リヴァイ「結婚?」(27)
※リヴァミカ
※ちょこっとモブハン
次から書きます
「……らしいぜ」
「まじかよ」
「物好きもいたもんだ」
「知らないかもしれないけど、あれで普通に黙ってたら美人なんだよ。あの人」
「へぇ」
「…にしても、いいなぁ結婚」
「俺も綺麗な奥さん欲しい…」
リヴァイ「……」
リヴァイ(だれか結婚すんのか)
リヴァイ(このご時世にのんきなもんだ)
リヴァイ(……)
リヴァイ「結婚。結婚なぁ……相手がいれば考えないこともないが」
リヴァイ「現在恋人はいない。そもそもこんなところにいたら出会いもない」
ハンジ「そうだねー。もう少し前なら結婚してあげてもよかったんだけど」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「ほら、兵団の幹部にもなるとさー、お見合いの話がいっぱい来ちゃって困ってたんだよね」
ハンジ「内地のお偉いさんとの関係も大事にしないとまずいでしょ? でもこっちはそんな気ないしサー」
ハンジ「いっそリヴァイとでも結婚しちゃえば、上も文句言わないかなーと思ってたの。つい最近まで」
リヴァイ「……見合いか。なぜ俺には話が来ない?」
ハンジ「聞けよ話」
リヴァイ「…お前とは結婚しねえよ」
ハンジ「そういうと思った――よかった、安心したよ」
リヴァイ「?」
ハンジ「もしなにか間違いがあって、あなたが私のこと好きだったりしたら怒るかと思ってさ」
リヴァイ「なんだそれ」
ハンジ「あのね。私、モブリットと結婚することになった」
リヴァイ「」
リヴァイ「…モブリット?お前の部下のあの苦労してそうなやつか」
ハンジ「そうだよー。この間お願いだから生き急がないでくれって泣かれちゃってさー」
ハンジ「『あなたとずっとずっと一緒に生きていたいんです!』だって!さすがにちょっと心打たれちゃったよね」
リヴァイ「随分な生き急ぎ野郎だな」
ハンジ「ほんとほんと!どっちがって感じ」
リヴァイ「大丈夫か?あいつ心労で死ぬんじゃないか」
ハンジ「あはは、そうならないように努力する」
リヴァイ「兵団はどうするんだ。やめるのか?」
ハンジ「まさか!」
リヴァイ「ガキでもできたらどーする」
ハンジ「うーん。さすがにこの歳で子供はちょっとね」
リヴァイ「そんな歳だったか?俺と同じくらいじゃなかったか」
ハンジ「男とは違うよ。もうちょっと若いころだったら、子供産んで育休とってからまた戻るーとかもできたかもだけど」
ハンジ「私は生涯兵士でいたいし、巨人の研究をやめるつもりはない。いつ死ぬかもわからないしね。その辺はモブリットもわかってる」
リヴァイ「……そうか」
ハンジ「あーでもよかった!まさか嫁にもらってくれる人がいるとは思わなかったからさ」
リヴァイ「……」
ハンジ「……兵士やってるとさ、自分が女だってことなんか忘れたほうが良いと思ってた。それこそ本当に、いつ死ぬかわからないような状況で、恋愛だの結婚だのやってる場合じゃないこともわかってるよ」
リヴァイ「……別に、そこまで言うことはねえだろ。お前は兵士である以前に女だし、兵団内での恋愛が禁止されてるわけでもない」
ハンジ「意外だ、やさしいね。リヴァイには怒られるかと思ってた」
リヴァイ「……」
ハンジ「それでね、もうちょっとだけ聞いてほしいんだけど」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「ひとりで生きていかなきゃならないと思ってた頃よりも、ずっとずっと気持ちが軽くなった。モブリットが一緒に生きてくれるって言ってくれたから。すごいね。私、嬉しいんだよ」
リヴァイ「……ならよかったじゃねえか。そんな顔されたら俺だって祝わないわけにはいかねえ」
リヴァイ「おめでとう、ハンジ」
ハンジ「…ありがとう」
リヴァイ「……」
リヴァイ「……」
リヴァイ「は、はんじがけっこん…」フラフラ
リヴァイ「長い付き合いになる同僚がほとんど死んでいった中で、あいつが一番気心の知れた仲だったのは事実」
リヴァイ「いや、恋愛感情はない。それは断じて」
リヴァイ「なんだこの置いてきぼり感は」
行き遅れた人類最強か
リヴァイ「結婚、か」
リヴァイ「……」
リヴァイ(綺麗に掃除された家、あったかい食事、風呂も用意されていて綺麗な奥さん…)
リヴァイ「案外いいかもしれない」
リヴァイ「…といっても相手が……。いねーな」
リヴァイ「……」
リヴァイ(昔は絶対兵士じゃないやつとしか付き合わなかった)
リヴァイ(兵士はみんな巨人に食われて死んじまうから)
リヴァイ(俺だって全員助けられるわけじゃねえし)
リヴァイ(……)
コンコン
ミカサ「失礼します」
リヴァイ「なんだ」
リヴァイ(またこいつか)
ミカサ「私をリヴァイ班に入れてほしいのですが」
リヴァイ「却下」
リヴァイ(ったく、このガキはいったい何度目だ)
ミカサ「このクソチビ」ボソッ
リヴァイ「ああ?」ギロ
リヴァイ「おいガキ、発言には気をつけろよ」
ミカサ「なぜだめなのでしょうか。理由を教えてください」
リヴァイ「いろいろあるが、お前の動機が不純すぎる。どうせエレンのそばにいたいとかそんな理由だろ」
ミカサ「エレンを守るのは私の役目なので」
リヴァイ「あーご苦労なこった。それなら今のメンバーで間に合ってる」
ミカサ「……それだけじゃないのに」
リヴァイ「あ? なんだ。言ってみろ」
ミカサ「あなたの技を盗むのにいい機会だと思った」
リヴァイ「は」
ミカサ「私は、あなたのように強くなりたい。そのためには、あなたの近くであなたの戦い方を見る必要があった」
リヴァイ「……」
期待
リヴァイ(なんだこの女。意外とかわいいとこあるんじゃねえか)
リヴァイ(まだまだガキだが、顔は整ってるし。上手く躾ければ好みの女に育つ可能性も…?)
リヴァイ(…いやいや。直属ではないにしろ気にかけている部下に、ましてやこんなガキに結婚を持ちかけるとかないだろ)
リヴァイ(ないない、そこまで飢えてない)
リヴァイ(……もし。数年後、仮にこいつと結婚したとしたら…)
ミカサ『おかえりなさい兵長。かえってこなくてもよかったのに』
エレン『ミカサー、おかわりー』
ミカサ『今いく』
エレン『あっ兵長お先に頂いてます』
ミカサ『今日はエレンの好きなチーハンにした。どんどん食べてほしい』
エレン『ん、サンキュ。美味いよミカサ』
ミカサ『あ、しまった。兵長の分のハンバーグがなくなってしまった』
リヴァイ『……』
リヴァイ(なんてことになりかねない)
リヴァイ(というかなる、絶対に)
リヴァイ(……)
リヴァイ(なんかむかついてきた)ムカムカ
ミカサ「…すみません。私情を挟んで。失礼します」
リヴァイ「待て」
ミカサ「」バタン
リヴァイ「……あのガキ、待てっつっただろーが…」
リヴァイ「まあいい。焦るな」
次の日
エレン「おはようございます」
リヴァイ「……ああ」
エレン(やべえ今日機嫌悪い…)
エレン「あっあの、兵長知ってますか?」
リヴァイ「なにをだ」
エレン「今日の夕食はスペシャルメニューで、なんとチーハンらしいですよ!」
リヴァイ「……チーハンだと…?」
エレン「はい!よく食堂に出入りしてる同期の情報なんで間違いないです。俺、チーハン大好物だから楽しみで楽しみで」
リヴァイ「るせえ」ピキッ
エレン「!?(フォークが折れた!)」
リヴァイ「いいか、覚えておけエレン……俺は和風おろしハンバーグ派だ」
エレン「え」
リヴァイ「二度とチーハンの名を出すな」
エレン「は、はい!」
大人気なさすぎだろw
エレン「…ということがあったんだよ」
ミカサ「あのチビはいい年した大人のくせに言動が子供すぎる」
ミカサ「ハンバーグごときでエレンに八つ当たりなんて許せない」
ミカサ「私がしかるべき報いを……」
アルミン「……」
コンコン
ミカサ「失礼します」
リヴァイ「来やがったな」
ミカサ「私をリヴァイ班に入れてください」
リヴァイ「断る」
ミカサ「チッ」
リヴァイ(ここまではいつもと同じだ。よし、焦るな。どう切り出すかが重要だ)
ミカサ「ここからが本題なのですが」
リヴァイ「あ?」
リヴァイ(な、なんだいきなり)
ミカサ「くだらないことでエレンに八つ当たりをするのはやめてほしい」
リヴァイ「……」
ミカサ「ハンバーグにチーズが乗っかっているくらいでなんなの。エレンはずっと楽しみにしていたのに、あなたのせいで居心地が悪くておいしく食べられなかったはず。かわいそう」
ミカサ「そもそも、エレンの自由時間が少ない。地下室から出れるのが訓練の時だけなんてひどい。おかげでエレンと話せるのが訓練の合間を縫ってのほんの少しだけになってしまった」
ミカサ「朝昼晩と地下室であなたと二人きりで食事をとっているというのも気に食わない」
ミカサ「エレンの食事の世話をするのは私の役目のはずなのに」
リヴァイ「……」イラッ
このSSまとめへのコメント
楽しめたよ。
ちょっと終わりが微妙な感じが…
基本的にはリヴァミカが中心なんですねww
面白いです!!サイコー(* ॑꒳ ॑* )⋆*
リヴァミカ好きだけど、なんか終わりが…