照「せいこー!!私のせいこー!!」誠子「はいはい」 (87)

白糸台高校 麻雀部部室


菫「…」ズーン

淡「スミレなんか元気ないねー」ヒソヒソ

誠子「最近阿知賀の松実宥さんから連絡なくて落ち込んでるらしい」ヒソヒソ

尭深「…」ズズ

菫「うう、宥…」

誠子「弘世先輩、きっと今はいろいろ忙しいだけですよ」

菫「そ、そうかな…」

淡「てか自分から連絡したらいいじゃん、へたれ」ボソッ

菫「…大星なにか言ったか?」

淡「いえ別に」

ガチャ

照「せいこー!!私のせいこー!!」バーン

誠子「私は宮永先輩のものになった覚えはありません」

照「大変だ…大変なんだよ…」

淡「どうしたのテル?」

照「咲が…咲が原村にとられてしまう!」

誠子「原村って原村和のことですよね、どういうことですか?」

照「うん…インハイで咲と仲直りしてから、頻繁に電話してるんだけど」

尭深「…」ズズ

照「最近原村の話題が多いんだ…今日の原村はどうだったとか、原村となにしたとか」

淡「ほうほう」

照「少し詳しく聞いてみたら、どうやら咲は『のど会』なるものに入っているらしい」

誠子「のど会?なんですかそれ」

照「簡単に言えば原村のことが好きな人の集まりで、原村と話ししたり、原村と一緒にゲームしたり」

照「楽しいひとときを原村と一緒に過ごす会みたいなんだ…」

淡「原村和のファンクラブみたいな感じでいいのかな」

尭深「のどかだからのど会…ふふっ」

誠子「なかなかのセンスだよね…うん」

淡「残念なセンスだね、シャープシューター(笑)といい勝負かな」プププ

菫「…大星なにか言ったか?」

淡「いえ別に」

照「咲は…きっと原村に騙されているんだ…」

照「だから誠子に新入会員として潜入してもらって、その会をぶっ潰してほしいんだ」

誠子「いやいや、咲ちゃんがかわいそうですよ」

照「孕村さんとか淫乱デジタルレズピンクとか呼ばれてる変態に、咲は任せられん!」

誠子「な、なんで私が」

照「インハイの副将戦で原村と戦っただろ、だから誠子が一番自然なんだよ」

誠子「そんな…宮永先輩が行けばいいじゃないですか」

照「わ、私はいろいろと忙しいし。そ、そのー恥ずかしいし」アタフタ

照「もし咲に嫌われたらいやだし…」

誠子「ええー、姉妹なんだからそこはがんばりましょうよ」

淡「うちの三年はへたればっかだ」ボソッ

菫「…大星なにか言ったか?」

淡「いえ別に」

照「お願い!誠子が一番頼りになるんだよ」

誠子「私別に原村さんのこと好きじゃありませんし、嫌ですよ」

照「せいこー…」ウルウル

誠子「うっ…わ、わかりましたよ。軽く様子見程度でいいんなら…」

尭深(ちょろい)ズズ

照「ありがとー、やっぱり誠子はやさしいな」

淡「亦野先輩、あったか~い(笑)」ケラケラ

菫「…宥への侮辱は許さない。卓に着け大星、教育してやる」ゴゴゴ

淡「私は今から尭深先輩とパフェ食べに行くからダメ。行こう、尭深先輩♪」ギュ

尭深「うん///」ギュ

ガチャ バタン

菫「くそぅ…。ああ、宥…私はどうすれば…」

誠子「普通に電話すればいいと思います」

つ「ノーライフキング」

照「それで次の『のど会』は今週末に清澄高校であるらしい、行き方わかる?」

誠子「遠いですが、まあなんとかして行きますよ」

照「咲には話しとくから、よろしくね」

誠子「あくまでも偵察としてですからね」

照「もし原村が少しでもおかしな行動をとったら…あのギギギーってやつ使っていいから」

誠子「それ私にも使えるんですか!?」

菫「あっ、そうだ!白糸台にも温室をつくって宥を招待しよう!」キラキラ

誠子「…」

菫「そうと決まれば資金調達だ!ちょっと自販機の下あさってくる!」ビューン

ガチャ バタン

照「ふふっ、ああなった菫はとめられないよ。誰にもね」

誠子「なに一直線に突っ走る主人公を見守るキャラみたいになってるんですか、とめてくださいよ」ハア

そして週末 清澄高校 麻雀部部室


誠子「えーと、ここでいいんだよな」コンコン

誠子「失礼しまーす」ガチャ

和「あ、お久しぶりです。インハイ以来ですね亦野さん」ペコ

誠子「久しぶり原村さん、今日はよろしくお願いします」

和「咲さんから話は聞いてます、遠いところお疲れ様です」

誠子「あれ、まだ原村さんだけ?」

和「はい、皆さんもうすぐいらっしゃると思いますよ」

誠子「そうなんだ、ちょっと早く来ちゃったかな」

和「ふふっ、お茶入れますね」スタスタ

誠子「ありがとう」

性交?

誠子(へぇー、雀卓は一つで仮眠用のベッドもあるのか)キョロキョロ

和「お茶どうぞ」スッ

誠子「ありがとう、頂きます」ズズ

和「…部員が少ないので雀卓は一つだけなんです。想像と違いましたか?」

誠子「そ、そうだね。正直もっと設備が整ってるのかと…」

和「白糸台とはだいぶ違うと思いますが、私達にはこれで十分なんです」

誠子「うちは部員が多くてうるさいからね、ここは落ちついててすごく良いと思うよ」

和「ふふっ、ありがとうございます」

誠子「インハイでも大活躍だったから、来年は部員が増えるんじゃない?」

和「そうなれば良いんですが…」

誠子「きっとそうなるよ…あ、このお茶おいしいね」

和「お口に合ったようで良かったです」ニコッ

誠子(……)

誠子(うん…良い子じゃん)

コープスかと

可愛いよまたの先輩

コンコン

和「あ、皆さん来たみたいですね」

ガチャ

咲「あのー透華さん、ほんとにこんな所にあの『のど猫』がいるんですか?」

透華「咲さん、うちの衣がここで見たと言ってるのですから信じてください」

衣「そうだぞ、ついこの前ここで見たんだ」

誠子(えっ…なんだこれ…)

透華「それに今日はのど猫の専門家にも来てもらってます」

玄「どうも、のど猫の専門家のマツゴロウと申します」ペコッ

玄「のど猫は非常に臆病な猫なのでねぇ、皆さんなるべく足音をたてないようにしないとねぇ」

衣「衣はのど猫を見つけたら、なでなでしたいな」

咲「そんなに簡単に見つかるわけないと思うけど、私もしたいな」

透華「大丈夫、きっとのど猫は見つかりますわ」

和(今回はそうきましたか)

とりさんマークのコンビニSSかと
支援

透華「うーん、やっぱりすぐには見つかりませんわね」キョロキョロ

衣「おーい、のど猫出てこーい」

咲「のど猫ー、出ておいで―」

玄「あまり大きい声を出すとねぇ、逃げてしまうんですねぇ」


誠子「あのー原村さん、何これ?」ヒソヒソ

和「ミニコントとでも言いましょうか、会の時は毎回こんな感じで入ってくるんです」ヒソヒソ

誠子「あーなるほど…原村さんを猫に見立ててのど猫とよんでるってことか」ヒソヒソ

和「はい。すぐ終わると思うので、しばらくお付き合いを」ヒソヒソ


咲「あれ…もしかしてあそこにいるの…」

衣「あっ!のど猫だ!」ビシッ

誠子(いやいや、ずっと見えるとこにいたよ)

和「…」

透華「そんなすぐ見つかるわけ…まあ!ほんとですわ!」

玄「これは運が良いですねぇ、皆さんゆっくり近づきましょう」ソローリ

咲「私のど猫見るの初めて、すごくかわいいね」

衣「のど猫はかわいくて、胸が大きいのも特徴だな」

玄「のど猫はねぇ、普通の猫と違って『のどにゃ~』と鳴くんですねぇ」

和「…」

透華「警戒しているのでしょうか、鳴きませんわね」

衣「衣、なんか悪いことしたのかな」ウルウル

和「…」

咲「のど猫が鳴いてるの聞きたいなー」チラッチラッ

和「…のどにゃ~」ボソ

咲「きゃー!!のど猫かわいいー!!」ジタバタ

透華「こっちを!こっちを向いてくださいまし!」パシャパシャ

誠子(この人めっちゃ写真撮ってる!)

衣「ほらのど猫、衣の乳首にタルタルをかけたから舐め取ってくれ」

誠子(うわぁ…)

これは誠和期待していいの?しえ

えっ、何これは(ドン引き)

うわぁ…

咲「マツゴロウさん、のど猫ってなでても大丈夫ですか?」

玄「のど猫は臆病ですからねぇ、でもゆっくりなら大丈夫ですよぉ」

衣「タルタルは舐めてくれるかな?」

玄「乳首にタルタルはやめたほうがいいですねぇ、不衛生ですからねぇ」

咲「ゆっくり、ゆっくり」ナデナデ

和「…」

咲「うんうん、大人しくて良い子だね」ナデナデ

和「…///」

透華「いいですわー!いいですわー!」パシャパシャ

玄「のど猫はねぇ、おもちを揉まれると喜ぶんですねぇ。ここは私が」ワキワキ

和「ひぃぃ!」ビクッ

透華「…玄さん、原村和の嫌がることはしないという『のど会』の掟を忘れまして」ギロッ

透華「越えてはいけない一線をよく考えてください」

玄「…はい」

誠子(マツゴロウさん怒られたーー!!)

この会濃すぎる

のどっちの意思は尊重してるのか

変態の集まりかな?

透華「はい、では今回のミニコントはここまで」

咲「わかりました、和ちゃんいつも付き合ってくれてありがとう」ニコッ

和「…いえ、皆さん楽しそうで何よりです」

衣「うー、衣はもっとやりたかったぞー」

玄「衣ちゃん、『のど会』はまだこれからだよ」

透華「あら?そちらの方は…」

誠子「白糸台高校の亦野誠子です、今日はよろしくお願いします」ペコ

咲「亦野さんお久しぶりです、お姉ちゃんがいつもお世話になってます」

透華「新入会員の方でしたか。私、龍門渕透華と申します」

衣「天江衣だ、よろしく」

玄「松実玄です、以後お見知りおきください!!」

誠子「皆さん結構な有名人だから知ってますよ。今日はとりあえず見学させてください」

透華「『のど会』へようこそ、是非楽しんでいってください」

良かった、ここまではまだ普通だな

咲「あ、そうだ。和ちゃんの体育の時の着替え中の写真があるんですけど見ますか?」

誠子(えっ、それって盗撮じゃあ…)

透華「なんと!是非見せてくださいまし!」

衣「衣も見るー」

玄「私にも見せてー」

咲「ふふっ、ではお三方ちょっとこちらへ」


誠子「皆楽しそうだ…ほんとに原村さんのことが大好きって感じだね」

和「…そうですね」

誠子「この会は誰がつくったの?」

和「インハイが終わって少したった頃に、咲さんが…」

誠子「へぇー、咲ちゃんもすごい楽しそうだもんね」

和「…亦野さん」

誠子「うん?何?」

和「私咲さんのこと好きなんです」

誠子「えっ」

玄ちゃんわざわざ毎回来てるのかな?

和「ずっとインハイが終わったら告白しようと思っていました…」

和「でも断られたらと思うとなかなか勇気が出ず…そして咲さんがこの会をつくりました」

誠子「…うん」

和「最初はすごく嬉しかったんです、このような会をつくるぐらいなんだから咲さんと両想いなんだと」

和「すぐ告白しようと思いましたが、この会での咲さんがいつも笑顔で楽しそうだと気付きました」

和「おそらく麻雀以外での共通の話題で盛り上がれる友達ができてすごく嬉しいんだと思います」

和「…私が咲さんに告白すれば、答えがどうであれこの会は無くなってしまうでしょう」

和「大好きな咲さんからあの笑顔を奪うことは…私には出来ません…」

誠子「…なんで私に話してくれたの」

和「亦野さんは別に私のファンというわけではないですよね」

誠子「えっ…ばれてた?」

和「すぐわかりましたよ、咲さんのお姉さんに言われて様子を見に来たのでは?」

誠子「…その通りでございます」

支援

和「こんな好きな人に告白もできない臆病者だと知ったら、咲さんから身を引けと言われるかもしれませんね」

誠子「そ、そんなことないと思うよ」アセアセ

和「是非、照さんとも仲良くなりたいものですが…」

誠子「…」

誠子(宮永先輩…どうやら私達は原村和を誤解していたようです…)

誠子(なにが孕村さんだ…なにが淫ピだ…)

誠子(宮永先輩はそんな変態に咲ちゃんは任せられないと言いましたよね…)


咲「この写真見てください!和ちゃんのワキ!舐めたくなるくらいきれいですよね~」ウットリ


誠子(変態はあんたの妹のほうじゃないか!!)

なんだのどちゃん綺麗じゃないか

透華「では、そろそろあのゲームを始めましょうか」

誠子「あのゲーム?」

咲「はい『のどか赤ちゃんにミルクをあげよう』っていうゲームです」

誠子「…なにそれ」

玄「このゲームは私達がママで和ちゃんには赤ちゃんになってもらいます」

玄「ママと赤ちゃんは5m程離れてて、スタートしたらママは動かずに赤ちゃんにおいでおいでします」

玄「赤ちゃんにはハイハイしてもらい、赤ちゃんが来たママが勝ちになります」

誠子(それって原村さんのさじ加減なんじゃ…)

衣「勝つとご褒美としてののか赤ちゃんに哺乳瓶でミルクをあげれるんだ!」

透華「このゲームは咲さんが毎回勝ちますけど、なにかコツでもあるんですの?」

咲「特にはありませんよ。強いて言えば、この子にミルクをあげたいっていう純粋な気持ちですかね」フフッ

誠子「なに言ってんのこの子」

気付いてあげてください咲さん

咲「亦野さんは参加しますか?」

誠子「今日は見学のつもりだから見とくよ…」

透華「わかりました。原村和、準備はよろしくて?」

和「…はい」

透華「それではいきますわよ…スタート!」

和「…」ハイハイ

誠子(うわぁ…ハイハイしてる…)ドンビキ

玄「のどか赤ちゃーん!玄ママのとこにおいで!おもちマッサージしてあげるよー!」

衣「衣ママのとこにこーい!タルタルミルクをあげるぞー!」

誠子(なんだよタルタルミルクって…てかあんたのほうが赤ちゃん役似合うだろ…)

和「…」ハイハイ

透華「くっ!やっぱり咲さんのほうへ向かってますわ!」パシャパシャ

誠子(まあ、そうなるよな…)

どんびき

やっぱり駄目だったわ

咲「のどか赤ちゃんがーんばれ、がーんばれ」

和「…」ハイハイ

玄「くそぉぉぉ!!こっち来いよぉぉぉ!!」

和「ひぃぃ!」ビクッ

玄「何がハイハイだよ、パイパイ揉ませろオラァァァ!!」

透華(冷)「…玄さん、私の前に来て手を後ろで組んでください」ヒュー

誠子(なんか雰囲気変わってる!)

玄「…はい」

透華(冷)「セイッ!」パチンッ!! ←玄にビンタ

玄「うぐっ」

透華(冷)「…」つイエローカード

透華(冷)「…二枚で退場ですわよ」

誠子(ビンタしてカードもでたーー!!)

かわいい

透華(冷)「原村和の嫌がることや怖がることはしないでください」ヒュー

玄「…はい」

透華(冷)「もう二度としませんか?」

玄「…はい」

透華「では戻りましょうか」

玄「…」

玄「…全部おもちが悪いんだバカヤロゥ」ボソッ

誠子(こいつ絶対またやるぞっ!)


透華「途中妨害行為がありましたが、今のは咲さんの勝ちですわね」

衣「やっぱり咲は強いなー」

玄「のどか赤ちゃんのおもち…」

透華「では勝者のご褒美としまして、のどか赤ちゃんにミルクをあげてください」

咲「やったー!じゃあ、のどか赤ちゃんベッドのほうへ行こう!」

和「…」ハイハイ

冷やしとうか出ちゃった

クロチャーはそのうち独立しておもち会設立しそう

咲「のどか赤ちゃん、ほらミルクだよ。たくさん飲んでね」

和「…」チュパチュパ

咲「ふふっ、おいしい?」

和「…」コクリ

咲「かわいいな~」ナデナデ

和「…///」チュパチュパ

誠子(私はさっきから一体なにを見せられているんだろう…)

咲「よし、全部飲めたね。じゃあ、げっぷ出さないと」トントン

誠子(うわぁ…原村さんを抱きながら背中をとんとんしだした…)

和「…」

咲「…」トントン

和「……ケプッ」

誠子(あぁ…)

透華「ふふwwこれはさすがにwww」

誠子「いや、あんたは笑っちゃダメだろ」

羞恥プレイだな

衣「ゲームも終わったし、次は音楽でもきこうか」

透華「そうですわね。では原村和、ベッドに仰向けで寝てください」

和「…はい」

誠子「えっ、音楽をきくんですよね?なんで原村さんがベッドに寝るんですか?」

玄「亦野さん、この会での音楽をきくというのは、和ちゃんのお腹の音をきくということなんです」

咲「和ちゃんのお腹に耳をつけて、その音を楽しむんです!」

誠子(やばい。のど会やばい)

衣「衣からいくぞ、胸の下あたりまで服をたくしあげてと」

和「…」

衣「よしっ」ピト

和「…」

衣「…あ、今ちょっとコポってきこえた」

誠子(…これ原村さんからしたら地獄だろ)

どんびき

これは酷い

衣「…少しおへそにタルタルをかけてみようかな」スッ

誠子(あんたにとってタルタルってなんなんだよ)

透華「…衣、そんなことをしてもお腹の音となんの関係もありませんわ。やめなさい」

衣「止めるなトーカ、これは気持ちの問題なんだ」

透華「…食事の時衣の嫌いなピーマンがでても、もう食べてあげませんわよ」

衣「…」

透華「…もう夜トイレについて行ってあげませんわよ」

衣「…悪かった」

誠子(ええぇ…)


玄「じゃあ次は私の番、いくよ」ピト

和「…」

玄「…あ、ギュルギュルってきこえた。和ちゃんお腹の中で竜巻でもつくってるのかな」クスッ

誠子(マジでなに言ってんのこいつ)

いっそピンクの人も同じレベルの変態ならば苦痛も少なかろうに

これはしにたい

玄「うーん、なんか良く聞こえないなー」

玄「あれ、私のポケットになぜか聴診器が入ってたよ。そうか、これを使おう」

玄「和ちゃん、これで心臓の音をききたいからおもち丸出しにしてもらっていいかな?」ワキワキ

和「ひぃぃ!」ビクッ

誠子(あーあーそんなことしたらまた)チラッ

透華(冷)「…」ヒュー

誠子(ほらぁ…)

透華(冷)「玄さん、二枚目のイエローカードですわ。ご退場願います」ヒュー

玄「い、嫌だ!私にはまだやり残したことが…」

透華(冷)「しょうがありません…」ピポパ

透華(冷)「…龍門渕透華です。…はい…そうなんですの…すぐ来てください」

誠子(電話でいったい誰をよんだんだ?)

ガチャ

宥「…玄ちゃ~ん、なにしてるのかな~」

誠子さんマジ聖女

保護者来ちゃった

宥「もう他の人に迷惑かけちゃダメって言ったよね…」

玄「お、お姉ちゃん…どうしてここに…」

宥「龍門渕さんに今日のこと聞いてたから、何かあった時のために近くにいたの」

玄「ち、違うのこれは…」

宥「言い訳は帰ってから聞くね」ズルズル

玄「引っ張らないでよ~」

誠子「あ、あの!」

宥「あっ、白糸台の亦野さん。菫ちゃんは元気?」

誠子「…弘世先輩は松実宥さんから連絡がないとかなり落ち込んでます」

宥「えっ…確かにあまり連絡し過ぎると迷惑かなと思って最近してなかったけど…」

宥「…じゃあ、これ菫ちゃんに渡してくれるかな」スッ

誠子「これは…旅館の無料宿泊券?」

宥「私の実家旅館なの。あと、いつでも連絡してきていいよって伝えてください」

誠子「わかりました、弘世先輩喜ぶと思います」

玄「あ、それならちょっとおもちの渋谷さんも一緒に泊まりに来てください」

宥「…玄ちゃん?」

玄「なんでもありません」

宥「もう…では皆さんご迷惑おかけしました。失礼します」

咲「いえいえ、玄さんまた今度」ニコッ

玄「うん、ばいばーい」

ガチャ バタン

透華「ふぅ、これで問題児が消えましたわ」ヤレヤレ

咲「ふふっ、お疲れ様です透華さん」

ロッカー「松実玄はもう帰ったようやな」

誠子「な、なんだ!?ロッカーから声が!!」

ロッカー「そうとなればこの…」ガチャ

絹恵「愛宕絹恵様の独壇場やなっ!!」バーン

誠子「ええー!!ずっとロッカーの中にいたのかこの人!!」

原付和

帰らなかったらどうするつもりだったんだww

なんという伏兵

透華「ちっ、また面倒くさいのが出てきましたわ」

絹恵「跪け愚民ども、この愛宕絹恵様と同じ目線で話すなど万死に値すんで」

誠子「…この人も『のど会』の会員なんですか?」

透華「一応会員なんですが、おかしな言動で毎回困ってますの」

誠子「なるほど…」

絹恵「うん?あんた亦野誠子やん」

誠子「はい」

絹恵「私って美しいやんな?」

誠子「はい?」

絹恵「この整った綺麗な顔!形よく大きな胸!むっちりとした素晴らしい太もも!」

絹恵「私は鏡を見るたびに、神様は二物も三物も与えてくれたと実感する…」

衣「神もその性格まではどうにも出来なかったようだな」

絹恵「…私はケータイ機種変したばっかで機嫌良いねん…今の失言許したるわ」

誠子「なんだそれ」

病人がふえたぞー

この絹ちゃんは可愛くない

誠子「ていうかなぜロッカーの中に?」

絹恵「松実玄がおると私の胸ばっかりいじってきて、原村さんとお話出来へんからな」

絹恵「あの子が帰るまでロッカーに隠れてたんや」

誠子(あの人は胸が大きければ誰でもいいのか…)

絹恵「というわけで原村さん」

和「ひぃぃ!」ビクッ

絹恵「その大事そうに抱えてるペンギンのぬいぐるみを、お姉さんに蹴らせてくれへん?」キュピーン

和「や、やめてください」ビクビク

絹恵「そしてまたあの悲しそうな顔を見せてーや」ハアハア

誠子(ベクトルは違うが、この人も立派な変態だ)ウン

和「そ、それ以上近づくとこの新免さんからもらった日本刀で斬りますよ」ガタガタ

絹恵「あめちゃんあげるから、こっちおいで」ハアハア

誠子(おいおい、そろそろ誰か止めたほうがいいんじゃないか)

透華「原村和と日本刀…いいですわこれ!!」パシャパシャ

誠子(……)

和「ひぃぃ!来ないでぇ!」ブルブル

絹恵「ハァハァ…」ジリジリ

咲「だ、だめぇーーー!!」バッ

和「さ、咲さん…」

咲「和ちゃんに変なことしないでぇーーー!!」

誠子(もうなにをもって変なこととするのか私にはわからん)

絹恵「変なことじゃない、これは素晴らしいことや」ハアハア

衣「おい、トーカ」

透華「大丈夫、もう連絡しておりますわ。そろそろ来るかと…」

ガチャ

洋榎「あれーケータイつながらんなー、ここ電波悪いんかなー」

洋榎「ってこれケータイやなくてテレビのリモコンやった!!」ズッコケ

一同「…」シーン

衣「うん?ケータイなら衣のを貸してやろうか?」

透華「やめなさい衣」

また保護者きちゃった

絹恵「お、お姉ちゃん」

洋榎「絹、帰って新喜劇見よー」

絹恵「くっ、こんなとこで捕まるわけには」

洋榎「はよ帰らなおかんに言いつけるで」

絹恵「…あっ!ブタが空飛んでる!」

洋榎「えっ!どこどこ?」キョロキョロ

絹恵「今のうちや、逃げろー!!」ビューン

洋榎「どこにもおらんやん…って騙したな絹!!待てーー!!」ビューン

ガチャ バタン

一同「…」シーン

衣「はぁ、変態ばかりで衣はこの国の将来が心配だ」

誠子「あなたはその変態中でも、さらに一握りの天才だと思うよ」ニコッ

また日本刀ニキか

咲「和ちゃん…」

和「咲さん…怖かったです…」ギュウ

咲「和ちゃん…大丈夫だよ、私がずっと一緒にいるから」ナデナデ

和「ほんとですか…」

咲「うん」ナデナデ

和「なら私の恋人になってくれますか…」

一同「!?」

咲「えっ…」

和「ずっと好きでした…もうこれ以上この気持ちは隠せそうにないです…」

咲「…」

和「困りますよね…急にこんなこと言われて…」

次は何処から変態が現れるんだろうか

咲「…」

和「…」

透華「…咲さん、自分の気持ちに正直になりなさい」

咲「透華さん…」

透華「この龍門渕透華、友達の幸せを祝福出来ないほど心は狭くありませんわ」

衣「衣も、ののかと咲ならお似合いのカップルだと思うぞ」

咲「衣ちゃん…」

和「…」

咲「和ちゃん…私なんかでいいの?」

和「咲さんしか考えられません」

咲「和ちゃんの使った割り箸や飲み終わったペットボトルをコレクションしてるんだよ?」

和「構いません」

咲「和ちゃんがトイレに行ったら、毎回隣に入って音を聞いてるんだよ?」

和「構いません」

この咲さんはアカン

かまえ

心広すぎだろw

変態だって自覚はあるんだ

咲「渡せもしない和ちゃん宛てに書いたラブレターが家に100通あるんだよ?」

和「構いません」

咲「自分の部屋の壁一面に和ちゃんの写真貼ってるんだよ?」

和「構いません」

咲「一緒に全国に行こうって指切りした小指に、私キスしたりしてるんだよ?」ポロッ

和「咲さん…それは私もです」ニコッ

咲「…私も好きです…和ちゃんの恋人にしてください」ポロポロ

和「はい…咲さん大好きです」ギュウ


透華「咲さん、おめでとうございます」パチパチ

衣「ののか、咲、お幸せにな」パチパチ

誠子(…咲ちゃんと原村さんが付き合ってこの会がなくなっても、皆の友達関係は続いていきそうだな)

誠子(……)

誠子(宮永先輩にどう報告しよう…)

そして翌日 白糸台高校 麻雀部部室


照「それじゃあ誠子、報告を聞こうか」

誠子「はい…まず『のど会』はもう開催されないと思います」

淡「おおー!亦野先輩やるじゃん!」

誠子「ただ…咲ちゃんと原村さんが付き合うことになりました」

照「」

尭深「宮永先輩の霊圧が消えた…」ズズ

淡「へぇー、咲もやるじゃん」

誠子「宮永先輩…」

照「誠子…原村はどんなやつだった?…」

誠子「たった一日見ただけですが、信頼できる人間だと思います…安心して咲ちゃんを任せられるかと…」

照「そうだな…咲が選んだ人だし、誠子もそう言ってくれれば大丈夫だな…」

誠子「宮永先輩とも仲良くしたいと言ってました」

照「そうか…」

照「…」

淡「ほらスミレ、テルを励ましてあげてよー」

菫「ほっといてやれ」

誠子「弘世先輩、自販機の下あさってお金は集まりましたか?」

菫「集まったよ、230円」

誠子「あ、そういえばのど会に松実宥さん来ましたよ」

菫「はあぁぁぁぁ!!なんで教えてくれなかったんだよこの裏切り者ぉぉぉ!!」

誠子「弘世先輩のこと話したらこれを渡してくれって」スッ

菫「えっ…これはっ!松実館の無料宿泊券!!」

誠子「あと、いつでも連絡してくださいって言ってました」

菫「マジか…あいつ俺に惚れてんな…」

誠子「…」

菫「さてと…ちょっくら電話してくっか」スタスタ

ガチャ バタン

淡「あんなこと言ってるけど、スミレはいざ電話したら緊張してめっちゃへたれるからね」

あっちもおかしいけどこっちもどうかしてるぜ!

照「咲…」

淡「やっぱりさびしいんだね、テル」

誠子「…」

誠子「……オネエチャン」

照「えっ」

誠子「…テルオネエチャン」

淡「なに言ってんの亦野先輩」

尭深「…」ズズ

照「せ、誠子!こっちに来て!」

誠子「…」スタスタ

照「私に膝枕して!」

誠子「はい、どうぞ」

照「頭なでて!」

誠子「はい」ナデナデ

照「♪」

この誠子さんはぐう聖

誠子さんとお付き合いしたいわこれは

とんでもないスレにきてしまったか

白糸台の聖人 亦野

絶対目が死んでる

淡「なんだこれ…」

誠子「…」ナデナデ

照「♪」

淡「まあテルが元気になって良かったよ、尭深先輩クレープ食べに行こう」ギュ

尭深「…うん///」ギュ

ガチャ バタン

照「…」

誠子「…」ナデナデ

照「…誠子は、なんでこんなにやさしくしてくれるの?」

誠子「…」

誠子「…今年のインハイ、団体戦の準決勝覚えてますか?」

照「うん…」

しえん

誠子「副将戦…私は今までにないくらい削られて、すごく落ち込んでいました…」

誠子「私達はなんとか2位通過、そして淡が控室に戻ってきたときに宮永先輩はこう言いました」

誠子「『次に勝てばいい』って…」

照「…」

誠子「淡に言った言葉なのかもしれませんが、私はあの一言に救われました…」

誠子「あの一言のおかげで決勝もがんばることができたんです…」

誠子「それ以降、宮永先輩のことを意識するようになって…気がつけば好きになっていました」

誠子「…だから…好きな人の悲しい顔は見たくないんですよ」ナデナデ

照「…」

照「私も…いつもやさしくて、私なんかにかまってくれる誠子が好き…」

誠子「…」ナデナデ

照「///」カァァ

誠子「…宮永先輩、顔赤いですよ」

照「もう、しらない///」プイ

誠子「ふふっ」ナデナデ

ふむなる

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