塞「もうすぐ卒業かあ……」 (51)

白望「卒業とかだるい……」

豊音「みんなとこうしていられるのもあと少しなんだね……」

胡桃「もう会えなくなる訳じゃないんだからそんなにしんみりしないでよ…ねっ、エイちゃん」

エイスリン「……」

胡桃「エイちゃん?」

豊音「大丈夫?」

エイスリン「ダ、ダイジョウブダヨ」

白望「だるいから無理しないでね」

エイスリン「ホントニダイジョウブ」

支援

エイスリン(ホントは大丈夫じゃない……)

エイスリン(あの日……インターハイで負けた日から私は自分を責めあの人を恨み続けた)

エイスリン(でも皆に悟られない様に頑張って来た、皆とは笑顔でいたかったからそれに……)

エイスリン(1度でも負の感情を表に出したら、この胸の奥で蠢く黒いものが爆発しそうで怖いから)

これがワカメクリムゾンの業か・・・

やはりワカメは許されない

塞「エイちゃんは卒業したらニュージーランドに帰っちゃうんだよね…?」

エイスリン「ウン……」

胡桃「会いに行く!私絶対1年に1度は会いに行く!!」

豊音「私も!!」

塞「頑張ってお金貯めないとだね」

白望「働くのだるい…」

胡桃「ちょっ!?シロォ!!」

白望「大丈夫…お年玉を貯金してあるから」

豊音「じゃあ大丈夫だね」

塞「いや、働いてお金貯めないとそのうちなくなっちゃうから……」

エイスリン「ミンナアリガトウ……」ウルッ

胡桃「エイちゃん……」

豊音「泣いてるの…?」

エイスリン「アレ?ワタシナクツモリナンテナカッタノニ……」ウルウル

塞「だるいから泣くの我慢しない方が良いよね?シロ」ドンッ

白望「何で押すの…?」

白望「……今は好きなだけ泣いて、でもだるいから明日は泣かないでね」ギュッ

エイスリン「ウンッ……」

エイスリン(みんな優しい、でも…やっぱり……)

次の日

胡桃「ねえエイちゃんからメール来た?」

豊音「来たよ、今日は学校休むんだってね」

白望「だるい……」

塞「放課後お見舞いに行こっか」

豊音「そうだね」

胡桃「昨日の事もあるし心配だもんね」

塞「シロだるいとか言わないよね?」

白望「さすがにだるくない…」

エイスリン(みんな今ごろ心配してるよね……でももう我慢出来ない……だから)

エイスリン「キタ…」タタッ

まこ「ん?あっ、あんたは!!」

エイスリン(このまま体当たりして押し倒しつつ刺す!!)

グサッ

まこ(ぐっ…とっさに右腕を盾にしたがこのままじゃ……)

エイスリン(腕で邪魔されて体に届かなかった、でも押し倒して上を取った…だから!!)ハァハァ

まこ「っ…やめんか!!」

エイスリン(っ!?抵抗してくる)

エイスリン「ジャマスルナ!!」

久「あなたそこで何やってるの!!」

エイスリン「っ!?」ダッ

久「待ちなさい!!」

まこ「追わんでええ!!」

久「まこ!?大丈夫なの?」

エイスリン(邪魔が入った…警察呼ばれるかな、でもあいつだけは……)

エイスリン(おかしい…警察にも病院にも行かない……)

エイスリン(1人になった…?チャンス!)タタッ

ドンッ

エイスリン「エッ!?」バタッ

エイスリン(いなくなったふりして隠れてた!?)

久「はーい動かないでねー」ガシッ

エイスリン「ハナシテッ!!」

まこ「まさか本当にウィッシュアートさんとはのう……」

意外とガチだった…

これだからダウンアンダーは

久「早く警察に突き出しましょう」

まこ「警察は呼ばんと言ったじゃろ」

久「何でよ!!」

エイスリン「ナンデ…?」

まこ「表沙汰になって騒がれるのは面倒じゃからな」

久「右腕そんなにされて面倒もクソもないでしょ!!」

まこ「病院には今から行くからそんなに怒鳴らんでくれ」

久「この子にも一緒に来てもらうわよ、放って置いたら何するかわからないから」

病院

まこ「それじゃあわしは診察して貰いに行くがあまり騒がんようにの」

久「分かってるわよ」

エイスリン「……」

久「……」

エイスリン「……」

久「……」

エイスリン「……」

久「ねえ、随分大人しいけどもう諦めたの?」

エイスリン「ウン……モウシナイ」

久「そう…でも信用出来ないわね」

エイスリン「……」

久「まこに何かあったら許さないから」

エイスリン「……」

\4

まこ「待たせたのう」

久「大丈夫だったの?」

まこ「まあしばらくは右腕が使えんらしいぐらいじゃな」

久「ちょっと!?」

まこ「大丈夫、久がうちでバイトしとる間に治るじゃろ」

久「ならいいけど……」

久「あなたはこれからどうするの?」

エイスリン「……」

久「あんた返事ぐらいしなさいよ!!」

まこ「落ち着け」

久「あんたが落ち着き過ぎなのよ!!」

看護師「お静かにお願いします」

久「はい……すみません」

まこ「話の続きはうちに帰ってからにせんか?」

久「分かったわ」

まこ「ウッシュアートさん今日はもう遅いしうちに泊まってってください」

エイスリン「ドウシテ…?」

まこ「宿泊先は決まっちょるんですか?」

エイスリン「ナイ……」

まこ「じゃあ決まりですね」

久「その子を泊めるなら私も泊めなさいよ」

まこ「分かった、久がいた方が親にもうまくごまかせそうじゃからな」

染谷家

久「さあどうしてまこを襲ったのか教えて貰おうかしら」

エイスリン「ユルセナカッタ…インハイデカテナカッタジブントコノヒトガ」

久「なによ逆恨みじゃない!!」

エイスリン「ワカッテマス…ダカラガマンシテタ…デモガマンスレバスルホドオオキクナッタ……」

まこ「それで遂に耐えきれんくなったんですね」

久「だからってこんな事許されないわよ!!」

エイスリン「ゴメンナサイ……」

まこ「久、落ち着け」

久「まこが落ち着き過ぎなのよ!!」

まこ「わしの分まで久が怒ってくれとるからの」

久「もう、なによそれ」

まこ「とりあえず久は風呂に入って来たらどうじゃ」

久「まこはいいの?」

まこ「傷にしみるから今日はやめとく」

久「そう…でも…」

まこ「大丈夫じゃって、そうですよね?」

エイスリン「ウン」

久「…分かったわ、でも何かあったら……」

まこ「わーっとる」

エイスリン「ナニモシナイ」

まこ「ウィッシュアートさんに頼みたい事があるんですが」

エイスリン「ナニ?ナンデモスルヨ」

まこ「この腕が治るまでうちの店をわしの代わりに手伝って欲しいんです」

エイスリン「エッ…?」

まこ「久にはああ言ったけどいつ治るかは分からんし、あいつも新生活までの間働いて貰ってるだけなので……」

まこ「もちろん今後の予定が決まっとるんでしたらやらんでいいですよ」

エイスリン「キマッテナイシ、ワタシノセイダカラテツダッテアゲタイ、デモニホンニイレルノモアトワズカ…ウデナオラナイ……」

まこ「その気持ちだけで十分です。でももしウィッシュアートさんに日本に残る気があるならなんとか残れるようにします」

エイスリン「ホントニ!?ワタシノコル、ノコッテツミヲツグナウ!!」

染谷組の力で

エイスリン「デモナンデオコラナイシケイサツモヨバナイノ?」

まこ「言った通り久がわしの分まで怒っとったし、警察沙汰は面倒じゃからです」

エイスリン(この人は命を狙われたのにこんなに良くしてくれる、それに引き換え私は……)ウルウル

まこ「えっ、ちょっ!?大丈夫ですか?」

エイスリン「ダイジョウブ、ゴメンナサイ……」ウルウル

久「お風呂上がったわよ」

久「ふーん私がいないところで制裁を加えてたみたいね」

まこ「そうじゃないんじゃがな……」

まこ「とりあえずウィッシュアートさんお風呂どうぞ」

エイスリン「ワカリマシタ…」グスッ

久「だいぶ精神的にきてるみたいね、何したの?」

まこ「だから別に何も……」

久「そ、じゃあお風呂行きましょうか?案内してあげる」

エイスリン「アリガトウ」

まこ「変な事するなよ」

久「あんたがしてないんだからしないわよ、ちょっとお話はするけどね」

まこ「そうか、見たとおり弱っちょるからあまりキツいこと言うなよ」

久「はいはい分かってるわよ」

久「ねえ、まこと何を話したの?」

エイスリン「……」

久「私とは話したく無いって事か……」

エイスリン「ソウジャナクテ、オコリソウダカラ……」

久「……怒らないから教えて」

エイスリン「オミセデハタライテッテ」

久「はあ!?あいつ何考えてんのよ」

エイスリン「オコッタ……」

久「怒って無いわよ、あなたには」

久「ついたわよ、使い方は分かるわよね?あと部屋への帰り道も大丈夫?」

エイスリン「ダイジョウブ、アリガト」

久「ん、じゃあまたね」

\4

まこ「おかえり」

久「ただいま」

久「あんた何考えてんのよ、あの子をここで働かせるなんて」

まこ「もう命も狙わんみたいだし、うちも人手不足でのう」

久「それはもういいけども、あの子接客大丈夫なの?」

まこ「働いてれば何とかなるじゃろ、あれはあれで受けそうじゃし」

久「それに私がいるから、とか言うんでしょ?」

まこ「久が指導してくれればすぐにものになりそうじゃし、同年代じゃからあっちも接し易いじゃろ」

久「分かったわよ。私がいるうちに何とかしてあげるわ」

まこ「さすが頼りになるのう」

久「まったく、調子いいんだから」

エイスリン「オフロアガリマシタ」

まこ「おかえりなさい」

久「おかえり」

久「そういえばあなた、家の人とか友達に連絡しないでいいの?」

エイスリン「……」

エイスリン「コワイ…ミンナトハナスノ……」

まこ「別に具体的に話さんでもええと思います、ただ心配しちょる人もおるじゃろうから」

久「そうそう、適当に話してここで働くことになった事だけ伝えたらいいわよ」

エイスリン「ウン……」

エイスリン「ウゥ、チャクシンイッパイ……コワイ」

久「電源切ってたのね……まさかここに来ること誰にも言ってない…?」

エイスリン「……」コクコク

久「まあ確かに人殺しに行くのを人には言わないわよね……」

しえ

まこ「じゃあ、わしが最初に話しますんで携帯貸してください」

久「なんでよ?」

まこ「久は変な事言いそうじゃし」

久「そうじゃなくて!ややこしい事になるかもしれないでしょ」

まこ「じゃがあまり遅くなると警察呼ばれるかもしれんじゃろ?」

久「確かにそうね……もう呼ばれてるかもだけど」

まこ「という訳でわしが最初に粗方事情を話してから代わるっちゅう事で」

エイスリン「ウン」

まこ「誰にかけたらいいですか?」

エイスリン「エット……」

エイスリン(塞と胡桃は私以外の人が出たら騒ぎそうだし……シロなら大丈夫だよね…?)

エイスリン「シロ!」

まこ「分かりました」

シロ『もしもしエイスリン?』

胡桃『えっ!?エイちゃんから電話?』

まこ「もしもしウィッシュアートさんの友達の方ですか?」

シロ『そうだけど……』

塞『シロ!貸して!!』

まこ「実はですね 塞『あなた誰!?エイちゃんをどうするつもり!?』

豊音『誘拐なの?』

胡桃『やっぱり警察呼ぶべきだよね』

シロ(だるい……)

まこ「ちょっと、落ち着いてください!!」

塞『エイちゃんに何かあったらただじゃおかないから!!』

豊音『そーだよー!!』

久「まこ、ちょっと貸して」ヒョイッ

まこ「どうするんじゃ」

久「…」ピッ

まこ「ちょっ!?通話終了してどうするんじゃ」

久「だって話聞いてくんないじゃない、メールするわよメール」

久「次電話で騒いだり警察を呼んだらこいつを殺すっと」

まこ「おい!!」

久「はい、これで大人しくなるでしょ?」

エイスリン「コロサレチャウノ…?」ブルブル

久「そんな事しないわよ」

ヒッサェ……

まこ「もしもし」

シロ『もしもし、みんな大人しくするからエイスリンを殺さないで』

まこ「分かってます。実はかくかくしかじかで」

シロ『ふうん』

まこ「今ウィッシュアートさんに代わりますね」

エイスリン「シロ?」

シロ『エイスリン……なんで急にいなくなったの?みんな心配したんだよ』

エイスリン「ソレハ……」

シロ『さっき聞いたから事情はだいたい分かってるんだけどね』

塞『ごめんね、私気づかなかったよ……』

胡桃『明日帰って来るよね?』

豊音『駅まで迎えに行くよ』

エイスリン「カエラナイ…ワタシノセイダカラケガナオルマデイッショニイル」

胡桃『でもたいしたことなかったんでしょ?』

エイスリン「……」

エイスリン「ワタシノ…セイダカラ…」グスッ

塞『エイちゃん……』

シロ『分かった…でも卒業式には出るよね?』

エイスリン「ソレハ……」

久「出なさいよ」

エイスリン「デモ……」

まこ「わしも出た方がええと思いますよ」

エイスリン「アリガトウ」

エイスリン「ソツギョウシキデル…ヒガエリデ…」

豊音『えー、日帰りなのー?』

まこ「別に1泊くらいなら」

エイスリン「ダメ…キットミンナトハナレラレナイ」

まこ「じゃあ卒業式より1日早く岩手に帰るんはええですよね?」

エイスリン「エッ!?」

久「そうしなさいよ」

エイスリン「アリガトウ……」ウルウル

エイスリン「ソツギョウシキノアトスグカエルケド、イチニチマエニカエルコトニナッタ」

胡桃『本当に!?良かったー、卒業式でしか会えないなんて寂しいもん』

シロ『それより前に1度私たちから会いに行くから、来ないでなんてだるいこと言わないよね?』

エイスリン「ウン、マッテル」

まこさんの仁愛の精神はすばらしいのう

エイスリン「アリガトウミンナトハナセタ」ウルウル

まこ「そんなに気にせんでください、働いてくれる事になってわしも助かってますから」

久「そんな湿っぽい話は置いといて、今日から同じ職場の仲間なんだから名前で呼び合う様にしましょう」

まこ「唐突じゃな」

久「呼び方が定着する前に言った方が楽でしょ?」

まこ「それもそうじゃな」

久「という訳で私の事は久でこっちはまこよ、分かったかしらエイスリン?」

エイスリン「ヒサとマコ……ウンワカッタヨヒサ」ニコッ

トシ「まさかエイスリンがそんなことを……で、ドリンクは?」

僕もまこの店で働きたいです

ある日

豊音「久しぶりにエイちゃんに会えるよー」

塞「じゃあ入るわよ」

久「いらっしゃいませ」

胡桃「エイちゃんはどこ?」

エイスリン「ツモ1300、2600です」

「かぁー!ツモられたかー、エイスリンちゃんのトップで終了か」

エイスリン「今日は調子良いけえ負ける気しません」

白望「エイスリン……」

エイスリン「え?シロー!!みんなも」

豊音「日本語上手になったねー」

エイスリン「久とまこに教えて貰ったんじゃ」

胡桃「エイちゃん……」

広島弁キウイの完成じゃ

アリですね

塞「日本語が上手くなったけどこんな喋り方に……」

エイスリン「まこのが移ったんじゃ」

久「中途半端にまこの喋り方が移ったのよね」

シロ「そのまこさんは?」

エイスリン「今は部活に行っとる右腕も良くなって来てるし良かったよ」

胡桃「え?実はけっこう重い怪我だった?」

エイスリン「うっ……」

豊音「でもよくなって来たんでしょ?良かったよー」

エイスリン「うん、詳しい事は宮守に行った時に話すね」

なんてことを…(憤怒)

あっ…やっぱナシかも

?「ちゃちゃのんと被っとる」

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