主婦A「魔王が現れたわ!!」 (27)

<ご来店ありがとうございまーす!今日の割引セールについてご案内しまーす!
 ただ今12時28分!12時30分から開始でーす!
 肉ブースでは国産牛1パック200gで100円!
 野菜ブースでは一袋100円!!袋はこの大きさで、野菜なら何でも入れてOKですが、袋の口より上に出ているのはアウトです!!
 さらにこちらでは米1kgがなんと200円です!!売り切れ次第終了でーす!!
 ただ今29分でーす!


主婦A「始まったわね……今日も……来るのかしら……」

主夫A「当然だ。"奴"が割引セールを逃したことなんて一度も無いからな…」

主婦B「今度こそリベンジよ!!」

主夫B「……来たっ!!!!」

主婦達「!!!」バッ!

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 (6 ≡     ' i  |
  ≡     _`ー'゙ ..| <あ、竜王
   \  、'、v三ツ |
     \     |
      ヽ__ ノ

ウィーン

<イラッシャィヤセー


魔王「ふはははははは!!今日も割引セールは全て頂いていくぞ!!側近!情報は!?」

側近「はい魔王様!13時から国産牛1パック200g100円、野菜詰め合わせ一袋100円、米1kg200円です」

魔王「ふむなるほど、同時に行うことでそれぞれのブースが離れている事を利用し拡散させようという魂胆か……馬鹿め」


主婦A「魔王が現れたわ!!あなた達は野菜ブースお願い!力がある主夫のあなた達はお米を!!」

主夫達「がってんだ!!」

主婦A「残りは私と一緒に肉ブースよ!!!急いで!!!」

やべ、側近の情報間違ってる13時→12時30分で



<わかっておられると思いますが開始前の魔法の使用は厳禁でーす!それではカウントダウン始めまーす!10!9!


主婦A「さあ皆位置について!!!防御魔法の用意は!?」

主婦B「当然完璧よ!!」フィィィイイン!

主婦C「私は妨害魔法を!」


<2!1!0!12時30分になりました!これより割引セール開催でーす!


主婦A「元魔法使いを舐めないでよ!!防御結界・西瓜!!」ブオン!

主婦B「そしてそれを強化!二重結界・南瓜!!」

主婦C「暗黒魔法!!イカ墨!!」ボフォオ!

主婦A「さあ今のうちに!!」

主婦D・E・F「はいっ!私達元盗賊"どら猫"の手際を見せてあげるわっ!!」ババババババッ!!


魔王「ふはははは!!前回の経験を生かして二重にしてきたか!だが!」

側近「結界破壊・玉葱」キィンッ!!


パリィイン!!


主婦A「ぐっ!!玉葱ですってぇ!?そんなっ!前回の蜜柑汁より強力……ぐわあああっ!!」

主婦B「主婦Aさぁん!!うっ!私も目が!目があああああ!!!」

主婦C「でもまだイカ墨のおかげでお肉を発見できていないはず!」

魔王「イカ墨か…小ざかしいッ!ならばこちらはタコだ!」

魔王「召還魔法!ワモンダコの触手!!」ボンッ!

主婦C「なっ!?あれは吸盤の数が多いタコ!まずいっ!」

魔王「ハアッ!!」シュッ!!


主婦A「きゃあっ!ヌメヌメしてるっ!!あんっそんなとこぉ…」

主婦B「あっ!だめぇ…そこは主人にも触られたこと……」

主婦C「くっお肉だけでも…あん!む、無念……」

魔王「ふはははははは!そこだあ!!!」

主婦D「これでラスト……あっ!?」ピトォ

主婦D「しまった!吸盤がっ!!だ、だめええええ!」ズルズルズル

主婦E「主婦Dさーーーん!!」

主婦F「待ちなさい主婦E!あなたまで捕まったら元も子も無いわ!!早くレジへ!」

主婦E「グスッ……はいっ!!」

主婦A「んあっ!主婦EとFはゲットできたようね…んっ!EとFへ防御魔法!西瓜!」ブウン!

主婦B「んっ!強化!二重防御魔法!南瓜!」

魔王「ふはははは馬鹿め!それは通じなかったろうが!側近!」

側近「ハッ!結界破壊!玉葱」キィン!

主婦E・F「ひ……」

主婦C「馬鹿はあなた!対策なんてすぐ見つかるのよ!……支援魔法!眼鏡!!」ブォン

主婦E・F「!!っあ、ありがとう!!」

主婦C「いいから早く行きなさ……あっ!んはっ!もうだめ……」


主婦F「行くわよ!」ダッ!

主婦E「はいっ!!」ダッ!


魔王「……ふっ、誤ったな……」

主婦C「な、なによ……」

魔王「主婦Eは前回眼鏡をかけていた。そして今回はかけていない。これがどういうことかわかるか?」

ベン・トーかよ

魔王「主婦Fは常に眼鏡だから、走りながら眼鏡を外したようだが……」

主婦C「…しゅ、主婦Eは前回、眼鏡を落としたせいでレジへたどり着けなかった……だから……はっ!!!」

魔王「ふははははは!今頃気づいたか!!そう!主婦Eは今コンタクト!!!そしてお前はその上に眼鏡をかけた!!」

主婦C「し、しまった!!!」


主婦E「はあっはあっ……うう…見えづら……あっ!!」ドテッ!!!

ドサドサドサッ!

主婦F「主婦E!!」

魔王「ふはははははは!行け触手!」シュッ!

主婦E「っ……」

独り言楽しい?

主婦E「秘技!!熊手・鮭飛ばし!!」バッ!


魔王「なっ肉を飛ばした!?ラップが破けるぞ!!!」


パシパシパシィ!!

主婦F「主婦E……あんた……魚じゃなくてもできるように……」

主婦E「わ、私の分まで……買って…きてください……」ニコッ

主婦F「……今度コーヒー奢ったげる!!」ダッ!!

主婦E「"冷た~い"でお願いします…猫舌なので……」


魔王「……ちっ、やるな……しかし肉は14パック確保した。まあまあとしようか」

主婦A「くっ……確か全部で30パックあったはず。だから主婦Fが持っていったのは16パック。私達の勝ちよ!!」


魔王「ふむ、仕方ないな……"肉ブース"での負けは認めよう……」



主婦A「えっ」



主夫A「す、すまねぇ……米…3kgしか買えなかった……」ヨロヨロ

魔王「残りの37kgは頂いたな」

ゴーレム「ウー、相手ニナラナイー」

主婦A「う、嘘ッ!!」

主婦Z「ご、ごめんなさい……がんばったんだけど……野菜詰め合わせ…5袋しか……うわーーーん!!!」

ダークエルフA「遅すぎにも程があるわ……はい魔王様、40袋確保致しました」

魔王「うむ」

主婦Y「瞬く間に場の野菜をとられて……卑怯よ!!」

ダークエルフB「あら、ルールは守っているわよ?既に他の人が触っている野菜は取って無いでしょ?」

ダークエルフC「ま、触る直前でも私らは取れるけどね。」


主婦D「ル、ルールなら破ってるじゃない!私から強引にお肉をっ!!」

魔王「んん?はて?そんな所見られたかな?店員殿」

店員「あー…イカ墨で見えませんでしたね……」

主婦C「さ、逆手にとられたのかッ!!ちくしょう!!!」

魔王「ふん、そういう事だ。お前らは永劫この私に勝てはしないッ!!!」


主夫・主婦「「くっ!!」」


魔王「ふはっ!ふはははははははは!!!」

ドサッ!ドサッ!

店員「えー100円がー……54点~、200円が37点~、合計で12800円でぇーす」

魔王「む、買いすぎたな……すいません、野菜14袋と米7kgキャンセルで」ニヤァ

主婦A「くっ!!その余裕の笑みをやめろォ!!!」

魔王「ハァーッハッハッh」

店員「改めまして、お会計10000円でーす」

魔王「はい」ピラッ

店員「カードはお持ちですかー?」

魔王「おっと危ない!!…はい」スッ

店員「では10000円丁度頂きまーす」ピッピッピッ


ッチーン

店員「エコ袋ポイントも付きまして、ただ今511ポイントです!500ポイント消費して500円金券に致しますか?」

魔王「うむ」

店員「かしこまりました~」ピッ


店員「…はいこちらレシートと500円金券です!また次回お使い下さいませ!ありがとうございました!」


ウィーン

魔王「フハッ!フハハハハハハハハーーー!!」

ぞろぞろぞろ……

店員「ありがとーござっしたー、またお越しくださいやせ~」

側近「これで魔王城もしばらくは安泰ですね!」

魔王「うむ。しかし冷蔵庫が壊れている故お肉が長持ちしそうに無いが?」

側近「それはいつも通り雪女達に任せましょう」

魔王「……奴らには頭が上がらんな……」

側近「ですね……よし!」


側近「さあ皆さん集まって!戦利品は持ちましたか!?転移しますよー!」

魔物達「はーい」


バシュン!!

面白い

側近「……転移魔法は自分には使えないとはいえ、魔王様も一緒に行けばいいのに」

魔王「いやいい。我は側近と共に帰りたいのだ」

側近「…魔王様ったら……」

魔王「さあ、帰ろう。我が城へ」

側近「はい!!」



側近「あ、マントは前の籠にいれてください、前みたいに車輪に絡まりますよ?」

魔王「おっと!」バサッ

クルクルクル…ドサッ!!

側近「自転車で移動というのも良いですね」キコキコキコ


魔王「そうだろう?廃品から漁った甲斐があったというものだ」キコキコキコ


側近「流石です魔王様」キコキコ


魔王「うむ」キコキコ


側近「来週は……卵が安いそうです」キコキコキコ


魔王「……卵か……くそっ奴が来るな……ふん、よかろう……」キコキコキコ



主婦A「……惨敗…ね」

主夫・主婦達「……」



ウィーン

イラッシャイヤセー

主婦A「誰よ今頃……えっ!?」



貧乏少女「あれ、今日って卵の特売日じゃなかったっけ」

店員「あ、それ来週っす~」

貧乏少女「ありゃ?そのためにここまで来たのにぃ」


主婦A「!っその顔をよく見せて!!」

主婦B「どうしたの?」

貧乏少女「?」

主婦A「や、やっぱり!!あなたは…あなた様は!!!」

主婦B「し、知ってるの?」

主婦A「知ってるも何も!主婦Bも一度は聞いたことあるはずよ……」

主婦A「かつてあの魔王相手に……セール品を一つも取らせなかった伝説を持つ!」

主婦B「ま、まさかあの!!!」



主婦A「"卵好きの貧乏勇者"!!!」




貧乏勇者「来週だったかあ……今週どうやって過ごそうかなぁ……」



To be continued!!

乙、

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