ハルヒ「たとえばヤンデレとか?」 (70)



以前、中断したSSを最後まで終わらせようかと

R-18要素あり【閲覧注意】




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1365247292

ハルヒ「また今日も依頼人来ないわねぇ!」

今日も今日とて不機嫌な団長さんである
あんなHPと掲示板の張り紙じゃ依頼人など来る訳ないって事を
そろそろこいつも気付いて良さそうなもんだが

ハルヒ「これはやっぱり」

ハルヒ「みくるちゃんの画像を消しちゃったのが、良くなかったんじゃないかしらねっ」

やばい
ハルヒの不機嫌オーラが俺にまとわりつくのを感じる
こういう時は無視を決め込むに限る

ハルヒ「それともあれかしら」

ハルヒ「まだ萌え要素が足りないのかしらね」

これ以上、どんな要素がいるってんだ

ハルヒ「例えばヤンデレとか?」

思わず顔を上げた俺は古泉と目が合った
どうやら同じ事を考えているらしい

ハルヒがこんな事を言い出すと
大体がろくな結果にならないって事を

翌日である
俺は少しだけ緊張して部室のドアを開けた

みくる「こんにちは、キョン君」

良かった
朝比奈さんのヤンデレ化なんて見たくねえ
あなたには麗しきその笑顔こそお似合いです
こちらにチラっと視線をよこした長門も
別にいつもと変わりなく見える

古泉「どうも、みなさんお揃いですね」

まさか、こいつ?
さすがに、んな訳ないか

キョン「やれやれ、今回は大丈夫だったか」

古泉「今の所は、ですがね」

その後、ハルヒもやって来て
つつがなく、だらだらとSOS団の活動を終えた

ハルヒ「じゃあ帰るわね!」

俺は、苦笑して会釈をする古泉に適当に相槌を打って
席を立った

長門「気を付けて」

キョン「え?」

長門のいつもの目が、俺を見ていた

鶴屋「やあやあキョン君、今帰りかい?」

もしかして、この人が?

鶴屋「どうしたんだい?そんな驚いた顔して」

やべ
顔に出ちまった

キョン「いえいえ、何でもないですよ」

キョン「朝比奈さんなら、すぐ来ると思います」

鶴屋「そうかい、じゃあちょろっと待ってみるよ」

鶴屋「ありがとねっ」

この人も普通過ぎる程、普通だ
もうここまで来ると考え過ぎかと思えてくる

ただ
やっぱり気になるのは、長門の一言だよな
いつもながら簡潔を通り越した最低限の短い言葉の真意を探るべく
俺は長門にこう問い掛けた

キョン『何か起こってるのか?』

長門『現時点では、何も変化していない』

長門『ただし、涼宮ハルヒが何らかの作用を世界に及ぼしたのは確か』

こんな曖昧な長門も珍しい
だけど、この後
俺は長門の言葉の意味を知る事になるんだ

キョン妹「キョン君、おかえりぃ!」

こいつが変わりないのは朝に確認している
もちろん、シャミセンもだ
まあ
猫のヤンデレっていうのも想像付かないけどな

こうして、つつがなく一日を終えた俺は
つつがなくベッドに入った

そして
ウトウトし始めた頃、携帯が鳴った

キョン「何だ?この番号」

携帯に電話番号だけが表示されたって事は
登録してある知り合い以外の誰かが電話して来てるって事だ
しかも、こんな時間に
出るべきか、出ないべきか
ええい!

キョン「もしもし?」

???「あ、キョン君」

キョン「朝比奈・・・さん?」

いや違う
これは

キョン「大人の朝比奈さん?」

朝比奈「はい、良くわかりましたね」

キョン「今日はどうしたんですか?」

朝比奈「ちょっと問題が起きたの」

しまった
やっぱり問題は起きていたんだ
しかも、大人モードの朝比奈さんが現れたって事は
今の朝比奈さんに、という事だよなあ
くそっ

朝比奈「七夕の時の公園でいいですか?」

キョン「わかりました、すぐ向かいますから」

朝比奈「お願いします」

行く前に長門に連絡するか
でも
とにかく状況を知らなきゃどうしようもないよな
公園からは長門のマンションも近い
いざという時には駆け込めばいいさ

キョン「お待たせしました、朝比奈さん」

全開で自転車をかっ飛ばして息も絶え絶えの俺に
最初こそ微笑を浮かべた朝比奈さんだったが
すぐにその表情は曇った

朝比奈「こんな時間にごめんなさい」

キョン「いえ、大丈夫ですよ、それより問題が?」

朝比奈「はい、少し」

朝比奈「でも詳しい説明は、後でします」

キョン「急ぐんですか?」

大人モードの朝比奈さんは
静かに頷いた

朝比奈「私と一緒に、過去に行ってもらえますか?」

キョン「過去に?」

朝比奈「はい」

キョン「わ、わかりました」

断るべくもなく俺が承諾すると
朝比奈さんは安心したようにほっと一息つき
俺の後ろに回って肩に手を置いた
そして、こう囁いた

朝比奈「また意識がなくなるけど、ごめんね」

前に現在の朝比奈さんと過去に行った時のように
意識が薄れて行く
あれ?
何かが引っ掛かる
何だろう

そうだ
わざわざ過去に行かなくても
朝比奈さんなら
その時点の俺に会いに行けばいいじゃないか

この考えが浮かんだと同時に
俺の意識は閉じた

キョン「う、うう」

光が眩しい
何だよ、明りを消せよ
急に感じた光に痛みを感じてなかなか目を開けない
それでも数秒もしない内に
周囲の光景をピントの合わないカメラ程度には確認出来るようになった

あれ
ここはどこだ
コンクリートの部屋みたいだが、知らんぞこんな所
そもそも
俺は何をしてたんだっけ
頭が覚醒を拒否した様に働こうとしない

朝比奈「気が付いた?」

キョン「朝比奈・・・さん」

横から朝比奈さんが俺の顔を覗きこむ
俺は椅子に座って・・・

え!?
なんで俺、裸なんだ!?
それに何なんだ、力が入らねえ

朝比奈「ごめんね、キョン君」

朝比奈「ちょっと薬を使わせてもらいました」

おいおい
この人だったっていうのか
冗談も程々にしろよ、と思った所で
俺は長門の言葉を思い出して息を飲んだ

長門『現時点では、何も変化していない』

嘘だろ
まさか未来に影響が出ていたとは
ハルヒよ
お前、どんだけ滅茶苦茶なんだ
そもそもだ
大人モードの朝比奈さんとは面識もないだろうが

とは言え確認しないと始まらない
杞憂で済めばいいけどな、とか思いつつ
そんなんで済む訳がないとも今までの経験で感付いていた
ああ、こんな自分が嫌だ

キョン「あ、朝比奈さん、あなたハルヒの影響を受けて?」

朝比奈「涼宮さん?」

キョン「そうですよ」

キョン「何でこんな事してるか、自分で説明付かないでしょう」

朝比奈「説明が欲しいの?」

キョン「そうじゃなくてですね」

キョン「あなたの今の行動に、理論的な説明が・・・」

朝比奈「キョン君がいけないの」

キョン「は?」

朝比奈「今現在キョン君といる私が、どれだけ感情を押し殺して我慢しているかなんて」

朝比奈「あなたにはわからないでしょう」

正直、さっぱりわからない
この人は一体、何を言ってるんだ

朝比奈「それとも」

朝比奈「誰かさんが考えてるように、私が計算づくで動いてたとでも思ってる?」

誰かさんが誰を指しているか俺にはすぐ分かった
俺の脳裏にはあの時の古泉の言葉がよぎった
確か、そう
血みどろの殲滅戦とか、破壊と殺戮とか
そんな面白くない話をしてたっけか

俺の背筋を冷たい汗が流れるのを感じた

朝比奈「ごめんなさい」

朝比奈「古泉君の事は今、関係ないよね」

俺は頷く事も出来ず
朝比奈さんの言葉を待つしかなかった

朝比奈「問題は、そう」

朝比奈さんの顔が
苦痛で歪められた様に変化する

朝比奈「涼宮ハルヒ!涼宮ハルヒ!!涼宮ハルヒ!!!」

朝比奈「涼宮さんのお陰で、私はッ!」

これはもう
俺の知ってる朝比奈さんの顔じゃない
しかし
すぐにいつもの表情を取り戻し
こう冷たく言い放った

朝比奈「あんな女、死ねばいい」

朝比奈「でもそれも、後の事」

この人の中に
こんな感情が渦巻いてるなんて素直に驚くしかない
いや違う
これはハルヒの影響だ
そう思いたい
この考えが逃避だって事なんざ分かっていても、だ

まあ、そんな逃避なんてしてる場合でもない
どう考えてもやばいだろ、この状況
俺はまた長門の忠告を活かせなかったのか
いつもこうじゃねぇか
ちくしょう

ふいに
朝比奈さんの顔に微笑が浮かぶ
いや、微笑が貼り付けられた様に感じるって方が正しいか
いやいや、こんな時にどうでもいいって、んな事!

俺が頭の中を混乱させていると
その細い指がゆっくりと動き、俺の頬を撫で
唇の所で止まった
俺にはそれが何故か甘えてる仕草に思えた

朝比奈「だからね、キョン君」

朝比奈「私はもう我慢するのを止めるの」

キョン「ど、どうするというんです」





朝比奈「まずは、あなたを私のものにする」





な、何だ
今度こそ何を言ってるんだ
俺を朝比奈さんのものに?
why?どういう事なんだ?

朝比奈「安心して、薬はここには影響してないから」

朝比奈「いえ、逆の意味では影響してるんだけどね」

キョン「こ、ここってどこです?影響って!?」

朝比奈さんの柔らかく、そして冷たい手が俺のモノにふれた
俺の思考は吹き飛んだ

朝比奈さんは、吐息とも溜息ともつかない感じで息を一つ吐くと
それを握り締めた

朝比奈「動かすね」

キョン「な、何をです!?」

朝比奈「わかってるくせに」

朝比奈さんは、ゆっくりと手を上下に動かし始める
何だよこれ
どういう状況だよ

俺だって健全な男子高校生だ
現在の朝比奈さんとそういう事を想像しなかったかというと
目を泳がせずにしないと断言しろと言われても無理な話だ

でもこれは
正直、予想だにしなかった
頭が空回る

支援

キョン「な、これいつも・・・より」

な、なに言ってんだ俺
だが遅かった
その言葉を聞いた朝比奈さんは、くすっと笑い
ご丁寧にも説明してくれた

朝比奈「さっき影響してるって言ったのはね、薬に媚薬も入ってるからなの」

朝比奈「だから、我慢するだけムダだからね」

なるほど、いつもより敏感だ
なんて
感心してる場合じゃねえ!
あほか!

キョン「やめて下さい、こんな事」

朝比奈「これをこんなにして、言う言葉?」

くっそ
下半身が別人格とか、何だよって笑ってたのに
まさか自分が思う時が来るとはなあ

確かに
ハルヒに振り回される様になってから
人生の傍観者に嬉々として甘んじてた俺が
舞台の上に無理矢理引きずり出されちまったような
そんな感覚を感じてたさ
感じてたが、それを楽しいと思ってる自分も発見出来た

だが、これはどうだ
こういう舞台への引きずり出され方は
ご免こうむりたいね、俺は

情けない事に
俺のモノは張り裂けんばかりになっている
色々、小難しい事を考えてりゃ落ち着くんじゃないか
なんて根拠のない希望は
あっさりと崩れ去った

朝比奈「それに、いつもよりってどういう事かしら」

キョン「!?」

朝比奈「いつも誰を思い浮かべてしているの?」

キョン「い、言えません、そんな事」

うお
手の動きを速めて来た
あやうく声が出ちまうとこだったじゃねえか

朝比奈「私は聞きたいな」

キョン「くっ、言えません」

朝比奈さんが顔を近づけて来た
得体の知れない、いい香りが俺の鼻孔をくすぐる
チラっと俺の瞳を覗き込んだかと思うと
ゆっくりと目を閉じていく
何をするつもりなんだ?
ちょっと
ちょっと待ってくれ

一瞬にして俺の唇は塞がれた
それどころか
舌まで入って来やがった

キョン「ん"ん"っ」

朝比奈さんとキスしてる
しかも舌を絡めて
おいおい、どういうこったよ
何がどうしてこうなったか、誰か説明しろ

俺のモノは既に朝比奈さんの手の中で
快感の為に先走り
ニチャニチャ音を立てていた
その音はコンクリートの部屋に響いて
逆に現実感を失わせた

朝比奈「さあ、誰を思ってしてるのか言って」

頭がぼうっとする
これも媚薬の効果なのか
それともキスがそうさせるのか
わかんねえ

キョン「朝比奈さんを」

朝比奈「え?」

キョン「朝比奈さんを思い浮かべて」

朝比奈さんの顔が真っ赤に染まって
俺はまた唇を塞がれた
さっきより舌が激しく動いてるのがわかる
よだれが床に雫となって落ちた

何かもう
何もかもがどうでもいい感じがする
どうにでもなれ、ちくしょう

追いついた
支援

唾液の糸を引いて、唇が離れた
すげえ
イヤらしい糸だ
朝比奈さんの手がふいに止まり
その大人になっても愛らしい顔が、下に降りていく

そういう経験なんて、もちろんない訳だが
さっきも言った様に、俺は健全な男子高校生だ
情報の仕入れ先なんざいくらでもある
だから
次に何をするのか、わかった

キョン「朝比奈さん、ちょっと!」

上機嫌なのか
自分の行為に酔ってしまっているのか
朝比奈さんはこう囁いた

朝比奈「ふふ、口でしてあげる」

次の瞬間
俺のモノは、温かさに包まれた

キョン「うぁっ!」

体がびくりと跳ね上がり
手とは全く違う感触に蕩けそうになる
何だこれ
ジュボッ ジュボッ
すげえイヤらしい音がする

それは
自分がされてる行為から出てる音とは
とても思えない
俺の健全な男子高校生的情報源の陳腐な言葉を借りれば
そう
淫靡な音だった

ジュボッ ジュボッ

キョン「あぅ・・・あ」

朝比奈さんの頭がリズミカルに動くたびに
いやらしい音がする
唾液がこういう音をさせるんだな
ふいに思い付いたのはこんな考えだけだった
もう頭が働かねえ

俺の意識も感覚も熱も
何もかもが、朝比奈さんの口の中にある気がした

ふと
朝比奈さんは頭の動きを止め
頭が働かないなりに訝しむ俺に
髪をかき上げながら、笑顔を見せた

その笑顔は
俺がいままで見て来たどの笑顔より
残忍で、凄絶で、美しく
どうしようもない恐怖を覚える
端正な顔立ちに似つかわしくない口元のよだれが
一層それを引き立てた

朝比奈「キョン君が私でイッてくれるって事は、他の女はもういらないよね」

同時に
その笑顔は、どうにも魅力的だったんだ
ちくしょう

ちくしょう

朝比奈「そうだなぁ」

朝比奈さんは唇に指を当てて
考え込む仕草をする

普段なら俺を完全に魅了しちまう仕草だ
でも、この状況でされると
違和感しか感じない

朝比奈「1回イッたら、1人死ぬって事でどうかな」

は?
何を言ってんだ
俺の聞き間違いか?

朝比奈「あなたの快楽が、そのまま一人の死」

朝比奈「ね、素敵だと思わない?」

すごくいいと思います

前スレ見てたよー

また背筋に汗が流れるのを感じた

キョン「何を言ってるか、さっぱりなんですが」

なんとなくは無論分かってる
だけど
この現実味のないシチュエーションの中で
そんな現実味のない言葉を聞いたって
心情的に理解を拒否するだけだって
分かりたい訳ないだろうが

朝比奈「簡単な事です」

朝比奈「私に身を任せていれば、邪魔な女が消えていく」

消えていく
はは
余計に現実味がなくなった
なくなった
はずなんだが
有り難い事に、俺の周りの連中はみんな非常識だらけだ
一笑に付すなんざ出来っこない
北高に入ってからこの方、そういう経験を散々して来たんじゃなかったのか?

あれ?

でも待てよ
ちょっとおかしくないか
邪魔な女が消える
という事は、俺の周りの女性が消えるって事
おかしいだろう
そうだ、そうだよ

キョン「嘘ですよね」

キョン「それ、嘘を言ってますよね」

朝比奈「何が嘘なの?」

朝比奈さんは笑顔を浮かべてるけど
目は笑っていなかった
それでも浮かんでた狂気は影を潜めていて
俺は少しホッとした

キョン「俺の周りの女性を消すなんて出来ませんよ」

キョン「まず、あなたの過去である朝比奈さん、もちろん殺せる訳ないですよね」

朝比奈さんは返事の代わりに
くすっと笑ってみせた

キョン「それから長門、これはもう物理的に無理だ」

キョン「その証拠に、あなた自身も長門を恐れてる」

朝比奈「それから?」

キョン「ハルヒはあなたの組織でも監察対象のはずだ」

キョン「あなたがそんな行動を起こせば、お仲間が黙っていないでしょう」

パチパチパチパチ
コンクリートの部屋に、拍手の音が響き渡った

それは
手のぬくもりを感じさせるものではなく
乾きを感じさせる音だった
無機質っぽい、すげえ気に障る音だ

朝比奈「さすがです、キョン君」

それでも
この言葉は、体の緊張を解くには十分だった

周りの女性がみんな消える
なんだかんだで
今や俺は、自分の居場所としてあの文芸部の一室を認知しちまってる
それを構成するやつらが消えて行く
そんなふざけた事態だけは
避けられたような気がしたからだ
だけど

朝比奈「でも、0点ですね」

キョン「は?」

朝比奈「しょうがない事です」

朝比奈「あなたはまだ、時間跳躍についての理解の外にいるんだから」

朝比奈「キョン君はパラレルワールドって信じる?」

キョン「並行世界とかいう奴ですか?」

朝比奈さんは小さく頷いて
俺は逆に首を振った

キョン「信じませんね、そんなものがあったら一体どれだけ宇宙の容量が必要なんです」

朝比奈「その通りです」

朝比奈「厳密にはパラレルワールドは存在しないとされています」

厳密には
この言葉は今の俺にはひどく引っ掛かる
何かの逃げ道みたいに聞こえる
俺がひねくれ過ぎでなければだが
この人はわざとこの言葉を選んでる

朝比奈「確かに、あの時こうしていたら、ああしていたらで並行世界が生まれたら」

朝比奈「その世界は膨大な量になってしまいます」

朝比奈「でも」

ほら来た

朝比奈「例外は存在します」

キョン「それが時間跳躍だと?」

朝比奈さんが、ふいに顔を寄せて来た
甘い息が耳元にかかる

朝比奈「理解の早い男性って素敵です」

そして
また俺のモノに手を伸ばして
ゆっくりと上下させ始める
俺のはまだ熱さを持ったままだった
薬のせいなのか
くそっ

朝比奈「こうして私はキョン君に触れてる・・・でもおかしいと思わない?」

朝比奈「私はこの時代にはいない人間」

何が言いたいんだ
そもそも未来人なんて存在がおかしいんじゃないのか
毒を吐く様な気分でそう考える

朝比奈「このまま私が未来に戻れば、未来の私がこの時に存在する過去が確定している」

朝比奈「それって、おかしくないですか?」

キョン「え、あれ?」

確かに何かがおかしい
でも何だ
分かってるんだけど、説明出来ない
おかしい事は分かってるんだよ

朝比奈「混乱するよね、ちょっと意地悪が過ぎたかな」

いらつきを感じた俺は
少々の皮肉を込めて言ってみる

キョン「そう思うなら、手を止めてちゃんと教えて下さいよ」

朝比奈「手を止めるのは無理かな」

朝比奈さんは俺の意図を感じとったのか、意地悪く頬笑み
逆に手の動きが早まった
くそ、言うんじゃなかった

朝比奈「時間跳躍の方法が完成するまで人間は時間跳躍が出来なかった」

朝比奈「当り前ですよね」

頷くしかない
その通りなんだから
いや、待て
そうするとどうなる?

朝比奈「分かりかけてるようですね」

そうか
そういう事なのか

キョン「未来人が居ない過去があるはずだ」

朝比奈「さて問題です」

朝比奈「その過去はどこへ行ってしまったんでしょう」

どこへ行ったか
どこにも行ってなんかない

キョン「俺達が移動したんだ、並行世界へ」

朝比奈さんの唇が頬に触れた
正解の印なんだろう

朝比奈「まあ分かりやすくパラレルワールドと言いましたが概念的には違います」

朝比奈「話の核心はそれではないので、構いませんけど」

核心か
言わないでくれ
俺の考えが間違ってると思いたいんだ
頼むよ

朝比奈「言って欲しくないって顔してるよ、キョン君」

考えが顔に出ちまったのか
それとも、この狭い了見を見透かすのは簡単なのか
あっさりと看破されたらしい
俺はきつく目を閉じた

朝比奈「でも、ダメ」

朝比奈「そう、過去は確定しています」

朝比奈「つまり、この世界でSOS団に居る私が死んでも、この私が消える事はありません」

自分が、過去の自分を殺すのが問題ないとか
なんなんだそりゃ
はは
そんなの狂気以外の何物でもねえよ
全身の力が抜けて行く感じがする
脱力感ってやつなんだろう

これは悲劇なのか?
それとも喜劇なのか?
頭がおかしくなっちまう
勘弁してくれよ

朝比奈「・・・・・・」

ぎゅむっ
無言で俺を見つめていた朝比奈さんは
急に俺のモノを握る手に力を入れた
それは飛び上がらんばかりの激痛として認識され
脳天を突きぬけた

キョン「いっ!?」

朝比奈「現実から目をそらしても何も変わらないわ」

朝比奈「キョン君は私の物になったんだから、もう少し強くなってもらわないと」

もうすぐ前回に追いつくな
前のがすごいエロくてよかったから最後まで期待

朝比奈さんの手の中で
俺のが脈打つのが分かる
凄く痛てえ

次の瞬間、その痛みから解放され
俺は息を止めてた事に気付いた
むさぼるように息を吸い込み、当然の結果としてむせて咳き込んだ
その姿を朝比奈さんは満足げに見ている
楽しんでやがるんだ
俺はそう思った

朝比奈「今は許してあげます」

朝比奈「自分を縛る物がなくなるっていうのは、とっても素晴らしいわ」

朝比奈「ね、キョン君」

俺は生まれて初めて
殺されるんじゃないかと本気で思った
あの朝倉に襲われた時でさえ
現実感の欠如に助けられて、なんとか自分を保っていられたのに

まさかこの人から
死の恐怖を感じる事になるとはなあ
おい
冗談だとしたら、そろそろネタばらししてくれよ
もう十分楽しんだだろ?

でも
朝比奈さんは笑ってた
そして
俺はその姿を魅力的だと感じてた

ああ
やっぱり頭がおかしくなっちまう

勘弁   してくれ

キョン「・・・長門」

俺は無意識に名前を呼んでいた

いつも守られっぱなしで
これ以上、負担を掛けたくない
そう思ってるのは本当だ
でもな
やっぱお前が居るから、ほんの少しでも余裕が出来るんだよ
今、お前の姿が見れたらどんなに安堵出来るかと思うよ
情けねえ

朝比奈「長門さんですか」

朝比奈「さしずめ、キョン君の女神様ってところかな」

はは
女神だってよ、長門

でも、なんだこの朝比奈さんの余裕
そりゃ、あいつは俺のボディーガードって訳じゃないし
そんな事は俺も望まない
ただ
長門の名前が出てくれば
少しは反応があってもいいんじゃないのか

まさか
長門さえ恐れない何かが
この人にはあるってのか?

朝比奈「キョン君は、長門さんが助けに来てくれると信じてるんですね」

見透かされてる
でも
今までの経緯を知ってる朝比奈さんなら当然の事だろう
だいたい
あなただって散々助けられて来たんじゃないですか?

朝比奈「確かにね」

朝比奈「彼女には感謝してる部分もたくさんあります」

へえ
他の部分はなんだと言うんです
恐怖?
現在の朝比奈さんなら、羨望もあり得るかな
ほんの少しだが
皮肉を込める余裕が出て来た

朝比奈「憎しみ、かな」

キョン「憎しみ?」

朝比奈「キョン君の心を捉えてるのは涼宮さんだけじゃないものね」

朝比奈「ただ、この時間に送り込まれてる私に対して抱いてる感情の方が」

朝比奈「男の子としては健全だと思いますけど」

はは
確かにそうですね
まさか、皮肉で返されるとはね

朝比奈「長門さんの話題が出たら、途端に饒舌になりましたね」

朝比奈「でも残念です、彼女は来ませんよ?」

どうしてそんな事が言えるんです
そんな感じで
俺が喰ってかかろうとした瞬間だった
ふいに壁にゆらめきを感じ
ついで、部屋全体が違和感に包まれた
身に覚えがあるこの感覚
間違いない
えっと、情報制御空間
だっけか?

おいおい、長門よ
このタイミングで現れるなんて
ずいぶん芝居じみた事してくれるじゃないか
もっと早く来てくれたって
一向に構わないんだぜ、俺は

そして
壁に穴のようなものが発生し
その先に
見なれた北高の制服が現れた

しかし、だ
俺の表情は一瞬にして曇らざるを得なかった

キョン「長・・・門?」

長門にしては、少し身長が高い気がする
そして
長門にしては、どう見ても髪が長い
こいつは
まさか、こいつは





朝倉「久しぶりに会ったっていうのに」

朝倉「間違えるなんて失礼だと思わない?」





朝倉涼子

長門と同じ宇宙人のインターフェースにして
以前、俺を平然と殺そうとした元クラスメイト
その姿は、未だ俺の背筋を凍らせる
最悪の狂人だ

なんてこった
今日は最悪の大安売りなのか?

キョン「何で・・・お前が?」

朝倉「知っての通り、私は長門さんのバックアップ」

朝倉「でも、彼女の許可がなくても動ける方法だってあるわ」

朝倉「例えばね」

俺は
朝倉に見据えられて
蛇に睨まれた蛙の気分を味わっていた

朝倉「そこの未来人さんと、私の操り主の思惑が一致した場合とかね」

そして
蛇は柔らかな微笑みをたたえていた

朝倉「ところで、お楽しみのとこ邪魔してごめんね」

朝倉「気にしないで続けて?」

満面の笑みで言われて
俺は我に返った
まあ
どっちにしたって体が動かないんじゃ
どこを隠すもないんだが
それに
こいつを前にして、そんな状況でもない気がする

朝倉「ふぅん、恥ずかしがらないんだ」

ご期待には沿えないから
放って置いてくれると有り難いね

朝倉「ね、手伝ってあげようか?」

キョン「は?」

朝倉は
言葉の意味を計り兼ねる俺を置いてけぼりにするように
くるっと朝比奈さんの方を振り向き
話を始めた
別に見たくもないが
思わず見つめてしまう

だって、そうだろ?
指を後ろで組み合わせ
若干、前屈みで話すその姿なんざ
クラスで友達と談笑してる様にしか見えない
屈託のない笑顔
この状況だぞ
なんでそんな普通なんだよ
普通である事がそんなに恐怖を感じさせるって
一体、どういう事なんだ

朝比奈「・・・そんな事が出来るの?」

朝倉「私には良く分からないんだけど」

朝倉「人間の女性は、抱かれた方が嬉しいって聞くよね?」

何だ
何を話してるんだ?

朝倉「私が、彼の体を操ってあげる」

こいつは
何を言ってるんだ?

ぐいっ
ふいに俺の手が動いた

キョン「こ、これは?」

そして立ち上がり
朝比奈さんの方へ進んで行く

もう何て説明していいのか分からん
皆目見当がつかない、とは正にこの事だ

自分の意志とは無関係に動く体
頭と体が切り離された、とでも言えば上手い表現なのか?
いや、違う
確かに体の感覚はある
なのに
勝手に動いてるんだ

自分の体なのに自分の体じゃない感じ
いや、伝え切れてねえ
これをきっちり説明出来る奴が居たとしたら
是非、ご教授願いたいね
1時間位なら話を聞いてやらなくもない

くそ
考えてたら吐き気がして来た
だけど
吐く事も出来ない

本当にどうなってんだ
俺はさっきまでで十分恐怖を味わったはずだろ

周りの女性を殺す、とかぬかす女に監禁され
俺を殺そうとした女とも再会した
これでもまだ、怖がらせ足りないってのか?
俺の気が狂っちまって
壁に頭を打ち続けて、お陀仏になんなきゃ許してくれないってのか?

ただ
それもこの状態じゃ出来っこない
どうすりゃいいってんだよ

ふぅ...

朝比奈「・・・んっ」

そうこうする内に
俺は朝比奈さんとキスを始めやがった
はは
俺、自分のしてる事を実況してるよ
頭がおかしくなったのと、何が変わらないんだ?

絡み合う舌の感覚
それに刺激を受ける、俺のモノ
顎によだれがつたい
時々、歯がぶつかってる
なんだよ
情熱的なキスとでも、感想を言えってか?

俺の手が朝比奈さんのお尻を掴み
ぐっと自分の方に引き寄せた

朝比奈「ん"ん"っ!?///」

朝比奈さんの体が、ビクッと反応する

手には朝比奈さんのお尻の感触
なのに動かせない手
なのに動く手

もう考えるのも疲れる

途中から実は操作してませんでした、火が点いててもう止まれませんでしたの展開だよな!な!!

信じてるぞ……

期待

俺のだが、俺のじゃない手は
さらに掴む手に力を込めた
朝比奈さんの肉付きが手の平に伝わり
神経を刺激する

これがスイッチになっちまったのか
朝比奈さんの舌の動きが、一層激しくなる
時々、思い出した様に息を吸い込み
その度に漏れる
吐息にも似た息遣いが妙に艶めかしい
もはや唇の周りも顎も
彼女の唾液でベチャベチャだ
いや
これは二人のが混ざり合ったものか

というか
もう、舌自体が混ざり合ってる感じだ
俺と朝比奈さんの口の中に
舌っていう別の生き物が存在して
互いに求めあってる感じ

詩的な表現になり切れてないって?
放っといてくれ
自分の体のやってる事が、こんな動物的なんだ
詩的な思考でもしないと
頭の中まで動物になっちまう気がするんだよ

やっと命令が下ったのか
お留守だった、もう一方の手が動き始めた
しかし、おい
そこはまずいって

だが、願いも虚しく俺の手は動き続け
それを鷲掴みにした

朝比奈「んぁっ///」

朝比奈さんの胸は
俺なんかが予想してたより遥かに柔らかく
その大きさは、俺の手の平を圧倒した
こんななのか?
こんなに柔らかいものなんですか!?

やばいって
夢中になりかけてる
しかも、この手の動き
なんと揉みしだき始めたんだが!?

朝比奈「あっ・・・はっ///」

俺の手の動きに合わせて漏れる吐息

朝比奈「キョンくぅん///」

頬を染め
潤んだ瞳を俺に向ける朝比奈さん
こんなの反則だろうが
詩的思考は開店休業状態に追い込まれ
俺の人間的な部分は
今や圧倒的な動物的な部分に対し
崖っぷちで踏み止まるだけになっていた

すると
俺の体はキスするのを止めた
ゆっくりと朝比奈さんの顔から離れる
また、あのやらしい糸

その向こうに
朝比奈さんの表情が見えた
俺でもわかる
もっとしたいのにって顔だ
さっきまで浮かんでた残忍さは
欠片も残ってなかった

女って
本当にこんな表情をするんだな
そんなどうでもいい事を思っていた時に
足が動くのが見えた
いや
見えたってのもおかしい話なんだが
そこに自分の意志が無いと
それが一番しっくり来る
詩的な表現をすると?
もう
いじめないでくれよ

何するつもりだよ
と思う間もなく
俺の体は、朝比奈さんの背後に回る
ゆっくり両手が脇の下から差し込まれた
次の瞬間
ブチブチッという音がして
彼女のブラウスのボタンが弾け飛んだ

俺の手が引き裂いたのかよ
理解するのに数秒掛かる
そんな俺を置き去りに
事態は容赦なく進む
俺の両手はブラを器用にまくし上げ
露わになった胸を直に掴んだ

朝比奈「ひぁっ!?///」

服の上からとは段違いの柔らかさに
俺は、更に衝撃を深めた

気が付くと
朝倉の顔が正面に見えていた
ああ、そうか
朝比奈さんの顔から残忍な笑顔が消えたのは
お前が代わりに貼り付けてるからなんだな

念の為にもう一回言っておく
これは俺の手であって、俺の手じゃない
だってよ
俺にこんな芸当が出来る訳がねえって

えっとだな
いや、分かってはいるんだが
何と言っていいのか
人差し指が、あれだ
朝比奈さんの柔らかい乳房の中で
唯一、ちょっと固い部分
そこを人差し指で弄り始めた
そう、弄ってる
遊んでるっていう感じか

俺の指が刺激する度に
朝比奈さんの肩が小刻みに震え
喘ぐのを我慢してる様な仕草が見えた
後姿で顔が見えないから
想像力が、かきたてられる

なんかこう
庇護欲だっけか
そういうのをくすぐられる気がする
おいおい
さっきまで死の恐怖を感じてた相手だぞ
バカなのか、とも思うが
でも、なんつーか
その

そして
また手が胸を揉みしだき始める
手の内に朝比奈さんの全部がある感覚
その瞬間、気付いた
これは支配欲
いや
格好付けないで簡単に言うとだな

俺はこの人が欲しくなっちまってた

朝倉「そろそろ、最後の効き目が出て来た?」

キョン「は?」

ってなんだよ
急に喋れる様になってる

朝倉「体のコントロール、解いてあげたわ」

朝倉「ついでに動く様にもしてあげた」

してあげたって
俺は薬を飲まされたんじゃないのか?
しかも、ご丁寧に媚薬入りのを

朝倉「そうね」

朝倉「わたしのナノマシン入り、特製お薬をね♪」

まじかよ
朝比奈さんの手の内で転がされてると思ったら
お前という
逃走防止装置まで付いてやがるのか
はは

朝倉「手、放せないんでしょ?」

キョン「手?」

朝倉「余程、その感覚が気に入っちゃったかな」

朝倉「それとも単に欲情しちゃった?」

そうだ
もう俺の手は自由になったんだ
勝手に動くなんて悪夢から解放されたんだ
手を放せ
手を放せよ、俺

朝倉「無・理・な・の」

朝倉「あなたはもう、その未来人さんに欲情を覚えちゃったもの」

朝倉「それを消し去るなんて出来やしないわ」

キョン「何をした?」

朝倉「全ての感覚を快楽中枢に直結する様に情報化してあげた」

情報化?
意味が分かんねえって

朝倉「だってあなた達って」

朝倉「いつまでも理性なんてつまんないフィルターに捉われてるんだもの」

ふざけんな
人間から理性取ったら
そりゃもう、ただの動物だろうが

とはいえ
確かに俺の手
朝比奈さんから放れようとしない
いや、違う
脳が手を放せと命じてない
楽しみたい
俺の手の内にある、素晴らしい物の感触を楽しみたい
それでこの人が喜びの声を上げたら
どんなに良い気分になれるんだ?

朝倉「ほら、お姫様を待たせちゃ悪いわ」

朝倉「それに」

朝倉の顔が
一層、意地悪く微笑んだ

朝倉「彼女の下の方は、大変な事になってるみたいよ?」

朝比奈「あ、朝倉さん!?///」

朝倉は朝比奈さんを一瞥し

朝倉「彼女は、あなたを欲しくてしょうがない」

また俺に視線を戻す

朝倉「あなたも、彼女が欲しくてしょうがない」

朝倉「お互いに求め合ってるなんて、素晴らしい事じゃない」

や、やべえ
これは悪魔の囁きだ
抵抗しないと、意識を根こそぎ持ってかれちまう
だけど

朝倉「ね?」

朝倉がウインクする
まるで
自分程、純粋な人間は居ないとアピールするかの様に
その言葉に裏なんてある訳ない
そうアピールするかの様に

俺は知っている
その笑顔の裏を知っている
知っているのに
その事実から目を反らしたくなる

いいじゃねえか
朝比奈さんもそれを望んでんだ
何か問題があるってのか?
むしろ
何もしない方が罪悪なんじゃないのか?
この人に魅力を感じてたのは
紛れもない事実だろうが
俺は自分に嘘をつくのか?

キョン「・・・すいません、朝比奈さん」

謝ったのは
俺の残った理性の欠片がそうさせたのか
しかし、それが免罪符になったらしい
俺の脳は抵抗なく命令を下した
もちろん
俺の手はその命令に逆らう事なく
手に余る、その柔らかい物を揉みしだく
ああ
俺はこれが欲しかったんだよ
この柔らかさ
こんな柔らかい物が、この世にあっていいのか?

朝比奈「んっ・・・いい、いいです・・・キョン君///」

ほら
この人も喜んでる
この喜びは俺が与えてるんだぜ?
何の問題もないって

朝倉「下の方は愛してあげないの?」

そっか、そうだよな
もう疑問を感じる事も無くなってた
なんせこれって
お互いが望んでる事なんだから

俺の右手は
ゆっくりと朝比奈さんのお腹の方に降りて行った

ふふ、ふ、ふふふふふふふひ

キョンが壊れてきたな
続き期待してる

朝比奈さんのタイトなスカートを苦労してずり上げ
下着に指を掛ける
シルクとかなのかな
この滑る様な肌触りってのは

なんとなく俺は満足した
だって
この人に似つかわしい気がするだろ?
いやいや
そんな事はどうでもいいだろ
このまま下着を下ろすか
それとも

結局、俺は
もう一方を選択した
朝比奈さんの下着の中に手を捻じ込み
俺のまだ知らない女性の部分
そこを指で
指で
何て言えばいい?
そう
指で弄るんだ

くそ
弄るなんて考えると
更に興奮しちまう

シルクの肌触りをした下着は
俺の手の侵入に全く抵抗を見せない
すぐに下の毛の存在を感じたが
迷わずその先へ
毛を掻き分けるまでもなく
それは、そこにあった
朝比奈さんの全身が、跳ねる様に反応する

朝比奈「ひぁっ!///」

この指先の感覚
濡れてるじゃないですか、朝比奈さん
指にまとわり付きますよ

朝比奈「そ、そんな事言わないで///」

普段の俺なら
もっとドギマギしてる事だろう
顔を真っ赤にして、喉を枯らして
からっきし余裕のない自分が容易に想像出来る
指ももっと震えてるかもな
でも
今の俺は
先を急ぎたくて仕様がない
もう取り繕う事もないか

俺はな
朝比奈さんの中に入り
思いのまま動いたあげく
自分の欲望をぶち撒けたいんだよ!

自分のモノにこんな疼きを感じたのは初めてだ
俺は堪らず
それを朝比奈さんのお尻に押し当てる
胸をまさぐる手は勝手に力が入っちまうわ
右手は凄ぇ敏感になってるわで
はは
俺の思考はもう頭から生まれてねぇ

もう
欲望を満たす為に
手当たり次第、命令を下してるだけだろ
これって

俺は右手の中指に少し力を込める
つぷっ
まさに、そんな感じで指が押し入って行く

朝比奈「くぁっ!?///」

ああ
こういう時って、本当に中指を使うんだな
ていうか、すげえ
女の人が濡れるって、こんな感じなのか
指を動かすと水の音がって言うじゃないですか
これなら信じられるな

朝比奈「試して・・・みたい?」

すいませんが
言われなくてもそうさせてもらいます

みてるよー

中指を動かす
予想に反して、ぬるっとした感触
そしてこれは
何か衝撃的って言うのか
ダイレクトに言っちまうと肉の感触
指の腹からは、そんな感覚が伝わって来た
平らじゃないんだ
凸凹がある

ここに俺のモノが入って行くんだ
いきなり押し寄せた現実感に、軽く目眩がする
少し頭を振り
抜けかけた指を入口のヒダの所に這わせると
さっきより、ぬめり気のない液体を感じる
ああ、そういう事か
ヒダの部分を軽く指で叩く様にすると
ピチャっと水の音をさせた

朝比奈「はぅ・・・んんっ・・・あっ///」

俺がこの人を感じさせてる
さっきより強い満足感を覚える
ぴちゃぴちゃという音と
朝比奈さんの吐息だけが部屋に響く

この世が音の世界だけだったら
朝倉よ
もうお前の存在を忘れていたかもしれんぞ
まあ、どうでもいいか
お前が居ようが居まいが、俺はこの人を滅茶苦茶にしたいんだ
音を立てるのに夢中で左手がおろそかになってるのに気付いたけど
そんなもんもどうでもいい
既に俺は、自分のモノに支配されちまってんだ
この人の中に入る事しか考えてねえ

まるで動物だって?
ああ、それで結構だよ
むしろ動物である以上、今何が必要なんだ?

キョン「朝比奈さん・・・挿れます・・・よ?」

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