・帰宅部活動記録のSS
・第55話の続き
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──翌日 部室──
花梨「喫茶店と雑貨屋さんのロケハンもせずに描かれてるので5点引いておきました!」ドン!
クレア「女子力に関わる事では厳しい花梨さんも可愛いわ♪」ナデナデ
桜 「さすが花梨先生、採点厳しいなー」アハハ
夏希「いやそれは牡丹センパイのせいじゃないでしょ! 原作批判と取られかねない発言は控えてもらえない!?」ガーン
牡丹「くっ……これが圧倒的な女子力の差がもたらした敗北だというのかっ……!」orz
桜 「というわけで、今日は牡丹ちゃんの吉祥寺デートの反省会を開催します!」
牡丹「ええー……でも別れ際の朱雀は結構喜んでたっぽかったし……終わったことはもういいんじゃないか?」ハァ
花梨「先輩、ここで終わったら成長はありませんよ! クリーム無しのパサ皮にカビが生えちゃいます!」
桜 「そんな牡丹ちゃんには……」
クレア「この言葉を贈らざるを得ないわね」
花梨「精神的に」【S!】
クレア「向上心の無い者は」【K!】
桜 「馬鹿だ!」【B!】
──牡丹 失格!──
夏希「3人がかりでSKB!?」
牡丹「」ガーン
桜 「じゃあ再現VTRを観ながら内容を検証していきましょう!」ドン
牡丹「何でVTRがあるんだ!?」
クレア「九重グループの提供よ♪」
花梨「クレア先輩さすがですぅ~」ホワァ
夏希「盗撮!? もう犯罪の域でしょこれ!! エ〇ュロンかよ!」
◇
奇跡の生還アザラシ「もう盗撮なんかしないよ」
◇
桜 「まずは7ページ目からね」
夏希「動画なのにページって……」
花梨「先輩! 何でいきなり告白から入ってるんですか!」
牡丹「いや、だって花梨が好きだって伝えろって言ったんじゃないか……そうだったろ?」クル
桜クレア夏希「……///」カァァ
桜 (牡丹ちゃんいきなりかましすぎだよ……///)
クレア(ドストレート過ぎるわ……///)
夏希(この人天然の女たらしだ……///)
牡丹「……?」
花梨「こういうセリフは、綺麗な夜景を見たりして気分が盛り上がった所で囁くように言うのが王道なんです!」
牡丹「タイミングが重要なのか……思ったより難しいんだな……」ポリポリ
花梨「いきなり言われて、朱雀さんもビックリしちゃってるじゃないですか!」
夏希(内容にはツッコミ無いのか……)
桜 「私はこーゆーのもアリだと思うけどな~///」ホエ
クレア「桜さんは直球派なのね」クス
クレア「次は服を褒める所ね」
夏希「うわぁ……これは……」
桜 「ま、まあ、牡丹ちゃんらしい言葉のチョイスでいいんじゃない?」アハハ…
クレア「甘やかしてはダメよ桜さん」
牡丹「むぅ……私なりに気を使って褒めたつもりだったんだが……何がいけなかったんだ?」ウデグミ
花梨「部室に置いてある箱はただの飾りじゃないんですから、褒め言葉ぐらい前もって勉強しといてください!」キッ
桜 「次はデートする場所だけど……さすがに未定なのはいけないな~」ヤレヤレ
夏希「”サ店に行くゼ”ってセリフもどうかと思いますけどね……昭和か!」ビシ
クレア「せっかく吉祥寺というオシャレスポットなのに考証もされていないのもどうかと思うわ」
夏希「そこはもう掘り返さないでくださいよ!」
花梨「……」ジトォォ
牡丹(あっぶねえ~よかったあメンタル鍛えてて本当良かったわあ……)
牡丹(一般人だったらこの総ツッコミで精神崩壊して死んでたわあ……)orz
花梨「デモ一番の原点は9ページ目です!」
夏希「アタシたちがdisられてますね……牡丹センパイにだけは一般人の感覚とずれてるとか言われたくないんですけど」
桜 「でもここのどこが問題なの?」
クレア「結構良い雰囲気のような気がするけれど……」
花梨「デートしてる時に、他の子の話を楽しそうにするなんてマナー違反ですよ! 基本です!」ビッ
牡丹「な、何だってーっ!?」ピシャーン!
クレア(人差し指立ててメッてする花梨さんも)【可愛い】スッ
牡丹「し、しかし……そう言われてもだな……」ユビモジモジ
桜 「なーにー、言い訳なんて牡丹ちゃんらしくないよ?」ニヤニヤ
牡丹「だが、私はこういう時どういう話をしたらいいのか、本当に良く分からなくてな……」
牡丹「楽しい事や面白い事を話そうと思うと、どうしても帰宅部の……おまえたちの話題になってしまうんだ」
牡丹「多分、おまえたちのことが好きすぎるのがいけないんだろうな……他の話題も話せるように視野を広げなくてはな」
牡丹「これも修行ということかな……人生の」キリッ
花梨桜クレア夏希「…………///」
牡丹「ん、急にみんなうつむいたりしてどうしたんだ?」キョトン
桜 「も、もぉぉ……何なの!?」カァッ!
牡丹「ど、どうした桜いきなり?」ビクッ
夏希(こ、この人はやっぱり危険だ……///)
クレア「ダメよ花梨さん、今の牡丹さんを見ては///」メカクシ
花梨「あうっ? ま、前が見えません~!」ジタバタ
夏希「ま、まあお揃いのキーホルダーを上げたのは好感度UPだったんじゃないですか?」
桜 「朱雀ちゃんも笑顔になってるし、良かったじゃん!」
クレア「ただ最後にレポート提出の件をバラしてしまったのはまずかったわね……」
花梨「その辺全部を踏まえると、今回のデートレポートは28点です! これじゃあ女子力検定5級も面接落ちですよ!」
夏希(5級なのに面接あるんだ……)
花梨「これじゃあ朱雀さんも今頃がっかりしちゃってますよもう!」
牡丹「す、すまん……」
──前日夜 朱雀自室──
朱雀「うきゃぁぁぁぁぁぁぁ///」マクラギュッ
朱雀「ふにゃぁぁぁぁぁぁぁ///」ゴロゴロー!
朱雀「ほ、ホントに、ほんっとうに、牡丹とで、デートしちゃったぁぁぁ///」
朱雀「おそろいのゆーふぁーのキーホルダー本人から貰っちゃったぁぁ/// しかも限定シルバーの!!」
朱雀「し、し、しかも……」
朱雀「あたしのこと、す、す、す……」
朱雀(好きだって言われた~~~~!!!)///
朱雀「もー、もー……///」
朱雀「もーもーもーもー!」
朱雀「何なの!!?? もう!! ///」
ゴロゴロゴロー! ドサッ!
桜 「ここはもうデートのやり直しをするしかないね! 失点を取り返すために!」ドンッ!
牡丹「そ、そこまでしなくてもいいんじゃないか? 朱雀にも都合があるだろうし……」
クレア「そんなにまたSKBされたいの?」
花梨「カビ皮から脱出する最後のチャンスなんですよ、牡丹先輩!」
夏希(アタシはどっちでもいいんだけど……めんどくさいなぁ)ハァ
花梨「まずはどこでデートするのか場所を決めないとですね~」
桜 「秩父とかどう?」
牡丹「何でいきなりそんな難易度高そうな所にするんだ」
クレア「2回目のデートが秘境探検っていうのはちょっとハードル高すぎないかしら?」
花梨「ゆ、幽霊が出そうだからやめましょう~」ブルブル
桜 「じゃ、じゃあ熊谷は!?」
牡丹「夏暑い以外に売りあるのか?」
夏希(たまに入る埼玉推し何なんだ・・・)ハァ
クレア「とりあえず目の前の飾りじゃない箱で検索してみましょう」カチャカチャ ッターン!
◇
超平和アザラシ「あの日見たアザラシの名前を僕たちはまだ知らない」
◇
夏希「ランキングで見ると、お台場、自由ヶ丘、六本木、代官山……」
花梨「定番のおしゃれスポットですね~」
桜 「埼玉県は川越すらもTOP10に入ってこない……」シクシク
牡丹「どこもあまり詳しくは知らないが、なんとなく今風のチャラチャラした印象の街ばかりだな、アベックがごちゃごちゃいそうというか……」ウデグミ
夏希「そこ否定したらダメだろー! ていうかアベックって……」
クレア「それなりに歴史があって雰囲気がよくてゴミゴミしていなくて秘境でない場所……もう一回検索かけてみるわ」ッターン
【横浜】
続きは!?
じゃあ書くわ
──翌週日曜日 元町・中華街駅前──
朱雀(先週の今日で早速二回目のお誘いって……)
朱雀(いったいどうなってんだよ……)ソワソワ
朱雀(牡丹が何考えてんのか全然わかんねー)
朱雀(思わずお泊りセット持ってきちゃったじゃんか……)
朱雀「って何でだよ! 必要無いって分かってんのにバカかあたしは!!///」カベドン!
──近くのコーヒー店──
桜 「うんうん、朱雀ちゃんもちゃんとスタンばってるね!」
夏希「ついでにテンパってるようにも見えますけど……」
花梨「楽しみなあまりに8時間も前に待ち合わせ場所に着いちゃってる朱雀さん、可愛いです……」ニコニコ
夏希「その時間じゃ始発も出てないよどうやって来たのあの人!? ……ていうか今更ですけど、何でアタシたちまで横浜に来てるんですか?」
桜 「女子力皆無な牡丹ちゃんに任せておくと、またデートが失敗に終わりかねないからね」
花梨「私たちが近くで見守りつつサポートしてあげないと!」グッ
夏希「馬車道で馬に蹴られそうな企画だな…… ていうか花梨以外はサポートの役に立たなそうな気がひしひしとするんですけど……」ハァ
クレア「牡丹さんが駅に着いたわ……そろそろ現れるころね」ピッピッ
花梨「そのi〇adみたいのは何ですか?」
クレア「iイルミネーターよ。GPSと連動して常に二人の動きをトレース・監視することができるの。これでサポート体勢は万全よ!」グッ
夏希「どこの軍隊を指揮する気ですか!!」ガーン
◇
ニートアザラシ「アザラシオペレーション」
◇
──駅前──
牡丹「おっ、いたいた。前回のでダメ出しされたから10分前行動にしたんだが、結局待たせちゃったかー?」
朱雀「(ビクッ!)まっ…まま待つわけないだろ! ちょうど0.2秒前に仕方なく来てあげただけなんだから!」
牡丹「いや明らかにそれより前から視界に入ってたんだが……」
朱雀「そんなことはどーでもいいんだよ! 先週の今日でまた呼び出しとか……今度は一体何なの!?」
牡丹「ああ、それは……ええと……何? あ、ああ……」コクリ
朱雀(耳に手を当てて……何やってるんだ牡丹?)
牡丹「”先週のおまえとのデートがとても楽しかったからな……また会いたくて我慢できなくなってしまったから、誘ったんだ。迷惑だったか?”」
朱雀「!?」
朱雀(ななななな)
朱雀(何なの!?///)
──コーヒー店──
ヘッドセット花梨「牡丹センパイ、いいですよ! 朱雀さんが顔を真っ赤にして喜んでます!」
夏希「いや何なんですか今の!? 牡丹センパイが花梨と同じセリフをしゃべってましたけど!」
桜 「牡丹ちゃんが朱雀ちゃんをちゃんとリードできるように、このヘッドセットから牡丹ちゃんが付けてるイヤホンに要所要所でセリフを指示するんだよ」
夏希「ああ……要は黒子役ってことですね」
クレア「あっ、二人が移動を開始したわ!」
花梨 「早く追いかけましょう!」ガタッ
夏希「えっまだコーヒー残ってるんだけど」
桜 「夏希ちゃん飲んどいて! というわけで、【ミッションコード:KOKURIKO】開始っ!」
夏希「ええーっ!? 何でいつもアタシがコーヒー処理する係なんですか! せめてブラックじゃなくて甘いのにしてぇー!」ガーン
◇
(21)アザラシ「ミッションスタートだ!」
◇
朱雀「べべ別に、迷惑……ってこともないけどっ? ま、まあ暇だったし?」プイ
牡丹「そうか、それなら良かった」ニコッ
朱雀「///」
牡丹「じゃあ早速行くか!」グイ
朱雀「ひいっ!? どどどーしていきなり腕組んでくるんだよ!?」ビクッ
牡丹「いや、”友情を深めるにはスキンシップからとアドバイスされたから”……嫌なのか?」ジッ
朱雀「い、嫌なわけないじゃん! ……じゃなかった、萩調流がなめられる訳にはいかないから、受けて立ってやるわよ!」グッ
牡丹「そう来なくちゃな」ハハハ
朱雀(い、いきなり距離が近い……出だしっからあたしたちはじまっちゃってるぅ!? ///)
桜 「お友達ときたらまずは手を繋ぐのかと思ったけど」
クレア「牡丹さんだと繋いだ手を粉砕しかねないから、この方が安全じゃないかしら」
花梨「なっちゃん、早く早く~!」
夏希「ウプッ……ちょっと待ってよ……」ヨロヨロ
桜 「夏希ちゃん大丈夫!? 顔色真っ青だよ!?」アワワ
夏希「アンタのせいなんですけど! 何だよこのいい加減なマッチポンプ!」クワッ
──元町商店街──
牡丹「おっ、この雑貨店面白そうだな!」
朱雀「そそそうだな……///」
牡丹「ちょっと覗いて行ってみるか」
朱雀「そそそうだな……///」
牡丹「ほらこの置物見てみろ朱雀。豚が真珠持ってるぞ」アハハ
朱雀「そそそうだな……///」
牡丹「こっちはラッコが毛皮着てるぬいぐるみだな。河童が川で溺れてる水時計もある」
朱雀「そそそうだな……///」
花梨「朱雀さんが緊張しすぎて自動的に返事するロボットみたくなっちゃってます!」ガーン
夏希「それもかなり思考ルーチンが貧弱なタイプだよこれ……ていうかこの店なんなの! ラインナップが珍妙すぎるんですけど!」
桜 「もー世話が焼けるなー……ここはひとつ、小粋なプレゼントで正気に戻らせてあげよう!」
クレア「ちょっとしたプレゼントでセンスの良さを見せつければ好感度アップも期待できるわね」
牡丹『分かった、任せておけ!』
夏希「大丈夫かなこれ……」
牡丹「な、なあ……朱雀? 腕組んだままだと財布が出せなくて会計しづらいんだが……」
朱雀「そそそうだな……///」
牡丹「……」ダメダコリャ
◇
◇
牡丹「ほら朱雀、聞いてるか?」ズイ
朱雀「はっ!? な、なななんだよいきなり!?」ビクゥッ
牡丹「二回目のデート記念に、これやるよ」ポンッ
朱雀「えっ……何? イヤリング……?」
牡丹「ああ、きっと似合うと思うぞ」ニコ
朱雀「そ、そんな……前キーホルダー貰ったばっかなのに……悪いよ……」モジモジ
牡丹「そんなことは無いさ」
牡丹「”おまえの笑顔を見れるだけで、私にとっては最高の報酬なんだからな”」キラン
朱雀「………っ!!///」
桜 「やったぁ! 朱雀ちゃんの好感度が急上昇したみたい!」
クレア「やっぱりプレゼント作戦は有効だったわね」ニコニコ
花梨「牡丹センパイグッジョブです!」グ
夏希「って、馬の耳に念仏唱えてるキーホルダーかよ! 斬新すぎるよ! これ人前で付けるとかどんな罰ゲームなの!」ガーン
クレア「あ、二人がまた移動を開始したわ」
桜 「次は山手の方だね! 私たちも追っかけるよ!」
──山手西洋館──
朱雀「大正時代に建てられた洋館か……まるで絵本に出てきそうな感じだな……」ホワン
牡丹「ふむ、古いわりには堅牢そうな構造だが……私なら突き一発で粉々に破壊可能だ……まだまだtoo weakだな!」
朱雀「何で破壊するの前提なんだよ!!」
リンゴーン
ワァァ オメデトー
朱雀「えっ……ウェディングドレス姿の花嫁……?」
牡丹「ああ、ここでは結婚式を上げる事もできるんだそうだ」
朱雀「そうなのか……花嫁も花婿も、幸せそう……」ポーッ
牡丹「天気も快晴だし、結婚式日和だな」
朱雀「素敵だな……あたしもいつか……」
牡丹「おっ、朱雀も乙女な発言したりするんだなぁ。もしかして、結婚したい相手でもいるのか?」ニヤニヤ
朱雀「ば、バカッ! そんなんじゃ……///」
牡丹「あはは、冗談だ。武の道に邁進する私たちには恋愛などしている余裕は無いものな」
朱雀「……ドンカン……」ムゥ
──西洋館内 カフェ──
夏希「つ、疲れた……この辺、坂急すぎだよ……」ゼェゼェ
花梨「二人とも鍛えてるだけあって足速いですね……」ハァハァ
クレア「ようやく休めるわね……」フゥ
クレア「あの二人の様子はどうかしら?」
◇
◇
牡丹「朱雀は何注文するんだ?」
朱雀「そ、そうだな……チーズケーキもいいけどフォンダンショコラも……」ムムム
牡丹(ケーキに目移りする朱雀……夏希みたいで可愛いな)クス
牡丹「両方頼んだらどうだ?」
朱雀「え、でもこの後の食事が入らなくなっちゃうだろ……」ウムム
牡丹「二人で半分こすればいい」
朱雀「え、えええ!?///」
◇
◇
ゴチュウモンノケーキセットニナリマスー
朱雀「わぁ、美味しそう……!」ポワ
牡丹(ふむ、デートといえば次は……)サク
牡丹「ほら朱雀、あーん」サシダシ
朱雀「ふぇ? ええええー!?///」
牡丹「早く食べないと落ちちゃうぞ。それとも、萩月流の挑戦は受けられないとでも言うつもりか?」
朱雀「たっ食べる! これぐらいなんてこと無いわよっっ!///」パクッ!
◇
◇
クレア「あらあら」ニコニコ
花梨「私たちのサポートが無くても、いい雰囲気になってきましたね!」
桜 「……」ムゥゥ
夏希「もうこの辺でいいんじゃないですか? 馬に蹴られる前に帰りましょうよ……」ハァ
桜 「……みんなのBAKA-YALOW!!」バンッ!
花梨「ひっ!?」ビクッ
クレア「どうしたの桜さん、大声出すと朱雀さんに気づかれちゃうわよ?」
桜 「さっきからだらだら甘々イチャイチャと……こんなぬるま湯みたいなデートでいいと思ってんの!?」
夏希「別にいいでしょぬるま湯だって……」
桜 「デートっていうのはね、誰かに邪魔されたぐらいで揺るがない、自由で……何て言うか、スリルが無いとダメなの!」
桜 「二人でも賑やかで豊かな……」
クレア「ちょっと言ってる意味が分からないのだけれど」
桜「牡丹ちゃんたちに教えてあげるよ、相手を潰すデートを……!」
夏希「いやいや潰したらダメだろー!?」ガーン
◇
孤独のアザラシ「アザラシ火力発電所!」ウォォン!
◇
牡丹「なかなか美味しかったな!」ニコニコ
朱雀「そそそうだな……///」
朱雀(緊張しすぎて味なんて分かんなかったよ……///)
コトリ
ウェイトレス「こちらカップル様限定”フレッシュフルーツミックスジュース ラブラブストローセット”になりまーす」
牡丹「え? いや注文してないんだが」
ウェイトレス「他の席のお客様からですー」
桜 「(テ フリフリ)」
花梨(がんばってください、牡丹センパイ!)グッ
牡丹「あいつら……」
桜 「くっくっく……異常に接近してるストローで顔を寄せ合いながらジュースを飲むという公開処刑……さすがの牡丹ちゃんもこれには耐えられないかな?」ニヤニヤ
夏希「応援したいのか邪魔したいのかどっちなんですか」
◇
牡丹「何か流体力学的に複雑そうなストローだな……私はこっちから飲めばいいのか……」
朱雀「」
牡丹「どうしたんだ朱雀、せっかく他の客の奢りなんだからおまえも飲め」
朱雀「何なの他の客って!? っていうかこのストロー、近すぎない……?///」
牡丹「ほぉ……萩調流は萩月流の挑戦を」
朱雀「分かった飲むわよ飲むから!」チュー!
◇
クレア(あれいいわね……私も花梨さんと)
花梨「あっもう飲み終わって出てっちゃいますよ!」
クレア「」
桜 「な、何っ!? 恥ずかしがる猶予も与えない肺活量だと!?」ガーン
夏希「ちょっアタシまだコーヒー飲み終わってな……ていうか、またブラックなのかよ!」ビシッ
花梨「ノリツッコミだ~?」
赤点って場所によって違うよな
俺んとこ赤点↓25点なんだよな
期待
──中華街店先──
牡丹「ううむ……あんまんをつぶあんにするかこしあんにするか……悩む!」グヌヌ
朱雀「さっきから悩み過ぎだろ牡丹」ハァ
牡丹「仕方ないだろ、これは私の人生に関わる命題……生きるか死ぬかよりも優先すべき永遠の業(カルマ)なんだからな!」ドヤッ
朱雀「なんでそこでドヤ顔!?」
◇
桜 「くぅぅ……何でたこわさ置いてないの!?」
クレア「中華料理店で無茶振りするものじゃないわ桜さん」
夏希「うっぷ……コーヒー飲みすぎてせっかく中華街まで来たのに何も食べられない……」ゲッソリ
花梨「なっちゃん大丈夫!?」サスリサスリ
朱雀「全くしょうがないな、ほら」パカッ
牡丹「え?」
朱雀「こっちも半分こすればいいだろ?」
牡丹「な、なるほど……!」
朱雀「無敵の牡丹もこんなくだらないことで悩んだりするんだな……何か可愛い♪」ニコ
牡丹「!!」
牡丹(また、この笑顔……何だか、胸が……)ドキドキ
◇
桜 「むぅぅぅ……また性懲りもなくイチャイチャしてぇ……」グギギ
花梨「……? それが目的ですよね?」ホエ?
桜 「こんなだらだらした展開で終わらせるなんて私の美意識が許さないよ! 夏希ちゃんちょっと手伝って!」グイッ ダダダ
夏希「ちょ、いきなり引っ張って走り出さないでください! BD3巻で何故かモザイクが外れたアタシの中身が出ちゃうぅ!」ウプッ!
──中華街 道端──
チャイナドレス夏希「えー、そこのお二人さんちょっと寄っていきませんかー?(棒)」
朱雀「?」
牡丹(そんな格好で何やってるんだ夏希!?)
夏希(聞かないでください……ていうか脚が出過ぎててこの格好恥ずかしい……///)
夏希「えーこほん。ただ今女性カップル限定で、無料の相性占いをさせていただいております~(棒)」
朱雀「か、かっぷる……///」
牡丹「いや、私たちは別に……(あからさまな罠の気配を感じるんだが……)」
占い師桜「まあまあそういわずに。現役女子高生の~、習いたてほやほやの占いで~、びしっと! 二人の相性を占ってあげますよ~!(震え声)」
牡丹「習いたてなのかよ! 信憑性いきなりがた落ちだろ!」
夏希「何故卑猥に聞こえる言い方を……」
朱雀「な、なあ……タダならいいじゃん、占ってもらおうよ……///」
夏希(朱雀さんがあっさり乗っかってきた! チョロすぎて街頭販売とかに引っ掛かるタイプだこれ!)
牡丹「で? 桜……じゃなかった、占い師さん。何で占うんだ? Chinease Heartらしく風水とかか?」
桜 「ノンノン、ここはもちろんアザラシ占いだよ!」
牡丹「アザラシ……アザラシの腹をかち割って肝の位置とかで占うのか?」
夏希「何だよその発想殺伐としすぎだろ!! 怖いとこからクレームが来ちゃうよ!」ガーン
桜 「というわけで、二人の血液型と星座と3サイズとお風呂でどこから洗うのかと寝るときの格好を教えてください!」
夏希「いきなりセクハラするな!」
アザラシ「ぐげぇぇぇー!」
桜 「ふむふむ……二人の相性は……出ました!」
朱雀「……」ドキドキ
牡丹(何だこの茶番)
桜 「牡丹ちゃん! 牡丹ちゃんはデートに浮かれてないで、もっと身近な人の事を大切にするべきだと思います!」
桜 「具体的に言うとツインテールの明るくて元気な女の子を放ったらかしにして他の子といちゃいちゃするのは良くない!」ガルル
夏希「それのどこが相性占い!? ていうか私怨丸出しでしょう!」ガーン
朱雀「……」
牡丹「す、朱雀気にするな! こんなインチキ占い師の言う事なんて気にせず次に行こう!」アセ
朱雀「ツインテールの子を……大切に……それってやっぱ、あたしのこと……!?///」カァァァァ
夏希「この人自分に都合のいいとこだけ拾ってた! 結果オーライだけど!」
桜 「」ガーン
──山下公園──
花梨「はぁはぁ……二人の乗ったシーバス、もう出ちゃいましたね……」
夏希「だからあの人たち足早すぎだって……横浜って広いんだなぁ……」ゼェゼェ
桜 「ぐぬぬ……さては二人してタイタニックごっこでもするつもりだね! そうはさせるかー!」
夏希「今時そんな寒いことする人いませんって……」
クレア「大丈夫よ、こんなこともあろうかと自家用クルーザーを手配しておいたわ♪」
夏希「お金持ちパワーの無駄遣い!?」
桜 「よーしこの船なら速力で勝てる! 追いついて接舷して乗り込むよ!」
九重SP「ウィー! 戦闘準備完了!」ガチャガチャ
夏希「どこの海賊かテロリストかだよ!!」ビシッ
◇
ゴムゴムアザラシ「アザラシ王に、俺はなる!」ドン!
◇
──横浜コスモワールド──
ガタガタガタ……
夏希「って、水しぶきの中にツッコむスリリングさで人気のダイビングコースターに二人が乗ったからってアタシたちまで乗らなくても」
クレア「だって私、一般庶民の人と一緒にジェットコースターに乗るのが夢だったの♪」
夏希「そこはかとなくイラッとする言い回しだな……後キャラ被ってるからって他作品のキャラの言い回しパクるのは止めましょうよ」
桜 「ひぃぃ……神奈川の花やしきと異名を取るぐらいだからチープなコースターだと思ってたら結構高いぃ……」ビクビク
夏希「浅草と横浜を同時にdisらないでくださいよ!」
ゴォォォー!!
花梨「きゃああー!」
クレア「花梨さん、しっかり私の手を握って!」ナデナデサワサワモミモミ
夏希「うぷっ……(モザイク無しの中身が出そうなのでツッコむ余裕が無い)」
桜 「」シロメ
バシャァァァン!
花梨「ああっ! ヘッドセットとiイルミネーターがびしょびしょに!!」
バチバチッ プシュゥゥ……
◇
お嬢様アザラシ「横浜ランドマークキマシタワー」
◇
──観覧車内──
ワーワーギャーギャー
朱雀「何か下が騒がしいな……?」
牡丹「まあいつものことだから、気にするな」ハァ
朱雀「?」
牡丹「な、何でもない! それよりさっきのジェットコースターはなかなか面白かったな!」
朱雀「うん……でも、牡丹にとってはあんなの大して怖くも無かっただろ?」
朱雀「萩月流の継承者であるおまえには、遊園地のアトラクションなんて子供の遊びみたいなもんだよな……」ハァ
牡丹「……」
牡丹「そんなことは無いぞ」フルフル
朱雀「牡丹……」
牡丹「確かに、私はクマ退治にアメリカから北極まで出向いたこともあるし」
牡丹「ロードワークで秩父どころか富士の樹海まで足を伸ばすのが日課ではあるが……」
牡丹「こんな風におまえと過ごす休日は、何というか……殺伐とした戦いの中には無い心地良さを感じる」
牡丹「ホッキョクグマを倒した時の爽快感とは、また別なんだ!」キリッ
朱雀(な、何か比べる対象がおかしいけど……あたしと一緒に居て楽しい、ってことだよね?)///
朱雀(でも……)
朱雀「でも、今のおまえには、その……大事な仲間がいるんだろ」
朱雀「前吉祥寺に行った時に分かったんだ。おまえが帰宅部の連中の事を話してる時の顔見て……」
朱雀「高校の事で引け目を感じてるんだったら、もう気にしないでいいから……」
朱雀「無理に……あたしなんかに付き合ってくれなくても……いいから……」グスッ
牡丹「!」
牡丹(な、泣かせてしまった……)
牡丹(クレア、花梨! こんな時はどうしたらいいんだ、教えてくれ!)アセ
ザーッ…
牡丹(応答が無い!? 通信妨害かっ……!)
朱雀「ごめんな、せっかく誘ってくれたのに……楽しかったのに、湿っぽくしちゃって……」グス
牡丹(くっ……自分で何とかするしかない……でも、どうすれば……!)
ギュッ!
朱雀「ひぇっ!? な、何!?///」ドキンッ
牡丹「すまない……私にはこんなときどうすればおまえの涙を止めてやれるのか、分からないんだ」
牡丹「ただ、こうして抱き締めてやることぐらいしか……」
朱雀「あ、あうあうあう……!///」
牡丹「ただ、これだけは言える」
牡丹「こうやっておまえと過ごしていて気付いたんだ」
牡丹「もっとずっと、こうして一緒に居たいって」
牡丹「朱雀、おまえは私と一緒に居るのは嫌か?」
朱雀「……っ」
ギュウッ…
朱雀「そんなわけ、ないでしょっ……バカ牡丹っ……」
朱雀「あたしは、ずっと前から、アンタのことっ……!」
牡丹「ほらハンカチ」
朱雀「う、うん……ありがと……」
朱雀(恥ずかしい……こんな風に泣いちゃった自分も情けないけど)
朱雀(牡丹が優しく見つめてくれてるのが分かるから……余計に顔が上げらんない……///)
朱雀(あたし、きっと今みっともない顔してるんだろうな……)
牡丹「そろそろ頂上だぞ……あ!」
朱雀「何?」カオアゲ
牡丹「夕日だ」
二人「……」
(青い海と豊かな緑、白亜の摩天楼を、柔らかな日没の光が染めていく)
(宵闇が訪れれば、煌びやかなネオンがまるで地上の星々のような)
(美しいこの街を、ただただ二人して見つめていた)
朱雀「……」コテン
牡丹(朱雀が私の肩に寄りかかってきた……!)
牡丹(こ、ここはもしかして重要なシーンなのでは?)
◇
「綺麗な夜景を見たりして気分が盛り上がった所で囁くように言うのが王道なんです!」
◇
牡丹(し、しかし何てセリフを言えばいいんだ……?)
牡丹(ここには飾りじゃない箱も無い)
牡丹(自分の女子力を振り絞って何とかするしかない……)
牡丹(女子力……女子力勝負……)
牡丹(そうだ!)
牡丹(店員さん、じゃなかった)
牡丹「詩天使……この後何時まで空いてる?」ボソ
詩天使「!?」
詩天使(な、何なの!?)
詩天使(何なの何なの何なの~っ!?///)
──ランドマークタワー 高級ホテル内一室──
朱雀(って!)
朱雀(ここに来るまでの記憶が全く無いんだけど!!)
朱雀(どどどういうこと!?)
牡丹「詩天使、先にシャワー浴びるか?」
詩天使(まままさか、こんな形で本当にお泊りセットが役に立っちゃうなんて///)
牡丹「おい詩天使」グイ
詩天使「ひぃぃっ!?」ビクゥ!
牡丹「なんだぼーっとして……それとも一緒に浴びたいのか? シャワー」ニヤ
詩天使「」
詩天使「ちょ、ちょっと待って!」
詩天使「今回は健全な展開っぽい雰囲気だったのにいいのこれ!?」
牡丹「別にそんなこと断ってなかっただろ」
牡丹「ガチ百合展開過ぎて引いたなんてコメントを見かけても、構う事なんかない」
牡丹「私はおまえの全てが欲しいんだ」
牡丹「その気持ちは、誰にはばかる必要もないんだからな」キリッ
詩天使「あ、うう……」
牡丹「どうしても勇気が出ないというのなら、今日は泊まるだけでもいいが……」
詩天使「……こ、このあたしをなめるんじゃないわよ!」グイッ
チュッ
詩天使「う、受けて立ってやるんだから……」
牡丹「……宣戦布告ってことか」クスッ
詩天使「違うわよ」
詩天使「今のは、お返し……」
詩天使「あたしをさんざん振り回して、辛い思いさせて……今度は幸せすぎておかしくなりそうな気持にさせて」
詩天使「少しはやり返してやらないと、残虐の朱雀の名がすたるじゃない……///」
牡丹「よし、じゃあ一緒にシャワー行くぞ!」グイ
詩天使「きゃあ!? ちょっ、そこまで了承してないんだけどって、いきなりお姫様だっこしないでー! ///」
ギャーギャーバタバタ
牡丹「おっと、これはもう要らないな」イヤホンポイ
牡丹「今夜は私だけのセリフとその他いろいろで、おまえをメロメロにしてやるからな♪」
詩天使「バカ牡丹! 話聞きなさいよ!」
詩天使(もうとっくに、あたしはあんたにメロメロになっちゃってるんだってばー!!///)
──ランドマークタワー前──
クレア「監視衛星の情報によると、どうやら二人はここに入ったみたいね」
桜 「そ、そんな……! いつの間に私たちの綿密な尾行をすり抜けたっていうの!?」
夏希「いや電子機器が壊れちゃった後は諦めて横浜満喫してたじゃないですか、赤レンガ倉庫とか」
桜 「そ、そんなの関係ない! こんな展開予定されてないんですけどー!?」
花梨「まだ電車あるのに、どうしてホテルに泊まるんでしょう? 疲れちゃったのかな?」
クレア「花梨さんはそんなこと知らなくていいの」ニコ
桜 「くっ……こ、こうなったら……!」
花梨「こうなったら?」
桜 「もう夏希ちゃんでいいや! 二人で高級スイートに泊まって私たちも負けずにしっぽり過ごすよ! クレアちゃんのおごりで!」グイグイ
夏希「ひぃぃぃ!? 何ですかその今だかつて聞いたことが無いほど最低最悪の誘い文句は!? やめてぇぇぇー!」ヒキズラレ!
クレア「仕方ないから私たちも対抗してホテルに泊まりましょうか、花梨さん♪」
花梨「あの、まだ電車が……」ホエ?
◇
さよならのアザラシ「アザラシ坂から」
◇
・終わり
・投下に時間がかかったのはアニメへのリスペ(ry
・以下アニメ2スレより公式情報転載
【原作情報】
・「ガンガンONLINE」で第2・4木曜日、最新話を更新
・原作コミックス 既刊3巻 価格:各\500
・コミックアンソロジー極 帰宅部 (読み切り版収録) 価格:\600
・単行本第4巻 2013年12月21日(土)発売
【CD】
・乙女新党「2学期デビュー大作戦!!」
(初回限定盤)(DVD付)価格:\1,600(税込)
(通常版)価格:\1,200(定価)
・帰宅部@音楽室♪ アニメ「帰宅部活動記録」キャラソン&サントラ集
(初回限定盤)(DVD付)価格:\3,300(税込)
(通常版)価格:\2,700(定価)
【BD/DVD】
・帰宅部活動記録BD 価格:\6,090/DVD 価格:\5,040 全4巻 各巻3話収録
・帰宅部活動記録Vol.4 発売日:12月18日発売
*グラフィグ2種類あり
・一般店特典
・ヨドバシ特典
乙
おつおつ
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