女「うう、しかし寒いねえ」

男「なんでそんな薄着で」

女「家の中はあたかかったんだよ」

男「…そりゃ期待できますね」

女「うん」

男「コート、使ってください」

女「わるいねえ」

男「…雨、やみましたね」

女「ああ、ずいぶん長いこと降っていたね」

男「二日ですか」

女「うん」

男「冬に珍しいですね」

女「そうだねえ」

男「……」

女「雪…」

男「え？」

女「雪、降らなかったねえ」

男「ああ」

女「ニュースで言ってたのに…」

男「…楽しみだったんですね」

女「ああ」

男「……」

女「なんだよ」

男「いえ、別に」

女「いいじゃないか雪。綺麗だし、楽しいぞ」

男「電車が遅れます」

女「それもそうだ。困るね」

男「あなた電車乗らないでしょう」

女「ふふ、まあねえ」

男「まったく…」

女「…はい、お疲れ様。おかえりなさい」

男「ただいま、ですか」

女「うん、おかえりだ」

男「はあ」

女「ふふ」

多少降っても翌日凍結地獄と化す

男「あの」

女「ああ、風呂に入ってあったまれよ」

男「え、あ…じゃあ、お言葉に甘えて」

女「夕飯の仕上げしてるから、ゆっくりね」

男「ありがとうございます」

女「…ま、こんなもんか」

男「上がりましたー。いい湯でしたよ」

女「お、ちょうどよかった。これ運んでよ」

男「今日は鍋ですか」

女「冷えるからねえ」

男「いいですねえ」

女「酒は…お燗つけていいね？」

男「願ったりかなったりです」

女「じゃあ、残りは大丈夫だからこたつに浸かってて」

男「いいんですか？」

女「うん、まだ冷たいだろうから温めておいて」

男「はあ」

女「ふふ」

あれ、この人もしかして

毎回楽しみにしてます！

はよはよ

ほほ

ほ

あげ

はよはよ

保守

支援

ほ

女「おまたせ」

男「お腹空きました」

女「ふふ、わるかったね。こたつはぬくくなってるかい？」

男「ええ、そりゃ人肌に」

女「どれどれ。ん、いいね」

男「あ、注ぎましょう」

女「まま、一献」

男「すみません」

女「とと、うん」

男「はい」

女「お、わるいね」

男「……」

女「それじゃあ」

男「乾杯ですね」

女「かんぱーい」

男「……ふー」

女「んー、冬は燗だねえ」

男「ええ、まったく」

女「しみるわあ」

男「そうですねえ」

女「さあて、鍋だね」

男「白いですね」

女「雪がふらなかった腹いせにね」

男「雪鍋ですか」

女「みぞれ鍋だよ？」

男「おんなじようなもんでしょう」

女「うんうん」