ミカサ「エレンの性玩具」(985)
夕餉を終えて食堂を出る間際、エレンが耳打ちしてくる。
「ミカサ、あとで」
「わかった」
いつもと変わらない声音だ。周りに聞こえても怪しまれることはない。
それだけの合図で済んでいる。
兵団敷地内の一角、薄暗い倉庫でエレンを待つ。
草臥れ忘れられた備品に囲まれ、心細くなってきたころ、やっとノックが聞こえた。
戸を開けると、エレンが早足で滑り込んでくる。
内側から鍵がかからない倉庫の戸に、気休めのつっかえ棒を急いで仕掛け、
エレンはぶつかるように私を抱きしめた。
「んぅ」
勢いが強すぎて、思わず声が出てしまう。
それにもかまわず、エレンは私の背中を、腰を、尻をまさぐり始める。
耳にエレンの熱い頬が押し当てられ、吐息が髪をくすぐっていた。
それだけで私の背中が震えてしまう。
私たちの爛れた関係は、11歳の時から続いていた。
最初は性知識もないまま、ペニスを腫らすエレンを口で慰めていただけだった。
その行為の意味を知ってから、一線を越えるまで長くはかからなかった。
訓練兵になり、集団生活をするようになってからも、行為は続いている。
今更やめられるとも思えない。互いの体で自慰をするようなものだ。
ただ、最近はこの関係に変化が生まれていた。
初潮を迎えてから、エレンは私に挿入してくれなくなった。
元々私から誘ったことだ。戸惑い、自己嫌悪に苛まれ、私を気遣い何度もやめようと言うエレンを、私が押し切ってきた。
しかしこの一点についてエレンに譲る気はないらしい。
その代わり、膣内射精以外の方法で互いに快楽を貪ろうと試行錯誤してきた。
エレンは私の身体を玩具のように好きにして良い。
私は、出来る限り無抵抗に、従順にエレンの命令を聞く。
これが最近の、二人のお気に入りだった。
私がどれだけ受け入れるのか。
エレンがどれだけ欲望を突きつけてくれるのか。
それを探り合っている。
「ミカサ、パンツ下ろせ」
「うん……」
これはまだ命令のうちではない。
毎回、愛液で下着を濡らして帰るのも面倒なので、濡れてしまう前に脱いでおくことにしている。
脱いで待っていても良いが、敢えてエレンの口から指示してもらっていた。
長いスカートをたくし上げ、ごそごそと下着を下ろし、エレンに手渡す。すぐにズボンの尻ポケットにしまわれた。
壁を背にして立つ私に、エレンが距離を詰める。
両手で肩を掴まれ、黙って口を吸われた。
「ふぅっ……ふっ……」
鼻息が頬を撫でる。エレンの少し充血した目は爛々と輝き、肩には指が食いこんでいた。
本当は、私もエレンの首に腕を回し、唇を舐め、貪り尽くしたい。
そうしていた頃もあったが、今日はだめだ。まだ許されていない。
私がしてほしいことより、エレンが私にしたいことを知りたい。味わいたい。
目の端に涙が溜まるのが自分でわかった。こんなにも気持ちいい。
エレンは、私の唇をなぞるように舐めているだけなのに。
「はぁっ……うめぇ……」
私の唇を、エレンのざらざらした舌が舐めまわしている。上唇、下唇、ふやけるほどしゃぶり尽くされ、ようやく口内に舌が侵入してきた。
「んっ……ふぇれ……んむ」
我慢できずに声が漏れる。何度も角度を変えて顔を押し付け、エレンは舌を絡めてくる。
送り込まれた唾液を嚥下して、胃の腑までエレンの体液に犯される。
「ぷぁ……ミカサ……」
名残惜しそうに唇を離し、また私の口元を夢中で舐めるエレン。
かわいいエレン。この児戯がどこまでエスカレートするのか確かめたくて、お返ししたいのを我慢する。
とあるSSにインスパイアされました。少しずつ貼り付けます。
失礼かもしれませんが三次創作のようなものなので、不快に思われたらスルーしてください。
元のSSはエレンがすごく葛藤してて萌えた。
ミカサにやりたい放題させてみたかった。こっちにはストーリーらしいストーリーはないです。
「んぅ……ちゅぷ……にゅ……」
「……ん……んぅ……」
唇をすり合わせ、舌で舌を舐め回しながら、肩を掴んでいたエレンの手がカーディガンの中にもぐりこんでくる。
シャツ越しに脇腹を、背中を、胸を撫で回される。輪を描いて執拗に右の乳房を撫でられると、膝が砕けそうになる。
以前なら、キスをするのも身体に触れるのも、その都度エレンは言葉をかけてくれた。
その気遣いが甘く、もどかしく、私を熱くさせていた。
今はその手が、傍若無人に這い回っている。
エレンの優しさに触れたときとは違う、背筋を這い上がるような快感が広がっていく。
しばらく胸を撫で、揉み絞っていたエレンの手が、シャツの裾にもぐりこんだ。
もう支えなしで立っていつのも辛くなり、私もエレンの肩に手をかける。
ふぅ、ふぅと獣のような息をしながら、エレンがもどかしそうにシャツのボタンを外していく。
3つ、4つとボタンを外し、胸をはだけられると、ひやりとした外気とエレンの熱い吐息がないまぜになって胸元にかかった。
膨らんだパンの種のような、頼りなく柔らかい乳房が腹筋に押し上げられている。
エレンの鼻息が吹きかかる。ドッドッと早鐘を打つ私の心臓が見透かされてしまいそうだ。
乳首は唇と同じ、淡く艶のある粘膜の色。それをエレンは人差し指の腹で、すり、と軽く擦った。
びりっ、と甘い電流が走った次の瞬間、エレンは躊躇せず乳首を口に含んでいた。
「あ、あ、あ……エレ……ぁ……」
自分で驚くくらい、甘ったるい声が出て、片手でエレンの後頭部を抱き寄せようとしてしまう。
一瞬、がくっと膝が崩れそうになった。それを追うように、エレンは私の胸元にむしゃぶりついてくる。
愛撫とはとても呼べない。手で鷲づかみ、持ち上げ、舌で乳首を押し込んでいた。
「んっ、ふっ……ふぅっ……ンン……」
硬くなった乳首を、ぞりぞりと舌が嬲る。不思議だが、そのたびに下腹部が……子宮が締め付けるように疼いていた。
エレンが乳房に顔を埋め、夢中で吸ってくれるようになったのも最近だった。
赤ん坊のように私の胸にしがみつくのが、気恥ずかしかったのかもしれない。
それだけで、反撃せず耐えている甲斐があるというものだ。もっと没頭してほしい。
もう内腿を粘液が伝い、立っているのもやっとの有様だった。
時が止まったような倉庫内は、二人の僅かな動作でも埃が舞い上がり、月明かりに淡くきらめいている。
兵舎から離れているとは言え、余り大きな声をあげるわけにいかない。今夜は明るい。
押し殺した喘ぎ声と、ぼそぼそと内緒話のような抑えた声で、互いを煽りあう。
「ミカサ……っはぁ……エロい身体しやがって」
「あ、ぁ……ごめ……エレ……っ」
「昔は……こんなじゃなかったのに……」
唾液でぬめる乳首を、指でつまむ……というより押し込む。
それを何度か繰り返され、エレンの頭を抱いてつむじに唇を押し付けているうちに、とうとう壁に背を打ちつけた。
ずるずると床に込みそうになるのを、何とか耐える。
埃っぽい空気の中、金緑石のようなエレンの瞳が私を射抜いていた。
エレンの声が苛立っている。
それは衝動を押さえ込む手段なのだとわかっていても、その声音は私の心の内側を抉っていく。
わかっている。昼間、エレンの視線に私が気づいてしまったとき、エレンはよく言葉で私を嬲る。
気持ちがざわめくのを止められない。雄として私を押さえ込もうと、優位に立とうとするエレンが、愛しくてたまらなくなる。
カーディガンは肩から落ち、シャツのボタンは下2つを残して肌蹴られていた。
乳房は唾液まみれで、大きく息をするたびに持ち上がる。
昼間は軽くエレンを抱えあげる私が、劣情にまみれて壁に縋っている様を、エレンは舐めまわすように見る。
「しゃんと立てよ」
その声に、何とか真っ直ぐ姿勢を立て直す。
遠慮もなく、また乳輪ごと乳首に吸い付かれ、唾液が乳房の丸みを伝って降りていった。
「うぁ……あ……エレッ……ん……!」
「じゅる……ぴちゅ……ん……お前、いつから乳首良くなったんだよ……」
エレンが触れたところから、身体は燃えるように熱くなっている。
手のひらは濡れるほど汗をかいている。エレンの質問に答えようとして、歯がカチカチと鳴る。
「最初、から……ぅ……エレンに、してもらってから……」
「嘘つけ、最初はこんな反応しなかった」
本当のことなのに。ぐずぐずに乱れた今の私では、もう声も震えも隠すことができなくなっているだけだ。
エレンはしつこく乳首を捏ね、吸いつき、舌で押し込み、赤く腫れ上がって空気の流れが感じとれるようになるまで、苛み続けた。
「ゃ、あ……あぅ……」
「お前……こんなこと他の誰かにさせるなよ……触らせてないだろ?」
激しく首を振って頷く。その間もエレンは乳房から手を離さない。
時折、垂れた唾液を塗り伸ばして腹筋を撫でる。
その問答を何度か繰り返し、やっと解放されたときには、愛液が膝まで伝っていた。
涙の膜が瞳に張っている。
ぼやけた視界の中、エレンがズボンを下ろすのが見えた。
立っているのもつらく、膝立ちになってエレンの股間に手を伸ばすと、制止された。
「触んな」
熱いものに触れたように手を引っ込める私に、はっとしたエレンはばつが悪そうに呟く。
「……ミカサが触るのは、後で」
「わかってる。我慢できる」
エレンの頬に隠しきれなかった安堵が滲んでいる。
座り込んだ私の顔に腰を寄せられると、下着越しにも熱が伝わってきた。
黙って目を閉じると、頬にごり、と布越しのペニスが押し付けられた。
余り体臭の濃い方でないエレンでも、訓練後は少し汗の臭いがする。
そして、私だけが知っている、エレンの臭い。
思わず、顔を押し付けて胸いっぱいにそれを吸い込んでいた。
唾を飲み込む音が聞こえて、エレンが私の髪を手で梳いてくれる。
もっと乱暴にしてくれても良い。髪を掴んで押し付けてくれても良いのに。
スレタイ出すと作者の方に不快に思われないかと伏せていましたが、
それです。
あちらのミカサは初潮来てるのかもしれませんが、こちらは初潮前に初体験を済ませた別物ということで勘弁してください。
これであちらの作者の方が萎えてしまわれたら、どこに謝れば良いのかもわからないので……。
すう、と深く息をするたびにエレンのペニスが軽く脈打つ。
汗と性と少し尿の臭い。なんだか頭がぼうっとする。
もし誰かにこの現場を見られたら。挿入して貪りあっている時より、こうして夢中でエレンのおちんちんを嗅いでいる瞬間の方が、絶対恥ずかしい。
顔をすり寄せ、布地越しにエレンのものを刺激する。
「う……」と呻き声をあげたエレンが、ひと呼吸置いて下着を下ろした。
むわっ、と熱い性器が露出する。鼻の先、拳ひとつほどの距離で。
軽く揺れている先端を、思わず口に含もうとするとエレンが腰を引いて逃げた。
「ごめん……」
「いいから。ミカサ、口開けろ。舌出して」
ふー、ふー、とエレンの荒い呼吸が耳に届く。
少し血走った目で私を見つめるエレンを、仰向くように見上げながら「あーん」と口を開けた。
エレンが何をする気なのかはわかっていた。何をして欲しいのかも。
舌の上に、ぴとりと熱い亀頭が乗せられた。
エレンを見れば、唇を噛み、乱れた呼吸を整えようとしている。肩が大きく上下している。
興奮しきって赤くなったエレンの顔を確認すると、私は目を閉じた。それが合図になった。
エレンの両手が私の頬を包む。撫でるような気遣いのある触り方とは違う。
私の頭、顔、口の中に、おちんちんを入れていることを確かめているんだ。
唇を閉じて亀頭を頬張ると、軽く頬を撫で回された。
エレンの視線が心地良い。
普段、エレンは私の顔を注視するようなことはない。
容姿や肉体に不満を持たれているとは思いたくないが、この瞬間、エレンが私の顔に欲情していると実感して、ようやく満たされる。
エレンの「好きなやつ」をしてあげる。
皮の被った亀頭を舌で探り、包皮の中を舐め回すやつ。
もぐもぐする私の頬を、ずっとエレンの手のひらが撫でている。
半分ほど露出した亀頭をつるつると舐め、徐々に皮を押し戻していく。
皮の中に舌を差し込み、くるくる舐め回すようにしていくと良い。
ドク、と脈打つおちんちんを逃がさないよう、唇でしっかり食んで顔を突き出しながら皮を剥いていく。
しょっぱくて生臭い味に、唾液が分泌されて脳内までエレンに犯される。
くちゅくちゅと唾液で洗うようにして、嚥下していくうちに、皮も剥けきっていた。
夢中になっている私に、エレンの呟く声が降ってきた。
「……ぅ……すげ……ミカサが……ミカサの顔が、チンコ食ってる……」
止められない震えが背筋を駆け上った。
静かにしていれば、エレンは自身を煽るように快感を呟き始める。
それを聞いて、私は身体の奥から蕩けていくようだった。
不意に、唇から亀頭を引き抜かれて「っぽ」と音を立てる。
私が何か言うより早く、唇を軽くなぞって亀頭が頬に押し付けられる。
溢れた先走りをなすりつけて、ずりずりと頬を、あごを、首筋を、こめかみを犯された。
「あ、ぁぁ……エレ……エレン……ん……」
「は……ミカサ、顔真っ赤……」
「ひ……ぁ、あ、あ……あ……」
顔中おちんちんに擦られる。嫌ではないが、羞恥にさっきのようには顔を上げられない。
サラサラと耳元で、エレンの指が髪をかき回し、顔を背けられないように支えていた。
エレンの声が獣欲に濡れ、掠れている。たぶん、私の声も。
「……はぁっ……ミカサ、気持ちいいか……?」
「……ぅ、あったかい、エレン……いい……っ」
「こんなのが、いいのかよ……」
消えたくなるほど恥ずかしい。でも今は本音を、エレンの聞きたい言葉を言わなければ。
エレンがこの行為をやめないように。
先走りでぺたつく頬から、唇におちんちんが戻ってきた。
「しゃぶって……」
求められるまま、鈴口に吸い付いてキスをする。
そのまま少しずつ唇を緩め、熱くぬめる口内におちんちんを迎え入れた。
うぅ、と犬のようなエレンの呻き声に気を良くして、私はカリ首をはじくように舌先で舐めていた。
先走りの苦味が舌の上に広がるたび、子宮が収縮し、腹筋がヒクつくのを止められなくなる。
とっくに私のあそこは愛液でドロドロだ。お漏らししたようにスカートまで染みている。
もうエレンに制止されなければ構わないだろうと、首を振っておちんちんを貪った。
ちゅこっ、ちゅこっ、と粘土の高い音を立て、喉奥まで突き当たる感覚。
「お、ぉ、お……ぉっ……」
と、一定の間隔で喘ぎとも嗚咽ともつかない声を漏らすエレン。
がらんとした倉庫の中、口淫に耽る私たちの水音が響いていた。
もうあの頃とは違う、半分しか口に含むことができない逞しい肉茎。
唇で扱き、舌で舐め回す。青筋の浮いた感触が粘膜から伝わってくる。
頬の肉を密着させ、強く吸う。エレンは昔からこれが好きだ。鈴口を舌先でやさしくほじり、精液を誘う。
目の前、エレンの下腹部が時折痙攣しているのを見つめていると、目の前にエレンの手が差し出された。
咄嗟にその手を握る。
意図が飲み込めず、おちんちんに吸い付いた間抜けな顔でエレンを見上げてしまう。
フー、フー、と荒い呼吸を繰り返すエレンは、私の手を握り返し、指を絡めてきた。間違っていなかったようだ。
私とそんなに大きさの違わない、少し節くれだった少年の指。汗で吸い付きあい、指が白くなるほど握られる。
「……んっ……」
私が声をあげると、慌てて力を緩めてきた。痛いわけじゃない。エレンのすることで痛いことなんかない。
グリップを握り続けて出来たタコを、エレンの指が愛しげに撫でた。
その感触だけで、腰が、背筋が震えてしまう。
パンパンに張った亀頭が、ぶるる……と震えている。そろそろだ。来る。
エレンの気持ちいい瞬間が。私の欲しいものが。
来て。この瞬間を、味を、匂いを、熱を、私だけが知っている。
「あ、あ、あ、ぁ……あ」
エレンはもう声を抑えようともしていない。互いの視線が交わり、その瞬間を待つ。
精液出して。飲ませて。膣の奥に叩きつけて欲しい。大好きなエレンの、精液を。
弾けそうなほど張り詰めた亀頭をすばやく舐め回し、強く吸い上げた。
「ミカ、あ、出る、出る出る、イク……イクっ……」
ぎっ、と私の指を握り締め、エレンは喉の奥に吐き出した。
ぶぴゅっ、びゅっ、びゅっ、と頭蓋骨に響くように射精される。
鈴口を舐め、ほじり、ゆるゆると唇でしごき、尿道に残る一滴まで吸い尽くす。
つんと臭いが鼻を昇ってくる。4日振りのエレンの精液。ゼリー状に固まっているのがわか
る。
一滴も唇から零さない。軽く吸いながら、ちゅっぽん、とおちんちんを解放すると、エレン
が床に崩れ落ちた。床に手を着き、ぜい、ぜい、と浅く呼吸している。
しばらく2人は、手をつないだまま揃って冷たい床に座り込んでいた。
三次創作と言っておいて、SS名だけ伏せたのが逆に良くなかったかもしれません。
ご不快に思われた方はすみませんでした。
プレイの描写などリスペクトしているつもり(寄せてあります)ですが、
まったく別の世界線の二人と思ってください。
あちらの筆が進まなくなったりしたら自分も悲しいので、ひっそりとやります。
あのSSに「YES!」を叫びたかったので……。
エレンが呼吸を整えるのを、おとなしく待つ。
とは言っても、私もすぐに動けるものではなかった。
軽くイってしまった。もう身じろぎするだけで、ねばついた内腿から水音がたつ。
握りすぎて固まった指をほどき、エレンがにじり寄ってきた。
涙を浮かべ、片手を床に着いたまま、私は見上げる。
「ミカサ、ミカサ」
うん、と頷き、私は唇を開く。「いつもの」だ。
私の舌の上に、歯も見えないほど大量に吐き出された精液。
その白濁を確認して、エレンが頷く。
お許しをもらって、私は手で口元を隠してごく、と嚥下した。
絡みつくそれは一度で飲み干せるものではない。何度か喉を鳴らし、口腔内に残ったものを舐めとり、唾液で飲み下す。
思わず目を逸らし、唇に手の甲を押し付け隠していたが、エレンの視線が私の喉に注がれているのを意識せずにいられなかった。
2人同時に、ほ、と息をつく。
水差しか何か持ってこられれば良いのだろうが、そうはいかない。
汗みずくのエレンは、喉も渇いているだろうに、まだこの遊びを終わらせるつもりはないようだった。それが嬉しい。
脱ぐタイミングを失い、じっとりとしてしまったシャツを脱ぎ捨てる。
私のスカートも酷い有様だろう。ぼんやりと、エレンのなめらかな肌が露出しているのを眺めていた。
「ほら、立てよ」
「う……」
腕を掴んでもらい、立ち上がるとくらくらした。エレンが私のスカートから砂を払う。
もたもたとエレンの指が、私の衣服を剥いでいく。
人形遊びのように、されるがままになりながら、ふと私はアルミンのことを考えていた。
どこまでなら、通常の恋人同士のやりとりと言えるだろうか。
アルミンに知られて、異常だと止められるようなことはしていないだろうか。
時々、すべて打ち明けてしまいたくなるときがある。エレンとセックスしていること、世界中に触れ回ってやりたい衝動に駆られる。
アルミンが薄々感じていることは、正解なんだと。その上で、謗られるようなことではないと言ってもらえたら。
最初の頃は、それなりにセーブできていたと思う。
私の好意、エレンの性欲。家族への慈しみ。
それがいつしか、恐らく挿入を伴うセックスを控えるようになった頃から、歯止めがきかなくなってきた。
エレンの前で、主体性を放棄し、エレンの望むことだけを考えているのが、たまらなく心地良い。
私ほどではなくても、エレンも私に依存している。私が要求を受け入れるたび、子どもが安心したように眉の緊張が緩むのが見て取れる。
エレンが、訓練中に私の腰周りを、食事中の唇を、毎日盗み見ている。
私がエレンを愛撫し、射精させるセックスから、ペッティング中心の性行為をするようになった時……エレンからの一方的な愛撫を許した時から、天秤が傾いた。
重ねた木箱の上に、スカートを敷き座るよう促される。
へその下ほどの高さ。腰掛けるには高いが、軽くよじ登る。
向き直ると、エレンのペニスはまたいきり立っていた。
何だか、この台の高さは診察台のようだ。座った私の膝に、エレンのペニスが押し付けられる。先ほどの硬度には届かないが、それはもう熱く脈打っていた。
エレンは半ば覆いかぶさるようにして、私の目の前に立ったまま。
指で私の唇をなぞり、ぷにぷにと感触を堪能していた。
指を差し入れ、舌を、口蓋を、内側から頬の肉を撫でる。
「んぅ」と声を上げたきり、抵抗せずその指を吸う私をしばらく堪能し、エレンは指を引き抜いた。
次に何をするか、もうわかっている。
そろそろと開かれた私の膝の奥、足の付け根、身体の中心。
エレンは私の性器をなぞる。唾液なんかで濡らさなくても、そこはヌルヌルと粘液を滴らせていた。
すじに沿って数往復擦られたあと、ニュルリと指が一本、侵入を果たした。
カタンと片膝が跳ね上がる。くぅ、と背を丸め、跳ねそうになる全身を抑える。エレンの肩に手をかけ、無意識のうちに首を振る。
蕩けきって、愛液にふやけたそこは、膣口をエレンの指が擦っただけで強く収縮した。
「さっきイったか?」
無慈悲なエレンの問いに、腰の震えが止まらない。
空いた手の、指の関節を噛んでいないとおかしくなってしまいそうになる。
「ミカサ」
ゆるく膣肉をかき混ぜる。緩慢な刺激がもどかしい。腰がくねりそうになるのを我慢できない。違う、こんなものじゃなくて。もっとエレンの肉を感じたい。
「……ミカサ」
知っている。言葉で嬲るため、私の快感をコントロールするための愛撫。
ぎゅっと目を閉じ、観念して白状した。
「……った……イッ……たぁ……っ」
「俺の精液で?」
コクコクと首を振ると、ヌルリと指がもう一本増やされた。
ぶるっ、と内腿が震え、膣壁が収縮する。指を噛み締め、形を覚えようとしている。
あいつが、ミカサの尻に覆いかぶさる。
「……して。早く、エレン」
「ちょっと待てって」
まさか。まさか本当に。
しばらくごそごそと位置を狙っていたようだが、ある場所で止まった。
その瞬間。
「ぁ……ひぁあ…あっ…んぁあああんっ!」
笛が鳴ったのかと思った。
とんでもなく高い声で、あのミカサが鳴いていた。
その一声の後は、自分の手で口を覆っている。
なんだ、今のは。
本当にミカサの声か。さっきまで普通だったのに。
冷静な顔と声で何を押し殺していたのか。
男の汚ねぇ尻の陰から、ミカサの白い腿がぶるぶる震えているのが見える。
挿れやがった、ミカサに。
一体いつから、あいつらはこんなことしてたんだ。
面白いほど愛想のない、腕っ節も座学もそこらの男よりは上で、ちょっと近寄りがたい美人。それがミカサなのに。
今、目の前で叱られるガキのように裸の尻を突き出し、チンポハメられてるのがミカサだって?
犬の交尾と大差ないこれが、ミカサのセックスだって?
ミカサの震えが落ち着くのを待っていたのか、そのうちエレンが腰を振り始めた。
ねっちゃねっちゃという、泥を捏ねるような音が微かにここまで届く。
それに合わせて、ミカサが「んぅ」「ぅ、うぅ」と指の間から嗚咽を漏らす。
そのせいで、中でエレンの奴がどう動いているのか、よく伝わってきた。
押し出されるような声は、奥まで突っ込まれたときに出るのか。
はぁ、はぁと獣のような息を吐きながら、目の前でエレンとミカサが性交している。
これが初めて見る生のセックスか。
糞だ。
それでも、ミカサの白い肌が薄闇にチラチラするのから目を離せない。
またあの声が聞けないか、待っていた。
俺に突っ込まれても、あんな風になるんだろうか。
腰をぶつける音が高くなっていく。
ゆるくえぐるような腰の振り方が、打ち付けるようなものに変わった。
カクカクと腰を振る死に急ぎ野郎の下で、ミカサの身体も揺さぶられている。
「ミカサ、ミカサ……っ」
「ひぅ……んんっ…くぁあんっ…え、れ」
「ちんちん気持ちいいか……」
「ん、う、ぅ……ぅんっ……うん……っ」
「本当、いい加減にしろよ……こっちの身にもなれ……っく」
腰を抱えられて、本当に犬の交尾そのものだった。
……交尾。
そうだ。あいつら、避妊は?
サックか何かをつけている様子はなかった。
混乱する。俺はとんでもないものを見てるんじゃないか。
セックスなんてもんじゃない。狂気に呑まれて、じわりと背中に嫌な汗が走る。
こいつら、種付けしてる。
不意にエレンが動きを止め、少し背筋を伸ばした。
その途端、ミカサが振り向いて細い声で懇願する。
「やだ、エレン……抜かない、で」
エレンの腕を掴もうとしたようだが、空振りした。
あいつがミカサの尻から腰を剥がす。
陰ってよく見えないが、濃いピンク色が見えた気がした。
尻の間、妙な窪みがテラテラと光っている。
あれが。
魅入られたように視線が引き寄せられる。あそこにズッポリハメてみたい。
エレンがこちらに背を向けて床に腰を下ろし、足を投げ出した。
「こっち来い」
命令されて疑問にも思わないのか、ミカサがこちらを向く。
シャツの下から、真っ白な腹と脚が伸びている。
厚みがある。筋肉質なはずなのに、魚の腹のように柔らかそうだ。
その真ん中。クソ、よく見えねえ。
毛がないように見えるが、女の毛がどこからどこまで生えているのが普通なのかもわからね
え。
そのままエレンに跨り、しがみついた。
対面座位ってやつか。
いつもと変わらないような、澄ました顔で、男の首っ玉にしがみついている。
目を開いたまま、貪るようにエレンに口付け始めた。
愛しい愛しいエレンのチンポ咥えて、そんなに幸せかよ。
俺の気も知らないで。どういうつもりで毎日顔合わせてたんだ、お前ら。
そのうち、ミカサが膝立ちになり、抑えがちに甘ったるい声で鳴いた。
「んっ……うううっっ……ッ……」
エレンの上で腰を振っている。悪夢だった。
ミカサがエレンのチンポに負けて、服従しきってる。
あんなに夢中で腰を振っている。
糞エレンがミカサのシャツのボタンを外し始めた。
上下に揺られて、あっという間におっぱいがこぼれ出る。
やっぱりそこも真っ白だ。その頂点の、濃いピンク色が、ぶるんぶるんと揺れている。
しかし、すぐエレンの背中に覆いかぶさられ、見えなくなる。
鷲掴みにしてるんだろうな。
ふざけんな。ミカサに胸押し付けられても気付いてないような顔してたくせに。
「ぅ、ミカサ、きつい」
「ごめ、えれん、エレ……っんぅっ……ぁ、はあっ……きもち、いぃ」
腰を振りながら、背中に手を回し、口付けを再開していた。
密着している、というよりきつく巻きついている。
畜生、羨ましい。
俺だったら……ちゃんと避妊して、ミカサがドロドロになるまでハメ倒してやるのに。
(あそこにいるのが俺だったかもしれないのに)
昏い欲望が、腹の底から立ち上ってくる。
(もしかして、相手がエレンじゃなくても)
エレンが後ろに手を着き、ミカサに押し倒された。
(ちょっと強引にでも、ハメちまえば)
完全に騎乗位になる。エレンが横になると、とうとうミカサの全身が見えた。
(お、おぉお)
毎晩夢想していた裸体が、目の前で痴態を晒していた。
口をきゅっとむすんだミカサの顔は、いつもより少し険しい。必死になっている。
ガニ股になって、エレンの上でじゅぽじゅぽとチンポハメてる。
(なんだこれ。なんだこれ)
シャツを一枚羽織っただけで、胸が完全に露出している。
窮屈な服に押し込められていて、着やせしていたのか、予想よりは大きい。ぷるんぷるんと
小気味良く揺れている。
その下、しなやかにうねる腹筋の下、真っ白でなだらかな肌の最終地点。
広げられた足の間に、エレンのペニスが突き刺さっている。
時々テラテラと光を反射し、ヌルヌル感が伝わってきそうだ。
エレンがたまに腰を突き上げて見せると、不意の快感にミカサが首を振る。
覗きこめないせいで、肝心の女性器の形はよくわからない。
でも、割れ目から時々赤いようなピンク色のような、淡い色が覗く。
いつの間にか身体の震えが止まり、夢中になって記憶に焼き付けていた。
騎乗位になってから、開き直ったのかミカサがよがり声をあげ始めていた。
「あ、ぁ、エレン……っ好き、すき、すきっ」
まんこでちんぽ食いながら言うことじゃない。
もう、俺の好きな、クールビューティーの陰も形もなかった。
黒髪を振り乱し、切れ長で黒目がちな瞳に涙を貯め、唇が震えている。
「なかに、中にほしい……エレンの、精液ほしい……」
「あぁ、あぁ……!」
もう何が聞こえているのか、意味を把握するのもつらい。
「欲しけりゃ、搾り取れ、ミカサ……っ……中、すげ、ぎゅんぎゅんくる……」
「エレン……エレンん……っ」
「くぅっ……」
ずる、と座り込んだ。
見た。ミカサの膣に出された精液が、逆流して零れるところを。
それでも腰を振り続ける2人を。
気が狂ってしまいそうだ。
気づくと、パンツの中に射精していた。そのまま、萎びたペニスはうんともすんとも言わない。
これが人生最後の射精じゃねえだろうな。
(あいつら、正気じゃねえ)
這うようにして、寝所までのろのろと戻った。
下着を換え、毛布に包まる。
(犯してやる)
ミカサ。あんな淫乱だとは知らなかった。
(清廉だと思っていたのに。とっくに死に急ぎ野郎とハメまくりかよ)
絶望で目が充血していくのがわかる。
(今日のことで脅せばいい。股を開かせればこっちのもんだ)
ぐぅ、と喉が掠れた音を出した。
そのまま、ぼたぼたと涙が出てくる。
(できるわけねえ……)
肝心の息子が使い物になる気がしねえ。
エレンが戻ってきたのは、さらに深夜になってからだった。
何発もキメてスッキリか。
今すぐ殺してやりたい。
でも、俺にそんな度胸はもうねえ。
悶々としながら、朝を待った。
誰よりも早く食堂に向かう。
あいつと朝の挨拶なんかしたくなかった。
フラフラと廊下を歩いていると、澄んだ声がした。
「ジャン」
ばね仕掛けの人形のように、飛びのきながら振り返る。
いつの間にか、すぐ後ろにミカサが立っていた。
赤いマフラー、カーディガン、長いスカート。
そして、何を見ているのかわからない、表情の読めない瞳。
いつものミカサだった。
「おはよう」
「ぅお、おはよう」
「昨夜のことだけど」
心臓が凍るかと思った。
「誰にも口外しないで欲しい」
「おい、気付いてたのか」
喉に、熱した鉄のような塊がせりあがってくる。
「たぶん、ジャンが去るとき。私も驚いた」
照れも恥じらいもない。
俺のことは眼中にないってことか。
「私はいいけど、バレるのは、エレンが嫌がる」
「おま……」
「それだけ。じゃあ」
立ち去ろうとするミカサを、思わず呼び止めた。
「待てよ!」
「何?」
「いや……」
何を言えばいいのか。俺の口から、何か言うべきことなんかあったか?
あれだけ頭の中でぐちゃぐちゃに犯してやったミカサは、いつもと変わらない顔をしている
。
俺の好きなミカサが、まだここにいる。
「……身体、大事にしろよ。女、なんだから」
「大丈夫」
「あいつも……お前ら、あんまり無茶すんな」
不意に、右手に冷たいものが触れた。
ミカサの細い指が俺の手を掴んで、胸の高さまで引き上げた。
心臓が口から飛び出しそうになる。
ぎゅ、ぎゅ、と2回、力を込められた。
「ありがとう。ジャン」
ゆっくりとその手を下ろされる。
そのまま、今度こそミカサは背を向けて食堂に入っていった。
「おい」
呆然と、立っているしかない。
「おいおい」
喜ばしいことに、今の刺激だけで股間が熱くなるのを感じていた。
「ふざけんなよぉ……」
これでチャラになった気分になるなんて。
「どうなってんだよ。俺は」
ゴッ、と壁に側頭部を預ける。痛ぇ。
「誰でもいいから、他の奴にしとけよ、俺……」
無理めにもほどがある初恋だった。
それはまだ終わっていないらしかった。
-終わり-
覚醒ジャンにならミカサを任せられると思うくらい好きですジャンかっこいいジャン
惚れた女にも盲目にならないし意見も言ってくれるジャン
ミカサの傷についてエレンの目の前で言及してくれたジャン
エレミカのままごとを3年見せ付けられたのに、地下室であんな態度とっちゃう一途なジャン
ジャン大好きですわ。
また需要とネタがあれば書きにきます。
おやすみなさい。
エレンが兵服で倉庫に入っていくのはミスです。
ミカサ兵服、エレン寝巻きでした。誤字脱字はスルーしてください。
短期入院中で消灯後とか暇なので、スレが落ちなければ何か書かせてもらいます。
ミカサ「寝取られとは言っても、私は最初からジャンのものじゃない」
今更ですがトリップつけていきます
違うもの書くときは新しくスレを立てる方がいいかなと思いましたが、エロが増えるのもアレなので……。
もう少しエロ書きたいし
ジャンは失恋乗り越えられる子!!
シチュの希望とかあったらどうぞ。もうエロはここに吐き出したい。
退院までは書く時間がとれそうなので。
エレミカ厨ですがミカサなら大体いける気がします。
乙
ミカサがドスケベ素晴らしい
エレン健全やな
俺なら「もう濡れてる」発言を引っ張って言葉責めにしてたわ
小一時間ぐらい
そろそろ御褒美の一つもあげとかないとふとした瞬間に騎乗位で犯されそうww
エレン曰く「わざわざ、夜中に使用可能なうちで一番遠いトイレを選んだというのに」
ライナー曰く「どこでも済ませられるようになった方がいいぞ。ここはよく逢引に使われるらしいからな」
あれれー?お兄さんあわよくばそういう現場に遭遇して覗く気で来てるんじゃないのー?
乙
このエレンもミカサもドスケベだな
そしてそれを描きだす>>1は超弩級スケベだな(賞賛)
マザコン×ファザコン
いいね!
飯食うなら「あーん」に決まってるだろ
ナンパ男が寄ってきたのに対して「俺の女に手を出すな」はどうだろう
その延長でナンパ野郎に腕を掴まれたり触られたりしたところを「消毒」するのを見せ付けてみたり
お揃いアクセサリーとか盛り込みたいけど、もったいないので独立した別のSSにするかもしれません
悪戯でミカサがエレンの背後から抱きついて覆いかぶさる
驚いたエレンが思わず振り向くと、ミカサのほっぺと自分のほっぺがドッキング
思わず二人は赤面するも、エレンがお返しだとばかりに自分のほっぺの中で舌を動かして、くっついた部分に刺激を与える
ミカサはパニックになりかけるぐらい動揺するが、エレンはおかまいなしに続ける
つい涙目になっちゃうミカサにエレンがゴメンナサイする
あ、ただの通りすがりの変態の戯言です
>>459
くそかわ
そのレスだけでもうSSにする必要ない破壊力
エレミカいちゃラブが増えないのもそれが一因かも
しかしミカサの目から畏れが消えない。
腕を離さず、なお言い募る。
「俺たち、家でも開拓地でもうまくやってきた。同じ場所で生きてきた。好き合って当然だ
ろ」
もう一度口付けようとすると、ミカサが微かに顔を逸らして逃げる。
それにかっとなり、腕を引いて木立の中に引きずり込んだ。
いつの間にか空を雲が走り、風が強くなっていた。もう木陰も外界も同じく薄暗い。
「痛……」
ろくな抵抗もせず、目を伏せるミカサを木肌に押し付ける。
肩を強く掴む。どれだけ押さえ込もうとしても、ミカサなら簡単に跳ね除けられるだろう。
本気で拒むつもりはないと判断し、今度はエレンがミカサを抱きしめる。
「好きだ」
「エレン、だめ」
「俺の世界の中心はミカサとアルミンだ。わかってるだろ」
「私は、これ以上多くを望んじゃいけない」
「俺の身体ひとつだろうが」
「……それは私の世界全部と同じ」
肩の痛みに耐え、顔を背けながらミカサが横目でエレンを見ている。
「これ以上与えられたら、エレンを守れなくなる。弱くなる。
奪われるのが怖くなるから」
浅い呼吸を繰り返しながら、ミカサがたどたどしく言葉を紡ぐ。
「私はエレンのもの。でも、エレンは私のものにならないで」
そう言ったミカサが、深く俯く。
同時に、梢をぱたぱたと水滴が叩いた。
雨が降る。
まだパラパラと軽い音を立てるだけの雨だが、雨雲は厚い。
「エレンは、これ以上奪われたものを奪い返すために強くなると言う。
私にできるのは、今あるものを守るために戦うことだけ」
「それは……気持ちの問題だろ」
「違う。自然の摂理」
「俺が欲しいんじゃなかったか」
眩しいものを見るように、痛そうな顔でミカサがエレンを見つめる。
「……今日は」
食い込ませていた指を、ミカサの肩から離した。
「今日だけでもだめか」
返事をしないミカサの髪が、雨に濡れ始めていた。
重なる葉でも防ぎきれないほど、雨脚は強まってきている。
にわか雨だ。地面を叩き、2人を閉じ込めた。
「今日だけでもいい。受け入れてくれねえか」
「……エレンはずるい」
一瞬で、煙のような雨になった。
ミカサが唇を噛み、強い視線をエレンを射抜いた。
「私の方が、ずっと好き。エレンより好き。絶対に好き。
私だけが好きでも良かった。我慢してきた。
なのに、エレンは欲しがらせる。ひどい」
語気を強め、喧嘩腰にエレンの肩に掴みかかる。
「エレンなんか怖くない。犯されても何されても痛くない。エレンがいなくなるのが怖いだ
け。
なのに、エレンはすぐ死に急ぐ。私から奪う。アルミンと私を置いて行く。
いい加減にして」
目を吊り上げ、エレンの服を掴み、ミカサがわめく。
その声が雨音にかき消される。
「こんな、こんな関係じゃなかったら、きっとエレンは私の気持ちになんて、気づかない。
そのまま調査兵団に行って、私の知らないところで早死にする」
エレンを乱暴に揺さぶり、息を切らせる。しゃべりすぎて舌が追いつかない。
「エレンが私を好きで、いてくれるなんて、信じられない。信じない」
「好きだって言ってんだろ!」
正面から頭突きし、ミカサの額に自らのそれを押し付ける。
一瞬怯んだミカサと睨みあい、服を掴まれた手の上から握り締める。
「もしもの話ばっかり並べてんじゃねえ!
俺は巨人ぶっ殺して長生きする。それなら文句ねえだろ!」
「保証はどこにもない!」
「そんなもん誰だって同じだ! 駄々こねてばっかりいないで、覚悟決めろ!
俺はお前とアルミンを残して逝く気はねえ!」
ミカサの肩が震え、表情が崩れる。
みるみるうちに、瞳に涙の膜が張り、雨と一緒に頬を流れた。
「……死んじゃやだ」
「うるせえ、死なねえ」
ミカサがしがみつき、寄りかかってくる。
そのまま「うわあああん」と、声を上げて泣き始めた。
エレンのデレをミカサが受け入れる下地を作るのが超難産……
肩にしがみつき、しゃくりあげ続けるミカサを支え、髪を梳く。
「もう恋人でいいだろ」
2人の肩は雨にずぶ濡れで、冷え始めていた。
「いいよな」
「よく、ない、けど、いい」
子供のような顔で泣いているミカサの顔を両手で挟み、冷えたその唇を吸った。
「しょっぺえ」
「んぅ、んむ」
何度も口内を舐め取ってやる。浅い息を繰り返すミカサを慰めた。
「嘘みたい……」
腕を回してきつく抱きしめあい、ごつ、と額を押し付ける。
ぐりぐりと押してやる。
「昔はこれで泣き止んだよな」
冷たい鼻先を触れ合わせ、額を擦りつける。
「……私は、エレンの好きな女の子?」
「そうだ」
「どうしよう」
困り眉のままのミカサが、目を泳がせる。
「どうやって歩けばいいの。ここから。
エレン。足がふわふわする」
「……俺にもわかんねえよ」
ぎゅうぎゅう額を押し付ける。
困った2人は、「はは」と小さく笑った。
あれだけの轟音で地面を叩いていた雨が、ミカサが泣いている間にやんでしまっていた。
雲が切れて、また強い日差しが木漏れ日を作っている。
通り雨のあと特有の匂いがした。
ミカサがエレンの手のひらに、頬をすり寄せる。
「エレン、このままじゃ風邪をひく」
「あ、あぁ、そうだな」
名残惜しげに、張り付いていた身体を離す。
濡れた服を剥がしたエレンが、慌ててミカサを抱きなおした。
「ぅぉい!」
「何」
「どうすんだよ、その服」
ミカサはエレンの胸板に押し付けられた、自分の胸元を見下ろす。
髪から滴った水で胸元がべったりと濡れ、下着と肌に張り付いていた。
肌色まで透けて見える。
×「エレンは、これ以上奪われたものを奪い返すために強くなると言う。
○「エレンは、奪われたものを奪い返すために強くなると言う。
台詞いじってるときの消し忘れです。
いちゃラブのターンに戻ってきました。
乙!
エレンデレ素晴らしい
透けブラ良い…と思ったけどあの世界ってブラあるのか
>>478
ブラは中世からありますが、あの人たちはスポブラ未満のペラペラしか持ってなさそう
運動するから必要だろうけど
密会中はミカサノーブラです
「サシャの服なのに」
「そこかよ……」
ミカサがエレンの腕の中に身を委ねている。くっきりと浮き上がった乳房を押し付けてきた
。
「乾くまでこうしていて欲しい」
「風邪ひいちゃうだろうが! 仕方ねえ」
シャツを脱ぎ、ミカサの肩にかける。
「エレン、だめ。ちゃんと着ていて」
「走るぞ」
小走りで、また人が集まり始めた公園から抜け出す。
あの雨の中、軒も借りずにいたのは自分たちだけらしかった。
湯を使おうと、以前立ち寄った連れ込み宿に駆け込む。
他にも同じようなことをした人がいたのだろう。用意されていたタオルで頭を拭きながら、
部屋に向かった。
「エレン、先にお風呂に入って」
「お前が風邪ひいちゃうって言ってるだろ」
「私は大丈夫。風邪をひきやすいのはエレンの方」
そう言って、自らワンピースの前を開けて脱ぎ始める。
「寒がりなのはミカサだろ。一緒に入ろうぜ」
「いい」
頑固に首を振るミカサの腕を引こうとするが、動かない。
「恋人だろ」
「今まで行水だって一緒にしてた。これは慎みというもの」
そう言いながら、あっと言う間に下着まで脱ぎ捨て、タオルを頭からかぶる。
ワンピースの皺を伸ばし始めた。
「髪洗ってやるから」
「エレンは下手だからいい」
「照れてんだろ」
ミカサの手は止まらない。しかし、一瞬目が泳いだのを見逃さなかった。
「俺に世話焼かれるのは恥ずかしいんだろ。今日のミカサはへなちょこだもんな」
「そんなことはない。エレンは挑発も下手」
「こういうの慣れろよ」
犬を撫でるように、ミカサの後頭部を掻き回す。
「……今は、エレンがすること全部が恥ずかしい」
ミカサが顔を上げる。冷えて白さが増した肌に、手を当ててやる。
「あったかい」
「だろ」
腕を引くと、今度はあっさりついて来た。
洗ってやる、というほど気の利くことはできなかった。
ミカサの頭から湯を浴びせ、自分も被る。
芯まで冷えているわけでなくて良かった。
さっさとタオルで水を拭き取る。
ごく数分のことだが、エレンの世話をさせてもらえないミカサは少し不服そうだ。
タオルで頭をごしごし拭くと、黙って頭を下げていた。
その膝と背中に手をかけ、抱き上げようとする。
「エレ、なに、やめて」
驚いて暴れそうになるミカサを、横抱きに抱えた。
落ちそうになり、首にしがみついてくる。
「重てえ」
「なら、下ろして」
「下ろさねえ」
よっ、と抱きなおす。
ミカサが顔を見られないよう、首元に顔を伏せてきた。
軽々、とはいかないが、そのままベッドまで運び、タオルごと放り込んだ。
シーツの上に投げ込まれたミカサが、座りなおして軽く睨んでくる。
「いい様だな」
「恥ずかしいこと、しないで」
「俺の気持ちがわかったか」
自分もベッドに腰掛け、裸のまま頭を拭く。
ミカサが寄ってきて、タオルを奪ってエレンの頭を拭き始めた。
いつもと違い、黙って任せているエレンに、ミカサも悪い気はしない。
水分を取り、乾いたシーツの上に2人で寝そべった。
壁にかけられた白いワンピースと帽子を見る。
「内地のお嬢様が着るみたいな服だよな」
「おばさんが好きそう」
とりあえずここまで。検査とかがあるので、今日の夜と明日はお休みします。
まだエロにするか迷ってます。デートがこんなに長引くと思わなんだ。
>>367でお姫様抱っこと書いたがありがとう神様
満足です神様
>>487
これだけしか無いけど、書いておいたの……いや……でも……まず先に水を飲まないと
. -—- . やったッ!! さすがエレン!
/ ヽ
// ', おれたちにできない事を
| { _____ | 平然とやってのけるッ!
(⌒ヽ7´ ``ヒニ¨ヽ
ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′ そこにシビれる!
/´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {. ヽ _ _ あこがれるゥ!
`r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ ) ( , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
{(,| `'''7、,. 、 ⌒ |/ニY { \
ヾ| ^'^ ′-、 ,ノr')リ ,ゝ、ー`——-'- ∠,_ ノ
| 「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
, ヘー‐- 、 l | /^''⌒| | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
''"//ヽー、 ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿! , -===- 、 }くー- ..._
//^\ ヾ-、 :| ハ  ̄ / ノ |. { {ハ. V'二'二ソ ノ| | `ヽ
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<. / |. ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/ <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ \ `丶、 |、 \\'ー--‐''"//
\___,/| ! ::::::l、 \ \| \ \ヽ / ノ
普通は「恥ずかしい」とか「照れくさい」とか感じることを「怖い」って感じてるのがもうね
これ「未知への恐怖」だとしたらものすごく悲しくなってくるな
あるいは大事なものが失われた(しかも2度)「既知の苦痛への恐怖」だとしてもやっぱりものすごく悲しい
>>634のミカサの質問に対するユミルの反応だが、こいつぁ……
翌朝。
芳しい香りと訓練兵たちのざわめく声に満たされた食堂で、アルミンとエレンはミカサを待っていた。
「わかってるね。エレン」
「……恥をかく覚悟はしてきた」
ぼそぼそと声を交わす2人の前に、意外な人物を伴ってミカサが現れた。
「エレン。アルミン。アニも一緒に食べていい?」
「は?」
「う、うん。いいけど」
「邪魔するよ」
並んで座る男2人の前に、食器を抱えた女2人が座った。
「アニ、お前、ミーナは」
「何? 私がいると迷惑?」
「そうじゃねえけど」
いただきます、と手を合わせるミカサに倣って、アニも食べ始める。
アルミンとエレンも呆気にとられながらパンをちぎった。
以前のことが以前のことだ。隣のテーブルから、小さな声で「修羅場」と野次るのが聞こえた。
「アニと仲良くなった」
「え、あぁ、良かったね」
「うん」
女にしては寡黙な2人は、雑談もせず黙々とスープを啜り、パンを食べている。
不気味にも見える光景だった。
ミカサがいつもしてくれることを、とアルミンに言われたのを思い出したエレンが歯噛みする。
頬についたパンくずを取ってやろうにも、対角線上に座られて手が届かない。
そもそも、ミカサはパンくずをつけたりしない。
一念発起、とも言える思いでエレンはスプーンを差し出した。
「ミカサ、お前、豆好きだろ」
アルミンが見守る中、少し目を丸くしたミカサが首を横に振る。
「エレンがちゃんと食べ」
ゴン、と音がした。アニがミカサの椅子を蹴ったのは明白だった。
「……いただこう」
ミカサが身を乗り出し、スプーンを口に含んだ。
一連のやり取りにエレンが混乱する。なんだ今のは。
「ミカサ、髪」
自分のスプーンでスープを飲むミカサの髪を、アニが頬から除けてやる。
「ありがとう、アニ」
粛々と行われる異様な言動に、エレンもミカサも口を挟むことができない。
「おっはようございます」
軽やかな足取りで、もう自分の分を片づけたらしいサシャが声をかけてきた。
「余ってるパンはありませんか?」
「今日はねえな」
「サシャ、少しあげよう。昨日のお詫び」
ミカサの声にサシャが動揺を見せる。
「え、あ、こちらこそ昨夜はお役に立てませんで」
「はい」
ちぎったパンを差し出され、なぜか赤くなりながらサシャがテーブルに回り込んだ。
ミカサにパンを渡されると、周りを窺う素振りをしながら、さっと手を伸ばした。
「み、みかさはいいこですね」
ミカサの耳で切りそろえられた黒い髪を2回撫で、野うさぎのように駆け去っていった。
その方向から、ユミルの馬鹿笑いが聞こえる。
口からパンを落としたエレンを見て、ミカサが席を立つ。
「こぼしてる」
「い、いいよ」
「朝はちゃんと食べて。エレン」
いつもの調子でそういうミカサの乱れた髪を、またアニが直してやっていた。
味もわからないような状態で、アルミンとエレンがやっと食事を終えようというとき、
「エレン、今日の対人格闘訓練は、私と組んで欲しい」
そう言って、ミカサが今日初めてエレンを見つめた。
「え、やだよ。お前手加減するじゃん」
「しない。お願い」
お願い、という聞き慣れない言い方にエレンは面食らう。
その沈黙を否と受け取ったのか、ミカサは寂しそうに呟いた。
「組んでくれないならアニと組む」
ますます口の塞がらないエレンだが、何とか言い返した。
「いや、いつも俺はアニと」
「別に約束してるわけじゃないよ。あんたが組まないならミカサと組むさ」
「ありがとう、アニ」
淡々とした声音で頷きあう女2人に、何も口を挟むことはできなくなった。
「なっんっだっよっあれはぁあ」
早々に食器を片づけて出て行ったミカサとアニを見送り、エレンは食堂の出口で壁に向かって呻いた。
その背中をアルミンがさする。
「恐怖体験だったよ」
「浮気だろこれ」
「エレンだって断ったじゃない」
「動揺していつもの調子で答えちゃったんだよ……」
「あの、アルミン……エレン」
食堂から出てきた小柄な少女が、金髪を背中で跳ねさせながら駆け寄ってきた。
「あの……ユミルがごめんなさい」
「クリスタ、どういうこと?」
「私もちゃんとは教えてもらえなかったんだけど……」
心配半分、怯え半分でエレンの様子を窺う。
「ミカサを……かわいがるとか、甘やかすとか言ってたみたい」
「ミカサを?」
アルミンとエレンの声が重なる。小さく頷いて、クリスタは自分のシャツの裾を揉み絞った。
「気を悪くしたかもしれないけど……ユミルを悪く思わないで欲しいの。多分、ちょっとした悪戯だから」
「まさかアニまでユミルに指示されてるのか?」
「そうは聞いてないけど、ミカサが嫌がってないみたいだし、大丈夫なんじゃないかな……」
おい、とユミルに呼ばれ、クリスタが振り向く。
「ごめん。何かあったら私に言ってね。ユミルにはちゃんと言っておくから」
食堂から連れだって出て行く彼女たちを見て、アルミンがエレンの肩に手を置く。
「ちょっと……やりづらくなったね」
>>660
ただ蓮っ葉に振舞ってるだけなのか、クリスタのためなら枕もいとわないユミルなのかお好きな方で
女子はたいてい何人かでつるんでいるものだが、ミカサは例外ではあった。
何人か固まっているならともかく、たった1人ミカサの横にいるだけで、こんなに話しかけづらいものだとは。
昨日まで、話しかけるだけならいくらでも機会があっただけに歯痒い。
座学の席も、アルミン、エレン、ミカサ、アニの順で並ばれてしまうと、もう何を話しかければいいのかわからなかった。
なぜアニなのか。
他の女同士のペアと違い、楽しげな雰囲気でもないのに親密に振る舞うのが気にかかる。
行き場のない苛立ちから、エレンは何度もペンを持ち直す。
(エレン)
不意にミカサが顔を寄せて、囁いてきた。
咄嗟に顔を離してしまう。
(な、なんだよ)
(今、教官が消した板書、最後を写し損ねた。エレンは?)
見事に自分も書き写し損ねていた。
それは後でアルミンに見せてもらえばいいのだが、
(悪い。俺も)
(そう)
あっさりと引き下がるミカサが、なぜか腹立たしい。
アニのシャツの袖を引き、耳に唇を寄せて何事かしゃべっている。
アニの手元を覗き込み、書き写し始めた。
思わず、音もなくミカサの脛を蹴る。
ちらりとエレンの怒った顔を横目で確認したミカサが、半ば擦り寄せるようにして、優しく蹴り返してきた。
何を勘違いしたのか、手早く写したものを、少しエレンの方に寄せて見せてくる。
仕方なくそれをさらに書き写すエレンの横で、アルミンが聞こえるか聞こえないかのため息をついた。
「アニが教えてもらうのも珍しいな」
腕と同程度の長さの棒を軽く振りながら、ライナーが遠くを見やる。
棒で相手を制する訓練だった。エレンもそちらを見る。
アニがミカサのマウントを取り、その首に棒を押しつけている。
エレンと組まなければいつもうろうろとサボリを決め込んでいるアニには、本当に珍しいことだった。
「明日は雪が降るな」
「エレン。お前もおかしいな」
間合いに踏み込もうとした瞬間、ライナーにそう言われてたじろいだ。
「おかしいのはあいつらだろ」
「不貞腐れた顔してるぞ。今日ずっとな」
兄貴然として笑うライナーの懐に踏み込む。
「巣離れか」
「どっちがだよ」
「どっちもだろ」
お前も、ミカサも、とからかうように言い、エレンの足を払う。
「かわいいじゃないか。いい事だ」
「かわいくねえ」
上に乗られ、横に構えた棒を形ばかり喉元に押しつけられる。
次は、相手を壁に押さえつけて身動きもとれなくさせる練習だ。
「女っていうのはああいうもんだ。アニは好き嫌いがなさすぎた。
全部必要ない、じゃ女はやっていけない。選んだり選ばれたりの繰り返しだ」
「そういうもんか」
「そうだ」
それでは、選ばれたのはアニなのか。
ライナーは実際の年齢差より、さらに年上に見えることがある。
普段はそれを好ましく思うエレンだが、今日はどうにも虫の居所が悪い。
「おい」
アニたちの方向に向けて顔を上げたライナーが、エレンを呼ぶ。
はっとそちらを向くと、アニがミカサの手を引いて立ち上がらせるところだった。
ミカサが自分の首元を押さえている。
その手から、赤い色がこぼれているのが見えた。
マフラーを外しているのに。
咄嗟にライナーの身体の下から抜け出て、エレンは駆け出す。
「ミカサ!」
呼んで、たどり着くより先に「大丈夫」とミカサの声で制された。
「引っかかっただけ」
「どうしたんだよ!」
「エレン、静かにして」
強い剣幕で迫るエレンの前で、アニがミカサの髪をかきあげて傷を確認する。
「耳の下を切ったね」
「たいした傷じゃない。痛みもない。アニ、気にしないで」
「ほとんど頬だ。ちょっと出血は多いけど」
「おい、女の顔に」
「棒が少しささくれてた。エレン、落ち着いて」
「いいから傷押さえてろ」
一度経験した要領で、エレンがミカサを抱え上げる。
「医務室行ってくる」
「エレン、降ろして!」
一度横抱きにしたミカサを、荷物のように抱え直してエレンが走り出した。
鹿か何かを抱えているようにも見えた。
「あれじゃ2人とも、服が汚れちゃう」
「今日は珍しいものがたくさん見られるわ……」
クリスタとミーナが呟く横で、アニがライナーのふくらはぎを蹴り飛ばした。
「おい!」
「血だらけであんな風に抱えられちゃ、私が何したのかと思われる」
むすっとしたアニの頭を撫でようとして、またライナーが蹴られた。
とりあえず今日はここまで。
もらったネタを盛り込むのが楽しいですが恥ずかしくて死ねる。
ホモじゃないライナーのつもりだったのに
棒術がわからないので、違う何かだと思ってください。
エレミカいちゃいちゃより青春の何かが恥ずかしくてきつい。
がっつり犯すよりライトエロの方が恥ずかしいですね。なんかこそばゆいシチュください
医務室で椅子に座ったミカサの頬を消毒し、ガーゼを当てる。
「痕、残りそうか?」
「薄皮一枚切っただけ。顔だから出血量が多いけど、すぐに消える」
そう言うミカサに安堵し、エレンも椅子を出して正面に座る。
「女の顔に傷はつけるなって、母さんに怒られるところだった」
「私は兵士。傷や怪我で騒ぐのはおかしい」
「もったいねえだろ」
照れなのか、ガーゼを髪で隠すような仕草をして目を伏せるミカサに、エレンは気づいた。
やっと2人きりになれた。
ミカサの傷によって……というところに若干の後ろめたさがあるものの、やっと作戦を実行することができる。
「ミカサ、痛いか」
「平気」
ガーゼの上から触れてやる。首を竦めるように逃げられかけたが、ミカサはこらえたようだ。
ミカサは皮下脂肪が少なく、体温が低い。
ひやりとした頬に、血が絡んで固まった髪が張り付いている。
「あの、エレン」
「何」
「やっぱり、少しは痛い」
「あ、悪い」
「離さないで」
手を引こうとしたところに、手のひらを重ねられる。
ミカサの視線が落ち着かない。
「アニのせいじゃない」
「は?」
「怒らないで欲しい。多分、私よりアニの方が気にしてしまう」
顔から離した手のひらを、ミカサの腿の上に置いた。
「何なんだよ、お前らいきなり」
「アニは優しい。でも、それを押しつけたりしない。私と違って」
黒目がちな瞳は、伏せられると何を見ているのか読みとれなくなる。
「私は、押しつけがましかった。違う?」
ギッ、とミカサの腿に、エレンの指が食い込む。
「今更何言ってんだ」
「事実」
「家族だろ。恋人だろ。その程度のこと気にして離れたりするなんて」
「違う」
ミカサの肉に爪を立てるエレンの手に、白い指が添えられた。
「エレンに……ちゃんと向き合いたい」
いつの間にか、互いの息が顔にかかるほど近かった。
新しい血の臭いをさせるミカサが、まぶたを閉じる。
一瞬、何を求められているのかわからなかったエレンだが、すぐ唇の赤に吸い込まれた。
ざらりと舐める。それを合図に僅かに唇を開いたミカサの中に、舌を差し入れた。
ぬるぬると脳髄を蕩かすキスだった。ミカサの手はエレンの腕に縋っている。
この味を知っている。ミカサはエレンの獲物だ。
傷つき、弱っているときのミカサは出会った日を思い出させる。あの時、確かに獲得したものだ。
舌を吸われて恍惚とする。差し入れたエレンの舌を、ミカサが唇で食んで愛撫した。
その唇を覆うように食いつき、口蓋を、頬肉を、舌の裏を舐めて、唾液を飲み干す。
ちゅぱ、と音を立てて唇が離れた。鼻をくっつけたまま、ミカサが囁く。
「今晩、倉庫は使う?」
かっと首が熱くなるような興奮に、エレンは返答できずにいた。
混乱する脳裏に、アルミンの声が思い起こされる。
「い、いや、いい」
「そう」
気もないような声音に聞こえるが、微かに寂しそうなものが混じっていることが、長年の付き合いで感じ取れる。
「エレン」
「しない」
「お願い」
お願い。それが何を意味しているのか。
ミカサの態度の変化についていけない。先に甘えられると、想定していた甘やかし方も思い出せなくなった。
「悪い」
「エレン」
ミカサの手を振り払い、足早に医務室からエレンが駆け去る。
エレンが開け放したままの戸を、行き場のない手をあげたままじっと見ていた。
時間も置かず、金髪をかきあげてアニが顔を出す。
「すごい早さで逃げてったんだけど」
「アニ」
戸に寄りかかったアニが、腕を組んでミカサを見る。
「愚痴を聞く趣味はないから」
「アニは優しい」
「あんたはどこを見てそういうこと言ってるの?」
「アニは優しくしてくれるけど」
ぼんやりと、曲がって貼られたガーゼを撫でてミカサが呟く。
「優しくされるのも、エレンがいい」
難儀だね、と言ってアニが隣に立つ。
「大きな図体でしょげるんじゃないよ」
そう言うアニの腹に、ミカサは顔を埋めた。
ネタありがとうございます。かわいい。
隙あらば内容に突っ込んでいきます。
ミカサのかわいいジェラシーをひとつかわいく
夕食前、着替えながらベッドの上で輪になった。
「そういうことなら言ってくれれば良かったのに」
晴れやかな顔で、安心したクリスタが両手を広げた。
「はい、私をエレンだと思って甘えていいよ」
「おいおいクリスタちゃん、それは無理があるだろ」
その頭を大きく揺さぶりながら撫で、ユミルはクリスタをミカサから引き剥がした。
「こいつは目つきが凶悪なのが好みらしいからなぁ。女神様じゃ役者不足だ」
1人輪から外れていたアニがユミルを睨む。
「でも、そんなに難しいものですか?
要は家族にちゃんと甘えられるようになりたいんですよね」
ベッドの上で上体を倒し、柔軟運動しながらサシャが尋ねる。
「私は1人っ子なので、甘え下手という感覚はよくわかりませんけど」
「自分から甘えることより、急に甘やかされて取り乱さないことの方が難しい」
そう言うものですか、とサシャは投げ出した足のつま先を掴んだ。
「男の人って、ゆっくり大人になるもんだと思ってたんですけど」
「でも、いじめっ子ほど急に大人になっちゃったりもするよね。
子供時代をさっぱり脱ぎ捨てちゃうみたいに」
「性の目覚めってやつだろ」
核心に切り込んでくるユミルの背中を、アニが軽く蹴る。
「下品」
「おーこわ。アニちゃんは大きな妹ができてご機嫌だったのによ」
「ユミル、ミカサは真剣なんだよ。エレンのスキンシップは、ユミルのと違って軽薄じゃないの」
「そう、慣れないと困る。将来エレンの子供を産めない」
ひゃー、とクリスタが両手を顔で覆い、サシャがその影に隠れた。
「え、そういう話だったんですか?」
「恋したんだね……物語みたい」
爆笑するユミルの背中を、アニがまた蹴る。
「その、ミカサは、そういうことが怖くないかって聞きましたけど……その前段階でもう怖いんですか?」
「怖い。かわいいとか好きだとか言われると、どうすればいいかわからなくなる」
うーん、とサシャはブリッジ運動を始めた。
「エレンの何が怖いんでしょう?」
「どうしてそんなことを考えるのか理解できない」
「そんなことに理由なんてないよ。心からミカサのことを大切に思ってくれてるんだよ。家族だもの」
そう言い募るクリスタを、後ろから抱きしめてユミルは嘲笑する。
「私にはエレンの気持ちがわかるぜ。
クリスタかわいい、クリスタ大好き、食っちまいたい、
私の嫁になってくれ、今夜は寝かさないぜ」
「ユミルの変態と一緒にしないで!」
ごつ、とユミルの顎にクリスタが頭突きするが、腕から抜け出せない。
「かわいい、とそういうことは、結びついているもの?」
またクリスタが両手で顔を覆って、奇声をあげた。
サシャもブリッジの姿勢を崩し、枕に顔を埋める。
「おいよせ、こいつらにはまだ早い話なんだよ」
「多分、これは重要なこと」
「まあ、あいつだって男なんだから。延長線上にはあるんじゃない?」
聞いていないようできっちりと発言するアニに、ユミルが下衆な笑みを投げる。
「それどころか、下半身に直結だろ。俺の子供を産ませたいってことだよ」
「産む約束はした」
婚約者、と叫びながらサシャが足をばたつかせる。
「もしかして、理解できるかもしれない。エレン個人の主観で、私を魅力的な雌と認めたということ。違う?」
ユミルは手を叩いて爆笑し、サシャとクリスタは暴れ、アニは冷ややかな目でその狂乱を睨みつけていた。
「いいよいいよお前、立派なけだものだよ。お前も下半身に直結してるな」
「よっぽどわかりやすい。無力な子供のようだという意味よりは」
「それだけじゃないとは思うけど……」
顔が火照って涙目になったクリスタが、やっと顔を上げる。
「ミカサのことを守ってあげたいと思ってるはずだよ。
ミカサだってエレンにそういうことを言うでしょう」
「私はエレンより強いから。かわいいと思うのは仕方ない」
「それ、あいつには言わない方がいいよ。死に急ぎ野郎だって、男なんだから」
アニの言葉に困惑し、ミカサは眉を曇らせる。
「なぜ? 周知の事実」
「事実だからだよ。あいつのコンプレックスを刺激するだけで、何の益もない。
得意の対人格闘の成績を伸ばそうとしてるのだって、あんたに負けたくないからだよ」
一気に話が理解の及ばない範囲に飛んだ、という顔でミカサが固まった。
「ミカサ……男の子のそういうの、感じたことはない?」
「面白くないと思われてる、というくらいには」
「思ったより面倒くせーわ」
ユミルが頭をガリガリと掻いた。
「男を立てるってことができないんなら、せめて素直にかわいがられとけよ。性的な意味でもいいから」
「わかった」
「もう、ユミル!」
明け透けな言葉に、クリスタが枕でユミルの顔を叩いた。
「あの……好きって言われているなら、かわいいって言葉の意味も微妙に違ってくると思うんですけど」
サシャのおずおずとした声で、ミカサは膝を抱えて顔を伏せてしまった。
呆れてアニがその肩に背中を乗せる。
「そっちは練習も何もさせてあげられないわ。せいぜい慣れなよ」
>>698
ライナーを投げる程度のかわいさでしょうか
人数が増えて、どれが誰のセリフかわかりづらかったらすみません。
むしろエレンにいろんなモヤモヤが溜まって自信なくしてミカサ相手じゃ勃たなくなってほしい
性欲の有る限り一緒にいれると思ってたミカサに衝撃を与えてほしい
それで今まではなんで勃ってたの?って話になって、
エレン「昔から好きだったに決まってんだろ!」
ってなったら俺得だけどもはやネタじゃなくてシチュや
夕食もアニが同席した。
エレンが時折、ミカサとアニを探るように見ている。
「アルミン。今晩空いてる?」
ミカサの誤解を招きそうな言葉にアルミンは飛び上がりかけ、慌てて取り繕った。
「あぁ、夕飯の後なら話ができるよ」
「男の子について教えて欲しい」
後ろでジャンが食器を取り落としたらしい音がした。
目を見開いたエレンが、スープ皿にスプーンを突っ込んだまま固まる。
アニは動じずにパンをちぎっていた。
「……僕にわかる範囲なら」
「ありがとう」
その後は誰も言葉を発せず、黙々と夕餉を平らげた。
アルミンは少なくない量を残してしまったが、サシャが当然のようにさらっていった。
全員分の食器を下げようと、両腕に皿を抱えたミカサにエレンは声をかけようとした。
立ち上がったところを、アニに目配せされる。
「こっち」
アルミンにも促され、後ろ髪を引かれつつ先を歩くアニについていった。
食堂の外へ出て、建物の影に誘い込まれる。
そのまま壁に、アニが背を預けて腕を組んだ。
「ミカサが気になるんでしょ」
「お前らがおかしなことするからだろ」
「別に何の邪魔もしてないよ。あんたが勝手に焦ってるだけ」
拳を握って虚勢を張るエレンを横目で捉えて、アニは続ける。
「アルミンに、何の話をしに行くのか教えてあげようか」
「本当か」
思わず食いついたエレンの剣幕にも動じない。
「ミカサは、あんたに好きだって言われたくないんだってさ」
ぐ、と言葉が詰まる。そんなことを知られているとは思わなかった。
「言われるのが嫌なわけじゃないとも言ってた」
「そう……? かわいいとか好きだとか言われても、あんたが何考えてるのかわからないって」
アニの目元に影が差す。仁王立ちで睨みつけるエレンを前に、アニは動じない。
「ミカサがどう思ってるのか、教えてあげようか」
「は?」
「女の子の本音ってやつだよ」
組んでいた腕をほどいて背中に回し、軽く足を組む。
ゆったりしたパーカーでも隠しきれない胸の形と、腰から足にかけてのラインが強調される。
「あんたのそれって、魅力的な雌っていう意味?」
かっとエレンの顔が熱くなった。
「何言ってんだよ!」
「言葉通りだよ。性的な意味での賞賛なら理解できる、ってミカサが言ってたからね」
表情の変わったエレンに、アニが口元に微かな笑みを浮かべる。
「そんな男だと思われたくないかい」
言葉を返すこともできない。実際、そういう風にミカサを扱ってきた。
「それ……だけじゃない」
「へえ」
首を傾げ、挑発的な視線でアニがエレンを探る。
「じゃあ、かわいいって何? ミカサのどういう部分に対して? クリスタは? サシャは?」
「どうだっていいだろ。お前に関係ない」
「私は、どう?」
>>709
ストレス与えると怒りに変換されて勃起しそうな気もしますが、
それ聞いた途端ミカサに乗っかられて復活でしょうね
怪訝な顔で見るエレンに、アニは自らの胸を指し示す。
「あんたは私の身体を見た。男なんだから、私がどっちなのかわかってるだろ」
冷たい瞳がエレンを射抜く。
「抱ける女か、抱けない女か」
「……それじゃけだものと同じだ」
「でも、ミカサはそういうことだと思ってる」
エレンの目が苦しそうに伏せられる。それを問いただされるのは理不尽なことだった。
「別に、あんたが私をどう思っているかは興味ない。
どう? あんたの基準で、ありなの? 無しなの?」
「それを聞いてどうするんだよ」
「どうもしないさ」
くっ、とアニが喉を鳴らす。
「ミカサに、あんたがどういうのが好きなのか教えてあげようかと思って。どこからどこまで、ってこと」
「信用できねえ」
「別に大袈裟なことじゃない。あんた個人の評価を聞くだけだ。……私だって気になる」
耐えかねてエレンが目を逸らす。
「何赤くなってるの。そんなに素っ気なくされると自信をなくすよ。女として」
壁に寄り添っていたアニが、ゆっくりエレンに近付く。
気圧されたエレンは一歩下がるが、そこで踏みとどまった。
「いいじゃないか、ここだけの話なんだから。
それとも、自惚れてもいいの? 聞かせられないような答えだって」
「安い挑発はやめろ」
「そんな顔されても怖くないね」
アニが下から、伏せられたエレンの顔を覗き込んでくる。
透き通るような金髪の下から、大きな青い瞳がエレンを見据えた。妙に肩が細く見えた。
「クリスタは、かわいいでしょ。どういう意味合いでも魅力的だ。
サシャも、ユミルも、ミーナも、私から見れば魅力的な女の子だよ」
顔が近く、息が詰まりそうになる。アニの目が細められた。
「じゃあ、私は? これでもか弱い乙女なんだ。傷つきたくない」
「おい……離れろ」
「ねぇ、言ってよ」
アニの肩を掴み、無理やり引き剥がす。
「わかったよ! かわいいよ!」
「そうかい」
うれしそうな顔でもないくせに、声だけが満足気だった。
アニを悪者にするつもりじゃないんですが、こういう展開苦手な人はすみません。
「かわいいと思ってくれたんだね」
繰り返され、エレンは火照った顔を手の甲で拭う。
「あぁ、お前もちゃんと女だよ。それでいいだろ」
「あんたの反応もかわいいよ」
「ざっけんな」
「それで、あんたの好きっていうのは」
言いかけながら、アニが目の端で何かを見ている。
それに気づいたエレンが、はっと顔を向けた。
ミカサが立っていた。
アニを探しに来たのだろう。建物に沿ってそのまま歩いてきた形で、じっと佇んでいる。
感情が抜け落ちたような顔は、絶望しているように見えた。
咄嗟に駆け寄り、ミカサに手をかけようとする。
その腕を捕まれ、一回転して投げられた。
地面に背中を打ち付け、エレンが呻く。
「ちょっと待て……」
「エレン、今はやめて」
か細い声でそれだけ囁くと、転がったエレンの背中の泥を払った。
全身の痛みに耐えながら、エレンが身を起こしたのを確認して、ミカサは身を翻す。
まだ目が回る中、駆け去るミカサの背中を見送るエレンの横に、アニがしゃがみこんだ。
「あんたもまだまだだね」
胸ぐらを掴むつもりで、アニのパーカーの胸元を引っ張る。
「どういうつもりだよ、ミカサが行っちゃったじゃないか」
「追いかければいいんじゃない」
「あいつに追いつけるわけねえだろ!」
引っ張られて傾いだアニの口元が、笑みの形に歪んだ。
「ねぇ。ミカサに対しては、私たちに対するのと違うかわいさってことなんでしょ」
「だったら何だよ!」
「好きっていうことを込みのかわいさって、ミカサになんて伝えればいい?」
「はぁ? まだそんなこと言ってんのか……」
額を擦り、エレンの頭はまだふらついている。
「ミカサが泣いても笑っても恥ずかしいってことだよ!」
修羅場的なものが苦手な方は本当にごめんなさい。楽しいです。
「アルミン」
男子寮の前で声をかけられ、振り向いたアルミンはミカサに駆け寄った。
顔色も悪く、肩を落とした彼女は、自分より小さな身体にしがみつく。
「ミカサ、どうしたんだ」
「アルミン、エレンが好き」
疲れた声で呟くミカサの肩を揺さぶり、アルミンは歩き出した。
中庭を通って、外階段に向かう。
親に手を引かれるようにアルミンについてきたミカサは、言われるがままそこに腰を下ろした。
「つらいの?」
「つらい。アルミン、どうしよう」
気温も低くないのに、背中を丸め、縮こまったミカサは寒そうに見えた。
「エレンが他の女の子を好きになったらどうしよう」
黙って、アルミンもその隣に腰を下ろした。
ミカサの弱音を聞くのも久しぶりだった。
「ミカサはどうしたいの?」
「離れたくない」
「じゃあ、どうすればいいのかわかってるんだろ?」
「……どうしよう、アルミン」
堂々巡りするミカサの身体に身を寄せる。開拓地でしていたように。
「エレンの枷になりたくない」
「うん」
「でも、エレンを誰かに取られたくない」
「そうだね」
「自分を支配できない。どうすればいいかわからない」
すん、と鼻を鳴らしたミカサが、自分のスカートに顔を埋める。
「好きなのは私だけでいいのに」
あの頃から一歩も動けないでいるミカサに寄り添い、アルミンは空を見ていた。
刷毛で擦ったように、金色から紺青へとグラデーションがかかっている。
「ミカサ、選ばなきゃ」
今日最後の光に照らされるミカサの黒髪が、ほんの少し揺れる。
「誰だってみんなそうしてきた。僕たちが生まれる前、壁も無かった頃から。
選んでもらいたければ、選ばなきゃいけない。
エレンに、切り捨てさせたとしても」
ミカサが顔を上げた。泣きそうな顔だ。目が赤い。
でも、まだこらえている。
「怖い。アルミン」
「大丈夫だよ」
「アルミンは」
「僕は2人の傍にいる。それを選んだ」
アルミンの隣にいるのは、ずっと追いつけなかった背中の片割れだ。
いつか、置いていかれるまではずっと傍にいる。
死んでも足手まといにはならない。そう誓った。
駆けていく2人の背中を押した。
「全部与えて、あげてしまって、いつでも諦められると思ってた」
「ミカサは馬鹿だなあ」
「うん……」
「早く言ってくれれば良かったのに」
うん、と頷いたそれは、もう泣き声だった。
「まあ、ミカサの思惑通りエレンは籠絡されてたんだけどね」
「エレンは単純」
「ミカサも単純に受け取ってあげてよ」
立ち上がったアルミンが、ミカサの髪を両手でかき回した。いつかエレンがしたように。
「アルミン、男の子って何」
「僕にはわからないよ」
「私は女の子のことも、よくわからない」
アルミンに手を引かれ、階段から立ち上がる。
「エレンのことだけわかりたい」
「いつでも助けるよ」
どこまでも優しいアルミンの手のひらが、ミカサの冷えた背中を擦った。
「また明日」
女子寮への分かれ道で手を振り、少し心配そうに振り返りながら立ち去るアルミンを、見えなくなるまで見送っていた。
「ミカサも単純に受け取ってあげてよ」
>>735
>「ミカサも単純に受け取ってあげてよ」
最後の一行消し忘れです。すみません。
最初からアルミンに相談すれば良かったミン
急いで入浴を済ませると、もう消灯の準備だった。
寝所に入ったミカサが、固く毛布を巻き付ける。
ほとんどの訓練兵が寝支度を整えた寮は静かだった。
目を閉じていると、近付く気配がある。
隣に眠るサシャを跨いでやってきたそれは、ミカサから薄い毛布をはぎ取った。
アニに顔を掴まれ、無理やり向けさせられる。
「泣いたんだ。やっぱり甘ったれだね」
その襟首を掴んで、寝床に押し込んだ。
体重をかけようとした時、顔に掌底が叩き込まれる。
さらに膝で蹴り上げられ、横倒しになったところを組み敷かれた。
「うるっせえ! 教官が来る前にさっさと済ませろ!」
ユミルの声に構わず、上に乗ったアニをはねのけようとする。
膝と手首に体重をかけられても、アニは小柄だ。簡単に抜け出せる。
「あんた、明日どうすんの」
そう言われると、みるみる気力が萎えていった。
アニの下でミカサは力なく首を背けた。
「情けない暫定首席だね。そんな様で、振られても知らないよ」
「もう振られてもいい。ちゃんと言う」
「あぁそう」
素っ気なく言って、ミカサの横に身を横たえた。
黙ってその胸に、自分より大きな身体をかき抱く。
「その後は、私はお役御免ってわけだ。せいせいするね」
アニの寝間着を皺にして、ミカサがぎゅうぎゅうとしがみついてきた。
もう消灯だった。廊下の明かりが落とされる。
誰のものか、小さな声で「がんばって」と呼びかけられた。
エレンは日課の筋トレも休み、毛布に固くくるまっていた。
消灯、の声がかかり、アルミンが本を閉じる。
隣に転がる布の固まりを、ぽんぽんと叩いてやった。
「エレン。ミカサは大丈夫だよ」
「おい」
暗闇の中、ジャンが声も潜めず呼びかけてくる。
「エレン、今度一発殴らせろよ」
「何でだよ。痛いだろ」
「何でもだよ」
「お前関係ないじゃん」
「うるせえ関係ねえ」
「真似すんなよ」
一時静かになる。
「ちゃんと好きだから安心しろ」
「当たり前だクソ野郎」
「なあ、何で好きなのに殴るんだよ」
コニーの声が反響し、ライナーが一喝する。
「寝ろ。夜中に恥ずかしいこと始めるな」
それを合図に、朝まで誰かが口を開くことはなかった。
エロでもいちゃいちゃでもない何かが長ったらしくてすみません。読み飛ばしてください。
ちょっと疲れたので展開考えながら休憩します。
俺はエロよりもエレンの仕返しに期待してます
相手は墜ちてるんだ、見せつけてやろうぜ。
>>752
ミカサが暴走しすぎて、何の仕返しなのかわかりません
心当たりがありすぎる
>>753
暴走時のあれは力関係が明白なんで、まあ仕方ないかなと。
それより関係の有ったアニとのイチャイチャがねえ・・
エレンの気持ちを知った後だから特に
みんななら分かるはず
ミカサの良いと思うところを3つ、述べよ
>>756
それはもうエレンに何されても仕方なしですね
>>756
エレンとミカサも含め、厳しい訓練のおかげでよく眠ることができる。
いつも通り、誰の元にも平等に朝が訪れた。
食堂でミカサとアニを迎えたアルミンは、思わず食卓に額をついた。
「ミカサ……顔は大事にして」
「転んだ」
耳下の傷に加え、左の目の下に痛々しい青あざがある。昨夜は冷やしもせずに寝てしまった
。
何事もなかったかのように席に着くミカサとアニに呆気に取られ、エレンは口を開いて固ま
っていた。
「エレンもおはよう」
「お、おはよう」
険悪な様子もなく、アニはミカサの頬の傷に髪が触れないよう、耳にかけてやる。それはもうエレンに何されても仕方なしですね
レスアンカーの消し忘れ失礼しました。
ちょっと貼り付けなおし
エレンとミカサも含め、厳しい訓練のおかげでよく眠ることができる。
いつも通り、誰の元にも平等に朝が訪れた。
食堂でミカサとアニを迎えたアルミンは、思わず食卓に額をついた。
「ミカサ……顔は大事にして」
「転んだ」
耳下の傷に加え、左の目の下に痛々しい青あざがある。昨夜は冷やしもせずに寝てしまった
。
何事もなかったかのように席に着くミカサとアニに呆気に取られ、エレンは口を開いて固ま
っていた。
「エレンもおはよう」
「お、おはよう」
険悪な様子もなく、アニはミカサの頬の傷に髪が触れないよう、耳にかけてやる。
「ねえミカサ」
「うん」
「こいつは、あんたが泣いても笑っても恥ずかしいんだってさ」
思わず口からスープを噴き出した。
「おい。アニ。おい」
「そうなんでしょ?」
「そうなの?」
ミカサに注視され、エレンは二の句が継げなくなる。
「そうなんだ」
静かにそれだけ言って、ミカサとアニは食事を続けた。
隣のテーブルから送られるジャンの視線に、アルミンだけが気づいている。
「エレン。これ以上長引いては訓練の妨げになる」
咄嗟に反応を返しそこねたが、意味がわからないはずがない。
「今日はちゃんと話そう」
「……あぁ」
女2人を見送り、アルミンと額を付き合わせた。
「何考えてるんだ、女って」
「あの2人は特例だろうから……」
ため息をつきながら、食卓に顔を伏せた。
「ミカサもわかんねえ」
「ミカサもエレンがわからないってさ」
「マジかよ……俺わかりやすいだろ……」
妙な疲れを引きずりながら、食堂を後にした。
資料室に立ち寄るというアルミンと別れて、着替えるために寮に向かう。
しかし、食堂を通り過ぎないうちに、腕を掴まれて建物の陰に引きずり込まれた。
「ミ、ミカサ」
エレンの腕を掴んだまま、壁に押しつけてくる。
抵抗する前に、唇を押しつけられた。
混乱する脳内が、甘い香りで満たされる。
何かを乞うように、何度も角度を変えながら、ミカサは唇を求めてきた。
腕は塞がれ、足の間に片足を差し入れられている。
あの日交わしたのと、同じ口づけだった。
体重をかけて胸を押しつけられ、最後に唇を赤い舌で舐められる頃には、もう抵抗する気に
もなくなっている。
「エレン。今夜、会って」
「そのつもりだったんだが」
「かわいがって欲しい」
ぎくっとエレンの顔がこわばる。
ミカサの真剣な瞳に、言葉が出ない。
「もう、怖いのも恥ずかしいのも我慢する。私を、かわいがって」
「何言ってるかわかってるのか、お前」
「決めてきた」
ドクドクと心臓がうるさい。
ミカサはさらに身体を擦り寄せてくる。
「しないって言っただろ……」
「耳が赤い」
ミカサの細い指で耳朶をこねられ、エレンは俯いた。
「ここで、アニに触った?」
「は?」
「答えて」
「何もしてねえよ」
「本当?」
吐息混じりにそう言うと、耳朶を柔らかい唇で食んできた。
ふ、ふ、と柔らかい息が吹きかかる。
ここで止めたら後が怖い。エレンはただ声を抑えることに努めた。
互いの体温が上がり、胸にかいた汗でシャツが張り付く。
肩から腰までミカサにまさぐられ、いい加減に理性が危うくなってきた頃、不意に身体を離
された。
「おい」
手を取られ、いつかのように口付けられる。
指に、甲に、掌に柔らかく湿ったものが触れていった。
最後に汗ばんだ掌に頬ずりされる。
指先に、乾いた傷がかすった。
「今晩、待っている」
そう言って、未練もなさげにミカサは踵を返す。
颯爽と立ち去る後ろ姿を見送りながら、エレンは肩で息をしていた。
>>757
きれいな水を与えれば毒素を出さないヤンデレ
事件がなかったら、内気なりに明るくかわいく育ったであろう素地
エレン命
確かにアニの件に関してお仕置きが必要な気がしますが何も考えてませんでした
何させましょうかね。もう色々プレイやったので引き出しがない
お仕置きって言ったら……
そこはおちんちんを入れる穴じゃないのに、とか?
下準備にかかる時間と手間を考えると無理だな
お仕置きされる側の協力が不可欠になるようなプレイとかおしおきとして不適
>>772
目には目を、ですがミカサは嫌がらない気がしますねエレンと同じプレイだし
訓練が休みの日に
デートの時より女の子っぽい可愛い格好をさせて
おしとやかな1日を過ごさせてみる
もちろん頭にはリボン
外出はさせない
なんとなくエレンにとっても
おしおきな気もするが
>>780
なにそれかわいい
事件がなかったifのミカサみたい
他の女子は命の危険があるのであかんです
(かわいがって欲しい)
耳の中に、その甘い声が残っている。
兵服のまま、いつもの倉庫の立て付けの悪い戸を開けた。
「いるか」
返事も待たずに、中に滑り込む。
窓からの月明かりに照らされて、いつものようにミカサが壁に寄りかかっていた。
思わずその手首を確認する。
包帯の上から、あの飾り紐をつけてきていた。
エレンを見つめ、ミカサがほんの少し目を細める。
ギッ、と音を立て、ミカサのすぐ隣に並んだ。
肩が当たるほどの距離で、同じように壁にもたれかかる。
お守り代わりのつもりらしい、長年洗われ繕われて傷んできたマフラーも巻いている。
「なぁ」
「エレン」
声が重なり、互いに向けた顔がぶつかる。
鼻が擦れると、ミカサの白い顔がみるみる赤くなる。エレンの顔も熱い。
しかし身体を離すには惜しい。そのままでいると、ゆっくりミカサが肩に頭をもたれてきた。
手と手の甲が触れ合う。
互いの重みと摩擦で、狭い倉庫の空気まで密度を増した気がした。
「好きなんだが」
その耳に触れるほど唇を近づけ、内緒話のように声を落とした。
返事はない。ミカサの肩が少し震えた気がする。
両手で抱えるようにして、ミカサが逃げられないように肩を抱いた。
「エレン」
「どうした」
「私がかわいい?」
「何度言わせるんだよ」
甘い香りを放つ黒髪を撫でて、肩に顎を乗せさせる。
「他の子に言わないで」
ぎゅう、と身体を食い込ませ、耳に頬を擦り寄せてきた。
「まだ怖い。恥ずかしい、けど。エレンが私だけに言ってくれるなら、我慢できる」
「誰にも言わねえって」
「言った」
キリ、と優しく手の甲をつねられる。思わず声が漏れた。
「言わされたんだよ」
「次はない」
そう囁くと、また耳朶を口に含んできた。
エレンの身体より厚みのある、ミカサの肉体から甘い香りがする。
機は熟したとでも言うように、蜜の香りで誘っていた。
その出所を探るように、エレンの掌が降りていく。
背中、腰と伝って、腰布を外してもミカサは抵抗しなかった。
「アニとのことなら……お前だろ」
「……ごめんなさい」
「許さないからな。一生の貸しにしてやる」
その言葉に、ミカサが歓喜を押し殺しているように見えた。
「一生」
「当たり前だろ」
「どうすればいい」
ミカサの声が掠れていた。すでに情欲に濡れている。
「今日は反省の意を示してろ」
ミカサの黒い瞳が濡れていた。エレンの表情を窺っている。
「エレン、具体的に」
「俺を拒まないこと」
「わかった。従おう」
安請け合いし、ミカサはおとなしくエレンの胸に手を添えて、口付けた。
エレンが受け身でいると、おずおずと舌を差し入れてくる。
唇に柔らかく温かいものが侵入し、舌先を探して歯をノックしてきた。
ちゅる、ちゅぐ、と唾液を啜る音が響く。
目を開いたままミカサの顔を観察すると、エレンの這い回る手に反応してまつげが震えているのがわかる。
ミカサの丸い尻を掴んで、強めに揉みしだくと、さっきからもう粘着質な音が漏れてきていた。
この分だと、抱きしめる前から濡れていたのかもしれない。
夢中でエレンの唾液を吸っているミカサのマフラーに手をかける。
ほどこうとすると、ちゅぱっ、とミカサが唇を離した。
「それは」
「外さないと汚れちゃうだろ」
「エレンの手で外さないで。怖いから」
何が怖いというのか、自分で外して丁寧にたたみ、壁にいくつもある棚の空いている場所に置いた。
その間にも、ミカサのシャツのボタンを外していく。
サポーターの下から布地を押し上げる乳房が、指に心地良い。
前をはだけさせ、白いパンツも下ろさせる。
食い込んですじが布地を噛んでいたのか、一瞬抵抗があったが下着ごと膝まで剥き下ろした。
「エレンも脱いで」
「まだいい」
膝をついたエレンの肩に手をかけ、ミカサが背を丸めている。
逆光に内腿がテラテラと光っている。もう下着まで垂れるほど滴っていた。
予感にミカサの眉が寄せられ、呼吸が荒くなっている。
「毛はないけど……やっぱり昔とは違うな」
親指をかけ、片方の陰唇を開いた。ピンク色の粘膜がヒクつき、ミカサの中身が晒されたも同然だった。
「自分ではわからない」
「複雑になってるな。襞も中のツブツブも増えたんだと思う」
そう言って、愛液を拭うように指を差し入れた。
カクッ、とミカサの膝が崩れそうになる。
「しっかり掴まってろ」
膣口の場所だけ確認して、陰唇を弄ぶ。充血した土手がふにふにと柔らかい。
「エレン、先、にエレンを出さないと」
「一回抜いてきた」
気に障ったらしく、膝でエレンの肩を甘く蹴ってきた。
「二度としないで」
「やだよ、ハンデないとミカサに適わないし」
舌よりも柔らかい肉を指先に絡めているうちに、ミカサの顔が苦悶に歪んできた。内腿が時折痙攣している。
もう片方の手で、包皮を引き上げるようにして淫核を剥いた。
過敏に反応したミカサが腰を震わせる。
愛液を塗りつけて、指先で転がしてみた。
「ぃや、やあ」
悲鳴を上げて、ミカサが指を肩に食い込ませてくる。
口に含もうとすると、ミカサが腰を引いた。
「汚い、口付けないで」
「お前だって毎回しゃぶってるだろ」
「それとこれ、と、は」
尻の肉を掴み、正面から吸いついた。「きぁ」とミカサの悲鳴とも嗚咽ともつかない叫びが聞こえた。
上唇で剥いた皮を押さえ、いつもミカサが亀頭にするように舐め回してみる。
勃起しているらしいそれは固かったが、葡萄の皮のようにツルンとして舐めやすい。
ミカサが髪を掴んでくるが、構わずに舌で転がす。舐めあげ、広げた舌で押しつぶすように圧迫してみた。
そのうち、逃げていた腰が逆に顔に押しつけられてきた。
これ幸いと、片手で膣口を探って中指を差し入れる。
ちぷぷぷ、と愛液を押し出す音をさせながら、すんなりと入った。
指の腹で中を探ろうとすると、ぎちっと痛いほどに膣に締め付けられる。
舌で弄んでいたクリトリスも、ビクビクと痙攣した。
「は、ひあ、あ」
酸素を貪ろうとしながら、ミカサが喘いでいる。
顔は見られないが、どんな表情をしているのか手に取るようにわかった。
芽に吸いつきながら、一本しか入らない締め付けから逃れるように指を出し入れする。
肉が押し返し、襞がきゅんと締め上げて奥に誘おうとしている。
エレンのペニスと勘違いしたらしい膣が、健気にも精液を吸い出そうとしていた。
そのうちに、一際固くなったクリトリスが長く痙攣してミカサが倒れ込んだ。
膝が崩れ、横倒しになる。エレンの顎まで、手首まで愛液が溢れてきていた。
鍛え抜かれた腹筋が苦しそうに上下している。
「イッたか?」
答えられずに下肢を痙攣させているミカサの足を開かせ、また顔を埋める。
「や、やめ、えれ」
初めてミカサの膣口に舌を挿入した。
とろけるような柔らかい肉の窄まりが、舌をきゅんきゅん締め付けてくる。
溺れるほどの愛液を啜り、膣肉を味わった。
甘酸っぱいような、しょっぱいような味を舐め尽くす。
ミカサは手で顔を覆いながら、回らない舌で許して許してと呟いているようだった。
舐めあげながら指でクリトリスを摘んでみると、ミカサの腰がくん、と持ち上がって落ちる。
とぷっ、とまた愛液がこぼれ出たのを確認して、やっと解放した。
ミカサが持ってきたらしいタオルで口元を拭い、ミカサの顔をぴたぴたと叩いてみる。
もう涙と汗と涎でどろどろになり、瞳は虚ろだった。
上体を抱き起こして掴まらせ、もう一度頬を叩いてみた。
「意識あるか」
「ぅ……」
力の入らない指でエレンの肩を掴むミカサが、徐々に呼吸を整える。
投げ出された足の間、まだ火照っている陰部を撫で上げてやると、一瞬目を見開いて覚醒した。
「やだ、あ、エレン」
「もう一回舐めてもいいんだが」
強く首を横に振るミカサの肌は、すっかり桃色になっていた。
エレンの責めはほとんどミカサ仕込みだった。
正確には、されてきたことを立場を置き換えてトレースしているに過ぎない。
痛みよりも快楽に弱い、というのはミカサにも言えたことだったらしい。
クンニと言われたのでとりあえずやってみました。ここまで長かったので鬱憤晴らしにちょうどいいですね
くらくらしているのか、倒れ込みそうになるミカサを足の間に座らせ、背中を預けさせる。
訓練中もほとんど汗をかかないミカサの肌がじっとりと濡れていた。
身長がほとんど変わらないので、ミカサの肩に後ろから顎を乗せる形になるが、
それで何とか覗き込む。
後ろから秘所をしつこく触り続けていた。
「かわいいな、お前」
「エレン、休ませ、て」
「拒まないんだろ」
そう言うとおとなしくなった。
がくりと首を落とし、露出したうなじも朱に染まっている。
「ミカサのオナニーはこうだっけ」
指を増やすと、目一杯広げられた膣口が窮屈だった。
片手で乳房を鷲掴み、逃げられないようにしてミカサの中をかき回す。
「エレ、ン、きつい」
「アニとどっちがいい」
指の腹で乳首を探り当て、強く弾いてやる。
膝がカタンと持ち上がり、「ひっ」と声が漏れた。
「エレン、エレン、がいい」
「本当かよ」
「すき、だ、から」
身を捩らせるミカサのうなじに顔を押しつける。熱い。
「俺も好きなのに、何触らせてんだよ」
「ごめ、ごめんなさ、い」
「他の誰にも触らせるなって、言ったことあるよな」
また泣き始めたミカサの中から指を引き抜かないままで、もう片方の手で淫核を剥いた。
くるくると指で転がしてやる。
「やだ、やだやだ、エレ、のおちんちん、が、いいから……っ」
その返答には満足したが、指は休めない。
濡れた肉を弾く音が倉庫内に響く。
ミカサが首を振って懇願し始めた。
「入れて、もう入れ、やぁ……っ……くる、また、くる……っ」
9歳の頃でも、こんな泣き声は聞いたことがなかったと思う。
力が入らなくなったミカサの拳は、童女のような力でエレンの腕を叩いている。
逃れられず、ミカサの膝がガクガクと震えて背を反らした。
「あ、あ、ぁ、えれ……」
指を食い締めながら足を伸ばし、また達したようだった。
「ミカサ、好きだから」
暗示のように、震えるミカサの耳に唇を押しつけて囁く。
「ミカサも俺が好きだよな」
「うん、うん……っ」
従順に頷くミカサの中から、ふやけた指を引き抜く。
泡立って白くなった愛液が糸を引いて切れる。
その2本の指を、ミカサの唇に押しつけた。
ちゅるる、と癖になったように飲み込まれる。
柔らかい舌が愛液を掃除し始めた。雁首を探すような動きが少し哀れだった。
「俺たち、もう好き同士なんだよな」
一瞬の間があり、
こくり、
とミカサが大きく頷いた。
すっかり舐めとられ、今度は唾液まみれになった指でミカサの唇をいじる。
整った顔の中で、特に唇は人形のそれのように作り物めいていた。
いつの間にかハァハァとミカサの耳に呼気を吹きかけていた。
そのたびに、羞恥に赤くなったミカサの耳が、肩が震えている。
「んっ、はぁ」
ただでさえ赤い唇が、ぬらぬらと光って余計に目立った。
半ば横抱きにして、こちらを向かせる。
陶然としたミカサの顔の傷を舐めた。
「……っエレン、もう、私たちは、恋人」
さっきから尻にごりごりと押し当てられていた、エレンの勃起したものをミカサが撫でさする。
「アレをして欲しい。いつもしている、ことを」
いつもの通りの、慣れたミカサの誘惑。
当然に乗ってくると思ったのだろう。ミカサの口元は挑発的な笑みを浮かべていた。
「いや、まだ」
怪訝な顔でミカサが顔を覗き込んでくる。
「付き合って一週間も経ってないし」
「どういうこと、エレン」
ぐい、とミカサの顎を掴んで、顔を固定した。
「散々待たされて、今度はミカサの好きなペースで進むわけないだろ」
むっとミカサの口元が強気に引き結ばれる。
「アレは、今までずっとしてきたこと。気持ちの問題とは別」
「性欲処理と恋人のセックスは別なんだろ」
口論ではエレンに適わないと思ったのだろう、ミカサが手を這わせて、パンツのボタンを探し始める。
一旦休憩します。
何か反動でエロ寄りになってしまって、直前のノリとちぐはぐですね。
最初の頃と矛盾があってもスルーしてください。
朝一番の口内射精を飲み込まないまま食堂に来させて、
アニの前でごっくんするとか考えたけど、お仕置きっていうより完全にプレイだ
あと元ネタのスレが一段落したようでありがてえありがてえ
本当に別ものになっちゃったけど、このスレはあくまで三次創作です
精通の人がまた書いてくれますように
>>805
お主も相当な紳士ですな
しまった、尻の穴に入れるのチンコである必要なかったんだよ
指だけなら随分手間も減るし、ミカサに見せ付けるように指を嘗める、なんてこともできたじゃん
かなり強力な羞恥お仕置きプレイになりえたのに
実際に突っ込んだ指を嘗めてもいいし、、もしくはある教授が医学生達に仕掛けたいたずらと同じオチにしてもよかったし
ただミカサだと見えてないはずの入れられた指と嘗めた指が違うことに気付く可能性がありそうで怖い
>>813
器具ならともかくエレンの指なら確実に判別できるはず
でも今回はアナル無いと思います
うっかり触るとエレンのもさせてって言い出すだろうし
「やっぱり言うこと聞かないじゃねえか」
ボタンをひとつ外したところで、ミカサの手首を掴んだ。
「エレンにこんなことをされて、我慢できない」
「今日は我慢しろ」
「デートしてくれるなら我慢する」
「は? そんなもんいつでも出来るだろ。恋人なんだから」
その返答に気を良くしたミカサが、言われた通りに手を引っ込める。
実のところ、ミカサの痴態を見せつけられて一度抜いた程度ではかなり苦しくなっている。
「どうすればしてくれる?」
「俺の気に入るように振る舞え」
言ってみたが、抽象的すぎてミカサには理解できず、エレンにも説明が難しい。
「試しに口でやってみるか」
自らパンツを脱ぎ捨て下着を下ろすと、ミカサがいそいそと座り直す。
早速口に含もうとされて、ミカサの額を押さえて止めた。
「へれん?」
「ミカサ、考えろ。これは、単に精液が溜まって勃起してるわけじゃない。性欲処理とは違う」
その白い手を取って、触れさせてみた。
「惚れた女とセックスしたくて硬くなってるんだ」
そう言うと、ミカサが火傷でもしたように手を引いた。
「お互い好き同士になれて、うれしくて興奮してる」
「エレン、あの」
抱きしめられながら腹筋に射精された日のことを思い出し、ミカサの目が泳ぐ。
「吸い出すためじゃなくて、恋人のキスみたいにやってみてくれ」
そう言うと、ミカサが縋るような目で見上げてきた。
赤くなったその顔を撫で、頬をつまんでみる。
しばらく膨れていたミカサが、観念して頷いた。
そっと肉茎を両手で握る。そのままはむ、と亀頭を半分ほど口に含まれた。
「あったけえ」
そう言ってミカサの髪を撫でると、まつげの先に涙の粒を付けたままのミカサと目が合う。
「ミカサも、俺が好きでしてくれてるんだよな」
そう言うと、口の中の唾液がどっと増した気がした。
「違うのか?」
「……ふき……しゅ、き」
それだけ言うと、エレンの腰に顔を寄せるようにして、亀頭を飲み込んでいった。
ちゅぶぶ、と肉棒が半分ほど唇に押し込まれていく。
いつものような執着とは違う、甘美な愛撫だった。
そっと舌の上に乗せられ、粘膜を一体化させるように頬の肉と口蓋に包まれる。
「お、ぉ」
エレンが小さく呻くと、唾液をいっぱいに溜めた口の中でぬるぬると舌が這い回る。
射精には足りない、ぬるま湯のような刺激だった。
真っ赤になったミカサの頬に、額に手の甲を当てて、熱を計るようにしてやる。
亀頭が張ってくる。それを慰めるように、ミカサの柔らかい舌が舐め回した。
軽く吸いつきながらちゅっ、ちゅっと音を立てて、唇で扱き始めた。
赤い唇が肉茎との摩擦で、口内に巻き込まれ、めくれあがる。
「あ、あ、ミカサ、出る、もう出る……」
それだけ呟いて、間髪入れずにどぷ、と射精した。
いつもより緩慢な刺激で吐き出され、油断していたのかミカサの唇から精液が溢れる。
トクトクと脈動させながら、5回、6回と塊を吐き出した。
「ミカサ、好き、好きだ」
そう言うと、亀頭を口に含んだままのミカサがごくりと精液を飲み下した。
「っぱぁ……」
口を離すと、まだビクビクと跳ねる亀頭にそっと口付ける。
唇にするように、鈴口にキスをして残滓を吸い出した。
「はぁ、はぁ、くっ」
エレンの呼吸も荒い。顎までこぼれた精液を、ミカサが指で集めて口に含んでいる。
「……味はいつもと同じ」
最後くらいいちゃラブで締めようと思ってたのに、調教してる気分なんですが
陶然としたミカサの身体を抱きしめる。
期待に潤んだ黒い瞳が、いつになく表情豊かに見えた。
「エレン、早く入れて」
「今日はしないって」
突き放すエレンの言葉に、ミカサがしがみついてきた。
「約束が違う」
「俺の気に入るように振る舞えたらって言っただろ」
「ちゃんとした」
「まだまだ」
ミカサの手がエレンの下半身に伸びてきた。
手首を掴むが、ギリギリと力が拮抗する。
「お前っ……いい加減にこらえろ……!」
「エレンの恥ずかしい言葉も我慢したのに」
「だからだろ!」
獣のような目で迫るミカサに負けず、エレンも睨み返す。
手首を押さえている手が痺れそうだった。
「我慢なんかおかしいだろ。慣れるまで挿入はしない」
「無理」
「舐めるのはしてやるから」
かっとミカサが激昂し、一気に押し倒してきた。
床に背中を打ちつける。
咄嗟に正面から押さえ込まれないよう、半身を捩った。
それにも構わず、ミカサが覆い被さってくる。エレンの肩に、張りのある乳房が押しつけられた。
「エレン、怒ってるの?」
「怒ってる」
「罰なら受ける。でも、こんな嫌がらせはやめて」
「嫌がらせじゃねえ!」
ミカサの側頭部に肘を当てるが、怯む様子もない。
「お前がちゃんと受け入れられるまで、恋人のセックスはしないって言ってるんだよ!」
「我慢できると言っている」
「我慢じゃねえ、そのくらいで照れてどうする」
「した方が早く慣れる」
ぎっと睨み合う。エレンに譲る気はなかった。
根負けしたミカサが力を緩めた。その隙にエレンがミカサのに腕を回す。
「期限を」
弱った声でミカサが囁く。
「期限を教えて。それまでなら」
「じゃあ、再来週の休暇で」
「……堪えられない。訓練に支障が出る」
「それまでも準備期間だと思ってがんばれ」
長く間があり、苦しそうにミカサが頷いた。
入浴時間ギリギリに湯を使い、ミカサは寮の部屋へ戻った。
全員が毛布にもぐり込み、妙に静かだった。消灯までは少し時間があるというのに。
着替えていると、そっとクリスタから声をかけられた。
「……ミカサ、うまくいった?」
「今日はそういうことはしてない」
「そ、そうじゃなくて」
クリスタが半泣きで狼狽すると、ユミルが堪えきれずクックッと笑いを漏らす。
「もう大丈夫。ありがとう」
「うん……」
身支度を整えて寝所に入る。
隣のサシャも起きている気配があった。
その日は、右手の印と飾り紐を守るように胸に抱えて眠った。
ミカサが辛抱できんようになっとるw
でも今の状態は珍しくエレンが優位に立ててるな
>>825
一気にガッといけば恥ずかしくないんだと思います
翌日の朝食後、早々にテーブルを立ったアニにエレンが追いついた。
「何の用?」
「あのな……」
先日のこともあり、どう話せばいいのか迷っていると、アニから口を開いた。
「心配しなくても、ミカサにあれ以上のちょっかい出しはしないよ」
「……そうか、助かる」
「そろそろ子守にも疲れてきたからね」
首だけ振り向いていたアニが、ゆっくり身体を向ける。
「あいつじゃ物足りなくなったら、混ざってやっていいけど」
「勘弁してくれ」
目を逸らすと、視界の端でアニが口角を上げるのがわかった。
「あいつ、結構女子には甘えるようになったよ」
「そうなのか?」
「いい言葉を教えたからね。『お願い』」
あぁ、と心当たりに頷く。
「私も、そう言われると弱いから。あいつみたいな図体でもかわいく見える」
常になく饒舌なアニに多少面食らう。
「あいつ、女の友達いなかったからさ。そういうことを教えてもらえるのは、正直助かる」
「友達? 何でもいいけど、これ以上つるむ気はないよ。ミカサはしゃべらない方だから、一緒に座るくらいならいいけど」
食器を片づけたミカサが、食堂から出てきた。
「私には、ごっこ遊びで十分」
昼食後の休憩時間、エレンに呼ばれたミカサは訓練場の端までついていく。
明るいうちに2人きりになれることは滅多にない。
これが恋人の扱いというものだろうか。
表情は平穏を装いつつ、浮き足立つ気持ちを隠した。
少し距離を開けてエレンの背中を、鳥の雛のようについていくのが楽しい。
目立たない場所に立つ、共用トイレの個室に滑り込んだ。
人目につかなければどこでもいい。鍵をかけるエレンの背中にしがみついた。
「休暇まで、呼んでくれないかと思った」
「そんなこと言ってねえだろ」
薄い板が張られた壁の隙間から光が漏れて、2人の身体に筋を描いている。
密閉性などはない。声を潜めて、エレンの耳の後ろに唇を押しつけた。
すぅ、と髪と汗の匂いを嗅ぎながら、ミカサはエレンの身体に腕を回す。
ぐりぐりと頭を押しつけていると、くすぐったそうにエレンが身を捩らせて、正面からミカサを抱いた。
訓練服からエレンの匂いが立ち上り、ミカサは太腿を擦り合わせる。
「なぁ、もしかしてこれだけで濡れてるのか?」
「うん。いつもそう」
何気ないエレンの声に、夢見るような声でミカサが答える。こういう質問には答え慣れていた。
「エレンはいい匂い」
「いや、汗くさいだろ」
「私にはいい匂い」
「ミカサって時々おかしいよな」
呆れるような声にかまわず、エレンに口付ける。
舌を絡ませていると、エレンが腰布に手をかけてきた。
本番はしてくれないと言った。素股でもしたいのだろうか。
飲ませてくれた方が汚れなくて良いのに、と考えつつ、ミカサはエレンの唇を貪る。
膝までパンツを下ろされる。まさにトイレで用を足すような格好にされた。
露出した太腿をさするエレンの股間に手をかけた。
その手を払われる。
「こっちはいい」
まさか、と思い当たり、ミカサは思わず兵服のパンツを引き上げようとする。
足を閉じられないよう片足を差し入れられ、口を押さえられた。
「汚れたの、綺麗にしてやるから」
いつもの情欲に濡れた声と違う。ミカサにあれこれと世話を焼こうとしていた、幼い頃に似たしゃべり方。
場所がわからないなら、教えてやるから。
恥ずかしいなら、母さんには一緒に言ってやるから。
あっと言う間に立場が逆転してからは、滅多に言ってくれなくなった言い回しだ。
ミカサの瞳が不安そうに足下を見回している。
それに満足したらしいエレンは、口を塞いでいた手を離した。
「お前が慣れるまでしてやるから。やばいから声出すなよ」
訓練場の方から、遠く人の声が聞こえている。
使用頻度が低いとは言え、昼休み中誰もトイレを使わないはずはない。
少しでも声を出せば、発覚するだろう。
それがわかっているのか、エレンは妙に明るく笑い、足下にしゃがみこんだ。
ミカサの膝が震えている。思わず手で股間を隠そうとするが、払いのけられた。
長い手足、凛とした雰囲気、冷静冷徹な言葉遣い。
そのミカサが、童女のように従順に、股間を晒して堪えている。
躊躇なく、その内腿にひと筋滴った愛液を舐めとった。
エレンの舌が肌に触れると、ミカサの足がぶるぶると震える。
制御できないらしく、膝が崩れないよう壁にもたれかかった。
両手で固く口を塞ぐミカサを見上げ、陰唇に指をかけて広げる。
明るい場所で観察すると、粘膜は半透明のピンク色に見えた。口の中と色はそう変わらない。
顔を埋めて遠慮なく舐め上げると、ミカサが大きく首を振った。
ふっくらしたスジを抉るようにして、愛液を掻き出す。
極力音を立てないようにしても、ぴちゃぴちゃと猫がミルクを飲むような音が響いた。
勃起した淫核が包皮から顔を出している。時々唇が触れると、ヒクヒクと蠢いていた。
愛液は甘ったるい匂いがする。果物が腐りかけているのに似ていた。
舌の先で膣口を拭うようにして愛液を吸ってやるが、キリがなかった。
そのうちにミカサの震えが大きくなり、泣きそうな声で懇願される。
「エレン、入れて……」
「だめだって」
エレンの前も痛いほど張っている。だが、ミカサの肉を支配できる昏い悦びが先に立つ。
精液は最後に飲んでもらえばいい。それまでに貪っておきたい。
「ちょっと汗の味がするな」
そう言うと、ミカサが嗚咽を漏らした。黒い髪が肩の辺りで揺れている。目が固く閉じられている。
「キリがないな。ミカサ、座れよ」
便器を指し示すとミカサが首を横に振る。
「この間……みたいなことをされたら、次は声が出てしまう」
「優しくやるから」
動かないミカサに顔を寄せ、エレンは頬ずりしてやる。
「ミカサは好きだからって俺の舐めただろ。俺だってミカサが好きなんだよ」
そう言われると、ミカサはおとなしく便器に腰掛けた。
薄手のパンツを足首まで下ろし、足を広げる。
しかし、その程度では飽きたらず、エレンはミカサの足を抱えた。
「いけない、エレン……」
囁き声で制止するが、ミカサはそれ以上抵抗しない。
ちょうど、アニに蹴られて転がったときと同じ程度に身体を屈折させると、ミカサの恥部が丸見えになった。
襞の一枚一枚、尻の穴までがちゃんと見える。
思わず喉を慣らしたエレンに、ミカサは手の甲で顔を覆ってしまった。
筋肉のついたミカサの腿の裏を片手で支え、もう片方の手でいじってやる。
本の挿し絵のように、細部までくっきりと見えるミカサの性器をかき分け、ヒクつく肉の窄まりを見つけた。
「……っぅ、あ」
そこに舌を捻じ込むと、ミカサが堪えきれずに声を漏らす。
奥から愛液を押し出すようにして、じゅるじゅると啜った。
ぬぷぷ、と膣に指を差し入れる。膣肉の動きが変わって、引き込まれそうになった。子宮が吸いつこうとしている。
「ミカサのまんこ、ちんちん入れられたと勘違いしてるんだろうな」
そう呟くと、「ひん」と泣き声をあげてミカサが震えた。
指先で胎内をこね回していると、奥にコリコリとしたものが当たる。精液を啜ろうと、子宮口が降りてきていた。
そのまま膣内から愛液を掻き出しながら、クリトリスを剥いて舐め回してやる。
「んんーっ……んーっ……」
ミカサの瞳からはもう涙がこぼれている。
これが104期生暫定首席の姿かと思うと、妙に興奮する。
淫核の固さとヒクつきを味わいながら、じっくりと転がしてやる。そうしながら、小さく囁いてみる。
「好きだ。好きだ、ミカサ」
どぷ、と堰を切ったように、胎内から愛液が溢れた。きゅんきゅんと膣が指を締め付け、ミカサの膝がガクガク震える。
なるほど、こうして慣らすこともできるのか。
言われて恥ずかしい言葉を、快感で塗りつぶしてやる。
「好きだから。好きだからしてるんだからな」
そのうちに、ミカサが痙攣して動かなくなり、エレンはようやく指を引き抜く。
従順なときのミカサは、なんだかシガンシナの家で暮らし始めた頃を思い出させる。
大人に隠れてミカサといけないことをしているようで背徳感があった。
「はあ、は、ぁあ」
せわしなく兵服を下ろし、痛いほどに勃起したペニスを取り出した。
エレンに腕を掴まれ、ミカサの上体が引き寄せられる。
「ミカサ、ごめん」
興奮の極みで声が掠れるエレンの顔を、ミカサが一瞬見上げた。
その朦朧とした顔に性器を突きつける。勝手に口の中に押し込んだ。
「んぶ、ん……んぅ」
ちゅぶちゅぶと飲み込まれる。
いつもならミカサに絞り取られるところを、待ちきれずにエレンが腰を振り始めた。
俗に言うイラマチオというやつだ。苦しそうな嗚咽を漏らしつつ、舌の上に、口蓋にペニスを擦られる。
ミカサの整った顔が苦悶に歪む。唇がめくれ、カウパー混じりの唾液でぬめっている。
「ぁ、あ、あ、ミカサ、好きだ」
エレンは喉を反らし、天井に息を逃がした。
そのうち我慢できず、ミカサの喉にまで亀頭を押し込んでしまう。
「おぐっ」と悲鳴のような声が聞こえたが、それ以上は堪えたようだ。
エレンの腰に腕を回し、腰布を掴んでミカサが顔を犯されている。
「気持ちいい、ミカサ。出る。出る出る、イク……」
いつものように申告して、喉の奥に欲望を吐き出した。
びゅるる、どぴゅ、と精液が喉奥に流し込まれる。
器用にそれをミカサが飲み干し、舌で裏筋を刺激してきた。
「うわ、それ、やばい、ミカサ」
最後のカスまで吐き出して、ミカサの唇から肉茎を引き抜いた。
一瞬、喉までぽかりと開いた穴が見える。ただの口腔が卑猥なものに見えた。
「かはっ……はぁっ……ぐぅ、んん……」
ミカサが背を丸め、少しえづいて肩を震わせていた。
「だ、大丈夫かミカサ」
慌てて肩を支えてやると、安堵したようにしがみついてきた。
「悪い、また調子に乗っちまった」
「……かまわない。エレンが気に入ったなら覚えてもいい」
「いや、苦しいだろ今のは」
「私も、悪くなかった」
そう囁いて目を逸らしたミカサの股間から、新しい愛液が滴っていた。
新しい情欲が沸き立ちそうになるのを堪えつつ、足を開かせて舐め取ってやる。
もう抵抗もしないミカサが、舐めやすいように腰を突き出してきた。
軽く舐め上げて終わりにしたが、愛液の代わりにエレンの唾液でドロドロになってしまっている。
「今拭いてやるから」
「かまわない。エレンのだから」
積まれていたちり紙を取ってやったが、それを無視してミカサは立ち上がる。
唾液まみれのまま、下着を引き上げる。
「気持ち悪くなっちゃうだろ」
「望むところ」
さっさと服を直したミカサが、エレンの兵服も整えた。
「俺、考えたんだが。刷り込みってやつはどうだ」
「何をするの」
「ミカサが恥ずかしくなくなるまで、気持ちいいのと一緒に言ってやるんだよ」
トイレを出て裏から遠回りし、訓練場に戻る途中で、ミカサが立ち止まった。
エレンが振り返ると、真っ赤になって唇を噛んでいる。
「だめ」
「気持ちいいんだろ」
「それとこれとは別」
「これから毎日してやるからな」
「エレンは変態」
「好きだからしてるんだよ」
両手で耳を塞いだミカサが「エレンが変態になってしまった」と呟いてしゃがみこんだ。
うん、確かに駆逐モードとは違うナニかを覚えて変態になりつつあるなエレンは
ていうかミカサはそもそも人のこと言えんだろw
早い時間に浴場に行けば、サウナを使うことができる。
温浴効果を高めるため、湯気が逃げないようになっている大浴場の奥、個室のようになった場所にミカサは座っていた。
薄っぺらいタオルを膝にかけ、妙な気怠さの残る身体を温める。
「ミカサ、隣いいかな?」
珍しく、金髪をまとめあげたクリスタが入ってきた。
小柄な身体は、日夜の厳しい訓練に耐え抜いてもまだ華奢で、腰の辺りには女性らしい丸みが見て取れる。
ミカサと並ぶと、まるで別の生き物のように見えた。
重い斬撃を生み出す上半身の筋肉。背筋と肩の厚み。
腿はクリスタどころかエレンよりも太い。
こうして見ると、手首の太さは倍近く差がありそうだ。
「ミカサ、はい」
持ち込んだ白いタオルで、クリスタが首筋を拭ってくれる。
手を伸ばしてくるクリスタを見つめすぎたのか、おどおどと引き下がられた。
「ご、ごめんね。子供扱いみたいになっちゃって」
「ううん、違う。ありがとうクリスタ」
「そう?」
ほっとした様子で、クリスタがふにゃりと微笑む。
「まだ終わってないよね? ミカサの甘え下手を直そうっていうあれ」
「残念ながら、すぐに治すのは難しい」
「でも、最近のミカサは柔らかい感じだよ」
ミカサは、クリスタのつむじ辺りをじっと見る。
照れたクリスタが慌ててタオルで膝を隠した。
「ミカサは背も高くて、身体も逞しいから、失礼かもしれないけど。なんだか放っておけない感じ」
「私は、クリスタみたいになってみたかった」
赤くなったクリスタがタオルを揉む。
「クリスタはかわいい。いい匂いがして、柔らかい。そして気持ちが優しい」
歌うように言われて、クリスタは手で顔を覆う。
ただでさえ熱気で熱くなった頬が、りんごのようだ。
「ミカサの言い方、恋人に言われるみたいで恥ずかしいよ」
そう言ったあと、はっと顔を上げた。
「あ、違うの、ミカサは男の人には見えないけど」
「大丈夫。嫌な気はしない」
まとめそこねて一房垂れているクリスタの髪を、肩から払ってやる。
「私も、言われたらうれしいと思う」
きょとんとミカサの横顔を見ていたクリスタが、ぼっと赤くなる。
百面相をタオルで隠しながら、そっと尋ねてきた。
「あの、最近エレンといなくなるのは」
「大丈夫、セックスはしてない」
「やぁあ」
クリスタの頭から湯気が出そうだった。
「恋人がいるってどんな気持ち?」
「私も、クリスタみたいな女の子になってるような錯覚を起こす」
「もう、からかわないで」
ぺち、と盛り上がった肩の筋肉を叩かれた。
ふ、とクリスタの顔に一瞬影が差した気がした。
「誰かとの未来があるって、きっと死ねなくなるね」
そう言ったクリスタは「もう茹であがっちゃうから」と、先にサウナを後にした。
——はあ。
————はあ。
早朝、エレンに指定されたトイレでミカサは喘いでいた。
スカートの中に潜り込まれ、下着はくるぶしの辺りで丸まっている。
ぞろっぞろっと、膣内をざらざらした舌が這い回っている。
壁に押しつけられて膝を押さえられると、座り込むことができない。
顔が見えないと、自然にエレンの唇と舌の感触に集中してしまう。
小さな頃から知っているあの唇が、赤い舌が、自分の中身を引きずり出すかのような動きをしている。
これで、舌で犯されるようになって4日経っていた。
約束の期日まで、一週間もある。
何度も絶頂させられるので、睡眠の質が上がったのはありがたい。
しかし、股間だけじゃなく全身が刺激に過敏になってしまうのは困りものだった。
昨日は、エレンに髪を撫でられただけでゾクゾクと鳥肌が立った。
「っはあ、ミカサ、かわいい」
無心に女性器をしゃぶっていたエレンが、時折そう呟く。
まるでミカサ自身の胎内から響いてくるような気さえする。
そのうち、ミカサは無意識に腰を動かし始めた。
スカートの上からエレンの頭を抱え、自慰のように擦りつける。
エレンの口に含まれたクリトリスを、粘膜を擦ろうと揺さぶっていた。
膣に2本捻じ込まれた指がぎちぎちと食い締められているのがわかる。
強く締めすぎて時々痛むらしいが、ミカサ自身では制御できない。
全身が震え、軽い絶頂の後に、深く響くような快感が広がる。
「は、あ、ぁあ、えれん、すき」
一度ではやめてもらえない。
高まった気配を感じたエレンは、唇で淫核を食みながら、指先で子宮口をごつん、ごつん、
と小突き始める。
「あ、ぁ、入れて、入れ、あ、は」
無駄だとわかりながらも、ミカサは懇願の声を止められない。
「ほしい、えれん、の、おちん、あ、おちん、ちん」
無慈悲に愛撫を続けられ、今度は深く子宮に響くように達した。
「は、ぁあ、あ」
ガクガクと震える下半身をエレンの顔に擦り付けながら、ミカサは幼子のように惚けた。
食堂に人が集まる前に、身支度を整えて抜け出す。
防風林兼遊歩道を、エレンとミカサは辿った。
寄り添って歩いても、足がぶつからなくなってきた。
エレンがミカサの手首を掴むようにして引いて歩く。
手のひらだけは、エレンの方が大きい。今も昔も。
林檎の蜜のような、柔らかい金色の明け方だ。
ミカサの顔を見ると、さっきの余韻で頬に赤みが差している。
見ていることに気づいたミカサが、エレンを横目で見て微笑んだ。
たまらない気分になり、腕を引いて頭を擦り合わせる。
「ミカサ、好きだ」
そう言った途端、ミカサの膝がガクンと折れた。
砂利の上に膝を折って座り込んでしまう。
「おい、どうした」
「力が抜けた」
「珍しすぎるだろ」
腕を引き上げて立たせ、カーディガンの背中をはたいてやる。
腰の辺りの砂を落とそうとしたら、ミカサが身を捩って逃げた。
「え、痛いのか?」
「違う」
そう言うと、自分でスカートの砂を振り落とし、また並んで歩き始めた。
「大丈夫。エレンは気にしないで」
もぞ、と尻の辺りを気にしている素振りが目に留まったが、敢えて追求はしなかった。
あかんクリスタもかわいい
>>862
あざっす
進撃の女子は全員好き
とりあえず今日はここまで。
いちゃラブと調教の区別がつかなくなってきた。
>>850-852
因果応報
>>862
性根の腐ったクソみたいな人間でも
命をかけて守りたくなるのがよくわかるかわいさだよな
ミカサがどんどん女の子になってくのがたまらんな
乙!
>>865
以前のエレンとは変わってきた気がする
少し丸くなったと言うか、歪ながらもミカサを見るようになったというか
クリスタ「ミカサ…その、男の人とするのって、どんな感じ…?」
ミカサ「試してみる?」
あかんミカサが少佐に見えてきた
>>860
>たまらない気分
あーいいね
愛おしくて思わず腹の底が充血しちゃうあの感じがいいね
スマホからレスしようとしたら鳥付け損ねた
変更します
このままダラダラ書いてしまうと、1000までに終わらない気がします
後で次スレとか立てたら迷惑だろうか
本当は話が切り替わるたびに違うスレにした方がいいんだろうけど、エロが乱立したら恐縮ですし
完走したら別スレでいいんじゃない?
最初に名乗ってもらえればすぐ分かるしまた人も集まってくるよ
小学生時代に人頃してるような人なのでおk
成長してるよね
>ユミルは処女のつもりで
やっぱそうだったか!
愛については恋と合わせて古今東西色々な言葉で表現されてるよね
曰く「恋は互いに向かい合って相手を見る、愛は並んで同じものを見ること」
曰く「恋は求めるもの、愛は与えるもの」
曰く「恋は同化を求めるもの、愛は違いを認め受け入れ合う事」
俺はかつて愛は許すことだと思ってた、最近になって愛は諦めることだと悟った
このSSまとめへのコメント
最高////