吹雪「し、司令官・・・?」 (187)
猫発生してて暇なので書く
主人公は吹雪です
色々妄想設定あり、気にならない人はどうぞ
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その日はよく晴れた日でした
提督に大事な話があると言われ皆が招集され、食堂に集まっていました。
「昨日の深夜、敵の本拠地であるパール湾に対し友軍艦隊が強襲を掛けこれを壊滅させた」
一瞬の間静寂が鎮守府を包み込み、次の瞬間皆は歓声を上げお互いに肩を叩きあい、抱擁を交わし
喜びを分かち合いました。
ある日突如として現れた深海棲艦。
私たちはソレをただ敵とだけ教わり、それらと戦う術を身に付け戦ってきました。
まだそれらが何から生まれ、何を目的に戦っているのかも分かっていません。
それを敵の本拠地を叩いたから終わり と言われても私は正直まだ実感が湧きませんでした。
「まだ話は終わってないぞ」パンパンと手を鳴らし提督は続けます
「敵の残存戦力の掃討を行う、第一~四艦隊はこれより哨戒任務に就くことになる。ただちに準備に取り掛かれ」
「以上。解散!」
吹雪「司令、あの...私は」
「吹雪、お前は事務処理を手伝ってくれ」
吹雪「わ、わかりました!」
艦隊が出撃し、静かになった鎮守府で私たちは黙々と作業を続けていました。
「吹雪。」
吹雪「は、はい何でしょうか司令」
「お前は戦後の身の振りを考えているのか?」
戦後...それはとても新鮮な響きに感じられました。私は正直、艦娘以外での自分の明確なイメージは持ったことがありませんでした。
私は幼いころ画期的な新型駆逐艦の艦娘として選ばれ、特型駆逐艦の一番艦”吹雪”として就役。そして様々な任務に就いていました。
白露型、初春型、そして陽炎型、夕雲型、秋月型と新型の駆逐艦が開発され旧式化していった私は徐々に戦闘からは離れていきました。
ですが、寂しくはなかったです。赤城さんとは今でもよくお話しますし、長門さんともそうです。気持ちはいつも皆と一緒でした。
吹雪「あまり実感が無いというか、艦娘としての生活以外考えてないというか...まだ決めてないんです。」
吹雪「でも、まずお家に帰ってみようかなと思います。」
「そうか」とだけ短く答え提督はまた資料とにらめっこを始めました。
一時の絶望的な戦況の折に大量に動員された艦娘たち、戦争が終わったとなれば近々各鎮守府にも解散命令が出されるだろうと提督は教えてくれました。
もし、そうなったとき皆は一体どうするだろう?
静かな執務室に控えめなノックが鳴りました。
あの消え入るような叩き方は潮ちゃんだと思います。
潮「あっあの て、提督、第四艦隊たただ今帰投しましたっ!い、異常はありませんでしたっ!」
「そうか、お疲れ様。ゆっくり休め」
潮「で、では し、し失礼します。」
その後、1~3艦隊も帰投し鎮守府は一気に賑やかになりました。
「吹雪、お疲れ様。お前も今日はもう上がっていいぞ」
吹雪「はい、では失礼します。」
吹雪「うまく答えられなかったな...」
吹雪「私はどうしたいんだろう...正直分からないや」
吹雪「戦後...か。みんなはどうするんだろう?」
~夕食の後~
吹雪「潮ちゃん!」
潮「な、何?吹雪ちゃん」
吹雪「あのさ、潮ちゃんは、その、艦娘を辞めた後ってどうするのか決めてるの?」
潮「え、?」
吹雪「だからね、解体された後って潮ちゃんはどうするのかなって」
潮「え、え?…もしかして私は解体されちゃうの?」
吹雪「ち、違うんだよ? あの、私たちいつかは退役して解体されるでしょ?それでその後はどうするのかなって思って」
潮「ええと私は、その、あっ、ま、まずは、そのおうちに帰ろうかなって」
吹雪「そうなんだ。具体的に何かしたいとかって言うのはないの?」
潮「うん。お母さんとお父さんに会って色々決めようかなって」
吹雪「そうなんだ…ありがと参考になったよ潮ちゃん」
私は赤城さんにも聞いてみることにしました。
吹雪「赤城さん!」
赤城「どうかしましたか?吹雪さん」
吹雪「赤城さんは艦娘を辞めた後ってどうするんですか?」
赤城「あら、どうしたの藪から棒に」
吹雪「今朝の話を聞いてこの戦いが終わったらどうするのか気になって・・・」
赤城「そうなの...私は大学に復学しようと思ってるのよ。卒業はちゃんとしたいし」
吹雪「そうなんですか。加賀さんは赤城さんと同じ学校だったんですよね?どうするか聞いてます?」
赤城「うふふ、それは本人に聞いてみたらいいんじゃないかしら」
・
・
・
吹雪「あの、加賀さん!」
加賀「何か用?」
吹雪「加賀さんは艦娘を辞めた後ってどうするんですか?」
加賀「そうね、...私は赤城さんに付いて行くつもりよ。」
吹雪「その後は...」
加賀「さあね、正直分からないわ」
加賀「先の事なんてそうそう分からないものよ。あれが現れた時もそうだったのだし...」
吹雪「そうですか・・・ありがとうございました」
吹雪「高翌雄さん、愛宕さん!」
愛宕「あらあら、どうしたの?」
高翌雄「どうしました?」
吹雪「お二人は艦娘を辞めた後ってどうするんですか?」
高翌雄「!、…私はあまり考えたことがないですね」
愛宕「うーん、私も今の生活以外の私って考えたことがないし想像しづらいわね」
愛宕「でも…そうね提督に貰ってもらおうかしら♪」
金剛・榛名 ガタッ
愛宕「冗談よ...まったくもう」
鈴谷「ねーねー何の話何の話?」
愛宕「吹雪さんが解体された後はどうするのか?と聞きたいようで」
熊野「あら唐突ですわね」
吹雪「あ、よろしければ鈴谷さんたちのお話も聞かせてください」
熊野「私は実家に帰りますわ、元の生活に戻るだけですもの」
鈴谷「ウチは何か実感わかないなー、まっ成るようになるっしょ」
最上「僕はさ、ちっちゃい頃の夢だったお花屋さんを目指してみたいんだ!」
鈴谷「モガみん聞いてたの!?」
扶桑「あの、何のお話ですか?」
さらには最上さんとお茶を飲んでいた扶桑さん、山城さんまで話に加わって
・
・
・
扶桑「私は実家が旅館なのでそこを継ぐことになると思います」
山城「私も姉さまと一緒に...」
吹雪「皆に聞いてみたけどあまりイメージを持ってる人って少ないんだ...」
吹雪「そうだよね...いきなりあんなこと聞かれても実感わかないよね」
吹雪「解体か...普通の女の子になっても元の生活に戻れるのかな...」
翌日
吹雪「提督!司令部より入電です!」
吹雪「隣の泊地の鎮守府より昨夜の定時連絡を最後に通信が途絶したとのことです。至急確認してほしいとのことです。」
「ふん、どうせ通信機の故障か何かだろうが...まあ行ってみればわかるか。」
吹雪「司令官自ら行かれるのですか!?危険です!」
「そんな大事ではないだろうよ。夕方には戻れるだろう、心配するな」
吹雪「ですが...」
「まあ長門たちも連れて行こう。伝えておいてくれ」
吹雪「分かりました」
・
・
・
しかし、提督は夕方になっても帰ってきませんでした。
深夜 執務室
比叡「うーん金剛お姉さまぁ...」
金剛「ふふ、...比叡はもう寝たみたいネ」
榛名「もうこんな時間ですもんね」
霧島「それにしても一本の電報もないとはおかしいですね…」
金剛「もしかしたら向こうの鎮守府でpartyしてるかも...ネ」
榛名「それは...」
霧島「提督の性格上それは無いのでは?」
金剛「まあ長門たちも一緒だしdont warryよ」
榛名「そうですね…提督を信じてもう少し待ちましょう」
翌日の早朝に長門さんたちが帰ってきました。…ボロボロの姿になって
金剛「一体何があったのデスカ!?何故一つも連絡をよこさなかったのデスカ!?提督は無事なのデスカ!?」
榛名「お姉さま落ち着いてください!!」
陸奥「何よ!応答しなかったのはそっちでしょ!!何回援軍を要請したと思ってるの!?」
長門「やめろ陸奥。......すまない。深海棲艦から奇襲を受けた...その時に提督は戦闘中に行方不明に「what!?」」
金剛「どういうことデスカ!何故あなたたちが付いていながら…「お姉さま」」
榛名「今は落ち着いて打開策を練りましょう」
金剛「榛名は何故落ち着いていられるのデス?提督が見つかっていないのデスヨ!!」
榛名「今は迅速に捜索艦隊を編成して出撃するべきです」
長門「すまない...我々もできる限りの捜索はしたのだが、敵の攻撃が激しくあれ以上あの海域に留まることができなかった」
霧島「それで敵の戦力は?」
陸奥「丁度スコールも激しくてよく確認できなかったの撤退時はもう日も沈んでいて...」
陸奥「でも戦艦級は3以上、重巡級は6以上は居たわ。あと撤退中に敵の航空機からも攻撃を受けたから空母もいたみたいね」
霧島「そんな馬鹿な...まるで主力艦隊じゃない...」
扶桑「ですが確かに私たちも確認いたしました…」
山城「ええ、私も確認しました...」
榛名「だとしたら此方も戦力を整えて...「それでは遅すぎマス!!」」
金剛「私が行きマス!!例え一人でも!」
比叡「お姉さま一人では危険です!!私も連れて行ってください!!」
榛名「落ち着いてください!!二人ともっ!!」
霧島「そうです!準備不十分のまま向かっても失敗するだけです!」
霧島「それに先の出撃で燃料も弾薬も足りないのですよ。」
長門「それは...すまない...」
赤城「あの、よろしいですか?」
金剛「なんデスカー?」
赤城「高速の空母であれば索敵も含め安全に捜索できるのでは?」
霧島「そうですね…確かに軽空母を主軸とすれば燃料も十分ですしね。」
榛名「榛名もそれが最善だと思います...」
比叡「お姉さま、そうしましょう!それしかありません!」
金剛「...」
金剛「...分かりマシタ...そうしてクダサイ」スタスタ ガチャ バタン
比叡「お姉さま待って!!」タッタッタッタ
榛名「お姉さま...」
霧島「...では編成に取り掛かりましょう」
猫が発生しないおかげでSSが進まない?
冗談はさておき、続き楽しみにしてます
ー出撃準備中ー
夕張「ねえちょっといいかしら?」
赤城「どうかしましたか?」
夕張「通信室で不具合があったみたいなんだけど」
夕張「なんか無線機の配線がおかしかったみたい」
霧島「どうゆうことですか?」
夕張「一昨日までの定時連絡では問題なく通信できてたの...だから...その」
赤城「つまり誰かが故意に弄ったという事ですか?」
霧島「そんな馬鹿な!」
夕張「あまりこういうこと言いたくないんだけどね」
夕張「深海棲艦が入ってきたとも思えないし...奴らにすればそもそもあんな手の込んだことしなくても壊せばいい事よ」
赤城「そう...ね。報告ありがとう」
霧島「通信の方はもう回復したのですか?」
夕張「ええ、もう大丈夫よ。これからは定期的に確認することにするわ」
榛名「霧島?どうかしたの?」
霧島「通信機が壊されていたようよ。もしかしたら内部の犯行かも…」
榛名「それは!...でも!」
霧島「状況を見る限りそれ以外考えられないわ」
榛名「...そう...霧島がそういうなら...」
赤城「今はあまり考えすぎない方がいいわ」
霧島「そうね、それがいいと思う」
霧島「それと榛名、そっちは終わったの?」
榛名「ええ、各航空隊の編成終わったようです」
赤城「わかりました...では出撃を」
捜索艦隊はただちに出撃することになりました
瑞鳳「では行って参ります!」
千歳「千代田、準備はいい?」
千代田「うん大丈夫!」
龍驤「気張っていくでー」
榛名「どうか、提督の事よろしくお願いします...」
陽炎「だいじょーぶ、任せなさいって」
不知火「ええ、あの提督があんなことでやられるとは思えません」
トリップつけれ
比叡「お姉さま、瑞鳳たちが出撃していますよ。見送らなくてもいいんですか?」
金剛「今回の件...何か嫌な感じがするネ...」
比叡「えっ?」
金剛「何か...絡めつくような...変な感じネ...」
比叡「お姉さま?どうしたんですか?」
金剛「…」
比叡「あ、あの、お姉さま、紅茶を淹れますから...飲んで落ち着きましょう」
金剛「比叡?...貴方はどうしても絶望的になった時、何を信じますか?何にすがりますか?」
比叡「っ!??どうしたんですか?らしくないですよお姉さま。」
金剛「ヒエイ?紅茶が溢れていマース。」
金剛「ふふ、まったく...モッタイナイデスヨー」
比叡「あう、申し訳ありません!」
比叡「...私は...最後までお姉さま一筋ですよ」
金剛「そーゆーことはあなたのプリンスに言う事ヨー」
長門「あとは羅針盤任せ...か」
扶桑「私たちがここで弱気な姿は見せられませんね…」
山城「お姉さま...私はお姉さまさえご無事なら...」
陸奥「あんた達は相変わらずね...」
長門「ん、青葉か?」
青葉「いやーお見逸れしました」
陸奥「で、何か分かったの?」
青葉「あまり急ぐと失敗しますよ?」
陸奥「なによ!こっちだってね…」
長門「陸奥、...それで?」
青葉「それがですね、長門さんたちが救援要請を出していたという時刻以前からどうも繋がってなかったみたいです。」
青葉「長門さんたちの定時連絡は入っているんですがね、それ以降のものはさっぱりでして...」
長門「だとしたらその間の犯行か...」
陸奥「つまり...留守番組の娘たちってこと?」
長門「ああ...」
青葉「あ、いや、私じゃないですよ!?」
青葉「そんな睨まれても何も出ませんよー」
山城「...不幸だわ、もうすぐ帰れると思ったのに」
残存艦艇が集結しているとの報が入ったのはその日の午後でした。
しかし私たちの鎮守府は既に解散の日も決まっていることもあり、燃料弾薬の供給も止まっていて
その備蓄もかなり少なくなっていました。みんなでできる限りかき集めましたがあまり状況は変わりませんでした。
そんな中、主力艦隊である第一~三艦隊旗艦の金剛さん、赤城さん、高翌雄さんが集まり提督不在の中指揮を執るために作戦会議を開いていました
敵が艦隊行動をとること自体、最近の動きから見れば異常でした。しかも偵察では少なくとも戦艦級、正規空母級が複数隻は存在しているとのこと
それはもはや敵の連合艦隊でした。
赤城「規模から見るにまさに、長門さんたちを襲った艦隊のようですね」
高翌雄「まさかここまでとは...」
金剛「...」
赤城「金剛さん?」
金剛「オーケーオーケー all right」
高翌雄「金剛さん?」
金剛「私のプランはもっとエネミーが集結する前に主力艦隊でアタックするのがベストだと思うネ!」
金剛「サーチアンドデストロイデース!!」
赤城「しかし敵の集結地点との距離を考えれば主力艦隊の2度目の出撃は不可能になってしまいます。」
高翌雄「ここは敵の出方を見極め方がいいのでは無いでしょうか」
金剛「ノー、それではさらに敵の戦力増加を見逃すことになりマース!」
高翌雄「近隣にある鎮守府に応援、もしくは資源の融通をしてもらうべきでは?」
すまぬ
高翌翌翌雄→高翌雄 です
あれ?おかしいな すみません脳内保管してくだし
その時、執務室の扉が勢いよく開きました
五十鈴「大変よ!未確認機がこちらに接近しているわ!!」
金剛「ホワット!?」
赤城「ただちに加賀さんに伝えて!!」
五十鈴「わかったわ!」
しかし迎撃に上がった戦闘機によると友軍機である事が分かりました。
その友軍機によると、所属していた鎮守府に敵残存艦隊が襲い掛かり、大規模な海戦が発生
突然の敵艦隊接近の報に碌な準備もできなかった友軍主力艦隊は敗北。態勢を立て直す為撤退したとのことでした。
私たちの鎮守府にも暗雲が立ち込めてきました。
名前欄に#○○←適当な言葉でトリップ
メール欄に半角saga sageで板の仕様解除
期待
そろそろ猫の時間だぜ
>>32 から続けます
色々教えてくれた方々ありがとうございました
加賀「瑞鳳たちが戻ったようね」
赤城「ええ、無事で何よりね」
加賀「赤城さん...いえ、何でもないわ」
赤城「分かってる、分かってるわ...」
赤城「私たち一航戦があの娘たちを守らないと!」
加賀「もう艦載機の補充は...」
赤城「...その時は私たちが覚悟を決めないといけないわね。」
加賀「友軍は南西諸島方面へ撤退したみたい」
赤城「そのようね。もしもの時はあの娘たちもそちらへ…」
加賀「あの娘、運だけはいいみたいだから…」
赤城「あら?心配しているの?」
赤城「あの娘たちはあなたが思ってるほど…「当然よ」」
加賀「そうじゃないと困るわ。私たち一航戦の後はあの娘たちが継ぐのだから」
赤城「あら、ふふふ」
赤城「…こんな時に素直になるなんて…」ボソ
加賀「赤城さん?」
赤城「なんでもないわ。さあ行きましょう」
執務室―夜―
霧島「司令部からの返答です。直ちに補給物資を輸送するとのことです。」
長門「そうか、援軍は?」
霧島「いえ、当面は態勢の立て直しのため出せないとのことです」
長門「穴熊を決め込むつもりか…」
霧島「可能ならば南西諸島方面司令部まで撤退しろとも…」
長門「無理と分かっていながら…」ギリ
霧島「先の報告と合わせ現在連絡がつかない鎮守府は4。完全に我々が突出している形ですね」
霧島「西方の鎮守府はまだ健在ですが、燃料は向こうもギリギリのようで、どうやら撤退準備に取り掛かっているようです。」
長門「今ならば十分な燃料があれば撤退もできるのだが…」
霧島「我々大型艦が残れば大半は可能ですよ」
長門「…」
霧島「すみません。出過ぎたことを…」
長門「いや、いい。それも選択肢の一つだろう」
長門「最悪の場合はそれもありうるだろうな…」
バタン
金剛「話は聞かせてもらったヨー!!」
霧島・長門「!」
金剛「そんな事認めないネ!!」
金剛「諦めたらThe endヨー!」
金剛「絶対に諦めちゃだめヨー、最後まで絶対絶対絶対にネヴァーギブアップ!!」
霧島「お姉さま…」
長門「ふん、まったく…お前はいつも…」
長門「さあ仕切り直しだ、最善策を考えよう」
霧島「はい、そうしましょう!」
~深夜~浴場
チャプ…
金剛「…」
比叡「お姉さま?」
金剛「ふと、提督の事を思い出すネ…」
榛名「お姉さま…きっとご無事です!」
霧島「榛名は心配じゃないの?」
榛名「榛名は大丈夫です!」
金剛「今は大丈夫ネ、でも落ち着いたら…きっと…」
比叡「お姉さま!今は乗り越えることだけ考えましょう!」
霧島「そうね、それが最善ね。」
輸送艦隊が来ることもあり、私たちの鎮守府から偵察艦隊を出し、警戒を強化することになりました。
利根「長距離偵察から戻ったぞ」
赤城「報告をお願いします」
利根「うむ、友軍の鎮守府がある思しき方向から黒煙が上がっておった。おそらく燃やされてることだろう」
利根「尚、周囲に敵艦の姿は見えなかったおそらくこちらの方角には展開してはおらぬようだ」
赤城「…そうですか。ありがとうございました」
金剛「司令部からの補給はまだデスカ―?」
霧島「連絡によると緊急で補給船を用意するとのことでしたが…」
霧島「早い輸送船団ならもう近隣に来てるかもしれません」
高雄「加賀さんに索敵機を飛ばしてもらいましょう」
金剛「それがベストネー」
加賀「…南西方海域オリョール海東方の海上に重油、多数の漂流物を確認したわ」
金剛「シット!!」
高雄「まさか、もうあそこまで展開しているというの?」
霧島「まだです!輸送船団は複数ルートから我が鎮守府を目指しています!」
霧島「やられたのは最短ルート。別ルートはまだ無事なはず…」
赤城「最悪の結果...ですね」
金剛「もう少しネ...もう少し近くに来ればこちらからも護衛艦隊が出せるネ...」
赤城「まずは長距離索敵艦隊を複数編成して鎮守府周辺の警戒を厳にしましょう。それと対潜も考慮して...」
そうしていくつか長距離索敵艦隊を編成することになりました。燃費も考慮されある程度古い駆逐艦中心で編成されることになり、
私もそこに組み込まれました。
支援
>>44 からです
最後だけは書けてるんだけどなあ承と転が…
続けます
長距離索敵中
磯波「霧が濃くなってきましたね…」
如月「いやだわ、ジメジメして」
吹雪「何も見えないですね…っ!!」
その時、私の背中に氷を入れたような感覚が走りました。
吹雪「皆、散開して!!」
皐月「な、なに!?」
ヒュルルル ドゴーン
菊月「なっ!!」
その水柱まさしく戦艦級のそれでした
長月「くっ何処からだ!?」
吹雪「こちら第三哨戒艦隊!敵襲です!敵艦隊規模不明!敵は戦艦を含む!!」
霧島「了解。直ちに反転、退避して!!」
吹雪「了解です!」
吹雪「あの島の近くを通って撤退しましょう!大型艦は通れないはずです!!」
「「「了解!」です!」した!」
・
・
・
熊野「帰らなくては…」
熊野「皆さんの元へ…帰って…知らせなくては…」
熊野「!!?」
熊野「な、…にが…」
―ミツケタ―
熊野「ああ…」
熊野「最後…みな…と一緒に…」
・
・
・
鎮守府 ―執務室―
吹雪「第三哨戒艦隊ただいま帰投しました」
赤城「お疲れ様。大変だったわね」
金剛「無事で何よりデース」
吹雪「正直怖かったです…」
霧島「今回は相手が相手でしたからね…」
長門「我々が動ければ叩けるのだがな…口惜しい」
トントン ガチャ
睦月「第二哨戒艦隊帰投したよ~」
長門「ご苦労だった」
赤城「お疲れ様。異常はなかった?」
睦月「なかったです~」
霧島「それはよかったです」
・
・
・
長門「そろそろ帰ってきてもいい頃なんだが…」
タッタッタッタ バタン
榛名「第一哨戒艦隊がっ…!哨戒艦隊がっ!」
金剛「What happened!?」
赤城「状況の報告を!!」
榛名「っ…」
榛名「第一哨戒艦隊の駆逐艦3隻がただいま帰投しました…」
長門「!!……そうか…報告ご苦労。3隻というと陽炎、不知火、黒潮か、どうしている?」
榛名「損傷が激しいかったのですぐに入渠させました。」
長門「話せる状態なのか?」
榛名「いえ、難しいかと…」
長門「…そうか」ギリ
霧島「それにしても連絡の一つもなかったとは…何故なの?」
第一哨戒艦隊の担当海域は危険海域に近い場所でもあったので
それなりの戦力で構成されていました。
鈴谷さん、熊野さん、名取さん、そして入渠した陽炎型3隻。
高速艦隊で索敵能力も十分であり、対潜も十分。鈴谷さんたちに一体何が起こったのか?
何故連絡が来なかったのか?
今は何もわかりませんでした。
長門「このままでは戦力を漸減させられるだけだぞ!」
赤城「かといって哨戒を怠ることもできないでしょう」
長門「しかしだな…」
霧島「高速の戦艦一隻に駆逐艦2隻…」(ボソ
長門「なんのつもりだ?」
金剛「霧島?」
霧島「高速戦艦1隻に駆逐艦2隻ならば!」
霧島「簡単に沈むこともなく、潜水艦にも対処可能、そして万が一の場合には撤退も可能です!!」
金剛「霧島…アナタ…」
長門「ふざけるな!!」
・・
霧島「提督だってそうしたはずです!!」
霧島「補給さえあれば…資源さえあれば勝機は十二分にあるんです!!」
霧島「提督も鈴谷も熊野も名取も…皆助けに行けるんです!!」
霧島「どうか…どうか、行かせてください…」
赤城「生還の見込みが少ない作戦は許可できないわ。”生還を第一とする”それがこの鎮守府の最上位命令よ」
・・・
赤城「これも提督が決めたこと…でしょ?」
霧島「…」
金剛「霧島、きっと疲れてるデース。紅茶でも飲んで落ち着くのがベストネー」
金剛「すぐ淹れマース。少し待っていてくだサーイ」
霧島「いえ、結構です… 少し夜風にあたってきます」スタスタ パタン
金剛「霧島…」
補足
鎮守府は南方海域にあります。
登場人物
吹雪:主人公。鎮守府最古参の艦娘で鎮守府の設立当初から戦い抜いてきた。最近は後方任務が多かった模様。秘書を務める頑張り屋さん
金剛:ベテランの巡洋戦艦。持ち前の明るさで鎮守府のムードメーカー的存在となっている。第一艦隊の旗艦
赤城:鎮守府設立後すぐに加わった古参のベテラン正規空母。面倒見のいいお姉さん。鎮守府の主戦力である第二機動艦隊の旗艦
加賀:赤城とほぼ同時期に就役したベテラン空母。冷静沈着なお姉さん。じつは面倒見がいい
高雄:中堅の艦娘で丁寧な物腰が特徴。第三巡洋艦隊の旗艦
長門:中堅の艦娘で新進気鋭の第四艦隊旗艦
青葉:みなさんご存知の青葉です!
霧島:金剛4姉妹の頭脳担当
比叡:お姉さま大好き。お姉さまを傍で支えます
榛名:はい、大丈夫です!
>>57
>霧島:金剛4姉妹の頭脳担当
あっ…(察し)
>>58 ビジュアルは…ね…
一応金剛お姉さまはオールラウンダーだから…
―南西方面総司令部― 司令長官室
大和「友軍艦隊も含めた新たな艦隊の編成が終了しました」
大和「しかし、これだけ集まると壮観ですね」
武蔵「数だけ揃えてもな…」
長官「士気はあまり高くないようだがな」
長官「かといって引き籠ってる訳にもいかん」
大和「物資の維持もかなり厳しくなっていますしね」
武蔵「フッ、我らが出て行けば直ぐに終わるさ」
長官「まあ慌てるな。まだお前たちが出る幕ではない」
大和「あの娘たちに先陣を任せるのですか?」
長官「ああそのつもりだ。少しは働いてもらわねば…」
武蔵「チッ、つまらんな」
長官「まあそう言ってくれるな。」
長官「それはそうと撤退してきた艦隊の中に使えそうなのは居るのか?」
大和「はい、有力な機動艦隊や水雷戦隊がいくつか…」
大和「しかしながら戦艦部隊は軒並み損傷しており、入渠待ちの状態です」
長官「そうか、では修理を急がせろ」
大和「わかりました。」
武蔵「混成部隊か…あまり好みではないな」
長官「私もそれは避けたいと思っている。」
長官「あくまでも本命は我々だ。それを忘れるな」スタスタ
武蔵「ああ、この武蔵に任せておけ…」
大和「彼女たちを囮艦隊として使うつもりなの?…長官」
武蔵「私たちが考えることでもないさ…」
・
・
・
鎮守府 ―執務室―
長門「陽炎たちはまだ目が覚めないのか?」
赤城「ええ、そのようね」
長門「…」
赤城「……」
長門「長距離哨戒は…「ええ、続けましょう」」
長門「!」
赤城「続けるしか…ないでしょう」
赤城「逃げるだけなら、おそらく大丈夫でしょう」
赤城「吹雪さんなら必ず帰ってきます。皆を連れて…」
長門「そうか…そうだろうな」
長門「それにしても、まるで自分の事のように語るのだな」
赤城「ええ、私にこの鎮守府のいろはを教えてくれたのは吹雪さんですよ。」
長門「ふふ、想像もつかんな…」
赤城「そうですか?」
赤城「長門さんも来た直ぐの頃は…」
長門「おいやめろ、やめてくれ!」
赤城「ふふふ、では吹雪さんたちに伝えてきますね」
赤城「では…」ガチャ
長門「…ああ」
長門「また見ていることしかできないのか私は…」
・
・
・
赤城「ということでまたお願いできるかしら?」
吹雪「はい、お任せください!」
赤城「そんなに畏まらないで、ね?」
吹雪「そんな硬いですか?」
赤城「うーん、そうね…」
吹雪「きっと緊張してる所為ですよ」
赤城「ごめんなさいね…何もしてあげられなくて」
吹雪「そんなことないですっ!!」
赤城「!?」
吹雪「あっえっと、その……私、正直嬉しかったんです。」
赤城「え?」
吹雪「艦隊の主戦力はいつも赤城さんや長門さん、金剛さん達でした。」
吹雪「私はただ居るだけで皆の迷惑になってるんじゃないかって」
赤城「いいえ、そんなことは「でもいいんです」」
吹雪「私、今は実感できますから。皆の一員だって、必要とされてるって」
吹雪「だから、ありがとうございます。赤城さん」
赤城「吹雪さん…」
吹雪「あ、私皆に伝えてきますね!」タッタッタッ
赤城「…そうね、私たちも…」
―執務室―
金剛「こんな時に長距離哨戒艦隊を出したのですカー?」
長門「ああ。」
高雄「正直、心配です。私たちがすぐに駆けつけられる場所ならいいのですが」
金剛「…心配いらないヨ」
高雄「え?」
金剛「あの娘が大丈夫と言ったらきっとダイジョーブ!!」
金剛「私はあの娘を信じマース。Please trust her!!」
ガチャ
赤城「もうすぐ来るはずの輸送船団なのですが」
赤城「その護衛はどうします?」
金剛「当初のプランでは十分な数の駆逐艦を主力として、少数の軽巡重巡を含めた艦隊に向かってもらう予定デシター」
長門「それはもう…無理だろう…な」
金剛「ノンノン、弱気になっちゃダメヨー」
金剛「こちらから仕掛けるネー。恋も海戦も引いたら負けヨー!」
赤城「な、それは…」
長門「!…なるほど」
金剛「Let`s 夜戦!!これなら数はあまり関係ないデース!」
高雄「輸送船団が来る前に敵を叩くのですね?」
金剛「Thats right!!例え一時的にでも敵を後退させマス!」
赤城「なんだか妙案な気がしてきました」
長門「ふふ、防戦は苦手だが攻めの一手を考えるのは得意だ!計画を練ろう」
高雄「夜戦ならお任せください!」
・
・
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面白い
>>70 ありがとうございます
文章的に読みにくい所とか感想とか言ってくださると助けになります
第3哨戒艦隊
吹雪「もうすぐ日が沈むね…よし」
吹雪「異常なしです」
”霧島「了解。帰りも警戒を厳にして下さい」”
吹雪「了解です…よし戻ろう」
長月「ああ、そうだな」
如月「あら?何かしら?」 キラキラ
菊月「どうかしたのか?」
如月「いえ、何でも…」
「行きはよいよい帰りは…ってね」
・
・
・
皐月「右舷雷跡2!!」
吹雪「!?」
長月「くっ、こんな時にか!」
吹雪「機関全速!このまま突っ切るよ!」 「了解!」
磯波「よかった。な、何とか躱せた…」
吹雪「よかった…」
吹雪「こちら第3哨戒艦隊、敵潜水艦より雷撃を受けました!…あれ?霧島さん?」
吹雪「霧島さん応答してください!」
皐月「通じないの?」
吹雪「うん。…これは…もしかして…」ゾク
・
・
・
「おいでませ…諸君たっぷりおもてなししてやろう」
重巡リ級「…」ズドン
吹雪「っ!!発砲炎!?」
磯波「きゃああっ!」ドーン
長月「大丈夫か!」
磯波「はあはあ…なんとか」
菊月「この水柱、重巡か!?」
吹雪「全艦180度回頭!!撤退します!急いで!」
長月「くっ、せめて一矢報いれれば…」
如月「いいから行くわよ!」
皐月「敵駆逐多数接近!追いつかれはしないと思うけど…」
磯波「左舷前方雷跡多数!!」
吹雪「放射状に…」
吹雪「くっ90度回頭!」
菊月「してやられたな…」
長月「あくまでも逃がさないということか…」
磯波「うう…これじゃあ…」
吹雪「…」
吹雪「砲雷撃戦用意!」キッ
磯波「ええ!?」
如月「そうね、夜の戦い…ふふ。ヤっちゃいましょうか?」
菊月「ふっ、やってやろうか」
磯波「そうですね…今が頑張り時ですよね」
―ワレ夜戦ニ突入ス―
菊月「沈め!!」
如月「楽にしてあげるわ!!」
磯波「当たって!!」
皐月「敵軽巡1駆逐2撃破確認したよ!」
吹雪「やった!このまま重巡も…」
長月「ふっ、見つけたぞ!」ドン
皐月「沈んじゃえー!!」 ドゴーン
リ級「ギ!?」
リ級「…」
皐月「へっへーん やったね!」
吹雪「やった…私たちでやっつけたよみんな!!」
長月「ああ、そうだな」
如月「当然よ、夜は私たちの世界なんだから」
菊月「気持ちのいい勝利だ」
磯波「頑張れば、やれるんですね!嬉しいです!」
ハラハラしつつも目が離せない
続きwwktk
これはフラグか
全機爆装!投稿します!
…キ―ン
吹雪「っ!?退避!!」
長月「なんだ!?」
如月「ふぁああ!?」ドーン
皐月「っつ、うう…痛たた」ドーン
菊月「爆撃か!!」
吹雪「二人とも大丈夫!?」
如月「ま、まだ大丈夫よ…」
皐月「うう…大じょ、あ、あれ?何で…」
長月「皐月お前…」
皐月「あはは、ごめん動けないみたいだ…」
磯波「そんな…」
如月「…」
皐月「ボクは大丈夫だよ!だからさ…先に「ダメです!」」
吹雪「そんなのダメです!」
吹雪「絶対絶対、置いていったりなんかしません!!帰る時はみんな一緒です!!」
皐月「それは…うれしいけどさ…」
長月「…」
吹雪「そ、そうだ!曳航、みんなで曳航すれば帰れますよ!!」
長月「…おそらく」
長月「おそらく敵は追撃部隊を向かわせて来るだろう…」
吹雪「っ!?」
長月「わかっていただろう?」
皐月「…だから言ってるだろう?ボクは大丈夫だって。」
吹雪「そんな…そうしたら皐月さんは…きっと…」
皐月「えへへ、ほら、魚雷発射管はまだ無事だよ!自分のことくらい何とかなるよ」
吹雪「で、でも…」
皐月「大丈夫って言ってるだろ!!」
吹雪「っ!?」
皐月「いいから行くんだ!今こうしてる間にも敵は来てるんだ!だから…だから…」
皐月「…そんな顔しないでよ、寂しいだろ…」
吹雪「…」
磯波「大丈夫吹雪ちゃん?」
吹雪「……全艦全速…この海域より離脱します」
如月「ふぅん…そう」
菊月「すまんな皐月…」
長月「すまない…」
磯波「あ、あの…」
皐月「ほら、行った行った。置いてかれちゃうよ?」
磯波「は、はい失礼します…」
皐月「ふぅ…さあて、ここからはボクの独壇場だね!」チャキ
・
・
・
―撤退中―
吹雪「っうう、ううう…」
磯波「吹雪ちゃん?」
吹雪「…」
吹雪「っぷはぁ…みんな!」
如月「なあに?」
吹雪「私は、…私は戻ろうと思います」
菊月「なっ…死ぬ気か?」
吹雪「私は怖いです。戻るのが怖い…でもこのまま帰るのも嫌です!」
吹雪「もしこのまま帰れば、私はこれからずっと後悔したままだと思います。」
吹雪「そんなの嫌です!!」
長月「…そうか。それで?」
吹雪「だから、みなさんの力を貸してください!」
如月「ふぅん」
菊月「いや、それは…」
長月「何か策はあるのかと聞いて居るつもりだったんだが…」
吹雪「…それは」
長月「ここで我々が全滅すれば情報は鎮守府まで届かない。」
長月「また他の誰かがやられるかもしれない…それでもいいのか?」
吹雪「だけど…」
長月「常に最悪を考えて行動しろと教わらなかったか?」
吹雪「でも…それじゃ、皐月さんは…」
・・・・・・・
長月「誰がっ!誰が好き好んで仲間を見捨てるものか!!!」
吹雪「っ…」
長月「あいつが何であんな風に言ったか分からないのか?あいつの為にお前たちが、他の奴らが沈んだら一番苦しむのはあいつだぞ!!」
吹雪「…」
長月「…すまない…せめて、あいつの勇気を、意志を受け取ってやってくれ…」
吹雪「……そんなの知ってます」ボソ
長月「ん?今何と?」
吹雪「そんな事分かってます!分かり切ってます!」
吹雪「私が殿を務めます!例え沈んででもみんなを」バシッ
吹雪「!?」
磯波「…そんな事…言わないで」
吹雪「…」
菊月「…まあ…その、なんだ…お前の判断は正しいと思うぞ」
吹雪「…」
吹雪「…そうですよね…私、逃げてただけですよね」
吹雪「私…知りませんでした…」
吹雪「提督ってこういう決断を一人で何度もしてるんですよね…」
吹雪「色んなものを全部一人で背負ってたんですよね…」
長月「なんだいきなり…」
吹雪「私、最低ですね。旗艦なのに…みんなに決断させようとして、責任を押し付けようとして…」
吹雪(そう、力もないのに、どちらも取ろうとして…優柔不断で…中途半端で…本当に最悪です…)
菊月「…そんな事は無いと思うぞ」
如月「…そうねえ、ちょっと今のは頼りなかったかしら…」
菊月「如月!!」
吹雪「私、最悪の決断をします…」
長月「…何?」
吹雪「中破した如月さんは菊月さんと鎮守府に帰投し、詳細を報告してください。」
吹雪「磯波ちゃん、長月さんは私に続いてください。」
如月「あらあら…」
長月「…それは命令か?」
吹雪「…はい。ごめんなさい」
長月「そうか、了解した」
菊月「分かった」
磯波「う、うん。頑張ろうね」
・
・
・
長月「で、どうするつもりだ?」
吹雪「…皐月さんには少しだけ囮になって敵を引き付けてもらいます」
吹雪「そして私たちが敵の横っ腹に奇襲を掛けます」
長月「ふんっ、随分と酷な作戦だな」
磯波「長月さん!!」
長月「だがまあ、嫌な気分ではないさ」
長月「…やるからには全力で行こうか」
吹雪「はい!!」
・
・
・
皐月「そろそろかな…」
皐月(居た居た、まだ気付いてはないみたいだね…)
皐月「いよいよ…ボクの出番だね!」カチャ
ドゴーン ドゴーン
空母ヲ級「!?」
皐月「ふふん、慌ててる…可愛いね!」
「酸素魚雷…潜水艦か?いやソナーには何もないか…」
「電探にも…どこからだ? 至急索敵機を」
皐月「次、出来るだけ大物がいいね…」
皐月「見つけた!そこ!」シュパッシュパッ
・
・
・
軽母ヌ級「!!」ドコーン
皐月「一発外れたかー、仕方ないね…」
皐月「まあやるべき事はやれたしね…」
皐月「みんな無事に帰れたかな?」
皐月「文月、大丈夫かな…」
皐月「吹雪ちゃんに悪いことしちゃったかな」
皐月「…」
皐月「うっ、どうして…あれ?大丈夫のはずなのに…これじゃあ霞んで…前が見えないよ…」
皐月ちゃんには生還して欲しいな
乙
キャラ補足
長月:もともと皐月と一緒に第22駆逐隊に所属して第5水雷戦隊、第一海上護衛総隊と一緒に戦い抜いてきた仲。任務には忠実なタイプ
皐月:ボクっ娘。かわいい
如月:おませさん。えっちい
菊月:冷静
磯波:おとなしい
キャラ紹介の温度差が激しい件についてww
それはともかく、続きを楽しみにしてます
パシュ ピカッ
皐月「うう…吊光弾?…もうダメかなぁ…」
「やっと見つけたか…島影とは…」
「それにしても単艦放置とはね。見捨てられたのか?」
「…」
戦艦タ級「ドウスル?」
「まあ、ほっといてもね…」
「もうちょっとお仕置きしてあげてもいいかなぁ。やっちゃって」
タ級「…ワカッタ…イケ」
駆逐ロ級「ギッ…」
駆逐イ級「ギギ…」
皐月「すぅ…よし…」チャキ
皐月「…探照灯?…ふふん、うれしいね!!」
皐月「…最後まで…引き付けるんだ…絶対…みんなを…」ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ
タ級「…ムダナコトヲ…」キンッ キンッ
・
・
・
吹雪「…見つけた」
長月「探照灯とはご丁寧なことだ」
吹雪「チャンスは…一度っきり…」
吹雪「みんな!用意はいい?」
長月「万全だ。」
磯波「大丈夫です。行けますっ!」
吹雪「酸素魚雷、一斉発射!!」シュパッ
長月「長月発射完了。」
磯波「発射完了です!」
「…ん?」
「電探に…!タ級!!」
タ級「!?」
ドゴーーン
「轟沈は免れた…か。まあ良しとしよう」
「…」
「うふ、ふふふ、ハハハハハッ!!」
「そうだよ!そうでなくちゃ!!」
「見捨てる訳ないもんなぁ!」
「素晴らしい!素晴らしいよ!!流石だね!そうは思わない?」
タ級「…」
「おっと」
「あー、退路を遮断。囲め」
軽巡ト級 重巡リ級 ザッ
皐月「えっ!?何が…?」
皐月「みんなが…戻ってきた…?」
皐月「何で…そんな…戻ってきたら…」
皐月「戻ってこられたら…ボクは…」
長月「轟沈には至らないか…まあ、そんなうまくいくわけない…か…」
磯波「当たってぇ!」ドンドン
長月「無駄だ…止めておけ」
磯波「で、でも…」
長月「さて、どうする吹雪?」
吹雪「…」
長月「私が残ればお前たちの脱出も可能だろう。」
長月「死ぬ気で走れ、タービンが焼き付こうともな」
吹雪「…鎮守府に連絡はもういっているはずです。なら私が戻る必要はありません…」
吹雪「今の私たちの任務は皐月さんの救出です!まだ終わってませんよ。」
長月「…そうか…磯波、お前はどうだ?」
磯波「私も怖いです…」
吹雪「そっか…じゃあ磯波ちゃんだけでも…」
磯波「でも!!ここは私も、頑張る時なんです…!!」
長月「…ふふ、揃いも揃って馬鹿ばかりだな」
吹雪「では、このまま魚雷装填まで時間を稼ぎます!!」
吹雪「島影を伝って皐月ちゃんと合流しましょう!」
磯波・長月「了解!!」です」
・
・
・
長月「皐月!!大丈夫か!?」
吹雪「皐月さん!!」
皐月「どうして戻ってきたんだ!!馬鹿じゃないのか君たちは!!」
磯波「来てしまったのはしょうがないです!!後には引けません!!」
皐月「何言ってるのさ!?」
吹雪「みんなで早く帰りましょう!!」
皐月「そんな…どうするのさ?」
吹雪「私たち二人が時間を稼ぎます。その間に磯波が皐月さんを曳航して…」
皐月「キミたちはそんなことがホントにできると思ってるのかい?」
吹雪「できるできないじゃないんです!やるしかないんです!」
皐月「なっ…」
吹雪「私は嫌です。皐月さんを置いて帰るなんて…」
吹雪「仲間を見捨てるなんて絶対嫌です!!…これは、私の我儘です、ごめんなさい。」
皐月「…」
皐月「そっか…ありがとね…」
訂正
皐月「そっか…ありがとね…」→「そっか…ありがとな…」
うん、割とどうでもいい
吹雪「包囲を破ります。単縦陣!磯波ちゃんたちを真ん中に!」
・
・
・
長月「くっ…既に回り込んでたか…退路を断たれたようだ。袋の鼠だ…」
磯波「ううっ…」
吹雪「…」
皐月「…」
皐月「…ごめんな…今からでも…」
吹雪「まだです!突破さえできればっ!」
長月「冷静になれ!熱くなったところでどうにもならないぞ。」
吹雪「…」
長月「しかし…」
長月「…妙だな、なぜ遠巻きに包囲したままなんだ?何故撃ってこない?」
磯波「なんか…不気味です…」
吹雪「っ!?」ゾクッ
吹雪「…嫌な予感が」
皐月「リ級とタ級が近づいてくる!そろそろこっちの射程に入るよ…!」
長月「…何のつもりだ!?」チャキ
吹雪「!! 砲塔がこっちを向いてない…待って!」
…チャプ
長月「ん!?」
「あーあ、どうして来ちゃったかな―」
吹雪「!?」
皐月「なっ!!」
「もうちょっと合理的に判断してほしかったなー」
「ちゃんと教えてたはずなんだけど…もしかして忘れちゃった?」
磯波「…そんな…どうして」
長月「馬鹿な!!何故…」
「まあ皐月の頑張りも考慮して総合的に評価すると50点かなあ」
「それにしても吹雪ちゃん、中途半端はいけないよ?」
吹雪「し、司令官…?」
「ご名答。」
「でもまあ簡単に見捨てるような奴なら、とっくウチから蹴りだしてただろうけどねぇ…」
「あんなの見せられたらこっちも真剣に答えてあげないと…」
長月「ふざけるな!」
長月「吹雪!落着け、耳を貸すな、これは敵の罠かも知れないぞ!」
吹雪「え……そんな…まさか…でも」
吹雪「…もしかして…」
吹雪「し、司令官が…鈴谷さん達を…」
「吹雪ちゃんはどう思う?」
吹雪「…ありえません」
「目の前の僕はどう説明する?」
吹雪「…」
吹雪「……鈴谷さん達が並の深海棲艦に後れを取るとは思えません…」
吹雪「でも…もし、敵に、敵に司令官が居たなら…」
吹雪「…鈴谷さん達も私たちと同じ状況になっていたらっ…そしたら…」
「さっすがだね~まあ唯一の誤算は名取かなぁ~、あの娘があそこまで粘るとは思わなかったよ」
「おかげで何人か逃がしちゃった」
皐月「…」ギリ
長月「貴様…」
「常に最悪の事態を考えて行動しろ」
「耳タコでしょ?いっつも教えてあげてたんだけどなあ」
「生きて帰るなら、一人でも多く救いたいならあのまま撤退するのが正解だよ」
吹雪「そんな事!で…磯波「あなたは!!」
磯波「あなたは…提督じゃない!私たちの提督なんかじゃない!!」
「…」 ←いっぱしに傷付いてる
「ひどいなあ。みんなとはずっと一緒だったのに……」
「ああ、そうそう、鈴谷たちはちゃんと正解を選んだよ」
「だからね、いっぱい褒めてあげちゃった~」
吹雪「……し…た…か…?」
「ん?なあに?」
吹雪「沈めたんですかっ!!?」
「ここは戦場で、これは戦争だよ?」
「君は今まで自分がどうしてきたのかも分からない?」
吹雪「う…ぁ…ぃ」
「あははは。吹雪、顔が真っ赤だよ。まるで茹でだこみたいだ!」
「まったくかわいいなあ」ポンポン ナデナデ
吹雪「…」
吹雪「だああああああ」ブンッ
「おっと…危ないなぁ」
吹雪「はあっ...はあっ...はあっ...」チャキ
「ん~怒ったっぽい?」
吹雪「…れ」
「なんか怖いな~」
吹雪「黙れっ!!」ズドン
「へぇ…」
「それで?」
「どうした?その程度か? 私はもう少し厳しく育てたつもりだったんだがな」
吹雪「」プチン
吹雪「う”う”う”あ”あ”あああああ」ズドン、ズドン
「フン、感情任せの攻撃など…」
磯波「吹雪ちゃん…?」
吹雪「ああああ”あ”あ”アアアアア」ズドン ズドン ズドン
「っ!…ほう…」
吹雪「当たれ当たれ当たレ当タレアタレアタレェェェ!!」ズドン ズドン ズドン
磯波「え、な、何これ…」
長月「おい、なんだこの黄色い...まるでフラッグ「皐月「吹雪!!」」
皐月「おい!!吹雪っ!!!」
吹雪「ッ!?っ!!」
吹雪「はあ、はあ、はあ」
「惜しいね、もう少しなんだが…」
「怒り、憎しみは確かに大きな力を生むが、所詮一時的なものだ。覚えておくといい」
吹雪「くっ、はあ、はあ、はあっ...しれいかん...」
「ふーん、まだそう呼んでくれるんだ?うれしいね」
「でもまあ、まだ足りない。…まだ届かないね」
ササッ
磯波「これ以上は…させませんっ!!」
吹雪「いそ…なみちゃん…」
「だいじょぶ、だいじょぶ。これ以上はやる気はないよ」
「吹雪ちゃんの頑張りに免じて見逃してあげよう!!ね?」
タ級「…」
リ級「…」
「はあ…」
「ま、ということで。じゃあね~」
長月「待て」チャキ
「何?まだやるの?」
長月「貴様をここで野放しにすればまた…」
「言っただろ?吹雪の頑張りに免じて見逃してやるって」
「それに、当分この海域には来ないし、来させない。安心して引き籠っているといい」
長月「…一体何の目的で…」
「さあ?自分で考えれば?そーゆうことも教えたよね?」
「じゃあバイバイ」ダッ
皐月「何なのさ一体…」
おつ!
急展開だな
続きが楽しみ
―鎮守府へ帰投中―
…フブキチャン、フブキチャン!!…
磯波「吹雪ちゃん!!」
吹雪「えっ!?な、何!?」
磯波「大丈夫?さっきからずっと…」
吹雪「うん、大丈夫…」
吹雪「でも少し、疲れたかな…」
磯波「帰ったらすぐ入渠して休まなきゃダメだよ?」
吹雪「うん、そうするよ…」
長月「やれやれ、長い夜だったな」
皐月「まったくだね」
ザザッ…ザッ、ザザザ
吹雪「ん?あれ、無線が…」
…ザ…オ…ト…シナサイ!…
霧島「聞……ま…か…」
霧島「繰り返す、第三哨戒艦隊応答しなさい」
吹雪「あ、霧島さん!!…よかったぁ」
霧島「吹雪さん!?菊月さん達から聞いたわ。無事なの?状況は?」
吹雪「あ、はい。全艦帰投中です。こちらの損害は大破1、中破2、小破1です。」
霧島「皆さん無事なのね、…よかった」
霧島「こちらからも増援の艦隊を出しました。早急に彼女たちと合流してください!」
吹雪「あ、はい。ありがとうございます!」
吹雪「でも…」
霧島「何か?」
吹雪「もう危険はないかと思います。」
霧島「どういう事かしら?」
吹雪「いえ、あの…まだ、何とも言えないんですが…」
霧島「…そう。あなたがそう言うならそうなのでしょうね…」
霧島「分かりました。ですが警戒を厳にして帰ってきてくださいね」
吹雪「了解です」
・
・
・
・
・
・
磯波「朝焼け…綺麗…」
皐月「ふぁあ…もう、こんな時間かぁ」
吹雪「…」フラフラ
長月「大丈夫か?吹雪」
吹雪「はい、何とか…」
皐月「無理はしないでね」
磯波「そうですよ、辛かったら言ってね?」
吹雪「…うん」
磯波「…あ、あれを見てください!」
皐月「零式水偵!きっと味方だよ。よかったぁ」
・
・
・
高雄「皆さん、ご無事で何よりです。」
高雄「ご安心下さい。これより私たちが護衛します。」
長月「やっと、これで終わりか…随分長い哨戒任務だったな…」
皐月「あはは、本が一冊書けるかもね。」
磯波「これでやっと…安心して…帰れる」
吹雪「うん、…よか…った」パタン
磯波「!...吹雪ちゃん?...吹雪ちゃん!!」
―沖ノ島海域―
「後方が騒がしいようだね」
ヲ級 コクコク
「ふう、もうちょっと後にして欲しかったな…」
「主力に招集をかけてくれ」
「もう少し派手に行こうじゃないか」
・
・
・
―南西諸島司令部―
大和「哨戒中の艦隊より入電です!」
長官「敵が出てきおったか?」
大和「はい、それもかなりの規模です。」
長官「そろそろ頃合いか…主力に出撃命令を」
大和「はい、直ちに。」
武蔵「こんな時間にか?戦闘海域到着は夕暮れになるがいいのか?」
武蔵「せめて水雷戦隊だけでも先行させた方がいいんじゃないか?」
長官「かまわんさ。…むしろ好都合だ。」
大和「?」
ヲ級「カキュウヨリ…テキ、シュリョク…オリョールキタヲツウカチュウ」
「そうか、ありがとう」
ヲ級「カキュウ…レンラク、トダエタ…」
「そうか…」
「…それは残念だね」
ヲ級「…」
ヲ級「…」
「どうかしたの?」
ヲ級「…」
「そうだ。」
「ル級たちを集めてきてくれ、事前に打ち合わせをしたい」
ヲ級「ワカッタ…」
週末に投下再開します
まってる
―吹雪回想―
吹雪「提督!出撃中の第一艦隊より入電です!」
「どうした!?」
吹雪「金剛さんが敵雷巡より魚雷を受け中破したそうです!」
「そうか、ただちに撤退するように伝えてくれ」
吹雪「分かりました!」
・
・
・
霧島「お姉さま、鎮守府より直ちに帰投するようにとの返電です」
金剛「…そうですか」
榛名「前に第二機動艦隊も姫を目の前に撤退して、今回もとなると少し口惜しいですね…」
榛名「今度こそ提督にいい報告ができればよかったのですが…」
金剛「…」
比叡「こ、こんなこともありますよ。仕方ないです。帰りましょうお姉さま!」
金剛「むぅ…」
霧島「お姉さま?」
金剛「…よし」
金剛「私はノープロブレム!!フォローミー!!」
霧島「で、ですが…」
比叡「あ、お姉さま!!ま、待ってくださいよぉ!」
・
・
・
「随分遅いな…」
吹雪「何かあったんじゃ…」
「何かあれば連絡くらいは入れるだろう」
「そんな暇もないようなら話は別だが…」
吹雪「あ、煙が見えます!金剛さん達が帰ってきたみたいですよ!」
「そうか…すぐに報告に上がるよう伝えてくれ。」
吹雪「はい、了解です」
・
・
・
金剛「Hey提督ぅ、私の活躍見てくれたマシタ?」
金剛「私もやればでき」パシンッ
金剛「…え?…」
「独断先行、命令無視」
「各自、自室禁固3日。以上だ、解散。」
比叡「ま、待ってください!!お姉さまは提督の為を思って」
「本来なら軍法会議ものだ」
「十分配慮しているのだがな」
霧島「確かに…ですが十分戦果は挙げています。」
「…」
「霧島まで…君までそういうことを言うとはね…少し失望したよ…」
霧島「…」
榛名「霧島、提督は私たちの事を考えて、大切に思うからこそ言ってくれてるんです。」
榛名「ここは提督の言う通りにしましょう。」
・
・
・
赤城「少し、厳しすぎではありませんか?」
「ふん、仕方ないさ…」
「最初の頃にこうでもしておかないと後々大変なことになる」
「誰かがやらねばならん」
赤城「ですが、提督への印象は…」
「いずれは私が彼女たちを戦場に送り出すことになる」
「戦況次第では死んでくれと命令しなければならなくなるかもしれない」
「そんなことを気にしてもな…」
吹雪「ふふ、でも意外と”嫌われたー”とか思って落ち込んでそうですよね」
「な"っ…、そんなことはない」
赤城「いずれ彼女たちも分かってくれますよ」
吹雪「そうですよ。きっと大丈夫です!」
―沖ノ島海域―
「そろそろか…」
ヲ級「テキ、ハッケン…センカン2ジュウジュン6コガタタスウ…」
「ほう、思ったより少ないな…しかも空母が居ない…後方か?」
「…夜戦で蹴りをつけるつもりか?」
「…」
・
・
・
ヲ級「テキ…カイトウ…」
「何?…何の真似だ?」
「これで反航戦か…」
ヲ級「ドウスル…?」
「ますます分からなくなってきた…」
「一体何がしたいんだ?」
長官「敵との距離は?」
大和「距離およそ3万2千!」
長官「よし、各戦艦に通達。砲撃戦開始せよ」
大和「!」
大和「了解いたしました。」
武蔵「待て、この距離でか!?碌に当たらないぞ!」
長官「かまわん、撃て」
武蔵「だが…」
長官「かまわんと言った」
武蔵「…了解」
ヲ級「テキホウゲキ…」
姫「イマイマシイカンムスドモメ…」
「ん?この距離で?」
「…」
「…ふむ…」
ヲ級「ハンゲキ?」
「……」
「……くくく…はははは」
ヲ級「…?」
「…なるほど。なるほどねえ…」
「まあいいだろう…」
「大型艦に通達、各自の判断で反撃せよ、」
ヲ級「リョウカイ」
大和「敵発砲炎確認…来ます!」
ゴオォ・・・
武蔵「近いな…なかなかやる」
大和「だけど…てんでバラバラね…」
大和「一水戦より入電。軽巡阿武隈に至近弾!!損傷軽微とのこと!!」
長官「この距離でか…やるな」チッ
・
・
・
「敵の発砲炎がかなり多いな…少なくとも戦艦8は居る…」
ヲ級「…」
「間違えたの?」
ヲ級「オオキイノ2チュウクライガ6…」
「うーん、きっと大和型だねえ、随分と豪勢なことだ…」
「こりゃ分が悪いな。日も落ちたし引きますか」
ヲ級「ヒク…?」
「全艦艇に通達。回頭45度!当海域より離脱する!」
「それとヲ級」
ヲ級「?」
「空母たちに伝えろ!全機爆装し即時発艦せよ!目標は各自に任せる!」
「もう夜だ好き放題やってやれ!」
ヲ級「リョウカイ」
「ふふ、置き土産だ。存分に受け取るがいいさ…」
更新乙
「んー、馴れ合いだと思ってたら最後に裏切られる…ふふ面白いねえ」
大和「水雷部隊より追撃夜戦の具申が…」
長官「日は落ちた、夜戦は分が悪い、撤退する」
大和「…」
武蔵「何だと!?我々の戦力はまだ健在で圧倒的だ!それを撤退だなどと」
長官「損害確認せよ」
大和「敵至近弾により駆逐艦3小破。軽巡阿武隈小破。重巡羽黒に直撃弾1、幸い中破で済んだそうです。」
長官「こちらに喪失艦はない。だが敵は撤退し、当該海域から敵戦力は駆逐された。」
長官「戦略目標は達成された。大した戦果ではないかね?」
武蔵「クッ…」
長官「君はそれでも戦闘を続けるか?」
武蔵「…フンッ、大した茶番だな…」スタスタ
大和「武蔵!待ちなさい!」
・
・
・
ヴォォォォォォ
長官「!?なんだ!!?」
大和「敵機襲来!!敵の…」
ドゴォオオ
キィィィィィン
ドゴォオオオ
”敵機直上!! 回避だ!回避するんだ!!”
”きゃああ!! 被弾しました! 火災発生弾薬庫注水急いで!!”
長官「どうした!?大丈夫か?」
武蔵「クソっ!!私が前に出る!!水雷戦隊には下がらせろ!!」
大和「武蔵!!」
長官「大和、状況を報告せよ!!」
大和「敵機来襲!数は確認できません!被害多数!」
長官「くっ…読みが甘かったか…」
大和「武蔵!下がりなさい!!今の貴方は良い的よ!」
・
・
・
長官「…損害は?」
大和「現時点で少なくとも大破2、中破4、小破は多数です」
長官「今回は私の責任だな…」
長官「私たちの艦隊の初めての敗北…だな…」
大和「…」
大和「…何かお考えがあってのことでしょう?」
長官「そうだな…少し独白を聞いてもらってもいいだろうか?」
大和「はい…」
武蔵「ああ…」
長官「…あの日、奴らが大挙して押し寄せて来た日。私は退官を待つだけの身だった…」
長官「士官学校を卒業して以来、ずっと定められた道の上を歩んできた…」
長官「用意されたポスト、仕事」
長官「それが一変した…元々座学はそこそこの方でね、紙上の成績と経歴だけで私が適任と判断されここへ送られた」
武蔵「…一体何が言いたいのだ?」
長官「まあそんな急くな」
長官「初めて前線というものに出た。私は…まあ特に秀でた才能は無かったのだが、艦隊の指揮は何故かうまくいってね…」
長官「何か、こうしっくり来たのだよ。ただ黙々と前任者の後を辿るだけの灰色の作業に比べれば正に七色の世界だった。」
長官「そして何よりもうれしかったのは君たちに出会えたことだ。」
長官「ただ事務的な関わりではなく、まさに戦場に立つ者の信頼関係。上官と兵の絆。それが得られた事が何よりもうれしかった。」
長官「平時になれば私のような老いぼれはお払い箱だろう」
長官「そうなる前に君のような者たちに会えてよかったと思っている」
長官「哲学者は自分が神だったら、青春を人生の終わりにおいただろうと言ったらしいが」
長官「まさしく神は私の生の最後に青春を与えたもうたと言ってもいいのかもしれない」
長官「…」
長官「戦いが一応の終結を見、そして早すぎる勝利宣言」
長官「多くの鎮守府に解散命令が出され、私のもとにも艦隊の規模縮小の命令が届いたとき、私は絶望した。」
長官「中央の太鼓腹が透けて見えるようだったよ」
長官「絶体絶命だったからこそ君たちも立ち上がり艦娘として共に戦ってくれた」
長官「まあそれに関しては我々の不甲斐なさが露呈したという所もあるのだが…」
長官「…あの日以来、決死の覚悟で戦い抜き生き残った者たちにこれほどの屈辱があるだろうか?」
長官「我々は一枚岩ではなかったのか?それほどまでに信用が無かったのか?」
長官「一時に大量の人員削減。退役後の彼女たちの生活の保障は?そして彼女たちの失われた時間はどうなる?」
長官「それが私は許せなかったし、失望した。」
長官「まるで戦友を使い終わった物を捨てるかのような扱い」
長官「まあ以前の私なら黙々と処理してたのだろうが…」
長官「ともに前線で戦った今となっては到底無理というものだったよ」
武蔵「もしや…提督よ、お前が…」
大和「…」
長官「いやさ、そうではない」
大和「ほっ…」
長官「ただ悪く言えば私はまだ戦い続けたかったのかもしれない。」
長官「戦いの中で力尽きたかったのかもしれない」
長官「そして何よりもまだ君たちと共にありたかった…」
長官「この素晴らしい時を終わらせたくなかった…」
大和「…提督」
武蔵「ふふ、そうか…まず一つ言っておこう」
長官「なんだ武蔵?」
武蔵「提督よ、何はともあれ戦略目標は達したのだろう?ならば我々の勝利だ。」
長官「…」
長官「くっ、ははははは。 よほど黒星を付けたくないらしいな。大和はどう思う?」
大和「そうですね、…確かに戦略的勝利かと…」
長官「そうかそうか、ではそう報告しよう。」
長官「とはいえ、敵艦を一隻も沈めていないというのは分が悪い」
長官「そうだな大金星がほしいな…」
長官「…南西不沈戦狂姫とかどうだろう?」
大和「あのー…そういうことは…」
武蔵「そうだな…南西戦略空姫とかはどうだ?」
大和「え、武蔵まで…」
武蔵「大和は何かないのか?」
大和「なっ…」
大和「…うーん…その…南西空戦棲姫とか…どうですか?」
長官「おお、大和がそういうならそれにしよう!」
武蔵「む、私のはダメだと?」
長官「では間をとって2体の撃破という事にしようではないか」
大和「それは…間をとってないのでは…?」
あはははは
長官「始めてだよこういうことは、いたずらっ子の気持ちが分かったようだ」
長官「さて事後処理に移ろうか…」
大和「お手伝いします…長官」
武蔵「この武蔵にも任せてもらおうか」
今週末投下しますね
待ってるよ
やっと一段落ついた…
遅れてすみません 今夜投稿します
すまぬ急用はいった
明日になりそう
明日になったな
まあ忙しいのは仕方ないな
爆撃開始
沖ノ島海域のどこか
「やっぱ、このままだと消耗するだけだよねー」
「ワ級ちゃんもだいぶ使っちゃったしねー」
「ねーどう思う?」
リ級「」
ワ級「」
「…おーい、聞いとるかー?」
リ級「」
ワ級「」
「…」
「やっぱダメかぁ…」
「ヲ級は迎えに行ったし、タ級は修復終わらないし…暇だなー」ツンツン
「?、お、帰って来たの?」
ヲ級「…」コクコク
「どのくらい集まってた?」
ヲ級「…」スッ...コノクライ
「長さで表されてもね…」
「まあ百聞は一見になんとやら。行ってみようか」
・
・
・
ヲ級「…アレ」
「ん?ああ」
「なんだ、動けたんだ君」
飛行場姫「…オマエハ…?」
「なんというか…水の妖精?」
「ま、それはともかくパール湾からの撤退、うまくいったみたいね。よかったよかった」
「よろしくお願いしマース!…なんちゃって」
飛行場姫「…」
「皆々様長旅でお疲れのようで…」
「うーんそろそろ腰を落ち着ける場所がほしいな~って思ったり」チラッ
飛行場姫「…キサマ…」
「下駄を預けるようで悪いけど、拠点の構築を頼みたい」
飛行場姫「…フ、マタシズメルカ?ミナゾコニ…」
「必要とあらば…」
・
・
・
大和「総司令部よりの出撃要請です」
長官「またか…まだ先の海戦での損害復旧がなってないというに」
長官「前と同じだ。損傷艦の修理が終わり次第出撃すると伝えろ。」
大和「了解しました」
武蔵「ふん、しつこい奴らだ。増援の一つでもよこせばいいものを」
長官「まあ…な」
長官(奴らめ何を企んでいる…まさか…現状維持が望みなのか?)
長官「ま、それも願ったり叶ったり…か…」
長官「威力偵察くらいは出す。編成は大和、お前に任せよう」
大和「よろしいのですか?」
長官「ああ、構わん」
大和「はい、お任せください」
・
・
・
バシー島沖
阿賀野「うーん、やっぱり海って気持ちいいわよね~」
阿賀野「ね、能代?」
能代「阿賀野姉はこんな曇天でも気持ちいいんですか?」
阿賀野「そう?確かにちょっと暗いけど…ってほら!天使のはしご!!」
能代「え、ああ。そうですねきれいですねー」
阿賀野「し、司令官ー、能代が冷たい~」
??「はは、そうだな。だが南西諸島に着いたらもっと蒸し暑くなるぞ、能代」
能代「これ以上にですか?勘弁してほしいです」
「おっそーい!」
??「お、島風か。偵察ご苦労さん。」
島風「司令に頼まれたから見に行ったのに...司令ったら阿賀野達とお話ししてるんだもん!」
??「お前が早すぎるんだよ。他の奴らはどうした?」
島風「遅いから置いてきちゃった」
??「…お前な、そんなんだから…」
「お、居た居た!やっと追いつけたっぽい!」
夕立「夕立、帰って来たっぽい!」
時雨「ただいま」
??「思ったより早かったな」
時雨「まあね」
夕立「夕立頑張ったもん!」ドヤァ
??「後は…」
「司令!ただ今戻りました!」
??「おかえり雪風」
雪風「はい!」
??「異常はないみたいだね」
??「…よし!対潜警戒を厳にしてこのまま行くぞ!」
「了解!」です!」っぽい!」
・
・
・
南西諸島方面司令部
司令官「入ります」
長官「うむ。」
司令官「参謀本部より派遣された特務水雷戦隊です」
長官「ふん、中央からのお目付け役かな?」
司令官「いえいえ、我々の任務は敵情査察です。補給・修理を頂ければそれで結構ですよ」
武蔵「…どうだかな」
長官「…武蔵」
長官「まあその件は分かった自由にして結構」
司令官「…長官の秘書艦ですか?」
長官「いや、私の秘書艦は大和だよ」
司令官「おお、あの彼女が…まさか…」
長官「どうした?」
司令官「意外ですね…かなり恥ずかしがり屋だと聞いていたもので…」
長官「今は居らんぞ?」
司令官「それは残念です。…では、失礼します」
阿賀野「司令官~、どうでした?」
司令官「いや、まあ普通?」
能代「普通って…」
司令官「でも腹の内は読めなかったな」
司令官「寄せ集めとはいえこれだけの戦力を擁していながら遅々として進まない攻略作戦」
司令官「だが、それとは裏腹に豊富な資源、設備」
司令官「それに我々の補給も受け持つと言った」
司令官「どっから資源が湧いて出てるのやら」
能代「まあ、それは帰ってから考えましょう」
島風「あ、司令官!帰って来たの?」
司令官「おう、挨拶は終わったぞ」
島風「じゃあ、出撃しようよ!出撃!」
夕立「行こう行こう!」
司令官「おいおい…」
・
・
・
大和「長官!分かりました」
長官「どうした?」
大和「総司令部は後方にて多数の艦艇を集結させているらしいです」
武蔵「ほう…」
長官「それで?」
大和「北方海域に展開していた艦艇も続々と呼び戻しているみたいです」
長官「敵の戦力を考えれば北方海域の戦力だけで十二分なのだがな」
武蔵「我々が味方の動向をわざわざ間諜のような真似をしてまで探らねばならんとはな…」
長官「戦が終わった途端これだ。人間相手の方がよっぽど疲れるよ」
鎮守府―深夜―
榛名「……比叡お姉さま?」
比叡「!?」ビクッ
榛名「どうしましたお姉さま?こんな夜更けに…」
比叡「い、いやーあの、ね、その…陽炎たちの事が気になって…ね」
榛名「容体は安定していますよ?」
榛名「なにもこんな夜更けでなくてもよろしいのでは…?」
比叡「あ、あはは。」
比叡「別にだいじょーぶならいいのよ。じゃ、じゃあね!」
榛名「?」
榛名「…どうかしたのでしょうか?」
・
・
・
おつ
比叡が内通者なのかな?
イメージ的に一番内通者合わない性格だけどな… >比叡
随分間が開いてしまった
あすまとめて投稿します
待ってた
投下する(大嘘)
今までの投下開始時刻を考えるとこの時間からは来そうもなくないか?
一旦落ち着いて那珂ちゃんでも育ててろよ
やばい、帰って爆睡してた
まだ26時だから大丈夫(震え声)
翌日 鎮守府
吹雪「ん…ぁ…あれ?」
磯波「…んん…吹雪ちゃん!?…よかったぁ」
吹雪「磯波ちゃん?…あれ? 私どうしたんだろ?」
磯波「高雄さん達と合流した途端倒れて…あ、今みんなに知らせて来るねっ!」
・
・
・
赤城「吹雪さん。目覚めてすぐで悪いのだけれど、報告をお願いできるかしら?」
吹雪「…」
赤城「他のみなさんからは聞いているのよ。でも嚮導の貴方の見解も聞かせてほしいの」
吹雪「…はい」
その時私は皆と無事に帰れた喜びは失せ、現実に引き戻された気分でした。
私は話しました。すべてを
ですが提督との遭遇、会話を話しているときは本当に苦しかったです。私は忘れようとしていたのかもしれません。
あの場で出会った奴はあの人とは違うと自分に言い聞かせていたところもあったと思います。
話すうちに怒りとも悲しみともつかない感情がこみ上げ、半ば泣いていました。
・
・
・
吹雪「そして…………」
赤城「吹雪さん…」
高雄「ですが…もう…」
高雄「吹雪さんの報告は他の娘たちとも一致しています。これ以上は…」
長門「そうだな。吹雪、無理しなくていい。ただの最終確認だ。これでいい」
吹雪「はい…分かりました。」
赤城「そうね、吹雪さん、最後に一つ確認をいいかしら?」
吹雪「なんでしょう?」
赤城「…敵に居た人物は本当に提督だったと思う?」
吹雪「…」
吹雪「…背格好は提督に似ていました」
赤城「そう……」
吹雪「…考えたくありませんが、最悪の事態を想定するならばそう考えた方がいいと思います」
赤城「そうね…」
・
・
・
長門「奴が裏切ったか…考え難いな…」
赤城「まだそうと決まったわけではないわ。」
金剛「そうですヨ!」
高雄「吹雪さん達を信用しない訳ではないですが、他の可能性も考えられますからね…」
長門「…洗脳か?」
赤城「敵の欺瞞…という事もあり得るわね。」
長門「いずれにしても我々が直接確かめねばなるまい」
長門「最悪見つけ次第…「そうね」」
赤城「私たちもそれ相応の覚悟が必要ね」
高雄「…提督」
金剛「…」
高雄「…ですが、現状だと近海の索敵、警備と防衛戦力の維持で手一杯なのでは?」
長門「私は…」
長門「私は…奴らはここには来ない気がする…」
赤城「…長門…あなた…」
長門「よって主力艦隊を出撃させても問題ないと考える…」
赤城「…」
高雄「それは…」
バンッ!
高雄「!?」
金剛「Hey! これじゃまるでお葬式ネー」
金剛「吹雪たちのおかげで提督は生きている事が分かりまシタ」
金剛「なら私たちのやることは決まっていマース!」
長門「…フフ…全くだ!」
長門「そうだな!まず第一に行動!…だったかな」
赤城「…本気で言ってるの?この状況で?」
高雄「そうです!まだ何も考えていないじゃないですか!」
高雄「もし敵と出会ったら!…もし提督とも…」
・
長門「敵を見たら討つ。簡単なことだろう?」
高雄「!」
長門「今までそういった部分は提督頼みだったからな」
長門「私たちが考えてどうにかなることでは無いだろう?」
赤城「それは…そうね」
金剛「そうデス!!考えてるだけじゃ何も始まらないヨ!」
高雄「…わ、私は」
長門「無理はしなくてもいい。元より主力から防衛のために割く戦力は必要だ」
高雄「…そうですね。少し考えすぎみたいです…こんな状態で行けば足手まといですものね…」
金剛「私たちにお任せくだサーイ!」
長門「では私と金剛の艦隊を中心に出るか?」
赤城「待って。」
赤城「長門、貴方は残るべきよ」
長門「何故だ?」
赤城「敵の正確な居場所も分からず出撃しても無駄よ。」
長門「確かにそうだが…吹雪たちの報告から大体の位置は…」
赤城「索敵能力、速力を考えれば私と金剛さんが適任よ。そう、それが一番効率的だわ」
長門「…そうか。ならば私は防衛に努めよう」
・
・
・
赤城「長門さんには悪いことをしてしまったわね…」
赤城(でも長門さんは提督が居なくなった時に一番傍にいたんですからね…)
赤城「でもちょっと卑怯だったかしら」(ボソッ
加賀「赤城さん?」
赤城「いえ、何でもないわ。」
赤城「?…あら?何かしら」
加賀「工廠が騒がしいですね」
赤城「少し工廠に行きましょうか」
加賀「ええ」
・
・
・
赤城「何かあったのかしら?」
翔鶴「あ!赤城さん!」タタタ
翔鶴「5航戦、先ほど艤装の改装終わりました!いつでも出撃できます!!」
赤城「あら…」
加賀「別にあなたたちはお呼びではないのだけれど」
赤城「…加賀?」
加賀「後方で航空機輸送でもして貰おうかしら」
翔鶴「あの…えっと…」
翔鶴「あ、ちょっと瑞か…きゃっ」
瑞鶴「ちょっとどーゆうことよ!」ヌイッ
翔鶴「瑞鶴、あまり加賀さんに「翔鶴姉は黙ってて!」」
瑞鶴「今日ばかりは言わせて貰うわ。」
瑞鶴「あんたっていっっつもそうよね?5航戦5航戦5航戦って!!何よそんなに私たちの事好きなわけ?」
加賀「何を言ってるのかしら?」
瑞鶴「っ、…いっつもいつも馬鹿にして!見下して!」
瑞鶴「私たちだって正規空母よ!貴方たちと変わらない!!」
加賀「…それが何?」
瑞鶴「ずっとずっと練習してきた!実戦にも出た!」
瑞鶴「その力で敵を先に叩いてこそ意味があるの!」
瑞鶴「そうやってみんなを守れれば…守れ…と…」
加賀「そうね…それで合ってるわ」
加賀「でも、」
加賀「貴方に本当にそれができて…?」ギロッ
瑞鶴「なっ、…何よそのくらい…できるわよ」
加賀「例え僚艦が焼かれてようが沈みゆこうが、自分が沈むことになろうが艦載機を飛ばすことだけに…」
加賀「敵を撃つことだけにすべてを掛けれる?」
瑞鶴「…できるわよ…それくらい」
加賀「はぁ…」
加賀「未帰還機ばかり出されても困るわ。もっと練度を高めて頂戴」スタスタ
瑞鶴「な、ちょっと待ちなさいよ!」
翔鶴「加賀さんの言う通りよ瑞鶴。そんなに焦っても仕方ないわ」
赤城「その…ごめんなさいね瑞鶴さん。あの娘があんなこと言って…気にしないでくださいね」
瑞鶴「べ、別に赤城さんがなんか言った訳じゃないわ…それに」
瑞鶴「いつか、ぜっっったいぎゃふんと言わせてやるんだからっ!!」
これはまた珍しい展開のss
こういうシリアスssもいいなぁ。>>1乙
まだかな
早く
わたしまーつーわ
お、復活してる
一回就寝してから書くわ
―作戦室
ガチャッ
加賀「入ります」
赤城「あら、待たせたかしら?」
霧島「いえ、時間通りですよ」
高雄「皆さん揃ったようですね」
霧島「では作戦を説明します」
霧島「本作戦の目標は沖ノ島海域への強行偵察及び敵拠点の特定にあります」
霧島「そこでこの地点にて艦隊を二分します」
飛龍「…艦隊を二分?」
霧島「ええ、本作戦においては空母の集中運用は避けたいと考えています」
霧島「索敵能力の向上にもつながりますからね」
飛龍「それでは各個撃破に…」
金剛「そのための高速編成ネ。Search&Getaway!!」
霧島「私たちの戦力では敵主力の撃破は難しいと思われます」
加賀「なるほど私たちは艦隊の目に徹すればいいのね」
霧島「ええ、各隊金剛型2高雄型2空母2の編成となります」
高雄「あの、対潜はどうするのですか?」
霧島「…対潜は航空機に頼らざるを得ない状況です」
愛宕「あら・・・」
蒼龍「えっと・・・その・・・」
鳥海「それは…」
霧島「敵の激しい攻撃が予想されます。救援も見込めません」
霧島「ある程度の攻撃には耐え得る装甲を持ち、作戦を遂行する能力が必要です。」
霧島「落伍したら最後…ですからね…」
霧島「正規空母のみなさんにも航空機を飛ばして露払いしていただきたいと思います」
加賀「…」
赤城「そう…ね、それが大切ね。…もうあんな思いは懲り懲りだもの…」
摩耶「チッ、しゃーないか…」
霧島「もし敵拠点を発見できれば南方及び南西諸島の鎮守府より挟撃が可能です」
霧島「それにより制海権を奪い返せるかもしれません」
飛龍「吉と出るか凶と出るか・・・」ボソッ
赤城「金剛さん、本作戦を開始する前にあのことは言っておいた方がいいと思うの」
赤城「ここにも知らない人たちはいるでしょう」
金剛「そうネ…霧島」
霧島「はい」
霧島「…実は敵艦隊にて提督らしき者の姿が確認されています」
摩耶「はあ!?」
鳥海「なっ!!」
蒼龍「え…?」
飛龍「…」
榛名「そんな…」
金剛「情報は錯綜していマース!まだ確定したわけではありまセン!!」
霧島「あくまでも可能性として頭に入れておいてください」
高雄「…やはり動揺は避けられませんね…これでは…」
赤城「でも、戦場で棒立ちになるよりはマシね」
霧島「出撃は明朝マルロクマルマルです。万全の態勢で臨めるようにしてください」
霧島「何か質問はありますか?」
蒼龍「あ、あの……えっと…」
蒼龍「敵が提督…敵に提督が居た場合は…その…」
霧島「まだ確定したわけではありませんよ」
摩耶「っつってもよぉ」
霧島「敵の欺瞞工作かもしれません。」
霧島「ですが、一つだけ言えることは…」
霧島「作戦の障害となるものはすべて排除せよという事です」
金剛「ok、全部終わったみたいネー。ディスミスッ!」
金剛「皆さーん、準備は万端にネ!!」
ガヤガヤ バタン
霧島「陽炎たちが復帰できないのは痛いですね…」
霧島「未だに目が覚めないというのは…」
金剛「私たちは彼女たちの力を信じるしかありませんヨ」
おお、戻ってきてくれるとは……!
ありがたい、気になっていたんだ
乙
ー母港―
長門「くれぐれも気を付けてな」
赤城「ええ、貴方たちも」
金剛「任せなサーイ!」
金剛「きっと助け出して…連れ帰って来マース」
比叡「気合、入れて、行きます!」
金剛「・・・」
金剛(とてもいい天気ですネ、こんな時じゃなければもっと…)
榛名「金剛お姉さま?」
金剛「フフッ考え始めたらキリが無いネ…」
金剛「皆さーん付いてきてくださいネ、出撃よ!」
加賀「了解、一航戦出撃します。」
蒼龍「二航戦出撃します!」
高雄「重巡高雄以下4隻出撃します」
・
・
・
金剛「そろそろポイントデース、榛名、霧島任せたねからネ!」
榛名「ええ、榛名にお任せください!」
霧島「お姉さまたちもご武運を」
金剛「一航戦二航戦の皆さーん警戒はしっかりよろしくネ!!」
加賀「任せて頂戴」
飛龍「了解!!」
同時刻
南西諸島方面所属-威力偵察中
那智「随分な天気だな…」
羽黒「姉さん…あれ…もしかして」
妙高「っ!来ましたね!右舷、砲戦開始!」
足柄「ふふふ、みなぎって来たわ!!」
・
・
・
那智「終わった・・・のか」
足柄「見たっ!?やっぱり火力は正義なのよ!大勝利い!!」
―沖ノ島海域―
金剛「うー、あの雲はきっとsquallネー」
蒼龍「あーやだやだやだ」
比叡「お姉さま!寒くなったらこの比叡に言ってくださいね!!」
比叡「私が直に温めます!!」
金剛「比叡、そういうのはノーセンキューよ」
キャッキャ ウフフ
蒼龍「うわぁ…」
飛龍「…やれやれ」
鳥海「それにしても静かね…」
摩耶「まあ、これから五月蝿くなるだろうけどな・・・」
-同じく沖ノ島海域-
赤城「金剛さん達は大丈夫かしら…」
榛名「お姉さまならきっと大丈夫です!」
霧島「それにしてもあの黒い雲・・・」
高雄「スコールでしょうか?」
愛宕「摩耶たちの方ね、大丈夫かしら?」
霧島「ん?羅針盤が回っている?」
加賀「…磁場の乱れ」
榛名「これは…」
赤城「ええ、敵が近いようね。気を引き締めていきましょう」
赤城「榛名さん、金剛さん達へ連絡をお願いできる?」
榛名「お任せください!……?…お姉さま達に繋がりません」
榛名「もしかしたらスコールの所為かもしれません…」
霧島「仕方ないですね…お姉さま達がスコールを抜けるまで待ちましょう」
・
・
・
飛龍「…!」
飛龍「雲上の偵察機より連絡!敵航空隊接近!!」
金剛「このスコールの中、爆撃デスカ!?」
飛龍「我々がスコールを脱した直後を狙うつもりでしょうか?」
蒼龍「やだなぁ…」
金剛「全艦三式弾装填!対空戦闘に備えて!!」
比叡「了解です!お姉さま」
摩耶「おう!」
鳥海「了解です。」
・
・
・
加賀「…11時方向、敵航空隊多数発見…」
赤城「来たのね…戦闘飛行隊発艦を!」
榛名「対空戦闘用意!」
霧島・高雄・愛宕「了解!」
・
・
・
加賀「加賀飛行隊、敵航空隊を捕捉」
赤城「赤城飛行隊、攻撃開始!」
・
・
・
加賀「…ふう、終わりました。」
榛名「よかった…」
霧島「敵に見つかっていたようですね…」
霧島「…思ったより相当早く見つかってしまったわ」
加賀「敵の索敵網に掛かったのかしら…敵索敵機は見なかったのだけれど…」
榛名「事前の打ち合わせ通り撤退しますか?」
霧島「…」
赤城「索敵機を出し、敵空母を捜索しましょう」
霧島「!…しかしそれでは…」
赤城「このままでは金剛さん達に攻撃が集中してしまうわ」
加賀「赤城さん…?」
高雄「しかし、それでは…」
榛名「…」
榛名「…霧島…やりましょう」
霧島「榛名…?」
あれ?
このSSまとめへのコメント
言葉使いがガキみたいだな。大人のキャラなら大人の口調にしろよ
よく、、、わからなかった、、、
提督が気持ち悪い