片桐早苗「署までおいでよ」 (62)
モバマスのお姉さん達が活躍するSSです。
前回までのSSを読むとより楽しめます。
前回
川島瑞樹「ローカルマドンナ」
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—○○署・一日警察署長任命式にて—
署長「か、片桐くん…… 本日はよろしく……」ヒクヒク
早苗「はいっ、任せて下さい署長っ♪」ニヤニヤ
進行役『それでは署長から、署長任命証の授与が行われます』
署長「ではこれを……」スッ…
早苗「確かに…… おっとぉ〜っ!? 手がすべったぁ〜!? 」シャッ
署長「な……!? 」ギョッ
ガシッ
交通課部長「(貴様、何をさりげなく署長のヅラ…いや頭を狙っているんだ?)」ギリギリ
早苗「(やだなあ部長、勘繰り過ぎですよぉ……)」ニヤリ
進行役『え、え〜…… では改めて、任命証の授与を……』
クスクス…… ザワザワ……
レナ「序盤から不穏な空気が漂ってるわね…… 無事に終わるかしらこの仕事……」ハア
***
—前日・事務所にて—
レナ「早苗さんの付き人?」キョトン
P「社長直々のお願いです。早苗さんを止められるのはレナさんしかいないと」ペコリ
レナ「お仕事もらえるのは嬉しいけど、でも私に期待されても困るわよ?どっかの
アイドルじゃないけど、あの人こそ豆タンクなんだから」
P「重々承知しています。今回の仕事は早苗さんの元職場という事もあって、彼女も色々
思う事があるでしょう。スカウト時の面接でも恨み言を話してましたし、この機に
乗じて当時の上司に復讐を……などと考えるかもしれません」
レナ「あぁ〜確かに。早苗さんならやりかねないかも……」
P「早苗さんもプロなので仕事はきちんとこなしてくれると思いますが、警察と禍根を残す
ような事になると事務所も後々仕事がやりにくくなります。なのでどうかレナさんに
ストッパー役になって戴きたいと」
レナ「警察に睨まれるのは私もゴメンだけど…… でもそれなら真奈美とか夏美の方が適任
じゃないかな。私もストッパーが必要なタイプだと思うんだけど」ポリポリ
P「今回の仕事はレナさんの営業も兼ねてます。早苗さんの警察署はカジノ誘致に肯定的
なので、レナさんのカジノ誘致のPRを早苗さんの仕事の後に行います。そうすれば
早苗さんも無茶は出来ないでしょう」ニヤリ
レナ「ちょっ!? 私も道連れって事!? そんなのあんまりよ!! 」ガタッ
P「レナさんには本当に申し訳ないと思っています。ですが官公庁の仕事は成功すれば後の
リターンが大きいのもまた事実!! 事務所の為にもどうかよろしくお願いします!! 」ドゲザー
レナ「ぐぬぬ……」
***
早苗「ちっ、あともうちょっとであのヅラひっぺがすことが出来たのに……」スタスタ
レナ「ちょっと早苗さん勘弁してよ。私まで署長に睨まれてるじゃない」ヒソヒソ
早苗「大丈夫よまだカメラ入ってないし。警察流の軽い挨拶みたいなもんよ」ニヤリ
レナ「若いおまわりさんにはウケてたみたいだけどね。でもあんまり無茶しないでよ。
次のパトロールはちゃんとしてよ?」ドウドウ
早苗「レナちゃん気付いてた?実は部長って超シークレットブーツ履いてるのよ。本当の
身長は私とあんまり変わらないんじゃないかな」ニシシ♪
レナ「だめだ聞いてない…… 私のアイドル生命今日で終了かも……」ガックシ
スタッフ「それでは片桐さん、次は交通パトロールですので準備お願いします!! 」
早苗「安心して。今の私はアイドルだし、ファンをがっかりさせるような事はしないわよ。
では片桐巡査…じゃなかった、片桐署長行って来ます!! 」ビシッ
レナ「あれ?私はどうすればいいの?確かカジノのPRは午後からだった気が……」
スタッフ「あ、レナさんはこちらの衣装に着替えて下さい」サッ
レナ「え?これって衣装というよりは……」
***
—地域パトロール—
レポーター『本日一日警察署長を務める片桐早苗さんが、地域の人達から温かい声援を
送られながら商店街のパトロールを行っています。片桐さんは元交通課の
婦警さんという異色の経歴を持つアイドルで……』
住民「早苗ちゃ〜ん、おかえり〜っ!」
住民「頑張ってね〜っ!これ差し入れだよ〜っ!」
早苗「あはは、ありがとおばちゃん!おっちゃんにもよろしくね!」
部長「相変わらず人気者だなお前は。今回署が企画した人気投票による一日警察署長
リクエストも、ダントツでお前への投票が多かったらしいし……」ヒョコ、ヒョコ
早苗「市民の声は大事にしないといけませんよね♪ ところで部長、慣れない靴で
パトロールして大丈夫ですか?肩をお貸ししてもいいですよ」ニヤニヤ
ゲシッ ゲシッ
早苗「いたっ!? わかってるわよピーポちゃん、ちゃんとやるから……」ドウドウ
ピーポ(レナ)「(聞いてないわよ着ぐるみの仕事なんて…… 超暑いんだけど……)」ヒソヒソ
早苗「(P君の差し金ね…… 心配しなくてもちゃんとバイト料は出るわよ。警察はお金持ち
だからきっちり支払ってくれるわ)」ヒソヒソ
カメラ「片桐さん、ピーポちゃんとこっちに視線お願いします!! 」
早苗「は〜い♪ ほらピーポちゃん肩組んで!」ガシッ
ピーポ(レナ)「(ちょ、私もバランス取りにくいんだけど……)」グラ…
部長「うおっ!? ピーポちゃんがこっちに!? 」フラ…
早苗・ピーポ・部長「「「ぎゃ〜〜〜〜〜!! 」」」ドンガラガシャーン
***
—昼食休憩・定食屋にて—
早苗「いてて、ストッキング破けちゃった。替えのやつ用意しとかないと……」
レナ「ゴメン早苗さん。咄嗟に反応できなくて……」シュン
早苗「いいのよいいのよ、レナちゃんにケガがなくて良かったわ。うるさい部長もブーツ
のカカトが折れて帰ったし、残りのパトロールはのんびり出来るわ」ニシシ
レナ「うぅ、部長めっちゃこっち睨んでた…… この辺り通る時は気を付けよう……」
早苗「交通ルールはきちんと守ってね。片桐署長とのお約束だゾ☆」キラリン☆
店主「はいお待ち、日替わり定食2つね。早苗ちゃんはごはん大盛りだよ」
早苗「ありがとおっちゃん!うわ〜、久しぶりだなぁ〜!」イタダキマス
レナ「よく来てたのここ?そういえば警察署から結構近いよね」イタダキマス
早苗「うんっ!ここが一番安くて美味しかったからね!」ガツガツ
店主「早苗ちゃんは婦警さんの頃から商店街のアイドルだったからな。だから警察辞めて
アイドルになっても、俺達から見たらあんまり変わってねえな」ワハハ
レナ「ふ〜ん、マジメにおまわりさんしてたんだね。何だかちょっと意外」パクパク
早苗「もっちろん♪ 交通課のアイドル、そして『東京のゲートキーパー』とは私の事よ!
ローカルな人気だったら瑞樹ちゃんにだって負けてないんだから!」エッヘン
レナ「え?『東京のゲートキーパー』って早苗さんだったの!? 」ギョッ
早苗「おやおや〜?その名前を知ってるって事は、レナちゃんも『あっち』方面の子達と
仲良しなのかな〜?」ジロリ
レナ「え!? ち、違うわよ!? たまたまウチのグループに車が好きな子がいて、その子が
ヤンチャな子から聞いたらしいのよ。確か千葉や神奈川の暴走族の間で、東京に
侵入しようとすると鉄壁の布陣で阻まれるとか……」アタフタ
早苗「懐かしいわね。『東京のゲートキーパー』は私が作った暴走族対策チームよ。県境
越えられると私達も出動しなくちゃいけないから、徹底的に侵入を阻止しながら
隣県にも捜査協力してたの。そしたらいつの間にかそんな風に呼ばれちゃって」
レナ「へぇ〜、すごかったんだね早苗さんって。じゃあ早苗さんが現役の頃は他県の
暴走族は誰も侵入出来なかったの?」パクパク
早苗「もちろんっ!……って言い切れたらカッコ良かったんだけど、実際は何人か県境を
突破するコはいたわよ。レーサーにでもなれば良いのにって思うくらい運転が上手
でね。よく覚えてるのはレディース『魔弓麗威(マーキュリー)』の……」
ブォォォオオオオン……キキィィィ〜〜〜〜ッッッ!!
レナ「ん?何かしら?えらくうるさいバイクね」
早苗「あれ?このエンジン音は確か……」ピク
拓海「早苗—————っ!! いるか—————っ!! 」ガラッ!!
早苗「お〜!拓海じゃん久しぶり!あれ?今日はトップク着てないの?」
拓海「なにのんびりメシ食ってんだよ!警察辞めたってマジだったのかよ!? 」バンッ!!
早苗「あれ?言ってなかったっけ?確かあんたの所の総長には電話したと思うけど」キョトン
拓海「聞いてねえよ!ウチの総長バカなんだからちゃんとアタシにも言えよ!」クワッ
レナ「……早苗さ〜ん、この爆乳ヤンキーちゃんはお知り合いなのかな?」オソルオソル
早苗「ああゴメンゴメン、この子は向井拓海。さっき話してた県境越えた暴走族の一人よ。
そこらの白バイ隊員よりバイクの運転が上手なんだから♪」
***
店主「はい、かけうどんお待ち」ゴト
早苗「もっと食べないとダメよ。はい、からあげ」ヒョイ
レナ「じゃあ私もエビフライあげる」ヒョイ
拓海「すまねえ……じゃなくて!! なんでアタシまで一緒にメシ食ってんだよ!! 」バンッ!!
早苗「うるさいわねえ。黙って食べなさいよ」パクパク
レナ「流されやすいのね。ちょっと夏美に似てるし、だんだん可愛く見えて来たわ」マジマジ
早苗「でしょ?レディースの中ではこの子が一番美人だったわ。白バイ部隊の中に拓海の
ファンクラブがあったぐらいだしね」ケラケラ
拓海「東京じゃガス欠になるまで散々追い回されたぜ…… 神奈川に逃げても追いかけて
来るし、逆にこっちがストーカーで訴えてもいいんじゃねえのか?」ズルズル
早苗「でも良い練習になったでしょ?あんた族のクセに教習所の手本みたいなキレイな
運転するもんね。白バイ部隊はいつでもあんたを大歓迎よ☆」ウィンク
拓海「誰がサツになんかになるかっての」ベーッ
レナ「じゃあアイドルはどう?拓海ちゃんナイスバディだし人気出ると思うわよ?」モミ
拓海「なっ!? 何しやがるっ!? 警察署長の前でセクハラすんなよっ!! 」バッ
早苗「ん?レナちゃん今何かしたの?」キョトン
拓海「お前はマジメに仕事しろよ!! たった今目の前で犯罪が行われただろうが!! 」クワッ
レナ「あはは、拓海ちゃんって暴走族の割に結構ウブなのね♪」ケラケラ
早苗「まさかあんたにマジメに仕事しろって怒られるとはね〜♪」ゲラゲラ
拓海「ああもう調子狂うぜ!! ……おっと、こんな事してる場合じゃなかった」ハッ
早苗「ん?どしたの?そういえばあんた何しに来たんだっけ?」
拓海「お前らのパトロールが終わって署に戻るのは何時くらいだ?」
レナ「えっと、私のPRが4時だったから3時くらいじゃないかな?」
拓海「3時だな。わかった」スクッ
早苗「ちょっと〜?あんた何か悪だくみしてないでしょうね?拓海だけに」ジロ
拓海「つまんねーよ。ま、楽しみにしとけ。一生忘れられない思い出作ってやるよ」ニヤリ
<ゴッソーサン マイドー ガラガラガラ…ピシャッ
レナ「まさかお礼参りとか……しないわよね?」タラリ
早苗「交通課の後輩から聞いてたんだけど、2・3日前から神奈川からちょこちょこ族の
バイクが流れて来てるみたいなのよ。トップク着てるわけじゃないし、プレートも
ちゃんと付けてるから素通りさせてるらしいけど」パクパク
レナ「ちょっ!? 聞いてないわよ!! まさかあの子復讐しに来たんじゃ……」ガタッ
早苗「大丈夫よ警察は強いから。集団でお礼参りに来ても10分で鎮圧するわ」モグモグ
レナ「巻き込まれるこっちの身にもなってよ!」ダッシュ!!
<チョットマッテタクミチャーン! バタバタバタ……
早苗「レナちゃんは心配症ね〜。よくギャンブラーなんてやってたわねあの子」ズズ…
———
拓海「ああ、3時集合だ。遅れんなよ」ピッ
レナ「ちょっと待って拓海ちゃーん!」バタバタバタ……
拓海「ん?確か早苗と同じアイドルの……レナさんだっけ?」ブォンブォン
レナ「お礼参りなんてやめて!今日は私も仕事が…じゃなかった!あんたなら分かると
思うけどあの人も若くないしチャンスが……あれ?自分で言ってて涙が……」ホロリ
拓海「あぁ〜確かに。アタシの10コ上だっけか?よくアイドルなんてやろうと思った
よなアイツ。普通に警官やっときゃ将来も安泰だっただろうに」シミジミ
レナ「でしょ?だから今日は大人しく東京バナナでも買って神奈川に帰って……」
拓海「安心しろって。お礼参りなんてだせえマネするかよ。何だかんだで早苗には世話に
なったしな。だからアンタも楽しみに待ってろ」ポンポン
レナ「じゃ、じゃあ一体何を……?」
拓海「早苗の事よろしく頼むな。アイツああ見えて寂しがりだから、構ってやらないと
拗ねちまうんだ。アタシの代わりにテキトーに相手してやってくれや」アハハ
ブォンブォンブォン…… ブロロロロロロロロロ……
早苗「行っちゃったの拓海?じゃあ私達も準備しよっか。レナちゃんはピーポちゃんの
被り物しないとダメでしょ」ガラッ
レナ「う、うん……」オロオロ
早苗「だ〜いじょうぶよレナちゃん。あの子はちょっとひねくれた所はあるけど、根は
素直で良い子だから。だから私達もしっかりお仕事しましょ!」ニコッ
***
—午後のパトロール—
<サナエチャーン! サナエー! サナエオネエチャーン!
早苗「どうも〜♪」ヒラヒラ
ピーポ(レナ)「……」ヒラヒラ
早苗「ほらピーポちゃんも元気出す!」バシッ!
ピーポ(レナ)「(痛!? ちょっと早苗さん、ピーポはしゃべっちゃダメなのよ!)」ヒソヒソ
早苗「あ、そうだっけ?ゴメンゴメン」テヘッ☆
ピーポ(レナ)(後30分で3時ね……)チラ
早苗「……拓海はね、本当にバイクが好きな子なのよ」ボソ
ピーポ(レナ)「(え?)」ピク
早苗「あの子は元々仲間で集まって普通にツーリングとかしてたみたい。でも昔の横浜は
凶悪な暴走族が多くて、走ってるだけで殴られたりしたんだって。だからあの子は
走る場所と仲間を守る為に、暴走族を結成したらしいのよ」
ピーポ(レナ)「(確かにそんなに悪い子には見えなかったような……)」
早苗「拓海はただ好きなバイクに乗って走りたかっただけなの。その場所を守る為に、
あの子達は他の暴走族とケンカしてたの。だから私達もガツンと怒れなくてね。
もちろんスピード違反はバンバン取り締まったけど」
ピーポ(レナ)「(あ、そこは見逃してあげないんだ……)」
早苗「それとこれとは話は別よ。でも気が付けばあの子とは妙な絆が出来ちゃってね。
お互い立場があるから堂々と仲良く出来なかったけど、族同士の抗争を拓海が
教えてくれたり、私もたま〜に取締りを教えてあげたりしたわ。内緒よ?」ウィンク
ピーポ(レナ)「(それって裏取引ってやつじゃ……)」
早苗「いいのよ。結果的に横浜の族は大人しくなったんだし、私達も無駄に応援に
行かなくて済むようになったしね。めでたしめでたしよ」チャンチャン
ピーポ(レナ)「(だったら一体何をしに来たのかしらあの子…… 何か企んでるのは
間違いなさそうだけど……)」
ピーポーピーポー……キキ—————ッ!!
早苗「あれ?パトカー?どうしたのかしら?」
部長「た、大変だ片桐!すぐに乗れ!」ガチャッ
早苗「部長?どうしたんですかブーツも履かずに」キョトン
ピーポ(レナ)「(うわ、ホントにちっちゃい……)」
部長「署に50人以上の暴走族が集まってるんだよ!お前を出すまで帰らないって言って
居座ってるんだ。凶器の類は持ってないが、このままだと埒が明かない。お前の
身柄は警察が全力で守るから来てくれないか?」
ピーポ(レナ)「(やってる事はお礼参りだよね!? 早苗さん、ホントに大丈夫!? )」ジロリ
早苗「あ、あはは………………大丈夫…………………だと思うけど………………」ボソボソ
ピーポ(レナ)「(いやあぁぁぁあ!! こ、こうなったらこっちも魔除けの茄子を呼んで……
いや、でもあの子の力は私にはマイナスに……)」ブツブツ
早苗「お、落ち着いてレナちゃん。とりあえず行きましょうか。部長、出して下さい」
***
—警察署前—
ブォンブォンブォンブォン…… ドッドッドッドッドッ…… ドゥンドゥンドゥンドゥン……
ピーポ(レナ)「(まるで族の集会ね…… 特攻服着てなくても一目でヤンキーって
分かるわ。みんなガラの悪そうなカオしてるし……)」
部長「お前は中で待ってろ。すぐにボディガードを付けるから……」ガチャ
早苗「必要ないですよ。殺気は感じないし話を聞いてからでも遅くないでしょ」ガチャ
部長「な!? 正気か片桐!? いくらお前でもこの数相手じゃどうしようもないだろ!? 」ギョッ
早苗「大丈夫ですよ部長。殴り込みならもっと派手にやるでしょ。あの子達はただ私に
話があるみたいですよ」ニコ
ピーポ(レナ)「(ちょ、ちょっと待って!! )」ガチャ
早苗「レナちゃん?いいわよパトカーで待ってても」キョトン
http://i.imgur.com/rPGGmwL.jpg
http://i.imgur.com/JYuOqS4.jpg
片桐早苗(28)
http://i.imgur.com/D3nHABz.jpg
http://i.imgur.com/qxapPRE.jpg
兵藤レナ(27)
http://i.imgur.com/4Fipvgf.jpg
http://i.imgur.com/IvHpS6K.jpg
木場真奈美(25)
http://i.imgur.com/Yuw4RUO.jpg
http://i.imgur.com/ki9kVPr.jpg
相馬夏美(25)
http://i.imgur.com/NyiFVSa.jpg
http://i.imgur.com/vS7RZiZ.jpg
向井拓海(18)
ピーポ(レナ)「(パトカーの中で待ってるだけなんて、何か負けた気がしてイヤよ!
この仕事がパーになった時に後悔しないように、せめて一発くらい
殴ってやるわ!)」フンス!
早苗「ふふ、無理しなくていいのに…… ま、被り物してたら1・2発くらい殴られても
大丈夫かな。機動隊も待機してるみたいだし、それじゃ行きましょうか」スタスタ
ピーポ(レナ)「(ちょ、ちょっと待ってよ〜!)」テクテク
———
ジロジロ… クッチャクッチャ… ニヤニヤ…
ピーポ(レナ)「(うわ〜、めっちゃガン飛ばしてる…… な、何笑ってるのよ!! )」シャー!
早苗「威嚇してるピーポちゃんが珍しいんじゃない?でも懐かしいわねこの雰囲気。一斉
取り締まりの時を思い出すわ」ニコニコ
ピーポ(レナ)「(早苗さんは怖くないの?相手はガキとはいえこの数だよ?私だったら
ボディガード3重くらいつけてもらうけど……)」
早苗「それは向こうも同じよ。あの子達も警察署のど真ん中で機動隊に囲まれてるし、
いつでもボコボコにされるわ。リスクは平等じゃないとね♪」
ピーポ(レナ)「(どんな修羅場をくぐってきたらそんな思考に至るのかしら…… ん?
向こうからボスっぽい子が来るんだけど、あれが総長?)」
早苗「そうね。拓海は確か特攻隊長だったからチームのNo.2なのよ。そういえばあの子
どこに行ったのかしら?」キョロキョロ
総長「よぉ…… 久しぶりだな早苗ェ……」クチャクチャ
早苗「あんたも元気そうね。ところでここにいる全員点数オーバーしてないでしょうね?
バイク没収されて帰りは歩きになっても知らないわよ?」ニヤリ
総長「キップ切るのは後にしてくれや。拓海から聞いてると思うが、アタイらもさっさと
終わらせるからよォ……」プクー
早苗「何の話?確かに拓海には会ったけど、私何も聞いてないわよ?」キョトン
総長「マジかよ?アイツも素直じゃねえなァ。まァ今朝まで機嫌悪かったしな」ハア
ピーポ(レナ)「(そ、それより何の用かしら……?私達も忙しいんだけど)」ビクビク
総長「ん〜?ピーポちゃんってしゃべんのかァ?」ジロ
早苗「このピーポちゃんは特別なのよ。でも確かに私も暇じゃないのよ。この後もまだ
仕事あるしね。ジャマするつもりなら問答無用でシメるわよ?」ギロ
総長「へへ、怖ェ怖ェ。やっぱり早苗はこうでなくちゃなァ。わざわざ東京まで来た
かいがあったぜェ。それじゃあそろそろ始めるか……」ペッ
ピーポ(レナ)「(え?始めるって何を……)」ピク
総長「全員—————っ!! 整列—————っ!! 」クワッ
レディース「「「「「「「「「「 押忍!!!!!! 」」」」」」」」」」ビシィッ
レディース「「「「「「「「「「 押忍!!!!!! 」」」」」」」」」」ビシィッ
レディース「「「「「「「「「「 押忍!!!!!! 」」」」」」」」」」ビシィッ
レディース「「「「「「「「「「 押忍!!!!!! 」」」」」」」」」」ビシィッ
レディース「「「「「「「「「「 押忍!!!!!! 」」」」」」」」」」ビシィッ
総長「これより—————っ、チーム『魔弓麗威(マーキュリー)』の解散式を行う!!
特攻隊長向井拓海ィ—————っ!! 団旗を署長殿に!! 」
拓海「 押忍!! 」ザッザッザッ…
ピーポ(レナ)「(拓海ちゃん?)」ギョッ
拓海「片桐署長!! アタシらの団旗を署長にお預けします!! 受け取って下さい!! 」サッ
早苗「(いいのあんた……?警察に渡すともう返って来ないわよ……)」ヒソヒソ
拓海「(構わねえよ。アタシらはバイクに乗れたら良いんだ。ハマも平和になったし、
もうチーム組んで身を守る必要もないさ。それより喜べよ、一日警察署長で族の
解散式が出来るなんてハクがつくだろ?)」ニヤリ
早苗「(面倒な仕事を増やしてくれるわね。そんなの地元の警察署でやりなさいよ。
ホントにあんた達はバカなんだから……)」ガシッ
ピーポ(レナ)「(あれ?早苗さん、もしかして泣いてる……?)」チラッ
早苗「よーしっ!! あんたら今更取り消しとかナシだからね!! 署内に会場準備して、カメラ
入れてきっちり解散式やってあげるから覚悟しなさいよ!! 」グス
拓海「へっ、上等だぜ。アタシらの最後の晴れ舞台きっちり撮ってくれよ?」ニヤリ
総長「よォし!お前らも準備しろォッ!! 単車邪魔にならねえ場所に集めとけっ!! 」パンパン
レディース「「「「「「「「「「 押忍!!!!!! 」」」」」」」」」」×5 ダダダダダダダダダッ
早苗「私達も大急ぎで準備よ!! もう夕方だし、ちゃちゃっとやらないと夜になるわ!!
総員全力で任務に当たれ—————っ!! 」
機動隊「「「「「「「「「「 了解しました片桐署長!! 」」」」」」」」」」×10 ダダダダダダッ
ピーポ(レナ)「(よし、それじゃあ私もピーポちゃんとして最後まで気合を入れて……
あれ?何か忘れてるような……)」
早苗「私達も大急ぎで準備よ!! もう夕方だし、ちゃちゃっとやらないと夜になるわ!!
総員全力で任務に当たれ—————っ!! 」
機動隊「「「「「「「「「「 了解しました片桐署長!! 」」」」」」」」」」×10 ダダダダダダッ
ピーポ(レナ)「(よし、それじゃあ私もピーポちゃんとして最後まで気合を入れて……
あれ?でも何か忘れてるような……)」
—翌日夜・ダーツバーにて—
真奈美「で、そのおかげでお前のカジノPRは無くなったんだな」サラリ
菜々「で、でもピーポちゃんの中に入ってたんですよね?ほら、新聞にも早苗さんの横に
ちゃんと写ってるじゃないですか!! 」アセアセ
レナ「いいのよ菜々ちゃん……そこに写ってるのはアイドル兵藤レナじゃなくて、警察
マスコットのピーポちゃんよ…… あの日あの場所に私はいなかったの……」ズーン
真奈美「そう落ち込むな。都庁はまだカジノ誘致活動を続けているし、また仕事はあるさ。
今回は被り物の仕事だったと割り切った方が楽だぞ」
レナ「それもそうね。早苗さんも警察の後輩や拓海ちゃん達に会って嬉しそうだったし。
よしっ!この件はさっさと忘れよう!もっかい乾杯!」
レナ・真奈美・菜々「「「カンパーイ!」」」カチン
———
真奈美「しかし改めて早苗さんの度胸と懐の深さには驚かされるな。強引に物事を進めて
いるように見えて、後できっちりバランスを取っている。かなり大雑把だが、
警察組織ではああいうやり方の方が良いのかもな」
レナ「こっちは終始ハラハラしてたけどね。私よりギャンブル向いてるかもしれないわよ
あの人。ロシアンルーレットも笑顔で一気に3発ぐらい引き金引きそうだし」
菜々「心臓に毛が生えてるってレベルじゃないですよそれ。でもレナさん達のグループの
リーダーって早苗さんじゃないんですよね?なんだか不思議です」グビ
レナ「私達は礼子さん達とか瑞樹さん達の所みたいに特にリーダーとかいないからね。
なんとな〜く集まって、なんとな〜くバランスが取れてる感じよね?」
真奈美「そうだな。大体はレナと早苗さんがけん引役で私と夏美が調整役になるが、今回
みたいにレナが調整役になったり私が意見をまとめる事もある。夏美はCAらしく
あちこち飛び回ってるし、基本はフリーダムだな」
レナ「早苗さんにお説教される事もあるよね。酒癖はあまり良くないけど、ああ見えて
あの人結構常識人だし」ケラケラ
真奈美「それはお前と夏美だけだろう。まぁ私達は前職が少々特殊なメンバーが多いから
こうなるのかもしれん。菜々さんもいつでも歓迎するぞ。ただしまずは早苗さん
に本当の年齢を申告しなければいけないが」ニヤリ
菜々「うう…… 今まで守ってきたウサミン星人の設定を自ら崩すわけには……」グヌヌ
レナ「早苗さんならとっくに気付いているかもね。菜々ちゃんもそのうち一緒に飲める日
が来るでしょう。それまでは私達と瞳子で我慢しなさい」グビ
菜々「いえいえ。レナさん達とこうして飲むのも楽しいですよ」ニコッ
真奈美・レナ((ええ子や……))ホロリ
レナ「よしっ!それじゃもっかいカンパイしよっか!官公庁の仕事なら、次は総理大臣
あたりから仕事が来ますように!カンパ—————…………」
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