海水浴に行った次の日 永水女子宿舎
初美「海水浴…楽しかったですねー」
巴「そうですねー」
霞「姫様にもいいお友達が増えてよかったわ…」
春「………」(黒糖ポリポリ)
小蒔「………zzz」
豊音「また行きたいねー」
初美「そうですねー」
参考文献『ムダヅモ無き改革』1巻,7巻
初美「って、なんであなたがここにいるですよー!?」
豊音「エヘヘ、また遊びに来ちゃったよー」
霞「あら豊音ちゃん、いらっしゃい」
豊音「おじゃましてますー」
初美「……まあ、今日も暇ですからいいですけど…。一人で来てどうするんですよー?」
豊音「せっかく昨日仲良くなったしー、はっちゃんとやってみたいことあったんだー」
初美「私とですか?」
巴「お茶入りましたよ霞ちゃん」
霞「ありがとう巴ちゃん」
初美「裸単騎大四喜(サウザンドウインド)?」
豊音「うん!」
豊音「あのね、この本に書いてあったんだよー」パサッ
初美「…漫画じゃないですかー」
豊音「すごくかっこいいんだー」
初美「…で、それがどうしたんですか?」
豊音「はっちゃんと一緒ならできると思って!」
初美「?」
豊音「私は裸単騎得意!はっちゃんは四喜和得意!」
豊音「だから、一緒に打ってやってみようよ!」
初美「はぁ…いいですか」
初美「あんなのありえないですよ、ファンタジーやメルヘンのお話ですよ」
巴「裏鬼門も大概ファンタジーやメルヘンだと思うんですけどね…」
霞「神様を降ろすだのお祓いするだのも五十歩百歩よ巴ちゃん」
豊音「ええー、はっちゃん何度も四喜和やってるのにー?」
初美「…何度もやってるからこそ、わかるんですよー」
豊音「?」
初美「いいですか、裸単騎にするってことはですよ?」
豊音「うんうん」
初美「東南西北を四つとも鳴くってことです」
豊音「うん!最後に頭がひとつ残るけどぼっちじゃないよー!」
初美「問題はそっちじゃないですよ…」
霞「あら、このおせんべいおいしいわね巴ちゃん」パリパリ
巴「熊倉先生から昨日のお礼にって、さっき豊音ちゃんからいただきました。岩手名物ですって」
初美「鳴くってことは、その牌を私以外の人が捨てるって事です」
豊音「うん」
初美「最初の2つは私もポンして揃えますけど、」
初美「3つ目4つ目なんて、警戒されて誰も捨てちゃくれないですよ」
豊音「あ…」
初美「そもそも4つ目なんて出したら普通は責任払いですし、その時点で和了りになる確率だって高いです」
豊音「うう…」
初美「私の場合、北と東を先に鳴くのも知られちゃってますから対策もされやすいですしね」
霞「あら巴ちゃん、はっちゃんがちゃんと理屈で正論を言ってるわよ」
巴「珍しいもの見つけたみたいに言わないでください…普段のはっちゃんどんだけと思ってるんですか」
豊音「でも…この本には…」
初美「その漫画は知ってますけどー」
初美「そこのシーンは、相手が記憶喪失だったじゃないですか」
初美「普通に麻雀打つのもままならない、素人未満状態だったから出してくれたんですよー」
豊音「うう…」
初美「現実じゃ無理ですー」
豊音「…………あ、暗槓!」
初美「?」
豊音「1巻ではそうだったけど…こっちの7巻では、ほら!」パラッ
豊音「3つ目4つ目は暗槓にすれば、鳴かなくっても裸単騎になるよ!」
初美「うーん、まー実際やるならそれしかないでしょうけれど…」
初美「それでもですよ、暗槓なら4枚全部ツモってこないといけないです」
初美「私の手元に南と西が来るのは、北と東が揃って鬼門ができてからですから」
初美「4枚揃うなんて滅多にないレアケースです」
初美「鬼門ができなければ裏鬼門の支配までできませんですよー」
豊音「しょんなぁ…」
霞「はっちゃんって、ああ見えて意外とSよねえ」
巴「どMだったら石牢縛りなんてご褒美ですよ」
霞「そう、私どMじゃないから分からなかったわ。わかる人は違うわね」
巴「私がどMみたいに言わないでください、今度お祓いするときうっかり手が滑っても知りませんよ」
霞「あら怖い怖い」
豊音「うう…でも…でも…」グスン
初美「あーもー泣かないでくださいよー」ヨシヨシ
霞「あらあら、頭なでてあげるのに背伸びしないと届かないなんて」ウフフ
巴「豊音ちゃん、あれでもしゃがんでるんですけど…」
初美「……わかりましたよ!なんとかできる方法を考えましょう!」
豊音「本当!?」パァァ
巴「いいんですか?あれ止めなくて…」
霞「あら、漫画に憧れて必殺技を出したいなんて可愛らしいものじゃない」
霞「ほら、ちっちゃい男の子がかめはめ波を撃ちたいって言うようなものよ」
巴「その例え、今のちびっこ達にはもうわからないですよね」
巴「ていうか私たちの頃だって既に…あっ霞ちゃんはアレでしたっけ」
霞「巴ちゃん?ちょっとのっぴきならないものが降りてきちゃったから半日くらいかけてお祓いしてくれるかしら」ゴキゴキッ
巴「そういうお仕置きの誘い方はやめてください、謝りますってば」
初美(といってもですね…実際問題、どうしたもんですよー…)
初美(私の裏鬼門にぜんっぜん無警戒だった人といえば……あの清澄のおっぱいペンギン…)
初美(ああいう、自分の効率命のデジタルさんならあるいは…?)
初美(……いやいやいや!如何にあのおっぱいだって3つ目以降は捨てませんでしたし、)
初美(いくらなんでも3つ出てくれば、デジタル的にだって四喜を警戒する選択肢の方が上っていうか誰だって責任払いの4つ目なんて捨てるわけないですよ常識的に考えて!)
初美(やっぱり…ルールもあやふやなくらいの初心者さんとか…)
初美(警戒されない人…できれば私のことを知らないくらいの人相手に、暗槓をつくるしかないですよ…)
初美(……大変だなあ……)チラッ
豊音「?」ニコニコ
初美「よし!とにかくまずは打つ相手を探しに行きましょう!」
豊音「うん!」
初美「なるべく私たちのことを知らなさそうな、初心者のいそうな雀荘を狙っていくですよー!」
豊音「おー!」
霞「あらお出かけ?」
初美「はい!いってきますよー!」
霞「麻雀打つなら相手には気をつけなさいね、あなた個人戦に出るんですから」
初美「わかってますよー」
霞「車の往来にも気をつけてね、おやつは買いすぎないで夕方までには帰るのよ」
初美「子供じゃないですよー!」
門前仲町
智美「佳織ー、ちょっと麻雀打ちに行かないかー」
佳織「?」
智美「観戦してるばっかりじゃ退屈だろー、たまには自分で打つのもいいぞー」
佳織「えっと…」
智美「こっち来てから、阿知賀の子達と打ったきりだもんなー」
ゆみ「蒲原からそんなことを言い出すとは…」
桃子「明日は雷雨っすかね?」
睦月「うむ」
佳織「うーん、でも…」
ゆみ「いいんじゃないか?行ってくれば」
佳織「加治木先輩…」
ゆみ「せっかく東京に来たんだ、色々な人と打てば妹尾にもいい経験になるだろう」
智美「ワハハ、ゆみちん話が分かるなー」
睦月「うむ、それなら私も一緒に行くよ」
桃子「私は加治木先輩と留守番してるっすから、気をつけて行ってらっしゃいっす」
佳織「じゃあ…車じゃないならいいよ…」
智美「えっ」
ゆみ「えっ」
雀荘『楽しいよ!おいで』(店名)
睦月「あ、ありましたよ雀荘」
佳織「お店の名前凄いね…」
智美「大丈夫さー。ほら、『初心者歓迎』って書いてあるぞー」ワハハ
豊音「あっ、あそこ、雀荘だよー!」
初美「『初心者歓迎』の店ですよー」
睦月「あ、あの人たち…」
智美「どうした、むっきー?」
佳織「知ってる人?」
睦月「覚えてないですか?清澄と2回戦で対戦した永水と宮守の選手ですよ」
佳織「あ…そういえば…」
智美「おー、そうだったなー。じゃあひとつお手合わせ願おうかー」
佳織「さ、智美ちゃん?そんないきなり…」
睦月「うむ、二人とも凄く強かったからいいと思いますよ」
智美「すみませーん、私達と打ちませんかー?」
初美「はい?」
睦月「間違ってたらすみません、永水の薄墨選手と宮守の姉帯選手ですよね?」
豊音「そうですけど…どうして私達を?」
初美(…まあ、豊音ちゃんの身長で見つかるなって言う方が無理ですよー)
睦月「私達、清澄高校の応援で長野から来てるんです」
智美「清澄との試合は見せてもらったぞー」
初美「!」
豊音「清澄…」
智美「私たち鶴賀学園は、県大会の決勝で清澄と戦ったんだー」
豊音「そうだったんだー」
智美「この子はまだまだ初心者なんだけど、よければ一局打たないかー」
睦月「うむ、ご迷惑でなければでいいんですが」
佳織「が、がんばります…」
初美「…初心者!?」キュピーン
初美(これは…チャンスですよー)
豊音(そうだね!)
初美「はい!ぜひお願いしますですよ!」
智美「ワハハ、よろしくなー」
豊音「でも…私達を知ってる人だと警戒されちゃうかな…」ヒソヒソ
初美「まあ、あんまり贅沢は言えないですよー」ヒソヒソ
佳織「?」
豊音「いえ!こっちの話です!」
初美「じゃあ…そちらの三人対、私達は二人でひとつの席でいいですかー?」
睦月「えっ?二対二の方がいいんじゃ…?」
初美「今回はこれでお願いしますよー」
佳織「??」
智美「まあいいさー、面白そうじゃないかー」ワハハ
初美「それじゃ…」
全員「よろしくお願いします!」
東三局 北家:豊音&初美
初美(さあ、北家がきたですよ!)
豊音(うん!がんばろうね!)
智美(ワハハ、この局は何か気合入ってるなー)
豊音(配牌もいい感じだよー!)
初美(よーし、まずはいつも通り鬼門の北と東!それから南と西を暗槓ですよ!)
豊音(うん!)
チャッ
佳織(西は…いらないよね)
タンッ
初美「あっ」
初美(いきなり……)
佳織「?」
智美「どしたー?ポン?」
初美「いえ…なんでもないですよ…」
豊音(どうしよう、もうカンできないよー)
初美(あわてないで、南を最後のカンにすればまだなんとかなりますよー)
……
チャッ
佳織(南か… これもいいや)
タンッ
初美「あっ」
豊音(うう…カンできなくなっちゃった…)
初美(と、とにかく鬼門を作るですよ!)
佳織(えっと…北)タンッ
初美「ポン!」ペーポン
佳織(…東も捨てちゃえ)タンッ
初美「ポン!」トンポン
睦月「おお…」
智美「ワハハ、インハイのときみたいだなー」
佳織「?」
数巡後
チャッ
豊音(あ…)
初美(4枚はもう揃いませんから…予想はしてましたけど…)
豊音「どーしよう……裸単騎になる前にツモっちゃったよ…」
初美「…しかたないですよ…もうラス牌ですし…」
タンッ
初美「ツモ 小四喜、8000・16000ですよー」
智美「おおー役満かー」
睦月(うむ…やはり全国レベルって凄い…)
佳織「わぁすごーい」
豊音(裸単騎にしたかったのに…)
初美(…大失敗ですよ…)
南三局 北家:豊音&初美
初美(気を取り直して!)
豊音(今度こそだよー!)
初美「ポン!」トンポン
初美(よし!まずひとつ!)
……
佳織(えっとー、これかな?)
タンッ
睦月「あっ、ロン!1000点です」
佳織「はわっ、はい…」
豊音(あ…)
智美「今のは迂闊だぞ佳織ー、へたっぴだなー」
豊音(鬼門が揃うより先に和了られちゃった…)
初美(あんな危ないところ切るんじゃないですよ…)
――終局。
初美(小四喜で1位は取りましたけど…)
豊音(裸単騎にならなかったよー…)
智美「全国の選手はさすがだなー」ワハハ
睦月「うむ…強いですね…」
初美(このまんまじゃ終われないですよー!)
豊音(うん!そうだね!)
初美「もう一局!もう一局打ちましょう!」
佳織「あ、はい!お願いします!」
睦月「うむ」
智美「ワハハ」
東四局 北家:豊音&初美
初美(きましたよ…北家…)
睦月(またあの二人の北家…)
睦月(さっきは小四喜を和了ってたけど…そう何度も和了れるとか得意技なんていうことが、本当にあるのかな?)
睦月(…うむ、試しに)タンッ
初美「ポン!」ペーポン
睦月「!」
初美(大丈夫!いけますよ!)
睦月(うむ…これは東を切れない…)
智美(ベタオリベタオリ)
佳織(今回は字牌が来ないな…)
睦月「…………」
智美「…………」
佳織「…………」
豊音初美「…………」
……
――流局。
佳織「えっと、親ノーテンです」
豊音「あー流れちゃったー」
初美「さすがに警戒された感じですよ…」
オーラス 北家:豊音&初美
豊音(最後のチャンスだよー…)
佳織(…これいらない)タンッ
初美「ポン!」トンポン
睦月(四喜、来るのかな…?今回は何もできない…)
智美(ワハハ)
佳織(…これも)タンッ
初美「ポン!」ペーポン
豊音(鬼門ができたよー!)
初美(よーし、いくですよ!)
豊音(来いっ!)
チャッ
佳織「あっ、ツモです!えっと、四暗刻!」パタッ
初美「えっ」
豊音「えっ」
智美「ワハハ、役の名前ちゃんと覚えたんだな、偉いぞ佳織ー」
睦月「うむ」
豊音初美「…………」 |||orz
――撃沈。
智美「こんな時間かー。そろそろ終わりにしようかー?」
睦月「そうですね」
初美「はい…。ありがとうございました」
佳織「ありがとうございました」
智美「ワハハ、またなー」
睦月「うむ、良い経験になりました」
初美「こちらこそですよー」
豊音「またねー」
バイバイ
初美「結局…裸単騎できなかったですね…」
豊音「うん…」
初美「それどころか、相手に役満和了られちゃいましたね…」
豊音「うん…」
初美「……やっぱり、初心者を狙うっていうのは騙してるみたいでよくなかったですよ…」
豊音「うん…。結果的に狙えてもなかったしね…」
初美「…………」
豊音「…………」
初美「帰りましょう…」
豊音「そうだね…」
トボトボ
豊音「あ…アイスクリーム屋さんだー」
初美「アラサーワンアイスですか…。いつも大体30くらいのアイスが選べるでおなじみの…」
豊音「わあー!岩手にあったお店とおんなじだよー!」
初美「チェーン店ですから東京にだってあるでしょう…鹿児島にだってありますよー」
豊音「岩手でもね、宮守のみんなで食べたんだよー!」
初美(ションボリ顔が一瞬で…しょうがないですねー)
初美「…食べていきますか?」
豊音「うん!」
店員「いらっしゃいませー」
豊音「わー、今ダブルを買うともうひとつついてくるんだってー!」
初美「みっつも食べたらおなかこわしますよー」
豊音「んー、それなら1カップ注文して二人で食べようよー!」
初美「はんぶんこですか…まあそれなら…」
豊音「期間限定の味もいっぱいあるよー!はっちゃんどれがいいー?」
初美「どれでもいいですよ…好きなの選んで注文してください」
豊音「本当!? それならね、注文のしかたとか難しい名前のアイスとか書いたメモがあるの!」ゴソゴソ
初美「言いたいだけですね…」
店員「ご注文お決まりですか?」
豊音「はい!チャレンジザトリプルレギュラーカップでラブポーションアラサーワンフルーティーデューソルベジャモカアーモンドファッジヤサイマシマシニンニクアブラカラメ」
初美「何か後半おかしいですよ!?」
店員「フヒヒwwwヤサイマシマシは無いッスwwwサーセンwww」
初美「すみません!なんでもないですよ!最初に言った3つで!」
豊音「あれー?」
……
店員「ありがとうございましたー」
初美「もう…。どこであんなの覚えたですよ?」
豊音「エイちゃんが教えてくれたんだけど…違ってたかな?」
初美「あの留学生はどんな日本文化を学んでるんですよ…」
豊音「私もよく知らないけど…大盛りの呪文だって…」
初美「……少なくとも、アラサーワンアイスで使うやつじゃないですよ…」
豊音「そうなんだ…」
初美「それじゃ、食べましょうか」
豊音「うん!」
あーん
パクッ
初美「………」モグモグ
豊音「………」モグモグ
初美「えへへ…」
豊音「えへへ…」
豊音「ごちそうさまー」
初美「元気出ましたか?」
豊音「うん!」
初美「じゃあ、帰りましょうか」
初美「一緒に打つくらい、またいつでもできますよー」
豊音「…そうだね!」
初美「よし!それじゃー、歌でも歌っていくですよー!」
豊音「うん!」
豊音初美「アーラサー、アーラサー、アーラサーアーイスー」
豊音「すーこやんがたーべてもー」
初美「かーすみちゃんがたーべてもー」
豊音初美「みーんなーでおーいしーい、アーラサーワンアーイスー」
永水女子宿舎
初美「ただいまーですよー」
ドォン
初美「? 何の音ですよ?」
豊音「なんだろう…あっちの部屋からだよ…」
初美「なんだか…嫌な胸騒ぎが…」
バタン
巴「ぐぅっ!」ドサッ
初美「巴ちゃん!?どうしたですよ!?」
巴「はっちゃん…来ちゃだめ…」
豊音「大変!血が出てるよー!」
巴「姫様の九面が…暴走してるの…」
初美「暴走!?」
豊音「わっわっ、見て、あれー!」
小蒔(九面)「「「ギャァアァァァァァァム!」」」
豊音「神代さんが宙に浮かんでるよー!」
初美「禍々しい気が満ちているですよ… これが本当に九面様…?」
巴「今…大ばば様たちを呼びに行ってます…」
巴「豊音ちゃん…あなたは逃げて…」ガクッ
初美「巴ちゃん!?巴ちゃーん!!」
初美「霞ちゃん!一体これは!?」
霞「迂闊だったわ…個人戦の調整確認に一局打っていたんだけど…」
春「ちょっと目を離した隙に…制御が利かなくなった…」
豊音「早く助けないとー!」
霞「ええ…。今みんなで抑えていたんだけど…巴ちゃんが…」
九面「「「代わりの者が来たようだな…さあ対局を続けようか」」」
豊音「対局って…」
霞「はっちゃん…巴ちゃんの代わりに卓について頂戴」
初美「!?」
初美「卓につくって!麻雀やってる場合じゃ!」
霞「これ以上暴走させないためには、それしかどうしようもないわ…」
初美「それじゃ姫様が!早くお祓いしないと命に関わるですよ!」
霞「巴ちゃんがいないと…私達じゃお祓いは無理よ…」
初美「そんな…」
豊音「何か…他に方法は無いんですか?」
春「麻雀で勝てば…あれは消えるはず…」
初美「それなら!私の裏鬼門で!」
霞「待ちなさいはっちゃん、無理に攻めていっちゃ駄目よ」
初美「!? どうしてですか!」
霞「あの九面様と打つと、和了した力が衝撃波になって降りかかってくるの…凄く危険よ」
霞「…それに、強い力をぶつけたらそれ以上に反動も返ってくるわ」
初美「反動…?」
霞「巴ちゃんは、自分が和了った跳満の反動で吹き飛ばされたのよ」
初美「!」
霞「まして役満なんて強すぎるわ!九面様に当たる前にあなたの方が消し飛んじゃうわよ!」
初美「それじゃ!姫様を見殺しにしろっていうんですか!?」
霞「私達が全滅したらそれこそ、姫様がどうなっちゃうか分からないわ!これ以上犠牲は出せません!」
霞「私が絶一門で場を抑えているから…大ばば様たちが来るまで、なんとか穏便に局を流して…」
霞「姫様には…なんとか耐えてもらうしか…」
霞「はっちゃん…わかって…」
初美「うう…」
九面「「「早く卓につくがよい…対局は終わっておらぬぞ…」」」
初美「……わかりました……」
豊音「はっちゃん…」
初美「豊音ちゃんは…下がってて…」
南一局
九面「「「ロン!8000!」」」ドォン
初美「くっ…」
南二局
九面「「「ツモ!3000・6000!」」」ズガァン
初美(うう…なんて衝撃…)
春「…………」チョイチョイ
初美「……はるる?」
春「あれ…手のところ、見て…」
初美「! …姫様の袖がボロボロに…?」
春「九面様の和了った衝撃が…反動が姫様の体にもきてる…」
初美「そんな…やっぱり早く止めた方が…」
霞「ハァ…ハァ…」
初美(霞ちゃんも…このままじゃ…)
南三局 北家:初美
初美(うう… せっかく北家なのに…)
霞(駄目よ…駄目ですからね…!)
春「………」
九面「「「…滅びよ…」」」タァン
ゴウッ
霞「うっ…」
初美(打牌しただけで…この圧力…)
霞(限界が近いわ…抑えきれない……)
春「………」タンッ
初美「! ポン!」ペーポン
霞「!? はるる!?」
春「…あれを鎮めるには…これしかない…」
春「……姫様のため……」
初美「はるる…」
霞「だめよ!危険すぎます!」
九面「「「今更無駄な足掻きよ…」」」タァン
ゴウッ
霞「くっ!」
九面「「「やりたければやるがいい…その小さな体で耐えられるのならな!」」」
霞「はるる!だめよ!」
春「六女仙は…姫様の体が一番大事…」タンッ
初美「…ポン!」トンポン
春「あとは…お願い…」バタッ
霞「はるる!!」
初美(やるしかない……でも……確かにあの九面様の言うとおり…)
九面「「「身の程を考えよ…そなたの方が無事では済むまい…」」」
初美(九面様に当てるどころか…下手したらただの自爆ですよ…)
霞(そうよ…自重して…)
初美(私一人の力じゃ……でも……姫様が……)
初美(うう……)
豊音「カン!」カァン
初美「!」
九面「「「なんだと…?」」」
豊音「やろう!はっちゃん!」
霞「豊音ちゃん!?あなたまで!?」
豊音「…ふたりならきっと大丈夫!ぼっちじゃないよ!」ギュッ
初美「…うん!」
九面「「「貴様等ァッ…!」」」
チャッ
初美「…もういっこ…、カン!」
カァン
霞「だめ!だめよはっちゃん!!」
豊音「――"友引"裸単騎!!」
霞「豊音ちゃん!!!」
初美「霞ちゃん…」
初美「あとで姫様に……いつもおやつのはんぶんこをちょっと多く取っちゃってごめんなさい、って伝えておいてくれますか…?」
霞「!?」
初美「明日からは…ぜんぶひとりで食べていいですから、って…」
霞「何言ってるの!?笑えないわよやめなさい!」
初美「それと霞ちゃんにも…」
初美「いつも…おっぱいオバケとかチチデカ魔人とか言って…ごめんなさい…」
初美「ほんとは…とってもうらやましくて…、 ……大好きだったんですよ……」
霞「ちょっと!何よチチデカ魔人って!初耳よそれ!」
チャッ
豊音(――きた!!)
初美「……さよなら、ですよ……」
霞「待ちなさい!!待って!!お願い!!」
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\ 丶 i. | / ./ /
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\ ヽ i | / / /
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ー ―――ツモ!!
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二 サ ウ ザ ン ド ・ ウ イ ン ド = 二
 ̄. 裸 単 騎 大 四 喜 ! !  ̄
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:::::::::::::::::::::::::::::::::|二/ニニニニ\ニニニニニニニ二\ニニニニ二人:::... 泣かないでください
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八::::|::∧{\{\|: : :.ァ芹苧ミ∧::::/__::::: ト. \:}
∨:/:∧芹ミ:.\: :. _)J刈〉:∨/´Y:.l:| | リ
/:/:∧从_,刈.: : : :. :.乂_ツ: : : 》ノ//l:| | /
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八:{ ‘:':':': :r―┐: : : : :イ:/ リノ
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、 ヽ ヽ / / 千の風になって
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{≧====ミ、
. 《三|:::::::::::|三》
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-‐={:i|::::::::/:i:i:\}:i:i あの 大きな空を
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. {ξi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧リ
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三三 三三 三三 三三 ――います―――
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―――いくよー、はっちゃん!
―――はいですよ、豊音ちゃん!
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胡桃「…で、なにこれ?」
豊音「サウザンドウインドごっこ!今日永水のみんなとやってきたんだよー」
塞「連日何をしにいくのかと思ったら…こんなビデオ撮って遊んでたの…」
エイスリン「ウッ…エグッ… イイハナシダナー」
塞「エイちゃん?」
豊音「みんな迫真の演技ですごかったんだよー」
トシ「…まあ、楽しかったならいいじゃないかい」
白望「………zzz」
カン
おわりです 読んでくれた人ありがとう
またどこかのスレで~
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