翔太郎「赤坂美月、か」フィリップ「ダブルキャストだね」(173)

※このSSで登場する1998年発売のPSゲーム「ダブルキャスト」の主人公にあたる人物の名をアンソロジーコミック参考で柏原にしています

消えろ

ドアノブが照れている!?

僕たちは

佐久間先輩が不憫すぎて泣ける

翔太郎「記憶喪失だぁ?」

美月「えと……そういうこと、らしいです」

照井「今朝保護した時にはとっくにだ。精神鑑定を頼んだところ、嘘をついている様子もない。生活に関しての記憶は健在だが、自分の生まれや個人情報などのことはさっぱりだ。名前をのぞいてな」

亜樹子「え~と、赤坂美月さん、だっけ?」

美月「は、はい」

亜樹子「どこまで記憶があるのかな?」

美月「うんと……駅前で歩いてた所に、ちょっと怖い人が絡んできて、それで、警察の人が助けてくれたところまでなら」

照井「つまり刃野警部補に保護された直前まで。手掛かりはまったくなんだ」

翔太郎「いや、そもそも警察だったら、記憶喪失でも、個人情報を一発で見つけられるだろ?」

照井「戸籍がなかった」

フィリップ「ほう、それは不可解だね」

美月「わっ!?」

翔太郎「お前、湧いて出たように現れるなっつーの」

フィリップ「何、照井夫妻が久しぶりにここにそろったから、ちょっとしたお茶菓子を買ってきただけさ」

照井「話を続けるぞ。さっきも言った通り、赤坂美月という人物についての戸籍が存在していなかったんだ。同姓同名の人物のはいくつが見つかったが、どれも顔が違う」

亜樹子「家族の戸籍とかは?」

照井「それすらもなかった。まぁ、この女が赤坂美月という名前ではない、というなら戸籍が見つからない理由も一応納得はいく」

翔太郎「けど、警察でもこのお譲さんについての情報が得られなかった、ということだろ?」

照井「そうだ。だから俺はここにやってきた」

亜樹子「そうか! フィリップ君だったら、赤坂さんについて一発でお見通しか」

翔太郎「まっ、こんな美人さんが困ってるようなら、ほうっておけないよな。フィリップ」

フィリップ「キーワードが少なそうだが、やってみよう」

美月「調べる?」

照井「ああ、情報捜査は、こいつの専売特許だ」

フィリップ「では、検索を始めよう。まず初めに、『あかさかみつき』、字は――」

美月「赤い城って書いて、後は美しい月の美月です。はい、多分」

フィリップ「ふむ……やはり個人名だから、かなりの数を絞れた。もう少し絞れそうなキーワードがほしいところだね」

翔太郎「赤坂さん、なんでもいい。何か少しでも思い出せそうな記憶とかないか?」

美月「う~ん……でも、本当にさっぱりで」

照井「身体的特徴でもダメか?」

フィリップ「ふむ、現状ではそれしかなさそうだ。特徴は――」

翔太郎「赤くて長い髪、性別は女性だ」

フィリップ「――見つけた。……ん?」

懐かし過ぎて泣いた

亜樹子「どうしたの?」

フィリップ「……情報が、損失している?」

翔太郎「はぁ? おいそりゃどういうことだ?」

フィリップ「言葉通りだ。赤坂美月についての情報は確かに存在した。存在はしているが……ところどころ、いや、大部分に渡って情報が欠けている。破かれた本のページみたいにね」

照井「地球の記憶の情報が損失? あり得るのか、そんなことが」

フィリップ「外部からの強い力によってならあり得る。だが、星の本棚に介入出来る存在は僕ぐらいしかいないはず。……いや、あり得るケースがもう一つ」

翔太郎「地球の記憶に介入……ガイアメモリっ!?」

フィリップ「その通り。彼女がガイアメモリ関連の何かしらの事件に巻き込まれたなら、一応あり得る」

さるに きを つけろ

照井「ガイアメモリの事件に巻き込まれたなら、なるほど、記憶喪失になることもありえてしまう」

亜樹子「そういえば、ガイアメモリの副作用で記憶喪失になった人もいるし……」

翔太郎「こりゃあ、ちょっと無視できない事態になっているかもしんねぇな」

フィリップ「もしかすれば、最近調べている例の組織とも赤坂美月は関連しているかもしれない」

照井「例のメモリ販売組織か……そっちの調査にも、もっと力を入れなければならないらしいな」

亜樹子「でも、情報がなくなってても、ある程度はあったんだよね?」

フィリップ「とはいっても、本当に些細な情報だけどね。赤坂美月。生年月日は9月30日。血液型は0型。身長160センチ。スリーサイズは――」

亜樹子「すとーっぷ! 乙女のプライバシーにかかわります!」

フィリップ「おっと、これはすまない」

4円

美月「すっごーい! どうしてどこまでわかっちゃうんですか?」

翔太郎「まぁ、あいつの特技みたいなもんだ。でもそれしかわかんねぇのはきついな。手掛かりなんてさっぱりだ」

照井「それより、今後の彼女の処遇について相談したいのだが……左」

翔太郎「あん?」

照井「赤坂美月をここに置いてはくれないか?」

翔太郎「……はぁ!? ここって、事務所に!?」

照井「様子を見るに長期にわたる案件になりそうだ。だとするとずっと署に置くのも気が引ける。それに、ガイアメモリの事件に巻き込まれた可能性が否定できない以上、ここはスペシャリストに保護を任せたい」

翔太郎「ちょっ、待ってくれよ! だったら照井のとこで預かればいいじゃねぇか」

亜樹子「う~ん、でもウチはちょっと……」

翔太郎「は? なんでだよ。現職警察官の家なら、一人ぐらい増えても住居空間は確保できるだろ?」

照井「あー……んん」

照井「実はだな、最近、あいつが通販にはまりだしてだな……基本安いものばかりなので、そこまでお金に関しては困ってはいないのだが……」ボソボソ

翔太郎「あー……でも安い代わり、とにかくたくさんため込むってか」ボソボソ

照井「どうもな……今の現状を、他の人に見せたくないのだろう。正直、足の踏み場もない」

翔太郎「あいつ、結婚してからだらしなくなってないか?」

照井「家事は出来なくはないのだが……」

フィリップ「通信販売。店舗を介せずに消費者と業者が取引を行う販売手段。主にテレビ通販やネット通販が主流。確かに家事に時間を取られてしまう主婦にとっては魅力的なセールスだね」

翔太郎「おいこら、勝手に検索を始めるなっての。……まぁ、実際メモリ関連の事件に巻き込まれている可能性がある以上、俺も無視はしないが」

照井「頼めるか? もちろんこちらでも捜査は全力で進める」

翔太郎「でもなぁ……亜樹子はともかく、美少女がここに泊りこむってのはなぁ」

亜樹子「ごらぁ!」

美月「えと……あのっ!」

翔太郎「ん?」

美月「あの、ボク、手伝えることがあったらなんでもします! ここって探偵事務所なんですよね? 推理なんて全然だけど、雑務とかだったら全然オッケーなので! 迷惑もかけません! ですので……」

翔太郎「……仕方ねぇか」

美月「ほんとですか!」

翔太郎「うぉ、なんだいきなり元気になって……まっ、こっちも手伝いが増えるのはありがてぇし。何よりこの男だけの事務所に花が増えるんだ。いいぜ、美人の頼みだったら断れねぇ」

美月「あ、ありがとうございますっ! ボク、一生懸命働かせてもらいますっ!」

フィリップ「ふむ、つまりは秘書だね?」

美月「秘書?」

フィリップ「『探偵には美人秘書が付きもの』とマッキーが言っていた。これで探偵として顔が立つ。よかったじゃないか、翔太郎」

美月「そ、そんな、美人だなんてっ」

亜樹子「なんだろう、このあたしが来た時との扱いの差……」

照井「その……気に病むな」

亜樹子「竜君もなんだかんだで否定しないし」

照井「へ? あ、いや、そういうわけじゃ――」

亜樹子「竜君も赤坂さんに鼻のばしちゃって! きーっ!」

フィリップ「おおっ、あれがドラマでよく見かけられる、ハンカチを噛む嫉妬のポーズ! 生で見るのは始めてだよ」

翔太郎「実際にやる奴なんか亜樹子ぐらいだからな、そりゃ」

風都の女は悪女
外から来た女はそうでもない法則

―――
――


美月「ということで、今日からよろしくお願いしまーす!」

翔太郎「おお、朝から随分と元気だな」

美月「う~ん、なんというか……何か目的が出来たら、やる気とか出ませんか?」

翔太郎「なるほど、それも一理あるか。とはいっても、やることか……今まで俺だけでこなせたから、何も思いつかねぇな」

美月「なんでしょうね? 探偵の秘書なんですから……情報の資料をまとめたり、とか?」

翔太郎「も、情報面はフィリップがなんとかしてくれるところもあるしなぁ。じゃあ、コーヒー頼めるか?」

美月「あっ、はい! わかりましたっ」

>>20
所長もなんだかんだで最終的にはかなり良いポジションだったしな
ブッさいけど

俺得ではあるが妄想スレだな
一応期待

――


美月「はい、インスタントですけど……」

翔太郎「おう、ありがとな。……んん~、やっぱり、男の朝はブラックに限る」

美月「そういえば、えと……フィリップさん? でしたっけ?」

翔太郎「ん? ああ」

美月「フィリップさんの姿が見えないのですけど」

翔太郎「ああ。あいつは別室で情報捜査中だ。喉が渇いたり腹がすいたら勝手に出てくるから、ほっといても大丈夫だ」

美月「はぁ……あの、ボクもコーヒー、いいですか?」

翔太郎「もちろんだ。依頼人が来ない限りやることも基本ないし、ゆっくりしといてくれ」

仮面ライダーWはかっこいい支援

美月「どうも。っと……ふぅ。この探偵事務所って、フィリップさんと翔太郎さんの二人だけなんですよね?」

翔太郎「ああ。亜樹子が結婚してからはそうだな」

美月「フィリップさんと翔太郎さんって、どういう知り合いなんですか? 昔からの友人だとか」

翔太郎「なんていえばいいかな……ひょんなことから巡り合ったって感じだな。今では唯一無二の相棒だ」

美月「『相棒』かぁ、なんだかいいですねっ」

翔太郎「そうだな。なんだかんだで、あいつが一番頼りになる」

美月「へぇ。それじゃあ、この事務所はフィリップさんと知り合った時に建てたんですか? でも、それにしてはちょっと古いような?」

翔太郎「いや。この事務所自体は昔からあってな。ほら、ここの事務所名『鳴海探偵事務所』だろ?」

美月「そういえば、鳴海って名前が……」

翔太郎「ここはもともと俺のおやっさん……いわゆる探偵の師匠の事務所でさ。そのおやっさんの事務所を俺が引き継いだって感じだ。そのおやっさんの娘が昨日来てた亜樹子で、あいつの結婚前の名前は鳴海亜樹子ってわけだ」

美月「探偵の師匠! う~ん、なんか探偵小説みたいでかっこいいですね!」

翔太郎「ああ、おやっさんはそりゃかっこよかったんだぜ? 俺の目指すハードボイルドを体現していた」

美月「機会があったら是非会ってみたいなぁ」

翔太郎「あっ……」

美月「へ? えと……あっ」

翔太郎「ああ、気にするんじゃない。ただな……少し前、死んじまったんだ」

美月「あの……すいませんっ」

翔太郎「気にすんなって」

美月「あ、はい……」

翔太郎「あ、そういえばそろそろか。……美月」

美月「はい!」

翔太郎「俺はちょっと用事で出る。留守番を頼む」

美月「わかりました! フィリップさんにも伝えておきますか?」

翔太郎「大丈夫だ。後、昼食はそこのインスタントのやつで適当に済ませてくれ。すまねぇな、今度買い物するわ」

美月「でしたら料理は任せてくださいよ! ボク、料理は出来るらしいので」

翔太郎「おお、そりゃありがたいな。……ああ、あとな」

美月「はい?」

―――
――


美月「時間になっても姿を表さなかったら、あそこの扉からフィリップさんに声をかける」

美月「時間になりましたし、仕方ないです……よね?」

美月「それにしても、こんなところに扉があるなんて、秘密基地みたい。ちょっとわくわくするかもっ」

美月「失礼しまーす……わぁっ」

美月「すごいっ! ほんとに秘密基地みたい! えと……フィリップさーん!」

シーン……

美月「う~ん……失礼しま~す」

ジェノサイドルートまだ―?

美月「フィリップさ~ん! あ、いた……フィリップさ~ん!」

フィリップ「地理情報から推測するに、本拠地はここにある可能性は高い。規模は小さいが、少し興味深い動きをしているね」ボソボソ

美月「あ、あれ? 寝て……は、ないよね。フィリップさーん!」

フィリップ「人員はこれほど。危険性はそれほどではなさそうだね――」

美月「フィリップさぁーんっ!」

フィリップ「っと。ん? どうしたのかな?」

美月「はぁ、はぁ……いや、さっきからずーっと呼んでるのに、どうも反応がなかったので……」

フィリップ「ああ、それはすまない。何かを考えたりしていると、夢中になってしまう癖でね」

美月「は、はぁ。……それにしても、すごい場所ですよね。まるで秘密基地みたい」

フィリップ「確かにここは秘密基地の意味合いが強いね。とはいっても、正確には僕の秘密基地と言ったところか」

美月「おお、なんだか探偵っぽいっ」

フィリップ「……ところで、赤坂美月」

美月「あっ。えーと……美月、でいいですよ? 多分同年代でしょうし」

フィリップ「ふむ、そうか。なら美月。君にひとつ質問がある」

美月「はい?」

フィリップ「君は、『ガイアメモリ』という単語について何か心当たりがあるかな?」

美月「がいあ……めもり? そういえば、昨日の話にも出てましたけど……」

フィリップ「ふむ、知識としては記憶はなし。……では、この物体と同じようなものを見たことがないかな?」

カチッ サイクロンッ!

美月「え? なんだろうこ――っ!?」

フィリップ「ん?」

美月「んっ……! いつっ……!?」

フィリップ「大丈夫か!?」

美月「っはぁ……あ、ごめんなさい。ちょっとなんか、めまいみたいな感じがしちゃって……」

フィリップ「思ったより疲労がたまっているのかもしれない。ソファで休みたまえ」

美月「ご、ごめんなさい。ちょっとだけ休ませてもらいます……」

フィリップ「ああ」

フィリップ(単語には反応はなかったが、実物を見た瞬間興味深い反応を示した。記憶の深層にメモリについての記憶が眠っているのか? どうも判断しがたいな)

支援

―――
――


【風麺屋台】

翔太郎「――そっか。まさか風都の外でも動いていたとはな」

ウォッチャマン「どうも外ではこそこそ怪しいことしてたみたいよ?」

翔太郎「なるほど。……で、実は別件で話があってな」

ウォッチャマン「新しい依頼?」

翔太郎「それがまた違ってな。……この少女についてなんだ」

ウォッチャマン「あらら! これ随分と美人さんじゃない! 何? ついに彼女が出来たの!?」

翔ちゃんが童貞なのは関係無いだろ!

翔太郎が魔法使いに!?

懐かしすぎて覚えてない

翔太郎「ちげーよ! 実は、今この子を事務所で保護してるんだ。なんにも、記憶喪失らしくてな」

ウォッチャマン「記憶喪失? なんだ、ずいぶんと興味深い子ね。まるで小説みたい」

翔太郎「個人的な感想はいい。で、聞きたいことは言うのは、この子を見たことがあるかってことだ。これぐらいの美人さんだったら、知ってると思ってな」

ウォッチャマン「う~ん……これが知らないんだな、残念ながら」

翔太郎「ウォッチャマンでも知らない、だと?」

ウォッチャマン「こんな美人さんだったら一度見かけたら絶対覚えてるから間違いなし! 自分でも知らないってことは、多分この子、風都の子じゃないね」

翔太郎「そっか……」

ウォッチャマン「で、今度、この子の写真撮ってもいい?」

翔太郎「あー言うと思った。まっ、本人がいいって言ったらな」

――


翔太郎(風都の住みじゃないとなると……こりゃ調べるのに少し骨が折れそうだな)

~♪

翔太郎「うん? はい、こちら左翔太郎――照井?」

照井≪左。今いいか?≫

翔太郎「ああ。こっちは丁度捜査の切上げ時だ」

照井≪実はだな、先ほど例のガイアメモリ販売組織の本拠地をつぶすことに成功した≫

翔太郎「本当か!」

照井≪住宅街にまぎれるような場所にあったが、なんとか見つけてな。ドーパントによっての抵抗もあったが、それも倒せた。今は警察の方で事後処理をしている≫

翔太郎「そうか。これでやっと悩みの種が減ったな」

照井≪それが……そうもいかないらしい≫

翔太郎「どういうこった?」

照井≪組織の構成員の一人に、財団Xの元ガイアメモリ研究者がいた。構成員の証言によれば、この組織で独自に新たなガイアメモリの研究を行っていたらしい。これの意味がわかるか?≫

翔太郎「つまり……その新しいメモリは、とっくに人の手に渡ってるのか?」

照井≪押収したメモリに、その詩作品メモリがなかった。そう考えるしかないだろう。メモリの詳細についてはまだ不明で、その研究員が目覚めしだい取り調べをするつもりだ。その研究員がドーパントに変身しなかったら、ここまで面倒なことにならなかったのだが……≫

翔太郎「詩作品のメモリ……かなり危ないにおいがプンプンするぜ」

照井≪警察はそのメモリを追跡し、回収するつもりだ。左の方も協力を頼みたくてな≫

翔太郎「もちろんだ。そっちも情報をつかんだら連絡をくれ」

―――
――


ガチャッ

翔太郎「今帰ったぞ~」

美月「あっ! お帰りなさい!」

翔太郎「ああ――ん? なんだ、その写真」

美月「あっ、えーとですね、実は先ほど、お客さんがいらっしゃいまして……」

ダブルフェイクは知らんが面白いな

――


フィリップ「迷い猫の捜索か。名前はトラ。由来は虎猫なところかな」

翔太郎「ふむ。放し飼いにしていて、いつも帰ってくる時間になっても帰ってこなかった、と」

美月「目印になるアクセサリーとかも付けていないので、ちょっと手こずりそうですね」

翔太郎「それにしても、接客ごくろうさん。ちゃんんと働けてるじゃねぇか」

美月「えへへ~、どもども~」

フィリップ「美月、この猫について他に情報はあるかい?」

美月「え? えと、確かにメモにまとめてあったはず……魚が好きで、よく近所からお魚をもらっていたらしいですね」

フィリップ「ふむ、魚……」

翔太郎「居場所が分かりそうか?」

仮面ライダーフェイグもムーボソニッカーを使えば
カブトやアクセルフォームと対等に戦えるなぁ しかも最強フォームだし
ヴェノムブラッドの最後のストレンジバニッシャーは普通に隕石溶かしてたしなぁ
でも唐突に考えればキバーラかなぁ



なぜか貼らなきゃいけない気がした

フィリップ「任せたまえ。迷いペットの捜索はよくあることだしね……まずは、風都の猫のたまり場を検索してみよう」

美月「フィリップさん、今なにやってるんですか?」

翔太郎「ああ、なんていうか……あいつのシンキングポーズみたいなものだ。あいつは人一倍記憶力がいいんでな。それに、ちょっとした裏技も持ってる」

美月「そういえば、昨日のあれすごかったですよね! なんでボクの誕生日とかわかるんだろう?」

翔太郎「まぁ、説明してもいいかな。あいつは今、地球の記憶の中で情報を調べているんだ?」

美月「地球の……記憶?」

翔太郎「地球規模の図書館だと思えばいい。フィリップに任せれば、地球上のありとあらゆる知識を教えてくれる」

美月「な、なんだかスケールの大きい話ですね」

翔太郎「客観的に見ればそうだな。あっ、あとこれは他の奴には秘密な?」

美月「はい、わかりましたっ」

>>47
まるで意味がわからんぞ!!

フィリップ「比較的多数猫が多数確認される場所は特定した。後は……キーワードは『魚』」

フィリップ「……検索は完了した。商店街の鮮魚店の店主が大の猫好きで、よく野良猫に魚をあげているそうだ」

翔太郎「なるほど、そこにいる可能性が高いってわけか」

美月「すごいです、フィリップさん!」

フィリップ「何、朝飯前さ。よく猫が集まり始める時間は昼頃、明日の昼にその場所に行けば遭遇する可能性は高いだろう」

翔太郎「そんじゃあ……なぁ美月」

美月「はい?」

翔太郎「明日、俺達と一緒に風都散策でもどうだ?」

美月「案内してくれるんですか!」

1時まで用事
ほ、保守を

ホシュ!

期待のほ

保守感謝

フィリップ「なるほど、それはいい提案だ。外からの情報による刺激によって、失われた記憶が戻るかもしれないしね」

翔太郎「もちろんそれもあるが、探偵事務所で働くからには、仕事場である風都のことを知らないといけないしな。それに、ずっと事務所の中でこもってるわけにもいかないだろ? たまには外に出て、気分転換も必要だ」

美月「ありがとうございますっ! 実はボク、この町のこと気になってたんですよ」

フィリップ「ほう、主にどこが?」

美月「そうですねぇ……駅前で歩いてた時、なんとなーく思ったんですよね、『この風、少し心地いいかも』って。夏場の夜でちょっとほてった体に、この町の風はすごく快適だったんですよ。優しい気持ちになれて……」

翔太郎「ほう、これは話が合いそうだな。期待しとけ、この町にはいっぱい楽しい場所があるからな」

美月「期待させてもらいまーす!」

フィリップ(ここに初めて来たときと比べ、目覚ましく元気を取り戻している。心身状態も安定している今、記憶を取り戻せればいいのだが…)

フィリップ(何より、気になるのはメモリを見たときの反応だ。あれが偶然か、それとも記憶喪失と関連があるのか)

――


フィリップ「詩作品のメモリ?」

翔太郎「ああ。情報がない以上、照井の連絡を待つしかないけどな」

フィリップ「なるほど、道理で美月を席から外すわけだ。それにしても、財団Xの研究員が協力していたとはねぇ」

翔太郎「さらにウォッチャマンによると、例の組織は風都の外でも密かに活動していたらしい」

フィリップ「風都の外で……? 少し怪しいね」

翔太郎「ちょっといや~な香りがするぜ。で、肝心な赤坂美月についてだが……おそらく風都の人間ではない。外から来た人間だ」

フィリップ「それは色々と面倒になりそうだ。風都に手掛かりがある線が薄いとなると、少し苦労しそうだね」

翔太郎「そうだな。明日の風都案内で、何か記憶が少しでも思い出せればいいんだが」

―――
――


【風都大通り】

美月「ほんと、風車が多いですね」

フィリップ「風都はその名に恥じず風力発電が多いエコロジー都市、観光都市として有名だ」

翔太郎「あれが風都タワー。風都のシンボルだな」

美月「あの風車に顔をつけたようなキャラクターは?」

フィリップ「あれは『ふうとくん』。風都のイメージキャラクターだよ」

美月「へぇ、ちょっと可愛いかも。あっ、ストラップもあるんだ~」

翔太郎「よし、ならば美月にストラップをプレゼントしよう」

美月「え? いいんですか?」

翔太郎「なに、せっかく風都に来たんだ。風都の形としての思い出と、俺達の出会いの証ってことでな」

美月「ありがとうございます!」

フィリップ「よかったじゃないか、男らしくかっこつけられて」

翔太郎「っておい、言葉にしちゃおしまいだろ。おじさん、ふうとくんストラップひとつ!」

おじさん「へいへい、ふうとくんね。色はどうする?」

翔太郎「色? そういえば、ふうとくんはふうとくんでも、見ないような色ばかりだな」

おじさん「最近の流行りよ~。みんなね、仮面ライダーの色をしてるの」

フィリップ「紫と緑、赤と銀、これは青と金だね! これはアクセルかな?」

美月「かめん、らいだー?」

おじさん「あらら、お譲さん仮面ライダーをご存じない? この町のヒーロー! 町で暴れる怪物を颯爽と倒しに現れる、バイクに乗った謎の覆面男! 風都には仮面ライダーが二人いて、よく新聞にも載ってるのよ?」

美月「仮面、ライダー……ヒーローかぁ」

翔太郎「ま、まぁいいだろ。仮面ライダーについての新聞を後で見せてやるさ。おじさん、だったらこの緑と紫のもらえる?」

おじさん「お兄さんお目が高いねぇ! 毎度!」

美月「仮面ライダー……まるでテレビみたいですね。でも本当にいるんですか? 実際見たことないので、どうもにわかに信じがたいというか……」

翔太郎「いるいないは関係ねぇさ。でも……この町を泣かせたくないのは、みんな同じだよ。もちろん、俺もな」

フィリップ「少なくとも、仮面ライダーの存在はみんなの心の支えになっている。この町には危険な存在も潜んでいるが、それを打ち倒す存在も潜んでいる。この事実だけで人は安心してこの町で生活ができる」

美月「なんだか……そう考えると、素敵ですねっ!」

翔太郎「だろ?」

――


フィリップ「もうすぐ目的地だ」

翔太郎「確かに、猫の姿が多いような気がするな」

美月「ここの猫って人懐っこいんですね! おいでおいで~」

「ニャーン」ヒョイッ

美月「あーもう! かわいいなこのこの~」

翔太郎「美月も楽しそうで何よりだよまったく」

フィリップ「翔太郎!」

翔太郎「ん? あれは……」

美月「あの特徴的な額のハートマーク……間違いないです! トラちゃんですよ!」

期待

フィリップ「猫の扱いに関しては任せたまえ。人に飼われている猫だったら、こうして近づいても――」

「ニャーッ!」ダッ

翔太郎「おい思いっきり威嚇して逃げたじゃねぇか!」

フィリップ「おかしいな……」

美月「そういえば、飼い主以外の人には警戒して近づかないって言ったような……」

フィリップ「それを早く言いたまえ」

翔太郎「言い争いしてる場合じゃねぇ! 追うぞ!」

美月「まてー!」

フィリップ「こんなことなら、日頃から適度な運動をしていればよかった」

――


翔太郎「くそっ、路地裏に逃げ込まれた!」

フィリップ「いや、幸いあの先は行き止まりだ」

美月「絶好のちゃーんす!」

ダッダッダ

美月「ねこちゃーん――って、ありゃ?」

「ニー……」

翔太郎「おいおい、随分と高い場所にお座りになってるな」

フィリップ「様子を見るに、逃げた勢いで高い場所に逃げたのはいいが、どうも降りれなくなってしまったようだ。懐かしいな、ミックもよくこんな風に困っていたよ」

美月「どうやってあんなところまで……」

フィリップ「猫の跳躍力はおよそ身長の5倍。数値に換算して1.5メートルほど。さらに場所によっては垂直の壁も登ることがあるからね。不思議ではない」

翔太郎「豆知識どうも。でもどうするよ、あんあところいくら俺でもジャンプで届きやしないぜ?」

フィリップ「僕たちが肩車しても……微妙だね。足場も不安定で非常に危険だ。一番の安全策は、梯子を持参して――」

美月「――ていっ!!」

「ニャーッ」

美月「――とっ!」

翔太郎「おおっ!?」

フィリップ「これはすごい……」

美月「あれ? 届いちゃった……」

フィリップ「すごい跳躍だったねぇ。人間業とは思えない」

翔太郎「おいおい、あの距離で届きやがったぜ」

美月「あ、あはは~、自分でも届くとは思ってなかったので。正直びっくりです」

フィリップ「もしかすれば、美月はバレーボール部にでも所属していたのかもしれないね」

美月「そうかなぁ? 個人的にはバスケットボールの方が好きだけど」

翔太郎「まぁとにかく、これで迷い猫は確保。お手柄だ、美月」

美月「えへへ~!」

――


翔太郎「依頼者の家に寄ったら、すっかり日が暮れちまったなぁ」

美月「夕焼け……きれいですね」

フィリップ「この町の空は澄んでいるからね。夜は星もよく見える」

美月「素敵な町ですねぇ……ほんと」

フィリップ「……ああ」

翔太郎「そうだ! 美月」

美月「……」

翔太郎「美月?」

美月「へ? わたし……ごめんなさい。ぼーっとしちゃってました」

翔太郎「おいおい、しっかりしてくれよ? 今日、よかったら夕食を作ってくれないか?」

フィリップ「ほう、手作りか。それは実に興味深いね」

支援

美月「わたしにお任せください。とっておきの作っちゃうのでっ」

翔太郎「美人の手料理……男として、期待するしかねぇなこりゃ」

フィリップ「……」

翔太郎「フィリップ?」

フィリップ「済まない。僕も少し考え事をしていた」

翔太郎「おいおい、フィリップまでどうしたんだよ? 考え事は帰ってからにしてくれよ?」

フィリップ「大丈夫、わかっているさ」

美月「それじゃあ、お二人は先に帰っておいてください。場所は案内の時に教えてもらいましたし、道も覚えましたから!」

翔太郎「そうか? それじゃあ先に戻ってるぜ。とびっきりの待ってるぞ」

フィリップ「気を付けて戻りたまえ」

美月「はいっ!」

―――
――


美月「~♪」

照井「預けてから三日経過したが、ここの雑務も身についてきたようだな」

翔太郎「今ではすっかりここの花形秘書さ。で、本題だが。ここにわざわざ来たってことは、捜査に進展があったのか?」

照井「そうだといいたいのだが……実は、それどころじゃなくなってきた」

翔太郎「事件か?」

照井「ああ。ここ最近、連続通り魔事件が発生しているのは知っているな?」

翔太郎「ああ。確か三日連続だっけか……被害者はどれも男性で、刃物でザックリだっけか。ギリギリ命に別状はなく、死傷者は出ていないって……ドーパントか!?」

照井「その可能性が高い。襲われた男性は全員、彼女や妻といった異性と一緒に歩いているところ、いきなり男だけが襲われている。そばにいた女性は無事だったので証言を取った見たところ、全員が共通して『怪物に襲われた』と証言している」

ダブキャスクロスSSがVIPにあがるなんてな…
支援

翔太郎「男を狙うドーパントか……」

照井「傾向からしてそういう可能性が高い。それもカップル連れとなると……嫉妬に駆られた男性の犯行、ともとれるが、まだ確定ではないな。外見的な特徴が分かれば、対策は立てられるんだが、証言者はパニックを起こして記憶があいまいだから仕方ない」

美月「あのぉ……今話してるのって、例の連続通り魔事件ですか?」

照井「ああ。ちょっと面倒なことになりそうだと思ってな。現時点では死傷者は出ていないが、いつ死人が出るかわからない以上、警戒する必要がある」

翔太郎「美月も一応気を付けろよな。もしかすれば女性も襲う可能性も否定できないから」

美月「は、はい。気を付けますっ」

朝まで残ってるといいんだが

――


フィリップ「ふむ、刃物を扱うドーパントか」

翔太郎「それも刃渡りは体をやすやすと貫通するほどらしい。しかも、ここ三日間で随分な人数を襲ってる」

フィリップ「襲われた時間帯を見るに、翔太郎が外出している時間帯で発生している。それでも気付けなかったということは、相手はかなり素早いね」

翔太郎「大きな刃物を使う俊敏なドーパント。それも目撃者によれば、負傷者はかなり様子がひどかったらしい。生きてるのが不思議なくらいだ」

フィリップ「刃物を扱うドーパント。残虐性も確認できる……検索完了だ。おそらく、犯人のドーパントは『ジェノサイド』のメモリのドーパントだ」

翔太郎「ジェノサイド?」

フィリップ「『ジェノサイド』、意味は大量殺戮。その名の通り、使用者の残虐性を増幅させる危険なメモリだよ。使用者を『殺人』へと駆り立てる一面を持っている」

翔太郎「おいおい……てことは、使用者は問答無用で殺人者になるってわけかよ!」

フィリップ「その見解でいいと思う。外見的特徴は手首から生えた巨大な刃。運動能力に長けるドーパントだ。主だった能力はないにしろ、油断はできない」

翔太郎「なにより、それが犯人だったら、一刻も早く止めなくちゃな!」

フィリップ「……翔太郎。照井竜は『三日前から』連続通り魔事件は起こったって言ったよね?」

翔太郎「ん? ああ、丁度美月が来てからだから――っておい、まさか……」

フィリップ「その通りだ。僕の頭の中では、容疑者の一人として『赤坂美月』も考えている」

翔太郎「そんわけねぇだろ! あいつの様子を見てきたけど、メモリの力に侵されているようには見えなかった。なにより、そんなメモリを使ってるなら俺達だってとっくに……」

フィリップ「彼女が、ジェノサイドのメモリを使っていながら、その力を押えていたのだとしたら?」

翔太郎「それは……」

フィリップ「今のところ死傷者は出ていない。ジェノサイドのメモリを使っていながらだ。メモリに支配されているなら襲われた人間は必ず死んでいるはず。けど死傷者は出ていない。使用者にメモリの適性があるなら、それもあり得る」

翔太郎「けどよ……」

フィリップ「……僕だって、心苦しい。彼女とは知り合って間もないが、確かに彼女はいい女性だ。けど、事態は事態だ。ジェノサイドのメモリを使っているかもしれないなら、一刻も早く止めなければならない」

翔太郎「くっ……だが、まだ確定はしていないだろ?」

フィリップ「ああ。確かに彼女の行動は理性的で、メモリの力が干渉しているとは思えないのも事実。あくまでタイミングが合ったことで浮上した容疑者だ。けど……可能性はある程度高い」

翔太郎「その根拠は?」

フィリップ「通り魔の犯行は翔太郎が外出している時間帯に発生している。それもすべてだ。僕は基本この部屋にいるから、彼女の行動を把握しているわけではない。翔太郎が外出してしまえば、彼女は誰にも知られずにここから出られる」

翔太郎「くそっ、ますます怪しくなっちまったな……」

フィリップ「そういえば、美月は?」

翔太郎「今は買い物に行ってる。あいつ、俺達が飯がうまいって言ったのがうれしかったらしくてな。随分と張り切ってたぜ」

フィリップ「そうか……ますます疑うのが心苦しくなってきたね」

~♪

翔太郎「ん? はい、こちら左――照井? ……何!? 大通りでドーパントが現れた!?」

フィリップ「噂をすれば、か」

翔太郎「おいおい、大通りだったら美月も巻き込まれてるんじゃ……行ってくる!」

―――
――


【大通り】

男「あ、ああ……来るな! 来るなぁっ!?」

ドーパント「ふん、そうやって女を見捨てて自分だけ逃げるなんて、最っ低! 死になさい!」

男「うわぁっ!?」

カンッ!

ドーパント「ん?」

アクセル「間一髪ってところか」

男「か、仮面ライダー!」

アクセル「今すぐ逃げろ!」

男「あ、ありがとうございますぅ!」

ドーパント「待て!」

アクセル「させるかっ!」

カンッ!

ドーパント「くっ!」

アクセル「手首から生えてる刃……お前が例の通り魔か」

ドーパント「お前が仮面ライダー……目ざわりだ! 消えろ!」

アクセル「俺は消えるわけにはいかない。仮面ライダー、だからな」

――


アクセル「はぁっ!」

ドーパント「遅いっ! はぁっ!」

アクセル「ぐぁっ!? くっ、速い……」

ドーパント「ふんっ! 貧弱な男……これだから男は」

アクセル「なぜ男ばかりを狙う? 嫉妬か? 恨みか?」

ドーパント「強いて言うなら、恨みよ! 男は女を騙して、暴力を振るって、女を不幸にする! わたしは女を助けるために男を皆殺しにするのよ!」

アクセル「では、なぜカップルばかりを狙う! 男なら風都にもごまんといるはずだ!」

ドーパント「うるさい! 速く黙りなさい!」

カンッ! キィンッ!

アクセル「ぐあっ!? 力勝負でも勝てないとは、こいつ、強い!」

タッタッタ

ドーパント「はぁぁ!!」

「トリガーエアロバスター!」

バシュンッ! バシュンッ! バシュンッ!

ドーパント「うあっ!」

W(翔太郎)「ふぅ、間一髪だなおい」

アクセル「来てくれたか、W」

W(翔太郎)「ああ。だが……照井でも苦戦するとは、油断できねぇなおい」

W(フィリップ)「む? どういうことだ?」

W(翔太郎)「どうした? フィリップ」

W(フィリップ)「いや、僕の予想では、相手はジェノサイド・ドーパントだと思ったのだが……」

W(翔太郎)「そうじゃないのか? 手首から刃も生えてるし……」

W(フィリップ)「だが、外見が大きく違う。ジェノサイド・ドーパントにはあんな大きな角は生えていないはずだが……」

W(翔太郎)「とにかく、今はあいつを倒すのが先だ!」

アクセル「そうだな。これ以上犠牲者は増やさせない」

ドーパント「そうか、お前が二人目の仮面ライダー……わずらわしい! 男はみんな消えてしまえばいい!」

W(翔太郎)「おいおい、随分と物騒なこと言ってくれるじゃねぇか」

アクセル「あいつの力と速さは油断できないぞ」

W(フィリップ)「しかしジェノサイド・ドーパントは防御力がないはずだ。そこをつけばなんとかなる」

W(翔太郎)「だったら、熱々のランチを持っていけ!」

【HEAT/METAL】

ドーパント「うぁぁぁっ!!」

キィンッ!

W(翔太郎)「っと! 確かに力はあるが……こっちの勝ちだな! おりゃっ!」

ドォンッ!

ドーパント「ぐぅっ!?」

アクセル「俺も忘れるな、よ!」

キィンッ!

ドーパント「うぁ! こんのぉっ!」

ダッダッダッ!

W(翔太郎)「おいおい! あの角で突撃なんて洒落になんねぇぞ!」

カキィンッ!

ドーパント「はぁぁ!」

W(翔太郎)「ぐぅぅ!」

【ENGINE MAXIMUM DRIVE】

アクセル[バイクフォーム]「はぁぁっ!!」

ドゴォンッ!!

ドーパント「うがぁっ!!」

W(フィリップ)「助かった、感謝する」

アクセル「何、相手が冷静さを失っているから出来た」

ドーパント「ぐぅぅっ……」

W(フィリップ)「さっきの突撃が効いているようだ」

W(翔太郎)「なら、いっきに『ツインマキシマム』いくか?」

アクセル「それがいいだろうな。逃げられる前に」

ドーパント「こ、このぉっ!」

【LUNA/TRIGGER】

W(翔太郎)「これで決まりだ!」

【TRIGGER MAXIMUM DRIVE】

アクセル「これでゴールにしてやる」

【ACCEL MAXIMUM DRIVE】

ドーパント「はぁぁ!」

W(翔太郎)「俺に合わせろ!」

アクセル「了解した!」

W「トリガーフルバースト!!」

アクセル「はぁぁっ!!」

バァンッ! バァンッ! バァンッ!

ドーパント「あぁぁっ!?」

アクセル「たぁっ!!」

ドーパント「ぐぁぁぁっ!!?」

W(翔太郎)「ふぅ、うまくいったな」

アクセル「ああ、これで通り魔も――」

W(フィリップ)「待ってくれ!」

ドーパント「ぐ、ぐぅぅ……」

アクセル「メモリブレイクされないだと?」

W(翔太郎)「ツインマキシマムを受けたのにか!?」

W(フィリップ)「いや、ダメージは充分なはずだ。だがどういうことかメモリが排出されない」

ドーパント「ぐ、ぐぉぉ!」

バシュッ! バシュッ!

アクセル「なっ!?」

W(翔太郎)「あいつ、翼生えやがった!」

ドーパント「くっ……」

バサッ バサッ

W(翔太郎)「あっ、おい! 待ちやがれ!」

アクセル「くっ、逃げられたか……」

カシュン ヒュゥーン

翔太郎「さすがに空を飛べられたらな。けどやばいな」

照井「ああ。おそらくまた犯行に及ぶだろう。せめて予防策があればいいのだが……」

翔太郎「せめてメモリの所持者が分かればいいんだがな」

翔太郎(メモリの所持者……か)

―――
――


翔太郎「ただいま」

美月「あっ、おかえりなさい!」

翔太郎「美月! 帰ってたのか」

美月「ええ。けどさっきニュースで大通りで事件があったって聞いて不安で……。大丈夫でしたか?」

翔太郎「ああ、俺は大丈夫だ。美月は?」

美月「わたしは、事件と運よくすれ違ったので……」

フィリップ「美月。ちょっといいかな?

美月「え? は、はい」

フィリップ「開発用の材料が不足していて、早急に買い物に行きたい。荷物持ちに付き合ってもらえないかな?」

美月「わかりました、そういうことでしたら」

翔太郎「おいおい、随分と急だな。荷物持ちだったら俺でもいいだろ?」

フィリップ「今はいつドーパントが現れてもおかしくない。だったらここで待機して、どこで現れても対応できるようにしてほしい。いざとなって一人で変身出来るのは一人なんだしね」

翔太郎「……わかった。だがドーパントが現れてもおかしくないのはそっちも同じだかんな。気を付けろよ」

美月「はいっ!」

フィリップ「では、行ってこよう」

支援

面白いな
ただ試作品の誤植が気になる

――



翔太郎「にしても、なぜあのドーパントはメモリブレイクされなかったんだ? ツインマキシマムを受けて無事なはずが――」

ダンダンッ

翔太郎「ん? どうぞ」

ガチャッ

柏原「あ、あの……鳴海探偵事務所でいいんでしょうか?」

翔太郎「はいこちら鳴海探偵事務所! どんな依頼もハードボイルドに解決いたします」

柏原「はぁ……」

翔太郎「で、どんなご用件でしょうか?」

柏原「っと、そうだ。えーとですね……人捜し、なんですけど」

>>94
アッー
詩作品→試作品、ですね
脳内保管をお願いします……

―――
――


美月「売ってるところまで、随分と遠いのですね」

フィリップ「僕の発明品は特殊だからね。その筋の店で買う必要があるんだ。それにしてもすまない。もう夕刻に入っている時に付き合わせてしまって」

美月「構いませんよ! わたしもあの事務所の一員なわけですし、好きでやってるんですから」

フィリップ「それは非常にありがたい。……そうそう、実は美月に大事な話があったんだ」

美月「大事な?」

フィリップ「実はだね。僕と翔太郎は――」

試の字全部間違えちゃうなんてドジな男ね。
でも嫌いじゃないわ!

―――
――


翔太郎「――おいおい、そりゃマジかよ!」

柏原「でしたら、今その人は危険です! 特に今は夕日がある!」

翔太郎「おいおい! 早く連絡を――」

ピョインッ! ピョインッ!

翔太郎「ん? ……フロッグポッド?」

フロッグポッド「――!」

翔太郎「……録音データがある?」

>>96

しかしダブルキャスト懐かしいな、もうほとんど忘れちまったけど

さ、さるった

あーあ…

多分一時間……
持ちこたえてくれっ

00分リセットだったっけ

いちお支援
人いなそうだな

ROMってたけどさるったなら保守しなきゃか
この時間帯なら落ちる心配なさそうだけど

幸い時間帯が時間帯だけど……
落ちたら立て直します

保守感謝

―――
――


美月「――お二人が、仮面ライダー……?」

フィリップ「仮面ライダーW。二色の色を持つ風都のヒーローだ。ドーパントという、ガイアメモリの力を持つ怪物を相手に戦っているんだ」

美月「……すごいですね。ただの探偵さんとは思わなかったけど、まさかみんなのヒーローだなんて」

フィリップ「改めてそう言われるとうれしいものだね。ということで、事件にもあった怪物に出会ったら、迷わず連絡してくれ」

美月「ええ……そうさせてもらいます」

フィリップ「それじゃあ、早く向かおう。翔太郎が今日の夕食に待ちくたびれているはずだからね」

美月「ええ。……今日も、腕によりをかけますよ」

フィリップ「それはうれしいな――」

ブンッ!

美月「ふんっ!」

wktk

カァンッ!

美月「なにっ!?」

フィリップ「やはり期待通りの働きを見せてくれるね、ファング」

ファング「――!」

美月「なんなのよ、そいつ!」

フィリップ「この子はファング。僕のSPみたいなものかな? それにしてもなんなんだろうね? ファングは僕の命の危険を察知しないと現れないんだけれど……それと、その左手に持っている岩はなにかな?」

美月「こ、これは……」

フィリップ「ついに正体を現したか、赤坂美月。……本当は嘘であってほしかったけど」

美月「仕方ないか……仮面ライダー、わたしの邪魔をする憎き男! ここでわたしが殺す!」

【GENOCIDE/GOAT DOUBLE CAST】

カチッ シュイーン

ドーパント「ここで死ね! 仮面ライダー!」

シュイーン

フィリップ「ダブルドライバー……どうやら僕も準備ができたようだ。翔太郎!」

翔太郎≪ったく、無駄に心配させやがって。『スタッグフォンが鳴ったら、ドライバーを装着してくれ』っていうフロッグポッドのメッセージ、聞いてなかったらどうしてたんだ?≫

フィリップ「心配ない。僕のメモリガジェットは優秀だからね。もちろんファングも」

翔太郎≪あまり無茶はしてほしくないが、今は説教をやってる場合じゃないな!≫

フィリップ「行くよ、ファング!」

ファング「――!!」

【FANG/JOKER】

W「さぁ、お前の罪を数えろ!」

ふむ

ガション ガション

【ARM FANG】

ダブルキャスト・D「はぁぁ!」

W(フィリップ)「させない! たぁっ!」

ダブルキャスト・D「ぐぁっ!」

W(翔太郎)「フィリップ! 赤坂美月についての正体が判明した! さっき美月の関係者が来てな、隅々まで教えてもらったぜ」

W(フィリップ)「赤坂美月の関係者?」

W(翔太郎)「ああ。そもそも正確には彼女は赤坂美月ではない。彼女の本名は『赤坂志穂』。赤坂美月ってのは志穂の双子の姉だ!」

W(フィリップ)「双子の姉? では本物の赤坂美月は?」

W(翔太郎)「……自殺したそうだ」

重傷者でてるんだから、死傷者じゃなくて死者だと思うんだが


――
―――

翔太郎「赤坂美月は自殺している?」

柏原「はい。……美月と志穂は、二人暮らしをしていました。ですが、ある日姉の美月に男ができたんです。それだけなら、いい、それだけなら」

翔太郎「よくある恋愛話じゃ済まなくなった、てか」

柏原「僕も、人伝から聞いた話なんですけど……その男がたいそうひどくて、金はせびるわ暴力は振るうわ……結局それに耐えきれず別れ、美月の精神はボロボロになってしまいました。と、同時に、男に対してとてつもない『敵対意識』も美月に生まれたのです」

翔太郎「そりゃあひでぇ話だ……その男、許せねぇ」

柏原「その敵対意識は半端なものではなく、美月は一切男を寄せ付けなくなりました。……それは、妹である志穂にも飛び火しました。
妹を不幸にしまい、二の舞は踏ませない、と志穂の周囲からも男という男を跳ね除けました。志穂が誰か男性の人と少しでも接触すると、虐待すらしてしまうようになってしまったようで……」

翔太郎「赤坂美月はどんどんすさんでいった……で、その終局が、自殺か」

柏原「お風呂場でのリストカット。第一発見者は他でもない赤坂志穂。度重なる虐待でストレスがたまっていた矢先、姉の自殺現場を目の当たりにしてしまった志穂は、あまりの心的ショックによって――」

>>121
死傷者になっとる……予測変換の恐怖
死者で脳内変換プリーズ、ごめんなさい……

どどんまい

まだ残ってた!

W(フィリップ)「ゆがんだ感情が剥離し、ゆがんだ人格となってしまう……『解離性同一性障害』、多重人格者か」

W(翔太郎)「彼女が持つ人格は専門家によると三つ。ひとつは普段の生活を過ごしている赤坂美月。ひとつは志穂に近寄る男を殺しさえもしてしまう志穂が投影した残忍な姉、赤坂美月。さらに、表に滅多にでることのない、本人格である赤坂志穂」

W(フィリップ)「なるほど、メモリ使用者に見られる感情の高ぶりが感じ取れなかったのは、メモリを使う人格が違っていたから。たびたび『ボク』や『わたし』といった一人称に違和感があったのは、人格が変わっていたからか」

W(翔太郎)「残忍な姉である赤坂美月の人格は非常に危険で、近づく男は殺すこともためらわない。おそらくメモリによって、その残忍性が増幅されてしまったんだ」

W(フィリップ)「大体理解は出来た。そして、相手がかなり厄介なこともね」

W(翔太郎)「そういえば、ジェノサイド・ドーパントとは違うってフィリップ言ってたな」

W(フィリップ)「ああ。あれは『ダブルキャスト・ドーパント』だ」

W(翔太郎)「ダブルキャスト?」

ダブルキャストやってないけど一人称が伏線とかになってたりするのか面白いな

W(フィリップ)「二人一役って意味だよ。翔太郎は、風麺屋台襲撃事件の時のドーパントを覚えてるかい?」

W(翔太郎)「ああ、覚えてるぜ。あのどんぶりドーパント、見た目の割に妙に強かったぜ」

W(フィリップ)「簡単に説明するなら、あれの強化版だ。『ダブルキャスト』のメモリは、ふたつのメモリの特性を合体し、一つのメモリにすることができるんだ。
まさか理論段階だったあれが完成するなんてね」

W(翔太郎)「ってことは、かなり厄介なんじゃ……」

W(フィリップ)「ああ。親子丼ドーパントみたいに、弱いメモリ同士の合体じゃない分、強力になる。しかしそのメモリの特殊性故、適正者が現れるのはありえなかったんだ。
『ダブルキャスト』は二面性のメモリ。同じ二面性を持つ人にしか惹かれないはずだからね」

W(翔太郎)「なるほど、多重人格である美月にはもってこいのメモリってわけか!」

W(フィリップ)「偶然が重なりあった結果、強力なドーパントがうまれたわけだ。合体したメモリは『ジェノサイド』と『ゴート』。
『大量殺戮』と『羊』だね。逃走の際に見た飛行能力は、羊が悪魔の象徴であるための能力だろう。『ゴート』の能力が、『ジェノサイド』の影響を諸に受けている」

W(翔太郎)「相変わらず、ガイアメモリはなんでもありだなこんちくしょう!」

面白そうなスレを起きがけに見つけた

朝から良いスレに巡り会えた

ダブキャスは説明書でネタバレしとるからな・・・。まあ美月と言うか志穂かわいい

ダブルキャスト・D「てぁぁっ!」

W(フィリップ)「うぅっ!」

W(翔太郎)「大丈夫かフィリップ!?」

W(フィリップ)「くっ、明らかに力が増幅している。赤坂志穂に近しい男と戦っているための執念もあるが、メモリとの適合が徐々に進んできている。メモリとの適性が高すぎるんだ!」

W(翔太郎)「ってことは、暴走するかもってことか!?」

W(フィリップ)「だから、暴走する前に早く勝負を付ける!」

「その通りだ。この町で暴れさせるわけにはいかない!」

キィンッ!

ダブルキャスト・D「ぐぅ! 来たか、赤い仮面ライダー!」

アクセル「すまない、遅くなった」

W(フィリップ)「いや、また助けられたようだ。ありがとう」

ダブルキャスト・D「ふんっ! まぁ二人がかりでもいいわ! 今のわたしは誰にも止められない!」

休みの日の無慈悲な上司からの電話……
一時間ぐらい待ってくだしあ

寝そう

アクセル「それはどうかな。仮面ライダーが全力でお前を止めてやる」

W(翔太郎)「けど、実際厄介なのは間違いねぇし。なによりメモリブレイクされないんだぜ! フィリップ、何かいい方法はないか?」

W(フィリップ)「メモリブレイク出来なかったのは、おそらくふたつのメモリが合体している状態だからだ。方法は……ふたつのメモリを分離させて、同時にブレイクするしかない」

アクセル「そんなことができるのか?」

W(翔太郎)「同時にブレイクってのは、俺達とアクセルなら問題ねぇ」

W(フィリップ)「だが、問題なメモリの分離だ。メモリは赤坂美月のふたつの人格に依存しているはず。外から精神世界へ呼びかけるしかない!」

W(翔太郎)「言葉で語れ、か。説得あるのみだ!」

電話しながらでも書く

無理すんなー

支援

ダブルキャスト・D「おらぁっ!」

ドゴンッ!

アクセル「くっ! なんて馬鹿力だっ」

W(翔太郎)「おい! 美月! 聞こえるか!」

ダブルキャスト・D「ぴーぴーうるさいわね、この!」

W(フィリップ)「ぐあっ!」

W(翔太郎)「耐えてくれ、フィリップ! 美月! お前、この町の風は心地いいって言ってくれたな! なんだか優しい気持ちになるって!」

ダブルキャスト・D「うる、さいっ!」

カキィンッ!

アクセル「左の邪魔はさせない!」

ダブルキャスト・D「くぅっ!」

スレが残ってて良かった!
無理すんな

W(翔太郎)「この町の、風都の風は、みんなを笑顔にしてくれる風だ! お前が感じたとおり、優しい風なんだよ! この風が好きなんだろ? だったらお願いだ!」

W(フィリップ)「赤坂美月! この声を覚えているかな?」

柏原≪美月? 美月か! 俺だ、柏原だ!≫

ダブルキャスト・D「柏原さん……?」

柏原≪今ちょっと探偵さんの電話を借りてるんだ。美月! お前がいきなり姿を消して、みんなが心配してたんだぞ! 部長や映研のみんな! 森崎先生もだ! みんな美月の帰りを待ってる!≫

ダブルキャスト・D「あ、ああ……」

柏原≪俺は世界で一番お前のことを心配してるつもりだ! だって、だって……≫

ダブルキャスト・D「や、やめろぉ! これ以上、あの男の声を――ぐっ!?」

W(フィリップ)「美月の人格が分離し始めている! 人格の力関係を覆そうとしているんだ!」

W(翔太郎)「美月! お前、風都の風が好きなんだろ? 何より、お前を待ってくれている人だっているじゃねぇか! なのに、なのに――」

ダブルキャスト・D「やめろって言ってるんだよぉ!」

W(翔太郎)「お前がこの町を、待ってくれている人たちを泣かせてどうするんだ! 戻ってこい!!」

ダブルキャスト・D「ぐ、ぐぁ、ぐああああっ!!?」

シュゥゥーン

ジェノサイド・D「あ、あぁ……」

ゴート・D「あぁっ!」

W(フィリップ)「メモリが分離した!」

ジェノサイド・D「お、おのれぇぇぇ!!」

ガシッ!

ジェノサイド・D「何っ!?」

ゴート・D「翔太郎さんたちに、怪我なんてさせないっ!」

W(翔太郎)「美月! 美月なんだな!」

ゴート・D「お願い! 今のうちに、早く! もう、もう……人を、大事な人を傷つけたくないんです!」

ジェノサイド・D「放せぇ! お前なんか、わたしでも志穂でもないただの取り繕いの人格のくせにぃ!」

ゴート・D「たとえ本当はない人格でも! 柏原さんや翔太郎さん、フィリップさんと……みんなと生きてきたから! 短い間でも、みんなと過ごしてきたから! 
だから、大事な人達を守るのは当たり前でしょ!」

ジェノサイド・D「この出来そこないがぁ!!」

W(フィリップ)「おそらく彼女は気づいているのか……メモリブレイクされた瞬間、完全にメモリに寄生した人格も消えると」

W(翔太郎)「なにっ!? そ、それじゃ、美月は……」

ゴート・D「迷ったらだめ! だって、あなたたちはこの町を守る仮面ライダーでしょ! あの店のおじちゃんも、みんなも、守らなきゃいけないんでしょ! だから――」

W(翔太郎)「美月……」

アクセル「フィリップ、左。行けるか?」

アツすぐる

W(翔太郎)「……やってやるさ。仮面ライダー、だもんな」

ゴート・D「……伝えてください。柏原さんに。……『ありがとう』って」

W(フィリップ)「そのメッセージ、僕の本棚にしっかりと記録した。行くよっ、ツインマキシマムだ!」

アクセル「二人同時に……たたく!」

ガションッ! ガションッ! ガションッ!

【FANG MAXIMUM DRIVE】

アクセル「お前の憎しみ、恨み。……俺が振り切ってやる」

【ACCEL MAXIMUM DRIVE】

ジェノサイド・D「や、やめろぉぉ!!」

ゴート・D「……」ギュッ

W・アクセル「はぁぁ!!」

W・アクセル「ライダーツインマキシマム!!」

ズドンッ! ズドォンッ!!

ジェノサイド「いやぁぁぁ!!」

ドォォン……

――――――
―――――
――――
―――
――


こうして、『赤坂美月事件』は終結した。

赤坂志穂はほどなくして目を覚ましたが、その時には幸いにも残酷な姉の人格である赤坂美月はきれいさっぱり消えていたという。

……そう、もう一人の赤坂美月も。

柏原が言っていた赤坂志穂の行方不明は、例の組織の研究員の仕業だった。

名前だけ出ていた試作品のメモリ――『ダブルキャスト』のメモリの被検体として赤坂志穂を見つけ出した研究員は、
志穂が入院していた病院から半ば無理やり風都の病院に移送。

秘密裏に行うため研究員個人でやっていたところ、メモリの力によって志穂及び美月は脱走。

しかしメモリとあまりにも適性値が高く、人格の力関係が完全に変動。
治療によって抑えられ始めていた姉・美月の人格が上位となってしまう。

グッドエンド4の美月なのか
個人的にかなり胸熱

星の本棚の情報損失については確定した結論は出せていないが、フィリップの推測だと『赤坂美月、そして赤坂志穂という存在が、ガイアメモリによって完全に浸食されていたための影響』だとか。
強大すぎるメモリの力が、本棚にも影響を与えていたとは驚きを隠せない。

やはりメモリについてはまだ未知数な点が多そうだ。

赤坂美月の記憶喪失に関して、犯人は姉・美月で間違いないだろう。

姉。美月が生活に溶け込むために、美月の人格の記憶に制限をかけていたのだ。これも解離性同一性障害の症状の一つらしい。

そしてこの事件の中心人物ともいえる赤坂志穂についての処遇であるが……これに関しては心配ないらしい。

赤坂志穂のカルテも発見、研究員が削除していた戸籍も復活。
その人物の特殊性故少しばかり議論があったらしいが、研究員の違法な実験に巻き込まれた被害者であるという点と、強制的に使用されたメモリによる犯行である点だということから、彼女自身は無罪放免となった。

しかししばらくは精神病棟でちょっとしたリハビリをしなければいけないらしい。今回は死者も出ていない、幸い後遺症が発生した被害者もいないので、比較的丸くおさまったといえよう。

毎度の事だがこれ全部ローマ字で書いてると思うと泣けてくる

\シエン!/

思えば、メモリの適正者に見られる特徴がひとつだけ見られていた。

猫を助けるときに見せた人間離れな跳躍……思えば、あれはメモリの力が浸食していた結果だったと推測できる。

だが、おそらく美月は……赤坂美月は、最後まで姉・美月に抵抗していた。

ジェノサイドの力を使いながら、なぜ姉・美月は一人も殺せなかったのか……。

これは、美月がメモリの力を、姉・美月を最期まで抑えていたから。

彼女がいなければ、この事件も解決できていなかったであろう……。

風都の風がいざなった、とある夏のむなしい事件だ。

KOKOMADE ROUMAZI

翔太郎「赤坂美月、か」

フィリップ「一人の少女に宿るふたつの人格……ダブルキャストだね」

翔太郎「……プレゼントしたふうとくんが、泣いてるように見えるぜ」

フィリップ「そうかな?」

翔太郎「ほう、じゃあフィリップにはどう見えるんだ?」

フィリップ「……安堵。彼女は大事なものを守れたんだ。風都の風を愛する者として、ね」

翔太郎「……そうだな」

ダンダンッ

ガチャッ

志穂「えと……」

柏原「どうも」

\シエン!/\オツ!/\ホシュゥ!/\ヌルポ!/

\ガッ/

フィリップ「もう行くのかい?」

柏原「はい。署での取り調べも終わったので。担当医の森崎先生のところに」

志穂「その……色々と、ありがとうございました」

翔太郎「何、俺は依頼を遂行したまでさ」

フィリップ「君たちの幸せを、心から祈っているよ」

柏原「あはは……」

翔太郎「……志穂、これを受け取ってくれ」

志穂「これって……確か風都のマスコットキャラ、でしたっけ?」

翔太郎「まぁ、俺達からの選別ってこった。……向こうでも、がんばれよ」

志穂「……ありがとうございますっ!」

しえん

―――
――


フィリップ「よかったのかい?」

翔太郎「何がだ?」

フィリップ「あのふうとくん。彼女との唯一の形ある思い出じゃないのかい?」

翔太郎「……何、あいつが持っていた方がいいって思っただけだ。あれさえそばにいれば、あいつの『お姉さん』も安心して妹を見守れる……そう願っただけさ」

フィリップ「……ふぅ。慣れないことはしないほうがいいよ? まさか翔太郎が一瞬だけハードボイルドに見えてしまうとは」

翔太郎「なっ! 俺は正真正銘のハードボイルドだっつーの!」

フィリップ「はいはい」



                      ―FIN―

乙!

乙、いいハーフボイルドだったぜ

Z

お疲れ様でした
保守してくれた人達に感謝感謝
PSゲーム「ダブルキャスト」、中古で発売中

PSP移植版も発売中だぜ!

おつ!
懐かしかった

ダブルキャストやってみたくなった
乙でした!

>>118蛇足的な修正

シュイーン

フィリップ「ダブルドライバー……どうやら僕も準備ができたようだ。翔太郎!」

翔太郎≪ったく、無駄に心配させやがって。『スタッグフォンが鳴ったら、ドライバーを装着してくれ』っていうフロッグポッドのメッセージ、聞いてなかったらどうしてたんだ?≫

フィリップ「心配ない。僕のメモリガジェットは優秀だからね。もちろんファングも」

翔太郎≪あまり無茶はしてほしくないが、今は説教をやってる場合じゃないな!≫

フィリップ「行くよ、ファング!」

ファング「――!!」

フィリップ・翔太郎「変身!!」

【FANG/JOKER】

W「さぁ、お前の罪を数えろ!」

違和感の正体は「変身」がなかったことだった
変身のコールがなければ仮面ライダーは始まらない

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