海未「貴方のためなら私は・・・」 (89)
貴方に愛する人はいますか?
貴方はその人をどれだけ愛していますか?
愛する人のために自分の身を削る事はできますか?
貴方は愛をどこまで貫けますか?
※痛々しい描写が数多くあります。苦手な人は閲覧注意
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穂乃果「海~未ちゃん?」
海未「あら穂乃果」
穂乃果「今日もデートする?」
海未「いいですね。ぜひ」
ことり「二人ともいいな~」
海未「す、すみませんことり・・・ほったらかすような事を・・・」
ことり「ううん、構わないよ。二人で楽しんできてね」
穂乃果「ありがとうことりちゃん!」
ショッピングセンター
海未「っ・・・随分混んでいますね」
穂乃果「今日何かやるのかな?」
海未「はぐれないでくださいよ」
穂乃果「えいっ!」ギュッ
海未「ほ、穂乃果っ」
穂乃果「これなら離れないよね♪」
海未「全く・・・安心です」
ガヤガヤガヤガヤ
ドンッ
穂乃果「わっ!すみません!」
海未「ほ、穂乃果!歩いてます?」
穂乃果「歩いてるけど!ちょ、ごめんなさい」
穂乃果「あっあっ、海未ちゃん!」
海未「穂乃果!?」
海未「混みすぎです・・・繋いだ手が離れてしまいました」
海未「穂乃果ー?穂乃果どこですか?」
ガヤガヤガヤガヤ
海未「穂乃果!」
ウ、ウミチャーン!
海未「穂乃果!?もう・・・」
海未「あっ、すみません。すみません」
海未「穂乃果ー?どこですかー?」
海未「はぐれてしまいました・・・混んでないところに電話で呼びましょう」
トイレ
海未「ここなら・・・」
ピッピッピッ
プルルルル プルルルル
海未「・・・出ませんね・・・」
海未「全く・・・何をやってるんでしょうか穂乃果」
プルルルル プルルルル
海未「はぁ・・・」
海未「・・・不安になってきました・・・私を不安にさせないでくださいよ穂乃果」
海未「まさか誘拐とかではないでしょうけど」
海未「・・・・・・」
プルルルル
海未「ことりですか?今穂乃果と連絡取れます?」
海未「実ははぐれてしまいまして・・・」
一時間後
迷子センターの人「高坂穂乃果さんですか?迷子の報告はないですね」
海未「園田海未という方は?」
迷子センターの人「報告はありません」
海未「ありがとうございます」
海未(それはそうですよね。まさかこの歳で迷子センターなんて・・・)
海未(しかし本当に不安になってきました・・・あれから大分時間が経っています)
海未「穂乃果・・・早く戻ってきて」
プルルルル プルルルル
ガチャ
海未「穂乃果!?」
電話『・・・・・・』
海未「もしもし穂乃果?聞こえます?」
電話『・・・・・・』
海未「穂乃果?」
海未「あの、今迷子センターにいるんですけど、そこに来てくれます?」
電話『・・・・・・』
海未「穂乃果ー?」
電話『2034号ロッカー』
海未「えっ?貴方誰ですか?」
電話『2034号ロッカー』
海未「機械音?」
電話『2034号ロッカー』
電話『2034号ロッカー』
海未「穂乃果、悪戯ですか?」
電話『2034号ロッカー』
海未「わかりました。行きますよ」
海未「全く・・・」
海未(穂乃果・・・ですよね?もしかしたら・・・)
ロッカー前
海未「穂乃果ー?」
海未「いませんね・・・」
海未「確か2034号ロッカーが何かと言ってましたが・・・」
ガタガタ
海未「開きませんよね」
おじいさん「あんた、2034号ロッカーに用があるのかい?」
海未「えっ?は、はい。そうといえばそうですが・・・」
おじいさん「ほら、これ」
海未「このロッカーの鍵・・・」
おじいさん「じゃあなお嬢ちゃん」
海未「あ、あの!」
海未「これは誰から?」
おじいさん「わしも詳しくは知らん。外人さんに急に頼まれたんじゃ」
海未「外人さん?」
おじいさん「日本語がペラペラでな」
おじいさん「じゃあな」
海未「・・・穂乃果ではないですよね?」
海未「まぁ、開けてみましょうか・・・」
ガチャ
海未「封筒・・・」
ガサゴソ
○○通りロッカー32番
ロッカーの鍵も一緒に入っていた
海未「なんですかこれ・・・穂乃果が用意したゲームか何か?」
海未「仕方ないですね・・・付き合いましょうか」
○○通りロッカー前
海未「えっと・・・ここが」
ガチャ
海未「また封筒ですか・・・」
ガサゴソ
△△通りロッカー12番
海未「もう・・・またですか・・・」
△△通りロッカー
ガチャ
東京都○○○
海未「これ、私の家の住所じゃないですか」
海未「全く・・・こんなことさせて穂乃果は何をしたいんでしょうか」
海未「恐らく家で待っているのでしょう。こんな事ならさっさと帰っておくべきでした」
海未の自宅
海未「郵便受けが盛り上がっていますね・・・」
海未「えっと・・・」ガサゴソ
海未「ダンボールの箱・・・私宛てですね」
海未の自室
海未「穂乃果、家に来ているのかと思えばいないじゃないですか」
プルルルル プルルルル
海未「・・・出ませんね・・・」
海未「これ、開けてみましょうか」
パカッ
海未「き、きゃっ!」
海未は思わず箱を飛ばした。中にあるものが床に落ちる
カラン パサパサ
いくつかの折られた折り紙、そして・・・
海未「こ、これは・・・本物・・・?」
拳銃だった
海未「ど、どうすべきでしょう・・・け、警察に・・・」
他に、スマホも落ちていた
海未「お、落ち着いて・・・この携帯を調べれば何かわかるかも・・・」
海未は携帯を起動させた
Now Loading...
携帯に映像が流れ始めた
穂乃果『すみませーん!誰かいませんかー?』
海未「ほ、穂乃果!?」
・・・
バスルーム
穂乃果「う、う~ん・・・」
穂乃果「あれ・・・?ここどこ?さっきまで海未ちゃんとお買い物してたのに・・・」
そこは、トイレと風呂場が一緒になっているバスルームだった
穂乃果「すみませーん!誰かいませんかー?」
穂乃果「すみませーん!」
穂乃果「・・・・・・」
穂乃果「もぅ、何なの?」
穂乃果「こんなところ早く出よ」
ジャラ
穂乃果「あ、あれっ・・・?」
穂乃果「く、鎖!?」
穂乃果の左足に重い鎖が繋がれていた
穂乃果「な、なにこれ!?動けないよー!」
穂乃果「うわーん!誰か助けてー!」
SAW?
・・・
海未「ほ、穂乃果・・・?一体貴方に何があったというのですか・・・?」
海未は散らばった折り紙を集める
その中に一つ、手紙が紛れていた
園田海未様へ
貴方は愛する人間のために何をやれますか?
貴方は愛する人間のためならどんな事でもやれますか?
貴方の愛する人間、高坂穂乃果は誘拐されました
高坂穂乃果は溺死する恐れがあります
高坂穂乃果を救いたければ貴方に覚悟があることを証明してください
様々な試練を乗り越えたとき、貴方は本当の幸せを得るでしょう
海未「・・・・・・」
海未「・・・穂乃果が・・・誘拐された・・・?」
穂乃果『そうだ!携帯を使おう!』
穂乃果『えっとえっと・・・うわっ!圏外だ!』
穂乃果『もうやだー!』
海未「・・・・・・」
・・・
折り紙にはそれぞれ番号が振られています
若い番号の折り紙から中身を開け、試練をクリアしてください
もしも試練にクリアできれば高坂穂乃果の居場所に関するヒントが得られます
失敗すればヒントは得られません
高坂穂乃果を救うために貴方は何でもできますか?
海未「警察に・・・連絡すべきでしょうか・・・」
・・・
もしもこれが第三者に目撃されたら高坂穂乃果は死にます
死にます
海未「そ、そんな・・・」
海未「・・・信じがたいですが、もしもこれが本当なら・・・」
海未「・・・折り紙を開けてみましょうか・・・」
1と書かれた鶴の折り紙を開く
貴方は愛する人のために体を汚す事ができますか? ○○公園 裏庭
海未「あの人通りの少ない寂れた公園の裏庭・・・」
海未「何かが隠してあるという事ですか?」
海未「・・・とにかく行ってみましょうか・・・」
海未「念のためこの箱は誰にも見つからないようにしておきましょう」
海未「では・・・行ってきます」
バタン
○○公園 裏庭
海未「・・・こんなところに一体何があるというのでしょうか・・・」
そこには金庫と錆びた板があった
海未「んっ?ここ、掘り返されて落とし穴みたいになっていますね」
海未は落とし穴の蓋となっている錆びた板を取った
海未「!!?」
ブゥゥゥゥン!!ブゥゥゥゥン!!
ウジウジウジウジ
海未「ひ、ひぃっ!」
そこには・・・死体があった
死体に蛆が湧き、ハエが集っていた
海未「い、いやぁぁぁぁ・・・こんなの・・・」
ピッピッピッ
箱から取り出した携帯が反応している
海未「ほ、穂乃果?」
Now Loading...
・・・
穂乃果「誰かいませんかー・・・」
穂乃果「・・・・・・」
穂乃果「穂乃果はいつまでここにいればいいんですかー・・・?」
穂乃果「・・・・・・」
穂乃果「もういや・・・お腹減ったよ~・・・」
穂乃果「トイレにも行きたくなっちゃった・・・」
穂乃果「あれ?トイレならここにあるじゃん」
穂乃果「やりっ!鎖に繋がれてもトイレになら届くね!」
穂乃果「はぁ~スッキリ~・・・」ジョー
穂乃果「拭いてっと・・・」フキフキ
穂乃果「流してっと・・・」ジャー
穂乃果「はぁ・・・トイレには困らないけどお腹減って出すものも出せなくなっちゃうよ・・・」
ジャー
穂乃果「誰か来てくれないかなぁ・・・海未ちゃん・・・」
ジャー
バシャバシャ
穂乃果「えっ!?」
穂乃果「う、嘘嘘!溢れちゃったよこのトイレ!」
穂乃果「うわぁ~やだー!穂乃果のおしっこが溢れちゃってる!」
穂乃果「うわぁん汚いよー!誰か止めてー!」
トイレでTRICK思い出した
・・・
海未「ほ、穂乃果?」
海未「!!!まさか!?」
高坂穂乃果は溺死する恐れがあります
海未「こ、こういう・・・!」
海未「ほ、本当だったみたいです!穂乃果が危険!」
海未「だからこの試練とやらをクリアして穂乃果の情報を得ろと!?」
海未「や、やるしか・・・ないんですね・・・」
金庫の上に機械が置いてあった
海未は機械の画面をタッチする
機械「今から三分以内にこの近くにある金庫の鍵を探し出し金庫を開けてください。報酬は金庫の中です」
その機械音と同時に金庫のオートロックの時間が動き出した
チチチチチチ
SAWもTRICKも参考にしてる
やっぱみんな知ってるんだね
海未「え・・・え・・・っと・・・」
海未「さ、探さなくては・・・」
海未「そうです!探さなくては!穂乃果の情報を得なければ!」
海未「この近くにって・・・この・・・この中・・・?」
ウジウジウジウジ ブゥゥンブゥゥン
海未「い、いや・・・こんなの絶対・・・」
貴方は愛する人のために体を汚す事ができますか?
海未「こういう・・・事だったのですね・・・」
機械「残り、二分です」
海未「に、二分!」
海未「はぁ・・・!はぁ・・・!」
海未「や、やらなければ・・・やらなければ!」
海未「ああああああ!!!」
ブゥゥンブゥゥン!ウジウジ!
海未「いやぁ!臭い!いやぁぁぁぁ!」ガサゴソ
海未「お願い!早く!鍵!どこですか!かぎぃぃ!!」ガサゴソ
機械「残り一分です」
海未「まさか死体の・・・死体の・・・」
海未「ああああぁぁぁぁ!!!」ガサゴソ
ブゥゥン!ブゥゥン!ウジウジ!ウジウジ!
海未「いや・・・もうダメです・・・」
海未「ああっ!」
落とし穴から脱出する
海未「ないです・・・ないですよ・・・もういや・・・」ポロポロ
機械「残り30秒です」
海未「・・・こんなものに!」
そう言い、機械を投げ捨てようとする
海未「あ・・・あれっ・・・?」
よく見たら、金庫の裏側に鍵が置いてあった
海未「ま、まさか・・・」
カチャリ ガチャ
金庫は開いた
機械「おめでとうございます」
海未「・・・・・・」
海未「確かに・・・近くにありましたね・・・」
中にはSDカードが入っていた
カードを携帯に挿す
________イ_ シ______
海未「・・・・・・はっ?」
海未「い・・・し・・・」
海未「最初の単語は10文字、二つ目が7文字の場所・・・ということですか?」
海未「そうか・・・試練にクリアしてこの暗号を解読して行けと・・・」
海未「・・・戻りましょう・・・」
海未「最悪です・・・帰ったらすぐにシャワーです・・・」
海未「一週間家に誰もいなくて本当によかったです・・・」
・・・
海未「ふぅ・・・」
海未「って!安心している場合ではありません!」
海未「穂乃果!」
穂乃果『最悪ぅ・・・足がおしっこまみれに・・・』
海未「あまりのんびりしている場合じゃないみたいですね・・・」
海未「次の・・・次の折り紙!」
貴方は愛する人のために痛みに耐えることができますか? ○○倉庫
海未「痛みに・・・嫌な予感しかしません・・・」
海未「でも・・・やらなければ・・・」
○○倉庫
今は廃倉庫となっている
ギギギギギ
海未「・・・人はいませんね・・・」
また、さっきと同じように金庫があった
その手前には大量の画鋲が積み込まれた穴もあった
海未「・・・・・・」
海未は金庫の裏や、目に届かないところに一通り目を通した
海未「鍵はありません・・・ということは・・・」
ピッピッピッ
海未「穂乃果・・・」
・・・
ザバーンザバーン
穂乃果「ちょっと待って・・・これ、本格的にやばいんじゃない?」
穂乃果「おしっこがどうとか言ってる場合じゃなくなってきたよ」
穂乃果「扉には・・・うーんうーん!届かない!」
穂乃果「窓もない・・・まさか壁は壊せないし・・・」
穂乃果「お風呂に排水溝もない・・・水は溜まっていく一方」
穂乃果「天井には鉄格子が・・・格子の上はそれなりのスペースがあるみたいだけど・・・」
穂乃果「鎖に繋がれてるけど穂乃果の足の高さくらいまでは移動できるね」
穂乃果「えいっ!えいっ!」ガタガタ
穂乃果「外れないよー!」
穂乃果「んっ?お風呂の中に何か・・・」
穂乃果「ひぃ!これ、のこぎり!?」
穂乃果「しかも普通のじゃない・・・鉄を切る奴だよこれ・・・」
穂乃果「こ、これで鎖を!」
穂乃果「うおおおおお!!!」ギコギコ
バキン!
穂乃果「ああもう!!」
穂乃果「・・・のこぎり、もう一つある・・・」
穂乃果「でももうこの鎖は切れないし、他に良い使い方はないかな?」
穂乃果「多分扉まで行けば逃げれる。ガラスくらいなら割れると思う」
穂乃果「じゃあこののこぎりを投げて扉のガラスを割る?いやいや無理無理」
穂乃果「左足さえなければすぐに逃げられるのに・・・」
穂乃果「左足さえ・・・なければ・・・?」
穂乃果「・・・こののこぎり・・・」
穂乃果「いやいやいや、ダメだよ。そんなことできない」
穂乃果「どうにか・・・どうにか他の脱出方法を・・・」
・・・
海未「待っていてください穂乃果・・・!すぐに助けに行きます!」
海未「もう大体何をやらせたいのかはわかっています・・・」
海未「すぅ・・・はぁ・・・」
金庫の上の機械にタッチする
機械「今から3分以内に画鋲の中にある金庫の鍵を取り出し、金庫を開けてください。報酬は金庫の中です」
チチチチチ
海未「やっぱり・・・」
海未「いたい・・・いたい・・・痛いでしょう・・・痛いでしょう・・・」
海未「ですが・・・ですが・・・!」
海未「はぁはぁ・・・やらなければ・・・やらなければ・・・」
海未「大丈夫・・・大丈夫です・・・はぁはぁ・・・」
海未「ただの画鋲です・・・あまり深くは刺さりません・・・」
海未「目だけに気をつければ大丈夫です・・・」
海未「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!」
機械「残り2分です」
海未「やらなければ!やらなければ!」
海未「海未!やるんです!海未!」
海未「穂乃果を救えるのは私しか!私しかいない!」
海未「うぅぅああああああ!!!」ジャラジャラ
海未「いやあぁぁ!!!!いたいいたいいたいいたい!!!!」グサグサザクザク
海未「鍵!!がぎぃ!!いたいいたい!!!!!!」グサグサジャラジャラ
海未「うわあああぁぁぁぁ!!!!」ジャラジャラ
機械「残り1分です」
海未「ない!!ない!!」
海未「どこに!?どこにあるの!!?かぎぃぃぃぃ!!!!」ジャラジャラ
機械「残り30秒です」
海未「あっ!!あっ!!これ!!これぇ!!!」パシッ
機械「残り10秒です」
海未「あっあっ・・・震えて・・・鍵穴に・・・」ブルブル
カチャリ ガチャ
機械「おめでとうございます」
海未「はぁ・・・はぁ・・・!やりましたよ穂乃果・・・!」
海未「痛い・・・痛い・・・」
海未「私の体が・・・画鋲だらけに・・・」
海未「なぜ私は薄着で来てしまったのでしょう・・・」
海未「痛い・・・痛いよぉ・・・」プチッ プチッ カラン カラン
・・・
海未「はぁ・・・はぁ・・・」
海未「全部取れたでしょうか・・・」
海未「血が・・・全身血だらけです・・・」
海未「いや・・・もういや・・・」
SDカードを携帯に挿入する
________イ_ シャ___ー_
海未「シャワールーム・・・でしょうか・・・?」
海未「それはわかるんです!どこのシャワールームですか!」ダン!
海未「はぁ・・・報酬なしといっても過言ではありませんね・・・」
海未「最悪です・・・」
海未「・・・・・・帰りましょうか・・・」
・・・
ピンポーン
ことり「海未ちゃーん?居るよねー?」コンコン
ことり「もしもーし海未ちゃーん!聞こえてますかー?」
ことり「・・・・・・」
ことり「ことりに居留守なんて・・・いい度胸だね海未ちゃん」
ことり「海未ちゃん家の合鍵の隠し場所なんて知ってるもん」
カチャリ
ことり「おじゃましまーす」
海未の部屋
ことり「海未ちゃん?」
海未「ぅぅ・・・ぅぅぅぅぅ・・・」
ことり「う、海未ちゃん!?大変!どうしたの!?」
海未「こ、ことり・・・」
ことり「凄い怪我・・・待ってて海未ちゃん!治療してあげる!」
海未「ことり・・・いいんですことり・・・ほっといてください・・・」
・・・
穂乃果「はぁ・・・はぁ・・・」
穂乃果「やっぱり・・・やっぱり・・・足を・・・」
穂乃果「いや!いや!それは絶対にいや!」
穂乃果「そんな痛くて怖い事できないよ・・・」
穂乃果「お願い誰か・・・誰か助けて!」
・・・
海未「うぅぅぅぅんん・・・」
ことり「あっ、海未ちゃん、やっと起きた」
ことり「大丈夫?痛くない?」
海未「ことり・・・治療してくれたんですか・・・」
ことり「そうだよ。海未ちゃん血だらけで・・・全身包帯だらけになっちゃった」
ことり「それで・・・海未ちゃんの背中にこんなのが刺さってたんだけど・・・」画鋲
ことり「どういうことなの?全部ことりに話してみて」
海未「・・・すみません・・・話せません・・・」
ことり「たぶん、いじめって訳じゃないよね?」
ことり「穂乃果ちゃんと関係してるの?」
海未「ほ、穂乃果は関係ありません!」
ことり「嘘つき」
ことり「急に慌てだして・・・わかりやす過ぎるよ」
ことり「穂乃果ちゃんとはもう12時間も連絡を取れてない」
ことり「海未ちゃんの携帯を見させてもらったけど、12時間前から穂乃果ちゃんとは連絡取れてない」
ことり「ねぇ・・・何か知ってるんでしょ?」
ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃんに何があったのか全部話してみて?」
海未「・・・・・・」
海未「ことり・・・私たちのことを思うのなら・・・」
海未「このことは全部忘れてください・・・」
ことり「何で!?ことりも二人の幼馴染だよ!二人のことはどんな事でも知っていたい!」
ことり「それに、普通じゃないもん!普通だったら全身に画鋲なんか刺さって家に帰ってこないよ!」
ことり「お願い海未ちゃん・・・ことりはどんな事でも力になるから」
ことり「ねぇ?教えてみて?」
海未「・・・貴方を・・・巻き込むわけにはいかない・・・」
ことり「巻き込む・・・?何に?」
ことり「ことりも巻き込ませて!力になりたいの!」
海未「危険なんですよ!」
海未「貴方を巻き込んだらあなた自身も・・・」
海未「・・・穂乃果も・・・危険なんですよ・・・」
ことり「ど、どういうこと?」
海未「お願いしますことり・・・全部、忘れてください・・・」
ことり「で、でも・・・」
海未「私のために・・・」
ことり「っ・・・」
ことり「・・・わかったよ・・・今日の事は全部忘れる」
ことり「ことりは何も知らずに家に帰る、これでいい?」
海未「はい・・・お願いします・・・」
ことり「・・・わかった」
ことり「海未ちゃん・・・気を付けてね・・・」
バタン
海未「・・・ごめんなさいことり・・・これも貴方の為なんです・・・」
海未「さて・・・早くしないと・・・」
海未「い、いたたたた・・・辛いです・・・」
海未「鎮痛剤・・・ことりが用意してくれたのでしょうか・・・?」
海未「1日2錠まで・・・」
パクッ ゴクッ
海未「はぁ・・・こんなのじゃ痛みは引きません・・・」
パクパクパク ゴクッ
海未「はぁはぁ・・・さすがに飲みすぎました・・・」
海未「次の・・・折り紙・・・」
貴方は愛する人のために身体を犠牲にすることはできますか? ○○アパート 104号室
海未「行きましょう・・・のんびりしていられません・・・」
ガチャ タッタッタッタッ
ことり「・・・・・・」
○○アパート
海未「火事・・・の跡・・・でしょうね・・・」
海未「身体を犠牲にする・・・一体何が・・・」
104号室
ガチャ バタン
そこは火事で焼かれたアパートの一室だった
中央にテーブルが一つ、その上にいつもの機械が置いてあった
海未「この機械にタッチしたら・・・始まってしまう・・・」
海未「金庫はないようです・・・どこかに直接SDカードが置いてあるのでしょうか・・・?」
海未「探してみましょう」
テーブルの下、キッチン、丸コゲのタンスの中、ありとあらゆる場所を探したがカードはなかった
そして、アパートの中には斧やナイフ、はさみなどの道具や、消毒などある程度のものも置いてあった
海未「くっ・・・!見つかりません!」
海未「また・・・あれを・・・試練をクリアしなければ・・・」
海未「何をせこい事をしようとしているのですか?穂乃果のためですよ?穂乃果のためならどんな事でもできます」
海未「行きます・・・行きますよ・・・」
タッチ
機械「貴方は愛する人のために身体を犠牲にすることはできますか?」
機械「今から5分以内に貴方の指を第二関節から」
機械「切り落としてください」
海未「!!!??」
・・・
穂乃果「デェ!えいっ!それっ!」ガンガン!
穂乃果「ダメだ・・・鎖も壁も壊れないよ・・・」
穂乃果「お願い便器!止まって!お願いだから止まって!」
穂乃果「嫌だよ・・・死にたくないよ!」
穂乃果「どうにか・・・どうにかできないの!?」
・・・
チチチチチ
海未「はぁ・・・はぁ・・・落ち着きなさい・・・穂乃果のためです・・・穂乃果のためならなんでも・・・」
海未「と、とにかく準備をしましょう・・・準備をしなければ指なんか切れません・・・」
包丁、斧、はさみ、ワイヤーカッター、釣り糸、のこぎり、ウォッカ、熱された鉄の棒、消毒薬、木の板
機械「残り4分です」
海未「これだけ揃いました・・・どうにかなるでしょう・・・」
海未「さて・・・」椅子座り
海未「まずは指を切断するもの・・・」
海未「はさみ・・・こんなもので切れません!かなりの苦痛でしょう・・・」
海未「のこぎり・・・ゆ、指を・・・ギコギコ・・・無理でしょう・・・」
海未「釣り糸・・・き、切るなら一瞬でできるかもしれませんが・・・」
海未「鉄の棒・・・や、焼き切る!?無理ですそんなの!」
海未「包丁、斧、ワイヤーカッター・・・どれかでしょうね」
海未「ワイヤーカッターは切断部分が小さいですから失敗したら・・・」
海未「包丁、持ちやすくて切るにはもってこい・・・」
海未「斧、包丁より切れ味が良いかもしれませんが、多少持ち辛いかも・・・」
海未「斧・・・ですね、この中では・・・」
海未「あとは切った後、熱された鉄の棒で断面を焼いて消毒ですね・・・」
海未「切る前に消毒薬を十分にかけて板を口に挟みましょう・・・」
海未「ウォッカはダメです・・・まだ未成年です・・・」
機械「残り3分です」
海未「さ、さて・・・いきましょうか・・・」
海未「指を第二関節から切断・・・どの指とは指定がありませんでした・・・」
海未「私の指の中で一番いらない指・・・」
海未「私は右利きですからひ、左手の指でしょう・・・」
海未「い、いらない・・・いらない・・・ここ、小指でしょうね・・・」
海未「きま、決まりました・・・左手の小指です・・・」
海未「大丈夫です・・・斧を使って左手の小指を切る、それだけです・・・」
海未「し、深呼吸を・・・」
海未「すぅ・・・はぁ・・・」
海未「すぅ・・・はぁ・・・」
海未「痛いのは・・・一瞬です・・・」
海未「躊躇えば躊躇うほど失敗しやすくなる・・・失敗すればかなりの苦痛・・・」
海未「し、消毒を・・・」ボトボト
海未「板をしっかり口で挟んで・・・」
海未「いきます・・・いきますよ・・・」
機械「残り2分です」
海未「1、2の3です・・・1,2の3・・・」
海未「1で構えて2で振りかぶり3で落とす・・・それだけです・・・」
海未「いきます・・・いけます・・・大丈夫です・・・」
海未「1・・・」
海未「2の・・・!」
海未「さ、さん!」トン
海未「そ、そうです!これでいいんです!今のは練習です!」
海未「今の調子ですよ・・・今のを本気でやるだけ・・・できます・・・」
海未「い、1・・・」
海未「2の・・・!」
海未「・・・すぅ・・・はぁ・・・」
海未「いけます・・・いけます・・・」
海未「い、いち・・・」
海未「できるわけないでしょう!!」
海未「無理です・・・無理ですよぉ・・・」
穂乃果『助けてー!助けてーー!!』
穂乃果『海未ちゃん!ことりちゃん!お母さん!』
穂乃果『わあああぁぁぁぁ!!!!』
海未「穂乃果・・・」
海未「私は・・・何をやっているのでしょう・・・」
海未「穂乃果は命の危機なのですよ?」
海未「それに比べて私はただ指を切るだけ・・・ちょっと痛いだけです」
海未「穂乃果の命と比べたら私の指なんてその辺の石ころみたいなものです」
海未「切るしか・・・切るしか・・・」
海未「貴方のためなら私は・・・」
海未「やります・・・やります!」
海未「い、痛みを少しでも和らげるためにアルコールを摂取しましょう・・・」
海未「こんなときくらいは大丈夫です・・・緊急事態ですから」
海未「ゴク・・・ゴク・・・」
海未「ぶはっ・・・なんですかこの味・・・」
海未「お、おえっ・・・気持ち悪くなってきました・・・」
機械「残り1分です」
海未「眩暈が・・・」
海未「あぁ・・・モヤモヤしています・・・」
海未「でもこれなら・・・」
海未「これなら痛みも・・・」
ドクドクドクドク
海未「いきます・・・いきます・・・」
海未「すぅ・・・はぁ・・・」
ドクドクドクドク
海未「指を置いて・・・」
ドクドクドクドク
海未「ここです・・・ここに斧を振り下ろせば・・・」
海未「1,2の3・・・このリズムです・・・1,2の3・・・」
海未「いきます・・・いきます・・・いきます!」ブルブル
海未「1・・・」
海未「2の・・・!」
海未「さあぁぁぁん!!!」グシュ!
海未「いやあああああああああああああ!!!!」
海未「ああああああああ!!!!いたあああああああああ!!!!」
海未「ああああああああああああああ!!!!!!!!」
海未「早く!!早く焼かないとぉ!!!」
海未「鉄の棒!!鉄の棒!!!」
海未「いいいぃぃぃぃやあああああああああ!!!!!!」ジュー
海未「いたあああいいいい!!!ああああああああ!!!!」ジュー
海未「はぁはぁはぁ!!!!あああああああ!!!」カランカラン
海未「ううぅぅぇぇえええええええ!!!!はああああああああ!!!!」
海未「は!!!はぁ!!!どぅ!!どぅ!!!ああああ!!!」
海未「報酬!!報酬ぅぅぅ!!!」
機械「テーブルの裏」
海未「はぁ!!ああああああ・・・!」
海未「こ、こんな!こんなところにぃ・・・!」
海未「あぁ・・・!穂乃果ぁ・・・穂乃果ぁ・・・」
___キ____イ_ シャ__ルー_
海未「わかりません・・・!これだけじゃあ・・・!」
海未「ああ・・・!痛い・・・痛いよぉ・・・」
海未「私はバカです・・・!こんな簡単な場所にあるのに関わらず・・・」
ことり「海未ちゃん!いるんでしょ!開けて!」ドンドン!
海未「こ、ことり・・・」カチャリ
ことり「海未ちゃん!」
ことり「い、いやあああああ!!!!海未ちゃん指が!!」
・・・
ことり「もう関わらないでとは言わせない」
ことり「指は・・・しっかり処置されてるから治る。大丈夫だよ、今の病院は凄いんだから」
ことり「全部・・・話して」
海未「・・・・・・」
海未は今までのことを全部話した
海未「貴方が関われば穂乃果は死ぬ。それは覚えておいて欲しい・・・」
海未「お願いです・・・全部話したんです・・・私のために関わらないでください・・・」
ことり「・・・いや」
海未「いやではありません・・・関わってはいけないのです・・・」
ことり「海未ちゃんに関わらなければいいんでしょ?」
ことり「海未ちゃんはそのままその試練とやらをクリアして」
ことり「ことりは別のところで穂乃果ちゃんを探し出す」
ことり「これでいいでしょ?」
海未「はい・・・それなら・・・」
ことり「海未ちゃん」ギュッ
ことり「絶対に・・・死んじゃやだよ?」
海未「はい・・・死にません・・・」
海未「私は穂乃果を救うまで・・・死ねません・・・」
海未「絶対に・・・穂乃果を・・・」
ことり「穂乃果ちゃんは必ず助けるよ」
ことり「じゃあ早速・・・行くところができたから」
・・・
穂乃果「もう胸くらいの高さまで・・・」
穂乃果「何やってもダメだよ・・・」
穂乃果「穂乃果にできる事・・・何もない・・・」
穂乃果「いや・・・ある・・・一つだけ・・・」
穂乃果「・・・・・・」
・・・
真姫の家
ピンポーン
真姫「はーい、ことり?」
ことり「真姫ちゃん。今日はちょっとお話したくて来たの」
真姫「そう、あがって」
・・・
真姫「それで、話って?」
ことり「あの、○○アパート知ってるでしょ?」
ことり「あのアパートの所有者が真姫ちゃんの家だったから」
真姫「ああ・・・あそこね・・・」
真姫「はい、どうぞ」コーヒー
ことり「ありがとう」
真姫「あそこ、火事になっちゃったからまともな物件じゃないわよ」
ことり「そこの、104号室、あるでしょ?」
真姫「まさか、借りたいとか言うの?」
ことり「104号室、誰かに貸してるでしょ?」
ことり「誰に貸してるのか教えて欲しいの」
真姫「そう・・・」
真姫「確かどこかに資料があったと思うから・・・」
真姫「探してくる。ことりはコーヒー飲んで待ってて」トコトコ
ことり「うん、わかった」
ことり「・・・・・・」
ことり(チャンス、だよね)
ことり(ことりの予想だと真姫ちゃんは何かしら知ってる)
ことり(あの物件・・・あそこを借りてる人が・・・犯人かも・・・)
ことり(何か役立つ情報でもあればいいんだけど・・・)
ことり(こ、これ・・・)
ことり(即効性の睡眠薬・・・まさか・・・)
ことり(コーヒー飲まなくてよかった・・・多分入ってたよね・・・)
ことり(ことりにこんなもの飲ませようとして・・・やっぱり真姫ちゃんは・・・)
ガンッ!
ことり「あうっ!」ドサッ
真姫「気付いちゃった?」
真姫「待ってたわ・・・私を楽しませてねことり♪」
・・・
海未「4つ目の折り紙・・・」
貴方は愛する人のために他人の命を奪う事ができますか?
東京都○○○○ ○○○○○を殺してその証拠写真を転送してください
海未「な!!!??」
・・・
ことり「うううぅぅぅぅぅん・・・」
ことり「な、何!?」
真姫「あら、起きた?ことり」
ことり「う、動けない~・・・」
真姫「当然よ。手足はロープでしっかり縛ったからね」
真姫「ふふふ・・・安心して?じっくり楽しんであげるから・・・」
ことり「い、いや!放して!」
真姫「そういうわけにはいかないのよ」
真姫「貴方、あのアパートの事聞いてきたでしょ?」
真姫「あのアパートの事を聞いてくる人間はこうすべきなのよ」
ことり「ど、どういうことなの!?」
真姫「そうね。どうせ死ぬんだし教えてあげるわ」
真姫「あのアパートは殺人犯が使ってるのよ」
ことり「さ、殺人犯!?」
真姫「あそこで人を殺してるわけじゃないらしいけどね」
ことり(あそこは・・・海未ちゃんが言ってた試練に使われてるんだ)
ことり「だ、誰!?その殺人犯って誰なの!?」
真姫「絵里よ」
ことり「え、絵里・・・?絵里ちゃん・・・?」
真姫「そうよ。みんなが憧れる生徒会長、絢瀬絵里」
ことり「え、絵里ちゃんが・・・殺人犯・・・?」
真姫「そう。何か事情があるみたいだけどね、そこは知ったこっちゃないわ」
真姫「私も最初はあいつを警察に突き出そうとしたけどね」
真姫「でも・・・凄く良い取り引きを提案してきてね」
真姫「あいつにアパートを貸すだけで私には莫大な利益が戻ってくるの」
真姫「本当においしい話なのよ」
真姫「最近、UTXの生徒が一人死んだでしょ?」
真姫「あれも絵里が犯人なのよ」
ことり「っ・・・!」
真姫「あいつは殺すたび殺すたび、何かを呟いてはまた次の計画を立てて」
真姫「私にとっては誰かが死ぬなんてどうでもいいわ。その辺の人間なんて石ころ以下よ」
真姫「石ころが一つなくなるだけで、お金にしたらいくら貰えると思う?」
ことり「い、いつから絵里ちゃんは・・・?」
真姫「さあ?確かあいつの妹が死んだときくらいからだと思うけど」
ことり「っ!?」
真姫「気付いた?私も協力者なのよ」
真姫「一人二人・・・貴方で三人目ね」
真姫「あの二人は私が実験する前から死んでたから、生きてる人間で実験するのは初めてよ」
真姫「さぁてどう?最後の最後に衝撃の事実を知った訳だけど」
ことり「う、嘘でしょ真姫ちゃん・・・」
真姫「安心しなさいことり。貴方は医学の最先端の発見をする人間かも知れないのよ?」
真姫「貴方を解体して・・・人間のことをより知ることができるかもしれないわ!」
ことり「い、いやぁ!いやあああぁぁぁ!!!」
ことり「そんなのやだ!死にたくない!」
真姫「ふ~ん・・・人間は死の危機に陥るとこういう反応するのね・・・」
真姫「いいわよことり!もっと怯えなさい!」
ことり「いやー!!助けて!!」
真姫「ここは私の家の地下よ。誰も助けになんて来ない」
真姫「さぁて・・・」ウィィィィン!
真姫「これを使ってまずはどこに穴を開けてみましょうか?」ウィンウィン!
ことり「いやいや!!あああああ!!!」
真姫「私、脳を解体してみたいと思ってたの」
真姫「あっ、でも子宮を開けてみたいとも思うし・・・」
真姫「死んじゃったらダメだし二者一択ね・・・迷うわ」
ことり「いや!いやぁぁぁぁ・・・」
真姫「あら、ことり!失禁してるわ!」
真姫「なるほどこれが・・・リアルで見るのは初めてね」
ことり「ぁぁぁ・・・やめて・・・やめて・・・」ポロポロ
真姫「涙も出てきたわ。相当怯えてる証拠ね」
真姫「こんなに怯えてる人間の脳はどうなっているのかな?気になるわ」
真姫「決めたわ!ことり!貴方の脳を解体してみたい!」
ことり「ダメダメ!やだ!!」
真姫「大丈夫よことり。光栄に思いなさい。この真姫ちゃんに脳の解体をしてもらうんだから」
真姫「それじゃあいくわよ!」
ウィィィィン!!ウィィィィン!!
ことり「いやぁ!!いやあああああああああ!!!」ブンブン!
真姫「そんなに動くとうまくいかないわよ!」ジジジ!
ことり「みみ!いたぁぁぁいい!やだやだ!」
真姫「ほら言ったじゃない!動くから関係ない耳を傷つけちゃって」
真姫「いくわよことり!」
ウィィィィン!!ウィィィィン!!
ことり「ああああああああああああ!!!!」
真姫「た、高い声ね・・・耳がおかしくなっちゃう・・・」
真姫「脳の解体開始!」
ウィィィィン!!ウィィィィン!!
ことり「やああああああ!!!!」
ピンポーン
真姫「はぁ・・・ホントに良いタイミングだと思わない?」
真姫「いつもそう。こういういい時に限って邪魔が入るのよ」
真姫「待ってなさい。すぐ引き返してもらうから」トコトコ
ことり「助けて!!助けてーー!!!」
真姫「はーい」ガチャ
海未「・・・・・・」
真姫「あら、海未じゃない」
真姫「何か用?」
真姫「って、どうしたのよ?全身包帯だらけじゃない」
海未「・・・問題ありません」
真姫「病院、連れて行こうか?」
海未「いえ、大丈夫です・・・」
真姫「ならいいけど・・・」
海未「・・・・・・」
真姫「用事がないなら早く帰ってくれる?私今忙しいの」
ァァァァ・・・ェェェェ・・・
海未「・・・?何か聞こえませんか?」
真姫「ああ、猫よ。さっき捨て猫を拾ってきたの」
真姫「私猫ちゃんの世話しなきゃだから、もういい?」
海未「真姫・・・」
真姫「何よ?」
海未「・・・真姫・・・」
真姫「いい加減にして」
真姫「私もう行くから。じゃあね」
海未「真姫・・・!」銃構え
真姫「ひっ!な、なによそれ・・・本物・・・?」
海未「真姫・・・」
真姫「そ、そんなものを私に向けてどうするつもり・・・?」
海未「あ、貴方は・・・穂乃果のために・・・」プルプル
真姫「お、落ち着いて・・・穂乃果がどうしたの・・・?」
真姫「何かあるなら必ず力になる。だからお願い。銃を下ろして・・・」
海未(できません・・・できません・・・真姫を殺すなんて・・・)
海未(いくら穂乃果のためだからといって、何の罪もない真姫を殺す事なんてできない・・・)
海未(あまりにも無情すぎます・・・!悪人ならともかく何も悪くない真姫を・・・殺せだなんて・・・)
真姫(くっ・・・どういうつもりよ・・・?まさか私のしている事がバレたって言うの?)
真姫(とにかく、よくわかんないけど海未は私の敵ね・・・殺されるなんて堪ったもんじゃないわ)
真姫(どうにか打開策は・・・)
真姫「落ち着いて海未・・・私達の今までを思い出してみましょう?」
真姫「穂乃果がきっかけで生まれたμ's。私たちはそのμ'sのメンバー」
真姫「貴方が書いた歌詞に私が曲をつけてμ'sの曲はできていったでしょ?」
真姫「何百人ものお客さんの前で一緒に歌った事もあったわよね?」
真姫「私たちは栄光の舞台に一緒にあがった仲間よ?その私を殺してどうするの?」
海未「真姫・・・」
海未(その通りです・・・私たちは仲間・・・いくら穂乃果の為だからといって仲間を殺すなんて・・・)
海未(できない・・・自分ならいくら犠牲になってもいい・・・だけど、人を犠牲にするなんて・・・)
真姫(海未がうつむいて目を瞑っている!チャンス!)
真姫「うわああああ!!!」ガバッ!
海未「なっ!ま、真姫!」
真姫「私を殺しに来たって!!?そうはさせない!!返り討ちにしてやる!!!」
海未「やめなさい!真姫!」
バァンバァン!!
真姫「死ねぇぇぇぇぇ!!!」ブンッ!
海未「なっ!?メスを!」
海未「きゃっ!」ドサッ!
真姫「ふふふ・・・」
真姫「あははははは!!!」
海未「はぁはぁ・・・!真姫・・・?」
真姫「落し物よ海未」銃拾い
海未「くっ・・・!」ダッ!
真姫「あははは!!!逃げろ逃げろ!!!」バァンバァン!!
・・・スケテー・・・タスケテー・・・
海未(こっちから声が!)
ダダダダ
??「助けてー!!!」
海未(この声は!)
海未「ことりー!!」
ことり「海未ちゃん!!」
ことり「助けて助けて!!」
海未「なぜこんなところに!?」
ことり「気をつけて海未ちゃん!!真姫ちゃんはヤバイ!!」
ことり「あれ見て!!」
海未「し、死体が・・・二人・・・?」
ことり「真姫ちゃんだよ!!全部真姫ちゃんがやった!!」
海未「そんな・・・!真姫・・・そんな!」
真姫「あはははは!!!バカね海未!地下に逃げるなんて!!」
真姫「そんなに追い詰めて欲しいならいくらでも追い詰めてあげるわよ!!」
ことり「逃げて海未ちゃん!!」
海未「貴方を置いていけない!!」
ことり「こっちに銃構えてるよ!!」
海未「くそっ!」ダッ
バァン!!
真姫「すばしっこいのね海未!」
海未(これはメス!)
海未「ああああ!!!」ブンッ!
グサッ!!
真姫「きゃあああああ!!!!」
真姫「あああ・・・痛い・・・いたい・・・」
海未(今のうちに!)
真姫「来ないで!!」バァンバァン!!
海未「危ない!」サッ
真姫「こんな・・・!こんなもの!!」グシュ
真姫「はぁ!!」ザクッ!
ことり「いやああああああああ!!!!!!」
海未「ことり!ことりーーー!!!!」
海未「ああああああああ!!!!!」
真姫「バカね!!向かってくるなんて!!」
真姫「死ね!!!」
カチッ
真姫「えっ・・・?」
海未「ああ!!」ドスッ!
真姫「きゃあ!!」ドサッ
海未(鉄のパイプ!これを使えば!)
海未「はぁはぁ!」
真姫「や、やめて海未!やめて!!」
海未「女の子を二人殺した!!」ガンッ!!
真姫「きゃあ!!!あれは私じゃない!!私じゃない!!」
海未「ことりを殺そうとした!!!」ガンッ!!
海未「次は私も殺すんですか!!!」ガンッ!!
海未「あああああああ!!!!!」グシャ!!!
ことり「海未ちゃん!!海未ちゃんダメ!!!」
海未「はっ!・・・はっ・・・はっ・・・」
真姫「」ゴロン
海未「い、いやっ!」カラン
海未「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
海未「こ、ことり・・・」
ほどきほどき
海未「だい、大丈夫ですか・・・?」
ことり「ことりは何とか・・・」
ことり「それよりも・・・!」
真姫「」
ことり「いや・・・いやぁぁぁ・・・」
ことり「真姫ちゃん!真姫ちゃん起きて!真姫ちゃん!」
ことり「ほら!もう朝だよ!起きなきゃダメだよ!」ペシペシ
真姫「」
ことり「なんで・・・」
ことり「何でこんな・・・」ポロポロ
海未「わ、私は・・・私は・・・」
海未「私は悪くない・・・真姫が・・・真姫が最初に手を出したんです・・・」プルプル
海未「私じゃない・・・私じゃない私じゃない私じゃない」
海未「私じゃない!私じゃない!」ゴスッ!ゴスッ!
ことり「やめて海未ちゃん!」
ことり「とにかく今は落ち着こう・・・ね?」
・・・
海未「私は・・・私は・・・」
ことり「海未ちゃん」
ことり「もう・・・過ぎた事なんだよ」
ことり「いくら願おうと時間は戻らない」
ことり「真姫ちゃんを殺した事を・・・受け入れて・・・」
海未「・・・試練の一つです・・・真姫を殺せと・・・」
海未「殺した証明写真を添付し送信しろと・・・」
カシャ
___キザ___イ_ シャワ_ルー_
海未「わかりません・・・まだわかりません・・・」
ことり「シャワールーム?」
海未「穂乃果は閉じ込められて・・・そこに水が溢れて・・・溺死しそうなんです・・・」
ことり「・・・海未ちゃんが指を切ったアパート」
ことり「あそこの借り主は絵里ちゃんなんだって」
ことり「真姫ちゃんの話では絵里ちゃんはもう何人も殺してるって・・・」
海未「・・・なぜそんなことを?」
ことり「真姫ちゃんが教えてくれた・・・どうせ死ぬんだから最後に教えてやるって・・・」
ことり「ことりは絵里ちゃんの家に行く・・・多分・・・絵里ちゃんが犯人・・・」
ことり「絵里ちゃんの家に行けば何かわかると思う」
海未「私は試練をクリアします・・・次が・・・最後の試練・・・」
海未「約束ですことり・・・絶対に死なないと・・・絶対に穂乃果を救うと・・・」
ことり「うん・・・約束・・・」
ことり「破ったら・・・許さないんだからね?」
海未「はい・・・」
ことり「うんしょ・・・いたた・・・」
ことり「のんびりしていられない・・・ことりはもう行くよ」
海未「私も・・・ぅぅ・・・もう行きます・・・」
ことり「・・・約束・・・だからね・・・」
海未「はい・・・」
・・・
バシャバシャバシャ
穂乃果「かはっ・・・!はぁ・・・!はぁ・・・!」
穂乃果「まずいよ・・・!そろそろ息が・・・!」
穂乃果「この・・・!この鉄格子さえなければ・・・!少しは稼げるのに・・・!」
穂乃果(そうだ!何か筒状のもの!)
穂乃果(シュノーケリングのマスクみたいにすればまだ息はできる!)
穂乃果「すぅー・・・」
ガバッ
ゴボゴボゴボ
穂乃果(ストローでもいい!何か・・・何か!)
穂乃果(これ!お風呂の蓋!筒状になってる!)
穂乃果(何とか一つ取り外して・・・!)バキッ
穂乃果(格子の上に通す!)
穂乃果(ここに口を入れれば!)
穂乃果「すぅ・・・!はぁ・・・!すぅ・・・!はぁ・・・!」
穂乃果(できる!呼吸できる!)
穂乃果(お願い!誰か早く助けに来て!)
・・・
海未「最後の・・・折り紙・・・」
貴方は愛する人のために死ぬ事ができますか? 音ノ木坂学院生徒会室
海未「生徒会室・・・」
『ことり「ことりは絵里ちゃんの家に行く・・・多分・・・絵里ちゃんが犯人・・・」』
海未「まさか・・・本当に・・・」
海未「・・・行きましょう・・・」
・・・
絢瀬家前
ことり「すぅ・・・はぁ・・・」
ことり(相手は何人も殺した殺人鬼かもしれない・・・)
ことり(多分油断したら・・・真姫ちゃんのときみたいになる・・・)
ことり(今度はまた同じように助けが来るとは限らない・・・)
ことり(お腹も痛いし満足に行動できるわけでもない・・・)
ことり(常に細心の注意を払って行動しなくちゃ・・・)
ことり(行くよ・・・)
ピンポーン
ことり「・・・・・・」
ピンポンピンポンピンポーン
ガンガンガン!
ことり「いない・・・のかな?」
ことり(これはチャンスだよ!絵里ちゃんが帰ってくる前に全部調べなくちゃ!)
ことり(まずは家に侵入しなきゃ・・・)
玄関、裏口、勝手口、窓
ことり(ダメ・・・どこも開かない・・・当然か・・・)
ことり(んっ・・・?あれ・・・)
ことり(二階のあの部屋・・・窓が開いてる!)
ことり(幸い近くに背の高い木もある・・・あそこから侵入できる!)
ことり(でも・・・木登りなんてできるかな・・・?)
ことり(ううん!やるの!やるしかないの!)
よじよじ・・・
ことり「よし・・・この枝から飛べば・・・」
ことり「で、でも・・・もし・・・失敗したら・・・」
ドクドクドクドク
ことり「やるんだよ・・・やるんだよことり・・・!」
ことり「大丈夫・・・穂乃果ちゃんのためなら空だって飛べる・・・!」
ことり「ことりは・・・鳥になる!」
ことり「やああああああ!!」ジャンプ!
ことり「きゃっ!」ガシッ!
ことり「頑張って・・・!頑張ってことり!登って!」
ことり「そーれっ!」
ことり「きゃっ!」ゴロン
ことり「はぁ・・・はぁ・・・」
ことり「や、やった・・・!やったよ穂乃果ちゃん!」
ことり「早く・・・早く何か探さないと・・・!」
ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・
ことり「ダメ・・・何も見つからない・・・」
ことり「あるのはこのパソコンだけ・・・だけど・・・」
ことり「8桁のパスワードなんて・・・わかんないよ・・・」
ことり「え、絵里ちゃんの誕生日!」
********
miss
ことり「穂乃果ちゃんの誕生日!希ちゃんの誕生日!」
miss miss miss
ことり「ぅぅぅ・・・わかんないよー!」
『真姫「さあ?確かあいつの妹が死んだときくらいからだと思うけど」』
ことり「妹・・・亜里沙ちゃんの誕生日!」
ことり「カレンダーに・・・あった!」
ことり「えっと・・・亜里沙ちゃんはことりの二歳年下だから・・・」
********
Check! Welcome Eli!
ことり「ビンゴ!」
ことり「こ、これは・・・穂乃果ちゃん!?」
・・・
穂乃果「すぅ・・・!はぁ・・・!すぅ・・・!はぁ・・・!」
穂乃果(穂乃果にできる事はほとんどやった)
穂乃果(自分でも驚くくらいよくできてると思う)
穂乃果(穂乃果にできる事はあと一つ・・・一つだけ・・・)
穂乃果(別にみんなを信じてない訳じゃない。絶対に誰か助けに来てくれると思ってる)
穂乃果(でも・・・もしも・・・このまま誰も来なかったら・・・)
穂乃果(いや・・・またみんなに会いたい・・・みんなの笑顔を見たい・・・)
穂乃果(絶対に・・・死にたくない・・・)
穂乃果(死なないためには・・・やるしか・・・)
ドクドクドクドク
穂乃果(何を躊躇ってるの穂乃果?このまま何もしなければ死んじゃうんだよ?)
穂乃果(死んじゃうくらいだったら・・・たかが左足の一本くらい・・・)
穂乃果(大丈夫。事故とかで腕がなくなっても生きてる人はいる)
穂乃果(穂乃果の場合は足首のちょっと上だから完全に足がなくなる訳じゃない)
穂乃果(今の病院は凄いんだから足なんか切っちゃっても治してくれるよ。大丈夫)
ドクドクドクドク
穂乃果(行くんだよ・・・やるんだよ穂乃果・・・みんなのために・・・)
穂乃果(痛いのなんか一瞬だよ・・・すぐに足を、足を切って、すぐ逃げれば・・・)
穂乃果(やれる・・・大丈夫・・・大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫)
穂乃果「すぅー・・・」
ガボッ
穂乃果(のこぎり・・・これで・・・)拾い
穂乃果(大丈夫。鉄も切っちゃうのこぎりだよ?穂乃果の足なんかすぐ切れる)
穂乃果(やる・・・やる・・・!やるんだ穂乃果!!!)
ザクッ!!!ギコギコ!!!
穂乃果「ぶぼぼぼぼぼぼ!!!!!」
穂乃果「かはっ!すぅ!すぅ!」
穂乃果(痛い!!イタイイタイイタイ!!!!)
穂乃果(いやぁぁぁ・・・痛い・・・イタイイタイ・・・)
穂乃果(やるんだよ穂乃果!!休憩なんかしてたらもっと痛くなっちゃう!!)
ガボッ
穂乃果「ぶぶぶぶぶ!!!」
ギコギコ!!!!
穂乃果「ぶばばばばば!!!!!!」
穂乃果「ばぁっ!はぁ!はぁ!」
穂乃果(ダメだよ・・・できないよ・・・イタイイタイイタイイタイ)
穂乃果(いやぁ・・・お願い許して・・・今までやってきたこと全部謝るから・・・)
穂乃果(お母さんごめんなさいお父さんごめんなさい海未ちゃんごめんなさいことりちゃんごめんんさい雪穂ごめんんさい)
穂乃果(許して許して・・・穂乃果を許して・・・)
穂乃果(もう二度とわがまま言わないから)
穂乃果(もう二度とみんなに迷惑かけないから)
穂乃果(だからお願いします・・・どうか、どうか穂乃果を許してください・・・)
穂乃果(うわああああああ!!!!)
ガボッ
穂乃果「ばああああああああ!!!!!!!」
ギコギコ!!!!!!
穂乃果「ばばばあああああああああああ!!!!!!!」
・・・
ことり「穂乃果ちゃんやめて!!!」
ことり「今すぐ!!今すぐ助けに行くから!!!そんなことしないで!!!」
ことり「早く!早く場所は!?」
オトノキザカガクイン シャワールーム
ことり「保健室の隣の!」
ことり「急いでしゅっぱt・・・」
絵里「あらことり。やっと気付いてくれた?」
ことり「あ・・・ああ・・・あ・・・」
絵里「よくパスワードがわかったわね。大した推理力だわ」
ことり「絵里ちゃん・・・絵里ちゃんが・・・本当に・・・やったの・・・?」
絵里「ええ。そう・・・」
絵里「よっ!」ドスッ!
ことり「きゃああ!!」ドサッ!
ことり「うっ・・・うぅぅぅ・・・い、いた・・・」
絵里「効いたでしょ?私、体術には自信があるのよ」
絵里「穂乃果を救えるのは恋人である海未だけよ。幼馴染だかなんだか知らないけど貴方に穂乃果を救う資格はない」
ことり「げほっ・・・げほっ・・・ぁぁぁ・・・」
絵里「あら、ことり。どうしたのそのお腹?」
絵里「刃物で刺された痕・・・何があったの貴方?」
絵里「まあどうでもいいわ。その分効いたわよね?」
ことり「はぁ・・・はぁ・・・絵里ちゃん・・・」
ことり「何で・・・?何でこんな事を・・・?」
絵里「貴方が知ってどうするの?」
絵里「知る権利があるのは海未だけよ」
ゴトッ
絵里「酸素ボンベ。3分後に酸素が放出されるようにセットしたわ」
絵里「貴方の幼馴染二人は本当に凄い人間よ」
絵里「一人はこの私が本気で惚れた人間」
絵里「もう一人は愛する人間のためなら自分も他人も犠牲にできる人間」
絵里「できれば私は貴方に産まれたかったと思ってしまうほど良いポジションね」
チッ ボゥ
ボォォァァァアアア
絵里「窓もドアも締め切りの火事の部屋でいきなり酸素が大量に放出されたらどうなるかわかる?」ガラガラ
絵里「こうなるのよ」
絵里「バァーン♪」
絵里「貴方はこの状況で生きて逃げられるかしら?ことり」
絵里「この状況でもし生きてたら貴方を認めてやってもいいわ」
絵里「それじゃあね。アディオス♪」
バタン ガタガタ
ことり「ぅぅぅ・・・ぅぅ・・・」
ことり「動いてことり・・・動くんだよ・・・」
ことり「逃げなきゃ・・・逃げなきゃ・・・」
ことり「ダメ・・・動けない・・・」
ことり「げほっ!げほっ!」
ことり「せめて・・・死ぬ前に・・・海未ちゃんに穂乃果ちゃんの居場所を・・・」
ことり「携帯・・・携帯・・・」
ことり「ダメ・・・火の中だ・・・」
ことり「げほっ!げほっ!」
ことり「諦めちゃダメ・・・!絶対に逃げるんだよことり・・・!」
ことり「窓・・・窓・・・!」ガラガラ
ことり「ダメ・・・こんなところから落ちたら死んじゃう・・・!」
ことり「ドア・・・ドア・・・!」
ガタガタ
ことり「ダメ・・・何か引っかかってる・・・」
ことり「あと・・・1分・・・」
ことり「無理だよ・・・無理だよぉ・・・」
ことり「べ、ベッドの下に・・・!」
ことり「こんなところじゃ爆発は防げない!」
ことり「冷蔵庫・・・この冷蔵庫!」ガチャ
ことり「ああ!げほっ!げほっ!」ガタガタ
ことり「この中に入れば!」
ことり「ちっちゃい!ちっちゃいよ!入らない!」
ことり「時間がない!時間がない!」
ことり「頑張ってことり!ことりの身体は軟らかいから大丈夫!」
ことり「入る!入るから!」
ことり「死ぬわけにはいかないの!!」
バタン
ドガァァァァン!!!!
音ノ木坂学院 生徒会室
ガチャ
海未「・・・・・・」
海未(カメラ・・・絵里が・・・今の私を見ているのでしょうか・・・)
タッチ
機械「貴方は愛する人のために命を犠牲にすることはできますか?」
機械「これは猛毒です。飲めば5分で死にます」
機械「もし貴方がこれを飲んだら最後の報酬を与えます」
海未「命を投げ出す覚悟があるかですって?何を今更・・・」
海未「貴方のためなら私は・・・」
海未「覚悟なんかとっくにできてます。躊躇う必要なんかありません」ゴクッ
海未「はぁ・・・毒というのは味がないものなのですね・・・」
機械「おめでとうございます。報酬を携帯端末に送ります」
オトノキザカガクイン シャワールーム
海未「音ノ木坂学院でしたか・・・予想がつきませんでした」
機械「残り5分です」
海未「死のカウントダウン・・・というわけですか・・・」
海未「死ぬ前に・・・穂乃果を必ず・・・!」ダッ
シャワールーム前
海未「穂乃果ーー!!」
海未「シャワールームが浸水してる!」
海未「待っててください!すぐに助け出します!!」
海未「何か・・・何か・・・!」
海未「箒!」
海未「うあああああ!!!」
ガンッ!ガンッ!バリィィィン!!
バシャバシャ
海未「わっぷ・・・こんなに・・・」
海未「穂乃果!穂乃果ーー!!!」
穂乃果「」
海未「穂乃果お願い!息をして!!」
海未「人工呼吸を!」
海未「1・2!1・2!」トンッ トンッ
海未「すぅー・・・」
海未「はぁー・・・」
穂乃果「」
海未「お願い穂乃果・・・目を覚まして・・・」トンッ トンッ
海未「すぅー・・・」
海未「はぁー・・・」
穂乃果「」
海未「穂乃果・・・いやぁ・・・貴方が死んだら私は・・・」
穂乃果「うっ!げほっ!げほっ!」
海未「穂乃果!穂乃果ぁ!!」ギュー
穂乃果「う・・・うみ・・・ゃん・・・?」
海未「よかった・・・よかった・・・本当によかった・・・」
穂乃果「やっら・・・海未ひゃん・・・来てくれた・・・」
穂乃果「穂乃果・・・頑張ったんだよ・・・」
海未「はい・・・よく頑張りましたよ穂乃果・・・」
海未「穂乃果・・・この足・・・」
穂乃果「えへへ・・・頑張ったんだけどね・・・やっぱり痛くてできなかった・・・」
海未「あまり深くない・・・すぐ治ります・・・私と比べたらどうってことない・・・」
海未「よかった・・・よかった・・・」ギュー
機械「残り10秒です」
海未「っ!!」
海未「穂乃果、よく聞いて下さい」
海未「貴方は私の人生で一番の宝物です」
海未「貴方に出会えて本当によかった」
海未「大好き・・・愛してます、穂乃果」
機械「時間切れです」
海未「・・・・・・い・・・生きてる・・・?」
機械「貴方が飲んだ毒薬はただの水です。残念でした」
海未「はっ・・・?」
パチパチパチパチ
絵里「おめでとう海未」
絵里「ここまで辿り着けた人間は貴方一人だけよ」
海未「絵里・・・」
海未「・・・ことりは?」
絵里「さあ?家と一緒に吹っ飛んだかもしれないわ」
海未「貴方・・・!」
絵里「ことりなんかどうでもいいのよ。私が評価したいのは海未、貴方よ」
海未「絵里・・・なぜ貴方はこんな事を・・・?」
絵里「それは・・・」
絵里「自分よりも強い人間を見つけたかった・・・」
絵里「亜里沙は・・・誰かに殺された・・・」
絵里「・・・・・・私の目の前で・・・」
絵里「あの時の私は震えて・・・何もできなかった・・・」
絵里「何よりも大事で何よりも大好きな亜里沙を守る事ができなかった・・・」
絵里「私は・・・弱い人間・・・」
絵里「だから、見つけたかった・・・」
絵里「あの時・・・もしも自分と同じ状況で・・・」
絵里「愛する人間を守れる人がいるのかどうか・・・」
絵里「今まで二人・・・」
絵里「二人は愛する人を救えなかった・・・自分のほうが大事だった・・・」
絵里「それを見て私は安心してた・・・」
絵里「救えないのは私だけじゃないって・・・」
絵里「でも現れた・・・愛する人の為に自分も他人も犠牲にできる人間が・・・」
絵里「私は貴方を尊敬する・・・海未」
絵里「私にとって貴方はどんなトップアスリートよりも輝いて見える」
絵里「貴方のような人を見つけたかった・・・」
海未「たかが・・・たかがそんな人を見つけるためだけに何人もの命を・・・!」
絵里「見つけるためだけですって!?」
絵里「だけじゃない・・・私にとっては『だけ』なんかじゃない・・・」
絵里「やっぱり凄いわ貴方は・・・私はどれを取っても貴方に勝てないと思う・・・」
絵里「誰よりも尊敬する・・・海未」
海未「・・・嬉しくないです・・・」
絵里「ゲームクリアのご褒美が必要ね」
絵里「私を・・・殺しなさい」
海未「そんなこと・・・!できるわけ・・・!」
絵里「できないの?」
絵里「真姫を殺したのに?」
海未「あれは・・・真姫が・・・悪かったんです・・・」
絵里「今回も私が悪いわ」
絵里「さあ早く・・・殺してみなさいよ海未」
海未「・・・私には・・・そんなこと・・・」
絵里「早くしないと・・・」
絵里「貴方が死ぬわよ?」銃構え
海未「っ!!」
海未(やらなきゃ・・・やられる・・・)
海未(でも・・・もう二度と人の命を奪うなんて事・・・)
ことり「うあああああ!!!」ドスッ!
絵里「きゃっ!」ドサッ
カラン
銃が落ちる
ことえり「っ!!」
パシッ
先に拾ったのはことりだった
絵里「くっそ!!」ダッ!
バァンバァン!!
ことり「海未ちゃん!海未ちゃんは穂乃果ちゃんをお願い!」
ことり「絵里ちゃんのやったことはわかってる!絵里ちゃんにはそれ相応の制裁を!」
海未「ことり!殺しちゃダメですよ!」
ことり「わかってる!罪を償って貰わなきゃ!」ダッ
バァン!!
絵里「おっと!」
絵里「やるじゃないことり!よくあの状況で逃げれたわね!」
ことり「冷蔵庫がなきゃ死んでたよ!」
ことり「死ぬほど痛い思いを味わわせてあげるから!覚悟して絵里ちゃん!!」
絵里「やってみなさいよ!!」
ダダダダ
ガチャ
絵里「はぁ・・・はぁ・・・」
ことり「はぁ・・・ふふふ・・・」
ことり「ドジだね絵里ちゃん・・・屋上に逃げるなんて・・・」
ことり「そんなに追い詰めて欲しかったの?」
絵里「ことり・・・思い出してみなさい・・・」
絵里「ここでよく練習したわね・・・ここでライブをしたこともあったわ・・・」
ことり「・・・何が言いたいの?」
絵里「ここは私の青春そのものだった・・・」
絵里「こんな思い出の場所で死ねるなら・・・私に後悔はない・・・」
ことり「死なせないよ」
ことり「罪を償ってもらうから」
絵里「貴方に止めれるかしら?」
ヒョイ
ことり「絵里ちゃん待って!」
ガシャンガシャン!
ことり「はっ!危ないよここ!」
絵里「近づかないでくれる?」
ことり「絵里ちゃん・・・落ち着いて・・・?」
ことり「死んだら何もできないんだよ・・・?」
ことり「絵里ちゃんが死んだら亜里沙ちゃんはどう思う?」
ことり「亜里沙ちゃんは絵里ちゃんには絶対に生きて欲しいって思ってるよ?」
絵里「でも貴方は私に死んで欲しいと思ってるでしょ?」
絵里「真姫を殺すように海未に試練を与えたのも私よ」
ことり「ど、どうして真姫ちゃんを・・・?」
絵里「あいつはただの便利屋よ。あいつのアパートを借りて、あいつに死体を預けて・・・」
絵里「でも一つ問題が・・・金にうるさいのよね」
絵里「どうしてかしらね?もう十分金持ちなのにさらに金を欲しがる」
絵里「金持ちの考えてる事はわからないわ」
ことり「そんな理由で殺させたって言うの・・・?」
絵里「どう?より私を殺したくなったでしょ?」
絵里「いいのよ?殺してみなさいよ」
ことり「・・・・・・」
絵里「・・・できないのなら、自ら命を絶つまで」
絵里「さよならことり」
ヒューン
ことり「ダメーー!!」
パシッ
絵里「あっ・・・こ、ことり・・・」
ことり「絶対に・・・絶対に死なせないよ・・・」
ことり「絵里ちゃん・・・登って・・・」
絵里「はぁ・・・はぁ・・・」
ヨジヨジ
絵里「はぁ・・・はぁ・・・」
ことり「はぁ・・・はぁ・・・」
ことり「絵里ちゃん・・・罪を償・・・」
トン
ことり「えっ・・・?」ヒューン
絵里「ふふふ・・・アディオスことり♪」
ことり「え・・・え・・・絵里ちゃ
グシャ!!
絵里「ふふふ・・・あはははは!!」
絵里「・・・・・・」
ガチャン!
海未「やっと外れました・・・!」
海未「穂乃果、大丈夫ですよ。すぐに病院に連れて行きますからね」
穂乃果「海未ちゃんも・・・お医者さんに見てもらわないと・・・」
海未「そうですね・・・しばらくは病院で生活する事になるでしょうね・・・」
海未「行きますよ穂乃・・・!!」
絵里「よく鎖を外したわね。流石だわ。貴方には脱帽よ」
海未「ことりは!?」
絵里「屋上から落ちて・・・パァーン♪」
海未「ふざけないでください!!」
海未「ことりをどこに!!?」
絵里「私は嘘はついていないわよ」
絵里「残念だったわね」
絵里「あいつは私を助けようとした。だから死んだ」
絵里「あいつは偽善者よ。偽善者だから死んだの」
絵里「こんな私の命を救ったんだから・・・ただのバカよ」
海未「貴方に・・・ことりをバカにする資格はない!」
海未「貴方を殺します」
絵里「・・・できるのかしら?」
海未「できます」
海未「穂乃果を・・・ことりを・・・真姫を・・・傷つけた貴方を私は絶対に許さない」
海未「こんな感情になるのは初めてです・・・」
海未「私は・・・貴方を・・・」
海未「殺したい!!」
絵里「・・・っ!」
海未「本来弓道は人を傷つけるための競技ではありません」
海未「私は弓の道に泥を塗る事になります」
海未「でも・・・それでも・・・」
海未「貴方を殺す・・・」
海未「何か言い残すことは?」
絵里「・・・最後の最後まで、尊敬するわ。海未」
絵里「貴方に殺されて光栄よ」
海未「・・・っ!」
ヒュン!
グサッ!!
絵里「」ドサッ
穂乃果「う、海未ちゃん・・・」
海未「はぁ・・・はぁ・・・」ヘナッ
海未「終わりましたよ穂乃果・・・確かに終わりました・・・」
海未「でも・・・終わりましたけど・・・」
海未「あまりにも・・・失ったものが多すぎます・・・!」ポロポロ
海未「何も解決したと思えません・・・!」
海未「最悪です・・・穂乃果を救えたのに・・・最悪です・・・」
海未の指は適切な処置がされており治す事に成功した
しばらく入院・リハビリをし、近いうちに元通りになるという
穂乃果はほとんど後遺症もなく無事に退院する事ができた
海未の殺人は正当防衛とみなされ罪には問われなかった
不幸な事件は幕を閉じた
だが、世間には報道されない裏のある事件だった
直接の被害者となった穂乃果と海未しかその事を知らない
富山の片田舎
海未「どうですか穂乃果?」
穂乃果「う~ん・・・正直凄いとまでは言えないね・・・」
海未「しょうがないです。どうしても気に入らないようなら替えますが・・・」
穂乃果「ううん。いい」
穂乃果「海未ちゃんと一緒なら・・・どこでもいい」
海未「ならば、ここが私達の新しい家です」
・・・
穂乃果「写真、並べたよ」
穂乃果「これからもことりちゃんも絵里ちゃんも真姫ちゃんもみんな一緒だよね」
海未「はい・・・μ'sのみんな、絶対に破れない絆で繋がっています」
海未「これまでも・・・これからも・・・」
終わり
以上お疲れ様でした
いろいろな作品のきつい所を寄せ集めたような作品でしたが楽しんでいただければ何よりです
おつおつ
乙
乙
超細かい事だけど絵里ちゃんはアディオスじゃなくてダスビダーニャって言うと思う
やっぱり叫び声って文字じゃ難しいね
「いたあああいいいい!!!」とかどうもアホっぽくなっちゃう
>>82
ロシア語わからないんでそこはごめんなさい
でてきてないメンバーが真犯人で出てくるかと思ってた
にこにーがいなくて安心
にこちゃんは真姫ちゃんに脳を解体されてる設定考えたけど蛇足だからなしにした
絵里の言う二人のうち一人は真姫なのかなーとは勝手に思ってた
二人は恋人がいる人間って設定しか考えてない
二人とも指切るあたりで失敗したんだろうな~
次は死亡系のないほのゆきお願いします…!(震え声
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