える「折木さん!折木さん!大変なんです!」 (696)
ほうたろう「どうした千反田。あと、その耳と尻尾はなんだ」
ほうたろう「折木さん!?わたしが分かるのですか!?言葉もちゃんと通じているのですか!?」
ほうたろう「?いや、お前はどこからどう見ても千反田えるだし、話している言葉もいつも通り日本語だと思うが」
える「良かった……うう、良かったです」グスグス
ほうたろう「お、おい、何を泣いてるんだ千反田」
える「そ、それがわたし……」
さとし「おはよう、折木。おや、珍しいね」
ほうたろう「おう。さとしか……何がめずらしいって?」
さとし「ほうたろうが犬の相手をしていることがさ」
ほうたろう「は?」
える「……」
さとし「その子は捨て犬かい?省エネ主義のほうたろうが、まさか犬を飼い出したなんてないだろうし」
ほうたろう「ちょっと待て。お前にはこいつが犬に見えるのか?」
さとし「あ、ああうん。むしろ、犬以外に見るのは不可能かな」
える「朝から、こうなんです……」
ほうたろう「なんだと?」
える「折木さん以外の皆さん誰も……家族もわたしのことが犬だと……言葉も通じないみたいで」
さとし「ん?どうしたのかな。なにか項垂れているね」
ほうたろう(まさか二人で、質の悪い冗談で俺を担ごうとしてるわけじゃあ)
さとし「ほらほらどうしたんだい」スッ
える「ひっ」ササッ
さとし「あれ、嫌われたかな?」
ほうたろう「お前……なにをしようとしたんだ」
さとし「何って、撫でようとしたんだけど」
さとし「でも、ほうたろうには大分なついているみたいだね。君の後ろに隠れて、ずいぶん君を信頼しているみたいだ」
ほうたろう「……」ジー
える「……」
ほうたろう(耳も尻尾も、作りものにしては、よく動くし、耳なんかまさに頭から直に生えているようにしか見えんな)
さとし「それで、その子はどうするんだい?」
ほうたろう「どうって?」
さとし「このまま学校に連れていくわけにもいかないだろう」
さとし「近くに飼い主はいないみたいだけど」
さとし「毛並みはきれいに整っているし、頭も良さそうだ」
さとし「誰かの飼い犬が逃げたのかもしれない」
さとし「交番にでも預けるべきじゃないかな」
ほうたろう「そうだな……どうするか」
える「お二人は……学校に行ってください」
ほうたろう「なに?」
さとし「ほうたろう?」
ほうたろう「いや……」
ほうたろう(こいつにも事情を説明するべきか?しかし、千反田がお前には犬に見えているなんて、信じるか?)
える「自分のことですし自分でなんとかしてみようと思います……」
える「こんな特異な現象を、わたしになんとかできるかはわかりませんが」
ほうたろう「お前はな……」
さとし「え、僕?」
ほうたろう「お前じゃない。ちょっと黙っていてくれ」
ほうたろう「お前は、いつも通り俺を頼ればいいんだ。こんな時だからこそ」
える「でも……折木さんでもこんなこと……」
ほうたろう「俺にだけ、お前の姿が千反田に見えるんだ。何か関係があるに決まってるだろ」
さとし「千反田さん?千反田さんがどうしたって?」
える「折木さん!」
ほうたろう「……」ビクッ
さとし「おろおろしていないで撫でてあげたら?よくわからないけど、すごい尻尾を振ってすがり付いてきてるし」
ほうたろう「いや、それがな……」
ほうたろう(さて、こいつが信じるかどうか……)
さとし「この犬が千反田さんだって?」
ほうたろう「ああ」
える「そうなんです……」
さとし「……」
さとし「あはは、ほうたろうがそんな冗談を言うなんて、こりゃ空から飴でも降ってくるかもね」
える「……」ショボーン
ほうたろう「千反田。一回だけ鳴け」
える「え?」
ほうたろう「こいつに信じさせるためだ」
える「わ、わん!」
ほうたろう「今度は三回」
える「わん!わん!わん!」
さとし「へー、すごいね。よく訓練してある」
ほうたろう(……なんだこれは。なんか……)
1、興奮した。千反田をこのまま飼おう
2、いやいや、千反田を元に戻さなければ
>>62
2
ほうたろう(いやいや、千反田を元に戻さなければ)
ほうたろう「訓練じゃない。今日会ったばかりの犬に、こんなことさせられないだろ」
さとし「うーん、でも、君がこんな冗談を言うために、わざわざ知り合いの犬に仕込んだって線も」
ほうたろう「あると思うか?そんな面倒くさいことを俺が?」
さとし「うん、ないね」
ほうたろう「じゃあ信じたのか」
さとし「ううん、まあ、この犬がすごく……それこそ人間並みに賢いというのは信じるよ」
ほうたろう「そうか」
さとし「そうだね……君がこの犬を千反田さんだというなら、人間の千反田さんは今行方不明ということになる」
さとし「まずはそれを確かにしようか」
ほうたろう「そうだな」
える「あ、あの……わたしはこれからどうすれば……」
さとし「とりあえず、千反田さんの家に行ってみるかい、ほうたろう?」
ほうたろう「……いや、とりあえず学校に行こう」
ほうたろう「千反田が行方不明なら学校にも連絡が行っているだろうし、確認はすぐできる」
ほうたろう「むしろ、ここで俺たちまで学校をサボって大騒ぎされたら困る」
ほうたろう「千反田の家を調べるのは放課後にする」
さとし「そうだね。で、この犬千反田さんは?」
ほうたろう「……」
1、ひとまず、俺の家で待たせよう
2、学校に連れていって、どこかに隠れていてもらうか
>>115
ID変わったけど>>1です
st
2
ほうたろう「学校に連れていこう。調査するにしても千反田がいたほうがいい」
さとし「学校に?大丈夫かい、もし見つかったら」
ほうたろう「千反田」
える「は、はい?」
ほうたろう「放課後まで誰にも見つからずに隠れていられるか?」
える「……はい!そのくらい我慢してみせます!」
ほうたろう「そうか」
さとし「プッ」
ほうたろう「……」
える「え?」
さとし「いや、あはは、ごめんごめん。でも端から見ていると、ほうたろうが犬相手になにやら真剣に話しているのがおかしくてね」
ほうたろう「はぁ、もういいから学校に行くぞ」
える「あ、はい!」
さとし「ははは、待ってよほうたろう」
ほうたろう「なんとか学校の敷地内には入れたな」
さとし「先生や風紀委員が校門に立っていなくて良かったね」
ほうたろう「ああ。で、とりあえず千反田はこの部室にいてくれ」
える「ここで、ですか」
ほうたろう「ああ。人も来ないだろうし、今日は夏休み明けでまだ授業もない」
ほうたろう「放課後になったらすぐに調査を始めよう」
える「わかりました」
教室へ
ほうたろう(さて、どうしたものか……)
ほうたろう(正直内容がオカルトすぎる……)
ほうたろう(人が犬になる?いや、犬にしか見えなくなる?何がどうしたらそうなるんだ……)
ほうたろう(いっそどこぞの病院にでも駆け込んで、精密検査でもしてもらえば、少なくとも本体は人だと分かってもらえるんじゃないか?)
「……き!」
「折木!」
ほうたろう「う、うわあああ」
まやか「折木!こんな時に何をのんびりしてたのよ!」
ほうたろう「なんだ伊原か……」
さとし「やあ、おはよう、まやか」
まやか「あ!福ちゃんも!大変なのよ!」
ほうたろう「いったいどうしたんだ?」
まやか「えるちゃんが行方不明なの!」
ちーちゃんじゃないっけ
さとし「へぇ」
ほうたろう「そうか」
まやか「あんたたち、何をそんなに落ち着いてるのよ!」
まやか「えるちゃんの身に何か起きてたら!」
さとし「いや、そのことなんだけど」
ほうたろう「待て」
まやか「なによ?何か知ってるの!?」
ほうたろう(下手にこいつに千反田が犬になったなどと言っても)
ほうたろう(実物もいない今、信じるとは思えん。ここは)
ほうたろう「伊原。千反田は大丈夫だ」
まやか「やっぱり何か知ってるのね!?」
>>128
ごめん。間違えた。
ほうたろう「知っているが、今は詳しく説明できない」
ほうたろう「とにかく、千反田は無事だ」
まやか「なによそれ、いいから教えて!」
ほうたろう「あいつは無事だが、少し困ったことになっているんだ」
ほうたろう「俺たち以外、姿を見せられない。だから、放課後待ってくれ」
まやか「意味わからない……どうして説明できないのよ」
ほうたろう「説明できないというか、説明して、お前に信じてもらえる自信がない」
まやか「ますますわからない……でも、本当にちーちゃんは大丈夫なの?」
ほうたろう「ああ」
さとし「それは僕も保証するよ」
ほうたろう「さとし?」
さとし「(まだあの犬が千反田さんだと証明されたわけじゃないけど、信じるに値するくらいの価値はありそうだからね)」
さとし「(それに、今はまやかを落ち着かせるほうが大事だ)」
ほうたろう「(恩に着る)」
まやか「放課後になれば、会えるの?」
ほうたろう「ああ(姿は犬に見えるかもないが)」
まやか「絶対にちーちゃんに会わせなさいよ!無事じゃなかったらただじゃおかないからね!」
ほうたろう「ああ、わかってる」
ぐぅー
える(お腹が好きました……)
える(そういえば、朝から何も食べていなかったです……)
える(はぁ……)
える(あれ?)ピクッ
える(……)クンクン
える(何か……いい匂いがするような……)クンクン
がらっ
える(あちらのほうから?)クンクン
ふらふら~
ざわざわ
ほうたろう(困ったことになったな……)
ほうたろう(緊急集会の後に、保護者の迎え、もしくは教師が付き添っての集団下校になるとは……)
「誘拐だってー」
「変質者が」
ほうたろう(これじゃあ、今の千反田をどう連れて帰れば……)
ほうたろう(それに、帰ったあと、迂闊に外を歩き回れん……)
ほうたろう(この調子じゃあ、千反田の家も警察やらなにやらですごいことになっているんじゃないか?)
さとし「ほうたろう」
さとし「いやあ、大変なことになったねえ」
ほうたろう「まったくだ。どうすればいいのやら 」
さとし「千反田さん、大丈夫かな」
ほうたろう「……」
ほうたろう(人一人忽然と消えたうえに、それが千反田だったのがいっそうまずかったか……)
ほうたろう(この状況じゃ、こっそり帰るのは無理か?)
さとし「ほうたろうは集団下校組かい?」
ほうたろう「ああ。さとしは?」
さとし「僕もさ」
ほうたろう「とにかく、一度体育館から出て、千反田と合流しないと何もできん」
さとし「でも、この体育館から生徒だけで出るのは、難しそうだね」
さとし「それに合流できても、その後どう彼女を学校から連れ出すか」
ほうたろう「……学校から出るのは千反田だけなら容易なはずだ」
ほうたろう「犬に見えることが、むしろ都合がいい」
ほうたろう「後は千反田に俺の家に来てもらえばいい」
……えるたそって携帯持ってたっけ?
>>157
持ってないよ
>>159
さんくす
さとし「なるほど。じゃあ今の事態を千反田さんに伝えることができれば」
きゃーきゃー
ほうたろう「なんだ?」
さとし「噂の変質者がやってきた」
ほうたろう「にしては声の質がおかしいな」
かわいー
ほうたろう「かわいい?」
える「わん!わん!」
ほうたろう「」ピキッ
さとし「……ねえ、ほうたろう」
ほうたろう「……みなまで言うな。わかってる」
える「へっへっへ」ドタドタドタドタ
ほうたろう「あれは千反田だ……」
さとし「ああ、やっぱり。でも、あれは見た目がどうとかじゃなく、まさに犬だと思うけど」
ほうたろう「俺にはあれも千反田に見えるんだ……」
ほうたろう「くそ!とにかく千反田を捕まえる!」
ほうたろう(なんだ、いったいどうしたんだ?)
ほうたろう(頭の中まで犬になったのか?)
ほうたろう(……)
ほうたろう(いや、それとも、俺が犬全般を千反田に見えるも妄想にとりつかれているのか?)
える「わん!わん!」
教師「な、なんだこの犬は」
ほうたろう(あれは本当に千反田なのか?)
ほうたろう(ええい、ままよ!)
ほうたろう「千反田!」
える「」ピクッ
ほうたろう「ようしよし、俺はここだ」チッチッチ
える「わふ、わ……う……?おれ……き……さん?」
ほうたろう(意識が?やはり千反田なのか?)
ほうたろう「大丈夫、大丈夫だ」
える「わた……し……わたし、いったい、何を……?」
ほうたろう「大丈夫だ、お前は千反田えるだ」
える「……はい。はい」
「おお、捕まえたぞ」
「あの人の犬なの?」
教師「ええと、君は」
ほうたろう「一年B組の折木です。その……この、犬は、僕が連れてきました」
教師「どうしてそんなことを」
ほうたろう「……」
ほうたろう「その犬は捨て犬で、今朝拾ったんです」
ほうたろう「でも、うちに置いておこうにも、今日は誰もいないので心配だったので、学校に連れてきました」
ほうたろう「お騒がせ申し訳ありませんでした」
教師「そういうことか……」
ほうたろう(さて、どんな罰があるか……はぁ)
教師B「どうされたんですか?」
教師「いえ、それが」
教師C「はあ、捨て犬ですか」
教師「まあ、本人も反省しているみたいですし」
教師D「そうですな。とりあえず今は生徒たちの下校のほうが」
教師B「ええ、本人も悪気があったわけではないようですし、今回は」
教師「君、とりあえず今日はもういいから、その犬は君が責任をもって連れていくように」
ほうたろう「はぁ」
教師「もちろん分かっていると思うけど、どんな事情があっても、本来は犬を連れてきてはいけないよ」
ほうたろう「はい」
教師「まあ、捨て犬を助けたいと思った君の心に免じて、今回は不問に伏すことになったから」
ほうたろう「ありがとうございます(さいですか)」
ほうたろう「……はぁ、なんて面倒くさい」
える「申し訳ありません……折木さん……」
ざわざわ
ほうたろう(くそ、みんな見ている)
ほうたろう(聞きたいことはたくさんあるが、ここでこの千反田に話しかければ、俺は犬に話しかけるハートフルな人物として印象が……)
える「……折木さん?怒っていらっしゃるんですか?」
折木「……」
える「ぐすっ……本当に、迷惑をお掛けして……でも、今私が頼れるのは(私の姿が見える)折木さんしか……」
折木(我慢……我慢だ……)
さとし「おーい、ほうたろう」
折木「さとし」
える「伊福部さん」
さとし「どうやら、その犬のおかげで、僕らの集団下校班は先に帰れるようになったみたいだよ」
ほうたろう「そうか……助かった」
さとし「それで、千反田さんはさっきのことをなんて?」
ほうたろう「まだ聞いていない」
さとし「どうして?」
ほうたろう「あんな生徒がいっぱいいるところで、今の千反田に話しかけられるわけないだろ」
さとし「ああ、なるほど。ははは、でもそれはそれで、君の株が面白いことになったんじゃないかな?」
さとし「捨て犬を見過ごせなくて、さっきまで暴れていた犬に優しく話しかけてなだめた、好人物として、さ」
ほうたろう「やめてくれ……考えただけで背筋がぞっとする」
える「そういうことだったんですね、折木さん」
える「わたし、折木さんについに愛想を尽かされてしまったのかと……」
ほうたろう「それはもういい」
ほうたろう「さっきのはいったいなんだったんだ?」
える「さっきの、と言われましても、わたしもよく覚えてはいないのですが……」
える「わたし、部室で折木さんがいらっしゃるのを待っていたのですが、朝から何も食べていなかったせいで、とてもお腹が空いてしまって……」
える「そうしたら、何やらいい匂いがした気がして、ふらふらと、その匂いに誘われるように部室を出てしまったのです」
える「それからあとは、空腹やら、今朝からの疲れやらでだんだん意識が遠くなっていって……」
える「あとは、折木さんに呼ばれるまで、何がなんだかわからなくなっていました……」
える「ただ、とにかくお腹好いていたことと、匂い、それを鮮明に感じていたことは覚えています」
ほうたろう「ふむ……」
ほうたろう(つまり、腹が減って、犬になりきっていた……?)
ほうたろう(空腹によって本能に支配されて、理性が保てず、犬として行動を……?)
ほうたろう(まさか……千反田の体は既に完璧に犬になっており、さとしたちが見えている犬の姿のほうが本体で)
ほうたろう(俺が見えているこの千反田のほうが幻想なんじゃないか……?)
ほうたろう(意識は間違いなく千反田だと思うが、俺はその意識が見えているだけなんじゃ……)
ほうたろう(そういえば、さっき犬のように振る舞っていた千反田は、今より姿が犬っぽかったような……)
ほうたろう(そうなると、朝考えた病院で精密検査は却下だな……)
ほうたろう(下手をすると、俺のほうが入院させられかねん)
える「折木さん……わたしはいったいどうしてしまったんでしょう……?」
ほうたろう「……」
ほうたろう「腹が減って我を忘れていただけだろう。大丈夫だ」
える「本当……ですか?」
える「わたし……わたし気になります!」
える「わたしはいったいどうなってしまったのか!さっきはいったいどうしていたのか!」
える「わたしは、もしかして、本当に、本当の犬になってしまっているんじゃ……」
える「そう、気になって気になって……わたし、わたし……」
ほうたろう「千反田……」
さとし「ほうたろう」
ほうたろう「さとし?」
さとし「みんなが怪しんで見ている。その、今の千反田さんの声はよく通るからね」
さとし「後は帰ってからにしたほうがいい」
ほうたろう「……ああ。そうだな」
ほうたろう「千反田」
える「はい……」
ほうたろう「はぁ……たとえ、今お前がどうであれ俺が必ずお前を元に戻す。絶対に」
える「折木さん……」ジワッ
ほうたろう「な、なにも泣くことはないだろう。ほら、とっとと帰るぞ」
える「はい!」
さとし「ところでほうたろう」
ほうたろう「なんだ?」
さとし「今は緊急事態だけど、今後外にその千反田さんを連れていく時は、首輪と紐をつけたほうがいいと思うよ」
ほうたろう「……お前な」
さとし「いや、特殊性癖とかじゃなくてね。だいたい、僕にはその千反田さんは犬にしか見えないし」
さとし「たしか、紐をつけないで犬を連れ歩くのは違反だったはずだよ」
さとし「今だって、緊急事態だし、その千反田さんがおとなしいからみんな言ってはこないけど」
さとし「犬を離したまま連れているほうたろうのことを、みんな気にしているようだ」
ほうたろう「しかしだな、他人には犬に見えようがこれは千反田なんだから」
さとし「じゃあ手でも繋いでみたら?あれ、でも今の千反田さんとほうたろうが手を繋いだら、僕らにはどう見えるんだろう」
ほうたろう「手を……繋ぐ?」
える「あの……わ、わたしはかまいませんよ!?」
ほうたろう「いや、しかしだな」
さとし「いや、これは大事な実験だよ。だいたい、今はほうたろうには千反田さんはどう歩いているように見えるんだい?」
ほうたろう「どうって、普通に俺たちの隣を歩いているが」
さとし「二足歩行で?」
ほうたろう「当たり前だろう」
さとし「それが僕たちには四足歩行してるようにしか見えないんだ」
さとし「あとは、えっと、失礼だけど、千反田さんは、その……服は着ている」
える「え!?わ、わたしは裸に見えているのですか!!」
さとし「僕にはなにもつけていない犬のように見えるよ」
える「ひゃううう」バッ
ほうたろう「安心しろ、俺にはちゃんと制服を着ているように見えている」
える「ぜ、絶対ですか!?絶対に絶対に絶対にですか!?」
ほうたろう「ああ、もちろんだ」
あ、えるとさとしの会話が前後しましたが、
さとしにはえるの声は聞こえていません
間に
ほうたろう「お前にはどう見えているんだ」
を挿入してください
ほうたろう「……今、千反田が座り込んだのは、お前にはどう見えたんだ」
さとし「普通におすわりをしたように見えたかな。きゅーんって鳴きながら」
ほうたろう「そもそも、今の千反田はどんな犬に見えているんだ?」
さとし「そうだね……日本犬の……柴犬?いや、それにしてはちょっと大きいし、秋田犬かな?」
ほうたろう「日本犬なのか」
さとし「それは間違いないと思うよ」
える「それは、自分のことでなければ、是非とも見てみたかったです」
える「鏡で自分を見ても、わたしには普段と変わり無いようにしか見えませんでしたから」
ほうたろう「普段と?いや、俺には犬の耳がついているように見えるんだが」
さとし「へぇ、犬の耳が?」
ほうたろう「ああ。だが、千反田が言うには、鏡には普段と変わらない自分の姿が見えたそうだ」
さとし「じゃあ、触ってみたら?」
ほうたろう「は?」
さとし「だって、自分の姿がいつも通り見えている千反田さんと、犬の耳がついているように見えるほうたろう」
さとし「触ってみればそれが実態かどうか分かるじゃないか」
ほうたろう「……」
える「あ、あの、折木さん?わたしはかまいませんよ?」
ほうたろう「……」
ほうたろう「……じゃあ」ドキドキ
える「は、はい」ドキドキ
ほうたろう「……」ドキドキ
える「……」ドキドキ
さとし「……ぷふっ」
ほうたろう「……お前な」
さとし「いや、ごめんほうたろう。でも、犬と真剣に見つめ合っているほうたろうが、すごくおかしくて」
ほうたろう「なるほど……今の俺たちはそう見えていたわけか……」
える「ふふふ、確かに、それは是非見てみたい絵面ですね」
ほうたろう「千反田、お前まで……」
ほうたろう(まあ、少しは元気が出たということか)
ほうたろう「もういい。とりあえず、さわるぞ」
える「は、はい」
ほうたろう「……」サワッ
える「ひぅ」ビクッ
ほうたろう「」ビクッ
ほうたろう「h、変な声を出すな!」
飯
える「で、でもこそばゆくて」
ほうたろう「それで、俺は犬の耳を触ったつもりだが、どう感じたんだ」
える「えっと、ただ、頭を触られたように感じました」
ほうたろう「……俺は頭の上にある耳を触るように手を動かしたつもりだが、特別な感触はしなかったか?」
える「……確かに、いつもよりこそばゆく感じたような?」
ほうたろう「ふむ……」
さとし「ところでほうたろう」
ほうたろう「なんだ」
さとし「ほうたろうから見るちたんださんには、犬の耳だけあるのかい?」
さとし「それとも犬の耳も人間の耳もあるのかい?」
ほうたろう「……両方あるな」
さとし「ああ、それは邪道だね」
ほうたろう「邪道?」
さとし「うん。ケモとしては最も低レベルってことさ」
ほうたろう「お前、そういう趣味が……」
さとし「いや違うよ。知識としてあるだけさ」
ほうたろう(今は追求するのはやめておくか)
さとし「耳の実験は終わったし、次は手を繋ぐ実験だね」
ほうたろう「まだやるつもりか……」
ほうたろう「さっきみんなが怪しんでいるからやめたほうがいいと言ったのは、お前じゃなかったか」
さとし「そうだけど。でも、これは二人だけじゃできない実験だろう?」
さとし「千反田さんが犬に見える、僕という観測者がいなければね」
ほうたろう「分かったよ。じゃあこれが最後の実験だ」
さとし「そうだね。どのみちもうすぐそれぞれの家につきそうだし」
ほうたろう(話している間にもそれなりの数の人間が帰っていたみたいだな)キョロキョロ
ほうたろう「じゃあ、千反田」
える「は、はい!」
ほうたろう「……ほら」スッ
える「……はい」サッ
ほうたろう「……」
える「……」
さとし「……」
ほうたろう「おい、もういいか?」
さとし「ん?もういいけど。ほうたろうはいいのかい?」
ほうたろう「……何がだよ」
さとし「なんなら家までずっと繋いでいけばいいのに」
ほうたろう「これは実験のためだと言ったはずだ」サッ
える「あっ」
える「……」ショボーン
ほうたろう「で、どう見えた?」
さとし「そうだね。僕には……」
ほうたろう「ああ」
える「……」
さとし「ほうたろうが出した手に犬が首を擦り付けにいって、ほうたろうがその首の皮をつかんだように見えた、って感じかな」
ほうたろう「……お手とかじゃなくてか」
さとし「うん」
ほうたろう「……よし、千反田。次はお手だ。ほれ」
える「あ、はい!」ポテ
ほうたろう「これはどうだ?」
さとし「それは普通にお手しているように見えるよ」
ほうたろう「なぜだ……」
ほうたろう「な、なら!こうならどうだ!」ギュッ
える「え」ピキッ
さとし「なにしたんだい?」
ほうたろう「お手から手繋ぎに変えた」
える「あ、あの、折木……さん」
さとし「僕にはまたほうたろうが首を掴んでいるように見えるよ」
ほうたろう「俺は千反田の手を離していないぞ!」
える「お、おれき……しゃん」
さとし「でも僕には一瞬で首に持ち変えたように見えたよ」
ほうたろう「くそ、いったいどういう原理なんだ……!」
える「おれきさん……てが……てが……」
さとし「想像がつかないね。ところで犬の千反田さんがなんか様子がおかしいように見えるけど?」
ほうたろう「は?」
える「……」
ほうたろう「す、すまん!手をつかんだままだった!」
える「い、いえ、かまいません……かまいませんよ」
ほうたろう「い、今のは純粋に実験ためで……」
さとし「とかなんとか言っているうちに」
さとし「ついたみたいだけど」
さとし『何かあったら連絡してよ。僕に力になれることだったら、いくらでも貸すし』
ほうたろう「はぁ……」
ほうたろう(そもそもこれは、人の力でどうにかなる問題なのだろうか)ガチャッ
ぷるるるるるるるる
える「あれ。折木さん電話が鳴っていますよ?」
ほうたろう「電話?」
ぷるるるるるるるる
ほうたろう「はいはい」
ガチャッ
ほうたろう「はい、折木ですが」
まやか「おそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!!」
ほうたろう「」キーン
まやか「どこで道草食ってたのよ!!!」
ほうたろう「い、伊原か……」
まやか「そうよ!!私じゃ悪いっての!!!?」
ほうたろう「い、いや……」
ほうたろう(そういえば……放課後に説明すると言っていたのに、すっかり忘れていた……)
まやか「なんなのよ!?あんたも!福ちゃんも!!!」
まやか「集会が終わってあんたに問いただそうとしたら、犬が入り込んできて騒動は起きるし!!」
ほうたろう(それが千反田だ……)
まやか「あんたはその犬を連れてとっとと帰るし!!!」
まやか「わたしが!どんなにちーちゃんのこと心配だったか!!!!」
ほうたろう「……すまん。にしても、お前は帰るの早かったな」
まやか「私はお母さんが迎えにきてくれたもの!!」
まやか「だからあんたと福ちゃんも一緒に送っていってあげようとしたのに!!!もう!!!」
ほうたろう「それはすまなかったな……」
まやか「で、ちーちゃんは!?」
ほうたろう「それは……」
ほうたろう(ああ、もうなんだかすべてが面倒だ……)
ほうたろう「千反田ー」
える「はい?なんですか?」
ほうたろう「伊原からだ。代われ」
える「え、あ、はい」
える「こ、こんにちはまやかさん」
まやか「」
える「まやかさん?まやかさん?どうされました?」
まやか「折木ぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいい!?」
える「ひぅ」キーン
える「お、おれきしゃん」
ほうたろう「おう」
まやか「何よ、今のは!?ふざけてんの!!?」
ほうたろう「今の、どう聞こえた」
まやか「はぁ?なんか犬の鳴き声?がきゅんきゅんふんふん言ってたわよ!!」
ほうたろう「今のが千反田だ」
まやか「は?」
ほうたろう「今のが千反田の声だ」
まやか「……ほんとにふざけてるなら今すぐぶん殴りに行くわよ」
ほうたろう「待て待て、ふざけてない。本当なんだ」
ほうたろう「いいか、よく聞け。今から事情を話す」
ほうたろう「たとえ荒唐無稽だとか、とてつもなく馬鹿馬鹿しくて阿呆な話だと思っても、とにかく最後まで聞け。わかったな?」
まやか「……言ってみなさいよ」
ほうたろう「……というわけだ」
まやか「……」
まやか「……あんた、ついにおかしくなったの?」
ほうたろう「そうだったらどんなにいいか……」
まやか「……福ちゃんは、信じてるわけ?」
ほうたろう「ああ。信じてくれてる。なんなら、あとで直接聞けばいい」
まやか「……」
まやか「……どう信じろって言うのよ」
まやか「ちーちゃんが普通の人には犬にしか見えなくなって、あんたにだけ人の姿に見える!?」
まやか「ばっかじゃないの!!?」
ほうたろう「俺も誰かに聞かされた話ならそう思う……」
まやか「……でも、いいわ。いくらあんたでも、こんな時にそんな作り話をするほどド外道だとは思わないし」
ほうたろう「そうか。ありがとうよ」
まやか「でも!まだその話は信じられないし、あんたはおかしくなったんだって、正直思ってる」
ほうたろう「ああ」
まやか「……ずっとそう思われたくなかったら直接会わせて、そのちーちゃんに見える犬に」
ほうたろう「かまわんが、今日は無理だろ」
ほうたろう「お前んちだって、今外を出歩かせてはくれないだろ」
まやか「ええ、だから近いうちに必ずよ」
ほうたろう「わかった」
まやか「……折木」
ほうたろう「なんだ」
まやか「ちーちゃんの……力になってあげて」
ほうたろう「そのつもりだ」
まやか「そう……じゃあ」ブチッ
ほうたろう(嵐のような女だ)
える「ま、まやかさん、大丈夫でしたか?」
ほうたろう「さすがに信じられなかったみたいだ」
える「そうですか……そうですよね」
ほうたろう「まあ、仕方ないさ」
ほうたろう「ところで、千反田は腹が減っていたんだったな」
ほうたろう「昼にしよう」
える「あ、はい!」ブンブン
ほうたろう(あからさまに尻尾を大きく振っている)
ほうたろう(……耳は頭をさわられる感じだと言っていたが)
ほうたろう(尻尾に触ると、どうなるんだ……?)
ほうたろう(体から最も離れた先端を触ったら?)
える「どうされたんですか?」ブンブン
ほうたろう「……そういえば、冷蔵庫が空だった」
える「ええっ!?」ビクッショボーン
ほうたろう(……面白い)
ほうたろう「すまん、嘘だ」
える「え!じゃあごはんはあるんですね!?」ブンブン
ほうたろう(嘘をつかれたことよりも、ご飯の心配か)
ほうたろう(欲求に忠実になっている?)
ほうたろう「ああ」
える「そうだ!わたしが作ります!」
ほうたろう「いや、千反田は疲れているだろうし、休んでいても」
える「大丈夫です。それに、そんなに何から何までお世話になってしまっては、いけません」
ほうたろう「そうか……なら、頼む」
ほうたろう(さて)
える「何にしましょう」
ほうたろう「あるもので適当でいいぞ」
える「そうですねー」
ほうたろう(仮に、本体が犬になっているのだとしたら)
ほうたろう(現実問題、今の千反田に満足に料理などできるはずがない)
ほうたろう(この仮説を話して無用な心配をさせたくないし、ここは然り気無く観察しよう)
える「あ、折木さん。エプロンお借りしますね」
ほうたろう「ああ」
ほうたろう(……この姿は、俺以外の人にはどう見えるんだ?)
ほうたろう(犬がエプロンをつけて料理しているように見えるのか?)
ほうたろう「……」
ほうたろう(そうだ。写真を撮ってみよう)
ほうたろう(また、俺や千反田と他の人でそれぞれ写真も見え方が変わるかもしれんが)
ほうたろう(何事もためしというものだ)
ほうたろう(えっと、カメラカメラ)
える「……」トントントン
ほうたろう「……」(/【◎】
ほうたろう(不思議だ。千反田が俺のうちで料理を作っているなんて)
ほうたろう(まさか、これまでの全部が夢なんてことは)
える「……」♪~
ほうたろう「……」
ほうたろう(夢でもいいか)パシャッ
える「へ?折木さん?そのカメラは」
ほうたろう「ん?ああ、カメラには今の千反田の姿がどう写るのかと思ってな」
える「そ、そうですか……」
える「それで、その……どうですか?」
ほうたろう「……見てみるか」
える「はい……やっぱり、いつものわたしですね」
ほうたろう「でも俺には、ここに、こう犬の耳が生えているように見えるんだ」サッ
える「頭にですか?やっぱりわたしには……」
ほうたろう(はっ……いつのまにか、千反田と寄り添うように)
える「……」ウーンウーン
ほうたろう「……」ドキドキ
さわっ
ほうたろう「」ビクッ
ほうたろう(な、なんだ?今、足の辺りに……)
える「やっぱり見えません……」パタパタ
ほうたろう(尻尾か!!)
える「でも、このエプロンをつけて料理しているわたし姿は、折木さん以外にはどう見えるのでしょうか」パタパタ
ほうたろう「……」
ほうたろう(な、なんてかわいいんだ……尻尾)
える「折木さんは……折木さん?」
ほうたろう「……」
える「どうされたのですか?折木さん」
ほうたろう「すまん……千反田」
ほうたろう「俺は、さわる!!」
える「え?なに――」
時系列とか全然考えてません
ほうたろう「許してくれ!」ムンズッ
える「ひぁ!?」
ほうたろう「……」なでなで
える「あ……あ……」
ほうたろう「か、感触があるのか?千反田」
える「ひっ……あっ……な、なにかぁ、おし、おしりの辺りを、さ、さわっ……」
ほうたろう「……尻の辺りを触られた感触になるのか」ナデナデ
ほうたろう「……」ナデナデ
える「お、おれ……やめ……」
ほうたろう「……」ナデナデ
ほうたろう(……何をやっているんだ俺は!!?)ガーン
ほうたろう(バカか!?かわいいから無性に触りたくなった?俺は大馬鹿だ!!)ナデナデ
ほうたろう「す、すまん千反田!」バッ!
ほうたろう「いいわけをするつもりはない!自制できなかった俺が悪い!」
える「はぁ……はぁ……じ、自制?」
ほうたろう「ああ……お前の尻尾を見ていたら……無性にその、かわいく見えて……」
える「か、かわ……いい?」
ほうたろう「思わず、撫で回していたんだ……!」
ほうたろう「千反田の力になると言っておきながら、こんなことを……」
ほうたろう「俺は……」
える「折木さん、いいんですよ」
ほうたろう「え……?」
える「折木さん……」
1、気持ちよかったです……いくらでも撫で回してください(ケモラブラブエンド行き)
2、わたしは折木さんを信じています(元に戻るためにがんばる)
>>420
2
える「わたしは折木さんを信じています」
ほうたろう「千反田……」
ほうたろう(天使だ……)
ほうたろう「チタンダエル……」
える「え?折木さん?折木さーん?」
ほうたろう「というわけで取り乱してしまったが」
ほうたろう「俺はお前の尻尾の先の方を触ったわけだが」
ほうたろう「感触がしたのは……し、尻の方なのか?」
える「は……はい……」
ほうたろう「尻尾があることは認識できないのか」
える「わからないんです……確かに触られたとは思ったんですが、そこは、その……お尻のほうかと」
ほうたろう「そうか」
ほ
ほうたろう「……料理、邪魔して悪かったな」
える「あ、いえ」
ほうたろう「まずは腹ごしらえだ」
える「はい」
ほうたろう(千反田は問題なく料理をしていた)
ほうたろう(仮に俺が千反田の精神の姿が見えているだけなら)
ほうたろう(千反田は今犬の体ということになるが、それではあんな芸当はできないだろう)
ほうたろう(やはり千反田は犬じゃない。人間だ)
ほうたろう(何らかの理由で、皆には千反田が犬に見えているだけなんだ)
ほうたろう(しかし、だとすると気になるのはあの耳と尻尾だ)
ほうたろう(あの耳と尻尾だけは俺にも見えるし、触れる。実際についているとしか思えない)
ほ
ほうたろう(あの耳と尻尾がみんなに千反田の姿を犬に見せているのか?)
ほうたろう(……どこかの病院で、精密検査と、あの耳と尻尾を外科的に取る、という手は)
える『折木さん』パタパタ
ほうたろう(……いや、それは最後の手段だな。うん)
える「……」ウツラウツラ
ほうたろう「……千反田」
える「へ、は、はい?」
ほうたろう「眠いなら布団を敷くぞ」
える「は、はい……そう、ですね」
ほうたろう(……俺も今日は少し疲れたな。夕方まで仮眠するか)
える「……」ウツラウツラ
ほうたろう「じゃあ、俺も少し部屋で休む」
える「はい、おやすみなさい。折木さん」
ほうたろう「じゃあ……」
これは夢か
ほうたろう(なんだ……お日様の、匂いがする)
ほうたろう「……」サワッ
ほうたろう(手の先に……いい感触が)チラッ
ほうたろう(ああ……なんだ、千反田か……)
ほうたろう(……)
ほうたろう「……なんだこの状況は……」
える「……」クークー
ほうたろう(俺と同じ布団で、千反田が寝ている……)
ほうたろう(そういえば、寝ているとき、何やら顔の辺りがこしょばいと思ったが)
ほうたろう(鼻のあたりに千反田の犬耳があたっていたのか……)
やばい眠い…寝る…最後まて見たかった…
,.- '´  ̄ ̄ ` - 、
r' _,. -―-- .、 ヽ
l r '´ `ヽ l
l'.......-―.:::::: ̄ ̄:::::::::::‐.`L.._
r':::::::::::::::::::/ lヽ:::::::::::::::i
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ヽ:::::lヽ.、  ̄ノ :.'`-'ヽ`ir' )::::::::::;r'
` ヽニ:. ,. ::.` 'i:.r'::;;-'´
l::. ,,..--`-:く /'-' ´
イ :. "'''''''"';;;;:ミ .!
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,.-:':::::::::::::::::!ヽ 、. i'
':::::::::::::::::::::::::::i ヽ  ̄ /!ヽ、
::::::::::::::::::::::::::::::i,.--ヽ._,〃´l:::::::::ヽ、
ホッシュ [Sred Hossu]
(1875~1934 イギリス)
おはようたそ~
おはようございます……
昨日蜂に刺された右手が寝ているうちにすごいぱんぱんに腫れ上がって
ちょっと右手が動かしづらいので
続きを書くのが困難になりました……申し訳ないです
午前中のうちに、病院に行ってきます
たそ~
保守たそ~
保守たそ~
揺れてるたそ~
保守たそ~
はよしろたそ~
まだたそ~?
ほ
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
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新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
保守たそ~
はよしろたそ~
新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内
新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内
保守たそ~
保守たそ~
ほ
折木(起きようにも、千反田が俺の胸元に潜り込んでいるせいで、起こさないと無理そうだな)
折木「……」
折木(いい匂いがする……)
える「ん……」モゾモゾ
折木(は、いかん。起こさなければ)
折木「おい、千反田」ホッペペシペシ
える「んん……?」ピクピク
折木「起きろ、千反田」
える「……」モゾモゾムクッ
折木「よ、よう千反田」
える「……わふ?」
折木「え」
あ、折木になってた
ほうたろう「ち、千反田?」
える「くんくん……わふ」
ほうたろう(また意識が犬に……!?)
ほうたろう(睡眠で理性が弱まったせいか……?)
ほうたろう「ち、千反田?千反田だよな?」
える「くんくん……ペロッ」
ほうたろう「」
える「ぺろぺろ」
ほうたろう「ちょ、待て!千反田!」
える「きゃん!」ムクッ
ほうたろう(マウントを取られた……!)
える「きゃんきゃん!ぺろぺろ。きゃんきゃん!ぺろぺろ」
ほうたろう「千反田!おい、やめろ!正気に戻れ!」サッ
える「がるるる」ガブッ
ほうたろう「いつっ!(手を噛まれた!?)」
える「ぐぅぅぅ」グイグイッ
ほうたろう「やめろ千反田!やめ――」
ムニッ
ほうたろう「」
える「……あっ」
える「え……あれ……?わたし……」
える「あれ、折木さん?なんで下……に……」
ムニムニ
ほうたろう「……はっ」バッ!
ほうたろう「お、落ち着け千反田……これはその、じ、事故だ。な?」
える「……き」
ほうたろう「き?」
える「きゃああああああ」
ほうたろう(……無念)
える「すいません折木さん……」
ほうたろう「いや、いいんだ……あれはほんとに、不幸な事故だった」
える「でも……またわたし、犬になっていたんですね」
ほうたろう「千反田……」
える「折木さん……わたし、怖いです」
える「本当に、そのうち心まで犬になって」
える「折木さんにも、犬にしか見えなくなるんじゃないかって……」
ほうたろう「……(くそっ、なんて声をかけてやればいい……)」
ほうたろう(こんな非常識な事態、俺にはどうしようも……)
える「……ふふっ、その時は、折木さんがわたしを飼ってくださいね?」
ほうたろう「は、はあ?何を言ってるんだ、お前は」
える「ふふ……冗談です」
ほうたろう「千反田……」
ほうたろう「だ、大丈夫だ」
ほうたろう(くそっ、なにも根拠もないくせに!)
ほうたろう「俺がなんとかしてやる。そう、言っただろ?」
ほうたろう(こんな頼りない元気付けしかできない!)
える「……はい」
える「折木さんを、信じます」ニコッ
きたー!!
さとし「で、また意識が犬になっていたと」電話中
ほうたろう「ああ。たぶん、寝て理性が弱まったからだと思うんだ」
さとし「千反田さんには、なんて?」
ほうたろう「寝ぼけただけだろうと言っておいたが、本人は相当気にしていたようだ」
さとし「そりゃあ、そうだろうね」
ほうたろう「俺の部屋に来たのも、本人は覚えていないと言うんだ」
さとし「眠りに落ちる寸前に意識が犬になったか、寝て起きたら意識が犬になっていてその後折木の部屋に、ってことだろうね」
ほうたろう「ああ、たぶんな」
さとし「ふぅん、どうにも……手詰まりだね」
ほうたろう「……ああ」
さとし「起きた事態を分析することはできても、なにも千反田さんを元に戻す方法にはたどり着けていない」
保守たそ~
保守たそ~
さとしは名前で呼ぶぞ
ほうたろう「そうだ。俺がこんな風に理屈を捏ね回してみたところで、千反田は元に戻せない」
ほうたろう「だから一度……病院で精密検査をしてもらおうと思うんだ」
さとし「精密検査?」
ほうたろう「ああ。今日、千反田がうちで料理をしたんだ」
さとし「それは……ちょっとどんな光景だったのか興味があるね」
ほうたろう「……あいつの体がもし本当に犬になっているとしたら」
ほうたろう「人間用の台所で料理をするなんて芸当、到底できないはずだ」
さとし「ほうたろうに見えている姿のほうが、今の千反田さんの本当の姿だと?」
ほうたろう「俺はそう信じている」
さとし「精密検査をして、仮に千反田さんは人間の体のままだと証明できたとして」
さとし「みんなには千反田さんが犬に見える原因がわかるとは限らないよね」
ほうたろう「そうだな」
ほうたろう「もっと言えば、機械や医者の目すらも欺く摩訶不思議な力が働いているかもしれない」
>>689
さっきまで寝てたせいで頭が働いてませんでした。ごめんなさい。
ほうたろう「でも今は、色んなことを試してみるべきだと思う」
ほうたろう「どんなことが、千反田が元に戻る可能性に繋がるかわからないからな」
さとし「そうだね。僕もやる価値はあると思うよ」
さとし「で、いきなり精密検査をしてもらうとして」
さとし「端から見れば犬にしか見えない千反田さんの事情を信じてくれて、やってくれる病院に心当たりはあるのかい?」
ほうたろう「……あてはある」
上のほうで、夏休み明けたばかりで授業がないとか言ってましたが、
なかったことにしてください
本当に時系列をちゃんと考えてなかったので
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