俺「……そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。シュレディンガーのパンツだ」
後輩「ごまかさないでください! ワタシ、聞いたんです! センパイが下着盗んだってこと!」
俺「……ふむ。それから?」
後輩「ワタシ……信じられなくていろんな人に聞きました。……センパイがそんなことする人じゃないって信じてたから」
後輩「でも、出てくるのはセンパイが下着を盗んだってことを裏付ける情報ばかりでした……」
後輩「答えてください、センパイ。あなたは――ワタシの下着を盗んだんですか?」
俺「オーケー、認めよう。僕は確かに君の下着を盗んだ、薄汚い性犯罪者だ」
後輩「そんな……信じてたのに、信じてたのに」ポロポロ
俺「だけどね、これだけは言わせて欲しい。君の下着にはそれだけ、人を惹きつけてやまない魅力があるんだ」
俺「僕が盗んでしまうのも無理からぬことだ……とまではいわない。それでも僕は君にその魅力を自覚して欲しいんだよ」
後輩「自覚……ですか?」
俺「ああ、君はあまりにも野放図に魅力を振りまきすぎる。いったい何人の男子生徒がそのために君をオナペットにしたのだろう」
後輩「そんなこといわれても……私にどうしろっていうんですか」
俺「どうしろとは僕からはいわない。自分で考えて、自分で決めるしかないからね」
俺「ただ――――容姿が恵まれたものには”それなり”のリスクがつきまとう。それだけは君に、伝えたかった」
後輩の家
後輩「それでさーどう思う? センパイのこと……」
友人『えーっ私にはめんどくさいことよくわっかんないけどさー』
友人『なんかセンパイはわけわかんないこと言って下着盗んだことごまかしたいだけなんじゃない?』
後輩「うん……やっぱりそう思うよね、ありがとう、じゃあまた明日ね」
友人『うんまた明日ーバイバーイ』プチッツーツーツー
後輩「はぁ……でもセンパイがごまかしなんてする人じゃないことは私がよくわかってるんだよね……」
後輩「だいたいセンパイあんなにもてるんだから、わ、私の下着とって変なことする必要ないもんね///」
後輩「それとも……私ってそんなに魅力的なのかなぁ……?」
後輩「わーバカバカ!何へんなこと考えてるんだろう、早く寝なきゃ……」
パチン
後輩(……でも、センパイがもし私のこと好きだったら……どうしよう?)
学校の通学路……
俺の友人「よう、俺くん」
俺「君か、おはよう」
俺の友人「ひとつ聞いていいかい?」
俺「ひとうといわず二つでも三つでも聞いていいよ。なぜって君は僕の友人なんだから」
俺の友人「ふふっそう言ってもらえると嬉しいね。だけど、あいにく僕が聞きたいことはひとつなんだ」
俺「じゃあそのひとつを尋ねてくれよ。こたえられる限りで過不足なく答えよう」
俺の友人「君が――後輩ちゃんの下着を盗んだというのは本当かい?」
俺「その質問への答えはただ一言……”沈黙”、だね」
俺の友人「僕ははっきりさせたいんだ。君がそんなことする人間じゃないのは僕もよく知っている。なのに根も葉もない噂が飛び交っているんだ」
俺「人の口のドアは閉じられないからね、耐え忍ぶしかない」
俺の友人「僕は君がそんなに悠長な態度をとっていられるのが信じられないよ。君にはプライドっていうものがないのかい?」
俺「俺にもプライドぐらいはあるさ……ただそれは、君のあずかり知らぬところにあるというだけさ」
俺の友人「まったくもう! 君と話していると頭が痛くなってくる! 君が本当に下着を盗んだんじゃないかって思えてくるよ!」
俺「ははっもしかしたら魔が差して盗んだのかもしれないぜ?」
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