藤木「僕は永沢くんに倍返ししたいんだ…!!!!」 (17)

浜崎「倍返しだ!」

ブー太郎「うわぁ~やられたブー!」

まる子「うちのクラスは全沢直樹ブームだねぇ」

たまえ「ドラマもすごい視聴率だったもんね」

藤木(倍返しかぁ…僕も誰かに倍返しなんて言ってみたいな)

藤木(笹山さんの見てる前で言えたらきっと惚れ込んでくれるかな…ウフフ…)

永沢「藤木くん、ヨダレが垂れてるけどどうしたんだい」

藤木「…(ビクッ」

藤木「あ、ああ…永沢くん…おはよう」

永沢「どうせ変な妄想でもしてたんだろう、君の場合」

藤木「僕の場合ってひどいよ永沢くん…なにも妄想なんてしてないさ」

永沢「ふーん、まあどうでもいいけど」

永沢は黄色帽子を手で取り外し藤木の隣の席に腰かけた

藤木(はぁ…ホントに永沢くんは人を苛立たせる才能に満ち溢れてるなぁ)

ガラガラッ

戸川先生「おはようございます、みなさん」

一同「おはよーーございます!!」

戸川先生「今日は皆さんにお伝えしなければならないことがあります」

ざわざわ

まる子「なんだろうねぇ、たまちゃん」

たまちゃん「なにかあったのかな…」

戸川先生「笹山さん前へ」

笹山「……はい」

藤木(さ、笹山さん!?彼女が何をしたって言うんだ!)

戸川先生「自分で言えますか?」

笹山さんは無言で頷き口を開いた

笹山「…実は私の体操服上下とリコーダーが昨日から見当たらなくて…」

まる子「えぇ?体操服上下にリコーダ~?」

浜崎「誰かが盗んだに違いねーぜ!」

関口「ハハハ!体操服上下盗むなんて変態だな!」

戸川先生「皆さん静かにしてください」

笹山「もし見つかれば私に教えてください…」

笹山さんは教卓の前でクラスメイトにペコリと頭を下げ

盗難ということもあり声は震えていた

戸川先生「先生にでも良いので何かあれば教えてください」

戸川先生「それでは、授業を始めましょう」

……



たまえ「笹山さん、いつぐらいから無くなったの?」

笹山「3日前に…体操服とリコーダー2つとも同じ日に」

まる子「どこかに置き忘れたとか?」

笹山「ううん、リコーダーはランドセルに入れてたし体操服も袋の中に入れてたから…」

藤木(許せない…僕の彼女から盗難するなんて…!!)

キートン「いつから彼女になったのやら」

藤木(僕が必ず犯人を見つけ出す…!)

丸尾「笹山さん!ズバリ学級委員長の私丸尾が必ずや見つけ出してみせます!」

笹山「ありがとう丸尾くん」

丸尾「それでは今から男子生徒のランドセル中身を点検していきます!」

関口「お、おい!なんで中身点検なんてされなきゃいけねぇんだよ!」

丸尾「事件を早急に解決するにはこの手にしかありません!」

丸尾「まだ、笹山さんのリコーダーと体操服を隠し持っているかもしれません!!」

関口「勝手なこと言ってんじゃねぇぞクソメガネ!」

丸尾「関口さん、ズバリ!貴方が犯人でしょう!」

まる子「!?」

たまえ「ま、丸尾くん…それはいくらなんでも…」

まる子「そうだよ!いきなり関口を犯人に仕立て上げちゃってさぁ!」

丸尾「いいえ、私今の関口くんの発言で確信致しました」

関口「…っ」

丸尾「それでは、中身を見せてもらいます」

ゴソゴソッ

藤木(関口くんが犯人だったら僕は……)

藤木は図工の時間に使用した彫刻刀を机の中にこっそりと忍ばせておく

ゴソゴッ

関口のランドセルの中を容赦なく荒らし回す

丸尾「おや…これは……」

丸尾はビニール袋に包まれた怪しい物をランドセルから取り出した

浜崎「これって…」

関口「…にょ、尿検査の紙コップだよ!」

まる子「なぁんだ…全く人騒がせな学級委員長だねぇ」

丸尾「…こ、これを見られたくなかったからあれだけ抵抗を…」

関口「そうだよ!!中身を入ってんだよ!」

関口は乱暴に丸尾の手から紙コップを奪い取り

怒りを露わにしながら席にへと戻った

藤木(ふぅ…関口君を殺めずに済んだや…)

丸尾「まぁいいでしょう、犯人はズバリこのクラスの人間ですから!」

まる子「丸尾ォ!あんたクラスの人間を疑うなんて最低だよ!」

丸尾「今日の終わりの会までに必ず犯人を見つけ出します」

スタスタ

大野「クラスの人間疑うのは仕方ないだろ」

杉山「ああ、他クラスの可能性もあるかもしれないけどな」

野口「クックック…面白くなってきたねぇ…」

藤木(ぜ、全沢だ…こういう時に彼みたいな男がいれば…)

藤木はある決意をした

藤木「僕が真犯人を見つけるよ」

たまえ「え…藤木急にどうしたの…」

藤木「丸尾くんがまた無実の人間を罪にするかもしれない!だから、僕が真犯人を見つけ出すよ!」

笹山「藤木くん…」

藤木「ウフフ…笹山さん任せておいてよ」

……



キートン「昼休み」

永沢「あんなにでかい口を叩いて勝機はあるのかい?」

藤木「ないよ…ないに決まってるよ…」

両手で頭を抱え自分の発言に後悔している藤木

永沢「終わりの会で君が恥をかくところを見れると思うと最高だな」

藤木「な、ながさわくん!僕を見捨てないでよ!」

ガバッ

永沢「な…なんだよ見苦しいな…!」

ドカッ

藤木「ウヒャ」

永沢「そもそも、事件の手がかりすらないのにどうするつもりだったんだい」

藤木「手がかり…そうだ、まずそれを探さないと」

永沢「暇だから僕も手伝ってやるよ」

藤木「笹山さんのリコーダーと体操服が盗難されたの3日前」

永沢「午前中に確か体育があったはず」

藤木「体育は1時間目だよ!」

永沢「体育の開始10分前ぐらいはこの教室を女子が更衣室として使ってるだろう」

藤木「うん…だから、男子が入って盗むなんてほぼ不可能に近いよね…」

永沢「そうかな?」

藤木「えっ」

永沢「学校には早い時間に来ることだって出来るだろ」

藤木「あっ…!体育の始まるもっと前に教室に既に忍び込んでたってことなのかい!?」

永沢「ああ、男子が盗むとしたらその時間しかない」

藤木「じゃあ、3日前にいち早く教室に入った奴が犯人…」

永沢「かもしれないってだけだよ」

永沢「もし、体育の時間に盗もうとしても教室には鍵がかかってる」

藤木「そうだよ…盗むならその早朝の時間しかないや…!」

……



戸川先生「それでは終わりの会を始めたいと思います」

丸尾「先生、犯人と思われる人物を連れてきました」

戸川先生「では、みなさん。机を移動させて円を作ってください」

ギィィッ ギィッ

戸川先生「…それでは、被告人真ん中へ」

丸尾「ズバリ!この方でしょう!」

スッ

長山「ど、どうして僕が…」

まる子「長山くん!?」

たまえ「クラスの秀才長山くんが疑われるなんて…」

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