スチャッ

春花「そんなもの持つのやめて!!」パンッ

池川「あっ…」ポロッ

相場「…もうやめろ、真宮も池川も」

理佐子「あのさ…池川、あんた野咲に気があったのか知らないけど、あんたみたいなの気持ち悪いだけだからね」

ゆり「うん」

池川「な、なんでだ…何で自分の欲しいものを手に入れたら、自分のやりたい事をしたらダメなんだ。僕らは欲求不満なんだよ、何もできなくて…」

春花「だからって…他の命を脅かすような真似したらダメでしょ」

耳雄「そうだ!てめーら、そんな心に不健康な事やってねぇで運動もしろ!!よく食べよく寝てよく活きる…まっとうな人生送ってりゃいつか道が切り開かれるんだよ!!」

春花「…あの…池川くん、私と友達になりたかったの?」

相場「ん?」

流美「いや、それは微妙に違うような…」

春花「その…仲良くしたいなら普通にそう言ってくれたらいいのに……もうこんな事をしないって約束してくれるなら…友達になれるよ?」

池川「野咲くん…うう…」

吉絵(野咲ちょっと勘違いしてるっぽいけど、まぁいいか)

真宮「うるせえ、俺は…俺は気がすまねぇっ!!」

耳雄「あああ、このアホタレ!!!」ドゴッ

真宮「いっ!!」

春花「真宮くんもやめてよ!!」パシンッ

真宮「ふぎゃっ!!」ドサッ

耳雄「いいか、娯楽施設なんか無くてもここには変わりに自然があるだろ。山でも川でも行って遊びゃいいじゃねぇか、カブトムシ取り放題じゃねえか」

真宮「な…何がカブトムシだ…ちくしょう…うう…いてぇ…」

池川「…」

相場「この二人も、だいぶ反省しただろう…」

耳雄「ああ」

祥子「お姉ちゃん!」

春花「しょーちゃん…もう大丈夫だよ」

相場「耳雄くん…君にはよく野咲を助けてもらって感謝してる、ありがとう」

耳雄「おう、女の子がいじめられてるのを黙ってみてるなんざ男の恥だぜ」

相場「でも、心配しなくていいよ。守るのは僕の役目だから」

耳雄「ん?何だって?」

相場「何でもないよ……野咲、ケガは無いかい?」

春花「うん、叩いた手がちょっと痛いけど…」

耳雄「…ま、いいか」

―――

ザッ ザッ ザッ

相原「…」

相原「なんだろう、ここ…最初に来た時は憎しみや悲しみの感じでいっぱいだったけど…それが無くなってきている」

相原「…耳雄くんたちはどうしてるんだろう」

悪霊「お嬢さんお嬢さん」

相原「ひっ!!」

悪霊「見つけましたよ、待ってくださいお嬢さん!!」

相原(ここに来てから変なオバケによく追われる…なんなの!?)

悪霊「あなたの霊能力も危険なんです、あなたもここから消えるべきなのですよ!」

相原「何を言ってるの!?」

相原「きゃっ!?」ズルッ

ドシャアッ

悪霊「ははは、滑って転けるなんてどじっ子ですねぇ」


久賀「…!」

久賀(え、なんだあれ…女の子が変な奴に襲われそうになってる?)

久賀(巻き込まれたくないし…無視が一番だな)

悪霊「お嬢さんには火をつけてあげましょう」シュボッ

相原「え?いや…やめて、来ないで」

悪霊「ほほほ、やめてあげませーん」

久賀(火…火をつける…)


アアアアアアッ!!!

お母さん!お母さん!


久賀「…うっ!?」ゾワッ

久賀「なんだ…これ、気持ち悪い…体が震える…」ガタガタ

悪霊「さようなら、お嬢さん」

相原「いやあぁぁっ!!」

ドゴオッ

悪霊「ぶふぉっ!?」

相原「!!」

久賀「はぁ…はぁ…待てやコラ…」

悪霊「…あなたが他人を助けるなんて、意外ですねぇ」

久賀(なんだこいつ…くそっ、何で助けに来ちまったんだ…)

ガタガタ

相原「あの…手が震えてるけど…」

久賀「…!!」

悪霊「ちょっと罰を与えましょう、えい、えい!」ボゴッドガッ

久賀「いっ ぐあっ!?」

相原「ああ、やめて!」

悪霊「ははは、私は悪霊です。舐めないでください」ドカッ ドカッ

久賀(ちくしょう…い、いてぇ…)

ガシッ

悪霊「!」

小黒「待ちなよ」

久賀「!!」

悪霊「離してください、邪魔ですよ」

小黒「…あなた?私たちを閉じ込めてるのは」

久賀「…小黒?」

相原「?」

悪霊「何を言ってるんですか、あなたは」

小黒「私は…お前らの思い通りにならないからね」

悪霊「はい?」

小黒「ふんっ!!!」ドフッ

悪霊「ひぎっ!?」ドサッ

悪霊「はぁ、はぁ、そうか…貴様、戻ったのか…」

小黒「…」

悪霊「だが、無駄だ…お前らはどうする事も…できない…」

小黒「黙りなっ!!」ドンッ

悪霊「イタイッ!」

久賀「小黒…すまねぇ」

相原「…ありがとうございます…」

小黒「…うん」

小黒「私…これから野咲の家に行くけど、久賀も来なよ」

久賀「は!?」

小黒「あんたもちゃんと謝っときな。野咲に」

久賀「な…なんで謝らなきゃいけねぇんだ!!」

小黒「私は謝りに行くよ…私と一緒なら恥ずかしくないだろ」

久賀「そんなの俺のプライドが許せねぇっ!!」

小黒「んな、ガキみたいな下らないプライドなんか捨てちまえ!!!」

久賀「うっ!?」ビクッ

小黒「それと…日野耳雄に用がある」

相原「…!耳雄くんを知ってるんですか!?」

小黒「あぁ…そういやアンタは誰?」

相原「私は…耳雄くんと一緒に来て……」

小黒「へえ。ついてきな、たぶん会えるから」

相原「本当ですか!?」

久賀「はぁ…耳雄とかいう奴に何の用があるんだよ」

―――野咲家

サイトーさん「ZZz…」

委員長「そういえば耳雄…いつまでこの世界にいる気なんだ?」

耳雄「んんん、出方も分からんしなぁ」

留渦「…」

留渦(やっぱり…元凶を射たなきゃ駄目なのか。でも、どこにいるのかわからない)

耳雄「どうした留渦、どこか痛いのか!?痛いの痛いのとんでけしてやろうか!?」

留渦「大丈夫だからやめてよ、もう…」

ピンポーン

耳雄「ん、誰か来たのか」


祥子「はーい」

ガチャン

小黒「…」

耳雄「あ、お前は!?」

小黒「…春花は?」

留渦「春花さんは今、流美さんと相場くんと外にいると思います」

小黒「そう…」

久賀「…」

相原「あ、留渦ちゃん、耳雄くん!!」

留渦「相原さん!」

耳雄「お、相原!心配してたぜ!」

耳雄「何しにきた、ボスがじきじきにイジメに来たのか?」

留渦「待ってお兄ちゃん。そういう感じじゃないよ」

小黒「はっ…アンタみたいな馬鹿にかかってるなんて。その子の言う通り野咲に何かしようってじゃないよ」

耳雄「バカだとぉ!?」

久賀「うるせぇなぁ、お前」

耳雄「お前が言うなっ!!」

小黒「私は野咲に謝ろうと思ったんだよ…流美にもね」

耳雄「え?」

小黒「そして日野、アンタしか何とか出来る人間はいない」

留渦「…」

耳雄「おいおい、何だ何だ?」

相原「…うっ!?」

留渦「相原さん!?」

耳雄「どうした!?」

相原「何か…とても黒い感情が大きくなってる人がいる……」

耳雄「なんだ!?」

相原「…女の子が、何か迫られてる!!早く助けてあげなきゃ…」

留渦「…っ!!」

留渦「行こう、お兄ちゃん!春花さんに何かあったのかも知れない!!」

耳雄「え!?」

―――――

春花「相場くんとこうして写真を撮るの久しぶりだね」

相場「そうだね、楽しいよ野咲」

流美「…野咲さん。ありがとう、友達になってくれて…」

春花「もう、急にどうしたの?」

流美「わからない…でも、何故か言いたくなった」

相場「…」

相場「ねぇ、どうして流美も連れてきたの?」

春花「え?何でって…友達だから…」

相場「僕も友達程度って事かい?」

春花「え?何を言ってるの…?」

流美「…どうしたの?二人とも」

相場「僕は君が好きだ…愛してる野咲…」

春花「ちょっ、急に何を………。わ、私も、だけど…」

相場「じゃあ何で二人きりで出てくれなかったんだ!!」

春花「え!?」

相場「君は…日野くんが来てからとても楽しそうだね…」

春花「…」

相場「そう、今まで僕だけが君を助けてた頃とは違ってとても楽しそうだ」

春花「相場…くん?」

相場「君を守るのは僕だけなんだ!他の奴に目を向けるな!!」ドンッ

春花「いたい…っ、何を言ってるの!?」

流美「相場くん、アンタ…やめなさいよ!なにしてんの!?」

相場「うるさい!!」ドンッ

流美「いっ!」

相場「僕だけが君の味方だ…野咲…」ドフッ

春花「…かはっ!?」

相場「僕と二人でどこかで暮らそう…日野といたら君はどんどん離れていく…」

春花「何を…言ってるの…私はずっと相場くんが…」

流美「このっ!野咲さんを殴って何を考えてるの!」

相場「邪魔だ!」ドフッ

流美「うっ…」ドサッ

春花「も、もうやめてよ…相場くん…」

相場「ああ…君が僕だけを見てくれるならね…」

小黒「やっと本性現したか…変態野郎」

相場「!」

春花「お…小黒さ…」

小黒「…野咲から離れな」

久賀「な…なんだありゃ…なんで相場が野咲を…」

小黒「野咲…だから言ったろ、関わるなって」ザッザッ

春花「…」

流美「小黒さん…」

相場「なんだい?小黒。邪魔しないでくれ。野咲には…僕しかいない事を分からせてやらなきゃ駄目なんだ」

ザッザッザッ

耳雄「どわあっ!?春花どうした!?」

留渦「…っ!!相場さんがやったの!?」

春花「耳雄くん…留渦ちゃん…」

相場「…」

耳雄「おい、相場…テメエ、どういうつもりだ…」

小黒「無駄だよ、あいつは自分が変な事してるなんて自覚は無い。過去に何があったか知らないが…相当歪んでるよ」

耳雄「テメエ、今までの優しいツラは…嘘だったのか!?」

留渦「いや…嘘じゃないと思うよ。たぶん、優しい相場くんも歪んでる相場くんも本物だと思う」

相場「…」

耳雄「…目を覚まさせてやるぜ、相場…」

相場「なんだい…君は、また野咲を僕から遠ざける気かい…」

耳雄「アホタレな事を垂れ流してんじゃねえっ!!!」バコーンッ

相場「うるさい、野咲から離れろ!!」バシンッ

耳雄「うっ!?強っ!!?」

春花「二人ともやめてっ!!」

相場「野咲は…僕だけを見てなきゃ駄目なんだ…僕だけを必要としてくれなきゃ……。だから他の人間は必要ない…野咲には友達だっていらな…」

耳雄「…っ!!この…バカ野郎がああぁっ!!!」
ズゴゴゴーーンッ

相場「ぐああっ!?」ドサッ

春花「…」

耳雄「お前は…本当に野咲の事を愛してるのか?愛してるなら…なんで相手の事も考えない」

耳雄「お前は一方的に自分の感情をぶつけてるだけじゃねえか!!」

相場「野咲も僕を愛して必要としているなら…いいだろう」

耳雄「ぐっ…こいつ滅茶苦茶だ…」

春花「…耳雄くん…相場くんを、助けて…」

耳雄「…」

留渦「…相原さん。私たちでやってみよう」

相原「え?」

耳雄「留渦…何か思い付いたのか?」

留渦「私と相原さんで…お兄ちゃんを相場さんの記憶に送り込む」

耳雄「はあっ!?」

相原「そんな事ができるの!?」

耳雄「んなあり得ない事…」

留渦「私たちの生活、普段からオバケだらけであり得ない事ばっかりじゃん」

耳雄「それもそうだな」

留渦「そこでお兄ちゃんには…相場さんがああなってしまった元凶を叩いて欲しい」

春花「みんな…何を…」

耳雄「…春花、相場…俺が助けてやるぜ!」

留渦「行くよ、お兄ちゃん!」

相原「んんんっ!」

耳雄「ようし、行くぜっ!!」


ドギュウウウゥゥゥッン


相場「な、なんだ!?うっ…!!」

カッ

相場「ぁ…」ドサッ

春花「相場くん!?」

留渦「心配しないで、相場さんも自分の記憶の中に行っただけ」

相原「…大丈夫かな…」

―――

…ここは?


ああ…僕がまだ小さい頃だ…


ガシャアアアンッ

「ごめんなさい!ごめんなさいアナタ!!」

「どうしようもない女だ…テーブルの上に乗るんじゃない!そこはイスじゃないんだぞ!!」


お父さんがお母さんを毎日のように殴っていた…

「みつる…心配しなくてもいいぞ、今お父さんとお母さんは仲良くしているんだ。ホラ、その証拠にお母さんニコニコしてるだろ?な?」

………母さん…

「大丈夫…お前は何も気にするな。何も気にしなくていい…」


ドガーーーンッ!!!!!


!!?

「ぐほおっ!?」

耳雄「子供の前で何をさらしとんじゃボケェッ!!!」

相場父「な、なんだこの小僧は!!」

耳雄「テメエみたいな野郎は親を名乗る資格はねぇ!!小学校からやり直せ!!」バキッ

相場父「いたいっ!」


………


相場母「何なのアナタ、邪魔しないでよ!アナタのせいでお父さんがいなくなったら私はどう生活すればいいの!!」

耳雄「ぐっ…母親も狂ってやがる…!」

耳雄「おい、ガキ、こんなとこから逃げるぞ!」

え、でも…僕は、お母さんがいなきゃ…

耳雄「心配すんな、お兄ちゃんがついてる!あんな家族といたらお前も狂っちまう!!」

耳雄「きっといつか…お前を本当に愛してくれる人が現れる。だから、それまで立派に生きるんだ」

耳雄「お前は本当は、痛みを知ってる優しい人間のはずだ。あんな狂った人間になっちゃダメだ!!!」

………


耳雄「行くぜっ!!!」

カアッ!!!

「…まてよ日野」

耳雄「!」

少年相場「僕が…もう一人?」

黒相場「その通り…俺はもう一人の相場みつる。黒相場とでも名乗っておこうか」

耳雄「そうか…テメエが歪んじまった方だな」

黒相場「俺と野咲の邪魔をするな!野咲には俺が必要としている」

耳雄「アホタレが!春花もな…とっくにお前に惚れてんだ!」

耳雄「それに春花が惚れてんのはテメエじゃねえ、優しい相場みつるだっ!!」ダダダッ

黒相場「!!」

耳雄「俺の拳で…お前を救ってやる!!」


耳雄「だあぁっらっしゃあああぁぁぁ!!!!!」
ズゴゴゴーーンッ

黒相場「ああああぁぁぁっ!!」キラーン

少年相場「…」

耳雄「さ、行こうぜ…春花も待ってるぞ」

少年相場「うん!」


タタタタタッ…

訂正

× 野咲には俺が必要としている

○野咲には俺が必要なんだ

―――

耳雄「とうっ!!!」シュバッ

春花「!!」

相原「耳雄くん!」

留渦「お兄ちゃん…どうだった?」

耳雄「安心しろ、もうあいつは大丈夫だ…」

相場「…ん、う…」

春花「相場くん!」

相場「野咲………」

相場「僕は、君に…とても酷い事を…ごめん。本当に……ごめん」

春花「…相場くん…いいよ、私は大丈夫だから」

春花「…ありがとう、耳雄くん」

耳雄「へへっ」

マジ耳雄さん万能っすわ

相場「日野くんも……すまない。僕なんかの為に」

耳雄「気にすんな、あんな環境にいりゃ歪みもする」

小黒「よくわかんないけど…とりあえず相場の件は落ち着いたみたいね」

小黒「野咲…流美…」

春花「…」

流美「…」


小黒「ごめんなさい!!」バッ


流美「っ!」

久賀「小黒が…土下座した…」

春花「そんな…そこまでしなくても…」

小黒「いや…土下座でも、全然足りないくらいだよ…」

久賀「え?」

小黒「あんたらは…まだ覚えて無いだろうけど…」

小黒「私のせいで…私のせいで皆が……」

春花「どういう…事…?」

流美「小黒さん…謝ってくれただけで…充分だから…」

小黒「もう…謝って済む問題じゃないんだよ……」

春花「ちゃんと、はっきり言ってくれなきゃ分からないよ…小黒さん」


小黒「……受け入れる覚悟はある?何を言われても」

相場「…なんだ、小黒」

久賀「…」

流美「き、聞かせて…」

春花「ちゃんとはっきり言って!」

小黒「…」

小黒「私たちはもう………とっくに死んでるんだよ」

耳雄「…っ!!」

留渦「…」

春花「…え?」

流美「何を言ってるのか…分からないよ」

相場「いきなりそんな事言われてもな…」

小黒「…」

久賀「な、なあ!意味わかんねぇよな!?小黒の奴この前からこんな事を言ってんだぜ!?」

小黒「……はは、ごめん。何を言ってるんだろうね……気にしないで、忘れて」

小黒(そうだ…特に野咲は、あんな事は思い出さない方が…)

吉絵「あんたたち、何をしてんの」

理佐子「あ、小黒さんもいる」

ゆり「おーい」

春花「あ、こんにちは」

小黒「…」

春花「小黒さん…顔色もなんだか悪いし…疲れてるんだよ」

小黒「…そうだね、ごめん野咲。もう帰ろう」


「帰しはせぬ…」

小黒「!!」

耳雄「なんだ!?」

相原「ああ…何か、危険なものが来る…!」

留渦「お兄ちゃん…来るよ、たぶんこの世界を作り出した元凶…」

耳雄「え!?」

???「日野耳雄…貴様、よくも…よくもここまでやってくれた!!」



カントク「委員長くん今日はいい散歩日和だな」アハハハハ

委員長「そうですねぇ、カントク」ウフフフフ

サイトーさん「ギャイーンッ!」

カントク「どうしたのだね、サイトーさん!?」

委員長「あ…あれは!?」



間宮「あ、あそこに野咲や小黒がいるぞ」

池川「本当だね、何をして…え!?」



南先生(生徒たちがピンチに陥っている気がした!いったい何が!?)タタタタッ

耳雄「なんだ……こいつは!?」

相原「何て大きな憎しみなの」

留渦「あなたね、野咲さんたちをここに縛り付けているのは」

春花「え?」

???「その通り…。そこのガキ共は多くの憎しみ、悲しみ、怒りと言った負の感情を抱え…死んでいった」

小黒「…っ!!」

春花「死んだって…え?」

???「そこの小娘の言った通りだ、貴様らは既に死んでいる。負の感情こそが好物の私にとって…あの学校は格好の餌場だったのだ!!」

春花「どういう事ですか、私は死んだ覚えなんか…」

耳雄「おい…なんなんだテメエは」

???「ククク…」





ミダレガミ「我はミダレガミ。と言っても本体の分身に過ぎんがな。」

ここでまさかのミダレガミ

しかしミスミソウ読み返したくなってきたな

トンデモ展開になってもでろでろだとむしろ余裕で脳内再生される…というか普段通りだ…

ミダレガミはゆうやみだっけ

最後の最後にガチでヤバイのが来ちゃった…

ミダレガミかぁ

誰か辻呼んでこい

耳雄どころか隊長加わってもヤバイのきちゃった

耳雄どころか隊長加わってもヤバイのきちゃった

連投失礼

留渦「ミダレガミ…聞いた事がある。どこかの島を支配する神のような存在だと…」

相原「でも、あれ…神様なんて感じじゃないわ…」

耳雄「こいつは神様なんかじゃねえ、ただの悪霊だ」

春花「…どういう事なの…私たちをどうする気なの!?」


ミダレガミ「あの島だけでは物足りんでな…本州にいい餌がいないかと、分身である我が探していたのだ。そして見つけた…憎しみ、恨み、怒り、悲しみ、後悔、罪悪感…様々な負の感情を持つ霊の溜まり場を」

小黒「それが私らって訳か」

相場「だが、僕たちは死んだ記憶なんかない。それはどういう事だ」

ミダレガミ「我が意図的に記憶を消させたのだ。貴様たちが現実で起こした惨劇を、この世界で繰り返し行わせ、その度に負の感情を喰らうためだ」

春花「…っ!!?」

小黒「つまり、私らに何度も殺し合わせようとしてた訳か。ムゴイ事を…」

ミダレガミ「しかし…負の感情で満ちていたこの世界が崩れ始めた……貴様のせいだ、日野耳雄!!」

耳雄「はあっ!?」

ミダレガミ「なぜこの世界に入って来れたのかは知らんが…貴様が好き勝手にやってくれたせいで負の感情が薄れてきているのだ。せっかくの美味い食べ物を不味くしくさってからに」

耳雄「うるせー、趣味が悪いんだよ!!!」

ミダレガミ「しかし貴様…どうやってこの世界に入り込んだ」

留渦「それは…春花さんが助けを求めていたからだと思う」

春花「私が…?」

留渦「きっと…春花さんの魂の奥底に眠る本当の意志が、誰かに助けて欲しくて…それがお兄ちゃんを呼んだのだと思う」

ミダレガミ「ふん、バカバカしい事を言いおって、これ以上貴様らの好きにはやらせん…覚悟するがいい!!」

耳雄「テメーこそ覚悟しやがれ、ぶっ飛ばしてやる!!!」ギロリンッ

ミダレガミ「ククク…我はな、そのガキ共の記憶を自由に操れるのだ」

小黒「…まさか!」

ミダレガミ「まずは貴様…生きていた頃の記憶に戻ってみろ!!」

流美「…え?」

小黒「流美、ダメだ…逃げろ!!」

流美「あっ…」ドクンッ

流美「あああああっ!?」

春花「流美さん!?」

耳雄「貴様…何しやがった!?」

ミダレガミ「ククク…」

流美「…」

春花「流美さん…大丈夫!?」

流美「野咲…」グッ

春花「え?」

ドサアッ

春花「キャッ!?」

流美「野咲いいぃぃっ!!!」ググググッ

耳雄「馬鹿、何して…ぐあっ!!?」シュルシュル

ミダレガミ「貴様は邪魔だ、黙って見ていろ!」
留渦「や、やめて!」

ミダレガミ「そして、野咲春花の記憶も戻してみよう!ヒャハハハハッ!!」

小黒「やめろーーー!!!」

ドクンッ

春花「うっ…!!?」

春花「あ…やだ…」

春花「うわああぁっ!!?」

相場「野咲!?」

ミダレガミ「さぁてどうなるかな?」ニタァ


流美「野咲…お前が、お前が!!」ググググッ

春花「…!!」

ミダレガミ「そうだ、もっと首をしめろ!!」

小黒「くそっ!私が止めなきゃ…全部、私のせいなんだ!!」

相場「待て、様子が…」

小黒「え?」



春花「…」ポロポロ

流美「な…んで…」

流美「何で…やり返さないの…」

春花「流美さん…こんなのは、やめよう…」グスッ

流美「な、なんで…なんでよ!!」

流美「だめ、ころすなんか出来ない!!」

くそ、ついさっきこのスレに気付いて今読み終えた。完全に出遅れたわ
続き期待

流美「くそっ、生きてる時は本気で憎かったのに……憎かったのに!!」

流美「でも、ここでは野咲さんは私に優しくしてくれて…友達になってくれて、毎日が楽しかった。私には…野咲をころすなんて無理だよ!!」


ミダレガミ「何をしている、憎いのだろう!?殺し合え!!」

流美「うっさい、黙れクソババア!!!」

ミダレガミ「なんだと!!?」

春花「流美さん……私は、もう…あなたを憎むなんて出来ない」

流美「な、何を言ってんの野咲…私は、あんたの…家族を……」

春花「わかってる。わかってるよ……でも、ここで流美さんと一緒に過ごして…色々話して、流美さんが今まで色々な苦痛も味わって来た事を知って…流美さんのいいところも知ってしまった…」

春花「私もあなたと過ごして…楽しかったから…」ポロポロ

流美「……野咲…!ごめん…ごめん!!」

春花「……私こそ、たくさんの人を…殺してしまった……」

流美「あんたは悪くない…!私が余計な事しなければ、あんな事にならなかったんだよ!!ごめんよ…ううっ」

小黒「…」

ミダレガミ「ええい、つまらん!ならば他の奴等全員の記憶も戻すまでよ!!」

カアッ!!

春花「!!」

留渦「…そんな事をしても無駄ですミダレガミ」

ミダレガミ「なに!?」


吉絵「…」
理佐子「…」
ゆり「…」

春花「あ、吉絵さん…理佐子さん…ゆりさん…」

春花「ごめんなさい、私…三人を……ごめんなさい、ごめんなさい」

吉絵「…」ザッ



吉絵「野咲!!!」

春花「っ!!」


吉絵「なんで、あんたが謝るんだ!!」

春花「え…」

吉絵「ったく、悪いのはどう考えたって私らの方じゃないか…」

理佐子「私たちが謝らなくちゃいけない方だよ…」

ゆり「野咲…ごめん」

春花「…でも、私…」

理佐子「もう!だからそれは私たちが悪かったの!」

ゆり「あんたは何も悪くない」

春花「…」

吉絵「それに…今の私たちはあんたの友達だ。もし、あんたに逆恨みしてるようなバカがいたら私らがそいつをぶっ飛ばしてやる」

ゆり「それが私たちにできる罪滅ぼし…」

理佐子「私たち野咲親衛隊はいつまでもあなたの味方だよ!」

春花「…みんな……」

久賀「……野咲、俺だって、お前と同じ事をされてたら…同じように復讐したと思うぜ…」

春花「久賀くん…」

久賀「俺さ…お前に追われて穴に落ちた後……家族はどうしてるかなって考えたんだ…そして、俺が死んだら悲しむかなって…」

春花「ごめんなさい…」

久賀「吉絵にも言われたろ、お前は悪くない」

久賀「その時に家族がいなくなるって凄く悲しくて怖い事だって気づいて…急に凄い罪悪感が芽生えて来て……やっぱりあんな事しなければ良かったって後悔した…」

春花「…」

久賀「お前には、酷い事してばっかりでろくに謝ってなかったな」


久賀「野咲…遅すぎるし、今さら許してくれとは言わない…だが俺にはもう謝る事しか出来ない。ごめんな野咲…本当に、悪かった」

春花「…ありがとう、久賀くん」

イイハナシニナッタナー

押切作品からギスギス感が無くなれば、残るのはラブかコメディだからなぁ。
見えないところでポーちゃんが癒しのオーラをふりまいてるんじゃ?

投下が終わる度にプピポーのEDが脳内再生されるわ

ギスギス感以外のホラー押切あったかなと考えてみたら、うっかり

辛い事があった女の子が森で泣いていると、動物さんたちが集まってきて慰めてくれた!お伽話のようなほんわかハッピー雰囲気!私もう何も辛くない!
      ↓
実は女の子が見てた幻覚で現実は動物に襲われて血まみれスプラッタ鬱終了

みたいな話もあった事を思い出してしまった…
いやいや…上げて落とすなんてまさかそんな事は

池川「野咲くん」

真宮「俺たちは…自分の事しか考えてなかった」

春花「!」

真宮「日野の野郎に殴られボコボコにされなきゃ気付かなかったぜ…」

池川「すまない…」

春花「池川くん…真宮くん…」


相場「野咲、俺もお前を裏切るような事をして…本当にごめんな。取り返しのつかない事を…」

春花「相場くん…私は、相場くんを……」グスッ

相場「辛いだろうけど、今は泣いてる場合じゃない。立つんだ、野咲」

春花「…うん」

小黒「そうだよ野咲…辛くても今はウジウジしてる状況じゃない」

春花「小黒さん」

小黒「…流美も、ごめんな。あんたがどれだけ辛かったかも考えずに…」

流美「うん…」

春花「ねぇ、小黒さん。ミダレガミを倒せばきっと…私たちはあの世へ行くんだよね」

小黒「…だろうね」

春花「もしも、生まれ変わる事が出来たなら…また、友達になってね?」

小黒「野咲………うん」

小黒「流美も…もしも生まれ変わる事が出来たら、次は仲良くしよう」

流美「うん、ありがとう」

小黒「…行くよ」

春花「うん!」ザッ

ミダレガミ「な…何故だ、何故…憎しみがなくなっている!!こんな事はあり得ん!!」

耳雄「テメェは…人間を舐めすぎたんだ。ミダレガミ」

ミダレガミ「!!」

耳雄「確かに俺たち人間は…弱い生き物だ。ちょっとした事で憎しみを抱き…それが少しのズレでエスカレートし、簡単に壊れていく………だがな」


耳雄「人間は、変わる事だって出来るんだ!!」

ミダレガミ「うるさい、貴様はこのまま我の髪で絞め殺して…」

耳雄「ふんっがあぁぁぁっ!!!」ブチブチブチッ

ミダレガミ「我の髪を引きちぎった!!?」

耳雄「どんな悪霊だろうが、俺は怖くねぇ…悪霊に対抗する最大の武器を持っているからだ」

ミダレガミ「な…なんだと…」

耳雄「生命力だっ!!!俺の生命の力を甘く見るんじゃねぇ!!」



祥子「お姉ちゃん!!」タタタッ

春花「!?しょーちゃん、危ないから来ちゃ駄目!!」

ミダレガミ「…くく、いいことを思い付いた」
ヒュルヒュルヒュル

祥子「あっ!?」ギュッ

耳雄「しまった!?」

ミダレガミ「ははは!この小娘が絞め殺されても…憎しみを抑えていられるかな!?」

春花「やめて、しょーちゃん!!」タタタッ

耳雄「くそっ!!」

祥子「お姉…ちゃ…」グググッ

ミダレガミ「もう遅い、はははははは!!!」


ブチブチブチッ!!


春花「!!」

祥子「え…」

ミダレガミ「な、なんだと…」



南先生「小さい子供に何をしているのかしら、外道」

春花「南先生!?」

祥子「うわあぁん、怖かったよう…」

南先生「もう大丈夫よ」

祥子「うん…」グスッ

春花「南先生、ありがとうございます」

ミダレガミ「…ぐぬうぅ!!どいつもこいつも…」

南先生「私は教師として…子供たちを守ってみせる。覚悟しなさい、ミダレガミ」

耳雄「な、なんか別人みたいになったな、あの先生」

留渦(そういえばあの人、映画館にいたな)


ミダレガミ「ならば、この世界で貴様らの体験した記憶を消すまでよ!!!」バチバチバチ

バシイィンッ!!

ミダレガミ「ぬう!?我の超能力が弾かれた!!?」

相原「はぁ…はぁ…出来たわ…」

ミダレガミ「貴様の仕業か、小娘!!!」

相原「ミダレガミの記憶操作攻撃は私が抑える、みんなはあいつをやっつけて!!」

留渦「でも、長い間は持たない…無理を言うけど早めに頼むわ」

耳雄「おう、任せとけ!!!」

ミダレガミ「ええい、出でよ、我がしもべたち!!!」


カサカサカサカサカサカサ………



カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ…


耳雄「う…あれは!?」

留渦「百億光街で見た…群れ女!?」

春花「う、なにあれ…」

小黒「気持ち悪い奴らめ」

群れ女「あん…まあぁ~~」

耳雄「くんじゃねぇっ!!!」バコーンッ

耳雄「くそっ!こんな数相手にしてられねぇ!!」

委員長「耳雄!俺たちが盾になる!!」

カントク「耳雄くんはミダレガミを倒してくれ!!」

耳雄「委員長、カントク…すまねぇ!」タタタッ


群れ女「…」バッ!!

委員長「ぎゃああっ、来たあぁ!!こいつ、俺の貞操を狙ってやがるうぅ、うおぉっ!!」

カントク「一緒に頑張ろう、負けるな平川くんっ!!!」


群れ女「…」ズイッ

春花「うっ!」ビクッ

ヒュンッ…スコーンッ!

群れ女「いだああぁっい!」

春花「!」

真宮「さっさと行け野咲!!」

池川「僕達が食い止めてみせる!」

南先生「生徒達は…私が守る!」ビシュビシュビシュッ

群れ女「ぐああぁぁぁ…」ドサッ

春花「…みんな…」

小黒「行くよ、野咲!」

相場「俺たちはミダレガミを倒しに…」

流美「これ以上好きにはやらせない!」

春花「うん!」

群れ女「…」カサカサカサ

春花「きゃっ、囲まれた!!」

相場「くそっ」

吉絵「画ビョウを食らいな!」プスッ

群れ女「ひいぃぃぃ…」

春花「!」

理佐子「野咲さん…ここは私たちに任せて!」

ゆり「怖いけど…なんとかやってみるよ」

吉絵「ほら、さっさと進めっ!!」

春花「三人とも…ありがとう!!」タタタッ


吉絵「こい、群れ女ども…私の針は鋭いよ!!」シャキーン

理佐子「野咲さんを守ってみせる!」

ゆり「行くぞーっ!!」

ミダレガミ「ちっ、もう近くまで来たか、食らえっ!!」ビシュッ

相場「危ない野咲!」

流美「野咲さん!」

バシイィンッ!!

相場「うっ!」ドサッ

流美「いたっ!」ドサッ

春花「相場くん、流美さん!!」

小黒「大丈夫かい!?」

相場「ぐっ…大丈夫だけど…いたっ」

流美「…野咲さんに当たらなくて良かったよ…いててっ」

春花「私なんかの為に怪我をして…ごめん」

相場「謝る必要なんかない、行け野咲!」

流美「ミダレガミをやっつけて」

春花「…うん!」

群れ女「…」

小黒「!野咲…後ろ!」

春花「え」

バシィッ!

久賀「…ちっ、ボーッとすんなよ…」

小黒「久賀!」

久賀「この群れ女は俺が抑える、行け!!」

春花「ありがとう!」

ミダレガミ「群れ女、我を守れ!」

群れ女「…」カサカサカサ

耳雄「また来やがったか!」

サイトーさん「ギャイーンッ!」がぶっ

群れ女「あああぁぁ」

耳雄「サイトーさん!」

サイトーさん「ワンワン!」(耳雄くん、行くんだワン!)

耳雄「かたじけねぇ、サイトーさん!」

群れ女「…」カサカサカサ

サイトーさん「ギャヒヒヒー!!」(でもやっぱ怖いギャヒヒヒー!)



小黒「あの群れ女たちは、そこの犬と一緒に私が抑える。野咲はミダレガミを頼んだよ」

春花「小黒さん」

小黒「…また、あの頃みたいにゆっくり話したいね」

春花「うん…」

小黒「さぁ、行ってきな!」

春花「わかった!」

ミダレガミ「ぬぬっ、ここまで来たか…日野耳雄、野咲春花!!」

耳雄「春花…前に教えた、敵のぶっ飛ばし方…覚えてるな!!」

春花「うん!!」


ミダレガミ「ふんっ…仕方ない、今回はこの辺で引き上げるか………!?」

ミダレガミ「何だ、我の体が動かん!?」

留渦「…私の持てる霊能力を全て出し切りあなたの体の動きを止めていたの。気付かなかった?」

ミダレガミ「な……んだと……」


耳雄「春花、ここで全て終わらすぞ!!!」

春花「皆の魂を……解放する!!!」

バシュッ!!


ミダレガミ「!!」



耳雄「…拳に、全身全霊の…」


春花「魂をこめて…」



「ぶちかますっ!!!!!」



ドガアアアァァァァッ!!!



ミダレガミ「ぐああぁぁぁぁぁあああぁぁ!!?」


ミダレガミ「我が、やられるのか……人間ごときにぃっ!!?」



耳雄「何度でも言ってやる…てめえは人間を舐めすぎた」


春花「私たちは、あなたのような人なんかに負けない」



ミダレガミ「うおおおぉぉぉっ!!!」
シュウウウウゥゥゥ…



相場「ミダレガミが消えていく…」

流美「終わったの…」

留渦「ミダレガミ…あなたは最後まで、憎しみに包まれたままでしたね」


祥子「お姉ちゃん!!」

春花「しょーちゃん…もう大丈夫だよ」

耳雄「これで、終わったんだな…」

留渦「うん」

小黒「……はぁ…」

春花「どうしたの?」

小黒「いや、いざとなると怖くてね。私たちは既に死んでる存在でしょ…このあと、私たちはどうなるんだろうって思って…情けないよ」

流美「うん…私も怖い。やっぱり地獄に落ちちゃうのかなって…」

相場「…死んだ後の世界なんてわからないもんな」

祥子「お姉ちゃん…私、どうなるの?」

春花「大丈夫、しょーちゃん。私もいるから」

耳雄「…心配すんな、死後の世界を恐ろしいものにするほど、神様は酷くないはずだ」

春花「耳雄くん…」

留渦「私たちは信じてるよ、きっとみんな生まれ変って、次は幸せな人生を送れると」

春花「ありがとう…」グスッ

シュウゥゥ…

春花「あ…」

耳雄「!!」

小黒「体が…少しずつ、消えてく…」

相場「ついにあの世に行くんだな」

流美「…あの世は怖いとこじゃないよね」

春花「うん…大丈夫だよ」



野咲父「耳雄くん…留渦ちゃん…ありがとう」

野咲母「あなたたちのおかげで…春花の幸せそうな顔を再び見ることが出来た」

留渦「おじさん…おばさん…」

耳雄「…俺も楽しかったですよ、ありがとうございます」

春花「…耳雄くん、留渦ちゃん…本当に、ありがとう」

耳雄「ああ…」

留渦「春花さん…」


春花「短い間だったけど…みんなとも、仲良くなれて…凄く楽しかった」


春花「私に、幸せな時間をくれてありがとう……二人も…ずっと、幸せな人生を……送って…ね……?」



耳雄「おお、もちろんだ!!春花も、みんなも…ありがとうな!!!」

留渦「ずっと…春花さん達との思い出を忘れないから…」


春花「じゃあね…耳雄くん…留渦ちゃん…」



………ありがとう………





そして、春花たちは光となり…天に昇って行った…



ミダレガミの作り出した世界は崩され、耳雄達は気付くと最初の廃校に戻っていた…




サイトーさん「…」

委員長「…」

相原「…」

カントク「うううぅぅ…」グスグス


耳雄「…世の中は、色々な事が起こってんだよなぁ…俺達の知らないような凄惨な事件なんかも…」ズズッ

留渦「…うん」グスッ

耳雄「憎しみなんか無い…平和な世界になればいいのにな」

留渦「そしたら皆…幸せに暮らせるのにね」

耳雄「あいつらが生まれ変わった頃には…そんな世界が来てるといいな」

留渦「私も…そう信じたい」

耳雄「…!見ろよ、留渦…」

留渦「ん?」


耳雄「…ミスミソウが咲いてるぜ…」




―――――


おじいちゃん「……」


おじいちゃん「春花…祥子…あれから、どれだけ経っただろう……」


おじいちゃん「寒い思いはしてないか?お腹は空いてないか?」

おじいちゃん「…寂しい思いは…してないか?」

おじいちゃん「…ごめんなぁ、春花……おじいちゃんは…お前に全然気づいてあげられなくて……」


おじいちゃん「…っ!!春花…春花なのか?」


春花「…」



春花「…」


おじいちゃん「お前…笑って、いるのか?そんな、幸せな顔をして……」


春花「…」



おじいちゃん「あぁ、そうだな……おじいちゃんも、もう…前向きに生きなきゃ、ダメだよな……」



―――――


ガタンガタン ゴトンゴトン ガタンガタン



おじいちゃん「……」


おじいちゃん「祥子…春花……」



おじいちゃん「今年も、また………春が来たよ」




―完―

乙!良い話だった!
次もでろでろと何かで書いて欲しいなぁ


以下 おまけ





春花「…」



春花「うっ…」


???「よう、お嬢ちゃんさん、目が覚めたかい?」


春花「!!」

???「向こうにも何人か倒れてたが…あんたの知り合いか?」


春花「…カエルさんが喋ってる…」

グェロロゲェエロッ「俺はカエルじゃねえ、グェロロゲェエロッだ」

春花「あの、ここは…」

グェロロ「ここは亡失の最果て…新しい再生を果たす場所だ」

春花「新しい再生…」


グェロロ「ここに来たって事は、何かに生まれ変わりたいとかそういう強い思いがあったんじゃねぇか?」

春花「…」

グェロロ「ついてきな、お嬢ちゃん」

春花「はい」



―おしまい―


リアルタイムで初めて完結まで読むことができた。
ありがとう。本当にありがとう。すごく嬉しかった。



耳雄はやっぱりかっこいいな

乙おっつ
綺麗にまとめたな

とても面白かった。
最後の最後でプピポーがw

俺も立った日からずっとリアルタイムで読んだ
乙!

誰もが思ったさ。ミスミソウ読んだときに「あぁ耳雄」が来てくれたら、と。
それを形にしたあんたは凄いよ。心からの乙。


最高だった

乙、乙!!
正直、泣いた
後、コープスにも耳雄を送りこみたい

続編というか、このスレもうだれも書かないなら依頼出して過去ログ送りにしちゃえば良いのに
そうすればもう続きを期待しなくて済むから。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年05月15日 (火) 23:26:34   ID: wYMA_qq3

救われた

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