~9年前~
千早「ッ! 優ーーー!」
優「……えっ」
キキーッ ドカンッ
優「……?」
千早「……あ、れ……?」
通行人「おい! トラックが横転したぞ!」
通行人「警察と救急車! 早く呼べって!」
???「」ササッ
千早「今、誰か……」
優「助けてくれたの……?」
通行人「坊や、大丈夫かい!?」
優「あ、う、うん……」
千早(今のは一体……ほかの人は見てないの?)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392431134
~現在~
スタッフ「おつかれさまでーす!」
春香「お疲れ様でーす!」
千早「ふぅ」
P「おつかれ、千早」
千早「プロデューサー」
P「今日もなかなか良かったな、次もこの調子で頼むぞ」
千早「はい。任せてください」
P「じゃあ、帰るか。着替えたら、車をスタジオの前に持ってくるから降りてきてくれ」
春香「ちょ、ちょっとプロデューサーさん!? 私には!?」
P「あー、春香は……もう少し音程とかをだな……」
春香「そんなぁ、上手く歌えたと思ったのにぃ」
P「いや、でも春香の持ち味はしっかり出せてたよ」
春香「そうですか?」
P「閣下的な部分とか」
春香「そんな!」
千早「ふふ。所で春香、そろそろ着替えましょう? 汗が冷えて風邪を引いてしまうわ」
春香「あ、そうだね。じゃあ、プロデューサーさんまたあとで」
P「おう」
タッタッタ
春香「アニメの主題歌のお仕事って、なんだか楽しいね!」ヌギヌギ
千早「ええ。PV撮影も面白かったわ。それに、優の好きなアニメの主題歌だから特に張り切っちゃって」ヌギヌギ
春香「優くん、アニメ好きなんだっけ」
千早「アニメというか、絵全般ね。最近は似顔絵とかも凄く上手くなったのよ」
春香「今度描いてもらったり出来ないかな? なんて……」
千早「今度うちに来る? きっと優も喜ぶわ」
春香「そう? じゃあお邪魔しちゃおっかなー♪」
千早「母さんに言ったら、泊まっていけなんて言われちゃうかもね」
春香「はは、そうだね。さて、行こっか」
千早「そうね」
お、優くん生存ssいいですわゾ^~
ブロロロ……
P「この車もいい加減歳だよなあ、そろそろ社長に言って買い替えてもらわないと」
春香「フルに乗るとスピードが目に見えて落ちますもんね」
P「そうなんだよ……だから運転手の俺を除くと大体二人か三人が限度っていう面倒くさい状況で」
千早「最近は皆も売れてますし、新車に買い換えるのも無理な話ではないでしょうね」
P「帰ったら社長に言わないとなあ」
春香「新しい車かあ……どんなのになるのかなぁ」
千早「一応アイドルの乗る車だし、大きめで地味な感じかしら」
P「まあ、目立たない車が良いな。それに、五人くらいは一気に乗れた方がいい」
千早「やっぱり乗れる人数は……ッ! プロデューサー! 前!」
P「……!? な、なんであのダンプカーこっちにッ!」
春香「ぶ、ぶつか――」
キキーッ ドゴォン
P「……? あ、あれ?」
春香「よ、避けれたんですか……って」
P「だ、ダンプカーが直前で横転して……な、なんとか助かったのか……」
千早「……!?」
通行人『おい! トラックが横転したぞ!』
通行人『警察と救急車! 早く呼べって!』
???『』ササッ
千早『今、誰か……』
優『助けてくれたの……?』
千早「まさか……!」ガチャ
P「千早!?」
千早「きっとどこかに……!」
???「」ササッ
千早「居た! 待って!」ダッ
P「千早!? どこに行くんだ!」
春香「追いましょう!」
P「そうだな……ん? あ」
春香「どうしたんですか」
P「側溝にタイヤがハマって……動かん」
春香「そんな……わ、私追ってきます!」ダッ
P「ちょ、春香! お前まで行ったら……くそっ、車は追いて追うしかないか!」ダッ
千早「はっ……はっ……!」
???「」ササササ
千早(速い……追いつけない!)
???「…………」ギュインッ
千早「! これ以上スピードを上げるっていうの!?」
P「フハハハ! 元陸上部の俺を舐めるなよ千早!」
千早「!? プロデューサー!?」
P「まんまと回りこんで……ってぎゃああああああ!!!」
???「!」
P「あばばば」ブクブク
???「」アタフタ
千早(突然プロデューサーが気絶したのはなんでか分からないけど、とにかくあの人が止まった! 追いつける!)
千早「待って下さい! 聞きたいことがあるんです!」ガシッ
???「」ビクッ
千早「今、あのダンプカーを止めたのって……」
???「」グリンッ
千早「……へ?」
ほめ春香「」グルングルン
千早「き、きゃああああああ!?」
千早(首が回った!? それに、この人、春香のお面なんか被って……何者なの!?)
ほめ春香「」ワタワタ
春香「千早ちゃーん! はっ……ほっ、プロデューサーまで先に行っちゃうし、追いつけないかと……って」
春香「ほめお姉ちゃん! なんでこんな所に……」
千早「……お姉ちゃん!?」
ほめ春香「」グウィングウィン
春香「もしかして、さっき私たちを助けてくれたの?」
ほめ春香「」ポッ
春香「なんだあ、千早ちゃんたちと会うのが恥ずかしくて逃げちゃったんだね」
千早(会話が出来てる……!?)
お姉ちゃん・・・だと・・・
春香「ということで、ほめお姉ちゃんです」
ほめ春香『どうも、ほめ春香です』←フリップ
千早「お、お姉さんなの?」
春香「血は繋がってないんだけどね」
千早「?」
ほめ春香『どちらかというと近所のお姉さん(のワの)』
千早「はぁ……」
春香「ほめお姉ちゃんは凄いんだよ、100メートルを9秒で走ってみたり、排水管の中に閉じ込められた猫を助けるために自分も排水管の中に入ったり」
春香「さっきみたいに走ってる車を押し倒したり、あと空飛んだり関節歪ませたり」
千早「人間なの?」
ほめ春香『自分でも人間じゃない気はしますがどういう表現をすればいいのか分かりません』
春香「ほめお姉ちゃんは、もうほめ春香という生き物としか……」
千早「どういう経緯で知り合ってどういう経緯でこんなに馴染んでるのか興味深いけど、それよりこれ、どうしましょうか」
P「」キゼツ
ほめ春香『私なら車より速く運べますけど』
春香「でも、そうしたら私たちが帰れないし……」
ほめ春香『キモさんに頼んだらどうですか?』
春香「ああ、その手があったね」
千早「二人が何の話をしてるのかさっぱりなのだけれど」
ほめ春香『じゃあ、ちょっとキモさんを呼んできます』キュィンッ
千早「飛んだーっ!?」
春香「千早ちゃん、今日はもう直帰だったよね。家まで送ってもらうね」
千早「送るって、どうやって……」
ほめ春香『ただ今戻りました』ズイッ
千早「ひぃ!?」
春香「もう、ほめお姉ちゃん、近いって」
千早「心臓に悪いわ……」
ほめ春香『連れてきました』
キモ春香「めぇぇー」
千早「」
首が回るお姉ちゃんとか何が何やら…
春香「よっこいしょ」
キモ春香「ヴぁーい」
春香「ほら、千早ちゃん。私の後ろに乗って」
千早「の、乗るって、これ、乗れるの?」
キモ春香「めぇー」
ほめ春香『「春香ちゃんの親友に乗ってもらえたらほかの仲間にも自慢できますよ! 自慢!」と申しています』
千早「今の一声にそんな長文が!?」
春香「ほらほらー」パシパシ
キモ春香「ヴぁい!」
千早「じゃ、じゃあ……失礼します」ポスッ
春香「じゃあ、キモ春香さん千早ちゃんの家までお願いしまーす! 安全運転でGO!」
キモ春香「めぇぇぇぇぇ!」トストストストス
千早「思ったより速い! 捕まるところがない!」
春香「大丈夫、私の腰に手を回して!」
千早「こ、こう?」
春香「キモ春香さんのリボンは手綱の役割を果たすから、私に捕まってれば大丈夫だよ」
キモ春香「めぇー」
千早「モウワケガワカラナイワ」
ほめ春香『さて……』
P「」グッタリ
ほめ春香(765プロの事務所に届ければ良いかな)ヨッコイショ
ほめ春香「」ギュインッ
P「あばばばばががががががが」ガクガクガク
ほめ春香(事務所まで25キロ……十分くらいで着くかな)カサカサカサカサカサカサカサカサ
スレタイから予想もつかない狂気
はるかさんが増殖するSSだと思ったら
春香「じゃあ、千早ちゃん。また明日ね!」
千早「ええ……また明日」
春香「じゃあ、キモ春香さん、帰ろっか」
キモ春香「ヴぁい!」
タッタカタッタカタッタカ
千早「……ただいま」ガチャ
優「あ、おかえり」
千種「早かったわね。夕飯はもうちょっとよ」
千早「……優、動物図鑑とか、持ってる?」
優「? 持ってるけど……」
千早「ちょっと貸してくれる?」
優「うん、良いよ」
千早「……そうよ、あれはきっと私が知らないだけでどこかに生息する動物の一種なんだわ……」ブツブツ
優「?」
春香「ただいまー!」
はるかさん「かっかー!」
ほめ春香『おかえりなさい』
ののワさん『おかえりりん』←フリップ
タコ春香「」ビチッビチッ
芋わ「のワの」
春火山「」ドッカーン
春香「もう、春火山さん、部屋の中で噴火しちゃダメだよー」
PEZ春香「」カチャッ
春香「あ、PEZ春香さんありがとう」ポリポリ
千早(結局何一つ分からなかった……)
千早(そもそもキモ春香さんって何科? 馬? 羊? あれは、何? まさかげっ歯類?)
千早(ほめ春香さんに至っては……最早何!? あれは、何!? 金田一少年なら登場の度に「!?」が出てくるわ)
千早「そんなこと考えてたら事務所に着いてしまったわ……おはようございます」ガチャ
真美「うあうあ→、ののワさん強すぎっしょ!」
亜美「真美のミスタが、ホル・ホースに瞬殺されるなんて……」
ののワさん『んっんー、最高だなこりゃ』
千早「」
春香「あ、千早ちゃんおはよう」
千早「」
春香「千早ちゃん?」
小鳥「すいません、手伝ってもらちゃって」
ほめ春香『妹分がお世話になってますから』カタカタ
千早「」
貴音「なんとも美味しそ……もとい可愛らしい」
タコ春香「」ガクブル
響「た、貴音! 涎拭いてちょっとタコ春香から離れるさー!」
千早「ドウイウコトナノ」
P「おはようございま……」
ほめ春香『あ、おはようございます。昨日はどうも』
P「うぎゃあああああ出たああああああ!!!」
春香「あ、おはようございますプロデューサーさん」
P「ぎゃあああああこっちにもおおおおおおお!!!」
春香「えぇっ!」
ののワさん『はじめまして』
P「春香がいっぱいいるぅううううううううううう!!! ……あ」バタバタ
小鳥「! プロデューサーさんが階段から落ち……!」
ほめ春香『ところがぎっちょん』
P「」オヒメサマダッコ
小鳥「なにこのイケメン」
千早「な、なんで事務所の皆は馴染んでるの?」
P「春香が一人……春香が二人……ふはは、天国か、ははは」ボーッ
千早「プロデューサーはこんなになっちゃうし」
小鳥「でも、悪い人……人? では、なさそうだし」
千早「それは分かるんだけれど……」チラッ
真美「混合重複がなんぼのもんじゃ→!」ドンドドカッドドカッ
ののワさん『甘いな』ドッドドッドッドカッカカドッドカ
亜美「なん……だと‥…? 片手で全良……!」
真美「勝て、ない……!」
ののワさん『精進し給え』ドッシリ
律子「この書類全部にハンコをお願いできますか?」カタカタカタカタ
ほめ春香『既に』バサッ
律子「ありがとうございます」カタカタカタカタ
社長「ああ、いいゾ~そこだ、そこ」
タコ春香「」モミモミ
社長「凝り固まった肩がほぐれるのが分かるぞ~」
タコ春香「」モミモミ
芋ワ「」ビシッ
貴音「なんと……再生するから半分くらいなら食べても大丈夫、ですか」
響「貴音は半分じゃ止まらないからダメだぞ!」
貴音「なんと!」
千早「馴染み過ぎじゃないかしら?」
小鳥「それは……否めないわ」
小鳥「ところでプロデューサーさん、そろそろ千早ちゃんのレコーディングに行ったほうが……」
千早「あ、もうそんな時間ですか」
P「……はっ! しまった、悪夢を見ていた」
千早「いえ、現実です」
P「とにかく、仕事は仕事だ。車を出し……車?」
千早「……あ」
P「……車、置きっぱじゃね?」
小鳥「えぇ!? どこかに置いてきちゃったんですか!?」
P「お、置いてきた場所が場所だけに、撤去されてるかも……」
千早「ここから車を使わないと、一時間はかかっちゃいま……あ」
ほめ春香『お困りのようですね』ズイッ
P「ぎにゅあああああ!!! 出たああああ!」
ほめ春香「」パチンッ
キモ春香「ヴぁい!」ズモォッ
千早「窓に!? ここ三階よ!?」
ほめ春香『キモさんなら十分で着きます、下で乗って行って下さい』
P「アレに乗るのか……?」
ほめ春香『レコーディングスタジオの場所はもう教えておきました、千早さんは頭のリボンを掴んでいるだけで大丈夫です』
千早「はあ……」
ほめ春香『あ、プロデューサーさん用にもう一匹呼びましたから、プロデューサーさんはそちらに』
P「俺も乗るのか!?」
千早「行きましょう、プロデューサー。ほかに手はないんですから」
P「」
どういことだってばよ…
千早「二回目になると多少慣れたわ……ありがとう」
キモ春香「めぇえー」ポッ
P「そうか、夢か……これは夢なんだな」
千早(これ、プロデューサー連れてきた意味あったのかしら)
キモ春香「ヴぁい、ヴぁい」
千早「? 帰りまで待ってくれるの? そう、ありがとう」
千早「ほら、プロデューサー。早く行きましょう」
P「あ、ああ、そうだな」
千早「……!?」
千早(なんで今、私キモ春香さんの言葉が分かったのかしら……)
―――
―――――――
―――――――――――――
ほめ春香『ほかに仕事はありませんか?』
小鳥「お陰で今日の仕事は殆ど終わりよ。まだ夕方かそこらなのに」
律子「いっそのこと社長に雇ってもらいたいくらいよ」
ほめ春香『普段は別の仕事をしているので、それは無理ですね』
律子「あら、ほかの仕事って?」
ほめ春香『お化け屋敷のお化けと、デパートでマネキンのバイトを』
小鳥「天職ね」
律子「確かに芸能事務所で事務員するよりは似合ってるわ」
ほめ春香『春香さんはいつも事務所でどんな感じですか?』
律子「どんな、って……いつも事務所の中心で笑顔を振りまいてくれるムードメーカーかしら」
小鳥「春香ちゃんが居たからこそ、皆がまとまれたって場面もありましたしね」
ほめ春香『成程、安心しました』
あずさ「ふふ、こうしてみると、ほめさんって本当に春香ちゃんのお姉さんみたいねえ。ね、伊織ちゃん」
伊織「良いからこれ取って!」ググッ
はるかさん「ヴぁーい」モグモグ
春香「天海春香、ただいま撮影より帰りましたー!」
小鳥「おかえりなさい、春香ちゃん」
ほめ春香『おかえりなさい』
春香「そうだ、ほめお姉ちゃん。千早ちゃんが、聞きたいことがあるから帰るまで待っててほしい、ってメールで」
ほめ春香『了解、待ちます』
千早「ただいま戻りました」
P「クトゥルフ神話ってこんな感じなのかな……」グッタリ
小鳥「おかえりなさい、二人とも」
春香「おかえりなさい」
ほめ春香『おかえりなさい』
千早「待っててくれてありがとうございます」
ほめ春香『いえいえ』
春香「それで、話って?」
千早「ええ、一つだけ確認したいことがあって……」
千早「9年前、とある交差点で私の弟がトラックに轢かれそうになって、でもトラックが突然横転して助かった。あの時助けてくれたのも、ほめ春香さん?」
ほめ春香「…………」
春香「そういえば、優くんは昔事故に遭いかけたって……」
千早「ええ。もしあの時トラックが横転していなければ、優はこの世に居ないかもしれないわ」
ほめ春香『実は』
千早「…………」
春香「実は……?」
ほめ春香『今の今まで忘れていました』テヘペロ
千早「」ズコッ
春香「お姉ちゃん……」
ほめ春香『め、目の前で起きそうになった事故は大抵ああやってるから、どこでやったかまでは覚えてなくて……』アタフタ
千早「でも、やっぱり助けてくれたんですね。ありがとうございます」
ほめ春香『か、感謝される覚えも』グルングルングルン
千早(この人(?)が首を回すのは、照れ隠しとかそういうやつなのかしら)
春香「そっかー……ってことは、私より先にほめお姉ちゃんは千早ちゃんと会ってたんだね」
ほめ春香『そういうことになりますね』
千早「……そうだ、春香。この間、優に似顔絵を描いてもらうって話をしてたじゃない?」
春香「そういえば、そんな話したね」
千早「良ければ、ほめ春香さんも一緒にうちに来ない?」
ほめ春香『!?』
春香「良いの?」
千早「ええ、命の恩人だもの」
小鳥(ほめさんが、信じられないポーズしてることにはスルーなのね)
春香「じゃあ、次のオフが重なった日に」
千早「ってことは、今週末ね」
ほめ春香『本当に私が行ってもいいんでしょうか!? 大丈夫でしょうか!?』
ほめ春香『ていうか千早さんの家に上がっても良いんでしょうか!?』グルングルングルン
春香「もー、お姉ちゃんは恥ずかしがり屋なんだからー」
千早(怖くはなくなったけど、行動の意味不明さは変わらないわね)
春香「じゃあ、週末行くね」
千早「ええ、家でも言っておくわ」
ほめ春香『突撃! 千早さんのご自宅! Fooooooooo!!!』グリンッグリンッ
ののワさん『落ち着きなよ』
千早「で、」
春香「で、」
ほめ春香『お邪魔します』
千種「いらっしゃい、ゆっくりしていってくださいね」
ほめ春香『お構いなく』
春香「馴染むのはやいね」
優「あ、お姉ちゃんのお友達ですか? ゆっくりしていってくださいね」ニコッ
ほめ春香『ご丁寧に。あなたが優くんですか?』
優「あれ、知ってるんですか?」
ほめ春香『お姉さんから聞いています』
千早「優に至っては疑問すら抱いてない……私がおかしかったのかしら」
春香「大丈夫だよ千早ちゃん。普通は、千早ちゃんというかプロデューサーさんみたいな反応だと思うから」
千早「そう、私が普通なのね……。あ、そうだ優。あとで春香の似顔絵を描いてくれないかしら」
春香「えへへ、描いて欲しいなーって」
優「分かりました! 頑張って描きますね。じゃあ、ちょっと道具を取ってくるから」
千早「私の部屋で待ってるわ」
ほめ春香『明晰そうな弟さんですね』
千早「ええ、自慢の弟よ」フンス
春香(千早ちゃんは本当に優くんが好きだなあ)
ガチャ
千早「さあ、くつろいでって」
春香「うわぁ、相変わらずCDがいっぱいだね」
ほめ春香『心なしか、春香さんのCDが多い気が』
千早「し、親友のCDだもの、しっかり集めるわ!」
春香「千早ちゃん……」ジーン
コンコン
優「入って大丈夫?」
千早「ええ、どうぞ」
優「お邪魔しまーす。じゃあ、早速描きますね」
春香「あ、ポーズとか決めたほうが……っとっと、のわぁっ」ズルッ
ほめ春香『おっと』
優(座った姿勢から転んだ春香さんを支えた!?)
千早(しかも支えながらフリップを出すというね)
優「…………」シャッシャッシャッシャッ
春香「うっ、自分から頼んでおいてあれだけど、似顔絵描いてもらうのって少し恥ずかしいかも……」
ほめ春香『撮影と違って時間がかかるからですかね』
千早「ほめ春香さん、その位置だと春香からフリップ見えません」
ほめ春香『そういえば、私の話はいつするんですか?』
千早「……そうね、あとにしても良いけど、今話しちゃいましょうか。優」
優「んー?」シャッシャッシャッシャッ
千早「9年前、優が事故に遭いそうになったことって、覚えてる?」
優「うーん、お母さんやお姉ちゃんから聞いてそのことは知ってるけど、記憶にはないなあ」シャッシャッシャッシャッ
千早「実はその時、優を助けたのが、このほめ春香さんなのよ。信じられないだろうけどね」
優「ああ、僕、そんな気がしてたんだ」
千早「え?」
春香「えっ」
優「なんか、会ったことないはずなのに、懐かしい感じがしたから……」
優「それに、優しそうな人だったからかな?」
ほめ春香『わ、わた、わたほめ春香さんは優しいらしいですよ!』グルングルン
優「!?」
春香「お姉ちゃん、首周してるでしょ! それ怖いから家の外でやるのやめようって!」
ほめ春香『だってだって、優しそうって……うきゃー!』グルングルン
千早「他事務所のアイドルとキャラかぶり始めてるからやめてください!」
優「……面白い人なんですね!」ニコッ
春香(天使か)
千早(天使か)
ほめ春香(天使ですね)
優「出来ましたよ」
春香「わっ、凄く上手!」
優「ありがとうございます」
優「そうだ、今度は三人そこに集まって……一緒に描かせてよ、お姉ちゃん」
千早「私も?」
ほめ春香『私もですか? そんな、絵面が汚くなっちゃったり……』アタフタ
優「描かせて下さい」
ほめ春香『……頼まれたら、断れませんね。では、一番自信のあるポーズで』スギャァンッ
春香「それ、自信のあるポーズだったんだ……」
千早「じゃあ、ほめ春香さんをバックに、私と春香が前に並んで……」
優「じゃあ、描くねー」シャッシャッシャッシャッ
春香「ふふ、なんだかこういうの楽しいね」
千早「そういえば、ほめ春香さんが春香のお姉ちゃんなら、ここには二組の兄弟がいることになるのね」
春香「ほめお姉ちゃんじゃなくてののワさんなら、妹と弟だったんだけどなあ」
千早(あれって妹扱いだったのね……一番態度が偉そうだったけど)
ほめ春香(フリップ出せないから会話に参加できない……あ、フリップ出しても見えない)
優(ここをこーして……)シャッシャッシャッシャッ
春香「じゃあ、そろそろ帰るね」
ほめ春香『おじゃましました。絵、ありがとうございます』
優「いえいえ」
千種「あら、春香ちゃんたち帰っちゃうの? 泊まっていっても良いのに……」
春香「いえ、お気持ちだけで」
千種「あ、じゃあ作ったからもやしと牛の炒めものでも……」
春香「ありがとうございます!」
千早(母さん、春香が遊びに来た時大体こんな感じね……)
春香「じゃあ、またね。バイバイ!」
千早「じゃあね。またキモ春香さん?」
春香「ううん、今日はお姉ちゃん」
千早「……え?」
ほめ春香『春香さん、行きましょう』
春香「うん、炒めものタッパーに入れてもらったから、安全運転でね。よっこいしょ」
ほめ春香『では、また』ビュンッ
優「……飛んでいったね」
千早「……やっぱり」
千早「やっぱり理解できないわ!!!!!」
完
おまけ
やよい「うっうー! 今日は安売りでお肉が買えたから炒めものですー!」
<ウッウー…
やよい「……ん?」
ちびクリ「ウッウー……」ガタガタ
やよい「はわっ、寒そうです!」
やよい「」キョロキョロ
やよい「う、うちに来ますか?」
ちびクリ「ウ?」
ちびクリ「ウッ、ウッウー!」
やよい「可愛いですぅ!」
やよい「一緒に帰りましょうか!」
ちびクリ「ウッウー!」
続かない
乙
なんだこれ
乙
なんだこれ…
とりあえずおつおつ!
HOMEとはなんだったのか
ちびクリーチャーとはなんだったのか
うごごご…
おつー
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