苗木「性別が反転する機械?」2 (213)
前スレで終わりきらなかったので次スレとして建てました
もうすぐ完結する予定ですが、完結した後は後日談を適当にやっていこうと思います
ネタが出れば次の展開に進むかもです
前スレ
苗木「性別が反転する機械?」
苗木「性別が反転する機械?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379666362/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389773306
江ノ島「でも、それだと私の都合がねー」
霧切「都合?」
江ノ島「ほら、霧切には聞かれたくない話があるって言ったじゃん」
霧切「じゃあ、その話だけは聞かないことにするわ」
江ノ島「いやそーいうことじゃなくてさ」
舞園「江ノ島さん、その話は諦めて下さい」
江ノ島「…じゃあ、せめて苗木にだけは話させてよ」
苗木「僕に?」
霧切「…」
江ノ島「…苗木に聞いて欲しい話だし」
舞園「…そんな事言って、また苗木くんを騙すつもりなんですか?」
江ノ島「違う。ただ話を聞いて欲しいだけ」
霧切「…舞園さんが良ければ、私は構わないわ」
舞園「霧切さん?」
霧切「ただし、時間は3分だけよ。また、話の後に苗木くんに異変があるようなら…」
江ノ島「なら?」
霧切「…」
江ノ島「なるほど。最悪の結果ってやつねー」
舞園「霧切さん」
霧切「何かしら」
舞園「苗木くんと私がその話を聞きます」
霧切「…ええ、その方がいいわね」
江ノ島「んじゃ、決まりだね」
霧切「ただ、あなたには交換条件を呑んでもらうわ」
江ノ島「…ちゃっかりしてるねー」
今日はここまでです
乙です!
後日談もあるのか…楽しみ
楽しみ
今日の16-17時頃更新します
すいません、色々用事がかさんでこんな時間になりましたが、今からでも投下していきます
霧切「それで、どうするのかしら?」
江ノ島「…」
苗木(江ノ島さんが呑まないってなると…)
舞園(もつれそうですね。江ノ島さんは霧切さんがいなくならない限り話を聞かないし話さないつもりですし)
霧切「あなたが条件を呑まない限り、進展することは無いわ。私があなたの話を聞いてもいいというのなら別だけど」
江ノ島「…はぁ」
苗木「…どうするの?」
江ノ島「…いいよ、でも」
霧切「でも?」
江ノ島「私が戻ってきた方法を話すのは、私が苗木達と話してから」
霧切「…」
霧切(どうするべきかしら…。苗木くん、舞園さんと話す内容によっては先に教えてもらう方がいいかもしれないし…)
霧切(話の内容が分からない限り無理をして先に聞かなくてもいいかもしれないわね…)
霧切(…万が一ってこともあるから、先に聞くのがベストだと思うけど…)
苗木「…霧切さん、僕は先に聞いても後に聞いても一緒だと思うよ。これからする話の内容なんかわかんないし…」
舞園「いえ、話の内容が分からないからこそ、万が一を考えて先に聞いておくべきなんじゃないですか?」
江ノ島「言っとくけど、私は後に話すっていうのは譲らないからねー」
霧切(…何を考えてるかは分からないけれど、後に言うと言っている限り何かしらの考えがありそうね…)
霧切「先に戻ってきた方法を聞かせてもらうわ」
江ノ島「そうなると、霧切には何かこっちの条件に従ってもらう必要があるね」
霧切「…なぜかしら?」
江ノ島「こっちは霧切抜きで話す為に、代わりに戻ってきた方法を教えるんだし」
霧切「…釣り合わない、ということかしら」
江ノ島「そうなるね」
苗木(さすが、キッチリしてるね)
霧切「…いいわ。それで、私はどうすればいいのかしら?」
江ノ島「私と苗木達が話してる間に、不二咲とセレスを呼び戻すこと」
霧切「…自分で追い出しておいて、勝手な言い草ね」
江ノ島「あれは不二咲が勝手に出て行っただけだし」
舞園「あなたが何と言おうと、あれはあなたが追い出したようにしか見えませんがね」
江ノ島「そう思うならそう思えばいいよ」
苗木「なぜ、2人を追い出したの?」
江ノ島「さあ?何度も言うけど、勝手に不二咲が出て行っただけだしね」
霧切「…分かったわ。ただし、私が3分過ぎて戻ってきてまだ話してるなら」
江ノ島「分かってるって」
霧切「ならいいわ。2人共、注意してね」
苗木「うん」
舞園「分かってますよ」
霧切「じゃあ、行ってくるわ」
ガチャ
江ノ島「ふぅー。やっと行ったかー」
短くなっちゃいましたが今日はここまでです
用事が無ければ明日更新します
乙です!
今日の16-17時頃に投下します
投下していきます
苗木「…で、江ノ島さんの話って?」
江ノ島「ああそれ?」
舞園「ああそれって…その話を聞くためにここまでやったんじゃないですか」
江ノ島「んー…」
苗木「…」
江ノ島「まあ、苗木と舞園が一緒に来たからもう話すことないんだよね」
舞園「?」
江ノ島「私がしたかったことができなかった訳だし…」
苗木(目が怖い)
江ノ島「せめて、苗木1人と話せたなら何とかなったかもだけど」
舞園「そんなこと言う割には、私が苗木くんと一緒に聞くのあっさり承諾しましたよね」
江ノ島「あの時、さっきみたいに交換条件付ければ良かったかなー」
苗木「…」
苗木(江ノ島さんが、まだ何かたくらんでるような気もするけど…)
江ノ島「まあ、私からの話は無いねー」
苗木「…それじゃあ、せめて機械の秘密だけでも…」
江ノ島「じゃあ、交換条件として何かあんの?」
苗木「え、それは…」
舞園「いいじゃないですか、苗木くん。あの機械、もう遊びくらいでしか使いませんし」
苗木「…どんな遊びなのかは聞かないよ」
江ノ島「…まあ、教えてあげないこともないけどさ」
苗木「江ノ島さん、何か他に目的があるんじゃないの?」
舞園「目的?」
江ノ島「…」
苗木「江ノ島さんのことだから、まだ何か企んでるんじゃないかと」
舞園「あー…ありそうですね」
江ノ島「あるよ」
舞園「!」
苗木「それは…」
江ノ島「教えないよ。それ以前に、誰かに害があるようなもんじゃないしね」
苗木「…今までのこともあって、全く信用できないよ」
江ノ島「なら、信用しなきゃいいじゃん。大体、私に何かできる力なんてないし」
舞園「それは、そうですが…」
苗木「…一応、警戒はしておくよ」
江ノ島「どうぞお好きに。あ、そろそろ3分だねー」
苗木「じゃあ、不二咲くんとセレスさんを追い出した理由は?」
江ノ島「だから、あれは不二咲が勝手に出てっただけだって。セレスに至ってはその不二咲について行っただけだし」
舞園「…」
苗木「江ノ島さんが、目的も無しにあんなことするのは考えにくいんだけどな」
江ノ島「話してる所を霧切に見られたら殺されそうだし、私は黙っとくねー」
舞園「霧切さんはそんなことしません!」
江ノ島「…」
苗木「舞園さん、落ち着いて」
舞園「…不二咲くんの気持ちがよくわかります」
苗木「不二咲くんの?」
舞園「私の好きな人を傷つけるような言い方をされると、ものすごく怒りたくなりますね」
苗木「…それは、皆一緒だよ」
舞園「そんな状態で続け様に言われたら、その場を離れてく気持ちもわかりますね」
苗木「不二咲くんの場合は恋人だった訳だし、尚更だっただろうね…」
舞園「私なら、手を出しますけどね」
苗木「アイドルとして、それはまずいよ」
舞園「アイドルの前に、人間としてダメですよ」
苗木(まあ、僕も手を出しそうだったけど…)
舞園「ともかく、これでハッキリしました」
苗木「な、何が?」
舞園「不二咲くんを追い出したのが意図的だってことですよ」
苗木「?」
江ノ島「…」
舞園「意図的じゃなければ、あんな風に言ったりしません!」
苗木「まあ、それはそうだけど」
舞園「江ノ島さんは、まだ何か企んでるはずです」
苗木(本当に、そうなのかな…?)
舞園「そうに決まってますよ!」
苗木「舞園さんの前だと、迂闊なこと考えれないね」
江ノ島(ん?)
舞園「苗木くんの考えなんて全部お見通しです」
苗木「それは、心が読めれば当然なんじゃ」
舞園「そんなことないですよ」
江ノ島(私の心も読めんのかな?)
舞園「そういえば最近、霧切さんの心も読めるんですよ」
苗木「あれ、誰でも読めるんじゃないんだ」
江ノ島(バーカバーカ)
舞園「前まで苗木くんだけだったんですけどね…何でなんでしょうか」
苗木「いや、知らないよ…」
江ノ島(読めてないっぽい)
舞園「それにしても、霧切さん遅いですね」
苗木「遅いって言っても、5、6分しか経ってないけどね」
江ノ島(苗木の心が最初から読めて、最近霧切の心が読めるようになった…)
舞園「やっぱり、探すので時間とってるんでしょうか」
苗木「電話できるんだから、それは無いんじゃないかな」
江ノ島(と、いうことは…)
舞園「繋がらない場合もありますよ」
苗木「でも、不二咲くんと霧切さんが仲直りしてからずっと一緒だったんだし、繋がらないってことは無いよ」
江ノ島(もしかしたら、舞園が私の心は読めてるけど無視してるだけかも…?)
舞園「出れない状況かもしれませんよ」
苗木「出れない状況って…それはまずいんじゃ…」
江ノ島(もう少し試してみよ)
舞園「…不安になってきましたね」
苗木「霧切さんに電話してみよっか」
江ノ島(舞園、パンツ見えてるぞー)
舞園「お願いします」
苗木「…」
江ノ島(舞園、口の横に何か付いてるぞー)
舞園「どうですか?」
苗木「あ、もしもし?」
江ノ島(本当に読めてないっぽいね)
霧切『どうしたの?』
苗木「いや、遅いから心配になって」
江ノ島(舞園も、面白い能力持ってるもんだねー)
霧切『安心して、今から戻るわ』
苗木「そうなんだ、良かった」
江ノ島(にしても、不二咲とかセレスの心が読めないってことは…)
霧切『そっちは大丈夫だった?』
苗木「うん。何も無かったよ、本当に」
江ノ島(舞園、なかなかにひどい奴だねー)
苗木「じゃあ、切るね」
舞園「大丈夫だったんですか?」
苗木「うん、今戻ってるって」
舞園「良かった」
苗木「そういえば、この後どうするの?」
舞園「この後?」
苗木「霧切さん達が戻って来てからのこと」
舞園「江ノ島さんが戻って来た方法を聞いて…」
江ノ島(忘れてた)
苗木「その後は?」
舞園「…さあ、分かりませんね。私としては、私達の問題が解決したからそのまま解散でもいいんですが」
苗木「その辺は、霧切さん達次第だね」
舞園「霧切さん達次第?」
苗木「まだ、何かするのかなって」
舞園「さすがに、何も無いんじゃないですか?私達の助っ人で来てますし」
今日はここまでです
苗木と舞園もキャラ崩壊してきたような気がします
乙です
きてたか
16-17時頃更新します
すいません色々用事ができて遅くなりました
今から投下していきます
コンコン
霧切「入るわよ」
不二咲「…」
苗木「不二咲くん」
霧切「苗木くん、本当に何も無かったの?¥
苗木「うん、文字通りね」
セレス「まさか2人共協力させられてるってことは」ボソ
霧切「無いと思うわ。嘘をついているようには見えない」ボソボソ
舞園「不二咲くん、大丈夫でしたか?」
不二咲「うん」
苗木「江ノ島さん、何か不二咲くんに言うことは無いの?」
霧切「…そうね。謝罪してもらわないと、気が収まらないわ」
不二咲「…うう」
舞園(でも、あの江ノ島さんが簡単に謝る訳が…)
江ノ島「…すいません、でした」
苗木「!」
セレス「…案外、素直ですのね」
苗木(さすがの江ノ島さんも反省してるのかな)
舞園(かなり信じ難いですけどそうなのかも知れませんね)
霧切「…」
不二咲「…」
霧切「…不二咲くん、これでいいの?」
不二咲「あんな事を言った江ノ島さんを許せる訳はないけど…」
江ノ島「…」
不二咲「…僕が江ノ島さんにこれ以上求めたらもっと嫌な結果が待ってると思うから」
霧切「…」
不二咲「江ノ島さんも矛を収めたんだ。僕も、これ以上何かをしてもらおうとは思わないよ」
セレス「不二咲くん…さすがですわ」
苗木(…いい話だ)
舞園(ちょっと見ないうちに大人になってますね)
セレス「…この後は、どうしますの?」
霧切「苗木くんと舞園さんが江ノ島さんとどんな話をしたかで決める予定だったけど…」
苗木「…話なんか無いって言われたからね」
不二咲「?」
霧切「どういうこと?」
苗木「僕が1人だったら何かするつもりだったらしいけど…」
舞園「私が一緒だから、何も話すことは無い、そうです」
霧切「…万事休すね」
苗木「あ、そういえば」
霧切「?」
苗木「怪しかったから、他に企みがあるんじゃないかって聞いたら…」
舞園「あるって言ってましたね」
江ノ島「…」
霧切「聞き捨てならないわね」
セレス「その企みとは?」
苗木「さすがに、そこまでは教えてくれなかったよ」
舞園「誰かに害があるものではない、とは言ってましたが」
セレス「信じられませんわ」
霧切「当然ね」
舞園「あと私ちょっと思ったことがあるんですよ」
霧切「何かしら?」
舞園「不二咲くんとセレスさんを追い出したのは意図的なんじゃないか、って」
不二咲「どういうこと?」
舞園「2人を追い出すっていう目的が無ければ、あんなこと言わないと思ったんです」
セレス「私達を追い出したかった目的?」
舞園「何かは分かりませんが…」
霧切「私も追い出す為じゃないかしら」
舞園「?」
霧切「江ノ島さんは、私とセレスさんと不二咲くんが邪魔だったから、不二咲くんとセレスさんを追い出した後、交換条件で私も追い出した」
舞園「…なるほど」
苗木「いや、それは無いんじゃない?」
霧切「なぜかしら」
苗木「だって交換条件を出してでも3人を追い出したのに、結局何も話すことは無かったんだし」
霧切「…確かに…」
苗木「むしろ、不二咲くんとセレスさんを呼び戻したことに目的があるんじゃ」
舞園「どういう目的があるんですか?」
苗木「江ノ島さんにとって不二咲くんとセレスさんが出て行ってしまったのは偶然で、且つ僕達5人が揃う状態を望んでいたとしたら」
霧切「そこに、何か企みがある」
苗木「うん。何かは分からないけどね」
江ノ島「話さないよ?」
セレス「!」
江ノ島「話さなくても、そのうち分かることだし」
霧切「それが悪い企みなら、あなたに何かをさせる訳にはいかないわ」
江ノ島「さっきそこの2人にも言ったけど、誰にも害は無いっての」
セレス「やはり信じられませんわね」
江ノ島「信じなくてもいいよ」
霧切「あなたからその企みを聞き出すのは無理そうね」
江ノ島「今はね」
苗木「今は?」
江ノ島「そのうち分かるって」
霧切「…まあ、いいわ」
セレス「それで、どうしますの?何か企んでる以上、このまま放って置くわけにも行きませんわ」
苗木「霧切さん、交換条件の話覚えてる?」
霧切「…忘れていたわ」
セレス「交換条件って、もしかして…」
霧切「ええ。私が席を外して3分会話を許可する代わりに、江ノ島さんがここに戻って来た方法を話してもらうことになってるわ」
セレス「…面白いですわね」
不二咲「戻って来た方法って…」
苗木「…そっか、あの時いたのは僕と霧切さんと舞園さんだけだっけ」
セレス「話として聞いてはいますわ」
舞園「本当に、どうやって戻って来たんでしょうか…」
不二咲「…あの」
苗木「?」
不二咲「僕、その話知らないんだけど…」
霧切「…いい機会だし、話しておこうかしら」
舞園「あれ、1年程前の事でしたっけ?」
苗木「正確には覚えてないけど、それくらいだったと思うよ」
江ノ島「1年と、2ヶ月12日」
セレス「…」
苗木「…明るく話すことじゃないね」
舞園「あの時のこと、正確には覚えてないので非道い出来事だった実感が無いんですよ…後から話してもらったのに、そんな感覚にならなかったんですよね」
苗木「あの時の舞園さんじゃしょうがないよ」
霧切「時間はたっぷりあるわ。ゆっくり話しましょう」
江ノ島「…」
今日はここまでです
次からは過去の話をしていきますがそんな長くしない予定です、定かではありませんが
てっきりコロシアイ学園生活未遂だと思ってたが、別物だったのか
投下していきます
ーー1年と3ヶ月前ーー
苗木「ここに入学して結構経つけど、やっと慣れてきた感じがするよ」
舞園「私はすぐに慣れましたよ、友達もすぐできましたし」
葉隠「慣れればいいもんだべ」
苗木「まあ、葉隠くんは年長者だしね」
葉隠「いくら占い師と言えど、当たらないもんは当たらないべ」
舞園「いや、テストは運試しとかじゃないですし…」
石丸「皆、今日は転校生が来るぞ!」
苗木「転校生?」
舞園「どんな人なんですか?」
石丸「2人来るが、2人共女性だそうだ!」
苗木「女の人かあ…」
舞園「残念そうですね、普通逆じゃないんですか?」
苗木「いや、男だったらすぐに友達になれるんだけどね」
舞園「別に、クラスの女の子は苗木くんを嫌ったりしてませんよ?」
苗木「いや、何か話しかけにくいからさ」
舞園「じゃ、私が仲を取り持ってあげますよ」
苗木「いやいや、そこまでしてもらわなくても…」
舞園「クラスの人数は少ないんですから、少しでも友達は多い方がいいですよ」
葉隠「そうだべ!多いに越した事は無いべ!」
苗木「まあ、そうだけど」
石丸「そろそろ来るみたいだから、皆席に着いておいてくれ!」
舞園「どんな人なんでしょうね?」
苗木「マニアックな超高校級の才能だったら、濃いキャラであることは間違いないよ」
舞園「ああ…この学校、全員キャラが強いですしね」
???「失礼しまーす」
???「えっと、失礼、します」
石丸「では、自己紹介だ!」
江ノ島「名前は江ノ島盾子で、超高校級のギャルです。よろしくー!」
戦刃「えっと、戦刃、むくろです。その…超高校級の…軍人、です」
苗木「また凄いのがきたね…トップクラスで」
十神「軍人だと?」
戦刃「えと、あの、はい」
朝日奈「あ、雑誌で見たことあるよ!」
大和田「お前、どんな雑誌読んでんだ…?」
朝日奈「盾子ちゃんの方!」
江ノ島「読んでてくれるんだ?」
朝日奈「うん!いつも表紙飾ってるよね?」
江ノ島「うん、やっぱ知っててくれる人がいると嬉しいねー」
石丸「じゃあ2人共、空いてる席に着いてくれ!」
江ノ島「転校生同士、よろしくね」
戦刃「え?あ、うん!」
霧切「軍人というと、その…」
戦刃「?」
霧切「やっぱり、戦場に…?」
戦刃「うん、でもいっぱい訓練してるから大丈夫だよ!」
霧切「そ、そうなの…」
苗木(あの霧切さんがうろたえてる…)
舞園(それ以前に、人見知りしやすい霧切さんが初対面の人に話しかけてる方が凄いですよ)
江ノ島「さすがに、色んな人がいるねー」
不二咲「それは、どこの学校でも一緒なんじゃ…」
江ノ島「いやいや、私が言いたいのは個性が強いってことだよ」
セレス「全員が超高校級の才能を持ってるのだから、当然ですわ」
江ノ島「…」
セレス「な、なんですの?」
江ノ島「いや、その髪、セットとか大変じゃないかなって」
セレス「…当然の嗜みですわ」
石丸「そろそろ授業が始まるぞ!」
ーー10日後ーー
十神「すっかり、馴染んだものだな」
苗木「?」
十神「転校生だ」
苗木「ああ…確かに、もうクラスの一員だね」
十神「そういえば最近夜に妙な物音が聞こえるが…何か知ってるか」
苗木「ううん」
十神「そうか…」
苗木「どんな音なの?」
十神「まさか、聞こえないのか?」
苗木「うん」
十神「…何かを作ってる様な音に俺は聞こえたな」
苗木「何かをって…何を?」
十神「知らないから聞いてるんだ」
苗木「うーん…」
ーー3日後ーー
山田「最近、妙に体調が…」
大和田「奇遇だな、俺もだぜ」
葉隠「何か、いつもに増してだるいべ」
舞園「何か、皆けだるそうですね」
江ノ島「このところずっとだねー」
苗木「何かあったのかな」
江ノ島「風邪でも流行ってるんじゃない?」
舞園「十神くんも最近見ませんしね」
苗木「風邪にしては何か変な感じするけどなあ…」
不二咲「皆は何とも無いの?」
舞園「私達は大丈夫ですよ。あと元気なのは…石丸くんと霧切さんと大神さんくらいですね」
苗木「腐川さんなんて、いつも以上に顔が青いんだけどね」
朝日奈「やっぱ、風邪なのかなー…」
大神「朝日奈、無理せず部屋で…」
朝日奈「せっかくの皆勤賞なんだし、こんなことで休めないよ」
とりあえず今日はここまでです
乙です!
投下していきます
ーー次の日ーー
苗木「おはよー」ガラッ
シーン...
苗木「え、何この静けさは」
霧切「おはよう、苗木くん」
舞園「皆調子悪そうですね」
苗木「2人だけ?」
舞園「十神くんは平気らしいですけど、今日は休むそうです」
苗木(平気じゃないじゃん)
霧切「大神さんも休むとなると、もうただ事じゃないわね」
苗木「…そんな大袈裟に構えるものなの?」
舞園「今までインフルエンザが流行ろうが伝染病が流行ろうが、大神さんだけはマスクも無しで平気そうでしたからね」
霧切「その大神さんまで休んでいるのよ」
苗木「まあ、そう言われると危機感はあるけど…」
江ノ島「おはー」ガラッ
苗木「あ、おはよう」
舞園「江ノ島さん、マスクしなくて大丈夫まんですか?」
江ノ島「へーきへーき、あたし病気になんないから」
苗木「今までそれだった大神さんも休んでるくらいだから、予防くらいはした方がいいんじゃない?」
江ノ島「何、苗木心配してくれんの?」
苗木「え?あ、うん」
舞園「…」
江ノ島(おーこわこわ)
霧切「病気になってからじゃ遅いのよ?」
江ノ島「病気って言っても、皆風邪なんだよね?」
苗木「詳しくは分からないけど、風邪っぽい症状らしいよ」
江ノ島「死なない病気なら敬遠することも無いでしょ」
苗木「まあ、そうだけど」
霧切「あなたの場合モデル業にも差し支えるから、風邪を引くわけにはいかないと思うのだけれど」
江ノ島「あたし忙しいからさ、病気にでもなんないとまともに休めないんだよね」
苗木「だから、予防をしない?」
江ノ島「それもあるけどさ、昔から一回も病気になったことないからね」
霧切「免疫力で言えば大神さんより上なのかしら…」
舞園「そういえば、戦刃さんはどうしたんですか?」
苗木「そういや、いつも一緒にいるのにね」
江ノ島「もうそろそろ来ると思うよ」
戦刃「…」ガラッ
苗木「噂をすれば」
舞園「おはようございます」
戦刃「あ、えと、おはよう」
霧切「顔色が悪いようだけど…大丈夫なのかしら?」
戦刃「多分、大丈夫…」
苗木「無理せず休んでた方がいいよ、悪化したら大変だからね」
戦刃「軍人だし、えと、これくらいは…」
江ノ島「この際軍人もクソも関係無いよ」
苗木(女の子なんだからクソとか言わない方が…)
舞園(それ、口に出して言って欲しかったです)
霧切「それにしても、校内だけで流行ってる訳じゃないようね」
苗木「え、そうなの?」
霧切「知らなかったの?全国で感染者が出てるそうよ」
舞園「死ぬような病気じゃないのが救いですね」
苗木「インフルエンザみたいに死ぬ可能性のある病気だったら大変なことだよ」
江ノ島「この学校も殆ど感染してるしねー」
舞園「そんな中マスクも無しでよく歩けますね…」
苗木「僕なんか不安過ぎて二重マスクだよ」
霧切「これで最後まで本当に感染しなかったら凄いことね…」
江ノ島「よゆーでしょー」
苗木「そういや今日授業あるの?」
霧切「無いそうよ、学級閉鎖らしいわ」
舞園「先生が殆どダウンしてるのも原因ですけどね」
ーーその夜、江ノ島の部屋ーー
江ノ島「願っても無い好機だね」
戦刃「本当にやるの?」
江ノ島「やるに決まってんじゃん、目的の為なら手段は問わないからねー」
戦刃「でも、やっぱり…」
江ノ島「お姉ちゃんは何も関わらないんだし、関係ないじゃん」
戦刃「そ、そうだけど…」
江ノ島「さーて、明日あたりにでもやろっかなー」
戦刃「…知らないよ」
江ノ島「さーて準備準備」
戦刃(そこまでしなきゃ、やっぱり幸せになれないのかな…)
戦刃(…)
江ノ島「で、まだ居るの?」
戦刃「え?あ、そろそろ戻るよ?」
江ノ島「ふーん、じゃおやすみ」
戦刃「おやすみ」
とりあえず今日はここまでです
後日談のネタばっかり溜まって本編の方が適当になってきてる希ガス
今日の17時頃更新します
投下していきます
ーー翌朝ーー
戦刃「…」ガラッ
霧切「おはよう」
舞園「おはようございます」
戦刃「あれ…2人だけ?」
舞園「苗木くん、ずっと連絡つかないんですよ」
霧切「苗木くんもやられちゃったかしら」
戦刃(まさか…?)
舞園「心配ですね…」
霧切「もう少し待ちましょう、来るかもしれないわよ」
舞園「それなら連絡くらいあってもいいと思うんですが…」
霧切「まだ寝てるのかもしれないわ」
舞園「うー…」
霧切「戦刃さん、江ノ島さんは?」
戦刃「え、あ、わかんない」
舞園「江ノ島さんもでしょうか」
霧切「マスクもしてなかったんだから、当然ね」
戦刃(昨日の夜はものすごい元気だったけどな…今頃もしかして)
舞園「私、やっぱり心配です」
霧切「どれだけ心配しても苗木くんが病気かどうかは分からないわよ」
舞園「ですから、見てきます」
霧切「もし感染してたら…」
舞園「苗木くんの看病をして移るなら本望ですよ」
霧切「…じゃあ、私も行くわ」
舞園「大丈夫ですよ、看病は1人でもできますから」
霧切「…様子を見るだけよ」
舞園「霧切さんは仕事もあるんですから、移らないようにして下さいね」
霧切(それはあなたも一緒でしょうに…)
舞園「じゃ、行ってきますね」
霧切「はぁ…あ、戦刃さんも行く?」
戦刃「え?わ、私は盾子ちゃんのとこ行ってみるね」
霧切「そう、移されないようにね」
戦刃「うん」
ーー江ノ島の部屋前ーー
戦刃(いないだろうなー…)
戦刃(今頃苗木くんの部屋か違う場所で大変なことをしてるんだよね…)
戦刃(…)
戦刃「…はぁー…」
戦刃「…」コンコン
戦刃「じゅ、盾子ちゃん、入るね」
ガチャ
戦刃「…」
戦刃「…あれ」
ーー苗木の部屋前ーー
舞園「苗木くーん、入りますよー」コンコン
霧切「返事が無いわね」
舞園「じゃあ入っていいってことですよ、行きましょう」
霧切(苗木くんのこととなると何をやらかすか分からないわね…)
ガチャ
舞園「苗木くーん」
霧切「…寝てる?」
舞園「…っぽいですね」
苗木「…ん?」
舞園「苗木くん、もう9時ですよ」
苗木「んー…」
舞園「ちょっと、寝ないで下さい」
戦刃「盾子ちゃん、結局感染したんだね」
江ノ島「…うるさいー」
戦刃「まあ、えと、今日は私が看るから」
江ノ島「…屈辱」
戦刃「ほら、お姉ちゃんだし、ね?」
江ノ島「…」
戦刃「いつも頼ってばっかだし…」
江ノ島「…」
戦刃「こんな時くらい、その、頼って欲しいかなって」
江ノ島「…」
戦刃「…だ、ダメかな」
江ノ島「…よろしく、お姉ちゃん」
戦刃「!…うん!」
江ノ島「あう…うるさい…」
戦刃「あ、ご、ごめん!」
苗木「いや本当眠いんだよ…」
舞園「わがまま言ってもダメですよ」
苗木「寝不足で感染したらそれこそ大変だし」
舞園「その時は私が看病しますから」
苗木「いや、それは…」
舞園「大丈夫ですよ、アイドルなんて1日くらい休んでも何の支障もありません」
苗木「あれでしょ」
舞園「ありません」
苗木「…」
舞園「ほら、目覚めて来ましたよね?」
苗木「不覚にもね…」
舞園「じゃあとりあえず…」
苗木「…」
舞園「何しましょうか」
苗木「予想はしてたけど、本当にノープランとはね」
すいません残り1レスという所になって用事が入っちゃいました
今のところキャラの口調に違和感は無いですかね?
こまけぇこたぁいんだよ
>>68
じゃあ、気にせずやってくことにします(´・ω・`)
19時頃更新します
用事が入ったので21時からにします
>>100くらいで完結すると思います
案外早く用事が済んだので今から投下していきます
ーー次の日の朝ーー
舞園「んー…」
苗木「…」
舞園「あ、おはようございまふ」
苗木「おはよう…」
舞園「苗木くん、声ガラガラですよ!?」
苗木「感染したかな…へくしっ!」
舞園「と、とりあえずタオルと水と薬持ってきますね!」
苗木「うん…へくしっ」
舞園「持ってきました!」
苗木「あの…頭に響くから大声は…」
舞園「あ、すいません…」
苗木「あと、舞園さんは部屋に戻った方が…へくしっ!」
舞園「そんな状態じゃほっとけませんよ」
苗木「僕は休んでも問題無いけど、舞園さんは休んじゃダメでしょ」
舞園「少しくらい問題無いですよ」
苗木「ファンは良くないよ」
舞園「感染の恐れがあるので、コンサートはできないんですよ」
苗木「でも、他にも仕事が…」
舞園「苗木くん、そんなに私に看病されるのが嫌なんですか?」
苗木「移るのは嫌かな」
舞園「私は移っても構いませんよ」
苗木「…はあ」
舞園「ほら、タオル起きますよ」
苗木「んー…」
舞園「ちゃんと看病しないと治りませんからね」
苗木「ありがとう…」
舞園「いえいえ、おかゆ作ってきますね」
ーー江ノ島の部屋ーー
戦刃「結構熱下がったね」
江ノ島「頭痛い…」
戦刃「あと2日くらいは寝てないと」
江ノ島「そんなに待てない、今日で治す」
戦刃「さすがのお姉ちゃんでもそれは厳しいよ」
江ノ島「またとないチャンスだしね」
戦刃「チャンス?」
江ノ島「お姉ちゃんには関係無いって」
戦刃「あ、うん…」
江ノ島「さー、気合入れて直そ」
戦刃「薬持ってくるね」
ーー次の日ーー
苗木「…げほ」
舞園「ちょっと熱下がりましたね…へっくち!」
苗木「やっぱり、移っちゃったね」
舞園「まだ看病したい所ですけど…」
苗木「その状態が無理だよ、今日はそれぞれ部屋で大人しくしてよう」
舞園「治ったら、看病しに行きますね…へくちっ」
苗木「多分、僕の方が先に治ると思うけど…」
舞園「気合で明日には治してみせますよ」
苗木「さすがに無理だと思うけどね…」
舞園「アイドルに不可能はありませんよ…へくちっ!」
苗木「うん、無理だね」
舞園「そんな感じがしてきました…」
苗木「ゆっくり寝た方がいいよ」
舞園「はい…う」フラ
苗木「舞園さん!?」
舞園「大丈夫ですよ、ただの立ちくらみですし…」
苗木(凄い熱だ…)
苗木「とりあえず、救急車を」
舞園「大丈夫ですから、止めて下さい」
苗木「でも!」
舞園「皆に心配かけたくないんです」
苗木「そんな状態でほっといたら、余計心配になるよ!」
舞園「じゃあ、少し経って熱が下がらないようだったら病院に行きます…」
苗木「そんな賭け事をしてる場合じゃ」
舞園「お願いします、心配かけたくないんです…」
苗木「うう…」
舞園「5時間、いや、3時間でいいですから」
苗木「…2時間」
舞園「…構いません、治してみせます」
舞園「スー…スー…」
苗木「…げほ」
苗木(こんなこと許すべきじゃないけど…)
苗木(舞園さんはテコでも動かなそうだったし)
苗木(大体熱が2時間で下がる訳無いんだ)
苗木(…悪化しないように祈るしか…)
苗木「…げほっ」
苗木(…僕もまだ38℃はあるのか)
苗木(舞園さんはそれ以上の熱があるんだ、僕が音をあげちゃダメだ)
苗木(舞園さん、耐えてくれ…)
ーー江ノ島の部屋ーー
江ノ島「よし、熱は下がった」
戦刃「…ごほ」
江ノ島「ごめん、移っちゃったねー」
戦刃「い、いいよこれくらい」
江ノ島「看病したい所だけど、ちょっと用事あるから」
戦刃「うん、分かってる」
江ノ島「…はい」
戦刃「?」
江ノ島「…アクエリ」
戦刃「…くれるの?」
江ノ島「…ほら、お礼も兼ねてね」
戦刃「あ、ありがとう…」
江ノ島「…じゃ、行くね」
戦刃「うん」
江ノ島「…」
戦刃「どうしたの?」
江ノ島「…何でも無い」
戦刃「?」
江ノ島「…じゃ」
ーー廊下ーー
江ノ島「さて…」
江ノ島「苗木、いるかなーっと」
ガチャ
苗木「?」
江ノ島「やほー」
苗木「江ノ島さん、治ったの?」
江ノ島「熱は下がったよ」
苗木「そうなんだ」
江ノ島「苗木、ちょっと話あるんだけどいいかな」
苗木「ここじゃダメなの?」
江ノ島「あんまり聞かれたくない話だしね」
苗木「舞園さん寝てるから、大丈夫だよ」
江ノ島「起きたらってこともあるからさ」
苗木「…じゃあ、5分だけね」
江ノ島「オッケー」
今日はここまでです
21時頃投下します
投下していきます
ーー廊下ーー
苗木「えっと、話って?」
江ノ島「いや、大したことじゃないんだけど…あ」
苗木「ん?」
江ノ島「苗木、後ろ後ろ」
苗木「え?」クルッ
プスッ
苗木「…ん…」クラ
江ノ島「…よしよし」
江ノ島「ちゃんと寝てるよねー?」
苗木「…スー…」
江ノ島「うん、あとは運んで…」
霧切「待ちなさい」
江ノ島「!」
霧切「苗木くんを担いでどこに行くのかしら?」
江ノ島「…言う必要は無いかな」
霧切「言わない必要も無いわね」
江ノ島「相変わらず固いなー、んじゃ」
霧切「?」
モノクマ「…」
霧切「…?」
霧切「このちっさなぬいぐるみは何かしら?」
江ノ島「私の切り札だよ」
モノクマ「お前らぁー!」
霧切「喋った…?」
江ノ島「まだこれしか喋れないんだけどね」
霧切「…それで、喋るぬいぐるみが切り札なの?」
江ノ島「そんなわけないじゃん」
シャキン!
モノクマ「…」
霧切「!」
江ノ島「武装に時間かけすぎて、声入れる余裕が無かったんだよね」
霧切「…なるほど、恐ろしいわね…」
江ノ島「しばらくそこでじっとしててねー」
霧切「…くっ」
江ノ島「あ、大声出しても攻撃されるからね?」
ーー???ーー
江ノ島「さー苗木、着いたよ」
苗木「…」
江ノ島「もう苗木は私だけのモノだからね?」
江ノ島「もう舞園と話しちゃダメだよ」
江ノ島「あ、霧切もダメだからね!」
苗木「…」
江ノ島「まあ、厳密にはまだ私のモノじゃないけどね」
江ノ島「これから私のモノになるんだから、関係無いよねー」
江ノ島「皆病気で寝込んでるし、霧切もモノクマで足止めしてるし」
江ノ島「…完璧だね、うぷぷぷぷぷ」
苗木「…」
江ノ島「じゃ苗木、そろそろ始めよっか」
ーー江ノ島の部屋ーー
戦刃「…結局、盾子ちゃんの部屋で寝ちゃった」
戦刃(…もう苗木くんの所に行ってるのかな)
戦刃(…何しようとしてるんだろ?)
戦刃(…)
戦刃(…やっぱり、悪いことだよね)
戦刃(悪いことする時の盾子ちゃんの顔だったし)
戦刃(…止めるべきかな)
戦刃(…でも怒られちゃうし…)
戦刃(でも…)
戦刃(…)
戦刃(………)
戦刃(盾子ちゃんは怒るだろうけど…)
戦刃(やっぱりダメだよね、こんなこと)
ガチャ
霧切「!」
霧切(あれは…戦刃さん?)
戦刃「?」
霧切(お願い、喋らないで)
戦刃(霧切さん?…喋らないで…?)
戦刃「!」
戦刃(うあ…変なぬ、ぬいぐるみ?)
霧切(助かったわね…)
戦刃(…携帯に、何か打ってる?)
霧切(軍人なら視力はいいと思うけど…)
『江ノ島さんを止めて』
戦刃(!盾子ちゃん、あんなものまで…)
戦刃(えと、紙、紙…)
戦刃(…)
『私じゃ盾子ちゃんに説得されるだろうから、霧切さんが行って下さい。私がぬいぐるみを引きつけます』
霧切(…!)
霧切(…)
『危険過ぎるわ。ぬいぐるみはこのままにしてあなたが行った方が得策よ』
戦刃(…でも…私じゃ盾子ちゃんを説得しきれないかも…)
戦刃(…?)
『十神くんに相談してみて。彼なら何か策を思いついてくれると思うわ)
戦刃(!)
戦刃(…)
『分かりました』
霧切(十神くん、感染してないとは思うけど…)
ーー十神の部屋ーー
十神「事情は分かった」
戦刃「じゃあ…」
十神「協力はしてやる。だが」
戦刃「?」
十神「その武装人形が1体じゃなかった場合はどうする」
戦刃「え…」
十神「2体目ならまだいいが、3体目が出て来たら…」
戦刃「…そ、それは…えと」
十神「お前なら何とかできるかもしれんが、俺と霧切じゃ確実に死ぬだろうな」
戦刃「そんな…」
十神「もう1人、助っ人がいる」
戦刃「助っ人?」
十神「大神だ。奴なら何とかできるだろう」
戦刃「じゃ、じゃあ行ってくるね!」
十神「待て、電話した方が安全だ」
戦刃「でも、大神さん電話持ってないんじゃ…」
十神「朝日奈といつも一緒にいるはずだ」
戦刃「でも、感染病が流行ってる状態だし…」
十神「あれほどの仲なら、どちらかが感染したら看病するだろう」
戦刃「そ、そっか…」
十神「…朝日奈か、十神だ」
朝日奈『げほ、どしたの?』
十神「そこに大神はいるか?」
朝日奈『いるけど?』
十神「少し変わってくれないか」
朝日奈『いいよ…げほっ』
十神「大神、頼みがある」
大神『頼み?』
十神「苗木が江ノ島にさらわれたらしい」
大神『何だと?』
十神「霧切はその現場を見て止めようとしたらしいが、凶々しい武装をした人形に足止めされている」
大神『つまり我はその人形の相手をすればいいのだな?』
十神「そうだ、廊下に出て声を出して人形の標的になってくれればいい」
大神『分かった』
十神「頼むぞ」ピッ
戦刃「や、やったね」
十神「2体目が出てきたら頼む」
戦刃「う、うん」
十神「行くぞ」
戦刃「あ、あの」
十神「何だ」
戦刃「その…3体目が出てきたら?」
十神「…他に頼れる奴はいない」
戦刃「じゃあ…」
十神「…その時は俺が引きつける」
戦刃「で、でも」
十神「さっきは確実に死ぬと言ったが…霧切がいなければ話は別だ」
戦刃「?」
十神「俺1人なら何とかなるだろう」
今日はここまでです
14時半頃から投下します
wktk
投下していきます
十神「そろそろ行くぞ」
戦刃「え、あ…うん」
十神「何だ、今更怖がっているのか」
戦刃「え?う…ううん」
十神「ならいい、怖がってたら本当に死ぬからな」
戦刃「…」
十神「何をグズグズしてる。霧切もそろそろ精神に限界が来るぞ」
戦刃「あ、ご、ごめん」
十神「…何か気になることがあるなら言え」
戦刃「…何でも無いよ」
十神「……」
戦刃「…」
十神「…そうか、行くぞ」
戦刃「…うん」
ーー廊下ーー
霧切(…そろそろ、疲れたわね)
霧切(音を立てても死ぬっていうのは、やっぱり尋常じゃないプレッシャーがあるわね)
ガチャ
霧切(?)
大神「…」
霧切(あれは…大神さん?まずいわ)
霧切(ん…紙、かしら)
『我がその機械人形を引きつける』
霧切(!…十神くんね)コクッ
大神「…かかってくるがいい、機械人形よ」
モノクマ「」ピクッ
大神「こっちだ!」
モノクマ「お前らぁー!」ダッ
霧切「行った!」
ガチャ
十神「油断するな。1体とは限らない」
霧切「え?」
モノクマ「…」
モノクマ「…」
十神(喋るなよ)
戦刃(う、うん)
霧切(…どうすればいいのかしら)
十神(…)ポンポン
『俺が右側を蹴るから、戦刃は左側を引きつけろ。霧切は江ノ島を探せ』
霧切(!…そんな)
『危険過ぎるわ。武装してるだけじゃなく、スピードもあるのよ』
十神(…)
『相手がどうであれ、やるしかないだろう。いいか、これはリーダー命令だ』
戦刃(…ふふふ)
霧切(…そうよね、信じなきゃダメよね)
『分かったわ。こっちも出来るだけ早くモノクマは止めるわ』
十神(…)
『戦刃、同時に行くぞ』
戦刃(うん)コクッ
十神(3…2…1…)
十神「ふっ!」
戦刃「…」シュッ
十神「行け、霧切!」
霧切「…!」ダッ
戦刃「こっちだよー!」
モノクマ×2「「お前らぁー!」」
十神「滑稽な人形だな…いいだろう潰してやる、十神の名にかけて!」
ーー???ーー
江ノ島「苗木ー。もうすぐできるよー」
苗木「…」
江ノ島「相変わらず返事無いね」
江ノ島「まあ、眠ってるから当然だけど…」
江ノ島「それにしても…」
苗木「…」
江ノ島「…食べたい」ジュル
江ノ島「なんでこんな可愛い顔して寝るかな」
江ノ島「…我慢できなくなっちゃうじゃん」
苗木「…」
江ノ島「…抑えろ抑えろ」
江ノ島「ここで食っちゃったら台無しだよね」
ーー2階、廊下ーー
霧切(確か江ノ島さんは1階の階段を登ったはずだけど…)
霧切(移動した形跡なんて残らないし…)
霧切(生徒も職員も、皆感染していない…)
霧切(もしかして、こうやって誰もいなくなる時期を見計らってこんなことを仕組んでいたのかしら)
霧切(だとしたら、ここで止めないとマズイわね)
霧切(苗木を連れて行って何をするのか分からないけど…)
霧切(あんな人形まで使って足止めするということは…ただならぬ目的があるに違いないわ)
霧切(最初の目的が苗木くんの誘拐で…その次の目的が恐ろしいものであることは間違いない!)
霧切(計画が第一段階の今で止めれば、まだ希望はある)
ーー1階、廊下ーー
大神「ふぅぅ…」
モノクマ「…」
大神(…手強いな…)
大神「だが!」
モノクマ「お前らぁー!」バッ
大神「ぬぅん!」
モノクマ「!」ドガッ
大神「…」
モノクマ「…」
大神「終わったな」
モノクマ「…」ピク
大神「他の者の加勢に向かうか…」
モノクマ「お前らぁー!」
大神「何だと!?」
ーー1階、廊下ーー
戦刃(動きも早いけど…)
モノクマ「お前らぁー!お前らぁー!」
戦刃(攻撃が単調かな?)
モノクマ「…」
戦刃(声や動きに反応して攻撃してるね)
モノクマ「…」
戦刃(例えばこう動くと…)
モノクマ「…」シュッ
戦刃(やっぱり、動きを予測してる。移動後の一瞬止まるポイントに置くように攻撃をしてる…)
戦刃「なら」
モノクマ「お前らぁー!」ガッ
戦刃(壁を攻撃して一瞬止まる所を…!)
戦刃「っ!」パァン!
ーー1階、廊下ーー
十神「銃声…戦刃か?」
モノクマ「お前らぁー!」
十神「しかし単調な攻撃だな。一撃しか喰らってないぞ」
モノクマ「お前らぁー!」
十神「動きが分かったのはいいが…どうやって動きを止めるかだな」
モノクマ「お前らぁー!」
十神「…こいつも一応機械だったな」
モノクマ「お前らぁー!」
十神「銭湯に沈めてやるか…」
モノクマ「お前らぁー!」
十神「動きも単調なら、音声も単調だな」
モノクマ「お前らぁー!」
十神「そろそろ楽にしてやる、喜べ」
今日はここまでです
復活
やっと復旧しましたね(´・ω・`)
復旧記念にもう1つのスレの方も更新してきたのでこっちも更新します
大神「…」
モノクマ「…」
大神「何とか倒したか」
戦刃「…」
大神「無事だったか」
戦刃「な。何とか…。それより十神くんは?」
大神「まだ戦ってると思うが…」
戦刃「ま、まさか」
十神「やられると思ったか、庶民共が」
戦刃「け、怪我してるよ!?」
十神「かすり傷だ。放っておいてもすぐ直る」
大神「しかし」
十神「そんなこと言ってる余裕は無い」
戦刃「え?」
モノクマ「お前らぁー!」
モノクマ「お前らぁー!」
モノクマ「お前らぁー!」
十神「何体いるか知らんが、江ノ島に止めさせるしか生き残る道は無いぞ」
ーー2階ーー
霧切「それにしてもどこにいるのかしら」
霧切(しらみつぶしに探してる間に計画が進んだらまずいわね…)
霧切(校内に潜んでいるのは間違いないわ)
霧切(けど、辿った痕跡も分からないし…)
霧切(…落ち着いて)
霧切(もし私が苗木くんを誘拐したとして、どこへ行くか…?)
霧切(誰にも見つからない場所…)
霧切(見つかる可能性はあるけどその可能性が限りなく低い場所…?)
霧切(…この学校に生徒の知らない場所があるのかしら?)
霧切(…!)
霧切(監視カメラ!)
霧切(この学校の至る場所に監視カメラが仕掛けてある…)
霧切(それを見れば彼女がどこにいるかわかる!)
ーーセキュリティルームーー
霧切(案外すんなり入れたわね)
霧切(セキュリティルームなのに、こんなに簡単に入れていいものなのかしら…)
霧切(…?何かある?)
霧切「きゃあ!」
霧切「…死んでる…?」
霧切「…息はあるわね。モノクマかしら…?」
霧切(…江ノ島さん、ね)
霧切(自分の動向をチェックされないように、口封じしたってことかしら)
霧切(…でも、江ノ島さんが絶対に見つからない部屋にいるならこの部屋は襲う必要はないはず)
霧切(なのに襲ったということは…)
霧切(監視カメラの映像には、ヒントがある!)
霧切(…どこに映っているの?)
霧切(数が多すぎて絞れない…)
霧切(この部屋の管理人が気絶しても、監視カメラの機能は停止しないはず…)
霧切(監視カメラ自体を壊さなかったのは、警報が鳴るからね)
霧切(…とりあえず、1階の監視カメラの映像から見て行きましょう)
霧切(時間帯は私が部屋を出てから今に至るまでの約20分)
霧切(監視カメラの数が多すぎて時間がかかるわね…)
霧切(この際、10倍速でも問題無いわね。人影が見えればそれでいいわ)
霧切(…1つの階を見終わるのに5、6分かかりそうね)
霧切(急がないと…)
ーー???ーー
江ノ島「じゃーん」
江ノ島「苗木ー、これ何か分かる?」
苗木「…」
江ノ島「そろそろ目覚ましてよ、起きてないと効き目無いんだしー」
江ノ島「ほら、苗木起きて」ペチペチ
苗木「……ん…」
江ノ島「おはー」
苗木「…?」
江ノ島「まだ寝ぼけてる?」
苗木「…ここは…?」
江ノ島「さあ、どこだろね」
苗木「…どうする気なの?」
江ノ島「んー、秘密」
苗木「…」
江ノ島「苗木、喉乾いたでしょ?これ飲んで!」
苗木「…嫌だ」
江ノ島「ただの水だよ?」
苗木「そんな色をした水、見たことないよ」
江ノ島「苗木が見たこと無いだけじゃない?」
苗木「…とにかく、僕は飲まない」
江ノ島「…そっか、仕方ないね」
苗木「…」
江ノ島「…ねえ、これ見て」
苗木「?」
江ノ島「…」
苗木「!霧切さん!」
江ノ島「…苗木が飲んでくれないなら、霧切殺しちゃおっかな」
苗木「…!」
江ノ島「ほら、飲んで?」
苗木「くっ…」
江ノ島「苗木、私が嘘ついてると思ってる?」
苗木「…」
江ノ島「それとも、人1人殺せないような人間だと思ってる?」
苗木「…何を」
江ノ島「どっちもハズレ。私は本当の事しか言わないし、人も殺す」
苗木「…やめろ」
江ノ島「…目的の為なら、ね」
苗木「やめろ!」
ーーセキュリティルームーー
霧切(どこに映ってるのかしら…)
霧切(やっと1階を見終わったわ)
霧切(…6分、かかったわね)
霧切(急がないと…)
霧切(次は2階ね)
霧切(…ペースを上げて、15倍速で…)
霧切(…これなら、4分ほどで終わりそうね)
霧切(まずは各部屋から…)
霧切(…)
霧切(…)
霧切(…私しか映ってない)
霧切(次は廊下…)
霧切(…)
霧切(…!)
霧切(いた!)
霧切(普通の速度に戻して…)
霧切(…どこに向かってるのかしら)
霧切(画面から消えた?)
霧切(…)
霧切(次はこっちの画面ね)
霧切(…消えた)
霧切(次はこっち…)
霧切(…トイレに入った?)
霧切(…しかも、男子トイレに?)
霧切(なぜ、あんなところに…)
霧切(もう一度15倍速にして…)
霧切(出てこない…)
霧切(…まさか、男子トイレの中に?)
霧切(とりあえず、行ってみましょう)
ーー2階、男子トイレーー
霧切(やっぱり、男子トイレは抵抗があるわね)
霧切(本当にこんなところにいるのかしら…)
霧切(…)
霧切(個室は全部見たけど、いないわね)
霧切(あとは…)
霧切(用具庫ね)
霧切(…用具しか無いわね…)
霧切(…ここに入ったのは間違い無いわ)
霧切(そして、出ていない…)
霧切(何か、手掛かりがあるはず)
霧切(もう一度、くまなくチェックして…)
霧切「…?」
霧切(壁が、ズレてる?)
霧切(ほんの少しだけど、斜めになってる)
霧切(まさか)
今回はここまでです
復旧早々乙でした
投下していきます
ーー1階、廊下ーー
十神「こいつら、何体いるんだ?」
モノクマ「お前らぁー!」
十神「霧切が江ノ島を見つけれていればいいが」
戦刃「さすがに数が…」
十神「殆どは大神が引き受けてるんだ、3、4体なら何とかなる」
モノクマ「お前らぁー!」
戦刃「れ、連携が…」
十神「異様なチームワークだな」
大神「ぬぅん!」
モノクマ「おま…お…え…おおままままままままま」
十神「霧切は何をしているんだ」
戦刃「ま、まだ、探してるんじゃないかな」
十神「さっさとしないといずれくたばるぞ」
ーー用具庫裏の部屋ーー
霧切「誰か…いるの?」
霧切「…」
霧切(返事が無いわね)
霧切(それにしても…)
霧切(用具庫の裏にこんな広い返事があったなんて)
霧切(この部屋だけじゃなく、扉の数から言ってあと2、3部屋はありそうね)
霧切(この扉の奥のどこかに彼女がいるはず…)
霧切(…)
霧切(明らかに異質を放っている扉が1つあるわね…)
霧切(血みどろの扉…生々しいわね)
霧切(過去に何かの実験でもあったのかしら…想像もしたくないわ)
霧切(…まさか、ここにはいないわよね?)
霧切(…)
霧切(…先に、真ん中の扉にしましょう)
霧切(この扉は比較的まともに見えるわね…所々錆びついてるけど)
霧切「…」
ガガ…ギギギギギ…
霧切「開いた…」
霧切「……これ…」
モノクマ「………」
霧切「モノクマ…よね」
霧切「こんな所で作られていたの?」
霧切「こんな部屋でも設備さえあれば作れるものなのかしら…」
霧切「この部屋はモノクマだけね…」
霧切「他の部屋に繋がる扉も無いし…」
霧切「残るは、あの扉だけね」
ーー3分前、???ーー
江ノ島「ほら、見えるよね。霧切の喉に刃がたってるの」
苗木「くっ…」
江ノ島「これ、モノクマって言ってね。私が改造した人形なんだよ」
苗木「…」
江ノ島「びっくり箱みたいな人形なんだよ!あんな小さい体からいっぱい武器が出てくるんだよ」
苗木「…今すぐ、その人形を止めるんだ」
江ノ島「じゃあ、これ飲んで」
苗木「…その薬は、一体」
江ノ島「飲んだら分かるよ。別に毒じゃないからね」
苗木「…」
江ノ島「どうしたの、早く飲んでよ」
苗木「…そのモノクマの武器を、霧切さんから離してからだ」
江ノ島「…いいよ」
苗木「ふう…」
江ノ島「でも、変な気は起こさないでね。ボタン1つで苗木が死にたくなるようなこともできるから」
苗木「…分かってるよ」
ーー用具庫裏の部屋ーー
霧切(…あとはこの扉と…)
霧切(血みどろの扉だけね)
霧切(まさか血みどろの扉の先にいるとは思えないし…)
霧切(ほぼ、こっちの扉で間違いないわね)
???「びっくり箱みたいな人形なんだよ!」
霧切「!」
霧切(今、江ノ島さんの声が…)
霧切(間違いないわ!)
ガギッ
霧切(開かない!?)
霧切「苗木くん!聞こえる!?」ドンドン
霧切(返事がない…)
ガガッ
霧切(錆びてて回しにくいけど…)
ガガガガガ…
霧切(もう少しで、完全に開きそう…!)
ガ…ガガガ…
霧切「んっ!」
ガァン!
苗木「霧切さん…」
霧切「苗木…くん」
江ノ島「あら、やっぱり来ちゃったね」
霧切「今すぐ苗木くんを解放しなさい」
江ノ島「んー、それはできないかな」
苗木「…」
霧切「苗木くん、何かされたの!?」
江ノ島「おっと、苗木には触らないでね」
モノクマ「お前らぁー!」
霧切「モノクマ…後ろから?」
江ノ島「もう1つの部屋でモノクマ見なかったんだ?」
霧切「そう…あれはもう完成してたのね」
江ノ島「まあ、保険として1体ここに残しておいたんだよね」
霧切「…」
江ノ島「そうそう、苗木は今ちょっと放心状態なだけだから」
霧切「放心…?」
江ノ島「苗木の手に持ってる薬、ちょっとだけ飲むと意識が朦朧とするだけなんだよね」
霧切「…全部飲むとどうなるのかしら?」
江ノ島「絶対服従の存在になるんだよ」
霧切「くだらないわね」
江ノ島「でも、凄いよね?」
霧切「…その薬を飲んで絶対服従になるのなら、苗木くん自身に飲んでもらわなくても良かったんじゃないかしら」
江ノ島「それがさ、意識のある状態じゃないの効き目ないんだよね」
霧切「…意識のある状態の苗木くんがそんなものを飲もうとするなんて…」
江ノ島「こういうの見せれば、誰でも飲むんじゃないかな」
霧切「私…?」
江ノ島「ただのCGだけどね。でも、画質を荒くすれば十分騙せるよ」
霧切「姑息な手を使うのね」
江ノ島「でも、凄いよね」
霧切「それで、また苗木くんの意識が戻ったらまたその薬を飲ませるつもりかしら?」
江ノ島「当たり前じゃん」
霧切「そんなことを私がさせると思うの?」
江ノ島「霧切が止めれるんならね」
モノクマ「お前らぁー!」
霧切「…」
江ノ島「無理でしょ?苗木はモノクマに殺されそうな霧切を見て薬を飲まざるを得ないし」
霧切「…1階にいるみんなが来るかもしれないわ」
江ノ島「オーガと十神とむくろちゃん?」
霧切「そうよ」
江ノ島「無理じゃないかなー、1階に50体は配置してるし」
霧切「なっ…」
江ノ島「他の人達が皆感染症で動けないしね」
霧切「…」
江ノ島「私が感染症にかかっちゃった時はどうしようかと思ったけど」
霧切「…このモノクマ、あなたが作ったのかしら?」
江ノ島「ううん、私は改造しただけ」
霧切「改造…?」
江ノ島「そ。昔のここの教員がテロ組織に関与してたらしくて、テロの方法の1つとして作ったみたいだね」
霧切「こんな人形で…?」
江ノ島「私が改造する前はただのテディベアだったんだけどね」
霧切「…プレゼントとして贈られて来たテディベアが、実は武装した人形…」
江ノ島「事件後は、ただのテディベアに戻る。いずれ気づかれるだろうけど、捜査してもなかなか発覚しないと思うよ」
霧切「…恐ろしい兵器ね」
江ノ島「私が改造してボイスと見た目を変えたんだよ」
霧切「…信じられないわね。この学校にそんな人がいたなんて」
江ノ島「まあ、そのテロ組織は結局このテディベアを使う前に壊滅したんだけどね」
霧切「この学校からテロ組織の一員がいたなんて話、聞いたこともないわ」
江ノ島「その教員が今も逃げ続けているか、学校側が揉み消したんだろうね」
霧切「…最低…」
江ノ島「世の中そんなものだよ」
霧切「…もう1つの、あの部屋は何なのかしら?」
江ノ島「知らない」
霧切「知らない?」
江ノ島「あそこの扉、開かないんだよね。内側から鍵かけられてるっぽいし」
霧切「内側から…?」
江ノ島「いくらドアノブ回しても開かないんだし、それしか考えられないでしょ。こっち側からは鍵穴とか無いし」
霧切「じゃあ…」
江ノ島「中に、誰かいるかもね…死体になって」
霧切「…」
江ノ島「それとも、部屋の中にどこかに通じる道がある可能性もある」
霧切「…後者しかないわね。中に死体があるなら、腐臭がするはずだもの」
江ノ島「密閉された空間かもよ?」
霧切「その可能性もあるけど…中に死体があるなんて考えたくないわ」
江ノ島「…あの中、正直ちょっと見てみたいんだよね」
霧切「…変な趣味ね」
江ノ島「好奇心だよ」
今回はここまでです
16:30頃更新します
遅れましたが投下していきます
霧切(…しかしまずいわね…)
霧切(このまま苗木くんが目覚めてしまうと…)
霧切(モノクマに殺されそうな私を見て苗木くんはきっと薬を飲んでしまう)
霧切(何か手は…)
江ノ島「苗木ぃー、まだ起きないのー」
霧切(…)
江ノ島「霧切も黙ってないで苗木起こしてよ」
霧切「…このモノクマは、あなたの命令で動くのかしら」
江ノ島「なにいきなり」
霧切「ちょっと気になることがあるのよ」
江ノ島「何か魂胆がありそうだし、答えないよ」
霧切「じゃあ、ちょっと実験するわね」
江ノ島「えっ」
霧切「苗木くんの持ってる薬、捨てさせてもらうわ」
江ノ島「っ」ピッ
モノクマ「…」シャキン
霧切「やっぱり、あなたが操作してるのね」
江ノ島「次変なことしたら殺すからね」
霧切(…今、やれることは…)
霧切(江ノ島さんからリモコンを奪うか、苗木くんの持ってる薬を捨てるか)
霧切(どちらもモノクマに殺される可能性が高いけど…)
江ノ島「…」
霧切(1階でモノクマと戦ってる皆の現状が分からない今、自分で何とかするしか無いわね)
江ノ島「また、変なこと考えてる?」
霧切「さぁ、ご想像に任せるわ」
江ノ島「…」
霧切(…)
ーー1階ーー
十神「あと何体だ!」
戦刃「え、えっと、8体!」
モノクマ「お前らぁー!」
大神「ぬぅ」
十神(もし江ノ島の側にもモノクマがいたらまずいな…)
戦刃「…やっ!」
十神(俺たちの誰か1人が助けに行くべきだが…)
モノクマ「お前らぁー!」
十神「ちっ、邪魔だ」
大神「ふっ!」
十神(霧切の居場所が分からない以上、戦力を減らすのは危険だ)
十神(…どうするか…こっちもあと20分ほどでカタがつきそうな感じもするが)
十神(大神も疲れてきている。それにまだモノクマが出てくる可能性もある…)
ーー用具庫裏の部屋ーー
霧切(さっき1階には50体のモノクマが配置してあると言っていた…)
霧切(いくら大神さんがいると言えど、3人であのモノクマを50体なんて無理に決まってる…)
霧切(…江ノ島さんのリモコンを奪えば状況は圧倒的にこちらが有利になる)
霧切(いえ、有利どころか決着がつくわね)
霧切(…でも、私が奪えるかしら…?)
江ノ島「…苗木ー」
霧切(私が江ノ島さんに襲いかかれば躊躇なくリモコンを操作して私は殺される…)
霧切(江ノ島さんとの距離は1.5mほど。モノクマのリーチは2~3m…)
霧切(武器を伸ばすだけで私を突き刺せる…)
霧切(困ったわね)
霧切(モノクマを蹴り飛ばして距離を作ればいけるかしら…)
霧切(…いや、モノクマのスピードはかなり速いわ)
霧切(私がリモコンを奪う前に殺されるに決まってる…)
霧切(…)
江ノ島「霧切、いくら考えても無駄だって」
霧切「諦めなければ、いずれ希望は見えてくるものよ」
江ノ島「誰かの受け売り?くさいセリフだね」
霧切「苗木くんの受け売りよ」
江ノ島「何だ苗木のセリフか、ならかっこいいねー」
霧切「…」
ーー1階ーー
十神「あと…7体か…」
戦刃「十神くん、大丈夫…?」
十神「余計な心配はするな、自分のことだけ考えてろ」
戦刃「う、うん」
モノクマ「お前らぁー!」
十神(さすがに疲れてきたな)
十神(1体倒すのにこの疲労か…)
十神(霧切がまだ見つけれていないというのはさすがに無いだろう)
大神「ふん!」
モノクマ「おおおおままええええままま」
十神(なのにまだモノクマが止まらないということは…)
十神(江ノ島の側にもモノクマがいるということか?)
十神(もしくは別の理由で動けずにいることだが…)
十神(こいつらを倒して霧切の所に行くしか助かる道は無いか)
ーー用具庫裏の部屋ーー
江ノ島「苗木ー」
霧切(…苗木くんがまだ起きないのが救いね…)
霧切(薬を捨てようと、リモコンを奪おうと結局私は死にそうね…)
霧切(…1階で戦ってる皆もいずれ限界が…)
霧切(…)
霧切(……私は何を考えているのかしら)
霧切(全員無傷で助かろうとするから、無理なのよね)
江ノ島「苗木、起きて」
霧切(…私が死んでもいいのなら、助かる道はあるわね)
霧切(もしリモコンを奪えたら、それで終わり)
霧切(奪えずに、モノクマに殺されても…)
霧切(江ノ島さんが苗木くんに薬を飲ませる交渉材料が無くなるだけ)
霧切(さっきみたいに嘘の映像を見せるかもしれないけど…)
霧切(苗木くんが見抜ければ問題無いわね)
霧切(私がここに現れたことで、苗木くんはさっきの映像が嘘だと分かっている)
霧切(苗木くんが自分を信じることができれば、必ず見抜けるわ)
江ノ島「っ、ええ!」
霧切「?」
江ノ島「まさか、ここまでやるなんて…」
霧切(何かあったのかしら)
江ノ島「……これでよし」
霧切(1階にいるモノクマの数が減ってたのかしら…?)
霧切(それを増やしたとなると…)
霧切(もう…やるしか無いわね)
今回はここまでです
今回はここまでです
見つけれる
見つけられる
>>145
ら抜き言葉はできるだけ意識して直そうとしてるんですがやっぱりそのまんま書いちゃうことはよくあります…
その時は皆様の寛大な心で許してやって下さい(´・ω・`)
この十神異様に強いな
18:30頃更新します
>>147
個人的に十神ってめっちゃ強いと思うんですよ
だってパーフェクトですし(´・ω・`)
遅れましたが投下していきます
ーー1階ーー
モノクマ「お前らぁー!」
モノクマ「お前らぁー!」
モノクマ「お前らぁー!」
十神「…」
戦刃「…ふ、増えた…」
大神「ぬうう」
十神「また10体追加か」
戦刃「ど、どうするの!?」
十神「やるしかないな。霧切が止めてくれることを信じよう」
大神「く…」
モノクマ「お前らぁー!」
モノクマ「お前らぁー!」
モノクマ「お前らぁー!」
戦刃「十神くん」
十神「お前らよりは先にくたばらんから安心しろ」
大神「頼もしいものだな」
十神「そんなことになれば、リーダー失格だからな」
すいません、ちょっと用事が入って抜けてました
ーー用具庫裏の部屋ーー
霧切「…」スッ
江ノ島「苗木ー、そろそろ……ちょっ、来るな!」
霧切「殺したければ殺せばいいわ」
江ノ島「…本気?」
霧切「本気よ。私が死んでも何も困らないわ」
江ノ島「…苗木は悲しむんじゃないかなー」
霧切「でも、あなたの人形にならなくて済むわ」
江ノ島「さっきみたいに、嘘の映像見せればイチコロだよ」
霧切「…苗木くん、聞いた?」
江ノ島「!?」クルッ
霧切「っ!」バッ
江ノ島「あっ…」
霧切「終わりね」
江ノ島「…」
霧切「とりあえず…停止させようかしら」ピッ
モノクマ「…」
霧切「…これでいいわね。1階の皆も無事でいるといいけど…」
江ノ島「…」
霧切「さて、次はあなたね」
江ノ島「…どうするつもり?」
霧切「さあ、分からないわ」
江ノ島「…」
霧切「ただ、相応の罰は覚悟した方がいいわね」
江ノ島「…殺すなら、今やれば?」
霧切「誰も殺すとは言ってないわ」
江ノ島「…」
霧切「少なくとも、私は殺そうとは思ってないわね」
江ノ島「私だったら殺してるけどね」
霧切「…とにかく、あなたの処罰は皆で決めるわ」
江ノ島「皆?学校に任せるんじゃないんだ?」
霧切「学校に任せたらどうなるか分からないもの」
江ノ島「へえ」
霧切「こんな部屋があったってことを知られたとなったら、どうなるか分からないわ」
江ノ島「何だ、結局保身じゃん」
霧切「当然だと思うわ」
江ノ島「まあ、人間なんて最終的に自己中だしね」
霧切「…」
戦刃『霧切さーん!』
霧切「来たみたいね」
江ノ島「あーあ、これで終わりかぁ」
ーー後日、あるホテルの一室ーー
苗木「まさか今になって十神くんが感染するなんて」
舞園「…げほっ、げほ」
苗木「霧切さんも完全に治ってないし…」
霧切「私たち3人で決める必要があるわね」
江ノ島「…」
戦刃「…」
苗木「…僕は、もうあんなことをしないって誓えるならこのままでも…」
霧切「苗木くん、それは甘すぎるわ。もう一度あんなことが起きて、皆が危険な状態になったらどうするつもり?」
苗木「…ごめん」
霧切「…私も、そこまでひどい処分をしようとは思ってないわ」
江ノ島「…」
霧切「…けど、この学校からは立ち去ってもらうわ」
江ノ島「…」
霧切「…そして、二度と私たちの前に顔を見せないでちょうだい」
苗木「霧切さん」
霧切「あれくらいのことをしたんだもの。他の人が納得しないかもしれないわ」
戦刃「…あの」
霧切「どうしたの?」
戦刃「私も、盾子ちゃんと一緒に行くね」
霧切「…どうしてかしら?」
江ノ島「…余計なこと言うなっての」
苗木「…何か、訳が?」
戦刃「…私、お姉ちゃんだし…」
霧切「!」
苗木「ええっ!」
舞園「戦刃さん、江ノ島さんの、げほ、お姉ちゃんだったんですか?」
戦刃「…うん」
江ノ島「…はぁ…」
霧切「何で、別人のふりを…?」
江ノ島「…こんなのが、お姉ちゃんだなんて思われたくなかったし」
戦刃「盾子ちゃん」
苗木「…」
舞園「江ノ島さん、げほっ…、とことん、サイテー、ですね!」
苗木「舞園さん、無理しないで」
江ノ島「何とでも言っていいよ。どうせもういなくなるし」
霧切「…」
舞園「…げほっ」
今回はここまでです
そもそもなんで戦刃は協力しなかったんだ?
どうも、投下していきます
苗木「…それで、どうするの?」
霧切「私は意見を変えるつもりは無いわ」
舞園「私も、霧切さん、げほ、に、賛成です」
江ノ島「…」
戦刃「盾子ちゃん」
江ノ島「いいよ。約束する」
苗木「…僕は」
舞園「苗木、くん」
苗木「舞園さん」
舞園「げほっ…」
霧切「無理しなう方がいいわ。悪化するわよ」
舞園「いえ、大丈夫、です」
江ノ島「…」
舞園「何で、あそこまでされて…げほっ!」
苗木「…うん」
舞園「…そんな、優しくするんですか」
苗木「…ひどいことをされて、こっちも同じように仕返ししてたら、終わらないから…」
霧切「だからと言って、苗木くんは甘すぎるわ」
苗木「…」
舞園「そう、げほ、ですよ。霧切さんが、正しいです」
苗木「でも、それが僕の考え方なんだ」
戦刃「…」
江ノ島「ね、いいでしょ」
戦刃「…ちょっと分かる、気がする…」ボソ
霧切「いつか、本当に死ぬわよ?」
苗木「その時は、その時だよ」
舞園「また、危険な目に遭ったらどうする、げほっ…ですか」
苗木「その時は、皆に助けてもらおうかな」
霧切「ずいぶん、他人任せなのね」
苗木「皆を信じてるから」
舞園「…」
霧切「…ふふ」
苗木「?」
霧切「そうよね、それでこそ苗木くんね」
舞園「そう、です…ね」
苗木「舞園さん?」
舞園「…げほ、ちょっと、…寝ますね」
霧切「熱が39度もあるわ。よく起きれたわね…」
苗木「舞園さん、精神が強いからね」
霧切「…じゃあ私は、苗木くんを信じるわ」
苗木「?」
霧切「私も、苗木くんの案に賛成よ」
戦刃「盾子ちゃん」
江ノ島「…」
霧切「でも、次あんなことがあれば容赦はしないわ」
江ノ島「…ふざけんな」
霧切「え…」
戦刃「盾子ちゃん?」
江ノ島「情けなんかいらねーっつーの!
」
苗木「江ノ島さん…」
江ノ島「あんま人を舐めんなよ」
霧切「せっかくの慈悲を無下にするつもり?」
江ノ島「それが余計なんだよ」
戦刃「盾子ちゃん!」
江ノ島「私はな、死まで覚悟して、モノクマなんていう兵器まで使ってやってきたんだ」
江ノ島「それも慈悲で助けてあげる?」
江ノ島「寝ぼけてんじゃねーぞコラ!」
霧切「…それ、あなたの本性かしら?」
江ノ島「さあねー。どうなんだろうね?」
江ノ島「…でもね、私の覚悟を踏みにじったあんたらは許さないよ」
霧切「何を…」
江ノ島「…私は、1人で生きていきたい」
江ノ島「他人に心配され憐れまれ蔑まれ罵られ殺される人間になりたくない」
江ノ島「…誰かに私を殺されるなら…」
苗木「!」
江ノ島「死んでやる」ガラッ
苗木「やめろっ!」
戦刃「盾子ちゃん!」
霧切「戦刃さん、窓を!」
「余計なことしなくていいよ」
「あうっ!」
「霧切さん、手を!」
「触らないで」
「苗木くん!」
「…どいて」
「盾子ちゃん!」
「くそ!」
「誰か!」
「お姉ちゃん、あとよろしく」
「バイバイ」
戦刃「うあああああああああああ!」
苗木「!」
霧切「苗木くん、救急車を!」
戦刃「盾子ちゃん!盾子ちゃん!!」
苗木「今、呼んだよ!」
霧切「早く行くわよ!」
苗木「戦刃さん!」
戦刃「うあああああああああ…」
霧切「…今は、そっとしておきましょう」
苗木「…うん…」
戦刃「盾子ちゃん…」
戦刃「どうして…どうして…?」
戦刃「薬…くれたのに…」
戦刃「…げほっ、げほっ!」
ーー現在、苗木の部屋ーー
霧切「…という訳ね」
セレス「飛び降り…」
霧切「確か、15階だったかしら」
不二咲「その後は、どうなったの?」
苗木「それが、わからないんだ」
セレス「わからない?」
霧切「ホテルの前に行ったら、何も無かったの」
不二咲「ええ?」
セレス「血も無かったんですの?」
苗木「無かったよ」
セレス「謎ですわね…」
舞園「私は戦刃さんがちょっと怪しいと思うんですよ」
苗木「どうして?」
舞園「江ノ島さんが飛び降りた時皆が騒いでたので目を覚ましたんですよ」
霧切「そうだったの」
舞園「でも、あまり意識はハッキリしてませんでした」
不二咲「何か見たの?」
舞園「苗木くんと霧切さんが部屋を出た後、戦刃さんが何か呟いてました」
セレス「何か?」
舞園「中盤と後半は上手く聞き取れませんでしたが、前半はちょっとだけ聞こえました」
舞園「夢うつつで曖昧ですけど…『すりくれたのに』って言ってました」
苗木「すり?」
霧切「何かの単語の一部だけ聞こえたと考えるべきね」
セレス「すり……やすり…」
不二咲「手すり…ごますり…」
苗木「薬、じゃないかな?」
今回はここまでです
今の段階でハッキリしてない部分は後日談で全部ハッキリさせる予定です
23時頃から投下します
すいません、急用が入ったので明日の朝か昼に投下します…
本当に申し訳ない(´・ω・`)
どうも、投下していきます
舞園「確かに、薬だったような気はしますね」
霧切「薬と聞くと…」
不二咲「さっきの話に出てきた…?」
苗木「でも、それだったら戦刃さんは僕達に協力しなかったはずだよ」
不二咲「あ、確かに…」
セレス「まあ、彼女に聞けば済む話ですわ」
江ノ島「…」
霧切「本当にどうやって戻って来たのかしらね」
苗木「飛び降りたはずなのにね」
江ノ島「思ってるほど面白いもんじゃないよ」
セレス「それでも、知っておく価値はあると思いますわ」
江ノ島「あの時、確かに飛び降りたよ」
苗木「この目で見たからね」
霧切「びっくりしたわ」
江ノ島「でもあの後、苗木も霧切も窓から落ちて行く私を見なかったじゃん」
苗木「うん」
霧切「助けを呼ぶのに精一杯だったわ」
セレス「当然ですわね」
江ノ島「あの時さ、3階くらい下の人がちょうど窓から身を乗り出してたんだよね」
不二咲「えええ!」
セレス「意外に普通ですわ…」
舞園「奇想天外な救出でも期待してたんですか…」
苗木「まあ、ギャンブラーだしね」
霧切「関係無いと思うわ」
江ノ島「で、上で私たちが騒いでたのに気づいて…」
不二咲「キャッチした?」
江ノ島「そ」
霧切「3階上から落ちてくる人をキャッチできるものなのかしら…」
舞園「大神さんなら余裕ですよ」
苗木「あんな人そういないよ」
江ノ島「ライフセーバーとか言ってたね」
霧切「ライフセーバー…」
セレス「それならキャッチできそうな気もしないでもないですわ」
苗木「都合よくいるもんだね」
不二咲「ラッキーとしか言いようがないね」
舞園「超高校級の幸運は苗木くんのものですからね!」
霧切「才能なんだから、奪えるものじゃないと思うわ」
不二咲(そんな冷静に突っ込まなくても)
セレス「それで、あなたの企みは?」
江ノ島「え、私?」
霧切「あなたしかいないでしょ…」
江ノ島「大したことじゃないからね」
不二咲「でも、悪い企みだったら聞かない訳にはいかないよ」
江ノ島「いや、この学園に残っていたいってだけ」
霧切「なんですって」
セレス「…」
舞園「…苗木くんにちょっかいを出さないなら、私はいいですよ」
苗木「僕も、あんな修羅場にならないなら」
不二咲「あ、僕も同じく」
セレス「…私は反対ですわ」
霧切「私もよ」
江ノ島「何で?」
霧切「何の気なしに来て、時間が経ったら何か仕掛ける」
セレス「常套手段になってますわ!」
不二咲「二度ある事は三度あるだね」
舞園「次やったらどうなるかわかりませんけどね」
苗木「舞園さん、目が怖いよ」
不二咲「仏の顔も三度までだね」
苗木(ことわざハマってるのかな)
舞園(この2つはよく同じタイミングで使われるんじゃないですか?)
江ノ島「もうやらないよ」
セレス「信じれませんわ」
霧切「そもそも、何で残りたいのかしら?」
江ノ島「まあやっぱりここが一番居心地いいしね」
苗木「うん、わかるよ」
江ノ島「苗木を諦めなきゃならないのは残念だけどね」
舞園「手を出したら本当に許しませんからね」
江ノ島「正直、殺すって言われてから何もやる気しないし」
不二咲「まあ、そうだよね…」
霧切「それでも、私は許可できないわ」
セレス「私もですわ!」
苗木「ねえ、霧切さん」
霧切「…何かしら?」
苗木「1年前、江ノ島さんの処分の時の話覚えてる?」
霧切「…ええ、覚えてるわ」
苗木「あの時、何だかんだ霧切さんは僕の意見に賛成したじゃないか」
霧切「でも、結局彼女は問題を…」
苗木「問題なんて言っても、後になってみれば江ノ島さんは別に危険なことなんてしてないよ」
舞園「…まあ、そうですね」
霧切「…」
苗木「言いにくいけど…江ノ島さんは、僕が好きでこんなことをしてしまっただけなんだ」
江ノ島「…」
苗木「それを、もうしないって言ってるんだから…もう、いいんじゃないかな」
舞園「苗木くん…」
霧切「…相変わらず、人をその気にさせるのが上手いわね」
苗木「別に、そんなつもりじゃ」
霧切「いいわ。私も賛成よ」
江ノ島「…」
不二咲「…セレスさん」
セレス「1つ、約束してください」
江ノ島「なに」
セレス「不二咲くんに、一切の暴言やその気にさせるような発言をしないこと」
江ノ島「いいよ」
苗木(早っ)
舞園(江ノ島さんからしたらいちもにもないんじゃないですか)
苗木「…じゃあ、2人共、いいんだね?」
霧切「ええ」
セレス「いいですわ」
不二咲「…良かったね、江ノ島さん」
霧切「…」
江ノ島「…」
霧切「…何か、一言くらいないの?」
江ノ島「…」
苗木「霧切さん」
江ノ島「…あんがとね」
霧切「ええ。どういたしまして」
舞園「良かったですね」
セレス「私は油断しませんわよ」
江ノ島「分かってる」
苗木「じゃあ、明日はパーティーだね」
不二咲「何のパーティー?」
苗木「えっと…元クラス一員集合パーティー」
舞園「長ったらしいですね…」
霧切「…まあ、悪くないわね」
セレス「…さ、話も終わりました。不二咲くん、行きましょう」
不二咲「うん。皆、また明日ね」
苗木「うん」
霧切「…私も戻るわ」
舞園「おやすみなさい、霧切さん」
霧切「ええ、今日はぐっすり寝れそう」
苗木「…」
江ノ島「…お姉ちゃん、どこにいるのかな」
舞園「戦刃さん…ですか?」
江ノ島「うん」
苗木「確か、遊戯室じゃなかった?」
江ノ島「…お姉ちゃん、友達できたんだ」
苗木「…心配だった?」
江ノ島「…さあ、わかんない」
舞園「素直じゃないんですね」
江ノ島「嫌いだって思う時もあるけどね」
苗木「…行く前に、顔をm」
江ノ島「そうだ!完全に忘れてた!」
舞園「未だに苗木くんみたいな顔ですもんね…」
江ノ島「あれ、もう戻せるんだっけ?」
苗木「2日経ったら戻せるけど…」
江ノ島「えー…まあ、多分大丈夫でしょ」
苗木「それ、危ないんじゃ」
舞園「もう行っちゃいましたよ」
苗木「相変わらずの行動力だね…」
舞園「…」
苗木「…」
舞園「…苗木くん」
苗木「ん?」
舞園「色々ありましたけど、私たちやっぱり相性抜群ですよね」
苗木「うん、僕もそう思う」
舞園「…もう、あんなのは嫌ですよ」
苗木「…うん、もう大丈夫だよ」
舞園「じゃあ、これからも…」
苗木「よろしく、ね」
舞園「はい!」
とりあえず完結しました(´・ω・`)
最後gdgdだったのは否めませんが…
あと後日談があるのでそれを投稿しきったらhtml化依頼を出してこようと思います
長い間ありがとうございました!
乙です~
後日談も楽しみにしてます
ちょこっと投下します
【その後】
舞園「結局いつも通りの生活に戻りましたね」
苗木「平和が一番だよ」
十神「俺は納得行かんがな」
桑田「とか言って、最近戦刃とよく話してるよな」
舞園「へぇ、十神くんも結構やりますねー」
十神「誤解するな、あいつから話してくるだけだ」
苗木「腐川さんが発狂しなきゃいいけど…」
桑田「で、何で最近舞園ちゃんは苗木とばっかいるの?」
舞園「付き合ってますから」
桑田「え?」
苗木「あ」
桑田「…」
苗木「あの」
桑田「うわあああああああああああああああ…」ダッ
苗木「行っちゃった」
十神「放っておけ、ただの馬鹿だ」
ーー遊戯室ーー
葉隠「ふー…」
大和田「なあ、そろそろやめねーか」
戦刃「え、もっとやろうよ」
石丸「私は…もうダメだ…」バタッ
葉隠「ついに倒れたべ」
大和田「25時間くらいぶっ続けだからな…」
戦刃「ほら、早く早く!」
葉隠「ああ…枯れそうだべ」
ガチャ
十神「…何をしている」
大和田「十神、助けてくれ…」
戦刃「あ、十神くんもやろー!」
十神「この俺がこんな低俗な遊びを…」
戦刃「…」ウルッ
十神「分かった。やろう」
大和田「おおお…?」
葉隠「最近十神っち、妙に優しいべ」
十神「庶民の気分も知っておかなくてはな」
ーー朝日奈の部屋ーー
朝日奈「へー、そんなことあったんだ…」
不二咲「僕も聞いてビックリしたよ」
セレス「結末は案外単純でしたわね」
朝日奈「さくらちゃん、ほんとに凄いね。兵器と渡り合えるなんて…」
大神「武闘家たるもの、あれくらいできなくてはな」
セレス「真に受けない方がいいですわ」
不二咲「世界観が違うもんね…」
朝日奈「さすがさくらちゃんだね!」
大神「う、うむ…」
不二咲「そういえば朝日奈さん、いつまで男でいるの?」
朝日奈「いやー、男になってからタイムが伸びて伸びて」
セレス「私も男になってみたいですわ」
不二咲(セレスさんが男になってる間は絶対女の子にならないようにしないと…)
【謎】
苗木「そういえばさ」
舞園「なんですか?」
苗木「舞園さん、結局僕と霧切さんの心しか読めないの?」
舞園「あー、そうなんですよね…」
苗木「よく分からないね」
舞園「まあ、皆の心が読めたら疲れそうですけどね」
江ノ島「教えてあげよっか?」ガチャ
苗木「うわああああああああああ」
舞園「どこから出てくるんですか!」
江ノ島「ドア」
苗木「うん、そうなんだけど…」
舞園「盗み聞きでもしてたんですか」
江ノ島「いや、通りすがりにたまたま聞こえちゃって」
苗木(絶対嘘だ)
舞園(ドアに耳当てなきゃ聞こえない声量でしたよね)
江ノ島「それで?聞きたく無いの?」
舞園「あ、聞きたいです!」
苗木「というか、何で知ってるの?」
江ノ島「知ってるというか、私の推測なんだけどね」
舞園「なんだ…」
江ノ島「けど、多分当たってるよ。確証は無いけど」
苗木「一応、聞かせてよ」
江ノ島「ほら、霧切が不二咲とセレス探しに行った時あったじゃん」
舞園「私達3人がここにいた時ですね」
江ノ島「そ。あの時舞園のエスパー能力について話してたじゃん」
苗木「うん、そうだったね」
江ノ島「まあ推測だけど、その時『舞園は好きな奴の心しか読めないんじゃないか』と思ったわけね」
舞園「好きな人…」
苗木「僕と、霧切さん?」
舞園「苗木くんは本当に好きですけど、私はそっちの気はないですからね!いや、ちょっとありますけど」
江ノ島「どう。、当たってる?」
舞園「…まあ、言われてみればそんな気はしますね…」
苗木「舞園さん、霧切さんの心を読めるようになったのはいつ頃からなの?」
舞園「えっと、霧切さんが不二咲くんと仲直りした時くらいですね」
江ノ島「その時に、霧切好きになったんだろうね。何でか知んないけど」ニヤニヤ
苗木「ま、舞園さん…」
舞園「え、いや、そんなこと無いですよ!」
江ノ島「ひっひっひ」
舞園「もう!江ノ島さん、どっか行ってください!」
江ノ島「へいへーい」ガチャ
舞園「苗木くん、そんなことないですからね!」
苗木「いや、女になった時の僕を見た時のことを思い出すとね…」
舞園「あれは苗木くんだからですよ!」
苗木「舞園さん、受けが広いなあ…」
舞園「苗木くん、そろそろ勘弁してください…」
苗木「あはは、冗談だよ」
舞園「まあ、分かってましたけど」
苗木「心読めるもんね」
舞園「というわけで、もう一回女の子になりに行きましょう!「
苗木「え」
舞園「さあさあ!」
苗木「いやもう勘弁してよ…あと目がイキイキしすぎだよ…」
【機械の謎】
江ノ島「どしたの」
霧切「聞きたいことがあるのよ」
江ノ島「何?」
霧切「あの性転換の機械についてよ」
江ノ島「あー…」
霧切「今となってはどうでもいいかもしれないけど、やっぱり気になるわ」
江ノ島「じゃあ、交換条件ね」
霧切「…何かによるわ」
江ノ島「苗木盗撮してきて!」
霧切「…は?」
江ノ島「いや、苗木をいつでも見てたいからさ」
霧切「…悪用しないと約束するならいいわ」
江ノ島「うんうん、約束するよー」
霧切(…まあ、WinWinよね)
霧切「それで、あの機械はどういう基準で顔を変えてるのかしら?」
江ノ島「そんじゃ、まず顔を変えた人を整理してみよ」
霧切「えっと…苗木くん、私、不二咲くん、十神くん、大神さん、朝日奈さん、葉隠くん、あとはあなたね」
江ノ島「そんで、どんな顔に変わったかをまとめるとこうなるね」
苗木、不二咲、大神→ほぼ変化無し
霧切→中性的な顔だち
朝日奈→好青年
十神→美人秘書
葉隠→黒人
江ノ島「で、私は苗木に近い顔」
霧切「統一性があるようでないわね…葉隠くんは単純にミスをしただけだから除外してもいいわね」
江ノ島「霧切、男になった自分の顔見て何か思わなかった?」
霧切「…私が尊敬する歴史の偉人に似ていた…ような気がするわ」
江ノ島「そ。それが大体の真相」
霧切「自分の理想とする異性の顔になる、と?」
江ノ島「もしくは、自分の中で最も存在が強い人がイメージされるか」
霧切「存在が強い?」
江ノ島「まあ、好きな人だね」
霧切「好きな人…」
江ノ島「現に私も苗木に近い顔になったしねー」
霧切「確かに、そうね…」
江ノ島「そんじゃ、1人ずつ解説していこっか」
霧切「お願いするわ」
江ノ島「まずは苗木。苗木は単純に理想とする女のイメージが無かったんだろうね」
霧切「苗木くんの場合、舞園さんの顔に近くなるんじゃないかしら?」
江ノ島「あの時点じゃまだ好きじゃ無かったんじゃない?苗木本人に聞かなきゃわかんないけど」
霧切「まあ、そうね…」
江ノ島「次にオーガ。オーガも単純に理想の男のイメージが無いと思うけど」
霧切「大神さんなら、男性の格闘家に憧れを抱いてそうだけど…」
江ノ島「父親とかだったら、結局変化はないことになるんじゃないかなー」
霧切「これも、大神さんに聞かなきゃ分からないわね」
江ノ島「次に不二咲。不二咲はちょっと特殊だね」
霧切「特殊?」
江ノ島「多分、不二咲の中の女性の思想が強すぎて機械が誤認識したんだと思う」
霧切「誤認識…?」
江ノ島「本来なら男から女に変わるから理想の女のイメージが採用されるはずだけど」
霧切「機械が、女性が入って来たと認識してしまったと?」
江ノ島「その可能性も。でも体つきは変わってたらしいから…」
霧切「機械は、男性が入って来たと認識したはずね…」
江ノ島「体は男だけど思想は女だし、混乱したのかも…?」
霧切(そういえば、女性になった時の不二咲くんの思考は混乱してたように感じたわね…)
霧切「不二咲くんのような異例な人が入って来た場合、思考まで変えてしまうことはあるかしら?」
江ノ島「さあ、そこまではわかんないよ。けど機械からすれば男と女が一緒に入って来たようなもんだし、思考までいじっちゃってもおかしくないかもね」
霧切「この謎は、解けそうにないわね」
江ノ島「まあ、別に大事なことでも無いしいいんじゃない」
霧切「気にはなるわ」
江ノ島「どうせそのうち忘れるって」
霧切「…次、いきましょう」
江ノ島「後は単純だよ。朝日奈、十神共に理想の異性の顔になっただけ」
霧切「…まあ、間違ってなさそうね」
江ノ島「笑えるのは、十神に理想の女性像があったことだね」
霧切「誰にだってあるものよ?」
江ノ島「苗木は無かったけどね」
霧切「…あまり干渉することじゃないわ」
江ノ島「私はそういうの大好きだけどね」
霧切「下衆ね」
江ノ島「何とでも。あ、約束忘れてないよね?」
霧切「ええ、苗木くんの写真よね?」
江ノ島「え、映像だよ?」
霧切「は?」
江ノ島「ただの映像じゃなんだし、シャワーシーンでも」
霧切「それは命に関わるわ」
江ノ島「あーそっか、舞園いるんだった。じゃあトイレでいいよ」
霧切「変わってないわ…」
今回はここまでです
今から寝て起きたらまた投下します
乙
続きを待つ
おはようございます
投下していきます
今回で多分終わりです
【舞園が見たもの】
「うあああああああああああ!」
舞園(…叫び声…?)
「…えぎく……しゃを!」
舞園(あれ、この声、誰でしたっけ…)
「…ま、…だよ!」
舞園(ああ、この声は苗木くんですよね…)
「…ばさん!」
「うあああああああああ…」
舞園(誰かが…ずっと悲しんでますね…)
舞園(修羅場…なんでしょうか…)
舞園(意識がハッキリしませんね…)
「…まは、そっと……しょう」
舞園(あ、これ、霧切さんですかね…)
「…ちゃん……」
舞園(…これ…誰でしたっけ…?)
「…うして…どうして…?」
舞園(ああ…戦刃さん、ですね…?)
「…すり……たのに…」
舞園(少し…意識がハッキリしてきましたね…)
「…うなん…ね…」
舞園(戦刃さん…何を言ってるんですか…?)
「…んこちゃん…たなきゃ…」
舞園(あれ…声…出てない…)
「…こで…じゅん……ん…また…きゃ…」
舞園(また…意識…薄れてきましたね…)
「……なきゃ…」
舞園(……)
「…う……すかった…」
舞園(…あれ…誰かの声…?)
「……こちゃん……てたよ…」
舞園(私…寝てたんでしょうか…)
「…じゃ……げよっか…」
舞園(…凄く…大事なことを聞いてる気は…するんですが…)
「…ん…」
舞園(目が…開きませんね…)
「…た……どって…るからね…」
舞園(ああ…行ってしまう…)
「…た…くる……?」
舞園(私…最後まで…苗木くんの役に…立てません…でしたね…)
「…じゃ……かれしよ…か…」
舞園(…最後に姿…だけでも…)
「バイバイ、舞園」
舞園(!)
舞園(あ…の人…は…)
舞園(…誰…でしたっけ…)
舞園(…せっかく…見たのに…)
舞園(……)
舞園(…)
【日記】
9/3
研究科の室長に新兵器の案を渡す。
室長は面白いと採用してくれた。明日から改良、生産に入る。
俺の出世も間違い無しだ。
9/4
欠陥が見つかる。
欠陥を取り除く作業に取りかかるが、時間がかかりそうだ。
時間はあるが、早い方がいい。
9/9
作業が終わった。
再度入念なチェックの後、生産に入るようだ。
しかし残された時間でどれだけ作れるか…。
9/21
試作機が完成した。
明日、モルモット相手に動作実験を行う。
9/22
我ながら恐ろしい兵器を考え出したものだ。
モルモットは即死。しっかりと急所を貫いている。
今日から大量生産に入るようだ。
10/12
やっと3体完成した。
綿密な構造をしている上に少人数だから生産ペースは遅い。
例の日までにもっと作っておきたいが。
10/25
だんだんと生産ペースが上がってきた。
現在で11体。
これなら例の日に50体も夢ではない。
11/3
今日で23体。
生産ペースはさらに上がったが、一抹の不安が残る。
慣れてくると、ミスを犯すからだ。
誤作動が起きなければいいが…。
11/29
あと27日。
子供達の喜ぶ顔を浮かべるとやる気が出る。
12/4
今日で38体。
目標の50体ももうすぐだ。
あと1週間あれば目標に達するだろう。
12/13
50体目が完成した。
締め切りは22日までだから、それまでは生産を続けることに決まった。
12/20
謎の少女がやってくる。
どうやってこの場所を見つけたかは知らないが、生かしておく訳にはいかない。
…と思ったが逃げられた。
俺たちもここまでか。
12/21
荷物をまとめ終えた。
まだ捕まらない所を見ると、あと少しは猶予がありそうだ。
今日で点検を終わらせ、明日実験部屋から逃げることにする。
12/22
謀られた。あの少女は、全て分かっていたようだ。
他の研究員と共に実験部屋に入れられる。逃げ道は塞がれている。
少しして、銃声が聞こえた。室長は死んだのだろうか。
12/23
部屋から出され、兵器の構造について話せと言ってきた。
その後、彼女は兵器を改造し始めた。素人に分かる代物では無いはずだが…。
12/24
生殺与奪を彼女に握られている限り、俺たちに自由は無い。
彼女は今日も兵器を改造し続けている。
12/26
改造し終えたようだ。白と黒の、モノクロなデザインになっている。
武装も改造されているようだ。
彼女は何者なんだ…。
12/27
もう終わりだ。
俺は研究員と共に実験部屋にいる。
兵器の声が頭に響く。血もかぶさってきた。
次は俺か、あいつだろう。
震えてうまくかけない
こわい
たすけ
これでおしまいです(´・ω・`)
舞園視点の話はかなりぼかして書いてますが、意味が分からないということでしたら質問をくれるとありがたいです。
では、html化依頼を出してきます
かゆ
うま
テロ用兵器でなんで子供達が喜ぶんだ?
テディベア作ってるってつもりじゃなく、兵器として作ってるようだし
>>212
テディベアとして子供達に渡したあと、兵器として暴れ回る、というコンセプトで書いてましたが…
今見返すと変な内容になっちゃってますね(´・ω・`)
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