間奏~Memories Off~ (21)
メモリーズオフ2ndの南つばめのssです
未プレイの方にも楽しんで頂けるよう努力はしますが、わからない事があれば聞いて頂ければと思います。
日記形式に会話が入ったような文体で基本的には1日1レスかと
自己満足の作品なのでクオリティは期待しないように。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394105958
過度に期待する
9/1
健くんの病室に手紙をおいて、私は病院を後にした。
凪の時間が、私には必要だった。
南の家のことにも決着をつけなければならないし、なにより私が健くんと向き合うまでの心の準備と平穏を、私自身が求めたから。
まずは浜咲学園に向かわなければならない。
浜咲学園……私が夏期講習の講師を勤めた学校で、健くんの母校でもある。私は夏期講習の分の給料を貰いに行かなければならなかった。
職員室には数人の教師が居た。私は給料をもらいに来た旨を伝えると、外出中の校長の代わりに、副校長が私を部屋に通した。
「南先生、お疲れさまでしたな、先生の講習は大変好評でね。校長も是非二学期からも続投をとおっしゃってますぞ、どうですかな?私からもお願いしたいのですが」
「……申し訳ありませんが、お断りさせて頂きます」
「はい?」
「それでは、失礼します」
私は給料袋を取るとその場を立ち去った。
後ろで副校長が何か言っていたが、気に留めず職員室を後にする。
私にはこの高校に居る意味なんてもうなかった。
このssはつばめエンドの空白の一年につばめは何をしていたのかというものです。
妄想がとまらなくなって、ついやってしまいました。
ある程度は書きためてありますのでしばらく御安心を……
やべーメモオフとか俺得すぎるぜ
だーれかにだーれかにこれあーげる。
凄く期待です
2は最高だったなぁ
翔太は犠牲になったのだ
翔太が朝凪荘を燃やしたのしか思い出せん
9/2
昼間に病院の前まで行ったが病室は訪れなかった。もう別れの挨拶は済んだのだ。今更戻れるはずはない。
私はその足で海へと向かった。あの小屋を訪れようと思ったのだ。
幸いにも、まだ小屋はあった。中をのぞくと、ろうそくが一本立っていた。あの時のものだろうか。
小屋を出るといつかの老人が現れた、相変わらずヨレヨレのタキシードを着ている。
「お前……あの時の女か」
「……」
また、あの時のように罵られるのだろうか
「今日の海は荒れていない、嗚呼なんと穏やかな事よ」
詩的な口調は変わっていないようだ。
「あの時の海は荒れておった、お前の心のようにな……」
「っ!」
なぜ見透かされたのだろうか、あの時の私を。
「女よ、今のお前は覚悟の決まった目をしている、その目を忘れるなよ」
そういうと老人は海に背を向けて、どこかへと歩いて行った。
>>8
翔太は気付いたら火が出てたと言っていたので多分違うかと
>>8
朝凪荘に火を付けたのは、確かつばめ先生だったはず
当時を振り返ると懐かしい。初代の数々の迷台詞がよみがえるようだ
メモオフ好きだったなぁ
思い出に変わる君で路線かわちゃったのが少し残念
メモオフコンサートでたるたるの真似したつばめ先生(池澤春菜)は今でも忘れない
俺は稲健、いい男~
9/3
夕方、朝凪荘へ向かった。まだ焼け跡が残っている。これもある意味覚悟を決めるためだった。
明日の朝、私は旅に出る。
その前にここを見ておきたかったのだ。
私が還る、この場所を……
不意に後ろから声をかけられた。
「あれ?つばめ先生じゃん!」
「信クン……」
そこに居たのは、かつて同じくこのアパートに住んでいた稲穂信クンだった。
「そっか、センセーもかぁ」
私は彼に旅に出ることを伝えた。
「も?」
「俺もさ、インド行くんだ」
「イン……ド?」
そういえば、彼がアパートに居る時にも何度か聞いていた気もする。
彼はいつも外国に行きたいとずっと言っていた。
「そ、インド、カレーと像と仏教の」
「なんでまた?」
「さぁね?風の吹くまま、気の向くままってところかな」
そう言ってニヤリと彼は笑い。
「センセー、イナケンを泣かせるなよ?……おっとバイトの時間だ」
そう言うと、またね、と言って。彼はバイト先へ向かった。
9/4
朝一番の電車に乗り、夜明け前に街を出た。今日私が向かうのは横浜にある南家。
宇和島真紅と……つまり父、南朱雀と決着をつけなければならない。
家にたどり着くと、私は黙って家に入った。「ただいま」なんて絶対に言わない。
ここは私が還る場所ではないから。
自分の部屋に入る。ここに入るのは久々だ。無機質と呼ぶにふさわしく、広さだけは余分にある、「死んでいる」と形容するのがふさわしい部屋。申し訳程度の家具と、偽物の観葉植物。
そして忌々しいグランドピアノ。
私はキャリーケースに服と生活必需品を幾つか入れると、父の仕事部屋へ向かった。
部屋の前に立ちノックをする。入れ、と聞こえ中に入る。
こちらに背を向けたまま父は口を開いた。
「つばめか、何をしに来た、とうとう私から逃げるのをやめたか?」
「えぇ、私はもう貴方から逃げないわ」
するとやっとこちらに向き直り話を続けた
「意外だな、あれだけ私から必死で逃れようとしていたのに」
「私は、決着をつけに来たのよ」
「ふん、くだらん、勝手に何処へでも行くがいい」
薄笑いを浮かべながらこちらを嘲る。
「意外ね、私を地の果てまでも追い詰めるつもりかと思ったわ」
「馬鹿馬鹿しい、私が追っていたのは『彼女』の娘だ、お前ではない」
そう言うと彼は再び私に背を向けた。
「……何を言ってるの」
「あの少年のところへ行くのだろう、お前があの少年を選んだ時点で、お前はもう『彼女』の娘ではない」
「……」
「さぁ、行け、これが今生の別れとなるだろうがな」
あれだけ憎んでいた父。しかし紛れもない私の父だ。
「さようなら…………パパ」
そう呟いて部屋を出た。幼いころ、まだ母が生きていた頃、そう呼んでいたように。
9/10
私は今、千葉に居る。九十九里浜の近くの民宿に泊まって、今日で四日目だ。
旅の最初の場所に千葉を選んだのに特に理由はないが、なかなかいい場所だ。昨日は自転車を借りてあたりを巡って来た。
未だに暑さは残るが、昨日の夜はとても涼しかった。秋も、もうすぐそこだろう。
そういえば、面白い人に、一昨日会った。
たまたま寄った喫茶店で一人の男が頭を抱えていた。あまりにも長いこと唸っているものだから、私がどうしたのか尋ねるとその男性は。
「いやね?旅行に行く予定なんだけど、自分の店の鍵を閉めてきたか急に不安になってね」
私が、それなら行けばいいのではないかと尋ねると
「それが……いまから帰るとフライトに間に合わないんだ、何せ千羽谷にあるもんだから」
しかし男は思い立ったかのように立ち上がり
「まあ仕方ない!!クヨクヨしててもしょうがないよな?行って来るよ」
「行ってらっしゃい……?」
「あ、そうそう、ここで会ったのも何かの縁だ よかったら今度店に来てみてよ。千羽谷のcubic Caféって店だから!それじゃ!」
たなかぁーーーーー!
9/16
私は再び横浜へと戻って来た。といっても父の家ではなく、住宅街から少し離れた格安のアパートだ。
水波荘というそのアパートには住民が何人かいるらしいが、今のところ一人にしか会ってない。
私が出会ったのは小滝という女性だ。
わかっているのは小滝という名前だけで、その小滝が名字なのか名前なのかすらわからない。
小滝は見たところ私と同い年か少し上くらいで、とても気さくな女性という印象を受ける。
本人曰く、職業は旅人。横浜には先月からいるらしく、とりあえず今年一杯はここを拠点にするそうだ。
初めて会ったのは、近くの駐車場で彼女がバイクをいじっていた時だ、たまたま通りかかった私がそれを見ていると。
「ひーろーきうみーのーそーらーたーかーくーっと」
と、私も知っているある歌を歌い始めた。私は思わず
「かもーめの声もすがすがしー」と続けてしまった。
すると彼女はきょとんとした表情でこちらを見ると。
「おかにーつどうーものーあーりてー」
歌を続けた。
「かたーりしはーゆめーあーつくー」
私もそのまま
「きーせつひびーにーそーだーちーゆくー」
「「ああほーこりーつーよくーあれー、はまさきがくえんー」」
そう、この歌は浜咲学園の校歌だ。
「あんた、浜咲の卒業生かい?」
「いえ、この前まで講師をしていたわ」
「そうかい、まさかこの歌をいきなり歌って来る奴が居るとはね、思いもしなかったよ」
「あたしは小滝、そこのアパートに住んでる」
「私は南つばめ、そこのアパートに住んでるわ」
「は?何号室だい?」
「昨日6号室に引っ越してきたの」
「ははーん、なるほどねえ まぁよろしく頼むよ、つばめ」
KIDが携帯向けサイトで配信してたのも、この時期の話だったな
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