子豚「僕は何処に連れていかれるんだブー?怖いブー」(8)

養豚場

子豚「母ちゃん!助けて!!助けてブーー!助け…」

子豚の悲鳴が聞こえなくなった。

母豚(ゴメンね…私の可愛い坊や)

母豚は静かに涙を流す。

泣いた

某スーパー食肉コーナーの一角で、晩御飯の材料を買い来ている母と子が何気ない会話を交わす。

「ねぇ孝、今日は何が食べたい?」

「うーんとね…生姜焼き!生姜焼きが食べたい!」

「じゃあ豚肉を買っていこうね」

「うん!」

親子は変わり果てた子豚をお買い上げした。

養豚場

母豚(あの子は食物連鎖の仕事を立派に果たした…決して無駄死になんかじゃない!)

母豚は我が子の死が意味のある物だと自らに言い聞かせた…

子豚を買った家庭

「あらヤダ!お肉焦がしちゃったわ!」

「え~っ!生姜焼き食べれないの!?」

「ゴメンね。今度ステーキにするから、今日はカップで我慢して、ね?」

「わかったよ…約束だからね!」

子豚はゴミの闇に消えて行った

しゃぶしゃぶ食いたくなった

ブー太郎を思い出した

一回、子豚の丸焼き食ってみたいわ

屠殺場へ連れて行かれる家畜は皆、一様に大人しくしてるんだって
たまに何かの偶然で連れて来られた野生の獣だけが、そこで暴れるんだってさ

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