完全オリジナル。タイトルで誤解したなら申し訳ない。思いつかなくて聞いたことあるやつを適当にくっつけた。
笑いナシ、涙ナシ、エロいのみ。
18歳未満は回れ右のド変態エロSS。
誤字、脱字はご愛嬌。その辺は脳内補完よろちくび。
※初心者なので生温かい目で見守って下さい。御指摘、御感想は遠慮なくどぞ。
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長く退屈な講義が終わり、ようやく訪れた解放感に背伸びをして息を吐く。
広い教室を見渡すと、みんなそれぞれ思い思いの場所に集まったり、教室を出ていく奴だったり様々だ。
――って、なにしてるんだ?あいつ。
出入り口のところでこちらに向かって小さく手を振っている見知った顔に気付き、俺は視線止めた。
いつまで経っても入ってくる気配がなかったので仕方なく立ち上がる。
そこまで行くと、そいつはにこにこ笑っていた。
「なにしてんの?講義終わってんだから入ってくればいいじゃん」
「そうなんですけど、なんとなく入りにくくて」
「そっか。取りあえず、ここに居ると邪魔になるから歩きながら話そ」
通行の妨げになる前にこの場を離れる事を提案し、背中に手を添えて歩くのを促した。
「え?あ、あの…っ」
「なに、話あんでしょ?違うの?」
突然慌てふためくので怪訝そうに眉を顰める。
「は…はい。あります……」
チラチラと上目がちに俺の顔を窺うそいつ。
俺が目配せをして先を促したら物凄い早さで逸らされた。結構傷つくんですけど。
「今日の柳田ゼミ、どうするのかなと思って」
言われてはじめて自分がゼミの事を綺麗さっぱり失念していた事に気付く。
人は忘れる生き物だ。
日々過ぎ去っていく月日の中で、少しずつ過去の出来事を忘却し、前に進んでゆく。
だから。
だから、俺は未だに立ち止まっているのだろう。七年前のあの日から、ずっと同じ場所に。
俺には忘れられない思い出がある。
誰しも、そういうものの一つや二つあるのだろうけれど、俺の場合は少し特殊だった。
と言うのも、中学の頃肉体関係を結んだ先生がいて、忘れられない思い出というのは、その人と過ごした二年余りの時間の事だからだ。
倉本未織。
美人と言うよりも、むしろ、地味で野暮ったく、大人しいその先生は、授業中、誰も話なんか聞いていないのに一人ボソボソと喋りながら授業を進めるだけで、注意をするということがなかった。
そのせいで生徒から完全にナメられており、毎回やりたい放題だった。
歳も28と割合若く、それも一つの原因だったのかもしれない。
そういう背景もあって、その日も授業そっちのけで友達と話していたのだけれど、その内の一人が、黒板に何か描きながら説明している先生を見て、ニヤニヤしつつ言った。
「倉本ってさ、頼んだら案外簡単にヤらせてくれるんじゃね?」
「んなわけねーだろ。つかネクラモトとか、お前どんだけ飢えてんだよ。なあ?」
彼女持ちの友達は、そんな風に笑い飛ばしながら俺に同意を求めてきたので改めて先生の後ろ姿を眺める。
やはり、ちっとも色気を感じなかった。
女性らしさを感じさせない貧相なライン。スレンダーと言えば聞こえはいいけれど、かき立てられる物はなかった。
しかし、盛っていた友達は鼻息を荒くして反論する。
「あんな奴でも服の下にはマ○コがあるんだぜ?」
もう一人の友達は、穴があれば誰でもいいのかよ、と。相変わらず笑っていたけれど、それ聞いた俺は生々しく思いつつも少し興奮していた。
それから結局収まりがつかなくなって悪ノリが続いた末、ジャンケンで負けた奴が放課後頼んでみることになった。
放課後、ジャンケンに負けた俺は行きたくもない職員室に向かった。
扉の前でしばらく躊躇した後、思い切って開く。
「倉本先生はいらっしゃいますか?」
職員室の中の教員達に訊ねると、美術準備室に居る、だそうだ。
一瞬このまま帰ろうかとも思ったが、俺は頭を下げて職員室を後にし、美術準備室に向かうことにした。この時既に淡い期待を抱いていたんだと思う。
美術室内の奥、そこに準備室はある。
物凄く緊張しながら控えめにドアを叩いた。
中から、すごく細い声で「…はい」と聞こえてきた時は正直走って逃げようかと思った。うわ、マジで居たよ!みたいな。でも、好奇心と下心が勝って結局ドアを開けて中に入った。
「し、失礼します」
途端にカビと油絵の具の匂いが鼻をついた。五畳くらいの狭い室内は石膏や画材でぐちゃぐちゃ。お世辞にも片付いているとは言えなかった。そんな中、先生は奥の机で何かに目を通しているようだったが、俺が言葉を発せないでいると、やがて顔をあげた。
「…なにか用ですか?」
先生の声はやっぱり蚊のなくような声で、よくこんなんで教師やれてるなと思った。
「な、なんで敬語?wいいよ、タメ口で」
俺は緊張で固まりそうな喉を和らげるように、わざとおどけて言った。
「……」
「って、俺が偉そうにタメ口きくなって話しですよね、すみまs」
「そのままでいいですよ…そういうの、あまり気にならないので…」
先生はそういって俯くなり、再び手元の何かに目を通しはじめた。よく見るとそれは生徒が描いた絵だった。
「そんなんだからナメられるんだよ」
誰に対してかはわからない。でも、なんとなく腹立たしかった。
「……」
「じゃあ、先生も敬語禁止で」
「……あの、要件はなんですか?」
「……」
「要件はなに…?」
言い直した先生が妙に可愛かった。
要件、それは一つしかない。
先生、あなたは俺がヤらせてと頼めば股を開いて受け入れてくれますか?
そう訊ねるだけ。
「あのさ、先生…」
「先生って彼氏いるの?」
意気地のない俺がいきなり訊けるはずもなく、投げたのは変化球。でも、これでもいきなり訊くのは不躾だってことくらい、当時ガキだった俺でもわかった。なのに先生は嫌な顔一つせず…(正確には俯いていたので見えなかったが)
「…ううん、いないけど」
「寂しくないわけ?」
「…特には」
「いつ頃からいないの?」
「…八年くらい」
「前?」
「…うん」
「じゃあ、先生さ…欲求不満なんじゃない?」
喉の奥がチリチリと痛むなか、自分でもよくわかっていない単語を吐いた。
顔を上げる先生。光の具合で表情まではわからない。
「俺がヤらせてって言ったらヤらせてくれる?」
その言葉は信じられないほどすんなりと俺の口から零れた。
頭の中は真っ白で、やけに心臓の音がうるさく感じるけれど不思議と後悔はなかった。
椅子に座ったまま微動だにしない先生に歩み寄ると、先生は呆然とした様子で俺の顔を見上げてきた。
ふわっとした長いスカートの下で先生の脚が何かを拒むように微かに、けれど確実に動いた。その艶めかしさに俺は昼間の友達の言葉を思い出す。ああ、そうか。先生にもアソコはあるんだ。そう思った瞬間、どうしようもなく興奮した。
「先生っ…俺……ッ!」
細い手首を掴んで覆い被さるようにして机に押し倒すと、さっきまで先生が目を通していた絵がバラバラと舞った。
「嫌…っ」
短い悲鳴を上げる先生には構わず、俺はブラウスの前を力任せに開いた。ブチブチと音をたてて弾ける釦。白い肌と淡いピンクのブラに包まれた控え目な胸が、視界に飛び込んできた。
そこから先は、いまいちはっきりと覚えてない。体中舐めたり触ったりしながら「先生ごめん」って謝り続けてたらしい。
そんな中、印象的だったことが一つある。強ばってた先生の体から、ある時フッと力が抜けて、それまで緩く続いていた抵抗がなくなった瞬間だ。
不思議に思って顔を覗き込むと先生は困った様な表情のまま横を向いて、脚をほんの少しだけ開いてくれた。
全てを許された気がした。
俺は逸る気持ちを抑えきれず、濡れているかなんて確認することなく、すでに痛いほど勃起していた陰茎を膣内へ捻じ込んだ。
「んぅ…っ」と、鼻にかかった声を上げながら背を反らす先生。その甘ったるい声は肉棒を更に奥へと誘うのに充分過ぎる材料だった。
そうして根元まで挿入しきり、膣内の温かさ、生々しさにブルリと腰が震えた。
「入った…俺のが…先生のナカに」
じっとしてなどいられない。
自然と腰は動いた。
はじめてのピストンはぎこちなく、それでも夢中で何度も打ち付けるうち、徐々にそれは形になっていった。
止まる事なく何度も何度も抉った。先生の膣中を往復するたび、陰茎の付け根辺りに鈍い射精感が募ってゆく。
交尾と言った方が適当に思えるほど、本能的かつ一方的で乱暴なその行為の最中、華奢な先生は必死に耐えているようだった。
「んっ、んんッ…はあ、はあっ…」
「先生っ……せん、せ…ッ、俺……もう」
「ナカは…だめ…っ」
射精間近であることを知った先生は二の腕を掴むなり、息も絶え絶えに制止の声を上げた。
「嫌だ…っ、ナカがいい…抜きたくない…中出ししたいよ…!」
自分でも気持ち悪いくらい甘えた声だった。
「……っ」
「はぁ、はぁっ…先生…?」
先生はおもむろに俺の腰に脚を絡めて離れられない様にすると、目を見つめながら小さく頷いて、その細い腕を俺の首に回した。
口許が動く。声は聞こえなかったけれど、なんて言ったのかはわかった。
そのまま俺達は抱き合ったまま、俺は欲望を先生のナカに吐き出し、先生はそれを黙って受け止めてくれた。
今まで感じた事のない快感と長い射精の余韻に浸っているとドアの向こう――美術室から声が聞こえてきた。
俺の腕の中で先生の肩が震えるのがわかった。
「暑かったね?」
「この時期のスケッチはつらいねー」
「みゆぅ(みう?)、早くしろ?」
「ごめーん、確かこの辺に…」
複数の女子の声。俺が目配せで訊ねたら、先生は「美術部の子…」と、いつにも増して小さな声で教えてくれた。
話によれば野外スケッチに行かせていたらしく、本来部活が終わる18時まで戻って来る事はないと言う。壁に掛けてある時計で時刻を確認すると17時を過ぎたところだった。
なんてタイミングで戻ってくるんだよ、と心の中で毒づきながら俺は息を潜める。
「あれー?先生いないよ?」
「ほんとだー。職員室かな」
まずい。
立ち上がって乱れた服を直そうとも考えたが先生に止められ、そこで彼女のブラウスの前が派手にはだけているのに気付いた。そうだ、俺が力任せに脱がせたから…。
「あ!こっちじゃない?」
そんな科白とともに一つの足音が俺達の居る準備室へと近付いてきた。
当然、鍵は――かかっていない。最初ここに来たとき、こんな事になるなんて思ってなかった。
きつく両目を瞑って俺の制服を掴んでる先生の手が震えている。どこか冷静な頭で、大人のくせに頼りにならないな、なんてヒドい事を考えながら抱き締める腕に力を込めた。
やがてドアノブに手をかけ、回す音が。
「エッコぉ、もう行くよー」
「あっ、待って待って!」
声は次第に遠ざかっていき、やがて人の気配がなくなった。
「もう平気みたい」
俺が安堵の息まじりにそう言うと、血の気が失せ、白くなるほど強く制服を掴んでいた先生の手が離れてしまい、俺は少しだけ寂しさを覚えた。
先生ってこんなに小さかったっけ。
背中をさすりながらそんな事を考える。
「ありがと…」
「ん?」
「もうダメだって思ったとき…抱き締めてくれたから…」
少しだけ不安が和らいだ、と。
はにかみながら先生は言った。
相変わらず声は小さくて聞き取り辛かったけれど、その言葉は驚くくらいストンと俺の心に落ちてきて、だから、素直に嬉しいと思えた。なんだ、笑うと可愛いじゃんか。
「ねえ、先生?」
カビと絵の具の匂いで一杯だったはずの部屋は、いつの間にか女の匂いを微かに孕んでいて。
「服、どうしようか?」
気を抜くとまた求めてしまいそうな自分を抑えるために、そんな言葉を吐いた。
セリフと地の文の行間を空けると読みやすくなります
>>11
御指摘感謝です!
右も左もわからない初心者なので大変助かります
あの日を境に先生との関係は変わった。
職員室にも居場所がなく、先生がいつも1人で昼食をとっていると知った俺は、毎日お昼になると弁当を持って準備室に行き、一緒に食べた。当然、友達からは怪しまれたが適当に誤魔化してやり過ごした。もちろん先生との一件も話せる筈もなく、あの罰ゲームは土壇場でビビって言えなかった事にした。
そして、放課後。
「先生…っ…裏筋とかも…」
「…ん」
柔らかく熱い舌が要求通り亀頭の裏側を這うと、あまりの気持ち良さに腰が引けた。湿った音が室内に響く。
ここって学校なんだよな。
そんな当たり前のことを考えながら視線を落としたら、先生が俺の顔をじぃっと見上げていた。
「っ、はあ…はあ…なに?俺の顔になんかついてる?」
先生は小さく首を横に振ってはにかんだ。
「ううん…ただ、気持ちよさそうだなって」
唾液が糸を引いて彼女の薄い唇と俺の陰茎を結んでいる。先生はその白くて長い綺麗な指で優しく慈しむように亀頭を撫でながら言葉を続けた。
「…私、君のそういう表情を見るの……すき」
本当は嬉しいのに。飛び上がりたいほど嬉しいはずなのに、照れくさくなった俺は意地悪を言った。
「なんだよ、それ。黙ってずっと見てたのはズルくない?俺だって先生の感じてる顔好きなのに」
「え…?」
「先生俺とシてるとき恥ずかしがって顔隠すじゃん。そんなの不公平だと思います」
「だって、それは……ほんとに、はずかしくて…」
途端に困った顔で一生懸命弁解しようとする先生。こうなる前は気付かなかったけれど、彼女は思っていたよりずっと表情豊かで、ずっとずっと可愛かった。
「恥ずかしいのは俺も同じだよ。だからさ、先生……今度美術の時間の時に――」
そして、やってきた美術の時間。いつも通り誰も聞いちゃいないのに、先生は律儀に黒板を使って説明していた。
「で、ですから、ここは…」
ほとんど聞き取れないくらいの声量だったが、注意深く聞くとその端々は震えているのがわかる。俺との約束通り、ちゃんと仕込んでるみたいだ。
「先生ーっ、なに言ってるか聞こえませーん」
挙手をして煽る。
いつも後ろに座って友達とダベっていた俺も、今日だけは一番前の席を陣取り、先生の反応を一つも見逃さないよう目を光らせていた。
「おい、あんま先生いじめんなよー」
友達が野次を飛ばすと一気に皆の視線が先生と俺に集中し、どっと笑いが起きた。
先生、どう?みんな先生のこと見てるんだよ?
そうやって俺が心の中でほくそ笑んでいたら、口許をキュッと結んだ先生が恨めしそうに睨んできた。その頬は僅かに上気しているように見える。
§
「今度美術の時間の時に、パンツ穿かないでアソコにローター入れたまま授業やってよ」
俺の言葉に信じられないといった様子で目を見開いた先生は、顔を伏せて子供がイヤイヤをするように首を振った。
「そんなの…っ、無理…できない」
「この通りっ!俺、授業中に先生が感じてるとこ見たいんだ」
そう言って顔の前で手を合わせながら頭を下げる。それでも今回の先生は頑なだった。
まあ、そりゃそうだ。自分でも現実離れした突飛な頼みだと思う。
だけど…
「恥ずかしいなら顔に出ないように我慢すればいいじゃん、ね?」
「…でも」
先生は縋るような目で俺を見上げ言葉を濁した。
今にも泣いてしまいそうなほど沈痛なその面持ちは、しかし、俺の嗜虐心を擽るだけだった。
「こんなこと頼めるの先生だけだから……お願い」
「……」
その一言が決め手となったのか、その後のキスがそうだったのか、それを知る術はないけれど、先生はうなだれたまま弱々しく肯いてくれた。
§
「睨む前にちゃんと聞こえるように説明してよ」
「そうだよねー。先生なんて言ってるのか全然聞こえないし」
「てか、今まで説明してたんだ?って話だよねww」
俺の言葉を皮切りに言いたい放題のクラスメイトたち。既に教室中の注目が先生1人に集中していた。
「……っ」
衆目に晒された先生を注意深く観察すると膝が震えている事に気付く。頬の朱もさっきより濃く、一層上気しているようだった。
「ちょ、先生具合でも悪いんですか?大丈夫ですかっ?」
俺の後ろに座っていた女子が声を上げた。
指摘された先生の顔は瞬く間に青ざめ、今にもその場にへたり込んでしまいそうだ。
まずい、追い詰めるのはいいけれどバレるのは駄目だ。
「ねえ、ちょっと待って!みんな静かにして!…なんか聞こえない?」
更にローターの振動音に気づいた女子まで出てきた。
「や…ぁ、だめぇ…」
小さな喘ぎ声と共にブルッと震える先生。表情はどんどん虚ろになり、立っているのがやっとといった感じだった。
その時――
キーンコーンカーンコーン。
授業終了を報せるチャイムが鳴り響いた。耳障りな音だったが、これ幸いと俺は畳み掛ける。
「悪い悪い!俺のケータイだわ。前から思ってたんだけどコイツのバイブ激しすぎ。ポケットに入れてて感じたっつーの!」
「なにそれサイアクー」
俺が携帯を掲げながらボケると、みんなは笑って席を立ち、美術室を後にし始めた。
その内の数人の女子が本気で先生を心配して彼女のもとに集まって来たけれど、俺が保健室に連れて行くと断りを入れ、教室に帰した。
「はあ…危なかったぁ」
安堵したのも束の間、準備室に入るなり、先生は手当たり次第に絵筆やキャンバスを俺に向かって投げて来た。
「ちょっ、先生!危ないって!」
「――っ」
飛来物をかいくぐり何とか距離を縮めた俺は、今まさに投げようと振りかぶった彼女の手を掴んで制止させる。
「ごめん、怖かったよね?」
「……」
俯いていた先生がゆっくり顔を上げると、その目尻には涙が浮かんでいた。それを見た瞬間、俺は物凄い罪悪感に襲われて、深々と頭を下げる。
こんな筈じゃなかった。
ちょっとしたスリルを味わったあとに、やっぱり先生の感じてる顔は俺が独り占めしたい、とか、そんなノロケを言ながら拗ねる先生を宥めて、そのあとは――。
「本当にごめんっ!俺、こんな大事になるなんて思ってなくて――」
心からの謝罪だった。けれど、そんなものには何の意味もなく。
「怖かった…ほんとに怖くて……」
言葉通り先生の声は可哀相なくらい震えていて、だから、不意に背中に置かれた手まで震えていたときは、唇を噛んで自分の愚かさを呪った。
「…もう二度と……こんなこと、しないで……」
嗚咽混じりに吐き出され、ズシリと俺の心にのし掛かったその言葉は、罪深さを思い知らされると同時に次の言葉を詰まらせ。
だから、こうして頭を下げたまま黙って肯くしかなかった。
「…次の授業…はじまるよ…?」
「……」
上から降ってきた心配する先生の声にチクリと胸が痛む。
あれだけの事をしておいて、傷付けた相手の腕の中にいる俺は何なのだろう。
後頭部に当たる二つの膨らみや、優しい匂いを堪能している時点で、そんな事を言っても説得力はないけれど。
激しい自己嫌悪と自責の念。とても授業なんか受ける気になれなかった俺は、そのまま準備室に残った。
それで、本気で落ち込んでいる俺を見かねた先生が慰める為にこうして抱き締めてくれて。これが、座った状態で後ろから抱き抱えられているこの事態の顛末だ。
「ごめん…」
「ううん…もういいよ」
本日何度目かの謝罪の言葉に――とっくに効果なんて薄れきった、そんな謝罪なのに。先生は苦笑すると優しく頭を撫でてくれた。
「怖かったって……言ったよね、私…」
「え?…うん」
「…みんなにバレるのが、っていうのは勿論だけど……もうひとつ怖かったことがあって…」
彼女は一度そこで言葉を区切り、再び吶々と語りはじめた。
「それは…君に責められたこと…」
意外な言葉に俺は先生の顔を見上げた。というか、それって結局全部俺が悪いって事なんじゃ?とか思ったりしたが、どうもそういう訳ではないらしく。
そこから紡がれた先生の言葉は辿々しくて、とても成人した大人の言葉とは思えないほど稚拙だったけれど、それでも懸命に伝えようとしていた。
要約すると、今までの自分は誰に何と責められようと気にした事などなかったが、俺から責められた途端に今まで感じた事のないような不安や恐怖に苛まれて、急に1人であることが怖ろしくなった。
それは、心のどこかで俺を支えにしていた部分があり、何かあっても俺が助けてくれる、俺だけは自分の味方でいてくれる、と無自覚ながら思い込んでいた事に原因があると…
「…ああ、私…こんなに君に依存してたんだ、って…そのとき思い知ったの…」
だから。
だから、そんな存在を失うことが怖くてたまらなかった。誰かの傍にいる心地良さを知ってしまったあとで1人に戻るのが――
「怖くてたまらなかった…」
「うん……たった2ヶ月と少しなのに…君の隣は本当に居心地がいいみたい…」
「先生…」
切なくて胸が詰まるという感覚を、俺はこの時はじめて知った。
そして、どちらからともなく唇を重ねた。
こんな時、男はヒドく自分勝手だと思う。
よく、喧嘩のあとの行為は燃えるなんて事を耳にするが、今感じているこの想いは、それに近い何かがあるのかもしれない。
「ぁ、ん…っ、今日…触り方とかすごく優しい…どうしたの…?」
先生は不思議そうに俺を見て、熱っぽい吐息混じりにそう言った。
「わかんない。でも、今日はなんだか先生のこと……すごく大切にしたいって言うか」
そんな曖昧な言葉で誤魔化した俺は首筋から鎖骨にかけて口付けを落としながら胸、お腹、内もも、秘部の順に右手を滑らせていく。吸い付く様な先生の柔肌は触っているだけで充分に心地良かった。
「はあ…はあ…んンっ」
「先生のここ、もうトロトロだね。触る前からどうしてこんなに濡れてるの?」
「……ッ」
先生が首を横に振る。
言いたくない、という分かり易い意思表示。普段なら意地でも言わせるところだが、今日はイジメたいという思いより、愛でてあげたい気持ちが勝っていた。
「そっか、言いたくないんだ?なら仕方ないね」
俺があっさり引き下がると先生は「?」って顔をしつつ、どこか寂しそうに見つめてきた。
割れ目に沿って指を何度も往復させる内に愛液は止め処なく溢れだし、やがて淫靡な水音が洩れはじめる。
「ぁっ…んうっ…」
確かに感じてはいるものの、いつもであれば足腰が立たなくなるほど指で膣を掻き混ぜている頃だ。入り口を撫でられるだけのそれはもどかしいのだろう、意識的か無意識なのか、先生の腰が自ら快楽を求めるように動きだした。
「はあ…はぁ…ぁん…っ」
しかし、多少得られる快感が増したところで彼女にとって大差はないらしく。いくら懸命に腰を揺すったところで決定的な快楽が与えてもらえない実状に甘い喘ぎは次第に涙声になり、先生はついに不満を零した。
「やあッ…やだやだぁ……もっと気持ちよくして…っ、なんで…?いつも、じゅぷじゅぷってしてくれるのにぃ…っ」
言葉とは裏腹に秘部からは大量の愛液が溢れ、俺の手はふやけてしまう程まみれていた。
おつ
完結期待
>>18
ありがとー
完結目指してがんがる
「いつからそんなにエッチになったのさ。でも、そっか…先生は優しくされるよりイジメてほしい変態なんだね」
わざと淫乱振りを自覚させるような科白を吐いて、俺は中指と薬指を徐々に膣内へ沈めていった。
肉壁は少しでも早く奥に導こうと蠢動するが、それに逆らう様にゆっくり、ゆっくりと。
「あっ…ああ…っ――ひッ」
先生は俺の言葉を否定するのも忘れて、漸く与えられた自分の内側を埋める快感に表情を蕩けさせたなら天井を仰ぎながらブルブルと腰を震わせ、達した。
「軽くイッちゃった?」
「…っ、はぁ、はぁっ…ん…うん…」
甘える様に身体を摺り寄せ、ギュッとしがみつきながら肯く先生。
焦らせば焦らすほど感度が増し、敏感になるのは、これまでの先生とのセックスで学習していたけれど、まさか指を入れただけで…
「女の人は雰囲気や頭で感じるって話、なんとなくだけど納得したよ」
「…ばか」
顔は相変わらず俺の胸元に押し付けられており表情まで窺い知ることは出来なかったが、声ははっきりと拗ねていて、だから、そんな先生を愛おしいと思えた。
すっかり効果が失せた謝罪の代わりに頭を撫でる。けれど、彼女はそんな俺の手をするりと抜けて上体を起こすと
「…今度は私のばん」
そう言って肉棹にキスをした。
「この2ヶ月で先生と何回セックスしたんだろ」
ねっとりと舌を絡め、陰茎全体に唾液を塗り付けるようにしてしゃぶる先生の頭を撫でつつ、ふと疑問に思ったことを口にする。
「ん…わはんない…」
わずかに思案する素振りを見せたあと銜えたまま先生が答えたため、微妙な振動が肉棹に伝わり、心地よかった。
「1日1回はしてるよね?それも、ほぼ毎日。部活の関係で放課後出来ないときもあるけど、そういう時はお昼にしてるし……多い時は3回とか」
単純計算で40回以上。
我ながらすごいと思う。
付き合ってくれる先生も先生だけど。
考えてみると、あの日無理矢理先生のことを犯してから今日まで、断られた記憶がない。
俺がしたいと言えば彼女は必ず受け入れてくれた。
「先生はツラくない?気分が乗らなかったり嫌な時は言っていいんだよ?」
フェラチオに没頭していた先生は「ん?」と疑問符を浮かべたあと銜えていた亀頭から口を離した。
「…べつに嫌じゃないよ……求められるのはうれしいし…。それに――」
「エッチは嫌いじゃない?」
「……」
僕が続く言葉を奪い、訊ねたら、しばらく狼狽してから先生は小さく肯いた。
「前は全然そんなことなくて……と言うか、むしろ嫌いだったけど…」
俺の胸元に手を添えて、そのまま力を加えソファーに押し倒すと、身体を密着させるようにして覆い被さる先生。
そうして胸元に置いていた手を滑らせ俺の頬に触れた彼女はぽつりと零した。
「今は……すき」
気持ちのいい言葉。
それだけで気分が高揚するような、そんな言葉。
先生の想いを感じとることができたんだ。驕り高ぶるなという方が無理な話である。
そう、俺は慢心していた。
この言葉の裏にはそんな単純なものではなく、他の意味を含んでいて、根っこはもっと深い場所にあったのだけれど14歳のガキがそんな真意に気付けるわけもなく、ただ言葉を表面的に受け止め、わかった気になっていただけだった。
でも、その事実を知るのはずっと後の事で、それはまた別の話になる。
とにかく、その時は嬉しくて先生から視線を外せずにいた俺は陰茎が熱い何かに包み込まれる感覚に、それはもう見事に面食らった。
「うあ…っ!?」
「んッ……はあぁ…」
鼻にかかった甘い声を洩らしたあと長く息を吐いた先生は熱に浮かされたような目で俺を見つめながら添えていた手――親指で頬を撫でた。
ああ、そうか。先生が腰を落としたから入ってるんだ、今。
身体中が密着しているため、文字通り全身で先生を感じているんだろう。繋がってる感が半端じゃない。
「くっつくのって……こんなに気持ちいいんだね…」
「あっ、俺も今同じこと考えてた」
「…重くない?」
「うん、全然平気。先生のナカもあったかくて快適」
こういうこと気にするところとか、本当に可愛いなって思う。
「…私もね…こうして繋がったままじっとしてると、すごくわかる…」
「なにが?」
「え?あ…ううん、なんでもない」
「なになに?途中でやめられたら気になるじゃん」
「はずかしい、から…」
「もう充分恥ずかしいことしてると思うんだけど」
うーん。女の人の羞じらいポイントはよくわからない。
「……」
「先生?」
「……かたち…とか…」
「チンコの?」
「…うん」
本当に恥ずかしかった!
と言うか、時々びっくりするくらい大胆な事言うな、この人。
「…引いてる」
「え?!そ、そんな事ないって!」
「嘘。ぜったい引いてたよ…」
そう言って先生は本気で落ち込んだように目を伏せた。
上手く弁解できそうになかったので話題を変える事にする。それは、わりと切実な懸案事項であり、是非ともはっきりさせておきたい事だった。
「そろそろ動いてもいい?生殺しで結構ツラいんだよね」
「…だめ」
返ってきた意外な答え。
これは本当に怒らせてしまったか?
「私の番だから……君は動いちゃだめ」
じわりと持ち上がる腰。
途端に肉棹を包んでいた別の体温が失くなり、外気に晒されたそれは切なく疼いた。
思わずお尻を掴んで元に戻してしまいたくなる。さっきまで当たり前になっていた彼女の中は、それほど心地よかったのだ。
不意に。
慈しむような目で俺を見つめていた先生が口を開いた。
「物欲しそうな顔……私のナカが恋しい…?」
「せっ、先生、俺っ――」
「うん、わかってる……私も君のが恋しい…あんなに深く繋がっていたんだもの……こうして離れたら、まるで自分の一部が欠けちゃったみたい…」
そう言って切な気に眉根を寄せる先生。熱を帯びた視線を絡め合い、お互いの息が乱れはじめ、言葉を交わす代わりに唇を重ね、啄むように何度も何度も離しては押し付け、そうして少しずつ理性という皮を剥ぎ取っていく。
待ちわびた感触は突然だった。
ズプリ、と。
亀頭が膣口を押し広げ、肉襞を通過する感覚が否応なしに思考をショートさせる。
チカチカと明滅を繰り返す視界。
自分の意思とは関係なく、その過ぎた快楽に肉棒は打ち震えた。
「――ッ」
「っ、はぁ…すごい……入れただけなのに…ビクビクって…」
すぐにでも突き上げたかった。
愛液を垂れ流す淫らな肉壷を気が済むまで滅茶苦茶に。けれど先生が腰を押し付け、体重を掛けている為それは叶わない。
もどかしさと焦燥だけが、ただただ募った。
「先生ぇ…お願いだから動かせてよ…じゃないと、俺…っ」
恥も外聞も捨てて懇願する。
そこに自尊心など欠片もない。
快楽に終わりのない女性と違って男には射精という明確なゴールがある。この状況下で、そのわかりやすさが返って仇となっていた。
あと一歩踏み込めばそこに至る事ができるという確信。
目の前に餌をチラつかされ、懸命に踏み出そうとするが先に進めないもどかしさ。
今にも気が触れてしまいそうだというのに、しかし、先生は許してくれなかった。
「だめ…今日はずっとこのまま…」
それはまるで死刑宣告だった。
冷静に考えればそんな事は無理だとわかったのだろうけれど、そんな余裕も思考能力も今の俺には残っていない。
「いやだ…嫌だよっ…なんでもするから…っ、だから!」
必死に張り上げた声は情けないほど震え、ぐにゃりと視界が歪む。
そんな俺の顔を見て、先生はヒクヒクと口角を震わせながら口を開いた。
「……どうしても… どうしても…イきたい…? 私のナカに擦り付けて…思いきり…びゅーってしたい…?」
「…ッ」
込み上げてくる嗚咽が邪魔をして上手く言葉に出来なかった俺は、これ以上無様な声を聞かれないように強く口を結び、何度も肯く。
「っ…泣かないで…?ごめんね……そんなにツラかったんだね…。もう意地悪は言わないから……いっぱい出していいから――ね?」
幼い子をあやすように。
先生は俺を胸に抱いて優しく頭を撫でてくれた。
ようやく得た赦し。
柔らかい臀部を、それこそ形が変わるくらいの力で掴んだ俺が下から激しく突き上げると、そのたびに肌と肌がぶつかる乾いた音が狭い室内に響き渡り、下がってきた子宮の入り口を亀頭が叩いた。
やがて喘ぎ声の感覚が短くなり、先生が二度目の絶頂を迎える時、俺は最初の射精に至った。
「――っ」
「ひっ、ああ……で、てる………あついの……たく…さん」
恍惚とした表情で膣中に注がれる子種汁の感触に浸る先生の腰は絶頂の余韻でガクガクと震えていて、何とか膝立ちになって肉棒を抜こうとするも上手くいかず。
「あ、れ………っ、ちから、入らない……あれ」
「先生、もういいじゃんっ…このままシよ…?」
戸惑う先生の腕を掴んで引き寄せ、再び肌と肌を密着させるようにして身体を重ねたなら、まだ硬く屹立したままの肉棹を甘えるように膣肉に擦り付けた。
「やあっ……だめ…ッ、いま敏感になってる、からぁ…」
甘く、嗜虐心を擽る声。
そんなものを聞かされて我慢など出来るはずもなく。
俺が制止の言葉を無視して突き上げれば、あれほど焦がれていた彼女の中はそれを待っていたように襞の一つ一つを絡み付かせ、さながら二度目の射精を強請るかのごとく締め付けた。
奥へ捻じ込むたび結合部の隙間から愛液と白濁液が逆流して溢れ出し、俺に抱き締められ自由を奪われている先生は快楽の波から逃れられず全てを内側に溜め込み、そして――。
「――――――ッ」
唐突に。
先生の全身が強張り、それと同時に大量の潮が噴き出すのを下腹部で感じた。
「はぁ、はぁ…大丈夫?」
「ぁ…う……どうしよ……汚し…て…ごめん…なさい…っ、私…」
「そんなの気にしなくていいって。はじめてだよね、潮吹いたの。先生の中すごくヒクヒクしてる」
「…お願い、だから…すこしだけ休ませて……このまま続けたら…ほんとに…おかしく――」
焦点の定まっていない虚ろな目。
そんな彼女の言葉を遮るように俺はまだ挿れたままの肉棒で子宮口を軽く叩いた。その瞬間、顎を跳ねさせ、声にならない声を上げる先生。
「ほら、わかる?先生の子宮と俺のがキスしてんの。すごく下がってるからちょっと奥に挿れるだけでこうやって何度もキスできるよ」
「ひあ――――…ッ」
ノックするたびに膣内の痙攣は激しさを増し、ちょろちょろと潮の残滓が下腹部を濡らす。
俺は肉棹をそのままに体勢を変えて先生を下に組み敷くと寝後背位の形で思い切り膣中を抉った。
聞いたこともない悲鳴に近い喘ぎ声。
体力の続く限り俺は何度も腰をぶつけ、昇りつめれば堪える事なく中に吐き出し、引き抜いた愛液や子種汁でグチャグチャの肉棒を彼女にしゃぶって綺麗にして貰うと、その刺激で再び勃起したそれを膣に捻じ込み、そうして際限なく、貪るように先生の身体を求めた。
キーンコーンカーンコーン。
それは、放課後を報せるチャイムだった。
「はぁ、っく…イきそ。顔に出すね」
「んむっ…ぷは…ッ……うん」
口に含んでいた肉棒を抜いて上向いた顔の前で棹をシゴきながら舌を垂らす先生。
そんな卑猥な光景を眼下に眺めつつ俺は宣言通りの場所に精を放つ。最初のものに比べればだいぶサラサラしていて、けれど、粘つくそれは先生の肌に纏わり付いた。
射精後の何とも言えない解放感と満足感に浸りつつ白濁液を塗り付けるように頬に亀頭を擦り付ける。
結局、俺はあれから一度も教室には戻らなかった。
三限目が終わってから今まで五時間弱。その間ずっと、昼食も取らずに先生と交わっていた事になる。
五回目から先は数えるのをやめた。
雄と雌の匂いが充満した部屋。
たった二人だけのその部屋が、世界の全てのように思えた。
取りあえず一話はこれで終わりです。
文章が固くなりすぎないように気をつけてはいるんですが、読みづらくないでしょうか?
コロコロIDが変わっていますが、気にしないでください。住んでいる地域のせいみたいです。
乙
>>28
あざす
文うまくね?
クオリティやばいだろ
あと49話で最終回か…寂しくなるな…
これが天才か …
うまいと思うのはちんこがビンビンだから
>>32
サーセン上のは安価ミス
それアニメだったら4クールだよw
そんな気力もネタもない件
一応今書いてあるプロットでは五話で完結予定
あとはみんなの反応と俺の妄想力次第で増えたり減らしたりって感じかな
>>33
言いすぎ
でも、ありがとう
>>34
その言葉を待ってましたよ!
こういうの書いててなにが一番嬉しいってチ○コおっ勃つとかヌけるとか、そういう声だと思う
2:Good-bye sleeping beauty.
「海外はどう?」
桜並木の下を歩きながら舞い散る花びらに目を奪われていると不意にそんな言葉が耳を掠め、自然と私の意識は満開の桜から隣を歩く彼の方へと向く。
「ごめん、なんの話だっけ」
「やっぱり聞いてなかったか。そうじゃないかと思ったよ。未織、さっきから桜に夢中みたいだから」
言って、桜を見上げる敦也。
私もそんな彼につられて再び見上げれば鮮やかなピンクが目の前に広がっていて、誇らしげに咲き乱れるそれらは空の青を隠していた。
「たしかに綺麗だとは思うけど、毎日通ってるんだろ?」
敦也の言う通り、この並木道は私の通う大学まで続いていて、だから、毎日のように通ってはいるのだけれど。
「この道って一年の間にいろんな顔を見せてくれるの。その中でも、この時期のこの道が私は一番好き」
移ろう季節ごとに様々な顔を見せる並木道。
夏は燃えるような碧。
秋は憂いを帯びた赤。
冬は一面を覆う休息の白。
そして、春。なにもかも生まれ変わり、また生命が息を吹き返す、はじまりの季節。
この道が鮮やかなピンクを見せてくれるのは、一年という時間の中ではほんの一瞬のことで、それは最も短く、いちばん儚い。
だから私はきっとこの桜の下を通るたびに、こんな風に少しでも長くこの目に留めておきたいと思うのだろう。
「なるほど。さすがは美大生、平凡な俺らとは見えてる世界が違うってわけか」
「またそうやって茶化すんだから。そういうんじゃないってば。それより、なんの話だったの?」
「今度の週末は久しぶりに時間も合ったことだし旅行にでも行こうって話――だけど、未織はこの桜がよっぽど好きみたいだから今度のデートは桜としたらどうよ?案外想いが通じて咲いてる期間が延びるかもよ」
意地の悪い笑みを浮かべながら私の額を小突く彼にムッとしつつ、痛むおでこを両手でおさえる。
そこに。
ヒラヒラと。
風に撫でられ降ってきた一枚の花びらが彼の頭に落ちた。その様子を見ていて思わず口許が綻ぶ。
なんだか怒っているのも馬鹿らしくなって、私は敦也に「屈んで」と頼んだ。
「なんだよ、もしかして仕返し?」
「さあね。なんだろうね??」
含み笑いを零しながら目線の高さにきた彼の頭に乗っている花びらに手を伸ばし、掴むと。
「はい、正解は?…これでし―――」
突然。
柔らかい何かに唇を塞がれ、言葉を紡ぐことができなかった私は視界が捉えている敦也の長い睫毛を見て、ようやくこれがキスなのだと理解した。
「…もう桜はいいよ。ちゃんと俺のこと見て」
彼のその科白に黙って肯くと、もう一度寄せられる顔に私はそっと目を閉じた。
……………………………。
……………………。
……………。
ゆっくりと覚醒する意識――――彼の夢を見るのは何年振りだろう。
寝起きのぼんやりとした頭でそんな事を考えるが上手くいくはずもなく、途中で思考を止める。
この間まで暑くて寝苦しかったというのに、すっかり肌寒くなった朝。
そのひんやりとした冷たい空気から逃げるように毛布にくるまり、私は唇に触れる。
そこには彼と交わしたキスの感触が残っていた。
なぜか波線が「?」表記になる…ううむ
◆
「お前、どうしたんだよ」
「は?」
登校するなり俺の姿を見つけた友達は、わざわざ俺の席までやって来て主語の抜け落ちた言葉を口にしつつ詰め寄った。
ちなみに彼女がいる方である。
「昨日だよ、昨日。三限のあと戻って来なかったじゃねーか」
「あーそれね。べつになんでもないって。腹痛くなって保健室で休んでただけ」
「そか…ならいいけど。最近のお前付き合い悪りィし、なんかあったんかと思ってよ」
なるほど、また俺が悩んでるんじゃないかって心配してくれてるわけか。ほんと責任感が強いよな、こいつ。
以前、一度だけ。
昔から不仲だった俺の両親がいよいよ離婚するというところまできた時も、こいつ―――遼平はこんな風に心配してくれて、だから、なんとなく身内の恥みたいに思えて話しづらかった俺も自然と相談する事できた。
まあ、子供がどうこうしたところで何かが変わるはずもなく、結局のところ親は別れたのだけれど。
それでも、当時話せたことで随分楽になったのを覚えている。
これは後から聞かされたことだが、姉は父と一緒に家を出るとき俺のことを遼平に頼んだそうだ。
けれど。
「心配してくれてどーも。俺なら大丈夫だから。それよりさっきからこっち睨んでる彼女をどうにかした方がいいんじゃない?」
そう言って、本当に恐ろしい形相でこちらを睨んでいる女生徒を俺が指差すと遼平は顔を引きつらせた。
「やべっ…話途中だったの忘れてたわ。――じゃ、またな。あ、久しぶりに昼飯一緒に食うべ」
「うーい」
たぶん無理だけど、と。心の中で付け足す。
言えない。言えるはずがないのだ。だって―――
「おいっ!みんな大ニュースだ、大ニュース!!」
遼平と会話を切り上げた直後、もう一人の友達が大声を張り上げながら勢いよく教室に入ってくる。
まったく、朝から騒々しい。こっちはゆっくりしたいのに。
クラスの連中もハイなテンションについて行けず、面倒くさそうに「なんだよ、うるせーな」「つまんなかったら容赦しねーぞ」と口々になじっていた。
自分でそんな期待値上げちゃって、どうなっても知らないないぞ。
俺は溜め息を洩らしつつ憐れむような目で御厨を見つめる。
しかし、そんな逆境の中でもそいつは不敵な笑みを浮かべていた。
これは相当なネタを掴んでるのか?
なんて期待するだけアホらしい。
頬杖をついた俺は窓の外に視線を移そうと――
「美術の倉本が辞めさせられるってよ!」
――え?
御厨の言葉を聞いた俺は弾かれたように教室を飛び出した。後ろで誰かの呼び止める声が聞こえたが無視して職員室に走る。
先生が辞めさせられる?
俺達の関係がバレたのか?
定まらない思考でグルグルとあらゆる可能性を考えては、消した。
そんなのどうだっていい、とにかく守らなきゃ。先生の味方は俺だけなんだから。その一心で床を蹴る足に力を込めた。
最後の階段を下りて、職員室へ続く廊下に出る角を曲がった時だった。
全力で走っていた俺は突然目の前に居た人物を避ける事ができず。
「――きゃっ」
「…ってえ」
ぶつけた肩を押さえながら顔を上げると一番会いたい人がそこにいた。
「先生…!なにやってんの!?」
「…あ」
驚いた顔のあと安堵したように表情を綻ばせる先生に、跳ね起きた俺は矢継ぎ早に質問をぶつける。
「大丈夫?!怪我とか――じゃなくて!先生が辞めさせられるって聞いて……俺っ!もしかして俺達のことがバレて、それで…っ」
そこまで言って先生が尻餅をついたままだという事に気付き、手を差し伸べると、彼女は少しだけ周りを気にしてから手を取って、ゆっくりと立ち上がった。
床についていた所為でひんやりと冷たい先生の手。
大切な人の手。
俺はその手をギュッと握り、言葉を待った。
「なんだっけ…?」
ずっこけそうになった。
「辞めさせられるって話!友達が騒いでたんだよ、先生が辞めさせられるって!」
必死な俺とは正反対に彼女の表情は穏やかなままだ。と言うか、どことなく嬉しそうにも見える。
「それで慌てて来てくれたの…?私が辞めさせられるって聞いて、心配して…?」
「?そうだけど…」
先生はやっぱり嬉しそうに「そっか」と零すと――
「…大丈夫。少し怒られただけだから」と続けた。
怒られた?
「じゃあ、やっぱり俺達のことがバレて…」
ううん、と。首を横に振る先生。
「昨日、誰かさんが一日中私を準備室から出してくれなかったから…お昼の会議に出られなくて……その事を教頭先生に叱られただけ」
そう言った彼女は悪戯っぽく笑って、その顔は本当に無邪気な子供みたいで、だから、大丈夫なんだと安心できた。
けれど、怒られた理由が俺にあるとわかり、内心、申し訳なさで一杯になる。
「そっか。まあ、自業自得だよね。先生もノリノリだったし」
素直に謝れない自分が酷く幼稚に思え、腹が立たしかったけれど、先生はそんな俺の胸中を見透かしたように優しく微笑んで肯いてくれた。
「今回怒られたけど…昨日のこと……私は後悔なんてしてないよ。大人として……ほんとにどうかと思うけど…それでも、きっと途中であの場所を離れていたら…やっぱり私は後悔してたと思うから」
それは先生の言う通り、おおよそ大人として相応しくない言葉だったけれど。
社会に出た人間にあるまじき言動なのだろうけれど。
俺は、そんな彼女の言葉に救われた。
そして、この人には一生頭が上がらないと思った。
「先生…俺―――」
感謝の気持ちを伝えようと口を開いた時。
「こらァそこ!なにしとるんだ!ホームルーム始まるぞ!!」
「ごめん、続きは昼休みね!いつものとこで待ってて!」
「うん…」
後ろ髪を引かれるような名残惜しさを覚えつつ、俺は先生を残してその場を離れた。
先生はいつも心の端っこを掴んで離さない。そんな彼女が大好きで、ほんの少し怖かった。
教室に着くとまだ担任は来ておらず、朝の喧騒が続いていた。
「お、やっと戻って来やがった。お前、どこ行って――」
遼平が俺を見付けて声を上げた丁度その時、見計らったように「席に着け」と定番の文句を言いながら担任が入ってくる。
ムスッとした顔で自分の席に戻る遼 平。その目が、あとで話を聞かせろと言っていた。
遼平とは幼稚園からの付き合いだが、はっきり言って先生との仲を打ち明ける気はない。間違った事――という認識は、やはり俺には全くないのだけれど――恐らく、こういう事が嫌いなあいつは、そう断言するだろう。
他に女を紹介するから今すぐ倉本との関係は終わりにしろ、と。
正義感溢れる遼平が、そんな風に諭してくるというのは想像に難くない。
大きなお世話なんだよ、いちいちお前の自己満足に付き合ってられるか。
親友に対して、はじめて芽生えたどす黒い感情。俺は自分に驚いた。
退屈な授業も半分が終わり、やっと昼休みになる。
思っていた通り休み時間のたびに遼平からどこへ行っていたのか問い質されたが、その都度適当にはぐらかした。
「ねえ、ちょっと話あるから付き合って」
教室を出ようとした時、不意に後ろから呼び止められる。
振り返ると、そこには遼平の彼女が立っていた。
「話ってなに?急いでるから早くしてほしいんだけど」
了承するなり屋上階段の踊場まで連れて来られた俺は待ち遠しかった時間を邪魔された為、突っ慳貪な態度で訊ねる。
「あんた、遼平になに隠してんの?」
それは、わかりやすいほどの敵意。攻撃的かつ高圧的な口調だった。
いきなり呼び出して話がしたいなんて珍しいと思ったら、なるほど、そういう事か。
「べつに何も隠してないっての。なに?あいつに頼まれたわけ?」
「違うけど」
「だろうね。遼平がこんな事誰かに頼むわけない――ってことは、お前の独断ってわけだ」
「…あいつ、心配してる。あんたが何か隠してるのはわかってるけど、何か言えない事情でもあるんじゃないかって。このままじゃ力になれないって」
「力にって、なんだよ」
俺が嘲ると彼女は射抜くように睨んできた。
「あたしはあんたが何を隠してようが構わないし、気にもならない!でも、遼平は違う!本気であんたを心配してる!!あんた達親友なんでしょ!?だったら――」
「俺がいつ心配してくれなんて頼んだよ!!」
カァっと熱くなる顔。湧き上がる感情のままに声を荒げると彼女はビクッと肩を震わせた。
「…保健室」
「は?」
「遼平に昨日どこに居たのか訊かれて、あんた保健室で休んでたって答えたそうじゃない…」
身体を竦ませながら、それでも気丈に振る舞う彼女。
「真弓に訊いた。あの子、昨日は酷い生理痛で午後からずっと保健室にいたから」
「…っ!」
「休んでたのは自分だけで、あんたなんか居なかったって」
背中にじっとりと嫌な汗が流れる。
「それから美術部の由希子。あんたが楽しそうに倉本先生と話してるとこ何度か見かけたって」
その瞬間、心臓が締め付けられるような。
彼女の言葉が俺の心臓を鷲掴みにし、鼓動を止めるように、ギリギリと。
「今朝、あのバカが倉本先生の話をした途端、あんた顔色変えて教室飛び出したよね」
「…あんたが隠してる事と何か関係あんの?あんた、まさか――」
目の前にいるはずの彼女の声が、河を隔てた向こう側にいる人間の声のように遠く聞こえた。
なにか言い返せ。
否定しろ。
そう頭はさっきから信号を送っているのに、まるで働かない。
「ちょ……聞…て……の……」
「関係ないだろ…」
絞り出した言葉。それと同時に彼女の顔が引攣る。
俺は何もかも振り切るように同じ言葉を叩きつけた。
「関係ないだろ!!」
言って、逃げるように背を向けて駆け出す。一刻も早くこの場所を離れたかった。
もう、俺に――俺なんかに…
「…構わないでよ…」
それから、どこをどう走ったのか自分でもわからない。途中、女子にぶつかり、教師に注意され、それでも構う事なくがむしゃらに走って。
もう、無理だと。体力が底を突いたところで足を止めた。
両膝に手をつき、肩で息をしながら辿り着いた場所を確認して思わず自嘲気味に笑う。
適当に走ったつもりであったのに、そこは美術室の前だった。
そのまま中に入り、奥へ進んで準備室へ。
扉の向こうには確かな人の気配があって、安堵する。
ドアノブに手を伸ばすと、ずっとくすぶっていた一つの想いが再燃した。
会いたい。早く、先生に――。
勢いよくドアを開け放ったら、広げられたまま手付かずの弁当の前でテーブルに突っ伏して寝ている先生の姿が視界に入った。
駆け寄り、隣に座れば嗅ぎ慣れた先生の優しい匂いと穏やかな寝息が聞こえてくる。
「先生…」
服の上からでもわかるくらいほっそりとした腰に横から腕を回し、肩口に顔を埋める。それで目を覚ました先生は眠そうに手の甲で目を擦りながら、とろんとした口調で…
「んん……ごめん…待ってる間に眠ってたみたい…お弁当は?」
「…購買で買うつもりだったけど忘れてた」
「私の…いっしょに食べる?」
「ん…後で」
今はシたい。そう言って首筋に口付けると、先生は擽ったそうに笑って小さく肯いてくれた。
唇を軽く触れ合わせるだけのキス。それだけでジンと思考が痺れる。
何度も唇を押し付けては離し、舌を絡め合いながらソファーにゆっくり押し倒す。
左手でセーターの上から小振りな乳房を撫でると共に右手は下腹部へ伸ばしてスカートの中に滑り込ませ、下着越しに秘部を弄った。
「んっ……下着越しじゃ嫌……汚れる し、じれったくて……」
太股を摺り合わせる彼女の姿は扇情的で、だから、どうしようもなく興奮する。
「じゃあ、どうしてほしい?」
俺からそう訊ねられ困惑した表情を浮かべた先生は、やがて言いにくそうに「舐めて」と呟いた。
先生飽きた…
暗いし書いててしんどい
みんなもそう思うでしょ!?
うぁぁああああいいいええあああああ
おいww
>>47
ふえぇだってぇ…ほんとは明るくてバカみたいな話がすきなんだもん
ちょっぴり背伸びして大人っぽい話書こうなんて思ったのがそもそものまちがいだったんだよぅ
はぁ、すっきりした
もっかいがんがる、ありがと
お昼までに誰も書き込んでなかったら次の更新で「俺達の戦いはこれからだ!」って言いいながら主人公が校舎からダイブする予定だったから
期待してるで
なら明るい雰囲気でセクロスさせりゃいいじゃねえか
明るくてもええのよ?
オゥフ、トリップ忘れてた
てか挿し絵描いてみたんだけどここってリンクとか貼っても大丈夫なん?
問題ない
おぉ期待して待ってるで
できれば>>37のとこで出したかった
http://pixio.jp/data/5/h7BUAauP/bppCoGjceS.jpg
ええやん
>>58
ありがと
書いてなかったけど大学生のときの先生と彼氏ね
これは>>8の時に出したかったやつ
こっちが現在の先生
そんなに過激じゃないけど一応閲覧注意
http://pixio.jp/data/5/6jbbo0fs/a598UOVUOk.jpg
うまいな
57が見えない…
ありがとんくす
あれ、なんでだろ。こっちならどう?
すばらっ!!
続きはよ
◆
「大丈夫か、扇」
「ん、平気」
差し出された手を借りて立ち上がるなり、私は男子が走り去った方角へ目を向ける。
一瞬ではあったけれど確かに見えた襟のラインは青で、つまりは二年生ということだ。
「ぶつかっておいて謝りもしないのか……ふざけた奴だ」
「火鈴も注意が足りなかったんだよ。それより、そんなこと言ってもいいの?さっきの人先輩だよ?」
「関係ない。むしろ恥ずべきはあいつだろ」
抑揚のない声で冷たく言い放つ同じクラス委員の彼をよそに、私の興味は先ほどぶつかった男子へ向いていた。
記憶が正しければ彼が駆けていった方には――
「美術室……ねえ、確かあっちには美術室しかなかったよね?」
「東棟か…ああ。正確には美術室の中に準備室があるから、"しか"という表現は適切とは言えないがな――って、おい。どこへ行くんだ?」
あいつの周り諄い論調は本当に頭にくるけれど、そんな事はどうでもいい。いや、全然よくはないのだけれど。百歩譲り、千歩退いて今は横に置いておく。
どこに向かったのかなんて正直なところ、どうでもよかった。
気になったのは彼の学年だ。
二年生。
可能性などゼロに等しいのかもしれない。しかし、もしかすると。万が一。そんな思いが自然と私の足を美術室へと向かわせた。
きたか
目的地へ近付くにつれ膨れ上がる期待と不安。
懐疑と昂揚。
自然と歩みも早くなる。
どれほど捜しても見つからなかった人に、これから会えるかもしれない。と言うか、廊下でぶつかって再会なんて、これはもう運命ではないかとさえ思えてくる――運命。それは私が最も嫌いな言葉なのだけれど、この件に関してはその存在を信じたい、なんて。自分の都合の良さに思わず苦笑する。
そうして。
美術室前。東棟の三階一番奥に位置するそこは、昼休み中であっても静寂が支配していた。
人の影はおろか、声一つ届いていない。
取っ手に手をかけ、逸る気持ちを抑えながらそろそろと開いたものの、そこに先ほどの男子の姿は見当たらず。
アテが外れて肩を落としかけていたとき奥にもう一つ扉があるのを見つけ、そこであの理屈っぽい男の言葉を思い出す。
「…準備室」
一度潰えた望みが再び垣間見え、私は縋る思いで奥へと進んだ。
声が――聞こえる。
やっぱりここに来てたんだ、と。
緩む口許。もう、どうしようもないくらい私の胸は高鳴っていて、けれど、聞こえていた声は距離が短くなるにつれ女のものだと気付いた。
それも話し声などではなく。
昔から身近にあった、よく識る声。
・・・・・・・・・・・・・・・
それは雄を誘う女の悦ぶ声だった。
>>67
待たせてごめん
つか待っててくれてありがと
◆
彼女の要望に答えるには同じ高さではやりづらかったので、ソファーから降り、脚を開いた先生の前に跪く。
間近で見た彼女の下着には既にシミができていて。
この薄い布の向こうには先生のアソコがあるんだ。そう考えただけで肉棹は痛いくらい硬く勃ち上がる。
衝動に従い、俺は下着に手をかけて、ずらした。
目に飛び込んできたのは溢れる愛液の所為でテラテラと淫靡に光る薄い陰唇。
「いつ見てもいやらしいね、先生のココ」
「…っ」
指摘された先生が真っ赤になった顔を背け、羞恥に震えながら息を呑むのがわかった。
「…ん」
割れ目に沿って下から上へと舐め上げる。舌を食い込ませるように、ねっとりと、深く。
鼻にかかった甘い声が聴こえると、もっとそれを聴きたくて俺は両手で秘部を広げ、剥き出しになった膣口にキスをする。
わざと湿った音をたてつつ、何度も何度も。
「んっ、ぁふ………やあッ」
恥ずかしさからか局部を隠そうと手を伸ばし、脚を閉じようとする先生。
俺はそんな彼女にムッとして見上げた。
「もぉ、やりにくいじゃん。それとも、やめてほしいの?」
俺の抗議の声に先生は叱られた子供みたいな顔で、ふるふると首を振る。
そんな仕種がいちいち可愛くて、だから、俺はそっと彼女の手を取り、その綺麗な指に口付けを落とした。
「じゃあ、隠さないで。俺、先生にいっぱい気持ちよくなってほしい。いつも俺のこと気持ちよくしてくれる先生に、いっぱいいっぱい感じてほしい…」
努めて優しい口調で諭す。
少しでもこの想いが伝わるように。
「…もういい」
返ってきたのは、か細い声ながらもわかりやすい拒絶の言葉。
けれど。
凹む隙(ひま)もなく、ぐいと手を引かれ。
気がつけば目の前には先生の顔があって、唇に柔らかな感触が広がる。
あまりに突然の出来事に思考が追いつかない。
そうやって呆気に取られている内に口は離れ、なにがなんだかわからないまま目を丸くしていると、まるで――。
「もう…いい、から……口ではしなくていいから…」
まるで。捨てられた仔犬のような切な顔で先生は俺を見つめながら。
「…ごめんね…。私がお願いしたのに、勝手だよね……でも、そんな風に優しくされたら…我慢とか、そういうの……もう、無理だよ…。アソコが、ね…?欲しいって、いってるの…君のが欲しいって。だから――」
と、言い淀む。
躊躇いの表情とともに途切れた言葉。
続きは容易に想像できるけれど、その一言を彼女の口から聞きたくて。
「…最後まで聞かせて」
そう呟きつつ先生の泣き黒子にキスをする。
先生は狼狽したあと顔色を窺うように上目がちに俺を見て、口を開きかけ、また結んだ。
わかるよ。いやらしい女だって思われるのが怖いんだよね…?
憚るのも、濁したい気持ちもわかる。これが逆の立場だったなら、やはり躊躇していただろう。
だから。
急かすわけでもなければ、諦めるわけでもなく、ただ、じっと待つ。
やがて、ぽつりと。
願われた。
「入れて…ください」
「…ん、いいよ。先生――」
相変わらずその声は小さくて。
油断していると聞き逃してしまいそうで。
瞳には不安の色を目一杯滲ませていたのだけれど。
「よく頑張ったね」
なんかレスするのあんまりよろしくないらしいね
そうとは知らず安価までつけてバンバンやっちまったorz
これから控えるけどちゃんと励まされてるから
いや別にいいと思うが・・・
んー…不愉快に思ったり読む気失せたりする人がいるって聞いて、確かにそうかもって思ったんだよね
人それぞれなんだろうけど、そういう人が一人でもいるならやめるべきだと思って
こんな内容だけど書かせてもらってる身としては読んでくれる人には気持ちよく読んでもらいたいし
だからSS以外のレスはこれが最後にしとく
もちろん読んでくれてる人は別
き、気軽に書き込んでいいんだからね!
頭を撫でる。
さらさらとした手触りが心地く、これじゃあどっちの御褒美かわからないな、なんて馬鹿なことを考えていて、気付く。
こちらとしては褒めているつもりだけれど、なぜか彼女の表情は今一つ晴れず、顔は笑っているのだが、そこには幾らかの翳りが見てとれた。
覚えたのは、靴の中に小石が入り込んだときのような違和感。それは、とるに足らない、大した支障もない、些細なことのようにも思えるけれど、なんとも言えない気持ちの悪さみたいなものが胸の内を侵してゆく。
訊ねるべきか逡巡していると、それが却って先生の表情を曇らせる結果になってしまい、俺は慌てて取り繕った。
「ご、ごめんっ……先生の頭撫でるのが気持ちよくて、つい長々と。てか、先生もツっこんでよー。禿げさす気か!とかさ」
くすり、と――彼女が笑って。
そこにはさっきの翳りや違和感なんて、どこにもなく。
胸を撫で下ろしつつ、あれは単なる思い過ごしなんだと己に言い聞かせ、それでも拭いきれない憂懼に蓋をした。
「……元気、なくなったね。いつも腕白すぎるくらい腕白なのに」
一頻り笑い合ったあと。
ズボン越しに俺の一物を撫でながら、どこか残念そうに呟く先生。
「その腕白っていうのやめない?なんかすっごい恥ずかしいから」
「そう…?かわいいのに……」
今度ははっきりと残念そうに言って、しょんぼりと肩を落とす彼女に。
「可愛いのは先生の方だよ」
と、臆面もなく言い切る。もちろん、まっすぐ見据えながらだ。
少し前なら考えられなかったことだけれど、どうやら俺はここ数ヶ月で飛躍的にレベルアップしているらしく、この手の科白であっても難なく曰える境地にまで既に達していて、異性との充実ライフ恐るべし、と――自身、驚きを禁じ得ない。
ともあれ、そんな一回り成長した俺の反撃がよほど予想外だったのか、先生は茫然自失。
目の前でひらひらと手を振ってみるも反応はない。今の内に思いつく限りの悪戯をと思い、スカートを捲り上げた時――それは起こった。
過剰反応しなければ別にレスあってもいいと思う
というかあった方が失踪疑いが減るからありがたい
まだかのぉ
などと仰々しい語り口でヒキ、いかにも超展開が待ち受けるかのごとく煽った手前、事実を口にするのは大変心苦しいのだけれど、聞こえてきた軽快なメロディー――なんてことはない、携帯の着信音だ。
初期設定よろしくのそれは俺のものではなく、ともすれば心当たる人物は一人しかいないわけで。
惚けていてもそれが鼓膜に届いたのか。紅潮した頬をそのままに、彼女はソファーの背凭れにかけていたカーディガンのポケットから携帯を取り出した。
しかし。
「電話でしょ?出ないの?」
一向に出る気配のない先生に訊ねるも、当人は開いたディスプレイを見たまま固まっており。
そのうち、けたたましく着信を報せていたそれは、健闘も虚しくとうとう大人しくなる。
「先生?」
「あ……うん。大丈夫…昔の知り合い……あとで、かけ直すから…」
気のない返事と無理矢理繕われたような笑顔。
それらに、押し殺していたはずの暗澹とした気持ちがジワジワと染みのように広がって、だから、その不安を少しでも和らげようと俺は先生にキスを迫り――
「イヤっ…」
拒まれた。
悲痛な声とともに胸元を両手で押し返され、はっきりと。
そのあと自ら唇を重ねることもなければ、入れてほしいと強請ることもない。
今度こそ本当に――それは彼女のはじめての拒絶だった。
ただただ、信じられなくて。
信じたくなくて。
呆然と先生の顔を見つめながら二の句を継げず。
そうして。
不意に訪れた数秒に満たない沈黙は、数分にも数時間にも思え、永遠に続くのではないかと、そんな、馬鹿らしくも恐ろしい脅迫観念じみた考えが脳裏をよぎった時、沈黙を打ち破ったのは先生だった。
「もう……時間も、ないから…」
沈痛な面持ちで告げられた理由らしき言葉は、打ちのめされた頭では処理も思うようにいかず、理解するのに随分とかかってしまう。
ようやく思考が追いつき、曖昧な相槌を口にしながら時刻を確認すると、ほぼ同時に昼休み終了を意味するチャイムが鳴り響いた。
どうして、こんなに早く――と、そう思いかけて、気付く。
考えてみれば遼平の彼女に捕まったり話を聞いたりで前半かなり無駄にしたからな。
閑話休題。
うるさい予鈴のおかげで幾らかクリアになった頭。
よかった、これなら何か気の利いた科白の一つや二つは浮かびそうだ。
なんでもいい。
コ コ
準備室を出る前に、この気不味い空気を解消しておかないと。
「ほ、放課後また来るね」
「うん……ごめんなさい」
「ちょっと、なに暗い顔してんのさ!いいって、気にしてないから。てか、止めてもらってよかったよー」
変わらず表情の晴れない先生に構うことなく俺は努めて明るく続けた。
「あのままキスしてたら、きっとまた止まらなくなって、五限サボってまでエッチしてただろうし!」
「…うん」
「あー、でも先生にとってはそっちのほうがよかったんじゃない?」
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