飛鳥「新春ロッカー2014」 (74)
P「今年ももう終わりかぁ…」
P「今年は色々あったなぁ」
飛鳥「楽しかったかい?」
P「楽しかったよ、とても」
飛鳥「とくに記憶に残っていることは?」
P「お前と出会えたこと、かな。 お前に会えてよかったと思ってる」
飛鳥「ふふっ、ボクもだよ。 ボクも学校と家以外の……」
飛鳥「ううん、一番楽しい場所を。 楽しい外の世界を見れたからね」
飛鳥「これでも感謝しているんだよ? キミには……とても」
飛鳥「ありがとう。 プロデューサー」
P「こちらこそ、だな」
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飛鳥「そうだ。 ボクが入ってくる前の楽しい出来事も少し聞きたいな」
P「……一番記憶に残ってるのはシンデレラガール選抜総選挙だな」
飛鳥「なんだい? それは」
P「そのまんまだよ。 人気投票。 色々なプロダクションから色々なアイドルが出てなー」
飛鳥「ここからも出たのかな」
P「出たよー。 楓さん、知ってるだろ?」
飛鳥「ああ、あの洒落てるお姉さん?」
P「えっ……あ、うん」
飛鳥「高垣さんは何位だったのかな?」
P「聞いて驚け。 3位だ」
飛鳥「す、すごいなぁ……」
P「アスカなら次の選挙で30位以内は狙えるぞー」
飛鳥「またまた。 ボクじゃそこまでは」
P「いけるいける」
飛鳥「ふふっ、なら……50位以内になったらご褒美もらおうかな」
P「ご褒美? いいぞ。 ただし10万ぐらいしか出してやれないかなぁ。 一人暮らしだし」
飛鳥「そうだね。 じゃあ二人きりで高いところとか行ってみようか?」
P「富士山?」
飛鳥「山じゃなくていいよ」
P「スカイツリー?」
飛鳥「普通にどこにでもありそうな街中の高いところでいいよ…」
P「どこぞの自称可愛いアイドルみたいなことは?」
飛鳥「したくない」
P「おお、スカイダイビングをしたアイドルを知ってるのか」
飛鳥「一応ね。 前に噂で」
P「名前的にぴったりだしやってみないか?」
飛鳥「ボクはパッションになるつもりはないよ」
P「そうか? 残念だなぁ」
飛鳥「鳥はね。 落ちていくんじゃない、翔ぶんだ」
飛鳥「もし、仮に翼を休めるために降りたとしても、そこはライブ会場じゃないだろう」
飛鳥「翼を休めるのは……キミやちひろさんが待つ此処でいいさ」
P「ここ以外でも待ってるぞ」
飛鳥「そうかい? なら、期待してるよ」
P「そういや、選挙前の話だけど、自慢したいことがあったんだ」
飛鳥「なんだい?」
P「生まれて初めてバレンタインにチョコレートをもらったよ!」
飛鳥「……もらったこと、なかったんだ」
P「ええ、一度も!」
飛鳥「高校や中学校」
P「一度も!」
飛鳥「小学校、ようちえ」
P「もういい! もういいだろ!」
飛鳥「ふふっ、ごめんよ」
P「お前ってSだろ」
飛鳥「うん? 多分そうだよ」
飛鳥「じゃあ、来年はボクもあげよう」
P「ありがとうございます!」
飛鳥「まだあげてないからまだあげてないから」
P「ちひろさーん! 俺もとうとうモテ期突入っぽいですー!」
P「……本当にくれるの?」
飛鳥「う、うん。 い、いちおう、感謝の気持ちとかあるからね」
P「感謝だなんてそんなそんな」
飛鳥「……それまでに見捨てたりしないでくれよ?」
P「もちろん、お前が自主的にやめるまで、ずっと担当させてもらうぞ」
飛鳥「……ス、スパシーバ」
P「アーニャがよく言ってくるロシア語だな。 あれ、どんな意味だっけ」
飛鳥「よろしくね、って意味だよ」
P「そんな意味だったんだな。 アーニャの期待にも答えてやらないと」
飛鳥「無理はしないようにね」
P「おう」
P「そういや、ふとお前の服装見て思ったんだけどさ」
飛鳥「うん? 急になんだい?」
P「お前の服装ってロックだよね」
飛鳥「そうかな? ロックって何?」
ガチャ
聖「こんばんは……」
飛鳥「こんばんは」
P「こんばんは、聖。 ……そうだ、聖ならロック知ってるんじゃないか?」
聖「ごめんなさい……ロックはあまり……」
飛鳥「確かに望月さんはロックと無縁そうだね」
P「ロック、ロックってなんだ?」
聖「ロック……そういえば、あまり考えたことがありませんでした……なんでしょうか……ロックって……」
飛鳥「ロックかぁ。 詳しく知ってそうなのは木村夏樹さんかもね」
P「あっ……あれ、でも服装は決して似ていないような」
飛鳥「じゃあボクはロックじゃない、ってことだね」
P「それもそうか。 ロックだったらクールというよりパッションだしな」
飛鳥「さっきも言ったけど、ボクはパッションになる気ないからね」
飛鳥「クールにいくさ。 そう、あの空へ羽ばたく鳥のように」
聖「ごめんなさい……プロデューサー……お力になれなくて……」
P「気にしなくていいよ。 一緒に考えてくれてありがとな」
P「そうだ。 別室にこたつ置いてるけど、そこで話でもするか?」
聖「……はい……」
飛鳥「ちょっと待って」
P「どうした?」
飛鳥「ボクの時は一緒にこたつ入ろうなんて」
P「だってアスカのイメージに合わないじゃん」
飛鳥「……」
P「アスカとこたつとか相性悪そうじゃん?」
飛鳥「そう決めつけないでおくれよ」
P「あー、こたつ幸せ」
飛鳥「だねー」
聖「ですねー……」
飛鳥「あ、この部屋テレビもあるんだ」
P「掃除してたら見つけたんだよ。 どうしてこんなところにあるんだろうな、見れるぞこれ」
聖「……?」
飛鳥「買ったけど事務所にはいらなかった、ってことかな?」
P「そうかもな。 あとはみかんさえあれば完璧だなぁ」
奈緒「……」
P「そういや聖。 聖は今年、どうだった?」
聖「今年……ですか?」
P「ああ、今年、お前は楽しめたかな?」
聖「はい……プロデューサーさんには感謝してます……」
聖「プロデューサーさんは…私に光を当ててくれた人……」
聖「そして、これからも……って言って、いいですよね…?」
P「おう、これからもよろしくな」
飛鳥「ふふっ、君も14歳になったらボクみたくなるかもね」
聖「……?」
P「それはまじで勘弁してください」
飛鳥「どういう意味かな」
P「キャラ被ったりしたらお互い潰し合っちゃうだろ」
飛鳥「それもそっか」
P「アスカって、自分が少し変わってる自覚はあるんだよな」
飛鳥「いわゆる中二なんでね」
飛鳥「でもキミは他の14歳を知っている。 そんなにキミの知る14歳と比べてボクは変わっているかい?」
P「うん、変わってる」
飛鳥「そ、そっか」
P「でも、アスカはアスカのままでいればいいさ」
聖「二宮さん……プロデューサーさんの言うとおりだと思います……」
飛鳥「ボクはボクのまま、か」
P「俺はそんなアスカが好きだしな」
飛鳥「……勘違いしちゃうよ?」
P「勘違いしてみろよ」
飛鳥「ふふ」
聖「二宮さんは…どうでした……?」
飛鳥「今年一年?」
聖「はい……」
飛鳥「ここにきてから、ボクの人生は一変したよ」
飛鳥「日々驚きの連続さ。 楽しくて、本当に楽しくて」
飛鳥「アイドルになってからが印象的すぎて、他はあまり語れないな」
飛鳥「それぐらい今は濃いよ。 幸せでもある」
飛鳥「これからもよろしくね。 望月さん」
聖「……はい」
P「お、俺には?」
飛鳥「キミにはもう言っただろう?」
P「でも、でも」
飛鳥「──あっ、言ってなかったや」
飛鳥「……これからもよろしくね。 プロデューサー」
P「うっひょー!」
P「年末にアイドルとこうやってこたつぬくぬくできる日が来るとはな」
聖「幸せ……ですね……」
P「だなぁ」
<ソウサ、カナシミヲヤサシサニー ジブンラシサヲチカラニー マヨイナガラデモイイー
P「おっ、電話だ」
アーニャ『アロー……もしもし、プロデューサーですか?』
P「おう、お前の愛しのプロデューサーだ」
アーニャ『今事務所って空いてますか?』
P「空いてるぞー」
アーニャ『お邪魔しても……』
P「むしろ来てください」
アーニャ『ダー……今すぐ向かいます』
飛鳥「誰からだったんだい?」
P「彼女から」
聖「!?」
飛鳥「彼女?」
P「実は俺、彼女できたんだ」
聖「!!?」
飛鳥「キミに彼女なんていたのかい!?」
P「うそ、ですっ!」
P「痛いっ! 痛いっ! やめて! 二人とも足蹴らないで!」
P「あひょっ!」
P「聖! 無理に身体いれてまで蹴らなくていいから! いいから!」
P「アーニャからだよ。 アーニャ、うちの可愛いアーニャ。 マイエンジェルアーニャ」
飛鳥「プロデューサーはアーニャのこと好きだよね」
P「そりゃアーニャが一番ストライクゾーンに近いからな」
P「アーニャにいつかフリフリな衣装を着せて星間飛行歌わせたいな」
聖「星間飛行……どんな歌なんですか……?」
P「憎らしくて手の甲に爪を立ててみる~♪」
P「キラッ☆」
聖「……憎らしくて~手の甲に爪を立ててみる~♪」
聖「キラッ…☆」
P「結婚してください」
飛鳥「憎らしくて、手の甲に爪を立ててみる」
P「痛い! 痛いからアスカ! 爪立てないで!」
P「もう、すぐに暴力振るうとかだめだぞ」
飛鳥「思春期の14歳は大体こんな感じだよ」
P「何それ怖い」
飛鳥「ほ、本当に痛かった?」
P「いや、まったく。 手加減してくれてるのぐらいはわかったぞ」
飛鳥「よかった」
P「ところで聖、さっきの返答は?」
聖「……?」
P「結婚してください」
飛鳥「っ!!」げしげし
P「あふぅんっ! 痛いからぁっ♪」
聖「冗談はだめ…ですよ?」
P「はぁいっ♪」
P「あー、気持ち良かった」
飛鳥「はぁ…」
P「お前はやっぱりSだな」
飛鳥「そ、そうかい?」
P「とってもSです」
飛鳥「ふふっ、よかった」
飛鳥(スペシャル、なんて嬉しいこと言ってくれるなぁ)
聖「……?」
ガチャ
アーニャ「ドーブルイヴィエーチル」
P「ごめん、もう一回言って」
アーニャ「あ……こんばんは、です。 プロデューサー」
P「こんばんは」
飛鳥「プロデューサーの天使さんのお出ましってわけかな」
アーニャ「……?」
アーニャ「こんばんは……アスカ、望月さん」
聖「こんばんは……」
飛鳥「こんばんは」
アーニャ「アスカ、機嫌悪い……?」
飛鳥「別に悪くないよ」
聖「二宮さんは……拗ねてる……?」
飛鳥「そ、そんなことはないよ! どこに拗ねろっていうのさ!」
聖「プロデューサーが……アーニャさんが来てにやけているところ……?」
P「にゃ、にやけてないぞ! ただ、可愛いから、可愛いから!」
飛鳥「……」
アーニャ「スパシーバ…プロデューサー」
P「よろしくされました!?」
P「ど、どうしよ! ゴム持ってきてないぞー!」
アーニャ「……?」
飛鳥「……?」
聖「……?」
P(軽い下ネタを冗談で言ったら誰も理解してくれなかったでござる)
P(仕方ないか。 年齢が年齢だし)
飛鳥「ゴムがいるなら貸すよ?」
P「まじで!?」
飛鳥「はい」つヘアゴム
P「ですよねー」
飛鳥「これじゃないのかな?」
P「あー、えー、ゴムというのはな」
ガチャ
P「ひぃっ」ビクゥ!
奈緒「──よう」
奈緒「な、なんだよ。 その反応」
P「なんだ、奈緒か」
奈緒「なんだよ! その反応!」
聖「こんばんは……」
アーニャ「こんばんは…です。 奈緒さん」
飛鳥「こんばんは」
奈緒「おう、こんばんは」
聖「……神谷さん、それ。 箱?」
奈緒「ん? ああ、みかんだ」
奈緒「ぐ、偶然スーパーで安売りしてるの見つけてな」
P「ナイスだ奈緒。 略してナオスだ。 ウルトラマンナオスとかどうだ。 さあこたつへ入ってこい!」
奈緒「いじられてるのはいやでもわかる。 服はどこにかければいい?」
P「俺に」
奈緒「わかった」
バサッ
P「まじでかける奴がいるかよ!」クンカクンカ
P「ってびしょびしょだなおい!」
奈緒「ああ、そりゃあ……走ったし」
P「さて、奈緒はどこに入る?」
奈緒「そんな、俺のところへ来い、みたいなポーズされても」
アーニャ「奈緒さん…代わりましょうか?」
奈緒「そしたらお前の入る場所が」
アーニャ「ニ ヴァルヌーィスィヤ……あー、心配しないでください」
P「……!!」
奈緒「そこ、こっちへ来いポーズする相手をアーニャに移さない」
アーニャ「私は、アスカの隣にいくから……いい? アスカ」
飛鳥「別にいいけど」
アーニャ「スパシーバ」
飛鳥「どういたしまして」
聖「こうしてみると……姉妹みたいですね……」
アーニャ「…?」
飛鳥「……?」
奈緒「ほんとだな」
P「今度二人セットでやってみるか」
アーニャ「いい案です……やってみたい」
アーニャ「アスカ、どう?」
飛鳥「うん、ボクがもっと有名になったらね」
飛鳥「謙遜とかはしなくでくれよ。 堂々としてもらったほうが、燃えてくるから」
飛鳥「ボクはいずれ、アーニャ…キミに追いついてみせるよ」
奈緒「おー、言ったなー」
飛鳥「奈緒さんにだって追いついてみせるよ」
奈緒「言ったなー。 ってあたしもCDとかまだだけど」
P「なぁに、奈緒は近いうちにCD化するさ」
聖「じー……」
飛鳥「もちろん、望月さんにもさ。 ここに……ううん、このプロダクションのみんなに追いついてみせる」
飛鳥「ちゃんと一番を狙わせてもらうよ」
飛鳥「いつかは君たちと同じ高みへ行ってみせる」
P「──そうだ。 テレビつけてなかったな」ポチッ
蘭子『太陽は闇に呑まれた!(みなさん、こんばんは!)』
P「蘭子ちゃぁぁぁんっ!! 君が一番だよぉぉぉっ!」
飛鳥「……」
聖「……」
アーニャ「……」
奈緒「……」
P「えっ、何」
P「あ、他のプロダクションの子だから言うなとかそんな感じ?」
奈緒「それ以前の問題だろ…。 チャンネル変えるぞ」
『では次! 高垣楓さんのこいかぜです!』
P「おおっ! 楓さんだ!」
飛鳥「今日仕事だったんだ」
聖「どうりで……」
アーニャ「すごい……ですね」
P「こいかぜ、いい曲だよな」
聖「私もそう思います……」
アーニャ「本当に、すごいしか出ないよ」
奈緒「アーニャもCD出してるだろ?」
アーニャ「ダー…一応出てますが、楓さんにはやっぱり敵わない……です」
飛鳥「こういうのは、優劣とかあまり関係ないと思うよ?」
アーニャ「でも……楓さんより巧くないから……」
飛鳥「少なくとも、巧さじゃボクの心は揺さぶれない」
飛鳥「そうだ。 アーニャの歌、今ここで聞かせてくれないかな?」
飛鳥「巧く歌うんじゃなくて、心をこめて歌ってほしい」
P「……」
アーニャ「……」
奈緒「いいな、それ。 あたしも聞きたい」
聖「私も……聞きたい、です……」
奈緒「プロデューサー、楓さんの曲が終わったらテレビ消してくれ」
P「えー」
奈緒「消せ」
P「はい」
奈緒「終わったな」プチッ
飛鳥「カラオケ音源は持ってるから、任せて」
飛鳥「歌ってくれるかな? アーニャ」
アーニャ「……ダー」
アーニャ「巧く歌うんじゃなくて、心をこめて歌います」
アーニャ「世界でたった一人の大切なあなたたちに届くように」
・
・
・
アーニャ「2人を照らす小さな太陽」
アーニャ「Staring only you」
P「結婚してください」
アーニャ「にゃっ!?」
奈緒「下がれ」
P「はい」
飛鳥「ハラショー、アーニャ」
聖「ハラショー……です」
奈緒「ハラショーだよ、アーニャ」
P「ハ、ハラショー」
P(ハラショーってどういう意味だっけ)
P「そういえば、楓さんが出てたってことは今年も残り3時間強ってことか」
奈緒「もうそんな時間か」
P「家に送らなくていいのか?」
飛鳥「オフの日にわざわざここにくるってことはそういうことだよ」
聖「はい……」
アーニャ「ふふ」
P「ありがとう。 今年も寂しい年末じゃないんだね、俺! ありがとう、四人とも!」
<ススメオトメ ズットサキヘー ホラチャンスノホシガフッテクルー
P「もしもし」
P「こんばんは……はい? あ、今事務所ですけど」
P「──切られた」
奈緒「誰からだったんだ?」
P「彼女」
奈緒「彼女!?」
聖「!?」
アーニャ「っ!?」
飛鳥「いやいやいや」
奈緒「プ、プロデューサーって彼女いたのか!?」
P「冗談だよ」
飛鳥「やっぱり」
聖「……っ!」
P「おっと、こたつから出てしまえばどうということはなうおっ!」
P「おい、みかん投げてくっぁっ!」
P「──く、食いものを粗末にすんじゃねぇ!」
奈緒「そうか」ピタッ
奈緒「食うかい?」
P「ごめんなさい。 胸倉掴んで食わせようとしないで」
飛鳥「で、誰だったんだい?」
P「一緒に俺と過ごしてくれるアイドルが一人増える、とだけ」
飛鳥「あー、爪の子?」
P「あいつは親愛度が足りなかった」
奈緒「成宮か」
P「あいつも親愛度が足りなかった」
聖「金髪の人?」
P「とくに親愛度が足りなかった」
飛鳥「親愛度って何さ」
P「つまり、あんまり仲良しじゃないってことだよ」
P「あと、成宮とかは家族と過ごしたいだろ。 多分」
飛鳥「そういうものかな?」
P「そういうもんさ。 聖は帰らなくて大丈夫なのか?」
聖「……いけず……です」
P「わりわりぃ」
P「ところでこたつに一つ空きが欲しくなったわけだが」
飛鳥「それは急ぐことなのかい?」
P「うん、すぐにこたつに入りこむだろうから」
奈緒「子どもかよ」
聖「……神谷さん…隣いいですか……?」
奈緒「おう」
P「俺の隣に行くという選択肢はないんですか!?」
奈緒「ない」
アーニャ「プロデューサー……」
飛鳥「アーニャ、仕方ないよ。 この人浮気者だから」
P「みんなを平等に愛しているだけだと!」
奈緒「ありがちな言い訳すぎて突っ込みづらい」
P「はい」
P「俺に対して冷たいよなぁ、奈緒」
P「あー、でも奈緒が雨の日、傘持って待っててくれる姿は惚れそうだった」
奈緒「その話はだめっ!」
飛鳥「ちょっとその話詳しく聞きたいな、ボク」
P「そのまんまだよ。 雨の日、結構な頻度で傘持ってきてくれるんだ」
P「オフの日に来てくれた時あったぞ」
奈緒「だ、だって。 プロデューサーが」
奈緒「毎日傘差さずに移動してるし」
P「車だしな。 それに、雨に濡れるのは嫌いじゃないから!」
P「むしろ快感!? もう滝に打たれたいっすよ!」
奈緒「そういうロックなところどうにかしろよ!」
P「俺が、俺がロックか!」
アーニャ「ロック…?」
飛鳥「多分二人とも意味よくわかってないから気にしなくていいよ」
奈緒「確かにあたしはあんまりロックとか聞かないかな。 聞いててもロックと気づいてない」
P「ごきげんよう、どうかしたんだろ?」
奈緒「……っ!?」
P「顔を見れば一瞬でわかるよー。 千里眼千里眼? めっそうないです」
奈緒「オ、オリオンをなぞる?」
P「そうだよ。 奈緒が見てたアニメで流れてなかったっけ」
奈緒「流れてたけど」
P「前にカラオケ行った時、お前歌ってたよな」
奈緒「歌ってたけど」
P「これってロックじゃないのか?」
奈緒「……さあ?」
P「ロック、ロックってなんだ?」
アーニャ「……?」
P「振り向かないことかもしれない」
P「お前ら、ロックだぜ」
P「ふふ、ロックな話をしていると、岩(ろっく)になっちゃいますよ」
奈緒「……」
聖「高垣さんの……真似ですか……?」
P「おうよ。 まだここにはいないからな」
飛鳥「とても、寒くなってきたね」
奈緒「こたつの温度あげてくれ」
アーニャ「パニャートナ」
P「お前ら酷くね?」
飛鳥「プロデューサーだから寒いんだよ」
奈緒「やっぱり楓さんじゃないとな」
ガチャ
留美「こんばんは。 これは、皆さんお揃いみたいね」
P「話をすれば、ってか」
楓「こんばんは。 私たちが寒い中仕事していたのに、皆さん、おこたでぬくぬくしてる…もうおーこったーぞ。 ふふっ」
留美「さっそくはいっちゃったわね」
楓「ねーこはこたつで丸くなるー。 にゃんっ」
P「すみません。 色々と任せちゃって」
留美「提案したのは私からよ? プロデューサー君が気にすることじゃないわ」
留美「今日ぐらいはしっかり休んでちょうだい」
P「はぁい」
アーニャ「ハラショー。 素晴らしかったです、楓さん」
飛鳥「楓さん、歌すごかったですよ」
聖「ほんと……綺麗でした……」
奈緒「流石でしたね。 楓さん」
楓「ありがとうございます。 皆さん」
楓「プロデューサーは、どうでしたか?」
P「えっ? ああ、蘭子可愛かったですね」
楓「……」プイッ
奈緒「いーけないんだいけないんだー」
楓「せーんせいに言ってやろー」
P「小学生かお前ら。 ってか先生って誰だ」
奈緒「……和久井さん?」
P「楓さんの隣にいるじゃねぇか。 言うまでもねぇ」
留美「あー、そうね。 先生は激おこぷんぷん丸よ」
P「無理しないで和久井さん」
留美「……」
P「ひゃうぅ!」
留美「それはどういう意味かな? プロデューサー君」
P「やめて和久井さん、まだ冷たい手を顔に当てないでぇっ」
楓「ふふ。 ひえひえな手を当てられて、ひえー」
P「9点」
楓「えへへ」
P「100点満点中ね」
楓「みかんがみっかんない……」
P「だらだらと過ごしてましたからね。 在庫切れです」
奈緒「また買ってこようか?」
聖「……」
留美「望月ちゃん大丈夫? 眠いなら寝ても」
聖「だいじょうぶ……です……」
飛鳥「今年も約二時間かぁ」
アーニャ「早いもの…です」
P「まったくだ。 やり残したことは……」
<タタズム コトモ ソシテ フリカエルコトモナク
P「はぁ」プツッ
奈緒「出なくてよかったのか?」
P「今日ぐらい仕事のことは忘れようと思ってな」
留美「ふふっ、休みの日でも仕事を考えられるぐらい優秀だったら素敵でしょうに」
P「才色兼備いいけれど、三日月も綺麗だと思わないか?」
留美「……確かにそうね。 三日月も、綺麗よね」
留美「ああ、さっきのは冗談よ? 今のままで十分助かってるわ」
P「ならなんであんなこと言ったんですかぁ」
飛鳥(少し拗ねてる…)
留美「少し虐めたくて」
楓「和久井さんのいじめでわくわくしました?」
P「するかぁ! ちょっと心当たりあってずきっときましたよ!」
留美「あら、ごめんなさい」
アーニャ「心当たり…あるの? プロデューサー」
P「ああ、お前らがいない時に蘭子の写真集とか見てたり」
アーニャ「……」ジトー
奈緒「……」
P「……を、見てアーニャの参考にしたり! ほら、色々と雰囲気とか似てるし」
聖「アナスタシアさんは……光……だと思います……」
奈緒「神崎さんは闇だから、言い訳にしか聞こえないぞ。 プロデューサー」
P「……」
アーニャ「プロデューサー」
P「は、はいっ!」
アーニャ「パスマトリー・ナミニャー」
P「……?」
アーニャ「知らなくて、いいよ……?」
P「な、なぁ、奈緒。 これって闇に飲まれよ的な?」
奈緒「知るかよ」
留美「……」
聖「楓さん……足、くすぐったいです……」
楓「くすりくすり」スリスリ
奈緒「そういや、プロデューサー」
P「なんですか」
奈緒「プロデューサーの去年の年末ってどんなんだったんだ?」
P「俺の年末?」
アーニャ「少し…気になる」
飛鳥「ボクも聞きそびれてたなぁ」
聖「期待しても……いいですか……?」
留美「それは確かに気になるわね。 誰と過ごしたの?」
P「誰と、って」
楓「私と出会ったのも今年に入ってからでした、よね?」
P「はい。 2月の下旬だったと思います」
奈緒「あたしは春だっけか」
P「そうそう」
アーニャ「私は今年の……」
P「夏ごろ、だよな」
アーニャ「ダー」
聖「私は……冬」
留美「私も冬になってからね」
P「ええ、まだ入って浅いのに一緒に年末過ごせて嬉しいです」
奈緒「去年の年末は誰がいたんだよ」
P「去年の年末か」
P「……うーん、アイドルは傍にいなかったかな」
奈緒「──ごめん」
P「まずプロデューサーやってなかったぞ」
奈緒「まじかよ!」
P「俺、今年に入ってからプロデューサー始めたんだよ」
楓「そういえば出会った時、そんなこと聞きましたね」
P「あ、でもプロデューサーの話を持ちかけられたのは去年の年末だよ」
P「まだアイドルとか蘭子ちゃん以外さっぱりだったし、誘いだけだったから保留にしてたけど」
飛鳥「……プロデューサーは、何をきっかけに外の世界へ辿りついたのかな」
P「きっかけか」
アーニャ「……」ジトー
聖「……」ジトー
P「ど、どうした?」
楓「プロデューサーになったきっかけ、二人ともきにかけてる。 ふふ」
留美「そういえば、楓さんはプロデューサー君になれてるわね」
奈緒「さっきも引きずったりしなかった」
楓「付き合い長いですからね。 和久井さんの言う通り、なれてます。 えへん」
飛鳥「なんか羨ましいよ。 友達とかそういうのじゃなくて、本当の意味で特別って感じがして」
楓「飛鳥さんもそのうちそうなりますよー」
飛鳥「なれるかな?」
アーニャ「ニ ヴァルヌーィスィヤ……あー、心配しないで」
飛鳥「……」
P「そう言われると逆に心配しそうなアスカちゃん」
<ショギョウムジョウ タエマナク ナガレルホシノファインダー
<イライエイゴウ カワラナイ ソレジャツマラナイヨネ
奈緒「おーい、携帯鳴ってるぞー」
P「ああ、これも出なくていいのだよ」
楓「でんわにでんわー」
留美「はいはい」
飛鳥「……」クスッ
アーニャ「……」クスッ
P「受けた、だと」
P「そんなこんなしてたらあと一時間切ったわけだが」
奈緒「みかん買ってくるよ」
アーニャ「ナルマーリナ……あー、大丈夫です」
聖「……すぅ……すぅ」
留美「望月ちゃん、寝ちゃったじゃない」
P「あー、どうしましょうか。 一応親御さんの許可は取ってると聞いたんですけど」
飛鳥「このままでいいと思うにょ。 できれば、鐘を鳴らす少し前に起こしてあげればいいにょ」
飛鳥「この年頃の女の子が年末にこんなところにいるって、大体理由は想像できるからにょ」
楓「私たちもきっと同じですねー」
留美「……そうね。 じゃあ、15分ぐらい前になるまで寝かせておきましょう」
奈緒「なあ、プロデューサー」
P「どうした顔真っ赤だぞ、奈緒」
奈緒「ロック属性手にいれたら、CD化するかな」
P「急に何言い出すんですかこの子は……」
留美「あら、奈緒ちゃんはCD化したいの?」
奈緒「はい。 だって」
P「凛に負けたくない、ってか?」
奈緒「そのとーりだよプロデューサー。 ライバルでもあるんだからさ」
P「それで、なぜロックに?」
奈緒「今のあたし、ロック属性皆無だから……ロック属性手にいれたらなれるかなって」
P「ロックとCD化は関係ないぞ」
奈緒「どうしてそう言い切れる!」
P「楓さんとアーニャにロック属性がないからだ!」
P「それとも奈緒は情熱的なキャラになりたいのか! ロックといえばパッションだぞ!」
ガチャ
涼「こんばんは……おー、みんなお揃い?」
P「前言撤回させてもらおう!」
楓「ロ(ノ)ックしてくださーい」
涼「あれ、したつもりだったんだけど……ごめんなさい」
P「楓さん、この子には多分あまり効果ないから」
飛鳥「ふふふっ」
飛鳥「ねー、P」
P「なんだ」
飛鳥「隣にいってもいいぃ?」
P「……」
アーニャ「わお…」
P「ごめん、俺の隣は涼専用なんだ」
涼「いかないけど」
飛鳥「だってぇ……なら、いいよね?」
飛鳥「大丈夫だよ。 Pは14歳なボクにえっちなことしないもんね」
留美「……」
P「何もしてませんよ!?」
飛鳥「フフ」
涼「……アスカってこんなキャラだったの?」
留美「いいえ、考えられる可能性はただ一つ」
飛鳥「Pー、Pー」
P「やめて、近いから! 近いから!」
奈緒「ぷろでゅぅさぁ、あたしもいい?」
P「奈緒はだめ! 絶対ダメ! なんかエロいからだめぇぇぇっ!!」
奈緒「いいじゃんか、けちぃ」
P「誰だ、こいつらにお酒飲ませた高垣はァッ!」
聖「……はいっ!?」
留美「こら、望月ちゃん起きちゃったじゃない」
涼「そうだ、アタシが来るまで何してたんだ?」
アーニャ「何を……ですか? ンー……プロデューサーのプロデューサー歴を探ったりしてました」
涼「プロデューサーの?」
アーニャ「ダー。 初めて担当したアイドルなどなど」
留美「プロデューサーくんは今年からプロデューサー始めたらしいわ」
涼「ええ!?」
留美「あなたも知らなかったのね」
涼「もっと前からやってると思ってた…」
奈緒「ぷろでゅぅさぁ」
飛鳥「Pー…」
P「なんだかんだでこの状態で10分経過しましたけどぉ!? 今年も残り30分だよ!」
楓「むー」ムスッ
留美「あーあ、不機嫌になっちゃってるわね」
P「あんたが作った状況だろ! 高垣ぃっ!」
アーニャ「このまま年末……?」
P「アーニャなら大歓迎ですよ」
聖「……モテモテ……ですね」
P「聖でも大歓迎」
留美「……」
P「ああ、だめ」
留美「まだ何も言ってないわよ」
涼「……」
アーニャ「松永さん、どうかしましたか?」
P「もうこんな時間だし携帯とにらめっこはやめておこうぜ!」
涼「……いや、別にそういうんじゃ」
涼「そうだ。 プロデューサーの初めてのアイドルって誰なんだ?」
P「俺の初めてのアイドル?」
涼「うん、聞いてほしいって頼まれてさ」
P「誰に?」
涼「誰でもいくない?」
楓「……」
P「ああ、楓さんなら知ってるぞ。 ってか楓さん以外知らなかったとは意外だ」
涼「少し気になるよ…」
P「そっか、なら教えてやろう」
飛鳥「P」ギュゥ
P「その前にトイレ行きたいんだけど」
留美「我慢しなさい」
P「……それは去年の年末の話だ」
P「アイドルのではないけれど、参考にでもなればと社長にとある年越しライブのチケットを渡されたんだよ」
P「まぁ独り身で就職先決めれてなかったからな。 暇だったし見に行ったんだが」
P「そこで出会ったんだ。 彼女にな」
P「俺がプロデューサーを少しでもしたいと思ったのは当時、知名度が上がっていた神崎蘭子の存在だ」
P「ぐすっ」
留美「ハンカチいる?」
P「あ、ありがとうございます」
楓「……」
涼「な、泣くほどのことなの?」
P「ああ、思い出すと泣けてくる。 涙が、止まらない」
涼「──ひょっとして、そのアイドルって」
李衣菜「こんばんはー!」
ガチャァ!
李衣菜「ライブ終わりましたー! って皆さん勢ぞろいで!?」
アーニャ「ドーブルイヴィエーチル、リーナ」
李衣菜「ドーブリュイヴィエーチゅ! ……こ、こんばんは、アーニャちゃん」
P「無理に言おうとして噛むなよ」
李衣菜「無理してませんー!」
涼「遅かったね、李衣菜」
李衣菜「遅くなるってPさんに連絡したんだけどなー!」
P「かかってきたが出なかった」
涼「……」
李衣菜「ひっどーい!」
だりーな!だりーなきた!
留美「とりあえず炬燵に入ったらどう?」
楓「ふふふっ。 李衣菜ちゃん、すわりぃな」
涼「こっちくる?」
李衣菜「ううん、大丈夫。 ね? Pさん」
P「あ、あの、李衣菜さん? 俺の隣は生憎満席でして」
李衣菜「ならPさんに座りますね!」
P「はあ!? ちょ、まって、あんっ」
李衣菜「はぁ……あったかい」ムフー
P「李衣菜さん、ちょっとそれはまずい」
李衣菜「気にしてないから大丈夫ですよ」
P「そういう意味じゃなくて……」
李衣菜「プロデューサーさん座布団、硬いですね!」
留美「……」
P「生理現象です」
聖「……李衣菜……さん?」
李衣菜「こんばんは、聖ちゃん。 よく寝れた?」
聖「はい……とてもよく寝れました」
李衣菜「あと10分で2014ですよー!」
奈緒「そ、そうだな」
P「あれ、奈緒ちん正気に戻ったの?」
奈緒「……忘れろぉっ!」
奈緒「ってかなんで、李衣菜がプロデューサーに座ってんだよ!」
アーニャ「プロデューサーは……リーナに悪いことしましたから」
楓「李衣菜さんにあやまりいな」
李衣菜「そーですよー」
P「やめて、身体揺らさないで」
飛鳥「Pー♪」
P「アスカ、正気に……戻ってないようだな」
李衣菜「はぅぁ!? ア、アスカちゃん……Pさんの腕にしがみついて……かなりロック」
P「嬉しいけど辛いよ!」
奈緒「……」
涼「うん、してた」
奈緒「ま、まだ何も言ってませんよ!」
涼「大体わかっちゃうじゃん? この流れだとさ」
李衣菜「そりゃ、もうすごかったよ」
李衣菜「胸とかそりゃもうしっかりとPさんの腕包んでたからね!」
奈緒「聞こえないぃぃぃっ!!」
聖「……んっ」モゾモゾ
奈緒「どうしたんだよ、聖。 しがみついてきて」
聖「……二宮さんの真似……してみたら温かいかなぁと……」
楓「んー」
P「ほらそこ、無理に洒落を思い浮かべようとしない」
楓「今年も終わるのに洒落が思い浮かばないなんて……」
楓「──しゃれにならん♪」
アーニャ「……」
P「流石のアーニャも笑わない」
楓「……ぷいっ」
留美「そんなこんなでもう数分か」
P「そうですね。 もう2013年も終わりになります」
P「だから言わせてください。 皆さん、今年は本当にありがとうございました」
P「来年もお願いしますね」
飛鳥「……フフッ」ギュゥ
聖「……はい……」
アーニャ「ダー」
奈緒「おう」
楓「どういたしまして」
留美「こちらこそ」
涼「うん」
李衣菜「──もう一分ですよー! みなさーんっ!」
P「こいつぅ」
聖「……じゅー」
涼「きゅぅ」
楓「はーち♪」
奈緒「な、なな?」ウッサミーン
留美「ろく」
アーニャ「ごー」
P「よーん!」
李衣菜「さーん!」
飛鳥「にぃ?」ホッペツネラレ
李衣菜「えっ、わた!?」ユビササレ
李衣菜「い、いちーっ!」
李衣菜「ハ、ハッピー! ニューイヤー!」
P「みなさん、あけましておめでとうございます!」
楓「あけまして、おめでとうございますっ♪」
留美「あけましておめでとう」
涼「あけまして、おめでとう」
アーニャ「ス・ノーボム・ゴーダム」
奈緒「あけましておめでとう、だな」
聖「あけまして……おめでとうございます……」
李衣菜「うっひょー! 2014年の始まりだーっ! うっひょー!」
アーニャ「ウッヒョー」
飛鳥「……すぅすぅ」
・ ・ ・
飛鳥「──ん」
聖「……んん」
奈緒「すぅ……すぅ……」
飛鳥「おや、寝ちゃってたみたいだ。 惜しいことをしたかな」
飛鳥「……でも、記憶にはちゃんとある。 みんな、あけましておめでとうって言ってて」
飛鳥「はたして夢だったのか。 ううん、違うね。 彼女たちはここにいる」
飛鳥「確かに、ボクはみんなと祝ったんだろう。 新しい始まりを」
楓「すぅ…すぅ…」
飛鳥「少し、外の空気でも吸ってこよう」
事務所の外
李衣菜「みんな、寝ちゃいましたね」
P「ああ、そうだな」
李衣菜「改めまして、新年あけましておめでとうございます。 プロデューサー」
P「ああ、おめでとう。 リーナ」
李衣菜「覚えてますか? 一年前」
P「覚えてるさ。 俺が初めて、お前と出会った日だもんな」ナデナデ
李衣菜「あう…」
P「あの年末の年越しライブで、お前に出会ったんだ。 いきなり見知らぬ少女に話しかけられた時は驚いたけどな」
李衣菜「すみません、あの時テンションあがってて」
P「それがなきゃ今はない。 感謝してるぐらいだって」
李衣菜「そうですか?」
『いやぁPさん、最高の年越しLIVEで最高の瞬間を過ごせましたね! 話しかけてよかったですよね! さすがは私ですっ!』
P「あんときは、どこぞのスカイダイバーを思い出したけど」
P「今じゃ……」
李衣菜「あ、去年はもう最高じゃありませんよ」
李衣菜「ライブじゃなくても、みんなと一緒に過ごせた今回が今の私にとって最高の年越しです」
P「誘ってよかったですよね! さすがは私ですっ!」ドヤァ
李衣菜「はい。 ありがとうございます、Pさん!」
P「……ちょっと純粋だよな、お前。 ロックだよ」
李衣菜「さすが、気づきましたか! ロックなアイドルですので!」
李衣菜「──Pさん、今年もしっかりついてきてよね?」
P「ああ、約束する」
李衣菜「約束、ですからね」
李衣菜「これからもロックなアイドル、多田李衣菜を……一生、プロデュースしてくださいね! Pさん!」ギュゥ
P「みんな、一緒にな?」
李衣菜「もちろん、みんな一緒にですっ♪」
李衣菜「途中で投げ出したりなんてしたら、私のソウルが許さないんだからっ!」
P「……だそうだ」
飛鳥「──ばれてたんだ」
李衣菜「ア、アスカちゃん!?」
P「あ、これ別にやましい気持ちがあったわけじゃないからね?」
飛鳥「それはわかるよ」
飛鳥「P」
P「ん?」
飛鳥「ボクはまだ入ってから日が浅いけど、キミはボクも連れてってくれるかい?」
飛鳥「彼女のいる、高み。 もしくはそれよりもずっと高いところへ」
飛鳥「改めて、彼女たちを見て思ったんだ」
飛鳥「……教えてほしいな」
飛鳥「ボクにも、新しい世界」
飛鳥「見せてくれるかい?」
P「──まっかせなさーい」
P「俺が絶対、お前たちをトップにするから」
P「ついてこいよ。 リーナ、アスカ」
飛鳥「ありがとう」ギュゥ
P「アスカ?」
李衣菜「ア、アスカちゃん!?」
飛鳥「よろしくね」チュゥ
李衣菜「ウヒョッ!? ほ、ほっぺにちゅーって……」
飛鳥「す、するの、は、はじめてだよ?」
P「何をするんですかぁ!」
飛鳥「そうしたい、それだけさ」
李衣菜「な、なら私も! 私も!」チュゥ
飛鳥「これからも末長く頼むよ、P」
李衣菜「こ、これからもよろしくお願いしますね! Pさん」
P「お、お前ら……ロックだな」
P「──さあて、新年初めてのライブだ」
飛鳥「うん、新しい世界を開きにいこう」
李衣菜「みんなで、ね」
『次は、新春ロッカー2014のTwilight Skyです!』
P「ほーら、いってこい。 ロッカーたち。 ロックの意味がわからなくなってきたよ」
李衣菜「はい」
飛鳥「うん」
李衣菜「Pさん、この曲は……」
飛鳥「アイドルとしてはいけないと思うけど」
「あなたのために、向けて、歌いますからね」
完
乙
スレタイ見て全裸待機余裕でした
てす
初SSで叩かれるのが恥ずかしいなら書きためて連続投下して叩く暇をなくせばいいという結論に至った結果
後半とか雑になりすぎてみるのも耐えないものとなってしまいましたが、見てくださったかたありがとうございます
なんとか後半を手直しなしで投下した結果、おかげで李衣菜ちゃんと年越せました。やっぱり李衣菜ちゃんは最高ですけど飛鳥ちゃんが一番だと思います
感想も期待できない出来なのでとっととhtml依頼出してきます
あけましておめでとうございます
良かったよ
乙
かわいい
乙
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