支援

P「よ、よーし春香！今日はこれから朝イチで撮影だ！行くぞ！」

春香「はいっ！わかりましたプロデューサーさん！行きましょわっ！？」ドシーン

P「だ、大丈夫か春香！？」チラッ

春香「えへへ…転んじゃいました…」チラッ

小鳥「…」カチャカチャカチャ

P「…じゃあ行ってきますね、音無さん。後よろしくお願いします」

春香「行ってきます！」

小鳥「…かれさまです…」カチャカチャカチャ

P「…はぁ…」

バタン

P「くうっ…あー、なんか息が詰まるな…」

春香「ですよねぇ…私の折角のコケにも無反応だし」

P「俺ら嫌われてんのかな…」

春香「小鳥さんはいつでも誰にでもああですから…私たちだけが好かれてないわけじゃないと思いますよ」

P「そうか…しかしなあ…」

P「俺が来る前からああだったのか？」

春香「そうですね…はい。私が初めて事務所に来た時もあんな感じでした」

P「そうか…残念だな」

春香「ですよね。小鳥さん美人だしスタイルもいいのに…あれじゃ恋人もできませんよね」

P「そういう心配かよ」

春香「え？」

P「いや、せっかく765プロっていういい事務所で働いてるのにさ、勿体ないなと思って」

春香「はあ」

P「ああやって日がな一日書類とパソコンと向き合って…それはそれで事務員としては素晴らしいんだろうけど」

春香「意外とミス多いんですけどね」

P「…そういやそうか。まあそれはそれとして…もっとみんなと打ち解ければ楽しいのにさ」

春香「そうですよねえ…うちの事務所で小鳥さんだけ浮いてますもんね」

P「浮いてるというか沈んでるというか、な」

春香「うぅん…」

春香「だったらプロデューサーさん！小鳥さんがもっと打ち解けられるようにしましょうよ！」

P「んー…例えば？」

春香「何だっていいんですよ！小鳥さんが、何というか…そう！笑顔になれる機会を増やすんです！」

P「笑顔か…そういや音無さんの笑った顔、見たことないな。怒った顔や困った顔もだけど」

春香「笑える機会が増えれば事務所は楽しいところだって思ってくれると思うんです」

P「なるほどな。それにみんなと一緒に笑うようなことがあれば、心の距離も縮まるか」

春香「はい！だからプロデューサーさん！みんなで協力して小鳥さんを笑顔にしましょう！」

P「…わかった。事務所の大事な仲間のためだ、ひと肌もふた肌も脱ごう！」

春香「私も脱ぎます！」がばっ

P「そういうボケはいらん」

P「とりあえず今日から始められることは…春香、女の子がされて嬉しいことって何だ？」

春香「そうですねえ…あ！甘い物！」

P「甘い物か…じゃあお土産に何か買ってくか。音無さんが好きそうな甘い物って何だろう」

春香「うぅん…心当たりが全然ないです」

P「だよなぁ。あの人、何を食うにしてもうつむいて無表情だし」

春香「確か今日の撮影はあそこですよね？だったら近くに美味しいケーキ屋さんがあったはずです！」

P「ケーキか。うん、女の子といえばケーキだよな。撮影終わりに買っていこう」

春香「やったぁ！ケーキだぁ！」

P「…お前が食いたいだけじゃあるまいな」

春香「…まっさかぁー…」

午後

春香「ただいま戻りましたー！」

P「戻りましたー」

亜美「あ！兄ちゃんはるるんおかえりー！」

真美「兄ちゃん何持ってんの？あー！その箱！あのお店のやつじゃん！」

P「ああ、お土産のケーキだ」

春香「みんなで食べよう」

亜美「わぁい！ケーキだケーキ！」

真美「真美はモンブランがいいー！」

P「ないぞ」

春香「私、お茶いれてきますね！えーと…5人か」

真美「5人？」

亜美「…あ！ピヨちゃん！」

P「(一緒の部屋にいて忘れてたのかよ…)」

小鳥「…」カチャカチャカチャ

P「(さて、と…)お、音無さん！」

小鳥「…ぃ…」カチャカチャカチャ

P「け、ケーキを買ってきたんで、一旦休憩にしてこっちで一緒に食べませんか？」

真美「ピヨちゃんもおいでよー！」

亜美「すっごく美味しそうだよー！」

小鳥「…す…」

P「はい？」

小鳥「…お昼を食べたのでいいです…」

P「や、でもその…甘い物は別腹って言いますし…」

小鳥「…たしの分は誰か他の人にあげてください…」カチャカチャカチャ

P「し、しかし…」

小鳥「…太りますし…」カチャカチャカチャ

P「…わ、わかりました…お邪魔しました…」

春香「はいっ！お茶入りましたよ！あれ？小鳥さんは？」

P「ケーキは4人で食べます…」

亜美「んー！おいしー！」

真美「兄ちゃん今度はモンブランも買ってきてよねー！」

春香「ほんとに美味しいー！ね、プロデューサーさん？」

P「ああ、確かにうまい。しかし今日の俺にはこのケーキのうまささえどこか上滑りしていく…」

春香「プロデューサーさん…」チラッ

小鳥「…」カチャカチャ

春香「…はぁ」

真美「兄ちゃんもはるるんもどったの？」

亜美「なんか元気ないね…まさか二人そろってビョーキとか？」

春香「はははー、ないない」

真美「じゃあ恋の病だ！兄ちゃんとはるるんの間にスキャンダル発覚かぁ！？」

小鳥「…」チラッ

P「それこそねーよ」

真美「だよねぃ」

春香「それこそって…」

17時

小鳥「…れさまでした…」

P「お、お疲れ様…」

春香「お疲れ様でしたー！」

真美「ピヨちゃんまた明日ねー！」

亜美「ばいばーい！」

小鳥「…」

バタン

P「ふい～…相変わらずの定時退社だな…」

春香「なんかいつも以上に気疲れしましたね…」

亜美「ねーねー兄ちゃんもはるるんも何なのー？」

真美「なんかずっとピヨちゃんのこと気にしてたよねぃ？」

P「あー…あとちょっとしたら話すわ。春香？」

春香「あ、はい。とりあえずみんなにメールして…来れる人は来てくれるって言ってました」

P「そか、サンキュな」

小鳥「気遣いが辛い...」

真美「なになに？みんな集まんの？」

P「まあ、な。お前らも今日はちょっと残れよ？」

亜美「わーい！兄ちゃんのおごりでみんなでゴハンー！」

P「誰がメシおごるなんて言ったよ…」

春香「多忙なアイドルが時間を割いて集まるんですから…それくらいは当然じゃないですか？」

P「…お前が食いたいだけじゃあるまいな」

春香「…まっさかぁー…」

P「ま、いいか。メシぐらいはおごるさ」

亜美「わーい！亜美おスシがいいー！」

真美「真美はデザートにモンブラン食べれるとこー！」

P「寿司とモンブランが食える店って何だよ…」

ガチャッ

響「はいさい！自分お腹すかして来たぞー！」

貴音「皆でらぁめんを食べる…実に良き催しですね」

P「…春香てめえ…」

春香「小鳥さんはプロデューサーさんと一緒に居るための口実ですよ！口実！」

やよい「うっうー！食事代が浮いちゃいますー！　でも長介たちに悪いかなーって」ﾁﾗｯ

P「お早うございます、音無さん！」
小鳥「おはようございます!!」カチャカチャ
P「い、いやぁ…朝晩が冷え込むようになりましたねぇ」
小鳥「そうですね～確かに最近冷えますよね」カチャカチャ
P「俺なんかもうこたつ出しちゃいましたよ！こたつ！好きなんですよね、こたつ！」

小鳥「あはは、流石に気が速いんじゃないですか？」カチャカチャ
P「音無さんはこたつ好きですか？」
小鳥「とっても好きですよ!もうコタツさえあれば何も必要ありません！」
P「あはは、わかりますよその 気持ち」
春香「おはようございまーす！」
P「お、おお、春香！お早う！」
春香「お早うございます、プロデューサーさん！小鳥さんもお早うございます！」
小鳥「おはようございます春香ちゃん」カチャカチャ
春香「きょ、今日も一日頑張っていきましょうね！」
小鳥「ええ！ファイトオーですよ！」ガタッ

小鳥(…………まだ届かない理想と現実)

P「更年期障害かな？」

ブス「まさか……まだそんな年じゃないでしょう」

我那覇君「障害児がどうしかしたか？」

P「害児はうるせえから黙ってろよ」

我那覇君「……」

真「……更年期障害って何？」

美希「男の子には関係ないの」

真「……」

P「よーし春香！今日はこれから朝イチで撮影だ！行くぞ！」

春香「はいっ！わかりましたプロデューサーさん！行きましょわっ！？」ドシーン

P「だ、大丈夫か春香！？」チラッ

春香「えへへ…転んじゃいました…」チラッ

小鳥「大丈夫！？春香ちゃん？」カチャカチャカチャ

P「じゃあ行ってきますね、音無さん。後よろしくお願いします」

春香「行ってきます！」

小鳥「お疲れさまです」

バタン

小鳥(本当は…こんな社会人になりたかった…)