妹「気付いた?今までの恋人は全部私だったんだよ?」 (30)

 
 
 
 

ヤンデレ妹っていいよねー
設定的には、勉学に励む為アパートを借り、高校生活を凰呀している兄だったが
そんな兄にも恋人ができる、が兄の恋人全員が整形した妹だった、みたいなね


みたいなね?

妹「中出ししたあの子も」
妹「しなかったあの子も」
妹「全部私」

妹「わかるわけもないよね」

妹「だって、それに気付いた時にお兄ちゃんはもう――いないんだから」

妹「それにしても、今回は良いラインまでいってた気がするんだけどな……」

妹「どうして疑うことをやめちゃうのかな?」

妹「何回も殺す方の身にもなってよね」

妹「これ、地味に疲れるんだから……」

妹「まぁいいや、もう私の声も聞こえてるかわからないし」

妹「終わってしまったことだから」

妹「それじゃあ、ばいばい」

妹「また会える日まで」



大好きな、大好きな

私だけのお兄ちゃん

うほ

――

学業を疎かにしているわけではないが、眠いものは眠い

それが人間であって、性には逆らえないというものだ

もちろんそれ相応の覚悟もしているわけであって……

そんな下らないことを考えながら、生徒指導室に向かったところまでは良かった

しかし、ここで問題が一つ

生徒指導室で俺を待っていたのは、茶菓に囲まれて気持ち良さそうにお昼寝をする先生

兄「呼び出された俺はどうすりゃいいんだよ……」

先生「んぅ……むにゃむにゃ……」

兄「せんせー、俺来ましたよー」

兄「お説教しなくていいんですかー」

先生「んにゃ……わたしはいま、もうれつにねむいから……なにをされても、きっとおきない……かも」

何を言ってるんだこの人は

明らかに起きているであろう幼女を目の前に、俺はどうすべきか迷っていた

兄「いつもみたいに殴ったり蹴ったりしてもいいから早く終わらせてくださいよ」

先生「せんせいはそんなことしないよぅ……むにゃむにゃ」

兄「どーだか……」

先日、後頭部を鈍器で殴られたことを思い出す

じんわりと後頭部が痛くなってきた気がする

……やめておこう

先生「ほらぁ……そんなことよりい」

まだ続けるのか

先生「こんなかわいいおんなのこが、むぼうびにおひるねしてるんですよぅ」

先生「すえぜんなんとやらですよぅ……むにゃむにゃ」

兄「たべてもいいんですか?」

先生「どうぞどうぞ……すーすー」

兄「ではお言葉に甘えて」

そう言って後ろから先生を持ち上げようとした瞬間

顎から脳天に突き抜けるような衝撃

先生「どこ触ってんじゃボケちんがー!!」

兄「どこ触ってもいいっていったじゃないですか!」

先生「おおお……おぱ、わたわたわた……わたしの……」

兄「やっとお説教はじまりましたね」

先生「貴様ぁ……生きてここから出られると思うなよ……」

兄「煮るなり焼くなり好きにしてください」

先生「ん、なんで今日は無抵抗なんだ?」

兄「いえ、毎日のようにやってると飽きるので早く終わらせて帰ろうかと」

先生「えっ?」

兄「えっ?」

先生「あ、うん……まぁそうだよな……」

先生「あんちゃんも色々やることあるもんな……」

兄「そうですね、早く帰って家事を終わらせたいですし」

先生「先生の事ばっかりかまってられないもんな……」

先生「そうだよな……そうだよな……」

兄(うわーすげーめんどくせーこのひとー)

先生「ほら……先生も悪かったから早く帰っていいよ……」

先生「今日はお菓子も用意してたのに……」ボソッ

兄「何か言いましたか?」

先生「うるせーばかー!このへっぽこー!」

兄「ああもう、泣かないでくださいよ」

兄「まるで僕が先生いじめてるみたいじゃないですか……」

先生「そうだもん……」

兄「はぁ……」

先生「あ、あたま触るなあー!わしゃわしゃするなあー!」

兄「とりあえず、そこにあるお菓子食べていいですか?小腹が減ったもので」

先生「た、たべたいなら勝手に食べるといい!私の説教を聞きながらな!」

兄(話があるなら最初っからそういえばいいのに……)

何時妹がでるのですか?

先生「いや、特に何か話したいってわけでもなかったんだけどな」

兄「それならどうしてこんな場所を?」

先生「最近な、呻くように寝言と涎を垂れ流してるから病院でも紹介しようかと」

兄「それは一大事ですね」

先生「いや、居眠り問題があるわけではないんだけどな」

兄「十分過ぎるほどの問題要素だと思いますが?」

先生「や、私もよく寝てたからな」

兄「そんな気がします」

先生「若干失礼な発言があった気がしたけど一先ず置くことにしよう」

兄「とすると、寝言の方ですか?」

先生「お前寝ながら私の名前連呼してるぞ」

兄「はい、それはありません」

先生「なぜばれた」

兄「先生はどうでもいいとして、何かまずいことでも言ってましたか?」

先生「私の事はどうでもいいのか……」

兄「いえ、大切な幼女枠だと思ってます」

先生「せめて少女って言って欲しかった……」

兄「ところで、寝言について何か問題でも?」

先生「ふむ、自覚はないのか……」

先生「変なことを聞くが、お前さん妹はいるのか?」

兄「……妹ですか?」

先生「その反応を見るに、近親にそう呼べる者はいないみたいだな」

兄「……はい、先生も御存知の通り」

先生「私もお前が母子家庭の一人っ子で苦労してるのは知っている」

先生「しかし、な」

先生「先日からお前さんが『妹に殺される』と呻いているのを生徒も聞いていてな」

兄「そんなことが……」

先生「や、ゲームのやり過ぎなら笑い話の一つとして片付けるんだがな」

先生「実際のところどうなのかと思ってな」

兄「それでこんな回りくどい事をしてまで話をしたわけなんですね」

先生「仮に重い話だったとするならば、私はお前さんを傷付けてしまう可能性もあったからな」

先生「少しだけ慎重に、場の雰囲気を保ちながら話をしたかったんだ」

兄「なるほど……」

兄「残念なことに、その手のゲームはやりませんし、近親に妹と呼べる者もいませんね」

先生「ふむ……」

兄「すみません」

先生「気にするな」

先生「まぁいい、他の生徒には私から説明しておこう」

先生「もちろんいつもと変わらない自然な会話でな」

兄「ありがとうございます」

先生「……それと、何かあったら言うんだぞ」

兄「はい、その時はお願いします」

先生「よし、それじゃあ先生は色々片付けなきゃいけないからお前は先に帰れ」

兄「手伝わなくていいんですか?」

先生「ああ、今日は少し資料なんかもまとめなくちゃいけなくてな」

兄「そうですか、では失礼します」

先生「おつかれさん」

――

先生(……今のところ自覚も記憶もない、か)

先生「にしても……」

この世界にリープしてから、まだ"彼女"は姿を現していない

今回は私でなかった事が唯一の救いか

先生(あんちゃんに接触する前に私が何とかしなければ……)

先生「……っ」

胸が締め付けれられるような感覚

そう、今でも思い出すことができる

彼を惨殺したあの日の事を

先生(……故に)

――私は彼への贖罪を誓った

交代の時間です

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom