小鳥「いえ、実はさっきコンビニに行ったんですけど」

P「はい」

小鳥「11月11日の今日ってポッキーの日じゃないですか？」

P「あぁ、らしいですね」

小鳥「それで、ついポッキーを買っちゃったんですけど……」

P「？」

小鳥「その……お恥ずかしい話なんですけどダイエット中でして……」

P「そうなんですか？」

小鳥「それで、良かったらこのポッキー食べて貰えないかと思いまして」

P「あはは、なるほど。そういう事なら、ありがたく頂きます」

小鳥「良かったぁ。じゃあ、これどうぞ」つ

P「はい、ありがとうございます」

小鳥「それと銀行に行かなきゃいけないんで留守番お願いしても良いですか？」

P「はい。大丈夫ですよ」

小鳥「じゃあ、お願いします♪」ｶﾞﾁｬ

P「いってらっしゃーい」


ﾊﾞﾀﾝ

P「ポッキーか……そう言えば最近は食べなくなったなー」

やよい「おっはよーございまーっす！」ｶﾞﾁｬ

P「おはよう。やよいは元気だなぁ」

やよい「はい！　私は……元気くらいしか……取り柄がありませんから……」

P「どっ、どうしたんだやよい？　急にネガティブに……？」

やよい「むしろ、私なんかが元気だけが取り柄って言ったら、元気さんに失礼かも」

P「いや、元気さんって何か体操のお兄さん的な人を想像しちゃうから止めようか」

やよい「じゃあ…………元気様ですね？　元気様ごめんなさい……」

P「元気の格式が最高位になってしまった……」

やよい「生まれて来てごめんなさい……」ﾄﾞﾖｰﾝ

P「そ、そうだ！　いつもみたいハイタッチしよう！」

やよい「ハイ、タッチ……？」

P「そしたらきっと、いつもみたいに、うっうーって……」

やよい「ふふっ……」

P「なにその渇いた笑い……そんなやよい見たく無い」

やよい「生まれて来てごめんなさい……」ｽﾞｰﾝ

P「どうしてやよいはそうなっちゃったの……」

やよい「私には、もやししかありませんから……」

P「いや、千早みたいに言わないで」

やよい「どうせ、もやし祭りしか芸が無いですしもやし」

P「誰もワンパとか思ってないよ！　あと、ですしおすしみたいな感じでもやし使わないで」

やよい「まぁ、なんでもいいですけれど」

P「やよいは千早の事、嫌いなのかな？」

やよい「えっ？　千早さんの事は大好きですよ？」

P「いや、さっきから嫌い寄りの雰囲気しか……」

やよい「千早さんのあほい鳥とか、とっても良い歌だなーって」

P「ずいぶんとネイティブな歴史的仮名遣いだなー」

やよい「お家で歌の練習してるんです。ちょっと歌って良いですか？」

P「え、なにこのぐいぐい来る感じ」

やよい「じゃあ、歌いますね！」

P「あ、うん。お願いします」

やよい「こほんっ」



やよい「すーなおーなーきーもちでー♪　あーりのーままーやっていればー♪」

P「ストップストップ！　それ真の持ち歌じゃないか」

やよい「はい！　もやしんぐれたーです」

P「なんで勝手にタイトル変えたの！？　あとそこは蒼い鳥を歌ってくれよ！」

やよい「でもでもー、練習してるんですけど、アホい鳥は難しくて……」

P「もうナチュラルにアホい鳥って言ってるよね」

やよい「私ってば、歌の才能が無いのかも……」

P「いやいや、そんなこと無いから、一緒に頑張ろう。な？」

やよい「私なんか所詮、もやし製造機なんです……」

P「いや、もやしを作ってるのは、もやし業者の人達だから」

やよい「ご近所さんに、高槻さんの娘さんはもやしっ子ねぇ……って」

P「そんな事を言われてるのか？　なんなら俺が文句を……」

やよい「いえ、そう言われたいんです」

P「えっ」

やよい「もやしを見るような目付きで見られたいんです」

P「もやしを見るよう目付きって何！？」

やよい「毎日、安いなって」

P「主婦目線っ！？　安いアイドルとか色々語弊が……」

やよい「私、誰もが羨むような、もやしっ子になりたいんです」

P「いや、もやしっ子ってそんな憧れの対象じゃ……」

やよい「夢、ですかね。憧れなんです、小さい頃からの────」

P「ここで春香のセリフ使うちゃうかー」

やよい「それに……みんな、もやしを差別してます」

P「もやしを差別……？」

やよい「細もやしは仕方無いから焼きそばに……豆もやしはナムルに……って」

P「それ、ただの使い分けだから！　美味しく食べる知恵だから！」

やよい「だいたい……私がこれだけもやしを推してるのに……」


やよい「誰も、今日が『もやしの日』って知らないんです」

P「も、もやしの日？」

やよい「そうです。11月11日はもやしの日なんです」

P「へぇ……知らなかった。やよい物知りだなぁ」

やよい「そーゆーの要らないです」

P「ういっス」

やよい「これだけもやしを布教してるのに○ッキーの日に勝てないのが悔しくて……」

P「そこ伏せ字にしちゃうとややこしいな。ポッキーの日な」

やよい「あのチョコでコーティングされたプレッツェルが憎い……」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

P（歯ぎしりするほど悔しいのか？）

やよい「だいたい、もやしは煮てよし、焼いてよし、食ってよし、なのに」

P「味噌汁とかに入れても美味しいもんな」

やよい「それなのに世間はポッキーの日、ポッキー日って」

P「それで、ネガティブな感じになってたのか？」

やよい「はい……。それが私、悔しくって……ジワァ……」ｳﾙｳﾙ

P「口でジワァって言わなくても半泣きだってちゃんと分かるから」

やよい「とにかく、もっと『もやしの日』を認知して貰いたいんです！」

P「そ、それは、なかなか難しいんじゃないかな？」

やよい「もやしをチョコでコーティングすればあるいは……」

P「いや、思いっきりポッキーに擦り寄ってるけども」

やよい「だいたい、なんなんですかポッキーの日って！」

やよい「1111がポッキーを4本並べたように見えるからって……ちゃんちゃらおかしいです」

やよい「おかしくってヘソからもやしが生えちゃうかなーって」

P「もやしの日はなんで11月11日なの？」

やよい「 1111がもやしを4本並べたように見えるからです」

P「ポッキーと一緒だな」

やよい「うっうー！」ζ*のヮの)ζ

P「こう言う時だけ、うっうーに逃げちゃいけません」

やよい「でもでも同じなら、もやしゲームとか、あっても良いと思うんです」

P「どんだけポッキーを目の敵にしてるの！？」

やよい「打倒ポッキーです！」ｸﾞｯ

P「倒したいのか」

やよい「ポッキーだけにポキッと折ってJOYしてやります！」


P「もしかして、やよい……実はポッキー好き？」


やよい「はわわっ！？　ポッキーなんか好きなわけないじゃないですか」

P「本当に？」

やよい「あんな、甘くて……食べたらふわふわーって幸せな気持ちになれる……ポッキーなんか……」

P「好きなんだ」

やよい「だいたい、うちにはポッキーを買うお金もありませんから！」ｳﾙｯ

P「やよい……実はポッキーのCM出演のオファーが来てるんだ」

やよい「えっ！？」

P「俺は元気なやよいにピッタリだと思うんだけど」

やよい「でも……私は、もやしが……」

P「もやしとポッキー、どっちかしかダメなのかな？」

やよい「それは…………」

P「アイドルで中学生で、もやしが好きでポッキーが好きじゃダメなのか？」

やよい「でもでも……」

P「なぁ、やよい……少しくらい欲張りになったって良いんだぞ？」

やよい「欲張りに……？」

P「あぁ。やよいはもっと欲張りになったほうが良い」

やよい「ぷろ……りゅーさー……わたし……ぐすっ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

P「今まで頑張ったんだな。よしよし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

やよい「うぅ……わたし……ポッキーが好きです……っ！」

P「よし、それで良いんだよ！」

やよい「……はいっ！」

P「そういや、さっき音無さんがポッキーくれたんだけど、食べる？」

やよい「えっ？　良いんですか？」

P「うん。ほい」つ

やよい「えへへ……あむっ♪」ﾎﾟｷｯ

P「美味しいか？」

やよい「はい！　とーっても甘くて美味しくて幸せですっ！」ﾆｺｯ

P「良かった。やよいの幸せそうな顔を見れて俺も幸せだよ」

やよい「プロデューサー……あっ、あのっ……！」

P「ん？　どうした？」

やよい「幸せのお裾分けしますっ！」ｽﾞｲｯ

P「え、あぁ……ポッキーをくれるのか？」

やよい「はい！　じゃあどうぞ！　あむっ。んー/////」

P「こっ、これは……っ！？」

P（やよいからのポッキーゲームだと！？）

やよい「んー……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

P（なんで目をつぶってるんですかね）ﾄﾞｷﾞﾏｷﾞ

やよい（ど、どうしよ……亜美達がこうやって遊んでたから、勢いで真似しちゃった）

P（こ、このお裾分けは受け取れないだろ……）

やよい「んー……？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

P（でも受け取らなかったら、やよいが傷ついてしまうかも知れない……）

P（だ、だいたいキスするわけじゃないし……な、なら……）

P「い、良いのか？」

やよい「ふひ(訳※はい)……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

P「じゃ、じゃあ、折角だから、その……頂きます！」ｶﾞｼｯ

やよい「ん……」ﾋﾟｸﾝ

小鳥「ただいま戻りましたー♪」ｶﾞﾁｬ

P「うわぁああああああ！？」わたたっ

小鳥「あれ？　どうかしましたか？」

P「いっ、いえ！　何でも無いですっ！」

小鳥「……そう、ですか？」

やよい「おはよーございまーす！」

小鳥「うふふ。おはよう。やよいちゃんはいつも元気ねぇ」

やよい「はい！　元気が取り柄なので！」

P（音無さんに気づかれてないみたいだな。良かった……）ﾎｯ

やよい「プロデューサー」ﾎﾞｿｯ

P「ん、ん？」

やよい(邪魔、されちゃいましたねっ？)ﾋｿﾋｿ

P(そ、そうだな)ﾋｿﾋｿ

やよい（だから、また私とポッキーゲームして下さいね？）ﾋｿﾋｿ

P「えっ……？」

やよい「私、プロデューサーの所為で、ちょっと欲張りになっちゃったかもっ♪」





　　　　　　　　　　　　　おしまい。

続きまだ？

ここまで、読んで戴きありがとうございました。
スレタイ詐欺でごめん。
もやしをアピールするつもりだったんだが
俺にはもやしとの思い出が足り無かった。

乙！

もやしの日だったのか…

おもしろかったぜ

乙
この題材で誰かしら書くと思ってた

やよいはかわいいなあ

ちーちゃんに対する愛情が感じられるSSでしたね(棒)