サシャ「フランクフルトルトとラィンナー」(363)
ネタバレあり
ベルトルト×サシャあり
ライナー×サシャあり
下ネタ・キャラ崩壊に注意
―女子寮―
サシャ(・・・今何時くらいですかね)
遠くの梟「ホウ・・・ホウ・・・」
サシャ(皆も寝静まったようですし、今日も食料庫へ物色に行きますかね)ムクッ
ミカサ「サシャ・・・だめ」
サシャ「!?」ビクッ
ミカサ「それは芋じゃない・・・スースー」
サシャ(なんだ、寝言ですか。びっくりさせないでくださいよ)ヌキアシサシアシ
ギィィ・・・パタン
サシャ(狩りに出発です!)スタタタタ
――――
―――
―宿舎廊下―
サシャ(今日は見張りがこの時間いないはずなので、さっと行ってさっといただきましょう)スタタタタ
ミーナ「あれ?サシャ?こんな夜中になにしてるの?」トテトテ
サシャ「ひゃう!ミ、ミーナこそ、何してるんですか!?」
ミーナ「なにってお手洗いだよ。サシャも?」
サシャ「実は洗濯物を外に干しっぱなしだったのを思い出しまして。夜露に濡れるといけませんから取りに行くとこです(こういう時のために前もって考えておいてよかったです)」
ミーナ「もうこの時間だったら濡れちゃってるんじゃない?暗いし明日にしたら?それとも一緒に行こうか?」
サシャ「ありがとうございます。でも、ひとりで大丈夫です。外に出て体が冷えてもいけませんからミーナは先に休んでください」
ミーナ「そう?風邪ひかないようにね」
サシャ「ありがとうございます!では!」スタタタタ
――――
―――
サシャ(ふう。上手く切り抜けました。さて、洗濯場を過ぎて、ここから先は男子寮にも近いですから、見つかった時にごまかしがききにくくなりますね。気を引き締めていきましょう)ササササ
サシャ(むっ!?人の気配っ!?こっちに来るっ)ピタッ
コニー「うわぁ~今日さみぃなあ」ブルッ
ベルトルト「そうだね」
ライナー「だな」
ジャン「なんでこんな大人数なんだよ」
エレン「しょうがねえだろ、皆起きちゃったんだから」
ジャン「ったく、コニーがでかい声で起こすから・・・」
コニー「なんだよ。ベルトルトが俺の上にかかと落とししてきたんだから起きねえほうが変だろっ」
ベルトルト「寝相悪くてごめん・・・」
ライナー「まあまあ。たまには連れションもいいじゃないか」
―男子トイレ―
サシャ(皆ゾロゾロとお手洗いに入って行きましたね。今前を通るのはリスクが高いのでこの物陰に潜んでいましょう)スッ
サシャ(・・・早く済ませて帰ってくれませんかね。時間が無くなってしまいます)ソワソワ
コニー「やっぱベルトルトのフランクフルトルトはでかいよなあー」
サシャ(!?)
ベルトルト「いや・・・そ・・・なに、大きくな・・・よ」
サシャ(今、コニーがベルトルトのフランクフルトが大きいって言いましたよね?)
ベルトルト「ライナーの・・・ィンナーのほうが・・・大きいよ」
サシャ(ベルトルトの声は聞こえにくいですね。もっとコニーみたいに大声で喋ってくださいよ)
エレン「ああ、ライナーのラィンナーもでかいな」
サシャ(ライナーのウ?ウィンナー!?エレンいいですよ。その調子で大きな声で詳細を教えてください!)
ライナー「いや、ベルトルトには負けるな」
ジャン「あのよ・・・お前らの・・・肉ぼ・・・の話な・・・て・・・聞きた・・・ねぇんだよ」
サシャ(ジャンも聞き取りにくいですね。でも今肉って言いましたね。言いましたよ!)
サシャ(ふむ、どうやらベルトルトとライナーはお肉を所持しているようですね。コニーとエレンの話し方からすると、何度か見た・もしくは食べたことがあるようですが・・・私ともあろうものが気付かなかったなんて。フランクフルトがどうとか初耳ですし男子だけで分けてたんでしょうか?おっと、出てきましたね)
ゾロゾロ
エレン「ふぁ~。・・・ねみぃ」
コニー「二度寝かー、明日の朝、起きれっかな」
ジャン「俺は目がさえて寝付けそうにねぇ」
ベルトルト「ごめんね、ジャン」
ライナー「ジャン、俺が子守唄でも歌ってやろうか?」
ジャン「野郎の子守唄なんか余計寝れねぇよ!」
エレン「俺はアルミンとかマルコの子守唄なら、寝れそうな気がするな」
コニー「そうだな。俺もこないだ座学の時アルミンの子守唄で寝ちまったぜ」
ベルトルト「コニー、それ勉強教わってただけだよね・・・」
サシャ(クンクン。トイレ臭いだけでお肉の匂いは特にしてませんね。お手洗いに持ち込んだりはしないでしょうし、見たところお肉らしきものは持ってはいないようですが・・・。二人がお肉を所有してるらしいのは気になりますね)
サシャ(明日二人にお肉を所有してるか確認をして、持ってたら少し分けてもらえないか交渉してみましょうか・・・。うん、そうしましょう。今日の食料庫は時間も予定よりずれてしまったので撤収です)スタタタタ
―――
――――
―次の朝、食堂―
ベルトルト「あ、今日のスープはきのこだね。ライナー」
ライナー「お、そうだな。小さいが、ちゃんときのこの形してるな」
サシャ(さて、どちらから聞き出しましょう。ライナーのほうがベルトルトよりは話したことがあるので、ライナーにしましょうか。それともたいして話したこともないので、断られても後々気まずくならないベルトルトか・・・)ジーッ
ベルトルト「!(はっ!サシャが見てる!僕のパンか、スープが狙われてる!?)」
ベルトルト「ライナー、サシャがこっち見てるよ」コソコソ
ライナー「ん?どうせパン狙ってるんだろ?無視しておけ」
ベルトルト「僕、今まで狙われなかったのになあ・・・」ドキドキ
ライナー「最近サシャと仲いいやつらが分けてやらなくなってきたから、新しい獲物を探してるのかもしれん。1度やったらくれると思わ
れるから、やりたくないなら与えるなよ?」
ベルトルト「うん。そうす・・・」
サシャ「おふたりの間に座ってもいいですかね?」ズザッ
ベルトルト「わああ!」ビクゥ!
ライナー「いいけど、パンはやらんぞ?」サッ
ベルトルト「僕もあげないよ!」バッ
サシャ「別にいりません」モグモグ
ライナー「なにっ!?病気か!?」
ベルトルト「えっ、頭でも打った!?」
サシャ「いいえ。今日の私は今ここにあるパンでなく、その先にあるものを目指しているんです」モグモグ
ライナー「そうか、なんかしらんがパンはいらないんだな」モグモグ
ベルトルト(サシャがパンいらないとか、逆に怖いけど今のうちに食べてしまおう)モグモグ
サシャ「あ、でも今食べないといつ食べれるかわかりませんから、やっぱりいただけるならパン欲しいです」
ライナー「もうモグモグ遅い」モグモグ
ベルトルト「うん。モグモグ遅い」モグモグ
サシャ「二人とも食べるの速いですね。切れっ端でもいいんですが」
ライナー「お前のほうが先に食べ終わってるじゃないか。悪いがパンはもう無い」
ベルトルト「うう、一気に食べたから味も何もない・・・」
サシャ「そうですか、残念です(そろそろお肉のことを切り出したいですね。ええと、どうしましょうか)」
ライナー「あとはスープだな。ちょっとは味が濃いといいんだが」
サシャ「あっ、今日の具はウィンナーですかね?」チラッ
ライナー「いや、肉が入ってるわけないだろ・・・きのこだ」
サシャ「え?これきのこですか?ウィンナーじゃなく?」ジーッ
ライナー「どう見てもきのこだろ」
サシャ(ううむ。ウィンナーという単語に特に動揺したりしませんね。隠しウィンナーを持ってるはずなんですが。さすがライナー)
サシャ「ベルトルト、これフランクフルトじゃありませんかね?」チラッ
ベルトルト「きのこだよ・・・」
サシャ「そうですかね。フランクフルトの可能性は?」ジーッ
ベルトルト「無いよ・・・(サシャ、意味不明で怖いなあ・・・仲良くしてるといつもこんなんなのかな?)」
サシャ(ベルトルトのほうはなにか引いてる感じですね。これはあやしい・・・)
サシャ「そうですか。きのこですか。美味しそうなきのこですね」
ライナー「やっときのこに見えたのか。しかしサシャ、今日はお前おかしいぞ」
サシャ「お、おかしくないですよ!?」ドキッ!
ライナー「そうか?」ジーッ
サシャ(うっ。疑われています。ライナーはさっきの感じからしても隠しお肉のことを聞き出すのは難しそうですね。よし、目標は決定しました。まずベルトルトのフランクフルトのことを聞き出しましょう)
サシャ「おかしくないですって。ね?ベルトルト」
ベルトルト「さあ?僕、サシャのことよく知らないからわかんないけど、おかしいかおかしくないかって言われると、いつもおかしいような気がする」
サシャ「いつもおかしい私が、今おかしいということは平常運行ということですね。はい!つまり私はおかしくありません!」
ライナー「なんだそりゃ、まあどうでもいいが・・・何か企んでるような気がしてな」ジーッ
サシャ「企んでませんよ?(うう、ライナー完全に不審がってますね。ごまかしましょう)」
サシャ「そういえば私きのこ大好きなんですよね」パクッ
ベルトルト「あっ!僕のきのこ!」
サシャ「これはなかなかいいきのこですよ」パクッ
ライナー「こらっ!俺のを食べるな!」
サシャ「モグモグ」ニヤ・・・
ベルトルト「ああ~大きいの食べられた」
ライナー「不審な感じがしたのはきのこ狙いだったのか。やられたな・・・」
サシャ「ふふふ。油断大敵ですよ」
ライナー「しかしパンよりきのこを狙うとは、そんなに好きだったのか」
サシャ「きのこ好きです!もっとください!」
ライナー「やらん!」
サシャ「ベルトルトのきのこ・・・」チラッ
ベルトルト「もうダメ(抱えこんで死守しよう)」ガバッ
サシャ「うっ、このウォールベルトルトを突破するのは難しそうですね・・・私のベルキノコ・・・」
ベルトルト(ベルキノコってなんだよ・・・)イラッ
ライナー「おい。サシャ、いい加減にしておけよ?・・・俺は食器を片付けてくるから、帰ってきてまだベルトルトのきのこを狙ってたら、明日の格闘訓練の相手になってもらうぞ?手加減無しでだ」
サシャ「ええっ!?それはご勘弁を・・・私はもう去りますので!」アタフタ
ライナー「ああ、そうしろ」スタスタ
ベルトルト(ありがとうライナー、助かったよ!)モグモグ
サシャ「あの、ベルトルト」ヒソヒソ
ベルトルト「ん?」
サシャ「後で二人きりでお話がしたいので、裏山に来てください」ヒソヒソ
ベルトルト「ここじゃダメなの?」ヒソヒソ
サシャ「ベルトルトの秘密に関することなので、できれば誰にも聞かれないとこがいいですね」ヒソヒソ
ベルトルト「!(えっ!ま、まさか秘密って・・・)」
――――
―――
――
―裏山―
ベルトルト「ええと・・・サシャはまだかな?」
ベルトルト(この辺で座って待っていよう・・・ああ、僕の秘密ってなんだろう。巨人のことを知られたのか?それともアニのこと好きなのがばれちゃったのかな・・・)ヨッコイショ
ガサガサッ
ベルトルト「!?」ビクッ
ガサガサッ
ベルトルト(茂みのあたりに何かいる?な、なんだろう?)ドキドキ
ベルトルト「誰かいるの?」ソロソロ
ベルトルト「・・・サシャ?」ソーッ
ガササッ!!
サシャ「あ!ベルトルト!」バッ
ベルトルト「うわっ!」ビクッ
サシャ「来てくれたんですね。気づきませんでした、すいません」ガサガサ
ベルトルト「びっくりしたなあもう。茂みでなにしてたの?」
サシャ「ベルトルトを待っている間に、きのこを見つけたので採っていました。じゃじゃーん!」
ベルトルト「わあ、大きいね。今日のスープの具の倍はあるよ」
サシャ「今から焼いて食べましょう」
ベルトルト「え?僕も食べていいの?」
サシャ「来ていただいたお礼としてよければと思って。いらなければひとりでたべますが」
ベルトルト「いや、せっかくだから食べたいな。普段の食事だと全然足りないし」
サシャ「じゃあ今から焼きますね。あ、皆には秘密ですからね!」
ベルトルト「うん。準備してきてたんだ?」
サシャ「いつでも焼いたりできるように、山歩きする時は道具一式、携帯用のを持ち歩いてますから」ガチャガチャ
ベルトルト「用意がいいね」
サシャ「さて、焼いてる間に本題に入りたいんですが・・・」ガチャガチャ
ベルトルト「ああ、僕の秘密ってやつか。何を知ってるの?」ドキドキ
サシャ「ベルトルト、私聞いてしまったんですよ。あなたが・・・」
ベルトルト「僕が?」ドキドキ
サシャ「巨大な・・・」
ベルトルト「!!!!」ビクゥー!!
サシャ(今すっごいビクッてしましたね。これは黒ですよ!汗もかいているっ!)
ベルトルト(どうする!?口止めするか!?それとも、力で僕が負けることはないから今ここで始末してしまうか!?でも失敗したら・・・)ドキドキドキドキ
サシャ「その様子だと、間違いありませんね。なんで隠してたんですか」
ベルトルト「なんでって、言えるわけ無いだろ?僕が超大型・・・」
サシャ「え?超大型!?そんなに大きいんですか!!」
ベルトルト「え?」
サシャ「ベルトルトのフランクフルトは!」
ベルトルト「・・・は?」
ベルトルト(フランクフルト???)
ベルトルト「僕のフランクフルトって?」
サシャ「風の噂でベルトルトが大きなフランクフルトをお持ちだと聞いたんですが。しかし、超大型フランクフルトだったとは、す、すごい!」
ベルトルト「ああ・・・もしかして僕のフランクフルトって・・・。フランクフルトルトのことか」
サシャ「そうです!それです!」
ベルトルト(正体がバレたわけじゃなかったんだ。よかった~)
サシャ「なんで男子には教えてるのに、女子には隠してたんですか」
ベルトルト「なんでって、女子に見せるもんでもないし」
サシャ「私は見たいです。フランクフルトルト!」
ベルトルト「ええっ!?」
サシャ「というか、食べたいです」
ベルトルト「うえええ!?」
サシャ「もしよければ私にフランクフルトルトください」
ベルトルト「だ、ダメだよっ」
サシャ「ええっ。なんでですかあ」
ベルトルト「そんな、誰にでもホイホイあげれるものじゃないだろ」
サシャ「一口でいいですから!」
ベルトルト「余計ダメだよ!そんなことさせられるほど僕は鬼畜じゃない!」
サシャ「そんなあ・・・」ショボン
サシャ(一口食べたら全部食べたくなるだろうから、そんなひどいことできないってことですかね。ぐうう、そんなに言うなんて、フランクフルトルトはどれだけ美味しいんでしょうか)
ベルトルト(びっくりした。サシャって・・・そういうの疎いのかと思ってたらとんでもないな。そういえば食堂でもきのこ大好きって言ってたな)
サシャ「じゃあ見るだけでいいです」
ベルトルト「見てどうするんだよ」
サシャ「それをおかずにします」
ベルトルト「お、おかず!?」
サシャ「はい。できれば味と匂いも知りたいんですが、ダメっていうなら妥協点はそこしかありませんからね」
ベルトルト(うっ、フランクフルトルトをおかずにしてるサシャを想像してしまった。ダメだ、これは妄想が暴走していくパターンだ。エロいことは考えるな・・・落ち着くんだベルトルト)
ベルトルト「いや、見せるのも恥ずかしいし、それにフランクフルトルトは別にあげたい人がいるから、サシャにはあげられないよ。ごめんね」
サシャ「そうですか・・・。その人と半分こは無理ですかね」
ベルトルト「うーん、まだその人がもらってくれるとは限らないんだけど、半分こは無理だと思うよ」
ベルトルト(アニとサシャで僕のフランクフルトルトを半分こか・・・あっ、想像したらダメダメ)
サシャ「まだもらってくれるかわからないんですね?じゃあ私待ってますから、もし断られたら私にください」
ベルトルト「えっ、待つってあの、サシャは・・・もしかして僕のこと」
ベルトルト(エロ目的かと思ったけど、そうじゃなくてサシャなりの告白だったりするのか?)
サシャ「なんです?」
ベルトルト「僕のこと、す・・・なの?」
サシャ「え?」
ベルトルト「好きなの?」
サシャ「はい!お肉大好きです!」
ベルトルト「そうじゃなくて!サシャは僕のこと好きなの?」
サシャ「ベルトルトのことですか?そうですね・・・普・・・」
サシャ(はっ!ここで普通ですっていうか、あまり興味ないですって言ったらフランクフルトルトもらえなくなりそうですね。ここは好きと言っておくのが正解でしょう!)
サシャ「好きですね。もしフランクフルトルトを私だけに全部くれるようなら、もう大好きですね」
ベルトルト「えっ。そ、そんなに?サシャがそんなに想ってくれてたなんて・・・気がつかなかったよ」
サシャ「はい。なのでフランクフルトルトのこと真剣に私にくれるか考えて欲しいです」
ベルトルト「ううん・・・そうだなあ。君は他の誰かにもこういうこと言ったことあるの?」
サシャ「いえ、ベルトルトが初めてです」
ベルトルト(初めてが僕なのか。悪い気はしないな。それに男のキノコ好きの淫乱娘ってことじゃないなら、安心したよ。でもフランクフルトルトをあげるかと言うと・・・)
サシャ「あ、きのこ焼けましたよ。どうぞ」スッ
ベルトルト「ありがとう、ハグッ・・・きのこ熱っ」ハフハフ
サシャ「焼きたてですからね。うん、美味しいきのこです」モグモグ
ベルトルト(サシャは食い意地はってる以外は結構可愛いほうだと思うけど、僕はアニ以外はっきり言ってどうでもいいんだよなあ。試しに付き合ってみるほどサシャに興味があるわけじゃないし、フランクフルトルト欲しがってるけど、後で体だけ弄ばれただのってことになったらいけないからはっきり断ろう)
サシャ「フゥフゥ」
ベルトルト「・・・・・・」モグモグ
サシャ「はい、もう一個どうぞ」スッ
ベルトルト「あ、ありがとう」
サシャ「ひとり2個です」モグモグ
ベルトルト(さっき僕が熱いって言ったから、フーフーしてくれたんだ・・・)
サシャ「美味しいですか?」
ベルトルト「うん。美味しいよ」
サシャ「じゃあ特別にもう一個あげますね。フーフー」
ベルトルト「え?サシャ食べないの?」
サシャ「今日ベルトルトのキノコをとった分です。はい。あと、この包んだぶんはライナーの分です。渡しておいてください」スッ
サシャ(きのこでフランクフルトルトを釣れるなら私は我慢します。きのこの生えてる場所は把握してますし。そしてライナーのウィンナーをいただく布石も打っておく私ってば策士ですね。ふふふ)
ベルトルト(食いしん坊モンスターかと思ったら、意外と気を使うこともあるのか。ふうん・・・)
ベルトルト「わかった。渡しておくよ」ジーッ
サシャ「私の顔になにかついてますか?(うっ、もしかして考えがバレましたかね)」ドキドキ
ベルトルト「いや、別に。あのさ、僕のフランクフルトルトが大きいとか欲しいとかくれなかったとか、他の人に言わないでね?」
サシャ「わかりました。フランクフルトルトのことは二人の秘密にしましょう。きのこのこともライナー以外には秘密ですよ?」
ベルトルト「うん」
サシャ「では指切りしましょう」スッ
ベルトルト「しなくても言わないよ」
サシャ「あ、はい。ちょっと子供ぽかったですかね、へへへ」
ベルトルト「じゃあ僕行くね。あと、サシャの気持ちは嬉しいけどフランクフルトルトはあげられない。悪いけど諦めて」
サシャ「そうですか・・・そうですよね。私たち仲良くもないのに図々しかったです。すいません、変なこと頼んで」
ベルトルト「いや、いいよ。きのこ美味しかったし。ありがとうね」スタスタ
サシャ(はあ~。フランクフルトルトはダメそうですね。明日はライナーの方に攻め入りましょう)
――――
―――――
――――――
―男子寮―
ベルトルト「・・・・・・」コソコソ
ライナー「どこ行ってたんだ?もう就寝時間過ぎてるぞ?」
ベルトルト「ライナー、しーっ。それと、これ」ガサガサ
ライナー「ん?なんだこれ」ガサガサ
ベルトルト「サシャが今日のスープのきのことった分のお詫びだってさ。焼きキノコ。僕もさっき食べたけど美味しかったよ。皆に見つかる前に食べちゃって」
ライナー「そうか。しかしサシャってこんなことする奴だったかな」ハグッハグッ
ベルトルト「うーん、どうなんだろうね。サシャはよくわかんないな」
ライナー「何かあったのか?」
ベルトルト「皆には言わないでくれよ?」
ライナー「ああ」
ベルトルト「サシャに告白された」
ライナー「ブッ!!!」≡≡≡(きのこ)
ベルトルト「うわっ!汚っ!!」
ライナー「サシャ、お前のこと好きだったのか!?」
ベルトルト「うん、そうみたいだよ」
ライナー「で?でっ、どうしたんだ!?付き合うのか?」
ベルトルト「断ったよ」
ライナー「そうか・・・(まあ、しょうがないか。こいつアニが好きぽいもんな)」
ベルトルト「でも僕のどこ好きだったんだろう。全然気付かなかったよ」
ライナー「しかしサシャはなかなか可愛いのにもったいないな。変なとこもあるが、付き合ってみても良かったんじゃないか?」
ベルトルト「壁の中の人間だよ。僕らとはダメだろ」
ライナー「なんだ?なにか問題あるか?俺は別にいいと思うが」
ベルトルト「問題大アリだよ。また兵士モードなのか。君はサシャに告白されたら付き合いたいの?」
ライナー「俺はクリスタのほうが好みだが、サシャも悪くはないな。毎日楽しそうじゃないか?」
ベルトルト「そうかなあ。あの食欲は疲れそうだよ。なんか性欲も強そうだし」
ライナー「なにっ!?性欲が強い!?」
ベルトルト「うん。好きって言う前にいきなり僕を求めてきたからね。エロいよサシャは」
ライナー「そうか、食事のきのこ好き発言はそういう・・・あいつ何も知らない顔してそういうやつだったのか」
ベルトルト「良いよね」
ライナー「良いな」
ベルトルト「まあ、それだけだよ。おやすみ」
ライナー「ああ。おやすみ」
ベルトルト(そういえばサシャ、もし僕がアニに玉砕したとして僕のこと待ってるって言ったよね・・・。でも、アニ以外僕は好きになっちゃダメだと思うし、好きになっても未来はないから・・・。それでもサシャは健気に待っててくれるんだろうか。もし、もし僕が巨人じゃなかったら・・・?ううん、考えるだけ無駄だな)
ライナー(明日からサシャを見る目が変わってしまいそうだな。そうか、エロいのか・・・)
―――――
――――
―――
―次の日、食堂―
ライナー「よお、おはようサシャ」
サシャ「おはようございます、ライナー・・・にベルトルト」
ベルトルト「おはよう」
ライナー「昨日のきのこ美味かったぞ。ありがとうな」
サシャ「いえいえ、それはそうと、今日一緒にご飯食べても構いませんか?」
ライナー「いいぞ?なあベルトルト」チラッ
ベルトルト「あ、うん。いいけど」
サシャ「ではお言葉に甘えまして」スチャッ
ライナー「俺の隣でいいのか?間に座ってもいいし、ベルトルトの横も空いてるぞ?」
ベルトルト「ラ、ライナー、変な気使わなくていいよ」ヒソヒソ
サシャ「あの、なんでそんなにベルトルトをおすすめするんですかね?」
ライナー「だって、お前そりゃ・・・」アセアセ
サシャ「あっ!さてはベルトルト、ライナーに昨日のこと言いましたね!?」プンッ!
ベルトルト「ご、ごめん!」
サシャ「やっぱり指切りをすべきでしたね」プンプン
ベルトルト「ごめん・・・」
サシャ「いいですよ、もう。ベルトルトのことは諦めてますから」
ベルトルト「え?そうなの?」
サシャ「ベルトルトを諦めたので、ライナーの大きなウィンナーを今は狙って・・・いえ、お願いしようかなと思ってます」
ライナー「なんだ?俺のウィンナーって」
ベルトルト「ちょっと、サシャ!こ、ここで話すような内容じゃないよ!」アセアセ
サシャ「そうですかね?じゃああとでライナー時間作っていただけますか?」
ライナー「別にいいが、なんだウィンナーって・・・」
ベルトルト「あとで僕が説明するから!二人共その話は終わり!ご飯食べようね!」
ライナー「あ、ああ」
サシャ「そうですね」モグモグ
―――――
――――
―――
―男子寮―
ライナー「サシャが俺に裏山に来てほしいそうだ。一体どういうことなんだ?サシャはお前のことが好きで、昨日告白したばかりなんだろ?」
ベルトルト「うん。僕も正直ショックだよ。振ったとは言え、サシャは僕のことが好きで順番すっとばして求めてきたのは狩猟民族ゆえのことかと思ったら」
ライナー「なんなんだ?俺のウィンナーって」
ベルトルト「ち○こだよ・・・」
ライナー「は?」
ベルトルト「ライナーのウィンナーって言ったら、ラィンナーしかないだろ?」
ライナー「俺の・・・股間のラィンナーのことだと!?」
ベルトルト「そうだよ。ライナーのラィンナーのことだよ!」
ライナー「つまり?サシャはラィンナーが欲しいのか?」
ベルトルト「たぶんね。僕のことも、僕が好きなんじゃなくてフランクフルトルト目当てだったんだ・・・。でかければ誰でもよかったのかもしれない」
ライナー「ううむ。性に奔放というか貪欲というか。だが、あまり感心しないな」
ベルトルト「うん。もっと自分を大事にしてほしいよ・・・」
ライナー「だが、俺が断ると次を探すかもしれんな。ううーん、俺が付き合って一途に好きになるってことを教えたほうがいいかもしれん」
ベルトルト「クリスタ好きなくせにサシャと付き合ってもいいなんて言ってるやつが、一途を教えるなんて説得力ないなあ」
ライナー「じゃあいっそサシャの要求どおり、思う存分抱いてやって終わりってのは?」
ベルトルト「いや、それはさらによくないでしょ・・・それにそれでスッキリ後腐れなく終わるなら僕もそうするよ」
ライナー「なんだ、お前も男だな」
ベルトルト「うるさいな。いいから行ってきなよ。これからのこともあるんだから、中途半端なことにならないようにしてよね」
ライナー「心配するな。ちゃんと断る」スタスタ
ベルトルト(心配だからこっそり見に行こう)テッテッテ
―――――
――――
―――
―裏山―
サシャ「ライナー!こっちです!」
ライナー「ああ」
サシャ「ささ、こちらに座ってください」
ライナー「で、話があるんだろ?」
サシャ「はい。食堂でもちょろっと話したんですが、ライナーの持ってるウィンナーについて・・・」
ライナー「ああ、ラィンナーのことだな」
サシャ「ラィンナー?」
ライナー「俺のウィンナーのことだ。まあ、ウィンナーより太いからクライナーと言ったほうがいいかもしれんが」
サシャ「ああ、クライナー。ライナーの持ってるのはクライナーなんですか。食べたいですね・・・」
ライナー「まあここはラィンナーで統一させてもらうが、俺のがいいのか?」
サシャ「ベルトルトには断られましたからね」
ライナー「お前はそれでいいのか?好きなベルトルトのフランクフルトルトの代わりに俺のラィンナーが欲しいって言うのか?」
サシャ「ダメですかね」
ライナー「ダメに決まってるだろ」
ベルトルト(お、いたいた)ガサガサ
サシャ「なんでですか?ライナーもラィンナーをあげたい人がいるんですか?」
ライナー「え?ああ。いるにはいるが。だが、お前がどうしてもというならお前にやってもいいと俺は思ってる」
サシャ「本当ですか!!!どうしても!!どうしても欲しいです!!」
ライナー「だがな。俺が知りたいのは何故昨日ベルトルトにフランクフルトルトを求めておきながら、翌日すぐ俺にそんなこと言うのかってことだ」
サシャ「なぜって、ベルトルトには断られたからです」
ライナー「お前はそんなに軽いやつなのか!」
サシャ「な、なに怒ってるんですか!?私としてはベルトルトとライナー、どっちに先に頼んでも良かったんですが、ベルトルトのほうがくれそうだったので先にベルトルトに頼んだだけで・・・」
ライナー「軽いっ!」
ベルトルト(えっ、なにそれ。ショックだなあ)
サシャ「確かに図々しいのは認めますが、何がいけないのかわかりません」
ライナー「お前は俺が好きとか、ベルトルトが好きとかじゃなくて、フランクフルトルトとラィンナーが欲しかっただけなんだな?」
サシャ「まあ、そうですね。お肉が欲しいだけです。でもライナーたちのことは好きですよ?」
ライナー「肉欲か(この淫乱娘め!)」
サシャ「肉欲ですね(お肉!お肉!)」
ライナー「そんな子には俺のラィンナーはやらん!」
サシャ「ええー!?そ、そんなああ」
ライナー「それと、他の男どもにそういうものが欲しいとか言うなよ?」
サシャ「え?他の男子も持ってるんですか?」
ライナー「そりゃ持ってるだろ」
サシャ「な、なんと!!知らなかったです。男子ばっかりずるいですね。でもマルコやアルミンならお願いすれば・・・」
ライナー「だから、そういうことしたらダメだって言ってるだろ!」
サシャ「だって欲しいんですもん・・・皮一枚をひと舐めでもいいのに、ベルトルトもライナーもくれないっていうし」
ライナー「ひ、ひと舐めって・・・お前なあ。うぐぐ、しかたない。俺がやれば他の男子には要求しないと誓えるなら、俺のラィンナーを食べさせてやってもいい」
サシャ「え?」
ベルトルト(!!行くのか!ライナー!!)
サシャ「ほんとうですかあああ!?誓います!誓いますのでラィンナー食べたいです!食べさせてください!」ガシッ
ライナー「うおっ!くっつくな!しかしそんなにがっついて・・・」
ベルトルト(サシャそうとう溜まってたんだな。どうしよう、ここでするのかな。見てていいかな)ゴソゴソ
ライナー「お前欲求不満すぎじゃないか?」
サシャ「そりゃベルトルトには断られるし、不満爆発寸前ですよ」
ライナー「じゃあ、また明日でも場所を指定するからそこで・・・」
サシャ「えっ、今はダメなんですか?」
ライナー「俺にも準備ってもんがあるし、こんな野っぱらではちょっとな。せめてもうちょっとちゃんとした場所で時間もたっぷりとってやりたいんだが。今すぐでも別に構わんが、思い出もクソもなくなるぞ?」
サシャ「ああ、確かにゆっくりと味わって食べたいですね、でも一口くらい今食べてみたいです」
ライナー「いや、いきなりくわえさせるのは・・・」
サシャ「ダメですか?」
ライナー「うううーん・・・」
ベルトルト(どうするんだライナー!?獣になるのか!?始めるならはじめるで僕のフランクフルトルトの準備はいつでもいいよ!)ドキドキ
ライナー「いや、俺は結構ロマンチストなほうでな」
サシャ「はあ」
ライナー「キスしてからにしよう」
サシャ「はあ?キス?」
ライナー「そうだ。キスしてから順番に進めていこう」
サシャ「ええと、ラィンナーにキスしてから食べろってことですかね?まあロマンティックですかね、いや、わかりません」
ライナー「違うだろ!お前ラィンナーにしか興味ないのか!まず俺とキスをするんだ!」
サシャ「ええっ!?なんでですか!ライナーとキスしないとラィンナーくれないってことですか!?」
ライナー「そういうことだ」
サシャ「そんな・・・体を求めてくるなんて思いませんでした」
ライナー「体を求めてるのはお前のほうだろ」
サシャ「私が求めてるのはラィンナーです」
ライナー「だから、そりゃ・・・って、なんか話がおかしいな」
ベルトルト(うーん雲行きが怪しくなってきた)
ライナー「なあ、サシャ、正直に答えてくれ。ラィンナーとかフランクフルトルトとか、どこで聞いたんだ?」
サシャ「男子トイレの前で聞きました。コニーとエレンが二人の持ってるフランクフルトもウィンナーも、どっちも大きいって言ってました!」
ライナー「そうか・・・わかった」
ベルトルト(ああ・・・なんだ、そういうことだったんだ。勘違いしてたんだね)
ライナー「いいか、サシャ。よく聞いてくれ。フランクフルトルトもラィンナーもお前の想像してるフランクフルトやウィンナーとは似て非なるものなんだ」
サシャ「え?どういうことですか?」
ライナー「ラィンナーはな、俺のここに付いてるもののことだ」
サシャ「?股ですか?ラィンナーが生えてるんですか?」
ライナー「逆だ。俺に生まれつき生えてるもののことを、コニーたちが例えてラィンナーと言ったんだ」
サシャ「元々生えてるもの・・・」
ライナー「見せなくてもわかってくれよ?そこまでウブじゃないだろ?男は皆あるものだ」
サシャ「あっ・・・!」カアアアアアアアアアッ
ベルトルト(サシャ真っ赤になっちゃった。まあ恥ずかしいよね)
サシャ「あああああ!!!わ、私はなんてことをおおおお/////!!!!!恥ずかしいいいい!!!!」ジタバタ
ライナー「俺も恥ずかしいんだが」
サシャ「ひいい、ごめんなさい!!忘れてください!」ジタバタ
ライナー「いや、はっきり言って忘れにくいな」
サシャ「ふぐううううううううう!!!!!ぐああああああ!!!」ジタジタ
ライナー「・・・・・」
サシャ「うううう・・・」ピタッ
ベルトルト(・・・・・・おっ、ジタバタが止まったな)
ライナー「・・・・・・もういいか?丸まってないで、顔あげろ」
サシャ「忘れてください・・・」
ライナー「わかったわかった。誰にも言わないし忘れるよう努力する」
サシャ「ほんとうに?」グスッ
ライナー「おい、泣いてたのか。鼻水まで流してしょうがないやつだな」ゴソゴソ
ライナー「ほれ、ハンカチ。気にせず思い切りかめ。そら、チーン」
サシャ「は、はい・・・ブビィー!」
ベルトルト(うわー、女の子から出た音と思いたくないよ)
サシャ「ありがとうございます、ラィンナー」グスグス
ライナー「ライナーだ。ラィンナーはもうお前の好きな食べ物として存在してないものなんだから、もう記憶から消しておけ」
サシャ「わ、わかりました。ううっ、でも、どうしよう、ベルトルトとは勘違いしたままになってます。うう・・・」
ライナー「ベルトルトには俺から言っておいて・・・」
ベルトルト「全部聞いてたから、その必要はないよ」ガサガサ
ライナー「うおっ!?なんだよ、後つけたのか!?」
ベルトルト「心配になっちゃってね」
サシャ「ああ、ベルトルト。ごめんなさい。私すごくベルトルトに卑猥なことをしてしまいました」
ベルトルト「いいよ。気にしないで。でもサシャが僕のこと好きなのかと勘違いしちゃって僕も恥ずかしいよ。あはは」
サシャ「すいませんでした、すいませんでした」ヘコヘコ
ライナー「じゃあこの話はこれで終いだな」
ベルトルト「そうだね、戻ろうか」
サシャ「あ、待ってください。よろしければお詫びに、またお二人にきのこを焼かせてください」
ベルトルト「わあ、嬉しいなあ。でも今日はもうすぐ就寝時間だからまたにしない?」
ライナー「そうだな。ちゃんとした場所でたっぷり時間をかけて食べさせてほしいな」
サシャ「わかりました。じゃあ今度の休日に調理場を借りて準備しておきます。また声かけますね」
ベルトルト「うん」
ライナー「楽しみだな」
サシャ「では戻りましょうか」
―――
――――
―――――
―男子寮―
ライナー「・・・・・・」
ベルトルト「あれ、勘違いに気づいても言わなかったら、もしかしてそのまま進めたんじゃない?」
ライナー「言うな」
ベルトルト「キスくらいはできたかも」
ライナー「キスしたら後戻りできなくなるだろ!」
ベルトルト「それもそうだね。でもギリギリで勘違いがわかって良かったよ」
ライナー「そうだな。これはこれで一件落着だ」
ベルトルト「フランクフルトルトを求めるエロいサシャも良かったんだけどなあ・・・」
ライナー「だな。でもまあ、色気もへったくれもないサシャのほうが、サシャらしいから俺はいいと思う」
ベルトルト「そうだね。僕もそのほうが好きになれそうだな」
ライナー「なんだ?サシャに興味が出てきたのか?」
ベルトルト「まあ、同期としてね。これからも深く関わるつもりはないけど、サシャって面白いやつかもって思ったよ」
ライナー「そうか。サシャもだが、俺が想像してた壁内の人間とは違って、ここには憎めない奴らが多すぎるな・・・」
ベルトルト「うん。ライナーは少し皆を好きになりすぎたね」
ライナー「すまん」
ベルトルト「大丈夫だよ、ライナー。君も、アニも、兵士になってしまったら僕が引き上げてあげるから。僕がいるから大丈夫だ」
ライナー「ああ、お前は強いな・・・」
ベルトルト「いや、弱いよ。アニよりライナーより、僕は弱い。でも、弱くて臆病だからこそこうして戦士でいられるんだ・・・。さ、この話はおしまいにして、寝ようか。ライナー」
ライナー「ありがとうな、ベルトルト」
ベルトルト「うん、おやすみ。ライナー」
ライナー「おやすみ」
ベルトルト(そう、僕は臆病で弱いから、自分を守るためにずっと壁を作ってる。君たちの壁が崩れていくのを見てるのも本当はすごく怖いんだ。怖いんだよ・・・)
―――――
――――
―――
―街の中―
ベルトルト(あれ?どこだここ?僕さっき寝たよね?)キョロキョロ
ベルトルト(壁が見える。あれはどの壁だろう・・・)
ズシーン ズシーン
ベルトルト(うわああああ!地鳴りだ!きょ、巨人が壁の向こうから迫ってきてるのか?立体機動装置はどこだ!?)キョロキョロ
ライナー「おい!ベルトルト!巨人がくるぞ!はやく装備するんだ!」
ベルトルト「あ!ライナー!」
ライナー「さあ!はやくこのキノコを股に装着するんだ!そして俺のラィンナーを握れ!」
ベルトルト「は!?はああ!?」
アニ「フランクフルトルト!フランクフルトルト!」ヨイサホイサ!!
ベルトルト「ア、アニ!?両手にガスボンベ持って何踊ってるの!?」
アニ「フランクフルトルト!フランクフルトルト!違う!これはバナナボンベ!」
ライナー「よし、行くぞ!はやく俺のラィンナーを握れええええ!!」
ベルトルト「はああ!?なにこれなんなのこれ!?」
アニ「やばい!巨人が来たよ!」
ライナー「くそっ!間に合わなかったか!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
サシャ巨人「フランクフルトルトモグモグしたい~」スガーン!
ベルトルト「うわああああ!壁が!壁が壊される!!」
―――
――――
―――――
―男子寮―
ベルトルト「うう~ん、ううう~ん。壁があ・・・壁が壊れる・・・」グウグウ
ライナー「うぐっ、ベルトルトのやつ、また上に乗っかってきやがって・・・重いぞベルトルト!」ドカッ
ベルトルト「うぎゃ!うう~む、ん・・・はっ!?」バッ
ライナー「起きたか」
ベルトルト「あ・・・夢?夢か。ああ、良かった・・・」
書き溜め分はここまでなので、以降はまた書き溜めしますので、もう少し続きます。
パンツは履いてね。
>>1です。続き投下していきます。
ここからはベルトルト×サシャルートに入ります。
ライナー「大分うなされてたようだが、大丈夫か?」
ベルトルト「うん・・・起きたらなんの夢か忘れちゃった。でも悪夢だった気がする」
ライナー「そうか。まあ、あまり無理はするなよ?なにかあれば俺たちに相談してくれ」
ベルトルト「うん、ありがとう。ライナー(僕の心配事はほとんど君らのことなんだけどね)」
ライナー「さて、今朝は水汲み当番だったな」
ベルトルト「そうだね。着替えて顔洗ったら行こうか」
―――――
――――
―――
―女子寮―
サシャ「ふあ~あ、もう朝ですか。今日は私水汲み当番でしたね」ボ~
クリスタ「スゥスゥ」
ミカサ「スヤスヤ」
ユミル「ん?よお、早いな。サシャ」
サシャ「おはようございます。ユミル。ユミルはいつも朝が早いですね」
ユミル「年取ると起きたくなくても、勝手に目が覚めちまうんだよ」
サシャ「私と1つしか違わないのに?」
ユミル「そうだ。お前も年取ればわかる」
サシャ「そうなんですかね」ゴソゴソ
ユミル「クリスタの寝顔は可愛いな~」ツンツン
クリスタ「ムニャ・・・ウフフ・・・スゥスゥ」
サシャ「顔洗ってきますね」スタスタ
―――
――――
―――――
―水汲み場―
サシャ「ああ~今朝はまた一層寒いですね。上着を来てくれば良かったです。エレンとコニーはまだ来てないんですね」
ガラガラ チャポン
サシャ「桶を下ろすのはいいんですけど、上げるのが重いんですよね」
ガラガラ
サシャ「よいしょ、よいしょ」
ガラガラ
サシャ「ふうふう・・・」
カラカラカラカラカラ!!
サシャ(!?ぬおっ!?急に軽くなりましたね!水、こぼれちゃったんでしょうか!?)
カラカラ・・・タップンタップン
サシャ「おや、お水はこぼれてませんね?」
ベルトルト「おはよう、サシャ」
サシャ「うわっ!!」
ベルトルト「あ、驚かせてごめん」
サシャ「ああ、いえ、すいません。おはようございます。ベルトルト・・・」
ベルトルト「うん」
サシャ(あ、軽くなったのは、ベルトルトが後ろからロープの上の方を一緒にひいてくれたんですね。すごい力ですね)ジーッ
ベルトルト「どうかした?」
サシャ「いいえ、ええと、水を移しましょうか。よっこいしょ」タプン
ベルトルト「貸して」スイッ
サシャ「あ(軽々と・・・)」
ベルトルト「今日、サシャ当番じゃないのにどうしたの?」ザバー
サシャ「え?そうでした!?あれ?間違えてしまいましたか」
ベルトルト「今日は僕とライナーだよ」カラカラカラ チャプン
サシャ「じゃあ私明日でした・・・」ガーン
ベルトルト「まだ寝れたのにもったいなかったね。いいから帰ってゆっくりしなよ」カラカラカラ
サシャ「いえ、もう帰ってもすぐ朝食ですし、お手伝いしますよ」
ベルトルト「お手伝いといってもなあ・・・はい、サシャ」タプン
サシャ「ちょ、急に渡さないでくださいよ!わっとっと!」グラグラ
ベルトルト「ははは、危ない危ない」ヒョイ
サシャ「むう・・・水の量が半分なら私だって軽く持てるんですよ。ベルトルトは目一杯入れても軽いんですか?」
ベルトルト「まあ、軽いとは思わないけどどうってことないかな」ザバー
サシャ「いいですね。仕事が早く終わります」
ベルトルト「うーん、逆に人数減らされて当番させられるからどうなんだろうね」カラカラカラ チャポン
サシャ「そういえばライナーは?」
ベルトルト「トイレが長かったから置いてきた。そろそろ来るんじゃないかな」カラカラカラ
サシャ「お腹壊したんですかね」
ベルトルト「朝のお父さんのトイレは長いからね」
サシャ「確かにライナーはお父さんっぽいですね。そういえばライナーは、私のお父さんと鼻の感じが似ています」
ベルトルト「ははっ、そうなんだ」ザバーッ
サシャ「でも目はベルトルトのほうが似てますね。ちょっとタレ目で、かっこいいけど優しい感じで・・・」
ベルトルト「僕?」
サシャ「そうですね。でもベルトルトの方が可愛い目をしてますね(あ、生え際の危うい感じもちょっと似てるかも・・・)」
ベルトルト「可愛いって・・・。それ褒めてるの?」
サシャ「あ、す、すいません。気を悪くしないでください。優しそうという意味でですね・・・」
ベルトルト「僕って優しそう?」
サシャ「怒ったとこみたことないですし、実際優しいんじゃないですか?」
ベルトルト「え?そう?」
ベルトルト(周囲に波風立てて目立ちたくないから色々抑えてるだけなんだけど・・・そういう風に見えてるのか
サシャ「さっきも桶を後ろから引っ張ってくれましたし。ありがとうございます」
ベルトルト「ううん、いいよ」
サシャ(実はさっきのはちょっとドキッとしてしまったんですよね)
ライナー「悪い悪い!ベルトルト!クソがなかなか出なくてな、っと・・・サシャ?」ダッダッダッ
サシャ「おはようございます!」
ベルトルト「遅いよ、ライナー」
ライナー「なんでサシャがいるんだ?」
サシャ「当番の日を間違えました」
ライナー「なんだ、そりゃお前損したな。今日水汲んだなら、俺が明日と代わってやろうか?」
サシャ「本当ですかあ!?」キラキラ
ベルトルト「サシャは水汲んでないでしょ・・・」
ライナー「なに?じゃあ代わってやらん。よし、ベルトルト交代だ」
サシャ「ベルトルト、ばらしてはいけません。それに最初の1杯は私が途中まで汲みましたよ」
ベルトルト「ズルはよくないよ、サシャ。汲んだ分は運んでね。こっちの水袋持って行って」
ズシッ
サシャ「お、重いっ!前言撤回です。やっぱりベルトルトは大して優しくありません」
ベルトルト「うん。僕って実は悪いやつだからね。・・・騙されちゃダメだよ?」
サシャ「騙されましたあ~。ううッ」
サシャ(といいながら、小さい方の袋を私に渡したので、ベルトルトはやっぱり優しいと思いますよ?)
ライナー「・・・・・・」ジーッ
―――
――――
―――――
―食堂―
ライナー「ふう、今日も味気ない飯だが、腹に詰めれるだけ詰めるとするか」
サシャ「そうですね。お腹がすいては何もできませんからね」
ベルトルト「そうだね」
クリスタ「サシャ、こっち席取ってるよ」
ユミル「さっさとしろよ」
サシャ「あ、はい!」
ライナー「ん?今日はあっちで食べるのか?」
サシャ「はい。もうお二人から特別狙うものもありませんし・・・」
ベルトルト(良かった・・・これでご飯を奪われなくなる)
ライナー(一緒に行けばクリスタがいるな・・・)
ライナー「俺も一緒に食べていいか?」
ベルトルト「!?」
サシャ「え、いいと思いますよ?聞いてきますね」スタスタ
ベルトルト「ちょ、ライナー!」
ライナー「お前も来るか?」
ベルトルト「僕は嫌・・・」
サシャ「ライナー!ベルトルトー!こちらにどうぞ!」
ベルトルト「・・・・・・(なんで僕まで)」
ライナー「遅かったな。まあサシャがメシを奪おうとしたらはクリスタたちが止めるだろうから大丈夫だろ」
ベルトルト(そうじゃなくて・・・もう、ライナーは皆の輪に飛び込みすぎだよ)
ユミル「なんだよ。あんたらが一緒に食べたいなんて珍しいな」
ライナー「まあ、たまにはいいだろう?」
クリスタ「そうだね。皆で食べたほうが美味しいし」ニコッ
ユミル(結婚する)
ライナー(付き合いたい)
ベルトルト「・・・・・・」
ユミル「ベルトルさんはご不満そうだな?そんな顔されちゃメシがまずくなるだろ」
ベルトルト「別に・・・」
サシャ「え?ベルトルトは一緒に食べるの嫌でした?」
ベルトルト「そんなことないよ」
ユミル「どうだかな?」
ベルトルト「・・・・・・」ムッ
サシャ(ふむ。ちょっとベルトルトむっとしてますね。ユミルやってくれましたね。この雰囲気だと、パンを所望するのが難しくなってしまったじゃないですか)ハグハグ
ベルトルト「・・・・・・」モグモグ
クリスタ「今日のパンはいつもより柔らかいね」ハグハグ
ライナー「クリスタは綺麗に食べるな」
クリスタ「え?そうかな・・・ありがとう。ライナーも綺麗に食べてると思うよ」
ライナー「そ、そうか?」テレテレ
クリスタ「うん」
ユミル(ゴリラはゴリラらしく豪快に食ってりゃいんだよ!私のクリスタにデレデレしやがって。面白くねぇな。大体こいつらがこっちに来たのはサシャが連れてきたからだったな)イライラ
ユミル「おい、サシャ。お前いつからこいつらと仲良くなったんだよ?」
サシャ「え?そうですね。一昨日辺りでしょうか?」
ユミル「なんかあったのか?」
サシャ「えっ!ええと・・・」カアアアアッ
ユミル「なんで赤くなるんだよ」
サシャ(フランクフルトルトとラィンナーのことは言えませんし、どうしましょう)チラッ
ベルトルト(なんで僕の方見るんだよ・・・)
サシャ(なにか・・・なにか良い言い訳は・・・)キョロキョロ
ユミル「サシャ、目が泳いでるぞ・・・」
ベルトルト(はあ・・・しょうがないな)
ベルトルト「一昨日、サシャがパンをくれっていうから、僕とライナーが少しずつパンを分けてあげたんだ。それだけ」
ユミル「そんだけ?」
ベルトルト「君らがあげなかったから、僕らのとこに来たんだよ。ね?サシャ」
サシャ「そ、そうですね。そうです」
ユミル「そういや昨日も一緒に座ってたな。サシャぁ、お前どんだけ図々しいんだよ」
サシャ「私は狩猟民族ですからね。常に獲物は探しているんですよ」
サシャ(ホッ・・・。ベルトルトが上手くごまかしてくれて助かりました!神様~!)
ユミル「ベルトルさんたちもよ、あんまり甘やかすなよ?メシ全部とられるぜ。あ、それとももしかして、芋女に下心あったりしてな?」ニヤニヤ
ベルトルト「無いよ。やめてくれよ、そういう誤解招くようなこと。サシャにはパンあげたぶん、今日の水汲みを手伝ってもらったから。君もそうしてるってサシャに聞いたよ」
サシャ(ベルトルト、ごまかした上に、私が奪っただけじゃないってかばってくれましたね・・・)
ユミル「なんだ、そうか。サシャが当番でもないのに今朝早くでてったから何かと思えば。まあパンでなんでもしてくれるから便利なやつだよな。だからってベルトルさん、こいつに変なことさせんなよ?」
ベルトルト「させないよ!」
サシャ「しませんよ!」
ユミル「おっ、いい反応だな。なに想像したんだ?変なことって、なあ?お二人さん」
サシャ「えっ、ええー///そ、それはその・・・」カアアアアアッ
ベルトルト「・・・君ってさあ・・・」ジトッ
ユミル「ん?なんだよ?」ニヤニヤ
ベルトルト「なんでもないよ。僕もう食べ終わったから。じゃあね」ガタッ
ユミル「へっ、もっとゆっくり食べればいいのになあ。露骨なやつだな」
ベルトルト「・・・・・・」スタスタ
サシャ「ユミル、ベルトルトをいじめないでくださいよ」
ユミル「あーん?なんだ?お前ベルトルトに気があんのか?」
サシャ「べ、別にありませんよ」ドキッ
ユミル「ほんとか~?お前バカだから、優しそうだからとかって騙されんなよ?あいつもああ見えて狼かもしんねぇぞ?」
サシャ「ベルトルトは優しいし、人間です」
ユミル「いや・・・そうじゃなくてだな。まあ、いいけど、なにかあったらお姉ちゃんに報告しろよ?ん?」
サシャ「え、ユミル・・もしかして私のこと心配してくれてるんですか///」テレテレ
ユミル「は!?ただのやじうま心だ!バカ!」
サシャ「照れなくてもいいんですよ?」
ユミル「照れてねぇっ!!」
クリスタ「二人は仲良しだね」ニコニコ
ユミル「仲良しとか言うなっ!ああっ、くそっ余計なこと言うんじゃなかった」
サシャ「お姉ちゃんは素直じゃないですねえ」ニヤニヤ
ライナー「お前ら仲良いな」
クリスタ「うん。ユミルお姉ちゃんもサシャお姉ちゃんも仲良しだよね」
ユミル「ん?ま、まあな(クリスタが今お、お姉ちゃんって・・・)」
サシャ「お姉ちゃんたちは仲良しです。クリスタとも仲良しです!」
ライナー「三姉妹か。俺も入れてほしいな」
ユミル「いいぜ。ペットのゴリラでいいか?」
クリスタ「ユミル!ライナーはお父さんでしょ!」
ライナー「いや・・・おに・・・」
サシャ「そうですね。ライナーはお父さんですね」
ユミル「ライナー父さん」
クリスタ「ライナーお父さん」
サシャ「ライナーお父さん!」
ライナー「・・・ははは・・・父さんだぞー・・・」
――――
―――
――
―立体機動訓練所―
ライナー「お兄ちゃんと呼んで欲しかったのに・・・」
ベルトルト「ライナーは僕らからしたら兄貴って感じだけど、女子からしたらお父さんぽいほうが強いかもね」
ライナー「なんでだ」
ベルトルト「うーん、頼りがいがありすぎるからかな?」
ライナー「そうか?」
ベルトルト「戦士か兵士かこんがらがってる今の君はどうかと思うけど。どっちかはっきり意識してる時は頼もしいやつだよ」
ライナー「こんがらがってる?」
ベルトルト「わからないならいいよ。それより今日は別班だから早く集合したほうがいいよ」
ライナー「ああ。えーと、俺の班員は今日はエレンとミーナだったか・・・」スタスタ
ベルトルト「僕はジャンの班か」スタスタ
ジャン「いいか、ベルトのここをこうやって締めるとバランスが取りやすくなる」
サシャ「あっ、本当ですね。なんかピタッときました」
ジャン「あと、お前は勘でアンカー飛ばしてるけど、ちゃんと計算すれば飛距離が伸びるから・・・」
ベルトルト「ジャン、今日はよろしく」
ジャン「おお、よろしくな」
サシャ「あ、今日一緒なんですね」
ベルトルト「うん。最近よく一緒になるね」
サシャ「そうですね。へへへ」
ジャン「お前、ちゃんと班員名簿くらい確認しとけよ」
サシャ「確認したけど忘れてたんですよ」
ジャン「どうせメシ食ってる時に忘れたんだろ?たまにはメシ以外のことにも頭使えよな」
サシャ「使ってますよ!」
ベルトルト「まあまあ。それよりルートの確認をしておこうよ」
ジャン「そうだな。おい、サシャ。ルートは忘れんなよ?」バサッ
サシャ「わかってますよ」
ベルトルト「えーと、僕らのルートはここだね。エレンの班が下を通るみたいだから交錯しないよう気をつけよう」
サシャ「うーん、今回は前回よりややこしいですね。こんなに班が入り乱れたらぶつかりそうです・・・」
ジャン「実戦になったらルートなんてあって無いようになるからな。奇行種に出くわすこともあるだろうし、班員の数も変わるだろ。訓練だからってこれでぶつかるような技術しか身につかないなら開拓地行けってことだ」
ベルトルト「うん。これでもまだ安全な想定してるほうだと思うよ」ズイッ
サシャ(うっ、ベルトルトの顔が近いですねっ・・・)ドキィ
ジャン「だな。とりあえずうちの班は、サシャに合わせて進むから、ベルトルトは調整しながら進んでくれ。それでここをだな・・・」ズイッ
サシャ(ちょっと、ジャンも近いですよ)
ジャン「いいか、サシャ、お前は変に俺らに合わせなくていいからいつもの感じでいいからな」
サシャ「あ、はい」
ベルトルト「それと、ここのとこなんだけどここは僕が先に行くほうが良さそうだから、一旦サシャにはひいてもらって」
ジャン「そうだな。そうしよう、サシャ、確認しておけよ」
サシャ「はい、どこですか?」
ベルトルト「ここだよ」
サシャ「・・・・・・」
ジャン「サシャ。こっち向いてないで、ベルトルトの指してるとこ見ろよ」
サシャ「えっ、そうですね・・・」
ベルトルト「こっち向かないと見えないよ・・・?」
サシャ(ジャンとベルトルト、同じくらいの距離に二人の顔があるのに、なぜでしょう・・・。ベルトルトの方を向けません)
サシャ「・・・・・・えっと」チラッ
ベルトルト「?」ジーッ
サシャ(なんで私の顔見てるんですか!ああ、もうユミルが変なこと言ったから、そんな気ないのに意識しちゃうじゃないですか!)
サシャ「ど、どこですかね」グギギギギ・・・
ベルトルト「首どうかしたの?」
ジャン「気持ち悪い動きだな・・・」
サシャ「気持ち悪くありませんよ。普通女性に向かってそういうこと言いますかね?ジャンってミカサ以外は女子と思ってないんじゃないですか?」
ジャン「はあ?思ってるよ。まっ、おっしゃるとおり?人前で放屁するわ、メシは奪うわな芋女は例外だけどな」
サシャ「放屁はしてません!でも他は悔しながら否定できませんね。まあ別にジャンに女の子扱いされてもそれはそれで妙な感じですけど」
ジャン「お前は見た目は悪くないんだから黙っとけば、皆もっと優しくしてくれるんじゃねえの?」
ベルトルト「そうだね。でも、天真爛漫なのが好きって人もいると思うからそのままでいいと思うよ」
サシャ「えっ、そうですか///あ、ありがとうございます」
サシャ(ベルトルト優しいですね・・・)
ジャン「なんだよ、お前こういうの好みなのか?」
ベルトルト「好みとは言ってないだろ・・・」
ジャン「まさかミカサが好みだったりしないよな?」
ベルトルト「しないよ!」
サシャ(ベルトルトは私みたいなのは好みじゃないってことですかね。ちょっとショックです。・・・あれ?なんでショックなんですかね)
サシャ「じゃあ、ベルトルトの好みって・・・」
ベルトルト「え?」
ライナー「おい!何やってんだお前ら!もうすぐ教官が来るぞ!」
ジャン「あ!まずい!おい、行くぞ」
ベルトルト「あ、うん!」
サシャ「は、はい!」
サシャ(私ったら、何を聞こうとしたんでしょう。全然・・・ベルトルトのこと興味無かったのに。なんだか思考回路がおかしくなってしまったようです)
ベルトルト「・・・・・・(サシャ、何って言ったんだろう?後で聞いたらいいか)」
以下続く・・・
ジャン「いいかあ?わかってるとは思うけど、今回は囮と討伐、討伐補佐の連携の訓練なんだから、くれぐれも勝手な行動はすんなよ!特にサシャ!」
サシャ「わかってますよ!」
ジャン「じゃあ行くぞっ!」シュバッ
サシャ「はいっ!」ヒュンッ
ベルトルト「了解っ!」ヒュンッ
ジャン(連携の訓練と言っても、目標が人間が動かしてる程度の木の板じゃなぁ・・・。動きなんて予測ついちまうし、こんなんで本当に実戦で巨人と戦えるのかよ)
サシャ(ジャンは立体機動は抜群ですし、ベルトルトも立体機動の成績上位ですから、私が足を引っ張らないようにしなくてはいけませんね。なかなかのプレッシャーですよ。これは)
ベルトルト(早く訓練終わらないかな・・・。自分たちを殺すための技術を学んでるのって、覚えたほうがいいとはいえ、疲れるよ)
――――
―――
――
ジャン「よし、さっき言ってた地点で、一旦サシャが下がって、ベルトルトを先に下に行かせろよ!失敗したらぶつかって、ただじゃすまねぇぞ!実践なら二人ともそのまま巨人の餌食だ!俺が合図を出すからな!」
サシャ「了解です!」
ベルトルト「了解!」
サシャ(多方向を確認しながら、考えながら周りに合わせてスピード調整するのってわけわかんなくなるから苦手なんですよね。まあジャンはこちらがしくじっても上手く合わせてくれますし、ベルトルトの立体機動は安定してますからかなりやりやすいですが・・・)
ベルトルト(それにしてもサシャの動きは読めないなあ・・・それなりにちゃんとしたルートで進んでるけどたまにアンカーが僕やジャンの近くに出てくるから怖いよ。まあ勘で当たらないとこに出してるんだろうけど、それがまた予測できなくて怖いんだよな)
ジャン「ここだ!引け!サシャ!」
サシャ「はいっ!」ヒュン
ベルトルト(よしっ!上手くいった!)ヒュン
サシャ(わあああ!上手くできました!)
ジャン「おいバカ!後ろ!」
サシャ「へっ!?うわあああ!」
ゴツン!ガサガサガサ
サシャ「わぶっ!!!痛っ!」ヒュン
ジャン「一つが成功したからって気を抜くやつがあるか!」ヒュン
サシャ「すいません!頭ちょっとぶつかりましたが大丈夫です!立て直しましたので、先に進みましょう!」ヒュン
ベルトルト(あ、今の頭ぶつけて体が回転したまま立て直したのすごいな・・・動物的)ヒュン
サシャ「あっ!ジャン!斜め横の方から誰かの班が来てますよ!」
ジャン「はっ!?斜め横?エレンの班と交錯する地点はあるが、まだそんな地点じゃないぞ!?つかどこだよ!?」
サシャ「あそこですよ!あそこ!しかも私たちと同じ高さで進んでます!」
ジャン「見えねえっ。お前あんな暗い奥で動いてるのが見えんのかよ!」
サシャ「見えます!でもこのままじゃあの班とベルトルトがぶつかるかもしれませんよ!」
ジャン「ちっ!」
サシャ「あっ!ちょっとジャン!置いてかないでくださいよー!」
――――
―――
ジャン「おい!ベルトルト!横から別班が来てる!下に避け・・・」
ガサガサッ
ライナー「うおっ!?」ヒュン
ベルトルト「えっ!?」
ジャン「あっ!ベルトルト!(間に合わねえ!)」
サシャ「とえーーい!!!ベルトルト許してくださいキーック!!」
ズギャッ!!
ベルトルト「うぐあっ!!!」ヒュウウウウン
ライナー「・・・・・・!!」
サシャ「助けてきます!」ヒュン
ジャン「サシャ!おまっ・・・ひとりじゃ無理だろ!!」ヒュン
エレン「ライナー!どうした!?」
ライナー「いや、今ベルトルトとぶつかりそうになったとこを、サシャがうまいこと助けてくれたんだが」
ミーナ「二人とも速いよーハアハア」
ライナー「だが、こんな地点で同じ高さで交わるようにはならないはずなんだが?」
エレン「そういえばさっきもミカサの班とギリギリすれ違ったな」
ミーナ「なんでだろ?」
ライナー「もしかしたら、連携の訓練以外に俺たちに知らされてない訓練内容が入っているのかもしれんな」
――――
―――
――
サシャ「ベルトルト!」ガシッ
ベルトルト「サシャ!」
サシャ(うぐっ!重いっ!)グググ
サシャ「早くアンカー出してください!落としてしまいます!」
ベルトルト「あ、ああっ!」ヒュン!
ジャン「おい!大丈夫か!?とりあえず、あそこの枝で一旦休止だ!」
――
――――
ジャン「怪我ないか?」
ベルトルト「ああ・・・なんとかね」
サシャ「さっきは蹴ってすいません。体が勝手に・・・大丈夫ですか?」
ベルトルト「いや、蹴られてなかったらライナーとぶつかって結構洒落にならないことになってたよ。ありがとうサシャ。でもなかなか効いたよ・・・いてて」
サシャ「す、すいません」
ジャン「サシャ!今回は結果的に良かったが、下手したらお前もぶつかってたんだぞ!」
サシャ「はい・・・ごめんなさい」シュン
ジャン「まあ、二人共大した怪我もなかったから良かったけどよ」
ベルトルト「でもなんであんな近くに他の班が居たんだろうね?僕らは間違ってないと思うんだけど」
ジャン「たぶん、今回の訓練は連携だけじゃなく実戦向けに他の要素も入れてあるんじゃねぇか?」
サシャ「他の要素ですか?」
ベルトルト「うーん、想定外の状況での判断とか、連携しての危機回避の訓練かな?」
ジャン「おそらくな。俺の予想では班ごとに配られた地図のルートや配置がそれぞれ他の班に伝えられてるものと変えてあるんじゃないかと思う」
サシャ「なんでそんなことするんですか?危ないのに」
ベルトルト「わざと危なくしてるっていうほうが正解かな」
ジャン「だな。俺たちの対応力を試してるんだろ。ここでの訓練は闇討ちされて当たり前だし、まあ訓練中にパニックになったりとっさの判断を謝って死ぬようなやつは巨人と戦っても死ぬってことだ」
サシャ「じゃあ切り抜けた私たちは対応力合格ですね!」
ベルトルト「そうだね。でもたぶんまだこういうことがあるだろうから気をつけて進もう」
ジャン「そうだな。サシャ、お前目と耳がいいんだから逐一俺に報告しながら進め。それと、もしぶつかりそうになったときの対応は、ワイヤーやアンカーの位置見て俺が支持出すから、勝手なことしないように!いいな?」
サシャ「わかりました!ジャンに任せておけば安心ですね。頼りにしてますよ!」
ベルトルト「うん。立体機動のことはジャンが一番だからね」
ジャン「・・・行くぞ」
サシャ「あっ、見てください、ベルトルト。ジャンが照れてますよ」
ベルトルト「ほんとだね。耳が赤いね」
ジャン「うっせ!!バカ言ってると置いてくぞ!」ヒュン
サシャ「待ってくださいよ~班長~」ヒュン
ベルトルト「・・・班長~(なんちゃって・・・)」ヒュン
―――――
――――
―――
サシャ「ふぅ~疲れましたね」
ベルトルト「今日は午後に格闘訓練もあるしキツイね」
ジャン「あ~。指示出しで喉が枯れた。水飲んでくる」スタスタ
サシャ「・・・・・・」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「さっき蹴ったとこ、大丈夫ですか?」
ベルトルト「うん」
サシャ「この辺でしたよね?」
ツンツン
ベルトルト「っ!!」ビクッ
サシャ「!?・・・ちょっと見せてください!」
ベルトルト「いや、大丈夫!大丈夫だって!!(どうせすぐ治るんだから・・・!見られたほうが長引くからっ)」
サシャ「本当ですか?」
ベルトルト「本当だよ。くすぐったかっただけだから心配しなくていいよ」
サシャ「痛そうでしたけど。・・・ベルトルトは本当は悪いやつらしいので私を騙しているかもしれません」
ベルトルト「・・・騙してないよ」
サシャ「・・・・・・」
ベルトルト「痛くないよ。大丈夫」
サシャ「わかりました。疑ってすいません」
ベルトルト「いや、心配してくれてありがとう。サシャ」
サシャ「・・・私がやったことですし」シュン
ベルトルト(しょんぼりしちゃったな。ごまかしたの、ばれてるなこれは)
サシャ(ベルトルトって・・・怒ったり責めたりしませんね。それにごまかさなくてもいいのに。でも優しいというか、私に踏み込まれたくないような、一線引かれてる感じがするのは気のせいでしょうか)
ベルトルト「あ、そういえば」
サシャ「?」
ベルトルト「さっき訓練の前に僕に何か聞いてたけど、なんて言ったの?」
サシャ「何か言いましたっけ?」
ベルトルト「あれ?僕の聞き間違いかな?」
サシャ(ええー?私なんていいましたっけ?ええとジャンが私のこと眼中ないとか言う話から・・・好みがどうとかいう話になって・・・はっ!!)
サシャ「あっ、ああー!」
ベルトルト「思い出した?」
サシャ「えっとですね。あれはベルトルトの好みを聞こうと思いまして」
ベルトルト「僕の好み?なんで?」
サシャ(なんでって・・・なんででしょう?聞きたかったからとしか思えませんが、なんでベルトルトの女の子の好みを聞きたくなったんでしょう・・・それってベルトルトのことが気になってるってことですよね?でもフランクフルトを持ってないとわかったのに、自分でもよくわかりませんが・・・)
サシャ「ベルトルトに興味が出たので・・・」
ベルトルト「えっ、僕フランクフルトは持ってないって」
サシャ「いえ、フランクフルトは関係なくて」
ベルトルト「そうなんだ・・・?」
サシャ「知りたくなったんですよ、ベルトルトの・・・べ、ベルトルトの好みの・・・こっ好みの・・」
ベルトルト「うん」
サシャ「・・・好みの食べ物を」
ベルトルト「うーん、やっぱお肉かな」
サシャ「そ、そうですよね!育ち盛りですしね!」
ベルトルト「でもお肉なんてなかなか食べれないしね。お腹いっぱい食べれるならなんでもいいよ」
サシャ「あはは。私もです!」
サシャ(ああーっ!!なぜか!なぜか食べ物の話にすり替えてしまいました!喉まで出かかりましたが、なぜか聞けなかったです・・・!)
ベルトルト「そういえば明日、またキノコ食べれるんだったね。楽しみだなぁ」
サシャ「!(はっ!そうでした!)」
サシャ「そうです、そう。明日キノコ以外になにかお好きなものあれば用意しようと思って、それできいたんですよ」
サシャ(うん、これですり替えた話に説得力が出ましたね!)
ベルトルト「好きなものか、やっぱぱっと浮かぶのお肉しか浮かばないね」
サシャ「お肉ですか・・・うーん。なんとかしてみましょう」
ベルトルト「なんとかできるもんなの!?」
サシャ「まあ期待されると困りますが、それっぽいものならなんとかできると思います」
ベルトルト「へえ・・・すごいね」
サシャ「あくまでもそれっぽいものですからね。でも美味しくなるようがんばりますので」
ベルトルト「うん、楽しみにしてるよ」
サシャ「私もできれば本当のお肉食べたいんですけどね。まあお肉じゃなくても美味しいものならなんでも食べたいですが。巨人がパンとかだったらいいんですけどね~。超大型巨人サイズのパンとかもう嫌ってほど食べれるじゃないですか!」
ベルトルト「いつもそんなこと考えてるの?」
サシャ「そうですね!よく夢でも見るんですが、超大型巨パンだったり、超大型巨ソーセージだったり、超大型巨クッキーだったりするんですが、巨人が食べ物になる妄想する時はとにかくやつらを咀嚼したい!って感じですね!」
ベルトルト(僕ってパンになったりしてサシャの脳内で相当食べられてるんだ・・・)
ベルトルト「・・・プッ!」
サシャ「あっ、笑いましたね!?」
ベルトルト「だって・・・ごめん・・・ははは!」
サシャ(わあーベルトルトが見たことない顔で笑ってますね・・・)
ベルトルト「巨人がパンだったら、サシャが人類最強の兵士だね」
サシャ「そうですかね。上には上がいるかもしれません」
ベルトルト「あはは。サシャみたいなのが何人もいたら、巨人がいなくなっても食糧危機のままになっちゃうよ」
サシャ「ええっ!?そんなに食べませんよ!もうっ」
ベルトルト「ごめんごめん。でもサシャみたいに明るくて元気な人がいっぱいいたら、世界が明るくなりそうでいいかもね」
サシャ「明るいですかね?」
ベルトルト「うん。サシャって色んな人と仲良くしてるし、実際話してみると素直だし、人との間にあんまり壁作らないみたいにみえるけど」
ベルトルト(僕とは逆で・・・)
サシャ「そう見えますかね。壁・・・私にもありますよ?」
ベルトルト「えっ」
ジャン「おい!何ゆっくりしてんだ。さっさと立体機動装置片付けとけよ!」
サシャ「あ!はーい!」
ベルトルト「あ、そうだった」
―――――
――――
―――
―夜・女子寮―
サシャ(明日は午前中に買い物に行って、お昼までに準備が終わるようにしなくてはいけませんね)
ユミル「おう、サシャ、もう寝るのか?」
サシャ「はい。今日は午前も午後も訓練で、体動かしっぱなしでしたからね。それに朝は水汲み当番ですし。体力温存です」
クリスタ「私も早く寝ようかな。ミカサももう寝てるし」
ミカサ「スースー」
ユミル「なんだよ、じゃあ私も寝るしかないじゃねぇか」
サシャ「皆寝るんですか?じゃ、灯り消しますよ?消しますからね?」
クリスタ「うん、いいよ~」
サシャ「おやすみなさい」
クリスタ「おやすみ」
ユミル「おやすみ」
ミカサ「スースー」
サシャ(明日、ベルトルトとライナー、美味しいって言ってくれるといいんですけど。ベルトルトお肉もどき喜んでくれるでしょうか・・・楽しみですが、不安です)
―――
――――
―――――
―男子寮―
ライナー「今日危なかったな、ぶつからなくて良かった」
ベルトルト「そうだね。怪我して思わず変身したら大変だしね」
ライナー「?」
ベルトルト(また兵士モードか。段々長くなってきたなあ。もしかして、自分が巨人って忘れてる時って、怪我しても変身できなかったりするのかな。そしたら死んじゃうかもしれないぞ。まずいな)
ベルトルト「ライナー、君は戦士だよ。わかってる?」
ライナー「・・・んっ?ああ、そうだな」
ベルトルト「訓練中は死なないでよね」
ライナー「まあ死にはしないが、正体ばれは避けないとな。怪我は禁物だ」
ベルトルト「うん、気を付けよう。それはそうと、明日はキノコ食べれるね」
ライナー「キノコ?」
ベルトルト「サシャがごちそうしてくれるって言ってただろ」
ライナー「そうだったそうだった。楽しみだな」
ベルトルト「なんかお肉っぽいものも食べれるみたいだよ」
ライナー「へえ。なんだろうな?用意してたのか?」
ベルトルト「いや、今日僕に何が好きかって聞いてから準備するって言ってたから、明日の朝買いに行くのかも」
ライナー「なにっ。俺には何も聞いてこなかったぞ!?」
ベルトルト「そうなんだ?まあ、僕に聞いたのは班が一緒だったから話のついでじゃない?」
ライナー「そうか?」
ベルトルト「うん、だと思うけど・・・。そういえばサシャって脳内で巨人をパンとかにして食べる妄想してるんだって、僕、君や自分で想像しちゃっておかしくってさ」
ライナー「なんだそりゃw」
ベルトルト「なんか、サシャって・・・」
ライナー「うん?」
ベルトルト「あんまり関わってないときは図々しくて意味不明でうっとおしいやつだなって思ってたけど、実際色々話してみたらそうでもないなって思ったよ」
ライナー「そうか」
ベルトルト「すっごい不安そうな顔で心配してくれたし・・・」
ライナー「まあそうだな」
ベルトルト「楽しい時は満面の笑顔だし・・・食べ物を前にしたら野性的になるし・・・感情が素直に出てるよね」
ライナー「わかりやすいやつだよな」
ベルトルト「本当の姿を偽ってる僕たちとは逆だ・・・」
ライナー「・・・いや、お前は泣くときはものすごい勢いで泣くし、アニもものすごい勢いで怒るからそんなに違わないと俺は思うぞ?」
ベルトルト「あのねえ・・・もう子供じゃないんだから、僕はもう泣き虫じゃないよ!」
ライナー「そうか?アニはともかく、お前はあんまり変わった感じしないけどなあ」
ベルトルト「アニか・・・アニもこっち側じゃなかったら、サシャみたいにもっと普通の女の子っぽく・・・」
ライナー「それは言うな。やめろ」
ベルトルト「そうだね、ごめん。そろそろ皆お風呂から戻ってくるからこの話はやめようか」
ライナー「ああ。そうだ。明日は朝、サシャの買い物の手伝いしてやらないか?」
ベルトルト「うん、そうだね。そうしようか」
ライナー「じゃあ明日早いからもう寝るか!」
ベルトルト「うん、寝よう。おやすみ」
ライナー「おやすみ」
ベルトルト(そういえば、サシャの壁って・・・なんだろう?)
次回へ続く・・・。思ったよりまだまだ続く。
―翌日・水汲み場―
サシャ「はあ~今日もせっせと水汲みです。エレンとコニーはもう来てますかね」テクテク
カラカラカラカラ ザバーッ
サシャ「あれっ!?ベルトルト?」
ベルトルト「おはよう、サシャ」
サシャ「なんで今朝もいるんですか?」
ベルトルト「え?あれ?僕、当番間違ったちゃった!?」
サシャ「ベルトルトもおっちょこちょいなとこがあるんですね」
ベルトルト「なんてね。エレンとコニーに変わってもらったんだ」
サシャ「あ、そうなんですか」
ベルトルト「うん」
サシャ(なんで変わったんでしょう?聞きましょうかね?うーん、ベルトルト、なんて答えるんでしょうか。どうしましょう、どうしましょう・・・)
サシャ「じゃあ二人でがんばりましょう」ガラガラガラ
サシャ(ああっ、流してしまいましたっ・・・でももう変な間になっちゃうからこのまま流しましょう)
ベルトルト「なんで変わったか聞かないんだ?」
サシャ「えっ、あ、そうですね。なんでですか?」
ベルトルト「サシャに聞きたいことがあって」
サシャ「なんですか?」
ベルトルト「サシャが昨日、自分にも壁があるって言ってたよね。それなんだけど」
ベルトルト(もしサシャに壁を作って守りたい、もしくは秘密にして隠したい何かがある、ということだとして、サシャが僕らに近しい秘密を持ってる可能性は?と思ったら寝れなくなっちゃったんだよね。まあ杞憂だと思うけど、一応探っておいたほうがいい)
サシャ「ああ、それは、ベルトルトが私が誰とでも仲良くって言いましたけど、私本当はそういうの苦手だったんですよね。それで、私は他人と壁を作ってて」
ベルトルト「そう?」
ベルトルト(あ、やっぱ巨人は僕の思い過ごしか。良かった・・・)
サシャ「ここに来る前にお父さんにも、私は臆病なとこがあるって言われましたが・・・」
ベルトルト「・・・臆病?嘘でしょ?(入団式で芋食べて、教官にドヤ顔で芋分けてた子が臆病って・・・)」
サシャ「あっ、今入団式で芋食ってたくせにって思いましたね?」
ベルトルト「お、お、思ってないよっ!?」アセアセ
サシャ「はっきり言ってあれは・・・失敗しただけですから」
ベルトルト「失敗?ああ、芋、大きい方あげたら良かったってこと?」
サシャ「ではなくて、私って森で同族に囲まれてずっと暮らしてましたから、そこの価値観が絶対だったんですよ」
ベルトルト「うん・・・それはそうだよね。わかるよ」
サシャ「でも壁が壊されて、沢山の人が入ってきて、私たちは狩りだけで暮らしていくのが難しくなったんですね。お父さんは生き方を変えるべきだって言いました」
ベルトルト「そっか・・・(僕のせいだね・・・)」
サシャ「ご先祖様からずっと受け継いできた生き方なのに、それを捨てて、私たちの生き方をバカにしてる人たちのために働いて生きろなんて・・・嫌じゃないですか」
ベルトルト「うん」
サシャ「それで言い合いになって、最後に言われたんですよ。私にとって森の外の他者と向き合うのは難しいことなのか?って」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「そりゃ、怖いですよ。自分では誇りを持った生き方をしてるのに、それを誰かにバカにされたり・・・否定されたりしたくないじゃないですか」
ベルトルト「そうだね」
サシャ「でも、その時私は自分は間違ってないと思ってましたから、森の外に出てもどうってことない!自分の価値観でも上手くやっていけるって意地になっていたというか・・・つまり、入団式の時はあれで他者と上手く向き合えたと思ったんですよ!あの時は!」
ベルトルト「あ、それであんな満足気な顔したんだ」
サシャ「まあそういうことです・・・失敗したんです。悔しいですが」
サシャ「それに・・・自信満々の癖に、本当はそれより、もっと怖かったんですね。私は既にその時壁を作った状態でしたから」
サシャ「とにかく、あれで私にとって他者と向き合うのは非常に難しいことだったと思い知りましたよ。今だって、自分で向き合ったというより、結局ユミルやクリスタやコニーや・・・周りが私を受け入れてくれたから仲良くできてるんですけどね・・・」
ベルトルト「なんか意外だったな。明るいサシャしか見たことなかったから・・・誤解してたかも」
ベルトルト(それになんだか、色々共感しちゃったな。でもサシャの苦悩の原因は壁を壊したことだから、サシャからしたら僕なんかに共感されても迷惑だろうけど・・・)
サシャ「いいえ、いいんですよ。そんなの誰でもあると思いますし。あの、ベルトルトも」
ベルトルト「ん?」
サシャ「こんなこと言うと、失礼かもしれませんが・・・私に似てるというか。それなりに皆と仲良くしてるように見えますけど・・・一線ひいてる感じがするんですよね」
ベルトルト「いや、そんなことないよ」ドキッ
サシャ「そうでしょうか?じゃあ私にだけ引いてます?」
ベルトルト「ひいてないよ・・・なんで?」
サシャ「じゃあ気のせいでしたかね。すいません、変なこと言って」
ベルトルト「なんでって聞いたんだけど?」
サシャ「なんでって言われても、壁を感じるとしか言い様がありませんが・・・」
ベルトルト(そういう風に思われるのもまずいかもな・・・)
サシャ(なんか難しい顔してしまいましたね。言わないほうが良かったかもしれません)
サシャ「うーん、ベルトルトからは秘密の匂いがしますね!」クンクン
ベルトルト「ええっ!?」
サシャ「ふふふ、狩猟民族の私から隠し通せると思いますか!?」ジリジリ
ベルトルト「えっ!?なに!?怖いからにじり寄ってこないで・・・」ドキドキ
サシャ「ふふふ!逃げないとこの場で暴きますよ!とあーっ!」バッ
ベルトルト「うわあああああ!」ダッ
ダダダダダダダ
サシャ「あ・・・ほんとに逃げていってしまいましたね」
サシャ(でも、ベルトルトが私のことわざわざ聞きにきたのは、ちょっと私に興味を持って、壁の向こうからこちらを見てくれたということなんでしょうか?だったらちょっと嬉しいですね)
ベルトルト「追い掛けてくると思ったから本気で逃げちゃったよ・・・」テクテク
サシャ「さっきベルトルト涙目になってましたね。わかりましたよ、ベルトルトの秘密はずばり!泣き虫ですね?」
ベルトルト「涙目なんてなってない。泣き虫でもないし。それにこないだ訓練中に教官に追いかけられて泣きながら逃げ回ってた時の君よりマシだ。あれ、皆に注目されて面白かったなあ」
サシャ「あっ、ひどいですね。なんですか、意地悪トルトですか」
ベルトルト「君が先に僕が泣き虫みたいに言ったろ」
サシャ「ふふっ、怒ってます?」
ベルトルト「え?そりゃちょっとね。・・・なんで笑ってるの?」
サシャ「優しいだけのベルトルトの壁をちょっと崩しました!」ニコッ
ベルトルト「!」
サシャ「私の壁の中もちょっと見せたんですから、これでおあいこですねえ」ニコニコ
ベルトルト「な、なにそれ・・・」
ベルトルト(ああ、もしかして・・・僕の作ってる壁に関して、わざと茶化してくれたのかな・・・)
サシャ「さてさて、水汲み再開しましょうか!」ガラガラガラ
ベルトルト(なんか、そういうことされると・・・僕が必死に守ってる壁が崩れそうになるよ)
サシャ「ベルトルト、前みたいにロープを一緒に上から引っ張ってくださいよ~」
ベルトルト「あ、うん!」
カラカラカラカラ
サシャ「やっぱり速いですね!楽チンです」
ベルトルト(サシャはさっき、周りが受け入れてくれたから仲良くできるっていったけど・・・それは君が、周りが受け入れてもいいって思うような、そんな人だからじゃないのかな)
ベルトルト「サシャって、可愛いね」
サシャ「!?」
ベルトルト(臆病で他者と向き合うことに壁を作ってるのは同じなのに、なんで僕とこんなに違うんだろうね・・・)
サシャ(今、さらっと・・・私のこと可愛いって言いましたよね!?)ドキドキドキドキ
ベルトルト(サシャの作ってる壁の中には・・・何があるんだろう?)
サシャ「・・・・・・」
ベルトルト(あれ?サシャなんか首赤いな。熱あるのかな?ちょっと首に手当ててみようか)
ベルトルト「・・・・・・」ピタッ
サシャ「うわああ!!なにするんですか!!??」バッ
ベルトルト「あっ!ごめっ・・・」
サシャ「きゅっ急に触らないでください」
ベルトルト「えっ、あっ、あ・・・ごめん。昔の癖で。ア・・・いや、ライナーとかのつもりでごめ・・・ん」
サシャ「いえ・・・///」
ベルトルト(えっ、えっ、サシャ顔真っ赤だったんだけど・・・。なんだろ、僕のせいかな?でもこの変な雰囲気は何か、僕のせいっぽい気がするぞ)
ベルトルト「ごめん・・・///」
ベルトルト(今、僕・・・アニって言おうとしてライナーって言い換えちゃったな。仲間バレを避けるためだけど・・・今、言っちゃダメだと思ったのはそれだけだからだったか?)
サシャ(あああ!私なにやってんでしょうか!?もう、恥ずかしいです。恥ずかしすぎて穴の中に入りたい。あっ、ちょうど井戸がありますね・・・って、そうじゃなくて。なんで顔って赤くなるんですか!もうっ!ベルトルトが困った顔して見てますよ)
サシャ「いや~、今日ってなんか暑いですね!あはは」
ベルトルト「そうだね!なんか暑いね。水汲みして動いてるからじゃないかなあ!?」カラカラカラカラ
サシャ(ふう、上手くごまかせましたね)
ベルトルト(うん、変な雰囲気はなくなったぞ)
サシャ「なんか全然水汲めてないですね。時間が押してきてますから、ちょっと急ぎましょうか?」
ベルトルト「うん。僕が汲み上げるから、サシャは水袋に入れってって」
サシャ「りょーかいです!」
続く・・・
長かったですが、今回で完結です。
―――――
――――
―――
サシャ「ふぅ、これで最後の一杯ですね」ガラガラガラ
サシャ「よいしょっ」
ガラガラ タプン
ベルトルト「あ、僕がやるよ」ガシッ
サシャ(うっ、ベルトルトの手が私の手に触れっ・・・!)
サシャ「わぁっ!」パッ
ベルトルト「うわっ!?」
バシャーン
サシャ「ああっ、すいません!!ベルトルトのズボンが濡れてしまいました・・・!」
ベルトルト「いいよいいよ。終わったら乾かすから、あ、でも泥跳ねちゃったな」
サシャ「あ、ちょっと待ってください、ハンカチで・・・」ゴソゴソ
ベルトルト「サシャ、いいよ。ハンカチ汚れちゃうよ」
サシャ「でも私のせいですから」
サシャ(なんかベルトルトの前では失敗ばかりしてしまいますね。ああ、恥ずかしい)
ゴシゴシ
ベルトルト(サシャが僕の前にしゃがんで・・・ズボン拭いてくれてるけど。この体勢はなんかちょっと・・・まるでフランクフルトルトをサシャに・・・いや、なにいやらしいこと考えてるんだ僕は。でもどうせだからこのサシャの図を覚えておこう)ジーッ
サシャ「これでいいですね。まだうっすら残ってますが。はい。とれました」
ベルトルト「ありがとう」
サシャ「いいえ」ニコッ
ベルトルト「!」ドキッ
ベルトルト(うわっ。その体勢で上目使いは反則だろっ!うっ、フランクフルトルトが反応したらやばい!)アセアセ
ベルトルト「じゃあ、さっと最後の一杯終わらせて戻ろうか!?」アタフタ
サシャ「そうですね」ズイッ
ベルトルト(あ、サシャいい匂い・・・ってもう、意識が完全にそっちに行ってしまってる。ダメダメ・・・!)
ガッ
ベルトルト「あ、うわっ。桶蹴っちゃった」アタフタ
サシャ「どうしたんですか?大丈夫です?」
ベルトルト「う、うん。大丈夫だよ。後僕だけでやっとくからサシャ先戻ってて」
サシャ「え、でも」
ベルトルト「今日の準備もあることだし、ここは任せてよ。結構時間たっちゃったし」
サシャ「そうですか?じゃあお言葉に甘えてお願いしますね。ありがとうございます」
ベルトルト「うん、いいよ」
サシャ「ではまたお昼に!」スタスタ
ベルトルト「うん」
ベルトルト(ああ、なんだろ、僕。冷静じゃなかったぞ。今までサシャのことエロい目で見たこと無いわけじゃないのに・・・はあ・・・カッコ悪かったな)
―――
――――
―――――
―女子寮―
サシャ(さてさて、買い出しに行きますから準備しますかね)イソイソ
クリスタ「あれ?サシャどこか行くの?」
サシャ「はい。ちょっと買い物に」
クリスタ「あ、私も行きたいな~一緒に行っていい?」
サシャ「いいですよ。行きましょうか」
ユミル「おっ、サシャ帰ってきたのか」スタスタ
クリスタ「ユミル、今からサシャとお出かけするんだ!ユミルも行こう?」
ユミル「は?行かねえよ。つか、クリスタ、お前もダメだ」
クリスタ「え?なんで?」
ユミル「サシャはデートだからな。な?」
サシャ「へ?デート?」
ユミル「さっき宿舎の入口で、ライナーにお前はどうしてるか聞かれたぞ。一緒に出かけたいから待ってるみたいに言ってたが。おいおい、サシャ、付き合ってるなら報告しろよ、私に」
クリスタ「そうなの?フランツとハンナに続いてカップル誕生だね」
サシャ「あの、付き合ってませんよ。私別にライナーのことそういう風に思ったことありませんし、向こうも違うと思いますよ?なんで私が出かけるの知ってるのか知りませんが、たぶん荷物持ちに来てくれたんじゃないですかね?」
ユミル「お前はともかくあっちは気があるかもしんねぇだろ?」
サシャ「無いと思いますよ」
サシャ(それに私はべル―・・・って、なんでベルトルトの顔が浮かんでくるんですか!もうっ!)
ユミル「なんだ、つまんねぇな。まあどうでもいいけど」
クリスタ「そっかあ、じゃあサシャとお出かけはお預けだね」
サシャ「え?いいですよ。一緒に行きましょうよ」
クリスタ「いいの?」
サシャ「もちろんです!ユミルも行きましょう」
ユミル「はあ?やだよ」
クリスタ「行こう?」
ユミル「しかたねぇな。ついってってやるよ」
サシャ「ありがとうございます!皆で出かけるときっと楽しいですよ」
―――
――――
―――――
―宿舎入口―
サシャ「ライナー、お待たせしました」
ライナー「おお、今日買い物行くと思ったから荷物持ちにきたぞ・・・って、なんだ、大人数だな?」
ユミル「悪いな、デートなのによ?」
ライナー「いや、デートなわけじゃないが・・・」
クリスタ「ごめんね」
ライナー「謝らなくていい。クリスタと一緒に出かけるの初めてだな?」
クリスタ「そうだね」ニコッ
ライナー(ううっ、なんてラッキーなんだ!ありがとう!ありがとうサシャ!!)
ベルトルト「ごめん!着替えてたら遅くなっちゃった」タッタッタ
サシャ「ベルトルトも一緒に?」
ベルトルト「うん」
サシャ「そうですか・・・!」
ユミル(ん?なんかサシャのやつ嬉しそうだな。はは~ん・・・)
ベルトルト「あ、ユミルとクリスタも一緒なんだ?」
ユミル「悪いな、邪魔してよ」
ベルトルト「邪魔とか言ってないけど」
サシャ「まあまあ、いいから出かけましょう!」
ベルトルト「そうだね、行こうか」
ライナー「ああ、迷子になるなよ?」
クリスタ「ライナーとベルトルトが目印になるから迷子になっても大丈夫だよ」
ユミル「手、握っててやろうか?」
クリスタ「そんな子供じゃないよ!もうっ!」プンプン
ライナー(ああっ、可愛い!!)
―――
――――
―――――
―街―
ガヤガヤ ワイワイ
サシャ「今日は賑わってますね」
ベルトルト「そうだね」
サシャ(ライナーとユミルがクリスタを挟んで後ろを歩いてるので、必然的にベルトルトと並んで歩くようになってしまいましたね。なんだか緊張します)ドキドキ
ベルトルト「歩くの速い?」
サシャ「えっ?いえ、大丈夫ですよ」
ベルトルト「そっか」
サシャ(あ、私に合わせてゆっくり歩いてくれてたんですね。優しいんですね・・・)ジーッ
ベルトルト(うーん、なんかすごく見られてるなあ。上目遣いみたら今朝のこと思い出しちゃうからサシャのほう見れないや)ドキドキ
サシャ「えーと、あそこの野菜売り場で買い物しますので、皆さんどうします?ついてきます?それとも他に見たいところあれば一旦解散してまた集合しましょうか?」
クリスタ「サシャの買い物に付き合うよ」
ユミル(おいおい、私はこれ以上ゴリラ連れてまわるのはごめんだぞ。どうせならクリスタと二人で歩きたい)
ユミル「そうだな、私ちょっと見たいとこあるから、クリスタ一緒に行かないか?可愛い雑貨屋だから一人で行くのはちょっとな」
クリスタ「でも、サシャと一緒に出かけてきたのに・・・」
サシャ「いいですよ、クリスタ。買い物は別でも、終わったら合流して皆でおやつでも食べましょうよ」
ユミル「そうそう。時間は有効に使うべきだぞ?」
クリスタ「うん、わかった。サシャありがとう。私も見たい雑貨あるから、ユミルと行くね?」
サシャ「はいはい。なにか可愛いものあったら後で私にも教えてくださいね!」
クリスタ「うん!いこっ、ユミル」
ユミル「ああ」
ライナー「・・・・・・」
サシャ「では私たちは買い物を・・・どうしたんです?ライナー?」
ベルトルト「まさかクリスタたちに付いていきたいんじゃないよな?」
ライナー「えっ、いや・・・」
ベルトルト「いいよ、行っても。荷物持ちは僕がするから」
サシャ「でも、クリスタと二人にしてあげたほうがユミルは喜ぶと思うんですが」
ベルトルト「ん?なんでライナーが我慢してまで、ユミルを喜ばせないといけないの?」
サシャ「そう言われるとなんとも言えませんが・・・」
サシャ(ベルトルトはユミルのことが嫌いなんでしょうか?それとも逆に・・・)
ライナー「・・・行ってくる」ダッダッダ
ベルトルト「ちょっと迷ったけど行ったね」
サシャ「そうですね。あの・・・」
ベルトルト「じゃあ、買い物しちゃおうか?何買うの?」
サシャ「は、はい!ええと、豆をですね・・・」
サシャ(もしかしてユミルのこと特別に思ってるんですか?って、聞けませんでしたね)
―――
――――
―雑貨屋―
ユミル「おい、ここはお前みたいなのがいるとこじゃないぞ?」
ユミル(この野郎付いてきやがって!)
ライナー「いや、なんの問題もないはずだ。なあ、クリスタ」
ライナー(クリスタが欲しそうなものを覚えておこう)
クリスタ「うん・・・」
クリスタ(いるのはいいけど、なんでこの二人ずっと険悪なのかな)アセアセ
―――
――――
サシャ「私たちのほうが早く終わったみたいですね」
ベルトルト「そうだね」
サシャ(こうして二人で座ってるとデ、デートみたいですね)ドキドキ
ベルトルト「サシャって髪長いよね」
サシャ「え?ああ、そうですね。本当は切ったほうがいいんでしょうけど」
サシャ(髪の話題ですか。余計なこと言わないよう気を付けませんと)
ベルトルト「休みでも髪下ろさないの?」
サシャ「そうですね。お風呂と寝るときくらいですかね」
ベルトルト「お風呂と寝る時か・・・」
ベルトルト(サシャのお風呂・・・寝るとき・・・)モワモワ
サシャ「見たいですか?(髪下ろしたとこ・・・)」
ベルトルト「見たいね・・・(お風呂・・・)」
サシャ「そ、そうですかっ///」
ベルトルト「やっ、じゃなくて!!!///ごめん!!お風呂見たいとか!」
サシャ「へ?」
ベルトルト「あれっ!?」
サシャ「な、何を言ってるんですか///」
ベルトルト「いや、その、ごめん///」
サシャ(う、また変な雰囲気に)
ベルトルト(僕最悪だなあ・・・変態だよこれじゃ)
サシャ「そういえば、話変わるんですけど」
ベルトルト「う、うん(変えてくれ)」
サシャ「ベルトルトって、ユミルのことどう思ってるんですか?」
ベルトルト「ユミル?なんで?」
サシャ「ベルトルトって皆に大体同じように優しく接してますけど、ユミルにだけちょっとキツイっていうか」
ベルトルト「ああ。だってユミルが僕に対してあたりが強いから、つい僕もきつくなっちゃうだけだよ」
サシャ「それだけですか?」
ベルトルト「?・・・うん、それだけだね」
サシャ「そうですか」
サシャ(私今、すごくほっとしてますね。それに嬉しいような、安心したような)
ベルトルト(ああ、ユミルはサシャの友達だから気にしてるのか。悪かったかも)
ベルトルト「ユミルってサシャにもきついこと言うけど、サシャはユミルのこと好きなの?」
サシャ「まあユミルは皆にそうですけどね。私はユミルのこと好きですよ。ユミルって・・・私を最初に受け入れてくれたんですよね。ずっと、壁作って隠してた本当の私に気づいて、恥ずかしくて見せたくない私を見せろって。隠さなくても私は私でいいじゃないかって言ってくれたんです」
ベルトルト「へえ・・・」
サシャ「なので、ぶっきらぼうで、意地悪ですが、本当は私のこともよく見ててくれて・・・そういうとこ好きです」
ベルトルト「その、隠してるサシャって、僕は見たことあるのかな?」
サシャ「えっ、それは・・・どうでしょう!?」アセアセ
ベルトルト「あ、見たことないんだ」
サシャ「その、ユミルはそう言ってくれたんですが、まだ・・・皆に見せるのに抵抗があるといいますか。もう隠すためにしてることが癖になっちゃって抜けませんし、クリスタは今の私でいいって言ってくれたので、それもあってもうこのままでいいかなって」
ベルトルト「じゃあ僕の知らないサシャがいるんだね」
サシャ「そうですね。でも、どっちも本当の私ですから、同じことです」
ベルトルト「そうかな。でも、隠すために皆に見せてるほうが本当の自分になってしまったら、元の自分は消えてしまうんじゃないの?」
サシャ「いえ?消えませんよ。だって故郷に帰ればいつでも戻りますもん。それに、私の人格が変わってるわけじゃありませんからね」
ベルトルト「そっか。じゃあ言葉使い変えてるとかかな?本当は方言があるの?」
サシャ「ええっ!?いや、いえいえいえ・・・それはえっと・・・」アセアセ
ベルトルト「あはは、わかっちゃった」
サシャ「ヒントを与えすぎてしまいました」
ベルトルト(本当の自分と作った自分か・・・なんとなくライナーと重ねてしまった。そうだね、どっちも本物なんだろうけど、僕は認めたくないな。サシャが言うようにライナーも故郷に帰ればきっと戻るんだろうけど。はやく帰りたい・・・)
ベルトルト「サシャの故郷って、どんなとこ?」
サシャ「森に囲まれてて、自然がすごく綺麗なとこですよ」
ベルトルト「そっか、いいね」
サシャ「ベルトルトの故郷は・・・」
ベルトルト「僕の故郷は・・・ずっと遠くなんだ。ずぅーっと・・・」
サシャ「うちも遠いですね。お父さんには真人間になるまで帰ってくるなと言われましたが、こうして長く離れてると帰りたいですね・・・」
ベルトルト「うん、帰りたいね」
サシャ「巨人を駆逐して、世界が平和になったら・・・豚を飼って、牛を飼って・・・いっぱい燻製作って」
ベルトルト「ははは、サシャは食べ物のことばっかだな」
サシャ「そしたら私、おっきいフランクフルト作りますから、ベルトルトにも食べさせてあげますね」
ベルトルト「え?」
サシャ「フランクフルトですよ、ソーセージです。フ、フランクフルトルトじゃありませんからねっ」
ベルトルト「うん、ありがとう。フランクフルトルトwあははは」
サシャ「今日のベルトルトはよく笑いますね!嬉しいです」
ベルトルト「嬉しい?」
サシャ「はい、ベルトルトが笑うと私も嬉しいです」
ベルトルト「あ、ありがとう・・・///」
サシャ「あっ、いえ・・・・・・///」
ベルトルト(そ、そんな可愛いこと言われると、勘違いしそうになるよ・・・)ドキドキ
サシャ(ああ、もうこれ、好きって言ってるようなもんですね。私、ベルトルトのこと好きなんでしょうか。たぶん・・・たぶん間違ってませんけど、心臓が、心臓がうるさいです。ああ~こんなの初めてなのでどうすればいいんでしょうか)
ライナー「すまん、待たせたみたいだな」テクテク
サシャ「あれ?一人ですか?ユミルとクリスタは?」
ライナー「ユミルにまかれた」
ベルトルト「想像できたけど。二人もここに帰ってくるのかな?」
サシャ「さっきおやつ食べる話しましたから、クリスタが連れてくると思いますよ」
ライナー「じゃあ待ってるか。ちょっと寄ってくれ」ドカッ
ベルトルト「お、押さないでよ」グイグイ
サシャ「そ、そうですよ。狭いんですから」
ライナー「でかいのが二人なんだからしょうがないだろ」
ベルトルト(そうだけど、サシャと密着しちゃうから・・・)
サシャ(ベルトルトが近いっ!近いです)
ライナー「なんだお前ら、熱でもあるのか?顔が赤いぞ」
ベルトルト「えっ!?」
サシャ「ええっ!?」
ベルトルト・サシャ「ないよ!」「ありません!」
ライナー「お、おお、そうか」ビクッ
サシャ(ああ、このままではいつか私の気持ちがばれてしまいそうですね・・・はあ)
ベルトルト(なんで僕、サシャを意識しちゃってるんだろう、全然、興味無かったのに・・・他に好きな子がいるのに、なんだか僕おかしいよ)
―――
――――
―――――
ユミル「よお。お・ま・た・せ」
サシャ「もうっ、遅いですよ。楽しかったですか?」
クリスタ「ごめんね。でも、楽しかったよ!」
ユミル「二人きりだったからな」チラッ
ライナー「・・・・・・」ムスッ
クリスタ「ごめんねライナー、途中ではぐれちゃったね。今度は一緒に行こうね?」
ライナー「えっ!?」
ユミル「なっ!?」
ライナー「あ、ああ!そうだな!」
クリスタ「ニコニコ」
サシャ「クリスタは罪作りですね」
ベルトルト「ライナーが嬉しそうだからいいんじゃない?でもちょっと何が起こるかわからなくて怖いね」
クリスタ「じゃあおやつ食べに行こうか?何食べる?」
サシャ「そこに美味しい果物屋があるので、そこで食べましょう!そこで薄い小麦粉の皮に、果物を挟んでいるものが食べれるんですが、これが甘くて美味しいんですよ」
クリスタ「わー!楽しみだなあ」
ユミル「昼飯前なんだからあんまりいっぱい食うなよ?」
ライナー「まあ、いいじゃないか」
サシャ「なんかクリスタのお母さんとお父さんって感じですね」
ベルトルト「ププッ!」
ユミル「だれがお母さんだ!」
ライナー「おい、なにがおかしいんだベルトルト」
クリスタ「あはは。お母さん、お父さん、行こっ!」
ベルトルト「お父さんww呼んでるよww」
ライナー「くっ、しょうがないな。クリスタが呼ぶならもう父さんでもいいか・・・」
サシャ「さ、お母さんも早く早く」
ユミル「ったく、あとで覚えとけよ」
――――
―――
――
クリスタ「わあ、何にしようかな?」
ライナー「俺はりんごにしよう」
ベルトルト「サシャは何にする?」
サシャ「ううーん、いちごと梨で迷っています」
ベルトルト「じゃあ僕、梨にするから、いちごにしなよ。半分こしよう」
サシャ「えっ、ええっ!?いいんですか!?」
ベルトルト「うん。僕も同じので迷ってたから」
ユミル「仲いいな、お二人さん」ニヤニヤ
ベルトルト「なんだよ・・・」
サシャ「はい、仲良しです!ね、ベルトルト?」ニコニコ
ベルトルト「えっ・・・う、うん」アセアセ
ユミル「クリスタも私と半分こしようぜ?どれにする?」
クリスタ「ええとね、じゃありんごにしようかな」
ライナー(あっ!しまった!クリスタと半分こできたかもしれなかったのに失敗したな)
ユミル「じゃ、私はブルーベリーにする」
サシャ「それじゃ注文しますね。えっと、りんご2個と、ブルーベリー1個と、梨1個、いちご1個で!」
――――
―――
――
クリスタ「美味しかったね!また来よう。今度は女子皆で来ようよ」
サシャ「そうですね。ミカサやアニも来てくれますかね」
ユミル「ミカサはともかくアニのやつは来るかな?あいつ大体一人でいるじゃねぇか」
ベルトルト(アニ・・・!女子の中で浮いてるのかな?大丈夫なんだろうか?聞きたいけど聞けないな・・・)チラッ
ライナー(ん?ベルトルトのやつそわそわしてるな。アニのこと聞きたいのか?しょうがないな)
ライナー「あいつはいつも怖い顔してるけど、友達とかいるのか?」
クリスタ「確かによく一人でいるけど、たまにミーナと出かけてるみたいだよ?」
サシャ「アニはあんまり話したことありませんが、たまにお菓子やご飯の残りをくれます」
ユミル「私には近づいてこねぇな」
ベルトルト(よかった。少ないけど友達はいるんだね。ミーナ、ありがとう)
ライナー「そうか」
サシャ「あ、そろそろ私は帰らないといけませんね。クリスタたちはどうします?」
クリスタ「うーん、どうしようかな?ユミル、もうちょっと遊んで帰ろっか?」
ユミル「そうだな。宿舎に帰ってもどうせゴロゴロするだけだし」
サシャ「わかりました。楽しんできてくださいね!」
クリスタ「うん、サシャたちも気をつけて帰ってね」
ライナー「ああ」
ベルトルト「うん」
サシャ「はい。ありがとうございます、クリスタ」
ユミル「じゃあな」スタスタ
クリスタ「あっ、待ってよ!ユミル~!」タッタッタ
サシャ「・・・ライナーも行きたかったですか?」
ライナー「いや、今日は最初からお前との約束があったからな。今はそっちが楽しみだ。朝少しの時間だけでもクリスタと出かけられただけでラッキーだった。ありがとうな」ナデナデ
サシャ「ライナーのラィンナーあげたい人ってクリスタだったんですね」
ライナー「えっ!?あ、ああ。そうだ(あれ?言ってなかったか?)」
サシャ(そういえば、ベルトルトのフランクフルトルトをあげたい人って誰なんでしょう?)
ベルトルト「じゃあ帰ろうか。早くサシャの作ったお昼食べたいね」
ライナー「そうだな。楽しみだ!」
サシャ「ふっふっふ!腕によりをかけますからお楽しみに!」
――――
―――
――
―調理場―
サシャ(とは言ったものの。大した材料でもないので、あんまり普段の食事と変わってないんですよねぇ。何日か余暇があって鳥でも狩れれば燻製にできるんですけど。それなりにお肉ぽくはなったとは思うんですが)
ライナー「おーい、サシャ、どうだ?できたのか?」ヒョコ
サシャ「ライナー。できましたよ。今からお弁当箱に詰めますので待っててください」
ライナー「弁当?」
サシャ「食堂で食べてると皆に見られますからね。人数分しか用意してませんし。それに今日は天気がいいのでお外で食べたほうが美味しいと思います」
ライナー「おお、外で食べるのもいいな。裏山に行くか」
サシャ「そうですね。ライナーたちも準備しておいてくださいね」
ライナー「わかった。先に外に出てるぞ」
サシャ「はい。すぐ行きますね」
――――
―――
――
ライナー「ベルトルト、外で食べるそうだぞ」
ちょっと眠いので、続きは後々。
ベルトルト「外で?」
ライナー「ああ。お弁当だ」
ベルトルト「お弁当か・・・。昔3人でお弁当もってよく遊びに行ってたね」
ライナー「そうだな。懐かしいな」
ベルトルト「うん。なんか思い出しちゃうな」
ライナー「思い出すのはいいが、サシャにアニを重ねるなよ?」
ベルトルト「え?重ねないよ。全然似てないし」
ライナー「今はな」
ベルトルト「・・・そういうこと言うのやめろって言ったのライナーだろ」
ライナー「そうだったな。すまん。ただ、もしお前がサシャに慰めを求めてるんだったら・・・」
サシャ「すいませーん!お待たせしました!」ダダダダダ
ベルトルト「ライナー、その話は終わりだ」
ライナー「ああ」
サシャ「では裏山へ行きましょうか!」
ベルトルト「奥に行くと街を見下ろせるところがあるから、ちょっと遠いけどそこまで行こうよ」
ライナー「いいな」
サシャ「そうですね。色々美味しいものも見つかるかもしれませんし、行きましょう!」
ザッザッザ
ライナー「サシャ、荷物持ってやるから貸せ」
サシャ「いいんですか?ちょっと重いですよ?」
ライナー「重いなら余計俺が持ったほうがいいだろ?」
サシャ「ありがとうございます。ライナーは親切ですね」
ライナー「まあ、普通だろ」
サシャ「そうですか?ライナーは皆に優しくて、お兄ちゃんって感じですよ」
ライナー「お父さんじゃなくてか?」
サシャ「まあ、お父さんぽくもありますが」
ライナー「どっちかというとベルトルトの方が『お兄ちゃん』っぽいのはぽいか。俺からしたら弟って感じだが」
サシャ「そうですね。お兄ちゃんって感じです」
ライナー「そういや、お前ら並んでるとちょっと兄妹っぽいな」
ベルトルト「そうかな?」
サシャ「そうですか?」
ライナー「タレ目気味だし・・・大人しい兄とやんちゃな妹って感じだな」
サシャ「うーん、言われてみれば。前にベルトルトの目は私のお父さんにちょっと似てるって言いましたが、私もお父さんに似てるので、私たちは似てるのかもしれません」
ベルトルト「あんまり嬉しくないなあ」
サシャ「なんでですかっ!」
ベルトルト「いや、嫌ってことじゃないよ!?」アセアセ
ベルトルト(だってなんか嬉しくないって思ったし、否定してしまった。それに、サシャのこと妹とは思えないんだよ・・・)
ライナー「なんだ、俺はサシャみたいな妹欲しいけどな。弟ならエレンかコニー」
サシャ「本当ですか?私もライナーみたいなお兄さん欲しいですね」
ベルトルト「僕は妹にするならクリスタかなあ。弟ならアルミンかマルコで」
ライナー「なるほど、大人しいのがいいんだな」
ベルトルト「そうだね。そっとしといてくれるのがいいよ」
サシャ「その兄弟だと皆賢そうですね。ご飯の取り合いも起こらなさそうです」
ライナー「そう考えると、俺の選んだメンバーだと毎日うるさそうだな・・・ちょっと考え直すか」
サシャ「ちょ、私を外すのはやめてくださいよ!?」
ライナー「いや、お前が一番うるさいだろ!?ははは!」
ベルトルト「本当だ。あはは」
サシャ「なんですか、もぉ~!ひどいですよ!?」
ベルトルト(はあ、楽しいな・・・あんまり僕は皆と関わらないようにしてきたけど、たまにはこういうのもいいな。なんか色々忘れてしまいそうだ)チラッ
サシャ「あっ、ライナー。見てください、この花の蜜結構美味しいんですよ」
ライナー「お、可愛い花だな。クリスタにとって帰るかな・・・」
サシャ「うんうん。美味しいです」チューチュー
ライナー「おい!全部吸うなよ!?持って帰るんだから・・・」
ベルトルト(たぶん・・・それはサシャがいるからかな。明るくて、元気いっぱいで、一緒にいると楽しい気持ちになる。もっと早く仲良くなってればよかったかも)
サシャ「ベルトルトも蜜吸いますか?甘くて美味しいですよ」
ベルトルト「え?うん。試してみようかな」
サシャ「ここをちぎって、こうしてですね・・・」
ベルトルト「うん」ジーッ
ライナー(おいおい・・・ベルトルトわかりやすすぎだぞ。お前・・・サシャの手元じゃなくて顔しか見てないじゃないか。アニはどうしたんだ、アニは)
ベルトルト「うん!おいしいね!」ニコッ
サシャ「ですよね!気に入ってもらえて良かったです」ニコッ
ベルトルト「また今度ここ、一緒に来ようよ」
サシャ「え、は、はい」
ライナー(うーん・・・サシャに傾いていってるのか?そりゃ近くにいるほうを好きになる気持ちもわかるが)
ライナー「楽しそうだな?ベルトルト」
ベルトルト「ん?そうだね。楽しいよ。久しぶりだな、こんな気分は」
ライナー「・・・そうか。お前が楽しいならそれでいいが」
ライナー(なにか、俺にも何かわからんが、胸騒ぎというか、嫌な予感がするな・・・)
ベルトルト(あれ?僕、何か大切なこと忘れてるような気がするけど、なんだったっけ?)
サシャ「どうしたんですか?もっと蜜吸います?」
ベルトルト「あ、いや、もういいよ。次の時にとっとこう。それより早くサシャのお弁当食べたいな」
ベルトルト(まあ、いいか。だって今こんなにもあったかい気持ちになってるんだから・・・)
ライナー「・・・・・・」
――――
―――
――
ベルトルト「ここだよ」
ライナー「ふう、やっとついたか。腹減ったな~」
サシャ「おおっ!すごい!壁の方まで見えますね!これは穴場です」
ベルトルト「うん。今日は空気も澄んでるしよく見えるね」
ライナー「だな。それより、サシャ!弁当だ!」
サシャ「はい!では、お待たせしました。こちらがお弁当です!じゃんっ!」バッ
ベルトルト「あっ!ウィンナーだ!」
ライナー「おおっ!本当だ!どうしたんだこれ!?」
サシャ「ふっふっふ。豆で作りました。なんちゃってウィンナーです」
ライナー「見た目はかなりウィンナーだな。どれ、食べていいか?」
サシャ「どうぞ。味は薄めですが、ハーブを効かせてそれなりにお肉っぽい食感に仕上げてますので」
ライナー「うん。なんか豆がひき肉っぽいぞ!うまい!」
ベルトルト「ほんとだ!すごいよ、サシャ!おいしいよ!」
サシャ「えへへ・・・喜んでくれてよかったです」
ライナー「キノコのソテーも美味いし。サシャはいい嫁さんになりそうだな」
サシャ「え、お嫁さん・・・なれそうですかね。嬉しいです」
ベルトルト「うん。なれるよ。サシャの旦那さんになる人は幸せだろうね。毎日楽しそうだし・・・」
ライナー(こないだまでサシャは疲れそうって言ってたやつがなあ・・・)
サシャ「だ、旦那さん」チラッ
ベルトルト「?」
サシャ(うわああ!?私ってば何想像しとるんや!?は、恥ずかしいやんか!もう!)
ライナー(サシャはやはりベルトルトに気がありそうだな。ベルトルトは・・・わからんが、サシャに入れ込んで来てる感じがする。ちょっと確認しておくか)
ライナー「うーん、こんな美味いメシ毎日食べれたら最高だな!サシャ、どうだ、卒業したら俺の嫁に来ないか?」
サシャ「へっ?」
ライナー「嫁に来い」
サシャ「ええっ!?な、何言ってるんですか。からかわないでくださいよ」アセアセ
ベルトルト「・・・・・・」ムッ
ライナー(おっ・・・ベルトルトの顔が一気に曇ったな。なるほど、サシャを気に入ってるのは間違いないようだ。だがしかし、ベルトルト沸点低すぎだろ。いかん、ちょっと怖い)
ライナー「なんてな、冗談だ」
サシャ「冗談はやめてくださいよ、ほんと」
ライナー「悪い悪い」
ベルトルト「・・・クリスタが好きなくせに冗談でもよくそういうこと言えるね」
ライナー「何怒ってんだよ・・・」
ライナー(お前こそアニが好きなくせに、サシャに粉かけたら怒りやがって、俺と同じだろ・・・)
サシャ「まあまあ」
ベルトルト「サシャもライナーに嫁に来いって言われて嬉しかったの?」
サシャ「別に嬉しくないことはないですよ。私だって女子ですし」
ベルトルト「ふーん・・・サシャはライナーみたいなのが好きなんだ?」
サシャ「そんなこと言ってませんけど・・・」
ベルトルト「・・・・・・」ムスッ
ライナー(うーん、拗ねてるな。こういうとこ子供なんだよな・・・)
サシャ「ライナー、なんでベルトルトは怒ってるんですかね?」ヒソヒソ
ライナー「俺のせいだ。すまん」ヒソヒソ
ベルトルト(何ヒソヒソしてるんだよ・・・)ジトッ
ライナー(いかん。ちょっとやりすぎたか。どうする?・・・まいったな。ちょっと考えてこよう)
ライナー「ちょっとションベン・・・」スタスタ
サシャ(あっ!ちょっとこんな空気重い時に置いてくなんてひどいですよ!?)アセアセ
サシャ「・・・・・・」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「あの、なんで怒ってるんですか?」ヒヤヒヤ
ベルトルト「怒ってないよ」
サシャ(完全に怒ってますよ!無自覚!?無自覚なんですか!?)
サシャ「ベルトルトは、ライナーが浮気者みたいなこと言ったのが嫌だったんですよね。怒るのはわかるんですが、冗談なんですし・・・」
ベルトルト「そ、そうじゃないよ・・・」
サシャ「じゃあなんですか?」
ベルトルト「え、そ、それは・・・サ、サシャが・・・」
サシャ「私が?」
ベルトルト(僕は何を言おうとしてるんだ。それに別にそんなに怒るようなことじゃなかったのに。ライナーがサシャにちょっかいかけたのと、サシャがライナーのお嫁さんになりたくないって、否定しなかったのが、すごく嫌だった・・・)
ベルトルト「ライナーと仲良くするから・・・」ボソッ
サシャ「・・・え?」
ベルトルト「って、いや!そうじゃなくてっ!ごめん!なんでもない!なんでもないんだ。怒ってもないし。本当だよ!?」
サシャ「あの、今なんて言ったんですかね?ライナーとどうって?」
ベルトルト「なんでもないってば。ぼ、僕ライナーに謝ってくるね!」アセアセ
サシャ「・・・・・・」
サシャ(怒ってないって言ってたのに、ライナーに謝りに行くってどういうことでしょう??よくわかりません)
――――
―――
――
ベルトルト「ライナー!」
ライナー「ん?ベルトルトか」
ベルトルト「謝りにきたよ。怒ってごめん」
ライナー「そうか。冗談のつもりだったんだが、お前がものすごく怒ったから怖かったぜ」
ベルトルト「僕も、自分でびっくりしてるよ」
ライナー「お前サシャが好きなのか?」
ベルトルト「え?・・・ええっ!?///なんで!?」アセアセ
ライナー「いや、見ててそう思ったんだが、違うのか?」
ベルトルト「え、えっと。わ、わからないよ・・・」
ライナー「アニは?」
ベルトルト「え?」
ライナー「アニはどうするんだ?」
ベルトルト「アニ?・・・あのよく一人でいる子?あの子がどうしたの?」
ライナー「!?」
ベルトルト「?」
ライナー(なんだこれ?どういうことだ?)
ライナー「なんだよ、冗談きついぜ。俺たちの仲間だろ?」
ベルトルト「うん。同期ではあるけど、あんまり喋ったことないなあ」
ライナー「いや・・・そうじゃなくてだな。俺はお前は昔からアニのこと好きだと思ってたけどな?」
ベルトルト「いや、全然・・・?っていうか昔ってなに?」
ライナー「おい、お前どうしたんだ?」
ベルトルト「別にどうもしないよ?僕は僕だろ?変なライナーだな。いいから行こうよ。サシャが待ってるよ」スタスタ
ライナー(どうしちまったんだ?ベルトルト、お前・・・)
――――
―――
――
サシャ「おかえりなさい、仲直りしましたか?」
ベルトルト「うん」
ライナー「あ、ああ」
ベルトルト「さ、サシャのお弁当食べよう?ライナー」
ライナー「・・・・・・」
サシャ(今度はライナーが難しい顔してますね)
ベルトルト(サシャ、ライナーのこと見てるな。本当にライナーが好きだったりするのかな・・・)
ライナー「・・・・・・」モグモグ
ベルトルト「サシャ、今度一緒にこのウィンナー作ろうよ。作り方教えて欲しいな」モグモグ
サシャ「いいですよ。そしたらついでに鳥捕まえて、燻製も作りましょうか」モグモグ
ベルトルト「うん、楽しみだなあ」ニコニコ
サシャ(急にご機嫌になりましたね。どうしたんでしょうか。でも・・・ちょっと今までと感じが違うような気がします)ジーッ
ベルトルト「?」ニコッ
サシャ「!///」ドキッ
ライナー(・・・よくわからないが、これは俺にはどうこう言えることじゃないという気がする・・・だが、ベルトルト。お前はそれでいいのか?・・・アニのことどうして忘れてしまったんだ?)
――――
―――
――
―宿舎前―
サシャ「それでは、これでフランクフルトルトとラィンナーの件に関しての借りは返しました!」
ライナー「ああ。お前の勘違いから美味いメシにありつけて得したよ」
ベルトルト「そうだね。それに・・・サシャと仲良くなれてよかった」ジッ
サシャ「えっ///あ、そうですね。私もお二人と仲良くなれて楽しかったです」
サシャ(な、なんでしょう。ベルトルトがいつになく見つめてきますね。うう、目が合わせられません)ドキドキ
ライナー「じゃ、またな」
ベルトルト「また遊びに行こうね」
サシャ「はい、また!」
サシャ(なんだかとっても濃い数日でしたね・・・)
―男子寮―
ライナー「なあ、ベルトルト。お前なんか変じゃないか?」
ベルトルト「変?そうかな?どこが?」
ライナー「いや、アニのこと忘れてるみたいだし」
ベルトルト「アニって言われてもなあ。ライナーが言ってるのはなんの仲間なの?」
ライナー「そりゃ、お前・・・えーと・・・あれ?なんだったかな?仲間で、それは秘密なのはわかるんだが・・・」
ベルトルト「なんだよそれ。ライナーこそ変なんじゃない?」
ライナー「いや、俺は・・・なあ、俺たちって、なんだったっけか?」
ベルトルト「何って?」
ライナー「ほら、敵と戦う、今の俺たちの状況っていうか」
ベルトルト「ああ、それは・・・僕らは――兵士だろ?」
ライナー「!あ、ああ・・・そうだ。そうだよな・・・そう、だったよな?」
ベルトルト「うん。今日は朝から歩きっぱなしだったから、疲れてるんじゃない?もう寝ようよ」
ライナー「ああ、そうするか」
ライナー(うーん、何か大事なことを忘れてる気がするんだが・・・)
――――
―――
――
―翌日―
ベルトルト(えっと、サシャはどこにいるんだろう?一緒に座学受けたいな)キョロキョロ
サシャ「あ、見てください、コニー!あの雲、パァンみたいじゃないですか?」
コニー「いや、ありゃち○こだな」
ベルトルト(あ、いた。またコニーと一緒か・・・)
アニ「ちょっと、ベルトルト」
ベルトルト「え?」
アニ「後で話があるから、ちょっと顔貸しな」
ベルトルト「話って何?」
アニ「後で話す。いつものとこで待ってるから」スタスタ
ベルトルト「えっ?いつものとこって・・・あっ、行っちゃった」
ベルトルト(なんだろう?アニが話しかけてくるなんて。でもいつものとこってどこだ?)
ライナー「ベルトルト。ここ座ろうぜ」
ベルトルト「あ、ライナー。うん」チラッ
サシャ「コニー、こないだの座学でやった、ここの内容わかりました?」
コニー「ん?ああ、それなら昨日アルミンに教えてもらったから完璧だぜ」
ベルトルト(サシャと座りたかったな・・・はあ)ジーッ
ライナー(見すぎだ、ベルトルト)
ベルトルト「そういえばライナー、さっきアニに話しかけられて、いつものとこに来いって言われたんだけど、なんのことかわかる?」
ライナー「は?なんだそりゃ。・・・お前、もしかしてアニと付き合ってるのか?」
ベルトルト「付き合ってないよ!全然意味がわからない。それに僕は・・・」チラッ
サシャ「私もアルミンに教えてもらいましょうかね。コニーでもいいんですが」
コニー「俺は覚えてるけど上手く教えられねーよ。アルミンに聞けよな」
ベルトルト(サシャのことが・・・)ドキドキ
ライナー(アニか・・・俺もよくわからんがアニのことはずっと引っかかってるんだよな。仲間・・・だと思うんだが、なんの仲間か思い出せん。ちょっとアニに探りをいれる必要はありそうだ)
――――
―――
――
ベルトルト(ふう、座学終わった。えーと、サシャはっと・・・)スタスタ
サシャ(うーん、今日の座学でよくわからないとこがありますね。アルミンに聞きにいきましょうかね)キョロキョロ
コニー「どうしたんだ?キョロキョロして」
サシャ「アルミンに今日のとこ教えてもらおうと思いまして」
コニー「ああ。俺も聞きたいな。一緒に探すか」
ベルトルト「サシャ」
サシャ「ひゃっ!びっくりしました。どうしたんですか?ベルトルト」
ベルトルト「あ、いや、これといって用はないんだけど。宿舎まで一緒に戻らない?」
サシャ「あ、すいません。私、ちょっと座学でわからないとこがあるので、アルミンに教えてもらおうと思ってますから先に帰っててください」
コニー「なあ、別にアルミンじゃなくてもいいんじゃねえか?ベルトルトも成績いいんだから教えてもらおうぜ!」
サシャ「そう言われてみばそうですね。ベルトルト、お願いできますか?」
ベルトルト「うん、いいよ。一緒に覚えようか」ニコッ
サシャ「ありがとうございます!」
コニー「よっしゃ!頼むぜ!」
ベルトルト「じゃあ、僕が真ん中に座ろうか」
サシャ「はい」
コニー「そうだな」
ベルトルト「よいしょっと。で、二人共どこがわからないの?」
コニー「俺はここなんだけど」
ベルトルト「うんうん」
サシャ「私もそこですね」
ベルトルト「じゃあ簡単に説明するから、わからなかったらその都度言ってね。ええと、これはね・・・」
サシャ「ふむふむ」
コニー「ほうほう」
ベルトルト「そしたら、実際自分でやってみて。さっきの説明に当てはめてすれば簡単なことだよ」
サシャ「わかりやすかったので、出来る気がします。やってみましょう」カリカリ
コニー「おう、できる気がするぜ」カリカリ
ベルトルト(真剣な顔のサシャ可愛いな・・・ちょっとバカなとこも可愛いし。これからも僕が、勉強なんかいくらだって教えてあげるよ)ジーッ
コニー「・・・・・・」
コニー(ベルトルトのやつ、サシャのことすっげー見てるな。バカだから間違わないよう見てやってるのか。ふっ、心配に値しない俺のほうがレベルが上ってことだな、これは)
コニー「つかさ、お前らっていつの間に仲良くなったんだ?」
ベルトルト「えっ!?」
コニー「ベルトルトって女子とほとんど絡んでなかったのにな」
ベルトルト「えっと、最近よくサシャと班とか一緒になるから自然と・・・ね?」
サシャ「そうですね。ベルトルトが親切にしてくれるので、いつの間にか仲良くなりました」
コニー「ふーん。ベルトルトってよ、いつも不安そうな顔してっけど、最近よくニコニコしてるのはもしかしてそのせいか?」
サシャ「えっ///」
ベルトルト「ちょ、コニー///」
コニー「サシャってバカだけど一緒にいたらおもしれぇもんな。俺からも仲良くするのおすすめしとくぜ」
サシャ「コ、コニー・・・!なんですか!そんなこと思っててくれたんですか!?」ジワッ
コニー「なに泣いてんだよ、気持ち悪ぃな・・・」
サシャ「わ、私もコニーといるととっても面白いですよおおおお」グスグス
コニー「泣くなって・・・おい、ベルトルト、なんとかしてくれ」
ベルトルト「なんとかって・・・えっと、ハンカチ、ハンカチ」ゴソゴソ
サシャ「うえっうえっ」
ベルトルト「ほら、サシャ。拭くよ?」ゴシゴシ
サシャ「あ、ありがとうございます。コニーありがとうおおおお」
コニー「おお。気にしなくていいぞ」
ベルトルト(いいな。コニーは・・・。サシャはコニーが好きなのかな?)ズキズキ
コニー「それより、さっきのできたから、合ってるか見てくれよ。ベルトルト」
ベルトルト「うん、どれどれ?」
コニー「どうだ?」
ベルトルト「うん!ちゃんと出来てるよ。満点!」
コニー「よっしゃ!!ありがとな!じゃ、俺は一足先に帰るぜ」ガタッ
ベルトルト「うん」
サシャ「はい」
ベルトルト「サシャはできた?」
サシャ「もうちょっとでできます」カリカリ
ベルトルト「あのさ・・・」
サシャ「はい?」
ベルトルト(まだ人が大分残ってるから、小さい声で聞こう)
ベルトルト「サシャって、コニーのこと好きなの?」ヒソヒソ
サシャ「好きですよ」
ベルトルト「・・・・・・あ、そうなんだ。やっぱり・・・」
ベルトルト(聞くんじゃなかった・・・)ガックリ
ベルトルト「付き合ってるの?」ヒソヒソ
サシャ「は?」
ベルトルト「いや、二人は恋人同士なんでしょ?」ヒソヒソ
サシャ「ち、違いますよ!そういう好きじゃないです!」アセアセ
サシャ(なんか知らないですが、勘違いされるとこでしたね。・・・一番勘違いされたくない人に。危なかったです。これからは言動に気をつけましょう)
ベルトルト「あ、そうなんだ・・・よかった」ホッ
サシャ(えっ!?よ、良かったって・・・どういうことですか?)ドキドキ
ベルトルト「どう?できた?見せてみて?」ニコニコ
サシャ(突然上機嫌ですね。ベルトルトは気分の上下が激しいんでしょうか。謎です。でも笑ってるから良しとしましょう)
ベルトルト(僕、サシャがコニーと付き合ってないって聞いて、ものすごく嬉しいよ。でもサシャは皆と仲がいいから、そのうち誰かと付き合うようになるかもしれないな・・・それは嫌だ・・・)
――――
―――
――
―立体機動訓練所の近く―
アニ(ったく、ベルトルトのやつ遅いね。最近ライナーがおかしいから相談したかったのに)
タッタッタ
アニ(ん?誰か来たね。ベルトルトかな?)
ライナー「よお。アニ」
アニ「ライナー!アンタ一人?」
ライナー「ああ。ベルトルトは来ないぞ」
アニ「アンタ、最近おかしいよね?私のことわかる?」
ライナー「アニだろ?俺たちの仲間だ」
アニ「なんの仲間だよ。言ってみな」
ライナー「それは、104期の・・・すまん。お前とベルトルトとは何かつながりがあるような覚えはあるんだが、はっきりわからん。もし良かったら教えてくれないか?」
アニ「はあ・・・まったく情けないね。アンタ、兵士になってるんだよ」
ライナー「兵士?」
アニ「そう。私たちは本来は兵士じゃない。兵士は演技なんだ。アンタはそれが本物になっちゃったんだよ」
ライナー「演技?俺は演技なんてしたことは・・・」
アニ「だから、アンタは本来の自分とここでの自分がぐちゃぐちゃになってんだって言ってるだろ。ライナー、アンタの本当の姿は・・・戦士だ。戦士だろ?」
ライナー「・・・戦士・・・そ、そうか。そうだったな。悪い、アニ。思い出した」
アニ「世話が焼けるね」
ライナー「すまん。俺は記憶があやふやになってるようだ」
アニ「そうだよ。アンタはここの連中と関わりすぎて、人類の敵じゃない平和な自分を作り出してしまったんだ。誰かと関わる度にアンタは兵士になって自分を守ってる」
ライナー「・・・そうか」
アニ「でも前はベルトルトがアンタを正気に戻してたけど、最近はどうしたんだよ?全然作戦会議もしないから、ベルトルトに話聞こうとしたら、あいつもなんかおかしかったよ」
ライナー「ベルトルトは・・・俺も最近おかしいと思ってた」
ライナー(サシャと関わり始めてから、ベルトルトはおかしくなった)
ライナー「たぶん、俺と一緒で、兵士になってるんだと思う」
アニ「はあ・・・そんなこったろうと思ったよ。なんとかしないといけないね」
ライナー「そうだな。だが、ちょっと待ってくれないか。あいつ、今すごく幸せそうなんだ」
アニ「・・・私らが幸せになってどうすんだよ」
ライナー「俺が必ず元に戻すから・・・」
アニ「そんなの一番期待できないね。アンタもすぐ兵士になるんだから、私がやるよ。明日ベルトルトに、アンタは戦士だって言う」
ライナー「アニは、好きな奴いないのか?」
アニ「はっ!?なんだよ急に!」ドキッ
ライナー「ベルトルトは、今好きな奴がいる」
アニ「それで?そんなの、報われるもんじゃないだろ。早いうちに諦めさせたほうがいいんじゃないか」
アニ(・・・まるで私、自分に言い聞かせてるみたいだね。そうさ、私も好きになったやつがいるよ。でも・・・それがかなうわけないんだ。だって私らとあいつらは憎しみ合うべき敵同士なんだから、いつか殺し合う)
ライナー「ああ。だが、少しでいい。あいつにはなんでもない時間を過ごさせてやりたいんだ」
アニ「ふう、勝手にしなよ。ただ、はっきり言っといてやるけど、そんなのまやかしだし、脳天気に幸せな時間を過ごせば過ごすほど残酷なことになる。あんたはそれが美しいって思うのかもしれないけど、私にはアンタのしようとしてることほど残酷なことってないと思うよ。アンタは自分がしたいことをベルトルトにも重ねてるだけだ」
ライナー「そうだな。そうかもしれん・・・」
アニ「・・・ごめん、言いすぎた。アンタの気持ちはわかるよ。私も兵士になってそれで終わるなら、そうしたい」
ライナー「ああ。俺もだ」
アニ「とりあえず卒業までだ。そこまでにしよう」
ライナー「わかった」
アニ「ただ、アンタもおかしくなるんだから、いちいち私が元に戻すのもめんどうだ。ここの木に、戦士って彫っといてやるから、アンタはここに走り込みに来るの日課にして、毎日これ見て正気に戻るようにしな。いいね?」
ライナー「おお、すまんな。ありがとう。アニはいい子だな」
アニ「世話かけといて兄貴ぶるんじゃないよ・・・ったく」
――――
―――
――
―翌週―
ジャン「なんだ、またこのメンバーか。最近多いな。別にいいけどよ」
ベルトルト「そうだね」
サシャ「ジャンの班だといい成績になるので、私は好きですね」
ベルトルト「うん。ジャンは指示は的確だし、よく僕らのこと見ててくれるからね。やりやすいよ」
ジャン「褒めてもなにもでねぇぞ!」
サシャ「あ、照れてますよ」
ベルトルト「ほんとだね。ちょっとにやけてるよね」
ジャン「にやけてねえ!いいから、とっととお前らの立体機動装置だせ。ちゃんと点検しねぇと死ぬことになるんだから、細かいとこまでしっかりメンテナンスしろよ?」
ベルトルト「うん。そうだね」
サシャ「では、点検しますか」カチャカチャ
――――
―――
――
サシャ(あー、この細かい部品見てると眠くなりますねえ)ウトウト
ジャン「おい、サシャ!なに寝てんだ!変なとこに部品が挟まったり、足りなかったら事故になるぞ!」
サシャ「ん?寝てまひぇんよ?・・・クゥ~」
ジャン「起きろ!バカ!」ポカッ
サシャ「いてっ」
ベルトルト「あはは、サシャ、僕が一緒に見てあげよっか?」
サシャ「いえ、大丈夫ですよ」
ジャン「大丈夫じゃねえ!ちょっと見せてみろ!」
サシャ「ふ、なんだかんだ面倒見がいいですね、ジャンは」
ジャン「うっせ!バカ!見てやんねーぞ!?」
サシャ「すいません、お願いします」
ジャン「ええと、おい、なんだこれ、ったく、下手くそだなお前」カチャカチャ
サシャ「ジャンが几帳面すぎるんですよ。部品にもちょっと遊びがあったほうがいいんじゃないですか?」
ジャン「いいわけあるか。ホラ、これ持て。俺が上から一緒に締めてやるからコツを覚えろ。お前は口で言うより実際やれば覚えれるだろ」
サシャ「そうですね」
ジャン「ちょっと手握るからな。手汗かいてるし汚れてるけど文句言うなよ?」
サシャ「はいはい」
ジャン「こうやって、持って、こっちにこう締めるんだ(はあ、これが芋女じゃなくてミカサだったらなあ)」
ギュッギュッ
サシャ「ふんふん」
ベルトルト(ジャン・・・サシャの手上から握ってる・・・っていうか、後ろから覗き込む体勢で、ちょっと密着しすぎなんじゃないの?)モヤモヤ
ジャン「そうそう。簡単だろ?わかったか?」
サシャ「おお、きっちりできましたね!わかりました!ありがとうございます!」
ベルトルト「・・・・・・」カチャカチャ
ジャン「後はベルトルトに聞けよ。俺はちょっと他の班見てくる」
ジャン(そしてもしミカサが困ってたら、俺が助けてやって・・・)スタスタ
サシャ「あれは、ミカサのとこ行きましたね」
ベルトルト「そうだね。サシャ、他にやりにくいとこある?」
サシャ「うーん、そうですね。大丈夫だと思います」カチャカチャ
ベルトルト「そっか。もっと頼ってくれてもいいんだけどな・・・」シュン
サシャ「えっ・・・えっと、じゃあ、お願いしましょうかね」
ベルトルト「うん。どこ?」
サシャ「ここのジョイントのとこなんですけど、なんか緩くって」
ベルトルト「あ、ほんとだね。これ根元の留め具交換したほうがいいんじゃないかな」
サシャ「そしたら一旦外さないといけませんね。どれどれ」カチャカチャ
サシャ(最近、ベルトルトがすごく優しいですね。嬉しいです。でも、なんでそんなに優しくしてくれるんですかね?)チラッ
ベルトルト「ん?どうしたの?」ニコッ
サシャ「あっ、いえっ///」パッ
ベルトルト(目、そらされちゃったな・・・)
ベルトルト「サシャって、指細いね」
サシャ「えっ?いえ、大きいし、結構ゴツゴツしてますよ。まあ、訓練兵ですから皆大体そうなんですけど、クリスタとかみたいに綺麗な手の子もいっぱいいますし・・・恥ずかしいです」ササッ
ベルトルト「そんなことないよ。貸して」サッ
サシャ「あ、あのっ」
ベルトルト「うん、細いし、小さくて可愛いよ」ギュッ
サシャ「あ、ええっと、え?あの///ベルトルトの手と比べたら皆小さいですよ!」ドキドキ
ベルトルト「あはは、そうかもね。でも、僕はサシャの手好きだな。可愛い」
サシャ(ど、どういうことですかね。手、すごく強く握られてますし、ベルトルト、何考えてるんでしょう。もしかして、私のことからかってるんでしょうか・・・)ドキドキ
サシャ「えっと、痛いです・・・」
ベルトルト「あ、ご、ごめん!」パッ
サシャ「・・・・・・///」
ベルトルト(あ~・・・今ので、好きってばれたかな。でも、サシャも嫌そうじゃなかったよね?)
ジャン「何、イチャイチャしてんだよ・・・」ヌッ
ベルトルト「うわっ!」
サシャ「うひゃ!」
ジャン「俺は・・・俺はミカサにあっち行けって言われたってのによおお!!!」ブワッ
サシャ「ジャ、ジャン、泣かないでくださいよ」アセアセ
ベルトルト「そうだよ、きっとこれからいいことあるよ」アセアセ
ジャン「下手な慰めはいらねぇよっ」
――――
―――
――
―翌月―
サシャ「ふー、試験が終わってやっと一息ですね」
ミカサ「疲れた。サシャ、街に行って甘いもの食べよう」
サシャ「いいですね」
ベルトルト「サシャ、試験どうだった?」
サシャ「事前にベルトルトが教えてくれてたので、バッチリでした!たぶん・・・エレンはどうでした?」
エレン「俺もいつもよりできた気がする。やっと一息だな。ああ~疲れた」
ミカサ「疲れた時は甘いものがいい。エレンも一緒に甘いもの食べに行こう」
エレン「ん?いいぜ?ベルトルトも行くか?」
ベルトルト「え?僕?いいのかな?」
ミカサ「最近、ベルトルトはサシャと一緒にいる。仲がいいのだから一緒に行けばいい」
エレン「そういやそうだな。お前ら仲良かったんだな?」
サシャ「えっ、そ、そうですね///」
ベルトルト「う、うん///」
――――
―――
――
―それからまた数ヶ月・男子寮―
ライナー「なあ、ベルトルト。お前完全にサシャのこと好きだろ?」
ベルトルト「えっ・・・う、うん」
ライナー「サシャはお前のことどう思ってるんだろうな?」
ベルトルト「どうだろ」
ライナー「どうも思ってないと思うぞ(なんてな)」
ベルトルト「・・・そ、そうだよね・・・」
ライナー(悲しい顔しすぎだろ)
ベルトルト「はあ・・・」
ライナー「好きなら好きって言ったらいいんじゃないか?正直傍から見てて、サシャはお前に気があると思うぞ?」
ベルトルト「えっ、ほんと!?」
ライナー「ああ」
ベルトルト「そっか・・・だったら嬉しいな。でも、なんかわからないけど、好きって言ったらいけない気がするんだ。僕が僕でなくなりそうっていうか」
ライナー「ああ、俺達は男だからな。そりゃ、気持ちが突っ走れば、自分じゃないなにかになってしまうかもしれんな」
ベルトルト「どういうこと?」
ライナー「ん?つまり、サシャを襲っちまうかもしれないってことだろ?」
ベルトルト「ち、違うよ!」
ライナー「違うのか?」
ベルトルト「あ、いや、わかんないけどさ。サシャのこと考えると幸せな気持ちになるし、一緒にいるとあったくて、楽しくてずっとこのままでいたいって思うんだけど・・・なにか大事なこと忘れてるような気がしてさ」
ライナー「なんだろな?」
ベルトルト「わかんない・・・」
ライナー「ま、俺達は兵士だから、ここを卒業して、兵団に所属して巨人と戦うようになったら、いつ死ぬかもわからんわけだ。だから、伝えられるうちに伝えたいことは伝えたほうがいいと思うぞ」
ベルトルト「うん、そうだね。でも・・・怖くて」
ライナー「ま、そりゃお前次第だな。俺はうまくいくと思うが」
ベルトルト「だったらいいんだけど・・・でも、僕はこのままが一番幸せなんじゃないかな。このままで時が止まればいいのにな」
ライナー「・・・・・・」
――――
―――
――
―食堂―
サシャ「はあ~」
ユミル「なんだよ、でっかいため息ついて」
サシャ「掃除当番ですよ。罰則の」
ユミル「お前ここ来て何回罰則受けたら気が済むんだ?マゾか?マゾなのか?」
サシャ「自分でもダメだと思ってるんですが、教官に見られてると緊張してしくじるんですよね」
ユミル「そりゃ恋だな。で?どこの掃除なんだ?」
サシャ「座学の資料室です。あそこ、いつ行ってもめちゃくちゃに散らかってるんですよね・・・」
クリスタ「あそこ罰則で定期的に片付けに入るから、その時にやってもらうつもりで皆結構適当に置いてるんだよね」
サシャ「そうなんですよね。私なんかは常連ですから、自分が当番の時に簡単に済むようにいつも綺麗に返すようにしてるんですが」
ユミル「なんか努力の方向性が間違ってるような気もするが・・・ま、自分が悪ィんだからしょうがねえな」
サシャ「はい・・・まあ、行ってきます」トボトボ
――――
―――
――
ベルトルト(ライナーの言うように、思い切って気持ちを伝えたほうがいいんだろうか?)
サシャ「はあ・・・」
ギィイイ・・・パタン
ベルトルト(ん?サシャ?座学の資料室に入って行ったな。また罰則なのかな?)テクテク
サシャ「あ~今日もまたよく散らかってますね。とりあえず用紙をまとめてしまいましょう」バサバサ
ベルトルト「サシャ・・・」
ギィィィ・・・
サシャ「!?」クルッ
ベルトルト「驚かせた?ごめんね」
パタン
サシャ「いえ、どうしたんですか?」
ベルトルト「いや、サシャがここに入ってくのが見えたから。手伝うよ」
サシャ「いいですよ。これは私の罰則なんですから。それに見つかるとベルトルトも怒られてしまいますよ」
ベルトルト「ん?構わないよ」
サシャ「私が構いますよ」
ベルトルト「じゃあ、手伝わないから、ここにいてもいいかな?」
サシャ「いいですけど、手伝ってたかなんて証明しようがないですから、怒られると思いますよ?」
ベルトルト「うん、いいよ」
サシャ「怒られてもいいなんて変わってますね。じゃあベルトルトが怒られないようにさっと終わらせますので・・・」
サシャ(ベルトルトと二人きりになるなんて久しぶりですね。しかもこんな誰もいない静かなとこでなんて初めてですし、うーん・・・ドキドキしますね)ガサガサ
ベルトルト「ここって静かだね」
サシャ「もう夕飯も終わりましたしね。あんまりこちらに来る人はいないでしょうね」
ベルトルト「うん」
サシャ(うーん、なんでしょう。ベルトルトは何の用なんでしょう。気になって集中できません)
サシャ「何か私に用でした?」
ベルトルト「いや、特に用ってわけじゃないんだけど・・・」
ベルトルト(どうしよう、言ってしまおうか?ここなら誰もこないし、あんまりこんな機会ないもんな)ドキドキ
ベルトルト「あの・・ただ・あ、会い・・・」
ベルトルト(うっ、スルッと言えないよ・・・!)
サシャ「?」ガサガサ
ベルトルト「空いてたから・・・時間が」
サシャ「はあ・・・暇だったんですね」
ベルトルト「う、うん」
ベルトルト(僕っていくじなしだあああああ!!!)ガックリ
サシャ「でも私の掃除見てても暇つぶしにもなりませんよ。ライナー達のところに行ったほうがいいんじゃないですか?」
サシャ(なんか、密室に二人きりって間が持ちませんし)
ベルトルト「あ、邪魔だった?」
サシャ「え?いえ、そんなことありませんよ!?すいません、言い方が冷たかったですね。そんなつもりなくて・・・あの、なんか二人きりでいるのがどうしていいかわからなくって」アセアセ
ベルトルト「なんで?今までも二人でいたことあるのに?」
サシャ「こんな静かで誰もいないとこでは初めてですよ・・・」
ベルトルト「あ、そっか。そうだね」
サシャ「・・・・・・」ガサガサ
ベルトルト「・・・・・・」
ベルトルト「やっぱ手伝うよ」ズイッ
サシャ「えっ、あの、構いませんって!」アタフタ
ベルトルト「手伝わさせてよ」
サシャ「え・・・あ、じゃ、じゃあお願いします・・・」
サシャ(はああ・・・あんまり近づかれると困りますね。幸い日が落ちて来ましたから、部屋が暗くなってきたので顔
が赤いのは気づかれずにすみそうですが・・・あ、部屋が暗い・・・?灯りがいりますね)
サシャ「ちょっと灯りつけましょうか」テケテケ
ベルトルト「うん、そうだね」
サシャ「えーっと、確かこの机の辺に・・・」ゴソゴソ
ベルトルト「あ、サシャ、頭の上気をつけて。なんか本棚の本落ちてきそうだよ?」
サシャ「え?そうですか?ちょっと待ってくださいね・・・」ゴソゴソ
ベルトルト(あっ、あ~危ないな・・・助けれるようにしとこうか?いや、本が落ずにいけるかな?)ソワソワ
本「ヒューン」
ベルトルト「あっ!」
ボコッ!
サシャ「ぐえっ!」
ベルトルト(やっぱ近くに行っておけばよかった)アセアセ
ベルトルト「だ、大丈夫!?」タッ
サシャ「いてて・・・大丈夫です」
ベルトルト「ほんとに?打ったとこ見せて?」
サシャ「えっと、この辺なんですが。傷にはなってないと思います」
ベルトルト「どれどれ?・・・あっ!」
サシャ「な、なんですか!?」
ベルトルト「大変だ!打ったとこハゲてるよ!!」
サシャ「えっ!?ええっー!?どこが!?どこですか!?」アセアセ
ベルトルト「嘘」
サシャ「・・・・・・」
ベルトルト「う・そ」
サシャ「べ、ベルトルト・・・私は・・・私は・・・キース教官になると思って本気で焦ったじゃないですかああ!」クワッ
ベルトルト「あっ、ごめん!ごめん!」
サシャ「ゆ、許しませんよっ!」
ベルトルト「ごめんって、あはは!」
サシャ「ベルトルト、昔自分は悪い奴っていってましたけど、ほんと悪いやつですね!お仕置きです!」
ベルトルト「え?」
サシャ「ふふふ、必殺、芋くすぐりの刑です!!この技の前に屈さなかったコニーはいません!」ワキワキ
ベルトルト「ちょ、待って。手つきが怖い。手つきが」
サシャ「覚悟です!ベルトルト!!」コショコショコショコショ
ベルトルト「うわっ!あはははは!やめてよサシャ!あはっ!」
サシャ「ふっふっふ、やめませぇん!」コショコショコショコショ!!
ベルトルト「あははははは!って、ちょ、あ、ダメ・・・そんなとこ・・・」
サシャ「ふふふ・・・なんですか?ここですか?ここがええのんか?」
ベルトルト「あふっ・・・いや、ほんとダメ・・・そこは・・・」アセアセ
サシャ「何言うとるん?嫌よ嫌よもなんとやらいうやろ?ふっひっひ」
ベルトルト「ちょっとwwサシャ何その言葉使いw」
サシャ(はっ!ちょっとノってしまって、つい方言が出てしまいました///)
サシャ「さ、遊んでないで作業を進めましょう」パッ
サシャ(う~、つい油断してしまいました。もう・・・ベルトルトは本当に見かけによらず悪いやつです)
ベルトルト(さっき、方言で喋ってたな。初めて聞いた。サシャが気を許してくれたんだろうか?嬉しいよ。もっと聞きたいな)
ベルトルト「ねえ、サシャ」
サシャ「ん?なんです?」
ベルトルト「さっき方言使ったよね?」
サシャ「さ、さあ?」アセアセ
ベルトルト「なんで隠すの?可愛かったのに。もっと方言聞かせてよ?」
サシャ「い、嫌ですよ。恥ずかしい・・・」
ベルトルト(恥ずかしがってるサシャ可愛いな。ああ、ダメだ。なんかもう、頭がよく回らないよ。誰も知らないサシャが見たい。このままサシャを僕のものにしたい・・・)
ベルトルト「二人きりだし恥ずかしくないよ」
サシャ「な、なんで、そんな私の壁壊そうとするんですか」
ベルトルト「サシャの恥ずかしいとこが見たいから」
サシャ「!?」
ベルトルト「見せて・・・?」
サシャ「な、な、なに言って!?///」
ベルトルト「大丈夫だよ、ここには僕以外いないし。恥ずかしくても誰も見ないよ?」
サシャ「嫌ですってば!」プイッ
サシャ(な、なんなんですか!?な、なんかこっちににじり寄ってきてますし・・どうしましょう!?私の脳みそフル回転してますが、どうしたらいいんですか!?)グルグルグル
ベルトルト「嫌よ嫌よも・・・ってサシャが言ったよね?」
サシャ(う、なんか・・・なんかヤバイ雰囲気ですよ!?)ドキドキドキドキ
ベルトルト(僕何してるんだろう?サシャ怖がってるよね?どこかでダメだって思ってるけど、僕は、このままサシャの壁を崩して、サシャを手に入れて、何もかも忘れて暮らしたいって思ってる。サシャといると、嫌なこと忘れてしまえるんだ・・・)
ベルトルト「サシャ、こっち向いて」グイッ
サシャ「あ、あのっ」アタフタ
ベルトルト「ねえ、僕が怖い?」
サシャ「な、なんですか!?何考えてるんですか!?」
ベルトルト「サシャのこと考えてるよ」
サシャ「えっ!?そ、それはどういう・・・」
ベルトルト「好きなんだ、サシャ・・・」グッ
サシャ(ちょ、ちょ・・・な、なんでこんな急に!?あ、待って、待ってください・・・顔が近いっ・・・!?)
――――
―――
――
―格闘訓練場―
アニ「ふっ!ふっ!」シュバッ!シュバッ!
アニ(ライナーも、ベルトルトも兵士になっちまったし、私がしっかりしないといけないね。でも・・・私も、たまに兵士になりそうになるんだ・・・あいつのこと考えると・・・)
アニ「せっ!」ドガッ!
アニ(ライナーやベルトルトみたいになるのは怖いよ・・・)
アニ「ふう・・・」
アニ(・・・早く卒業したいな。そしたら、あいつらも元に戻って、私もあいつと離れてこの気持ちを吹っ切れるはずだ)
ザッザッザ
アニ「!」
キース「おい、レオンハート、熱心なのはいいがそろそろ宿舎に戻れ。あとついでで悪いがこの資料を座学の資料室に戻しておいてくれないか。ちょうどブラウス訓練兵が掃除してるはずだから鍵は開いてるはずだ」
アニ「わかりました」
アニ(ちっ、めんどくさいね・・・)
―――――
――――
―――
―座学資料室―
サシャ「ダメ!ダメですよ!」バキッ
ベルトルト「いてっ!予想外の肘っ!」
サシャ「なんですか!急に!」
ベルトルト「だって、好きだから・・・キスしたい」
サシャ「わ、私の気持ちはどうでもいいって言うんですか!?」アセアセ
ベルトルト「い、いや!それは・・・あの、ちょっと冷静じゃなかったというか・・・ごめん・・・」
サシャ「私はショックです」
ベルトルト「ご、ごめん・・・!あの、嫌いになった?」
サシャ「え?いや、べ、別に嫌いではありませんし・・・むしろ、私もベルトルトのことはす・・・」
ベルトルト「す?」
サシャ「え、っと、す、好きですけど・・・」カアアアアアッ
ベルトルト「えっ!?本当に!?」
サシャ「は、はい。本当です。でも、ベルトルトは他に好きな人がいるので言わないつもりでした」
ベルトルト「ほかに好きな人?」
サシャ「前にフランクフルトルト欲しいって話したときに、ほかにあげたい人がいるからダメと言いましたよね」
ベルトルト「そうだっけ?ごめん、覚えてないや・・・」
サシャ「覚えてないんですか?」
ベルトルト「うん・・・」
サシャ(なんででしょうか?好きな人のこと忘れるなんて)
ベルトルト(あ、ダメだ・・・。なんか思い出そうとしたら気持ちが落ち込む・・・。思い出さなきゃいけない・忘れちゃいけないことなんだって思うけど、思い出したくない・・・)
ベルトルト「思い出したくない・・・」
サシャ「あの、顔色悪いですよ?」
ベルトルト「サシャ、僕のフランクフルトルトはサシャにあげる」ギュッ
サシャ「べ、べ、ベルトルトっ!?」ドキドキ
ベルトルト(そうしよう。そうしたら僕は、このまま、幸せな気持ちのままここにいれる・・・そんな気がするんだ)
ベルトルト「だから、サシャも、壁の中・・・全部僕に見せて」
サシャ「えっと・・・その・・・」
ベルトルト「サシャ・・・」
サシャ「べ・・・ベルトルト・・・」
ギイイイイイ
アニ「・・・・・・」
サシャ「!?」
ベルトルト「!!」
アニ「・・・何してんの?」
サシャ「あ、いえ、これはああの」アタフタ
アニ「ま、なんでもいいけど。邪魔したね」
パタン
ベルトルト「あ・・・」
サシャ「どうしたんですか?」
ベルトルト「ア・・・アニ!!ま、待って!!」ダッ
サシャ「!?」
ギイイイ!!バタン!!
サシャ「???」
サシャ(ど、どういうことなんでしょうか?えっと・・・よくわかりませんが・・・)
サシャ「なんとなく、今・・・。ベルトルトがフランクフルトルトをあげたい相手・・・わかってしまいました・・・」
――――
―――
――
ベルトルト「待って!アニ!待ってよ!」
アニ「なんで追い掛けてきてんのさ」
ベルトルト「あの、違うんだ・・・今のは」
アニ「何が違うの?あんたサシャとできてんだろ?別に責める気はないよ」
ベルトルト「そうじゃなくて・・・僕は、その、ライナーと同じになってた」
アニ「兵士に?」
ベルトルト「うん・・・」
アニ「知ってたよ、ライナーもね。でもあえてほっておいたんだ。悪かったよ」
ベルトルト「え・・・そうなの?あの、アニをひとりにしてごめん」
アニ「いいさ、別に。アンタは兵士になってサシャといるほうが幸せそうだった。ライナーもそれを見ていたかったみたいだよ」
ベルトルト「確かに・・・僕は幸せな気持ちだったけど、サシャのこと、す、好きなわけじゃない。僕が好きなのは・・・」
アニ「無理しなくていいよ。アンタ、サシャのことは好きなんだろ?」
ベルトルト「そ、それは・・・さっきまでは、そうだったけど、今は・・・違・・・いや、ごめん。わからない・・・」
アニ「そんなこと言ってたら嫌われるね」
ベルトルト「最初から好かれるわけなかったんだよ。だって、僕は・・・敵で、サシャの生活を壊したのも僕だ」
アニ「私らって、好きになるのもダメなのかな?」
ベルトルト「え?」
アニ「ライナーはクリスタを好きで、幸せそうだ。正直ムカつくけど、忘れて暮らしてくこともできるんじゃないかって、私もたまに思うことがある」
ベルトルト「僕らにそんな権利あるわけないだろ。僕らに好かれても、迷惑なだけだと思う。僕らは使命を全うするしかないんだ」
アニ「そうだね。アンタだけはずっと使命を守ってた。それだけ考えて・・・でもアンタも私やライナーと同じだったんだね」
ベルトルト「ライナーと・・・アニと」
アニ「私にもわかるよ・・・人を好きになるって、厄介だよ」
ベルトルト「アニ・・・好きな人がいるの?」
アニ「いるよ・・・アンタらには悪いけど・・・私もそいつは、殺せない・・・たぶん」
ベルトルト「・・・・・・」
アニ「まあ、使命さえ忘れなければいい。サシャと付き合うも、どうするかもアンタに任せるから、ちゃんとしなよ・・・」スタスタ
ベルトルト(アニ・・・君の好きな人って、誰?)
――――
―――
――
―座学資料室―
ベルトルト「サシャ・・・」
ギイイイイ・・・
ベルトルト(いない・・・帰ったのかな?)
パタン
ベルトルト(僕は、最悪で、最低だ・・・兵士モードになってたとはいえ、サシャを傷つけた)
ベルトルト(もう、僕に笑ってくれないだろうな。僕のこと、好きって言ってくれたのに・・・僕も・・・僕もたぶん、本気で好きだったのに・・・)
――――
―――
――
―時は流れて・104期兵隔離施設―
コニー「あ~暇だなあ」
サシャ「ひまですねえ」
ライナー「お前ら毎日同じ会話して飽きないか?」
サシャ「飽きましたよ、とっくに。ねえ、コニー?」
コニー「ああ、飽きたを一周してなんか新鮮な気分だぜ」
ユミル「お前ら~、朝から晩までうっとおしいな、いいからもう寝る時間なんだから部屋に帰れよ」
クリスタ「そうだよ。暇なら寝よ?」
サシャ「そうですね、どうせ明日も暇なんでしょうが」
ライナー「まあ、暇って方が安全ってことだし、いいんじゃないか?なあ」
ベルトルト「う、うん。そうだね」チラッ
サシャ「・・・・・・」
ベルトルト(あれから、サシャとは全然口をきいてない。目があった時にそらしたりはされないけど、僕の方がサシャに対して近づけないまま・・・まだ謝ってもない。たぶん嫌われてるし、このまま嫌われたままのほうがこれからのことを考えるといいのかもしれないけど・・・)
―――――
――――
―――
―隔離施設・屋根の上―
ベルトルト(はあ・・・ここではひとりになる場所が少なすぎる・・・アニ、アニはばれずに上手く生活に戻れたんだろうか・・・)ボーッ
サシャ「あ、ここにいました」ガシャガシャ
ベルトルト「!?」ビクッ
サシャ「探しましたよ」ストン
ベルトルト(え!?サシャ!?ど、どうしてここに!?)アセアセ
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「なんか、喋るの久しぶりですね!」
ベルトルト「うん・・・」
サシャ「あ、星がいっぱい出てますね~」
ベルトルト「ど、どうしたの?」
ベルトルト(バカ!そんなこと聞く前に謝るのが先だろ!)
サシャ「ん?ベルトルトと話したくて、探してました」
ベルトルト「あの、サシャ・・・ごめん」
サシャ「なにがです?」
ベルトルト「僕は、座学資料室で、君を傷つけた」
サシャ「ああ、そうですね。傷つきましたよ。ほんと」フゥ~
ベルトルト「ごめん!こんなこと言ってもただの言い訳で、信じてもらえないかもしれないけど、僕、あの時精神的におかしくなってて・・・でもあの時言ったことは嘘じゃなくて・・・でも、ダメなんだ。ああ、ダメだな。こんなこと言って・・・僕は」
サシャ「別にそういうのを聞きに来たわけじゃないんですよ、私は一方的に言いたいことがあって来たんです」
ベルトルト「言いたいこと?」
サシャ「はい。ベルトルトが私を傷つけて悪かったと思ってるなら、黙って聞いてください」
ベルトルト「うん」
サシャ「私、訓練兵の時は巨人退治を結構甘く考えてたみたいで、卒業して、訓練兵のまま始めて巨人と戦って。あの時、とっても怖い思いをしました」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「そして、怖い思いもして臆病者のくせに、調査兵団に入って・・・。なんであの時動かなかったんですかね。まだ憲兵団にも行けたのに。今でも不思議ですが・・・あはは。それで、壁外調査で巨人に追いかけられて・・・あれはもう死ぬかと思いましたね」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「それで、思ったんですよ。私、もしかしたら明日・・・いえ、今日にでも死んでしまうかもしれないなって」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「そしたら、ああ、私心残りがあるって思いまして。それをスッキリさせずに死にたくないって思ったんです。それはですね・・・あのまま、ベルトルトと話せないまま死んじゃうことだったんです」
ベルトルト「・・・そっか」
サシャ「まあ、それだけじゃないんですけどね。お父さんに会って仲直りしたいとか、お腹いっぱい美味しいもの食べたいとか、色々あるんですが。もしかして、今日が最後になるかもって思ったら、言っておきたくて」
ベルトルト「うん・・・」
サシャ「ベルトルトが、私の方言を見たいって、可愛いって言ってくれて、本当に嬉しかったです。でも私意固地になっちゃって・・・すいませんでした」
ベルトルト「いや、悪いのは僕だ」
サシャ「本当、ベルトルトは悪い奴ですよ。あんな、告白しといて私に期待させといて・・・他の子追い掛けて行っちゃうんですから」
ベルトルト「ごめん・・・」
サシャ「それでも、私、ベルトルトのこと嫌いじゃないんですよね。へへへ」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「だから、言っておこうと思います。これは私のために。誰にも見せてない、私の言葉で」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「私・・・ベルトルトのこと好きやから。これからもずっと・・・好きやからね」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「へへっ、言っちゃいました」
ベルトルト「ぼ、僕は・・・」
サシャ「あーっ!いいんですよ。ベルトルトに好きな人がいるのは知ってますから。それに、何か言えない事情があるみたいですし、気にしなくていいです。ただ、私が言いたかっただけなんです」
ベルトルト「・・・・・・」
サシャ「だから、泣かないでください」
ベルトルト「ごめん・・・ごめんサシャ・・・」
サシャ「ふふふ、ベルトルトはやっぱり泣き虫なんですねえ!」
ベルトルト「うん・・・僕は、泣き虫だね・・・」
サシャ「ベルトルト、私、フランクフルトルトはもらえませんでしたが、覚えてますか?フランクフルト一緒に食べましょうって言いましたよね。私、いっぱい巨人を駆逐して、土地を取り返して、いっぱいフランクフルト作れるようにがんばりますから。・・・何年後になるかわかりませんが、一緒に食べましょうね。その時はベルトルトの好きな人も一緒に」
ベルトルト(なんでこんなに、サシャは僕を好きでいてくれるんだろう・・・。嬉しいと、思っちゃダメだ。僕は元々サシャに好かれたり、好きになる資格なんて無いのに・・・)
サシャ「約束ですよ?指切りします?」
ベルトルト「うん、しよう・・・指切り」
ベルトルト(このまま、ここでサシャを抱きしめたら、僕はまた、兵士になってしまうんだろう・・・アニ、ライナー・・・僕は・・・僕は・・・)
サシャ「ベルトルトの指、長いですね」
ベルトルト「サシャは・・・やっぱり、細いね」
サシャ「ふふっ。では、ゆびきりげんまーん・・・」
ベルトルト(百年後でも・・・二百年後でも・・二千年後でもいい。僕も、君と・・・君と一緒にフランクフルトを食べたい。もし、時が巡り巡るなら、罪のない世界で―君と、二人で)
――――
―――
――
―進撃中学校―
サシャ「ふ~今日も授業終わりましたね。やっと帰れますよ」
ベルトルト「あの、サシャ」
サシャ「あ、ベルトルト。そうでした。さっきはノートありがとうございました」
ベルトルト「ああいいよ。ところで、今日良かったら一緒に帰らない?」
サシャ「いいですよ!チーハン食べに行きましょうよ。ノートのお礼におごりますよ?」
ベルトルト「チーハンか・・・フランクフルトにしない?」
サシャ「フランクフルトですか?」
ベルトルト「うん、なんかサシャの顔みたら食べたくなっちゃった。それに僕がおごるよ」
サシャ「え!やった!いいんですか!?そうだ、じゃあ、アニも誘ってきてあげますよ!おまかせください。ふっふっふ」
ベルトルト「えっ!?いいよ!いい」
サシャ「そうですか?」
ベルトルト「うん。サシャと、二人で食べたいんだ・・・」
サシャ「・・・じゃあ、デートですねっ!」
ベルトルト「えっ///で、デート!?」
サシャ「そうですよ?さーて、何本食べましょうかねぇ」
ベルトルト「えっ、サシャそ、そんなにいっぱい食べるの!?」アセアセ
サシャ「食べますよ!」ニコニコ
ベルトルト「ええ~っ!」
サシャ「ダメですか?」
ベルトルト「う、上目遣いは反則だよ。・・・もう、しょうがないなサシャは・・・!」ニコッ
完
終わりです。
ち○こコメディのはずが、シリアス落ちになってしまいましたが。
コメントありがとうございました!
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