ダメ人間 幸せってなに? (5)
20XX年2月
世間一般的には冷え込む時期である。
この時期は学生も社会人も仲間との別れを惜しみ新しい出会いと生活に胸を高まらせるだろう。
そんな中俺は『末筆ながら今後のご活躍を祈念いたします。』そう俺はほとんどの大学4年生が卒業旅行を企画する季節に未だに就職活動をしていたのだ。
しかし、その就職活動も今終わりを迎えた。最後の最後に臨みをかけた企業もお祈りメールだ。
もう御社が最後なんだからお祈りされても意味ないのに・・・
お祈りなんてしなくていいから俺に内定をくれよ・・・・俺はRPGでいう目の前が真っ暗になったという状況を体感している。
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大学院に行くほどの金も学力もない。かといって、単位は律儀にとったため留年せず卒業してしまう既卒生に。
4月から無職フリーター・・・・別に働きたいとは思わないが周りが就活に成功しピカピカの社会人になる中、
俺はまだ足踏をしている。そんな状況を考えると惨めになってくる。
ネットでは就職が全てじゃない、ここから這い上がればいいって言うが
今までの20年間を否定されたみたいでそんな前向きな姿勢を早々とれるもんじゃない。
俺は、ふと部屋の片隅のコードに目をやった。「ハァ・・・これで首絞めようかな・・・」コードを握ったが、その手はすぐに解けた。
だって首絞めるって苦しそうじゃん。
20XX年4月
上京し頭が良いとは言えないが、格別に悪いってほどでない奴らが集まる私立大学に入学し
ダラダラと過ごしそして卒業、一人暮らしは5年目を迎えた。
親に事の顛末を電話で話した。母は俺の事を励ましてくれたがその言葉の一つ一つは俺の胸を突き刺した。
地元へ帰る事を勧められたが、学費を払ってくれ仕送りもしてくれ応援してくれた
なにも成し遂げない状態で帰るのは心苦しかった。俺は、「もう少し頑張ってみるよ」そう言って電話を切った。
最初泣きたくなったが、このままではどうしようない。ふとコードが目に留まった「よし!」俺はジャンパーを着て家を出た。
このまま自殺したらここまで育ててくれた父さんと母さんに申し訳ない。
親孝行はしておきたい、そんな思いから俺はコンビニに行った。
まずは、今後の生命線である預金残高の確認だ。親の仕送りと就活本格化までやっていたアルバイトの貯金残高を確認した。
俺は友達なんかいないからそこまで金を使わない方で貯金はいくらか残っていた
「まぁ、うまく使って5ヶ月くらいか」たくさんあった貯金は就活の交通費や外食費なんかでかなり減っていた。今後また就活をするなら蓄えが必要だ。
俺は、バイトの情報誌に手を伸ばした。学校がない分バイトに時間は裂ける、バイトも探そう。
そんな考えをし、俺は面接用の履歴書を買いコンビニを後にした。
期待
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