紬「としのせ!」 (20)
紬「あったかくて美味しいわ~」
梓「違います、ムギ先輩」
紬「え」
梓「お蕎麦は啜るんです」
紬「啜る?」
梓「ほら、こうやって」ズズズ
紬「こう?」ズズズ
梓「そうそう。なかなか上手です」
紬「♪」ズズズ
△▽△
梓「ごちそうさまでした」
紬「ごちそうさまでした♪」
梓「じゃあ、そろそろ市場に行きましょうか」
紬「ええ、唯ちゃん達が首を長くして帰りを待っているものね」
▽△▽
梓「鰤は・・・これでいいかな」
紬「う~ん、どうだろう。ね、梓ちゃん、一通りまわってみない?」
梓「どうしてですか?」
紬「いろんなお店を見てみないと値段もよくわからないし」
梓「確かに」
紬「でも、こんなに人が多いとはぐれちゃうかな」
梓「大丈夫です、ぴったりくっついていきますから」
紬「はぐれちゃったらケータイで連絡するね」
梓「じゃあ行きましょうか」
紬「うん」
▽△▽
紬「あ、このコロッケ美味しそう」
梓「たこコロッケって書いてありますね」
てす
て
紬「たこ? たこを入れたコロッケなんてあるの?」
梓「私もはじめて見ました」
紬「ふぅん・・・」
梓「買ってみますか?」
紬「え、いいの?」
梓「はい」
紬「あ、でも夜ご飯食べられなくなっちゃうかな」
梓「じゃあ半分こしましょう。店員さんこれください」
店員「はいよ」
梓「ありがとうございます。はい、お先にどうぞ」
紬「ありがとう」サクッ モグモグ
梓「私もいただきます」サクッ モグモグ
おっぱい
紬「うん・・・これはなかなか」
梓「はい。タコの食感がアクセントになってて美味しいです」
紬「ええ、周りは白身魚のすり身かしら。あっさりしていて美味しいわ」
梓「あたりですね」
紬「みんなにも買って行ってあげたいけど・・・」
梓「鍋を食べられなくなるので・・・」
紬「ええ、そうよね。じゃあはやく鍋の具を買ってしまいましょう」
梓「そうですね」
△▽△
紬「・・・一通りまわったわね」
梓「はい」
紬「お正月用の鰤はあれを買うとして」
梓「鍋の具はどうしましょうか」
紬「う~ん。あの鮭の切り身とかどうかしら」
梓「あんまり鍋に鮭をいれるのは好きじゃないです」
紬「そうなんだ?」
梓「はい。本場の石狩り鍋なら別かもしれませんが、寄せ鍋の鮭はあんまり・・・」
紬「じゃあ、被っちゃうけど鰤とか?」
梓「それもいいですけど、あの店でみた鱈にしませんか」
紬「鱈・・・いいわね」
梓「はい。あの淡白な味と食感がたまらないです」
紬「ふふ、涎が出ちゃいそう、じゃああの肉屋で豚バラ肉と--」
梓「あそこの青果店で春菊を買って行きましょうか」
紬「うん♪」
▽△▽
紬「これで完璧ね!」
梓「はいです!」
紬「ふふ、唯ちゃん達なにをしてるかしら」
梓「大掃除とお正月飾りの準備をしてるはずですけど」
紬「ほとんど憂ちゃんがやっちゃいそうね」
梓「う~ん、今日に限っては唯先輩も・・・」
紬「どうかしら?」
梓「・・・頑張ってないかもしれません」
紬「ええ、唯ちゃんは炬燵でぬくぬくしてるのが似合うもの」
△▽△
唯「くちゅん!!」
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯「・・・!」
憂「お姉ちゃん?」
唯「今、誰かが失礼なことを言ったような」
憂「お姉ちゃん、誰かが噂をするとくしゃみが出るのは迷信だよ」
唯「そうかなぁ・・・」
憂「ね、早く窓ふき終わらせちゃおう」
唯「うん。そうだね」
憂「・・・♪」
唯「憂、御機嫌だね」
憂「こうやって窓ふきするの、楽しいなって」
唯「憂は本当に掃除が好きだね」
憂「う~ん。掃除は好きだけど・・・」
唯「うん?」
憂「こうやってお姉ちゃんと掃除するのはもっと好きかな」
唯「そっかそっか。じゃあ頑張って掃除しよっか」
憂「うん!」
唯「はやくしないとムギちゃんたちが来ちゃうからね」
憂「梓ちゃん、ちゃんと材料買って来てくれるかなー」
唯「大丈夫だよ、ムギちゃんがついてるもん」
▽△▽
澪「・・・」ドキドキ
律「・・・」ドキドキ
し
澪「だ、だいじょうぶだよな、律」
律「お、おう」
澪「こ、声が震えてるぞ」
律「み、澪の方こそ」
澪「・・・あけるか」
律「・・・おう」
澪「・・・」パカ
律「これは・・・」
澪「・・・うん」
律「大丈夫そうだな」ホッ
澪「ま、まだ安心するのははやい。下の段は・・・」パカ
律「うん。大丈夫そうだ」
澪「あぁ」
律「ふぅ・・・」
澪「ふぅ・・・」
律「余計な心配だったみたいだな」
澪「あぁ、唯たちに頼まれておせちをネットで注文したのはよかったけど」
律「グルーポンのおせち画像を見ちゃったらな」
澪「あんなのが来たら、憂ちゃんに顔向けできないよ」
律「最悪イオンに買いに行くことも考えてたもんな」
澪「うん。でも、そっかかぁ、大丈夫だったか」
律「さて、じゃあおせちを持って唯の家に行くか」
澪「うん」
律「そういえば澪、本当にいいのか?」
澪「なにが?」
律「年越しはふたりで旅行に行こうかって話をしてたのに」
澪「いいって。みんなで集まるなら、そっちを優先だろ」
律「それはそれで寂しいような・・・」
澪(律・・・かわいい)
澪「安心しろって。1日はみんなで集まるけど2日と3日は・・・」
律「うん///」
澪(・・・やっぱり律がかわいい)
▽△▽
紬「それで、姫始めはいつにする?」
梓「」ブホッ
紬「だ、大丈夫?」
梓「い、いきなりなんてことを聞くんですか!?」
紬「だってねぇ・・・」
梓「だってもなんでもないです!」
紬「ご、ごめんね、梓ちゃん」
梓「まったく・・・」
紬「・・・」
梓「・・・」
紬「・・・」
梓「・・・」
紬「・・・」
梓「2日とかでいいんじゃないですか」
紬「・・・♪」
梓「まったくもうムギ先輩は・・・」
紬「もっと梓ちゃんを感じたいもん!」
梓「それは・・・普通に嬉しいです」
紬「♪」ニコニコ
梓「まぁ、本音を言うと、私も気になってましたから」
紬「そうなの?」
梓「はい・・・いつムギ先輩の温もりを感じられるのかなって」
紬「ふふ、梓ちゃんは詩人ねぇ」
梓「もう・・・茶化さないでください!」
紬「じゃあせめて今はこうやって手を繋いでいきましょう」ギュッ
梓「・・・はいです」ギュッ
△▽△
和「唯、憂。掃除は終わった?」
唯「あ、和ちゃん」
和「姫納めを始めるわよ」
憂「」ブホッ
唯「和ちゃん、もうムギちゃん達が来ちゃうから無理だよ」
憂「そ、そうだよ和ちゃん!」
和「私は気にしないわよ、ムギたちが来ても」
憂「の、和ちゃん、私達が気にするよ」
唯「あ、私も気にしないかも」
憂「お姉ちゃん!!」
和「冗談よ、憂。流石に私もみんなの前でエッチするのは多少抵抗があるわ」
憂「多少なんだ・・・」
和「それで、ムギ達--」
ピンポーン
憂「あ、来たみたい」
ガチャ
紬・梓・律・澪「こんにちわー」
つづけなさい
憂「いらっしゃい、みなさん」
唯「あ、みんな一緒にきたんだ」
紬「ええ、途中でばったり会ってね」
律「はい、おせち」
憂「ありがとうございます」
紬「あ、憂ちゃん。これ冷蔵庫に入れておいてくれる?」
憂「・・・これは・・・鱈?」
唯「おっきい鱈が一匹・・・」
律「これ、捌けるのか?」
憂「・・・」メラメラ
唯「こ、これは」
和「ええ、憂が静かに燃えてるわね」
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