リュック「おい、座れやヤキトリとクマ公」

バンジョー「えっ」

リュック「ええから座れや」

カズーイ「え、えぇ」

リュック「あんな、まず言わせてもらうけどな、リュックの使い方間違ってるやろ」

リュック「ホンマ最近の若モンはリュックの使い方も知らんのかいな」

リュック「聞くけどな、普通リュックをブンブン振り回して攻撃するか？」

バンジョー「し、しない……です」

リュック「せやろ？」

リュック「まぁどっかの世界にならそんな利用の仕方があるかもしれへんしここは大目に見たるわ」

バンジョー「あ、ありがとうございます」

リュック「問題はこっからやで」

リュック「そのリュックをブンブン振り回して攻撃する技やリュックに入ってぴょんぴょんする技、それは誰の技や言うてみ」

バンジョー「僕の技です」

リュック「ちゃうやろ！ワシの技やで！！」

リュック「それをもう我が物と自分の技みたいに使うのがどうにも気に入らんのや、わかるか？」

バンジョー「えっと……」

リュック「んでな、毒水やからワシの中に入るて、リュックを乗りもんと勘違いしとるんか？え？」

バンジョー「お、教えてもらったから……」

リュック「誰にや？え？」

バンジョー「じ、ジャムジャーです」

リュック「なら後でそのジャムジャー言う奴に言っとけ、自分アホやなと」

リュック「中に入るで思い出したわ、そっちのヤキトリ、お前も十分に非があるんやで？」

カズーイ「はぁ？リュックの癖に何言ってるのかしら」

リュック「リュックやないで、リュックさんと言えや」

カズーイ「それで？なんで私に非があるのよ、リュック」

リュック「もうええわ、ワシは器でかいからな」

リュック「なんでって分かるやろ、自分クッサイねん」

カズーイ「いきなり失礼ね」

リュック「エステに行ったかなんか言うてたけどな、お前はトリや、クッサイねん」

カズーイ「そんなはず無いわよ」

リュック「いーやあるな、スカイぱらだいすのゴミ箱から出た直後なんてめちゃくちゃクサかったわ」

カズーイ「あ、あれは……」

リュック「あとクッサイトリで思い出したわクマ公」

バンジョー「え？」

リュック「お前な、何でもかんでもワシに入れればええと思っとるやろ」

バンジョー「だ、だって運んでくれって言われて……」

リュック「は？お前はだったら戦闘機運んでくれや言われたら無理やりリュックに詰め込むんか？地球運んでくれや言われたら無理やり詰め込むんか？え？」

バンジョー「そ、それは」

リュック「ワシも意外にデリケートなんやで、そこらへん考えてもらわへんと」

リュック「あのデブでクッサイ白クマ運ばれたときなんてもう死ぬかと思うたわ」

リュック「まぁ今回はワシの器のデカさに免じて許したるけど、これだけは約束してくれへんか？」

バンジョー「はい？」

カズーイ「何よ」

リュック「トリ以外にもう何も入れへんこと、トリはなるべくリュックから出ること、なるべくリュックの技を使わんこと」

リュック「これさえ守ってもらえればワシももう喋らんから、な？」

バンジョー「は、はぁ」

リュック「ほな、もう黙っとくわ、はよ冒険の続きしろや」

カズーイ「う、うん」

バンジョー「ど、どうするカズーイ」

カズーイ「でもあのスイッチ、どうみてもバンジョー専用のスイッチよ」

バンジョー「リュックさん」お願いします、使わせてください」

リュック「何や、そんなにして欲しいんか？」

バンジョー「は、はい、ジグソーが必要ですから」

リュック「仕方ないのう、ほれ今回だけやで」

バンジョー「あ、ありがとうございます！」

カズーイ「（何なのこのリュック）」

ホットアイスやま

バンジョー「よっと」

ジャムジャー「このスイッチはさびてるからもっと重い力がないと踏めないぞ」

バンジョー「重い力……ウンバの変身かな」

カズーイ「なら早速変身よ」

バンジョー「そうだね」

ウンバのテント

ウンバ「さぁ、早速入るね」

バンジョー「うん」ﾎﾞﾁｬﾝ

ﾄﾞｫｫｫｫｫｫﾝ

雪玉「この姿は雪玉？」

ウンバ「ウンバ、これを雪玉って呼んでるね」

雪玉「よし、これなら」

リュック「ちょい待ち」

雪玉「へ？」

リュック「ちょい待ち言うてるやん、待てや」

リュック「前から思っとったけどな、お前はリュックを何やと思っとんねん、言うてみ、何に使いますか？」

雪玉「ど、道具とかお弁当とか運ぶために使います」

リュック「せやろ？何やねんこれ、冷たいねん」

リュック「お前もう手ェ無いやん、どうやって持ってるん？え？」

リュック「ウィッチわーるどなんてもうアレやん、持つとこ伸びまくってるやん」

リュック「リュックがそこまで万能と思うなよ？アレちぎれる寸前なんやで？な？」

雪玉「す、すみません」

リュック「テリーのオアシスやジョリーのリゾートでもそうやで、恐竜とか潜水艦とかもう無理があるやん」

リュック「キラリンこうざんなんてもう論外やん、起爆したらリュック燃えてまう事くらい考えられへんの？」

雪玉「え、えぇ……」

リュック「とにかくやで、いくらスイッチがさびてようと何か変身が必要だろうと、もう変身使うな、ええな？」

雪玉「しかしそれでは……」

リュック「しかしもへったくれもあらへん、ええな？ワシとのお約束や」

雪玉「でも……」

リュック「分かった！困ったらワシ使え、それでええからもう変身すんなよ？分かった？」

雪玉「わ、分かりました」

ウンバ「……元に戻るね？」

雪玉「うん……」

そして最後のジグソー

発注「やあアニマルくん、君の技のぴょんぴょんリュックでレースだ！」

バンジョー「うん、分かった」

その時のバンジョーは、もうリュックのことは忘れていた

バンジョー「いくよ！」

発注「おう！」

――――――――――――――――――――――――――
バンジョー「よし、勝ったよ！」

発注「また負けた！何かインチキしてないか？、まぁいいや、三回目の勝負でまた会おう」

バンジョー「ふう」

リュック「うああああああ！！」

バンジョー「！？あ、リュックさん！」

リュック「あ、あれだけ使うな言うたのに……」

バンジョー「あ、そうだった！！」

リュック「す、スマンがワシはもう長く生きれん……ありがとな……バンジョー……」

ﾄﾞｫｫｫｫｫｫﾝ

バンジョー「り、リュックさぁぁぁぁぁん！！」

バンジョー「……」

僕はその日、初めて失ってはいけない物に気づいた

もう、リュックさんは戻ってこないけど、彼は僕達に大切な事をたくさん教えてくれた

僕はこれから、リュックに頼らず自分の力で何とかしていこう、そう誓った

バンジョーとカズーイの大冒険２?リュックの最期の言葉?

完