結衣「転校はじめました」(127)

~結衣宅~

結衣「…で、大事な話って何?一人ぐらしのこと?」

母「…結衣に転校してもらいたいの」

結衣「!…なんで?私、嫌だよ」

母「あなた…ごらく部なんて部活に入ってるそうね」

結衣「っ…だから何?」

母「そんな部活が黙認される学校…お固いお父さんが許すと思う?」

結衣「…」

二時間ほど話し合った結果…

「部長を説得して部活を潰すか転校するか、どっちか決めろ!」と言われた。

私には…京子の…一年前の笑顔が忘れられないし…

あかりとちなつちゃんの居場所を奪うワケにもいかない。

だから、私は転校する。

明日からあと3日…大事に過ごさなきゃな。

~翌日~

結衣「…」ドキドキ

結衣(迎えで京子の家のインターホンを押す)

結衣(これも後、3回か…)

結衣(…いつも通り、いつも通り…)

ピンポーン

京子「おーっす!いつもご苦労だね結衣君!」

結衣「はぁ…いつも通り元気なヤツめ」

京子「そーいう結衣君はどうなんだい?」

結衣「お前の態度にゲンナリしてる所」

京子「そーですかい。んじゃまーあかりの家にレッツゴー!」スタスタ

結衣「…」スタスタ

結衣「京子はさ…いつも私が迎えにくること、どう思ってるの?」

京子「ん?何イキナリ」

結衣「京子にも感謝の気持ちとかあったりするのかなーって思ってさ」

京子「んー…日常過ぎて良く分からないなぁ」

結衣「…そっか…そうだよな」

結衣(分かってたけど…まぁ、京子からしてみたら、そんなモンだよな)

結衣(…私が居なくなるって知ったら…皆、悲しんでくれるのかな)

結衣(…だといいな…と思ってしまうのが何か嫌だな)

京子「…結衣?やっぱり元気ないんじゃない?」

結衣「えっ…いや、そんな事ないぞ?」

京子「そう?…ならいいけど」スタスタ

結衣(無表情のつもりだったのに…京子は変な所で目ざといな)スタスタ

~あかり宅~

京子「押すよー」

結衣「あっ!ちょっと待ってくれ!」

京子「?」キョトン

結衣「そ、その…私に押させてくれないか」

京子「別にいいけどー?変な結衣」

ピンポーン

あかり「はーい」

結衣「おはよう」

あかり「おはよー」

京子「おっはよーん」

結衣「…おはよう」

あかり「?…おはよう」

京子「流れで二度目のおっはよーん」

結衣「…おはよう…っ」ウルッ

あかり「?…お、おはよう?」

京子「いやいや、何ボケてんの結衣」

結衣「い、いや…親しい友達と挨拶するのって…良いものだよな」

あかり&京子「?」キョトン

~数分後~

ちなつ「おはようございますー」

結衣「お…ちなつちゃんだ」

京子「なんと!ちなつちゃんとな!?」ガバッ

ちなつ「きゃっ…ちょ、やめて下さい毎朝~」

結衣「…」ジー

あかり「?…結衣ちゃん、止めないでいいの?」

結衣(この二人のこのやり取りも…もう、見れなくなるからな)

ちなつ「ちょっと結衣センパイ!?止めて下さいよー!」モガモガ

結衣「あ…そうか。わたしの役目だもんな」

結衣「こら、やめろよ京子ー」トントン

京子「…と、止める気ないでしょ」

ちなつ「ちょっと結衣センパイ!お願いしますってー!」

結衣「あ、ああ…よーし!」ニヤニヤ

京子「な、何でうれしそうなの?」

結衣「え、笑ってた?」

ちなつ「笑ってましたよ?」

結衣「…そっか。なんか楽しくてさ」

京子&あかり&ちなつ「??」

この日常の当たり前のやりとりも

うっとうしいと思っていたやり取りも

限りがあると思うと…楽しくて仕方がない。

もっと…この場所にいたい。

毎朝四人で通いたい。ケンカしたい。無駄話したい。たまにあかりをイジって遊びたい。

結局今日は…何も話せないまま、変にニヤけた顔をイジられて終わった。

~翌日~
バタンバタンバタン

結衣「…台風がうるさくて寝れなかった…」ムクリ

プルルルルルルル

結衣「うーん…こんな朝早くからなんだよ…」ガチャ

先生「あ、船見さん?連絡網です。今日は台風警報なのでお休みね?」

結衣「えっ…」

先生「それじゃ…」プツッ

結衣「…ウソだろ…私、運は良い方だと思ってたんだけどな…ははは…」

結衣「…ゲームしよう…」

結衣(こんな日に限って…台風なんて…こういう時はRPGだな)ピコピコ

結衣「あ、このセーブデータ…あかりと京子のヤツだ」

結衣「主人公の名前は…YUI、か。どうせ京子あたりが付けたんだろうな…」ピコピコ

結衣「…テレビの上のM字開脚ちなつちゃんが気になって集中できない」

結衣「本でも読むかな…」

結衣「…あ!続きがない…京子のヤツ…勝手に取っていったな…!」

結衣「くそ…」

結衣「…鬱だ。良いことないなぁ…」パタリ

結衣「…あと二日で転校…」

結衣「…いや、イヤだよ…」ウルッ

結衣「…うっ…ううっ…いや、だよぉ…何で私なんだよぉ…」グスッ

結衣「ただ…あいつらと居たいだけなのに…っ」ポロポロ




ピンポーン

結衣「っ…だ、誰だ?台風の中ここに来るバカは…」ピッ

京子「はぁ…はぁ…京子だよん」

結衣「…ビショ濡れじゃん!早く入れ!」

京子「おっす…そうさせてもらうわー」ガチャ

結衣「何でこんな天候の中、私の家に来てんだよ…」

京子「いや~…ラムレーズン食べたくてさ…なんてね」ニシシ

結衣「…ったく、待ってろ」

結衣「…で、何で来たの?はい、ラムレーズン」コトッ

京子「いやいや、ラムレーズン食べたかったからだってー!…うめぇ!」パクパク

結衣「…いやいや、ウソだろ?こんな台風の中で…」

京子「本当本当!食べたかっただけだから気にすんなってー!」パクパク

結衣「ちょ…はぁ…」

結衣(私って、そんな程度なのかな…京子にとって)

結衣(…悲しいな…あかり達も…私の事…)

京子「…ウソだよ。話があって来たの」

結衣「!…な、何でイキナリ真顔なんだよ!?」

京子「…結衣…さっきまで、泣いてたよね?」

結衣「…いや?」

京子「あー私ドアの前でずっと聞いてたからその言い訳効かないなぁー」ニヤニヤ

結衣「…はぁ…厄介なヤツに聞かれちゃったな…」

京子「…でさ、何で泣いてたの」モグモグ

結衣「…」

京子「昨日もおかしかったよね?あんな結衣見た事ないし」

結衣「!」

京子「…私さ、昨日の結衣見てたし…台風も一人だと何かと怖いだろー?だかr」

結衣「京子…っ!!」ギュウウウウウ

京子「っ!?」

結衣「京子ぉ…京子ぉ…っ」グスッ

京子「ちょっ、苦し…!?」

結衣「京子ぉ…!!!」ポロポロ

京子「…えーと…よ、よしよし」

結衣「うっ…京子ぉ…ううう…」ギュウウウウウ

京子「…落ち着くまで、このままで良いからね」

結衣「うん…ありがとう…」

~数分後~

京子「…落ち着いた?」

結衣「ああ…ありがとう」グスッ

京子(ずっと抱きしめ合ってても良かったけどねー)

京子(今は…)

京子「…で、今度こそ聞かせて欲しいんだけど」

結衣「ああ…京子とは一年前前からごらく部で過ごしてきたもんな…」

結衣「先に話しとくべきだよな…」

結衣「…実はさ、私…」

~~~


京子「ちょ…転校!?しかも後二日!?何でもっと早く!?」

結衣「だってお前さ…結衣が転校するぐらいなら部活潰すとか言いそうだから…」

京子「当たり前だよ!あかりとちなつちゃんも分かってくれる!」

結衣「…ダメだぞ、京子。それだけは私が許さない」

京子「何で!?結衣が転校しちゃ嫌だ!」

結衣「ごらく部は京子達3人にまかせたから…頼む、潰さないでくれ」

京子「…ぐ…ぐぬぬ…」

結衣「私は…笑ってるごらく部が好きだ。だから二人には…最後まで話さない」

京子「…わ、分かったけど…結衣が転校なんて嫌だって…」

結衣「…京子。今まで通りすごしてくれればいいんだ…。私はこの二日を、思う存分楽しみたいだけだから」

京子「う…結衣…嫌だ…」グスッ

結衣「…今度は、私の番だな」ギュッ

京子「結衣ぃ…!何とかならないのぉ…!?」グスッ

結衣「ごらく部なんて認めない…だってさ」

京子「じゃあ…私のせいじゃん…私がごらく部なんて作ったからじゃん…!」ポロポロ

結衣「京子は悪くないよ。京子がいたごらく部が…好きだった」

結衣「ゼイタク言うなら…笑顔の京子が好きだな。私は」

京子「結衣ぃ…!嫌だ…!」

結衣「…」ギュウウウウウ

京子「…本当なのかよ…」

結衣「…うん。気が済むまでこうしていよう…これも多分、最後だ」

京子「…」ポロポロ

~~~

京子「…」

結衣「…落ち着いたか?」

京子「…がおー!ラムレーズン食べさせろー!あと、泊まるから!」

結衣「…はいはい。ちょっと待ってろ」

結衣(これでいいんだ…これで…後二日、大事に過ごせばいいんだ)

結衣(今日は京子と過ごせて…良かった)

京子の寝息を聞きながら眠りにつく。

多分明日は、ドタバタと朝が始まって…
最後は…しんみりと終わる。

最後…最後だからこそ、いつも通りを思う存分味わいたい。

これから…あの空間に戻れなくてもいいように、思い出をいっぱい作りたい

台風…頼んだよ…

結衣「…おやすみ京子」

~翌日~

結衣「うーん…」

トントントントン

結衣「?…何だこの音」

京子「お、起きたー?」

結衣「うわ、何で包丁持ってんの!?」

京子「…結衣がどっか行っちゃうくらいなら…!!」

結衣「え…!?」

京子「…なーんてね。ウソウソ。ちょっと料理をたしなんでいるのです」

結衣「りょ…料理ってお前…」

京子「うん。苦手だよ?」

結衣「じゃあ何で料理してるんだ!?」

京子「まぁまぁ。座っててよ!」

結衣「…ったく…勝手なヤツ」

結衣(…いつも通りで良いのに…変な所で気使い激しいんだから…京子は)

京子「おまたせー。味噌汁です!」

結衣「…おお。見た目はいいね…」

京子「でしょー?」

結衣「…」ズズッ

京子「…」ドキドキ

結衣(…ちょっと塩っぽいけど…うまい!)

結衣「…」モグモグ

京子「…あのー…お味は…?」

結衣「…あ、ああ。おいしい。私おいしいもの食ってる時は無言になりやすいんだ」

京子「ホント!?っしゃー!」

結衣「…ふふ…すごいな。さすが才能の塊」

京子「ふふん!」

結衣「…ごちそうさま」

京子「さて…今度は私の分を作ってもらいましょうか」

結衣「え」

京子「え」

結衣「いやいや、今から作ってたら遅刻しちゃうから!」

京子「え~!お腹ペコペコ! 一人分しか作ってなかったし!」

結衣「…あーはいはい!待ってろ!」

京子「あ、あと制服かして」

結衣「はいはい!」

結衣(…予想通りドタバタしてるな…でも、これで良いんだ)

それから、あかりとちなつちゃんと登校。
京子の口を塞ぎながらの登校はなんだか滑稽だった。

あかりは相変わらずニコニコしてたし、ちなつちゃんは…何か複雑な目をしてた。

多分、私と京子がずっとくっついてたからだろうけど…

ちなつちゃんに好意を寄せられていた事も知ってた…その事も、ちゃんと向き合って話さないとな。

…放課後に…

~放課後~

結衣「京子…ほら、部活行くぞー」

京子「…クラスでパーティーとかしなくて良かったの」

結衣「…いいんだよ。後から先生に連絡してもらって…終わりだから」

京子「そっか…じゃあ行こー」

結衣「うん…」ドキドキ

結衣(あかりとちなつちゃん…どう思うだろうな…)

~ごらく部~

綾乃「…まだなの…」ボソボソ

千歳「…が足らへんなぁ…」ボソボソ

結衣「…何だアレ。何かしてるぞ」

京子「!」

結衣「おーい」

綾乃「!!…来ちゃったわよ…」ボソボソ

千歳「ホンマ!?どうしよう…」ボソボソ

ちなつ「私が行きます…」ボソボソ

千歳「頼むわ…」ボソボソ

結衣「何コソコソ話してるんだ…?」

ちなつ「結衣センパイ!何か生徒会の人が部室の点検に回ってるらしいです!」

結衣「え…そんな…今日だけはココで過ごしたいのに…」

ちなつ「だ、大丈夫です!あと…1時間ぐらいで済むそうですから!」

結衣「…まぁ、部員が揃ってればいいか…あかりは?」

あかり「いるよー」

結衣「!びっくりした」

あかり「ひどいよぉー!」

京子「…じゃ、時間になるまで、ごらく部で公園に行って遊ぼうよ!」

あかり「さんせーい!」

ちなつ「子供っぽいですけど…暇を持て余すより良いですね」

結衣「…あの公園か。いいね!」

京子「んじゃーレッツゴー!」

~~~~~~

京子「とうちゃーく」

ちなつ「…ここ、昔来た事あります!なつかしい…」

あかり「変わってないなぁ~」ニコニコ

結衣(…とは言っても…早く部室に戻りたいな)

京子「さて…ちなつちゃん、どうぞー」

ちなつ「え?何ですか?」

京子「いや…結衣に言いたい事あるんでしょ?」

ちなつ「…えーと…」

結衣(…京子は転校すること知ってるからな…強引だけど)

結衣「えと、ゴメンね、ちなつちゃん。そういうワケだから…ちなつちゃんの話、聞きたいな」

ちなつ「な、何ですかイキナリ…///」

結衣「お願い。言葉で知りたいんだ。そして…答えてあげたい」

ちなつ「え…いや…その…ゆ、結衣センパイが好きです…///」

結衣「…今、はっきり言うよ。ごめん、ちなつちゃんの気持ちには答えられない」

ちなつ「…はい、分かってましたから…」グスッ

結衣「…ありがとう」

あかり「…」

京子「さて…部室に戻りますか」

結衣「…は?」

京子「いや、公園に来たのは…ちなつちゃんの為だから」

あかり「あかりも、部室に戻りたいな~」ニコニコ

結衣「で、でも…ちなつちゃんは…」

ちなつ「…いいんですよ。これで…いいんです」

結衣「…?」

京子「さーて…行きますか!我らが部室に!」

あかり「だね~」

結衣「い…いやいや、ちなつちゃんが…」

ちなつ「これは…私の意思でもありますから。私の事は気にしないで下さい」

結衣「どういうこと…?」

ちなつ「まぁまぁ、行きましょう♪わたし、落ち込んでませんから!」

結衣「そ…そこまで言うなら…」

~ごらく部~

綾乃「あ…もう、点検は終わったわよ」

京子「ご苦労ー!」

結衣「…ちなつちゃん、大丈夫?」

ちなつ「大丈夫ですから!気にしないで!」

結衣「そ、そっか…」

京子「じゃ、結衣…部室に入ってみて」

結衣「?…ああ」



ボン

           /,    ヽ \
             ,'.,       `、ヽ,
         //-─'''''''─-、,!.  ', _,,,..-‐''''",二ニ‐-、
     _,,,.-''"   ._      `ヽ!,,.-‐'''"      ,','
    |,.  _  i'"::::::L,,,!::`i__,,i''''ヽ, ヽ、      ,r'
   く   (::::::L,,/::;'::::;':::;:::::::;':::::::::::;':L,,,,_\     ,r'
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   .,r':::::;:'::r-!::'ーr、;;;;/ .|::;':::;'::::::::::::::::/::::::r` ``ゝ
  ,r'::::::;:':::::i .,!::::::|_,,,,_  ``'''-、;::::::メ/::::;'::::'ーi  「
,..--─--、;::`i:::::;::!  `ヽ    ,.-==,く`ソ:::::;':::i`''"
       `|:::::;::|       !;;oソノ ./\:::/リ
        |::::::;::|   !ー、_,'  `''" /:';:::::`!     非常に興味深いスレですね
         |:::::::;::|.  'ー     ./:;;:-''"`\
       .|::::::;;:::|ヽ、,,,,...... -‐''i:::;r'" `'''`ヽ,ヽ
     ,.-┴''"ヽ``,`'、  !.,'  '/   /`ニ=_,ノ!
    .,r'   ヽ、`i !ノ  ','   i'    _,フ'-:'":、
   /  '" `i i .ノノ-' ', !  i    「  ';::::::::::::`、

結衣「うわ!花火!?」

パーン

船美結衣 元気でね

結衣「あれは…文字?…船…美結衣…元気でね」

西垣「徹夜で作ったんだ…おら、中々の出来だろう?」

京子「いやー漢字間違えてますけどねー!」

西垣「お前が電話してきたから作ったんだ…文句言うな」フフン

京子「ありがとうございます!」

結衣「え…な、何これ…」


パンパンパン パンパンパン

あかり「結衣ちゃん元気でね!」

ちなつ「結衣センパイ!」

向日葵「元気でいえ下さいですわ!」

櫻子「あーパンパンするヤツもっと勝ってくれば良かったー」

結衣「な…何?何が何だか」

京子「結衣…私、口軽いんだよねー」ニシシ

結衣「っ!…お、おまえ…!」

京子「ほらっ!綾乃達が点検してくれた部屋、見てみよーぜ!」ニシシ

結衣「…ああ…!」

スッ

結衣「…!…これ徹夜で!?すごい手が混んでる…」

京子「いやー最後の仕上げは綾乃達が良くやってくれたよ」

結衣「…」

綾乃「まったく…あなたは結衣のそばにいる!とか言って手伝わなかったわね」

京子「いやードンマイドンマイ」

綾乃「ドンマイじゃないわよ!」

結衣「これ…私のために…!?皆が…!?」

京子「もっちろんだよ!」

京子「あのおぞましい絵はちなつちゃんが書いてくれたし…」

京子「あかりは普通に折り紙おるの上手いし…」

京子「みんな、結衣の為に頑張ってたんだぞ!」

結衣「…ありがとう…」グスッ

京子「さーて…泣いてる場合じゃないよー?」

結衣「ああ…思う存分楽しまないとな…」

千歳「ではでは~」

「カンパーイ!」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・・

パーティーが進んでいくにつれ…

私はこの学校から離れたくないという思いが…ますます出てくる

何か一人ずつ手紙とかくれたし…正直やばい

離れたく…ないな…

~3時間後~

綾乃「うーん…そろそろかしら」

千歳「あっ…せやなぁ。そろそろ生徒会メンバーは帰らせてもらうわ~」

櫻子「えーもうー?」

向日葵「櫻子!そういう約束だったでしょう!?ほら!」ガシッ

結衣「え、行っちゃうのか?」

綾乃「あとは…ごらく部だけで。あと…」

綾乃「言っとくけど、生徒会はごらく部の黙認はバリバリOKよ!遠慮しないで良いわ!」

結衣「綾乃…」

千歳「ほな~」

バタン

京子「…というワケだよ結衣サン」

結衣「…」

あかり「結衣ちゃん…ホントに行っちゃうの?」

結衣「…ああ」

ちなつ「…行かないで下さいよ…」

結衣「…」

ちなつ「好きって気持ちは変わりませんから…別に答えてくれなくてもいいですから…」

結衣「もう…決まってるんだ。制服も届いてるし…明日、正式に手続きを終えて…あさってには、挨拶する事になってる」

京子「でもさぁ!そんなの、あんまりじゃん!」

結衣「ゴメンな…というか…ありがとう」

結衣「今まで…楽しかった。京子は一年とちょっと、ありがとう。家に来てくれたのもうれしかった」

京子「ちょ…待ってよ…話は終わってない…」

結衣「あかりは、幼馴染だから…本当に良い子なのは知ってる。今までありがとう」

あかり「…うう…」ポロポロ

結衣「ちなつちゃん、ごらく部に入った時はビックリしたよな。でも文句言いながらも…私達のごらく部にいてくれてありがとう」

ちなつ「…」グスッ

結衣「皆…今までありがとう。今日は最高に楽しかった…」

結衣「京子…ごらく部を頼んだ」

京子「…だめ」

結衣「えっ」

京子「やっぱり、こんなのダメだぁー!ごらく部つぶそう!あかり、ちなつちゃん、OK!?」

結衣「待て!やめろ!!」

京子「一年前…言ったじゃん!私達のごらく部を作ろうって!」

京子「ごらく部があればいいんじゃない!結衣も含めて…私達のごらく部なの!」

結衣「ちょ…待て…冷静に…」

あかり「そうだそうだー!」

結衣「あかりまで…」

あかり「結衣ちゃんの居ないごらく部なんて潰しちゃえばいいよ!」

ちなつ「そ…そうですよ!意味ないですもん!」

京子「じゃあ綾乃に…」

結衣「待てバカ!!!!!!!!」

京子「!」ビクッ

結衣「もう決まってるんだよ!今さら潰したって意味ない!だから…お願いだから、ごらく部を、なくすのだけは…っ」

京子「そ…そんな…そんなの…意味ないよ…」

結衣「たのむ…」

京子「…なら!潰すからって言って親に直接抗議すれば…!!」

結衣「…ムチャ言うな。下手したら父さんに殴られるよ」

京子「…じゃあ…じゃあ…」

ちなつ「ちょ…ホントなんですかぁ…ホントにお別れなんですかぁ…?」ポロポロ

あかり「な…何か方法はないの…?」

結衣「…気持ちは…本当にうれしい…でも…っ」ポロポロ

京子「や…やだよ…やだよ…!!」ポロポロ

~~~~

結衣「…これで…お別れ。ホントのホントに…」

ちなつ「…結衣センパイ。好きでした」

結衣「…うん」

あかり「結衣ちゃん…」グスッ

結衣「…よしよし」

京子「…」

結衣「京子…その…」

京子「…結衣ぃ!」ギュッ

結衣「…っ…」ギュッ


・・・・・・・
・・・・
・・

           /,    ヽ \
             ,'.,       `、ヽ,
         //-─'''''''─-、,!.  ', _,,,..-‐''''",二ニ‐-、
     _,,,.-''"   ._      `ヽ!,,.-‐'''"      ,','     俺が結衣の親父さんを説得するし!
    |,.  _  i'"::::::L,,,!::`i__,,i''''ヽ, ヽ、      ,r'
   く   (::::::L,,/::;'::::;':::;:::::::;':::::::::::;':L,,,,_\     ,r'
     `y'`'"/::::/::;':::::;'::/::::::;':::::::::::;'::::::::::::;} .`、 /

~二日後~

結衣「…これから、約二年間、よろしくお願いします」

「きゃー超クール」「えークールというより可愛いでしょー?」
「良い感じの子だねー」「仲良くなりたーい」

先生「では、そこに座ってね」

結衣(…滑り出しはまぁまぁかな)

「あのー船見さんは、部活とかって…?」

結衣「あぁ…ごめんね。入る気はないんだ…」

「そうなんだ…」

「前は何か入ってなかったの?」

結衣「あー…ごらく部って所」

「ごらく部?何するの?」

結衣「情けない事に…ダラダラするだけなんだ…ははは」

「へー…何だか楽しそうだね」

結衣「うん…最高に楽しかった」

「…じゃあ、ごらく部…作っちゃう?」

結衣「え」

「私も部活入ってなくて…でも周りは入ってる人ばっかりだから困ってたの!お願い出来ないかな?」

結衣「…ごめん。あの、ごらく部じゃないと意味がないから」

「そっかー…分かった」

結衣「あ、教科書持ってないんだけど…見せてくれる?」

「いいよー」

結衣(…友達は大丈夫そうかな…)

結衣(…でも…物足りない…京子…教室には京子がいないと…)

結衣(…)

「でもさー…さみしくない?転校なんて」

結衣「…まぁ、ね」

「だよねー…そんなに楽しい部活があったら特に」

結衣「…うん」

「…あ、ごめん」

結衣「いいよ。思い出はいっぱい作ってきたから」

「そっか…」

結衣「あ、この後、学校案内してもらえるかな?すごく迷惑だとは思うけど…」

「ううん、全然いいよ!」

結衣「ありがとう…」

~昼休み~

「ここが我らが生徒会室!」

結衣(…綾乃…千歳…向日葵ちゃんや櫻子ちゃん…会長…は、居ないよな)

結衣(私は何してるんだよ…)

「ここがトイレで…ここが図書室で…」

結衣(そういや、トイレで吐いた京子の看病とかしたっけ…)

結衣(図書室…と言えば千鶴だな。京子がムダに笑かしてきた)

「ここが理科室で…」

結衣(あの先生…爆発とか、まだしてるのかな。失敗多いからたまには成功して欲しいな)

「そして、ここが茶道室!」

結衣「…茶道室!?」

「そ。珍しいでしょ?それに茶道部はこの学校を代表する名門なんだよ!」

結衣(…今ごろ…向こうの茶道室ではバカやってるんだろうな…こっちの茶道室は有効活用されてるのに)

結衣(…バカ…やってるんだろうな…)ポロポロ

「…船見さん?あれ、あれ!?どうしたの!?」

結衣「ご、ごめん…案内させておいて悪いんだけど…ちょっと一人にしてくれないかな…」ポロポロ

「…わ、わかった…教室に行ってるね」

結衣「くっそぉ…こっちの茶道室でも泣かなくちゃダメなのかぁ…っ」ポロポロ

結衣「…はぁ…うっ…」フキフキ

結衣「あぁ…目、腫れちゃった…」

結衣「恥ずかしいな…まぁ、仕方ないか…教室に戻ろう」

結衣「くそっ…泣かないって決めてたのにな…」

結衣「…ごらく部に…帰りたいな…」





・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・

~帰り道~

結衣「…」トボトボ

結衣「…あ、食材切らしてたんだった…寄り道しないと」

結衣「…あのスーパーは…」

「あかり、オムライスがいい!」

「センパイすごいです~!」

「ラムレーズン食べたい!」

結衣「…それは…お昼じゃなくて今食べたいだけだろー…」ボソッ

結衣「…」

結衣「…」

結衣「…何だよ、これ…」

結衣「やっぱり、おかしいだろ…」

結衣「こんなに寂しいなんて、おかしいだろ…!?こんな事あっていいのか…!?」ポロポロ

結衣「これから毎日一人で帰って…部活もせず…一人で買い物してさぁ…そんな生活なのか…!?」ポロポロ

結衣「一日目でこれじゃあ…耐えられそうにないよっ…!!」ポロポロ

結衣「…」ポロポロ

結衣「…あー重いなぁ…」

結衣「あの時は…分担して持ってたから…楽だったなぁ…」

結衣「ちなつちゃんなんて、無料して2袋持ってたし…ははは…」

結衣「あかりも健気に…でかいの持ってくれてたな…」

結衣「京子は…あれ、アイツ何も持ってなかったじゃん。おいおい…」

結衣「…重い…」

>>108ミス

投下し直す

結衣「…あー重いなぁ…」

結衣「あの時は…分担して持ってたから…楽だったなぁ…」

結衣「ちなつちゃんなんて、無理して2袋持ってたし…ははは…」

結衣「あかりも健気に…でかいの持ってくれてたな…」

結衣「京子は…あれ、アイツ何も持ってなかったじゃん。おいおい…」

結衣「…重い…」

~結衣マンション~

結衣「やっと着いた…」

結衣「…!…カギ開いてる…?」

結衣「…強盗か?先に警察に連絡s…うわっ!」ズルズル

結衣(無理矢理つれこまれた…や、やばい?)

京子「京子だよん」

結衣「…え」

あかり「お邪魔してるよー」

ちなつ「どうも。一日会えなくてさみしかったですー」

結衣「…何してんの」

京子「いやー…昨日色々話したんだけどさぁ…」

京子「やっぱ、ごらく部つぶすのはムリ…でも、結衣がいないのもムリ」

結衣「…」

京子「じゃあ部室帰ればいいじゃーんって事でやってきましたin結衣マンション!」

結衣「…」

あかり「放課後になったら毎日くるんだよね~」ニコニコ

ちなつ「もっちろーん」ニコニコ

結衣「…いやいや、私の迷惑を…」

京子「いや、放課後だけだし!漁ったりしないし!合い鍵作っちゃったし!」

結衣「いつのまに!?」

京子「って事でよろしくー」ダラダラ

あかり「よろしくねー」ダラダラ

ちなつ「結衣センパイ…♪私の人形がおんな目立つ所に…♪」

結衣(…まぁ、これがごらく部なのかな)



~おわり~

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